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特許7383986状態通知装置、状態通知装置の制御方法、情報処理プログラム、および、記録媒体
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  • 特許-状態通知装置、状態通知装置の制御方法、情報処理プログラム、および、記録媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】状態通知装置、状態通知装置の制御方法、情報処理プログラム、および、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/20 20060101AFI20231114BHJP
   G01J 1/42 20060101ALI20231114BHJP
   H01H 35/00 20060101ALI20231114BHJP
   H03K 17/78 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
G01V8/20 Q
G01J1/42 N
H01H35/00 A
H03K17/78 B
H03K17/78 S
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019199033
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021072566
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】橋本 実
(72)【発明者】
【氏名】菊池 啓作
(72)【発明者】
【氏名】工藤 一洋
(72)【発明者】
【氏名】福本 哲也
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-180649(JP,A)
【文献】特開2010-175487(JP,A)
【文献】特開2008-300201(JP,A)
【文献】特開2012-134575(JP,A)
【文献】特開2019-158600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 8/20
H03K 17/78
G01J 1/42
H01H 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の検知の有無に応じて出力を2つの値の間で変更する状態通知装置であって、
自装置の物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、および供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つを基に、自装置の動作状況および自装置を取り巻く環境の少なくとも一方をモニタする監視部と、
自装置の少なくとも正常動作時での出力の変更を契機として、その出力変更時点における、前記監視部の自装置の物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、および供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つのモニタ結果を含むログを出力するログ出力部と、
を備える状態通知装置。
【請求項2】
前記物体は、非接触センサによって検出される
請求項1に記載の状態通知装置。
【請求項3】
前記物体は、多光軸光電センサによって検出され、
前記ログ出力部は、自装置の出力を変更した時点における、前記多光軸光電センサの複数の受光素子の各々によって検出された状態を識別可能な、前記ログを出力する
請求項1または2に記載の状態通知装置。
【請求項4】
前記ログ出力部によって出力された前記ログを格納しておく記憶部をさらに備える
請求項1から3のいずれか1項に記載の状態通知装置。
【請求項5】
前記ログ出力部によって出力された前記ログを外部に送信する送信部をさらに備える
請求項1から4のいずれか1項に記載の状態通知装置。
【請求項6】
ユーザ操作を受け付けて、前記ログ出力部による前記ログの出力を停止させる受付部をさらに備える
請求項1からのいずれか1項に記載の状態通知装置。
【請求項7】
物体の検知の有無に応じて出力を2つの値の間で変更する状態通知装置の制御方法であって、
自装置の物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、および供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つを基に、前記状態通知装置の動作状況および前記状態通知装置を取り巻く環境の少なくとも一方をモニタする監視ステップと、
前記状態通知装置の少なくとも正常動作時での出力の変更を契機として、その出力変更時点における、前記監視ステップの前記状態通知装置の物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、および供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つのモニタ結果を含むログを出力するログ出力ステップと、
を含む制御方法。
【請求項8】
請求項1からのいずれか1項に記載の状態通知装置としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムであって、前記各部としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラム。
【請求項9】
請求項に記載の情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出された状態に応じて出力を変更する状態通知装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多光軸光電センサなどの、検出された状態に応じて出力を変更する状態通知装置が知られており、例えば、多光軸光電センサは、検出エリアが遮光されていない間はハイレベルの信号を出力し、検出エリアが遮光されたことを検出すると出力を停止させる。そして、このような状態通知装置について、自装置等に異常が発生した場合に異常の発生を外部に通知する構成が知られている。例えば、下掲の特許文献1には、ミューティング処理に関して発生した異常を外部に通知する多光軸光電センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-134575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術は、多光軸光電センサなどの状態通知装置が、正常な動作として出力を変更した場合には、出力の変更の原因をユーザが把握するのが困難であるという問題がある。
【0005】
例えば、従来の状態通知装置は、自装置の動作に異常が発生した場合にのみ動作ログを保存し、正常な動作として「出力の変更」を実行した場合には動作ログを保存しない。そのため、「出力の変更」が従来の状態通知装置の正常な動作として実行された場合、ユーザは、その「出力の変更」の原因の検討などに際して、従来の状態通知装置の動作ログを利用することができないという問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、検出された状態に応じて「出力の変更」を実行する状態通知装置について、「出力の変更」の原因をユーザが容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る状態通知装置は、物体の検知の有無に応じて出力を2つの値の間で変更する状態通知装置であって、自装置の動作状況および自装置を取り巻く環境の少なくとも一方をモニタする監視部と、自装置の出力の変更を契機として、前記監視部のモニタ結果を含むログを出力するログ出力部と、を備えている。
