(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】遠心分離機および遠心分離機を備える機械
(51)【国際特許分類】
B04B 5/12 20060101AFI20231113BHJP
B04B 9/06 20060101ALI20231113BHJP
B04B 7/02 20060101ALI20231113BHJP
B01D 45/14 20060101ALI20231113BHJP
F01M 13/04 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
B04B5/12
B04B9/06
B04B7/02 A
B01D45/14
F01M13/04 A
(21)【出願番号】P 2022535647
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 EP2020084517
(87)【国際公開番号】W WO2021122042
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-10
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517431148
【氏名又は名称】アルフデックス・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロニー・ヤンナースタット
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-520154(JP,A)
【文献】特公昭47-011706(JP,B2)
【文献】米国特許第06925993(US,B1)
【文献】特開2000-093842(JP,A)
【文献】国際公開第2017/175324(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B 5/12
B04B 9/06
B04B 7/02
B01D 45/14
F01M 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(3)によって生成されるガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成された遠心分離機(1)であって、
遠心ロータ(5)と、
前記遠心ロータ(5)を回転させるように構成された油圧駆動装置(7、9)と、
前記油圧駆動装置(7、9)を前記機械(3)の油圧回路(13)に接続するための油圧接続部(11)と、
前記遠心分離機(1)を前記機械(3)に接続するための接続部分(15)と、
を備え、
前記油圧接続部(11)は、前記接続部分(15)上に配置され、前記接続部分(15)は、前記機械(3)の接続孔(19)に挿入されるように構成されている、遠心分離機(1)。
【請求項2】
前記遠心分離機(1)の前記接続部分(15)は、略円筒形であり、略円錐形であり、または円筒形部分および円錐形部分を含む、請求項1に記載の遠心分離機(1)。
【請求項3】
前記遠心分離機(1)の前記接続部分(15)は、溝(21)を含み、前記油圧接続部(11)は、前記溝(21)に配置されている、請求項1または2に記載の遠心分離機(1)。
【請求項4】
前記溝(21)は、前記接続部分(15)の円周の50%より多くに沿っ
て延在する、請求項3に記載の遠心分離機(1)。
【請求項5】
前記溝(21)は、前記接続部分(15)の円周全体に沿って延在する、請求項3に記載の遠心分離機(1)。
【請求項6】
前記接続部分(15)は、前記溝(21)の各側に少なくとも1つのシーリング(23、23’)を含む、請求項
3から5のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項7】
前記接続部分(15)の中心軸(ca)は、前記遠心ロータ(5)の回転軸(ra)に略平行である、請求項1から
6のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項8】
前記接続部分(15)の中心軸(ca)は、前記遠心ロータ(5)の回転軸(ra)と略同軸である、請求項1から
7のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項9】
前記油圧駆動装置(7、9)は、前記遠心ロータ(5)に接続されたタービン(7)と、前記タービン(7)上へ液体を排出するように構成された第1のノズル(9)と、を含む、請求項1から
8のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項10】
前記油圧駆動装置(7、9)は、前記タービン(7)上へ液体を排出するように構成された少なくとも第2のノズル(9’、9”)を含む、請求項
9に記載の遠心分離機(1)。
【請求項11】
前記遠心分離機(1)は、前記機械(3)が直立使用位置に向き付けられているとき、前記遠心ロータ(5)の回転軸(ra)が水平面(hp)に略平行になるように前記機械(3)に接続されるように構成されている、請求項1から
10のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項12】
前記遠心分離機(1)は、前記遠心ロータ(5)によって分離された液体および固体粒子を前記機械(3)の前記油圧回路(13)に戻すように構成された戻り導管(25)を含み、前記戻り導管(25)は、前記遠心分離機(1)が意図された使用位置に向き付けられているとき、前記遠心ロータ(5)の回転軸(ra)の下方に配置されている、請求項1から
11のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項13】
前記戻り導管(25)は、前記遠心分離機(1)が前記意図された使用位置に向き付けられているとき、前記遠心ロータ(5)の外周(5’)の下方に配置されている、請求項
12に記載の遠心分離機(1)。
