(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】オブジェクト取引システム、情報処理装置、プログラム及びオブジェクト取引方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20231113BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
(21)【出願番号】P 2022039247
(22)【出願日】2022-03-14
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【氏名又は名称】畠山 順一
(74)【代理人】
【識別番号】100079005
【氏名又は名称】宇高 克己
(74)【代理人】
【識別番号】100154405
【氏名又は名称】前島 大吾
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 龍也
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-169980(JP,A)
【文献】特開2005-321675(JP,A)
【文献】特表2020-526372(JP,A)
【文献】10周年アニバーサリーツアー KPP CLUB会員限定2次先行受付スタート!会員だけのスペシャルな特典も決定!,[オンライン],2021年10月26日,[検索日 2023.03.13],インターネット:<URL:https://kyary.net/diary/339700>
【文献】ローチケ電子チケットとアプリの使い方 SMS認証・キャンセル・分配・機種変更など徹底解説,[オンライン],2021年04月11日,[検索日 2023.03.13],インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20210613145847/https://uni-voyage.com/law-ticket-apli/>
【文献】オフライン地図&複数人共有ができるガイドブックアプリ「まっぷるリンク」が海外旅行に超絶便利!,[オンライン],2016年11月27日,[検索日 2023.03.13],インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20210507201942/https://i-chihiro93115.hatenablog.com/entry/2016/11/27/160359>
【文献】注文のキャンセルと返金ってどうするの?決済方法・ステータス別の対応方法を解説!,[オンライン],2020年09月06日,[検索日 2023.03.13],インターネット:<URL:https://baseu.jp/6553>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと有体物たる第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済を行う決済手段と、
所定の取引可能期間に、前記組の代価の支払いの決済を行った第1ユーザと前記組の代価の支払いの決済を行った第2ユーザとの間で、前記第1ユーザの組と前記第2ユーザの組とを交換する取引を可能に制御する取引制御手段と、
を備え、
前記取引制御手段は、前記所定の取引可能期間を、前記第1ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日と前記第2ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日とのうちの遅い決済日から、前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの引渡予定日と前記第2オブジェクトの前記第2ユーザへの引渡予定日とのうちの早い引渡予定日までの期間に設定する、
オブジェクト取引システム。
【請求項2】
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとは、同一キャラクター又は互い関連するキャラクターに関するオブジェクトである、
請求項1に記載のオブジェクト取引システム。
【請求項3】
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとは、同一の絵柄情報を含んでいる、
請求項2に記載のオブジェクト取引システム。
【請求項4】
前記取引制御手段は、前記第1ユーザの第1オブジェクト又は第2オブジェクトの価値情報と、前記
第2ユーザの第1オブジェクト又は第2オブジェクトの価値情報と、が等価であることを条件として、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間で、
前記第1ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組と、前記第2ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組と、を交換する取引を可能に制御する、
請求項1から請求項3のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【請求項5】
前記取引制御手段は、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間の取引を、前記代価の支払いの決済に用いることが可能な通貨を使用して取引可能に制御する、
請求項1から
請求項4のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【請求項6】
前記取引制御手段は、前記第1ユーザの取引可能なオブジェクトの一覧を、前記第2ユーザに提示可能な一覧提示手段を備える、
請求項1から
請求項5のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【請求項7】
前記代価の支払いの決済の完了を条件として、前記第1ユーザのユーザ識別子と前記第1オブジェクトとを関連付け、
前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間で、
前記組の取引が成立したことを条件として、前記第1ユーザのユーザ識別子と前記第1オブジェクトとを関連付けを解除し、前記第2ユーザのユーザ識別子と前記第1オブジェクトとを関連付ける、
関連付け手段を備える、
請求項1から
請求項6のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【請求項8】
前記第1オブジェクトに関連付けられた前記ユーザ識別子のユーザに対し、前記第1オブジェクトを利用したサービスを提供するサービス提供手段を備える、
請求項7に記載のオブジェクト取引システム。
【請求項9】
前記サービス提供手段は、前記第2オブジェクトの引渡し完了後に、前記第1オブジェクトを利用したサービスを提供可能に制御する、
請求項8に記載のオブジェクト取引システム。
【請求項10】
前記第1ユーザのユーザ識別子と関連付けられている前記第1オブジェクトの一覧を提示可能な一覧提示手段を備える、
請求項7から請求項9のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【請求項11】
前記一覧は、前記第2オブジェクトの引渡手続の状況情報を含む、
請求項10に記載のオブジェクト取引システム。
【請求項12】
前記代価の支払いの決済の完了を条件として、前記第1オブジェクトを前記第1ユーザに提供する提供手段を備える、
請求項1から
請求項11のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【請求項13】
所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと有体物たる第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済を行う決済手段と、
所定の取引可能期間に、前記組の代価の支払いの決済を行った第1ユーザと前記組の代価の支払いの決済を行った第2ユーザとの間で、前記第1ユーザの組と前記第2ユーザの組とを交換する取引を可能に制御する取引制御手段と、
を備え、
前記取引制御手段は、前記所定の取引可能期間を、前記第1ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日と前記第2ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日とのうちの遅い決済日から、前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの引渡予定日と前記第2オブジェクトの前記第2ユーザへの引渡予定日とのうちの早い引渡予定日までの期間に設定する、
情報処理装置。
【請求項14】
所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと有体物たる第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済を行う決済手段、
所定の取引可能期間に、前記組の代価の支払いの決済を行った第1ユーザと前記組の代価の支払いの決済を行った第2ユーザとの間で、前記第1ユーザの組と前記第2ユーザの組とを交換する取引を可能に制御する取引制御手段、
としてコンピュータを機能させ
、
前記取引制御手段は、前記所定の取引可能期間を、前記第1ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日と前記第2ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日とのうちの遅い決済日から、前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの引渡予定日と前記第2オブジェクトの前記第2ユーザへの引渡予定日とのうちの早い引渡予定日までの期間に設定する、
プログラム。
【請求項15】
コンピュータは、
所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと有体物たる第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済を行い、
所定の取引可能期間に、前記組の代価の支払いの決済を行った第1ユーザと前記組の代価の支払いの決済を行った第2ユーザとの間で、前記第1ユーザの組と前記第2ユーザの組とを交換する取引を可能に制御し、
前記所定の取引可能期間を、前記第1ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日と前記第2ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日とのうちの遅い決済日から、前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの引渡予定日と前記第2オブジェクトの前記第2ユーザへの引渡予定日とのうちの早い引渡予定日までの期間に設定する、
オブジェクト取引方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクト取引システム、情報処理装置、プログラム及びオブジェクト取引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームで使用されるカードなどのオブジェクトをユーザ間において取引できるようにしたものがある。このような、ゲームシステムにおいては、取引条件を他のユーザに提示し、この提示された取引条件を受け入れるユーザとの間において、オブジェクトを取引する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような取引システムにおいて、オブジェクトを取引できる取引期間は、ユーザにとってシステムの興趣性を向上させるうえで重要な課題である。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザにとっての興趣性を向上させたオブジェクト取引システム、情報処理装置、プログラム及びオブジェクト取引方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと、有体物たる第2オブジェクトと、の代価の支払いの決済を行う決済手段と、代価の支払いの決済の完了を条件として、第2オブジェクトの第1ユーザへの引渡しが猶予される引渡猶予期間内に、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの少なくともいずれかのオブジェクトの取引を、第1ユーザと第2ユーザとの間で可能に制御する取引制御手段と、を備えるオブジェクト取引システムである。
【0007】
