(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】収納体、収納体の製造方法、衣服、無線充電器の取り付け方法
(51)【国際特許分類】
H04M 1/11 20060101AFI20231113BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20231113BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
H02J50/10
H02J7/00 301D
H02J7/00 301B
H02J7/00 303C
(21)【出願番号】P 2022514100
(86)(22)【出願日】2021-04-07
(86)【国際出願番号】 JP2021014704
(87)【国際公開番号】W WO2021206108
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】P 2020069840
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503095963
【氏名又は名称】株式会社ほぼ日
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】糸井 重里
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-036510(JP,A)
【文献】特開2014-230026(JP,A)
【文献】登録実用新案第3212279(JP,U)
【文献】特開2008-236886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00-7/12
7/34-7/36
50/00-50/90
H04M1/02-1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面部、後面部、左面部、右面部及び下面部を有する筐体と、
該筐体内に配置され、前記前面部及び前記後面部に平行な隔壁と、
該隔壁の上辺と、前記後面部の上辺とを連結するカバーと、
前記隔壁の後面、前記後面部、前記左面部、前記右面部、前記下面部及び前記カバーによって形成され、無線充電器を収納する第一収納室と、
前記隔壁の前面、前記前面部、前記下面部、前記右面部及び前記左面部によって形成され、前記第一収納室に隣接し、前記無線充電器によって充電される携帯端末を収納する第二収納室と、
前記第一収納室及び第二収納室の他の物品に対する着脱を行う着脱具と、
前記第二収納室に配置されており、前記前面部の後面から後方に向けて突出した第一ガイドと、
前記第二収納室に配置されており、前記右面部から左方に向けて突出した第二ガイドと、
前記第二収納室に配置されており、前記左面部から右方に向けて突出した第三ガイドと
を備え、
前記第一ガイド、前記第二ガイド及び前記第三ガイドは、前記無線充電器から供給される電力の受け取りが可能な受電位置に前記携帯端末を位置決めする
収納体。
【請求項2】
前面部、後面部、左面部、右面部及び下面部を有し、伸縮性を有する部材によって構成された筐体と、
該筐体内に配置され、前記前面部及び前記後面部に平行な隔壁と、
該隔壁の上辺と、前記後面部の上辺とを連結するカバーと、
前記隔壁の後面、前記後面部、前記左面部、前記右面部、前記下面部及び前記カバーによって形成され、無線充電器を収納する第一収納室と、
前記隔壁の前面、前記前面部、前記下面部、前記右面部及び前記左面部によって形成され、該第一収納室に隣接し、前記無線充電器によって充電される携帯端末を収納する第二収納室と、
前記第一収納室及び第二収納室の他の物品に対する着脱を行う着脱具と
を備え、
前記第二収納室は前後方向及び左右方向に伸縮可能である
収納体。
【請求項3】
前記着脱具は、ベルト、紐、磁石、面ファスナ、ボタン又はクリップを含む
請求項1又は2に記載の収納体。
【請求項4】
外部と連通させる開口が前記第一収納室に形成されている
請求項1又は2に記載の収納体。
【請求項5】
前記開口の開閉を行う開閉部を備える
請求項4に記載の収納体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、携帯端末を収納する収納体、収納体の製造方法、衣服、無線充電器の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、送電コイル及びコンデンサを内側に配置したキャリーケースが提案されている。該キャリーケースの外面には、送電コイルに対応した位置に、スマートフォンを載置する載置面が形成されている。ユーザは、スマートフォンを載置面に載置させて、スマートフォンを充電させることができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記キャリーケースは大型であり、常時所持するのは難しい。また前記キャリーケースはスマートフォンを載置面に置いて使用することを前提としているため、キャリーケースを動かすと、落下のおそれがある。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、携帯端末への充電を行うことができ、ユーザが負担なく所持することができ、移動中にも充電できる携帯端末の収納体等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る収納体は、無線充電器を収納する第一収納室と、該第一収納室に隣接し、前記無線充電器によって充電される携帯端末を収納する第二収納室と、前記第一収納室及び第二収納室の他の物品に対する着脱を行う着脱具とを備える。
【0007】
