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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】チューブ状の折曲型フィルター部材
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/52 20060101AFI20231113BHJP
   B01D 29/07 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
B01D46/52 A
B01D29/06 510A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022516453
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 KR2020012424
(87)【国際公開番号】W WO2021054694
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】10-2019-0114123
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514170813
【氏名又は名称】コーウェイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】COWAY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ユン, ヒョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】イ, ビョンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジンミン
(72)【発明者】
【氏名】カン, サンヒョン
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/118260(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1074530(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00 - 46/90
B01D 24/00 - 37/04
B01D 39/00 - 39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルター濾材が多段に折り曲げられてから丸められ、中心軸を基準として長さ方向に延びたチューブ状を有するフィルター本体と、
前記フィルター本体の形状を保持する支持部と、
を含み、
前記フィルター本体は、前記フィルター濾材が折り曲げられた部分のうちチューブ状の外側に対応する外側折り曲げ部と、チューブ状の内側に対応する内側折り曲げ部と、を備え、
前記フィルター本体の中心軸に垂直な平面上で前記内側折り曲げ部の角を連結した内側仮想線は、前記フィルター本体の中心軸から外側方向に向かって陥凹した単位ウェーブ形態が繰り返される形状を有しており、
前記フィルター本体の中心軸に垂直な平面上で前記外側折り曲げ部の角を連結した外側仮想線は円形を成し、
前記内側仮想線が形成する単位ウェーブ形態において、前記内側仮想線と前記外側仮想線との間の距離が最大である部分における前記フィルター本体の厚さを第1厚さ(T1)としたときに、
前記第1厚さ(T1)は、前記外側仮想線の直径(D)に対して[数式1]の範囲を有し、
前記外側仮想線の直径(D)は、100mm以上500mm以下の範囲を有し、
前記内側仮想線が形成する単位ウェーブ形態において、前記内側仮想線と前記外側仮想線との間の距離が最小である部分における前記フィルター本体の厚さを第2厚さ(T2)としたときに、
前記第2厚さ(T2)は、前記第1厚さ(T1)に対して[数式2]の範囲を有する、チューブ状の折曲型フィルター部材。
[数式1]D/15≦T1≦D/6
[数式2]T1/2≦T2≦T1/1.2
【請求項2】
前記内側仮想線が形成する単位ウェーブ形態は、4個以上の前記内側折り曲げ部の角から構成される、請求項1に記載のチューブ状の折曲型フィルター部材。
【請求項3】
前記内側仮想線が形成する単位ウェーブ形態は、前記フィルター本体の中心軸との距離が第1半径(R1)と第2半径(R2)との間の値を有するように形成され、
前記第1半径(R1)と第2半径(R2)は特定の1つの数値からなる、請求項2に記載のチューブ状の折曲型フィルター部材。
【請求項4】
前記内側仮想線が形成する単位ウェーブ形態は、前記第1半径(R1)に対応する部分から前記第2半径(R2)に対応する部分に向かうにつれて中心軸との距離が次第に減少または増加する形状を有する、請求項3に記載のチューブ状の折曲型フィルター部材。
