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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】画像読取装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231114BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H04N1/00 567B
H04N1/00 350
G03G21/00 376
G03G21/00 386
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019158536
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021040181
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】間村 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】小西 裕登
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-041453(JP,A)
【文献】特開2009-088758(JP,A)
【文献】特開2008-054140(JP,A)
【文献】特開2012-124734(JP,A)
【文献】特開2005-012700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00-1/64
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る原稿読取部と、
前記原稿を載置する原稿載置トレイを有し、前記原稿載置トレイに載置されている前記原稿を前記原稿読取部へ供給する原稿送り装置と、
前記原稿載置トレイに載置されている原稿束の重量を検出する重量センサーと、
前記重量センサーにより検出された前記重量から、前記原稿載置トレイに載置されている前記原稿の枚数を算出する枚数算出部と、
前記枚数算出部により算出された前記原稿の枚数に基づいて、当該枚数が多くなるに応じて、予め定められた低い解像度で、前記原稿読取部に前記原稿の画像を読み取らせる制御部と、
前記原稿読取部による読み取りで得られた前記原稿の画像データに基づいて、当該原稿が高解像度での読み取りが好ましいとされる予め設定された条件を満たしているか否かを判断して、高解像度での読み取りが好ましい特別原稿を検出する特別原稿検出部と、
前記特別原稿検出部により前記特別原稿が検出されたことをユーザーに告知するための告知処理を行う告知部と、
前記特別原稿検出部により前記特別原稿が検出された回数をカウントするカウント部とを備え、
前記告知部は、前記特別原稿検出部により前記特別原稿が検出された場合、前記特別原稿が検出されたことをユーザーに知らせると共に、前記カウント部によりカウントされた回数を前記特別原稿の枚数としてユーザーに知らせるための告知処理を行う画像読取装置。
【請求項2】
前記原稿読取部による読み取りで得られた前記原稿の画像データに基づいて、当該原稿が文字のみからなる文字原稿であるのか、イメージのみからなるイメージ原稿であるのか、又は文字とイメージとからなる混在原稿であるのかを判定することによって、前記原稿の種類を判別する判別部を更に備え、
前記予め設定された条件を満たす前記原稿は、ユーザーにより予め指定された前記種類に該当するものであり、
前記特別原稿検出部は、前記判別部による判別結果に基づいて、前記原稿がユーザーにより前記予め指定された前記種類であると判断した場合、当該原稿を前記特別原稿として検出する請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記原稿読取部による読み取りで得られた前記原稿の画像データを、当該原稿の読み取られた解像度及び前記種類に基づいて、前記解像度及び前記種類毎に予め設定された内容で画像処理を行う画像処理部を更に備える請求項に記載の画像読取装置。
【請求項4】
原稿の画像を読み取る原稿読取部と、
前記原稿を載置する原稿載置トレイを有し、前記原稿載置トレイに載置されている前記原稿を前記原稿読取部へ供給する原稿送り装置と、
前記原稿載置トレイに載置されている原稿束の重量を検出する重量センサーと、
前記重量センサーにより検出された前記重量から、前記原稿載置トレイに載置されている前記原稿の枚数を算出する枚数算出部と、
前記枚数算出部により算出された前記原稿の枚数に基づいて、当該枚数が多くなるに応じて、予め定められた低い解像度で、前記原稿読取部に前記原稿の画像を読み取らせる制御部と、
前記原稿読取部による読み取りで得られた前記原稿の画像データに基づいて、当該原稿が高解像度での読み取りが好ましいとされる予め設定された条件を満たしているか否かを判断して、高解像度での読み取りが好ましい特別原稿を検出する特別原稿検出部と、
前記特別原稿検出部により前記特別原稿が検出されたことをユーザーに告知するための告知処理を行う告知部と、
