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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】光学変調デバイス
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/01 20060101AFI20231113BHJP
   G02B 6/125 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
G02F1/01 C
G02B6/125
【請求項の数】 24
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022030936
(22)【出願日】2022-03-01
(62)【分割の表示】P 2018526070の分割
【原出願日】2016-08-30
(65)【公開番号】P2022066318
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】1520472.0
(32)【優先日】2015-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】505318606
【氏名又は名称】ルメンタム・テクノロジー・ユーケー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ジョン・ワード
(72)【発明者】
【氏名】ニール・デイヴィッド・ウィットブレッド
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・キャノン・カーター
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-163876(JP,A)
【文献】特開2014-112171(JP,A)
【文献】国際公開第2013/018263(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/043079(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0202312(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0185978(US,A1)
【文献】特開2007-171548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00-1/125
G02F 1/21-7/00
G02B 6/12-6/14
JSTPlus/JSTChina/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノリシック集積型光変調デバイスであって、
前方エッジ、後方エッジ、および、側部エッジを含む単一の基板と、
単一の入力光ポートと、
単一の出力光ポートと、
前記入力光ポートから前記出力光ポートに光を案内するための光導波路であって、前記入力光ポートと前記出力光ポートとの間で、前記光導波路の一部分が少なくとも2つの分岐路に分割され、かつ、1つの光導波路に再結合される、光導波路であって、
前記光導波路は、前記入力光ポートおよび前記出力光ポートが前記モノリシック集積型光変調デバイスの前記前方エッジ上に位置決めされるように、前記入力光ポートから前記出力光ポートに前記光を案内する間に前記光の方向転換を生じさせるように構成され、
前記方向転換の少なくとも一部が、前記光導波路の前記分岐路内で達成される、
光導波路と、
前記少なくとも2つの分岐路の少なくとも1つの分岐路に結合されたオンチップ終端ユニットであって、前記オンチップ終端ユニットは抵抗及びコンデンサを含み、かつ、前記オンチップ終端ユニットは、前記方向転換の前の前記少なくとも2つの分岐路と、前記方向転換の後の前記少なくとも2つの分岐路と、の間に配置される、オンチップ終端ユニットと、
前記側部エッジに配置された少なくとも1つの直流(DC)電気入力端子であって、前記少なくとも2つの分岐路の少なくとも1つの分岐路に接続する前記少なくとも1つの直流(DC)電気入力端子と、
前記後方エッジに配置され、前記少なくとも2つの分岐路の少なくとも1つの分岐路に無線周波数(RF)電気信号を提供する、少なくとも1つの電気入力端子と、
を備え、
前記入力光ポート、前記出力光ポート、前記光導波路、前記オンチップ終端ユニット、前記少なくとも1つのDC電気入力端子、および、前記少なくとも1つの電気入力端子は、前記単一の基板上にモノリシック集積されている、モノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも2つの分岐路の各分岐路が、正味180°の方向転換を含む、請求項1に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項3】
前記光導波路の前記少なくとも2つの分岐路のうち少なくとも1つは、前記少なくとも2つの分岐路のそれぞれにおける光路長が実質的に等しくなるように蛇行部を備える、請求項1または2に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項4】
前記光導波路の前記少なくとも2つの分岐路は、前記分岐路のそれぞれにおける光路長が実質的に等しくなるようにそれぞれ異なる度合いで蛇行する、請求項1、2、または3に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項5】
前記前方エッジがファセットである、請求項4に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項6】
前記光導波路の1つまたは複数の各分岐路内の光に光信号を与えるために前記各分岐路に結合された1つまたは複数の変調素子をさらに備える、請求項5に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項7】
前記1つまたは複数の変調素子に電気信号を供給するために前記1つまたは複数の変調素子に結合された1つまたは複数の電気信号入力トラックをさらに備える、請求項6に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項8】
前記1つまたは複数の電気信号入力トラックは、前記少なくとも1つの電気入力端子から前記1つまたは複数の変調素子まで延在する、請求項7に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項9】
前記後方エッジは、前記モノリシック集積型光変調デバイス上の前記前方エッジの反対側に位置決めされる、請求項1に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項10】
前記1つまたは複数の電気信号入力トラックは、前記無線周波数(RF)電気信号を受信および送出するように構成される、請求項7または8に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項11】
各電気信号入力トラックが、対応する変調素子の入力に接続される、請求項7、8及び10のいずれか一項に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項12】
前記1つまたは複数の変調素子の各変調素子が、前記光導波路の1つまたは複数の各分岐路の一部分の近傍に一部分を有する少なくとも1つの導電経路を備える、請求項6から8、10及び11のいずれか一項に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項13】
前記抵抗は前記1つまたは複数の変調素子の少なくとも1つの出力に電気的に結合される、請求項6から及び10から12のいずれか一項に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項14】