本開示の一実施形態においては、第二収納室に携帯端末が収納された場合、第一収納室に収納された無線充電器によって、携帯端末は充電される。また着脱具を使用して、ユーザが使用する物体、例えば、かばんや衣服に収納体を装着させることができる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る収納体は、前記第二収納室に配置されており、前記無線充電器から供給される電力の受け取りが可能な受電位置に前記携帯端末を位置決めするガイドを備える。
【0009】
本開示の一実施形態においては、ガイドによって、携帯端末を受電位置に位置決めし、携帯端末への充電を実行する。
【0010】
本開示の一実施形態に係る収納体は、前記第二収納室は伸縮性を有する部材によって構成されている。
【0011】
本開示の一実施形態においては、第二収納室に携帯端末を収納した場合、携帯端末の寸法に対応して、第二収納室は伸縮し、仕様の異なる複数種類の携帯端末を収納することができる。
【0012】
本開示の一実施形態に係る収納体は、前記着脱具は、ベルト、紐、磁石、面ファスナ、ボタン又はクリップを含む。
【0013】
本開示の一実施形態においては、ベルト、紐、磁石、面ファスナ、ボタン又はクリップなどによって、物体への着脱を実現する。
【0014】
本開示の一実施形態に係る収納体は、外部と連通させる開口が前記第一収納室に形成されている。
【0015】
本開示の一実施形態においては、開口を通じて、無線充電器が有する電池の交換又は該電池への充電を行う。
【0016】
本開示の一実施形態に係る収納体は、前記開口の開閉を行う開閉部を備える。
【0017】
本開示の一実施形態においては、開閉部によって、必要に応じて開口を開閉し、電池交換又は電池への充電を行い、また無線充電器の脱落を防止する。
【0018】
本開示の一実施形態に係る収納体は、無線充電器を収納する第一収納室と、該第一収納室に隣接し、前記無線充電器によって充電される携帯端末を収納する第二収納室と、前記無線充電器における充電可能な位置に携帯端末を位置決めする位置決め具とを備える。
【0019】
本開示の一実施形態においては、第二収納室に携帯端末が収納された場合、位置決め具によって、充電可能な位置に携帯端末は位置決めされる。また第一収納室に収納された無線充電器によって、携帯端末は充電される。
【0020】
本開示の一実施形態に係る収納体は、前記第一収納室及び第二収納室は、服又はかばんのポケットを構成する。
【0021】
本開示の一実施形態においては、服又はかばんのポケットを収納室として使用する。
【0022】
本開示の一実施形態に係る収納体は、携帯端末を充電する無線充電器を収納する収納室と、該収納室に前記無線充電器を着脱する着脱具と、携帯端末を前記無線充電器の充電可能な位置に位置決めする位置決め具とを備える。
【0023】
本開示の一実施形態においては、収納室に携帯端末が収納された場合、位置決め具によって、充電可能な位置に携帯端末は位置決めされる。また収納室に収納された無線充電器によって、携帯端末は充電される。また必要に応じて、収納室から無線充電器を取り外すことができる。
【0024】
本開示の一実施形態に係る収納体は、前記無線充電器は、前記携帯端末に対向する充電面を有し、前記位置決め具は、前記充電面に形成された凹部と、前記携帯端末に設けられ、前記凹部に嵌合する凸部とを有する。
【0025】
本開示の一実施形態においては、充電面に形成された凹部と、前記携帯端末に設けられた凸部とによって、携帯端末の位置決めを実現する。
【0026】
本開示の一実施形態に係る収納体は、前記無線充電器は、前記携帯端末に対向する充電面を有し、前記位置決め具は、前記充電面に形成された凸部を有する。
【0027】
本開示の一実施形態においては、充電面に形成された凸部によって、携帯端末の位置決めを実現する。
【0028】
本開示の一実施形態に係る収納体は、前記収納室は、服又はかばんのポケットを構成する。
【0029】
本開示の一実施形態においては、服又はかばんのポケットを収納室として使用する。
【0030】
本開示の一実施形態に係る収納体は、充電面を有する無線充電器と、前記充電面に対向する対向部と、前記充電面と前記対向部との間に形成され、前記無線充電器によって充電される携帯端末を収納する収納室とを備える。
【0031】
本開示の一実施形態においては、充電面と対向部との間に収納室を形成し、該収納室に携帯端末を収納させることによって、携帯端末の充電を実現する。
【0032】
本開示の一実施形態に係る収納体の製造方法は、充電面を有する無線充電器と、前記充電面に対向する対向部と、前記充電面と前記対向部との間に形成され、前記無線充電器によって充電される携帯端末を収納する収納室とを備える収納体に対するデザインの選択を受け付け、受け付けた前記デザインを前記対向部又は前記無線充電器に施す。
【0033】
本開示の一実施形態においては、収納体にユーザが選択したデザインを施す。
【0034】
本開示の一実施形態に係る衣服は、衣服本体と、該衣服本体に形成され、無線充電器を取り出し可能に収納する第一収納室と、該第一収納室に隣接し、前記無線充電器によって充電される携帯端末を収納する第二収納室と、前記第一収納室に収納され、前記第二収納室に収納された携帯端末機を磁力によって充電可能な位置に位置決めさせた状態で充電する前記無線充電器とを備える。
【0035】
本開示の一実施形態においては、第二収納室に携帯端末が収納された場合、磁力によって、充電可能な位置に携帯端末は位置決めされる。また第一収納室に収納された無線充電器によって、携帯端末は充電される。
【0036】
本開示の一実施形態に係る無線充電器の取り付け方法は、収納室又は無線充電器の少なくとも一方に着脱具を設け、前記着脱具を介して前記収納室に取り外し可能に前記無線充電器を取り付ける。
【0037】
本開示の一実施形態においては、必要に応じて、収納室から無線充電器を取り外すことができる。