前記原稿読取部による読み取りで得られた前記原稿の画像データに基づいて、当該原稿が文字のみからなる文字原稿であるのか、イメージのみからなるイメージ原稿であるのか、又は文字とイメージとからなる混在原稿であるのかを判定することによって、前記原稿の種類を判別する判別部とを備え、
前記予め設定された条件を満たす前記原稿は、ユーザーにより予め指定された前記種類に該当するものであり、
前記特別原稿検出部は、前記判別部による判別結果に基づいて、前記原稿がユーザーにより前記予め指定された前記種類であると判断した場合、当該原稿を前記特別原稿として検出し、
前記原稿読取部による読み取りで得られた前記原稿の画像データを、当該原稿の読み取られた解像度及び前記種類に基づいて、前記解像度及び前記種類毎に予め設定された内容で画像処理を行う画像処理部を更に備える画像読取装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置による読み取りで得られた画像データに基づいて、記録媒体に画像形成を行う画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及び画像形成装置に関し、特に、複数枚の原稿を自動的に読み取る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナー機能を有した複写機や複合機等の画像形成装置に、読み取り対象の原稿をセットするには、原稿ガラス(プラテンガラス)にセットする方法や、ADF(Auto Document Feeder)と呼ばれる原稿送り装置にセットする方法がある。原稿送り装置を使用すると、画像形成装置に複数枚の原稿を読み取らせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-069796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原稿送り装置を使用すると、複数枚の原稿を自動的に読み取らせることができるが、原稿の枚数が多くなると、全ての原稿を読み取り終えるまでの時間が長くなる。
【0005】
上記の特許文献1に、原稿送り装置にセットされた原稿を、はじめは読取動作を行わずに搬送して、原稿の枚数をカウントし、原稿の枚数が多いほど、解像度が低くなるように、当該解像度を設定し、原稿送り装置に原稿が再度セットされた後に、設定した解像度で原稿を読み取ることが記載されている。解像度が低くなると、原稿1枚の読み取りに要する時間は短くなる。そのため、上記の特許文献1に記載されているように、原稿の枚数が多いほど、解像度を低く設定することによって、読み取り時間の短縮化を図ることができる。
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に記載された発明では、原稿を2回搬送しなければならず、原稿の劣化が懸念される。また、原稿送り装置に全ての原稿をセットし直さなければならず、ユーザーにとって手間となる。
【0007】
また、上記の特許文献1に記載された発明では、原稿送り装置にセットされた原稿の枚数が多いと、原稿送り装置にセットされた全ての原稿が低解像度で読み取られることになるが、低解像度での読み取りに適さない原稿(高解像度での読み取りが好ましい原稿)が含まれている場合、出力画像の品質低下が懸念される。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、出力画像の品質を確保しつつ、原稿の読み取りに要する時間の短縮化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に係る画像読取装置は、原稿の画像を読み取る原稿読取部と、前記原稿を載置する原稿載置トレイを有し、前記原稿載置トレイに載置されている前記原稿を前記原稿読取部へ供給する原稿送り装置と、前記原稿載置トレイに載置されている原稿束の重量を検出する重量センサーと、前記重量センサーにより検出された前記重量から、前記原稿載置トレイに載置されている前記原稿の枚数を算出する枚数算出部と、前記枚数算出部により算出された前記原稿の枚数に基づいて、当該枚数が多くなるに応じて、予め定められた低い解像度で、前記原稿読取部に前記原稿の画像を読み取らせる制御部と、前記原稿読取部による読み取りで得られた前記原稿の画像データに基づいて、当該原稿が高解像度での読み取りが好ましいとされる予め設定された条件を満たしているか否かを判断して、高解像度での読み取りが好ましい特別原稿を検出する特別原稿検出部と、前記特別原稿検出部により前記特別原稿が検出されたことをユーザーに告知するための告知処理を行う告知部と、を備える。
【0010】
また、本発明の一局面に係る画像形成装置は、上記画像読取装置と、前記画像読取装置による読み取りで得られた画像データに基づいて、記録媒体に画像形成を行う画像形成部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、原稿の枚数が多い場合は原稿読取の解像度が低くなるので、原稿の読み取りに要する時間の短縮化が図られる。また、高解像度での読み取りが好ましい(低解像度での読み取りが好ましくない)特別原稿が検出されたことをユーザーに知らせる告知が行われる。
【0012】
