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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】積層シート、ラベル及び触感付与容器
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/20 20060101AFI20231114BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20231114BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20231114BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20231114BHJP
   B65D 23/00 20060101ALI20231114BHJP
   B65D 23/08 20060101ALI20231114BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
B32B27/20 Z
B32B27/00 101
B32B27/30 A
B32B27/40
B65D23/00 H
B65D23/08 Z
G09F3/00 Q
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019064572
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020163628
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】戸田 順子
(72)【発明者】
【氏名】関川 未奈
(72)【発明者】
【氏名】中島 篤志
【審査官】石塚 寛和
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-205768(JP,A)
【文献】特開2009-023549(JP,A)
【文献】特開平08-142271(JP,A)
【文献】特開2003-213141(JP,A)
【文献】特開平05-287199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B65D 23/00-25/56
G09F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム状の基材と、
バインダー樹脂とフィラーとを含んで前記基材の第一面に設けられ、前記フィラーの一部が表面に露出し、前記フィラーの他の一部が内部に存在する触感付与層と、
を備え、
前記バインダー樹脂は熱可塑性樹脂であり、
前記フィラーは、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂のいずれかを主成分とする、平均粒子径が5μm~100μmの粒子であり、
前記フィラーの質量は、前記バインダー樹脂の質量の1%以上30%以下であり、
前記バインダー樹脂は、ポリプロピレンからなる第1樹脂と、低密度ポリエチレンからなる第2樹脂とを含み、
前記第1樹脂と前記第2樹脂との比が1:19から19:1の範囲内である、
積層シート。
【請求項2】
前記基材は、少なくとも一方の面に印刷層を有する、
請求項1に記載の積層シート。
【請求項3】
前記触感付与層の厚さが20μm以上500μm以下である、
請求項1に記載の積層シート。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の積層シートと、
前記基材において、前記第一面と反対側の第二面に設けられた接着層と、
を備える、
ラベル。
【請求項5】
容器本体と、
前記触感付与層を露出させて前記容器本体に取り付けられた、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層シートと、
を備える、
触感付与容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層シート並びにこの積層シートを用いたラベル及び触感付与容器に関する。
【背景技術】
【0002】
市場に流通している種々の製品の容器には、表面に、ラベルやフィルムが貼り付けられたり、巻き付けられたりしている。このラベルやフィルムは、プラスチック樹脂からなるシートに文字、記号又は図形などの視覚情報を印刷した印刷層や、この印刷層を容器表面に接着するための接着層等を積層して形成されている。かつては、ラベルやフィルムの目的は主に、視覚情報を伝えることや、視覚情報が記載されるラベルの剥離や印刷表示の劣化の抑制であった。
しかし近年では、製品の訴求力を高めるため、消費者に使用感や高級感を連想させ、使用中の満足感を高めるために、容器にさらに触感を付与することが求められている。
【0003】
従来、様々に、触感を持つ積層シート及び積層シートを用いたラベルが発明されている。
特許文献1には、透明な基材シートの一方の面に印刷された地柄や能書に対して、同一面又は他方の面から重ねられた塗工部位を表面とすることによって触感を持つフィルムについて記載されている。
