(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/27 20180101AFI20231114BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20231114BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20231114BHJP
F21S 43/19 20180101ALI20231114BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20231114BHJP
B60Q 3/47 20170101ALI20231114BHJP
B60Q 3/80 20170101ALI20231114BHJP
F21S 45/47 20180101ALI20231114BHJP
B60Q 3/43 20170101ALN20231114BHJP
B60Q 3/44 20170101ALN20231114BHJP
B60Q 3/74 20170101ALN20231114BHJP
B60Q 3/76 20170101ALN20231114BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20231114BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20231114BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20231114BHJP
F21W 106/00 20180101ALN20231114BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231114BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20231114BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231114BHJP
【FI】
F21S43/27
F21V3/00 510
F21V17/00 152
F21S43/19
F21V19/00 110
B60Q3/47
B60Q3/80
F21S45/47
B60Q3/43
B60Q3/44
B60Q3/74
B60Q3/76
F21W103:35
F21W103:20
F21W103:00
F21W106:00
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:10 100
F21Y115:15
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2019193571
(22)【出願日】2019-10-24
【審査請求日】2022-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】溝口 智宏
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0097586(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1855316(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0107541(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/27
F21V 3/00
F21V 17/00
F21S 43/19
F21V 19/00
B60Q 3/47
B60Q 3/80
F21S 45/47
B60Q 3/43
B60Q 3/44
B60Q 3/74
B60Q 3/76
F21W 103/35
F21W 103/20
F21W 103/00
F21W 106/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着部を有するカバーと;
前記装着部の内側に設けられた基板と;
前記基板の、一方の面側に設けられた少なくとも1つの発光素子と;
板状を呈し、前記基板の、前記発光素子が設けられる側とは反対側に設けられ、前記基板側の端部の近傍が前記装着部の内側に設けられ、前記基板側とは反対側の端部の近傍が前記装着部から露出する接続部と、
を具備し、
前記接続部の、前記装着部から露出する部分は、車両用灯具に設けられたソケットの凹部に挿入可能とされ、
前記装着部の、前記接続部が露出する側の端部の近傍は、前記ソケットの前記凹部の内壁に接触可能とされ
、
前記カバーの前記装着部は、第1の保持部を有し、
前記接続部は、前記第1の保持部と協働して、前記カバーを保持する第2の保持部を有している車両用照明装置。
【請求項2】