本発明の一態様は、所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと有体物たる第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済を行う決済手段と、所定の取引可能期間に、組の代価の支払いの決済を行った第1ユーザと組の代価の支払いの決済を行った第2ユーザとの間で、第1ユーザの組と第2ユーザの組とを交換する取引を可能に制御する取引制御手段と、を備え、取引制御手段は、所定の取引可能期間を、第1ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日と第2ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日とのうちの遅い決済日から、第2オブジェクトの第1ユーザへの引渡予定日と第2オブジェクトの第2ユーザへの引渡予定日とのうちの早い引渡予定日までの期間に設定する、オブジェクト取引システムである。
【0008】
本発明の一態様は、所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと、有体物たる第2オブジェクトと、の代価の支払いの決済を行う決済手段と、代価の支払いの決済の完了を条件として、第2オブジェクトの第1ユーザへの引渡しが猶予される引渡猶予期間内に、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの少なくともいずれかのオブジェクトの取引を、第1ユーザと第2ユーザとの間で可能に制御する取引制御手段と、を備える情報処理装置である。
【0009】
本発明の一態様は、所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと、有体物たる第2オブジェクトと、の代価の支払いの決済を行う決済手段、代価の支払いの決済の完了を条件として、第2オブジェクトの第1ユーザへの引渡しが猶予される引渡猶予期間内に、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの少なくともいずれかのオブジェクトの取引を、第1ユーザと第2ユーザとの間で可能に制御する取引制御手段、としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0010】
本発明の一態様は、コンピュータは、所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと、有体物たる第2オブジェクトと、の代価の支払いの決済を行い、代価の支払いの決済の完了を条件として、第2オブジェクトの第1ユーザへの引渡しが猶予される引渡猶予期間内に、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの少なくともいずれかのオブジェクトの取引を、第1ユーザと第2ユーザとの間で可能に制御する、オブジェクト取引方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザにとっての興趣性を向上させた技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は第1の実施の形態を説明するための図である。
【
図2】
図2は第1の実施形態におけるオブジェクト提供システムの全体構成例を示す図である。
【
図3】
図3は共通ユーザID管理サーバ1の機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は共通ユーザID管理データベース120の一例を示した図である。
【
図5】
図5はオブジェクト販売サーバ2の機能構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は販売オブジェクトデータベース220の一例を示す図である。
【
図7】
図7はサービス提供サーバ3の機能構成例を示すブロック図である。
【
図8】
図8はゲームに利用されるオブジェクトデータベース320の一例を示す図である。
【
図9】
図9は端末4の機能構成例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は第1の実施の形態の動作のシーケンス図である。
【
図11】
図11は共通ユーザID登録処理(Step1)のフローチャートである。
【
図12】
図12はオブジェクト販売処理(Step 2)のフローチャートである。
【
図13】
図13は端末4に表示される画面の遷移の一例を示した図である。
【
図14】
図14はオブジェク登録処理(Step 3)のフローチャートである。
【
図16】
図16はサービス実行処理(Step 4)及びオブジェクト管理処理を開始する(Step 5)のフローチャートである。
【
図17】
図17はオブジェクト一覧処理(Step 6)のフローチャートである。
【
図18】
図18はオブジェクト一覧画面の一例を示す図である。
【
図19】
図19は第2の実施の形態を説明するための図である。
【
図20】
図20は、第2の実施形態におけるオブジェクト取引システムの全体構成例を示す図である。
【
図21】
図21は取引サーバ5の機能構成例を示すブロック図である。
【
図22】
図22は取引管理データベース510の一例を示す図である。
【
図23】
図23は第2の実施の形態の動作のシーケンス図である。
【
図24】
図24は取引オブジェクト登録処理(Step 10)及び取引可能所有オブジェクト一覧処理(Step 11)のフローチャートである。
【
図25】
図25は端末4aに表示される画面の一例を示した図である。
【
図26】
図26は取引処理(Step 12)のフローチャートである。
【
図27】
図27は端末4bに表示される取引画面の一例である。
【
図28】
図28は端末4aに表示される交渉申込画面の一例である。
【
図29】
図29は取引認証処理(Step 13)のフローチャートである。
【
図30】
図30は取引後の共通ユーザID管理テーブル120の一例を示す図である。
【
図31】
図31は第2の実施の形態の変形例1を説明するための図である。
【
図32】
図32は第2の実施の形態の変形例3における取引条件画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を説明する。
近年のデジタル化にともない、ゲームアプリケーションに用いられる仮想的なゲームカードや、メタバースと呼ばれるオンライン上に構築された三次元の仮想空間に登場する仮想的なオブジェクト等が注目されている。これら無体物のデジタルデータを、以下、第1オブジェクトと記載する。
【0014】
一方、従来から、アニメ等のキャラクターに対応付けられたゲームカード、トレーディングカード、フィギュア、プラモデル等が提供されている。これらの物品は、ユーザが現実的に認知可能な実体のある有体物である。これらの有体物の物品を、以下、第2オブジェクトと記載する。
【0015】
第1オブジェクトと第2オブジェクトとは無体物と有体物との相違はあるが、キャラクター等に対応付ける(化体させる)ことができる点は共通する。そこで、第1オブジェクトと第2オブジェクトとを、同一キャラクター又は互いに関連するキャラクターに対応付けることが可能である。ここで、互いに関連するキャラクターとは、例えば、第1オブジェクトと第2オブジェクトとが、あるストーリに登場するキャラクター同士の関係である。
【0016】
このようなキャラクターに対応付けられた第1オブジェクトと第2オブジェクトとを組(セット)にして、ユーザに提供することができれば、ユーザに新たな楽しみを提供することができる。何故なら、ユーザの好みのキャラクターに対応付けられた第1オブジェクトは無体物であるため、この第1オブジェクトを利用したアプリケーションゲームやメタバース等の仮想空間等の様々なサービスをユーザに提供できる。また、ユーザの好みのキャラクターに対応付けられた第2オブジェクトは有体物であるため、現実世界においてユーザの所有感を満たすことができる。すなわち、ユーザに二重の価値を与えることができるからである。
【0017】
具体的に説明すると、
図1に示すように、ゲームアプリケーションに利用される仮想的なゲームカード(第1オブジェクト)X1と物品としてのゲームカード(第2オブジェクト)X2とがあり、ゲームカードX1とゲームカードX2とは同一のキャラクターに対応付けられている。例えば、ゲームカードX1とゲームカードX2との絵柄は同一である。ユーザは、ゲームカードX1とゲームカードX2とをセットで購入可能である。
【0018】
サービス提供者は、セットを購入したユーザに対して、デジタルデータとしてゲームカードX1を提供する。このとき、ユーザがゲームカードX1を複数のサービスで利用できるようにするため、ユーザとゲームカードX1とを関連付ける。例えば、複数の各サービスにおいてユーザを識別できる共通の識別子(以下、共通ユーザIDと記載する場合がある)と、ゲームカードX1と、を関連付ける。このようにすることにより、ゲームカードX1はユーザの所有物であることが識別でき、ユーザは複数のサービスでゲームカードX1を利用することができる。例えば、ユーザは、ゲームアプリケーションにおいてゲームカードX1をゲーム要素として利用したり、メタバースにおいてゲームカードX1をディスプレイとして利用したりすることができる。
【0019】
また、サービス提供者は、セットを購入したユーザに対して、現実物品としてゲームカードX2を引き渡す。ここで、引き渡しとは、ゲームカードX2のユーザへの配送、店頭でのユーザへの引き渡しを含む。これにより、ユーザは、現物のコレクション等の所有欲を満たすことができる。
【0020】
尚、上述した具体例では、第1オブジェクトと第2オブジェクトとが、同一キャラクターであり、同一の絵柄が記載されたものである例を説明したが、これに限られない。例えば、第1オブジェクトと第2オブジェクトとは同一キャラクターであるが、第1オブジェクトがそのキャラクターのフィギュアであり、第2オブジェクトがそのキャラクターのプラモデルである場合でも良い。
【0021】
以上のように、
・キャラクターに対応付けられた第1オブジェクトと第2オブジェクトとを組(セット)にして、ユーザに提供し、
・複数のサービスにおいてユーザを識別する共通ユーザIDと、少なくとも第1オブジェクトとを関連付ける、
ことにより、第1オブジェクトを利用した様々なサービスをユーザに提供でき、第2オブジェクトにより、現実世界においてユーザの所有感を満たすことができる。
以下、詳細な実施の形態を説明する。
【0022】
<第1の実施の形態の全体構成>
本実施の形態におけるオブジェクト提供システムを説明する。
図2は、第1の実施形態におけるオブジェクト提供システムの全体構成例を示す図である。
図2に示すように、オブジェクト提供システムは、共通ユーザID管理サーバ1と、オブジェクト販売サーバ2と、サービス提供サーバ3と、端末4と、を備えて構成される。共通ユーザID管理サーバ1とオブジェクト販売サーバ2とサービス提供サーバ3と端末4とは、ネットワークNに接続可能で、相互に通信可能である。
【0023】
ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワークNは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含み、通信方法については有線/無線を問わない。
【0024】
共通ユーザID管理サーバ1とオブジェクト販売サーバ2とサービス提供サーバ3とは、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたサーバシステムである。また、共通ユーザID管理サーバ1とオブジェクト販売サーバ2とサービス提供サーバ3とは、各サーバが個別に設置されている必要はなく、クラウドシステムの中に他のサーバと混在していても良い。
【0025】
共通ユーザID管理サーバ1は、ユーザに提供する複数のサービスにおいて、共通に利用される共通ユーザIDを管理するサーバである。共通ユーザIDは、サービスを利用するユーザを一意に識別する識別子(識別情報)である。
【0026】
オブジェクト販売サーバ2は、オブジェクトをユーザに販売又は提供するサーバである。
【0027】
サービス提供サーバ3は、第1オブジェクトを利用したサービスを、ユーザに提供するサーバである。尚、サービス提供サーバ3は、複数のサービスを一括して実行しても良いし、サービス毎に存在しても良い。
【0028】
端末4は、アプリケーション、Webブラウザ等を実行することのできる情報処理装置(コンピュータ)であり、無線通信基地局等を介して、ネットワークNに接続し、共通ユーザID管理サーバ1、オブジェクト販売サーバ2、サービス提供サーバ3との間で、データ通信を行うことができる。端末4は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ等である。端末4は、基本的には、複数存在し、各ユーザにより操作される。
【0029】
<第1の実施の形態の各構成>
共通ユーザID管理サーバ1について説明する。
図3は共通ユーザID管理サーバ1の機能構成例を示すブロック図である。
【0030】
図3に示すように、処理部10と、通信部11と、記憶部12と、を備える。
処理部10は、記憶部12に格納されているプログラムやデータに基づいて、共通ユーザID管理サーバ1の動作を統括的に制御する。処理部10の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。この処理部10は、主な機能部として、演算部100と、画像生成部101と、通信制御部102と、を備える。
【0031】
演算部100は、共通ユーザID管理部110と、所有オブジェクト提示部111と、を備える。
【0032】