【請求項5】
前記内側仮想線のウェーブ形態は、円弧が周期的に繰り返される形状を有するか、一定の角度を形成する2つの辺が周期的に繰り返される形状を有する、請求項4に記載のチューブ状の折曲型フィルター部材。
【請求項6】
前記内側仮想線により形成される単位ウェーブ形態の個数(NW)は、前記外側仮想線
の直径(D)に対して[数式3]の範囲を有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載のチューブ状の折曲型フィルター部材。
[数式3]D/33≦NW≦D/7
【請求項7】
前記内側折り曲げ部の角の間の間隔(P)は、3mm~5mmの間の値を有する、請求項に記載のチューブ状の折曲型フィルター部材。
【請求項8】
前記フィルター濾材は、複数のフィルター素材が積層されて形成される、請求項1乃至5の何れか一項に記載のチューブ状の折曲型フィルター部材。
【請求項9】
前記支持部は、前記フィルター濾材の少なくとも一面に部分的に塗布された接着部材が硬化して形成され、
前記接着部材は、前記フィルター本体の長さ方向に離隔して複数箇所に塗布される、請求項1乃至5の何れか一項に記載のチューブ状の折曲型フィルター部材。
【請求項10】
前記接着部材は、前記内側折り曲げ部により形成される山と谷にわたって塗布される、請求項に記載のチューブ状の折曲型フィルター部材。
【請求項11】
前記接着部材は、前記内側仮想線に対応する形態で塗布される、請求項に記載のチューブ状の折曲型フィルター部材。
【請求項12】
前記支持部は、前記フィルター本体の両側に備えられ、前記フィルター本体の両側の内周面と外周面を囲んで支持する蓋体部材を備える、請求項1乃至5の何れか一項に記載のチューブ状の折曲型フィルター部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を濾過するための折曲型フィルター部材に関し、より詳細には、フィルター濾材(filter medium)が多段に折り曲げられてから丸められた構造を有する、チューブ状の折曲型フィルター部材に関する。
【背景技術】
【0002】
空気清浄機は、流入する空気を濾過するために、空気清浄機に求められる性能などに応じて様々なフィルター部材が用いられる。
【0003】
かかるフィルター部材のうちヘパ(HEPA:High Efficiency Particulate Air)フィルターは、空気中の微細な粒子を除去する高性能フィルターの一種であり、濾材面積(空気が実際に通過して濾過される濾過面積)を増大させるために、フィルター濾材を多段に折り曲げた形態で用いられる。
【0004】
近年では、空気清浄機の全体体積を小さくしながらも、高風量を実現したり、適用面積を大きくするために、多段に折り曲げられたフィルター濾材を管状(チューブ状)、例えば、中空円筒状(円形チューブ状)に丸めて形成された構造が用いられることもある。
【0005】
従来技術によるチューブ状の折曲型フィルター部材は、通常、同一の幅で多段に折り曲げられたフィルター濾材が丸められて形成される構造を有するため、外側部分の折り曲げ部に比べて、内側部分の折り曲げ部が密に配置される。したがって、従来技術によるチューブ状の折曲型フィルター部材は、内側部分の折り曲げ部が成す角度が小さくなり、干渉する部分が生じるため、内側部分の折り曲げ部で差圧が上昇するという問題があった。
【0006】
すなわち、従来のチューブ状の折曲型フィルター部材は、折り曲げることで濾材面積を大きくする構成を有するが、差圧が却って上昇し、広い濾材面積を十分に活用できないという問題があった。
【0007】
このような問題を解決するために、米国特許出願公開第2013/0306547号明細書、国際公開第2010/146462号などには、折曲型フィルター部材の内側部分よりも外側部分に折り曲げ部を多く配置することや、一部の折り曲げ部が内側部分まで延びないように構成する形態が開示されている。
【0008】
しかし、このような従来技術によるチューブ状の折曲型フィルター部材は、内側部における差圧の改善には効果があるものの、一部のフィルター濾材が内側部まで延びないため内側部分の濾材面積が減少し、これにより、濾過性能が十分に確保できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2013/0306547号明細書
【文献】国際公開第2010/146462号
【文献】米国特許第6,598,749号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題の少なくとも一部を解決すべく案出されたものであって、フィルター本体の内側の差圧を減少させることができるとともに、内側部分の濾材面積を十分に確保し、濾過性能を向上させることができるチューブ状の折曲型フィルター部材を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、一態様として、フィルター本体を支持する別の構造物がなくても折り曲げ構造を保持することができるチューブ状の折曲型フィルター部材を提供することを目的とする。
