(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】電子機器、電力分配方法、電力分配プログラムおよび電力分配システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231114BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231114BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H02J7/00 H
H01M10/48 P
H01M10/44 P
(21)【出願番号】P 2019065011
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】林 聖悟
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 元
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-225951(JP,A)
【文献】特開2014-003835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/48
H01M 10/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バッテリを搭載する電子機器であって、
第2バッテリをそれぞれ搭載する複数の外部機器と情報および電力を授受可能に接続されるインターフェースと、
前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および前記電子機器内で前記第1バッテリから消費される電力に係る第1消費電力情報を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数の外部機器のそれぞれから前記インターフェースを介して前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記外部機器内で前記第2バッテリから消費される電力に係る第2消費電力情報を取得する情報取得処理と、
前記記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記電子機器が前記第1バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第1動作時間算出処理と、
前記情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記複数の外部機器のそれぞれが前記第2バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第2動作時間算出処理と、
前記記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、所定時間後の前記第1バッテリの残量を推定する第1バッテリ残量推定処理と、
前記情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記所定時間後の前記複数の外部機器のそれぞれの前記第2バッテリの残量を推定する第2バッテリ残量推定処理と、
前記第1バッテリ残量推定処理で推定した残量および前記第2バッテリ残量推定処理で推定した残量を比較して、前記電子機器および前記複数の外部機器からなる機器群の中に前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数あるか否かを判断し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が1つのみである場合、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を電力を供給するソースに決定し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数ある場合、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較して、動作可能時間の最も長い機器を前記ソースに決定するソース決定処理と、
前記機器群のうち、当該ソースに決定された機器以外の機器の少なくとも1つを電力を受け取るシンクに決定するシンク決定処理と、を実行する、電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記制御部は、
前記シンク決定処理において、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較して、前記機器群の中に動作可能時間の最も短い機器が複数あるか否かを判断し、動作可能時間の最も短い機器が1つのみである場合、動作可能時間の最も短い機器を前記シンクに決定し、動作可能時間の最も短い機器が複数ある場合、前記所定時間後の残量の最も少ない前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を前記シンクに決定する、電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器であって、
前記第1消費電力情報は、前記電子機器内で消費された電力量の履歴を表す第1消費履歴情報を含み、
前記第2消費電力情報は、前記外部機器内で消費された電力量の履歴を表す第2消費履歴情報を含む、電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器であって、
前記制御部は、
前記第1動作時間算出処理において、前記第1消費履歴情報から過去の第1時間に前記電子機器内で消費された電力量を求め、その求めた電力量を現在から未来の前記第1時間に消費する第1推定消費量とし、前記第1残量情報から前記第1バッテリの残量を求めて、前記第1推定消費量および前記第1バッテリの残量から前記電子機器の動作可能時間を算出し、
前記第2動作時間算出処理において、前記第2消費履歴情報から過去の第2時間に前記外部機器内で消費された電力量を求め、その求めた電力量を現在から未来の前記第2時間に消費する第2推定消費量とし、前記第2残量情報から前記第2バッテリの残量を求めて、前記第2推定消費量および前記第2バッテリの残量から前記外部機器の動作可能時間を算出する、電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器であって、
前記制御部は、
前記第1動作時間算出処理において、前記第1推定消費量を前記第1時間で除算し、その除算値で前記第1バッテリの残量を除算することにより、前記電子機器の動作可能時間を算出し、
前記第2動作時間算出処理において、前記第2推定消費量を前記第2時間で除算し、その除算値で前記第2バッテリの残量を除算することにより、前記外部機器の動作可能時間を算出する、電子機器。
【請求項6】
第1バッテリを搭載する第1外部機器と情報および電力を授受可能に接続される第1インターフェースと、
第2バッテリをそれぞれ搭載する複数の第2外部機器と情報および電力を授受可能に接続される第2インターフェースと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1外部機器から前記第1インターフェースを介して前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および前記第1外部機器内で前記第1バッテリから消費される電力に係る第1消費電力情報を取得する第1情報取得処理と、
前記複数の第2外部機器のそれぞれから前記第2インターフェースを介して前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記第2外部機器内で前記第2バッテリから消費される電力に係る第2消費電力情報を取得する第2情報取得処理と、
前記第1情報取得処理で取得した前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記第1外部機器が前記第1バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第1動作時間算出処理と、
前記第2情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記複数の第2外部機器のそれぞれが前記第2バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第2動作時間算出処理と、