【0008】
前記の構成によれば、前記状態通知装置は、物体の検知の有無に応じて出力を2つの値の間で変更し、例えば、人体の検出があると、出力をONからOFFへと変更する。当然、ONディレーおよびOFFディレーなども、前記状態通知装置の「出力を2つの値の間で変更する」に含まれ、前記状態通知装置は、出力を2つの値の間で変更することにより、物体(人体を含む)の検知の有無を、外部に通知し得るものであればよい。
【0009】
前記状態通知装置は、自装置の動作状況および自装置を取り巻く環境の少なくとも一方をモニタしておき、エラー等の異常の発生をトリガとするのではなく、自装置の出力の変更をトリガとして、モニタ結果を含む前記ログを出力する。つまり、前記状態通知装置は、異常発生時だけでなく、通常の処理として出力を変更した場合であっても、出力の変更を契機として、自装置の動作状況および自装置を取り巻く環境の少なくとも一方についてのモニタ結果を含む前記ログを出力する。
【0010】
例えば、前記状態通知装置は、ユーザの意図しない外部入力等を起因として、つまり、検出された状態に応じて、正常動作として出力OFFなどの出力変更を実行した場合であっても、自装置の出力を変更した時点における前記モニタ結果を含むログを保存する。つまり、前記状態通知装置は、正常動作として出力変更を実行した場合であっても、ユーザがその出力変更の原因を特定できるような情報を、ユーザに提供することができる。ここで、前記ログは、例えば、自装置の出力を変更した時点における前記モニタ結果を含んでいる。前記ログは、自装置の出力を変更した時点よりも前の時点における前記モニタ結果、および、自装置の出力を変更した時点よりも後の時点における前記モニタ結果の少なくとも一方を、さらに含んでいてもよい。
【0011】
したがって、前記状態通知装置は、自装置の出力変更の原因を、ユーザが容易に把握できるようにするとの効果を奏する。
【0012】
本発明の一態様に係る状態通知装置において、前記物体は、非接触センサによって検出されてもよい。
【0013】
前記の構成によれば、前記状態通知装置は、非接触センサによる物体の検出有無に応じて出力を変更する状態通知装置であって、自装置の出力の変更をトリガとして、モニタ結果を含む前記ログを出力する。
【0014】
したがって、前記状態通知装置は、非接触センサによる物体の検出有無に応じた出力の変更の原因を、ユーザが容易に把握できるようにするとの効果を奏する。
【0015】
本発明の一態様に係る状態通知装置において、前記物体は、多光軸光電センサによって検出され、前記ログ出力部は、自装置の出力を変更した時点における、前記多光軸光電センサの複数の受光素子の各々によって検出された状態を識別可能な、前記ログを出力してもよい。
【0016】
前記の構成によれば、前記状態通知装置は、自装置の出力を変更した時点における、前記多光軸光電センサの複数の受光素子の各々によって検出された状態を識別可能な、前記ログを出力する。
【0017】
したがって、前記状態通知装置は、前記多光軸光電センサの複数の受光素子のうちのどの受光素子が検出した状態によって、出力を変更したのかを、ユーザに通知することができるとの効果を奏する。
【0018】
本発明の一態様に係る状態通知装置は、前記ログ出力部によって出力された前記ログを格納しておく記憶部をさらに備えていてもよい。
【0019】
前記の構成によれば、前記状態通知装置は、前記ログ出力部によって出力された前記ログを格納しておく記憶部をさらに備える。したがって、前記状態通知装置は、自装置の出力を変更した時点における、自装置の動作状況および自装置を取り巻く環境の少なくとも一方のモニタ結果を含む前記ログを、前記記憶部に保存しておくことができるとの効果を奏する。
【0020】
本発明の一態様に係る状態通知装置は、前記ログ出力部によって出力された前記ログを外部に送信する送信部をさらに備えていてもよい。
【0021】
前記の構成によれば、前記状態通知装置は、前記ログ出力部によって出力された前記ログを外部に送信する送信部をさらに備える。したがって、前記状態通知装置は、自装置の出力を変更した時点における、自装置の動作状況および自装置を取り巻く環境の少なくとも一方のモニタ結果を含む前記ログを、外部に送信することができるとの効果を奏する。
【0022】
本発明の一態様に係る状態通知装置において、前記監視部は、自装置の物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つをモニタしてもよい。
【0023】
前記の構成によれば、前記状態通知装置は、自装置の物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つをモニタする。そして、前記状態通知装置は、自装置の出力を変更した時点における、自装置の物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つのモニタ結果を含む前記ログを出力する。
【0024】
したがって、前記状態通知装置は、自装置の出力を変更した時点における、自装置の物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つをユーザに通知することができるとの効果を奏する。
【0025】
本発明の一態様に係る状態通知装置は、ユーザ操作を受け付けて、前記ログ出力部による前記ログの出力を停止させる受付部をさらに備えていてもよい。
【0026】
前記の構成によれば、前記状態通知装置は、ユーザ操作を受け付けて、前記ログ出力部による前記ログの出力を停止させる。したがって、前記状態通知装置は、ユーザ操作を受け付けて、前記ログの出力を停止することができるとの効果を奏する。ユーザ操作を受け付けて前記ログの出力を停止することで、前記状態通知装置は、例えば、前記ログを格納する記憶領域の記憶容量が、ユーザが不要と判断した前記ログによって消費され、前記記憶領域の寿命が無駄に減少するといった事態を回避することができる。
【0027】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御方法は、物体の検知の有無に応じて出力を2つの値の間で変更する状態通知装置の制御方法であって、前記状態通知装置の動作状況および前記状態通知装置を取り巻く環境の少なくとも一方をモニタする監視ステップと、前記状態通知装置の出力の変更を契機として、前記監視ステップのモニタ結果を含むログを出力するログ出力ステップと、を含んでいる。
【0028】
前記の構成によれば、前記制御方法は、物体の検知の有無に応じて出力を2つの値の間で変更する状態通知装置の制御方法であって、例えば、人体の検出があると、出力をONからOFFへと変更する状態通知装置の制御方法である。当然、ONディレーおよびOFFディレーなども、前記状態通知装置の「出力を2つの値の間で変更する」に含まれ、前記状態通知装置は、出力を2つの値の間で変更することにより、物体(人体を含む)の検知の有無を、外部に通知し得るものであればよい。
【0029】
前記制御方法は、前記状態通知装置の動作状況および前記状態通知装置を取り巻く環境の少なくとも一方をモニタしておく。そして、前記制御方法は、前記状態通知装置におけるエラー等の異常の発生をトリガとするのではなく、前記状態通知装置の出力の変更をトリガとして、モニタ結果を含む前記ログを出力する。つまり、前記制御方法は、異常発生時だけでなく、前記状態通知装置が通常の処理として出力を変更した場合であっても、出力の変更を契機として、前記モニタ結果を含む前記ログを出力する。
【0030】