【0012】
さらに、本発明は、一態様として、製造が容易なチューブ状の折曲型フィルター部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような目的を達成するための一態様として、本発明は、フィルター濾材が多段に折り曲げられてから丸められ、中心軸を基準として長さ方向に延びたチューブ状を有するフィルター本体と、上記フィルター本体の形状を保持する支持部と、を含み、上記フィルター本体は、上記フィルター濾材が折り曲げられた部分のうちチューブ状の外側に対応する外側折り曲げ部と、チューブ状の内側に対応する内側折り曲げ部と、を備え、上記フィルター本体の中心軸に垂直な平面上で上記内側折り曲げ部の角を連結した内側仮想線は、上記フィルター本体の中心軸から外側方向に向かって陥凹した単位ウェーブ形態が繰り返される形状を有しており、上記内側仮想線が形成する単位ウェーブ形態において、上記内側仮想線と上記外側仮想線との間の距離が最大である部分における上記フィルター本体の厚さを第1厚さ(T1)としたときに、上記第1厚さ(T1)は、上記外側仮想線の直径(D)に対して[数式1]の範囲を有する、チューブ状の折曲型フィルター部材を提供する。
【0014】
[数式1]D/15≦T1≦D/6
【0015】
この時、上記内側折り曲げ部の角は、上記フィルター本体の中心軸に向かって露出する構造を有することができる。
【0016】
また、上記内側仮想線が形成する単位ウェーブ形態は、4個以上の上記内側折り曲げ部の角から構成されてもよい。
【0017】
そして、上記内側仮想線が形成する単位ウェーブ形態は、上記フィルター本体の中心軸との距離が第1半径(R1)と第2半径(R2)との間の値を有するように形成され、上記第1半径(R1)と第2半径(R2)は特定の1つの数値からなることができる。
【0018】
また、上記内側仮想線が形成する単位ウェーブ形態は、上記第1半径に対応する部分から上記第2半径に対応する部分に向かうにつれて中心軸との距離が次第に減少または増加する形状を有することができる。例えば、上記内側仮想線のウェーブ形態は、円弧が周期的に繰り返される形状を有するか、一定の角度を形成する2つの辺が周期的に繰り返される形状を有することができる。
【0019】
そして、上記フィルター本体は円形のチューブ状を有することができ、上記フィルター本体の中心軸に垂直な平面上で上記外側折り曲げ部の角を連結した外側仮想線は円形を成すことができる。
【0020】
また、上記外側仮想線の直径(D)は、100mm以上500mm以下の範囲を有することができる。
【0021】
そして、上記内側仮想線が形成する単位ウェーブ形態において、上記内側仮想線と外側仮想線との間の距離が最小である部分における上記フィルター本体の厚さを第2厚さ(T2)としたときに、上記第2厚さ(T2)は、上記第1厚さ(T1)に対して[数式2]の範囲を有することができる。
【0022】
[数式2]T1/2≦T2≦T1/1.2
【0023】
そして、上記内側仮想線により形成される単位ウェーブ形態の個数(NW)は、上記外側仮想線の直径(D)に対して[数式3]の範囲を有することができる。
【0024】
[数式3]D/33≦NW≦D/7
【0025】
また、上記内側折り曲げ部の角の間の間隔(P)は、3mm~5mmの間の値を有することができる。
【0026】
そして、上記フィルター濾材は、集塵フィルター用濾材またはHEPAフィルター用濾材から構成されてもよく、複数のフィルター素材が積層されて形成されてもよい。
【0027】
一方、上記支持部は、上記フィルター濾材の少なくとも一面に部分的に塗布された接着部材が硬化して形成され、上記接着部材は、上記フィルター本体の長さ方向に離隔して複数箇所に塗布されてもよい。
【0028】
この時、上記接着部材は、上記内側折り曲げ部により形成される山と谷にわたって塗布されてもよく、これと異なり、上記接着部材は、上記内側仮想線に対応する形態で塗布されてもよい。
【0029】
そして、上記支持部は、上記フィルター本体の両側に備えられ、上記フィルター本体の両側の内周面と外周面を囲んで支持する蓋体部材を備えることができる。
【発明の効果】
【0030】
このような構成を有する本発明の一実施形態によると、フィルター本体の内側部分が、中心軸から外側方向に向かって陥凹した単位ウェーブ形態が繰り返される形状を有するようにすることで、フィルター本体の内側部分の差圧を改善するとともに、内側部分の濾材面積を十分に確保し、フィルター本体の全体の濾過性能を十分に向上させることができるという効果が得られる。