前記コンデンサは、前記抵抗に電気的に結合されている、請求項13に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項15】
前記抵抗および前記コンデンサは、前記1つまたは複数の変調素子のうち少なくとも1つに前記モノリシック集積型光変調デバイス内で電気終端を与えるように構成される、請求項14に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項16】
前記1つまたは複数の変調素子は、直角位相偏移変調信号または直角位相偏移変調信号の一部を生成するために前記光を変調するように構成される、請求項7、8及び10から15のいずれか一項に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項17】
1つまたは複数の変調素子が、
振幅変調信号もしくは振幅変調信号の一部、
位相変調信号もしくは位相変調信号の一部、
振幅および位相変調信号もしくは振幅および位相変調信号の一部、または
直角振幅変調信号もしくは直角振幅変調信号の一部
を生成するために前記光を変調するように構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項18】
前記光導波路の少なくとも1つの分岐路が、前記入力光ポートの下流のスプリッタから前記モノリシック集積型光変調デバイスの中心軸の付近の経路に沿って進み、前記モノリシック集積型光変調デバイスの側部エッジの付近の経路に沿って出力光ポートへと戻り、少なくとも1つの他の分岐路が、前記スプリッタから前記中心軸の付近の別の経路に沿って進み、前記モノリシック集積型光変調デバイスの反対側側部エッジの付近の経路に沿って別の出力光ポートへと戻る、請求項1から17のいずれか一項に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項19】
前記少なくとも2つの分岐路は、内側の分岐路および外側の分岐路を含み、前記内側の分岐路は内方変調アームを備え、前記外側の分岐路は外方変調アームを備え、
前記光導波路は、少なくとも1つの屈曲部を含み、これにより、方向転換をもたらし、
前記内側の分岐路は、ビームスプリッタと前記屈曲部との間の第1のセグメントと、前記屈曲部とビーム結合器との間の第2のセグメントと、を備える、請求項1~18のいずれか一項に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項20】
モノリシック集積型光変調デバイスであって、
前方エッジ、後方エッジ、および、側部エッジを含む単一の基板であって、
単一の入力光ポートおよび単一の出力光ポートが、前記前方エッジ上に配設され、
前記入力光ポートと前記出力光ポートと間で、分岐されかつ再結合される、少なくとも2つの光導波路分岐路を有する少なくとも1つのマッハツェンダー変調器が前記モノリシック集積型光変調デバイス内に設けられ、前記光導波路分岐路は前記マッハツェンダー変調器の入力と出力との間で方向転換を個別に受け、
前記マッハツェンダー変調器に電気信号を供給するための少なくとも1つの信号ドライバ電気入力端子が前記後方エッジ上に配設される、単一の基板と、
前記側部エッジに配置され、前記マッハツェンダー変調器に接続する、少なくとも1つの直流(DC)電気入力端子と、
前記少なくとも2つの光導波路分岐路の少なくとも1つの光導波路分岐路に結合されるオンチップ終端ユニットであって、
前記オンチップ終端ユニットは抵抗及びコンデンサを含み、
前記オンチップ終端ユニットは、前記方向転換の前の前記少なくとも2つの分岐路と、前記方向転換の後の前記少なくとも2つの分岐路と、の間に配置されており、
前記入力光ポート、前記出力光ポート、前記少なくとも2つの光導波路分岐路、前記少なくとも1つのDC電気入力端子、および、前記オンチップ終端ユニットは、前記単一の基板上にモノリシック集積されている、
オンチップ終端ユニットと、
備える、モノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項21】
前記前方エッジは、集積型デバイスのファセットである、請求項20に記載のモノリシック集積型光変調デバイス。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項に記載のモノリシック集積型光変調デバイスの並列アレイを備えるチップ。
【請求項23】
前記並列アレイ内のデバイスが、2.5mm以下の並列空間周波数で配置される、請求項22に記載のチップ。
【請求項24】
前記並列アレイ内のデバイスが、1mm以下の並列空間周波数で配置される、請求項22に記載のチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学変調デバイスに関する。本発明は、特にモノリシック集積型光変調デバイスに適用される。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、「光」という用語は、光学系にて可視光のみならず可視領域の波長外の波長を有する電磁放射を意味するという意味でも使用される。同様に、「ビーム(beam)」および「光線(beam of light)」という用語は、可視光線のみならず可視領域の波長外の波長を有する電磁放射を表現するためにも使用される。
【0003】
本明細書において、「下流」および「上流」という用語は、光路上またはその近傍における構成要素同士の相対位置を表現するために使用される。特に、「下流」は、「導波路中の意図された光路に沿ったより先の」と解釈することができ、一方「上流」は、「導波路中の意図された光路に沿ったより手前の」と解釈することができる。
【0004】
典型的には、光変調デバイスは、光線が伝播する1つまたは複数の導波路を備える。一般的には、光変調デバイスは、光線がかかる導波路の1つまたは複数を通り伝播していく間にそれらの光線を変調するように構成される。光線中の光波には、位相、振幅、および偏光を含む、変調され得る多数の特性が存在する。以下の文書の大部分が、位相および振幅変調デバイスを参照として示されるが、本明細書において説明される一般的原理は、他の光特性の変調に対しても適用され得る点が理解されよう。
【0005】
電気光学変調器は、他の用途の中でもとりわけコヒーレント光線の位相を変調させるために使用され得る。電気光学位相変調器は、一般的には電気光学的効果を示す元素を含む。ニオブ酸リチウム、リン化インジウム、およびガリウムヒ素などの特定の結晶性固体が、かかる効果を示す。また、いくつかの結晶性固体の合金が、かかる効果を示し得る。電気光学的効果は、材料の屈折率がその材料に印加される電界に対して変化すると生ずる。かかる材料の屈折率の変化は、材料を伝播する光波の位相変調を引き起こすために使用され得る。
【0006】
一般的に、電気光学的位相変調器は、電気光学的効果を示す材料(電気光学的材料)に光を通過させることにより、およびその材料に変動電界を透過させることにより動作する。いくつかの例では、変動電界は、単に可変電圧源を有する1つまたは複数の平行板コンデンサの間に電気光学的材料を配設することによって実現され得る。効果的には、上述の構成は、電気光学的変調器に印加される電気信号を光位相変調された信号へと変換するために使用され得る。
【0007】
図1は、従来の光変調デバイス100を示す。この光変調デバイス100は、特にオンオフキーイング(OOK)光変調デバイスである。
【0008】
図1に示す光変調デバイス100は、基板105を備えるチップ上にモノリシック集積されている。光変調デバイス100は、入力光ポート110および出力光ポート115を備える。入力光ポート110および出力光ポート115は、デバイス100のファセットのうち反対側を向いたファセットに配設される。デバイス100は、一連の相互連結導波路120、多モード干渉(MMI)スプリッタ125、およびMMI結合器130をさらに備える(しかし、Y分岐路などの他の構造物がMMIスプリッタおよびMMI結合器の代わりに使用され得る点が理解されよう)。
【0009】
