(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】オートバイ用ヘッドランプのための照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 41/24 20180101AFI20231113BHJP
F21S 41/25 20180101ALI20231113BHJP
F21S 41/43 20180101ALI20231113BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20231113BHJP
F21W 102/135 20180101ALN20231113BHJP
F21W 102/19 20180101ALN20231113BHJP
F21W 107/17 20180101ALN20231113BHJP
【FI】
F21S41/24
F21S41/25
F21S41/43
F21V8/00 310
F21V8/00 320
F21V8/00 330
F21W102:135
F21W102:19
F21W107:17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022191346
(22)【出願日】2022-11-30
【審査請求日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】マルティスカ マテヘ
(72)【発明者】
【氏名】アントン ココスカ
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0016209(KR,A)
【文献】特表2015-524986(JP,A)
【文献】特表2018-533189(JP,A)
【文献】特開2013-193562(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0162380(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 8/00
F21W 102/135
F21W 102/19
F21W 107/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートバイ用ヘッドランプ(2)のための照明装置であって、セグメント化ライトパターンを形成するよう構成されたものにおいて、
前記照明装置は、
- 複数の光源(3)、但しこれらの光源(3)の少なくとも幾つかは相互に独立に活性化されるよう構成されている、
- 複数の光案内要素(4a)と、光均一化体(4b)とを含むセグメント化光案内ユニット(4)、但し、各光案内要素(4a)は前記複数の光源(3)の少なくとも1つからの光(L)を受容するよう構成された光入射面(4a’)を含む遠位端を有し、各光案内要素(4a)は前記
光均一化体(4b)の方へ完全に伸長し、該伸長は前記照明装置の主ビーム方向(x)に少なくとも部分的に沿っており、前記光案内要素(4a)はライトパターンのセグメント化を可能にするために少なくとも4つであるが12以下の縦列(C)にかつ少なくとも3つの横列(R1~R7)に配置されており、各光案内要素(4a)の横断面はその入射面(4a’)から前記光均一化体(4b)への伸長方向に連続的に増大し、前記横断面は前記主ビーム方向(x)に対し直角に配向された面において測定され、前記セグメント化光案内ユニット(4)は前記複数の光案内要素(4a)を前記光均一化体(4b)と一緒に成形す
ることによって一体的コンポーネントとして形成されており、前記光均一化体(4b)は前記光案内要素(4a)から受容した光の少なくとも部分的な均一化を可能にするために前記主ビーム方向(x)に沿って伸長し、及び、前記光均一化体(4b)は前記光案内要素(4a)によって受容された光(L1、L2、L3、L4)を放射するための統合光出射面(4b’)を含む、
及び、
- 前記光均一化体(4b)の前記統合光出射面(4b’)から放出された光を受容し、前記セグメント化ライトパターンを投射するよう構成された投射レンズ(5)
を含み、
前記複数の光案内要素(4a)の少なくとも幾つかは第1グループ(G1)の光案内要素(4a)の部分であり、前記第1グループ(G1)の光案内要素(4a)は前記光入射面(4a’)の画定された幾何学的形状を有し、前記光入射面は4つの側辺即ち左辺(G1ad)、右辺(G1bc)、下辺(G1ab)及び上辺(G1dc)によって接続される4つのコーナー(G1a、G1b、G1c、G1d)によって限定されており、これらの4つの側辺のうちの3つの側辺は直線的であり、第4の側辺はアール状突出部(P)を有することによって直線的な前記3つの側辺とは異なり、前記アール状突出部(P)は前記光入射面(4a’)を増大し、前記第4の側辺はその光案内要素(4a)の左辺又は右辺の何れかであること
を特徴とする、照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記アール状突出部(P)は前記第4の側辺の長さ(GL)の30%と80%の間に沿って広がること
を特徴とする、照明装置。
【請求項3】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記アール状突出部(P)は前記光入射面(4a’)のサイズを5%~30%増大すること
を特徴とする、照明装置。
【請求項4】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記アール状突出部(P)の広がりは前記光均一化体(4b)の方へのその光案内要素(4a)の伸長方向に連続的に減少すること
を特徴とする、照明装置。
【請求項5】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記アール状突出部(P)は前記光均一化体(4b)に到達する前に終端すること
を特徴とする、照明装置。