【発明の効果】
【0038】
本開示の一実施形態に係る収納体にあっては、第二収納室に携帯端末が収納された場合、第一収納室に収納された無線充電器によって、携帯端末は充電される。また着脱具を使用して、ユーザが使用する物体、例えば、かばんや服に収納体を装着させることができる。ユーザは、収納体に携帯端末を収納し、ユーザが使用する物体に収納体を装着するだけで、携帯端末を充電することができ、所持の負担も抑制することができる。
【0039】
本開示の一実施形態に係る収納体にあっては、第二収納室に携帯端末が収納された場合、位置決め具によって、充電可能な位置に携帯端末を位置決めさせ、第一収納室に収納された無線充電器によって、携帯端末を充電することができる。
【0040】
本開示の一実施形態に係る収納体にあっては、収納室に携帯端末が収納された場合、位置決め具によって、充電可能な位置に携帯端末を位置決めさせ、収納室に収納された無線充電器によって、携帯端末を充電することができる。また必要に応じて、収納室から無線充電器を取り外すことができる。
【0041】
本開示の一実施形態に係る収納体にあっては、充電面と対向部との間に収納室を形成し、該収納室に携帯端末を収納させることによって、携帯端末の充電を実現することができる。
【0042】
本開示の一実施形態に係る無線充電器の取り付け方法にあっては、必要に応じて、収納室から無線充電器を取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】実施の形態1に係る収納体の略示斜視図である。
【
図3】
図2に示すIII-III線を切断線とした略示断面図である。
【
図4】
図3のIV-IV線を切断線とした略示断面図である。
【
図6】実施の形態2に係る収納体の略示左側面図である。
【
図7】実施の形態3に係る収納体を略示する部分斜視図である。
【
図8】実施の形態4に係る収納体を後方から視認した部分破断断面図である。
【
図9】実施の形態5に係る収納体の略示平面断面図である。
【
図12】実施の形態6に係る収納体の略示右側面断面図である。
【
図13】第二収納室にスマートフォンを収納させた場合における収納体の略示右側面断面図である。
【
図14】実施の形態7に係る収納体の略示右側面断面図である。
【
図15】収納室にスマートフォンを収納させた場合における収納体の略示右側面断面図である。
【
図16】実施の形態8に係る収納体の略示右側面断面図である。
【
図17】収納室にスマートフォン30を収納させた場合における収納体の略示右側面断面図である。
【
図18】実施の形態9に係る収納体の略示正面図である。
【
図22】収納室にスマートフォンを収納させた収納体の略示正面図である。
【
図23】表面にデザインを施した収納体の略示正面図である。
【
図24】表面にデザインを施した収納体の略示右側面図である。
【
図25】表面にデザインを施した収納体の略示背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
(実施の形態1)
以下本発明を実施の形態1に係る収納体を示す図面に基づいて説明する。以下の説明では、図中の上下前後左右を使用する。
図1は、収納体の略示斜視図、
図2は、収納体の略示左側面断面図、
図3は、
図2に示すIII-III線を切断線とした略示断面図である。
【0045】
収納体は、一方向に延びた偏平な直方体をなす筐体1を備える。筐体1の一端面部は開口する。該一端面部が上面部となり、筐体1の他端面部を下面部となるように、筐体1は配置されている。
【0046】
筐体1は、大面積の二つの側面部と、小面積の二つの側面部とを備える。大面積の二つの側面部が前面部及び後面部となり、小面積の二つの側面部が右面部及び左面部となるように、筐体1は配置されている。
【0047】
筐体1の内側には隔壁2が設けられている。隔壁2は、筐体1の前面部及び後面部に略平行な矩形板状をなし、前後方向にて、前記前面部及び後面部の間の略中央に配置されている。隔壁2の四辺は、それぞれ上下左右に向けられている。隔壁2は上下に延び、隔壁2の上辺は、筐体1の上端よりも下側に配置され、隔壁2の下辺は、筐体1の下面部に近接している。隔壁2の下辺は筐体1の下面部に連結されていない。なお、隔壁2の下辺は筐体1の下面部に連結されていてもよい。隔壁2の左辺と筐体1の左面部とは連結されておらず、両者の間には隙間が設けられている。隔壁2の右辺と筐体1の右面部とは連結されておらず、両者の間には隙間が設けられている。なお、隔壁2の左辺と筐体1の左面部とを連結させるか、又は隔壁2の右辺と筐体1の右面部とを連結させてもよい。
【0048】
隔壁2の上辺と、筐体1の後面部上辺とは、カバー3によって連結されている。カバー3は矩形板状をなし、左右方向に延びる。カバー3の各長辺部は、隔壁2の上辺と、筐体1の後面部上辺に連なる。カバー3は前側に向かうに従って、下降するように、傾斜している。
【0049】
筐体1の後面部、下面部、右面部及び左面部と、隔壁2の後面及びカバー3とによって、第一収納室10が形成される。第一収納室10には、無線充電器11が収納されている。無線充電器11は、電池ケース12と、電池13と、送電部14と、配線15とを備える。
【0050】
電池ケース12は、一面が開口した直方体をなし、前記一面を後側に向けて、隔壁2の後面左下隅部に取り付けられている。電池ケース12には一又は複数の電池13が収納されている。送電部14は送電コイルを有し、隔壁2の後面中央部に取り付けられている。電池13及び送電部14は配線15によって接続されている。送電部14は電池ケース12及び電池13に比べて充分に薄く、例えば送電部14の前後幅は5mm以下である。
【0051】
図4は、