前記第1情報取得処理で取得した前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、所定時間後の前記第1外部機器の前記第1バッテリの残量を推定する第1バッテリ残量推定処理と、
前記第2情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記所定時間後の前記複数の第2外部機器のそれぞれの前記第2バッテリの残量を推定する第2バッテリ残量推定処理と、
前記第1バッテリ残量推定処理で推定された残量および前記第2バッテリ残量推定処理で推定された残量を比較して、前記第1外部機器および前記複数の第2外部機器からなる機器群の中に前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数あるか否かを判断し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が1つのみである場合、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を電力を供給するソースに決定し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数ある場合、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較して、動作可能時間の最も長い機器を前記ソースに決定するソース決定処理と、
前記機器群のうち、当該ソースに決定された機器以外の機器の少なくとも1つを電力を受け取るシンクに決定するシンク決定処理と、を実行する、電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器であって、
前記制御部は、
前記シンク決定処理において、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較して、前記機器群の中に動作可能時間の最も短い機器が複数あるか否かを判断し、動作可能時間の最も短い機器が1つのみである場合、動作可能時間の最も短い機器を前記シンクに決定し、動作可能時間の最も短い機器が複数ある場合、前記所定時間後の残量の最も少ない前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を前記シンクに決定する、電子機器。
【請求項8】
第1バッテリと、
第2バッテリをそれぞれ搭載する複数の外部機器と情報および電力を授受可能に接続されるインターフェースと、
前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および機内で前記第1バッテリから消費される電力に係る第1消費電力情報を記憶する記憶部と、を備える電子機器による電力分配方法であって、
前記複数の外部機器のそれぞれから前記インターフェースを介して前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記外部機器内で前記第2バッテリから消費される電力に係る第2消費電力情報を取得し、
前記記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記電子機器が前記第1バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出し、
前記インターフェースを介して取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記複数の外部機器のそれぞれが前記第2バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出し、
前記記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から
、所定時間後の前記第1バッテリの残量を推定し、
前記インターフェースを介して取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、所定時間後の前記複数の外部機器のそれぞれの前記第2バッテリの残量を推定し、
推定した前記第1バッテリおよび前記第2バッテリの残量を比較して、前記電子機器および前記複数の外部機器からなる機器群の中に前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数あるか否かを判断し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が1つのみである場合、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を電力を供給するソースに決定し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数ある場合、前記電子機器および前記複数の外部機器の動作可能時間を比較して、動作可能時間の最も長い機器を前記ソースに決定し、
前記機器群のうち、当該ソースに決定された機器以外の機器の少なくとも1つを電力を受け取るシンクに決定する、電力分配方法。
【請求項9】
請求項8に記載の電力分配方法であって、
前記電子機器および前記複数の外部機器の動作可能時間を比較して、前記機器群の中に動作可能時間の最も短い機器が複数あるか否かを判断し、動作可能時間の最も短い機器が1つのみである場合、動作可能時間の最も短い機器を前記シンクに決定し、動作可能時間の最も短い機器が複数ある場合、前記所定時間後の残量の最も少ない前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を前記シンクに決定する、電力分配方法。
【請求項10】
第1バッテリと、
第2バッテリをそれぞれ搭載する複数の外部機器と情報および電力を授受可能に接続されるインターフェースと、
前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および機内で前記第1バッテリから消費される電力に係る第1消費電力情報を記憶する記憶部と、を備える電子機器のコンピュータにインストールされる電力分配プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記複数の外部機器のそれぞれから前記インターフェースを介して前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記外部機器内で前記第2バッテリから消費される電力に係る第2消費電力情報を取得する情報取得処理と、
前記記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記電子機器が前記第1バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第1動作時間算出処理と、
前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記複数の外部機器のそれぞれが前記第2バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第2動作時間算出処理と、
前記記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、所定時間後の前記第1バッテリの残量を推定する第1バッテリ残量推定処理と、
前記情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記所定時間後の前記複数の外部機器のそれぞれの前記第2バッテリの残量を推定する第2バッテリ残量推定処理と、
前記第1バッテリ残量推定処理で推定した残量および前記第2バッテリ残量推定処理で推定した残量を比較して、前記電子機器および前記複数の外部機器からなる機器群の中に前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数あるか否かを判断し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が1つのみである場合、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を電力を供給するソースに決定し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数ある場合、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較して、動作可能時間の最も長い機器を前記ソースに決定するソース決定処理と、