【請求項6】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記セグメント化光案内ユニット(4)の各光案内要素(4a)は夫々前記照明装置によって放射可能なライトパターンの特定のセグメントへ割り当てられており、隣り合う光案内要素(4a)は隣り合うセグメント(S3-1、S4-1)へ割り当てられていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項7】
請求項6に記載の照明装置において、
横列(R1~R7)へ割り当てられた光源(3)を含む前記セグメント化光案内ユニット(4)の光案内要素(4a)の各横列(R1~R7)は相互に独立に活性化及び不活性化されるよう構成されていること、
前記照明装置は、オートバイの測定されたバンク角に対応する外部信号に基づいて制御されるよう構成されていること、
前記横列
は実質的に直線的なラインに沿って配されており、該直線的なラインは別の直線的なラインに対して傾けられており、横列(R1~R7)の活性化及び不活性化は
、オートバイの測定されたバンク角に基づいて実行されること
を特徴とする、照明装置。
【請求項8】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記照明装置は、ハイビーム用光分布の放射を可能にするよう構成されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項9】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記複数の光案内要素(4a)の少なくとも幾つかは第2グループ(G2)の光案内要素(4a)の部分であること、前記第2グループ(G2)の光案内要素は光入射面(4a’)の画定された幾何学的形状を有し、該光入射面は4つの側辺即ち左辺(G2ad)、右辺(G2bc)、下辺(G2ab)及び上辺(G2dc)によって接続される4つのコーナー(G2a、G2b、G2c、G2d)によって限定されており、4つのすべての側辺は直線的であること
を特徴とする、照明装置。
【請求項10】
請求項9に記載の照明装置において、
前記第2グループ(G2)の各光案内要素(4a)の光入射面(4a’)は実質的に方形の形状を有すること
を特徴とする、照明装置。
【請求項11】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記第1グループ(G1)の光案内要素(4a)の個数は前記セグメント化光案内ユニット(4)の光案内要素(4a)の総数の少なくとも33%であること
を特徴とする、照明装置。
【請求項12】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記投射レンズ(5)は光軸とペッツバール領域とを有し、前記セグメント化光案内ユニット(4)と前記投射レンズ(5)は、前記セグメント化光案内ユニット(4)の前記統合光出射面(4b’)が前記投射レンズ(5)の前記ペッツバール領域に位置付けられるよう、互いに対し配置されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項13】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記セグメント化光案内ユニット(4)と前記投射レンズ(5)は前記照明装置の前記主ビーム方向(x)とコアキシャルに(同心的に)配置されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項14】
請求項1~13の何れかに記載の照明装置(1)を含むオートバイ用ヘッドランプにおいて、前記オートバイ用ヘッドランプは、更に、ロービーム用光分布を放射するためのロービーム用ライトモジュール(6)を含むこと
を特徴とする、オートバイ用ヘッドランプ。
【請求項15】
請求項14に記載のオートバイ用ヘッドランプにおいて、
前記投射レンズ(5)は単一の統合型投射レンズとして構成されており、前記統合型投射レンズは前記照明装置(1)及び前記ロービーム用ライトモジュール(6)から放出された光を投射するよう構成されていること
を特徴とする、オートバイ用ヘッドランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年12月2日に出願された欧州特許出願第21211988.7号についてのパリ条約上の優先権の利益を主張するものであり、当該出願の全内容は引照を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。
【0002】
本発明は、オートバイ用ヘッドランプのための照明装置に関し、とりわけセグメント化ライトパターンを形成するよう構成された照明装置に関する。
【背景技術】
【0003】
セグメント化された(複数のセグメントに分割された)ライト(配向ないし照明)パターン(セグメント化ライトパターン)の放射を可能にする照明装置は従来技術から既知である。例えば、文献AT513341A1は、セグメント化ライトパターンの放射用の照明装置を記載している。この照明装置は、自動車での使用のために設計(構成)されている。オートバイとは異なり、自動車用の車両ヘッドランプは、通常、寸法の要求による制約はより少なく、自動車の車幅方向における傾きに対し適応する必要もない。通常は、自動車の車幅方向における傾きは僅かである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空間的に制限されているため、オートバイ用ヘッドランプでは、ライトパターンをセグメント化する場合、セグメント(とりわけ(縦)列)の個数がより少なくなることがよくある。そのため、各セグメントは、より広い空間角度(立体角)をカバーする。所与のセグメントがより広い空間角度を有するため、ライトパターンにおける光強度(明るさ)の可視的な(目に見える)差異(複数)に関する問題が生じる。詳しく言えば、セグメント(複数)が隣り合う領域(複数)により暗い垂直(縦)ギャップが見え得る。