スプリッタ125と結合器130との間に、デバイス100は、2つの別個の変調アームを備える。変調アームは、入力光ポート110から起始する中央導波路からスプリッタ125にて分離する。変調アームは、出力光ポート115に送られる別の中央導波路内へと結合器130にて再結合される。
【0010】
各変調アームは、スプリッタ125から結合器130に延在する導波路を備える。各変調アームは、直流電流(DC)素子135a、135bに関連付けられ、結合される。DC素子135a、135bは、変調器アームを通り伝播する光線の静的位相補正を可能にする。各DC素子135a、135bは、スプリッタ125の下流の関連付けられた変調器アームの導波路の部分に配置される。各DC素子135a、135bは、結合された関連付けられるDC電気入力端子140a、140bに接続される。DC電気入力端子140a、140bは、光変調デバイス100の外面側壁部に隣接して配設される。DC電気入力端子140a、140bは、1つまたは複数のDC源に接続され得る。
【0011】
また、各変調器アームは、結合された変調素子145a、145bを有する。各変調素子145a、145bは、対応するDC素子135a、135bの上流または下流の関連付けられる変調器アームの導波路の部分に配置される。各変調素子145a、145bは、一端部に電気的に結合された関連する電気信号入力端子150a、150bを有し、この端部は、入力端部と見なし得る。図1の例では、この入力端部は、変調器を通過する光の流れの点で素子の上流側端部に位置する。電気信号入力端子150a、150bは、光変調デバイス100の外面側壁部に隣接して配設される。電気信号入力端子は、「高周波(RF)」電源としてしばしば知られている駆動源を備える1つまたは複数の電源に接続され得る。本開示の文脈では、「RF」は無線伝送に使用される従来の周波数帯域に限定されず、駆動信号は典型的にはDC付近から最大で恐らく40GHzまたは場合によってはさらにそれ以上までの範囲に及び得る広範なスペクトルバンド幅を含む点が理解されよう。また、DCおよび駆動電流は、単一の素子を介して供給されてもよく、すなわち別個のDC素子およびRF素子が常に必要であるわけではない点が理解されよう。また、変調素子145a、145bのそれぞれが、関連付けられた終端結合部155a、155bを有する。終端結合部155a、155bは、それらに関連付けられる変調素子145a、145bの「出力」端部に電気接続される。終端結合部155a、155bは、光変調デバイス100の外部に延在する。終端結合部155a、155bは、外部終端ユニット(例えば接地接続部)に接続され得る。本開示の目的には、変調素子145a、145bは、光変調デバイス100の変調アセンブリ145全体の一部を形成するものと見なすことができる。
【0012】
光変調デバイス100の動作中に、コヒーレント光線(図1では破線矢印で示される)が、入力光ポート110に送られる。このビームは、入力光ポート110から起始する中央導波路に沿って伝播する。ビームは、スプリッタ125に到達すると、ほぼ等しい強度の2つの別個のコヒーレントビームに分割される。各ビームは、光変調デバイス100の別個の変調器アームの導波路に沿って送られ伝播する。組み合わせて、または別個で、DC素子135a、135bおよび変調素子145a、145bは、コヒーレント光線の位相を変調するように構成される。典型的なシナリオでは、DC素子135a、135bは、光学デバイス100の変調器アームを通り伝播する光線の正確な相対位相を維持する目的を果たし、一方で変調素子145a、145bは、電気信号入力端子150a、150bにて入力されるRF電気信号を利用して変調器アームを通り伝播する光線を変調する。変調素子145a、145bの終端結合部により、変調素子145a、145bに入力されるRF信号を効果的に終端させることが確実になる。変調されたビームは、MMI結合器130にて重畳されて、結果として最終的なOOK変調信号が得られる。OOK変調信号は、出力光ポート115にて出力される。
【0013】
上述の光変調デバイス100などの光変調デバイスを含む光学構成要素の設計基準は、さらなる小サイズ化およびさらなる多機能化の方向に向かいつつある。一般的に、これにより、多構成要素光学モジュール上に構成要素をより高く集積化する傾向につながっている。特に、ケイ素、二酸化ケイ素、リン化インジウム、およびガリウムヒ素などの材料で作製される光学チップの機能性により、光変調器を組み込んだ多機能性で小型の光学モジュールの作製が次第に可能になっている。しかし、かかる多機能性で小型の光学モジュールの作製における難点は依然として存在しており、複雑な光学モジュール内に多数の光学構成要素を組み立て、整列し、固定するコストおよび複雑性が難点を残している。現行では、多構成要素モジュール内での光学素子の正確な整列は、モジュールごとに長い時間を要し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明者らは、多構成要素光学モジュール上に設置するためにより実用的であるモノリシック集積型光変調デバイスの必要性が存在すると理解している。また、本発明者らは、よりコンパクトな多構成要素光学モジュールの製造を可能にするモノリシック集積型光変調デバイスの必要性が存在すると理解している。
【0015】
図1に示す光変調デバイス100などの従来のモノリシック集積型光変調デバイスでは、前方ファセットおよび後方ファセットが多構成要素モジュールの一部を形成する場合に他の構成要素に対して整列されなければならない。特に、もっとも重要なことは、デバイスの入力光ポートおよび出力光ポートが、光ビームを受信および転送するために正確に整列されることである。さらに、光変調デバイスのDC電気入力端子およびRF電気入力端子が、多構成要素モジュールの設計において考慮されなければならない。従来の光変調デバイスは、それらの側壁部の上にまたは隣接して位置決めされたDC電気入力端子およびRF電気入力端子を有する。DC電気入力端子およびRF電気入力端子の側部配置により、光変調デバイスは、DC入力端子およびRF入力端子上への必要な電気接続部のためのスペースを与えるように隣接するデバイスから十分に間隔を空けなければならなくなる。また、多構成要素光学モジュールを設計する場合には、従来の光変調デバイスの任意のRF電気入力端子用の外部電気終端部の対処がなされなければならない。
【0016】
全体として、本発明者らは、多構成要素光学モジュール上へのモノリシック集積型光変調デバイスの設置が複雑、高額、かつ多大な時間を必要とするものであると理解している。さらに、モノリシック集積型光変調デバイスの現行の構成は、考慮要件の中でもとりわけかかるデバイスに必要な間隔のために、多構成要素光学モジュールの設計者から設計自由度を大幅に奪う。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一態様によれば、モノリシック集積型光変調デバイスであって、入力光ポートと、出力光ポートと、入力光ポートから出力光ポートに光を案内するための光導波路とを備えるモノリシック集積型光変調デバイスが提供される。光導波路の一部分が、少なくとも2つの分岐路に分割される。導波路は、入力光ポートおよび出力光ポートがデバイスの第1のエッジ上に位置決めされるように、入力光ポートから出力光ポートに光を案内する間に光の正味180°の方向転換を生じさせるように構成される。正味180°の方向転換の少なくとも一部が、導波路の分岐路内で達成される。
【0018】
集積型デバイスの第1のエッジは、劈開面であってもよい。
【0019】
導波路の各分岐路は、正味180°の方向転換を含み得る。光導波路の分岐路のうち少なくとも1つが、少なくとも2つの分岐路のそれぞれにおける光路長が実質的に等しくなるように蛇行部を備えてもよい。光導波路の少なくとも2つの分岐路は、分岐路のそれぞれにおける光路長が実質的に等しくなるようにそれぞれ異なる度合いで蛇行してもよい。
【0020】
デバイスは、導波路の1つまたは複数の各分岐路内の光に光信号を与えるために各分岐路に結合された1つまたは複数の変調素子をさらに備えてもよい。