【請求項14】
前記戻り導管(25)は、スロットとして形成されている、請求項
12または
13に記載の遠心分離機(1)。
【請求項15】
前記遠心分離機(1)は、分離機ハウジング(6)を含み、前記戻り導管(25)は、前記分離機ハウジング(6)に配置されている、請求項
12から
14のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項16】
前記戻り導管(25)は、一方向弁(27)を含む、請求項
12から
15のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項17】
前記遠心ロータ(5)は、前記遠心ロータ(5)の回転中、前記機械(3)によって生成される前記ガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成された円錐台状分離ディスク(50)のスタックを含む、請求項1から
16のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項18】
前記機械(3)は、内燃機関(3’)であり、前記遠心分離機(1)は、前記内燃機関(3’)によって生成されるクランクケースガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成されている、請求項1から
17のいずれか一項に記載の遠心分離機(1)。
【請求項19】
ガスの流れを生成するように構成された機械(3)であって、
接続孔(19)と、
前記接続孔(19)に接続された油圧回路(13)と、
前記機械(3)によって生成される前記ガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成された遠心分離機(1)と、
を備え、
前記遠心分離機(1)は、
前記接続孔(19)に挿入された接続部分(15)と、
遠心ロータ(5)と、
前記遠心ロータ(5)を回転させるように構成された油圧駆動装置(7、9)と、
前記接続部分(15)上に配置された油圧接続部(11)と、
を含み、
前記油圧接続部(11)は、前記油圧駆動装置(7、9)を前記機械(3)の前記油圧回路(13)に接続する、機械(3)。
【請求項20】
前記機械(3)の前記接続孔(19)および前記遠心分離機(1)の前記接続部分(15)は、一緒に接続界面(20)を形成し、前記接続界面(20)は、溝(21)を含み、前記油圧接続部(11)は、前記溝(21)に流体接続されている、請求項
19に記載の機械(3)。
【請求項21】
前記接続界面(20)は、前記溝(21)の各側に少なくとも1つのシーリング(23、23’)を含む、請求項
20に記載の機械(3)。
【請求項22】
前記機械(3)は、内燃機関(3’)であり、前記遠心分離機(1)は、前記内燃機関(3’)によって生成されるクランクケースガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成されている、請求項
19から
21のいずれか一項に記載の機械(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械によって生成されるガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成された遠心分離機に関する。本開示は、遠心分離機を備える機械にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
遠心分離機を用いることを通じて、異なる密度を有する流体の混合物を互いに分離することができる。遠心分離機は、高い回転速度で回転して、異なる密度を有する流体を分離する遠心力を生成するロータユニットを含む。ロータユニットは通常、隣接するディスク間に狭い分離スペースを備えて互いに隣接して配置された円錐台状分離ディスクのディスクスタックを含む。
【0003】
遠心分離機はさまざまな目的に用いられる。遠心分離機の1つの具体的な用途は、内燃機関のクランクケースガスから液相を分離することである。内燃機関のクランクケースガスは、内燃機関の燃焼室からピストンリングを通過して機関のクランクケースに漏れるガスに由来する。クランクケースへのこの継続的なガスの漏れは、クランクケース内の圧力の望ましくない増加に、そして結果として、ケーシングからガスを排出する必要性につながる可能性がある。クランクケースガスは通常、液滴または細かいミストとして、大量のエンジンオイル、ならびに他の液体炭化水素、すす、および他の固体燃焼残留物を運ぶ。これらの物質は環境に有害な物質である可能性がある。したがって、いくつかのタイプの燃焼機関では、法律により、クランクケースガスを環境に優しい方法で処分することが要求されている。
【0004】
いくつかの内燃機関において、クランクケースガスは燃焼機関の入口に導かれる。このように、クランクケースガスが周囲の空気に直接排出されることはない。しかしながら、特にターボチャージングシステムのコンプレッサの効率が悪影響を受ける可能性があるターボチャージングシステムを含む機関で、吸入空気中のオイルの存在によって内燃機関の機能性が悪影響を受ける可能性がある。したがって、ガスが吸気系統に導入される前に、クランクケースガスを洗浄してガスによって運ばれるオイルを除去すれば有利である。この洗浄プロセスは遠心分離機によって行うことができ、これはクランクケース上またはこれに隣接して取り付けられ、洗浄されたガスを吸気系統に送り、分離されたオイルをクランクケースに戻す。このような分離機の一例がたとえば米国特許第8,657,908号に開示されている。
【0005】
遠心分離機のロータはたとえば油圧駆動装置によって駆動することができる。いくつかの油圧駆動装置は衝撃力を利用し、たとえば液体噴射がタービンホイールに衝突して回転力を生成する。また、ロータの回転軸からずれた位置で、液体噴射がロータから接線方向に放出され、これによってロータの回転力を提供する反応駆動装置のような、他の駆動装置も可能である。このような駆動装置の一例が米国特許出願公開第2005/0198932(A1)号に記載されている。