前記装着部の、前記接続部が露出する側の端部の近傍には凹部が設けられ、
前記装着部の前記凹部の底面の少なくとも一部は、前記ソケットの前記凹部の内壁に接触可能とされている請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記装着部の前記凹部の側面の少なくとも一部は、前記ソケットに設けられた溝の側面に接触可能とされている請求項2記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記接続部は、前記基板の、前記一方の面に略垂直な方向に延び、前記装着部から露出する部分に、前記発光素子と電気的に接続された一対の端子を有する請求項1~3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置に設けられた接続部が挿入される凹部を有するソケットと;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
口金を有さないウェッジベース電球が車両用照明装置として用いられている。ウェッジベース電球は白熱電球である。そのため、省電力化、長寿命化などの観点から、ウェッジベース電球は、発光ダイオードを備えた車両用照明装置と置き換えられるようになってきている。
【0003】
ウェッジベース電球は、車両用灯具に設けられたソケットに押し込むようにして装着される。ウェッジベース電球に代えて、発光ダイオードを備えた車両用照明装置を用いる場合、ウェッジベース電球が装着されていたソケットをそのまま用いることができるようにすることが好ましい。そのため、発光ダイオードを備えた車両用照明装置は、車両用灯具に設けられたソケットに押し込むようにして装着される。
【0004】
この様な車両用照明装置には、カバーと、カバーの内側に設けられ、発光ダイオードを有する発光部と、ソケットに挿入される接続部と、が設けられている。
【0005】
この場合、走行などに伴う振動が車両用照明装置に加わると、カバーが脱落するおそれがある。カバーが脱落すると、発光ダイオードなどに外力が加わりやすくなったり、配光特性が変化したりするおそれがある。
そこで、カバーの脱落を抑制することができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、カバーの脱落を抑制することができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る車両用照明装置は、装着部を有するカバーと;前記装着部の内側に設けられた基板と;前記基板の、一方の面側に設けられた少なくとも1つの発光素子と;板状を呈し、前記基板の、前記発光素子が設けられる側とは反対側に設けられ、前記基板側の端部の近傍が前記装着部の内側に設けられ、前記基板側とは反対側の端部の近傍が前記装着部から露出する接続部と、を具備している。前記接続部の、前記装着部から露出する部分は、車両用灯具に設けられたソケットの凹部に挿入可能とされている。前記装着部の、前記接続部が露出する側の端部の近傍は、前記ソケットの前記凹部の内壁に接触可能とされている。前記カバーの前記装着部は、第1の保持部を有している。前記接続部は、前記第1の保持部と協働して、前記カバーを保持する第2の保持部を有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、カバーの脱落を抑制することができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
【
図3】発光部が取り付けられた接続部をソケットに装着した状態を例示するための模式斜視図である。
【
図4】発光部と接続部の接続関係を例示するための模式斜視図である。
【
図5】(a)は、接続部の一方の面側を例示するための模式平面図である。(b)は、接続部の他方の面側を例示するための模式平面図である。
【
図6】(a)は、カバーの模式側面図である。(b)は、(a)におけるカバーをA方向から見た場合の模式側面図である。
【
図7】(a)~(c)は、保持部の他の形態を例示するための模式断面図である。
【
図8】(a)~(c)は、他の実施形態に係る端部カバーを例示するための模式斜視図である。
【
図9】(a)、(b)は、他の実施形態に係る端部カバーを例示するための模式斜視図である。
【
図10】本実施の形態に係る車両用灯具を例示するための模式図である。
【
図11】(a)は、ソケットの模式平面図である。(b)は、(a)におけるソケットのB-B線方向の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係る車両用照明装置1としては、例えば、自動車や鉄道車両などに設けられるルームランプ、メーターランプ、読書灯、制動灯、方向指示灯、尾灯などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0012】