【0021】
デバイスは、1つまたは複数の変調素子に電気信号を供給するために1つまたは複数の変調素子に結合された1つまたは複数の電気信号入力トラックをさらに備えてもよい。
【0022】
1つまたは複数の電気信号入力トラックは、デバイスの第2のエッジから1つまたは複数の変調素子まで延在してもよい。第2のエッジは、デバイス上の第1のエッジの反対側に位置決めされてもよい。第2のエッジは、デバイスのファセットであってもよい。
【0023】
1つまたは複数の電気信号入力トラックは、RF駆動電気信号を受信および送出するように構成されてもよい。各電気信号入力トラックが、対応する変調素子の入力に接続されてもよい。
【0024】
各変調素子が、導波路の1つまたは複数の各分岐路の一部分の近傍に一部分を有する少なくとも1つの導電経路を備えてもよい。
【0025】
デバイスは、1つまたは複数の変調素子のうち少なくとも1つの出力に電気的に結合された抵抗をさらに備えてもよい。デバイスは、抵抗に電気的に結合されたコンデンサをさらに備えてもよい。抵抗およびコンデンサは、1つまたは複数の変調素子のうち少なくとも1つに集積型デバイス内で電気終端を与えるように構成されてもよい。
【0026】
1つまたは複数の変調素子は、直角位相偏移変調信号または直角位相偏移変調信号の一部を生成するために前記光を変調するように構成されてもよい。代替的には、1つまたは複数の変調素子は、
振幅変調信号もしくは振幅変調信号の一部、
位相変調信号もしくは位相変調信号の一部、
振幅および位相変調信号もしくは振幅および位相変調信号の一部、または
直角振幅変調信号もしくは直角振幅変調信号の一部
を生成するために前記光を変調するように構成されてもよい。
【0027】
入力光ポートから出力光ポートに光を案内する間に前記光の正味180°の方向転換を生じさせることにおいて、導波路は、デバイスの中心長さ方向軸から離れるように光を伝播させて、導波路の交差を回避するように構成されてもよい。
【0028】
本発明の別の態様によれば、モノリシック集積型光変調デバイスであって、前方エッジと、後方エッジとを備える、モノリシック集積型光変調デバイスが提供される。入力光ポートおよび出力光ポートは、前方エッジ上に配設される。このデバイスは、デバイス内に設けられた、少なくとも2つの導波路分岐路を有する少なくとも1つのマッハツェンダー変調器をさらに備え、分岐路は、変調器の入力と出力との間で正味180°の方向転換を個別に受ける。デバイスは、後方エッジ上に配設された、変調器に電気信号を供給するための少なくとも1つの信号ドライバ電気入力端子をさらに備える。
【0029】
本発明の第2の態様による集積型デバイスの前方エッジは、ファセットであってもよい。
【0030】
本発明の別の態様によれば、前方エッジおよび後方エッジを備えるモノリシック集積型光変調デバイスが提供される。入力光ポートおよび出力光ポートが、前方エッジ上に配設され、2つ以上の信号ドライバ電気入力端子が、後方エッジ上に配設される。
【0031】
本発明の第3の態様による集積型デバイスの前方エッジは、ファセットであってもよい。
【0032】
本発明の別の態様によれば、モノリシック集積型光変調デバイスであって、入力光ポートおよび出力光ポートと、入力光ポートから出力光ポートに光を案内するための光導波路と、光導波路内で光に光信号を与えるための変調アセンブリとを備える、モノリシック集積型光変調デバイスが提供される。変調アセンブリは、導波路に結合された変調素子と、変調素子に結合された終端ユニットとを備える。
【0033】
終端ユニットは、直列接続された、抵抗、コンデンサ、および接地への電気経路を備えてもよい。接地への電気経路は、ドープ半導体、導体トラック、および/またはワイヤボンドを備えてもよい。
【0034】
本発明の別の態様によれば、上述のモノリシック集積型光変調デバイスのいずれかの並列アレイを備えるチップが提供される。
【0035】
アレイ内のデバイスは、2.5mm以下、任意で2mm以下、およびいくつかの例では任意で1mm以下、または0.5mm以下の並列空間周波数で配置されてもよい。
【0036】
以下、添付の図面を参照として本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】従来の光変調デバイスの概略図である。
図2】例示の折畳みOOK光変調デバイスの概略図である。
図3】例示のオンデバイス終端ユニットの概略図である。
図4】例示の折畳み直角位相偏移キーイング(QPSK)光変調デバイスの概略図である。
図5】別の例示のオンデバイス終端ユニットの概略図である。
図6】例示の折畳み二重偏波QPSK光変調デバイスの概略図である。
図7】例示の折畳み二重偏波QPSK光変調デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本明細書では、概して、設置が簡単な光変調デバイスが開示される。本明細書において開示される光変調デバイスは、よりコンパクトで場合によっては複雑な多構成要素光学モジュールの構成を可能にする。
【0039】
本明細書で開示される光変調デバイスは、モノリシック集積され、一般的には単一の前面エッジ上に配設された光入力部および光出力部を有するように構成され、この前面エッジは、通常は劈開面である。光変調デバイスの単一ファセット上に光出力部と共に配設された光入力部を有することによって、そのエッジは、多構成要素モジュール上にデバイスを設置する場合に整列されることが必要となる。対照的に、従来の光変調デバイスは、前面エッジおよび後面エッジの両方が、光入力部および光出力部が光信号を適切に送出および受信し得ることを確実にするために、隣接する構成要素に対して整列されることを必要とする。追加ファセットの整列は、多構成要素デバイスの構成における潜在的なエラー原因をさらに増やすこととなり、結果としてデバイスの作製において時間および困難さを増大させる恐れがある。さらに、光入力部および光出力部が共に1つのファセット上に設けられる場合には、反対側のエッジは、かように高い製造公差で製造される必要はなくなる、および/または光損失もしくは光反射を低減させるための特別なコーティングを必要としなくなり得る。
【0040】
本明細書において開示される光変調デバイスは、一般的には正味180°の方向転換を受ける内部変調器アームを備える。換言すれば、光変調器は、各デバイスの内部で約180°屈曲する。この特徴により、光入力部および光出力部は、光変調デバイスの前面エッジまたは前面ファセットの上に共に配置されることが可能となる。複数の変調器アームを備えるデバイスの場合には、蛇行部が、各変調器アームの光路が同一であることを確実にするために変調器アームに組み込まれ得る。
【0041】
正味180°の方向転換を受ける変調器アームは、光変調デバイス内における望ましくない光散乱効果を最小限に抑え得る。特に、入力ポートおよび出力ポートが単一ファセット上に位置することに加えて、かかる変調器アームに屈曲部があることにより、クリーンな出力信号の維持を支援する。本明細書において開示される例示の変調器デバイスでは、出力ビームは、導波路からの迷光との結合を被りにくい。
【0042】
また、本明細書において開示される光変調デバイスは、一般的にはRF入力端子がデバイスの後面エッジ上にまたはそれに隣接して位置決めされるように構成される。さらに、光変調デバイスは、外部(オフデバイス)端子に接続する導体トラックを備える従来のデバイスとは対照的に、オンデバイス終端装置を備える。かかるデバイスは、ドライバ集積回路の近傍にRF入力端子を位置させることを可能にすることを含め、複数の利点をもたらし得る。これは、より複雑な変調デバイスにおいては特に有利であり、かかるデバイスにおける全ての変調器が、複数の出力を有する単一ドライバから駆動されるのを可能にし得る。さらなる利点としては、ドライバと変調器チップとの間におけるより短くより簡単なRFトラッキング、変調器チップ内のより単純なRF設計、およびチップ内におけるRF素子のさらなる高密度化が含まれる。また、この設計により、1つのチップ内における複雑な変調器アレイの実現性がはるかに高まる。