特許文献2には、印刷基質上に透明な不織フィルムを接着し印刷面に布地の触感をもつフィルムについて記載されている。
特許文献3には、特定の硬さ、動摩擦係数及び粗さを与えたフィルムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5337092号公報
【文献】特開平11-338351号公報
【文献】特開2017-170830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1から3に記載の発明は、凸部を形成するように樹脂をパターン状にコーティングしてなるものやフィルム自体が触感を有するものであり、十分な触感を得るためには、コーティング膜厚を厚くする必要があるため、触感層の耐久性の低下やコストの増大を生じる。またコーティング膜厚を薄くした場合は、触感が十分な仕上がりとならないなどの課題を有している。
不織フィルムも独特な手触り感を有するものの、しっとり感やさらさら感を得るまでには至っていない。
【0006】
上記事情を踏まえ、本発明は、しっとり感やさらさら感を合わせて発現でき、耐久性を持つ積層シート、この積層シートを用いたラベル及び触感付与容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様は、バインダー樹脂中にフィラーを含む触感付与層を持つ積層シートである。
本発明の積層シートは、フィルム状の基材と、バインダー樹脂とフィラーとを含んで前記基材の第一面に設けられ、前記フィラーの一部が表面に露出し、前記フィラーの他の一部が内部に存在する触感付与層と、を備え、前記バインダー樹脂は熱可塑性樹脂であり、前記フィラーは、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂のいずれかを主成分とする、平均粒子径が5μm~100μmの粒子であり、前記フィラーの質量は、前記バインダー樹脂の質量の1%以上30%以下であり、前記バインダー樹脂は、ポリプロピレンからなる第1樹脂と、低密度ポリエチレンからなる第2樹脂とを含み、前記第1樹脂と前記第2樹脂との比が1:19から19:1の範囲内であることを特徴としている。
【0009】
本発明の積層シートにおいて、前記触感付与層の厚さを20μm(マイクロメートル)~500μmの範囲としてもよい。
【0010】
前記基材は、少なくとも一方の面に印刷層を有していてもよい。
【0011】
本発明の積層シートは、前記触感付与層の厚さが20μm以上500μm以下であってもよい。
【0012】
本発明の第二の態様は、前記積層シートを用いたラベルである。
本発明のラベルは、本発明の積層シートと、前記基材において、前記第一面と反対側の第二面に設けられた接着層と、を備えることを特徴としている。
【0013】
本発明の第三の態様は、前記積層シートを用いた触感付与容器である。
本発明の触感付与容器は、容器本体と、前記触感付与層を露出させて前記容器本体に取り付けられた、本発明の積層シートと、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、しっとり感やさらさら感を合わせて発現でき、耐久性を持つ積層シート、ラベル及び触感付与容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に第一実施形態に係る積層シートの概略断面図である。
図2】積層シートの他の例の概略断面図である。
図3】本発明の第二実施形態に係るラベルの概要図である。
図4】本発明の第三実施形態に係る触感付与容器の概要図である。
図5】触感付与容器の他の例の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の各実施形態について、図1から図5を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る積層シート1の概略断面図である。積層シート1は、基材10と、触感付与層11と、を有する。触感付与層11は、バインダー樹脂12と、フィラー13と、を有する。基材10の第一面10Fに、触感付与層11が積層されている。
【0017】
図2は、本発明の第一実施形態に係る積層シート2の概略断面図である。積層シート2は、基材10と、触感付与層11と、印刷層16と、を有する。また、触感付与層11は、バインダー樹脂12と、フィラー13と、からなる。基材10の第一面10Fに触感付与層11を積層し、第二面10Bに印刷層16を積層している。
【0018】
基材10は、各種樹脂材料で形成でき、例えばポリエチレンテレフタレート等が好適である。
【0019】
バインダー樹脂12は、各種樹脂材料で形成でき、例えばポリプロピレン樹脂と低密度ポリエチレンとの混合物等が好適である。また、フィラー13は、各種樹脂材料で形成でき、例えばジビニルベンゼンを主成分としたもの等が好適である。
【0020】
印刷層16は、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等の公知の各種印刷法で形成でき、例えば公知のグラビア印刷等が好適である。印刷層16の厚みは、例えば1~8μm、好ましくは2~5μm程度である。
【0021】
なお、基材10及び触感付与層11は透明であり、触感付与層11及び基材10を通して印刷層16に印刷された文字、記号、図形、絵柄等が視認可能である。