【0006】
油圧駆動装置は、内燃機関のエンジンオイルを利用してロータユニットを回転させることができる。このタイプの遠心分離機に関連する1つの問題は、遠心分離機が内燃機関に、通常は機関のエンジンブロックに接続されていることである。ほとんど、遠心分離機のタービンハウジングのフランジが内燃機関のフランジ界面に接続されている。たとえばエンジンブロック内の内燃機関のフランジ界面は、タービンハウジングのフランジ上に配置された孔を介して油圧駆動装置にオイルを供給する駆動オイル孔を含むことができる。燃焼機関にはさまざまなサイズおよび設計があり、通常、内燃機関のタイプごとに1つのタイプのタービンハウジングを開発する必要がある。設計は通常複雑であり、工具および製造コストが比較的高い。燃焼機関上のフランジ界面も比較的複雑で、駆動オイル孔の平坦度および配置についての公差が高い。
【0007】
一般に、今日の市場では、遠心分離機および関連部品のような製品が、費用効果の高い方法で製造および組み立てするのに適した条件および/または特性を有すれば有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第8,657,908号
【文献】米国特許出願公開第2005/0198932(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上記の問題および欠点のうちの少なくともいくつかを克服すること、または少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、上記目的は、機械によって生成されるガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成された遠心分離機によって達成される。遠心分離機は、遠心ロータと、遠心ロータを回転させるように構成された油圧駆動装置と、油圧駆動装置を機械の油圧回路に接続するための油圧接続部と、遠心分離機を機械に接続するための接続部分と、を備える。油圧接続部は、接続部分上に配置され、接続部分は、
機械の接続孔に挿入されるように構成されている。
【0011】
油圧接続部が接続部分上に配置され、接続部分が機械の接続孔に、たとえば内燃機関のエンジンブロックに挿入されるように構成されているため、高価で複雑なタービンハウジングおよび機械上の高価で複雑なフランジ界面の必要性を回避する遠心分離機が提供される。
【0012】
代わりに、比較的簡単で低コストの方法およびツールを用いて遠心分離機の接続部分を製造することができる。同様に、機械の接続孔も、比較的簡単で低コストの方法およびツールを用いて製造することができる。
【0013】
加えて、異なるタイプの機械用にいくつかのタイプのタービンハウジングを開発する必要性が回避される。また、簡単で信頼できる方法で機械に取り付けるための条件を有する遠心分離機が提供される。
【0014】
したがって、費用効果の高い方法で製造および組み立てするのに適した条件および特性を有する遠心分離機が提供される。さらに、この遠心分離機は、機械の接続界面の設計および製造コストを下げるための条件を提供する。
【0015】
したがって、上記の問題および欠点のうちの少なくともいくつかを克服する、または少なくとも軽減する遠心分離機が提供される。結果として、上記の目的が達成される。
【0016】
任意選択で、遠心分離機の接続部分は、略円筒形であり、略円錐形であり、またはこれらの組み合わせ、すなわち円筒形部分および円錐形部分の両方を含む。これによって、さらにより簡単でより信頼できる方法で機械に取り付けるための条件を有する遠心分離機が提供される。加えて、遠心分離機の接続部分は、比較的簡単で低コストの方法およびツールを用いて製造するための条件を有する。同様に、機械の接続孔も、比較的簡単で低コストの方法およびツールを用いて製造することができる。
【0017】
任意選択で、遠心分離機の接続部分は、溝を含み、油圧接続部は、溝に配置される。これによって、油圧接続部と機械の油圧回路との間の流体接続をより簡単でより信頼できる方法で得ることができる。加えて、油圧接続部の配置についてのより低い公差を用いることができ、機械の油圧回路の孔により低い公差を用いることができるため、遠心分離機のおよび機械の接続孔の製造および組み立てコストを削減できる可能性がある。
【0018】
任意選択で、溝は、接続部分の円周の50%より多くに沿って、または好ましくは接続部分の円周全体に沿って延在する。これによって、油圧接続と機械の油圧回路との間の流体接続をより簡単でより信頼できる方法で得ることができる。加えて、油圧接続の配置についてのより低い公差を用いることができ、機械の油圧回路の孔により低い公差を用いることができるため、遠心分離機のおよび機械の接続孔の製造および組み立てコストを削減できる可能性がある。
【0019】
任意選択で、接続部分は、溝の各側に少なくとも1つのシーリングを含む。これによって、油圧流体(hydraulic fluid)の漏れが簡単で信頼できる方法で回避される。加えて、接続部分の表面および機械の接続孔の表面により低い公差を用いることができるため、遠心分離機のおよび機械の接続孔の製造および組み立てコストを削減できる可能性がある。
【0020】
任意選択で、接続部分の中心軸は、遠心ロータの回転軸に略平行である。これによって、費用効果の高い方法で製造および組み立てするのに適した条件および特性を有するコンパクトな遠心分離機を提供することができる。
【0021】
任意選択で、接続部分の中心軸は、遠心ロータの回転軸と略同軸である。これによって、費用効果の高い方法で製造および組み立てするのに適した条件および特性を有するコンパクトな遠心分離機が提供される。
【0022】
任意選択で、油圧駆動装置は、遠心ロータに接続されたタービンと、タービン上へ液体を排出するように構成された第1のノズルと、を含む。これによって、簡単で、信頼できる、効率的な油圧駆動装置が提供される。
