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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20231113BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20231113BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20231113BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20231113BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20231113BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20231113BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20231113BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20231113BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20231113BHJP
   H10B 41/70 20230101ALI20231113BHJP
【FI】
H01L29/78 618B
H01L27/06 102A
H01L27/088 E
H01L27/088 331E
H01L27/146 A
H01L29/78 371
H01L29/78 617N
H10B12/00 621Z
H10B12/00 671B
H10B12/00 671C
H10B12/00 671Z
H10B12/00 801
H10B41/70
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022053608
(22)【出願日】2022-03-29
(62)【分割の表示】P 2020031365の分割
【原出願日】2016-04-27
(65)【公開番号】P2022091897
(43)【公開日】2022-06-21
【審査請求日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2015091597
(32)【優先日】2015-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】手塚 祐朗
(72)【発明者】
【氏名】田中 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 俊弥
(72)【発明者】
【氏名】一條 充弘
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-053375(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0061810(US,A1)
【文献】特開2015-079945(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0079728(US,A1)
【文献】特開2015-015458(JP,A)
【文献】特開2015-005732(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0339547(US,A1)
【文献】特開2001-203357(JP,A)
【文献】特開平05-152332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/786
H10B 12/00
H10B 41/70
H01L 21/336
H01L 27/146
H01L 21/8234
H01L 27/088
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタの第1のゲート電極として機能する領域を有する第1の導電体と、
前記第1の導電体上に位置する第1の絶縁体と、
前記第1の絶縁体上に位置する酸化物半導体と、
前記第1の絶縁体の上面と接する領域を有する第2の絶縁体と、
前記酸化物半導体上に位置する第3の絶縁体と、
前記第3の絶縁体上に位置し、且つ前記トランジスタの第2のゲート電極として機能する領域を有する第2の導電体と、
前記第2の導電体の上面と接する領域を有する第4の絶縁体と、を有し、
前記第1の絶縁体は、前記酸化物半導体と重なる第1の領域と、前記第1の領域の周縁に位置する第2の領域と、を有し、
前記第2の領域の膜厚は、前記第1の領域の膜厚よりも小さく、
前記第2の絶縁体は、前記第2の領域の上面と接する領域を有し、
記第4の絶縁体は、前記酸化物半導体の上面と接する領域と、前記第2の絶縁体の上面と接する領域を有する半導体装置。
【請求項2】
トランジスタの第1のゲート電極として機能する領域を有する第1の導電体と、
前記第1の導電体上に位置する第1の絶縁体と、
前記第1の絶縁体上に位置する酸化物半導体と、
前記第1の絶縁体の上面と接する領域を有する第2の絶縁体と、
前記酸化物半導体上に位置する第3の絶縁体と、
前記第3の絶縁体上に位置し、且つ前記トランジスタの第2のゲート電極として機能する領域を有する第2の導電体と、
前記第2の導電体の上面と接する領域を有する第4の絶縁体と、を有し、
前記第1の絶縁体は、前記酸化物半導体と重なる第1の領域と、前記第1の領域の周縁に位置する第2の領域と、を有し、
前記第2の領域の膜厚は、前記第1の領域の膜厚よりも小さく、
前記第2の絶縁体は、前記第2の領域の上面と接して選択的に配置され、且つ前記酸化物半導体と重ならず、
前記第2の絶縁体は、フッ素を有し、
前記第4の絶縁体は、前記酸化物半導体の上面と接する領域と、前記酸化物半導体の側面と接する領域と、前記第2の絶縁体の上面と接する領域を有する半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、トランジスタおよび半導体装置、ならびにそれらの製造方法に関す
る。または、本発明は、例えば、表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、
プロセッサ、電子機器に関する。または、表示装置、液晶表示装置、発光装置、記憶装置
、電子機器の製造方法に関する。または、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装
置、記憶装置、電子機器の駆動方法に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明
の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発
明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション
・オブ・マター)に関するものである。
【0003】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装
置全般を指す。表示装置、発光装置、照明装置、電気光学装置、半導体回路および電子機
器は、半導体装置を有する場合がある。
【背景技術】
【0004】
近年は、酸化物半導体を用いたトランジスタが注目されている。酸化物半導体は、スパ
ッタリング法などを用いて成膜できるため、大型の表示装置を構成するトランジスタの半
導体に用いることができる。また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、非晶質シリコ
ンを用いたトランジスタの生産設備の一部を改良して利用することが可能であるため、設
備投資を抑えられるメリットもある。
【0005】
また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が
小さいことが知られている。例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタのリーク電流が
低いという特性を応用した低消費電力のCPUなどが開示されている(特許文献1参照。
)。
【0006】
また、酸化物半導体を用いたトランジスタで、ゲート電極を開口部に埋め込んで作製す
る方法などが開示されている(特許文献2および特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-257187号公報
【文献】特開2014-241407号公報
【文献】特開2014-240833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
耐圧の高いトランジスタを提供することを課題に一とする。または、製品歩留りの高い
トランジスタを提供することを課題の一とする。または、微細なトランジスタを提供する
ことを課題の一とする。または、寄生容量の小さいトランジスタを提供することを課題の
一とする。または、周波数特性の高いトランジスタを提供することを課題の一とする。ま
たは、電気特性の良好なトランジスタを提供することを課題の一とする。または、電気特
性の安定したトランジスタを提供することを課題の一とする。または、オフ時の電流の小
さいトランジスタを提供することを課題の一とする。または、新規なトランジスタを提供
することを課題の一とする。または、該トランジスタを有する半導体装置を提供すること
を課題の一とする。または、動作速度の速い半導体装置を提供することを課題の一とする
。または、新規な半導体装置を提供することを課題の一とする。または、該半導体装置を
有するモジュールを提供することを課題の一とする。または、該半導体装置、または該モ
ジュールを有する電子機器を提供することを課題の一とする。
【0009】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の
一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課
題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、
図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)
本発明の一態様は、半導体と、第1の導電体と、第2の導電体と、第3の導電体と、第
4の導電体と、第1の絶縁体と、第2の絶縁体と、第3の絶縁体と、第4の絶縁体と、を
有し、第1の導電体と、半導体とは、第1の絶縁体を介して互いに重なる領域を有し、第
2の導電体および第3の導電体は、半導体と接する領域を有し、半導体は、第2の絶縁体
と接する領域を有し、第4の絶縁体は、第1の領域と、第2の領域と、を有し、第1の領
域は第2の領域より厚く、第1の領域は、第2の絶縁体と接する領域を有し、第2の領域
は、第3の絶縁体と接する領域を有し、第4の導電体と、第2の絶縁体とは、第4の絶縁
体を介して互いに重なる領域を有し、第3の絶縁体は、フッ素を有することを特徴とする
半導体装置である。
【0011】
(2)
または、本発明の一態様は、第3の絶縁体の成膜ガスにシリコンとフッ素を含むことを
特徴とする(1)に記載の半導体装置である。
【0012】
(3)
または、本発明の一態様は、第3の絶縁体は、昇温脱離ガス分析において、膜の表面温
度が100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲で、水素分子に
換算しての水素の脱離量が6×1014molecules/cm以下であることを特
徴とする(1)または(2)に記載の半導体装置である。
【0013】
(4)
または、本発明の一態様は、第1の絶縁体は、金属酸化物を有する絶縁体を含む多層膜
であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一に記載の半導体装置である。
【0014】
(5)
または、本発明の一態様は、第4の絶縁体は、金属酸化物を有する絶縁体を含む多層膜
であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一に記載の半導体装置である。
【0015】
(6)
または、本発明の一態様は、半導体と、第1の導電体と、第2の導電体と、第3の導電
体と、第4の導電体と、第1の絶縁体と、第2の絶縁体と、第3の絶縁体と、第4の絶縁
体と、第5の絶縁体と、を有し、第1の導電体と、半導体とは、第1の絶縁体を介して互
いに重なる領域を有し、第2の絶縁体は、開口部を有し、開口部において第1の絶縁体を
介して、第2の絶縁体の側面と第1の導電体の側面と互いに重なる領域を有し、第2の導
電体の表面の一部および第3の導電体の表面の一部は、開口部で第1の絶縁体と接し、半
導体は、半導体と第2の導電体と重なる領域と、半導体と第3の導電体と重なる領域と、
を有し、第5の絶縁体は、第1の領域と、第2の領域と、を有し、第1の領域は第2の領
域より厚く、第1の領域は、第3の絶縁体と接する領域を有し、第2の領域は、第4の絶
縁体と接する領域を有し、第4の導電体と、第3の絶縁体とは、第5の絶縁体を介して互
いに重なる領域を有し、第4の絶縁体は、フッ素を有することを特徴とする半導体装置で
ある。
【0016】
(7)
または、本発明の一態様は、第4の絶縁体の成膜ガスにシリコンおよびフッ素を含むこ
とを特徴とする(6)に記載の半導体装置である。
【0017】
(8)
または、本発明の一態様は、第4の絶縁体は、昇温脱離ガス分析において、膜の表面温
度が100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲で、水素分子に
換算しての水素の脱離量が6×1014molecules/cm以下であることを特
徴とする(6)または(7)に記載の半導体装置である。
【0018】
(9)
または、本発明の一態様は、第1の絶縁体は、金属酸化物を有する多層膜であることを
特徴とする(6)乃至(8)のいずれか一に記載の半導体装置である。
【0019】
(10)
または、本発明の一態様は、第5の絶縁体は、金属酸化物を有する絶縁体を含む多層膜
であることを特徴とする(6)乃至(9)のいずれか一に記載の半導体装置である。
【0020】
(11)
または、本発明の一態様は、第1の絶縁体上に第2の絶縁体を成膜し、第2の絶縁体上
に第1の導電体を成膜し、第1の導電体の一部をエッチングすることで、第1の導電体層
を形成し、第2の絶縁体上および第1の導電体層上に、第3の絶縁体を成膜し、第3の絶
縁体上に第4の絶縁体を成膜し、第4の絶縁体上に半導体を成膜し、半導体上に第2の導
電体を成膜し、第2の導電体の一部をエッチングすることで第2の導電体層を形成し、第
2の導電体層の一部をエッチングすることで第2の導電体層を第3の導電体層および第4
の導電体層に分離し、半導体の一部をエッチングすることで半導体層を形成し、第4の絶
縁体の一部をエッチングすることで第1の絶縁体層を形成し、第3の絶縁体上に第5の絶
縁体を選択的に成膜し、第5の絶縁体上、第1の絶縁体層の側面、半導体層の側面、半導
体層上、第3の導電体層の側面、第3の導電体層上、第4の導電体層の側面および第4の
導電体層上に第6の絶縁体を成膜し、第6の絶縁体上に第3の導電体を成膜し、第3の導
電体の一部をエッチングすることで第4の導電体層を形成する半導体装置の作製方法であ
る。
【0021】
(12)
または、本発明の一態様は、第5の絶縁体は、シリコンおよびフッ素を含むガスを用い
て成膜することを特徴とする(11)に記載の半導体装置の作製方法である。
【0022】
(13)
また、本発明の一態様は、第1の絶縁体上に第2の絶縁体を成膜し、第2の絶縁体上に
第1の導電体を成膜し、第1の導電体の一部をエッチングすることで、第1の導電体層を
形成し、第2の絶縁体上および第1の導電体層上に、第3の絶縁体を成膜し、第3の絶縁
体上に第4の絶縁体を成膜し、第4の絶縁体上に半導体を成膜し、半導体上に第2の導電
体を成膜し、第4の絶縁体、半導体および第2の導電体の一部をエッチングすることで第
4の絶縁体、半導体および第2の導電体を有する多層膜を形成し、第3の絶縁体上に第5
の絶縁体を選択的に成膜し、第5の絶縁体上、多層膜の側面および多層膜上に第6の絶縁
体を成膜し、第6の絶縁体および第2の導電体に、第5の絶縁体の表面と半導体の表面に
達する開口部と、を形成することで第2の導電体を第2の導電体層と第3の導電体層と、
に分離し、第6の絶縁体上に第7の絶縁体を成膜し、第7の絶縁体上に第3の導電体を成
膜し、第3の導電体および第7の絶縁体を化学的機械研磨することで第6の絶縁体を露出
させ、第3の導電体を有する第4の導電体層および第7の絶縁体を有する第1の絶縁体層
を形成する半導体装置の作製方法である。
【0023】
(14)
または、本発明の一態様は、第5の絶縁体は、シリコンおよびフッ素を含むガスを用い
て成膜することを特徴とする(13)に記載の半導体装置の作製方法である。
【0024】
なお、本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法において、酸化物半導体を他の半導
体に置き換えても構わない。
【発明の効果】
【0025】
耐圧の高いトランジスタを提供することができる。または、製品歩留りの高いトランジ
スタを提供することができる。または、微細なトランジスタを提供することができる。ま
たは、寄生容量の小さいトランジスタを提供することができる。または、周波数特性の高
いトランジスタを提供することができる。または、電気特性の良好なトランジスタを提供
することができる。または、電気特性の安定したトランジスタを提供することができる。
または、オフ時の電流の小さいトランジスタを提供することができる。または、新規なト
ランジスタを提供することができる。または、該トランジスタを有する半導体装置を提供
することができる。または、動作速度の速い半導体装置を提供することができる。または
、新規な半導体装置を提供することができる。または、該半導体装置を有するモジュール
を提供することができる。または、該半導体装置、または該モジュール有する電子機器を
提供することができる。
【0026】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の
一態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書
、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項
などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図2】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図3】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図4】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図5】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図6】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図7】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図8】本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。
図9】本発明の一態様に係るトランジスタの一部および従来のトランジスタの一部を示す断面図。
図10】本発明の一態様に係るトランジスタの一部を示す断面図。
図11】本発明の一態様に係るトランジスタを示す断面図。
図12】CAAC-OSおよび単結晶酸化物半導体のXRDによる構造解析を説明する図、ならびにCAAC-OSの制限視野電子回折パターンを示す図。
図13】CAAC-OSの断面TEM像、ならびに平面TEM像およびその画像解析像。
図14】nc-OSの電子回折パターンを示す図、およびnc-OSの断面TEM像。
図15】a-like OSの断面TEM像。
図16】In-Ga-Zn酸化物の電子照射による結晶部の変化を示す図。
図17】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図18】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図19】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図20】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図21】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図22】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図23】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図24】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図25】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図26】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図27】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図28】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図29】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図30】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図31】本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法を示す上面図および断面図。
図32】本発明の一態様に係る記憶装置の回路図。
図33】本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。
図34】本発明の一態様に係る半導体装置を示す断面図。
図35】本発明の一態様に係る半導体装置を示す回路図および断面図。
図36】本発明の一態様に係るCPUを示すブロック図。
図37】本発明の一態様に係る記憶素子の回路図。
図38】撮像装置を示す平面図。
図39】撮像装置の画素を示す平面図。
図40】撮像装置を示す断面図。
図41】撮像装置を示す断面図。
図42】RFタグの構成例を説明する図。
図43】本発明に係る、半導体装置を示す回路図、上面図および断面図。
図44】本発明に係る、半導体装置を示す回路図および断面図。
図45】表示モジュールを説明する図。
図46】リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージの断面構造を表す斜視図。
図47】本発明の一態様に係る電子機器を示す図。
図48】本発明の一態様に係る電子機器を示す図。
図49】本発明の一態様に係る電子機器を示す図。
図50】本発明に係る、RFタグの使用例。
図51】実施例の断面STEM像。
図52】実施例で測定した成膜速度の結果のグラフ。
図53】実施例で測定したTDS分析から水素の放出量を算出したグラフ。
図54】実施例で測定したTDS分析から水の放出量を算出したグラフ。
図55】実施例で測定したTDS分析の結果のグラフ。
図56】実施例で測定したTDS分析の結果のグラフ。
図57】実施例で測定したTDS分析の結果のグラフ。
図58】実施例で測定したTDS分析の結果のグラフ。
図59】実施例で測定したSIMS分析の結果のグラフ。
図60】実施例で測定したSIMS分析の結果のグラフ。
図61】実施例で測定したXPS測定の結果のグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施の形態および実施例について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本
発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者
であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態および実施例の記載内
容に限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあた
り、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。なお、同様のものを指す際
にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0029】
なお、図において、大きさ、膜(層)の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張され
ている場合がある。
【0030】
なお、本明細書において、例えば、物体の形状を「径」、「粒径」、「大きさ」、「サ
イズ」、「幅」などで規定する場合、物体が収まる最小の立方体における一辺の長さ、ま
たは物体の一断面における円相当径と読み替えてもよい。物体の一断面における円相当径
とは、物体の一断面と等しい面積となる正円の直径をいう。
【0031】
なお、電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND)またはソース電位
)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能であ
る。
【0032】
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜的に用いるものであり、工程順または積
層順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」な
どと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と
、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
【0033】
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃
度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半
導体のDOS(Density of State)が形成されることや、キャリア移動
度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半
導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2
族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば
、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒
素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を
形成する場合がある。また、半導体がシリコン膜である場合、半導体の特性を変化させる
不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第
15族元素などがある。
【0034】
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトラ
ンジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重
なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース
電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つ
のトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、
一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明
細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値
、最小値または平均値とする。
【0035】
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中
で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される
領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つの
トランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、
一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明
細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値
、最小値または平均値とする。
【0036】
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャ
ネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示され
るチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば
、立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面
図において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくな
る場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の側面
に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において
示される見かけ上のチャネル幅よりも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅
の方が大きくなる。
【0037】
ところで、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実
測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見
積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形
状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である
【0038】
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが互い
に重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ
上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Chann
el Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載し
た場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または
、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合が
ある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲
い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどに
よって、値を決定することができる。
【0039】
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求
める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチ
ャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
【0040】
なお、本明細書において、AがBより迫り出した形状を有すると記載する場合、上面図
または断面図において、Aの少なくとも一端が、Bの少なくとも一端よりも外側にある形
状を有することを示す場合がある。したがって、AがBより迫り出した形状を有すると記
載されている場合、例えば上面図において、Aの一端が、Bの一端よりも外側にある形状
を有すると読み替えることができる。
【0041】
