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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20231113BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231113BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 633P
G09G3/20 621A
G09G3/20 642D
G09G3/20 631B
G09G3/20 612U
G09G3/20 611G
G09G3/20 650J
G09G3/20 660U
G09G3/20 660V
G09G3/20 611A
G09G3/20 670K
G09G3/20 670L
G09G3/20 611E
H04N5/66 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023119315
(22)【出願日】2023-07-21
(62)【分割の表示】P 2022050289の分割
【原出願日】2020-08-20
(65)【公開番号】P2023145574
(43)【公開日】2023-10-11
【審査請求日】2023-08-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】関 文隆
(72)【発明者】
【氏名】前田 健次
(72)【発明者】
【氏名】岡本 卓也
(72)【発明者】
【氏名】山本 真司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 昌文
(72)【発明者】
【氏名】高実 陽一
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-090751(JP,A)
【文献】特開2017-083813(JP,A)
【文献】特開2006-084758(JP,A)
【文献】特開2011-047991(JP,A)
【文献】国際公開第2016/093127(WO,A1)
【文献】特表2018-503112(JP,A)
【文献】特開2015-096935(JP,A)
【文献】特開2013-140373(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0058029(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/3233
G09G 3/20
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自発光素子が配列された画面を備えた表示部と、
前記画面に、表示データに基づく表示を行わせるように、前記表示部を駆動する表示駆動部と、
前記表示データに更新があったとき、1画面分の更新表示データを前記表示駆動部へ転送するホスト制御部と、を備え、
前記表示駆動部は、
前記ホスト制御部から前記更新表示データとして第1表示データが転送された時の第1フレームにおいて、前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動と前記自発光素子の発光との両方を行い、
前記第1表示データの転送時から所定の時間経過して前記第1表示データと異なる他の表示データの転送がある時との間において、前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動と前記自発光素子の発光との両方が行われるリフレッシュフレーム、および、表示データに基づく前記表示部の駆動は行われないが前記自発光素子の発光は行われる休止フレームが存在するように、前記表示部に表示を実行させ
前記リフレッシュフレームは、前記第1フレームでは所望の輝度に到達しない自発光素子を所望の輝度に到達させるために前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動と前記自発光素子の発光との両方を行うフレームであることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
自発光素子が配列された画面を備えた表示部と、
前記画面に、表示データに基づく表示を行わせるように、前記表示部を駆動する表示駆動部と、
前記表示データに更新があったとき、1画面分の更新表示データを前記表示駆動部へ転送するホスト制御部と、を備え、
前記表示駆動部は、
前記ホスト制御部から前記更新表示データとして第1表示データが転送された時の第1フレームにおいて、前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動と前記自発光素子の発光との両方を行い、
前記第1表示データの転送時から所定の時間経過して前記第1表示データと異なる他の表示データの転送がある時との間において、前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動と前記自発光素子の発光との両方が行われるリフレッシュフレーム、および、表示データに基づく前記表示部の駆動は行われないが前記自発光素子の発光は行われる休止フレームが存在するように、前記表示部に表示を実行させ