共通ユーザID管理部110は、記憶部12に格納される共通ユーザID管理データベース120を用いて、共通ユーザIDを管理する。共通ユーザID、ユーザに提供する複数のサービスにおいて、共通に使用され、各ユーザを識別して認証するための識別子である。
【0033】
図4は共通ユーザID管理データベース120の一例を示した図である。共通ユーザID管理データベース120は、共通ユーザIDデータベース121と、プレイヤオブジェクト管理データベース122と、を含む。
【0034】
共通ユーザIDデータベース121は、ユーザの共通ユーザIDを管理するデータベースである。共通ユーザIDデータベース121の1レコードは、ユーザの共通ユーザIDのフィールドと、該ユーザのユーザ名のフィールドと、該ユーザのパスワードのフィールドと、該ユーザの住所のフィールドと、該ユーザが所有しているサービス内にて利用可能な通貨(コイン)のフィールドと、を含む。
【0035】
プレイヤオブジェクト管理データベース122は、共通ユーザID毎に用意されたテーブルであり、共通ユーザIDのユーザが利用可能又は所有しているオブジェクトを管理するテーブルである。各テーブルは、ユーザが所有するオブジェクトのオブジェクト名のフィールドと、そのオブジェクトを識別するオブジェクトIDと、該オブジェクトが利用可能なサービス名のフィールドと、そのサービスにおけるオブジェクトの利用可否のフィールドと、該オブジェクトの配送手続予定日のフィールドと、該オブジェクトの配送完了日のフィールドと、を含む。
【0036】
共通ユーザID管理部110は、共通ユーザID管理データベース120を用いて、オブジェクト販売サーバ2又はサービス提供サーバ3からの要求により、ユーザを識別して認証し、各情報の提供を行う。また、共通ユーザID管理部110は、オブジェクト販売サーバ2又はサービス提供サーバ3から提供される情報を用いて、共通ユーザID管理データベース120の更新を行う。
【0037】
所有オブジェクト提示部111は、端末4からの要求に応答して、ユーザが所有しているオブジェクトの一覧を提示する。
【0038】
画像生成部101は、演算部100の処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚の画面を生成し、生成した画面の画像信号を出力する。画像生成部101の機能は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現できる。
【0039】
通信制御部102は、オブジェクト販売サーバとサービス提供サーバ3と端末4とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行う。
【0040】
通信部11は、通信回線と接続して通信を実現する。通信部11の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
【0041】
記憶部12は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリ等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現され、システムプログラムと、機能プログラムとが格納される。システムプログラムは、コンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。機能プログラムは、演算部100を、共通ユーザID管理部110、所有オブジェクト提示部111として機能をさせるためのプログラムである。また、本実施の形態において、記憶部12には、共通ユーザID管理データベース120が格納される。
【0042】
オブジェクト販売サーバ2について説明する。
図5はオブジェクト販売サーバ2の機能構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、処理部20と、通信部21と、記憶部22と、を備える。
【0043】
処理部20は、記憶部22に格納されているプログラムやデータに基づいて、オブジェクト販売サーバ2の動作を統括的に制御する。処理部20の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。この処理部20は、主な機能部として、演算部200と、画像生成部201と、通信制御部202と、を備える。
【0044】
演算部200は、オブジェクト販売部210と、決済部211と、第1オブジェクト提供部212と、第2オブジェクト引渡手続部213と、を備える。
【0045】
オブジェクト販売部210は、販売オブジェクトデータベース220から販売可能なオブジェクトの情報を読み出し、オブジェクト購入画面を、端末4に提示する。また、オブジェクト販売部210は、端末4からの購入するオブジェクトの選択に応答して選択オブジェクト購入画面を端末4に提示し、決済完了後に選択オブジェクト購入完了画面を端末4に提示する。本実施の形態では、販売するオブジェクトは、無体物たる第1オブジェクトと有体物たる第2オブジェクトとの組(セット)を意味する。そして、第1オブジェクトと有体物たる第2オブジェクトとは同一のキャラクターに対応したオブジェクトである。例えば、第1オブジェクトはアプリケーションゲームに利用可能なデジタルデータのゲームカードであり、第2オブジェクトはデジタルデータのゲームカードと同一の絵柄を有するリアルカードである。
オブジェクト販売部210は、主としてHTTPにより端末4と通信し、各種画面等のコンテンツ(HTML/XHTML/XML、文書、画像等)を送信する。
【0046】
決済部211は、ユーザが選択したオブジェクトの代価の支払いの決済を行う。ここで、オブジェクトの代価は、無体物たる第1オブジェクトと有体物たる第2オブジェクトとの組(セット)の代価である。代価の支払いの決済の方法は、本実施の形態においては、サービス内通貨を用いて行うが、クレジットカード等の電子的な決済も可能である。決済部111は、ユーザが購入しようとするオブジェクトに関する決済情報を、共通ユーザID管理サーバ1に送信する。決済情報は、ユーザの共通ユーザIDと、パスワードと、オブジェクトの代価の情報と、を含む。決済部211は、共通ユーザID管理サーバ1から決済完了情報を受信すると、決済の完了を端末4に通知する。決済完了情報は、ユーザの認証と、ユーザの所有する通貨(コイン)からオブジェクトの代価の減算の完了通知と、ユーザの住所(配送先)と、を含む。
【0047】
第1オブジェクト提供部212は、決済部211の決済後、オブジェクトのうちの第1オブジェクトを、端末4に提供する。提供方法は、例えば、端末4にインストールされているゲームアプリケーションに登録するための第1オブジェクトのデジタルデータを提供する方法のみならず、第1オブジェクトのデジタルデータ自体ではなく、第1オブジェクトをユーザが利用可能にするための利用情報を提供する方法も含む。
【0048】
第2オブジェクト引渡手続部213は、オブジェクトのうちの有体物たる第2オブジェクトの引渡手続きの管理を行う。具体的には、第2オブジェクト引渡手続部213は、プレイヤオブジェクト管理データベース122の各ユーザの配送予定日に、第2オブジェクトをユーザに配送できるように、ユーザの住所(配送先)に配送するための配送伝票を作成したり、配送に必要な手続きを管理したりする。
【0049】
画像生成部201は、演算部200の処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚の画面を生成し、生成した画面の画像信号を出力する。画像生成部201の機能は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現できる。
【0050】
通信制御部202は、共通ユーザID管理サーバ1と端末4とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行う。
【0051】
通信部21は、通信回線と接続して通信を実現する。通信部11の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
【0052】
記憶部22は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリ等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現され、システムプログラムと、機能プログラムとが格納される。システムプログラムは、コンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。機能プログラムは、演算部200を、オブジェクト販売部210、決済部211、第1オブジェクト提供部212、第2オブジェクト引渡手続部213として機能をさせるためのプログラムである。また、本実施の形態において、記憶部22には、販売オブジェクトデータベース220が格納される。
【0053】
図6は販売オブジェクトデータベース220の一例を示す図である。販売オブジェクトデータベース220の1レコードは、オブジェクトの名称のフィールドと、オブジェクトを識別するオブジェクトIDのフィールドと、該オブジェクトの販売期間のフィールドと、該オブジェクトの利用可能サービス、該オブジェクトの引渡に関する情報のフィールドと、該オブジェクトの価格のフィールドと、を含む。
【0054】
図6の販売オブジェクトデータベース220の先頭レコードの内容を具体的に説明すると、
・「Xシリーズ」のキャラクターXに対応する、アプリケーションゲーム用カードX1(第1オブジェクト)とリアルカードX2(第2オブジェクト)とがセット販売されていること、
・そのセットの販売期間は2022年2月10日から2022年3月10日であること、
・そのセットの価格は100コインであること、
・アプリケーションゲーム用カードX1(第1オブジェクト)は、ゲーム「Xシリーズ」で利用可能であること、
・アプリケーションゲーム用カードX1(第1オブジェクト)は2022年3月1日にユーザに引渡(提供)が完了しており、リアルカードX2(第2オブジェクト)は2022年3月20日に、ユーザに配送予定あること、
である。
【0055】
サービス提供サーバ3について説明する。
図7はサービス提供サーバ3の機能構成例を示すブロック図である。第1の実施の形態において、サービス提供サーバ3が実行するオブジェクトを利用したサービスは、第1オブジェクトを利用したカードゲームと、第1オブジェクトを利用したメタバースである。
【0056】
図7に示すように、処理部30と、通信部31と、記憶部32と、を備える。
処理部30は、記憶部32に格納されているプログラムやデータに基づいて、サービス提供サーバ3の動作を統括的に制御する。処理部30の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。この処理部30は、主な機能部として、演算部300と、画像生成部301と、通信制御部302と、を備える。
【0057】
演算部300は、ゲーム実行部310と、メタバース実行部311と、を備える。
ゲーム実行部310は、端末4からのサービス実行要求に応答して、第1オブジェクトを利用したゲームを実行する。端末4からのサービス実行要求は、ユーザの共通ユーザIDとパスワードとを含む。ゲーム実行部310は、サービス実行要求に含まれている共通ユーザIDとパスワードとを含む利用可能オブジェクト要求を、共通ユーザID管理サーバ1に送信する。また、共通ユーザID管理サーバ1から、ユーザの共通ユーザIDとそのユーザが利用可能な第1オブジェクトのオブジェクトIDとを含む利用可能オブジェクト情報を受信する。そして、ゲーム実行部310は、取得したオブジェクトIDからゲームに登場させるオブジェクト(キャラクター)を特定し、端末4上で実行されるゲームにおいて、第1オブジェクト(キャラクター)の利用を可能にする。
【0058】
メタバース実行部311は、端末4からのサービス実行要求に応答して、第1オブジェクトを利用したメタバースのサービスを実行する。メタバース実行部311は、サービス実行要求に含まれている共通ユーザIDとパスワードとを含む利用可能オブジェクト要求を、共通ユーザID管理サーバ1に送信する。また、共通ユーザID管理サーバ1から、ユーザの共通ユーザIDとそのユーザが利用可能な第1オブジェクトのオブジェクトIDとを含む利用可能オブジェクト情報を受信する。そして、メタバース実行部311は、取得したオブジェクトIDからメタバースに登場させるオブジェクト(キャラクター)を特定し、端末4上で実行されるメタバースのサービスにおいて、第1オブジェクト(キャラクター)の利用を可能にする。
【0059】
画像生成部301は、演算部300の処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚の画面を生成し、生成した画面の画像信号を出力する。画像生成部201の機能は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現できる。
【0060】
通信制御部302は、共通ユーザID管理サーバ1と端末4とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行う。
【0061】
通信部31は、通信回線と接続して通信を実現する。通信部31の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