【0031】
特に、本発明の一実施形態によると、フィルター本体の直径、折り曲げ部の厚さ、単位ウェーブ形態の個数、内側折り曲げ部の角の間の間隔のうち少なくとも一部を最適化して設定することで、差圧改善及び濾材面積確保の最適化を実現することができ、また、フィルター濾材を折り曲げる折り曲げ加工、及び折り曲げられたフィルター濾材をチューブ状に丸める巻き取り加工などの加工性を改善することができるため、製造が容易であるという効果を奏することができる。
【0032】
そして、本発明の一実施形態によると、ホットメルト(hot melt)のような接着部材を用いて、フィルター濾材が折り曲げられてから丸められた形状を保持するようにすることで、送風抵抗として作用する構造を最小化することにより、送風効率が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態によるチューブ状の折曲型フィルター部材の斜視図である。
図2図1のA-A’線に沿った断面図である。
図3図1に示されたチューブ状の折曲型フィルター部材の展開状態を示す展開図である。
図4図2の「A」部分の一実施形態を示す拡大図である。
図5図2の「A」部分の変形実施形態を示す拡大図である。
図6図2に示すフィルター本体の変形実施形態を示す断面図である。
図7図2に示すフィルター本体の他の変形実施形態を示す断面図である。
図8】本発明の他の実施形態によるチューブ状の折曲型フィルター部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0035】
また、本明細書における単数の表現は、文脈上明確に異なる意味でない限り、複数の表現を含み、明細書の全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素または対応する構成要素を指称する。
【0036】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0037】
図1は本発明の一実施形態によるチューブ状の折曲型フィルター部材100の斜視図であり、図2図1のA-A’線に沿った断面図であり、図3図1に示されたチューブ状の折曲型フィルター部材100の展開状態を示す展開図であり、図4図2の「A」部分の一実施形態を示す拡大図であり、図5図2の「A」部分の変形実施形態を示す拡大図である。また、図6及び図7は、図2に示されたフィルター本体110の変形実施形態を示す断面図であり、図8は本発明の他の実施形態によるチューブ状の折曲型フィルター部材100の分解斜視図である。
【0038】
図1に示すように、本発明の一実施形態によるチューブ状の折曲型フィルター部材100は、フィルター本体110と、支持部150と、を含んで構成される。
【0039】
図1から図4を参照すると、上記フィルター本体110は、フィルター濾材111が多段に折り曲げられてから丸められ、中心軸Cを基準として長さ方向に延びたチューブ状を有し、内側には中空部115が形成される。すなわち、フィルター本体110は、図3に示すように多段に折り曲げられたフィルター濾材111の両端を接合し、中空部115が形成されたチューブ状を有するように構成することができる。この時、フィルター本体110は円形のチューブ状を有することができるが、これに限定されるものではなく、楕円形のチューブ状または多角形のチューブ状を有してもよい。
【0040】
そして、フィルター濾材111は、濾材面積を大きくするために折り曲げられて用いられる集塵フィルター用濾材またはHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター用濾材からなることができるが、流入される空気を濾過するフィルターであって、折り曲げ可能なものであれば、その種類及び材質は限定されない。
【0041】
また、上記フィルター濾材111は、HEPAフィルター用濾材のように単独で用いられてもよいが、これに限定されず、複数のフィルター素材が積層されて用いられてもよい。例えば、HEPAフィルター用濾材と集塵フィルター用濾材がともに積層されてもよく、気孔サイズが異なる2種類のHEPAフィルター用濾材が積層されて用いられることも可能である。
【0042】
そして、フィルター本体110は、フィルター濾材111が折り曲げられた部分のうち、チューブ状の外側に対応する外側折り曲げ部121と、チューブ状の内側に対応する内側折り曲げ部131と、を備えることができる。かかる外側折り曲げ部121と内側折り曲げ部131は、図3に示すように、フィルター濾材111の長さ方向に沿って長く形成される。図3を参照すると、外側折り曲げ部121は点線で、内側折り曲げ部131は二点鎖線で表示されており、内側折り曲げ部131と外側折り曲げ部121は交互に繰り返して形成される。
【0043】