図3のIV-IV線を切断線とした略示断面図である。筐体1の前面部、下面部、右面部及び左面部と、隔壁2の前面とによって、第二収納室20が形成される。第二収納室20の上側は開放されている。第二収納室20には、矩形板状のスマートフォン30が収納される。
【0052】
第二収納室20において、筐体1の前面部の後面には、後方に向けて突出した第一ガイド21が設けられている。
図4に示すように、前側から視認した場合、第一ガイド21は上下に延びた矩形状をなす。第一ガイド21の上端は、筐体1の前面部の上縁よりも下側に位置し、第一ガイド21の下端は、筐体1の前面部の下縁よりも上側に位置する。
【0053】
図2に示すように、第一ガイド21の上部は、上側に向かうに従って、筐体1の前面部に接近するように、傾斜する。第一ガイド21の下部は、下側に向かうに従って、筐体1の前面部に接近するように、傾斜する。第一ガイド21の上下方向中央部は、隔壁2及び筐体1の前面部に略平行である。第一ガイド21の突出幅(前後幅)は、筐体1の前面部と隔壁2との間の前後幅よりも短い。第一ガイド21と隔壁2との間の前後幅は、スマートフォン30の厚みと略同じである。
【0054】
図4に示すように、筐体1の右面部の左面には、左方に向けて突出した第二ガイド22が設けられている。左側から視認した場合、第二ガイド22は、上下に延びた帯状をなす。第二ガイド22の上端は、筐体1の右面部の上縁よりも下側に位置し、第二ガイド22の下端は、筐体1の右面部の下縁よりも上側に位置する。
【0055】
図4に示すように、第二ガイド22の上部は、上側に向かうに従って、筐体1の右面部に接近するように、傾斜する。第二ガイド22の下部は、下側に向かうに従って、筐体1の右面部に接近するように、傾斜する。第二ガイド22の上下方向中央部は筐体1の右面部に略平行である。
【0056】
図4に示すように、筐体1の左面部の右面には、右方に向けて突出した第三ガイド23が設けられている。右側から視認した場合、第三ガイド23は、上下に延びた帯状をなす。第三ガイド23の上端は、筐体1の左面部の上縁よりも下側に位置し、第三ガイド23の下端は、筐体1の左面部の下縁よりも上側に位置する。
【0057】
図4に示すように、第三ガイド23の上部は、上側に向かうに従って、筐体1の左面部に接近するように、傾斜する。第三ガイド23の下部は、下側に向かうに従って、筐体1の左面部に接近するように、傾斜する。第三ガイド23の上下方向中央部は筐体1の左面部に略平行である。
【0058】
第二収納室20において、第二ガイド22及び第三ガイド23の間の左右幅は、スマートフォン30の短辺幅と略同じである。第二収納室20の上下幅、即ち筐体1の上下幅は、スマートフォン30の長辺幅よりも若干長い。
【0059】
スマートフォン30の背面が隔壁2に向くように、スマートフォン30を第二収納室20に収納させた場合、隔壁2、第一ガイド21、第二ガイド22、及び第三ガイド23によって、スマートフォン30は、前後左右方向にて、位置決めされる。
【0060】
スマートフォン30は電力の供給を受ける受電部(図示略)を有する。受電部は受電コイルを備える。第二収納室20に収納されたスマートフォン30の受電部は送電部14に対向する。即ち、隔壁2、第一ガイド21、第二ガイド22及び第三ガイド23によって、スマートフォン30は、送電部から供給された電力を受け取ることが可能な受電位置に位置決めされる。電池13に蓄積された電力は、送電部14及び受電部を介して、スマートフォン30に供給される。
【0061】
筐体1の左右幅は、スマートフォン30の短辺幅、並びに、第二ガイド22及び第三ガイドの左右幅の合算と略同じである。筐体1の上下幅は、スマートフォン30の長辺幅よりも若干長い。換言すれば、筐体1の左右幅及び上下幅はスマートフォン30の短辺幅及び長辺幅に対応する。第二収納室20の前後幅は、第一ガイド21及びスマートフォン30の前後幅に対応し、第一収納室10の前後幅は、電池ケース12及び電池13の前後幅に対応する。即ち、収納体は、無線充電器11及びスマートフォン30を収納する為の必要最小限の寸法になるように設計されている。
【0062】
図5は、筐体1の略示部分後面図である。
図5に示すように、筐体1の後面左下隅部に、前後に貫通した開口1aが形成されている。開口1aにはジッパ4が取り付けられ、ジッパ4によって開口1aは開閉される。上下左右方向において、開口1aの位置は電池13の位置に対応している。開口1aを開いた場合、第一収納室10と外部とが連通され、電池13は露出するので、電池13を交換することができる。電池13及び開口1aの位置は、筐体1の後面左下隅部に限定されず、両者の位置が対応していればよい。例えば、両者を筐体1の後面下端中央部、又は筐体1の後面右下隅部に配置してもよい。
【0063】
なおジッパ4は、開口1aの開閉を行う開閉部の一例に過ぎず、ジッパ4に代えて、面ファスナ、ボタン又は磁石などを使用してもよい。
【0064】
図1及び
図2に示すように、筐体1の後面部上縁の右端部に、上側に突出した舌部5が設けられている。舌部5は前記後面部に平行な矩形をなす。舌部5には、前後方向に貫通した孔が形成されている。舌部5にはベルト7が連結される。ベルト7の両端部は、連結具8によって連結される。連結具8は、例えば雄型ボタン及び雌型ボタンを備える。
図2においては、ベルト7の一端部に雄型ボタンが取り付けられ、ベルト7の他端部に雌型ボタンが取り付けられている。雄型ボタンは、ベルト7の一端よりも他端部寄りに配置されている。
【0065】