(車両用照明装置)
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、車両用照明装置1の模式分解図である。
図3は、発光部10が取り付けられた接続部20をソケット101に装着した状態を例示するための模式斜視図である。
図4は、発光部10と接続部20の接続関係を例示するための模式斜視図である。
図1~
図3に示すように、車両用照明装置1には、発光部10、接続部20、およびカバー30を設けることができる。
【0013】
図4に示すように、発光部10には、基板11、および発光素子12を設けることができる。
基板11は、板状体とすることができる。基板11の平面形状は、例えば、長方形とすることができる。基板11は、カバー30の装着部32の内側に設けることができる。また、基板11の側面11dが、カバー30の装着部32の外面32aと同じ位置に設けられ、側面11dが装着部32の外面32aと同じ形状となるようにすることができる。例えば、
図4に例示をしたように、基板11は、中心点を含む円板の一部とすることができる。この様にすれば、基板11の面11aの面積を大きくすることができるので、発光素子12の数を増やしたり、サイズの大きい発光素子12を設けたりするのが容易となる。
【0014】
基板11は、絶縁性材料から形成することができる。基板11は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板11は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0015】
発光素子12の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板11を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、酸化アルミニウムや炭素(カーボン)などからなるフィラーを混合させたものとすることができる。
【0016】
基板11の厚みは、例えば、0.5mm~3.0mm程度とすることができる。ただし、基板11の厚みは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0017】
基板11の、接続部20側とは反対側の面11aには配線パターン11bを設けることができる。配線パターン11bは、実装パッド11b1を有することができる。実装パッド11b1には、発光素子12を電気的に接続することができる。すなわち、発光素子12は、基板11の面11a側に設けることができる。配線パターン11bは、銅、アルミニウム、銀などの低抵抗金属から形成することができる。
【0018】
また、基板11の、接続部20側の面11cには、接続パッドを設けることができる。基板11を厚み方向に貫通する導電ビアなどを介して、配線パターン11bと接続パッドを電気的に接続することができる。接続パッドは、接続部20に設けられた配線パターン20a1、20b1と半田付けすることができる。すなわち、基板11に設けられた配線パターン11bは、半田付けにより形成された導電部13を介して、接続部20に設けられた配線パターン20a1、20b1と電気的に接続される。
また、基板11の面11aに、接続部20に設けられた配線パターン20a1、20b1と接続される接続パッドを設けて、基板11の面11a側で半田付けする構成としても良い。
【0019】
発光素子12は、少なくとも1つ設けることができる。発光素子12は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子12は、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。また、発光素子12は、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。なお、
図3および
図4に例示をした発光素子12は、表面実装型の発光素子である。
【0020】
また、発光素子12は、COB(Chip On Board)により実装されるものとすることもできる。COBにより実装される発光素子12とする場合には、チップ状の発光素子12と、発光素子12と配線パターン11bを電気的に接続する配線と、発光素子12と配線を囲む枠状の部材と、枠状の部材の内側に設けられ発光素子12と配線を覆う封止部などを基板11の面11aに設けることができる。また、封止部には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。なお、蛍光体の種類は、例示をしたものに限定されるわけではない。蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0021】
発光素子12の光の出射面は、基板11の面11aと略平行とすることができる。例えば、発光素子12は、主に、基板11の面11aに垂直な方向に向けて光を照射する。