例えば、前記制御方法は、前記状態通知装置が、ユーザの意図しない外部入力等の状態に応じて正常動作として出力OFFなどの出力変更を実行した場合であっても、前記状態通知装置が出力を変更した時点における前記モニタ結果を含むログを保存する。つまり、前記制御方法は、前記状態通知装置が正常動作として出力変更を実行した場合であっても、ユーザがその出力変更の原因を特定できるような情報を、ユーザに提供することができる。ここで、前記ログは、例えば、自装置の出力を変更した時点における前記モニタ結果を含んでいる。前記ログは、自装置の出力を変更した時点よりも前の時点における前記モニタ結果、および、自装置の出力を変更した時点よりも後の時点における前記モニタ結果の少なくとも一方を、さらに含んでいてもよい。
【0031】
したがって、前記制御方法は、前記状態通知装置の出力変更の原因を、ユーザが容易に把握できるようにするとの効果を奏する。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一態様によれば、検出された状態に応じて出力を変更する状態通知装置について、出力の変更の原因をユーザが容易に把握できるようになるとの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態1に係る多光軸光電センサの受光器の要部構成を示す機能ブロック図である。
図2図1の受光器を含む多光軸光電センサの外観例を示す斜視図である。
図3図2の多光軸光電センサが周期的に実行する投受光処理のタイミング等を説明するための図である。
図4図1の受光器が実行するログ出力処理の概要を示す図である。
図5図1の受光器が出力するログの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図1から図5に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。本実施の形態においては、例えば多光軸光電センサ1(特に、受光器10)を、本発明の一側面に係る状態通知装置の典型例として説明を行う。なお、以下の説明においては、「n」を「2以上の整数」とし、また、「m」を「n≧m+1」を満たす「1以上の整数」とする。
【0035】
本発明の一態様に係る多光軸光電センサ1についての理解を容易にするため、先ず、多光軸光電センサ1の概要を、図2を用いて説明する。なお、以下では、「多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を示すログLo」を出力するログ出力処理を、多光軸光電センサ1の受光器10が実行する例を説明する。すなわち、ログ出力処理を実行する状態通知装置を、受光器10において実現する例を説明する。
【0036】
§1.適用例
図2は、受光器10を含む多光軸光電センサ1の外観例を示す斜視図である。図2に例示するように、多光軸光電センサ1は、所定の検出領域Rを介して対向配置される投光器20と受光器10とを含んでいる。図2に例示するように、投光器20と受光器10との間には複数の光軸OAが設定され、多光軸光電センサ1は、検出領域Rに物体が侵入したか否かを判定するために、これらの光軸OAの入遮光状態(入光状態または遮光状態)を検出する。そして、多光軸光電センサ1は、検出された状態(入遮光状態)が入光状態であるか、または、遮光状態であるかに応じて、出力(安全出力)を変更する。つまり、多光軸光電センサ1(特に、受光器10)は、出力信号開閉器(OSSD、Output Signal Switching Device)であり、検出された状態(入遮光状態)に応じて出力(安全出力)を変更する状態通知装置である。
【0037】
具体的には、多光軸光電センサ1は、ノイズ侵入および故障等の不都合の発生を検出せず、かつ、検出領域Rへの物体の侵入がないことを示す入光状態を検出している間は、ハイレベルの信号を出力し、つまり、出力ONを実行する(PNP出力)。ここで、本実施の形態では、多光軸光電センサ1がPNP出力を実行する例について説明する。多光軸光電センサ1がNPN出力を実行する場合には、出力OFF時にハイレベルの信号を出力することになる。
【0038】
これに対して、物体が検出領域Rに侵入したことを示す遮光状態を検出すると、多光軸光電センサ1は、出力(安全出力)をOFFし、またはローレベルの信号を出力する。本実施形態において、「出力(安全出力)をOFFし、またはローレベルの信号を出力する」ことを、「出力OFF」とも称する。
【0039】
また、多光軸光電センサ1は、自装置等に発生した不都合(ノイズ侵入および故障等)を検出すると、出力(安全出力)をOFFし、またはローレベルの信号を出力して、不都合の発生をユーザに通知する。
【0040】
ここで、多光軸光電センサ1についての理解を容易にするために、従来の多光軸光電センサについて、特に、従来の多光軸光電センサによる動作ログの出力について、先ず説明しておく。
【0041】
(従来の多光軸光電センサ)
従来の多光軸光電センサは、自装置に異常が発生したことを検出すると、ユーザによる異常の原因対策ためにエラーログ(動作ログ)を出力し、つまり、従来の多光軸光電センサが自装置の動作ログを出力する契機は、自装置に発生した異常の検出のみであった。これに対して、物体の侵入等の外部入力等に起因する出力OFFは、侵入の検出および通知という多光軸光電センサの正常動作の一環なので、従来の多光軸光電センサは、出力OFFの実行時点における動作ログを出力することはしていなかった。つまり、従来の多光軸光電センサは、異常を検出した場合にのみ動作ログを出力し、入光状態から遮光状態への状態の変化を検出したことによって、正常な動作として出力(安全出力)をONからOFFへと変更する場合、動作ログを出力することはしていなかった。
【0042】
安全出力の変更が「従来の多光軸光電センサの正常な動作」として実行された場合には、従来の多光軸光電センサの動作ログは保存されていないため、ユーザは、動作ログを用いて安全出力の変更の原因を確認することはできない。そのため、ユーザが安全出力の変更の原因を特定するのは困難であり、ユーザは、安全出力の変更への対策を、経験等に基づく推定に頼って実行するしかなかった。従来、動作ログは、異常時および警告時など、多光軸光電センサが通常動作(正常動作)とは異なる動作をしたときにしか出力されなかったため、ユーザは、正常動作として実行された出力OFFの原因を、動作ログを利用して把握することはできなかった。
【0043】
(本実施の形態に係る多光軸光電センサ)
これに対して、多光軸光電センサ1は、「自装置に発生した異常の検出」ではなく、「出力(安全出力)の変更」を契機として、自装置の動作状況および自装置を取り巻く環境の少なくとも一方についてのモニタ結果を示すログLoを出力する。例えば、多光軸光電センサ1は、正常動作として出力OFFを実行した場合であっても、出力OFFを実行した時点のモニタ結果を示すログLoを記憶部300に保存(格納)し、また、ログLoを外部へ送信する。つまり、多光軸光電センサ1は、出力(安全出力)を変更すると、出力を変更した原因を示す情報を含むログLoを出力する。
【0044】
特に、多光軸光電センサ1は、出力OFFの実行をトリガとして、複数の光軸OAの各々の入遮光状態を示す情報と、自装置の動作状況および自装置を取り巻く環境の少なくとも一方を示す情報とを、ログLoとして記録し、もしくは外部へと通知する。
【0045】
ここで、前述の通り、多光軸光電センサ1は、検出した状態(入遮光状態)に応じて出力(安全出力)を変更するだけでなく、自装置等に発生した不都合(ノイズ侵入および故障等)を検出すると、出力(安全出力)を変更する。
【0046】
したがって、多光軸光電センサ1は、自装置等に発生した不都合を検出して出力(安全出力)を変更する場合にも、また、入光状態から遮光状態への状態の変化を検出して正常な動作として出力(安全出力)を変更する場合にも、ログLoを出力する。
【0047】
そのため、ユーザは、出力(安全出力)の変更が「多光軸光電センサ1の正常な動作」として実行された場合であっても、出力されたログLoを用いて、出力(安全出力)の変更の原因を確認することができる。