【0023】
任意選択で、油圧駆動装置は、タービン上へ液体を排出するように構成された少なくとも第2のノズルを含む。これによって、さらに信頼できる油圧駆動装置が提供される。これは、油圧駆動装置が、タービン上へ液体を排出するように構成された少なくとも2つのノズルを含むためである。これによって、油圧駆動装置は、1つのノズルが故障した場合でも機能し続けることができる。
【0024】
任意選択で、遠心分離機は、機械が直立使用位置に向き付けられているとき、遠心ロータの回転軸が水平面に略平行になるように機械に接続されるように構成されている。これによって、機械の鉛直方向において遠心分離機に要求されるスペースが少なくなり、遠心分離機を機械上へ配置する際の自由度が多くなる。この文脈において、「略水平」は、水平面に対して20度未満の角度のような、水平面に対して小さな角度での回転軸を含む。好ましくは、回転軸と水平面との間の角度は10度未満である。
【0025】
任意選択で、遠心分離機は、遠心ロータによって分離された液体および固体粒子を機械の油圧回路に、たとえば内燃機関のエンジンオイルサンプに戻すように構成された戻り導管を含み、戻り導管は、遠心分離機が意図された使用位置に向き付けられているとき、遠心ロータの回転軸の下方に配置されている。これによって、遠心ロータによって分離された液体および固体粒子を、簡単で、信頼できる効率的な方法で機械の油圧回路に戻すことができる。
【0026】
任意選択で、戻り導管は、遠心分離機が意図された使用位置に向き付けられているとき、遠心ロータの外周の下方に配置される。これによって、遠心ロータによって分離された液体および固体粒子を、簡単で、信頼できる効率的な方法で機械の油圧回路に戻すことができる。
【0027】
任意選択で、戻り導管は、スロットとして形成される。これによって、内部ガス流と分離された液体および固体粒子との間の干渉を回避することができる。
【0028】
任意選択で、遠心分離機は、分離機ハウジングを含み、戻り導管は、分離機ハウジングに配置される。これによって、費用効果の高い方法で製造および組み立てするのに適した条件および特性を有するコンパクトな遠心分離機を提供することができる。
【0029】
任意選択で、戻り導管は、一方向弁を含む。これによって、機械から戻り導管を介して遠心分離機に達するガス、または他の物質の流れが回避される。
【0030】
任意選択で、遠心ロータは、遠心ロータの回転中、機械によって生成されるガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成された円錐台状分離ディスクのスタックを含む。これによって、効率的で信頼できる遠心分離機が提供される。
【0031】
任意選択で、機械は、内燃機関であり、遠心分離機は、内燃機関によって生成されるクランクケースガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成されている。これによって、内燃機関上の高価で複雑なフランジ界面の必要性を回避する遠心分離機が提供される。また、比較的簡単で低コストの方法およびツールを用いて内燃機関の接続孔を製造することができる。
【0032】
加えて、異なるタイプの内燃機関用にいくつかのタイプのタービンハウジングを開発する必要性が回避される。さらに、この遠心分離機は、内燃機関の接続界面の設計および製造コストを下げるための条件を提供する。
【0033】
本発明の第2の態様によれば、上記目的は、ガスの流れを生成するように構成された機械によって達成される。機械は、接続孔と、接続孔に接続された油圧回路と、機械によって生成されるガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成された遠心分離機と、を備える。遠心分離機は、接続孔に挿入された接続部分と、遠心ロータと、遠心ロータを回転させるように構成された油圧駆動装置と、接続部分上に配置された油圧接続部と、を含む。油圧接続部は、油圧駆動装置を機械の油圧回路に接続する。
【0034】
油圧接続部が接続部分上に配置され、接続部分が機械の接続孔に挿入されているため、遠心分離機の高価で複雑なタービンハウジングおよび機械上の高価で複雑なフランジ界面の必要性を回避する機械が提供される。
【0035】
代わりに、比較的簡単で低コストの方法およびツールを用いて遠心分離機の接続部分を製造することができる。同様に、機械の接続孔も、比較的簡単で低コストの方法およびツールを用いて製造することができる。
【0036】
加えて、異なるタイプの機械用にいくつかのタイプのタービンハウジングを開発する必要性が回避される。また、遠心分離機を簡単で信頼できる方法で機械に取り付けることができる機械が提供される。
【0037】
したがって、費用効果の高い方法で製造および組み立てするのに適した条件および特性を有する機械が提供される。
【0038】
したがって、上記の問題および欠点のうちの少なくともいくつかを克服する、または少なくとも軽減する機械が提供される。結果として、上記の目的が達成される。
【0039】
任意選択で、機械の接続孔および遠心分離機の接続部分は、一緒に接続界面を形成し、接続界面は、溝を含み、油圧接続部は、溝に流体接続される。これによって、油圧接続部と機械の油圧回路との間の流体接続をより簡単でより信頼できる方法で得ることができる。加えて、油圧接続部の配置についてのより低い公差を用いることができ、機械の油圧回路の孔により低い公差を用いることができるため、遠心分離機のおよび機械の接続孔の製造および組み立てコストを削減できる可能性がある。接続界面の溝は、遠心分離機の接続部分に、または機械の接続孔に配置することができる。
【0040】
任意選択で、接続界面は、溝の各側に少なくとも1つのシーリングを含む。これによって、油圧流体の漏れが簡単で信頼できる方法で回避される。加えて、接続部分の表面および機械の接続孔の表面により低い公差を用いることができるため、遠心分離機のおよび機械の接続孔の製造および組み立てコストを削減できる可能性がある。接続界面のシーリングは、遠心分離機の接続部分に、または機械の接続孔に配置することができる。