ベルト7の一端と雄型ボタンとの間にリング6が貫通し、舌部5の孔にリング6が挿入されている。即ち、リング6を介して、ベルト7及び舌部5が連結されている。連結具8の連結を解除した状態において、ベルト7の他端部をバッグの取手の内側に通し、雄型ボタン及び雌型ボタン(連結具8)を連結させることによって、収納体をバッグに取り付けることができる。収納体が不要な場合には、連結具8の連結を解除することによって、収納体をバッグから取り外すことができる。バッグ以外の他の物体、例えばズボンのベルト通しに、ベルト7を取り付けることもできる。なお、ベルト7の一端部に雌型ボタンが取り付けられ、ベルト7の他端部に雄型ボタンが取り付けられてもよい。雌型ボタン及び雄型ボタンはスナップ式でもよいし、磁石式でもよい。ベルト7に代えて、紐を使用してもよい。またベルト7に代えて、弾性を有する環状のバンドを使用してもよい。この場合、例えば、バンドを筐体1の後面部に取り付けることによって、ユーザの腕又は脚に収納体を装着させることができる。
【0066】
実施の形態1に係る収納体にあっては、第二収納室20にスマートフォン30が収納された場合、第一収納室10に収納された無線充電器11によって、スマートフォン30は充電される。またベルト7を使用して、ユーザが使用する物体、例えば、かばんに収納体を装着させることができる。ユーザは、収納体にスマートフォン30を収納し、ユーザが使用する物体に収納体を装着するだけで、スマートフォン30を充電することができる。また収納体を小型に設計し、所持の負担を抑制することができる。
【0067】
また第一ガイド21~第三ガイド23によって、スマートフォン30を受電位置に位置決めし、スマートフォン30への充電を確実に実行させることができる。またベルト7及び連結具8によって、物体への着脱を実現させることができる。また開口1aを通じて、電池13を交換することができる。またジッパ4によって、必要に応じて開口1aを開閉し、電池交換の実現と電池13の脱落の防止を両立させることができる。
【0068】
またカバー3によって、第一収納室10の上側が閉じられているので、ユーザが誤って、第一収納室10にスマートフォン30を収納させることを防止できる。またカバー3は、第二収納室20に向けて傾斜しているので、スマートフォン30を第二収納室20に案内することができる。
【0069】
上述した第一ガイド21~第三ガイド23は、第二収納室20の壁面に直角な上下方向に延びる板でもよい。またカバー3を削除し、隔壁2の上縁部を筐体1の後面部に直接固定してもよい。スマートフォン30は携帯端末の例示に過ぎず、例えば、PDA(Personal Data Assistant)、又はタブレット端末を第二収納室20に収納してもよい。
【0070】
無線充電器11は隔壁2に対して着脱可能に構成されていてもよい。前述したように、隔壁2の下辺は筐体1の下面部に連結されていないので、隔壁2を筐体1から外側に取り出すことができる。隔壁2に無線充電器11が装着されていない場合、例えば、無線充電器11が装着されていない状態で収納体が販売された場合でも、ユーザは、筐体1の外側に取り出した隔壁2に、別途購入した無線充電器11を装着させて、筐体1内に戻すことができる。また、隔壁2に無線充電器11が装着されている場合でも、無線充電器11に不具合が生じた場合には、無線充電器11を修理又は交換することができる。
【0071】
なお開口1aの寸法及び向きを、無線充電器11を取り出すことができる寸法及び向きに設定し、開口1aを通して、無線充電器11の取り出し又は取り付けを行ってもよい。例えば、開口1aを左右に長く設計し、その左右幅を筐体1の左右幅と略同じ大きさに設計するか、又は開口1aを上下に長く設計し、その上下幅を筐体1の上下幅と略同じ大きさに設計してもよい。
【0072】
筐体1の前面部において、少なくとも、スマートフォン30の表示画面に対応する領域を、透光性部材又は透明部材によって構成してもよい。この場合、ユーザは表示画面を外部から視認でき、また表示画面に表示されたアイコンを操作することができる。
【0073】
なお、第一ガイド21~第三ガイド23は弾性力を有する部材、例えばゴム材、ばね又はポリウレタン材等を使用してもよい。第一ガイド21~第三ガイド23が弾性力を有することによって、寸法の異なる複数種類のスマートフォン30に対して、その受電位置を位置決めすることができる。また筐体1の形状は直方体に限定されず、他の多面体(例えば正二十面体)、円筒形、球体等他の形状でもよい。
【0074】
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係る収納体を示す図面に基づいて説明する。実施の形態2に係る構成の内、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6は、収納体の略示左側面図である。実施の形態2においては、実施の形態1の連結具8に代えて、収納体は面ファスナ40を備える。面ファスナ40は、筐体1の後面に取り付けられている。面ファスナ40によって、布製の物体に収納体を着脱させることができる。例えば、布製のかばん又は衣服への着脱が可能となる。なお面ファスナ40に代えて、磁石を筐体1の後面に取り付けてもよい。この場合、磁性体を有する物体に収納体を着脱させることができる。面ファスナ40又は磁石によって、物体への着脱を実現させることができる。
【0075】
(実施の形態3)
以下本発明を実施の形態3に係る収納体を示す図面に基づいて説明する。実施の形態3に係る構成の内、実施の形態1又は2と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7は、収納体を略示する部分斜視図である。筐体1の後面に、上下方向を軸方向とした筒体9が設けられている。
【0076】
収納体を、かばん又は衣服などのポケット50に入れ、U形のクリップ41の一端部を筒体9に挿入させ、クリップ41に、筒体9及びポケット50の一面を狭持させる。これにより、収納体をポケット50に取り付けることができる。クリップ41を筒体9から抜くことによって、収納体をポケット50から取り外すことができる。
【0077】