【0006】
本発明の目的は、均一性(一様性)が増大された光分布を提供するオートバイ用ヘッドランプ用照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の視点により、オートバイ用ヘッドランプのための照明装置が提供される。
前記照明装置はセグメント化ライトパターンを形成するよう構成されており、
前記照明装置は、
- 複数の光源、但しこれらの光源の少なくとも幾つかは相互に独立に活性化(作動)されるよう構成されている、
- 複数の光案内要素と、光均一化体とを含むセグメント化光案内ユニット、但し、各光案内要素は前記複数の光源の少なくとも1つからの光を受容(受光)するよう構成された光入射面を含む遠位端を有し、各光案内要素は前記均一化体の方へ完全に伸長し、該伸長は前記照明装置の主ビーム方向に少なくとも部分的に沿っており、前記光案内要素はライトパターンのセグメント化を可能にするために少なくとも4つであるが12以下の縦列にかつ少なくとも3つの横列に配置されており、各光案内要素の横断面はその入射面から前記光均一化体への伸長方向に連続的に増大し、前記横断面は前記主ビーム方向に対し直角に(直角をなすよう)配向された面において測定され、前記セグメント化光案内ユニットは前記複数の光案内要素を前記光均一化体と一緒に成形する、とりわけ射出成形することによって一体的コンポーネントとして形成されており、前記光均一化体は前記光案内要素から受容した光の少なくとも部分的な均一化(一様化)を可能にするために前記主ビーム方向に沿って伸長し、及び、前記光均一化体は前記光案内要素によって受容された光を放射するための統合(化)(collective)光出射面を含む、
及び、
- 前記光均一化体の前記統合光出射面から放出された光を受容し、前記セグメント化ライトパターンを投射するよう構成された投射レンズ
を含み、
前記複数の光案内要素の少なくとも幾つかは第1グループの光案内要素の部分であり、前記第1グループの光案内要素は前記光入射面の画定された(ないし特定された:defined)幾何学的形状を有し、前記光入射面は4つの側辺即ち左辺、右辺、下辺及び上辺によって接続される4つのコーナーによって限定(ないし規定)されており、これらの4つの側辺のうちの3つの側辺は直線的であり、第4の側辺はアール状(丸味付け:rounded)突出部を有することによって直線的な前記3つの側辺とは異なり、前記アール状突出部は前記光入射面を増大(拡張)し、前記第4の側辺はその光案内要素の左辺又は右辺の何れかである(形態1)。
更に、本発明の第2の視点により、本発明の照明装置を含むオートバイ用ヘッドランプが提供される。該オートバイ用ヘッドランプは、更に、ロービーム用光分布を放射するためのロービーム用ライトモジュールを含む(形態14)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(形態1)上記本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1の照明装置において、前記アール状突出部は前記第4の側辺の長さの30%と80%の間に沿って広がる(延在する)ことが好ましい。
(形態3)形態1又は2の照明装置において、前記アール状突出部は前記光入射面のサイズを5%~30%増大することが好ましい。
(形態4)形態1~3の何れかの照明装置において、前記アール状突出部の広がり(の度合い:extent)は前記光均一化体の方へのその光案内要素の伸長方向に連続的に減少することが好ましい。
(形態5)形態1~4の何れかの照明装置において、前記アール状突出部は前記光均一化体に到達する前に終端することが好ましい。
(形態6)形態1~5の何れかの照明装置において、前記セグメント化光案内ユニットの各光案内要素は夫々前記照明装置によって放射可能なライトパターンの(1つの)特定のセグメントへ割り当てられており、隣り合う光案内要素は隣り合うセグメントへ割り当てられていることが好ましい。
(形態7)形態6の照明装置において、
横列(の光案内要素)へ割り当てられた光源を含む前記セグメント化光案内ユニットの光案内要素の各横列は相互に独立に活性化及び不活性化されるよう構成されていること、
前記照明装置は、オートバイの測定されたバンク角に対応する外部信号に基づいて制御されるよう構成されていること、
前記横列はラインに沿って、好ましくは実質的に直線的なラインに沿って配されており、該直線的なラインは別の直線的なラインに対して傾けられており、横列の活性化及び不活性化は、とりわけロービーム用光分布の領域内へ追加の光放射を付加するために、オートバイの測定されたバンク角に基づいて実行されることが好ましい。
(形態8)形態1~7の何れかの照明装置において、前記照明装置は、ハイビーム用光分布の放射を可能にするよう構成されていることが好ましい。
(形態9)形態1~8の何れかの照明装置において、前記複数の光案内要素の少なくとも幾つかは第2グループの光案内要素の部分であること、前記第2グループの光案内要素は光入射面の画定された(ないし特定された:defined)幾何学的形状を有し、該光入射面は4つの側辺即ち左辺、右辺、下辺及び上辺によって接続される4つのコーナーによって限定されており、4つのすべての側辺は直線的であることが好ましい。
(形態10)形態9の照明装置において、前記第2グループの各光案内要素の光入射面は実質的に方形の形状を有することが好ましい。
(形態11)形態1~10の何れかの照明装置において、前記第1グループの光案内要素の個数は前記セグメント化光案内ユニットの光案内要素の総数の少なくとも33%であることが好ましい。
(形態12)形態1~11の何れかの照明装置において、前記投射レンズは光軸とペッツバール領域(Petzvar area)とを有し、前記セグメント化光案内ユニットと前記投射レンズは、前記セグメント化光案内ユニットの前記統合光出射面が前記投射レンズの前記ペッツバール領域に位置付けられるよう、互いに対し配置されていることが好ましい。