【0041】
任意選択で、機械は、内燃機関であり、遠心分離機は、内燃機関によって生成されるクランクケースガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成されている。これによって、遠心分離機の高価で複雑なタービンハウジングおよび機械上の高価で複雑なフランジ界面の必要性を回避する内燃機関が提供される。また、遠心分離機を簡単で信頼できる方法で内燃機関に取り付けることができる内燃機関が提供される。また、比較的簡単で低コストの方法およびツールを用いて内燃機関の接続孔を製造することができる。
【0042】
したがって、費用効果の高い方法で製造および組み立てするのに適した条件および特性を有する内燃機関が提供される。
【0043】
添付の特許請求の範囲および以下の詳細な説明を検討すれば、本発明のさらなる特徴および利点が明らかになるであろう。
【0044】
本発明の特定の特徴および利点を含む、本発明のさまざまな態様が、以下の詳細な説明および添付の図面において議論する例示的な実施形態から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】内燃機関に取り付けられた先行技術の遠心分離機の一例を示す図である。
【
図2】
図1に示す先行技術の遠心分離機および内燃機関の断面を示す図である。
【
図3】機械に取り付けられた、本開示のいくつかの実施形態による遠心分離機の斜視図である。
【
図4】
図3に示す遠心分離機および機械の断面を示す図である。
【
図6】機械に取り付けられた、本開示のいくつかのさらなる実施形態による遠心分離機の断面を示す図である。
【
図7】本開示のいくつかのさらなる実施形態による遠心分離機を示す図である。
【
図8】機械に取り付けられた、本開示のいくつかのさらなる実施形態による遠心分離機の断面を示す図である。
【
図9】
図8に示す遠心分離機の分離機ハウジングの斜視図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による機械を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
次に、本発明の態様をより完全に説明する。全体を通して同様の数字が同様の要素を指す。よく知られている機能または構造は、簡潔および/または明確にするため、必ずしも詳細には説明しない。
【0047】
図1は、内燃機関112に取り付けられた先行技術の遠心分離機100の一例を示す。遠心分離機100は、ガス入口102、ガス出口104、分離機ハウジング105およびタービンハウジング106を含む。タービンハウジング106はフランジ108を含む。タービンハウジング106のフランジ108は内燃機関112のフランジ界面110に取り付けられている。遠心分離機100は、分離機ハウジング106に配置された遠心ロータを用いて内燃機関112によって生成されるクランクケースガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成されている。遠心分離機100の遠心ロータは、簡潔および明確にするという理由のため、
図1に示されていない。ガス入口102は、内燃機関112のクランクケース換気孔に接続することができ、ガス出口104は、内燃機関112の空気入口にまたは大気に接続することができる。
【0048】
図2は、
図1に示す先行技術の遠心分離機100のおよび内燃機関112の断面を示す。
図2において、断面は、
図1に示す断面平面PC内に作製されている。断面平面PCはタービンハウジング106およびタービンハウジング106のフランジ108を通って延在する。また、断面平面PCは内燃機関112のフランジ界面110を通って延在する。
【0049】
図2に見られるように、タービンハウジング106は油圧駆動装置116、118を含む。油圧駆動装置116、118は、遠心分離機100の動作中、遠心分離機100の遠心ロータを回転させるように構成されている。油圧駆動装置116、118は、遠心ロータに接続されたタービン116、およびタービン116上へオイルを排出するように構成されたノズル118を含む。
図2に見られるように、タービンハウジング106は、油圧駆動装置116、118のノズル118を内燃機関112のエンジンオイル回路122に接続する油圧接続部120を含む。
【0050】
エンジンオイルは、内燃機関112の動作中、エンジンオイル回路122および油圧接続部120を介して油圧駆動装置116、118のノズル118に供給される。エンジンオイルは、ノズル118からタービン116上へ排出され、内燃機関112の戻り孔126に接続された戻りダクト124を介して内燃機関112に戻される。内燃機関112の戻り孔126は内燃機関112のエンジンオイルサンプに接続されている。
【0051】
上記から理解されるように、先行技術の遠心分離機100のタービンハウジング106はツリー機能を有する。すなわち、遠心分離機100用のコンソールとして機能し、駆動オイルのための界面を提供し、排出オイルおよび駆動オイルを内燃機関112のエンジンオイルサンプに戻す。燃焼機関112にはさまざまなサイズおよび設計があり、通常、内燃機関112のタイプごとに1つのタイプのタービンハウジング106が開発される。設計は通常複雑であり、工具および製造コストが比較的高い。たとえば、タービンハウジング106のフランジ108および内燃機関112のフランジ界面110には平坦性について高い公差が要求される。また、タービンハウジング106の油圧接続部120の位置および内燃機関112のエンジンオイル回路122の孔122'の位置にも高い公差が要求される。
【0052】
要約すると、部分的に上記の理由により、先行技術の遠心分離機100のタービンハウジング106は遠心分離機100の総コストの大部分を占める。また、先行技術の遠心分離機100は、遠心分離機100の接続のために高価で複雑なフランジ界面110を開発することを内燃機関112の製造業者に要求する。