すなわち、原稿載置トレイに載置された原稿束の中に特別原稿が含まれていると、上記告知が行われる。例えば、高解像度での読み取りが好ましいものとして、イメージ原稿(イメージのみからなる原稿)がユーザーにより指定されている場合、原稿載置トレイに載置された原稿束の中にイメージ原稿が混ざっていると、上記告知が行われる。
【0013】
これにより、特別原稿に対する高解像度での読み取りのやり直しをユーザーが忘れるのを防止することが可能となる。すなわち、特別原稿が低解像度で読み取られたまま放置されないようにすることで、出力画像の品質低下を防止する。従って、出力画像の品質を確保しつつ、原稿の読み取りに要する時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
図2】第1実施形態に係る画像形成装置の外観を模式的に示した斜視図である。
図3】第1実施形態に係る画像形成装置による原稿読取処理を示すフローチャートである。
図4】表示部に表示される操作画面の一例を示した図である。
図5】第2実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
図6】第2実施形態に係る画像形成装置による原稿読取処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る画像読取装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る画像読取装置の第1実施形態である画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。図2は、第1実施形態に係る画像形成装置の外観を模式的に示した斜視図である。
【0016】
画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であり、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、操作部47、ネットワークインターフェイス部91、記憶装置92、及び重量センサー611を含んで構成されている。
【0017】
原稿給送部6は、原稿読取部5の上面に図略のヒンジ等によって開閉可能に構成され、原稿給送部6は、図略のプラテンガラス上に載置された原稿を読み取る場合に原稿押さえカバーとして機能する。
【0018】
また、原稿給送部6は、ADF(Auto Document Feeder)であり、原稿を載置する原稿載置トレイ61と、原稿載置トレイ61に載置されている原稿を原稿読取部5へ供給する図略の供給機構を収容する筐体62と、原稿読取部5で画像が読み取られた原稿の排出を受ける原稿排出トレイ63と、を含んで構成されている。なお、原稿給送部6は、特許請求の範囲における原稿送り装置の一例である。
【0019】
画像形成装置1で原稿読取動作が行われる場合について説明する。原稿給送部6により原稿読取部5へ供給された原稿、又は上記プラテンガラス上に載置されている原稿の画像を、原稿読取部5が光学的に読み取り、そして画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは、図略の画像メモリー等に保存される。
【0020】
画像形成装置1で画像形成動作が行われる場合について説明する。原稿読取動作により生成された画像データや、画像メモリー等に記憶されている画像データ、ネットワーク接続されたコンピューターから受信した画像データ等に基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録媒体としての記録紙にトナー像を形成する。
【0021】
定着部13は、画像形成部12によりトナー像が形成された記録紙を加熱及び加圧して、トナー像を記録紙に定着させるものであり、定着処理が施された記録紙は排出トレイ151に排出される。
【0022】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について、操作者から、画像形成動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。
【0023】
表示部473はタッチパネルになっており、操作者は画面表示されるボタンやキーに触れて画像形成装置1を操作することができる。
【0024】
ネットワークインターフェイス部91は、ローカルエリア内、又はインターネット上の外部装置20と種々のデータの送受信を行うものである。
【0025】
記憶装置92は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等であり、各種の動作プログラム及び画像データ等を記憶する。
【0026】
重量センサー611は、原稿載置トレイ61内に設けられ、原稿載置トレイ61に載置されている原稿束の重量を検出する。重量センサー611は、制御ユニット10に電気的に接続され、重量センサー611による検出結果は、制御ユニット10に伝達され、制御ユニット10で取得することが可能になっている。
【0027】
また、重量センサー611には、オンオフのスイッチが設けられ、原稿載置トレイ61に載置されている原稿の有無によってオンオフする光センサーからの電気信号によって、上記スイッチが切り替えられるようになっている。