前記リフレッシュフレームは、前記第1フレームの前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動と前記自発光素子の発光との両方を実行するフレームであることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記表示駆動部は、1画面分の前記第1表示データを記憶するメモリを有し、
記リフレッシュフレームは、前記メモリに記憶された前記第1表示データを読み出し、読み出した前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動と前記自発光素子の発光との両方が行われるフレームであることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示駆動部は、
前記第1フレームにおいて前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動を行った後において前記第1フレーム直後のフレームにおいて前記ホスト制御部から表示データが転送されない場合に、前記第1フレームに連続して、前記リフレッシュフレームとして前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動と前記自発光素子の発光との両方を1回または複数回行うことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示駆動部は、
前記第1フレームにおいて前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動を行った後において前記第1フレーム以降の1つまたは複数のフレームにおいて前記ホスト制御部から表示データが転送されない場合に、前記第1フレームから一定時間経過後、前記リフレッシュフレームとして前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動と前記自発光素子の発光との両方を1回または複数回行うことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記駆動における、前記所定の時間経過後に前記第1表示データに基づいて前記画面の表示内容を更新する頻度を表すリフレッシュレートが、駆動できる最大周波数以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を用いた酸化物半導体によってTFT(Thin Film Transistor)を構成した液晶表示装置が開示されている。特許文献1に記載の液晶表示装置は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を用いた酸化物半導体によってTFT(Thin Film Transistor)が構成されている。酸化物半導体によって構成されたTFTでは、オフ状態における電流の漏れが少ない。そのため、酸化物半導体を利用した表示装置では、リフレッシュレートを例えば1Hz程度にまで低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-52550号公報(2014年3月20日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の液晶表示装置では、低リフレッシュレートで画像を表示する場合、2回以上のリフレッシュ駆動を実施しなければ所望の輝度が得られず、画像の品位劣化を招いてしまう。
【0005】
本発明の一態様は、低周波駆動した場合に、画像の品位劣化を抑える表示装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、自発光素子が配列された画面を備えた表示部と、前記画面に、表示データに基づく表示を行わせるように、前記表示部を駆動する表示駆動部と、前記表示データに更新があったとき、1画面分の更新表示データを前記表示駆動部へ転送するホスト制御部と、を備え、前記表示駆動部は、前記ホスト制御部から前記更新表示データとして第1表示データが転送された時の第1フレームにおいて、前記第1表示データに基づく表示のリフレッシュと前記自発光素子の発光との両方を行い、前記第1表示データの転送時から所定の時間経過して前記第1表示データと異なる他の表示データの転送がある時との間において、表示のリフレッシュと前記自発光素子の発光との両方が行われるリフレッシュフレーム、および、表示データによる表示のリフレッシュは行われないが前記自発光素子の発光は行われる休止フレームが存在するように、前記表示部の駆動を実行し、前記リフレッシュフレームは、前記第1フレームでは所望の輝度に到達しない自発光素子を所望の輝度に到達させるために前記第1表示データに基づく表示のリフレッシュを行う追加リフレッシュフレームである。