また、図1及び図2に示すように、フィルター本体110の中心軸Cに垂直な平面上で内側折り曲げ部131の角を連結すると内側仮想線132が形成され、同様に、外側折り曲げ部121の角を連結すると外側仮想線122が形成される。この時、特許請求の範囲を含む本明細書において、「内側仮想線132」と「外側仮想線122」は、折り曲げ部121、131の角を連結した時に全体的に形成される曲線または直線の形状を意味し、隣接した角を直線で連結した形状に限定されるものではない。
【0044】
そして、フィルター本体110が円形のチューブ状を有する場合、外側仮想線122は円形を成すことができ、内側仮想線132は、フィルター本体110の中心軸Cから外側方向に向かって陥凹した単位ウェーブ形態133が繰り返される形状を有することができる。
【0045】
かかる内側仮想線132が形成する単位ウェーブ形態133は、フィルター本体110の中心軸Cとの距離が、第1半径(R1)と第2半径(R2)との間の値を有するように形成され、第1半径(R1)と第2半径(R2)は、特定の1つの数値を有することができる。
【0046】
これにより、内側仮想線132が形成する単位ウェーブ形態133は、第1半径(R1)に対応する部分から第2半径(R2)に対応する部分に向かうにつれて、中心軸Cとの距離が次第に減少または増加する形状を有することができる。
【0047】
例えば、図2に示すように、第1半径(R1)が第2半径(R2)より小さな値を有する場合、内側仮想線132が形成する単位ウェーブ形態133は、第1半径(R1)に対応する部分から第2半径(R2)に対応する部分に向かうにつれて中心軸Cとの距離が次第に増加する形状を有し、逆に、第2半径(R2)に対応する部分から第1半径(R1)に対応する部分に向かうにつれて中心軸Cとの距離が次第に減少する形状を有するように形成することができる。
【0048】
一例として、内側仮想線132を成すウェーブ形態133は、図2に示すように円弧が周期的に繰り返される形状を有するか、図6及び図7に示すように、一定の角度を形成する2つの辺が周期的に繰り返される形状を有することができる。図6及び図7には、単位ウェーブ形態133の個数は同一であり、且つ辺が成す角度が異なる形態を示しているが、単位ウェーブ形態133の個数や形状は多様に変更可能である。
【0049】
このように、内側仮想線132が、フィルター本体110の中心軸Cから外側方向に向かって陥凹した単位ウェーブ形態133が繰り返される形状を有するため、同一の幅で多段に折り曲げられた従来のフィルター構造に比べて、フィルター本体110の内側部分における差圧が改善される効果が得られる。
【0050】
また、図2に示すように、陥凹した構造の単位ウェーブ形態133がフィルター本体110の内側部分で繰り返される形状を有するため、内側折り曲げ部131の角(山)は、フィルター本体110の中心軸Cに向かって露出する構造を有することができる。これにより、内側折り曲げ部131の角部分が互いに干渉せず、内側折り曲げ部131の角(山)部分だけでなく、山と山の間の谷部分にも空気が接触する面積が十分に形成される。したがって、前述のフィルター本体110の内側部分の差圧が改善されるだけでなく、フィルター濾材111の面積を十分に活用することができるという利点がある。すなわち、本発明の一実施形態によるフィルター部材は、内側折り曲げ部131がフィルター本体110の内側まで十分に延びることができるため、濾材面積活用の効果が増大する。
【0051】
一方、従来、差圧改善または内側部分の干渉防止のために、折り曲げられる部分の幅(外側折り曲げ部と内側折り曲げ部との間の間隔)を交互に増減させ、蛇腹状(W)を有するようにする構造が提案されているが、この場合、内側部分の隙間が必要以上に多くなり、フィルター濾材が内側部分まで延びる量が減少(濾材面積の減少)して、濾過性能を十分に確保することが困難であった。
【0052】
しかし、本発明の一実施形態による折曲型フィルター部材100は、内側仮想線132が形成する単位ウェーブ形態133を4個以上の内側折り曲げ部131の角で構成することで(図2及び図4を参照すると、単位ウェーブ形態133は6個の内側折り曲げ部の角で構成される)、フィルター本体110の内側部分まで延びるフィルター濾材111の面積を十分に確保することができるため、差圧改善及び濾過性能の向上を同時に達成することができる。
【0053】
また、支持部150は、フィルター本体110が折り曲げられてから丸められてチューブ状を保持するようにする機能を果たす。かかる支持部150は、図3に示すように、フィルター濾材111の少なくとも一面に部分的に塗布された接着部材160が硬化して形成することができる。図3から図5には、フィルター濾材111の一面(内側面)にのみ接着部材160が塗布される形状が示されているが、接着部材160は、フィルター本体110の折り曲げ形状を強固に保持するために、形状フィルター濾材111の両面(内側面と外側面)の両方に塗布することができる。