【0022】
上記のように構成された積層シート1及び積層シート2は、適度な弾力性を有するバインダー樹脂12によりしっとり感を発現し、さらにフィラー13によりさらさら感を発現する。触感付与層11の表面が摩擦により劣化してフィラー13の剥離を生じたとしても、触感付与層11内部に存在するフィラー13が表面に露出することで、触感が保たれる。
【0023】
本実施形態において、基材10には、ポリエチレンテレフタレート以外の熱可塑性樹脂材料を用いてもよい。使用が好ましい材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アートン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂およびポリアミド樹脂がより好ましい。さらにポリエステル樹脂フィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。また、基材10は、上記の樹脂からなる単層、または2層以上が積層されたプラスチック積層フィルムとしてもよい。
【0024】
また、基材10の厚みは、30μm~300μmの範囲が好ましく、強度や加工適性等の観点からは50μm~250μmの範囲がより好ましい。
【0025】
さらに、基材10には、触感付与層11との接着性を良好にするために、第一面10Fに易接着処理を予め施してもよく、基材10にポリエチレンテレフタレートを用いる場合には、触感付与層11が積層される第一面10Fには易接着処理を積層することが好ましい。
【0026】
触感付与層11の厚みは、20μm~500μmの範囲であり、50μm~300μmの範囲が好ましい。
【0027】
バインダー樹脂12には、ポリプロピレン樹脂と低密度ポリエチレンとを混合した材料以外の樹脂材料を用いてもよい。使用する材料としては、軟質プラスチックが好ましく、例えばエチレン-酢酸ビニル系樹脂、エチレン-塩化ビニル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル-特殊エステル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル-塩化ビニル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル-アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ゴム系樹脂等の各種共重合樹脂が挙げられる。これらの中でもエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂ポリエチレン系樹脂からなる群から選択される1種または2種以上を用いることがより好ましく、とくにエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)がより好ましい。これらの樹脂から選択される樹脂において、第1の樹脂の含有量(M1)と、第2の樹脂の含有量(M2)との比を1:19から19:1の範囲とすることが好ましく、とくに1:4から4:1の範囲とすることがより好ましく、これにより適度な弾力性を有することができ、しっとり感を発現させることができる。
【0028】
フィラー13には、ジビニルベンゼンを主成分とした材料以外の樹脂材料を用いてもよい。使用が好ましい材料としては、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂であり、さらには無機系材料を用いてもよく、架橋アクリル、架橋PMMA、架橋ポリスチレン、ナイロン、ポリエステル等の有機フィラー、シリカ、アルミナ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト等の無機フィラー、さらには有機・無機ハイブリッドフィラーが挙げられる。
【0029】
また、フィラー13は、粒子の平均粒子径が10μm~100μmの範囲であり、微粒子状であることが好ましい。微粒子状であることで、フィラー13により触感付与層11の表面に形成される凹凸は、ざらざら感を生じにくく、さらさら感を付与することができる。
【0030】
バインダー樹脂12の質量に対するフィラー13の質量は1%~30%の範囲が好ましく、5%~20%の範囲がより好ましい。
【0031】
印刷層16は、基材10の第二面10Bではなく、第一面10Fに形成してもよい。
【0032】
また、印刷層16は、グラビア印刷法以外に、公知のオフセット印刷法、フレキソ印刷法又はスクリーン印刷法を用いてもよい。
【0033】
さらに、印刷層16の厚さは、例えば1μm~8μmの間で適宜設定でき、2μm~5μm程度がより好ましい。
【0034】
触感付与層11と、基材10又は印刷層16との間に接着層を形成してもよい。接着層を形成することで、触感付与層11と、基材10又は印刷層16との接着性を高めることができる。触感付与層11のバインダー樹脂12と、基材10又は印刷層16との双方の材質に応じて、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、塩化ビニル・酢ビニル共重合物、セルロース系等の接着剤など公知の接着剤を含め、適宜選択、使用することができる。接着層の形成には、公知のグラビアコート法、ロールコート法、リバースロールコート法等のコーティング方法を用いることができる。また、より接着性を高めるために、触感付与層11と、基材10又は印刷層16との間にプライマー層を形成してもよい。プライマー層の材料は、プライマー層と接する双方の層と接着性のよい樹脂等の材料であればよい。プライマー層形成には、グラビアコート法、ロールコート法、リバースロールコート法等のコーティング方法を用いることができる。