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、自発光素子が配列された画面を備えた表示部と、前記画面に、表示データに基づく表示を行わせるように、前記表示部を駆動する表示駆動部と、前記表示データに更新があったとき、1画面分の更新表示データを前記表示駆動部へ転送するホスト制御部と、を備え、前記表示駆動部は、前記ホスト制御部から前記更新表示データとして第1表示データが転送された時の第1フレームにおいて、前記第1表示データに基づく表示のリフレッシュと前記自発光素子の発光との両方を行い、前記第1表示データの転送時から所定の時間経過して前記第1表示データと異なる他の表示データの転送がある時との間において、表示のリフレッシュと前記自発光素子の発光との両方が行われるリフレッシュフレーム、および、表示データによる表示のリフレッシュは行われないが前記自発光素子の発光は行われる休止フレームが存在するように、前記表示部の駆動を実行し、前記リフレッシュフレームは、前記第1フレームの表示のリフレッシュを再実行する追加リフレッシュフレームである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、低周波駆動した場合に、画像の品位劣化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係る表示装置において動画を表示するときのタイミングチャートである。
図3】本発明の実施形態2に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態2に係る表示装置において動画を表示するときのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、図1図2を参照して以下に説明する。
【0011】
<表示装置1の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の構成を示すブロック図である。表示装置1は、表示部10と、表示駆動部20と、ホスト制御部30とを備えている。
【0012】
(表示部10)
表示部10は、画像を表示する部材である。表示部10は、有機発光ダイオード11Aを含む有機EL素子11(自発光素子)が配列された画面を備えている。表示部10が表示する画像には、静止画および動画が含まれる。
【0013】
表示部10は、アクティブマトリクス型表示パネルとしての酸化物半導体表示パネルであってもよい。酸化物半導体表示パネルとは、二次元的に配列された複数の画素の少なくとも1つ毎に対応して設けられたスイッチング素子の一部またはすべてに、酸化物半導体-TFT(TFT12)を採用した表示パネルである。酸化物半導体-TFTは、半導体層に酸化物半導体が用いられたTFTである。本実施形態における酸化物半導体は、In、Ga、Znの酸化物を用いた酸化物半導体(InGaZnO系酸化物半導体)で構成されている。
【0014】
酸化物半導体-TFTは、オン状態において流れる電流が大きく、オフ状態におけるリーク電流が小さいため、電荷の保持特性に優れている。そのため、スイッチング素子に酸化物半導体-TFTを採用したことにより、表示部10に表示された画像のリフレッシュレートを低減しても表示品位の低下を抑えることができる。
【0015】
(ホスト制御部30)
ホスト制御部30は、表示データに更新があったときに、1画面分の更新表示データを表示駆動部(20)へ転送する。ホスト制御部30は、画面更新検知部31と、ホスト側記憶部32と、ホスト側TG(タイミングジェネレータ)33とを備えている。ホスト制御部30は、例えば基板上に形成された制御回路で構成されている。具体的には、ホスト制御部30は、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよく、GPU(Graphics Processing Unite)であってもよく、CPUおよびGPUを含む装置であってもよい。
【0016】
画面更新検知部31は、表示部10の画面表示を更新する必要があるかどうかを検知する。画面更新検知部31は、表示部10の画面表示を更新する必要がある場合には、表示する画像が含まれる表示データを取得し、当該表示データをホスト側TG33に出力する。表示部10の画面表示を更新する必要がある場合とは、例えば次に示す(1)から(3)の場合が挙げられる。(1)ホスト側記憶部32内に記憶されたアプリケーションが、表示装置1内で起動され実行中に、表示の更新を画面更新検知部31に通知してきた場合。(2)表示装置1のユーザが入力部(不図示)を介して表示の更新を画面更新検知部31に通知してきた場合。(3)インターネットを介したデータストリーミングまたは放送波等による表示の更新が画面更新検知部31に通知された場合。
【0017】
ここでは、画面更新検知部31が取得する表示データは、表示が更新されるフレームの画像と、該画像を表示するタイミングを示す表示更新フラグ(タイムリファレンス)とを含む。複数フレームに渡って画像の内容が変化しない場合、変化しない間のフレームの画像は、表示データに含まれなくてもよい。画面更新検知部31は、表示更新フラグに基づいて、表示の更新の必要性を検知することができる。
【0018】
なお、表示データに、表示更新フラグが含まれておらず、全てのフレームのデータが含まれている場合、画面更新検知部31は、前のフレームの画像と後のフレームの画像とを比較することにより、画像の内容が変化したか否かを判断することができる。画面更新検知部31は、この比較結果より、表示の更新の必要性を検知することができる。この場合も、画面更新検知部31は、更新されたフレームの時刻から、画像の内容が変化してから次に画像の内容が変化するまでの間隔を検知する。