【0048】
例えば、ユーザの意図せぬ外部入力に起因して、正常動作として出力OFFが実行された場合であっても、ユーザは、出力OFFの実行時点のログLoを用いることによって、出力OFFの原因を正確に特定し、最適な対策を効率的に実行することができる。つまり、多光軸光電センサ1の出力するログLoを利用して、ユーザは、ユーザにとって不利益な現象(例えば、出力OFFに伴う生産停止等)を短時間で解決し、生産性の維持、向上を実現することができる。多光軸光電センサ1は、出力OFFの原因が不明でトラブルシュートに時間がかかるという問題に対する解決策を提供する。また、ログLoに示された出力OFFの原因を基づいて、ユーザは、ユーザの意図せぬ出力OFFを防ぐための効果的な対策を立案し、実行することができる。
【0049】
§2.構成例
(外観等の概要)
図2に例示するように、多光軸光電センサ1は、複数の投光素子21が一列に配置された投光器20と、投光素子21と同数の受光素子200が一列に配置された受光器10とを含む。多光軸光電センサ1において、投光器20と受光器10とは、複数の投光素子21の各々と複数の受光素子200の各々とが一対一の関係で対向するように配置されている。図2において、投光素子21(1)と受光素子200(1)とは一対一で対向し、また、投光素子21(2)と受光素子200(2)とが一対一で対向し、さらに、投光素子21(3)と受光素子200(3)とが一対一で対向している。
【0050】
複数の投光素子21の各々と、対応する複数の受光素子200の各々との間には光軸OAが形成される。例えば、投光素子21(1)と受光素子200(1)との間には光軸OA(1)が、投光素子21(2)と受光素子200(2)との間には光軸OA(2)が、投光素子21(3)と受光素子200(3)との間には光軸OA(3)が、形成される。
【0051】
なお、以下の説明において、投光素子21について、複数の投光素子21の各々を区別する必要がある場合には、符号に「(1)」、「(2)」、「(3)」、・・・、「(n)」等の添え字を付して区別する。例えば、「投光素子21(1)」、「投光素子21(2)」、「投光素子21(3)」、・・・、「投光素子21(n)」と記載して区別する。複数の投光素子21の各々を特に区別する必要がない場合は単に「投光素子21」と称する。同様に、複数の受光素子200の各々を区別する必要がある場合には、符号に「(1)」、「(2)」、「(3)」、・・・、「(n)」等の添え字を付して区別し、複数の受光素子200の各々を特に区別する必要がない場合は単に「受光素子200」と称する。また、複数の光軸OAの各々を区別する必要がある場合には、符号に「(1)」、「(2)」、「(3)」、・・・、「(n)」等の添え字を付して区別し、複数の光軸OAの各々を特に区別する必要がない場合は単に「光軸OA」と称する。
【0052】
(投受光処理の概要)
図3は、多光軸光電センサ1が周期的に実行する投受光処理のタイミング等を説明するための図である。図3に示すように、多光軸光電センサ1において、投光器20による投光処理と受光器10による受光処理とは同期されている。
【0053】
すなわち、投光器20は、複数の投光素子21の各々を順次発光させるとともに、受光器10は、複数の受光素子200の各々から、複数の投光素子21の各々の投光処理に同期したタイミングの受光信号を取得する。例えば、投光器20は、複数の投光素子21の各々に、順次、各々の投光期間Teにおいて投光処理を実行させる。また、受光器10は、複数の受光素子200の各々に、複数の投光素子21の各々の投光期間Teと同期した受光可能期間Tsにおいて、受光処理を実行させる。多光軸光電センサ1は、投光素子21の投光期間Teと受光素子200の受光可能期間Tsとを同期させ、互いに同期した「投光素子21による投光処理」と「受光素子200による受光処理」とを、所定の周期で繰り返し実行している。
【0054】
具体的には、投光器20の投光素子21(1)~21(n)の各々は、各々の投光期間Te(1)~Te(n)において、順々に発光し、つまり、投光処理を実行する。また、受光器10の受光素子200(1)~200(n)の各々は、対応する投光素子21の投光期間Teに同期した、各々の受光可能期間Ts(1)~Ts(n)において、順々に受光処理を実行する。図3に示されるように、投光期間Te(1)~Te(n)の各々と、受光可能期間Ts(1)~Ts(n)の各々とは対応付けられており、つまり、同期している。
【0055】
なお、以下の説明において、投光期間Teについて、複数の投光期間Teの各々を区別する必要がある場合には、符号に「(1)」、「(2)」、「(3)」、・・・、「(n)」等の添え字を付して区別する。複数の投光期間Teの各々を特に区別する必要がない場合は単に「投光期間Te」と称する。同様に、受光可能期間Tsについて、複数の受光可能期間Tsの各々を区別する必要がある場合には、符号に「(1)」、「(2)」、「(3)」、・・・、「(n)」等の添え字を付して区別する。複数の受光可能期間Tsの各々を特に区別する必要がない場合は単に「受光可能期間Ts」と称する。
【0056】
投光器20は、投光素子21(1)~21(n)に順次、投光処理を実行させ、投光素子21(1)~21(n)の全ての投光処理が一巡するのに要する時間、すなわち、投光器20による順次発光処理の実行周期は、「投光周期」と称される。そして、図3に例示するように、投光素子21(1)~21(n)の各々の投光期間Te(1)~Te(n)は、1投光周期内に、互いに重複しないように配置されている。
【0057】
同様に、受光器10は、受光素子200(1)~200(n)に順次、受光処理を実行させ、受光素子200(1)~200(n)の全ての受光処理が一巡するのに要する時間、すなわち、受光器10の順次受光処理の実行周期は、「受光周期Tc」と称される。図3に例示するように、受光素子200(1)~200(n)の各々の受光可能期間Ts(1)~Ts(n)は、1受光周期Tc内に、互いに重複しないように配置されている。また、投光周期と受光周期Tcとは等しい。
【0058】
(入遮光状態の検出)
前述の通り、受光可能期間Ts(1)~Ts(n)の各々は、投光期間Te(1)~Te(n)の各々に対応付けられており、つまり、投光期間Te(1)~Te(n)の各々に同期している。受光素子200(1)~200(n)の各々は、受光可能期間Ts(1)~Ts(n)の各々において、投光素子21(1)~21(n)の各々が投光期間Te(1)~Te(n)の各々において投光する光(光信号)を受光する。そして、受光素子200(1)~200(n)の各々は、受光可能期間Ts(1)~Ts(n)の各々において受光した光(光信号)に対応する信号(受光信号)を出力する。つまり、複数の受光素子200の各々は、対応する投光素子21が発光した(投光した)光を受光して受光信号を出力する。
【0059】
ノイズ(電気ノイズおよび光ノイズ)がなく、かつ、物体による遮蔽がない場合、受光素子200が出力する受光信号は、投光期間Teにおいて投光素子21が投光する光(光信号)に対応する。これに対して、投光素子21によって投光された光が検出物体によってさえぎられたり反射されたりすると、受光素子200に到達する光量が変化する。受光素子200は、到達する光量の変化を検出して電気信号(受光信号)に変換し、変換した受光信号を、第1判定部120へと出力する。
【0060】
第1判定部120は、受光素子200から取得する受光信号を用いて、受光素子200に到達する光量の変化を把握することにより、光軸OAの入遮光状態を検出し、つまり、光軸OAが物体により遮られた遮光状態にあるか、または、入光状態にあるかを判定する。
【0061】
(ノイズ有無の判定、および、ノイズ原因の判定)