発光素子12の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。なお、複数の発光素子12が設けられる場合には、複数の発光素子12を直列接続することができる。
【0022】
また、発光部10には、抵抗、ダイオード、コンデンサなどの素子をさらに設けることができる。これらの素子は、基板11の面11aおよび面11cの少なくともいずれかに設けることもできるし、接続部20に設けられた配線パターン20a1、20b1に電気的に接続することもできる。
【0023】
図5(a)は、接続部20の一方の面20a側を例示するための模式平面図である。
図5(b)は、接続部20の他方の面20b側を例示するための模式平面図である。
図4、
図5(a)、および
図5(b)に示すように、接続部20は、板状体とすることができる。接続部20の平面形状は、例えば、長方形とすることができる。従来のウェッジベース電球との置き換えを容易にするため、接続部20の幅寸法Wは、5.0mm~15.0mm、例えば、10.0mm程度とすることができる。なお、幅寸法Wは、車両用照明装置1をソケット101に挿入する方向と直交する方向における接続部20の寸法である。
【0024】
接続部20の厚みTは、0.5mm~3.0mm、例えば、2.0mmとすることができる。ただし、接続部20の幅寸法Wと厚みTは、例示をしたものに限定されるわけではなく、接続部20が挿入されるソケット101の凹部101aの寸法に応じて適宜変更することができる。
【0025】
接続部20の材料は、例えば、前述した基板11の材料と同じとすることができる。発光素子12において発生した熱は、基板11を介して接続部20に伝わり、接続部20からソケット101を介して外部に放出される。そのため、発光素子12の温度上昇の抑制を考慮すると、熱伝導率の高い材料を用いて接続部20を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。この場合、接続部20の材料は、基板11の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
接続部20の面20aには、配線パターン20a1を設けることができる。配線パターン20a1は、例えば、接続パッド20a1aと端子20a1bを有することができる。接続パッド20a1aは、接続部20の、基板11側の端部の近傍に設けることができる。接続パッド20a1aは、基板11の面11cに設けられた、配線パターン11bの接続パッドと半田付けすることができる。端子20a1bは、接続部20の、基板11側とは反対側の端部の近傍に設けることができる。接続部20をソケット101に装着した際に、端子20a1bは、ソケット101に設けられた一方のソケット端子101cと接触することができる。そのため、ソケット101に設けられた一方のソケット端子101cを、端子20a1b、接続パッド20a1a、および配線パターン11bを介して、発光素子12の一方の極性の電極に電気的に接続することができる。
【0027】
また、端子20a1bは、接続部20の面20bにも設けることができる。面20bに設けられる端子20a1bは、面20aに設けられた端子20a1bと対峙する位置に設けることができる。面20bに設けられる端子20a1bは、導通ビア20a1cを介して、面20aに設けられた端子20a1bと電気的に接続することができる。端子20a1bが、面20bにも設けられていれば、ソケット101に設けられたソケット端子101cとの接触に関する信頼性を向上させることができる。
【0028】
接続部20の面20bには、配線パターン20b1を設けることができる。配線パターン20b1は、例えば、接続パッド20b1aと端子20b1bを有することができる。接続パッド20b1aは、接続部20の、基板11側の端部の近傍に設けることができる。接続パッド20b1aは、基板11の面11cに設けられた、配線パターン11bの接続パッドと半田付けすることができる。端子20b1bは、接続部20の、基板11側とは反対側の端部の近傍に設けることができる。接続部20をソケット101に装着した際に、端子20b1bは、ソケット101に設けられた他方のソケット端子101cと接触することができる。そのため、ソケット101に設けられた他方のソケット端子101cを、端子20b1b、接続パッド20b1a、および配線パターン11bを介して、発光素子12の他方の極性の電極に電気的に接続することができる。
【0029】
また、端子20b1bは、接続部20の面20aにも設けることができる。面20aに設けられる端子20b1bは、面20bに設けられた端子20b1bと対峙する位置に設けることができる。面20aに設けられる端子20b1bは、導通ビア20b1cを介して、面20bに設けられた端子20b1bと電気的に接続することができる。端子20b1bが、面20aにも設けられていれば、ソケット101に設けられたソケット端子101cとの接触に関する信頼性を向上させることができる。