【0043】
次に、例示の光変調デバイスが、添付の図面を参照して説明される。
【0044】
モノリシック集積型光変調デバイスの前方エッジおよび後方エッジが参照される。エッジという語は、例示のモノリシック集積型光変調デバイスの任意の側部、表面、ファセット、または他の外方を向いた構成要素を包含するように意図される。入力光ポートおよび出力光ポートが、例示のモノリシック集積型光変調デバイスの前方エッジ上に配設され得る、および/またはその前方エッジに組み込まれ得る。以下の説明を読むことにより、例示のモノリシック集積型光変調デバイスの前方エッジはこのデバイスの前方ファセットであってもよいことが、当業者には理解されよう。いくつかの例では、ファセットは、入力光ポートおよび出力光ポートが組み込まれた高品質光学ファセットであってもよい。
【0045】
また、以下の説明を読むことにより、電気端子および/または他の電気接続手段が例示のモノリシック集積型光変調デバイスの後方エッジ上に配設されてもよい、および/またはその後方エッジに組み込まれてもよいことが、当業者には理解されよう。いくつかの例では、例示の光変調デバイスの後方エッジは、デバイスの後方ファセットであってもよい。
【0046】
図2は、例示の折畳みオンオフキーイング(OOK)光変調デバイス200の概略図である。光変調デバイス200は、基板205上にモノリシック集積される。基板205は、モノリシック集積された光学構成要素の形成に適したケイ素および/または他の素子あるいは構成要素からなり得る。
【0047】
光変調デバイス200は、デバイス200の前方エッジ上に位置決めされた入力光ポート210を備える。光変調デバイス200は、デバイス200の前方エッジ上に位置決めされた出力光ポート215を備える。光変調デバイス200は、一連の相互接続導波路をさらに備える。相互接続導波路は、入力光ポート210から出力光ポート215に光線を案内するように構成される。
【0048】
光変調デバイス200は、ビームスプリッタ220およびビーム結合器225をさらに備える。例示の光変調デバイスでは、ビームスプリッタは、MMIスプリッタであってもよい。例示の光変調デバイスでは、ビーム結合器は、MMI結合器であってもよい。導波路が、入力光ポート210からビームスプリッタ220への光路を形成する。導波路が、ビーム結合器225から出力光ポート215への光路を形成する。
【0049】
光変調デバイス200は、2つの変調アームを備える。特に、デバイス200は、内方変調アーム230aおよび外方変調アーム230bを備える。本明細書では、「内方」および「外方」は、デバイス200の中心を基準として参照される。以降では、他の説明される例示の光変調デバイスに対しても、「内方」および「外方」について同様の参照がなされる。変調器はそれぞれ、ビームスプリッタ220およびビーム結合器225に接続される。各変調器アーム230a、230bは、ビームスプリッタ220からビーム結合器225への光路を形成する。
【0050】
内方変調アーム230aおよび外方変調アーム230bはそれぞれ、DC素子235a、235bを備える。DC素子235a、235bは、ビームスプリッタ220の下流に位置決めされる。DC素子235a、235bは、それらの各変調器アーム230a、230bの導波路上に配置され導波路に結合される。この例示のデバイス200では、DC素子は、変調器アーム230a、230bの導波路の実質的に直線状の部分上に位置決めされる。DC素子235a、235bは、変調器アーム230a、230b上の同等の位置に配置される。各DC素子235a、235bは、固有の関連付けられたDC電気入力端子240a、240bを有する。他の例示の光変調デバイスでは、DC素子は、関連付けられた2つ以上のDC電気入力端子を有し得る。各DC素子235a、235bは、導体トラックにより関連付けられるDC電気入力端子240a、240bに接続される。DC電気入力端子240a、240bは、光変調デバイス200の側部エッジ上に外部配設される。DC電気入力端子240a、240bは、1つまたは複数のDC源に接続され得る。他の例示の光変調デバイスは、追加のDC素子を備え得る。これらの他の例示の光変調デバイスでは、DC素子は、変調器アームの導波路の他の部分に結合され得る。
【0051】
内方変調アーム230aおよび外方変調アーム230bはそれぞれ、各導波路において正味180°の方向転換部、すなわち「屈曲部」を備える。この例示の光変調デバイス200では、これらの屈曲部は、DC素子235a、235bの下流に設けられる。導波路中の屈曲部は、光がデバイス200の前方エッジに向かって逆方向に送られるように、入力光ポート210に進入する光の方向を反転させるように構成される。したがって、導波路中の屈曲部は、光変調デバイス200に進入する光とそこから退出する光との間で正味180°の方向転換を引き起こすように構成される。
【0052】
内方変調アーム230aは、各導波路中に蛇行部236をさらに備える。蛇行部236は、導波路中の180°屈曲の直前の変調アームの導波路の部分に位置決めされる。蛇行部236の目的は、変調器アーム230a、230bのそれぞれの光路長が、正味180°の屈曲部の存在にもかかわらず同一に留まることを確実にすることである。蛇行部236がないと、内方変調アーム230aは、外方変調アーム230bよりも実質的に短い光路長を有することになる。光路長が実質的に均等になるように変調アーム230a、230bの導波路を構成することにより、変調器アーム230a、230bを通り伝播するビームが正確な相対位相でおよび2つのビーム間における最小時間遅延でビーム結合器225において重畳されるのを確実にするためにDC素子に課される要求がより低くなる。これは、デバイスが広い波長範囲にわたり使用される場合には特に有利である。他の例示の光変調デバイスでは、内方変調アームの導波路の蛇行部は、変調器アームの長さ部分に沿った種々の箇所に位置決めされてもよい。いくつかの例示のデバイスでは、1つまたは複数の蛇行部が、内方変調アームおよび外方変調アームの両方の上に存在してもよい。蛇行部と屈曲部とは相互に重畳されてもよい。すなわち、図2では、蛇行部と180°屈曲部とは別個のものとして示されるが、両アームの光路長が同一になることを確実にするように、全体としての結果が追加の蛇行部を用いて全体で180°の方向転換となる限りは、これらは別個のセクションである必要はない点が理解されよう。
【0053】
内方変調アーム230aおよび外方変調アーム230bはそれぞれ、変調素子245a、245bに結合されている。この例示の光変調デバイスでは、変調素子245a、245bは、RF変調素子である。すなわち、変調素子245a、245bは、変調器アーム230a、230bの導波路を通り伝播するコヒーレント光線の位相を変調するためにRF電気信号を使用するように構成される。上記で論じたように、このコンテクストでは、「RF電気信号」は、DC付近から最大で40GHzもしくは50GHzまたはそれ以上までの広帯域信号を含み得る。典型的には、変調素子245a、245bは、一連の平行板コンデンサおよび導電性経路を経由して接続される他の構成要素を備える。変調素子245a、245bの構成要素は、変動電界をそれぞれの変調アームの導波路の部分に透過させるように構成される。変調素子245a、245bは、導波路中の正味180°の屈曲部より後の、それぞれの変調アーム230a、230bの導波路の実質的に直線状の部分上に配置される。変調素子245a、245bは、変調器アーム230a、230b上の同等の位置に配置される。本開示の目的には、変調素子245a、245bは、デバイス200の変調アセンブリ245全体の一部を形成するものと見なすことができる。
【0054】