前記機器群のうち、当該ソースに決定された機器以外の機器の少なくとも1つを電力を受け取るシンクに決定するシンク決定処理と、を実行させる、電力分配プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の電力分配プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記シンク決定処理において、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較させて、前記機器群の中に動作可能時間の最も短い機器が複数あるか否かを判断させ、動作可能時間の最も短い機器が1つのみである場合、動作可能時間の最も短い機器を前記シンクに決定させ、動作可能時間の最も短い機器が複数ある場合、前記所定時間後の残量の最も少ない前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を前記シンクに決定させる、電力分配プログラム。
【請求項12】
第1バッテリを搭載する第1電子機器と、
第2バッテリをそれぞれ搭載する複数の第2電子機器とを含む、電力分配システムであって、
前記第1電子機器は、第1インターフェースを備え、
前記複数の第2電子機器は、それぞれ第2インターフェースを備え、
前記第1インターフェースと前記第2インターフェースとは、互いに情報および電力を授受可能に接続され、
前記第1電子機器は、
前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および前記第1バッテリから前記第1電子機器内で消費される電力に係る第1消費電力情報を記憶する第1記憶部と、
第1制御部と、を備え、
前記複数の第2電子機器のそれぞれは、
前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記第2バッテリから前記第2電子機器内で消費される電力に係る第2消費電力情報を記憶する第2記憶部と、
第2制御部と、を備え、
前記第2制御部は、前記第1電子機器からの情報送信要求を前記第2インターフェースを介して受信したことに応じて、前記第2記憶部に記憶されている前記第2残量情報および前記第2消費電力情報を前記第2インターフェースを介して前記第1電子機器に向けて送信し、
前記第1制御部は、
前記第1インターフェースを介して前記情報送信要求を前記複数の第2電子機器に向けて送信し、前記情報送信要求に対して前記複数の第2電子機器のそれぞれから送信される前記第2残量情報および前記第2消費電力情報を前記第1インターフェースを介して受信することにより取得する情報取得処理と、
前記第1記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記第1電子機器が前記第1バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第1動作時間算出処理と、
前記情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記複数の第2電子機器のそれぞれが前記第2バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第2動作時間算出処理と、
前記第1記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、所定時間後の前記第1バッテリの残量を推定する第1バッテリ残量推定処理と、
前記情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記所定時間後の前記複数の第2電子機器のそれぞれの前記第2バッテリの残量を推定する第2バッテリ残量推定処理と、
前記第1バッテリ残量推定処理で推定した残量および前記第2バッテリ残量推定処理で推定した残量を比較して、前記第1電子機器および前記複数の第2電子機器からなる機器群の中に前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数あるか否かを判断し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が1つのみである場合、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を電力を供給するソースに決定し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数ある場合、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較して、動作可能時間の最も長い機器を前記ソースに決定するソース決定処理と、
前記機器群のうち、当該ソースに決定された機器以外の機器の少なくとも1つを電力を受け取るシンクに決定するシンク決定処理
と、を実行する、電力分配システム。
【請求項13】
請求項12に記載の電力分配システムであって、
前記第1制御部は、
前記シンク決定処理において、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較して、前記機器群の中に動作可能時間の最も短い機器が複数あるか否かを判断し、動作可能時間の最も短い機器が1つのみである場合、動作可能時間の最も短い機器を前記シンクに決定し、動作可能時間の最も短い機器が複数ある場合、前記所定時間後の残量の最も少ない前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を前記シンクに決定する、電力分配システム。
【請求項14】
第1バッテリを搭載する第1外部機器と情報および電力を授受可能に接続される第1インターフェースと、
第2バッテリをそれぞれ搭載する複数の第2外部機器と情報および電力を授受可能に接続される第2インターフェースと、を備える電子機器による電力分配方法であって、
前記第1外部機器から前記第1インターフェースを介して前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および前記第1外部機器内で前記第1バッテリから消費される電力に係る第1消費電力情報を取得する第1情報取得ステップと、
前記複数の第2外部機器のそれぞれから前記第2インターフェースを介して前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記第2外部機器内で前記第2バッテリから消費される電力に係る第2消費電力情報を取得する第2情報取得ステップと、
前記第1情報取得ステップで取得した前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記第1外部機器が前記第1バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第1動作時間算出ステップと、
前記第2情報取得ステップで取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記複数の第2外部機器のそれぞれが前記第2バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第2動作時間算出ステップと、
前記第1情報取得ステップで取得した前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、所定時間後の前記第1バッテリの残量を推定する第1バッテリ残量推定ステップと、
前記第2情報取得ステップで取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記所定時間後の前記複数の
第2外部機器のそれぞれの前記第2バッテリの残量を推定する第2バッテリ残量推定ステップと、
前記第1バッテリ残量推定ステップで推定した残量および前記第2バッテリ残量推定ステップで推定した残量を比較して、前記
第1外部機器および前記複数の