【0019】
ホスト側記憶部32は、ホスト制御部30が処理するデータを記憶する記憶装置である。ホスト側記憶部32は、VRAM(Video Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等であってよい。ホスト側記憶部32は、ホスト制御部30に内蔵されている構成に限られず、例えば、ホスト制御部30には内蔵されず、ホスト制御部30に外部から接続されている構成であってもよい。「ホスト側記憶部32がホスト制御部30に接続される」とは、ホスト側記憶部32がホスト制御部30に内蔵される態様であってもよく、ホスト制御部30の外部からホスト制御部30と接続されている態様であってもよい。また、表示装置1が備えるホスト側記憶部32は1つに限られず、複数であってもよい。
【0020】
ホスト側TG33は、画面更新検知部31から表示データを取得すると、表示駆動部20に表示データを転送する。ホスト側TG33は、表示データに含まれる表示更新フラグに従って、表示部10の表示の更新が必要な時のみ、更新されるフレーム画像の表示データを表示駆動部20に転送する。表示データの転送は、例えばMIPI(ミピ;Mobile Industry Processor Interface)等のモバイル機器のデータ通信仕様に従って行われてよい。なお、ホスト側TG33は、表示データと共に同期信号を表示駆動部20に転送する。
【0021】
(表示駆動部20)
表示駆動部20は、ホスト制御部30からの指示に基づいて表示部10を駆動する。表示駆動部20は、例えば、表示部10のガラス基板にCOG(Chip on Glass)実装された、いわゆるCOGドライバであってもよく、表示部10のフレキシブル基板にCOF(Chip on Flexible)実装された、いわゆるCOFドライバであってもよい。また、表示駆動部20は、表示部10のプラスチック基板にCOP(Chip on Plastic)実装された、いわゆるCOPドライバであってもよい。表示駆動部20は、表示側記憶部21(メモリ)と、表示側TG22(発光制御部)と、ソースドライバ23とを備える。
【0022】
表示側記憶部21は、ホスト制御部30から転送された表示データを記憶する。表示側記憶部21は、次に表示の更新が行われるまで(すなわち画像の内容が変化しない限り)、表示データを保持し続ける。表示側記憶部21は、ホスト側記憶部32と同様にVRAM等であってよい。
【0023】
表示側TG22は、表示部10を駆動するためのタイミング信号を生成し、ソースドライバ23に供給する。具体的には、表示側TG22は、次の(1)または(2)を行う。(1)ホスト制御部30から受け取った表示データがフレームごとに更新がある場合、表示側TG22は、通常のリフレッシュレート(例えば、120Hz)で画像の表示を行うように、タイミング信号を生成する。
【0024】
(2)ホスト制御部30から受け取った表示データがフレームごとに更新がない場合(換言すれば、所定の時間にかけてホスト制御部30から受け取った表示データに変更が無い場合)、表示側TG22は、通常のリフレッシュレートよりも長い周期(例えば、1Hz未満)で画像の表示を行うように、タイミング信号を生成する。
【0025】
ソースドライバ23は、表示側TG22から供給されたタイミング信号に従って、表示部10の画素に、表示データに対応した表示電圧を書き込む。
【0026】
なお、表示装置1が備える有機EL素子11は、液晶表示素子のように交流駆動ではなく、極性反転が発生しないため焼き付きが発生しづらい。したがって、ホスト制御部30から受け取った表示データがフレームごとに更新がない場合におけるリフレッシュレートは、1Hz未満とすることができる。例えば、ホスト制御部30から受け取った表示データがフレームごとに更新がない場合におけるリフレッシュレートは、例えば、0.017Hz(略1分間に1回更新)であってもよく、0.0056Hz(略3分間に1回更新)であってもよい。表示装置1では、リフレッシュレートを低減させることができるため、電力消費を低減させることができる。
【0027】
なお、表示装置1の好適な例として、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ノート型PC、タブレット端末、電子書籍リーダー、ウェアラブルデバイスまたはPDA等、特に携行性を重視する表示装置を挙げることができる。また、デスクトップ型PC等のように、表示装置は表示部10および表示駆動部20を備えており、ホスト制御部30は表示装置とは異なる装置(例えば、PC本体)に備えられている例についても、本発明の範疇に含まれる。
【0028】
(表示駆動方法)
図2は、表示装置1において動画を表示するときのタイミングチャートである。図2は、いずれも静止画である画像A、画像B、画像Cおよび画像Dが、この順番で表示部10に表示される例を示す。図2に示す例では、画像Aについては、6フレームにかけて表示部10に表示される例を示す。
【0029】
図2に示すように、表示駆動部20は、ホスト制御部30から画像Aについての表示データである第1表示データを受け取った場合、当該第1表示データを表示側記憶部21に記憶させる。