【0030】
また、前述した抵抗、ダイオード、コンデンサなどの素子を接続部20の面20a、20bに設ける場合には、配線パターン20a1、20b1に実装パッドなどを設けることができる。
配線パターン20a1、20b1は、銅、アルミニウム、銀などの低抵抗金属から形成することができる。
【0031】
接続部20の、基板11側の端部には、凹部20cを設けることができる。凹部20cは、接続部20を厚み方向に貫通し、且つ、側面20dに開口している。
図4に示すように、凹部20cの内部には、発光部10(基板11)を設けることができる。凹部20cの内壁と基板11の側面との間には僅かな隙間があってもよいし、凹部20cの内壁と基板11の側面とが接触していてもよい。例えば、基板11は凹部20cの内部に接着したり、圧入したりすることができる。
【0032】
また、凹部20cの深さDは、発光部10の厚み(基板11の面11cと、発光素子12の光の出射面との間の寸法)よりも大きくすることが好ましい。この様にすれば、
図4に示すように、発光素子12の光の出射面を凹部20cの内部に設けることができるので、外力などが発光素子12の光の出射面に加わるのを抑制することができる。
【0033】
以上に説明したように、接続部20は、板状を呈し、基板11の、発光素子12が設けられる側とは反対側に設けられている。接続部20は、基板11側の端部の近傍が装着部32の内側に設けられ、基板11側とは反対側の端部の近傍が装着部32から露出している。
接続部20の、装着部32から露出する部分は、車両用灯具100に設けられたソケット101の凹部101aに挿入可能とされている。装着部32の、接続部20が露出する側の端部の近傍は、ソケット101の凹部101aの内壁に接触可能とされている。
接続部20は、基板11の、面11aに略垂直な方向に延び、装着部32から露出する部分に、発光素子12と電気的に接続された一対の端子20a1b、20b1bを有している。接続部20の、一対の端子20a1b、20b1bが設けられた部分は、車両用灯具100に設けられたソケット101に挿入可能とされている。
【0034】
また、側面20dに交差する、側面20eおよび側面20fの少なくともいずれかには、保持部20gを設けることができる。
図5(a)、(b)に例示をした接続部20の場合には、側面20e、20fのそれぞれに、1つの保持部20gが設けられている。この場合、側面20fに設けられる保持部20gは、側面20eに設けられる保持部20gと対峙する位置に設けることが好ましい。
図1に示すように、保持部20gは、カバー30(装着部32)に設けられた保持部32dと協働して、カバー30(装着部32)を接続部20に保持させる。
また、装着部32の、接続部20が露出する側の端部の近傍には凹部32eが設けられている。装着部32の凹部32eの底面32e1の少なくとも一部は、ソケット101の凹部101aの内壁に接触可能とされている。装着部32の凹部32eの側面32e2の少なくとも一部は、ソケット101に設けられた溝101bの側面101b1に接触可能とされている。
【0035】
図5(a)、(b)に例示をした保持部20gは、側面20e、20fに設けられた凸部である。この場合、保持部20gの、側面20d側の面20g1は傾斜面とすることが好ましい。面20g1の、側面20d側とは反対側の端部は、側面20d側の端部よりも、接続部20の外側に位置している。面20g1が、この様な傾斜面となっていれば、カバー30(装着部32)を接続部20に装着するのが容易となる。また、保持部20gの、側面20d側とは反対側の面20g2は、側面20e、20fに略垂直な面とすることが好ましい。この様にすれば、カバー30(装着部32)が接続部20から脱落するのを抑制することができる。
【0036】
図6(a)は、カバー30の模式側面図である。
図6(b)は、
図6(a)におけるカバー30をA方向から見た場合の模式側面図である。
図6(a)、(b)に示すように、カバー30は、端部カバー31、および装着部32を有することができる。
【0037】
端部カバー31は、発光部10の光の出射側に設けることができる。例えば、端部カバー31は、装着部32の、ソケット101側とは反対側の端部に設けられ、発光部10の光の出射側を覆うことができる。端部カバー31の形状は、車両用照明装置1に求められる配光特性などに応じて適宜変更することができる。例えば、
図6(a)、(b)に示すように、端部カバー31は、半球面などの凸状の曲面から構成することができる。この様にすれば、広い配光特性を有する車両用照明装置1とすることができる。
【0038】
また、端部カバー31の光の出射面に凹凸を設け、光を散乱させるようにすることもできる。