【0062】
記憶部32は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリ等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現され、システムプログラムと、機能プログラムとが格納される。システムプログラムは、コンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。機能プログラムは、演算部300を、ゲーム実行部310、メタバース実行部311として機能をさせるためのプログラムである。
【0063】
また、本実施の形態において、記憶部32には、ゲーム及びメタバースを実行するための第1オブジェクト(キャラクター)に関する各種データベースが格納されている。
図8はゲームに利用されるオブジェクトデータベース320の一例を示す図である。オブジェクトデータベース320の1レコードは、オブジェクトIDのフィールドと、ゲーム上で表示されるそのオブジェクトの画像データのフィールドと、そのオブジェクトのキャラクター情報のフィールドと、そのオブジェクトをユーザが所有しているかを示すユーザ所有情報のフィールドと、を含む。メタバースのサービスについても同様なデータベースが格納される。
【0064】
端末4について説明する。
図9は端末4の機能構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、端末4は、処理部40と、操作入力部41と、表示部42と、音出力部44と、通信部44と、記憶部45と、を備える。
【0065】
処理部40は、記憶部45に格納されているプログラムやデータ、操作入力部41からの各種入力信号等に基づいて、端末4の動作を統括的に制御する。処理部40の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。この処理部40は、主な機能部として、演算部400と、画像生成部401と、音生成部402と、通信制御部403と、を備える。
【0066】
演算部400は、本実施形態のサービスを実現するための種々の処理を実行し、処理結果を画像生成部401、音生成部402又は通信制御部403に出力する。
演算部400は、ブラウザ実行部410と、サービス実行部411と、を備える。
【0067】
ブラウザ実行部410は、主としてHTTPによりサーバと通信し、コンテンツを取得し、取得したコンテンツに対して、その種類(HTML/XHTML/XML、文書、画像等)に応じた構文解析の結果を基に文字や画像を配置して描画する。また、ブラウザ実行部410は、Flashアプリケーションや Javaアプレットに対応するプラグインが用意されている場合は、それらを表示・実行することができる。
【0068】
サービス実行部411は、提供されるサービスを実行する部である。本実施の形態では、サービス実行部411は、オブジェクトを利用したゲーム及びメタバースを実行するアプリケーションにより、各サービスを実行する。
【0069】
画像生成部401は、演算部400の処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部103に出力する。画像生成部401の機能は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現できる。
【0070】
音生成部402は、演算部400の処理結果に基づいてゲームに関する効果音やBGM、操作補助情報の音声情報、各種操作音等の音信号を生成し、音出力部43に出力する。音生成部401の機能は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現できる。
【0071】
通信制御部403は、各サーバとのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行う。
【0072】
操作入力部41は、プレイヤがサービスに関する各種操作を入力するためのものであり、操作入力に応じた操作入力信号を処理部40に出力する。操作入力部40の機能は、例えば、タッチ操作パッド、ホームボタン、ボタンスイッチや、ジョイスティック、トラックボールといった直接プレイヤが指で操作する素子はもちろん、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサといった、運動や姿勢を検知する素子等によっても実現できる。
【0073】
表示部42は、画像生成部401から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画面を表示する。表示部42の機能は、例えば、液晶等のフラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった表示装置によって実現できる。
【0074】
音出力部43は、音生成部402から入力される音信号に基づいてゲームに関する効果音等を音出力するためのものである。例えば、音出力部43は、スピーカである。
【0075】
通信部44は、通信回線と接続して通信を実現する。通信部35の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
【0076】
記憶部45には、端末4を動作させ、端末4が備える種々の機能を実現するためのシステムプログラム、サービスアプリケーションや、サービスアプリケーションの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。記憶部45は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリ等のICメモリを使用したソリッドステートドライブ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。システムプログラムは、端末4のコンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。サービスアプリケーションは、演算部400を、ブラウザ実行部410として機能させるWebブラウザや、サービス実行部411として機能させるゲームアプリケーション、メタバースアプリケーション等である。また、記憶部45には、サービスを実行するために必要なデータベースが格納される。
【0077】
<第1の実施の形態の動作>
第1の実施の形態の動作の動作を説明する。
図10は第1の実施の形態の動作のシーケンス図である。
【0078】
まず、共通ユーザIDを取得するために、端末4のブラウザ実行部410は、共通ユーザID取得要求を、共通ユーザID管理サーバ1に送信する。共通ユーザID取得要求は、ユーザ名、希望するパスワード及びユーザの住所を含む。
【0079】
共通ユーザID取得要求を受信した共通ユーザID管理サーバ1は、共通ユーザID登録処理(Step1)を行う。
図11は共通ユーザID登録処理(Step1)のフローチャートである。
【0080】
共通ユーザID管理サーバ1が共通ユーザID取得要求を受信すると(Step100)、共通ユーザID管理部110は、共通ユーザID取得要求に含まれているユーザ名と希望するパスワードとが、登録可能かを判定する(Step101)。共通ユーザID管理部110は、登録可能であれば、共通ユーザIDをユーザに付与し(Step102)、共通ユーザID、ユーザ名、パスワード及び住所を、共通ユーザID管理データベース121に登録する(Step103)。そして、共通ユーザID管理部110は、共通ユーザIDが記載された共通ユーザID登録完了画面を、端末4に送信する(Step105)。一方、共通ユーザID管理部110は、ユーザ名と希望するパスワードとが登録不可能の場合(Step101)、異なるユーザ名及びパスワードを要求する画面を端末4に送信する(Step105)。
【0081】
以上の動作により、ユーザは、複数のサービスで使用する共通ユーザIDを取得することができる。また、ユーザは、取得した共通ユーザIDを用いて、各種のサービスで利用する通貨(コイン)を取得できる。取得方法は、クレジットカード等の電子決済により、通貨(コイン)の代価の支払いを決済して取得する。ユーザが取得した通貨(コイン)は、共通ユーザID管理部110により、共通ユーザID管理データベース121におけるユーザのレコードの通貨(コイン)のフィールドに記載される。
【0082】
次に、ユーザによるオブジェクトの購入について説明する。
オブジェクトを購入するために、端末4のブラウザ実行部410は、オブジェクト販売サーバ2にオブジェクト購入画面要求を送信する。オブジェクト購入画面要求を受信したオブジェクト販売サーバ2は、共通ユーザID管理サーバ1との間でオブジェクト販売処理(Step 2)を行う。
図12はオブジェクト販売処理(Step 2)のフローチャートである。
【0083】
オブジェクト販売サーバ2がオブジェクト購入画面要求を受信すると(Step 200)、オブジェクト販売部210は、販売オブジェクトデータベース220から販売可能なオブジェクトの情報を取得し(Step 201)、オブジェクト購入画面を、端末4に送信する(Step 202)。
【0084】
図13は端末4に表示されるオブジェクトを購入するための画面の遷移の一例を示した図である。
図13に示されるオブジェクト購入画面は、
図5に示される販売オブジェクトデータベース220から読み出された、オブジェクトの名称と、該オブジェクトの販売期間と、該オブジェクトの利用可能サービスと、該オブジェクトの引渡に関する情報と、該オブジェクトの価格とを含むオブジェクト一覧が表示されている。一例を示すと、「Xシリーズ」のキャラクターXについて、アプリケーションゲーム用カードX1(第1オブジェクト)と、リアルカードX2(第2オブジェクト)とがセットで販売され、販売期間は2022年2月10日から2022年3月10日であり、その価格は100コインである。また、アプリケーションゲーム用カードX1(第1オブジェクト)とリアルカードX2(第2オブジェクト)とは、キャラクターXに対応付けられたカードであり、同一の絵柄を含んでいる。
【0085】
オブジェクト販売部210は、オブジェクト購入画面の一覧からユーザが選択した選択オブジェクト購入画面の要求を、端末4から受信すると(Step 203)、選択オブジェ購入画面(選択されたオブジェクトIDを含む)を端末4に送信する(Step 204)。
図13に示される選択オブジェ購入画面は、オブジェクト購入画面においてユーザがオブジェクト「「Xシリーズ」キャラクターX」を選択した場合の選択オブジェ購入画面である。選択オブジェ購入画面には、オブジェクト「「Xシリーズ」キャラクターX」のセット販売である第1オブジェクト(無体物)であるアプリケーションゲーム用カードX1及び第2オブジェクト(有体物)であるリアルカードX2と、アプリケーションゲーム用カードX1(無体物)の利用可能開始日と、リアルカードX2(有体物)の引渡し予定日と、「「Xシリーズ」キャラクターX」のセット(カードX1及びリアルカードX2)の代価と、を含んでいる。また、選択オブジェクト購入画面には、ユーザの共通ユーザID及びパスワードの入力欄と、購入ボタンと、を含んでいる。また、選択オブジェ購入画面には、オブジェクト「Xシリーズ」の第1オブジェクトのオブジェクトID“X101”と、オブジェクト「Xシリーズ」の第2オブジェクトのオブジェクトID“X102”と、も含まれて送信される。
【0086】
ユーザは、オブジェクト「「Xシリーズ」キャラクターX」を購入するために、端末4に表示された選択オブジェクト購入画面の入力欄に、ユーザの共通ユーザID“10001”とパスワード“25002”とを入力し、購入ボタンを押下すると、端末4は、選択オブジェクト購入要求をオブジェクト販売サーバ2に送信する。選択オブジェクト購入要求は、ユーザの共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”と、第1オブジェクトのオブジェクトID“X101”と、第2オブジェクトのオブジェクトID“X102”と、を含む。
【0087】
決済部211は、選択オブジェクト購入要求を受信すると(Step 205)、選択オブジェクト購入要求から、ユーザの共通ユーザID及びパスワードと、第1オブジェクトのオブジェクトIDと、第2オブジェクトのオブジェクトIDと、を取得し、決済情報を、共通ユーザID管理サーバ1に送信する(Step 206)。決済情報は、ユーザの共通ユーザID及びパスワードと、第1オブジェクトのオブジェクトID及び利用可能サービス名と、第2オブジェクトのオブジェクトID及び引渡し予定日と、第1オブジェクトと第2オブジェクトとのセットの代価と、を含む。
図10の例では、決済情報は、ユーザの共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”と、第1オブジェクトのオブジェクトID“X101”、利用可能サービス「ゲーム「Xシリーズ」」と、第2オブジェクトのオブジェクトID“X102”及び引渡し予定日「2022年3月20日」と、セットの代価“100コイン”と、を含む。
【0088】
決済部211は、共通ユーザID管理サーバ1から決済完了情報を受信すると(Step 207)、オブジェクトの決済が完了したことをオブジェクト販売部210、第1オブジェクト提供部212及び第2オブジェクト引渡手続部213に通知し、オブジェクト販売部210は選択オブジェクト購入完了画面を、端末4に送信する(Step 208)。