【0030】
次に、表示駆動部20は、1フレーム目(以降では、第1フレームと称する)において第1表示データに基づく表示部の駆動を実行させる。ここで、表示部10を1回のみ駆動させただけでは、有機EL素子11を駆動させるための画素容量に対する充電量が十分ではないため、有機EL素子11が所望の輝度に到達しない。図2に示す例では、1回の駆動によって、有機EL素子11の発光輝度が所望の輝度の80%となっている例を示している。なお、有機EL素子11が所望の輝度に到達しておらず、リフレッシュレートが小さい場合、表示品位の低下につながる。
【0031】
次に、表示側TG22は、第1フレーム以降の複数のフレームにおいてホスト制御部30から第1表示データとは異なる表示データが転送されないため、第1フレームから所定の時間経過後(図2に示す例では、3フレーム後)のフレーム(以降では、追加リフレッシュフレームと称する)において、第1表示データに基づく表示部の駆動(リフレッシュ駆動)を実行させる。このとき、有機EL素子11を駆動させるための画素容量に対してさらに充電を行うため、有機EL素子11を駆動させるための画素容量に対する充電量が十分なものとなる。これにより、有機EL素子11に対して所望の電圧を印加することができる。その結果、輝度が十分でないことに起因する品位低下を解消することができる。また、表示側TG22は、ホスト制御部30から表示駆動部20への更新表示データの更新無しのタイミングで、有機EL素子11を複数回発光させる。
【0032】
ここで、液晶素子では、焼き付きを防止するために極性反転を行う必要があるため、複数のフレームによって画素容量に対する充電量を十分なものとし、かつ極性偏りによる焼き付きを回避するためには、少なくとも3つのフレームにおいて表示部を駆動させる必要がある。これに対して、表示装置1が備える有機EL素子11は、液晶表示素子のように交流駆動ではなく、極性反転が発生しないため焼き付きが発生しづらいため、交流駆動を行う必要がない。そのため、少なくとも2つのフレームにおいて表示部10を駆動させることにより、画素容量に対する充電量を十分なものとすることができる。その結果、液晶素子と比べて消費電力を低減させることができる。
【0033】
次に、表示駆動部20は、7フレーム目以降の連続したフレームにおいて、ホスト制御部30から受け取った画像B、画像Cおよび画像Dについての表示データに基づいて通常のリフレッシュレートで表示部10に画像の表示を実行させる。なお、通常のリフレッシュレートにおいても、有機EL素子11を駆動させるための画素容量に対する充電量が十分ではないが、画像の変化が早いため、輝度が十分でないことに起因する品位低下は限定的である。
【0034】
以上のように、表示装置1は、表示部10のTFT12がIn、Ga、Znを用いた酸化物半導体によって構成されており、発光素子が有機EL素子11にて構成されている。これにより、リフレッシュレートを1Hz未満とすることができる。これにより、消費電力を低減させることができる。
【0035】
また、表示装置1では、第1フレームにおいて第1表示データに基づく表示部10の駆動を行った後において第1フレーム以降の複数のフレームにおいてホスト制御部30から第1表示データとは異なる表示データが転送されない場合に、第1フレームから所定の時間経過後の追加フレームにおいて、第1表示データに基づく表示部10のリフレッシュ駆動を行い、有機EL素子11に対して所望の電圧を印加する。これにより、2つのフレームにおいて表示部10を駆動させることにより、画素容量に対する充電量を十分なものとすることができ、輝度が十分でないことに起因する品位低下を解消することができる。
【0036】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0037】
図3は、本実施形態に係る表示装置1Aの構成を示すブロック図である。表示装置1Aは、実施形態1における表示駆動部20に代えて、表示駆動部20Aを備えている。表示駆動部20Aは、実施形態1における表示駆動部20の構成に加えてDuty値制御部24をさらに備えている。
【0038】
Duty値制御部24は、有機EL素子11を発光させる際に1フレームにおいて有機EL素子11の発光時間の割合であるDuty値を制御する。具体的には、Duty値制御部24は、第1フレームから追加フレームの1つ前のフレームにおいて、有機EL素子11を発光させる時間を、追加フレーム以降において有機EL素子11を発光させる時間よりも長くするようDuty値を制御する。換言すれば、Duty値制御部24は、1つ前のフレームと異なる画像を表示部10に表示させる場合、当該異なる画像を表示する1フレーム目において、通常のDuty値よりも大きなDuty値となるようにDuty値を設定する。このとき、Duty値制御部24は、当該1フレーム目において、有機EL素子11から照射される光の輝度が、所望の輝度となるようにDuty値を設定する。具体的には、Duty値制御部24は、当該1フレーム目において表示する表示データの各階調の含有量と、前記各階調の充電量とに基づいてDuty値を決定する。
【0039】