各変調素子245a、245bは、固有の関連付けられた電気入力端子250a、250bを有する。各変調素子245a、245bの入力は、電気信号入力トラックにより、関連付けられた電気入力端子250a、250bに接続される。この例示の光変調デバイス200では、電気入力端子250a、250bは、1つまたは複数のRF電源(デバイス200の外部の)からRF電気信号を受信するように構成される。他の例示のデバイスでは、各変調素子が、関連付けられた多数の電気入力端子を備えてもまたは有してもよく、変調素子は、多数の供給源からRF電気信号または他の電気信号を受信するように構成されてもよい。
【0055】
この例示のデバイス200では、電気入力端子250a、250bは、光変調デバイスの後方エッジにて(後方エッジ上またはそれに隣接して)外部に位置決めされる。電気入力端子250a、250bのこの位置決めにより、多構成要素モジュール上へのデバイス200のより簡単な設置が可能となる。さらに、後方エッジ上に電気入力端子250a、250bを位置決めすることにより、それぞれの電気入力端子250a、250bに変調素子245a、245bの入力を接続する導体トラックが、電気入力端子がデバイス200の側壁部またはエッジの上に配設された場合よりも短くなり得る。
【0056】
また、変調素子245a、245bは、それぞれの終端ユニット255a、255bに電気的に結合される。終端ユニット255a、255bは、関連付けられる変調素子245a、245bの出力に電気接続される。終端ユニット255a、255bは、光変調デバイス200内に内部位置決めされる。終端ユニット255a、255bは、変調素子245a、245bに供給されたRFエネルギーが変調素子245a、245bへと逆行するように反射するのを最小限に抑えるように構成される。本発明者らは、導波路中に正味180°の屈曲部により、および光変調デバイスの設置を単純化する目的で、「オンチップ」または「オンデバイス」終端ユニットが光変調デバイスにおいて使用され得ると理解している。例示のオンデバイス終端ユニットは、図3を参照として以下でさらに詳細に説明される。
【0057】
光変調デバイスのビーム結合器225は、内方変調器アーム230aおよび外方変調器アーム230bの導波路から到達する変調されたビームを重畳するように構成される。次いで、ビーム結合器225は、出力光ポート215まで導波路に沿って重畳されたビームを送るように構成され、この出力光ポート215にて最終的なOOK変調ビームが出力され得る。
【0058】
図2を参照すると、図示する光変調デバイス200に対する多数の適合が可能であることが当業者には理解されよう。特に、いくつかの例示の光変調デバイスでは、変調素子が180°屈曲することにより変調器アームの導波路上に配置され得ることが、当業者には理解されよう。また、DC素子は、他の例示の光変調デバイスの変調器アーム上の種々の箇所に配置され得ることが、当業者には理解されよう。2つ以上のDC素子が、いくつかの例示の光変調デバイスの各変調器アームごとに存在してもよい。したがって、DC素子の電気入力端子は、他の例示の光変調デバイスの種々の側壁部/エッジまたは前方エッジもしくは後方エッジの上に配置されてもよい。DC素子および変調素子は、同一の電極に組み込まれてもよく、変調器アーム上に配置された別個のものである必要はない。
【0059】
図3は、例示のオンデバイス終端ユニット300の概略図である。オンデバイス終端ユニット300は、図2に示す例示の光変調デバイス200の一部を形成するオンデバイス終端ユニット255a、255bと同等である。
【0060】
終端ユニット300は、抵抗305、コンデンサ310、および接地315への電気経路から構成される回路を備える。抵抗305、コンデンサ310、および接地315は、直列接続される。抵抗305は、図2に示す例示の光変調デバイス200の一部を形成する変調素子245a、245bの一方などの、変調素子の出力に電気接続されるように構成される。典型的には、抵抗305は、変調素子の導体トラックの端部に電気接続される。抵抗305の別の側は、コンデンサ310の第1の板に電気接続される。コンデンサ310の第2の板は、ワイヤボンディングで直接的にもしくはドープ半導体などの追加の導電性材料部分を介してのいずれかによって、またはそれらの両方の組合せによって接地315に電気接続される。
【0061】
終端ユニット300は、通常はモノリシック集積型光変調デバイスと共に使用される「オフチップ」または「オフデバイス」終端部に代わるようにまたはそれを補うように構成される。例示の光変調デバイス200では、変調器アーム230a、230bの導波路中の180°屈曲部により、変調素子245a、245bのオフデバイス終端部が無効化され得る。特に、変調素子245a用のオフデバイス終端部は、デバイス200の中心付近に位置することにより無効となる。特に、素子245a用のオフデバイス終端部は、不可避的に高いインダクタンスを有する長いワイヤボンドの使用を必要とする。かかる不可避的に高いインダクタンスは、変調素子245a、245bによる光ビームの正確な変調を妨害する。本発明者らは、抵抗305およびコンデンサ310の組合せ(および接地への接続を設けること)により、変調器アームからのRFエネルギーがそれらの変調アームへと逆行するように反射することが最小限に抑えられる。さらに、恐らくはオンチップコンデンサ310の最大実サイズが完全な終端をもたらすには小さすぎることによってオンチップ終端部300が限定される場合でも、オンチップ終端部300は、小さなコンデンサ310でも接地への長いワイヤボンドの誘導性減損を効果的に補償することが可能であるため、依然として有利となる。他の例示の終端ユニットでは、外部コンデンサが、終端ユニットの内部コンデンサと接地に内部コンデンサを接続する電気経路との間に配置され得る。追加的にまたは代替的に、終端ユニットの内部コンデンサが、外部バイアスまたは外部ドレインに接続され得る(外部コンデンサまたは他の方法を介して)。
【0062】
図4は、例示の折畳み直角位相偏移キーイング(QPSK)光変調デバイス400の概略図である。光変調デバイス400は、図2に示す折畳みOOK光変調デバイス200と同様の構成を有する。光変調デバイス400は、基板405上にモノリシック集積される。また、光変調デバイスは、入力光ポート410および出力光ポート415を備える。光変調デバイス400内の一連の導波路が、入力光ポート410に進入する光を出力光ポート415に案内する。しかし、例示の折畳みOOK光変調デバイス200とは異なり、この折畳みQPSK光変調デバイス400は、2つではなく4つの変調器アームを備える。
【0063】
光変調デバイス400は、3つのビームスプリッタ420a、420b、420cおよび3つのビーム結合器425a、425b、425cをさらに備える。最初のビームスプリッタ420aは、入力光ポート410から入射する光線を2つのビームへと分割し、二次ビームスプリッタ420b、420c内へとこれらの各ビームを送るように構成される。二次ビームスプリッタ420b、420cは、これらの後続ビームを再度2つに分割するように構成される。ビームスプリッタ420a、420bの配置は、元の光線の実質的に同等の部分をデバイス400の変調アームのそれぞれに進入させるように構成される。同様に、ビーム結合器425a、425b、425cの配置は、変調アームのそれぞれからの変調された光線を最終的なQPSK変調光信号に重畳するように構成される。最終的なQPSK変調信号は、次いで出力光ポート415に案内され得る。
【0064】
光変調デバイスのDC素子430は、ビームスプリッタ420a、420b、420cの下流に位置決めされる。変調アームはそれぞれ、それぞれの導波路上に配置され結合された関連付けられるDC素子を有する。DC素子430はそれぞれ、電気通信用の関連付けられるDC電気入力端子を有する。DC電気入力端子は、光変調デバイス400の外面側壁部またはエッジの上に位置決めされる。
【0065】