なお、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度
で配置されている状態をいう。したがって、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また
、「略平行」とは、二つの直線が-30°以上30°以下の角度で配置されている状態を
いう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されてい
る状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」
とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
【0042】
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表
す。
【0043】
(実施の形態1)
<トランジスタ構造1>
以下では、本発明の一態様に係る半導体装置が有するトランジスタの構造について説明
する。
【0044】
図1(A)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および
断面図である。図1(A)は上面図である。図1(B)は、図1(A)に示す一点鎖線A
1-A2に対応する断面図である。図1(C)は、図1(A)に示す一点鎖線A3-A4
に対応する断面図である。なお、図1(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要
素を省いて図示している。
【0045】
図1(B)および(C)において、本トランジスタは、基板400上の絶縁体401と
、絶縁体401上の絶縁体301、導電体310aおよび導電体310bと、絶縁体30
1上、導電体310a上、および導電体310b上の絶縁体302と、絶縁体302上の
電子捕獲層303と、電子捕獲層303上の絶縁体402と、絶縁体402上の絶縁体4
03および絶縁体406aと、絶縁体406a上の半導体406bと、半導体406bの
上面と接する領域を有する導電体416a1および導電体416a2と、絶縁体403の
上面、絶縁体406aの側面、半導体406bの側面、半導体406bの上面、導電体4
16a1の側面、導電体416a1の上面、導電体416a2の側面および導電体416
a2の上面と接する領域を有する絶縁体406cと、絶縁体406c上の絶縁体412と
、半導体406bと絶縁体412を介して互いに重なる領域を有する導電体404と、を
有する。
【0046】
本トランジスタ上には、絶縁体408と、絶縁体408上の絶縁体410と、絶縁体4
10、絶縁体408、絶縁体412、絶縁体406c、絶縁体403、絶縁体402、電
子捕獲層303および絶縁体302を通り導電体310bに達する開口部と、絶縁体41
0、絶縁体408、絶縁体412および絶縁体406cを通り導電体416a1に達する
開口部と、絶縁体410、絶縁体408、絶縁体412および絶縁体406cを通り導電
体416a2に達する開口部と、絶縁体410および絶縁体408を通り導電体404に
達する開口部と、それぞれの開口部に導電体433、導電体431、導電体429および
導電体437が埋め込まれ、絶縁体410上の導電体433と接する領域を有する導電体
434と、絶縁体410上の導電体431と接する領域を有する導電体432と、絶縁体
410上の導電体429と接する領域を有する導電体430と、絶縁体410上の導電体
437と接する領域を有する導電体438と、を有する。
【0047】
なお、半導体406bは、半導体406bの上面と導電体416a1および導電体41
6a2と接する領域407を有する。
【0048】
本トランジスタにおいて、導電体404は第1のゲート電極としての機能を有する。ま
た、導電体404は、酸素を透過しにくい導電体と積層構造とすることができる。例えば
酸素を透過しにくい導電体を下層に成膜することで導電体404の酸化による電気抵抗値
の増加を防ぐことができる。絶縁体412は第1のゲート絶縁膜としての機能を有する。
【0049】
また、導電体416a1および導電体416a2は、ソース電極またはドレイン電極と
しての機能を有する。また、導電体416a1および導電体416a2は、酸素を透過し
にくい導電体と積層構造とすることができる。例えば酸素を透過しにくい導電体を上層に
成膜することで導電体416a1および導電体416a2の酸化による電気抵抗値の増加
を防ぐことができる。なお、導電体の電気抵抗値の測定は、2端子法などを用いて測定す
ることができる。
【0050】
導電体404に印加する電位によって、半導体406bの抵抗を制御することができる
。即ち、導電体404に印加する電位によって、導電体416a1と導電体416a2と
の間の導通・非導通を制御することができる。
【0051】
図1(B)および(C)に示すように、半導体406bの上面は、導電体416a1お
よび導電体416a2と接する。また、第1のゲート電極としての機能を有する導電体4
04の電界によって、絶縁体406aおよび半導体406bを電気的に取り囲むことがで
きる。ゲート電極の電界によって、半導体を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、s
urrounded channel(s-channel)構造とよぶ。そのため、半
導体406bの全体にチャネルが形成される場合がある。s-channel構造では、
トランジスタのソース-ドレイン間に大電流を流すことができ、導通時の電流(オン電流
)を大きくすることができる。また、絶縁体406aおよび半導体406bが、導電体4
04の電界によって取り囲まれていることから、非導通時の電流(オフ電流)を小さくす
ることができる。
【0052】
また、導電体310aは、第2のゲート電極としての機能を有する。また、導電体31
0aは酸素を透過しにくい導電膜を含む多層膜とすることもできる。酸素を透過しにくい
導電膜を含む多層膜とすることで導電体310aの酸化による導電率の低下を防ぐことが
できる。絶縁体302、電子捕獲層303および絶縁体402は第2のゲート絶縁膜とし
ての機能を有する。
【0053】
ここで本発明に係るトランジスタの特徴について図9(A)および(B)を用いて説明
する。図9(A)は本発明に係る、図1(C)に示すトランジスタの一部の拡大図である
。第1のゲート電極としての機能を有する導電体404は、絶縁体412、絶縁体406
c、絶縁体403、絶縁体402、電子捕獲層303および絶縁体302を介して第2の
ゲート電極としての機能を有する導電体310aと互いに重なる領域を有している。また
、導電体404の底面と導電体310aの上面と、の間隔を間隔405h1として表す。
【0054】
図9(B)は従来のトランジスタの一部の拡大図である。第1のゲート電極としての機
能を有する導電体404は、絶縁体412、絶縁体406c、絶縁体402、電子捕獲層
303および絶縁体302を介して第2のゲート電極としての機能を有する導電体310
aと互いに重なる領域を有している。また、導電体404の底面と導電体310aの上面
と、の間隔を間隔405h2として表す。
【0055】
本発明に係るトランジスタおよび従来のトランジスタは、導電体310aへ印加する電
位によって、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。また、導電体310
aに印加する電位により、電子捕獲層303へ電子を注入させトランジスタのしきい値電
圧を制御することができる。詳しくは、導電体404をアース電位に固定し、導電体31
0aに電位を加えることで電子捕獲層303へ電子を注入する。この時、導電体404と
導電体310aとの間に電位差が生ずる。導電体310aに加える電位の範囲としては、
+30Vから+50Vの間、またはー50Vからー30Vの間とする。
【0056】
本発明に係るトランジスタは、図9(A)に示す間隔405h1の大きさが図9(B)
に示す従来のトランジスタの間隔405h2よりも絶縁体403を有するので大きい。従
って、導電体404と導電体310aとの間の電位差による電界が弱まり、電界による素
子破壊を回避することができて好ましい。
【0057】
図9(A)に示す絶縁体403と異なる膜厚および異なる形状について図10(A)、
(B)、(C)、(D)および(E)に示す。
【0058】
図10(A)に示すように、絶縁体403は、その膜厚が図9(A)に示す絶縁体40
3より薄くても良い。または、図10(B)に示すように、絶縁体403は、その膜厚が
図9(A)に示す絶縁体403より厚く、絶縁体406aの側面と接する領域を有してい
ても良い。または、図10(C)に示すように、絶縁体403は、上面が平坦な形状を有
さず、その膜厚が図9(A)に示す絶縁体403より薄くても良い。または、図10(D
)に示すように、絶縁体403は、上面が平坦な形状を有して無くても良く、または、図
10(E)に示すように、絶縁体403は、上面が平坦な形状を有して無くても良く、絶
縁体406aの側面と接する領域を有していても良い。
【0059】
第1のゲート電極と第2のゲート電極を電気的に接続することで、導通時の電流(オン
電流)を大きくすることができる。なお、第1のゲート電極の機能と、第2のゲート電極
の機能と、が入れ替わっても構わない。
【0060】
図11(A)に第1のゲート電極と第2のゲート電極を電気的に接続した一例を示す。
絶縁体410および絶縁体408を通って導電体404に達する開口部には、導電体44
0が埋め込まれており、導電体440の上面と絶縁体410上に形成した導電体444と
は、電気的接続されている。一方、絶縁体410、絶縁体408、絶縁体412、絶縁体
406c、絶縁体403、絶縁体402、電子捕獲層303および絶縁体302を通って
導電体310cに達する開口部には、導電体442が埋め込まれており、導電体442の
上面と導電体444とは、電気的に接続されている。つまり、第1のゲート電極としての
機能を有する導電体404は、導電体440、導電体444および導電体442を通して
、第2のゲート電極としての機能を有する導電体310cとは、電気的に接続される。
【0061】
なお、トランジスタを、水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁
体で囲うことによって、トランジスタの電気特性を安定にすることができる。例えば絶縁
体408として、水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁体を用い
ればよい。
【0062】
水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁体としては、例えば、ホ
ウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素
、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジ
ム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。
【0063】
また、例えば、絶縁体408としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガ
リウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化
ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化酸化シリコンまた
は窒化シリコンなどを用いればよい。なお、絶縁体408は、酸化アルミニウムを有する
ことが好ましい。例えば、絶縁体408は酸素を有するプラズマを用いて成膜すると絶縁
体408の下地層となる絶縁体412へ酸素を添加することができる。添加された酸素は
絶縁体412中で過剰酸素となる。絶縁体408が酸化アルミニウムを有することで、半
導体406bに水素などの不純物が混入することを抑制することができる。また、例えば
、絶縁体408が酸化アルミニウムを有することで、上述の絶縁体412へ添加した過剰
酸素の外方拡散を低減することができる。
【0064】
絶縁体401としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化酸化シリコン、窒
化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、
酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルを用いればよい。なお
、絶縁体401は、酸化アルミニウムまたは窒化シリコンを有することが好ましい。例え
ば、絶縁体401が酸化アルミニウムまたは窒化シリコンを有することで、半導体406
bに水素などの不純物が混入することを抑制することができる。また、例えば、絶縁体4
01が酸化アルミニウムまたは窒化シリコンを有することで、酸素の外方拡散を低減する
ことができる。
【0065】
絶縁体403としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、
アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウ
ム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単
層で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体403としては、フッ素を有する酸化
シリコンまたはフッ素を有する酸化窒化シリコンを有することが好ましい。
【0066】
絶縁体301としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、
アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウ
ム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単
層で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体301としては、酸化シリコンまたは
酸化窒化シリコンを有することが好ましい。
【0067】
電子捕獲層303としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウ
ム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イット
リウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体ま
たは金属酸化膜を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、電子捕獲層303とし
ては、窒化シリコン、酸化ハフニウムまたは酸化アルミニウムを有することが好ましい。
【0068】
絶縁体302および絶縁体402としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ
素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマ
ニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタル
を含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体402としては、
酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを有することが好ましい。
【0069】
なお、絶縁体410は、比誘電率の低い絶縁体を有することが好ましい。例えば、絶縁
体410は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ
素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸
化シリコン、空孔を有する酸化シリコンまたは樹脂などを有することが好ましい。または
、絶縁体410は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン
、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加
した酸化シリコンまたは空孔を有する酸化シリコンと、樹脂と、の積層構造を有すること
が好ましい。酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、樹脂と組
み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂と
しては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど
)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリルなどがある。
【0070】
絶縁体412としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、
アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウ
ム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単
層で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体412としては、酸化シリコンまたは
酸化窒化シリコンを有することが好ましい。
【0071】
なお、絶縁体412は、比誘電率の高い絶縁体を有することが好ましい。例えば、絶縁
体412は、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸
化物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを
有する酸化物、またはシリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物などを有することが
好ましい。または、絶縁体412は、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンと、比誘電率
の高い絶縁体と、の積層構造を有することが好ましい。酸化シリコンおよび酸化窒化シリ
コンは、熱的に安定であるため、比誘電率の高い絶縁体と組み合わせることで、熱的に安
定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。例えば、酸化アルミニウム、酸化ガ
リウムまたは酸化ハフニウムを絶縁体406c側に有することで、酸化シリコンまたは酸
化窒化シリコンに含まれるシリコンが、半導体406bに混入することを抑制することが
できる。また、例えば、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを絶縁体406c側に有す
ることで、酸化アルミニウム、酸化ガリウムまたは酸化ハフニウムと、酸化シリコンまた
は酸化窒化シリコンと、の界面にトラップセンターが形成される場合がある。該トラップ
センターは、電子を捕獲することでトランジスタのしきい値電圧をプラス方向に変動させ
ることができる場合がある。
【0072】
導電体416a1および導電体416a2としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フ
ッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル
、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、プラチ
ナ、銀、インジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電体を、単層
で、または積層で用いればよい。例えば、合金膜や化合物膜であってもよく、アルミニウ
ムを含む導電体、銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導電体、インジ
ウム、スズおよび酸素を含む導電体、またはチタンおよび窒素を含む導電体などを用いて
もよい。
【0073】
導電体310a、導電体310b、導電体310c、導電体404、導電体429、導
電体430、導電体431、導電体432、導電体433、導電体434、導電体437
、導電体438、導電体440、導電体442、および導電体444としては、例えば、
ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガ
ン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデ
ン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導
電体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、合金膜や化合物膜であってもよく
、アルミニウムを含む導電体、銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導
電体、インジウム、スズおよび酸素を含む導電体、またはチタンおよび窒素を含む導電体
などを用いてもよい。
【0074】
半導体406bとしては、酸化物半導体を用いることが好ましい。ただし、シリコン(
歪シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素
、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウムまたは有機半導体などを用
いても構わない場合がある。
【0075】
絶縁体406aおよび絶縁体406cとしては、半導体406bを構成する酸素以外の
元素一種以上、または二種以上から構成される酸化物を用いることが望ましい。ただし、
シリコン(歪シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガ
リウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウムまたは有機半導
体などを用いても構わない場合がある。
【0076】
<トランジスタ構造2>
ここでは、図1と異なる構成のトランジスタについて、図2を用いて説明する。図2
A)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図で
ある。図2(A)は上面図である。図2(B)は、図2(A)に示す一点鎖線A1-A2
に対応する断面図である。図2(C)は、図2(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応す
る断面図である。なお、図2(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省い
て図示している。
【0077】
図2(A)、(B)および(C)に示すように、第1のゲート電極としての機能を有す
る導電体404とソース電極としての機能する導電体416a1またはドレイン電極とし
ての機能を有する416a2と、互いに重なり合う領域を有さないところが、図1に示す
トランジスタの構成と異なるところである。
【0078】
第1のゲート電極としての機能を有する導電体404と、ソース電極としての機能する
導電体416a1またはドレイン電極としての機能を有する416a2と、互いに重なり
合う領域を有さないことで、第1のゲート電極としての機能を有する導電体404と、ソ
ース電極としての機能する導電体416a1またはドレイン電極としての機能を有する4
16a2の両電極間の寄生容量を有さないので、トランジスタの高速動作に好ましい。ま
た、第1のゲート電極としての機能を有する導電体404と、ソース電極としての機能す
る導電体416a1またはドレイン電極としての機能を有する416a2の両電極間の電
流のリークを防ぐことができる。その他の構成は上述を参酌する。
【0079】
<トランジスタ構造3>
ここでは、図2と異なる構成のトランジスタについて、図3を用いて説明する。図3
A)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図で
ある。図3(A)は上面図である。図3(B)は、図3(A)に示す一点鎖線A1-A2
に対応する断面図である。図3(C)は、図3(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応す
る断面図である。なお、図3(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省い
て図示している。
【0080】
図3(A)、(B)、(C)に示すように、ソース電極としての機能を有する導電体4
16a1またはドレイン電極としての機能を有する導電体416a2を有さず、ソース領
域としての機能を有する領域407a1またはドレイン領域としての機能を有する領域4
07a2を有し、絶縁体410、絶縁体408、領域407a1および半導体406bを
通り絶縁体406aに達する開口部と、絶縁体410、絶縁体408、領域407a2お
よび半導体406bを通り絶縁体406aに達する開口部を有するところが図2に示すト
ランジスタの構成と異なるところである。
【0081】
本トランジスタにおいて、領域407a1および領域407a2は、ソース領域または
ドレイン領域としての機能を有する。領域407a1および領域407a2は、イオン注
入装置、イオンドーピング装置、プラズマドーピング装置またはプラズマ処理装置などを
用いて、半導体406bへ希ガス元素(Ar、Xe、Kr、Ne、He)を添加すること
で形成する。または、水素、窒素、ホウ素、リン、ヒ素、タングステン、アルミニウムな
どを添加しても形成できる。その他の構成は上述を参酌する。
【0082】
<トランジスタ構造4>
ここでは、図1と異なる構成のトランジスタについて、図4を用いて説明する。図4
A)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図で
ある。図4(A)は上面図である。図4(B)は、図4(A)に示す一点鎖線A1-A2
に対応する断面図である。図4(C)は、図4(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応す
る断面図である。なお、図4(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省い
て図示している。
【0083】
図4(B)および(C)において、本トランジスタは、基板400上の絶縁体401と
、絶縁体401上の絶縁体301、導電体310aおよび導電体310bと、絶縁体30
1上、導電体310a上および導電体310b上の絶縁体302と、絶縁体302上の電
子捕獲層303と、電子捕獲層303上の絶縁体402と、絶縁体402上の絶縁体40
3および絶縁体406aと、絶縁体406a上の半導体406bと、半導体406bの上
面と接する領域を有する導電体416a1および導電体416a2と、導電体416a1
の上面および導電体416a2の上面と接する絶縁体410と、半導体406bの上面と
接する絶縁体406cと、絶縁体406c上の絶縁体412と、絶縁体412および絶縁
体406cを介して半導体406b上に配置する導電体404と、を有する。
【0084】
本トランジスタ上には、絶縁体418、絶縁体418上の絶縁体408と、絶縁体40
8上の絶縁体428と、絶縁体428、絶縁体408、絶縁体418、絶縁体410、絶
縁体403、絶縁体402、電子捕獲層303および絶縁体302を通り導電体310b
に達する開口部と、絶縁体428、絶縁体408、絶縁体418および絶縁体410を通
り導電体416a1に達する開口部と、絶縁体428、絶縁体408、絶縁体418およ
び絶縁体410を通り導電体416a2に達する開口部と、絶縁体428、絶縁体408
および絶縁体418を通り導電体404に達する開口部と、それぞれの開口部に導電体4
33、導電体431、導電体429または導電体437が埋め込まれ、絶縁体428上の
導電体433と接する領域を有する導電体434と、絶縁体428上の導電体431と接
する領域を有する導電体432と、絶縁体428上の導電体429と接する領域を有する
導電体430と、絶縁体428上の導電体437と接する領域を有する導電体438と、
を有する。
【0085】
なお、半導体406bは、半導体406bの上面と導電体416a1および導電体41
6a2と接する領域407を有する。
【0086】
本トランジスタにおいて、導電体404は第1のゲート電極としての機能を有する。ま
た、導電体404は、酸素を透過しにくい導電体と積層構造とすることができる。例えば
酸素を透過しにくい導電体を下層に成膜することで導電体404の酸化による電気抵抗値
の増加を防ぐことができる。絶縁体412は第1のゲート絶縁膜としての機能を有する。
【0087】
また、導電体416a1および導電体416a2は、ソース電極またはドレイン電極と
しての機能を有する。また、導電体416a1および導電体416a2は、酸素を透過し
にくい導電体と積層構造とすることができる。例えば酸素を透過しにくい導電体を上層に
成膜することで導電体416a1および導電体416a2の酸化による電気抵抗値の増加
を防ぐことができる。
【0088】
導電体404に印加する電位によって、半導体406bの抵抗を制御することができる
。即ち、導電体404に印加する電位によって、導電体416a1と導電体416a2と
の間の導通・非導通を制御することができる。
【0089】
本トランジスタは、ゲート電極として機能する領域が、絶縁体410などによって形成
される開口部を埋めるように自己整合(self align)的に形成されるので、T
GSA s-channel FET(Trench Gate Self Align
s-channel FET)と呼ぶこともできる。
【0090】
図4(B)において、第1のゲート電極としての機能を有する導電体404の底面が、
絶縁体412および絶縁体406cを介して、半導体406bの上面と平行に面する領域
の長さをゲート線幅と定義する。該ゲート線幅は、絶縁体410の半導体406bに達す
る開口部よりも小さくすることができる。即ち、ゲート線幅を最小加工寸法よりも小さく
することができる。具体的には、ゲート線幅を、5nm以上60nm以下、好ましくは5
nm以上30nm以下とすることができる。
【0091】
なお、ゲート電極からの電界が他の導電体によって遮られると、トランジスタのスイッ
チング特性が悪化する場合がある。本トランジスタは、絶縁体406cおよび絶縁体41
2の膜厚によって導電体404と、導電体416a1および導電体416a2と、の位置
関係が変化する。即ち、ソース電極およびドレイン電極としての機能を有する導電体41
6a1および導電体416a2の膜厚と第1のゲート絶縁膜としての機能を有する絶縁体
412の膜厚の関係は、本トランジスタの電気特性に影響をおよぼすことがわかる。
【0092】
図4(B)において導電体416a1と、導電体416a2の間の領域における絶縁体
412の厚さが導電体416a1の厚さまたは導電体416a2の厚さ以下とすることで
、ゲート電極からの電界がチャネル形成領域全体に掛かるのでトランジスタの動作が良好
となり好ましい。導電体416a1と、導電体416a2の間の領域における絶縁体41
2の厚さは、30nm以下、好ましくは10nm以下とする。
【0093】
また、本トランジスタの構成は、導電体416a1の厚さまたは導電体416a2の厚
さを小さい値とすることが可能である。導電体416a1の端部は絶縁体406cおよび
絶縁体412を介して、導電体404と向かい合う領域を有する。または、導電体416
a2の端部は絶縁体406cおよび絶縁体412を介して、導電体404と向かい合う領
域を有するが、これらの領域の面積はより小さく抑えられる。したがって本トランジスタ
は、これらの領域の寄生容量は小さく抑えられている構成となっている。
【0094】
また、導電体310aは、第2のゲート電極としての機能を有する。また、導電体31
0aは酸素を透過しにくい導電膜を含む多層膜とすることもできる。酸素を透過しにくい
導電膜を含む多層膜とすることで導電体310aの酸化による導電率の低下を防ぐことが
できる。絶縁体302、電子捕獲層303および絶縁体402は第2のゲート絶縁膜とし
ての機能を有する。導電体310aへ印加する電位によって、本トランジスタのしきい値
電圧を制御することができる。また、導電体310aに印加する電位により、電子捕獲層
303へ電子を注入させ本トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。さらに