また、Duty値制御部24は、第1フレームにおいて第1表示データに基づく表示部10の駆動を行った後において第1フレーム以降の複数のフレームにおいてホスト制御部30から第1表示データとは異なる表示データが転送されない場合に、追加フレームにおいて、通常のDuty値となるようにDuty値を設定する。これにより、追加フレーム以降のフレームでは、所望の輝度で画像を表示することができる。
【0040】
図4は、表示装置1Aにおいて動画を表示するときのタイミングチャートである。図4は、いずれも静止画である画像A、画像B、画像Cおよび画像Dが、この順番で表示部10に表示される例を示す。図4に示す例では、画像Aについては、6フレームにかけて表示部10に表示される例を示す。
【0041】
次に、表示駆動部20は、第1フレームにおいて第1表示データに基づく表示部の駆動を実行させる。このとき、表示部10は、Duty値制御部24によって定められた、通常のDuty値(図4の例では、50%)よりも大きなDuty値(図4の例では、60%)を適用して画像の表示を行う。これにより、表示部10は、所望の輝度で画像の表示を行うことができる。
【0042】
次に、表示側TG22は、第1フレーム以降の複数のフレームにおいてホスト制御部30から第1表示データとは異なる表示データが転送されないため、追加フレームにおいて、第1表示データに基づくに基づく表示部の駆動(リフレッシュ駆動)を実行させる。このとき、有機EL素子11を駆動させるための画素容量に対してさらに充電を行うため、有機EL素子11を駆動させるための画素容量に対する充電量が十分なものとなる。その結果、表示部10は、通常のDuty値(図4の例では、50%)とした場合でも所望の輝度を得ることができる。
【0043】
次に、表示駆動部20は、7フレーム目以降の連続したフレームにおいて、ホスト制御部30から受け取った画像B、画像Cおよび画像Dについての表示データに基づいて通常のリフレッシュレートで表示部10に画像の表示を実行させる。本実施形態では、画像B、画像Cおよび画像Dの表示を行う場合、それぞれの表示におけるDuty値は、Duty値制御部24によって定められた通常よりも大きなDuty値を適用して画像の表示を行うため、表示部10は、所望の輝度で画像の表示を行うことができる。
【0044】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図1および図2を参照して以下に説明する。本実施形態に係る表示装置1Bでは、ホスト制御部30が、バイアス決定部34をさらに備えている点において、実施形態1に係る表示装置1と異なる。
【0045】
図2に示すように、画像Aを表示させる場合には、第1フレームと追加フレームとの間のフレームにおいて、表示のリフレッシュと有機EL素子11の発光との両方が行われる更新フレームと、表示のリフレッシュは行われないが有機EL素子11の発光は行われる休止フレームとが混在する。このように、更新フレームおよび休止フレームの両方におけるEL素子の発光は、自己発光素子であるEL素子を備える表示装置1Bでは、表示部10の表示を継続するために必須となる。
【0046】
EL素子では、更新フレームと休止フレームとの間で有機EL素子11の発光輝度に差が生じ、これがちらつきの原因となることが知られている。これは、有機EL素子11に備えられる、有機EL素子11の発光電流量を調整するトランジスタにおける、更新フレームと休止フレームとの間で生じる特性シフトが原因であることがわかっている。当該特性シフトは、更新フレームと休止フレームとの間で、TFT12に印加される電圧の大きさが異なるために生じるものである。
【0047】
本実施形態に係る表示装置1Bは、上記特性シフトを低減するために、TFT12に、休止フレームでも更新フレームの場合と略同様の大きさの電圧が印加されるように、バイアス電圧を印加する。バイアス電圧は、休止フレームにおける有機EL素子11が発光していない時間である消灯時間に、TFT12に印加されることが好ましい。
【0048】
ここで、休止フレームにおける有機EL素子11の消灯時間の長さは、TFT12の発光デューティおよび発光パルス数等によって異なる。そのため、表示装置1Bは、上記消灯時間の長さに応じた大きさのバイアス電圧をTFT12に印加すれば、有機EL素子11の特性および表示部10の表示設定等に関わらず、略同様の大きさの電圧をTFT12に印加できる。したがって、更新フレームと休止フレームとの間で、TFT12に印加される電圧の大きさを略同様とすることが容易となる。
【0049】
図1に示すように、ホスト制御部30は、バイアス決定部34を備えている。バイアス決定部34は、低いリフレッシュレートで表示する場合に、TFT12に印加するバイアス電圧の大きさを決定する。バイアス決定部34は、バイアス電圧の大きさについて、休止フレームにおける有機EL素子11の消灯時間の長さに応じて、バイアス電圧の大きさを決定する。言い換えれば、低いリフレッシュレートで表示する場合に、バイアス決定部34は、休止フレーム中における有機EL素子11が発光していない消灯時間の長さに応じて、バイアス電圧の大きさを決定する。
【0050】