図2に示す例示の折畳みOOK光変調デバイス200と同様に、光変調デバイス400の変調アームのそれぞれは、それぞれの導波路中に正味180°の屈曲部を備える。変調器アーム同士の光路長に変化がないようにするために、3つの最内変調器アームが、それぞれの導波路中に蛇行部を備える。図示する例では、蛇行部435は、それぞれの導波路中において180°屈曲部のすぐ上流に位置決めされるが、この構成は例であり、180°屈曲部および蛇行部は順序変更および/または重畳されることも可能である点が理解されよう。変調器アームの導波路のそれぞれの蛇行部435はその蛇行度合いが様々であることが可能であり、すなわち正味の結果は、各変調器アームが同一の光路長を有するべきである。最内変調器の導波路は、最大の度合いで蛇行し、第2の最内変調器アームの導波路がそれに続く度合いで蛇行し、第3の最内変調器アームがそれに続く度合いで蛇行する。
【0066】
光変調デバイスの変調素子440a、440bは、変調アームの導波路中において正味180°の屈曲部の下流に位置決めされる。変調アームのそれぞれが、導波路上に配置され結合された関連付けられる変調素子440a、440bを有する。変調素子440a、440bはそれぞれ、電気通信用の関連付けられる電気入力端子を有する。電気入力端子445は、光変調デバイスの後方エッジの上に外部位置決めされる。本開示の目的には、変調素子440a、440bは、光変調デバイス400の変調アセンブリ440全体の一部を形成するものと見なすことができる。
【0067】
2つの最内変調器アームの一部を形成する2つの最内変調素子440aは、オンデバイス終端ユニット450aに電気的に結合される。終端ユニット450aは、2つの最内変調素子440aに電気的に結合される。2つの最外変調器アームの一部を形成する2つの最外変調素子440bは、別のオンデバイス終端ユニット450bに電気的に結合される。終端ユニット450bは、2つの最外変調素子440bの出力に電気的に結合される。他の例示の光変調デバイスでは、1つのオンデバイス終端ユニットが、全ての変調素子にオンデバイス終端部または「オンチップ」終端部を与えるために構成され得る。他の例示の光変調デバイスでは、オンデバイス終端部または「オンチップ」終端部は、相互に電気的に結合され得る。
【0068】
この例示のQPSK光変調デバイス400では、2つの最内変調器アームおよびそれらの関連付けられる変調素子440aは、ビーム結合器425bとの組合せで、QPSK変調信号の同相成分を生成するように構成される。2つの最外変調器アームおよびそれらの関連付けられる変調素子440bは、ビーム結合器425cとの組合せで、QPSK変調信号の直角成分を生成するように構成される。同相成分と直角成分を重畳する結果、最終的なQPSK変調光信号がビーム結合器425aによって結合される。最終的なQPSK変調光信号は、次いで出力光ポート410にて出力され得る。
【0069】
図5は、別の例示のオンデバイス終端ユニット500の概略図である。終端ユニット500は、図3に示す例示のオンデバイス終端ユニット300と同様の構成を有する。この終端ユニット500は、2つの抵抗505、510を備える点において異なる。第1の抵抗505は、第1の変調素子の出力に電気的に結合されるように構成される(図示の通り)。第2の抵抗510は、第2の変調素子の出力に電気的に結合されるように構成される(図示の通り)。次いで、これらの抵抗は、導体トラックを介してコンデンサに接続される。したがって、終端ユニット500は、2つの別個の変調素子に対して同時に電気終端を与えるように構成される。この終端ユニット500は、2つの変調アームがそれぞれ異なるように駆動される用途に適する。
【0070】
終端ユニット500は、図4に示す例示の折畳みQPSK光変調デバイス400において適用される。すなわち、終端ユニット500は、例示の折畳みQPSK光変調デバイス400に組み込まれた終端ユニット450a、450bと同等である。いくつかの例示の光変調デバイスでは、終端ユニットのコンデンサは、追加の外部コンデンサに接続され得る。追加的にまたは代替的に、終端ユニット500のコンデンサは、外部バイアスまたは外部ドレインに接続され得る(外部コンデンサまたは他の方法を介して)。追加的にまたは代替的に、終端ユニット500のコンデンサは、接地への電気経路に接続され得る(外部コンデンサまたは他の方法を介して)。
【0071】
また、終端ユニット500は、光変調デバイス200と組み合わせて使用することが可能であり、終端ユニット300は、折畳みQPSK光変調デバイス400または折畳み二重偏波QPSK光変調デバイス600と組み合わせて使用することが可能である点が理解されよう。しかし、折畳みQPSK光変調デバイス400または折畳み二重偏波QPSK光変調デバイス600と組み合わせて終端ユニット500を使用することが有利である。なぜならば、終端ユニット500は、よりコンパクトであり、2つの終端ユニット300よりも使用するオンチップ構成要素が少ないからである。この利点は、任意の所与のチップ上の変調素子の個数が増加するにつれてより顕著となる。
【0072】
図6は、例示の折畳み二重偏波QPSK光変調デバイス600の概略図である。デバイス600は、図4に示す例示の折畳みQPSK光変調デバイス400と同様の構成の2つの折畳み単一偏波QPSK光変調デバイスを備える。しかし、デバイス400は、コヒーレント偏光光線がデバイス600に入力されるのを可能にする単一の入力光ポート605を備える。デバイス600は、入力光ポート605からの光波を2つのQPSK変調器の間で分割するように構成されたパワースプリッタ610をさらに備える。
【0073】
図6に示すものなどの例示の折畳み二重偏波QPSK光変調デバイスの幅は、2.5ミリメートル未満であってもよい。他の例示の折畳み二重偏波QPSK光変調デバイスについては、幅は2mm未満であってもよい。以前に参照したような2つのかかるデバイスからなるアレイが、5mm未満または4mm未満の幅を有してもよい。
【0074】
2つの単一偏波QPSK光変調デバイスがそれぞれ、デバイス600の前方エッジに光線を再配向して戻すために180°屈曲する4つの変調アームを有する。単一偏波QPSK光変調器のそれぞれの3つの最内変調器アームは、デバイス600の変調器アームの全ての間で一定の光路長を維持するために蛇行する導波路を備える。また、これらのアームの全てが蛇行部を備えてもよく、蛇行部および180°屈曲部は重畳されてもいい点が理解されよう。
【0075】
DC電気入力615a、615bは、デバイス600の側壁部またはエッジの上に外部位置決めされる。デバイス600の変調素子用の電気信号入力620は、デバイス600の後方エッジ上に位置決めされる。本開示の目的には、変調素子は、デバイス600の変調アセンブリ全体を形成するものと見なすことができる。2つの単一偏波QPSK光変調器は、デバイス600の前方エッジ上の入力光ポート605と同じ位置に配置された出力光ポート625a、625bを分割するために変調された光線を送るように構成される。ビームのうち1つの偏光が、デバイスからの出力後に90°にわたり回転される(しかし、偏光回転子はチップ上に作製することが可能である点が理解されよう)。
【0076】
代替的な例示の折畳み二重偏波QPSK光変調デバイス700のさらなる概略的な設計が図7に示される。これは図6に示す構成と同様であるが、例外としてRF素子(およびしたがって信号入力720a、720b)が、チップの左エッジおよび右エッジの付近に位置決めされ、DC素子715a、715bが中央に位置する。これは、導波路の交差をなくし、オンチップ終端部の必要性を低下させるという利点を有する。これは、光ポート同士の間隔がより広くなり、信号入力ポート720a、720bが移動されて離れるという潜在的な欠点を有する。本質的に、導波路の交差は、導波路の枝部がそれらを通過して伝播していく光をデバイスの中心軸から離れるように曲げるように構成されることによって回避される。言及したこの軸は、デバイスの前方エッジおよび後方エッジに対して実質的に垂直であり、デバイスの前方から後方に延在する。
【0077】
例示の折畳み二重偏波QPSK光変調デバイス700では、DC素子715a、715bの電気入力端子725は、集積型デバイスの中央に配設される。これらの電気入力端子は、1つまたは複数の制御座屈接続部(フリップチップ接続部としても知られる)を介してデバイス700の外部の回路に接続するように構成され得る。他の例示のデバイスでは、電気入力端子は、1つまたは複数の導波路の屈曲部の内部に位置決めされ得る。