第1のゲート電極と第2のゲート電極を電気的に接続することで、導通時の電流(オン電
流)を大きくすることができる。なお、第1のゲート電極の機能と、第2のゲート電極の
機能と、が入れ替わっても構わない。
【0095】
図11(B)に第1のゲート電極と第2のゲート電極を電気的に接続した一例を示す。
絶縁体428、絶縁体408および絶縁体418を通って導電体404に達する開口部に
は、導電体440が埋め込まれており、導電体440の上面と絶縁体428上に形成した
導電体444とは、電気的に接続されている。一方、絶縁体428、絶縁体408、絶縁
体418、絶縁体410、絶縁体403、絶縁体402、電子捕獲層303および絶縁体
302を通って導電体310cに達する開口部には、導電体442が埋め込まれており、
導電体442の上面と導電体444とは、電気的に接続されている。つまり、第1のゲー
ト電極としての機能を有する導電体404は、導電体440、導電体444および導電体
442を通して、第2のゲート電極としての機能を有する導電体310cとは、電気的に
接続される。
【0096】
絶縁体418および絶縁体428としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ
素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマ
ニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタル
を含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体301としては、
酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを有することが好ましい。その他の構成は上述を参
酌する。
【0097】
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形
態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定
されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載さ
れているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様
として、トランジスタのチャネル形成領域が、酸化物半導体を有する場合の例、または、
トランジスタが酸化物半導体を有する場合の例などを示したが、本発明の一態様は、これ
に限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様における様々
なトランジスタは、様々な半導体を有していてもよい。場合によっては、または、状況に
応じて、本発明の一態様における様々なトランジスタは、例えば、シリコン、ゲルマニウ
ム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、
インジウムリン、窒化ガリウム、または、有機半導体などの少なくとも一つを有していて
もよい。または例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様におけ
る様々なトランジスタは、酸化物半導体を有していなくてもよい。
【0098】
<トランジスタ構造5>
ここでは、図1と異なる構成のトランジスタについて、図5を用いて説明する。図5
A)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図で
ある。図5(A)は上面図である。図5(B)は、図5(A)に示す一点鎖線A1-A2
に対応する断面図である。図5(C)は、図5(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応す
る断面図である。なお、図5(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省い
て図示している。
【0099】
図5(B)および(C)において、本トランジスタは、絶縁体401上の絶縁体301
、導電体310aおよび導電体310bと、絶縁体301上、導電体310a上および導
電体310b上の絶縁体302と、絶縁体302上の電子捕獲層303と、を有しないと
ころが図1に示すトランジスタと異なる。つまり、第2のゲート電極を有しない構成であ
っても良いとする。
【0100】
<トランジスタ構造6>
ここでは、図2と異なる構成のトランジスタについて、図6を用いて説明する。図6
A)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図で
ある。図6(A)は上面図である。図6(B)は、図6(A)に示す一点鎖線A1-A2
に対応する断面図である。図6(C)は、図6(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応す
る断面図である。なお、図6(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省い
て図示している。
【0101】
図6(B)および(C)において、本トランジスタは、絶縁体401上の絶縁体301
、導電体310aおよび導電体310bと、絶縁体301上、導電体310a上および導
電体310b上の絶縁体302と、絶縁体302上の電子捕獲層303と、を有しないと
ころが図2に示すトランジスタと異なる。つまり、第2のゲート電極を有しない構成であ
っても良いとする。
【0102】
<トランジスタ構造7>
ここでは、図3と異なる構成のトランジスタについて、図7を用いて説明する。図7
A)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図で
ある。図7(A)は上面図である。図7(B)は、図7(A)に示す一点鎖線A1-A2
に対応する断面図である。図7(C)は、図7(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応す
る断面図である。なお、図7(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省い
て図示している。
【0103】
図7(B)および(C)において、本トランジスタは、絶縁体401上の絶縁体301
、導電体310aおよび導電体310bと、絶縁体301上、導電体310a上および導
電体310b上の絶縁体302と、絶縁体302上の電子捕獲層303と、を有しないと
ころが図3に示すトランジスタと異なる。つまり、第2のゲート電極を有しない構成であ
っても良いとする。
【0104】
<トランジスタ構造8>
ここでは、図4と異なる構成のトランジスタについて、図8を用いて説明する。図8
A)、(B)および(C)は、本発明の一態様に係る半導体装置の上面図および断面図で
ある。図8(A)は上面図である。図8(B)は、図8(A)に示す一点鎖線A1-A2
に対応する断面図である。図8(C)は、図8(A)に示す一点鎖線A3-A4に対応す
る断面図である。なお、図8(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省い
て図示している。
【0105】
図8(B)および(C)において、本トランジスタは、絶縁体401上の絶縁体301
、導電体310aおよび導電体310bと、絶縁体301上、導電体310a上および導
電体310b上の絶縁体302と、絶縁体302上の電子捕獲層303と、を有しないと
ころが図4に示すトランジスタと異なる。つまり、第2のゲート電極を有しない構成であ
っても良いとする。
【0106】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0107】
(実施の形態2)
<酸化物半導体の構造>
以下では、酸化物半導体の構造について説明する。
【0108】
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分け
られる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC-OS(c-axis-aligne
d crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化
物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semicon
ductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-
like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などが
ある。
【0109】
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物
半導体と、に分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC
-OS、多結晶酸化物半導体およびnc-OSなどがある。
【0110】
非晶質構造は、一般に、等方的であって不均質構造を持たない、準安定状態で原子の配
置が固定化していない、結合角度が柔軟である、短距離秩序は有するが長距離秩序を有さ
ない、などといわれている。
【0111】
逆の見方をすると、安定な酸化物半導体を完全な非晶質(completely am
orphous)酸化物半導体とは呼べない。また、等方的でない(例えば、微小な領域
において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物半導体とは呼べない。
一方、a-like OSは、等方的でないが、鬆(ボイドともいう。)を有する不安定
な構造である。不安定であるという点では、a-like OSは、物性的に非晶質酸化
物半導体に近い。
【0112】
<CAAC-OS>
まずは、CAAC-OSについて説明する。
【0113】
CAAC-OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物
半導体の一種である。
【0114】
CAAC-OSをX線回折(XRD:X-Ray Diffraction)によって
解析した場合について説明する。例えば、空間群R-3mに分類されるInGaZnO
の結晶を有するCAAC-OSに対し、out-of-plane法による構造解析を行
うと、図12(A)に示すように回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる。このピ
ークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC-OS
では、結晶がc軸配向性を有し、c軸がCAAC-OSの膜を形成する面(被形成面とも
いう。)、または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。なお、2θが31
°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°
近傍のピークは、空間群Fd-3mに分類される結晶構造に起因する。そのため、CAA
C-OSは、該ピークを示さないことが好ましい。
【0115】
一方、CAAC-OSに対し、被形成面に平行な方向からX線を入射させるin-pl
ane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、
InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。そして、2θを56°近傍に固定
し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)
を行っても、図12(B)に示すように明瞭なピークは現れない。一方、単結晶InGa
ZnOに対し、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、図12(C)に示す
ように(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、
XRDを用いた構造解析から、CAAC-OSは、a軸およびb軸の配向が不規則である
ことが確認できる。
【0116】
次に、電子回折によって解析したCAAC-OSについて説明する。例えば、InGa
ZnOの結晶を有するCAAC-OSに対し、CAAC-OSの被形成面に平行にプロ
ーブ径が300nmの電子線を入射させると、図12(D)に示すような回折パターン(
制限視野電子回折パターンともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、I
nGaZnOの結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子
回折によっても、CAAC-OSに含まれるペレットがc軸配向性を有し、c軸が被形成
面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面
に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させたときの回折パターンを図12(E
)に示す。図12(E)より、リング状の回折パターンが確認される。したがって、プロ
ーブ径が300nmの電子線を用いた電子回折によっても、CAAC-OSに含まれるペ
レットのa軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。なお、図12(E)における
第1リングは、InGaZnOの結晶の(010)面および(100)面などに起因す
ると考えられる。また、図12(E)における第2リングは(110)面などに起因する
と考えられる。
【0117】
また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron M
icroscope)によって、CAAC-OSの明視野像と回折パターンとの複合解析
像(高分解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができ
る。一方、高分解能TEM像であってもペレット同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバ
ウンダリーともいう。)を明確に確認することができない場合がある。そのため、CAA
C-OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
【0118】
図13(A)に、試料面と略平行な方向から観察したCAAC-OSの断面の高分解能
TEM像を示す。高分解能TEM像の観察には、球面収差補正(Spherical A
berration Corrector)機能を用いた。球面収差補正機能を用いた高
分解能TEM像を、特にCs補正高分解能TEM像と呼ぶ。Cs補正高分解能TEM像は
、例えば、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM-ARM200Fなどに
よって観察することができる。
【0119】
図13(A)より、金属原子が層状に配列している領域であるペレットを確認すること
ができる。ペレット一つの大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものがあることが
わかる。したがって、ペレットを、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこ
ともできる。また、CAAC-OSを、CANC(C-Axis Aligned na
nocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。ペレットは、CAA
C-OSの被形成面または上面の凹凸を反映しており、CAAC-OSの被形成面または
上面と平行となる。
【0120】
また、図13(B)および図13(C)に、試料面と略垂直な方向から観察したCAA
C-OSの平面のCs補正高分解能TEM像を示す。図13(D)および図13(E)は
、それぞれ図13(B)および図13(C)を画像処理した像である。以下では、画像処
理の方法について説明する。まず、図13(B)を高速フーリエ変換(FFT:Fast
Fourier Transform)処理することでFFT像を取得する。次に、取
得したFFT像において原点を基準に、2.8nm-1から5.0nm-1の間の範囲を
残すマスク処理する。次に、マスク処理したFFT像を、逆高速フーリエ変換(IFFT
:Inverse Fast Fourier Transform)処理することで画
像処理した像を取得する。こうして取得した像をFFTフィルタリング像と呼ぶ。FFT
フィルタリング像は、Cs補正高分解能TEM像から周期成分を抜き出した像であり、格
子配列を示している。
【0121】
図13(D)では、格子配列の乱れた箇所を破線で示している。破線で囲まれた領域が
、一つのペレットである。そして、破線で示した箇所がペレットとペレットとの連結部で
ある。破線は、六角形状であるため、ペレットが六角形状であることがわかる。なお、ペ
レットの形状は、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合が多い。
【0122】
図13(E)では、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間を点
線で示し、格子配列の向きを破線で示している。点線近傍においても、明確な結晶粒界を
確認することはできない。点線近傍の格子点を中心に周囲の格子点を繋ぐと、歪んだ六角
形や、五角形または/および七角形などが形成できる。即ち、格子配列を歪ませることに
よって結晶粒界の形成を抑制していることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b
面方向において原子配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距
離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
【0123】
以上に示すように、CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において
複数のペレット(ナノ結晶)が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。よって、C
AAC-OSを、CAA crystal(c-axis-aligned a-b-p
lane-anchored crystal)を有する酸化物半導体と称することもで
きる。
【0124】
CAAC-OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結晶性は不純物の
混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、逆の見方をするとCAAC-O
Sは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
【0125】
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金
属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸
素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列
を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、
二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列
を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
【0126】
酸化物半導体が不純物や欠陥を有する場合、光や熱などによって特性が変動する場合が
ある。例えば、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャ
リア発生源となる場合がある。例えば、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップ
となる場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
【0127】
不純物および酸素欠損の少ないCAAC-OSは、キャリア密度の低い酸化物半導体で
ある。具体的には、8×1011個/cm未満、好ましくは1×1011/cm未満
、さらに好ましくは1×1010個/cm未満であり、1×10-9個/cm以上の
キャリア密度の酸化物半導体とすることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真
性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。CAAC-OSは、不純物濃度が低
く、欠陥準位密度が低い。即ち、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
【0128】
<nc-OS>
次に、nc-OSについて説明する。
【0129】
nc-OSをXRDによって解析した場合について説明する。例えば、nc-OSに対
し、out-of-plane法による構造解析を行うと、配向性を示すピークが現れな
い。即ち、nc-OSの結晶は配向性を有さない。
【0130】
また、例えば、InGaZnOの結晶を有するnc-OSを薄片化し、厚さが34n
mの領域に対し、被形成面に平行にプローブ径が50nmの電子線を入射させると、図1
4(A)に示すようなリング状の回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)が観測さ
れる。また、同じ試料にプローブ径が1nmの電子線を入射させたときの回折パターン(
ナノビーム電子回折パターン)を図14(B)に示す。図14(B)より、リング状の領
域内に複数のスポットが観測される。したがって、nc-OSは、プローブ径が50nm
の電子線を入射させることでは秩序性が確認されないが、プローブ径が1nmの電子線を
入射させることでは秩序性が確認される。
【0131】
また、厚さが10nm未満の領域に対し、プローブ径が1nmの電子線を入射させると
図14(C)に示すように、スポットが略正六角状に配置された電子回折パターンが観
測される場合がある。したがって、厚さが10nm未満の範囲において、nc-OSが秩
序性の高い領域、即ち結晶を有することがわかる。なお、結晶が様々な方向を向いている
ため、規則的な電子回折パターンが観測されない領域もある。
【0132】
図14(D)に、被形成面と略平行な方向から観察したnc-OSの断面のCs補正高
分解能TEM像を示す。nc-OSは、高分解能TEM像において、補助線で示す箇所な
どように結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない
領域と、を有する。nc-OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下の大きさで
あり、特に1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが1
0nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体(micro
crystalline oxide semiconductor)と呼ぶことがあ
る。nc-OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合
がある。なお、ナノ結晶は、CAAC-OSにおけるペレットと起源を同じくする可能性
がある。そのため、以下ではnc-OSの結晶部をペレットと呼ぶ場合がある。
【0133】
このように、nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特
に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OS
は、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見
られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶
質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
【0134】
なお、ペレット(ナノ結晶)間で結晶方位が規則性を有さないことから、nc-OSを
、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有する酸化
物半導体、またはNANC(Non-Aligned nanocrystals)を有
する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
【0135】
nc-OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため
、nc-OSは、a-like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くな
る。ただし、nc-OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのた
め、nc-OSは、CAAC-OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
【0136】
<a-like OS>
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物
半導体である。
【0137】
図15に、a-like OSの高分解能断面TEM像を示す。ここで、図15(A)
は電子照射開始時におけるa-like OSの高分解能断面TEM像である。図15
B)は4.3×10/nmの電子(e)照射後におけるa-like OSの
高分解能断面TEM像である。図15(A)および図15(B)より、a-like O
Sは電子照射開始時から、縦方向に延伸する縞状の明領域が観察されることがわかる。ま
た、明領域は、電子照射後に形状が変化することがわかる。なお、明領域は、鬆または低
密度領域と推測される。
【0138】
鬆を有するため、a-like OSは、不安定な構造である。以下では、a-lik
e OSが、CAAC-OSおよびnc-OSと比べて不安定な構造であることを示すた
め、電子照射による構造の変化を示す。
【0139】
試料として、a-like OS、nc-OSおよびCAAC-OSを準備する。いず
れの試料もIn-Ga-Zn酸化物である。
【0140】
まず、各試料の高分解能断面TEM像を取得する。高分解能断面TEM像により、各試
料は、いずれも結晶部を有する。
【0141】
なお、InGaZnOの結晶の単位格子は、In-O層を3層有し、またGa-Zn
-O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有することが知られてい
る。これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と
同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。したがって、
以下では、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所を、InGaZ
nOの結晶部と見なした。なお、格子縞は、InGaZnOの結晶のa-b面に対応
する。
【0142】
図16は、各試料の結晶部(22箇所から30箇所)の平均の大きさを調査した例であ
る。なお、上述した格子縞の長さを結晶部の大きさとしている。図16より、a-lik
e OSは、TEM像の取得などに係る電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなって
いくことがわかる。図16より、TEMによる観察初期においては1.2nm程度の大き
さだった結晶部(初期核ともいう。)が、電子(e)の累積照射量が4.2×10
/nmにおいては1.9nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、n
c-OSおよびCAAC-OSは、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×10
/nmまでの範囲で、結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。図16
より、電子の累積照射量によらず、nc-OSおよびCAAC-OSの結晶部の大きさは
、それぞれ1.3nm程度および1.8nm程度であることがわかる。なお、電子線照射
およびTEMの観察は、日立透過電子顕微鏡H-9000NARを用いた。電子線照射条
件は、加速電圧を300kV、電流密度を6.7×10/(nm・s)、照射領
域の直径を230nmとした。
【0143】
このように、a-like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合が
ある。一方、nc-OSおよびCAAC-OSは、電子照射による結晶部の成長がほとん
ど見られない。即ち、a-like OSは、nc-OSおよびCAAC-OSと比べて
、不安定な構造であることがわかる。
【0144】
また、鬆を有するため、a-like OSは、nc-OSおよびCAAC-OSと比
べて密度の低い構造である。具体的には、a-like OSの密度は、同じ組成の単結
晶の密度の78.6%以上92.3%未満となる。また、nc-OSの密度およびCAA
C-OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満となる。単結
晶の密度の78%未満となる酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
【0145】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、
菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnOの密度は6.357g/cmとなる。よ
って、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体におい
て、a-like OSの密度は5.0g/cm以上5.9g/cm未満となる。ま
た、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において
、nc-OSの密度およびCAAC-OSの密度は5.9g/cm以上6.3g/cm
未満となる。
【0146】
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合、任意の割合で組成の異なる単結晶を組み合
わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もることができる。
所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して
、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を
組み合わせて見積もることが好ましい。
【0147】
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。
なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a-like OS、nc-OS
、CAAC-OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
【0148】
(実施の形態3)
<トランジスタの作製方法1>
以下では、本発明に係る図1のトランジスタの作製方法を図17から図23を用いて説
明する。
【0149】
まず、基板400を準備する。
【0150】
次に、絶縁体401を成膜する。絶縁体401の成膜は、スパッタリング法、化学気相
成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピ
タキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法またはパルスレ
ーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積
(ALD:Atomic Layer Deposition)法などを用いて行うこと
ができる。
【0151】
なお、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma
Enhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal C
VD)法、光を利用する光CVD(Photo CVD)法などに分類できる。さらに用
いる原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD
(MOCVD:Metal Organic CVD)法に分けることができる。
【0152】
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、熱CVD法は、プラ
ズマを用いないため、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法
である。例えば、半導体装置に含まれる配線、電極、素子(トランジスタ、容量素子など
)などは、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき
、蓄積した電荷によって、半導体装置に含まれる配線、電極、素子などが破壊される場合
がある。一方、プラズマを用いない熱CVD法の場合、こういったプラズマダメージが生
じないため、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、熱CVD法では、成
膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
【0153】
また、ALD法も、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法
である。また、ALD法も、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜
が得られる。
【0154】
CVD法およびALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積する成膜方法と
は異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがっ
て、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特
に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比
の高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜
速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いること
が好ましい場合もある。
【0155】
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御する
ことができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意
の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜
しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜
することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用
いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間の分、成膜に掛かる時間を短く
することができる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
【0156】
次に絶縁体401上に絶縁体301を成膜する。絶縁体301の成膜は、スパッタリン
グ法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。
【0157】
次に、絶縁体301に絶縁体401に達する溝を形成する。溝とは、たとえば穴や開口
部なども含まれる。溝の形成はウエットエッチングを用いてもよいが、ドライエッチング
を用いるほうが微細加工には好ましい。また、絶縁体401は、絶縁体301をエッチン
グして溝を形成する際のエッチングストッパ膜として機能する絶縁体を選択することが好
ましい。例えば、溝を形成する絶縁体301に酸化シリコン膜を用いた場合は、絶縁体4
01は窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜を用いるとよい。
【0158】
溝の形成後に、導電体310aまたは導電体310bとなる導電体を成膜する。導電体
310aまたは導電体310bとなる導電体は、酸素を透過し難い導電体を含むことが望
ましい。たとえば、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタンなどを用いることがで
きる。またはタンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、モリブ
デンタングステン合金との積層膜とすることができる。導電体310aまたは導電体31
0bとなる導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、A
LD法などを用いて行うことができる。
【0159】
次に、化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishin
g:CMP)を行うことで、絶縁体301上の導電体310aまたは導電体310bとな
る導電体を除去する。その結果、溝部のみに、導電体310aおよび導電体310bが残
存することで上面が平坦な配線層を形成することができる。
【0160】
または、絶縁体301上に導電体310aおよび導電体310bとなる導電体を成膜し
、リソグラフィー法などによって加工し、導電体310aおよび導電体310bを形成し
てもよい。
【0161】
次に、絶縁体301上、導電体310a上および導電体310b上に絶縁体302を成
膜する。絶縁体302の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法
、ALD法などを用いて行うことができる。絶縁体302上に電子捕獲層303を成膜す
る。電子捕獲層303は好ましくは、水素などの不純物および酸素を透過しにくいことが
望ましい。たとえば、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜を用いる
とよい。電子捕獲層303の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPL
D法、ALD法などを用いて行うことができる。
【0162】
次に、電子捕獲層303上に絶縁体402を成膜する。絶縁体402の成膜は、スパッ
タリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができ
る。次に、絶縁体402に酸素を添加する処理を行っても構わない。酸素を添加する処理
としては、例えば、イオン注入法、プラズマ処理法などがある。なお、絶縁体402に添
加された酸素は過剰酸素となる。
【0163】
次に、絶縁体402上に絶縁体406a_1を成膜する。絶縁体406a_1の成膜は
、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うこ
とができる。
【0164】
次に、絶縁体406a_1に酸素を添加する処理を行っても構わない。酸素を添加する
処理としては、例えば、イオン注入法、プラズマ処理法などがある。なお、絶縁体406
a_1に添加された酸素は、過剰酸素となる。絶縁体406a_1に対応する層に酸素を
添加する処理を行うと好ましい。次に絶縁体406a_1上に半導体406b_1を成膜
する。
【0165】
次に、第1の加熱処理を行うと好ましい。第1の加熱処理は、250℃以上650℃以
下、好ましくは450℃以上600℃以下、さらに好ましくは520℃以上570℃以下
で行えばよい。第1の加熱処理は、不活性ガス雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以
上、1%以上もしくは10%以上含む雰囲気で行う。第1の加熱処理は減圧状態で行って
もよい。または、第1の加熱処理は、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸
素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上または10%以上含む雰囲気で加
熱処理を行ってもよい。第1の加熱処理によって、半導体406b_1の結晶性を高める
ことや、水素や水などの不純物を除去することなどができる。または、第1の加熱処理は
、減圧状態で酸素を含むプラズマ処理を行ってもよい。酸素を含むプラズマ処理は、例え
ばマイクロ波を用いた高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いることが好ま
しい。または、基板側にRF(Radio Frequency)を印加するプラズマ電
源を有してもよい。高密度プラズマを用いることより高密度の酸素ラジカルを生成するこ
とができ、基板側にRFを印加することで高密度プラズマによって生成された酸素ラジカ
ルを効率よく半導体406b_1内に導くことができる。または、この装置を用いて不活
性ガスを含むプラズマ処理を行った後に脱離した酸素を補うために酸素を含むプラズマ処
理を行ってもよい。
【0166】
次に、半導体406b_1となる半導体上に導電体414を成膜する。導電体414の
成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて
行うことができる(図17(A)、(B)および(C)参照。)。
【0167】
次に、導電体414をリソグラフィー法などによって加工し、導電体415を形成する
。(図18(A)、(B)および(C)参照。)。
【0168】
次に、導電体415をリソグラフィー法などによって加工し、導電体415を導電体4
16a1および導電体416a2に分離する。次に、半導体406b_1を加工し、半導
体406bを形成する。次に、絶縁体406a_1を加工し、絶縁体406aを形成する
。ここで、導電体414の成膜時に、半導体406b_1の上面にダメージを与えること
で領域407が形成される。領域407は、半導体406b_1が低抵抗化された領域を
有するので、導電体415と半導体406b間のコンタクト抵抗が低抵抗化される。なお
、絶縁体406aを形成する際、絶縁体402もエッチングされ、一部の領域が薄くなる
場合がある。即ち、絶縁体402は、絶縁体406aと接する領域に凸部を有する形状と
なる場合がある(図19(A)、(B)および(C)参照。)。
【0169】
なお、リソグラフィー法では、まず、マスクを介してレジストを露光する。次に、露光
された領域を、現像液を用いて除去または残存させてレジストマスクを形成する。次に、
当該レジストマスクを介してエッチング処理することで導電体、半導体または絶縁体など
を所望の形状に加工することができる。例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシ
マレーザ光、EUV(Extreme Ultraviolet)光などを用いて、レジ
ストを露光することでレジストマスクを形成すればよい。また、基板と投影レンズとの間
に液体(例えば水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、前述した光に
代えて、電子ビームやイオンビームを用いてもよい。なお、電子ビームやイオンビームを
用いる場合には、マスクは不要となる。なお、レジストマスクの除去には、アッシングな
どのドライエッチング処理を行う、またはウエットエッチング処理を行う、またはドライ
エッチング処理の後にウエットエッチング処理を行う、またはウエットエッチング処理の
後にドライエッチング処理を行うことができる。
【0170】
ドライエッチング装置としては、平行平板型電極を有する容量結合型プラズマ(CCP
:Capacitively Coupled Plasma)エッチング装置を用いる
ことができる。平行平板型電極を有する容量結合型プラズマエッチング装置は、平行平板
型電極の一方の電極に高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極の一方
の電極に複数の異なった高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それ
ぞれに同じ周波数の高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれ
に周波数の異なる高周波電源を印加する構成でもよい。または高密度プラズマ源を有する
ドライエッチング装置を用いることができる。高密度プラズマ源を有するドライエッチン
グ装置は、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupl
ed Plasma)エッチング装置などを用いることができる。
【0171】
ここからは、本発明に係る絶縁体403の成膜方法について述べる。
【0172】
絶縁体403の成膜は、CVD法、ALD法などを用いることができるが、ここではC
VD法による成膜を行う。例えば、プラズマCVD装置を用いることが好ましい。成膜に
使用するガスとしては、SiFガス、NOガス、およびArガスを混合して用いるこ
とができる。または、上記ガスにSiHガスを加えても良い。ガス圧力を例えば133
Paに制御して、高周波電力を例えば800Wに設定して成膜を行う。基板温度は例えば
350℃になるようにCVD装置の下部電極の温度設定を行う。
【0173】
以上のような成膜条件にて絶縁体403を成膜すると、絶縁体403は絶縁体402上
のみに選択的に成膜され、導電体416a1上、導電体416a2上および半導体406
b上には成膜されない。
【0174】
これは、絶縁体402、導電体416a1、導電体416a2および半導体406bの
各表面と絶縁体403の成膜ガスとの表面反応の違いによる現象である。絶縁体403の
成膜ガスは、エッチング反応種となるフッ素と、成膜反応種となるシリコンおよび酸素が
含まれている。
【0175】
絶縁体402の表面は、成膜ガスの中に含まれるフッ素との反応が乏しく、フッ素によ
るエッチング反応よりもシリコンおよび酸素による成膜反応が主体となり膜が形成される
が、導電体416a1の表面、導電体416a2の表面および半導体406bの表面は、
成膜ガスの中に含まれるフッ素によるエッチング反応とシリコンおよび酸素による成膜反
応が同時に起こるため結果として膜が形成されない。これが絶縁体402上に絶縁体40
3が選択的に成膜される理由と考えられる(図20(A)、(B)および(C)参照。)
【0176】
以上により、絶縁体406aを形成する際に絶縁体402がエッチングされ、一部の領
域が薄くなることがあるが、この薄くなった領域上に絶縁体403を選択的に成膜するこ
とができるので、薄くなった領域を絶縁体403によって厚くすることができる。これに
より、絶縁体402が有する段差が緩和され、この後に成膜する膜の被覆性が向上するの
で好ましい。また、トランジスタのしきい値電圧制御における導電体310aへの電位の
印加時においては、導電体310aと導電体404の間に絶縁体403があることで導電
体310aと導電体404間の電界強度を弱めることができるため静電破壊などの素子不
良の発生を低減できる。
【0177】
次に、絶縁体406cを成膜する。絶縁体406cの成膜は、スパッタリング法、CV
D法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。次に、絶縁体
406c上に絶縁体412を成膜する。絶縁体412の成膜は、スパッタリング法、CV
D法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。
【0178】
導電体404となる導電体を成膜する。導電体404となる導電体の成膜は、スパッタ
リング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる
。次に、導電体404となる導電体をリソグラフィー法などによって加工し、導電体40
4を形成する(図21(A)、(B)および(C)参照。)。
【0179】
次に、絶縁体410を成膜する。絶縁体410の成膜は、スパッタリング法、CVD法
、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。または、スピンコ
ート法、ディップ法、液滴吐出法(インクジェット法など)、印刷法(スクリーン印刷、
オフセット印刷など)、ドクターナイフ法、ロールコーター法またはカーテンコーター法
などを用いて行うことができる。
【0180】
絶縁体410は、上面が平坦性を有するように形成してもよい。例えば、絶縁体410
は、成膜直後に上面が平坦性を有していてもよい。または、例えば、絶縁体410は、成
膜後に基板裏面などの基準面と平行になるよう絶縁体などを上面から除去していくことで
平坦性を有してもよい。このような処理を、平坦化処理と呼ぶ。平坦化処理としては、C
MP処理、ドライエッチング処理などがある。ただし、絶縁体410の上面が平坦性を有
さなくても構わない(図22(A)、(B)および(C)参照。)。
【0181】
次に、リソグラフィー法などを用いて絶縁体410、絶縁体408、絶縁体412、絶
縁体406c、絶縁体403、絶縁体402、電子捕獲層303および絶縁体302を通
り導電体310bに達する開口部と、絶縁体410、絶縁体408、絶縁体412および
絶縁体406cを通り導電体416a1に達する開口部と、絶縁体410、絶縁体408
、絶縁体412および絶縁体406cを通り導電体416a2に達する開口部と、絶縁体
410および絶縁体408を通り導電体404に達する開口部と、を形成する。開口部の
形成方法としては絶縁体410上にハードマスクとして機能する絶縁体または導電体を成
膜しても良い。または該ハードマスクは絶縁体と導電体と、の積層膜としても良い。
【0182】
次にそれぞれの開口部に導電体433、導電体431、導電体429および導電体43
7を埋め込み、導電体433の上面と接する導電体434、導電体431の上面と接する
導電体432、導電体429の上面と接する導電体430および導電体437の上面と接
する導電体438をそれぞれ形成する。導電体433、導電体431、導電体429、導
電体437、導電体434、導電体432、導電体430および導電体438の成膜は、
スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うこと
ができる。以上により、図1に示すトランジスタを作製することができる(図23(A)
、(B)および(C)参照。)。
【0183】
<トランジスタの作製方法2>
以下では、本発明に係る図4のトランジスタの作製方法を図24から図31を用いて説
明する。
尚、導電体414を成膜するところまでは、上述のトランジスタの作製方法1と同様であ
る(図24(A)、(B)および(C)参照。)。
【0184】
次に、絶縁体406a_1、半導体406b_1および導電体414をリソグラフィー
法などによって加工し、絶縁体406a、半導体406bおよび導電体415を有する多
層膜を形成する。ここで、導電体414の成膜時に、半導体406b_1の上面にダメー
ジを与えることで領域407が形成される。領域407は、半導体406b_1が低抵抗
化された領域を有するので、導電体415と半導体406b間のコンタクト抵抗が低抵抗
化される。なお、多層膜を形成する際、絶縁体402もエッチングされ、一部の領域が薄
くなる場合がある。即ち、絶縁体402は、多層膜と接する領域に凸部を有する形状とな
る場合がある(図25(A)、(B)および(C)参照。)。
【0185】
ここからは、本発明に係る絶縁体403の成膜方法について述べる。
【0186】
絶縁体403の成膜は、CVD法、ALD法などを用いることができるが、ここではC
VD法による成膜を行う。例えば、プラズマCVD装置を用いることが好ましい。成膜に
使用するガスとしては、SiFガス、NOガス、およびArガスを混合して用いるこ
とができる。または、上記ガスにSiHガスを加えても良い。ガス圧力を例えば133
Paに制御して、高周波電力を例えば800Wに設定して成膜を行う。基板温度は例えば
350℃になるようにCVD装置の下部電極の温度設定を行う。
【0187】
以上のような成膜条件にて絶縁体403を成膜すると、絶縁体403は絶縁体402上
のみに選択的に成膜され、導電体416a1上、導電体416a2上および半導体406
b上には成膜されない。
【0188】
これは、絶縁体402、導電体416a1、導電体416a2および半導体406bの
各表面と絶縁体403の成膜ガスとの表面反応の違いによる現象である。絶縁体403の
成膜ガスは、エッチング反応種となるフッ素と、成膜反応種となるシリコンおよび酸素が
含まれている。
【0189】
絶縁体402の表面は、成膜ガスの中に含まれるフッ素との反応が乏しく、フッ素によ
るエッチング反応よりもシリコンおよび酸素による成膜反応が主体となり膜が形成される
が、導電体416a1の表面、導電体416a2の表面および半導体406bの表面は、
成膜ガスの中に含まれるフッ素によるエッチング反応とシリコンおよび酸素による成膜反
応が同時に起こるため結果として膜が形成されない。これが絶縁体402上に絶縁体40
3が選択的に成膜される理由と考えられる(図26(A)、(B)および(C)参照。)
【0190】
以上により、絶縁体406aを形成する際に絶縁体402がエッチングされ、一部の領
域が薄くなることがあるが、この薄くなった領域上に絶縁体403を選択的に成膜するこ
とができるので、薄くなった領域を絶縁体403によって厚くすることができる。これに
より、絶縁体402が有する段差が緩和され、この後に成膜する膜の被覆性が向上するの
で好ましい。また、トランジスタのしきい値電圧制御における導電体310aへの電位の
印加時においては、導電体310aと導電体404の間に絶縁体403があることで導電
体310aと導電体404間の電界強度を弱めることができるため静電破壊などの素子不
良の発生を低減できる。
【0191】
次に、絶縁体410aを成膜する。絶縁体410aの成膜は、スパッタリング法、CV
D法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる。または、スピ
ンコート法、ディップ法、液滴吐出法(インクジェット法など)、印刷法(スクリーン印
刷、オフセット印刷など)、ドクターナイフ法、ロールコーター法またはカーテンコータ
ー法などを用いて行うことができる。
【0192】
絶縁体410aは、上面が平坦性を有するように形成してもよい。例えば、絶縁体41
0aは、成膜直後に上面が平坦性を有していてもよい。または、例えば、絶縁体410a
は、成膜後に基板裏面などの基準面と平行になるよう絶縁体などを上面から除去していく
ことで平坦性を有してもよい。このような処理を、平坦化処理と呼ぶ。平坦化処理として
は、CMP処理、ドライエッチング処理などがある。ただし、絶縁体410aの上面が平
坦性を有さなくても構わない。
【0193】
次に、絶縁体410a上にリソグラフィー法などによってレジストマスク411を形成
する。ここで絶縁体410aの上面とレジストマスクとの間の密着性を向上するために、
例えば、有機塗布膜を絶縁体410a上とレジストマスク411の間に設けてもよい。ま
た絶縁体410a上に導電体を単層または導電体および絶縁体の積層膜を成膜し、リソグ
ラフィー法によってハードマスクを形成してもよい(図27(A)、(B)および(C)
参照。)。
【0194】
次に、絶縁体410aをドライエッチング法などを用いて絶縁体403に達するまで第
1の加工を行い、絶縁体410を形成する。この時、絶縁体403があることで絶縁体4
02のエッチングが抑えられ、電子捕獲層303に達するまでエッチングされることがな
い。電子捕獲層303に達するまでエッチングされると電子捕獲層303に電子を注入す
る際に不具合が生ずることがある。
【0195】
次に、導電体415をドライエッチング法などを用いて第2の加工をすることで、導電
体416a1と導電体416a2に分離する。
【0196】
このとき、半導体406bは、露出した領域を有する。半導体406bの露出した領域
の領域407は、上述の第2の加工により除去されることがある(図28(A)、(B)
および(C)参照。)。
【0197】
第1の加工および第2の加工をドライエッチング法で行う場合、半導体406bの露出
領域にエッチングガスの残留成分などの不純物が付着する場合がある。例えば、エッチン
グガスとして塩素系ガスを用いると、塩素などが付着する場合がある。また、エッチング
ガスとして炭化水素系ガスを用いると、炭素や水素などが付着する場合がある。第2の加
工後に基板を大気に晒すと半導体406bの露出領域などが腐蝕することがある。そのた
め第2の加工後に連続して酸素ガスによるプラズマ処理を行うと上記不純物を除去するこ
とができて半導体406bの露出領域などの腐蝕を防ぐことができて好ましい。
【0198】
または、不純物の低減は、例えば、希釈フッ化水素酸などを用いた洗浄処理またはオゾ
ンなどを用いた洗浄処理を行ってもよい。なお、複数の洗浄処理を組み合わせてもよい。
これにより、半導体406bの露出した領域、言い換えるとチャネル形成領域は高抵抗と
なる。
【0199】
一方、導電体416a1および導電体416a2と、半導体406bの上面とが、互い
に重なる領域407は、上述のように導電体416a1および導電体416a2と半導体
406b間のコンタクト抵抗値が低くなり良好なトランジスタ特性を得ることができて好
ましい。
【0200】
次に、絶縁体406cとなる絶縁体を成膜し、絶縁体406cとなる絶縁体上に絶縁体
412となる絶縁体を成膜する。絶縁体406cとなる絶縁体および絶縁体412となる
絶縁体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法など
を用いて行うことができる。絶縁体406cとなる絶縁体および絶縁体412となる絶縁
体は、絶縁体410、導電体416a1および導電体416a2によって形成される開口
部の側面および底面に均一な厚さで成膜する。したがって、ALD法を用いることが好ま
しい。
【0201】
次に、導電体404となる導電体を成膜する。導電体404となる導電体の成膜は、ス
パッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことが
できる。導電体404となる導電体は、絶縁体410などによって形成される開口部を埋
めるように成膜する。したがって、CVD法(特にMCVD法)を用いることが好ましい
。また、絶縁体412とMCVD法で成膜する導電体の密着性を高めるために、ALD法
などによって成膜する導電体と、MCVD法で成膜する導電体との積層膜にすると好まし
い場合がある。例えば、窒化チタンと、タングステンとがこの順に成膜された多層膜など
を用いればよい。
【0202】
次に導電体404となる導電体の上面から、導電体404となる導電体、絶縁体412
となる絶縁体および絶縁体406cとなる絶縁体をCMPなどを用いて絶縁体410の上
面に達するまで研磨および平坦化する。これにより、ゲート電極として機能を有する導電
体404は、リソグラフィー法を用いることなく自己整合的に形成できる。また、ゲート
電極として機能を有する導電体404とソース電極またはドレイン電極としての機能を有
する導電体416a1および導電体416a2との合わせ精度を考慮することなくゲート
電極として機能を有する導電体404を形成できるので半導体装置の面積を小さくするこ
とができる。また、ゲート電極をリソグラフィー法を用いずに形成できるのでドライエッ
チングによるダメージもない。また、リソグラフィー工程が不要となるので工程簡略化に
よる生産性の向上が見込まれる(図29(A)、(B)および(C)参照。)。
【0203】
次に、絶縁体410上、絶縁体412上および絶縁体406c上に絶縁体418を成膜
する。絶縁体418の成膜はスパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、A
LD法などを用いて行うことができる。次に絶縁体418上に絶縁体408を成膜する。
絶縁体408の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD
法などを用いて行うことができる。好ましくは、絶縁体408として、酸素を有するプラ
ズマを用いて酸化アルミニウムを成膜することで、該プラズマ中の酸素を過剰酸素として
、絶縁体418の上面に添加することができる。
【0204】
絶縁体408となる絶縁体の成膜より後のいずれかのタイミングにおいて、第2の加熱
処理を行っても構わない。第2の加熱処理を行うことで、絶縁体418に含まれる過剰酸
素が絶縁体410、絶縁体402および絶縁体406aを通過して半導体406bまで移
動する。また、絶縁体418に含まれる過剰酸素が絶縁体412および/または絶縁体4
06cを通過して半導体406bまで移動する。このように2つの経路を通って過剰酸素
が半導体406bまで移動するため、半導体406bの欠陥(酸素欠損)を低減すること
ができる。
【0205】
なお、第2の加熱処理は、絶縁体418に含まれる過剰酸素(酸素)が半導体406b
まで拡散する温度で行えばよい。例えば、第1の加熱処理についての記載を参照しても構
わない。または、第2の加熱処理は、第1の加熱処理よりも低い温度が好ましい。第1の
加熱処理と第2の加熱処理の温度差は、20℃以上150℃以下、好ましくは40℃以上
100℃以下とする。これにより、絶縁体402から余分に過剰酸素(酸素)が放出する
ことを抑えることができる。なお、第2の加熱処理は、同等の加熱処理を各層の成膜時の
加熱によって兼ねることができる場合、行わなくてもよい場合がある。
【0206】
次に絶縁体408上に絶縁体428を成膜する。絶縁体428の成膜はスパッタリング
法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行うことができる(図3
0(A)、(B)および(C)参照。)。
【0207】
次に、リソグラフィー法などを用いて絶縁体428、絶縁体408、絶縁体418、絶
縁体410、絶縁体403、絶縁体402、電子捕獲層303および絶縁体302を通り
導電体310bに達する開口部と、絶縁体428、絶縁体408、絶縁体418および絶
縁体410を通り導電体416a1に達する開口部と、絶縁体428、絶縁体408、絶
縁体418および絶縁体410を通り導電体416a2に達する開口部と、絶縁体428
、絶縁体408および絶縁体418を通り導電体404に達する開口部と、を形成する。
開口部の形成方法としては絶縁体428上にハードマスクとして機能する絶縁体または導
電体を成膜しても良い。または該ハードマスクは絶縁体と導電体と、の積層膜としても良
い。
【0208】
次にそれぞれの開口部に導電体433、導電体431、導電体429および導電体43
7を形成する。次に、導電体433の上面と接する導電体434、導電体431の上面と
接する導電体432、導電体429の上面と接する導電体430および導電体437の上
面と接する導電体438をそれぞれ形成する。導電体433、導電体431、導電体42
9、導電体437、導電体434、導電体432、導電体430および導電体438の成
膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて行
うことができる。以上により、図4に示すトランジスタを作製することができる(図31
(A)、(B)および(C)参照。)。
【0209】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0210】
(実施の形態4)
<記憶装置1>
本発明の一態様に係るトランジスタを用いた、電力が供給されない状況でも記憶内容の
保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置(記憶装置)の一例を図3
2に示す。
【0211】
図32(A)に示す半導体装置は、第1の半導体を用いたトランジスタ3200と第2
の半導体を用いたトランジスタ3300、および容量素子3400を有している。なお、
トランジスタ3300としては、上述したトランジスタを用いることができる。
【0212】
トランジスタ3300は、オフ電流の小さいトランジスタが好ましい。トランジスタ3
300は、例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタを用いることができる。トランジ
スタ3300のオフ電流が小さいことにより、半導体装置の特定のノードに長期にわたり
記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、また