これまで図3を参照しながら説明してきた受光可能期間Ts(1)~Ts(n)の各々には、異常検出期間Td(1)~Td(n)が設定されている。異常検出期間Td(1)~Td(n)の各々は、「受光可能期間Ts(1)~Ts(n)の各々における、投光期間Te(1)~Te(n)の各々を除いた期間」である。受光素子200が受光信号のピークを検知しホールドする場合、異常検出期間Tdは、例えば、「受光可能期間Tsの開始から、対応する投光期間Teの開始までの期間」である。
【0062】
第1判定部120は、1受光周期Tc内における全ての「異常検出期間Tdにおける受光信号」の各々を用いて、ノイズ(光ノイズまたは電気ノイズ)が発生したかを判定し、さらに、発生したノイズが光ノイズであるのか、または、電気ノイズであるのかを判定する。つまり、第1判定部120は、ノイズの発生有無を判定し、ノイズが発生していると判定すると、さらに、ノイズ原因(外乱光であるのか、それとも、外乱電圧であるのか)を判定する。以下、第1判定部120が実行する、ノイズの発生有無の判定、および、ノイズ原因の判定の詳細を説明する。
【0063】
(ノイズ有無の判定ステップ)第1判定部120は、例えば、受光素子出力取得部110から取得した、1受光周期Tc内における全ての「異常検出期間Tdにおける受光信号」の各々について、所定値を超えているかを確認する。具体的には、第1判定部120は、受光素子200(1)の異常検出期間Td(1)における受光信号が所定値を超えているかを確認する。同様に、第1判定部120は、受光素子200(2)の異常検出期間Td(2)、受光素子200(3)の異常検出期間Td(3)、・・・、受光素子200(n)の異常検出期間Td(n)の各々におけるに受光信号が所定値を超えているかを確認する。
【0064】
(ノイズ原因の判定ステップ)第1判定部120は、受光素子200(m)の異常検出期間Td(m)における受光信号が所定値を超えていることを確認すると、さらに、以下の事項を確認する。すなわち、第1判定部120は、受光素子200(m+1)の異常検出期間Td(m+1)における受光信号が所定値を超えているかを確認する。
【0065】
異常検出期間Td(m)における受光信号が所定値を超えており、かつ、異常検出期間Td(m+1)における受光信号が所定値を超えていることを確認すると、第1判定部120は、「電気ノイズが発生した」と判定する。
【0066】
これに対して、異常検出期間Td(m)における受光信号が所定値を超えており、かつ、異常検出期間Td(m+1)における受光信号が所定値を超えていないことを確認すると、第1判定部120は、「受光素子200(m)に外乱光が侵入した」と判定する。
【0067】
以下、第1判定部120によるノイズ原因の判定ステップについて、具体例を用いてさらに詳細に説明する。すなわち、第1判定部120は、1受光周期Tc内における全ての「異常検出期間Tdにおける受光信号」の内、所定値を超える受光信号が1つだけだと、光ノイズが発生したと判定する。例えば、1受光周期Tc内における全ての「異常検出期間Tdにおける受光信号」の内、受光素子200(m)の異常検出期間Td(m)における受光信号だけが所定値を超えていると、第1判定部120は、受光素子200(m)に外乱光が侵入したと判定する。
【0068】
第1判定部120は、1受光周期Tc内における全ての「異常検出期間Tdにおける受光信号」の内、所定値を超える受光信号が複数存在し、かつ、それらの受光可能期間Tsが1受光周期Tc内で隣り合っていないと、光ノイズが発生したと判定する。これに対して、第1判定部120は、1受光周期Tc内における全ての「異常検出期間Tdにおける受光信号」の内、所定値を超える受光信号が複数存在し、かつ、それらの受光可能期間Tsが1受光周期Tc内で隣り合っていると、電気ノイズが発生したと判定する。
【0069】
例えば、1受光周期Tc内における全ての「異常検出期間Tdにおける受光信号」の内、異常検出期間Td(p)と異常検出期間Td(q)とにおける受光信号が、各々、所定値を超えていると、第1判定部120は以下の事項を確認する。ここで、「p」と「q」とは、各々が「1」以上「n」以下の自然数であり、「p<q」であるとする。
【0070】
すなわち、「q=p+1」であると、第1判定部120は、電気ノイズが発生したと判定する。「q」が「p+1」に等しくないと、第1判定部120は、異常検出期間Td(p)に対応する受光素子200(p)と、異常検出期間Td(q)に対応する受光素子200(q)とに外乱光が侵入したと判定する。
【0071】
ただし、第1判定部120による「光ノイズの発生有無の判定」は、上述の方法に限られるものではなく、多光軸光電センサについて従来から知られている「光ノイズの発生有無の判定」方法であってもよい。例えば、第1判定部120は、投光素子21に投光をさせていない状態での複数の受光素子200の各々からの受光信号に基づいて、複数の受光素子200の各々についての、外乱光の受光状態を示す情報を、つまり、光ノイズの発生状況を示す情報を生成してもよい。
【0072】
(入遮光状態、ノイズ有無の判定、および、ノイズ原因の判定に係る注記)
受光器10(特に、制御部100)による、「入遮光状態の検出」、「ノイズ有無の判定」、および、「ノイズ原因の判定」は、上述の方法に限られるものではない。
【0073】
例えば、制御部100は、「或る光軸OA(n)(つまり、受光素子200(n))について出力OFFが実行された」のを検出すると、「出力OFF時点(または、出力OFFの直前の時点)で、異常な監視結果が計測されていないか」を判定してもよい。すなわち、制御部100は、「監視部500の計測値(監視結果)が、出力OFF時点(または、出力OFFの直前の時点)で、所定の基準値を超えていないか(=異常となっていないか)」を判定してもよい。例えば、制御部100は、「多光軸光電センサ1の物理的な振動」、「多光軸光電センサ1と外部装置との通信異常を示す電気ノイズ」、「多光軸光電センサ1に供給される電力」、「光ノイズ量」等が、出力OFF時点で異常となっていないかを判定してもよい。
【0074】
そして、制御部100は、出力OFF時点における、これらの監視結果の少なくとも1つが異常となっているのを確認すると、その異常が、「光軸OA(n)の出力OFF」の原因であると推定してもよい。また、制御部100は、「これらの監視結果がいずれも、出力OFF時点で、異常となっていない」のを確認すると、「遮光(物体の侵入)」が、「光軸OA(n)の出力OFF」の原因であると推定してもよい。
【0075】
すなわち、制御部100は、出力OFFが発生した後に、出力OFF時の監視結果(=監視部500による、種々の物理量の計測値)と所定の基準値とを比較して、出力OFFの原因を推定してもよい。
【0076】
(多光軸光電センサの構成概要)
これまでに概要を説明してきた多光軸光電センサ1について、次にその詳細を説明していく。多光軸光電センサ1についての理解を容易にするため、多光軸光電センサ1の概要を整理しておけば以下の通りである。
【0077】
すなわち、多光軸光電センサ1、特に受光器10は、人体を含む物体の検知の有無(具体的には、入遮光状態)に応じて出力(具体的には、安全出力)を2つの値(例えば、ONとOFFと)の間で変更する状態通知装置である。受光器10は、監視部500とログ出力部160とを備えている。
【0078】
監視部500は、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方をモニタする。また、ログ出力部160は、受光器10(つまり、多光軸光電センサ1)の出力(安全出力)の変更を契機として、監視部500のモニタ結果を含むログLoを出力する。
【0079】
前記の構成によれば、受光器10は、物体の検知の有無に応じて出力を2つの値の間で変更し、例えば、人体の検出があると、出力をONからOFFへと変更する。当然、ONディレーおよびOFFディレーなども、受光器10の「出力を2つの値の間で変更する」に含まれ、受光器10は、出力を2つの値の間で変更することにより、物体(人体を含む)の検知の有無を、外部に通知し得るものであればよい。