図13の選択オブジェクト購入完了画面では、アプリケーションゲーム「Xシリーズ」にて、カードX1が利用可能になったこと、リアルカードX2が2022年3月20日に、ユーザに配送予定であることが表示されている。
【0089】
第1オブジェクト提供部212は、決済部211の決済後、端末4のサービス実行部411により利用可能な第1オブジェクトのデジタルデータを、端末4に提供する(Step 209)。本動作では、端末4にインストールされているゲームアプリケーション「Xシリーズ」に登録するためのカードX1のデジタルデータを、端末4に送信する。
【0090】
第2オブジェクト引渡手続部213は、プレイヤオブジェクト管理データベース122の引渡予定日を参照して、第2オブジェクトの配送手続きを行う(Step 210)。本動作では、2022年3月20日に、リアルカードX2をユーザに配送する手続を行う。
【0091】
続いて、通ユーザID管理サーバ1のオブジェク登録処理(Step 3)について説明する。
図14はオブジェク登録処理(Step 3)のフローチャートである。
【0092】
共通ユーザID管理サーバ1が決済情報を受信すると(Step300)、共通ユーザID管理部110は、共通ユーザID管理データベース120を用いて、決済情報に含まれている共通ユーザIDとパスワードとを認証する(Step301)。例えば、決済情報にユーザの共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”が含まれているならば、
図4の共通ユーザIDデータベース121によれば、ユーザの共通ユーザID“10001”とパスワード“25002”とは一致しているので、認証可能である。
【0093】
共通ユーザID管理部110は、共通ユーザIDとパスワードとが認証可能であるならば(Step 302)、共通ユーザIDのユーザの所有通貨の残高を確認する(Step 303)。共通ユーザID管理部110は、共通ユーザIDデータベース121におけるユーザの所有通貨の残高が決済情報に含まれているオブジェクの代価以上であるならば(Step 304)、ユーザの所有通貨の残高から購入希望オブジェクトの代価を減算する(Step 305)。そして、共通ユーザID管理部110は、決済情報に含まれている、第1オブジェクトのオブジェクトID、利用可能サービス名と、第2オブジェクトのオブジェクトID及び引渡し予定日により、プレイヤオブジェクト管理データベース122を更新し(Step 307)、決済完了情報をオブジェクト販売サーバ2に送信する(Step 308)。具体的には、決済情報に含まれている情報が、ユーザの共通ユーザID“10001”、第1オブジェクトのオブジェクトID“X101”、利用可能サービス「ゲーム「Xシリーズ」」と、第2オブジェクトのオブジェクトID“X102”及び引渡し予定日「2022年3月20日」と、であるならば、共通ユーザID“10001”のプレイヤオブジェクト管理データベース122を、
図4に示すように更新する。
以上で、オブジェクト登録処理(Step 3)の説明を終了する。
【0094】
次に、ユーザによるサービスにおける第1オブジェクトの利用について説明する。尚、本実施の形態では、ユーザが利用するサービスの例としてゲームを説明するが、メタバース等の他のサービスも同様である。
【0095】
端末4のゲーム実行部411は、ゲームのログイン画面を表示し、サービス実行要求を、サービス提供サーバ3に送信する。サービス実行要求は、サービス名、共通ユーザID及びパスワードを含む。
図15はゲームのログイン画面の一例である。ユーザは、ログイン画面に、共通ユーザID及びパスワードを入力し、ログインボタンを押下する。この場合、サービス実行要求は、ゲーム「Xシリーズ」、共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”を含む。
【0096】
サービス実行要求を受信したサービス提供サーバ3は、サービス実行処理を開始する(Step 4)。
図16はサービス実行処理(Step 4)及びオブジェクト管理処理を開始する(Step 5)のフローチャートである。
【0097】
サービス提供サーバ3がサービス実行要求を受信すると(Step 400)、ゲーム実行部310は、利用可能オブジェクト要求を共通ユーザID管理サーバ1に送信する(Step 401)。利用可能オブジェクト要求は、受信したサービス実行要求に含まれるサービス名、共通ユーザID及びパスワードを含む。ここでは、利用可能オブジェクト要求は、ゲーム「Xシリーズ」、共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”を含む。
【0098】
共通ユーザID管理サーバ1の共通ユーザID管理部110は利用可能オブジェクト要求を受信すると(Step 500)、利用可能オブジェクト要求に含まれている共通ユーザIDとパスワードとを認証する(Step 501)。
【0099】
共通ユーザID管理部110は、共通ユーザID管理データベース120を参照し、共通ユーザIDとパスワードとを認証することができたならば(Step 502)、サービスに利用可能なオブジェクトIDを取得する(Step 503)。そして、共通ユーザID管理部110は、サービスに利用可能なオブジェクトIDを含む利用可能オブジェク情報を、サービス提供サーバ3に送信する(Step 504)。
【0100】
具体的に説明すると、利用可能オブジェクト要求は、ゲーム「Xシリーズ」、共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”を含む。共通ユーザID管理部110は、共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”を、共通ユーザIDデータベース121を用いて認証する。共通ユーザIDデータベース121から、共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”は認証することができるので、共通ユーザID管理サーバ1は、共通ユーザID“10001”のプレイヤオブジェクト管理データベース122から、ゲーム「Xシリーズ」に利用可能なオブジェクトのオブジェクトIDを取得する。共通ユーザID“10001”のプレイヤオブジェクト管理データベース122から、ゲーム「Xシリーズ」に利用可能なオブジェクトのオブジェクトIDは”X101”である。共通ユーザID管理部110は、オブジェクトID”X101”を含む利用可能オブジェク情報を、サービス提供サーバ3に送信する。
【0101】
サービス提供サーバ3のゲーム実行部310は、共通ユーザID管理サーバ1から利用可能オブジェクト情報を受信すると(Step 402)、利用可能オブジェクト情報に含まれているオブジェクトIDのオブジェクトのゲーム内の利用を許可する(Step 403)。そして、サービス提供サーバ3のゲーム実行部310は、オブジェクトを利用したゲーム(サービス)を、端末4に対して実行する(Step 404)。
【0102】
具体的には、ゲーム実行部310は、オブジェクトID”X101”を含む利用可能オブジェクト情報を受信し、オブジェクトID”X101”で特定されるカードX1を、ゲーム「Xシリーズ」において利用可能にする。
以上で、ユーザに提供するサービスの説明を終わる。
【0103】
次に、ユーザが現在所有しているオブジェクトの一覧を閲覧できるオブジェクト一覧処理について説明する。
【0104】
端末4のブラウザ実行部410は、共通ユーザID管理サーバ1に所有オブジェクト一覧要求を送信する。所有オブジェクト一覧要求は、共通ユーザID及びパスワードを含む。所有オブジェクト一覧要求を受信した共通ユーザID管理サーバ1はオブジェクト一覧処理を実行する(Step 6)。
図17はオブジェクト一覧処理(Step 6)のフローチャートである。
【0105】
共通ユーザID管理サーバ1の共通ユーザID管理部110は所有オブジェクト一覧要求を受信すると(Step 600)、所有オブジェクト一覧要求に含まれている共通ユーザIDとパスワードとを認証する(Step 601)。共通ユーザID管理部110は、共通ユーザID管理データベース120を参照し、共通ユーザIDとパスワードとを認証することができたならば(Step 602)、共通ユーザIDのプレイヤオブジェクト管理データベース122に登録されているオブジェクトの情報を取得する(Step 603)。そして、共通ユーザID管理部110は、取得した情報からオブジェクト一覧画面を生成し、オブジェクト一覧画面を、端末4に送信する(Step 604)。
【0106】
図18はオブジェクト一覧画面の一例を示す図である。
図18は共通ユーザID“10001”のユーザ(ユーザ名:XYZ)が所有しているオブジェクトの一覧画面を示している。オブジェクトの一覧画面には、オブジェクト名と、第1オブジェクトの利用可能なサービス名及びサービスの利用可否、第2オブジェクトの引渡予定日及び引渡完了日が表示されている。
【0107】
第1の実施の形態は、キャラクターに対応付けられた第1オブジェクトと第2オブジェクトとを組(セット)にして、ユーザに提供している。これにより、ユーザは、無体物のデジタルデータとしての資産と、有体物たる物品としての資産とを取得することができる。また、複数のサービスにおいてユーザを識別する共通ユーザIDと、少なくとも第1オブジェクトとを関連付けることによって、第1オブジェクトを利用した様々なサービスをユーザに提供でき、更に、既存のサービスだけではなく、新たにサービスを追加する場合であっても、そのサービスにおいて第1オブジェクトを利用することができる。
【0108】
<第1の実施の形態の変形例>
上述した第1の実施の形態では、第1オブジェクトのサービスの利用を購入後に直ちに可能にしたが、これに限られない。第1オブジェクトのサービスの利用の可否は、自由に設定することができる。例えば、第2オブジェクトの引渡予定日に第1オブジェクトのサービスの利用を可能にしても良い。このようにすることにより、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの価値を同日に発生させることができる。また、第1オブジェクトを利用したサービスを新たに導入する場合、そのサービスの導入日を第1オブジェクトの利用可能日に設定することもできる。
【0109】
<第2の実施の形態>
物品等の有体物は、以前より資産価値があり、取引の対象となっている。また、デジタルデータのような無体物も、近年は資産価値が生じている、例えば、アプリケーションゲームにおけるレアリティの高いカード等である。そして、これらの無体物も、取引の対象となりえる。
【0110】
一方、デジタルデータの無体物は取引による劣化ということはないが、有体物は取引によって資産価値の減少が考えられる。例えば、販売業者から一度でも物品の引渡しが行われると、その物品は新品ではなく、中古品と扱われる。
【0111】
このような社会の実情を考えると、無体物のオブジェクトと有体物のオブジェクトとの組(セット)で販売されたものに関する取引できる期間は、有体物のオブジェクトの引渡し時期を考慮する必要がある。
【0112】
そこで、第2の実施の形態は、無体物の取引性を確保しつつ、有体物の資産価値の低下を防ぐことが可能な期間を取引可能期間に設定し、オブジェクトの取引を行う例を説明する。また、第2の実施の形態は、オブジェクトの取引というサービスを追加する例ともいえる。
【0113】
図19は第2の実施の形態を説明するための図である。
図19は、アプリケーションゲームに利用される無体物のゲームカードX1と有体物のリアルカードX2とがセット販売される例を示している。第1ユーザは、ゲームカードX1とリアルカードX2とのセットの代価の支払いの決済をすることにより、ゲームカードX1とリアルカードX2とのセットを取得することができる。このとき、第1ユーザが、取引対象とするオブジェクトの形態は、以下の通りである。
・第1オブジェクトのみを取引対象とする。
・第1オブジェクトと第2オブジェクトとのセットを取引対象とする。
・第2オブジェクトのみを取引対象とする。
【0114】
上記のように取引の対象に第2オブジェクトを含む場合がありえるので、第2オブジェクトの資産価値を考慮する必要がある。そこで、本実施の形態は、第1オブジェクト及び/又は第2オブジェクトを取引できる取引可能期間を、セットの代価の支払いの決済から第2オブジェクトの第1ユーザへの引渡し予定までの期間(以下、引渡猶予期間と記載する)とする。
図19の例では、第1ユーザによる、ゲームカードX1とリアルカードX2とのセットの代価の支払いの決済から、リアルカードX2の第1ユーザへの引渡予定日までの引渡猶予期間が、ゲームカードX1とリアルカードX2とを取引対象として第2ユーザと取引できる取引可能期間である。
以下、詳細な実施の形態を説明する。尚、以下の説明において、第1の実施の形態と同様な構成のものについては同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0115】
<第2の実施の形態の全体構成>
第2の実施の形態におけるオブジェクト取引システムを説明する。
図20は、第2の実施形態におけるオブジェクト取引システムの全体構成例を示す図である。