【0053】
図3は、機械3に取り付けられた本開示のいくつかの実施形態による遠心分離機1の斜視図を示す。遠心分離機1は、機械3によって生成されるガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成されている。遠心分離機1は、分離機ハウジング6、ガス入口10およびガス出口12を含む。遠心分離機1は、ガス入口10からガス出口12へ流れるガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成されている。
【0054】
本明細書でさらに説明するように、機械3は内燃機関とすることができ、遠心分離機1は、内燃機関によって生成されるクランクケースガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成されている。このような実施形態によれば、本明細書でさらに説明するように、遠心分離機1のガス入口10は内燃機関のクランクケース換気孔に接続することができ、ガス出口12は内燃機関の空気入口に、または大気に接続することができる。
【0055】
図4は、
図3に示す遠心分離機1および機械3の断面を示す。
図4に見られるように、遠心分離機1は遠心ロータ5を含む。遠心ロータ5は、遠心分離機1の動作中、回転軸raを中心に回転するように構成されている。
図4において、断面は、回転軸raを含む平面内で作製されている。遠心ロータ5は、遠心ロータ5の回転中、機械3によって生成されるガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成された円錐台状分離ディスク50のスタックを含む。他の実施形態によれば、遠心ロータ5は、円錐状ディスクのスタックを含む代わりに、軸板、回転フィルタ、または回転コアレッサを含むことができる。さらに他の一実施形態において、遠心ロータは、回転フィルタまたは回転コアレッサと組み合わせた遠心ディスクの回転スタックを含むことができる。
【0056】
遠心分離機1は油圧駆動装置(hydraulic drive arrangement)7、9を含む。油圧駆動装置7、9は、遠心ロータ5を回転させるように構成されている。図示の実施形態によれば、油圧駆動装置7、9は、遠心ロータ5に接続されたタービン7、およびタービン7上へ液体を排出するように構成された第1のノズル9を含む。さらなる実施形態によれば、遠心分離機1は、ロータの回転軸からずれた位置で、液体噴射がロータから接線方向に放出され、これによってロータの回転力を提供する反応駆動装置のような、遠心ロータ5を回転させるための他のタイプの油圧駆動装置を含むことができる。また、遠心分離機1の遠心ロータ5には、加圧液体用の中央入口、および遠心ロータ5の回転軸から径方向に離間した少なくとも1つの液体出口を設けることができ、上記出口は少なくとも部分的に接線方向に向けられて遠心ロータ5の反応駆動を達成する。このような反応駆動装置の一例が米国特許出願公開第2005/0198932号に開示されている。
【0057】
図示の実施形態によれば、遠心分離機1は、分離機ハウジング6に接続されたタービンハウジング8を含み、油圧駆動装置7、9はタービンハウジング8に配置されている。遠心分離機1は、油圧駆動装置7、9を機械3の油圧回路(hydraulic circuit)13に接続するための油圧接続部(hydraulic connection)11を含む。機械3の油圧回路13の一部が
図3にも示されている。機械3が内燃機関である実施形態において、油圧回路13は内燃機関のエンジンオイル回路とすることができる。遠心分離機1は、遠心分離機1を機械3に接続するための接続部分15を含む。図示の実施形態によれば、接続部分15はタービンハウジング8上に配置されている。また、図示の実施形態によれば、接続部分15は遠心分離機1の取り付け部15'の一部を形成する。遠心分離機1の取り付け部15'は
図3にも示されている。
図3に示すように、取り付け部15'はいくつかの貫通穴16を含む。貫通穴16は、ねじまたはボルトのような固定要素を受け入れて遠心分離機1を機械3に固定するように構成されている。
【0058】
図4に見られるように、油圧接続部11は接続部分15上に配置されている。また、
図4に見られるように、接続部分15は、機械3の接続孔19に挿入されるように構成されている。
図4に示すように、機械3の油圧回路13は接続孔19に接続され、油圧接続部11は油圧駆動装置7、9を機械3の油圧回路13に接続する。油圧接続部11が接続部分15上に配置され、接続部分15が機械3の接続孔19に挿入されるように構成されているため、本明細書でさらに説明するように、高価で複雑なタービンハウジング8および機械3上の高価で複雑なフランジ界面の必要性を回避する遠心分離機が提供される。
【0059】
図示の実施形態によれば、接続部分15の中心軸caは遠心ロータ5の回転軸raに略平行である。また、図示の実施形態によれば、接続部分15の中心軸caは遠心ロータ5の回転軸raと略同軸である。これらの特徴により、費用効果の高い方法で製造および組み立てするのに適した条件および特性を有するコンパクトな遠心分離機1が提供される。図示の実施形態によれば、遠心分離機1は、機械3が直立使用位置に向き付けられているとき、遠心ロータ5の回転軸raが水平面hpに略平行になるように機械3に接続されるように構成されている。さらなる実施形態によれば、遠心分離機1は、機械3が直立使用位置に向き付けられているとき、遠心ロータ5の回転軸raが、たとえば水平面hpに略垂直であるような、水平面hpを横切るように機械3に接続されるように構成されている。
【0060】