なお筒体9を設けずに、筐体1及びポケット50にクリップ41を取り付けてもよい。またクリップ41に代えて、両端部にクリップを取り付けた紐を使用し、両クリップを、ポケット50と、筒体9又は筐体1とにそれぞれ取り付けてもよい。
【0078】
(実施の形態4)
以下本発明を実施の形態4に係る収納体を示す図面に基づいて説明する。実施の形態4に係る構成の内、実施の形態1~3と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8は、収納体を後方から視認した部分破断断面図である。無線充電器11は二次電池13aを備える。筐体1の左面部の下端部に左右方向に貫通した開口1bが形成されている。開口1bの上下幅は二次電池13aよりも小さい。したがって、開口1bから二次電池13aは脱落しない。
【0079】
二次電池13aは、充電用の端子(図示略)を備える。該端子を開口1bに向けて、二次電池13aは第一収納室10に収納されている。ユーザは、二次電池13aを充電する場合、充電用のコード16を使用する。コード16の一端部には、二次電池13aの端子に接続される第一端子16aが設けられ、コード16の他端部には、電源に接続される第二端子16bが設けられている。第一端子16aを二次電池13aの端子に接続させ、第二端子16bを電源に接続させて、二次電池13aの充電を行うことができる。なお開口1bを開閉する開閉部を設けてもよい。
【0080】
(実施の形態5)
以下本発明を実施の形態5に係る収納体を示す図面に基づいて説明する。実施の形態5に係る構成の内、実施の形態1~4と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9~
図11は、収納体の略示平面断面図である。
図9は、第二収納室20に第1スマートフォン30Aが収納された収納体を示し、
図10は、第二収納室20に第2スマートフォン30Bが収納された収納体を示し、
図11は、第二収納室20に第3スマートフォン30Cが収納された収納体を示す。
【0081】
収納体は、第一ガイド21~第三ガイド23を備えない。収納体の筐体1Aは、伸縮性を有する部材、例えば、ゴム材又は伸縮性を有する織物等によって構成されている。第1スマートフォン30Aは、例えば、隔壁2と同程度の左右寸法を有する。第2スマートフォン30Bは第1スマートフォン30Aよりも左右寸法が大きい。第3スマートフォン30Cは第1スマートフォン30Aよりも左右寸法が小さい。
【0082】
図9に示すように、第1スマートフォン30Aは第二収納室20に収納され、第二収納室20の内周面は第1スマートフォン30Aに近接する。
【0083】
図10に示すように、第2スマートフォン30Bは第二収納室20に収納される。第2スマートフォン30Bの左右は、隔壁2の左右端よりも外側に張り出し、第二収納室20は、第2スマートフォン30Bの左右寸法に対応して、第1スマートフォン30Aを収納した場合に比べ、左右に伸びる。第二収納室20の内周面は第2スマートフォン30Bに近接する。
【0084】
図11に示すように、第3スマートフォン30Cは第二収納室20に収納される。第3スマートフォン30Cの左右は、隔壁2の左右端よりも内側に位置し、第二収納室20は、第3スマートフォン30Cの左右寸法に対応して、第1スマートフォン30Aを収納した場合に比べ、左右に縮む。第二収納室20の内周面は第3スマートフォン30Cに近接する。
【0085】
実施の形態5に係る収納体にあっては、第一ガイド21~第三ガイド23を使用しない場合であっても、異なる寸法を有するスマートフォンに対して、第二収納室20は伸縮し、仕様の異なる複数種類のスマートフォンを収納することができ、また受電位置に位置決めすることができる。
【0086】
なお前後寸法についても、第二収納室20は伸縮可能であり、前後寸法の異なる複数種類のスマートフォンを収納することができる。筐体1Aを二色成形し、第二収納室20を伸縮性の高い部材によって構成し、第一収納室10を伸縮性の低い部材によって構成してもよい。
【0087】
(実施の形態6)
以下本発明を実施の形態6に係る収納体を示す図面に基づいて説明する。実施の形態6に係る構成の内、実施の形態1~5と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図12は、収納体の略示右側面断面図である。実施の形態6における収納体は、例えば衣服又はかばんのポケットである。
【0088】
収納体は、支持部60、対向部61及び底部62を備える。支持部60は薄い平板状をなし、前面及び後面を有する。対向部61は薄い平板状をなし、前面及び後面を有する。対向部61と支持部60とは前後に離れており、対向部61の後面と支持部60の前面とが対向する。底部62は薄い平板状をなし、上面及び下面を有する。底部62は、対向部61の下縁と支持部60の前面とを連結する。底部62の上面から上方に隔壁64が延びている。隔壁64は前面及び後面を有する。
【0089】
隔壁64の後面、支持部60の前面及び底部62の上面によって囲まれた室は第一収納室10Aを構成する。第一収納室10Aの上面は開口する。隔壁64の前面、対向部61の後面及び底部62の上面によって囲まれた室は第二収納室20Aを構成する。第一収納室10Aには、二次電池、送電部、磁性体及びアダプタ(いずれも図示略)を有する無線充電器11Aが収納されている。磁性体は、無線充電器11A内の所定位置に配置されている。無線充電器11Aは、アダプタを介して二次電池を充電することができる。
【0090】
無線充電器11Aは必要に応じて第一収納室10Aから抜き出される。例えば、収納体を有する衣服を洗濯する場合、又は、無線充電器11Aに内蔵された二次電池に充電を行う場合に、無線充電器11Aを第一収納室10Aから抜き出すことができる。
【0091】