(形態13)形態1~12の何れかの照明装置において、前記セグメント化光案内ユニットと前記投射レンズは前記照明装置の前記主ビーム方向とコアキシャルに(同心的に)配置されていることが好ましい。
(形態14)上記本発明の第2の視点参照。
(形態15)形態14のオートバイ用ヘッドランプにおいて、前記投射レンズ(光学体)は単一の統合型(collective)投射レンズとして構成されており、前記統合型投射レンズは前記照明装置及び前記ロービーム用ライトモジュールから放出された光を投射するよう構成されていることが好ましい。
【0009】
上記の目的は上記のタイプの照明装置によって達成される。該照明装置は、複数の光源、但しこれらの光源の少なくとも幾つかは相互に独立に活性化(作動)されるよう構成される、複数の光案内要素と、光均一化(一様化)体(光均一化(一様化)部材)とを含むセグメント化光案内ユニット、但し各光案内要素は複数の光源の少なくとも1つからの光を受容(受光)するよう構成された光入射面を含む遠位端を有し、各光案内要素は光均一化体の方へ完全に伸長し、該伸長は照明装置の主ビーム方向に少なくとも部分的に沿っており、光案内要素はライトパターン(配光ないし照明パターン)のセグメント化を可能にするために少なくとも4つであるが12以下の縦列にかつ少なくとも3つの横列に配置され、各光案内要素の横断面はその入射面から光均一化体への伸長方向に連続的に増大し、該横断面は主ビーム方向に対し直角に配向された面において測定され、セグメント化光案内ユニットは複数の光案内要素を光均一化体と一緒に成形する、とりわけ射出成形することによって一体的コンポーネントとして形成され、光均一化体は光案内要素から受容した光の少なくとも部分的な均一化(一様化)を可能にするために主ビーム方向に沿って伸長し、及び、光均一化体は光案内要素によって受容された光を放射するための統合(化)(collective)光出射面を含む、及び、光均一化体の統合光出射面から放出された光を受容し、セグメント化ライトパターンを投射するよう構成された投射レンズを含み、複数の光案内要素の少なくとも幾つかは第1グループの光案内要素の部分であり、該第1グループの光案内要素は光入射面の画定された(defined)幾何学的形状を有し、光入射面は4つの側辺即ち左辺、右辺、下辺及び上辺によって接続される4つのコーナーによって限定(規定)され、これらの4つの側辺のうちの3つの側辺は直線的であり、第4の側辺はアール状(丸みが付けられた:rounded)突出部を有することによって直線的な3つの側辺とは異なり、アール状突出部は光入射面を増大(拡張)し、第4の側辺はその光案内要素の左辺又は右辺の何れかである。
【0010】
上記のコーナーはシャープである必要はなく、ある程度アール(丸味)が付けられる(面取りされる)ことも可能である。しかしながら、これらのコーナーを接続する直線的なライン(複数)は上記の3つの直線的な側辺について存続している(そのままの状態に維持されている)べきである。突出部はコーナーに配置されることも可能である。本発明の意味における光案内要素とは、当該光案内要素の形状によって規定される特定の経路に沿って光を案内するよう構成された要素(ないし素子)である。光案内要素は、光を受容する(受光する)表面を有し、(その)光を当該光案内要素の内部において反射によって、とりわけ側壁(複数)に沿った全反射によって、その伸長方向において案内する。光案内要素は光を均一化体(一様化体)の方へ導くことができる。投射レンズはライトパターン(配光パターン)を前部(正面)空間へ、例えば道路へ、投射(投影)することができる。(本書における)位置に関する説明は全て、主ビーム方向に沿って見る視点からの、照明装置の取付(搭載)状態に関する。
【0011】
光案内要素及び/又は光均一化体はシリコーン及び/又は光学プラスチックで製造可能である。シリコーン部(部品)を製造するために、二光子重合を利用することができる。「レンズ系(lens system)」と称される一組のレンズ(複数)、例えばアクロマート(レンズ)(Achromat)を使用する可能性もある。
【0012】
オートバイとは、典型的には、単軌道(single-track)の二輪動力車両であるが、一般的には、コーナリング時にその縦軸に沿って傾く/バンクするよう設計(構成)された二輪又は三輪動力車両をいう。45°の可能なバンク角は普通である。
【0013】
好ましくは、アール状突出部は第4の側辺の長さの30%と80%の間に沿って(わたって)広がる(延在する:extend)。この長さはこの側辺の両コーナー間の最小距離に基づいて測定される。そのような突出部は、当該突出部の横方向の外面が個々のセグメントのより大きい視野(fields of views)を形成するために、異なる角度の全内反射(全反射)によって、隣り合うセグメント間の目に見える垂直のライン(複数)(の形成)を回避するこれらのセグメントの光の適切な重なり合いを可能にする。
【0014】
好ましくは、アール状突出部は光入射面のサイズを5%~30%増大する。そのような突出部は隣り合うセグメント間の目に見える垂直のライン(複数)(の形成)を回避するこれらのセグメントの光の適切な重なり合いを可能にする。
【0015】
好ましくは、アール状突出部の広がり(その度合いないし断面積:extent)は光均一化体の方へのその光案内要素の伸長方向に(向かって)アール(湾曲:curved)形状が連続的に減少する。これは、均一化体へのスムーズな移行を可能にし、均一化(一様化)にポジティブな影響を及ぼす。好ましくは、アール状突出部は光均一化体に到達する前に終端する。
【0016】
好ましくは、セグメント化光案内ユニットの各光案内要素は夫々照明装置によって放射可能なライトパターンの(1つの)特定のセグメントへ割り当てられ、隣り合う光案内要素は隣り合うセグメントへ割り当てられる。
【0017】