【0078】
他の例示のデバイスでは、DC電気入力端子は、デバイスの前方エッジまたは後方エッジの上に配設され得る。代替的にまたは追加的に、DC電気入力端子は、図6に示す例示のデバイス600などのデバイスの側壁部上に配設された状態に留まり得る。しかし、制御座屈接続部をDC電気入力端子に対して配置および使用することにより、結果として導体トラックによる導波路の交差がより少なくなり得る。したがって、DC電気入力接続部に対して制御座屈接続部を使用することは、いくつかの状況では好ましいものとなり得る。
【0079】
他の例示の折畳み二重偏波QPSK光変調デバイスは、前面エッジ上に配設された2つの入力光ポートおよび2つの出力光ポートを備え得る。かかる例示のデバイスでは、図6に示すデバイス600のビームスプリッタ610などのビームスプリッタが不要となる。必要な場合には、ビームスプリッタは、例示の折畳み二重偏波QPSK光変調デバイスの外部に設けることが可能である。
【0080】
前述で論じたように、上記に開示する構成は、アレイ内に高密度パッケージングされたデバイスの製造を促進する。例えば、本明細書において説明されるようなモノリシック集積型光変調デバイスの並列アレイが、光チップ上に配設され得る。光変調デバイスは、それらの前方エッジおよび後方エッジがアレイ内で整列するようにアレイで構成され得る。各デバイスの側壁部または側部エッジは、アレイ内で隣接するデバイスの側壁部または側部エッジに隣接しておよび平行に位置決めされ得る。
【0081】
本明細書において開示される光変調デバイスは、アレイでの使用に有利である。なぜならば、これらのデバイス同士は、従来の光変調デバイスよりも共により近傍に位置決めされることが可能となるからである。部分的には、これは、デバイスの側壁部または側部エッジの上ではなく、デバイスの後面エッジにRF入力端子が位置決めされることに起因する。かかる構成により、デバイスの側壁部または側部エッジの上に形成される必要のある電気接続部の個数が、より少なくなるまたはゼロになる。したがって、デバイスの側壁部状の電気接続部のための間隔のゆとりを、縮小させるまたは完全に省くことが可能となる。
【0082】
本明細書において開示される光変調デバイスは、モノリシック集積型光変調デバイスの並列アレイが、同一個数の従来の光変調デバイスから形成されたアレイの幅未満である幅を有して形成されることを可能にする。本開示のコンテクストにおいて、アレイの幅は、アレイ内の2つの最外光変調デバイスの外面側壁部または側部エッジ同士の間の距離を指す。実際には、各デバイスの側部にRF接触子の必要性がなくなることにより、アレイ内の各デバイスの幅に関する唯一の制限要素は、各デバイスの背面におけるRF接触パッドの合計幅となる。例示のデバイスでは、それぞれ個々のRF接触子が、250mμの接触子幅を有し得る。そのため、図6および図7に示すタイプのD-QPSKデバイスの場合には、単一のデバイス(8個の接触パッド620、720a、720bを有する)が、2mm幅という小ささであってもよい。実際には、このデバイスは、それよりも若干大きくてもよいが、2.5mmまたはさらには2mmの空間周波数を有するデバイスの並列アレイを作製することが現実的である。図3に示すタイプのデバイスの場合には、デバイスアレイの空間周波数は、1mmの小ささであってもよく、図2に示すタイプのデバイスアレイは、約0.5mmの空間周波数を有し得る。
【0083】
光学レンズアレイが、集積型光変調デバイスのアレイに隣接する光チップ上に配設されてもよい。レンズのアレイは、光変調デバイスの前面エッジ上の光入力ポートおよび/または光出力ポートと整列するように配置され得る。上述のような集積型光変調デバイスのアレイおよびレンズのアレイを使用することは、光チップ上における個々のデバイスレンズの整列の必要性を解消するため、有利となる。代わりに、レンズおよびデバイスは、それらの各アレイの一部として集合的に整列され得る。
【0084】
DCドライバ回路またはRFドライバ回路のアレイなどの他の構成要素が、光変調デバイスの後面エッジに隣接して位置決めされ得る。ドライバ回路は、それぞれの光変調デバイスのDC電気入力端子および/またはRF電気入力端子に接続され得る。ドライバ回路は、それぞれの光変調デバイスの後面エッジ上に位置決めされたDC電気入力端子および/またはRF電気入力端子に接続し得る。
【0085】
上記に示すような実施形態に関連して本発明を説明したが、これらの実施形態は例示に過ぎず、特許請求の範囲はそれらの実施形態に限定されない点を理解されたい。当業者は、添付の特許請求の範囲内に含まれるような、予期される本開示に照らした修正および変形を実施することが可能である。例えば、フリップチップボンディングが使用される場合に、DC接続部は、ワイヤボンディングのためにチップの側部に設けられる必要はない。
【0086】
また、当業者は、上述の実施形態に追加の要素および/または構成要素を一体化させることが可能である点が理解されよう。例えば、上述のデバイスは、モニタフォトダイオード、半導体光増幅器、および/またはレーザなどの素子と組み合わされ得る。また、導波路ループスルーまたはオンウェーハ評価もしくはバーレベル評価のための他の試験特徴部などの特徴部を、有利に備えることも可能である。
【0087】
本明細書において開示および例示される各特徴は、単独であるか、または本明細書に開示または例示される任意の他の特徴と適宜組み合わせるかのいずれに関わらず本発明に組み込まれ得る。
【符号の説明】
【0088】
100 光変調デバイス、光学デバイス
105 基板
110 入力光ポート
115 出力光ポート
120 相互連結導波路
125 多モード干渉MMIスプリッタ
130 MMI結合器
135a 直流電流(DC)素子
135b 直流電流(DC)素子
140a DC電気入力端子
140b DC電気入力端子
145 変調アセンブリ
145a 変調素子
145b 変調素子
150a 電気信号入力端子
150b 電気信号入力端子
155a 終端結合部
155b 終端結合部
200 折畳みオンオフキーイング(OOK)光変調デバイス
205 基板
210 入力光ポート
215 出力光ポート
220 ビームスプリッタ
225 ビーム結合器
230a 変調アーム、変調器アーム、内方変調アーム、内方変調器アーム
230b 外方変調アーム、外方変調器アーム
235a DC素子
235b DC素子
236 蛇行部
240a DC電気入力端子
240b DC電気入力端子
245 変調アセンブリ
245a 変調素子
245b 変調素子
250a 電気入力端子
250b 電気入力端子
255a 終端ユニット
255b 終端ユニット
300 オンデバイス終端ユニット、オンチップ終端部
305 抵抗
310 オンチップコンデンサ
315 接地
400 折畳み直角位相偏移キーイング(QPSK)光変調デバイス
405 基板
410 入力光ポート
415 出力光ポー
420a ビームスプリッタ
420b ビームスプリッタ
420c ビームスプリッタ
425a ビーム結合器
425b ビーム結合器
425c ビーム結合器
440a 変調素子
440b 変調素子
450a オンデバイス終端ユニット
450b オンデバイス終端ユニット
430 DC素子
435 蛇行部
440 変調アセンブリ
440a 変調素子
440b 変調素子
445 電気入力端子
500 オンデバイス終端ユニット
505 第1の抵抗
510 第2の抵抗
600 折畳み二重偏波(QPSK)光変調デバイス
605 入力光ポート
610 ビームスプリッタ、パワースプリッタ
615a DC電気入力
615b DC電気入力
620 電気信号入力、接触パッド
625a 出力光ポート
625b 出力光ポート
700 折畳み二重偏波(QPSK)光変調デバイス
715a DC素子
715b DC素子
720a 信号入力ポート、信号入力
720b 信号入力ポート、信号入力
725 電気入力端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7