なお、端部カバー31は、省くこともできる。すなわち、装着部32のみを有するカバー30とすることもできる。ただし、端部カバー31が設けられていれば、発光素子12などに外力が加わるのを抑制することができる。また、端部カバー31にレンズなどの光学要素の機能を持たせれば、車両用灯具100側の光学設計の自由度を大きくすることができる。
【0039】
装着部32は、筒状体とすることができる。装着部32の内側には、発光部10が取り付けられた接続部20を設けることができる。
装着部32の、接続部20が露出する側の端部(ソケット101側の端部)には、切り欠き32bを設けることができる。切り欠き32bは、一対設けることができる。一対の切り欠き32bは、装着部32の中心軸を挟んで対峙している。切り欠き32bは、装着部32を厚み方向に貫通し、且つ、ソケット101側の端面32cに開口している。
図1に示すように、切り欠き32bの内壁32b1と、基板11の面11aおよび基板11の側面と、の間には隙間を設けることができる。
すなわち、基板11の端部の近傍は、切り欠き32bの内部に設けられ、切り欠き32bの内壁と、基板11の端部の近傍との間には、隙間が設けられている。そのため、装着部32は、接続部20に保持され、基板11とは接触していない。
【0040】
車両用照明装置1をソケット101に装着する際には、作業者はカバー30をつかんで車両用照明装置1をソケット101に押し入れる。そのため、カバー30と基板11が接触していると、車両用照明装置1をソケット101に押し入れる力が、基板11に作用して、基板11が変形する場合がある。基板11が変形すると、基板11に設けられた配線パターン11bと、接続部20に設けられた配線パターン20a1、20b1とを電気的に接続している導電部13(半田付けの部分)に力が加わり、導電部13が剥離するおそれがある。本実施の形態に係るカバー30(装着部32)は、基板11と接触していないので、車両用照明装置1をソケット101に押し入れる力が、基板11に作用するのを抑制することができる。そのため、車両用照明装置1をソケット101に装着する際に故障が発生するのを抑制することができる。
【0041】
また、装着部32には、保持部32dを設けることができる。発光部10が取り付けられた接続部20に装着部32を差し込んだ際には、装着部32の保持部32dと、接続部20の保持部20gが協働して、カバー30(装着部32)を接続部20に保持させる。例えば、
図1に示すように、保持部20gが凸部の場合には、保持部32dは孔とすることができる。ただし、保持部20gおよび保持部32dの形態は、これに限定されるわけではない。
【0042】
例えば、保持部20gは、凸部、凹部、孔、溝などとすることができる。そして、保持部32dは、保持部20gに嵌合させたり、保持部20gに引っかけたりすることができる凸部、凹部、孔、溝などとすることができる。
図7(a)~(c)は、保持部20gおよび保持部32dの他の形態を例示するための模式断面図である。
図7(a)に示すように、保持部20gおよび保持部32dを凸部とし、保持部20gに保持部32dを引っかけるようにしてもよい。
図7(b)に示すように、保持部20gを凹部、孔、溝などとし、保持部32dを凸部として、保持部32dを保持部20gに嵌合させたり、保持部20gに引っかけたりしてもよい。
図7(c)に示すように、保持部20gを凸部とし、保持部32dを凹部、孔、溝などとして、保持部20gを保持部32dに嵌合させたり、保持部32dに引っかけたりしてもよい。
【0043】
また、
図6(a)、(b)に示すように、装着部32の、ソケット101側の端部には、凹部32eを設けることができる。凹部32eは、装着部32のソケット101側の端面32cと、切り欠き32bに開口している。装着部32の中心軸周りにおいて、凹部32eは、切り欠き32bの両側に設けることができる。また、装着部32の中心軸周りにおいて、保持部32dは、凹部32eの側面32e2と、隣接する凹部32eの側面32e2との間に設けることができる。
【0044】
図1に示すように、凹部32eの底面32e1と、接続部20が挿入されるソケット101の凹部101aの内壁との間には僅かな隙間があってもよいし、凹部32eの底面32e1とソケット101の凹部101aの内壁とが接触していてもよい。
装着部32は肉厚の薄い筒状体であり、切り欠き32bが設けられている。そのため、装着部32の、ソケット101側の部分は剛性が小さくなり、変形が生じ易くなるおそれがある。この場合、装着部32の、ソケット101側の部分が外方に変形すると、保持部20gと保持部32dが離れて、カバー30(装着部32)が脱落するおそれがある。
【0045】
一方、ソケット101の剛性は大きいので、凹部32eの底面32e1がソケット101の凹部101aの内壁と接触すれば、装着部32が外方に変形するのを抑制することができる。そのため、保持部20gと保持部32dが離れるのを抑制することができるので、カバー30(装着部32)が脱落するのを抑制することができる。