好ましくは、複数の横列(の光案内要素(複数))へ(夫々)割り当てられた光源(複数)を含むセグメント化光案内ユニットの光案内要素の各横列(各横列の光案内要素)は相互に独立に活性化及び不活性化されるよう構成され、照明装置はオートバイの測定されたバンク角に基づいて制御されるよう構成され、横列は別の横列に対して傾けられ(角度が付けられ)[横列(複数)は互いに対し角度が付けられてないし所定の基準(水平線等)に対し異なる角度をなすよう配され]、横列(複数)の活性化及び不活性化は、とりわけロービーム用光分布の領域内へ追加の光放射を付加するために、オートバイの測定されたバンク角に基づいて実行される。これは、照明装置の最大解像度(解像度の最大化)を可能にする一方で、コーナリング時の照明装置の挙動の最適化を可能にし、かくして、最適な道路の照明を維持しつつグレアを回避することができる。オートバイの傾き(車体のバンク)のために、直立位置においてハイビーム用光分布に割り当てられているライトセグメントの幾つかは―傾きの方向及び程度に依存して―より低い位置への傾きのためにロービーム用セグメントへ照射することになろう。従って、ロービーム用モジュールは、照明装置のセグメント(複数)、とりわけ横列(複数)(のセグメント)の選択的活性化によって、ハイビーム用モジュールによって支援されることができる。
【0018】
好ましくは、照明装置はハイビーム用光分布の放射を可能にするよう構成される。このハイビーム用光分布は、バイクが直立位置にある場合、典型的には直進運転時に、放射されることができる。バイクが直進運転している場合、ハイビーム用光分布は放射されることができる。バイクがカーブ(コーナー)に入って傾いている場合、例えば(ピザのスライスのような)1つ/2つ/3つの扇形部分(circular sector;各扇形部分は例えば
図3の横列R1~R7の各々に相当する)の1つのサイドのみ(例えば
図3の扇形部分の中心を挟んで右側又は左側)がバンク角に依存して活性化されることができる。これは「アール状突出部」が格別に有用なケースである:セグメント化ハイビーム用光分布のシャープな境界(複数)とは異なり、この場合、個別の光案内要素(複数)のライトセグメント(複数)は半径(ラジアル)方向に沿って中心部から周縁部までスムーズに重なり合うことになる。コーナリング時、均一な(一様な)ロービーム用光分布が生成され、カットオフラインは、異なるバンク角で(バンク角が異なっていても)、水平線に揃えられている。
【0019】
好ましくは、複数の光案内要素の少なくとも幾つかは第2グループの光案内要素の部分であり、第2グループの光案内要素は光入射面の画定された(defined)幾何学的形状を有し、光入射面は4つの側辺即ち左辺、右辺、下辺及び上辺によって接続される4つのコーナーによって限定(規定)され、4つのすべての側辺は直線的である。これは、シャープに視認可能なライトセグメント(複数)と平滑化された(smoothened)視認可能なライトセグメント(複数)の混合を可能にする。好ましくは、第2グループの各光案内要素の光入射面は実質的に方形の形状を有する。
【0020】
好ましくは、第1グループの光案内要素の個数はセグメント化光案内ユニットの光案内要素の総数の少なくとも33%である。
【0021】
好ましくは、投射レンズは光軸とペッツバール領域(ないしペッツバール面(Petzvar surface))とを有し、セグメント化光案内ユニットと投射レンズは、セグメント化光案内ユニットの統合光出射面が投射レンズのペッツバール領域に位置付けられるように互いに対し配置される。単一の投射レンズは、異なる幾何学的形状及び異なる透明材料の複数のレンズ要素を含むレンズシステムによって置換されることも可能である。好ましくは、色収差を低減するために、アクロマティックダブレット(achromatic doublet)が使用される。
【0022】
好ましくは、セグメント化光案内ユニットと投射レンズは、照明装置の主ビーム方向とコアキシャルに(同心的に)配置される。
【0023】
本発明は、更に、本発明に応じた照明装置を含むオートバイ用ヘッドランプにも関し、該オートバイ用ヘッドランプは、更に、ロービーム用光分布を放射するためのロービーム用ライトモジュールを含む。
【0024】
好ましくは、投影レンズ(光学体)は発展的に単一の統合型(collective)投射レンズとして構成されており、該統合型投射レンズは照明装置及びロービーム用ライトモジュールから放出された光を投射するよう構成されている。
【0025】
以下に、本発明を更に説明するために、図面に示されているような、例示的かつ非限定的実施形態が議論(説明)される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に応じたオートバイ用ヘッドランプの一例の斜視図。
【
図2】
図1のセグメント化光案内ユニットの一例の斜視図。
【
図4】
図1~
図3による光案内ユニットの左側部分における光案内要素(複数)の一例の詳細図。
【
図5】第1グループの光案内要素の一例と第2グループの光案内要素の一例の比較。
【
図6a】第2グループの光案内要素(複数)を備えた光案内ユニットの一例の左側部分。
【
図6b】本発明に応じた照明装置がコーナリングにより傾けられている状況の一例。
【
図7】本発明に応じたセグメント化光案内ユニットを貫通して進行する光線の一例。
【
図8】異なるバンク角でのライトパターンの個別の横列セグメントの活性化に基づき例示的な照明装置によって生成される測定スクリーン上の異なる光分布の例((a)~(d))。
【実施例】
【0027】
以下において、同じ図面参照符号は、別段の明示がない限り、同じ特徴を指す。
【0028】