【0028】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、指示受付部101と、枚数算出部102と、判別部103と、特別原稿検出部104と、告知部105と、画像処理部106と、を備えている。
【0029】
制御ユニット10は、記憶装置92等に記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部100、指示受付部101、枚数算出部102、判別部103、特別原稿検出部104、告知部105、及び画像処理部106として機能するものである。但し、制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0030】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、操作部47、ネットワークインターフェイス部91、及び重量センサー611と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。例えば、制御部100は、原稿給送部6を制御して、原稿載置トレイ61に載置されている原稿を原稿読取部5に供給し、原稿読取部5に原稿給送部6から供給された原稿の画像を読み取らせる。
【0031】
指示受付部101は、操作部47を介してユーザーからの指示の入力を受け付ける。指示受付部101は、操作部47が備えるハードキーに対応付けられた指示を受け付け、更には、表示部473に表示されている操作画面に対するユーザーによる操作(タッチ操作)に対応付けられた指示を、表示部473が有するタッチパネル機能により受け付ける。
【0032】
枚数算出部102は、重量センサーにより検出された重量から、予め設定された原稿1枚当たりの重量(例えば、4g)に基づいて、原稿載置トレイ61に載置されている原稿の枚数Nを算出する。制御部100は、枚数算出部102により算出された原稿の枚数Nに基づいて、当該枚数が多くなるに応じて、予め定められた低い解像度で(すなわち、読み取りに要する時間が短くなるようにして)、原稿読取部5に原稿の画像を読み取らせる。例えば、制御部100は、原稿の枚数Nが多くなるほど、読み取りの解像度Rが低くなるようにして原稿読取部5に原稿の画像を読み取らせる。
【0033】
判別部103は、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿の画像データに基づいて、当該原稿が文字のみからなる文字原稿であるのか、イメージのみからなるイメージ原稿であるのか、又は文字とイメージとからなる混在原稿であるのかを判定することによって、原稿の種類を判別する。例えば、判別部103は、上記画像データに基づいて、当該画像データが示す原稿に含まれるエッジ数NEを検出し、エッジ数NEが予め設定された第1閾値NE1以上の場合、当該原稿は文字原稿と判定し、エッジ数NEが予め設定された第2閾値NE2(<第1閾値N1)以上で第1閾値NE1未満の場合、当該原稿は混在原稿と判定し、エッジ数NEが第2閾値NE未満の場合、当該原稿はイメージ原稿と判定する。なお、判別部103による原稿種類の判別方法はこれに限定されず、他の判別方法も採用可能である。
【0034】
特別原稿検出部104は、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿の画像データに基づいて、当該原稿が高解像度での読み取りが好ましいことを示す予め設定された条件を満たしているか否かを判断して、高解像度での読み取りが好ましい特別原稿を検出する。例えば、高解像度での読み取りが好ましいことを示す予め設定された条件は「イメージ原稿」である。特別原稿検出部104は、予め設定された条件が「イメージ原稿」である場合、判別部103による判別結果に基づいて、高解像度での読み取りが好ましい特別原稿として、イメージ原稿を検出する。
【0035】
告知部105は、特別原稿検出部104により特別原稿が検出されたことをユーザーに告知するための告知処理を行う。
【0036】
なお、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿の画像データについては、文字部分にはエッジを強調する強調処理を行い、イメージ部分には平滑化処理を行い、そしてこれら処理後の画像データには色変換処理を行うのが好ましい。また、これら画像処理の内容は、原稿を読み取った解像度毎に変更するのが望ましい。
【0037】
画像処理部106は、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿の画像データを、当該原稿の読み取られた解像度及び種類(文字原稿、イメージ原稿、又は混在原稿)に基づいて、解像度及び種類毎に予め設定された内容で画像処理を行う。これにより、原稿の種類が異なれば、異なった内容の画像処理が行われ、同じ種類の原稿であっても、読み取りの解像度が異なれば、異なった内容の画像処理が行われる。
【0038】
次に、第1実施形態に係る画像形成装置1による原稿読取処理を説明する。図3は第1実施形態に係る画像形成装置1による原稿読取処理を示すフローチャートである。