支持部60は例えば衣服本体の一部であり、対向部61及び底部62は衣服本体に形成されたポケットである。ポケットの内部に隔壁64が設けられ、第一収納室10Aと、第二収納室20Aとが形成される。
【0092】
図13は、第二収納室20Aにスマートフォン30を収納させた場合における収納体の略示右側面断面図である。スマートフォン30は前面及び後面を有し、前面に画面が配置されている。スマートフォン30の後面には位置決め具31が取り付けられている。位置決め具31は磁石を有する。位置決め具31を後側に配置させて、第二収納室20Aにスマートフォン30を収納させた場合、
図13の矢印にて示すように、位置決め具31は、無線充電器11A内の所定位置に配置された磁性体と引き合う。スマートフォン30は、無線充電器11Aの前面における充電が可能な位置に位置決めされる。
【0093】
実施の形態6に係る収納体にあっては、ユーザは、ポケット等の収納体にスマートフォン30を収納するだけで、スマートフォン30を充電することができる。即ち、スマートフォン30を頻繁に使用する場合であっても、スマートフォン30を持ち歩いている間に充電が行われるので、スマートフォン30の電池が切れることを抑制することができる。
【0094】
(実施の形態7)
以下本発明を実施の形態7に係る収納体を示す図面に基づいて説明する。実施の形態7に係る構成の内、実施の形態1~6と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図14は、収納体の略示右側面断面図である。実施の形態7における収納体は、例えば衣服又はかばんのポケットである。
【0095】
実施の形態6と同様に、実施の形態7に係る収納体は、支持部60、対向部61及び底部62を備える。実施の形態7に係る収納体は、実施の形態6と異なり、隔壁64を備えていない。対向部61の後面、支持部60の前面及び底部62の上面によって囲まれた室は収納室を構成する。支持部60の前面に、二次電池、送電部、磁性体及びアダプタ(いずれも図示略)を有する無線充電器11Bが設けられる。
【0096】
無線充電器11Bは前面及び後面を有する。前面は充電面11Baを構成する。充電面11Baには凹部11Bbが形成されている。凹部11Bbの底面に磁性体が設けられている。無線充電器11Bの後面は支持部60の前面に対向する。無線充電器11Bの後面及び支持部60の前面の間に着脱具66が取り付けられている。無線充電器11Bは着脱具66を介して支持部60に取り付けられている。着脱具66は、例えば面ファスナである。着脱具66は、面ファスナに限定されず、磁石又はボタン等でもよい。
【0097】
無線充電器11Bは必要に応じて支持部60から取り外される。例えば、収納体を有する衣服を洗濯する場合、又は、無線充電器11Bに内蔵された二次電池に充電を行う場合に、無線充電器11Bを支持部60から取り外すことができる。
【0098】
図15は、収納室にスマートフォン30を収納させた場合における収納体の略示右側面断面図である。スマートフォン30は前面及び後面を有し、前面に画面が配置されている。スマートフォン30の後面には凸部32が取り付けられている。凸部32は磁石を有する。凸部32を後側に向けて、第二収納室20Aにスマートフォン30を収納させた場合、凸部32を無線充電器11Bの凹部11Bbに嵌合させることによって、スマートフォン30は無線充電器11Bの前面における充電が可能な位置に位置決めされる。
図15の矢印にて示すように、凸部32の磁石は凹部11Bbの磁性体と引き合うので、凸部32と凹部11Bbとの嵌合を円滑に行うことができる。凹部11Bb及び凸部32は位置決め具67を構成する。なお凹部11Bb及び凸部32を形成せずに、無線充電器11Bの磁性体とスマートフォン30の磁石とを引き合わせて、位置決めを行ってもよい。
【0099】
実施の形態7に係る収納体にあっては、ユーザは、ポケット等の収納体にスマートフォン30を収納するだけで、スマートフォン30を充電することができる。即ち、スマートフォン30を頻繁に使用する場合であっても、スマートフォン30を持ち歩いている間に充電が行われるので、スマートフォン30の電池が切れることを抑制することができる。
【0100】
(実施の形態8)
以下本発明を実施の形態8に係る収納体を示す図面に基づいて説明する。実施の形態8に係る構成の内、実施の形態1~7と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図16は、収納体の略示右側面断面図である。実施の形態8における収納体は、例えば衣服又はかばんのポケットである。
【0101】
実施の形態7と同様に、実施の形態8に係る収納体は、支持部60、対向部61及び底部62を備える。対向部61の後面、支持部60の前面及び底部62の上面によって囲まれた室は収納室を構成する。支持部60の前面に、二次電池、送電部、磁性体及びアダプタ(いずれも図示略)を有する無線充電器11Cが設けられる。
【0102】
無線充電器11Cは前面及び後面を有する。前面は充電面11Caを構成する。充電面11Caの下縁部に、前方に向けて突出した凸部11Cbが形成されている。そのため、無線充電器11Cは側面視L形をなす。凸部11Cbに磁性体が設けられている。無線充電器11Cの後面は支持部60の前面に対向する。無線充電器11Cの後面及び支持部60の前面の間に着脱具66が取り付けられている。
【0103】
図17は、収納室にスマートフォン30を収納させた場合における収納体の略示右側面断面図である。スマートフォン30は前面及び後面を有し、前面に画面が配置されている。スマートフォン30の下端部に磁石(図示略)が設けられている。スマートフォン30の下端部が凸部11Cbの上側に配置されるように、スマートフォン30を収納室に収納させた場合、