【0035】
図3は、本発明の第二実施形態に係るラベル3の概要図である。
ラベル3は、第一実施形態の積層シート1において、基材10の第二面10Bに接着層14を積層することにより形成している。
【0036】
上記のように構成されたラベル3は、積層シート1と同様の効果を有し、さらに、接着層14を介して、製品容器等の所望の位置に貼り付けることができる。
【0037】
図4は、本発明の第三実施形態に係る触感付与容器20の概要図である。
触感付与容器20は、容器本体21と、第二実施形態のラベル3と、を備えている。
【0038】
容器本体21は、例えば内容物を充填包装したポリエステル製のボトルである。ラベル3の接着層14を介して、ラベル3を容器本体21に貼付している。
【0039】
上記のように構成された触感付与容器20は、積層シート1を用いたラベル3を貼付していることにより、ラベル3部分に触れた使用者にしっとり感やさらさら感などの触感を提示する。
本実施形態において、容器本体の寸法、材質、形状又は内容物等は、いずれも適宜変更できる。
【0040】
図5は、本発明の第三実施形態に係る触感付与容器30の概要図である。
触感付与容器30は、容器本体31と、第一実施形態の積層シート1と、を備えている。
【0041】
容器本体31は、内容物を充填包装したポリエステル製のボトルである。容器本体31のボトルの周面に積層シート1を巻き付け、積層シート1の端部同士を接着剤等で接着して、容器本体31に積層シート1を取り付けている。
【0042】
上記のように構成された触感付与容器30は、積層シート1を容器本体31に直接取り付けるため接着層を形成する必要がなく、製造コストが削減できる。
本実施形態において、容器本体の寸法、材質、形状又は内容物等は、いずれも適宜変更できる。
【0043】
本発明の実施例を以下に示す。
実施例1は、第一実施形態の積層シート2に相当する積層シートである。
【0044】
基材10として、厚さ12μm(マイクロメートル)のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東レ株式会社製、製品名「P60」)を用いた。
【0045】
バインダー樹脂12として、ポリプロピレン樹脂(株式会社プライムポリマー製、製品名「F-744NP」)と低密度ポリエチレン(タマポリ株式会社製、製品名「V-1」)とを60:40の比で混合した材料を用いた。また、フィラー13として、ジビニルベンゼンを主成分とした粒子径5μmの材料(積水化学工業株式会社製、製品名「ミクロパール」)を用いた。
【0046】
積層シート2の形成方法については、まず、基材10の裏面10Bに、公知のグラビア印刷方式にて、グラビア印刷インキを使用し、文字、記号、図形、絵柄等からなり、厚さ5μmの印刷層16を形成した。
【0047】
次に、バインダー樹脂12に対して、バインダー樹脂12の質量の10%の質量のフィラー13を添加し、十分に混練した混合物を形成した。
【0048】
そして、上記混合物を、公知のTダイ押出ラミネーション法により、基材10の表面10Fに、100μm積層した。なお、上記混合物を十分に混錬していることにより、フィラー13は、バインダー樹脂12に被覆されているものと、一部がバインダー樹脂12から露出しているものとからなった。
また、形成された実施例1の積層シートの触感において、しっとり感とさらさら感が両立されていることを確認した。
【0049】
実施例2は、第二実施形態のラベル3及び第三実施形態の触感付与容器20に相当するラベル及び触感付与容器である。
【0050】
実施例1で形成した積層シート2の印刷層16に、ウレタン系(DICグラフィックス株式会社製、製品名「ディックドライ(登録商標)LX-500」)をグラビアコート法にて、塗布量10g/mで塗布し接着層14を形成し、ラベル3を得た。
【0051】
容器本体21へのラベル3の貼付は、ポリエステル製の容器本体21と、ラベル3に接着層14を介して剥離シートを積層したものとを公知の自動ラベリングマシンに投入し、ラベル3に積層された剥離シートを除去し、接着層14を介して容器本体21にラベル3を圧着して行った。
また、実施例2で製造した触感付与容器20を、ラベル3が貼付された部分において手で持つと、しっとり感とさらさら感が両立した触感とこの触感に伴った高級感を感じ、濡れた手で持っても滑りにくく持ちやすいことを確認した。印刷層16の印字が視認できることも確認した。
【0052】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 積層シート
2 積層シート
10 基材
11 触感付与層
12 バインダー樹脂
13 フィラー
14 接着層
16 印刷層
20 触感付与容器
21 容器本体
30 触感付与容器
31 容器本体
図1
図2
図3
図4
図5