図1は本発明に応じたオートバイ用ヘッドランプ2の一例を斜視図で示す。オートバイ用ヘッドランプ2は照明装置1を含む。勿論、ヘッドランプ2は、一般的には、何れも図示されていないハウジング、ハウジングを封鎖するクリアビュースクリーン、調整装置、スクリュウ等のような更なる要素を含むことができる。照明装置1は、セグメント化ライトパターンを形成するよう構成されており、かつ、複数の光源3と、セグメント化光案内ユニット4とを含み、但し、これらの光源3の少なくとも幾つかは相互に独立に活性化(作動)されるよう構成されており、セグメント化光案内ユニット4は、複数の光案内要素4a(
図2~
図4も参照)と、光均一化(一様化)体(light homogenization body)4bとを含む。各光案内要素4aは複数の光源3の少なくとも1つからの光L(
図7参照)を受容するよう構成された光入射面4a’(例えば
図2参照)を含む遠位端を有する。本発明は、本発明に応じた照明装置1を含むオートバイ用ヘッドランプ2にも関し、該オートバイ用ヘッドランプ2は更にロービーム用光分布を放射するためのロービーム用ライトモジュール6を含む。好ましくは、光学体5は発展的に単一の統合型(collective)投射(投影)レンズとして構成されることができ、該統合型投射レンズは照明装置1及びロービーム用ライトモジュール6から放出された光を投射するよう構成されている。
【0029】
図2をより詳細に見ると、各光案内要素4aは均一化体4bの方へ完全に伸長し、該伸長は照明装置の主ビーム方向xに少なくとも部分的に沿っており、光案内要素4aはライトパターンのセグメント化を可能にするために少なくとも4つであるが12以下の縦列Cにかつ少なくとも3つの横列R1~R7に配置されていることが見て取れる。各光案内要素4aの横断面はその入射面4a’から光均一化体4bへのその伸長方向に連続的に増大し、該横断面は主ビーム方向xに対し直角に配向された面において測定される。セグメント化光案内ユニット4は複数の光案内要素4aを光均一化体4bと一緒に成形する、とりわけ射出成形することによって一体的コンポーネントとして形成されている。光均一化体4bは光案内要素(複数)4aから受容した光の少なくとも部分的な均一化(一様化)を可能にするために主ビーム方向xに沿って伸長し、及び、光均一化体4bは光案内要素(複数)4aによって受容された光L1、L2、L3、L4を放射するための統合(collective)光出射面4b’を含む。左外側と右外側の縦列Cに配された光案内要素(複数)4aは夫々2つの光入射面4a’を含む。これにより、光分布のより幅広のセグメントに対し2つの光源を連携させる(割り当てる)ことができ、そのため、当該セグメントの空間角度(立体角)がより広い(幅方向により大きい)にも拘らず高い光強度(明るさ)を達成することができる。
【0030】
図1は、照明装置1が更にロービーム用光学系6A、例えばコリメータと、カットオフエッジ6Cを有しかつほぼ水平に位置合わせ(配向)されているロービーム用ベゼル(bezel)6Bと、光均一化体4bの統合光出射面4b’から放出された光を受容し、セグメンチ化ライトパターンを投射するよう構成された投射レンズ5とを含むことを示している。
図3~
図5をより詳細に見ると、光案内要素(複数)4aの少なくとも幾つかは第1グループG1の光案内要素4aの部分であり、該第1グループG1の光案内要素4aは光入射面4a’の画定された(defined)幾何学的形状を有することを見出すことができる。
図5は、光入射面が4つの側辺即ち左辺G1ad、右辺G1bc、下辺G1ab及び上辺G1dcによって接続される4つのコーナーG1a、G1b、G1c、G1dによって限定されており、これらの4つの側辺のうちの3つの側辺は直線的であり、第4の側辺はアール状突出部Pを有することによって直線的な3つの側辺とは異なり、該アール状突出部Pは光入射面4a’を増大(拡張)し、該第4の側辺はその光案内要素4aの左辺又は右辺の何れかであることを示している。
【0031】
好ましくは、アール状突出部Pは第4の側辺の長さGLの30%と80%の間に沿って広がる。好ましくは、アール状突出部Pは光入射面4a’のサイズを5%~30%増大する。更に、アール状突出部Pの広がり(の度合い:extent)は光均一化体4bの方へのその光案内要素4aの伸長方向に連続的に減少する(例えば
図4参照)。好ましくは、アール状突出部Pは光均一化体4bに到達する前に終端する。
【0032】
セグメント化光案内ユニット4の各光案内要素4aは夫々照明装置1によって放射可能なライトパターンの(1つの)特定のセグメントへ割り当てられており、隣り合う光案内要素4aは隣り合うセグメントへ割り当てられている、例えば
図7に示されているセグメントS3-1とS4-1参照。
図7をより詳細に見ると、光源(複数)3によって放射される光Lは光入射面(複数)4aに入射し、光均一化体4bの方へ進行し、その統合光出射面4b’において光均一化体4bを去る(から出射する)ことを見出すことができる。光線L1とL2は(
図7に不図示の投射レンズ5によって投射された後)セグメントS4-1の内部に到達し、異なる光案内要素4aから到来する光線L3とL4はセグメントS3-1に入ることになる。これらのセグメントは重なり合わない。その結果、突出部Pがこれらのセグメントの間の領域に追加の光線LPを入らせないとすれば、これらのセグメントの間に暗い領域が生じることになろう。従って、突出部Pは、隣り合うセグメント間の垂直方向領域に追加の光線LPを付加することを可能にし、これにより、投射されたライトパターンの均一性(一様性)は向上する。
【0033】
好ましくは、複数の横列R1~R7(の光案内要素4a)へ夫々割り当てられた光源(複数)3を含むセグメント化光案内ユニット4の光案内要素4aの各横列R1~R7は相互に独立に活性化(activated)及び不活性化(deactivated)されることが可能であり、照明装置1は、オートバイの測定されたバンク角に基づいて制御されるよう構成されており、横列は別の横列に対して傾けられており(横列(複数)は互いに対し傾けられ(角度が付けられ)ており(所定の基準(垂直線等)に対して互いに異なる角度をなすよう配されており))、横列R1~R7の活性化及び不活性化は、とりわけロービーム用光分布のエリア内へ追加の光放射を付加するために、オートバイの測定されたバンク角に基づいて実行される。好ましくは、照明装置1はハイビーム用光分布の放射を可能にするよう構成されている。