はリフレッシュ動作の頻度が極めて少なくすることが可能となるため、消費電力の低い半
導体装置となる。
【0213】
図32(A)において、第1の配線3001はトランジスタ3200のソースと電気的
に接続され、第2の配線3002はトランジスタ3200のドレインと電気的に接続され
る。また、第3の配線3003はトランジスタ3300のソース、ドレインの一方と電気
的に接続され、第4の配線3004はトランジスタ3300のゲートと電気的に接続され
ている。そして、トランジスタ3200のゲート、およびトランジスタ3300のソース
、ドレインの他方は、容量素子3400の一方の電極と電気的に接続され、第5の配線3
005は容量素子3400の他方の電極と電気的に接続されている。
【0214】
図32(A)に示す半導体装置は、トランジスタ3200のゲートの電位が保持可能と
いう特性を有することで、以下に示すように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能で
ある。
【0215】
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線3004の電位を、ト
ランジスタ3300が導通状態となる電位にして、トランジスタ3300を導通状態とす
る。これにより、第3の配線3003の電位が、トランジスタ3200のゲート、および
容量素子3400の一方の電極と電気的に接続するノードFGに与えられる。即ち、トラ
ンジスタ3200のゲートには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異な
る二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という。
)のどちらかが与えられるものとする。その後、第4の配線3004の電位を、トランジ
スタ3300が非導通状態となる電位にして、トランジスタ3300を非導通状態とする
ことにより、ノードFGに電荷が保持される(保持)。
【0216】
トランジスタ3300のオフ電流が小さいため、ノードFGの電荷は長期間にわたって
保持される。
【0217】
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線3001に所定の電位(定電位)を
与えた状態で、第5の配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、第2の配
線3002は、ノードFGに保持された電荷量に応じた電位をとる。これは、トランジス
タ3200をnチャネル型とすると、トランジスタ3200のゲートにHighレベル電
荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Hは、トランジスタ3200
のゲートにLowレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_L
より低くなるためである。ここで、見かけ上のしきい値電圧とは、トランジスタ3200
を「導通状態」とするために必要な第5の配線3005の電位をいうものとする。したが
って、第5の配線3005の電位をVth_HとVth_Lの間の電位Vとすることに
より、ノードFGに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、ノードF
GにHighレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV
>Vth_H)となれば、トランジスタ3200は「導通状態」となる。一方、ノードF
GにLowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV(<
th_L)となっても、トランジスタ3200は「非導通状態」のままである。このた
め、第2の配線3002の電位を判別することで、ノードFGに保持されている情報を読
み出すことができる。
【0218】
なお、メモリセルをアレイ状に配置する場合、読み出し時には、所望のメモリセルの情
報を読み出さなくてはならない。例えば、情報を読み出さないメモリセルにおいては、ノ
ードFGに与えられた電位によらずトランジスタ3200が「非導通状態」となるような
電位、つまり、Vth_Hより低い電位を第5の配線3005に与えることで所望のメモ
リセルの情報のみを読み出せる構成とすればよい。または、情報を読み出さないメモリセ
ルにおいては、ノードFGに与えられた電位によらずトランジスタ3200が「導通状態
」となるような電位、つまり、Vth_Lより高い電位を第5の配線3005に与えるこ
とで所望のメモリセルの情報のみを読み出せる構成とすればよい。
【0219】
<半導体装置の構造1>
図33は、図32(A)に対応する半導体装置の断面図である。図33に示す半導体装
置は、トランジスタ3200と、トランジスタ3300と、容量素子3400と、を有す
る。また、トランジスタ3300および容量素子3400は、トランジスタ3200の上
方に配置する。なお、トランジスタ3300としては、図1に示したトランジスタを用い
た例を示しているが、本発明の一態様に係る半導体装置は、これに限定されるものではな
い。よって適宜上述したトランジスタについての記載を参酌する。
【0220】
また、図33に示すトランジスタ3200は、半導体基板450を用いたトランジスタ
である。トランジスタ3200は、半導体基板450中の領域474aと、半導体基板4
50中の領域474bと、絶縁体462と、導電体454と、を有する。
【0221】
トランジスタ3200において、領域474aおよび領域474bは、ソース領域およ
びドレイン領域としての機能を有する。また、絶縁体462は、ゲート絶縁体としての機
能を有する。また、導電体454は、ゲート電極としての機能を有する。したがって、導
電体454に印加する電位によって、チャネル形成領域の抵抗を制御することができる。
即ち、導電体454に印加する電位によって、領域474aと領域474bとの間の導通
・非導通を制御することができる。
【0222】
図33に示すトランジスタ3200は、Fin型である場合を示している。トランジス
タ3200をFin型とすることにより、実効上のチャネル幅が増大することによりトラ
ンジスタ3200のオン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与
を高くすることができるため、トランジスタ3200のオフ特性を向上させることができ
る。
【0223】
半導体基板450としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、
または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜
鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などを用いればよい。好ましくは、半導体基
板450として単結晶シリコン基板を用いる。
【0224】
半導体基板450は、n型の導電型を付与する不純物を有する半導体基板を用いる。た
だし、半導体基板450として、p型の導電型を付与する不純物を有する半導体基板を用
いても構わない。その場合、トランジスタ3200となる領域には、n型の導電型を付与
する不純物を有するウェルを配置すればよい。または、半導体基板450がi型であって
も構わない。
【0225】
半導体基板450の上面は、(110)面を有することが好ましい。こうすることで、
トランジスタ3200のオン特性を向上させることができる。
【0226】
領域474aおよび領域474bは、p型の導電型を付与する不純物を有する領域であ
る。このようにして、トランジスタ3200はpチャネル型トランジスタを構成する。
【0227】
トランジスタ3200がpチャネル型トランジスタである場合について説明したが、ト
ランジスタ3200がnチャネル型トランジスタであっても構わない。
【0228】
なお、トランジスタ3200は、領域460などによって隣接するトランジスタと分離
される。領域460は、絶縁性を有する領域である。
【0229】
図33に示す半導体装置は、絶縁体464と、絶縁体466と、絶縁体468と、絶縁
体470と、絶縁体472と、絶縁体475と、絶縁体402と、絶縁体403と、絶縁
体410と、絶縁体418と、絶縁体408と、絶縁体428と、絶縁体465と、絶縁
体467と、絶縁体469と、絶縁体498と、導電体480aと、導電体480bと、
導電体480cと、導電体478aと、導電体478bと、導電体478cと、導電体4
76aと、導電体476bと、導電体476cと、導電体479aと、導電体479bと
、導電体479cと、導電体477aと、導電体477bと、導電体477cと、導電体
484aと、導電体484bと、導電体484cと、導電体484dと、導電体483a
と、導電体483bと、導電体483cと、導電体483dと、導電体483eと、導電
体483fと、導電体485aと、導電体485bと、導電体485cと、導電体485
dと、導電体487aと、導電体487bと、導電体487cと、導電体488aと、導
電体488bと、導電体488cと、導電体490aと、導電体490bと、導電体48
9aと、導電体489bと、導電体491aと、導電体491bと、導電体491cと、
導電体492aと、導電体492bと、導電体492cと、導電体494と、導電体49
6と、絶縁体406a、半導体406b、絶縁体406cと、を有する。
【0230】
絶縁体464は、トランジスタ3200上に配置する。また、絶縁体466は、絶縁体
464上に配置する。また、絶縁体468は、絶縁体466上に配置する。また、絶縁体
470は、絶縁体468上に配置する。また、絶縁体472は、絶縁体470上に配置す
る。また、絶縁体475は、絶縁体472上に配置する。また、トランジスタ3300は
、絶縁体475上に配置する。また、絶縁体418は、トランジスタ3300上に配置す
る。また、絶縁体408は、絶縁体418上に配置する。また、絶縁体428は、絶縁体
408上に配置する。また、絶縁体465は、絶縁体428上に配置される。また、容量
素子3400は、絶縁体465上に配置される。また、絶縁体469は、容量素子340
0上に配置される。
【0231】
絶縁体464は、領域474aに達する開口部と、領域474bに達する開口部と、導
電体454に達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体480a、
導電体480bまたは導電体480cが埋め込まれている。
【0232】
また、絶縁体466は、導電体480aに達する開口部と、導電体480bに達する開
口部と、導電体480cに達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電
体478a、導電体478bまたは導電体478cが埋め込まれている。
【0233】
また、絶縁体468は、導電体478aに達する開口部と、導電体478bに達する開
口部と、導電体478cに達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電
体476a、導電体476bまたは導電体476cが埋め込まれている。
【0234】
また、絶縁体468上に、導電体476aと接する導電体479aと、導電体476b
と接する導電体479bと、導電体476cと接する導電体479cと、を有する。また
、絶縁体472は、絶縁体470を通って導電体479aに達する開口部と、絶縁体47
0を通って導電体479bに達する開口部と、絶縁体470を通って導電体479cに達
する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体477a、導電体477b
、または導電体477cが埋め込まれている。
【0235】
また、絶縁体475は、トランジスタ3300のチャネル形成領域と重なる開口部と、
導電体477aに達する開口部と、導電体477bに達する開口部と、導電体477cに
達する開口部と、絶縁体472に達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞ
れ導電体484a、導電体484b、導電体484cまたは導電体484dが埋め込まれ
ている。
【0236】
また、導電体484dは、トランジスタ3300のボトムゲート電極としての機能を有
しても構わない。または、例えば、導電体484dに一定の電位を印加することで、トラ
ンジスタ3300のしきい値電圧などの電気特性を制御しても構わない。または、例えば
、導電体484dとトランジスタ3300のトップゲート電極とを電気的に接続しても構
わない。こうすることで、トランジスタ3300のオン電流を大きくすることができる。
また、パンチスルー現象を抑制することができるため、トランジスタ3300の飽和領域
における電気特性を安定にすることができる。
【0237】
また、絶縁体428は、絶縁体408、絶縁体418、絶縁体410、絶縁体403お
よび絶縁体402を通って導電体484aに達する開口部と、絶縁体408、絶縁体41
8、絶縁体410、絶縁体403および絶縁体402を通って導電体484bに達する開
口部と、絶縁体408、絶縁体418、絶縁体410、絶縁体403および絶縁体402
を通って導電体484cに達する開口部と、絶縁体408、絶縁体418および絶縁体4
10を通ってトランジスタ3300のソース電極またはドレイン電極の一方の導電体に達
する2つの開口部と、絶縁体408および絶縁体418を通ってトランジスタ3300の
ゲート電極の導電体に達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体4
83a、導電体483b、導電体483c、導電体483e、導電体483fまたは導電
体483dが埋め込まれている。
【0238】
また、絶縁体428上に、導電体483aおよび483eと接する導電体485aと、
導電体483bと接する導電体485bと、導電体483cおよび導電体483fと接す
る導電体485cと、導電体483dと接する導電体485dと、を有する。また、絶縁
体465は、導電体485aに達する開口部と、導電体485bに達する開口部と、導電
体485cに達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体487a、
導電体487bまたは導電体487cが埋め込まれている。
【0239】
また絶縁体465上に、導電体487aと接する導電体488aと、導電体487bと
接する導電体488bと、導電体487cと接する導電体488cと、を有する。また、
絶縁体467は、導電体488aに達する開口部と、導電体488bに達する開口部と、
を有する。また、開口部には、それぞれ導電体490aまたは導電体490bが埋め込ま
れている。また、導電体488cは容量素子3400の一方の電極の導電体494と接し
ている。
【0240】
また、絶縁体467上に、導電体490aと接する導電体489aと、導電体490b
と接する導電体489bと、を有する。また、絶縁体469は、導電体489aに達する
開口部と、導電体489bに達する開口部と、容量素子3400の他方の電極である導電
体496に達する開口部と、を有する。また、開口部には、それぞれ導電体491a、導
電体491bまたは導電体491cが埋め込まれている。
【0241】
また、絶縁体469上には、導電体491aと接する導電体492aと、導電体491
bと接する導電体492bと、導電体491cと接する導電体492cと、を有する。
【0242】
絶縁体464、絶縁体466、絶縁体468、絶縁体470、絶縁体472、絶縁体4
75、絶縁体402、絶縁体403、絶縁体410、絶縁体418、絶縁体408、絶縁
体428、絶縁体465、絶縁体467、絶縁体469および絶縁体498としては、例
えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リ
ン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン
、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いれば
よい。例えば、絶縁体401としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリ
コン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマ
ニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフ
ニウムまたは酸化タンタルを用いればよい。
【0243】
絶縁体464、絶縁体466、絶縁体468、絶縁体470、絶縁体472、絶縁体4
75、絶縁体402、絶縁体403、絶縁体410、絶縁体418、絶縁体408、絶縁
体428、絶縁体465、絶縁体467、絶縁体469または絶縁体498の一以上は、
水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁体を有することが好ましい
。トランジスタ3300の近傍に、水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有
する絶縁体を配置することによって、トランジスタ3300の電気特性を安定にすること
ができる。
【0244】
水素などの不純物および酸素をブロックする機能を有する絶縁体としては、例えば、ホ
ウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素
、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジ
ム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。
【0245】
導電体480a、導電体480bと、導電体480c、導電体478a、導電体478
b、導電体478c、導電体476a、導電体476b、導電体476c、導電体479
a、導電体479b、導電体479c、導電体477a、導電体477b、導電体477
c、導電体484a、導電体484b、導電体484c、導電体484d、導電体483
a、導電体483bと、導電体483c、導電体483d、導電体483e、導電体48
3f、導電体485a、導電体485b、導電体485c、導電体485d、導電体48
7a、導電体487b、導電体487c、導電体488a、導電体488b、導電体48
8c、導電体490a、導電体490bと、導電体489a、導電体489bと、導電体
491a、導電体491b、導電体491c、導電体492a、導電体492b、導電体
492c、導電体494および導電体496としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フ
ッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル
、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、イ
ンジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、または
積層で用いればよい。例えば、合金や化合物であってもよく、アルミニウムを含む導電体
、銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導電体、インジウム、スズおよ
び酸素を含む導電体、チタンおよび窒素を含む導電体などを用いてもよい。
【0246】
半導体406bとしては、酸化物半導体を用いることが好ましい。ただし、シリコン(
歪シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素
、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウムまたは有機半導体などを用
いても構わない場合がある。
【0247】
絶縁体406aおよび絶縁体406cとしては、半導体406bを構成する酸素以外の
元素一種以上、または二種以上から構成される酸化物を用いることが望ましい。ただし、
シリコン(歪シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガ
リウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウムまたは有機半導
体などを用いても構わない場合がある。
【0248】
トランジスタ3200のソースまたはドレインは、導電体480aと、導電体478a
と、導電体476aと、導電体479aと、導電体477aと、導電体484aと、導電
体483aと、導電体485aと、導電体483eと、を介してトランジスタ3300の
ソース電極またはドレイン電極の一方である導電体と電気的に接続する。また、トランジ
スタ3200のゲート電極である導電体454は、導電体480cと、導電体478cと
、導電体476cと、導電体479cと、導電体477cと、導電体484cと、導電体
483cと、導電体485cと、導電体483fと、を介してトランジスタ3300のソ
ース電極またはドレイン電極の他方である導電体と電気的に接続する。
【0249】
容量素子3400は、トランジスタ3300のソース電極またはドレイン電極の一方の
電極と、導電体483cと、導電体485cと、導電体487cと、導電体488cと、
を介して容量素子3400の一方の電極と電気的に接続する導電体494と、絶縁体49
8と、容量素子3400の他方の電極である導電体496と、を有する。なお、容量素子
3400は、トランジスタ3300の上方または下方に形成することで、半導体装置の大
きさを縮小することができて好適である。
【0250】
そのほかの構造については、適宜図4などについての記載を参酌することができる。
【0251】
なお、図34に示す半導体装置は、図33に示した半導体装置のトランジスタ3200
の構造が異なるのみである。よって、図34に示す半導体装置については、図33に示し
た半導体装置の記載を参酌する。具体的には、図34に示す半導体装置は、トランジスタ
3200がプレーナ型である場合を示している。なお、トランジスタ3200はpチャネ
ル型トランジスタであってもnチャネル型トランジスタであっても構わない。
【0252】
本実施の形態では、トランジスタ3200上にトランジスタ3300を有し、トランジ
スタ3300上に容量素子3400を有する半導体装置の一例を示したが、トランジスタ
3200上にトランジスタ3300と同様の半導体を有するトランジスタを一以上有する
構成としても構わない。このような構成とすることで半導体装置の集積度をより高めるこ
とができる。
【0253】
<記憶装置2>
図32(B)に示す半導体装置は、トランジスタ3200を有さない点で図32(A)
に示した半導体装置と異なる。この場合も図32(A)に示した半導体装置と同様の動作
により情報の書き込みおよび保持動作が可能である。
【0254】
図32(B)に示す半導体装置における、情報の読み出しについて説明する。トランジ
スタ3300が導通状態になると、浮遊状態である第3の配線3003と容量素子340
0とが導通し、第3の配線3003と容量素子3400の間で電荷が再分配される。その
結果、第3の配線3003の電位が変化する。第3の配線3003の電位の変化量は、容
量素子3400の一方の電極の電位(または容量素子3400に蓄積された電荷)によっ
て、異なる値をとる。
【0255】
例えば、容量素子3400の一方の電極の電位をV、容量素子3400の容量をC、第
3の配線3003が有する容量成分をCB、電荷が再分配される前の第3の配線3003
の電位をVB0とすると、電荷が再分配された後の第3の配線3003の電位は、(CB
×VB0+C×V)/(CB+C)となる。したがって、メモリセルの状態として、容量
素子3400の一方の電極の電位がV1とV0(V1>V0)の2つの状態をとるとする
と、電位V1を保持している場合の第3の配線3003の電位(=(CB×VB0+C×
V1)/(CB+C))は、電位V0を保持している場合の第3の配線3003の電位(
=(CB×VB0+C×V0)/(CB+C))よりも高くなることがわかる。
【0256】
そして、第3の配線3003の電位を所定の電位と比較することで、情報を読み出すこ
とができる。
【0257】
この場合、メモリセルを駆動させるための駆動回路に上記第1の半導体が適用されたト
ランジスタを用い、トランジスタ3300として第2の半導体が適用されたトランジスタ
を駆動回路上に積層して配置する構成とすればよい。
【0258】
以上に示した半導体装置は、酸化物半導体を用いたオフ電流の小さいトランジスタを適
用することで、長期にわたって記憶内容を保持することが可能となる。つまり、リフレッ
シュ動作が不要となるか、またはリフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能と
なるため、消費電力の低い半導体装置を実現することができる。また、電力の供給がない
場合(ただし、電位は固定されていることが好ましい)であっても、長期にわたって記憶
内容を保持することが可能である。
【0259】
また、該半導体装置は、情報の書き込みに高い電圧が不要であるため、素子の劣化が起
こりにくい。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲートへの電子の
注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行わないため、絶縁体の劣化とい
った問題が生じない。即ち、本発明の一態様に係る半導体装置は、従来の不揮発性メモリ
で問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上した半導体装
置である。さらに、トランジスタの導通状態、非導通状態によって、情報の書き込みが行
われるため、高速な動作が可能となる。本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書
中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0260】
(実施の形態5)
<半導体装置の構造2>
本実施の形態では、本発明の一態様のトランジスタを利用した回路の一例について図面
を参照して説明する。
【0261】
<断面構造>
図35(A)および(B)に本発明の一態様の半導体装置の断面図を示す。図35(A
)において、X1-X2方向はチャネル長方向、図35(B)において、Y1-Y2方向
はチャネル幅方向を示す。図35(A)および(B)に示す半導体装置は、下部に第1の
半導体材料を用いたトランジスタ2200を有し、上部に第2の半導体材料を用いたトラ
ンジスタ2100を有している。図35(A)および(B)では、第2の半導体材料を用
いたトランジスタ2100として、図4に例示したトランジスタを適用した例を示してい
る。
【0262】
第1の半導体材料と第2の半導体材料は異なる禁制帯幅を持つ材料とすることが好まし
い。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリコン(歪シリコン
含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ヒ化ガリウム、ヒ化アル
ミニウムガリウム、リン化インジウム、窒化ガリウム、有機半導体など)とし、第2の半
導体材料を酸化物半導体とすることができる。酸化物半導体以外の材料として単結晶シリ
コンなどを用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用い
たトランジスタは、先の実施の形態で例示したトランジスタを適用することで、優れたサ
ブスレッショルド特性が得られ、微細なトランジスタとすることが可能である。また、ス
イッチ速度が速いため高速動作が可能であり、オフ電流が低いためリーク電流が小さい。
【0263】
トランジスタ2200は、nチャネル型のトランジスタまたはpチャネル型のトランジ
スタのいずれであってもよく、回路によって適切なトランジスタを用いればよい。また、
酸化物半導体を用いた本発明の一態様のトランジスタを用いるほかは、用いる材料や構造
など、半導体装置の具体的な構成をここで示すものに限定する必要はない。
【0264】
図35(A)および(B)に示す構成では、トランジスタ2200の上部に、絶縁体2
201、絶縁体2207および絶縁体2208を介してトランジスタ2100が設けられ
ている。また、トランジスタ2200とトランジスタ2100の間には、複数の配線22
02が設けられている。また、各種絶縁体に埋め込まれた複数のプラグ2203により、
上層と下層にそれぞれ設けられた配線や電極が電気的に接続されている。また、トランジ
スタ2100を覆う絶縁体2204と、絶縁体2204上に配線2205と、が設けられ
ている。
【0265】
このように、2種類のトランジスタを積層することにより、回路の占有面積が低減され
、より高密度に複数の回路を配置することができる。
【0266】
ここで、下層に設けられるトランジスタ2200にシリコン系半導体材料を用いた場合
、トランジスタ2200の半導体膜の近傍に設けられる絶縁体中の水素はシリコンのダン
グリングボンドを終端し、トランジスタ2200の信頼性を向上させる効果がある。一方
、上層に設けられるトランジスタ2100に酸化物半導体を用いた場合、トランジスタ2
100の半導体膜の近傍に設けられる絶縁体中の水素は、酸化物半導体中にキャリアを生
成する要因の一つとなるため、トランジスタ2100の信頼性を低下させる要因となる場
合がある。したがって、シリコン系半導体材料を用いたトランジスタ2200の上層に酸
化物半導体を用いたトランジスタ2100を積層して設ける場合、これらの間に水素の拡
散を防止する機能を有する絶縁体2207を設けることは特に効果的である。絶縁体22
07により、下層に水素を閉じ込めることでトランジスタ2200の信頼性が向上するこ
とに加え、下層から上層に水素が拡散することが抑制されることでトランジスタ2100
の信頼性も同時に向上させることができる。
【0267】
絶縁体2207としては、例えば酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリ
ウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、
酸化窒化ハフニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等を用いることができる。
【0268】
また、酸化物半導体膜を含んで構成されるトランジスタ2100を覆うように、トラン
ジスタ2100上に水素の拡散を防止する機能を有するブロック膜を形成することが好ま
しい。当該ブロック膜としては、絶縁体2207と同様の材料を用いることができ、特に
酸化アルミニウム膜を適用することが好ましい。酸化アルミニウム膜は、その成膜中に下
層の絶縁体に過剰酸素を添加することができ、熱工程によって、過剰酸素がトランジスタ
2100の酸化物半導体層に移動し、酸化物半導体層中の欠陥を修復する効果がある。さ
らに酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物および酸素の双方に対して膜を透過
させない遮断(ブロッキング)効果が高い。したがって、トランジスタ2100を覆う当
該ブロック膜として酸化アルミニウム膜を用いることで、トランジスタ2100に含まれ
る酸化物半導体膜からの酸素の脱離を防止するとともに、酸化物半導体膜への水および水
素の混入を防止することができる。なお、当該ブロック膜は、絶縁体2204を積層にす
ることで用いてもよいし、絶縁体2204の下側に設けてもよい。
【0269】
なお、トランジスタ2200は、プレーナ型のトランジスタだけでなく、様々なタイプ
のトランジスタとすることができる。例えば、FIN(フィン)型、TRI-GATE(
トライゲート)型などのトランジスタなどとすることができる。その場合の断面図の例を
図35(E)および(F)に示す。半導体基板2211の上に、絶縁体2212が設け
られている。半導体基板2211は、先端の細い凸部(フィンともいう)を有する。なお
、凸部の上には、絶縁体が設けられていてもよい。その絶縁体は、凸部を形成するときに
、半導体基板2211がエッチングされないようにするためのマスクとして機能するもの
である。なお、凸部は、先端が細くなくてもよく、例えば、略直方体の凸部であってもよ
いし、先端が太い凸部であってもよい。半導体基板2211の凸部の上には、ゲート絶縁
体2214が設けられ、その上には、ゲート電極2213が設けられている。半導体基板
2211には、ソース領域およびドレイン領域2215が形成されている。なお、ここで
は、半導体基板2211が、凸部を有する例を示したが、本発明の一態様に係る半導体装