【0080】
受光器10は、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方をモニタしている。そして、受光器10は、多光軸光電センサ1(特に受光器10)におけるエラー等の異常の発生をトリガとするのではなく、受光器10の出力(安全出力)の変更をトリガとして、モニタ結果を含むログLoを出力する。つまり、受光器10は、異常発生時だけでなく、通常の処理として出力(安全出力)を変更した場合であっても、出力の変更を契機として、前記モニタ結果を含むログLoを出力する。
【0081】
例えば、受光器10は、ユーザの意図しない外部入力等を起因として、つまり、検出された状態に応じて、正常動作として出力OFFなどの出力変更を実行した場合であっても、出力変更時点におけるモニタ結果を含むログLoを保存する。つまり、受光器10は、正常動作として出力変更を実行した場合であっても、ユーザがその出力変更の原因を特定できるような情報を、ユーザに提供することができる。ここで、ログLoは、例えば、出力を変更した時点における前記モニタ結果を含んでいる。ログLoは、出力を変更した時点よりも前の時点における前記モニタ結果、および、出力を変更した時点よりも後の時点における前記モニタ結果の少なくとも一方を、さらに含んでいてもよい。
【0082】
したがって、受光器10は、受光器10(つまり、多光軸光電センサ1)の出力変更の原因を、ユーザが容易に把握できるようにするとの効果を奏する。
【0083】
受光器10によって検出される物体は、光電センサなどの非接触センサによって検出される。前記の構成によれば、受光器10は、非接触センサによる物体の検出有無に応じて出力(安全出力)を変更する状態通知装置であって、出力の変更をトリガとして、出力変更時点のモニタ結果を含むログLoを出力する。したがって、受光器10は、光電センサなどの非接触センサによる物体の検出有無に応じた出力(安全出力)の変更の原因を、ユーザが容易に把握できるようにするとの効果を奏する。
【0084】
例えば、受光器10によって検出される物体は、多光軸光電センサ1によって検出される。そして、ログ出力部160は、受光器10(つまり、多光軸光電センサ1)が出力(安全出力)を変更した時点における、多光軸光電センサ1の複数の受光素子200の各々によって検出された状態(入遮光状態)を識別可能なログLoを出力する。
【0085】
前記の構成によれば、受光器10は、出力変更時点における、多光軸光電センサ1の複数の受光素子200の各々によって検出された状態(入遮光状態)を識別可能な、ログLoを出力する。
【0086】
したがって、受光器10は、多光軸光電センサ1の複数の受光素子200のうちのどの受光素子200が検出した状態(入遮光状態)によって、出力(安全出力)を変更したのかを、ユーザに通知することができるとの効果を奏する。
【0087】
受光器10は、ログ出力部160によって出力されたログLoを格納しておく記憶部300をさらに備えている。したがって、受光器10は、出力変更時点におけるモニタ結果を含むログLoを、記憶部300に保存しておくことができるとの効果を奏する。
【0088】
受光器10は、ログ出力部160によって出力されたログLoを外部に送信する送信部600をさらに備えている。したがって、受光器10は、出力変更時点におけるモニタ結果を含むログLoを、外部に送信することができるとの効果を奏する。
【0089】
受光器10の監視部500は、多光軸光電センサ1の、物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つをモニタする。
【0090】
前記の構成によれば、受光器10は、多光軸光電センサ1の、物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つをモニタする。そして、受光器10は、出力変更時点における、多光軸光電センサ1の、物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つのモニタ結果を含むログLoを出力する。
【0091】
したがって、受光器10は、出力変更時点における、多光軸光電センサ1の物理的な振動状況、信号出力におけるノイズ発生状況、光ノイズの発生状況、供給電圧の電圧レベルの内の少なくとも一つをユーザに通知することができるとの効果を奏する。
【0092】
受光器10は、ユーザ操作を受け付けて、ログ出力部160によるログLoの出力を停止させる受付部700をさらに備えている。前記の構成によれば、受光器10は、ユーザ操作を受け付けて、ログ出力部160によるログLoの出力を停止させる。したがって、受光器10は、ユーザ操作を受け付けて、ログLoの出力を停止することができるとの効果を奏する。ユーザ操作を受け付けてログLoの出力を停止することにより、受光器10は、例えばログLoを格納する記憶部300の記憶容量が、ユーザが不要と判断したログLoによって消費され、記憶部300の寿命が無駄に減少するといった事態を回避することができる。
【0093】
多光軸光電センサ1(特に、受光器10)について、これまでに概要を説明したので、以下では、図1等を参照して、多光軸光電センサ1の受光器10の詳細を説明していく。
【0094】
(多光軸光電センサの詳細)
図1は、多光軸光電センサ1の受光器10の要部構成を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に直接関係のない部分(例えば、複数の受光可能期間Tsの各々を、複数の投光期間Teの各々に同期させて、互いに重複しないように1受光周期Tc中に順次配置する構成など)については、以下の説明および上記ブロック図から省略している。ただし、実施の実情に則して、受光器10は、当該省略した構成を含んでもよい。
【0095】
図1に示すように、受光器10は、受光器10の各部を統括して制御する制御部100、投光素子21が発光した光を受光して受光信号を出力する受光素子200、受光器10が使用する各種データを記憶する記憶部300を備えている。図1に例示する受光器10はさらに、出力部400、監視部500、送信部600、および、受付部700を備えている。以下、記憶部300、出力部400、監視部500、送信部600、受付部700、制御部100の順に、その詳細を説明する。
【0096】
(記憶部の詳細)
記憶部300は、受光器10が使用する各種データ(例えば、外部の設定装置(ツール)によって設定および調整された、多光軸光電センサ1の動作に必要なプログラムおよび各種パラメータ)を格納するものである。記憶部300は、受光器10の制御部100が実行する(1)制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム、および、(4)該アプリケーションプログラムを実行するときに読み出す各種データを記憶するものである。また記憶部300にはログ管理テーブル310が格納されており、詳細は後述する。上記の(1)~(4)のデータは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)、HDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性記憶装置に記憶される。多光軸光電センサ1の動作に必要なプログラムおよび各種パラメータと、ログ管理テーブル310とは、異なる記憶装置に格納されていてもよい。ただし、以下では、多光軸光電センサ1の動作に必要なプログラムおよび各種パラメータと、ログ管理テーブル310とが、共に記憶部300に格納されている例を説明する。
【0097】