第2外部機器からなる機器群の中に前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数あるか否かを判断し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が1つのみである場合、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を電力を供給するソースに決定し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数ある場合、前記第1動作時間算出ステップで算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出ステップで算出された動作可能時間を比較して、動作可能時間の最も長い機器を前記ソースに決定するソース決定ステップと、
前記機器群のうち、当該ソースに決定された機器以外の機器の少なくとも1つを電力を受け取るシンクに決定するシンク決定ステップと、を含む、電力分配方法。
【請求項15】
請求項14に記載の電力分配方法であって、
前記シンク決定ステップにおいて、
前記第1動作時間算出ステップで算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出ステップで算出された動作可能時間を比較して、前記機器群の中に動作可能時間の最も短い機器が複数あるか否かを判断し、動作可能時間の最も短い機器が1つのみである場合、動作可能時間の最も短い機器を前記シンクに決定し、動作可能時間の最も短い機器が複数ある場合、前記所定時間後の残量の最も少ない前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を前記シンクに決定する、電力分配方法。
【請求項16】
第1バッテリを搭載する第1外部機器と情報および電力を授受可能に接続される第1インターフェースと、
第2バッテリをそれぞれ搭載する複数の第2外部機器と情報および電力を授受可能に接続される第2インターフェースと、を備える電子機器のコンピュータにインストールされる電力分配プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1外部機器から前記第1インターフェースを介して前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および前記第1外部機器内で前記第1バッテリから消費される電力に係る第1消費電力情報を取得する第1情報取得処理と、
前記複数の第2外部機器のそれぞれから前記第2インターフェースを介して前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記第2外部機器内で前記第2バッテリから消費される電力に係る第2消費電力情報を取得する第2情報取得処理と、
前記第1情報取得処理で取得した前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記第1外部機器が前記第1バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第1動作時間算出処理と、
前記第2情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記複数の第2外部機器のそれぞれが前記第2バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第2動作時間算出処理と、
前記第1情報取得処理で取得した前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、所定時間後の前記第1バッテリの残量を推定する第1バッテリ残量推定処理と、
前記第2情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記所定時間後の前記複数の
第2外部機器のそれぞれの前記第2バッテリの残量を推定する第2バッテリ残量推定処理と、
前記第1バッテリ残量推定処理で推定した残量および前記第2バッテリ残量推定処理で推定した残量を比較して、前記
第1外部機器および前記複数の
第2外部機器からなる機器群の中に前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数あるか否かを判断し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が1つのみである場合、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を電力を供給するソースに決定し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数ある場合、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較して、動作可能時間の最も長い機器を前記ソースに決定するソース決定処理と、
前記機器群のうち、当該ソースに決定した機器以外の機器の少なくとも1つを電力を受け取るシンクに決定するシンク決定処理と、を実行させる、電力分配プログラム。
【請求項17】
請求項10に記載の電力分配プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記シンク決定処理において、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較させて、前記機器群の中に動作可能時間の最も短い機器が複数あるか否かを判断させ、動作可能時間の最も短い機器が1つのみである場合、動作可能時間の最も短い機器を前記シンクに決定させ、動作可能時間の最も短い機器が複数ある場合、前記所定時間後の残量の最も少ない前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を前記シンクに決定させる、電力分配プログラム。
【請求項18】
第1バッテリを搭載する第1外部機器と、
第2バッテリをそれぞれ搭載する複数の第2外部機器と、
電子機器と、を含む、電力分配システムであって、
前記第1外部機器は、
第1外部インターフェースと、
前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および前記第1外部機器内で前記第1バッテリか消費される電力に係る第1消費電力情報を記憶する第1記憶部と、
第1外部機器制御部と、を備え、
前記複数の第2外部機器のそれぞれは、
第2外部インターフェースと、
前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記第2外部機器内で前記第2バッテリから消費される電力に係る第2消費電力情報を記憶する第2記憶部と、
第2外部機器制御部と、を備え、
前記電子機器は、
前記第1外部インターフェースと相互に情報および電力を授受可能に接続される第1内部インターフェースと、
前記第2外部インターフェースと相互に情報および電力を授受可能に接続される第2内部インターフェースと、
電子機器制御部と、を備え、
前記第1外部機器制御部は、前記電子機器からの第1情報送信要求を前記第1外部インターフェースを介して受信したことに応じて、前記第1記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報を前記第1外部インターフェースを介して前記電子機器に向けて送信し、
前記第2外部機器制御部は、前記電子機器からの第2情報送信要求を前記第2外部インターフェースを介して受信したことに応じて、前記第2記憶部に記憶されている前記第2残量情報および前記第2消費電力情報を前記第2外部インターフェースを介して前記電子機器に向けて送信し、
前記電子機器制御部は、
前記第1内部インターフェースを介して前記第1情報送信要求を前記第1外部機器に向けて送信し、前記第1情報送信要求に対して前記第1外部機器から送信される前記第1残量情報および前記第1消費電力情報を前記第1内部インターフェースを介して受信することにより取得する第1情報取得処理と、
前記第2内部インターフェースを介して前記第2情報送信要求を前記第2外部機器に向けて送信し、前記第2情報送信要求に対して前記第2外部機器から送信される前記第2残量情報および前記第2消費電力情報を前記第2内部インターフェースを介して受信することにより取得する第2情報取得処理と、
前記第1情報取得処理で取得した前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記第1外部機器が前記第1バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第1動作時間算出処理と、
前記第2情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記複数の第2外部機器のそれぞれが前記第2バッテリの残量で動作できる動作可能時間を算出する第2動作時間算出処理と、