図20に示すように、オブジェクト取引システム、第1の実施の形態に加えて、取引サーバ5を備える。取引サーバ5は、共通ユーザID管理サーバ1、オブジェクト販売サーバ2、サービス提供サーバ3及び端末4a,4bと、ネットワークNに接続可能で、相互に通信可能である。尚、取引サーバ5は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたサーバシステムである。また、取引サーバ5は、共通ユーザID管理サーバ1とオブジェクト販売サーバ2とサービス提供サーバ3と同様に、サーバが個別に設置されている必要はなく、クラウドシステムの中に他のサーバと混在していても良い。また、端末4aは第1ユーザが操作する端末であり、端末4bは第2ユーザが操作する端末である。
【0116】
<第2の実施の形態の各構成>
取引サーバ5について説明する。
図21は取引サーバ5の機能構成例を示すブロック図である。
図21に示すように、処理部50と、通信部51と、記憶部52と、を備える。
【0117】
処理部50は、記憶部52に格納されているプログラムやデータに基づいて、共通ユーザID管理サーバ1の動作を統括的に制御する。処理部50の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。この処理部50は、主な機能部として、演算部500と、画像生成部501と、通信制御部502と、を備える。
【0118】
演算部500は、取引制御部510を備える。
取引制御部510は、共通ユーザID管理サーバ1と連携し、ユーザ間によるオブジェクトの取引を制御する。具体的には、取引制御部510は、ユーザの取引対象となるオブジェクトの登録、取引可能期間の管理、他のユーザからの取引の申込み、取引の成立又は不成立の管理などの処理を行う。
【0119】
取引制御部510が扱う取引対象は、第1オブジェクトのみの、第2オブジェクトのみ、第1オブジェクトと第2オブジェクトとのセットのいずれも取引対象とするが、いずれかのみでも良い。また、取引制御部510が扱う取引態様は、オブジェクトと通貨(コイン)との交換する取引態様と、オブジェクト同士の交換する取引態様とのいずれも可能とする。
【0120】
また、ユーザ間のオブジェクトについて取引可能期間は、第2オブジェクトの代価の支払いの決済から第2オブジェクトの引渡予定日まで(引渡猶予期間)であるが、ユーザがオブジェクトの代価の支払いの決済直後に、取引を開始しない場合も多いと思われる。そこで、取引制御部510は、ユーザがオブジェクトの取引の希望を申請した日から第2オブジェクトの引渡予定日までを取引期間に設定する。これらの処理は、記憶部52に格納されている取引管理データベース510を用いて行われる。
【0121】
図22は取引管理データベース510の一例を示す図である。取引管理データベース510は、取引対象となるオブジェクトが登録されるデータベースである。取引管理データベース510の1レコードは、取引対象となるオブジェクトの名称のフィールドと、オブジェクトを識別するオブジェクトIDのフィールドと、該オブジェクトの取引期間のフィールドと、該オブジェクトの利用可能サービス、取引条件(通貨、他のオブジェクトとの交換)に関する情報のフィールドと、取引対象を登録したユーザの共通ユーザIDのフィールドと、を含む。
【0122】
取引制御部510は、取引期間に取引が成立したオブジェクトのレコードを削除する。また、取引制御部510は、取引管理データベース510の取引期間のフィールドを参照し、取引が成立せずに取引期間を経過したオブジェクトのレコードを削除する。
【0123】
画像生成部501は、演算部500の処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚の画面を生成し、生成した画面の画像信号を出力する。画像生成部101の機能は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現できる。
【0124】
通信制御部502は、共通ユーザID管理サーバ1と端末4とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行う。
【0125】
通信部51は、通信回線と接続して通信を実現する。通信部11の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
【0126】
記憶部52は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリ等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現され、システムプログラムと、機能プログラムとが格納される。システムプログラムは、コンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。機能プログラムは、演算部500を、取引制御部510として機能をさせるためのプログラムである。また、本実施の形態において、記憶部12には、取引管理データベース510が格納される。
【0127】
<第2の実施の形態の動作>
第2の実施の形態の動作の動作を説明する。
図23は第2の実施の形態の動作のシーケンス図である。尚、端末4aは第1ユーザの端末であり、第1ユーザはオブジェクトの売主(交換する場合は交換元)である。端末4bは第2ユーザの端末であり、第2ユーザはオブジェクトの買主(交換する場合は交換先)である。
【0128】
端末4aのブラウザ実行部410は、第1ユーザが所有しているオブジェクトのうち取引可能なオブジェクトの一覧を要求する取引可能所有オブジェクト一覧要求を、取引サーバ5に送信する。取引可能所有オブジェクト一覧要求は、第1ユーザの共通ユーザIDとパスワードとを含む。本例では、第1ユーザの共通ユーザID及びパスワードを、共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”とする。
【0129】
ここで、取引サーバ5は取引オブジェクト登録処理を実行し(Step 10)、共通ユーザID管理サーバ1は取引可能所有オブジェクト一覧処理(Step 11)を実行する。
図24は取引オブジェクト登録処理(Step 10)及び取引可能所有オブジェクト一覧処理(Step 11)のフローチャートである。
【0130】
取引サーバ5の取引制御部510は取引可能オブジェクト一覧要求を受信すると(Step 700)、取引可能所有オブジェクト一覧要求に含まれている共通ユーザID及びパスワードを含む取引可能所有オブジェクト情報を、共通ユーザID管理サーバ1に送信する(Step 701)。本例では、共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”を含む取引可能所有オブジェクト情報を、共通ユーザID管理サーバ1に送信する。
【0131】
共通ユーザID管理サーバ1の共通ユーザID管理部101は、取引可能所有オブジェクト情報を受信すると(Step 800)、取引可能所有オブジェクト情報に含まれる共通ユーザID及びパスワードを、共通ユーザIDデータベース121を用いて認証する(Step 801,Step 802)。本例では、認証対象は共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”であるので、
図4に示される共通ユーザIDデータベース121を参照すると、認証可能である。
【0132】
共通ユーザID管理部101は、共通ユーザIDに対応するプレイヤオブジェクト管理データベース122から取引可能なオブジェクトの情報を取得する(Step 803)。取引可能なオブジェクトは、第2オブジェクトが引渡猶予期間にあるものである。すなわち、第2オブジェクトが引渡予定日以前のオブジェクトである。例えば、取引可能所有オブジェクト情報を受信した日が2022年3月15日である場合、
図4の共通ユーザID“10001”のプレイヤオブジェクト管理データベース122を参照すると、引渡予定日が2022年3月15日以前のオブジェクトは、「「Xシリーズ」キャラクターX」と、キャラクターYと、である。そこで、共通ユーザID管理部101は、「「Xシリーズ」キャラクターX」及びキャラクターYについて、オブジェクト名、オブジェクトID、利用可能サービス名、利用可能の可否、引渡予定日及び引渡完了日を取得する。そして、これらの情報を利用可能所有オブジェクト情報とする。
共通ユーザID管理部101は、利用可能所有オブジェクト情報を、取引サーバ5に送信する(Step 804)。
【0133】
取引サーバ5の取引制御部510は、利用可能所有オブジェクト情報を受信する(Step 702)。取引制御部510は利用可能所有オブジェクト情報を用いて、共通ユーザIDに対応する取引可能所有オブジェクト一覧画面を生成し、端末4aに送信する(Step 703)。このとき、取引制御部510は、利用可能所有オブジェクト情報を受信日から第2オブジェクトの引渡予定日までの期間を取引が可能な取引期間に設定する。
【0134】
端末4のブラウザ実行部410は、取引可能所有オブジェクト一覧画面を受信し、取引可能所有オブジェクト一覧画面を表示する。
図25は端末4aに表示される画面の一例を示した図である。
図25によれば、2022年3月15日時点で、第1ユーザが取引可能なオブジェクトの一覧が表示されている。
【0135】
第1ユーザは、取引可能所有オブジェクト一覧画面から取引対象としたいオブジェクトを選択する。ここでは、「「Xシリーズ」キャラクターX」を選択したものとし、取引条件画面のボタンを押下する。端末4aのブラウザ実行部410は、取引条件画面のボタンが押下されると、取引条件画面要求を送信する。
【0136】
取引サーバ5の取引制御部510は取引条件画面要求を受信すると(Step 704)、取引条件画面を端末4aに送信する(Step 705)。
【0137】
端末4のブラウザ実行部410は、取引条件画面を受信し、取引条件画面を表示する。
図25によれば、取引対象のオブジェクトの種類(第1オブジェクトのみ、第2オブジェクトのみ、第1オブジェクト及び第2オブジェクト)の選択と、取引条件(通貨又はオブジェクトとの交換)とを、入力できるようになっている。本例では、第1ユーザが第1オブジェクト及び第2オブジェクト(アプリケーションゲーム用カードX1とリアルカードX2)を取引対象に選択し、オブジェクトの交換対象として150コインを取引条件に設定し、取引条件登録のボタンを押下したものとする。端末4aのブラウザ実行部410は、取引条件登録のボタンが押下されると、取引条件を取引サーバ5に送信する。
【0138】
取引サーバ5の取引制御部510は取引条件を受信すると(Step 706)、取引条件を、取引管理データベース510に登録する(Step 707)。本例では、
図22の取引管理データベース510に示されるように、オブジェクト「「Xシリーズ」キャラクターX」に関する情報が登録されている。
これにより、第1ユーザは、取引対象のオブジェクトを取引サーバ5に登録することができる。
【0139】
次に、第2ユーザによる取引の申し込みについて説明する。
端末4bのブラウザ実行部410は、取引対象オブジェクト一覧要求を、取引サーバ5に送信する。
【0140】
取引対象オブジェクト一覧要求を受信した取引サーバ5は、取引処理(Step 12)を実行する。
図26は取引処理(Step 12)のフローチャートである。
【0141】
取引サーバ5の取引制御部510は取引対象オブジェクト一覧要求を受信すると(Step 900)、取引管理データベース510から現在取引可能なオブジェクトの情報を取得し、取引対象オブジェクト一覧を生成する(Step 901)。そして、取引制御部510は取引対象オブジェクト一覧画面を端末4bに送信する。
【0142】
端末4bのブラウザ実行部410は、取引対象オブジェクト一覧画面を受信し、取引対象オブジェクト一覧画面を表示する。
図27は端末4bに表示される取引画面の一例である。
図27の取引対象オブジェクト一覧画面は、取引管理データベース510に現在登録されている二つの取引対象オブジェクトの一覧が表示されている。
【0143】
第2ユーザは、取引対象オブジェクト一覧画面に表示されている取引対象オブジェクトから取引の申し込みを行いたいオブジェクトを選択し、取引申込画面のボタンを押下する。端末4bのブラウザ実行部410は、選択されたオブジェクトを識別する識別情報を含む取引申込画面要求を、取引サーバ5に送信する。ここでは、第2ユーザは、「Xシリーズ」キャラクターAを選択したものとする。
【0144】
取引サーバ5の取引制御部510は取引申込画面要求を受信すると(Step 903)、選択されたオブジェクトの取引申込画面を、端末4bに送信する(Step 904)。
【0145】
端末4bは取引申込画面を受信し、取引申込画面を表示する。
図27の取引申込画面には、第2ユーザの共通ユーザIDとパスワードとの入力欄が表示されている。第2ユーザは、取引を申し込む場合は、第2ユーザの共通ユーザIDとパスワードとを入力し、取引申込のボタンを押下する。取引申込のボタンが押下されると、端末4bは取引申込を、取引サーバ5に送信する。取引申込は、第2ユーザの共通ユーザIDとパスワードとを含む。本例では、第2ユーザの共通ユーザID及びパスワードを、共通ユーザID“10002”及びパスワード“avn51”とする。
【0146】
取引サーバ5の取引制御部510は取引申込を受信すると(Step 905)、取引申込のあったオブジェクトに関する交渉申込画面を、端末4aに送信する(Step 906)。