置は、これに限定されない。例えば、SOI基板を加工して、凸部を有する半導体領域を
形成しても構わない。
【0270】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0271】
(実施の形態6)
〔CMOS回路〕
図35(C)に示す回路図は、pチャネル型のトランジスタ2200とnチャネル型の
トランジスタ2100を直列に接続し、かつそれぞれのゲートを接続した、いわゆるCM
OS回路の構成を示している。
【0272】
〔アナログスイッチ〕
また図35(D)に示す回路図は、トランジスタ2100とトランジスタ2200のそ
れぞれのソースとドレインを接続した構成を示している。このような構成とすることで、
いわゆるアナログスイッチとして機能させることができる。本実施の形態は、少なくとも
その一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができ
る。
【0273】
(実施の形態7)
<CPU>
以下では、上述したトランジスタや上述した記憶装置などの半導体装置を含むCPUに
ついて説明する。
【0274】
図36は、上述したトランジスタを一部に用いたCPUの一例の構成を示すブロック図
である。
【0275】
図36に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithme
tic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラ
クションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントロー
ラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース
1198、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース1189を有
している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM
1199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん
図36に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはそ
の用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図36に示すCPUまたは演算回
路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作する
ような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は
、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
【0276】
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクショ
ンデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、イン
タラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントロー
ラ1195に入力される。
【0277】
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントロ
ーラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種
制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御す
るための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログ
ラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマス
ク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のア
ドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう
【0278】
図36に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジス
タ1196のメモリセルとして、上述したトランジスタや記憶装置などを用いることがで
きる。
【0279】
図36に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191から
の指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。即ち、レジスタ119
6が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素
子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選
択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。
容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが
行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
【0280】
図37は、レジスタ1196として用いることのできる記憶素子の回路図の一例である
。記憶素子1200は、電源遮断で記憶データが揮発する回路1201と、電源遮断で記
憶データが揮発しない回路1202と、スイッチ1203と、スイッチ1204と、論理
素子1206と、容量素子1207と、選択機能を有する回路1220と、を有する。回
路1202は、容量素子1208と、トランジスタ1209と、トランジスタ1210と
、を有する。なお、記憶素子1200は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダ
クタなどのその他の素子をさらに有していてもよい。
【0281】
ここで、回路1202には、上述した記憶装置を用いることができる。記憶素子120
0への電源電圧の供給が停止した際、回路1202のトランジスタ1209のゲートには
GND(0V)、またはトランジスタ1209がオフする電位が入力され続ける構成とす
る。例えば、トランジスタ1209のゲートが抵抗等の負荷を介して接地される構成とす
る。
【0282】
スイッチ1203は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ1213を用
いて構成され、スイッチ1204は、一導電型とは逆の導電型(例えば、pチャネル型)
のトランジスタ1214を用いて構成した例を示す。ここで、スイッチ1203の第1の
端子はトランジスタ1213のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ1203の第
2の端子はトランジスタ1213のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ1203
はトランジスタ1213のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2
の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ1213の導通状態または非導通
状態)が選択される。スイッチ1204の第1の端子はトランジスタ1214のソースと
ドレインの一方に対応し、スイッチ1204の第2の端子はトランジスタ1214のソー
スとドレインの他方に対応し、スイッチ1204はトランジスタ1214のゲートに入力
される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり
、トランジスタ1214の導通状態または非導通状態)が選択される。
【0283】
トランジスタ1209のソースとドレインの一方は、容量素子1208の一対の電極の
うちの一方、およびトランジスタ1210のゲートと電気的に接続される。ここで、接続
部分をノードM2とする。トランジスタ1210のソースとドレインの一方は、低電源電
位を供給することのできる配線(例えばGND線)に電気的に接続され、他方は、スイッ
チ1203の第1の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの一方)と電気的に
接続される。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレイン
の他方)はスイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの
一方)と電気的に接続される。スイッチ1204の第2の端子(トランジスタ1214の
ソースとドレインの他方)は電源電位VDDを供給することのできる配線と電気的に接続
される。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他
方)と、スイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの一
方)と、論理素子1206の入力端子と、容量素子1207の一対の電極のうちの一方と
、は電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM1とする。容量素子1207の一
対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低
電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができ
る。容量素子1207の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる
配線(例えばGND線)と電気的に接続される。容量素子1208の一対の電極のうちの
他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND
等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子12
08の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGN
D線)と電気的に接続される。
【0284】
なお、容量素子1207および容量素子1208は、トランジスタや配線の寄生容量等
を積極的に利用することによって省略することも可能である。
【0285】
トランジスタ1209の第1ゲート(第1のゲート電極)には、制御信号WEが入力さ
れる。スイッチ1203およびスイッチ1204は、制御信号WEとは異なる制御信号R
Dによって第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態を選択され、一方の
スイッチの第1の端子と第2の端子の間が導通状態のとき他方のスイッチの第1の端子と
第2の端子の間は非導通状態となる。
【0286】
トランジスタ1209のソースとドレインの他方には、回路1201に保持されたデー
タに対応する信号が入力される。図37では、回路1201から出力された信号が、トラ
ンジスタ1209のソースとドレインの他方に入力される例を示した。スイッチ1203
の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号は
、論理素子1206によってその論理値が反転された反転信号となり、回路1220を介
して回路1201に入力される。
【0287】
なお、図37では、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースと
ドレインの他方)から出力される信号は、論理素子1206および回路1220を介して
回路1201に入力する例を示したがこれに限定されない。スイッチ1203の第2の端
子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号が、論理値を
反転させられることなく、回路1201に入力されてもよい。例えば、回路1201内に
、入力端子から入力された信号の論理値が反転した信号が保持されるノードが存在する場
合に、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方
)から出力される信号を当該ノードに入力することができる。
【0288】
また、図37において、記憶素子1200に用いられるトランジスタのうち、トランジ
スタ1209以外のトランジスタは、酸化物半導体以外の半導体でなる膜または基板11
90にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。例えば、シリコン膜また
はシリコン基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。また、記憶素
子1200に用いられるトランジスタ全てを、チャネルが酸化物半導体で形成されるトラ
ンジスタとすることもできる。または、記憶素子1200は、トランジスタ1209以外
にも、チャネルが酸化物半導体で形成されるトランジスタを含んでいてもよく、残りのト
ランジスタは酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板1190にチャネルが形成さ
れるトランジスタとすることもできる。
【0289】
図37における回路1201には、例えばフリップフロップ回路を用いることができる
。また、論理素子1206としては、例えばインバータやクロックドインバータ等を用い
ることができる。
【0290】
本発明の一態様に係る半導体装置では、記憶素子1200に電源電圧が供給されない間
は、回路1201に記憶されていたデータを、回路1202に設けられた容量素子120
8によって保持することができる。
【0291】
また、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタはオフ電流が極めて小さい。
例えば、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流は、結晶性を有す
るシリコンにチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流に比べて著しく低い。そのた
め、当該トランジスタをトランジスタ1209として用いることによって、記憶素子12
00に電源電圧が供給されない間も容量素子1208に保持された信号は長期間にわたり
保たれる。こうして、記憶素子1200は電源電圧の供給が停止した間も記憶内容(デー
タ)を保持することが可能である。
【0292】
また、スイッチ1203およびスイッチ1204を設けることによって、プリチャージ
動作を行うことを特徴とする記憶素子であるため、電源電圧供給再開後に、回路1201
が元のデータを保持しなおすまでの時間を短くすることができる。
【0293】
また、回路1202において、容量素子1208によって保持された信号はトランジス
タ1210のゲートに入力される。そのため、記憶素子1200への電源電圧の供給が再
開された後、容量素子1208によって保持された信号を、トランジスタ1210の状態
(導通状態、または非導通状態)に変換して、回路1202から読み出すことができる。
それ故、容量素子1208に保持された信号に対応する電位が多少変動していても、元の
信号を正確に読み出すことが可能である。
【0294】
このような記憶素子1200を、プロセッサが有するレジスタやキャッシュメモリなど
の記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐ
ことができる。また、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復
帰することができる。よって、プロセッサ全体、もしくはプロセッサを構成する一つ、ま
たは複数の論理回路において、短い時間でも電源停止を行うことができるため、消費電力
を抑えることができる。
【0295】
記憶素子1200をCPUに用いる例として説明したが、記憶素子1200は、DSP
(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、PLD(P
rogrammable Logic Device)等のLSI、RF-Tag(Ra
dio Frequency Tag)にも応用可能である。
【0296】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0297】
(実施の形態8)
<撮像装置>
図38(A)は、本発明の一態様に係る撮像装置200の例を示す上面図である。撮像
装置200は、画素部210と、画素部210を駆動するための周辺回路260と、周辺
回路270、周辺回路280と、周辺回路290と、を有する。画素部210は、p行q
列(pおよびqは2以上の整数)のマトリクス状に配置された複数の画素211を有する
。周辺回路260、周辺回路270、周辺回路280および周辺回路290は、それぞれ
複数の画素211に接続し、複数の画素211を駆動するための信号を供給する機能を有
する。なお、本明細書等において、周辺回路260、周辺回路270、周辺回路280お
よび周辺回路290などの全てを指して「周辺回路」または「駆動回路」と呼ぶ場合があ
る。例えば、周辺回路260は周辺回路の一部といえる。
【0298】
また、撮像装置200は、光源291を有することが好ましい。光源291は、検出光
P1を放射することができる。
【0299】
また、周辺回路は、少なくとも、論理回路、スイッチ、バッファ、増幅回路、または変
換回路の1つを有する。また、周辺回路は、画素部210を形成する基板上に形成しても
よい。また、周辺回路の一部または全部にICチップ等の半導体装置を用いてもよい。な
お、周辺回路は、周辺回路260、周辺回路270、周辺回路280および周辺回路29
0のいずれか一以上を省略してもよい。
【0300】
また、図38(B)に示すように、撮像装置200が有する画素部210において、画
素211を傾けて配置してもよい。画素211を傾けて配置することにより、行方向およ
び列方向の画素間隔(ピッチ)を短くすることができる。これにより、撮像装置200に
おける撮像の品質をより高めることができる。
【0301】
<画素の構成例1>
撮像装置200が有する1つの画素211を複数の副画素212で構成し、それぞれの
副画素212に特定の波長帯域の光を透過するフィルタ(カラーフィルタ)を組み合わせ
ることで、カラー画像表示を実現するための情報を取得することができる。
【0302】
図39(A)は、カラー画像を取得するための画素211の一例を示す上面図である。
図39(A)に示す画素211は、赤(R)の波長帯域の光を透過するカラーフィルタが
設けられた副画素212(以下、「副画素212R」ともいう)、緑(G)の波長帯域の
光を透過するカラーフィルタが設けられた副画素212(以下、「副画素212G」とも
いう)および青(B)の波長帯域の光を透過するカラーフィルタが設けられた副画素21
2(以下、「副画素212B」ともいう)を有する。副画素212は、フォトセンサとし
て機能させることができる。
【0303】
副画素212(副画素212R、副画素212G、および副画素212B)は、配線2
31、配線247、配線248、配線249、配線250と電気的に接続される。また、
副画素212R、副画素212G、および副画素212Bは、それぞれが独立した配線2
53に接続している。また、本明細書等において、例えばn行目の画素211に接続され
た配線248および配線249を、それぞれ配線248[n]および配線249[n]と
記載する。また、例えばm列目の画素211に接続された配線253を、配線253[m
]と記載する。なお、図39(A)において、m列目の画素211が有する副画素212
Rに接続する配線253を配線253[m]R、副画素212Gに接続する配線253を
配線253[m]G、および副画素212Bに接続する配線253を配線253[m]B
と記載している。副画素212は、上記配線を介して周辺回路と電気的に接続される。
【0304】
また、撮像装置200は、隣接する画素211の、同じ波長帯域の光を透過するカラー
フィルタが設けられた副画素212同士がスイッチを介して電気的に接続する構成を有す
る。図39(B)に、n行(nは1以上p以下の整数)m列(mは1以上q以下の整数)
に配置された画素211が有する副画素212と、該画素211に隣接するn+1行m列
に配置された画素211が有する副画素212の接続例を示す。図39(B)において、
n行m列に配置された副画素212Rと、n+1行m列に配置された副画素212Rがス
イッチ201を介して接続されている。また、n行m列に配置された副画素212Gと、
n+1行m列に配置された副画素212Gがスイッチ202を介して接続されている。ま
た、n行m列に配置された副画素212Bと、n+1行m列に配置された副画素212B
がスイッチ203を介して接続されている。
【0305】
なお、副画素212に用いるカラーフィルタは、赤(R)、緑(G)、青(B)に限定
されず、それぞれシアン(C)、黄(Y)およびマゼンダ(M)の光を透過するカラーフ
ィルタを用いてもよい。1つの画素211に3種類の異なる波長帯域の光を検出する副画
素212を設けることで、フルカラー画像を取得することができる。
【0306】
または、それぞれ赤(R)、緑(G)および青(B)の光を透過するカラーフィルタが
設けられた副画素212に加えて、黄(Y)の光を透過するカラーフィルタが設けられた
副画素212を有する画素211を用いてもよい。または、それぞれシアン(C)、黄(
Y)およびマゼンダ(M)の光を透過するカラーフィルタが設けられた副画素212に加
えて、青(B)の光を透過するカラーフィルタが設けられた副画素212を有する画素2
11を用いてもよい。1つの画素211に4種類の異なる波長帯域の光を検出する副画素
212を設けることで、取得した画像の色の再現性をさらに高めることができる。
【0307】
また、例えば、図39(A)において、赤の波長帯域の光を検出する副画素212、緑
の波長帯域の光を検出する副画素212、および青の波長帯域の光を検出する副画素21
2の画素数比(または受光面積比)は、1:1:1でなくても構わない。例えば、画素数
比(受光面積比)を赤:緑:青=1:2:1とするBayer配列としてもよい。または
、画素数比(受光面積比)を赤:緑:青=1:6:1としてもよい。
【0308】
なお、画素211に設ける副画素212は1つでもよいが、2つ以上が好ましい。例え
ば、同じ波長帯域の光を検出する副画素212を2つ以上設けることで、冗長性を高め、
撮像装置200の信頼性を高めることができる。
【0309】
また、可視光を吸収または反射して、赤外光を透過するIR(IR:Infrared
)フィルタを用いることで、赤外光を検出する撮像装置200を実現することができる。
【0310】
また、ND(ND:Neutral Density)フィルタ(減光フィルタ)を用
いることで、光電変換素子(受光素子)に大光量光が入射した時に生じる出力飽和するこ
とを防ぐことができる。減光量の異なるNDフィルタを組み合わせて用いることで、撮像
装置のダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0311】
また、前述したフィルタ以外に、画素211にレンズを設けてもよい。ここで、図40
の断面図を用いて、画素211、フィルタ254、レンズ255の配置例を説明する。レ
ンズ255を設けることで、光電変換素子が入射光を効率よく受光することができる。具
体的には、図40(A)に示すように、画素211に形成したレンズ255、フィルタ2
54(フィルタ254R、フィルタ254Gおよびフィルタ254B)、および画素回路
230等を通して光256を光電変換素子220に入射させる構造とすることができる。
【0312】
ただし、一点鎖線で囲んだ領域に示すように、矢印で示す光256の一部が配線257
の一部によって遮光されてしまうことがある。したがって、図40(B)に示すように光
電変換素子220側にレンズ255およびフィルタ254を配置して、光電変換素子22
0が光256を効率良く受光させる構造が好ましい。光電変換素子220側から光256
を光電変換素子220に入射させることで、検出感度の高い撮像装置200を提供するこ
とができる。
【0313】
図40に示す光電変換素子220として、pn型接合またはpin型の接合が形成され
た光電変換素子を用いてもよい。
【0314】
また、光電変換素子220を、放射線を吸収して電荷を発生させる機能を有する物質を
用いて形成してもよい。放射線を吸収して電荷を発生させる機能を有する物質としては、
セレン、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、ヒ化ガリウム、テルル化カドミウム、カドミウム亜鉛合
金等がある。
【0315】
例えば、光電変換素子220にセレンを用いると、可視光や、紫外光、赤外光に加えて
、X線や、ガンマ線といった幅広い波長帯域にわたって光吸収係数を有する光電変換素子
220を実現できる。
【0316】
ここで、撮像装置200が有する1つの画素211は、図40に示す副画素212に加
えて、第1のフィルタを有する副画素212を有してもよい。
【0317】
<画素の構成例2>
以下では、シリコンを用いたトランジスタと、本発明に係る酸化物半導体を用いたトラ
ンジスタと、を用いて画素を構成する一例について説明する。
【0318】
図41(A)および(B)は、撮像装置を構成する素子の断面図である。
【0319】
図41(A)に示す撮像装置は、シリコン基板300に設けられたシリコンを用いたト
ランジスタ351上に積層して配置された酸化物半導体を用いたトランジスタ353およ
びトランジスタ354、ならびにシリコン基板300に設けられた、アノード361と、
カソード362を有するフォトダイオード360を含む。各トランジスタおよびフォトダ
イオード360は、種々のプラグ370および配線371と電気的な接続を有する。また
、フォトダイオード360のアノード361は、低抵抗領域363を介してプラグ370
と電気的に接続を有する。
【0320】
また撮像装置は、シリコン基板300に設けられたトランジスタ351およびフォトダ
イオード360を有する層305と、層305と接して設けられ、配線371を有する層
320と、層320と接して設けられ、トランジスタ353およびトランジスタ354を
有する層331と、層331と接して設けられ、配線372および配線373を有する層
340を備えている。
【0321】
なお、図41(A)の断面図の一例では、シリコン基板300において、トランジスタ
351が形成された面とは逆側の面にフォトダイオード360の受光面を有する構成とす
る。該構成とすることで、各種トランジスタや配線などの影響を受けずに光路を確保する
ことができる。そのため、高開口率の画素を形成することができる。なお、フォトダイオ
ード360の受光面をトランジスタ351が形成された面と同じとすることもできる。
【0322】
なお、酸化物半導体を用いたトランジスタのみを用いて画素を構成する場合には、層3
05を、酸化物半導体を用いたトランジスタを有する層とすればよい。または層305を
省略し、酸化物半導体を用いたトランジスタのみで画素を構成してもよい。
【0323】
また、図41(A)の断面図において、層305に設けるフォトダイオード360と、
層331に設けるトランジスタとを重なるように形成することができる。そうすると、画
素の集積度を高めることができる。すなわち、撮像装置の解像度を高めることができる。
【0324】
また、図41(B)は、撮像装置は層340側にフォトダイオード365をトランジス
タの上に配置した構造とすることができる。図41(B)において、例えば層305には
、シリコンを用いたトランジスタ351およびトランジスタ352を有し、層320には
配線371を有し、層331には酸化物半導体層を用いたトランジスタ353、トランジ
スタ354を有し、層340にはフォトダイオード365有しており、フォトダイオード
365は半導体層366、半導体層367、半導体層368で構成されており、配線37
3と、プラグ370を介した配線374と電気的に接続している。
【0325】
図41(B)に示す素子構成とすることで、開口率を広くすることができる。
【0326】
また、フォトダイオード365には、非晶質シリコン膜や微結晶シリコン膜などを用い
たpin型ダイオード素子などを用いてもよい。フォトダイオード365は、n型の半導
体層368、i型の半導体層367、およびp型の半導体層366が順に積層された構成
を有している。i型の半導体層367には非晶質シリコンを用いることが好ましい。また
、p型の半導体層366およびn型の半導体層368には、それぞれの導電型を付与する
ドーパントを含む非晶質シリコンまたは微結晶シリコンなどを用いることができる。非晶
質シリコンを光電変換層とするフォトダイオード365は可視光の波長領域における感度
が高く、微弱な可視光を検知しやすい。
【0327】
ここで、トランジスタ351およびフォトダイオード360を有する層305と、トラ
ンジスタ353およびトランジスタ354を有する層331と、の間には絶縁体380が
設けられる。ただし、絶縁体380の位置は限定されない。
【0328】
トランジスタ351のチャネル形成領域近傍に設けられる絶縁体中の水素はシリコンの
ダングリングボンドを終端し、トランジスタ351の信頼性を向上させる効果がある。一
方、トランジスタ353およびトランジスタ354などの近傍に設けられる絶縁体中の水
素は、酸化物半導体中にキャリアを生成する要因の一つとなる。そのため、トランジスタ
353およびトランジスタ354などの信頼性を低下させる要因となる場合がある。した
がって、シリコン系半導体を用いたトランジスタの上層に酸化物半導体を用いたトランジ
スタを積層して設ける場合、これらの間に水素をブロックする機能を有する絶縁体380
を設けることが好ましい。絶縁体380より下層に水素を閉じ込めることで、トランジス
タ351の信頼性が向上させることができる。さらに、絶縁体380より下層から、絶縁
体380より上層に水素が拡散することを抑制できるため、トランジスタ353およびト
ランジスタ354などの信頼性を向上させることができる。また、トランジスタ353お
よびトランジスタ354上に絶縁体381を設けることにより、酸化物半導体中の酸素の
拡散を防ぐことができて好ましい。
【0329】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0330】
(実施の形態9)
<RFタグ>
本実施の形態では、先の実施の形態で説明したトランジスタ、または記憶装置を含むR
Fタグについて、図42を参照して説明する。
【0331】
本実施の形態におけるRFタグは、内部に記憶回路を有し、記憶回路に必要な情報を記
憶し、非接触手段、例えば無線通信を用いて外部と情報の授受を行うものである。このよ
うな特徴から、RFタグは、物品などの個体情報を読み取ることにより物品の識別を行う
個体認証システムなどに用いることが可能である。なお、これらの用途に用いるためには
極めて高い信頼性が要求される。
【0332】
RFタグの構成について図42を用いて説明する。図42は、RFタグの構成例を示す
ブロック図である。
【0333】
図42に示すようにRFタグ800は、通信器801(質問器、リーダ/ライタなどと
もいう)に接続されたアンテナ802から送信される無線信号803を受信するアンテナ
804を有する。またRFタグ800は、整流回路805、定電圧回路806、復調回路
807、変調回路808、論理回路809、記憶回路810、ROM811を有している
。なお、復調回路807に含まれる整流作用を示すトランジスタに逆方向電流を十分に抑
制することが可能な材料、例えば、酸化物半導体、が用いられた構成としてもよい。これ
により、逆方向電流に起因する整流作用の低下を抑制し、復調回路の出力が飽和すること
を防止できる。つまり、復調回路の入力に対する復調回路の出力を線形に近づけることが
できる。なお、データの伝送形式は、一対のコイルを対向配置して相互誘導によって交信
を行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用して交信す
る電波方式の3つに大別される。本実施の形態に示すRFタグ800は、そのいずれの方
式に用いることも可能である。
【0334】
次に各回路の構成について説明する。アンテナ804は、通信器801に接続されたア
ンテナ802との間で無線信号803の送受信を行うためのものである。また、整流回路
805は、アンテナ804で無線信号を受信することにより生成される入力交流信号を整