【0046】
また、装着部32の中心軸周りにおいて、凹部32eの側面32e2と、ソケット101の凹部101aに連通する溝101bの側面101b1との間には僅かな隙間があってもよいし、凹部32eの側面32e2と溝101bの側面101b1とが接触していてもよい。この様にすれば、装着部32の中心軸周りにおいて、カバー30(装着部32)の位置がズレるのを抑制することができる。
【0047】
端部カバー31は、光を透過する材料から形成することができる。端部カバー31は、例えば、ガラスや透光性を有する樹脂などから形成することができる。この場合、端部カバー31は、透明であってもよいし、着色されていてもよい。また、端部カバー31は、光散乱粒子や蛍光体を含むこともできる。光散乱粒子は、例えば、酸化チタンなどを含む粒子とすることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体などとすることができる。なお、光散乱粒子の種類や蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて適宜変更することができる。
【0048】
装着部32の材料には特に限定はない。装着部32は、例えば、樹脂などの有機材料、セラミックスなどの無機材料、金属などから形成することができる。樹脂は、光を透過する樹脂であってもよいし、光を透過しない樹脂であってもよい。また、装着部32の材料は、端部カバー31の材料と同じとすることもできる。これらの材料が同じであれば、製造工程の簡略化、材料費の低減などを図ることができる。
また、装着部32の内壁に、光の反射率が高い材料(例えば、アルミニウムなど)を含む膜を設け、装着部32にリフレクタの機能を持たせることもできる。
【0049】
端部カバー31と装着部32は一体に成形することもできるし、接着などで接合することもできる。端部カバー31と装着部32を一体に成形する場合、材料が同じであれば射出成形法などを用いることができる。材料が異なるのであれば、二色成形法やインサート成形法などを用いることができる。
【0050】
図8(a)~(c)は、他の実施形態に係る端部カバーを例示するための模式斜視図である。
図8(a)に示すように、カバー30aは、端部カバー31a、および装着部32を有することができる。端部カバー31aは、装着部32の、ソケット101側とは反対側の端部を塞ぐように設けることができる。端部カバー31aは、平板状を呈し、装着部32の中心軸に略直交している。この様にすれば、車両用照明装置1(装着部32)の中心軸に沿った方向に光を照射するのが容易となる。
なお、装着部32の中心軸に対して傾斜している端部カバー31aとすることもできる。この場合、端部カバー31aの向きにより、光の照射方向を変化させることができる。
【0051】
図8(b)に示すように、カバー30bは、端部カバー31b、および装着部32を有することができる。端部カバー31bは、先端側になるに従い、中心軸に直交する方向の寸法が漸減する凸状の形状を有することができる。例えば、端部カバー31bは、凸状を呈し、円錐状や円錐台状などの形状を有することができる。
図8(b)に例示をした端部カバー31bは、円錐状の形状を有している。
【0052】
図8(c)に示すように、カバー30cは、端部カバー31c、および装着部32を有することができる。端部カバー31cは、ソケット101側に突出する凹状の形状を有することができる。例えば、端部カバー31cは、凹状を呈し、半球状などの球面の一部、円錐状や円錐台状などの形状を有することができる。
図8(c)に例示をした端部カバー31cは、凹状を呈し、円錐状の形状を有している。
【0053】
なお、以上においては、凸状または凹状の曲面を有する端部カバーを例示したが、凸状または凹状の平面を有する端部カバーとしてもよい。例えば、端部カバーは、凸状または凹状を呈し、角柱状、角錐状、角錐台状などの形状を有するものであってもよい。
【0054】
図9(a)、(b)は、他の実施形態に係る端部カバーを例示するための模式斜視図である。
図9(a)に示すように、カバー30dは、端部カバー31d、および装着部32を有することができる。端部カバー31dは、前述した端部カバー31aに、孔31d1をさらに設けたものとすることができる。孔31d1は、カバー30dを厚み方向に貫通している。すなわち、孔31d1を介して、カバー30dの内部空間が、カバー30dの外部の雰囲気とつながっている。孔31d1が設けられていれば、カバー30dの内部の空気を排出したり、外部の空気をカバー30dの内部に導入したりするのが容易となる。そのため、発光部10において発生した熱を外部に放出するのが容易となる。また、孔31d1を介して照射される光の強度が、カバー30dを介して照射される光の強度よりも大きくなる。
【0055】