より具体的には、バイアス決定部34は、休止フレームにおける有機EL素子11の消灯時間が短いほど、バイアス電圧の大きさを大きな値に決定してよい。例えば、バイアス決定部34は、休止フレームにおける有機EL素子11の消灯時間が所定の閾値未満である場合には、バイアス電圧を第1電圧に決定する。そして、バイアス決定部34は、休止フレームにおける有機EL素子11の消灯時間が上記所定の閾値以上である場合には、バイアス電圧を第1電圧よりも小さい第2電圧に決定してよい。
【0051】
このような構成によれば、ホスト制御部30は、画像の階調および表示部10の画面の輝度値から、ちらつきが生じやすい画像であると判定した場合に、バイアス電圧を変更できる。したがって、ホスト制御部30は、画像の内容に応じて、ちらつきが生じにくいように最適なバイアス電圧を、TFT12に印加できる。
【0052】
なお、図3では、実施形態2に係る表示装置1Aについてバイアス決定部を図示していないが、表示装置1Aの表示駆動部20Aがバイアス決定部を備えており、当該バイアス決定部が上述の処理を実行してもよい。
【0053】
(変形例)
バイアス決定部34によるバイアス電圧の大きさの決定処理は、上述の決定処理の内容に限られず、様々な変形例が考えられる。
【0054】
バイアス決定部34は、表示部10の特性に応じて、バイアス電圧の大きさを決定してもよい。ここで、表示部10の特性とは、上記トランジスタの特性シフトが、リフレッシュレートが低くなるにつれて、どの程度発生しやすくなるかを示すものであってよい。例えば、表示部10の特性によっては、設定可能な最も低いリフレッシュレート(例えば、0.0056Hz)まで、略同一のバイアス電圧によりTFT12の特性シフトを防止可能である場合がある。この場合、バイアス決定部34は、バイアス電圧を、上記最も低いリフレッシュレートの場合に最も余裕がある大きさに決定してよい。
【0055】
一方、表示部10の特性によっては、低いリフレッシュレートでは、略同一のバイアス電圧でTFT12の特性シフトを防止することが困難となる場合もある。この場合、バイアス決定部34は、休止フレームの連続が所定の期間経過した後に、バイアス電圧をより適切な値に変更していってもよい。
【0056】
また、バイアス決定部34は、表示部10の温度に応じて、バイアス電圧の大きさを決定してもよい。すなわち、表示部10は、表示部10の温度を検知する温度センサを備えており、バイアス決定部37は、当該温度センサから表示部10の温度を取得してもよい。これは、表示部10の温度が高いほど、TFT12の特性シフトが起こりやすくなるため、より厳密なバイアス電圧の制御が必要となるためである。
【0057】
また、リフレッシュレートの値と、表示部10の特性とによっては、バイアス決定部34によるバイアス電圧の制御のみでは、ちらつきの発生を十分に防止できない場合も考えられる。これは例えば、上記トランジスタに印加可能な電圧の上限値よりも、バイアス決定部37が決定した電圧の方が大きい場合である。この場合、ホスト制御部30は、リフレッシュレートの下限値を設定し、当該下限値以下のリフレッシュレートには決定しないようにしてもよい。言い換えれば、バイアス決定部37が決定したバイアス電圧が、EL素子に印加できる電圧よりも大きい場合、決定できるリフレッシュレートの下限値を、上記第1レートよりも高い値に設定してよい。
【0058】
また、表示部10の画面の輝度値によって、ちらつきの視認性は異なる。したがって、バイアス決定部34は、輝度値に応じてバイアス電圧の大きさを決定してもよい。例えば、表示部10の画面の輝度値が小さいほどちらつきの視認性が高まることから、バイアス決定部34は、上記輝度値が所定の閾値未満である場合に、バイアス電圧の決定を行ってもよい。このとき、ホスト制御部30は、上記輝度値に応じて、リフレッシュレートの下限値を設定してもよい。
【0059】
〔ソフトウェアによる実現例〕
表示装置1、1A、1Cの制御ブロック(特に、ホスト制御部30および表示駆動部20、20A)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0060】
後者の場合、表示装置1、1A、1Cは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0061】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置1、1A、1Bは、自発光素子が配列された画面を備えた表示部と、前記画面に、表示データに基づく表示を行わせるように、前記表示部を駆動する表示駆動部と、前記表示データに更新があったとき、1画面分の更新表示データを前記表示駆動部へ転送するホスト制御部と、を備え、前記表示駆動部は、前記自発光素子を発光させる発光制御部と、1画面分の前記更新表示データを記憶するメモリとを備え、前記表示駆動部によって、前記更新表示データに基づいた前記表示部の駆動を終了する駆動終了時刻から所定の時間経過後に、前記メモリに記憶された前記更新表示データを読み出し、読み出した更新表示データを用いて、前記画面を駆動し、前記ホスト制御部から前記表示駆動部への前記更新表示データの更新無しのタイミングで、前記自発光素子を1回以上駆動させる。
【0062】