【0147】
端末4aのブラウザ実行部410は、交渉申込画面を受信し、交渉申込画面を表示する。
図28は端末4aに表示される交渉申込画面の一例である。
図28の交渉申込画面は、交渉相手のユーザ名と、取引対象のオブジェクト情報と、承諾及び不承諾のボタンと、が表示されている。
【0148】
第1ユーザは、交渉申込画面に表示されている取引対象オブジェクトについて、取引を承諾又は不承諾の決定を行う。取引対象オブジェクトの取引を承諾する場合は、承諾ボタンを押下する。取引対象オブジェクトの取引を承諾しない場合は、不承諾ボタンを押下する。端末4aのブラウザ実行部410は、選択されたボタンに対応する取引承諾又は取引不承諾の情報を、取引サーバ5に送信する。
【0149】
取引サーバ5の取引制御部510は取引承諾の情報を受信すると(Step 907)、取引情報を、共通ユーザID管理サーバ1に送信する(Step 908)。取引情報は、第1ユーザの共通ユーザID及びパスワードと、第2ユーザの共通ユーザID及びパスワードと、取引対象となるオブジェクトIDと、交換条件と、を含む。本例では、第1ユーザの共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”と、第2ユーザの共通ユーザID“10002”及びパスワード“avn51”と、オブジェクトID“X101”及び“X102”と、交換条件“150コイン”と、含む。
【0150】
取引情報を受信した共通ユーザID管理サーバ1は、取引認証処理(Step 13)を実行する。
図29は取引認証処理(Step 13)のフローチャートである。
【0151】
共通ユーザID管理サーバ1の共通ユーザID管理部101は取引情報を受信すると(Step 1000)、共通ユーザID及びパスワードの認証を行う(Step 1001)。本例では、認証する共通ユーザID及びパスワードは、第1ユーザの共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”と、第2ユーザの共通ユーザID“10002”及びパスワード“avn51”と、である。これらの共通ユーザID及びパスワードを、共通ユーザIDデータベース121を参照して認証を行う。本例では、
図4の共通ユーザIDデータベース121を参照すると、第1ユーザの共通ユーザID“10001”及びパスワード“25002”と、第2ユーザの共通ユーザID“10002”及びパスワード“avn51”と、は認証可能である。
【0152】
共通ユーザID管理部101は、共通ユーザID及びパスワードの認証ができたならば(Step 1002)、取引対象の交換条件の確認を行う(Step 1003)。本例では、取引対象の交換条件は、第2ユーザから第1ユーザへの“150コイン”の支払いである。そこで、共通ユーザID管理部101は、共通ユーザIDデータベース121における第2ユーザの共通ユーザID“10002”の所有コイン数の残高が“150コイン”以上であるかを確認する。
【0153】
共通ユーザID管理部101は、取引対象の交換条件を満たす場合(Step 1004)、プレイヤオブジェクト管理データベース122を更新する(Step 1005)。
【0154】
プレイヤオブジェクト管理データベース122の更新を具体的に説明する。
図30は取引後の共通ユーザID管理テーブル120の一例を示す図である。共通ユーザID管理部101は、共通ユーザIDデータベース121における、第2ユーザ(共通ユーザID“10002”)の所有コイン“500コイン”から交換条件である“150コイン”を減算し、第2ユーザの所有コインを“350コイン”に更新する。また、共通ユーザID管理部101は、第1ユーザ(共通ユーザID“10001”)ののプレイヤオブジェクト管理データベース122における、オブジェクト「「Xシリーズ」キャラクターX」のアプリケーションゲーム用カードX1のサービス利用を「不可」(不可能)とし、リアルカードX2の引渡予定日の日付を削除する。また、共通ユーザID管理部101は、第2ユーザ(共通ユーザID“10002”)のプレイヤオブジェクト管理データベース122に、オブジェクト「「Xシリーズ」キャラクターX」のアプリケーションゲーム用カードX1及びリアルカードX2のレコードを追加し、アプリケーションゲーム用カードX1のサービス利用を「可」とし、リアルカードX2の引渡予定日に“2022年3月20日”を記載する。これにより、第1ユーザと第2ユーザとの間で、オブジェクト「「Xシリーズ」キャラクターX」の取引が成立する。
【0155】
これらのプレイヤオブジェクト管理データベース122の更新により、第2ユーザは第1オブジェクトであるアプリケーションゲーム用カードX1をゲーム「Xシリーズ」にて利用可能となる。また、第2オブジェクトであるリアルカードX2は、オブジェクト引渡手続部213により、“2022年3月20日”に、第2ユーザへの配送手続きが実行される。
【0156】
共通ユーザID管理部101は、プレイヤオブジェクト管理データベース122を更新し、取引が完了すると、取引認証情報を、取引サーバ5に送信する(Step 1006)。
【0157】
一方、共通ユーザID管理部101は、共通ユーザID及びパスワードが認証でききない場合(Step 1002)、又は、取引対象の交換条件を満たさない場合(Step 1004)、取引不認証情報を、取引サーバ5に送信する(Step 1007)。
【0158】
取引サーバ5の取引制御部510は、取引認証情報を受信すると(Step 909)、取引成立情報を、端末4a、端末4bに送信する(Step 910)。一方、取引サーバ5の取引制御部510は、取引不認証情報を受信すると(Step 909)、取引不成立情報を、端末4a、端末4bに送信する(Step 910)。
【0159】
以上により、第1ユーザは、取得したオブジェクトを通貨又は他のオブジェクトに交換することができる。一方、第2ユーザは、第1ユーザからオブジェクトを取得することができ、取得した第1オブジェクトをサービスに利用することができると共に、第2オブジェクトも所有することができる。
【0160】
第2の実施の形態は、オブジェクトの取引可能期間を、オブジェクトの代価の支払いの決済から第2オブジェクトの引渡予定日までの期間の中で設定することにより、オブジェクトの資産価値の低下を招くことなく、取引ができる。また、第2オブジェクトがユーザに引渡される前に取引を行うので、取引成立後に取引相手から第2オブジェクトから引渡されないという債務不履行の危険性もない。
【0161】
<第2の実施の形態の変形例1>
第2の実施の形態において、第2オブジェクトを含むオブジェクトが取引対象となっており、取引条件が第2オブジェクトを含むオブジェクト同士の交換の場合、第2オブジェクトの価値の低下や取引の安全を考慮すると、取引可能な取引期間を考慮する必要がある。そこで、第2の実施の形態の変形例では、取引条件が第2オブジェクトを含むオブジェクト同士の交換の場合、取引可能期間を、ユーザの決済完了日のうち最も遅い決算日からユーザの引渡予定日のうち最も早い決算日までの期間を取引可能期間とする。
【0162】
図31は第2の実施の形態の変形例を説明するための図である。
図31に示すように、第1ユーザは第1オブジェクトのゲームカードX1と第2オブジェクトのゲームカードX2とのXセットを、2022年3月10日に購入(決済完了日)し、第2オブジェクトのゲームカードX2の引渡予定日が2022年4月20日である。一方、第2ユーザは第1オブジェクトのフィギュアY1と第2オブジェクトのフィギュアY2とのYセットを、2022年3月20日に購入(決済完了日)し、第2オブジェクトのフィギュアY2の引渡予定日が2022年4月30日である。このような場合において、第1ユーザと第2ユーザとの間で、XセットとYセットとの交換する取引を考える場合、その取引可能期間は、第2ユーザの決済完了日である2022年3月20日から第2オブジェクトのゲームカードX2の引渡予定日である2022年4月20日までの期間となる。
【0163】
このような取引期間の設定であるが、セットを販売する販売側は、例えば、Aの商品については、何月何日に一斉配送の予定などのように、セットの引渡予定日をそれぞれ予め設定している場合が多いと考えられる。そこで、取引サーバ5の取引制御部510は、ユーザの取引条件が第2オブジェクトを含むオブジェクトの交換である場合、交換対象となる第2オブジェクトのそれぞれの引渡予定日を、販売オブジェクトデータ220から取得し、取引可能期間が設定できるかを判断する。例えば、第1ユーザが取得したXセットを取引対象とし、Yセットとの交換を希望する場合、第1ユーザが取引希望を登録する日が、Yセットの第2オブジェクトの引渡予定日以前ならば、第1ユーザが取引希望を登録する日からYセットの第2オブジェクトの引渡予定日までの期間を取引可能な取引期間として設定する。
【0164】
このようにして取引可能期間を設定することにより、有体物たる第2オブジェクトを含むオブジェクトの交換の取引は、有体物たる第2オブジェクトの価値を低下させることなく、また、双方のユーザにとって第2オブジェクトが引渡されないという事故を防止し、安全に取引を行うことができる。
【0165】
<第2の実施の形態の変形例2>
取引が成立して第1オブジェクトが他のユーザに移転した場合、元のユーザが移転までの間に、第1オブジェクトをゲームサービス等で利用している場合も考えられる。第1オブジェクトをゲーム等で使用すると、ゲームにおける第1オブジェクトに対応付けられたキャラクター情報(例えば、レベル)は上昇する。従って、移転時には、ゲームにおける第1オブジェクトに対応付けられたキャラクター情報(例えば、レベル)が初期値よりも上昇しており、ゲームにおける第1オブジェクトの価値が上昇している可能性がある。
【0166】
そこで、取引が成立して第1オブジェクトが他のユーザに移転する場合、第1オブジェクトが移転時までに獲得した価値(例えば、ゲームにおけるキャラクター情報等)を、他のユーザが引き継ぐようにしても良い。この場合、サービス提供サーバ3の保有している第1オブジェクトの情報、例えば、オブジェクトデータベース320に記録されている情報を、移転先の第1オブジェクトに対して適用するようにする。
このように構成することにより、第1オブジェクトの取引価値が上昇する。
【0167】
<第2の実施の形態の変形例3>
オブジェクトには価値情報が付されている場合がある。例えば、ゲームカードのレアリティ等である。レアリティが高ければ、そのゲームカードの価値も高くなる。従って、ユーザは、取得したオブジェクトと、取得したオブジェクトと価値が等価(同一又は同等)のオブジェクトと、を交換することを望むであろう。また、錯誤による交換対象の誤選定などから生じるユーザの不利益を防止する必要もある。そこで、第2の実施の形態の変形例3は、オブジェクトを交換する取引において、オブジェクトの価値情報が等価のオブジェクト同士の交換のみができるように構成する。すなわち、オブジェクトの等価交換の例を説明する。
【0168】
取引サーバ5の取引制御部510は、取引条件画面要求を受信すると、取引対象のオブジェクト(取引対象オブジェクト)の価値情報を取得する。価値情報は、オブジェクト販売サーバ2の販売オブジェクトデータベース220に、各オブジェクトの価値情報を予め登録しておく。そして、取引サーバ5の取引制御部510は、取引対象オブジェクトの価値情報を、販売オブジェクトデータベース220から取得する。更に、取引制御部510は、販売オブジェクトデータベース220から、取得した取引対象オブジェクトの価値情報と等価(同一又は同等)の価値情報を有するオブジェクトの名称及びオブジェクトIDを取得する。そして、取引制御部510は、取得したブジェクトの名称及びオブジェクトIDを含めた取引対象オブジェクトの取引条件画面を、第1ユーザの端末4aに送信する。尚、取引サーバ5が、販売オブジェクトデータベース220と同様なデータベースを保有していても良い。
【0169】
端末4aのブラウザ実行部410は取引条件画面を受信し、取引条件画面を表示する。
図32は第2の実施の形態の変形例3における取引条件画面の一例を示す図である。
図32の取引画面では、取引条件としてオブジェクトとの交換を選択する場合のコンボボックスが表示されている。コンボボックスを選択すると、取引対象オブジェクトの価値と同一なオブジェクトの一覧が表示される。例えば、取引対象オブジェクトの「「Xシリーズ」キャラクターX」のレアリティは「レア」であり、そのオブジェクトのセットと交換可能なオブジェクトは、カードX3(レア)セット、カードX15(レア)セット、カードX25(レア)セット及びカードX32(レア)セットである。
【0170】
尚、
図32の例では、取引条件としてレアリティが同一である場合を示したが、かならずしも同一に限られることはなく、取引対象オブジェクトのレアリティと等価といえる範囲、例えば、上下のレアリティまで条件を広げても良い。また、第1オブジェクの価値情報と第2オブジェクトの価値情報とが異なる場合、それぞれの価値情報に基づいて、交換可能なオブジェクトを選定するようにしても良い。また、第1オブジェクと第2オブジェクトとの組で価値情報が設定されている場合、組の価値情報を基準に交換可能なオブジェクトを選定するようにしても良い。
【0171】
第1ユーザは、交換を希望するオブジェクトをコンボボックスの一覧から選択することにより、交換希望対象のオブジェクトを選択できる。端末4aのブラウザ実行部410は、取引条件登録のボタンが押下されると、交換希望のオブジェクトIDを含む取引条件を取引サーバ5に送信する。