受光器10は、図示しない一時記憶部を備えてもよい。一時記憶部は、受光器10が実行する各種処理の過程で、演算に使用するデータおよび演算結果などを一時的に記憶するいわゆるワーキングメモリであり、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成される。どのデータをどの記憶装置に記憶するかについては、受光器10の使用目的、利便性、コスト、または物理的な制約などから適宜決定される。記憶部300はさらにログ管理テーブル310を格納している。
【0098】
ログ管理テーブル310には、格納部170によって、ログ出力部160の出力したログLoが格納される。ログLoには、出力部400が出力(安全出力)を変更した時点における、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を示す情報が含まれている。ログLoに含まれる情報について、詳細は後述する。
【0099】
(記憶部以外の機能ブロックの詳細)
出力部400は、出力制御部140による制御に従って出力(安全出力)を実行し、具体的には、検出領域Rの入遮光状態を、つまり、検出領域Rの入光状態または遮光状態を示す信号を出力する。
【0100】
出力部400は、制御部100(具体的には、第2判定部130)によって「検出領域Rは入光状態にある(物体の侵入がなく、遮蔽が発生していない)」と判定されると、入光状態を示すハイレベルの信号の出力(出力ON)を実行する。すなわち、制御部100によって、ノイズ侵入および故障等の不都合の発生が検出されておらず、かつ、検出領域Rへの物体の侵入がないことを示す入光状態が検出されている間は、出力部400は、出力ONを実行する。
【0101】
また、出力部400は、制御部100(具体的には、第2判定部130)によって「検出領域Rは遮光状態にある(侵入物体による遮蔽が発生した)」と判定されると、遮光状態を示すローレベルの信号の出力(出力OFF)を実行する。出力部400は、出力OFFの実行として、出力(安全出力)を停止(OFF)してもよい。同様に、制御部100によって、ノイズ侵入および故障等の不都合の発生が検出されると、出力部400は、出力OFFを実行する。
【0102】
監視部500は、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を監視し(モニタし)、監視結果を監視結果取得部150に通知する。すなわち、監視部500は、例えば種々の状態センサであり、多光軸光電センサ1の、物理的な振動、多光軸光電センサ1に供給される電力の異常、多光軸光電センサ1と外部装置との通信異常を示す電気ノイズ、投光器20の状態(動作状態など)等を計測する。監視部500は、監視結果である種々の計測値を監視結果取得部150に通知する。
【0103】
送信部600は、ログ出力部160により出力されたログLoを外部に送信し、例えば、ログLoを外部の表示装置(例えば、モニターデバイス)に送信し、外部の表示装置に、ログ出力部160により出力されたログLoを表示させる。
【0104】
受付部700は、ユーザ操作を受け付け、特に、ログ出力処理の実行要否を示すユーザ操作を受け付け、受け付けたユーザ操作の内容を制御部100に通知する。例えば、受付部700は、ログ出力処理の実行を不要とする旨のユーザ操作を受け付けると、ログ出力部160によるログLoの出力を停止させる。
【0105】
受付部700は、ログ出力部160によるログLoの出力を停止させることによって、例えば、「不要なログLoがログ管理テーブル310に格納される」ことを防ぎ、記憶部300(記録媒体)の寿命が無駄に減少するといった事態を回避する。
【0106】
制御部100は、受光器10が実行する処理を統括して制御するものである。図示の制御部100には、機能ブロックとして、受光素子出力取得部110、第1判定部120、第2判定部130、出力制御部140、監視結果取得部150、ログ出力部160、および、格納部170が含まれている。上述の制御部100の各機能ブロックは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などが、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)などで実現された記憶装置(記憶部300)に記憶されているプログラムを不図示のRAM(Random Access Memory)などに読み出して実行することで実現できる。以下、詳細を説明する。
【0107】
(制御部の詳細)
受光素子出力取得部110は、複数の受光素子200の各々から、1受光周期Tc内に順次配置された各々の受光可能期間Tsにおける出力を取得する。受光素子出力取得部110は、例えば、受光素子200(1)の受光可能期間Ts(1)における出力、受光素子200(2)の受光可能期間Ts(2)における出力、受光素子200(3)の受光可能期間Ts(3)における出力を取得する。同様に、受光素子出力取得部110は、例えば、受光素子200(n)の受光可能期間Ts(n)における出力を取得する。
【0108】
そして、受光素子出力取得部110は、全ての受光素子200の各々から取得した「受光可能期間Tsにおける出力」を、つまり、1受光周期Tc内における全ての受光可能期間Tsの各々における出力を、第1判定部120に通知する。
【0109】
第1判定部120は、1受光周期Tc内における全ての受光可能期間Tsの各々における受光信号を受光素子出力取得部110から取得し、取得した受光信号を用いて、複数の光軸OAの各々の入遮光状態を検出し、つまり、入光状態か遮光状態かを判定する。
【0110】
また、第1判定部120は、受光周期Tc内における全ての受光可能期間Tsの各々における受光信号を用いて、ノイズ(光ノイズまたは電気ノイズ)発生の有無を検出(判定)し、ノイズ原因(外乱光または外乱電圧、外乱電流)を判定(特定)してもよい。
【0111】
第1判定部120による入遮光状態の検出、ノイズの検出、および、ノイズ原因の判定について、詳細は既に「(入遮光状態の検出)」および「(ノイズ有無の判定、および、ノイズ原因の判定)」において説明したので、重ねて説明することはしない。
【0112】
第1判定部120は、検出結果(判定結果)を第2判定部130に通知する。具体的には、第1判定部120は、「複数の光軸OA(つまり、複数の受光素子200)の各々の入遮光状態」と、「複数の光軸OAの各々の光ノイズの発生有無」と、「電気ノイズの発生有無」とを第2判定部130に通知する。
【0113】
例えば、第1判定部120は、受光素子200(m)の受光可能期間Ts(m)(特に、投光期間Te(m)に重なる受光可能期間Ts(m))における受光信号から、光軸OA(m)の入遮光状態を検出する。第1判定部120は、光軸OA(m)が遮光状態にあると判定すると、光軸OA(m)(言い換えれば、受光素子200(m))が遮光状態にあるとの判定結果(検出結果)を、第2判定部130に通知する。第1判定部120は、光軸OA(m)(つまり、受光素子200(m))の入遮光状態を、他の光軸OA(つまり、他の受光素子200)の入遮光状態から区別できるように、光軸OA(m)の入遮光状態を、第2判定部130に通知する。
【0114】
例えば、第1判定部120は、受光素子200(m)の異常検出期間Td(m)における受光信号から、光軸OA(m)に外乱光が侵入したと判定すると、受光素子200(m)に光ノイズが発生したとの判定結果(検出結果)を、第2判定部130に通知する。第1判定部120は、光軸OA(m)(つまり、受光素子200(m))の光ノイズに係る検出結果(判定結果)を、他の光軸OAの光ノイズに係る検出結果から区別できるように、光軸OA(m)の光ノイズに係る検出結果を、第2判定部130に通知する。
【0115】
例えば、第1判定部120は、複数の受光素子200の各々の異常検出期間Tdにおける受光信号から、電気ノイズが発生したしたと判定すると、電気ノイズが発生したとの判定結果(検出結果)を、第2判定部130に通知する。
【0116】