【0054】
また、接着部材160は、フィルター本体110の長さ方向に離隔して複数箇所に塗布することができる。一例として、図3に示すように、接着部材160は、フィルター本体110の上段、中段、下段にそれぞれ一文字状に塗布することができるが、接着部材160が塗布される部分の個数及び塗布形状はこれに限定されない。但し、接着部材160が塗布される部分は送風時に抵抗として作用するため、その塗布箇所の個数及び厚さは、フィルター本体110の折り曲げ形状を保持するための限度内で最小化されることが好ましい。一方、接着部材160が両面に塗布される場合、一面の接着部材160と他面の接着部材160は互いに異なる高さに塗布されることも可能である。
【0055】
かかる接着部材160は、一例として、溶融状態で塗布した後に硬化するホットメルト(hot melt)からなることができるが、フィルター本体110の折り曲げ形状を保持することができれば、多様な材質と組成の物質が使用可能である。
【0056】
一方、支持部150として用いられる接着部材160は、フィルター濾材111に塗布された後、フィルター本体110の折り曲げ形状を保持しやすくするために、図4に示すように、内側折り曲げ部131により形成される山(角)と谷にわたって塗布されるように構成することができる。また、塗布しやすくするために、それぞれの折り曲げ部分が予め設定された幅を有するように多段に折り曲げられたフィルター濾材111を再び広げて図3の展開図状態にした後、フィルター濾材111の表面に接着部材160を一文字状に塗布することができる。このように、接着部材160が塗布された後、フィルター濾材111を再び折り曲げてチューブ状に構成すると、図4に示すように、内側折り曲げ部131により形成される山と谷部分にわたって、接着部材160が硬化した状態が形成される。
【0057】
但し、接着部材160の塗布方式は図3及び図4に示す構成に限定されず、図5に示すように、内側折り曲げ部131の角部分が互いに連結する形態となるように、すなわち、内側仮想線132に対応する形態で塗布されることも可能である。
【0058】
このように、本発明の一実施形態によると、ホットメルト(hot melt)のような接着部材160を用いて、フィルター濾材111が折り曲げられてから丸められた形状を保持するようにすることで、送風抵抗となる別の構造物を最小化することにより、送風効率が向上する効果が得られる。
【0059】
但し、本発明の一実施形態による折曲型フィルター部材100は、支持部150に別の構造物が設けられることを完全に排除するものではなく、図8に示すように、フィルター本体110の両側(上端と下端)に備えられ、フィルター本体110の両側の内周面と外周面を囲んで支持する蓋体部材170を備えることも可能である。かかる蓋体部材170は、フィルター本体110の上側内周面を支持する上側開口172を有する上側蓋体171と、フィルター本体110の下側内周面を支持する下側開口176を有する下側蓋体175と、を含むことができる。また、本発明の一実施形態による折曲型フィルター部材100は、支持部150として蓋体部材170のみを備える構成を有してもよい。
【0060】
次に、本発明の一実施形態によるチューブ状の折曲型フィルター部材100の具体的な形状の設定について説明する。
【0061】
先ず、外側仮想線122の直径(D)は100mm以上500mm以下の範囲を有することができる。
【0062】
外側仮想線122の直径(D)が100mmより小さい場合には、内側仮想線132と外側仮想線122が形成する周長(円周)が短くなるため、フィルター濾材111に接着部材160を塗布した後チューブ状に形成する時に、接合部位に裂けや破れが発生するという問題があり、折曲型フィルター部材100の製造が困難となる。
【0063】
逆に、外側仮想線122の直径(D)が100mmより大きい場合には、内側仮想線132の周長(円周)と外側仮想線122の周長(円周)に大差がないため、内側折り曲げ部131による差圧損失や内側折り曲げ部131の干渉現象が大きくないため、これにより、陥凹した単位ウェーブ形態133が繰り返されるようにする本発明の効果が半減する。
【0064】
そして、内側仮想線132が形成する単位ウェーブ形態133において、内側仮想線132と外側仮想線122との間の距離が最大である部分におけるフィルター本体110の厚さを第1厚さ(T1)としたときに、上記第1厚さ(T1)は、外側仮想線122の直径(D)に対して[数式1]の範囲を有することが好ましい。
【0065】
[数式1]D/15≦T1≦D/6
【0066】