機械3の接続孔19および遠心分離機1の接続部分15は一緒に接続界面20を形成する。接続界面20は溝21を含み、油圧接続部11は溝21に流体接続されている。このように、機械3の油圧回路13からの油圧流体(hydraulic fluid)は、機械3の運転中、溝21を介して油圧接続部11に流入することができる。図示の実施形態によれば、接続界面20は溝21の各側に少なくとも1つのシーリング23、23'を含む。このように、油圧流体の漏れが回避される。
【0061】
図4に見られるように、図示の実施形態によれば、遠心分離機1の接続部分15は溝21を含み、油圧接続部11は溝21に配置されている。また、機械3の油圧回路13は、遠心分離機1の接続部分15が機械3の接続孔19に挿入されているとき、溝21を重ね合わせるように構成されている。さらに、
図4に示されるように、接続部分15は溝21の各側に少なくとも1つのシーリング23、23'を含む。
【0062】
本開示のさらなる実施形態によれば、機械3の接続孔19は溝を含むことができ、遠心分離機1の油圧接続部11は、遠心分離機1の接続部分15が機械3の接続孔19に挿入されているとき、溝を重ね合わせるように構成されている。また、本開示のいくつかの実施形態によれば、機械3の接続孔19は、接続界面20を封止するように構成された1つまたは複数のシーリングを含むことができる。
【0063】
図5は、
図3および
図4に示す遠心分離機1の斜視図を示す。
図5に最もよく見られるように、
図3~
図5に示す実施形態によれば、遠心分離機1の接続部分15は円筒形である。さらなる実施形態によれば、遠心分離機1の接続部分15は略円筒形とすることができる。機械3の接続孔19も円筒形または略円筒形とすることができる。本明細書で用いられるとき、「略円筒形」という表現は、言及される物体が円筒の形状から幾何学的に5%未満ずれていることを包含することができる。
【0064】
図示の実施形態によれば、溝21は接続部分15の円周全体に沿って延在する。さらなる実施形態によれば、溝21は接続部分15の円周の50%より多くに沿って延在することができる。このように、油圧接続部11と機械の油圧回路との間の流体接続をより簡単でより信頼できる方法で得ることができる。すなわち、これらの特徴により、機械に対する遠心分離機1の回転位置における自由度が大きくなる。また、機械の油圧回路の配置における自由度が大きくなり、これにより遠心分離機1のおよび機械の製造および組み立てコストを削減できる可能性がある。
【0065】
図6は、機械3に取り付けられた本開示のいくつかのさらなる実施形態による遠心分離機1の断面を示す。
図6に示す実施形態による遠心分離機1は、
図3~
図5を参照して説明した遠心分離機1と同じ特徴、機能、および利点を含むことができるが、いくつかの違いを以下に説明する。
図6に示す実施形態によれば、遠心分離機1の接続部分15は円錐形であり、狭い部分が機械3に面している。さらなる実施形態によれば、遠心分離機1の接続部分15は、略円錐形とすることができる。
【0066】
図6に見られるように、これらの実施形態によれば、機械3の接続孔19も円錐形、または略円錐形とすることができ、広い方の部分が遠心分離機1に面している。これらの特徴により、遠心分離機1の接続部分15をより簡単な方法で機械3の接続孔19に挿入することができる。本明細書で用いられるとき、「略円錐形」という表現は、言及される物体が円錐の形状から幾何学的に5%未満ずれていることを包含することができる。
【0067】
図7は、本開示のいくつかのさらなる実施形態による遠心分離機1を示す。
図7に示す実施形態による遠心分離機1は、
図3~
図6を参照して説明した遠心分離機1と同じ特徴、機能、および利点を含むことができるが、いくつかの違いを以下に説明する。
図7に示す実施形態によれば、油圧駆動装置7、9は、3つのノズル9、9'、9''、すなわち第1、第2、および第3のノズル9、9'、9''を含み、それぞれがタービン7上へ液体を排出するように構成されている。さらなる実施形態によれば、油圧駆動装置7、9は2つ以上のノズル9、9'、9''を含むことができる。これによって、油圧駆動装置7、9はノズル9、9'、9''の1つまたは複数の故障の場合でも機能し続けることができるので、より信頼できる油圧駆動装置7、9が提供される。ノズル9、9'、9''の故障はたとえば、ノズル9、9'、9''が詰まれば発生する可能性がある。
【0068】
図示の実施形態によれば、遠心分離機1の接続部分15は、接続部分15の円周全体に沿って延在する溝21を含む。各ノズル9、9'、9''は溝21に流体接続され、これにより、ノズル9、9'、9''に機械の油圧回路から液体が供給される簡単で効率的な設計が可能になる。
【0069】
図8は、機械3に取り付けられた本開示のいくつかのさらなる実施形態による遠心分離機1の断面を示す。
図8に示す実施形態による遠心分離機1は、
図3~
図7を参照して説明した遠心分離機1と同じ特徴、機能、および利点を含むことができるが、いくつかの違いを以下に説明する。
図8に示す実施形態によれば、遠心分離機1は、戻り導管25を含む。戻り導管25は、遠心分離機1の遠心ロータ5によって分離された液体および固体粒子を機械3の油圧回路13に戻すように構成されている。図示の実施形態によれば、遠心分離機1は、機械3が直立使用位置に向き付けられているとき、遠心ロータ5の回転軸raが水平面hpに略平行になるように機械3に接続されるように構成されている。
図8に見られるように、戻り導管25は、遠心分離機1が意図された使用位置に向き付けられているとき、遠心ロータ5の回転軸raの下方に配置されている。
図8において、遠心分離機1は意図された使用位置に向き付けられている。また、遠心分離機1が意図された使用位置に向き付けられているとき、戻り導管25は遠心ロータ5の外周5'の下方に配置されている。このように、遠心ロータ5によって分離された液体および固体粒子を重力によって効率的な方法で機械3の油圧回路13に戻すことができる。
【0070】
また、図示の実施形態によれば、戻り導管25は、戻り導管25から機械3の油圧回路13への流体の流れを可能にするように構成された一方向弁27を含み、機械3の油圧回路13から遠心分離機1の戻り導管25への流体の流れを妨げるように構成されている。図示の実施形態によれば、戻り導管25は遠心分離機1の分離機ハウジング6に形成されている。