前記第1情報取得処理で取得した前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、所定時間後の前記第1バッテリの残量を推定する第1バッテリ残量推定処理と、
前記第2情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記所定時間後の前記第2バッテリの残量を推定する第2バッテリ残量推定処理と、
前記第1バッテリ残量推定処理で推定した残量および前記第2バッテリ残量推定処理で推定した残量を比較して、前記第1外部機器および前記複数の第2外部機器からなる機器群の中に前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数あるか否かを判断し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が1つのみである場合、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を電力を供給するソースに決定し、前記所定時間後の残量の最も多い前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器が複数ある場合、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較して、動作可能時間の最も長い機器を前記ソースに決定するソース決定処理と、
前記機器群のうち、当該ソースに決定された機器以外の機器の少なくとも1つを電力を受け取るシンクに決定するシンク決定処理と、を実行する、電力分配システム。
【請求項19】
請求項18に記載の電力分配システムであって、
前記電子機器制御部は、
前記シンク決定処理において、前記第1動作時間算出処理で算出された動作可能時間および前記第2動作時間算出処理で算出された動作可能時間を比較して、前記機器群の中に動作可能時間の最も短い機器が複数あるか否かを判断し、動作可能時間の最も短い機器が1つのみである場合、動作可能時間の最も短い機器を前記シンクに決定し、動作可能時間の最も短い機器が複数ある場合、前記所定時間後の残量の最も少ない前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを搭載した機器を前記シンクに決定する、電力分配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電子機器における電力分配方法、電子機器のコンピュータにインストールされる電力分配プログラム、および、電力分配システムに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリを搭載した電子機器(モバイル機器)が商用交流電源などに接続されずに動作するには、その動作(バッテリ駆動)に必要な電力がバッテリに充電されていなければならない。
【0003】
たとえば、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末とモバイルプリンタとがバッテリ駆動で同時に使用される場合、すなわち、モバイル端末からモバイルプリンタに画像データが送信されて、その画像データに係る画像がモバイルプリンタで印刷される場合がある。この場合、モバイル端末およびモバイルプリンタの一方のバッテリの残量が低下して不足すると、他方のバッテリの残量が十分であっても印刷が不能となる。
【0004】
そこで、特許文献1では、バッテリの残量が十分である電子機器からバッテリの残量が不足している電子機器に電力が供給されるように、複数の電子機器間で電力を相互に融通する方法が提案されている。この方法では、第1の電子機器から第2の電子機器に、第2の電子機器のバッテリの残量が基準値に到達するまで電力が供給される。基準値は、複数の電子機器のバッテリの充電容量(満充電量)の合計値に対する一定の割合に設定される。これにより、複数の電子機器間で電力を公平に分配することができ、すべての電子機器のバッテリの充電容量に対する残量の割合を一定にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の方法では、複数の電子機器間で電力が適切に分配されない場合がある。
【0007】
本発明の目的は、外部機器との間で電力を適切に分配できる、電子機器、電力分配方法、電力分配プログラムおよび電力分配システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る電子機器は、第1バッテリを搭載する電子機器であって、第2バッテリを搭載する外部機器と情報および電力を授受可能に接続されるインターフェースと、前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および前記第1バッテリから前記電子機器内で消費される電力に係る第1消費電力情報を記憶する記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記外部機器から前記インターフェースを介して前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記第2バッテリから前記外部機器内で消費される電力に係る第2消費電力情報を取得する情報取得処理と、前記記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記第1バッテリの残量で前記電子機器が動作可能な第1動作可能時間を算出する第1動作時間算出処理と、前記情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記第2バッテリの残量で前記外部機器が動作可能な第2動作可能時間を算出する第2動作時間算出処理と、前記第1動作時間算出処理で算出された前記第1動作可能時間と前記第2動作時間算出処理で算出された前記第2動作可能時間とを比較して、前記第2動作可能時間が前記第1動作可能時間未満である場合、前記電子機器を前記外部機器に電力を供給する側に決定し、前記第1動作可能時間が前記第2動作可能時間未満である場合、前記電子機器を前記外部機器に電力を要求する側に決定する決定処理と、を実行する。
【0009】
この構成によれば、第1バッテリの残量に係る第1残量情報および第1バッテリから電子機器内で消費される電力に係る第1消費電力情報から、第1バッテリの残量で電子機器が動作可能な第1動作可能時間が算出される。一方、第2バッテリの残量に係る第2残量情報および第2バッテリから外部機器内で消費される電力に係る第2消費電力情報から、第2バッテリの残量で外部機器が動作可能な第2動作可能時間が算出される。そして、第2動作可能時間が第1動作可能時間未満である場合には、電子機器が外部機器に電力を供給する側に決定され、第1動作可能時間が第2動作可能時間未満である場合には、電子機器が外部機器に電力を要求する側に決定される。これにより、電子機器および外部機器がともに動作する時間がなるべく長くなるように、電子機器と外部機器との間で電力を適切に分配(融通)することができる。
【0010】
前記一の局面に係る電子機器を第1電気機器とし、前記外部機器を第2電子機器として、次の電力分配システムを得ることができる。この電力分配システムは、第1バッテリを搭載する第1電子機器と、第2バッテリを搭載する第2電子機器とを含む、電力分配システムであって、前記第1電子機器および前記第2電子機器は、それぞれ互いに情報および電力を授受可能に接続される第1インターフェースおよび第2インターフェース、を備え、前記第1電子機器は、前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および前記第1バッテリから前記第1電子機器内で消費される電力に係る第1消費電力情報を記憶する第1記憶部と、第1制御部と、を備え、前記第2電子機器は、前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記第2バッテリから前記第2電子機器内で消費される電力に係る第2消費電力情報を記憶する第2記憶部と、第2制御部と、を備え、前記第2制御部は、前記第1電子機器からの情報送信要求を前記第2インターフェースを介して受信したことに応じて、前記第2記憶部に記憶されている前記第2残量情報および前記第2消費電力情報を前記第2インターフェースを介して前記第1電子機器に向けて送信し、前記第1制御部は、前記第1インターフェースを介して前記情報送信要求を前記第2電子機器に向けて送信し、前記情報送信要求に対して前記第2電子機器から送信される前記第2残量情報および前記第2消費電力情報を前記第1インターフェースを介して受信することにより取得する情報取得処理と、前記第1記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記第1バッテリの残量で前記第1電子機器が動作可能な第1動作可能時間を算出する第1動作時間算出処理と、前記情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記第2バッテリの残量で前記第2電子機器が動作可能な第2動作可能時間を算出する第2動作時間算出処理と、前記第1動作時間算出処理で算出された前記第1動作可能時間と前記第2動作時間算出処理で算出された前記第2動作可能時間とを比較して、前記第2動作可能時間が前記第1動作可能時間未満である場合、前記第1電子機器を前記第2電子機器に電力を供給する側に決定し、前記第1動作可能時間が前記第2動作可能時間未満である場合、前記第1電子機器を前記第2電子機器に電力を要求する側に決定する決定処理と、を実行する。