流、例えば、半波2倍圧整流し、後段に設けられた容量素子により、整流された信号を平
滑化することで入力電位を生成するための回路である。なお、整流回路805の入力側ま
たは出力側には、リミッタ回路を設けてもよい。リミッタ回路とは、入力交流信号の振幅
が大きく、内部生成電圧が大きい場合に、ある電力以上の電力を後段の回路に入力しない
ように制御するための回路である。
【0335】
定電圧回路806は、入力電位から安定した電源電圧を生成し、各回路に供給するため
の回路である。なお、定電圧回路806は、内部にリセット信号生成回路を有していても
よい。リセット信号生成回路は、安定した電源電圧の立ち上がりを利用して、論理回路8
09のリセット信号を生成するための回路である。
【0336】
復調回路807は、入力交流信号を包絡線検出することにより復調し、復調信号を生成
するための回路である。また、変調回路808は、アンテナ804より出力するデータに
応じて変調を行うための回路である。
【0337】
論理回路809は復調信号を解析し、処理を行うための回路である。記憶回路810は
、入力された情報を保持する回路であり、ロウデコーダ、カラムデコーダ、記憶領域など
を有する。また、ROM811は、固有番号(ID)などを格納し、処理に応じて出力を
行うための回路である。
【0338】
なお、上述の各回路は、必要に応じて、適宜、取捨することができる。
【0339】
ここで、先の実施の形態で説明した記憶回路を、記憶回路810に用いることができる
。本発明の一態様の記憶回路は、電源が遮断された状態であっても情報を保持できるため
、RFタグに好適に用いることができる。さらに本発明の一態様の記憶回路は、データの
書き込みに必要な電力(電圧)が従来の不揮発性メモリに比べて著しく小さいため、デー
タの読み出し時と書込み時の最大通信距離の差を生じさせないことも可能である。さらに
、データの書き込み時に電力が不足し、誤動作または誤書込みが生じることを抑制するこ
とができる。
【0340】
また、本発明の一態様の記憶回路は、不揮発性のメモリとして用いることが可能である
ため、ROM811に適用することもできる。その場合には、生産者がROM811にデ
ータを書き込むためのコマンドを別途用意し、ユーザーが自由に書き換えできないように
しておくことが好ましい。生産者が出荷前に固有番号を書込んだのちに製品を出荷するこ
とで、作製したRFタグすべてについて固有番号を付与するのではなく、出荷する良品に
のみ固有番号を割り当てることが可能となり、出荷後の製品の固有番号が不連続になるこ
とがなく出荷後の製品に対応した顧客管理が容易となる。
【0341】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせ
ることができる。
【0342】
(実施の形態10)
<表示装置>
以下では、本発明の一態様に係る表示装置について、図43および図44を用いて説明
する。
【0343】
表示装置に用いられる表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう。)、発光素
子(発光表示素子ともいう。)などを用いることができる。発光素子は、電流または電圧
によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Elec
troluminescence)、有機ELなどを含む。以下では、表示装置の一例と
してEL素子を用いた表示装置(EL表示装置)および液晶素子を用いた表示装置(液晶
表示装置)について説明する。
【0344】
なお、以下に示す表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルに
コントローラを含むICなどを実装した状態にあるモジュールとを含む。
【0345】
また、以下に示す表示装置は画像表示デバイス、または光源(照明装置含む)を指す。
また、コネクター、例えばFPC、TCPが取り付けられたモジュール、TCPの先にプ
リント配線板を有するモジュールまたは表示素子にCOG方式によりIC(集積回路)が
直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【0346】
図43は、本発明の一態様に係るEL表示装置の一例である。図43(A)に、EL表
示装置の画素の回路図を示す。図43(B)は、EL表示装置全体を示す上面図である。
また、図43(C)は、図43(B)の一点鎖線M-Nの一部に対応するM-N断面であ
る。
【0347】
図43(A)は、EL表示装置に用いられる画素の回路図の一例である。
【0348】
なお、本明細書等においては、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子
(容量素子、抵抗素子など)などが有するすべての端子について、その接続先を特定しな
くても、当業者であれば、発明の一態様を構成することは可能な場合がある。つまり、接
続先を特定しなくても、発明の一態様が明確であるといえる。そして、接続先が特定され
た内容が、本明細書等に記載されている場合、接続先を特定しない発明の一態様が、本明
細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。特に、端子の接続先として
複数の箇所が想定される場合には、その端子の接続先を特定の箇所に限定する必要はない
。したがって、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗
素子など)などが有する一部の端子についてのみ、その接続先を特定することによって、
発明の一態様を構成することが可能な場合がある。
【0349】
なお、本明細書等においては、ある回路について、少なくとも接続先を特定すれば、当
業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。または、ある回路について、少
なくとも機能を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。
つまり、機能を特定すれば、発明の一態様が明確であるといえる。そして、機能が特定さ
れた発明の一態様が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。
したがって、ある回路について、機能を特定しなくても、接続先を特定すれば、発明の一
態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。また
は、ある回路について、接続先を特定しなくても、機能を特定すれば、発明の一態様とし
て開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
【0350】
図43(A)に示すEL表示装置は、スイッチ素子743と、トランジスタ741と、
容量素子742と、発光素子719と、を有する。
【0351】
なお、図43(A)などは、回路構成の一例であるため、さらに、トランジスタを追加
することが可能である。逆に、図43(A)の各ノードにおいて、トランジスタ、スイッ
チ、受動素子などを追加しないようにすることも可能である。
【0352】
トランジスタ741のゲートはスイッチ素子743の一端および容量素子742の一方
の電極と電気的に接続される。トランジスタ741のソースは容量素子742の他方の電
極と電気的に接続され、発光素子719の一方の電極と電気的に接続される。トランジス
タ741のドレインは電源電位VDDが与えられる。スイッチ素子743の他端は信号線
744と電気的に接続される。発光素子719の他方の電極は定電位が与えられる。なお
、定電位は接地電位GNDまたはそれより小さい電位とする。
【0353】
スイッチ素子743としては、トランジスタを用いると好ましい。トランジスタを用い
ることで、画素の面積を小さくでき、解像度の高いEL表示装置とすることができる。ま
た、スイッチ素子743として、トランジスタ741と同一工程を経て作製されたトラン
ジスタを用いると、EL表示装置の生産性を高めることができる。なお、トランジスタ7
41または/およびスイッチ素子743としては、例えば、図4に示すトランジスタを適
用することができる。
【0354】
図43(B)は、EL表示装置の上面図である。EL表示装置は、基板700と、基板
750と、シール材734と、駆動回路735と、駆動回路736と、画素737と、F
PC732と、を有する。シール材734は、画素737、駆動回路735および駆動回
路736を囲むように基板700と基板750との間に配置される。なお、駆動回路73
5または/および駆動回路736をシール材734の外側に配置しても構わない。
【0355】
図43(C)は、図43(B)の一点鎖線M-Nの一部に対応するEL表示装置の断面
図である。
【0356】
図43(C)には、トランジスタ741として、基板700上の絶縁体712aと、導
電体704aと、絶縁体712a上の絶縁体703と、を有し、絶縁体712aおよび導
電体704a上にあり導電体704aと一部が重なる領域を有する絶縁体706aと、絶
縁体706a上の半導体706bと、半導体706bの上面と接する導電体716a1お
よび導電体716a2と、導電体716a1上および導電体716a2上の絶縁体710
と、半導体706b上の絶縁体706cと、絶縁体706c上の絶縁体718bと、絶縁
体718b上にあり半導体706bと重なる導電体714aと、を有する構造を示す。な
お、トランジスタ741の構造は一例であり、図43(C)に示す構造と異なる構造であ
っても構わない。
【0357】
図43(C)に示すトランジスタ741において、導電体704aはゲート電極として
の機能を有し、絶縁体712aはゲート絶縁体としての機能を有し、導電体716a1は
ソース電極としての機能を有し、導電体716a2はドレイン電極としての機能を有し、
絶縁体718bはゲート絶縁体としての機能を有し、導電体714aはゲート電極として
の機能を有する。なお、絶縁体706a、半導体706bおよび絶縁体706cは、光が
当たることで電気特性が変動する場合がある。したがって、導電体704a、導電体71
6a1、導電体716a2または導電体714aのいずれか一以上が遮光性を有すると好
ましい。
【0358】
図43(C)には、容量素子742として、導電体704b上にあり導電体704bと
一部が重なる領域を有する絶縁体706dと、絶縁体706d上の半導体706eと、半
導体706eの上面と接する導電体716a3および導電体716a4と、導電体716
a3上および導電体716a4上の絶縁体710と、半導体706e上の絶縁体706f
と、絶縁体706f上の絶縁体718bと、絶縁体718b上にあり半導体706eと重
なる導電体714bと、を有する構造を示す。
【0359】
容量素子742において、導電体704bは一方の電極として機能し、導電体714b
は他方の電極として機能する。
【0360】
容量素子742は、トランジスタ741と共通する膜を用いて作製することができる。
また、導電体704aおよび導電体704bを同種の導電体とすると好ましい。その場合
、導電体704aおよび導電体704bは、同一工程を経て形成することができる。また
、導電体714aおよび導電体714bを同種の導電体とすると好ましい。その場合、導
電体714aおよび導電体714bは、同一工程を経て形成することができる。
【0361】
図43(C)に示す容量素子742は、占有面積当たりの容量が大きい容量素子である
。したがって、図43(C)は表示品位の高いEL表示装置である。なお、容量素子74
2の構造は一例であり、図43(C)に示す構造と異なる構造であっても構わない。
【0362】
トランジスタ741および容量素子742上には、絶縁体728が配置され、絶縁体7
28上には絶縁体720が配置される。ここで、絶縁体728および絶縁体720は、ト
ランジスタ741のソース電極として機能する導電体716a1に達する開口部を有して
もよい。絶縁体720上には、導電体781が配置される。導電体781は、絶縁体72
8および絶縁体720の開口部を介してトランジスタ741と電気的に接続してもよい。
【0363】
導電体781上には、導電体781に達する開口部を有する隔壁784が配置される。
隔壁784上には、隔壁784の開口部で導電体781と接する発光層782が配置され
る。発光層782上には、導電体783が配置される。導電体781、発光層782およ
び導電体783の重なる領域が、発光素子719となる。
【0364】
ここまでは、EL表示装置の例について説明した。次に、液晶表示装置の例について説
明する。
【0365】
図44(A)は、液晶表示装置の画素の構成例を示す回路図である。図44(A)に示
す画素は、トランジスタ751と、容量素子752と、一対の電極間に液晶の充填された
素子(液晶素子)753とを有する。
【0366】
トランジスタ751では、ソース、ドレインの一方が信号線755に電気的に接続され
、ゲートが走査線754に電気的に接続されている。
【0367】
容量素子752では、一方の電極がトランジスタ751のソース、ドレインの他方に電
気的に接続され、他方の電極が共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。
【0368】
液晶素子753では、一方の電極がトランジスタ751のソース、ドレインの他方に電
気的に接続され、他方の電極が共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。なお
、上述した容量素子752の他方の電極が電気的に接続する配線に与えられる共通電位と
、液晶素子753の他方の電極に与えられる共通電位とが異なる電位であってもよい。
【0369】
なお、液晶表示装置も、上面図はEL表示装置と同様として説明する。図43(B)の
一点鎖線M-Nに対応する液晶表示装置の断面図を図44(B)に示す。図44(B)に
おいて、FPC732は、端子731を介して配線733aと接続される。なお、配線7
33aは、トランジスタ751を構成する導電体または半導体のいずれかと同種の導電体
または半導体を用いてもよい。
【0370】
トランジスタ751は、トランジスタ741についての記載を参照する。また、容量素
子752は、容量素子742についての記載を参照する。なお、図44(B)には、図4
3(C)の容量素子742に対応した容量素子752の構造を示したが、これに限定され
ない。
【0371】
なお、トランジスタ751の半導体に酸化物半導体を用いた場合、極めてオフ電流の小
さいトランジスタとすることができる。したがって、容量素子752に保持された電荷が
リークしにくく、長期間に渡って液晶素子753に印加される電圧を維持することができ
る。そのため、動きの少ない動画や静止画の表示の際に、トランジスタ751をオフ状態
とすることで、トランジスタ751の動作のための電力が不要となり、消費電力の小さい
液晶表示装置とすることができる。また、容量素子752の占有面積を小さくできるため
、開口率の高い液晶表示装置、または高精細化した液晶表示装置を提供することができる
【0372】
トランジスタ751および容量素子752上には、絶縁体721が配置される。ここで
、図示しないが、絶縁体721は、トランジスタ751に達する開口部を有する。絶縁体
721上には、導電体791が配置される。導電体791は、絶縁体721の開口部を介
してトランジスタ751と電気的に接続する。
【0373】
導電体791上には、配向膜として機能する絶縁体792が配置される。絶縁体792
上には、液晶層793が配置される。液晶層793上には、配向膜として機能する絶縁体
794が配置される。絶縁体794上には、スペーサ795が配置される。スペーサ79
5および絶縁体794上には、導電体796が配置される。導電体796上には、基板7
97が配置される。
【0374】
上述した構造を有することで、占有面積の小さい容量素子を有する表示装置を提供する
ことができる、または、表示品位の高い表示装置を提供することができる。または、高精
細の表示装置を提供することができる。
【0375】
例えば、本明細書等において、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、発光
素子、および発光素子を有する装置である発光装置は、様々な形態を用いること、または
様々な素子を有することができる。表示素子、表示装置、発光素子、又は発光装置は、例
えば、EL素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、L
ED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に
応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、
グレーティングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイ(PDP)、MEMS(
マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子、デジタルマイクロミ
ラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、IMOD(イン
ターフェアレンス・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干
渉方式のMEMS表示素子、エレクトロウェッティング素子、圧電セラミックディスプレ
イ、カーボンナノチューブを用いた表示素子などの少なくとも一つを有している。これら
の他にも、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが
変化する表示媒体を有していても良い。
【0376】
EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素
子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)ま
たはSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface-conduction
Electron-emitter Display)などがある。液晶素子を用いた表
示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディ
スプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ
)などがある。電子インクまたは電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペ
ーパーなどがある。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現す
る場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにす
ればよい。例えば、画素電極の一部または全部が、アルミニウム、銀、などを有するよう
にすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けるこ
とも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。
【0377】
なお、LEDを用いる場合、LEDの電極や窒化物半導体の下に、グラフェンやグラフ
ァイトを配置してもよい。グラフェンやグラファイトは、複数の層を重ねて、多層膜とし
てもよい。このように、グラフェンやグラファイトを設けることにより、その上に、窒化
物半導体、例えば、結晶を有するn型GaN半導体などを容易に成膜することができる。
さらに、その上に、結晶を有するp型GaN半導体などを設けて、LEDを構成すること
ができる。なお、グラフェンやグラファイトと、結晶を有するn型GaN半導体との間に
、AlN層を設けてもよい。なお、LEDが有するGaN半導体は、MOCVDで成膜し
てもよい。ただし、グラフェンを設けることにより、LEDが有するGaN半導体は、ス
パッタリング法で成膜することも可能である。
【0378】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせ
ることができる。
【0379】
(実施の形態11)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を適用した表示モジュールについて、
図45を用いて説明を行う。
【0380】
<表示モジュール>
図45に示す表示モジュール6000は、上部カバー6001と下部カバー6002と
の間に、FPC6003に接続されたタッチパネル6004、FPC6005に接続され
た表示パネル6006、バックライトユニット6007、フレーム6009、プリント基
板6010、バッテリー6011を有する。なお、バックライトユニット6007、バッ
テリー6011、タッチパネル6004などは、設けられない場合もある。
【0381】
本発明の一態様の半導体装置は、例えば、表示パネル6006であったり、プリント基
板に実装された集積回路に用いることができる。
【0382】
上部カバー6001および下部カバー6002は、タッチパネル6004および表示パ
ネル6006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
【0383】
タッチパネル6004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル
6006に重畳して用いることができる。また、表示パネル6006の対向基板(封止基
板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。または、表示パネル
6006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネル機能を付加することも可能
である。または、表示パネル6006の各画素内にタッチセンサ用電極を設け、静電容量
方式のタッチパネル機能を付加することも可能である。
【0384】
バックライトユニット6007は、光源6008を有する。光源6008をバックライ
トユニット6007の端部に設け、光拡散板を用いる構成としてもよい。
【0385】
フレーム6009は、表示パネル6006の保護機能の他、プリント基板6010から
発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム60
09は、放熱板としての機能を有していてもよい。
【0386】
プリント基板6010は、電源回路、ビデオ信号およびクロック信号を出力するための
信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっ
てもよいし、別途設けたバッテリー6011であってもよい。なお、商用電源を用いる場
合には、バッテリー6011を省略することができる。
【0387】
また、表示モジュール6000には、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を
追加して設けてもよい。
【0388】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせ
ることができる。
【0389】
(実施の形態12)
<リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージ>
図46(A)に、リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージの断面構造を
表す斜視図を示す。図46(A)に示すパッケージは、本発明の一態様に係る半導体装置
に相当するチップ551が、ワイヤボンディング法により、インターポーザ550上の端
子552と接続されている。端子552は、インターポーザ550のチップ551がマウ
ントされている面上に配置されている。そしてチップ551はモールド樹脂553によっ
て封止されていてもよいが、各端子552の一部が露出した状態で封止されるようにする
【0390】
パッケージが回路基板に実装されている電子機器(携帯電話)のモジュールの構成を、
図46(B)に示す。図46(B)に示す携帯電話のモジュールは、プリント配線基板6
01に、パッケージ602と、バッテリー604とが実装されている。また、表示素子が
設けられたパネル600に、プリント配線基板601がFPC603によって実装されて
いる。
【0391】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせ
ることができる。
【0392】
(実施の形態13)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器および照明装置について、図面を用いて
説明する。
【0393】
<電子機器>
本発明の一態様の半導体装置を用いて、電子機器や照明装置を作製できる。また、本発
明の一態様の半導体装置を用いて、信頼性の高い電子機器や照明装置を作製できる。また
本発明の一態様の半導体装置を用いて、タッチセンサの検出感度が向上した電子機器や照
明装置を作製できる。
【0394】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機とも
いう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタ
ルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、
携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0395】
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有する場合、家屋やビルの内
壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能で
ある。
【0396】
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を
用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
【0397】
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイ
オンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電
池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜
鉛電池などが挙げられる。
【0398】
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信す
ることで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器が二次電池
を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
【0399】
図47(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体7101、筐体7102、表示部7103
、表示部7104、マイク7105、スピーカー7106、操作キー7107、スタイラ
ス7108等を有する。本発明の一態様に係る半導体装置は、筐体7101に内蔵されて
いる集積回路、CPUなどに用いることができる。表示部7103または表示部7104
に本発明の一態様に係る発光装置を用いることで、ユーザーの使用感に優れ、品質の低下
が起こりにくい携帯型ゲーム機を提供することができる。なお、図47(A)に示した携
帯型ゲーム機は、2つの表示部7103と表示部7104とを有しているが、携帯型ゲー
ム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
【0400】
図47(B)は、スマートウオッチであり、筐体7302、表示部7304、操作ボタ
ン7311、7312、接続端子7313、バンド7321、留め金7322、等を有す
る。本発明の一態様に係る半導体装置は表示部7304または筐体7302に内蔵されて
いるメモリ、CPUなどに用いることができる。
【0401】
図47(C)は、携帯情報端末であり、筐体7501に組み込まれた表示部7502の
他、操作ボタン7503、外部接続ポート7504、スピーカー7505、マイク750
6、表示部7502などを備えている。本発明の一態様に係る半導体装置は、筐体750
1に内蔵されているモバイル用メモリ、CPUなどに用いることができる。なお、表示部
7502は、非常に高精細とすることができるため、中小型でありながらフルハイビジョ
ン、4k、または8kなど、様々な表示を行うことができ、非常に鮮明な画像を得ること
ができる。
【0402】
図47(D)はビデオカメラであり、第1筐体7701、第2筐体7702、表示部7
703、操作キー7704、レンズ7705、接続部7706等を有する。操作キー77
04およびレンズ7705は第1筐体7701に設けられており、表示部7703は第2
筐体7702に設けられている。そして、第1筐体7701と第2筐体7702とは、接
続部7706により接続されており、第1筐体7701と第2筐体7702の間の角度は
、接続部7706により変更が可能である。表示部7703における映像を、接続部77
06における第1筐体7701と第2筐体7702との間の角度にしたがって切り替える
構成としてもよい。レンズ7705の焦点となる位置には本発明の一態様の撮像装置を備
えることができる。本発明の一態様に係る半導体装置は、第1筐体7701に内蔵されて
いる集積回路、CPUなどに用いることができる。
【0403】
図47(E)は、デジタルサイネージであり、電柱7901に設置された表示部790
2を備えている。本発明の一態様に係る表示装置は、表示部7902の制御回路に用いる
ことができる。
【0404】
図48(A)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体8121、表示部812
2、キーボード8123、ポインティングデバイス8124等を有する。本発明の一態様
に係る半導体装置は、筐体8121内に内蔵されているCPUや、メモリに適用すること
ができる。なお、表示部8122は、非常に高精細とすることができるため、中小型であ
りながら8kの表示を行うことができ、非常に鮮明な画像を得ることができる。
【0405】
図48(B)に自動車9700の外観を示す。図48(C)に自動車9700の運転席
を示す。自動車9700は、車体9701、車輪9702、ダッシュボード9703、ラ
イト9704等を有する。本発明の一態様の半導体装置は、自動車9700の表示部、お
よび制御用の集積回路に用いることができる。例えば、図48(C)に示す表示部971
0乃至表示部9715に本発明の一態様の半導体装置を設けることができる。
【0406】
表示部9710と表示部9711は、自動車のフロントガラスに設けられた表示装置、
または入出力装置である。本発明の一態様の表示装置、または入出力装置は、表示装置、
または入出力装置が有する電極を、透光性を有する導電性材料で作製することによって、
反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態の表示装置、または入出力装置とするこ
とができる。シースルー状態の表示装置、または入出力装置であれば、自動車9700の
運転時にも視界の妨げになることがない。よって、本発明の一態様の表示装置、または入
出力装置を自動車9700のフロントガラスに設置することができる。なお、表示装置、
または入出力装置に、表示装置、または入出力装置を駆動するためのトランジスタなどを
設ける場合には、有機半導体材料を用いた有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたト
ランジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いるとよい。
【0407】
表示部9712はピラー部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた
撮像手段からの映像を表示部9712に映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を
補完することができる。表示部9713はダッシュボード部分に設けられた表示装置であ
る。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9713に映し出すことによ
って、ダッシュボードで遮られた視界を補完することができる。すなわち、自動車の外側
に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高める
ことができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和
感なく安全確認を行うことができる。
【0408】
また、図48(D)は、運転席と助手席にベンチシートを採用した自動車の室内を示し
ている。表示部9721は、ドア部に設けられた表示装置、または入出力装置である。例
えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9721に映し出すことによって、
ドアで遮られた視界を補完することができる。また、表示部9722は、ハンドルに設け
られた表示装置である。表示部9723は、ベンチシートの座面の中央部に設けられた表
示装置である。なお、表示装置を座面や背もたれ部分などに設置して、当該表示装置を、
当該表示装置の発熱を熱源としたシートヒーターとして利用することもできる。
【0409】
表示部9714、表示部9715、または表示部9722はナビゲーション情報、スピ
ードメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その
他様々な情報を提供することができる。また、表示部に表示される表示項目やレイアウト
などは、使用者の好みに合わせて適宜変更することができる。なお、上記情報は、表示部
9710乃至表示部9713、表示部9721、表示部9723にも表示することができ
る。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は照
明装置として用いることも可能である。また、表示部9710乃至表示部9715、表示
部9721乃至表示部9723は加熱装置として用いることも可能である。
【0410】
また、図49(A)に、カメラ8000の外観を示す。カメラ8000は、筐体800
1、表示部8002、操作ボタン8003、シャッターボタン8004、結合部8005
等を有する。またカメラ8000には、レンズ8006を取り付けることができる。
【0411】
結合部8005は、電極を有し、後述するファインダー8100のほか、ストロボ装置
等を接続することができる。
【0412】
ここではカメラ8000として、レンズ8006を筐体8001から取り外して交換す
ることが可能な構成としたが、レンズ8006と筐体が一体となっていてもよい。
【0413】
シャッターボタン8004を押すことにより、撮像することができる。また、表示部8
002はタッチパネルとしての機能を有し、表示部8002をタッチすることにより撮像
することも可能である。
【0414】
表示部8002に、本発明の一態様の表示装置、または入出力装置を適用することがで
きる。
【0415】
図49(B)には、カメラ8000にファインダー8100を取り付けた場合の例を示
している。
【0416】
ファインダー8100は、筐体8101、表示部8102、ボタン8103等を有する
【0417】
筐体8101には、カメラ8000の結合部8005と係合する結合部を有しており、
ファインダー8100をカメラ8000に取り付けることができる。また当該結合部には
電極を有し、当該電極を介してカメラ8000から受信した映像等を表示部8102に表
示させることができる。
【0418】
ボタン8103は、電源ボタンとしての機能を有する。ボタン8103により、表示部
8102の表示のオン・オフを切り替えることができる。
【0419】
筐体8101の中にある、集積回路、イメージセンサに本発明の一態様の半導体装置を
適用することができる。
【0420】
なお、図49(A)(B)では、カメラ8000とファインダー8100とを別の電子
機器とし、これらを脱着可能な構成としたが、カメラ8000の筐体8001に、本発明
の一態様の表示装置、または入出力装置を備えるファインダーが内蔵されていてもよい。
【0421】
また、図49(C)には、ヘッドマウントディスプレイ8200の外観を示している。
【0422】
ヘッドマウントディスプレイ8200は、装着部8201、レンズ8202、本体82
03、表示部8204、ケーブル8205等を有している。また装着部8201には、バ
ッテリー8206が内蔵されている。
【0423】
ケーブル8205は、バッテリー8206から本体8203に電力を供給する。本体8
203は無線受信機等を備え、受信した画像データ等の映像情報を表示部8204に表示
させることができる。また、本体8203に設けられたカメラで使用者の眼球やまぶたの
動きを捉え、その情報をもとに使用者の視点の座標を算出することにより、使用者の視点
を入力手段として用いることができる。
【0424】
また、装着部8201には、使用者に触れる位置に複数の電極が設けられていてもよい
。本体8203は使用者の眼球の動きに伴って電極に流れる電流を検知することにより、
使用者の視点を認識する機能を有していてもよい。また、当該電極に流れる電流を検知す
ることにより、使用者の脈拍をモニタする機能を有していてもよい。また、装着部820
1には、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ等の各種センサを有していてもよく、使
用者の生体情報を表示部8204に表示する機能を有していてもよい。また、使用者の頭
部の動きなどを検出し、表示部8204に表示する映像をその動きに合わせて変化させて
もよい。
【0425】
本体8203の内部の集積回路に、本発明の一態様の半導体装置を適用することができ
る。
【0426】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0427】
(実施の形態14)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置を用いたRFタグの使用例につい
図50を用いながら説明する。
【0428】
<RFタグの使用例>
RFタグの用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、
証書類(運転免許証や住民票等、図50(A)参照)、乗り物類(自転車等、図50(B
)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図50(C)参照)、記録媒体(DVDや
ビデオテープ等、図50(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等、図50(E)参照)、
食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、薬品や薬剤を含む医療品、または電
子機器(液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置、または携帯電話)等の物品、
若しくは各物品に取り付ける荷札(図50(F)参照)等に設けて使用することができる
【0429】
本発明の一態様に係るRFタグ4000は、表面に貼る、または埋め込むことにより、
物品に固定される。例えば、本であれば紙に埋め込み、有機樹脂からなるパッケージであ
れば当該有機樹脂の内部に埋め込み、各物品に固定される。本発明の一態様に係るRFタ
グ4000は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後もその物品自体のデ
ザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、または証
書類等に本発明の一態様に係るRFタグ4000を設けることにより、認証機能を設ける
ことができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容
器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、または電子機器等に本発明の
一態様に係るRFタグを取り付けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図
ることができる。また、乗り物類であっても、本発明の一態様に係るRFタグを取り付け
ることにより、盗難などに対するセキュリティ性を高めることができる。
【0430】
以上のように、本発明の一態様に係わる半導体装置を用いたRFタグを、本実施の形態
に挙げた各用途に用いることにより、情報の書込みや読み出しを含む動作電力を低減でき
るため、最大通信距離を長くとることが可能となる。また、電力が遮断された状態であっ
ても情報を極めて長い期間保持可能であるため、書き込みや読み出しの頻度が低い用途に
も好適に用いることができる。
【0431】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせ
ることができる。
【実施例1】
【0432】
本実施例では、本発明に係る選択的な成膜方法を用いて試料を作製し、走査透過型電子
顕微鏡(Scanning Transmission Electron Micro
scopy:STEM)による断面観察を行った。
【0433】
シリコン基板上にプラズマCVD装置を用いて酸化窒化シリコン膜を100nmの膜厚
で成膜した。酸化窒化シリコン膜の成膜条件は、SiHガス5sccmの流量およびN
Oガス1000sccmの流量の混合ガス、ガス圧力133.3Pa、高周波電力45
W、基板温度325℃とした。次に、酸化窒化シリコン膜上にスパッタ法によりIn-G
a-Zn酸化物を50nmの膜厚で成膜した。
【0434】
次に、窒素雰囲気にて450℃の温度で1時間の第1の熱処理を行ない、続いて酸素雰
囲気にて450℃の温度で1時間の第2の熱処理を行った。
【0435】
次にリソグラフィー法を用いてIn-Ga-Zn酸化物の一部を硝酸、酢酸およびリン
酸の混合液を用いてエッチングした。
【0436】
次に、プラズマCVD装置を用いて、酸化窒化シリコン膜上およびIn-Ga-Zn酸
化物上に、フッ素を含む酸化シリコン膜を成膜した。フッ素を含む酸化シリコン膜の成膜
条件として、試料1は、第1のステップとして、高周波電力を印加せず、すなわちプラズ
マを発生させずにSiHガスを200sccmの流量で、プラズマCVD装置のチャン
バーに20秒間導入した。続いて第2のステップとして、SiFガスを1.5sccm
の流量、NOガスを1000sccmの流量およびArガスを1000sccmの流量
の混合ガスを導入し、ガス圧力133Paに制御し、高周波電力800Wを印加し、プラ
ズマを発生させてフッ素を含む酸化シリコン膜を成膜した。この時の基板温度は350℃
に設定した。
【0437】
試料2の成膜条件としては、上記の第1のステップを行わずに第2のステップのみを行
いフッ素を含む酸化シリコン膜を成膜した。
【0438】
以上により、試料1および試料2を作製し、STEMによる断面観察を行った。図51
(A)および図51(B)に断面STEM写真を示す。図51(A)は試料1の断面写真
であり、図51(B)は試料2の断面写真である。
【0439】
図51(A)の試料1の断面写真から、酸化窒化シリコン膜上およびIn-Ga-Zn
酸化物上にフッ素を含む酸化シリコン膜が成膜されていることを確認した。また、図51
(B)の試料2の断面写真は、酸化窒化シリコン膜上にはフッ素を含む酸化シリコン膜が
成膜されていることが確認できたが、In-Ga-Zn酸化物上にはフッ素を含む酸化シ
リコン膜が確認されなかった。試料1と試料2のフッ素を含む酸化シリコン膜の成膜条件
の違いは、第1のステップの有無である。すなわち第1のステップを行わないことにより
、フッ素を含む酸化シリコン膜が酸化窒化シリコン膜上のみに選択的に成膜されることを
確認した。
【0440】
以上の結果から、実施の形態3で示した、絶縁体402上に選択的に絶縁体403を成
膜する事が可能であり、導電体404と導電体310aとの間の電界が弱まり、電界によ
る素子破壊を回避することが可能であることを確認した。
【実施例2】
【0441】
本実施例2では、シリコン基板上に、酸化シリコン膜を成膜し、その上にSiHとS
iFを導入してフッ素を含む酸化シリコン膜を成膜した試料を作製し、TDS(The
rmal Desorption Spectroscopy:昇温脱離ガス分光法)に
おいて、膜の表面温度が100℃以上700℃以下について分析した。また、SIMS分
析も行った。本実施例においては、試料3A-1乃至試料3A-8としてSiFを流量
1.5sccmと設定し、SiHの流量を条件分けした試料を作製した。また、試料3
B-1乃至試料3B-8としてSiFを流量10sccmで固定し、SiHの流量を
条件分けした試料を作製した。
【0442】
試料3A-1乃至試料3A-8、試料3B-1乃至試料3B-8の作製方法について説
明する。まず、シリコンウエハを熱酸化し、シリコンウエハ表面に100nmの酸化シリ
コン膜を形成した。熱酸化の条件は950℃で4時間であり、熱酸化の雰囲気は、3体積
%HClを含む酸素雰囲気とした。
【0443】
次に、酸化シリコン膜上にPECVD法を用いて300nmのフッ素を含む酸化シリコ
ン膜を成膜した。成膜条件は、成膜ガスとしてNOを1000sccmの流量およびA
rを1000sccmの流量を用い、RF電源周波数を60MHz、RF電源パワーを8
00Wとし、成膜圧力を133Pa、基板温度を400℃とした。そして、試料3A-1
乃至試料3A-8においてはSiFを1.5sccmとし、試料3B-1乃至試料3B
-8においてはSiFを10sccmとした。さらに、試料3A-1及び試料3B-1
ではSiHを0sccm、試料3A-2及び試料3B-2ではSiHを0.2scc
m、試料3A-3及び試料3B-3ではSiHを1sccm、試料3A-4及び試料3
B-4ではSiHを2sccm、試料3A-5及び試料3B-5ではSiHを4sc
cm、試料3A-6及び試料3B-6ではSiHを8sccm、試料3A-7及び試料
3B-7ではSiHを10sccm、試料3A-8及び試料3B-8ではSiHを2
0sccm、とした。
【0444】
以上のようにして作製した試料3A-1乃至試料3A-8、及び試料3B-1乃至試料
3B-8についてフッ素を含む酸化シリコン膜の成膜速度を算出した結果を図52に示す
図52で横軸はそれぞれの試料におけるSiHの流量[sccm]をとり、縦軸はそ
れぞれの成膜速度[nm/min]をとる。
【0445】
図52に示す通り、試料3A-1乃至試料3A-8、及び試料3B-1乃至試料3B-
8において、SiH流量を増加させることにより、成膜速度が増加する傾向が見える。
ただし、SiHの流量が同じ試料で比較すると、試料3B-1乃至試料3B-8の方が
試料3A-1乃至試料3A-8より成膜速度が若干大きくなっていた。この成膜速度の差
は、SiHの流量が大きくなるにつれて顕著になっていた。
【0446】
試料3A-1乃至試料3A-8、及び試料3B-1乃至試料3B-8に、TDS分析を
行った結果を図55乃至図58に示す。なお、当該TDS分析においては、水素分子に相
当する質量電荷比m/z=2の放出量と、水分子に相当する質量電荷比m/z=18の放
出量を測定した。試料3A-1乃至試料3A-8のTDS評価については、図55(A)
乃至(H)に水素の測定結果を、図56(A)乃至(H)に水の測定結果を示す。試料3
B-1乃至試料3B-8のTDS評価については、図57(A)乃至(H)に水素の測定
結果を、図58(A)乃至(H)に水の測定結果を示す。図55乃至図58で横軸は基板
の加熱温度[℃]をとり、縦軸はそれぞれの質量電荷比の放出量に比例する強度をとる。
【0447】
また、図55及び図57に示す水素の測定結果から算出される、試料3A-1乃至試料
3A-8、及び試料3B-1乃至試料3B-8における水素分子の放出量を図53に示す
。ここで、図53(A)では、横軸はそれぞれの試料におけるSiHの流量[sccm
]をとり、縦軸はそれぞれの水素分子の放出量[molecules/cm]をとる。
図53(B)では、横軸はそれぞれの試料における成膜速度[nm/min]をとり、縦
軸はそれぞれの水素分子の放出量[molecules/cm]をとる。
【0448】
また、図56及び図58に示す水素の測定結果から算出される、試料3A-1乃至試料
3A-8、及び試料3B-1乃至試料3B-8における水分子の放出量を図54に示す。
ここで、図54(A)では、横軸はそれぞれの試料におけるSiHの流量[sccm]
をとり、縦軸はそれぞれの水分子の放出量[molecules/cm]をとる。図5
4(B)では、横軸はそれぞれの試料における成膜速度[nm/min]をとり、縦軸は
それぞれの水分子の放出量[molecules/cm]をとる。
【0449】
図53(A)(B)及び図54(A)(B)に示すように、試料3A-1乃至試料3A
-8、及び試料3B-1乃至試料3B-8において、SiH流量を増加させる又は成膜
速度を増加させることにより、水素、水ともに放出量が増加している傾向が見られる。そ
れに対して、図53(A)(B)及び図54(A)(B)において、試料3A-1乃至試
料3A-8と、試料3B-1乃至試料3B-8と、を比較してもグラフの傾向に有意差は
見られず、SiFの流量による大きな傾向の違いはないようであった。
【0450】
水素については図55及び図57に示すように、試料3A-1乃至試料3A-8、及び
試料3B-1乃至試料3B-8において、いずれの温度においてもプロファイルに大きな
ピークは見られず、放出量も少なかった。
【0451】
また、水については図56及び図58に示すように、試料3A-1乃至試料3A-8、
及び試料3B-1乃至試料3B-8において、基板温度100℃近傍においてプロファイ
ルに大きなピークが見られ、水の放出が確認できた。また、試料3A-1乃至試料3A-
8、及び試料3B-1乃至試料3B-8において、SiHの流量が大きくなると、より
高温域のピークの裾が基板温度400℃近傍から立ち上がり始めていることが確認できた
【0452】
図54(A)に示すように、SiHの流量が少ない試料3B-1乃至試料3B-4に
おいて、水分子放出量が大きくなっている。これに対して、図58(A)乃至(D)に示
す試料3B-1乃至3B-4の水分子放出量を見ると、いずれも基板温度100℃近傍に
非常に大きなピークが見られる。つまり、試料3B-1乃至試料3B-4における水分子
放出量の大きな要因はこの100℃近傍のピークに対応する水分子と考えられる。当該ピ
ークに対応する水分子は基板温度100℃程度で基板加熱することにより除去することが
できるので、100℃程度の基板加熱により試料3B-1乃至試料3B-4における水分
子放出量を大きく低減することができる。
【0453】
以上のように、SiHの流量に依存する、フッ素を含む酸化シリコン膜の成膜速度と
、膜中に含まれる水素、水の含有量は、トレードオフの関係となることが示された。例え
ば、図52及び図54(A)に示すように、SiHの流量を1sccmより大きく10
sccm未満、より好ましくは、2sccm以上4sccm以下とすることにより、絶縁
体中の水、水素の含有量と成膜速度の両方を比較的良好に得ることができる。ただし、S
iHの流量の割合は、フッ素を含む酸化シリコン膜中の水、水素の含有量と、成膜速度
と、を考慮して適宜設定することが好ましい。
【0454】
次に、試料3A-1乃至試料3A-8、及び試料3B-1乃至試料3B-8に試料の裏
面側からのSIMS分析を行ってH、F、Nを検出した結果を図59及び図60に示す。
なお、図59及び図60では、各試料において、酸化シリコン膜とフッ素を含む酸化シリ
コン膜の界面の50nm上から当該界面の100nm上までの範囲で検出された各元素の
濃度の平均値をグラフに表している。図59に試料3A-1乃至試料3A-8の結果を示
し、図59(A)はHの検出結果を、図59(B)はFの検出結果を、図59(C)はN
の検出結果を示す。また、図60に試料3B-1乃至試料3B-8の結果を示し、図60
(A)はHの検出結果を、図60(B)はFの検出結果を、図60(C)はNの検出結果
を示す。図59及び図60で横軸はそれぞれの試料におけるSiHの流量[sccm]
をとり、縦軸はそれぞれの試料における上記の平均の濃度[atoms/cm]をとる
。なお、SIMS分析は、アルバック・ファイ社製四重極型質量分析装置(ADEPT1
010特型)を用いた。
【0455】
図59(A)及び図60(A)に示すように、本SIMS分析においても、試料3A-
1乃至試料3A-8、及び試料3B-1乃至試料3B-8において、SiHの流量の増
加に伴い水素濃度が増加する傾向が見られた。また、試料3A-1乃至試料3A-8、及
び試料3B-1乃至試料3B-8において、全体的に水素濃度は1×1020atoms
/cm乃至1×1021atoms/cmの範囲内であり、大きな増大は見られなか
った。
【0456】
図59(B)及び図60(B)に示すように、試料3A-1乃至試料3A-8、及び試
料3B-1乃至試料3B-8において、SiHの流量の増加に伴いフッ素濃度が減少す
る傾向が見られた。試料3A-1乃至試料3A-8ではフッ素濃度は1×1020ato
ms/cm乃至1×1021atoms/cm程度の範囲であるのに対して、試料3
B-1乃至試料3B-8ではフッ素濃度は1×1021atoms/cm3乃至1×10
22atoms/cm程度の範囲であり、SiFの流量の増加に伴い、膜中のフッ素
濃度も大きくなっていた。
【0457】
また、図59(C)及び図60(C)に示すように、試料3A-1乃至試料3A-8、
及び試料3B-1乃至試料3B-8において、窒素濃度はSiHの流量の増加に伴う明
確な傾向は見られなかった。SiHの流量が小さい領域では試料3A-1乃至試料3A
-8と、試料3B-1乃至試料3B-8で傾向が異なり、SiHの流量が大きい領域で
は、試料3A-1乃至試料3A-8と、試料3B-1乃至試料3B-8とでほぼ同等の窒
素濃度の値であった。
【0458】
また、本実施例においては、シリコン基板上に、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜
、酸化ハフニウム膜、フッ素を含む酸化シリコン膜を積層した試料を作製し、X線光電子
分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy
)を用いた評価も行った。XPSの評価では、比較例として最表面にPECVD法を用い
て酸化シリコンを成膜した試料3C-1と、最表面にPECVD法を用いてフッ素を含む
酸化シリコンを成膜した試料3C-2と、最表面にPECVD法を用いて、0.2scc
mのSiHを含む成膜ガスでフッ素を含む酸化シリコンを成膜した試料3C-3と、最
表面にPECVD法を用いて、4sccmのSiHを含む成膜ガスでフッ素を含む酸化
シリコンを成膜した試料3C-4と、を作製した。
【0459】
XPSの評価に用いた試料の作製方法について説明する。まず、シリコンウエハを熱酸
化し、シリコンウエハ表面に100nmの酸化シリコン膜を形成した。熱酸化の条件は9
50℃で4時間であり、熱酸化の雰囲気は、3体積%HClを含む酸素雰囲気とした。
【0460】
次に、酸化シリコン膜上に、PECVD法を用いて基板温度を400℃として10nm
の酸化窒化シリコン膜を成膜した。
【0461】
次に、酸化窒化シリコン膜上に、ALD法を用いて20nmの酸化ハフニウム膜を成膜
した。ALD法による成膜では、基板温度を200℃とし、テトラキスジメチルアミドハ
フニウム(TDMAH)を含む固体を昇華させた原料ガスと、酸化剤としてOガスを用
いた。
【0462】
次に、酸化ハフニウム膜上にPECVD法を用いて30nmのフッ素を含む酸化シリコ
ン膜を成膜した。なお、試料3C-1は比較例としてPECVD法を用いて、基板温度5
00℃で酸化シリコン膜を成膜した。
【0463】
試料3C-2乃至試料3C-4では、フッ素を含む酸化シリコン膜の成膜前に、SiH
を200sccmで20秒流す前処理を行った。成膜条件は、成膜ガスとしてSiF
を1.5sccm、NOを1000sccm、Arを1000sccm用い、RF電源
周波数を60MHz、RF電源パワーを800Wとし、成膜圧力を133Pa、基板温度
を400℃とした。そして、試料3C-3ではさらに0.2sccmのSiHを加えた
成膜ガスを用い、試料3C-4ではさらに4sccmのSiHを加えた成膜ガスを用い
た。
【0464】
以上のようにして作製した試料3C-1乃至3C-4に、XPS分析を行った結果を図
61に示す。図61(A)はSiの2p軌道に対応するスペクトルを表し、図61(B)
はOの1s軌道に対応するスペクトルを表し、図61(C)はFの1s軌道に対応するス
ペクトルを表す。図61で横軸は結合エネルギー[eV]をとり、縦軸はスペクトル強度
を表す。また、表1に試料3C-1乃至試料3C-4における、Si、O、C、Fの組成
[atomic%]を表す。
【0465】
【表1】
【0466】
図61(A)(B)に示すように、試料3C-1乃至試料3C-4において、シリコン
及び酸素の量については大きな差は見られなかった。ただし、酸素とフッ素について見る
と、表1に示すように、成膜ガス中におけるSiHの流量が小さくなり、相対的にSi
の流量が大きくなるにつれて、フッ素の組成が大きくなり、それに対応して酸素の組
成が小さくなっている。
【0467】
また、図61(C)に示すように、成膜ガス中におけるSiFの流量が相対的に大き
い試料3C-2及び試料3C-3においては、Fの1s軌道は大きなピークを表している
。このピークは、SiFの共有結合(685.4eV以上687.5eV以下、中央値は
686.5eV)の範囲に含まれており、試料3C-2及び試料3C-3の表面において
SiFの共有結合が形成されていることを示している。
【符号の説明】
【0468】
200 撮像装置
201 スイッチ
202 スイッチ
203 スイッチ
210 画素部
211 画素
212 副画素
212B 副画素
212G 副画素
212R 副画素
220 光電変換素子
230 画素回路
231 配線
247 配線
248 配線
249 配線
250 配線
253 配線
254 フィルタ
254B フィルタ
254G フィルタ
254R フィルタ
255 レンズ
256 光
257 配線
260 周辺回路
270 周辺回路
280 周辺回路
290 周辺回路
291 光源
300 シリコン基板
301 絶縁体
302 絶縁体
303 電子捕獲層
305 層
310a 導電体
310b 導電体
310c 導電体
320 層
331 層
340 層
351 トランジスタ
352 トランジスタ
353 トランジスタ
354 トランジスタ
360 フォトダイオード
361 アノード
362 カソード
363 低抵抗領域
365 フォトダイオード
366 半導体層
367 半導体層
368 半導体層
370 プラグ
371 配線
372 配線
373 配線
374 配線
380 絶縁体
381 絶縁体
400 基板
401 絶縁体
402 絶縁体
403 絶縁体
404 導電体
405h1 間隔
405h2 間隔
406a 絶縁体
406a_1 絶縁体
406b 半導体
406b_1 半導体
406c 絶縁体
407 領域
407a1 領域
407a2 領域
408 絶縁体
410 絶縁体
410a 絶縁体
411 レジストマスク
412 絶縁体
414 導電体
415 導電体
416a1 導電体
416a2 導電体
418 絶縁体
428 絶縁体
429 導電体
430 導電体
431 導電体
432 導電体
433 導電体
434 導電体
437 導電体
438 導電体
440 導電体
442 導電体
444 導電体
450 半導体基板
454 導電体
460 領域
462 絶縁体
464 絶縁体
465 絶縁体
466 絶縁体
467 絶縁体
468 絶縁体
469 絶縁体
470 絶縁体
472 絶縁体
474a 領域
474b 領域
475 絶縁体
476a 導電体
476b 導電体
476c 導電体
477a 導電体
477b 導電体
477c 導電体
478a 導電体
478b 導電体
478c 導電体
479a 導電体
479b 導電体
479c 導電体
480a 導電体
480b 導電体
480c 導電体
483a 導電体
483b 導電体
483c 導電体
483d 導電体
483e 導電体
483f 導電体
484a 導電体
484b 導電体
484c 導電体
484d 導電体
485a 導電体
485b 導電体
485c 導電体
485d 導電体
487a 導電体
487b 導電体
487c 導電体
488a 導電体
488b 導電体
488c 導電体
489a 導電体
489b 導電体
490a 導電体
490b 導電体
491a 導電体
491b 導電体
491c 導電体
492a 導電体
492b 導電体
492c 導電体
494 導電体
496 導電体
498 絶縁体
550 インターポーザ
551 チップ
552 端子
553 モールド樹脂
600 パネル
601 プリント配線基板
602 パッケージ
603 FPC
604 バッテリー
700 基板
703 絶縁体
704a 導電体
704b 導電体
706a 絶縁体
706b 半導体
706c 絶縁体
706d 絶縁体
706e 半導体
706f 絶縁体
710 絶縁体
712a 絶縁体
714a 導電体
714b 導電体
716a1 導電体
716a2 導電体
716a3 導電体
716a4 導電体
718b 絶縁体
719 発光素子
720 絶縁体
721 絶縁体
728 絶縁体
731 端子
732 FPC
733a 配線
734 シール材
735 駆動回路
736 駆動回路
737 画素
741 トランジスタ
742 容量素子
743 スイッチ素子
744 信号線
750 基板
751 トランジスタ
752 容量素子
753 液晶素子
754 走査線
755 信号線
781 導電体
782 発光層
783 導電体
784 隔壁
791 導電体
792 絶縁体
793 液晶層
794 絶縁体
795 スペーサ
796 導電体
797 基板
800 RFタグ
801 通信器
802 アンテナ
803 無線信号
804 アンテナ
805 整流回路
806 定電圧回路
807 復調回路
808 変調回路
809 論理回路
810 記憶回路
811 ROM
1010 ADEPT
1189 ROMインターフェース
1190 基板
1191 ALU
1192 ALUコントローラ
1193 インストラクションデコーダ
1194 インタラプトコントローラ
1195 タイミングコントローラ
1196 レジスタ
1197 レジスタコントローラ
1198 バスインターフェース
1199 ROM
1200 記憶素子
1201 回路
1202 回路
1203 スイッチ
1204 スイッチ
1206 論理素子
1207 容量素子
1208 容量素子
1209 トランジスタ
1210 トランジスタ
1213 トランジスタ
1214 トランジスタ
1220 回路
2100 トランジスタ
2200 トランジスタ
2201 絶縁体
2202 配線
2203 プラグ
2204 絶縁体
2205 配線
2207 絶縁体
2208 絶縁体
2211 半導体基板
2212 絶縁体
2213 ゲート電極
2214 ゲート絶縁体
2215 ソース領域およびドレイン領域
3001 配線
3002 配線
3003 配線
3004 配線
3005 配線
3200 トランジスタ
3300 トランジスタ
3400 容量素子
4000 RFタグ
6000 表示モジュール
6001 上部カバー
6002 下部カバー
6003 FPC
6004 タッチパネル
6005 FPC
6006 表示パネル
6007 バックライトユニット
6008 光源
6009 フレーム
6010 プリント基板
6011 バッテリー
7101 筐体
7102 筐体
7103 表示部
7104 表示部
7105 マイク
7106 スピーカー
7107 操作キー
7108 スタイラス
7302 筐体
7304 表示部
7311 操作ボタン
7312 操作ボタン
7313 接続端子
7321 バンド
7322 留め金
7501 筐体
7502 表示部
7503 操作ボタン
7504 外部接続ポート
7505 スピーカー
7506 マイク
7701 筐体
7702 筐体
7703 表示部
7704 操作キー
7705 レンズ
7706 接続部
7901 電柱
7902 表示部
8000 カメラ
8001 筐体
8002 表示部
8003 操作ボタン
8004 シャッターボタン
8005 結合部
8006 レンズ
8100 ファインダー
8101 筐体
8102 表示部
8103 ボタン
8121 筐体
8122 表示部
8123 キーボード
8124 ポインティングデバイス
8200 ヘッドマウントディスプレイ
8201 装着部
8202 レンズ
8203 本体
8204 表示部
8205 ケーブル
8206 バッテリー
9700 自動車
9701 車体
9702 車輪
9703 ダッシュボード
9704 ライト
9710 表示部
9711 表示部
9712 表示部
9713 表示部
9714 表示部
9715 表示部
9721 表示部
9722 表示部
9723 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61