【0071】
図9は、
図8に示す遠心分離機1の分離機ハウジング6の斜視図を示す。
図9に最もよく見られるように、戻り導管25は狭いスロットとして形成されている。このように、内部ガス流と分離された液体および固体粒子との間の干渉を回避することができる。また、
図9に、ならびに
図8に見られるように、分離機ハウジング6内の戻り導管25の開口25'は、遠心ロータ5の回転軸raの方向に測定されたかなりの長さを備えている。このように、遠心分離機1が水平面hpに対して傾斜しているときでも、分離された液体および固体粒子の流れを分離機ハウジング6から確保することができる。
【0072】
次に
図8を参照して説明する。図示の実施形態によれば、戻り導管25の開口25'の長さは、遠心ロータ5の回転軸raの方向に測定された遠心ロータ5の長さの約100%である。さらなる実施形態によれば、戻り導管25の開口25'の長さは、遠心ロータ5の回転軸raの方向に測定された遠心ロータ5の長さの30%~150%、または50%~135%の範囲内とすることができる。
【0073】
図8および
図9に示すように、遠心分離機1の分離機ハウジング6は、戻り導管の出口部分25''を機械3の油圧回路13に接続するためのフランジ30を含む。
【0074】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による機械3を概略的に示す。図示の実施形態によれば、機械3は内燃機関3'である。内燃機関3'はたとえば、ディーゼルエンジンのような圧縮点火機関、または火花点火装置を備えたオットーエンジンとすることができ、オットーエンジンは、ガス、ガソリン、アルコール、同様の揮発性燃料、またはこれらの組み合わせで作動するように構成することができる。内燃機関3'は、内燃機関3'を含む車両に動力を提供するように構成することができる。車両は、トラック、またはローリ、バス、建設車両、トラクタ、車、船、ボートなどのような、陸または水ベースの推進のための他のタイプの有人または無人の車両とすることができる。
【0075】
内燃機関3'は遠心分離機1を含む。遠心分離機1は、
図3~
図9を参照して説明した実施形態のいずれか1つによる遠心分離機1とすることができる。遠心分離機1は、内燃機関3'によって生成されるクランクケースガスの流れから液体および固体粒子を分離するように構成されている。
図10に見られるように、遠心分離機1のガス入口10は内燃機関3'のクランクケース通気孔35に接続されている。内燃機関3'のガス出口12は内燃機関3'の吸気口系統37に接続されている。このように、遠心分離機1は、内燃機関3'によって生成されるクランクケースガスの流れから液体および固体粒子を分離することができ、浄化された空気を吸気口系統37に戻すことができる。これによって、クランクケースからの液体および固体粒子の排出が回避される。さらなる実施形態によれば、内燃機関3'のガス出口12は大気に接続することができる。
【0076】
図10に示す実施形態によれば、遠心分離機1は、機械3が直立使用位置に向き付けられているとき、遠心分離機1の遠心ロータの回転軸raが水平面hpに略平行になるように機械3に接続されている。
図10において、機械3は直立使用位置に向き付けられている。このように、機械3の鉛直方向vdにおいて遠心分離機1に要求されるスペースが少なくなり、遠心分離機1を機械3上へ配置する際の自由度が多くなる。
【0077】
しかしながら、本開示のさらなる実施形態によれば、遠心分離機1は、機械3が直立使用位置に向き付けられているとき、遠心分離機1の遠心ロータの回転軸raが水平面hpを横切るように機械3に接続することができる。一例として、遠心分離機1は、機械3が直立使用位置に向き付けられているとき、遠心分離機1の遠心ロータの回転軸raが鉛直方向vdに略平行になるように機械3に接続することができる。
【0078】
本明細書で用いられるとき、「略平行」という表現は、参照される物体間の角度が7度未満であることを包含することができる。
【0079】
前述のものはさまざまな例示的な実施形態の例示であり、本発明は添付の請求項によってのみ定義されることが理解されるべきである。当業者は、添付の請求項によって定義されたような、本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態を変更することができ、例示的な実施形態の異なる特徴を組み合わせて本明細書に記載されたもの以外の実施形態を作成することができるということを理解するであろう。
【0080】
本明細書で用いられるとき、「comprising」または「comprises」という用語はオープンエンドであり、1つまたは複数の記載された特徴、要素、ステップ、構成要素、または機能を含むが、1つまたは複数の他の特徴、要素、ステップ、構成要素、機能、またはこれらの群の存在または追加を排除するものではない。
【符号の説明】
【0081】
100 遠心分離機
102 ガス入口
104 ガス出口
106 タービンハウジング
108 フランジ
110 フランジ界面
112 内燃機関
116 タービン
118 ノズル
120 油圧接続部
122 エンジンオイル回路
122' 孔
124 戻りダクト
126 戻り孔
1 遠心分離機
3 機械
3' 内燃機関
5 遠心ロータ
5' 外周
6 分離機ハウジング
7 タービン
8 タービンハウジング
9 第1のノズル
9' 第2のノズル
9'' 第3のノズル
10 ガス入口
11 油圧接続部
12 ガス出口
13 油圧回路
15 接続部分
15' 取り付け部
16 貫通穴
19 接続孔
20 接続界面
21 溝
23 シーリング
23' シーリング
25 戻り導管
25' 開口
25'' 出口部分
27 一方向弁
30 フランジ
35 クランクケース通気孔
37 吸気口系統
50 円錐台状分離ディスク