【0039】
原稿読取が行われる場合、まず、制御部100は、重量センサー611に、原稿載置トレイ61に載置されている原稿の重量を検出させる(S1)。続いて、枚数算出部102は、重量センサー611により検出された重量から、原稿載置トレイ61に載置されている原稿の枚数Nを算出し(S2)、制御部100は、原稿の枚数Nが予め設定された第1閾値N1(例えば、50枚)未満であるか否かを判断する(S3)。
【0040】
制御部100は、原稿の枚数Nが第1閾値N1未満であると判断した場合(S3でYES)、読み取りの解像度Rを予め設定された中解像度R1(例えば、600×300dpi)に設定する(S4)。一方、制御部100は、原稿の枚数Nが第1閾値N1未満でないと判断した場合(S3でNO)、読み取りの解像度Rを予め設定された低解像度R2(例えば、300×300dpi。中解像度R1>低解像度R2)に設定する(S5)。
【0041】
続いて、制御部100は、原稿給送部6を制御して、原稿載置トレイ61に載置されている全ての原稿の供給を原稿読取部5に開始させ(S6)、原稿読取部5に原稿給送部6から供給された原稿の画像を、S4又はS5で設定されている解像度R(中解像度R1又は低解像度R2)で読み取らせる(S7)。
【0042】
判別部103は、原稿読取部5により原稿が読み取られる度に、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿の画像データに基づいて、当該原稿が文字原稿であるのか、イメージ原稿であるのか、又は混在原稿であるのかを判定することによって、原稿の種類を判別し(S8)、特別原稿検出部104は、判別部103による判別結果に基づいて、原稿読取部5により読み取られた原稿が高解像度での読み取りが好ましいことを示す条件(例えば、当該原稿の種類がイメージ原稿であること)を満たしているか否かを判断する(S9)。
【0043】
特別原稿検出部104は、当該原稿が上記条件を満たしていると判断した場合(S9でYES)、告知部105は、表示部473を制御して、特別原稿が検出されたことをユーザーに知らせると共に、特別原稿に対する高解像度での読み取りのやり直しを要求するか否かをユーザーに問い合わせる告知を行わせる告知処理を実行する(S10)。図4は、表示部473に表示される操作画面の一例を示した図である。当該告知処理は、原稿読取部5による原稿の読み取り中であっても行われる。
【0044】
操作画面G1には、高解像度での読み取りが好ましい(今の読み取りに用いた解像度に適さない)特別原稿が検出されたことを示すメッセージM1と、特別原稿に対する高解像度での読み取りのやり直しを要求するか否かをユーザーに問い合わせるためのメッセージM2とが表示されると共に、「YES」と記された選択ボタンB1と、「NO」と記された選択ボタンB2とが表示されている。
【0045】
制御部100は、指示受付部101が、上記やり直しを要求するユーザーからの指示を受け付けたか否かを判断し(S11)、制御部100は、例えば「YES」と記された選択ボタンB1がタッチされることに基づいて、指示受付部101が上記やり直しを要求する指示を受け付けたと判断すると(S11でYES)、S6及びS7による原稿読取が全て完了した後で、原稿給送部6を制御して、原稿載置トレイ61に載置されている全ての原稿を原稿読取部5に供給させ(S12)、原稿読取部5に原稿給送部6から供給された各原稿の画像を、高解像度R0(例えば、600×600dpi。高解像度R0>中解像度R1)で読み取らせる(S13)。
【0046】
ユーザーが操作画面G1に表示されているメッセージM2に従って、読取のやり直しが必要な原稿(高解像度での読み取りが好ましい原稿)を、原稿載置トレイ61に載せた後で、「YES」と記された選択ボタンB1がタッチされると、当該原稿の画像は高解像度R0で読み取られることになる。
【0047】
続いて、画像処理部106は、原稿読取部5による読み取りで得られた各原稿のそれぞれの画像データを個別に、各原稿の読み取られた解像度及び種類に基づいて、解像度及び種類毎に予め設定された内容で画像処理を行う(S14)。なお、当該画像処理は、S14のように全ての原稿の画像データについて1度に行うことに代えて、各原稿の読み取りが終わる度に各原稿の画像データ別に逐次行われてもよい。この後、制御部100は、画像形成部12及び給紙部14を制御して、画像処理部106により処理された全ての原稿のそれぞれの画像データを記憶装置92に記憶させる(S15)。S15では、当該画像データ記憶に代えて、又は当該画像データ記憶と共に、制御部100は、画像形成部12及び給紙部14を制御して、当該画像データが示す画像を記録紙上に形成させる。この後、処理は終了する。
【0048】
また、S9において、特別原稿検出部104が、上記条件を満たしていないと判断した場合(S9でNO)、又は、S11において、制御部100が、「NO」と記された選択ボタンB2がタッチされ、指示受付部101が上記やり直しを要求しないユーザーからの指示を受け付けたと判断した場合(S11でNO)には、高解像度R0での読み取りのやり直しは不要なので、処理はS14にスキップする。