第1厚さ(T1)がD/15より小さい場合には、フィルター本体110の厚さが過度に小さくなり、内側仮想線132の周長(円周)と外側仮想線122の周長(円周)に大差がないため、内側折り曲げ部131による差圧損失や内側折り曲げ部131の干渉現象が大きくないため、これにより、陥凹した単位ウェーブ形態133が繰り返されるようにする効果が半減する。
【0067】
逆に、第1厚さ(T1)がD/6より大きい場合には、フィルター本体110の厚さ及びこれに対応する濾材面積が過度に大きくなり、全体的な圧力損失が大きく増加し、内側仮想線132の周長(円周)が外側仮想線122の周長(円周)に比べて過度に小さくなる。これにより、フィルター濾材111に接着部材160を塗布した後チューブ状に形成する時に、内側仮想線132の周辺で接合部位に裂けや破れが発生するという問題があるため、折曲型フィルター部材100の製造が困難となる。
【0068】
また、内側仮想線132が形成する単位ウェーブ形態133において、内側仮想線132と外側仮想線122と間の距離が最小である部分におけるフィルター本体110の厚さを第2厚さ(T2)としたときに、上記第2厚さ(T2)は、第1厚さ(T1)に対して[数式2]の範囲を有することが好ましい。
【0069】
[数式2]T1/2≦T2≦T1/1.2
【0070】
第2厚さ(T2)がT1/2より小さい場合には、第2厚さに対応する折り曲げ部分の幅が過度に小さくなり、折り曲げ加工が可能な範囲から外れるようになる。
【0071】
逆に、第2厚さ(T2)がT1/1.2より大きい場合には、同一の幅で多段に折り曲げられたフィルター濾材111を丸めて形成される従来のフィルター構造との違いが大きくないため、内側折り曲げ部131による差圧損失の改善や内側折り曲げ部131の干渉現象の改善の効果は僅かとなる。
【0072】
そして、内側仮想線132により形成される単位ウェーブ形態133の個数(NW)は、外側仮想線122の直径(D)に対して[数式3]の範囲を有することが好ましい。
【0073】
[数式3]D/33≦NW≦D/7
【0074】
内側仮想線132により形成される単位ウェーブ形態133の個数(NW)がD/33より小さい場合には、内側仮想線132が円形を成す従来の場合と比べて形状の違いが大きくないため、単位ウェーブ形態133の導入による差圧改善や干渉改善の効果が極めて小さくなる。
【0075】
逆に、内側仮想線132により形成される単位ウェーブ形態133の個数(NW)がD/7より大きい場合には、単位ウェーブの個数が過度に多くなるため、折り曲げ加工及び全体製作工程が難しくなる。特に、単位ウェーブの個数が過度に多くなると、単位ウェーブ形態133を成す内側折り曲げ部131の個数が減少する。この場合、前述のように、フィルター本体110の内側部分の隙間が必要以上に大きくなり、フィルター濾材111が内側部分まで延びる量が減少して濾過性能を十分に確保することが困難となる。
【0076】
最後に、求められる濾過性能に応じた濾材面積を調節するべく内側折り曲げ部131により形成された山(角)の個数を設定するために、内側折り曲げ部131の内側折り曲げ部131の角の間の間隔(P)(図2に示すように角の間の直線距離)は、3mm~5mmの間の値を有することができる。
【0077】
間隔(P)が3mmより小さい場合には、内側折り曲げ部131により形成される谷部分に、空気が容易に流入される空間を確保することが困難であり、間隔(P)が5mmより大きい場合には、濾材面積を十分に確保できないため濾過性能の効率的な実現において限界がある。
【0078】
このように、本発明の一実施形態によるチューブ状の折曲型フィルター部材100は、フィルター本体110の直径(D)、折り曲げ部を形成する部分の厚さ(T1、T2)、単位ウェーブ形態133の個数(NW)、内側折り曲げ部131の角の間の間隔(P)のうち少なくとも一部を最適化して設定することで、差圧改善及び濾材面積活用の最適化を実現することができ、また、フィルター濾材111を折り曲げる折り曲げ加工、及び折り曲げられたフィルター濾材111をチューブ状に丸める巻き取り加工などの加工性を改善することができるため、フィルター本体110を容易に製造することができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0080】
100 折曲型フィルター部材
110 フィルター本体
111 フィルター濾材
115 中空部
121 外側折り曲げ部
122 外側仮想線
131 内側折り曲げ部
132 内側仮想線
133 単位ウェーブ形態
150 支持部
160 接着部材
170 蓋体部材
171 上側蓋体
172 上側開口
175 下側蓋体
176 下側開口
C 中心軸
D 外径
R1 第1半径
R2 第2半径
P 内側折り曲げ部の角(山)の間の間隔
T1 第1厚さ
T2 第2厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8