なお、平面形状が円の孔31d1を、カバー30dの中心近傍に1つ設ける場合を例示したが、孔31d1の数、配置、平面形状、大きさなどは、前述した放熱効果などを考慮して適宜変更することができる。
【0056】
図9(b)に示すように、カバー30eは、端部カバー31e、および装着部32を有することができる。端部カバー31eは、前述した端部カバー31cに、孔31e1をさらに設けたものとすることができる。孔31e1は、カバー30eを厚み方向に貫通している。孔31e1の作用効果は、前述した孔31d1の作用効果と同様とすることができる。
なお、平面形状が円の孔31e1を、カバー30eの中心近傍に1つ設ける場合を例示したが、孔31e1の数、配置、平面形状、大きさなどは、前述した放熱効果などを考慮して適宜変更することができる。
【0057】
また、孔31d1、31e1を設ける場合には、端部カバー31d、31eを、光を透過しない材料、あるいは光が透過し難い材料から形成することもできる。例えば、端部カバー31d、31eは、金属、セラミックスなどの無機材料、透明でない樹脂などから形成することができる。
【0058】
(車両用灯具100)
図10は、本実施の形態に係る車両用灯具100を例示するための模式図である。
なお、以下においては、一例として、前述した車両用照明装置1が1つ設けられる場合を例示するが、車両用照明装置1は、少なくとも1つ設けられていればよい。
図11(a)は、ソケット101の模式平面図である。
図11(b)は、
図11(a)におけるソケット101のB-B線方向の模式断面図である。
図10に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、ソケット101、筐体102、およびカバー103を設けることができる。
【0059】
図10に示すように、ソケット101は筐体102に設けることができる。ソケット101には、車両用照明装置1を装着することができる。ソケット101は、例えば、樹脂などの絶縁性材料から形成することができる。
また、
図10においては、ソケット101と筐体102とを別個に設ける場合を例示したが、ソケット101と筐体102とを一体的に形成しても良い。
図11(a)、(b)に示すように、ソケット101には、一方の端部に開口する凹部101aを設けることができる。凹部101aの内部には、車両用照明装置1(接続部20)を挿入することができる。ソケット端子101は、凹部101aの内部に設けられる。例えば、一方の電圧極性に対応する一対のソケット端子101c1と、他方の電圧極性に対応する一対のソケット端子101c2を凹部101aの内部に設けることができる。一対のソケット端子101c1(101c2)は弾性変形が可能である。接続部20を凹部101aの内部に挿入した際に、ソケット端子101c1、101c2は、それぞれ、接続部20の端子20a1b、21b1bと接触することができる。一対のソケット端子101c1(101c2)には、車両用灯具100の外部に設けられた電源などを電気的に接続することができる。なお、筐体102の内部および外面の少なくともいずれかに回路基板を設け、回路基板を介して一対のソケット端子101c1(101c2)と電源などとが電気的に接続されるようにしてもよい。
【0060】
また、ソケット101には、凹部101aに連通する溝101bを設けることができる。前述したように、溝101bは、装着部32の凹部32eと協働して、装着部32が外方に変形するのを抑制したり、装着部32の中心軸周りにおいて、カバー30(装着部32)の位置がズレるのを抑制したりすることができる。
【0061】
筐体102の形状は、例えば、一方の端部側が開口した箱状とすることができる。筐体102は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。
カバー103は、筐体102の開口を塞ぐように設けることができる。カバー103は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。カバー103は、レンズなどの機能を有するものとしたり、グレアを抑制するものとしたりすることができる。また、カバー103は、筐体102に開閉可能に設けたり、着脱可能に設けたりすることができる。
【0062】
その他、筐体102の内部に、リフレクタ、レンズなどの光学要素を設けることもできる。
【0063】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 車両用照明装置、10 発光部、11 基板、12 発光素子、20 接続部、20a1b 端子、20b1b 端子、20g 保持部、30 カバー、31 端部カバー、31a~31e 端部カバー、32 装着部、32b 切り欠き、32d 保持部、32e 凹部、32e1 底面、32e2 側面、100 車両用灯具、101 ソケット、101a 凹部、101b 溝、101b1 側面、101c ソケット端子