本発明の態様2に係る表示装置は、上記態様1において、前記表示部は、酸化物半導体によってTFTが構成されており、前記表示駆動部は、第1フレームにおいて第1表示データに基づく前記表示部の駆動を行った後において前記第1フレーム直後のフレームにおいて前記ホスト制御部から表示データが転送されない場合に、前記第1フレームに連続して、追加フレームとして前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動を1回または複数回行ってもよい。
【0063】
本発明の態様3に係る表示装置は、上記態様1において、前記表示部は、酸化物半導体によってTFTが構成されており、前記表示駆動部は、第1フレームにおいて第1表示データに基づく前記表示部の駆動を行った後において前記第1フレーム以降の1つまたは複数のフレームにおいて前記ホスト制御部から表示データが転送されない場合に、前記第1フレームから一定時間経過後、追加フレームとして前記第1表示データに基づく前記表示部の駆動を1回または複数回行ってもよい。
【0064】
本発明の態様4に係る表示装置は、上記態様2または3において、前記駆動における、前記所定の時間経過後に前記第1表示データに基づいて前記画面の表示内容を更新する頻度を表すリフレッシュレートが、駆動できる最大周波数以下であってもよい。
【0065】
本発明の態様5に係る表示装置は、上記態様3において、前記表示駆動部は、前記第1フレームから前記追加フレームの1つ前のフレームにおいて、前記自発光素子を発光させる時間を、前記追加フレーム以降において前記自発光素子を発光させる時間よりも長くするように前記表示部を駆動させてもよい。
【0066】
本発明の態様6に係る表示装置は、上記態様5において、前記第1フレームから前記追加フレームの1つ前のフレームにおいて前記自発光素子を発光させる時間は、前記第1表示データの各階調の含有量と、前記各階調の充電量とに基づいて算出してもよい。
【0067】
本発明の態様7に係る表示装置は、上記態様1から6のいずれかにおいて、データの書き換えを伴わない駆動を休止フレーム中に1回以上行ってもよい。
【0068】
本発明の態様8に係る表示装置は、上記態様7において、前記表示装置が備える個体の特性に応じて、データの書き換えを伴わない駆動で使用される電圧の大きさおよび期間の少なくとも一方を決定してもよい。
【0069】
本発明の態様9に係る表示装置は、上記態様7において、前記表示装置が備える表示部の温度に応じて、データの書き換えを伴わない駆動で使用される電圧の大きさおよび期間の少なくとも一方を決定してもよい。
【0070】
特許文献1の液晶表示装置では、低リフレッシュレートで画像を表示する場合、2回以上のリフレッシュ駆動を実施しなければ所望の輝度が得られず、画像の品位劣化を招いてしまう。また、所望の品位を得るために無秩序に駆動を行うと、消費電力が増加してしまう。
【0071】
本発明の一態様は、低周波駆動した場合に、画像の品位劣化を抑えるとともに、消費電力を低減できる表示装置を実現することを目的とする。
【0072】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、自発光素子が配列された画面を備えた表示部と、前記画面に、表示データに基づく表示を行わせるように、前記表示部を駆動する表示駆動部と、前記表示データに更新があったとき、1画面分の更新表示データを前記表示駆動部へ転送するホスト制御部と、を備え、前記表示駆動部は、前記自発光素子を発光させる発光制御部と、1画面分の前記更新表示データを記憶するメモリとを備え、前記表示駆動部によって、前記更新表示データに基づいた前記表示部の駆動を終了する駆動終了時刻から所定の時間経過後に、前記メモリに記憶された前記更新表示データを読み出し、読み出した更新表示データを用いて、前記画面を駆動し、前記ホスト制御部から前記表示駆動部への前記更新表示データの更新無しのタイミングで、前記自発光素子を1回以上駆動させる。
【0073】
本発明の一態様によれば、低周波駆動した場合に、画像の品位劣化を抑えるとともに、消費電力を低減できる。
【0074】
本発明の一態様に係る表示装置は、自発光素子が配列された画面を備えた表示部と、前記画面に、表示データに基づく表示を行わせるように、前記表示部を駆動する表示駆動部と、前記表示データに更新があったとき、1画面分の更新表示データを前記表示駆動部へ転送するホスト制御部と、を備え、前記表示駆動部は、前記自発光素子を発光させる発光制御部を有し、前記発光制御部は、前記自発光素子を一定周期にて連続して発光させ、前記表示駆動部は、前記表示データの更新から所定の時間経過して前記表示データの更新がない時に、前記表示データの更新時と前記表示データの更新から所定の時間経過して前記表示データと異なる他の表示データの更新がある時との間のフレームにおいて、表示のリフレッシュと前記自発光素子の発光との両方が行われる更新フレームと、表示のリフレッシュは行われないが前記自発光素子の発光は行われる休止フレームとが混在するように前記表示部の駆動を実行する。
【0075】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0076】
1、1A、1B 表示装置
10 表示部
11 有機EL素子11
11A 有機発光ダイオード
20、20A 表示駆動部
21 表示側記憶部(メモリ)
30 ホスト制御部
図1
図2
図3
図4