【0011】
本発明の他の局面に係る電子機器は、第1バッテリを搭載する第1外部機器と情報および電力を授受可能に接続される第1インターフェースと、第2バッテリを搭載する第2外部機器と情報および電力を授受可能に接続される第2インターフェースと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1外部機器から前記第1インターフェースを介して前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および前記第1バッテリから前記第1外部機器内で消費される電力に係る第1消費電力情報を取得する第1情報取得処理と、前記第2外部機器から前記第2インターフェースを介して前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記第2バッテリから前記第2外部機器内で消費される電力に係る第2消費電力情報を取得する第2情報取得処理と、前記第1情報取得処理で取得した前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記第1バッテリの残量で前記第1外部機器が動作可能な第1動作可能時間を算出する第1動作時間算出処理と、前記第2情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記第2バッテリの残量で前記第2外部機器が動作可能な第2動作可能時間を算出する第2動作時間算出処理と、前記第1動作時間算出処理で算出された前記第1動作可能時間と前記第2動作時間算出処理で算出された前記第2動作可能時間とを比較して、前記第2動作可能時間が前記第1動作可能時間未満である場合、前記第1外部機器を電力の供給元に決定するとともに、前記第2外部機器を電力の供給先に決定し、前記第1動作可能時間が前記第2動作可能時間未満である場合、前記第1外部機器を電力の供給先に決定するとともに、前記第2外部機器を電力の供給元に決定する決定処理と、を実行する。
【0012】
前記他の局面に係る電子機器、前記第1外部機器および前記第2外部機器を用いて、電力分配システムを得ることができる。この電力分配システムは、第1バッテリを搭載する第1外部機器と、第2バッテリを搭載する第2外部機器と、電子機器と、を含む、電力分配システムであって、前記第1外部機器は、第1外部インターフェースと、前記第1バッテリの残量に係る第1残量情報および前記第1バッテリから前記第1電子機器内で消費される電力に係る第1消費電力情報を記憶する第1記憶部と、第1外部機器制御部と、を備え、前記第2外部機器は、第2外部インターフェースと、前記第2バッテリの残量に係る第2残量情報および前記第2バッテリから前記第2電子機器内で消費される電力に係る第2消費電力情報を記憶する第2記憶部と、第2外部機器制御部と、を備え、前記電子機器は、前記第1外部インターフェースと相互に情報および電力を授受可能に接続される第1内部インターフェースと、前記第2外部インターフェースと相互に情報および電力を授受可能に接続される第2内部インターフェースと、電子機器制御部と、を備え、前記第1外部機器制御部は、前記電子機器からの第1情報送信要求を前記第1外部インターフェースを介して受信したことに応じて、前記第1記憶部に記憶されている前記第1残量情報および前記第1消費電力情報を前記第1インターフェースを介して前記電子機器に向けて送信し、前記第2外部機器制御部は、前記電子機器からの第2情報送信要求を前記第2外部インターフェースを介して受信したことに応じて、前記第2記憶部に記憶されている前記第2残量情報および前記第2消費電力情報を前記第2インターフェースを介して前記電子機器に向けて送信し、前記電子機器制御部は、前記第1内部インターフェースを介して前記第1情報送信要求を前記第1電子機器に向けて送信し、前記第1情報送信要求に対して前記第1外部機器から送信される前記第1残量情報および前記第1消費電力情報を前記第1内部インターフェースを介して受信することにより取得する第1情報取得処理と、前記第2内部インターフェースを介して前記第2情報送信要求を前記第2電子機器に向けて送信し、前記第2情報送信要求に対して前記第2外部機器から送信される前記第2残量情報および前記第2消費電力情報を前記第2内部インターフェースを介して受信することにより取得する第2情報取得処理と、前記第1情報取得処理で取得した前記第1残量情報および前記第1消費電力情報から、前記第1バッテリの残量で前記第1外部機器が動作可能な第1動作可能時間を算出する第1動作時間算出処理と、前記第2情報取得処理で取得した前記第2残量情報および前記第2消費電力情報から、前記第2バッテリの残量で前記第2外部機器が動作可能な第2動作可能時間を算出する第2動作時間算出処理と、前記第1動作時間算出処理で算出された前記第1動作可能時間と前記第2動作時間算出処理で算出された前記第2動作可能時間とを比較して、前記第2動作可能時間が前記第1動作可能時間未満である場合、前記第1外部機器を電力の供給元に決定するとともに、前記第2外部機器を電力の供給先に決定し、前記第1動作可能時間が前記第2動作可能時間未満である場合、前記第1外部機器を電力の供給先に決定するとともに、前記第2外部機器を電力の供給元に決定する決定処理と、を実行する。
【0013】
また、本発明は、電子機器の形態で実施できるだけでなく、たとえば、電子機器による電力分配方法、および電子機器のコンピュータにインストールされる電力分配プログラムの形態で実現することもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電力を適切に分配することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電力分配システムのトポロジーの一例を示すブロック図である。
【
図2】電力分配処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】動作モード毎の消費電力の一例を示す図である。
【
図5】消費された電力量の履歴の一例を示す図である。
【
図6】シンク決定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】ソース決定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
<電力分配システム>
図1に示される電力分配システム1は、複数の電子機器間で電力を分配し合うシステムである。以下の説明では、電力分配システム1に4台の電子機器2,3,4,5が含まれる場合を例にとるが、電力分配システム1に含まれる電子機器の台数は、2台以上であれば、4台に限らない。
【0018】
電子機器2は、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12およびUSBインターフェース13を備えている。また、電子機器2は、バッテリ14を搭載している。電子機器2の動作に必要な電力がバッテリ14に充電されている状態において、電子機器2は、商用交流電源などの外部電源に接続されなくても動作(バッテリ駆動)が可能である。
【0019】