【0049】
この実施形態によれば、原稿の枚数Nが多い場合は読み取りの解像度Rが低くなるので、原稿の読み取りに要する時間の短縮化が図られる。また、原稿の枚数Nが少ない場合は読み取りの解像度Rを高くして原稿を読み取るが、中解像度R1や低解像度R2での読み取りが好ましくなく、更に高い高解像度R0での読み取りが好ましいと判断された場合には、上記特別原稿が検出されたことをユーザーに知らせる告知が行われる。
【0050】
すなわち、原稿載置トレイ61に載置された原稿束の中に特別原稿が含まれていると、上記告知が行われる。例えば、高解像度R0での読み取りが好ましいものとして「イメージ原稿」がユーザーにより指定されている場合、原稿載置トレイ61に載置された原稿束の中にイメージ原稿が混ざっていると、上記告知が行われることになる。
【0051】
これにより、特別原稿に対する高解像度R0での読み取りのやり直しをユーザーに喚起することができる。すなわち、特別原稿が中解像度R1や低解像度R2で読み取られたまま放置されて高解像度R0で再度読み取られないことが防止されるため、出力画像の品質低下が防止される。従って、出力画像の品質を確保しつつ、原稿の読み取りに要する時間の短縮化を図ることができる。
【0052】
なお、上記実施形態では、原稿載置トレイ61に載置されている原稿の枚数Nが第1閾値N1以上のとき、制御部100は、解像度Rを低解像度R1に設定し、原稿の枚数Nが第1閾値N1未満のとき、解像度Rを中解像度R1に設定する場合について説明しているが、別の実施形態として、枚数Nに対する閾値を複数設け、例えば、原稿の枚数Nが予め設定された第2閾値N2(例えば、10枚)未満のときには、制御部100は、解像度Rを高解像度R0に設定するという処理を、上記解像度設定処理に加えて行うようにしてもよい。
【0053】
図5は、第2実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。上記第2実施形態に係る画像形成装置は、図1に示した上記第1実施形態に係る画像形成装置と、制御ユニット10が、カウント部107を備える点で相違する。第1実施形態と同様の構成は説明を省略する。
【0054】
制御ユニット10は、記憶装置92に記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、更に、カウント部107として機能する。但し、制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。
【0055】
カウント部107は、特別原稿検出部104により特別原稿が検出された回数をカウントする。
【0056】
続いて、第2実施形態に係る画像形成装置1による原稿読取処理を説明する。図6は第2実施形態に係る画像形成装置1による原稿読取処理を示すフローチャートである。但し、図3に示したフローチャートと同様の処理については、説明を省略する。なお、この処理が実行されるのは、指示受付部101が「コピー開始」のユーザー指示を受け付けたときである。
【0057】
S9において、特別原稿検出部104が、原稿読取部5により今読み取られた原稿が上記条件を満たしていると判断して、特別原稿を検出した場合のみ(S9でYES)、カウント部107は、カウンターCに1を加算する(S21)。そして、制御部100は、この時点でのカウンターCが0であるか否かを判断する(S22)。
【0058】
制御部100が、カウンターCが0でないと判断した場合(S22でNO)、告知部105は、表示部473を制御して、特別原稿が検出されたことをユーザーに知らせると共に、カウンターCの値を特別原稿の枚数としてユーザーに知らせ、更に、上記やり直しを要求するか否かをユーザに問い合わせる告知を行わせる処理を行う(S23)。
【0059】
一方、S22において、制御部100が、カウンターCが0であると判断した場合(S22でYES)、処理はS14に移る。
【0060】
この第2実施形態によれば、特別原稿の枚数(すなわち、高解像度での読み取りのやり直しをすべき原稿の枚数)がユーザーに知らされるので、やり直しすべき原稿をユーザーが抽出する際に、抽出漏れを生じにくくすることができる。
【0061】
また、別の実施形態として、カウント部107が、特別原稿の枚数Cだけでなく、カウント部107が、原稿読取部5で読み取られた原稿の枚数をカウントしていき、告知部105は、これらカウント値に基づいて、特別原稿が検出された順番を検出し、特別原稿が検出された順番をユーザーに知らせる告知をするための処理を行うようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、図1乃至図6を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成装置
5 原稿読取部
6 原稿給送部
12 画像形成部
61 原稿載置トレイ
100 制御部
101 指示受付部
102 枚数算出部
103 判別部
104 特別原稿検出部
105 告知部
106 画像処理部
107 カウント部
611 重量センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6