【0034】
図6bは、本発明に応じた照明装置1がコーナリングによって傾けられる状況の一例を示す。
図6bに示した例では、当該照明装置1を含むオートバイは(該オートバイのある特定のバンク角に一致する)角度a1だけ右側に傾けられている。この角度a1のための垂直線V(a1)は、角度a=0°に基づく垂直線V(a=0°)と比べると傾けられている。その結果、ロービーム用ライトモジュール6によって放射されるロービーム用光分布はそれに応じて傾けられることになる。従って、ロービーム用ライトモジュール6によって放射される光分布の右半分は、ロービーム用光分布のカットオフラインが道路水平線に最早到達しないこととなり、他方、該カットオフラインは道路水平線の下方で終わる。それ故、道路の照明はコーナリング中に弱まり、オートバイ運転者又は交通関係者にとって場合によっては危険な状況がもたらされるであろう。この危険を排除するために、照明装置1は、コーナリング時にロービーム用ライトモジュール6によって照明されることができない領域を照明するために使用されることができる。ここで、上横列R1が2つの半部即ち右半部と左半部に分割されることができ、オートバイの傾き(即ちバンク角)に応じて右半部又は左半部の何れかがロービーム用ライトモジュール6の傾きを補償するよう活性化されることに注目する価値がある。投射レンズ5の光学的結像効果(作用)に起因して、第1横列R1の左半部は道路上で光分布の右半部へと投射されることになる。同じことが横列R2、R3及びR4にも当て嵌まる。従って、第1横列R1の右半部と横列R5、R6及びR7は、照明装置1によって放射される光分布の左半部へと投射されることになる。上横列R1はカットオフラインに従うよう、及び、オートバイが直立位置にある場合に当該カットオフライン(
図8(a)~
図8(d)においては夫々HDG-a1~HDG-a4と称されている;H
0は直立位置a=0°における水平線を表す)に対して上方に光を放射するよう構成されることができる。(R1の)次の横列R2とR5の光分布は上側に持ち上げられ(シフトされ)、そして次の横列R3とR6等(の光分布)が(その上側に)続いて配される。その結果、オートバイの傾き(右側又は左側)の程度に依存して、第1横列の左半部又は右半部のみが又は追加の横列R2、R3、R4若しくはR5、R6、R7が活性化されることとなる。
図8(a)~
図8(d)は、異なる角度a1~a4と、ロービーム用ライトモジュール6をサポートし、オートバイのコーナリングにも拘わらずロービーム用光分布を完全なものにするために照明装置1によって放射されることができる対応する光分布とを示す。
図8(a)では第1横列R1の左半部が活性化されており、
図8(b)では第1横列R1の左半部に加えて第2横列R2が活性化されている。
図8(c)は第3横列R3の追加の活性化を示し、
図8(d)は第4横列R4の(更なる)追加の活性化を示す。
図8(a)~
図8(d)は、突出部Pが使用されない場合に引き起こされる、縦列(複数)Cに対応する光分布の内側セグメントと外側セグメントの間の僅かな不均一性(非一様性)も明確に示している。これらの不均一性は、本発明について説明されたような突出部Pの具現化によって完全に補償されることができる。
【0035】
図3及び
図5から見出すことができるように、光案内要素4aの少なくとも幾つかは第2グループG2の光案内要素4aの部分であり得るが、該第2グループG2の光案内要素は光入射面4a’の画定された(defined)幾何学的形状を有し、該光入射面は4つの側辺即ち左辺G2ad、右辺G2bc、下辺G2ab及び上辺G2dcによって接続される4つのコーナーG2a、G2b、G2c、G2dによって限定されており、4つの側辺はすべて直線的である。第2グループG2の各光案内要素4aの光入射面4a’は実質的に方形の形状を有する。第1グループG1の光案内要素4aの個数はセグメント化光案内ユニット4の光案内要素4aの総数の少なくとも33%であり得る。
【0036】
好ましくは、投射レンズ5は光軸とペッツバール領域(Petzvar area)とを有し、セグメント化光案内ユニット4と投射レンズ5は、セグメント化光案内ユニット4の統合光出射面4b’が投射レンズ5のペッツバール領域に位置付けられるよう、互いに対し配置されている。好ましくは、セグメント化光案内ユニット4と投射レンズ5は、照明装置1の主ビーム方向xとコアキシャルに(同心的に)配置されている。
【0037】
なお、本発明は本明細書に与えられた実施例(複数)に限定されず、とりわけ、本発明は、当業者によって実施可能な本発明の一実施形態を示すものに過ぎない例示的な計算及び数式において使用される値そのものに限定されない。図面参照符号は情報(提供)目的のためのものに過ぎず、保護範囲を限定するものではない。
【0038】
上記の実施形態の全部又は一部は以下の付記として記載可能であるが、それらに限定されない。
[付記1]オートバイ用ヘッドランプのための照明装置。該照明装置はセグメント化ライトパターンを形成するよう構成されている。
前記照明装置は、
- 複数の光源、但しこれらの光源の少なくとも幾つかは相互に独立に活性化(作動)されるよう構成されている、
- 複数の光案内要素と、光均一化体とを含むセグメント化光案内ユニット、但し、各光案内要素は前記複数の光源の少なくとも1つからの光を受容するよう構成された光入射面を含む遠位端を有し、各光案内要素は前記均一化体の方へ完全に伸長し、該伸長は前記照明装置の主ビーム方向に少なくとも部分的に沿っており、前記光案内要素はライトパターンのセグメント化を可能にするために少なくとも4つであるが12以下の縦列にかつ少なくとも3つの横列に配置されており、各光案内要素の横断面はその入射面から前記光均一化体への伸長方向に連続的に増大し、前記横断面は前記主ビーム方向に対し直角に配向された面において測定され、前記セグメント化光案内ユニットは前記複数の光案内要素を前記光均一化体と一緒に成形する、とりわけ射出成形することによって一体的コンポーネントとして形成されており、前記光均一化体は前記光案内要素から受容した光の少なくとも部分的な均一化(一様化)を可能にするために前記主ビーム方向に沿って伸長し、及び、前記光均一化体は前記光案内要素によって受容された光を放射するための統合(collective)光出射面を含む、