メモリ12(記憶部の一例)には、ハードディスク、フラッシュメモリやE2PROMなどのデータの書き換えが可能な不揮発性メモリおよびSDRAMなどの揮発性メモリが含まれる。不揮発性メモリには、各種の制御のための制御プログラムが記憶されており、CPU11により、その制御プログラムが実行される。揮発性メモリは、CPU11が制御プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
【0020】
USBインターフェース13は、外部機器をUSB(Universal Serial Bus)接続するためのインターフェースであり、USB-PD(Power Delivery)規格に準じている。USBインターフェース13には、USBポート15A,15Bが設けられている。USBポート15A,15Bは、たとえば、Type-Cコネクタのレセプタクル(メス)である。
【0021】
電子機器3,4,5は、CPU21、メモリ22およびUSBインターフェース23を備えている。また、電子機器2は、バッテリ24を搭載している。電子機器2の動作に必要な電力がバッテリ24に充電されている状態において、電子機器2は、商用交流電源などの外部電源に接続されなくても動作(バッテリ駆動)が可能である。
【0022】
メモリ22には、ハードディスク、フラッシュメモリやE2PROMなどのデータの書き換えが可能な不揮発性メモリおよびSDRAMなどの揮発性メモリが含まれる。不揮発性メモリには、各種の制御のための制御プログラムが記憶されており、CPU21により、その制御プログラムが実行される。揮発性メモリは、CPU21が制御プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
【0023】
USBインターフェース23は、外部機器をUSB接続するためのインターフェースであり、USB-PD規格に準じている。USBインターフェース23には、USBポート25が設けられている。USBポート25は、たとえば、Type-Cコネクタのレセプタクル(メス)である。
【0024】
電子機器4,5は、ハブ6を介して、電子機器2とUSB接続されている。具体的には、ハブ6は、USBポート31,32,33を備えている。USBポート31,32,33は、たとえば、Type-Cコネクタのレセプタクル(メス)である。USBポート31には、USBケーブルの一端のプラグが接続され、そのUSBケーブルの他端のプラグは、電子機器2のUSBポート15Aに接続されている。USBポート32には、USBケーブルの一端のプラグが接続され、そのUSBケーブルの他端のプラグは、電子機器4のUSBポート25に接続されている。USBポート33には、USBケーブルの一端のプラグが接続され、そのUSBケーブルの他端のプラグは、電子機器5のUSBポート25に接続されている。
【0025】
また、電子機器2のUSBポート15Bには、USBケーブルの一端のプラグが接続されており、そのUSBケーブルの他端のプラグは、電子機器2のUSBポート25に接続されている。
【0026】
なお、以下では、1台の電子機器2がUSB通信のホストであり、残りの3台の電子機器3,4,5がUSB通信のデバイスである場合を例にとる。電子機器2のUSBポート15A,15Bおよびハブ6のUSBポート32,33は、USB接続のホストとして機能する側のポートであるDFP(Downstream Facing Port)である。電子機器3,4,5のUSBポート25およびハブ6のUSBポート31は、USB接続のデバイスとして機能する側のポートであるUFP(Upstream Facing Port)である。また、
図1には、USB-PDによる電力の授受のデフォルトの状態が示されている。すなわち、
図1には、電子機器2のUSBポート15A,15Bおよびハブ6のUSBポート32,33は、電力を供給するソースとして動作し、電子機器3,4,5のUSBポート25およびハブ6のUSBポート31は、電力を受け取るシンクとして動作する状態が示されている。
【0027】
しかしながら、4台の電子機器2,3,4,5は、いずれも、電力供給のソースおよびデバイスとなることが可能である。4台の電子機器2,3,4,5のうちのいずれが電力供給のソースとなり、いずれが電力供給のデバイスとなるかは、後述するシンク・ソース決定処理にて決定される。
【0028】
<電力分配処理>
電子機器2のCPU11により、たとえば、一定の周期で、
図2に示される電力分配処理が実行される。
【0029】
電力分配処理では、CPU11は、USB通信により、各電子機器3,4,5から残量情報および消費電力情報を取得する。
【0030】
残量情報は、各電子機器3,4,5のバッテリ24の残量に係る情報であり、各電子機器3,4,5では、CPU21により、バッテリ24の電力の収支から残量が算出され、バッテリ24の残量に係る残量情報がメモリ22に記憶される。電子機器2においても、CPU11により、バッテリ24の電力の収支から残量が算出され、バッテリ14の残量に係る残量情報がメモリ12に記憶される。
【0031】
消費電力情報は、各電子機器3,4,5内で消費される電力に係る情報である。電子機器2のメモリ12および各電子機器3,4,5のメモリ22には、動作モード毎の消費電力の情報およびジョブ毎の消費電力の情報が記憶されている。
【0032】
動作モード毎の消費電力の情報は、
図3に一例が示されている。電子機器2,3,4,5の動作モードは、オフモード、スリープモード、スタンバイモードおよびノーマルモードの間で遷移する。
図3の一例において、オフモードでの消費電力は、0.01Whであり、スリープモードでの消費電力は、0.2Whであり、スタンバイモードでの消費電力は、2Whである。ノーマルモードは、ジョブ実行時の動作モードであり、ノーマルモードでの消費電力は、ジョブ毎の消費電力となる。
【0033】
ジョブ毎の消費電力の情報は、
図4に一例が示されている。この一例において、ジョブAの消費電力は、5Whであり、ジョブBの消費電力は、10Whであり、ジョブCの消費電力は、12Whであり、ジョブDの消費電力は、20Whであり、ジョブEの消費電力は、25Whであり、ジョブFの消費電力は、40Whである。電子機器2,3,4,5がMFP(Multi-Function Peripheral)である場合、ジョブとしては、画像データに係る画像を用紙に印刷する印刷ジョブ、原稿を読み取って画像データを生成する読取ジョブ、画像データを公衆電話回線などを介して送受信するファックスジョブなどを例示することができる。
【0034】
また、電子機器2のメモリ12および各電子機器3,4,5のメモリ22には、機器内で消費された電力量の履歴を表す消費履歴情報が記憶される。電子機器2では、CPU11により消費履歴情報がメモリ12に書き込まれ、電子機器3,4,5では、CPU21により消費履歴情報がメモリ22に書き込まれる。消費履歴情報の一例は、
図5に示されている。消費履歴情報は、動作モードとその動作モードで消費した電力および経過した時間とを対応づけて作成される。
図5の一例では、過去の新しい順に、スタンバイモードでの経過時間が10分間で2Whの電力を消費した履歴「1」、ジョブDの実行によるノーマルモードでの経過時間が2分間で20Whの電力を消費した履歴「2」、スタンバイモードでの経過時間が10分間で2Whの電力を消費した履歴「3」、スリープモードでの経過時間が60分間で0.2Whの電力を消費した履歴「4」、スリープモードでの経過時間が60分間で0.2Whの電力を消費した履歴「5」、スリープモードでの経過時間が60分間で0.2Whの電力を消費した履歴「6」、スリープモードでの経過時間が60分間で0.2Whの電力を消費した履歴「7」、スリープモードでの経過時間が60分間で0.2Whの電力を消費した履歴「8」、スリープモードでの経過時間が60分間で0.2Whの電力を消費した履歴「9」が示されている。
【0035】
各電子機器3,4,5から電子機器2には、消費電力情報として、消費履歴情報が送信される。電子機器2のCPU11は、各電子機器3,4,5から消費電力情報としての消費履歴情報を受信すると、各電子機器2,3,4,5のT(T:0よりも大きい数)時間後の消費電力、つまり現時点から未来のT時間における消費電力を推定する(S2)。具体的には、現時点から未来のT時間における消費電力は、現時点から過去のT時間における消費電力と等しいと推定されて、その現時点から過去のT時間における消費電力が現時点から未来のT時間における消費電力とされる。たとえば、
図5に示される一例における履歴「1」~「5」が過去のT時間における履歴である場合、そのT時間における消費電力が合計されて、その合計の24.4Whが現時点から未来のT時間における消費電力とされる。