図17の矢印にて示すように、スマートフォン30の磁石と無線充電器11Cの凸部11Cbとは引き合い、スマートフォン30は、充電面11Caにおける充電が可能な位置に位置決めされる。スマートフォン30の下端部が凸部11Cbに接触するので、上下方向において、容易且つ確実に、無線充電器11Cに対してスマートフォン30は位置決めされる。
【0104】
実施の形態8に係る収納体にあっては、ユーザは、ポケット等の収納体にスマートフォン30を収納するだけで、スマートフォン30を充電することができる。即ち、スマートフォン30を頻繁に使用する場合であっても、スマートフォン30を持ち歩いている間に充電が行われるので、スマートフォン30の電池が切れることを抑制することができる。
【0105】
(実施の形態9)
以下本発明を実施の形態9に係る収納体を示す図面に基づいて説明する。実施の形態9に係る構成の内、実施の形態1~8と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図18は、収納体の略示正面図、
図19は、収納体の略示右側面図、
図20は、収納体の略示背面図、
図21は、収納体の略示底面図である。
【0106】
収納体は、矩形板状の無線充電器11Dを有する。無線充電器11Dは上下に延びる。無線充電器11Dの一面は前側を向き、他面は後側を向く。無線充電器11Dは送電部及び二次電池(いずれも図示略)を有する。無線充電器11Dの一面、即ち前面は充電面11Daを構成する。充電面11Daに携帯端末を置いた場合、送電部から発する磁界によって、携帯端末が充電される。無線充電器11Dの底面にはアダプタ11Dbが設けられている。無線充電器11Dはアダプタ11Dbを介して二次電池を充電することができる。
【0107】
無線充電器11Dの前側に、充電面11Daに対向する対向部70が設けられている。対向部70は、例えば伸縮性又は弾性を有する布によって構成されている。なお布は伸縮性又は弾性を有していなくてもよい。対向部70の上下寸法は、無線充電器11Dの上下寸法よりも短い。対向部70の右縁部、左縁部及び下縁部はそれぞれ、充電面11Daの右縁部、左縁部及び下縁部に連結する。対向部70の上縁部は充電面11Daに連結せず、右側に向かうに従って下降するように傾斜する。対向部70の上縁部は傾斜していなくてもよく、例えば左右縁部に直角に形成されるか、又は曲線に形成されてもよい。対向部70の上縁部よりも上側において、充電面11Daが露出する。対向部70及び充電面11Daによって、上側が開口したポケットが形成され、対向部70及び充電面11Daの間に、携帯端末を収納する収納室71が形成される。
【0108】
図22は、収納室71にスマートフォン30を収納させた収納体の略示正面図である。対向部70の左右寸法はスマートフォン30よりも若干大きい。そのため、収納室71に収納されたスマートフォン30は、対向部70の右縁部及び左縁部によって左右方向に位置決めされる。対向部70の上下寸法の最大値はスマートフォン30よりも若干小さい。収納室71の底までスマートフォン30を挿入することによって、収納部に収納されたスマートフォン30は、上下方向に位置決めされる。
【0109】
左右方向及び上下方向に位置決めすることによって、スマートフォン30内のコイルと、送電部のコイルとの位置を整合させることができる。収納室71にスマートフォン30を収納させた場合、無線充電器11Dはスマートフォン30を検知し、スマートフォン30の充電を実行する。
【0110】
なお収納体の表面にデザインを施してもよい。例えば、ユーザの注文に応じたデザインを収納体の表面に施してから、収納体をユーザに提供してもよい。
【0111】
図23は、表面にデザインを施した収納体の略示正面図、
図24は、表面にデザインを施した収納体の略示右側面図、
図25は、表面にデザインを施した収納体の略示背面図である。
図23~
図25に示すように、対向部70の正面及び充電面11Daに模様が施されており、無線充電器11Dの背面及び側面に、対向部70及び充電面11Daとは異なる着色が施されている。なお無線充電器11Dの背面及び側面、充電面11Da、並びに対向部70に同じ着色又は模様を施してもよい。
【0112】
収納体を製造する場合、例えば、注文を受け付けるインタフェースが、ユーザから収納体のデザインを受け付ける。前記インタフェースには、インターネット等を介してアクセスすることができる。前記インタフェースには、予め複数のデザインが用意されており、ユーザはいずれかのデザインを選択可能である。製造者は、前記インタフェースにて受け付けたデザインを収納体に施して、収納体を製造し、ユーザに出荷する。デザインは、対向部、又は無線充電器11Dの充電面11Da、背面、若しくは側面に施すことができる。デザインには模様及び色が含まれる。
【0113】
実施の形態9に係る収納体にあっては、ユーザは、収納体にスマートフォン30を収納するだけで、スマートフォン30を充電することができる。即ち、スマートフォン30を頻繁に使用する場合であっても、スマートフォン30を収納した収納体をかばん等に入れて持ち歩いている間に充電が行われるので、スマートフォン30の電池が切れることを抑制することができる。
【0114】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、請求の範囲内での全ての変更及び請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
1 筐体
1a、1b 開口
4 ジッパ(開閉部)
7 ベルト(着脱具)
8 連結具(着脱具)
9 筒体(着脱具)
10、10A 第一収納室
11 無線充電器
11Ba、11Ca、11Da 充電面
20、20A 第二収納室
21 第一ガイド
22 第二ガイド
23 第三ガイド
30 スマートフォン(携帯端末)
40 面ファスナ(着脱具)
41 クリップ(着脱具)
65、71 収納室
66 着脱具