【0172】
取引サーバ5の取引制御部510は取引条件を受信すると、取引条件を、取引管理データベース510に登録する。これにより、取引管理データベース510に登録される取引条件は取引対象オブジェクトの価値と等価(同一又は同等)なオブジェクトとの等価交換となり、取引対象オブジェクトの価値と著しく異なるオブジェクトが交換対象となることはない。
【0173】
このような構成にすることにより、ユーザに対して、取得したオブジェクトと等価(同一又は同等)の価値を有するオブジェクトとの等価交換を可能にし、ユーザの不利益が生じるような取引を防止することができる。
【0174】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下には限られない。
【0175】
[付記1]
所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと、有体物たる第2オブジェクトと、の代価の支払いの決済を行う決済手段と、
前記代価の支払いの決済の完了を条件として、前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの引渡しが猶予される引渡猶予期間内に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとの少なくともいずれかのオブジェクトの取引を、前記第1ユーザと第2ユーザとの間で可能に制御する取引制御手段と、
を備えるオブジェクト取引システム。
【0176】
[付記2]
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとは組として販売され、
前記代価は、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとを含んだ代価である、
付記1に記載のオブジェクト取引システム。
【0177】
[付記3]
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとは、同一キャラクター又は互い関連するキャラクターに関するオブジェクトである、
付記2に記載のオブジェクト取引システム。
【0178】
[付記4]
前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとは、同一の絵柄情報を含んでいる、
付記3に記載のオブジェクト取引システム。
【0179】
[付記5]
前記取引制御手段は、前記引渡猶予期間内に、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間で、前記第1オブジェクトの取引が成立したことを条件に、前記第1オブジェクトを前記第2ユーザに提供可能に制御する、
付記1から付記4のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【0180】
[付記6]
前記取引制御手段は、前記引渡猶予期間内に、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間で、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの取引が成立したことを条件に、前記第1オブジェクトを前記第2ユーザに提供可能に制御し、前記第2オブジェクトを前記第2ユーザに引渡し可能に制御する、
付記1から付記4のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【0181】
[付記7]
前記取引制御手段は、前記引渡猶予期間内に、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間で、前記第2オブジェクトの取引が成立したことを条件に、前記第2オブジェクトを前記第2ユーザに引渡し可能に制御する、
付記1から付記4のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【0182】
[付記8]
前記取引制御手段は、前記第1ユーザと第2ユーザとの間で、前記第1ユーザの第1オブジェクトと前記第2ユーザの第1オブジェクトとを交換する取引を可能に制御する、
付記1から付記7のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【0183】
[付記9]
前記取引制御手段は、前記第1ユーザと第2ユーザとの間で、前記第1ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組と、前記第2ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組と、を交換する取引を可能に制御する、
付記1から付記7のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【0184】
[付記10]
前記取引制御手段は、前記第1ユーザの第1オブジェクト又は第2オブジェクトの価値情報と、前記第1ユーザの第1オブジェクト又は第2オブジェクトの価値情報と、が等価であることを条件として、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間で、前記第1ユーザの第1オブジェクト又は第2オブジェクトと、前記第2ユーザの第1オブジェクト又は第2オブジェクトと、を交換する取引を可能に制御する、
付記8又は付記9に記載のオブジェクト取引システム。
【0185】
[付記11]
前記取引制御手段は、前記第1ユーザと第2ユーザとの間で、前記第1ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組と、前記第2ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組と、を交換可能な取引期間を、前記第1ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日と前記第2ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日とのうちの遅い決済日から、前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの引渡予定日と前記第2オブジェクトの前記第2ユーザへの引渡予定日とのうちの早い引渡予定日までの期間に設定する、
付記9又は付記10に記載のオブジェクト取引システム。
【0186】
[付記12]
前記取引制御手段は、前記第1ユーザと第2ユーザとの間の取引を、前記代価の決済に用いることが可能な通貨を使用して取引可能に制御する、
付記1から付記8のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【0187】
[付記13]
前記取引制御手段は、前記第1ユーザの取引可能なオブジェクトの一覧を、前記第2ユーザに提示可能な一覧提示手段を備える、
付記1から付記12のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【0188】
[付記14]
前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの引渡しが、前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの配送手続であり、
前記引渡猶予期間は、前記代価の支払いの決済の完了から前記配送手続の完了までの期間である、
付記1から付記13のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【0189】
[付記15]
前記代価の支払いの決済の完了を条件として、前記第1ユーザのユーザ識別子と前記第1オブジェクトとを関連付け、
前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間で、少なくとも前記第1オブジェクトの取引が成立したことを条件として、前記第1ユーザのユーザ識別子と前記第1オブジェクトとを関連付けを解除し、前記第2ユーザのユーザ識別子と前記第1オブジェクトとを関連付ける、
関連付け手段を備える、
付記1から付記14のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【0190】
[付記16]
前記第1オブジェクトに関連付けられた前記ユーザ識別子のユーザに対し、前記第1オブジェクトを利用したサービスを提供するサービス提供手段を備える、
付記15に記載のオブジェクト取引システム。
【0191】
[付記17]
前記サービス提供手段は、前記第2オブジェクトの引渡し完了後に、前記第1オブジェクトを利用したサービスを提供可能に制御する、
付記16に記載のオブジェクト取引システム。
【0192】
[付記18]
前記第1ユーザのユーザ識別子と関連付けられている前記第1オブジェクトの一覧を提示可能な一覧提示手段を備える、
付記15から付記17のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【0193】
[付記19]
前記一覧は、前記第2オブジェクトの引渡手続の状況情報を含む、
付記18に記載のオブジェクト取引システム。
【0194】
[付記20]
前記代価の決済の完了を条件として、前記第1オブジェクトを前記第1ユーザに提供する提供手段を備える、
付記1から付記19のいずれかに記載のオブジェクト取引システム。
【0195】
[付記21]
前記引渡猶予期間は、前記提供手段による前記第1オブジェクトの提供後から開始される、
付記20に記載のオブジェクト取引システム。
【0196】
[付記22]
所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと有体物たる第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済を行う決済手段と、
所定の取引可能期間に、前記組の代価の支払いの決済を行った第1ユーザと前記組の代価の支払いの決済を行った第2ユーザとの間で、前記第1ユーザの組と前記第2ユーザの組とを交換する取引を可能に制御する取引制御手段と、
を備え、
前記取引制御手段は、前記所定の取引可能期間を、前記第1ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日と前記第2ユーザの第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組の代価の支払いの決済日とのうちの遅い決済日から、前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの引渡予定日と前記第2オブジェクトの前記第2ユーザへの引渡予定日とのうちの早い引渡予定日までの期間に設定する、
オブジェクト取引システム。
【0197】
[付記23]
所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと、有体物たる第2オブジェクトと、の代価の支払いの決済を行う決済手段と、
前記代価の支払いの決済の完了を条件として、前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの引渡しが猶予される引渡猶予期間内に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとの少なくともいずれかのオブジェクトの取引を、前記第1ユーザと第2ユーザとの間で可能に制御する取引制御手段と、
を備える情報処理装置。
【0198】
[付記24]
所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと、有体物たる第2オブジェクトと、の代価の支払いの決済を行う決済手段、
前記代価の支払いの決済の完了を条件として、前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの引渡しが猶予される引渡猶予期間内に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとの少なくともいずれかのオブジェクトの取引を、前記第1ユーザと第2ユーザとの間で可能に制御する取引制御手段、
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【0199】
[付記25]
コンピュータは、
所定のサービスで利用可能であって無体物たる第1オブジェクトと、有体物たる第2オブジェクトと、の代価の支払いの決済を行い、
前記代価の支払いの決済の完了を条件として、前記第2オブジェクトの前記第1ユーザへの引渡しが猶予される引渡猶予期間内に、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとの少なくともいずれかのオブジェクトの取引を、前記第1ユーザと第2ユーザとの間で可能に制御する、
オブジェクト取引方法。
【0200】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
【符号の説明】
【0201】
1 共通ユーザID管理サーバ
2 オブジェクト販売サーバ
3 サービス提供サーバ
4 端末
5 取引サーバ