【0036】
その後、CPU11は、各電子機器2,3,4,5について、残量情報が表す残量と未来のT時間における消費電力とから動作可能時間を算出する(S3)。具体的には、未来のT時間における消費電力をT時間で除算し、その除算値である1時間における消費電力で残量情報が表す残量を除算することにより、動作可能時間を算出する。すなわち、T時間が1時間である場合、残量情報が表す残量を未来のT時間における消費電力で除算し、その除算値を動作可能時間とする。
【0037】
各電子機器2,3,4,5の動作可能時間の算出後、CPU11は、シンク・ソース決定処理を実行する(S4)。シンク・ソース決定処理には、シンク決定処理と、ソース決定処理とが含まれる。
【0038】
シンク決定処理の流れは、
図6に示されている。シンク決定処理において、CPU11は、各電子機器2,3,4,5の動作可能時間を比較して、電子機器2,3,4,5の中に動作可能時間が最も短い機器が複数あるか否かを判断する(S41)。電子機器2,3,4,5の中で動作可能時間が最も短い機器が1台のみである場合、CPU11は、動作可能時間が最も短い機器が複数はないと判断して(S41:NO)、動作時間が最も短い1台の機器をシンクに決定する(S42)。一方、CPU11は、電子機器2,3,4,5の中に動作可能時間が最も短い機器が複数あると判断した場合(S41:YES)、その動作可能時間が最も短い複数の機器のうち、T時間後のバッテリ14,24の残量が最も少なくなると推定される機器をシンクに決定する(S43)。T時間後のバッテリ14,24の残量が最も少なくなると推定される機器が複数ある場合、その複数のうちのいずれがシンクに決定されてもよい。
【0039】
ソース決定処理の流れは、
図7に示されている。ソース決定処理において、CPU11は、T時間後の電子機器2のバッテリ14の残量およびT時間後の各電子機器3,4,5のバッテリ24の残量を推定し、電子機器2,3,4,5の中にT時間後の残量の最も多い機器が複数あるか否かを判断する(S44)。電子機器2,3,4,5の中でT時間後の残量の最も多い機器が1台のみである場合、CPU11は、T時間後の残量の最も多い機器が複数はないと判断して(S44:NO)、T時間後の残量の最も多い機器をソースに決定する(S45)。一方、CPU11は、電子機器2,3,4,5の中にT時間後の残量の最も多い機器が複数あると判断した場合(S44:YES)、各電子機器2,3,4,5の動作可能時間を比較して、電子機器2,3,4,5の中に動作可能時間が最も長い機器をソースに決定する(S46)。動作可能時間が最も長い機器が複数ある場合、その複数のうちのいずれがソースに決定されてもよい。
【0040】
シンク・ソース決定処理が終了すると、CPU11は、電子機器2,3,4,5のうちのソースとなる機器からシンクとなる機器への充電量を決定する(
図2のS5)。そして、CPU11は、前回の充電が完了しているか否かを判断し(S6)、前回の充電が完了していない場合には、その完了を待って、シンクとなる機器およびソースとなる機器に対して、ソースとなる機器からシンクとなる機器への電力の供給、つまりシンクとなる機器のバッテリ14,24への充電の開始を指示する(S7)。シンクとなる機器に供給された電力量が先に決定された充電量に達すると、その電力の供給(バッテリ14,24の充電)が停止される。
【0041】
<電力分配の具体例>
電力分配処理の実行により、たとえば、
図8に示されるように、電子機器2のバッテリ14の残量および各電子機器3,4,5のバッテリ24の残量が推移する。この
図8に示される一例では、バッテリ14,24の容量をいずれも100Whとしている。
【0042】
電力分配処理の開始時において、電子機器2のバッテリ14の残量が40Whであり、電子機器3,4,5のバッテリ24の残量がそれぞれ10Wh、100Whおよび80Whである。また、電子機器2における未来のT時間における消費電力が10Whであり、電子機器3における未来のT時間における消費電力が2Whであり、電子機器4における未来のT時間における消費電力が60Whであり、電子機器5における未来のT時間における消費電力が8Whである。
【0043】
この場合、電子機器2の動作可能時間は、残量の40Whを消費電力の10Whで除算することにより、4.0h(時間)と算出される。電子機器3の動作可能時間は、残量の10Whを消費電力の2Whで除算することにより、5.0hと算出される。電子機器4の動作可能時間は、残量の100Whを消費電力の60Whで除算することにより、1.6hと算出される。電子機器5の動作可能時間は、残量の80Whを消費電力の8Whで除算することにより、10.0hと算出される。
【0044】
また、T時間後の電子機器2のバッテリ14の残量は、残量の40Whから消費電力の10Whを減算することにより、30Whと算出される。T時間後の電子機器3のバッテリ24の残量は、残量の10Whから消費電力の2Whを減算することにより、8Whと算出される。T時間後の電子機器4のバッテリ24の残量は、残量の100Whから消費電力の60Whを減算することにより、40Whと算出される。T時間後の電子機器5のバッテリ24の残量は、残量の80Whから消費電力の10Whを減算することにより、70Whと算出される。
【0045】
これらの算出結果から、動作可能時間が最も短い電子機器4がシンクに決定され、T時間後の残量が最も多い電子機器5がソースに決定される。そして、T時間後の電子機器5のバッテリ24の残量からT時間後の電子機器4のバッテリ24の残量が減算されて、その減算値が2で除算されることにより、電子機器5から電子機器4への充電量である16Whが算出される。
【0046】
<作用効果>
以上のようにして、電子機器2,3,4,5間で電力を分配する際のシンクおよびソースが決定されることにより、各電子機器2,3,4,5の動作時間がなるべく長くなるように、電子機器2,3,4,5間で電力を適切に分配(融通)することができる。
【0047】
なお、電子機器2がソースとなり、電子機器3,4,5のいずれかがシンクとなる場合、電子機器2が電子機器または第1電子機器の一例であり、電子機器2のCPU11が制御部または第1制御部の一例であり、電子機器2のバッテリ14が第1バッテリの一例であり、電子機器2のUSBインターフェース13がインターフェースの一例であり、シンクとなる電子機器3,4,5が外部機器または第2電子機器の一例であり、シンクとなる電子機器3,4,5のCPU21が第2制御部の一例であり、シンクとなる電子機器3,4,5のバッテリ24が第2バッテリの一例であり、シンクとなる電子機器3,4,5のUSBインターフェース23が第2インターフェースの一例である。
【0048】
また、電子機器3,4,5のいずれかがソースとなり、他のいずれかがシンクとなる場合、電子機器2が電子機器の一例であり、電子機器2のCPU11が制御部または電子機器制御部の一例であり、電子機器2のUSBインターフェース13が第1インターフェースおよび第2インターフェースまたは第1内部インターフェースおよび第2内部インターフェースの一例であり、ソースとなる電子機器3,4,5が第1電子機器または第1外部機器の一例であり、ソースとなる電子機器3,4,5のバッテリ24が第1バッテリの一例であり、ソースとなる電子機器3,4,5のUSBインターフェース23が第1インターフェースまたは第1外部インターフェースの一例であり、シンクとなる電子機器3,4,5が第2電子機器または第2外部機器の一例であり、シンクとなる電子機器3,4,5のバッテリ24が第2バッテリの一例であり、シンクとなる電子機器3,4,5のUSBインターフェース23が第2インターフェースまたは第2外部インターフェースの一例である。
【0049】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0050】
たとえば、前述の実施形態では、未来のT時間における消費電力をT時間で除算し、その除算値である1時間における消費電力で残量情報が表す残量を除算することにより、動作可能時間を算出するとしたが、残量情報が表す残量を未来のT時間における消費電力で除算し、その除算値にT時間を乗算する方法によっても、動作可能時間を算出することができる。
【0051】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1:電力分配システム
2,3,4,5:電子機器
11,21:CPU
12:メモリ
13,23:USBインターフェース
14,24:バッテリ