及び、
- 前記光均一化体の前記統合光出射面から放出された光を受容し、前記セグメント化ライトパターンを投射するよう構成された投射レンズ
を含む。
前記複数の光案内要素の少なくとも幾つかは第1グループの光案内要素の部分である。 前記第1グループの光案内要素は前記光入射面の画定された(defined)幾何学的形状を有する。
前記光入射面は4つの側辺即ち左辺、右辺、下辺及び上辺によって接続される4つのコーナーによって限定されている。
これらの4つの側辺のうちの3つの側辺は直線的である。
第4の側辺はアール状突出部を有することによって直線的な前記3つの側辺とは異なる。
前記アール状突出部は前記光入射面を増大する。
前記第4の側辺はその光案内要素の左辺又は右辺の何れかである。
[付記2]上記の照明装置、とりわけ付記1の照明装置において、
前記アール状突出部前記第4の側辺の長さの30%と80%の間に沿って広がる。
[付記3]上記の照明装置、とりわけ付記1又は2の照明装置において、
前記アール状突出部は前記光入射面のサイズを5%~30%増大する。
[付記4]上記の照明装置、とりわけ付記1~3の何れかの照明装置において、
前記アール状突出部の広がりは前記光均一化体の方へのその光案内要素の伸長方向に連続的に減少する。
[付記5]上記の照明装置、とりわけ付記1~4の何れかの照明装置において、
前記アール状突出部は前記光均一化体に到達する前に終端する。
[付記6]上記の照明装置、とりわけ付記1~5の何れかの照明装置において、
前記セグメント化光案内ユニットの各光案内要素は夫々前記照明装置によって放射可能なライトパターンの(1つの)特定のセグメントへ割り当てられており、隣り合う光案内要素は隣り合うセグメントへ割り当てられている。
[付記7]上記の照明装置、とりわけ付記6の照明装置において、
横列(の光案内要素)へ割り当てられた光源を含む前記セグメント化光案内ユニットの光案内要素の各横列は相互に独立に活性化及び不活性化されるよう構成されている。
前記照明装置は、オートバイの測定されたバンク角に対応する外部信号に基づいて制御されるよう構成されている。
前記横列はラインに沿って、好ましくは実質的に直線的なラインに沿って配されている。
該直線的なラインは別の直線的なラインに対して傾けられている。
横列の活性化及び不活性化は、とりわけロービーム用光分布の領域内へ追加の光放射を付加するために、オートバイの測定されたバンク角に基づいて実行される。
[付記8]上記の照明装置、とりわけ付記1~7の何れかの照明装置において、
前記照明装置はハイビーム用光分布の放射を可能にするよう構成されている。
[付記9]上記の照明装置、とりわけ付記1~8の何れかの照明装置において、
前記複数の光案内要素の少なくとも幾つかは第2グループの光案内要素の部分である。
前記第2グループの光案内要素は光入射面の画定された(defined)幾何学的形状を有する。
該光入射面は4つの側辺即ち左辺、右辺、下辺及び上辺によって接続される4つのコーナーによって限定されている。
4つのすべての側辺は直線的である。
[付記10]上記の照明装置、とりわけ付記9の照明装置において、
前記第2グループの各光案内要素の光入射面は実質的に方形の形状を有する。
[付記11]上記の照明装置、とりわけ付記1~10の何れかの照明装置において、
前記第1グループの光案内要素の個数は前記セグメント化光案内ユニットの光案内要素の総数の少なくとも33%である。
[付記12]上記の照明装置、とりわけ付記1~11の何れかの照明装置において、
前記投射レンズは光軸とペッツバール領域(Petzvar area)とを有する。
前記セグメント化光案内ユニットと前記投射レンズは、前記セグメント化光案内ユニットの前記統合光出射面が前記投射レンズの前記ペッツバール領域に位置付けられるよう、互いに対し配置されている。
[付記13]上記の照明装置、とりわけ付記1~12の何れかの照明装置において、
前記セグメント化光案内ユニットと前記投射レンズは前記照明装置の前記主ビーム方向とコアキシャルに(同心的に)配置されている。
[付記14]上記の照明装置、とりわけ付記1~13の何れかの照明装置を含むオートバイ用ヘッドランプ。
前記オートバイ用ヘッドランプは、更に、ロービーム用光分布を放射するためのロービーム用ライトモジュールを含む。
[付記15]上記のオートバイ用ヘッドランプ、とりわけ付記14のオートバイ用ヘッドランプにおいて、
前記投影レンズ(光学体)は、単一の統合型(collective)投射レンズとして構成されている。
前記統合型投射レンズは、前記照明装置及び前記ロービーム用ライトモジュールから放出された光を投射するよう構成されている。
【0039】
本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(「非選択」を含む。)が可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲及び図面を含む全開示、本発明の技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【0040】
更に、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を実施形態及び図示の実施例に限定することは意図していない。
【0041】
更に、上記の各文献の全内容は引照を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。