第2判定部130は、第1判定部120から取得する情報、および、監視結果取得部150から取得する情報を用いて、「複数の光軸OAの各々の入遮光状態」、および、「『ノイズ侵入および故障等の不都合の発生』の有無」を判定する。そして、第2判定部130は、判定結果を出力制御部140に通知する。第2判定部130が第1判定部120および監視結果取得部150から取得する情報は、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を示す情報であり、「各種の状態情報」とも称される。
【0117】
例えば、第2判定部130は、「複数の光軸OAはいずれも入光状態にある(つまり、遮光されていない)」、かつ、「ノイズ侵入および故障等の不都合は発生していない」と判定すると、その旨の判定結果を、出力制御部140に通知する。詳細は後述するが、この判定結果を取得した出力制御部140は、出力部400に、出力ONを実行させる。
【0118】
また、第2判定部130は、「いずれかの光軸OAで『遮光状態』が検出された」または「『ノイズ侵入および故障等の不都合の発生』が検出された」と判定すると、その旨の判定結果を、出力制御部140に通知する。詳細は後述するが、この判定結果を取得した出力制御部140は、出力部400に、出力OFFを実行させる。
【0119】
第2判定部130による判定は、例えば以下のようなものを挙げることができる。
【0120】
すなわち、第2判定部130は、第1判定部120から、「複数の光軸OA(つまり、複数の受光素子200)の各々の入遮光状態」を示す情報と、「複数の光軸OAの各々の光ノイズの発生有無」を示す情報と、「電気ノイズの発生有無」を示す情報とを取得する。第2判定部130は、これらの情報を用いて、複数の光軸OAの各々の入遮光状態(入光状態または遮光状態)および光ノイズの発生有無を判定し、また、電気ノイズの発生有無を判定する。
【0121】
また、第2判定部130は、監視結果取得部150から、監視部500による監視結果を、つまり、監視部500によって計測された種々の計測結果を取得し、取得した種々の計測結果の各々を、各々について予め設定された閾値と比較する。第2判定部130は、種々の計測結果と閾値との比較によって、「『ノイズ侵入および故障等の不都合の発生』の有無」を判定する。例えば、第2判定部130は、監視部500によって計測された計測結果が、その計測結果について予め設定された閾値を超過しているのを確認すると、「『ノイズ侵入および故障等の不都合の発生』があった」と判定する。
【0122】
さらに、第2判定部130は、外部から「外部で発生した、その他の異常」を示す情報を取得すると、これらの情報を用いて、「『ノイズ侵入および故障等の不都合の発生』の有無」を判定する。例えば、第2判定部130は、外部から「外部で発生した、その他の異常」を示す情報を取得すると、「『ノイズ侵入および故障等の不都合の発生』があった」と判定する。
【0123】
第2判定部130は、上述の判定の結果を出力制御部140に通知し、出力制御部140に、判定の結果に応じた出力(安全出力)の制御を実行させる。
【0124】
また、第2判定部130は、第1判定部120、監視結果取得部150、および、外部から取得した情報を、ログ出力部160へと転送する。つまり、第2判定部130は、第1判定部120、監視結果取得部150、および、外部から取得した「多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を示す『各種の状態情報』」を、ログ出力部160に通知する。
【0125】
出力制御部140は、第2判定部から通知された判定結果を用いて、出力部400による出力(安全出力)を制御する。具体的には、出力制御部140は、第2判定部から「『遮光状態』の検出がなく、かつ、『ノイズ侵入および故障等の不都合の発生』の検出がない」との判定結果を通知されると、出力部400に出力ONを実行させる。出力制御部140は、第2判定部から「『遮光状態』が検出され、または、『ノイズ侵入および故障等の不都合の発生』が検出された」との判定結果を通知されると、出力部400に出力OFFを実行させる。
【0126】
出力制御部140は、出力部400に実行させる出力(安全出力)を変更すると、出力部400に実行させる出力(安全出力)を変更した時点を、つまり、出力変更時点を、ログ出力部160に通知する。言い換えると、出力制御部140は、出力部400よる出力(安全出力)を変更すると、例えば「出力ONを実行させていた出力部400に、出力OFFを実行させる」と、出力部400による出力(安全出力)を変更した時刻を、ログ出力部160に通知する。具体的には、出力制御部140は、例えば、「出力ONを実行させていた出力部400に、出力OFFを実行させる」ことを指示した時刻、つまり、出力OFFの実行開始時刻を、ログ出力部160に通知する。出力制御部140は、例えば、「出力OFFを実行させていた出力部400に、出力ONを実行させる」ことを指示した時刻、つまり、出力ONの実行開始時刻を、ログ出力部160に通知してもよい。
【0127】
監視結果取得部150は、監視部500から監視結果を取得し、取得した監視結果を第2判定部130に通知する。例えば、監視結果取得部150は、監視部500から所定の周期で繰り返し監視結果を取得し、取得した監視結果を第2判定部130に通知してもよいし、監視部500から常時、監視結果を取得し続け、取得した監視結果を第2判定部130に通知してもよい。
【0128】
ログ出力部160は、出力制御部140から、「出力(安全出力)を変更した時刻(つまり、出力変更のタイミング。「出力変更時点」)」を取得する。また、ログ出力部160は、第2判定部130から、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を示す「各種の状態情報」を取得する。
【0129】
ログ出力部160は、出力変更時点における、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を示す「各種の状態情報」を含むログLoを出力する。例えば、ログ出力部160は、出力変更時点における、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を示す状態情報を含むログLoを、格納部170および送信部600の少なくとも一方に出力する。
【0130】
具体的には、ログ出力部160は、出力制御部140から「出力変更時点(例えば、出力OFFの実行開始時点)」を通知されると、第2判定部130から取得した「各種の状態情報」から、「出力変更時点での、各種の状態情報」を抽出する。そして、ログ出力部160は、抽出した「出力変更時点での、各種の状態情報」を、ログLoとして出力し、例えば、「出力変更時点での、各種の状態情報」を、ログLoとして、格納部170および送信部600の少なくとも一方に出力する。
【0131】
格納部170は、ログ出力部160により出力されたログLoを、ログ管理テーブル310に格納し、例えば、「出力変更時点(一例として、出力OFFの実行開始時点)での、各種の状態情報」を、ログLoとして、ログ管理テーブル310に格納する。
【0132】
(入遮光状態、ノイズ有無の判定、および、ノイズ原因の判定に係る注記)
前述の通り、第1判定部120および第2判定部130による上述の処理は、あくまでも一例であって、これに限られるものではない。例えば、第2判定部130は、「或る光軸OA(n)(つまり、受光素子200(n))について、出力OFFを実行させた」出力制御部140から、出力変更時点を取得した場合に、出力OFFの原因を推定してもよい。
【0133】
すなわち、第2判定部130は、出力制御部140から出力変更時点を取得すると、「監視部500の監視結果が、出力OFF時点(または、出力OFFの直前の時点)で、所定の基準値を超えていないか(=異常となっていないか)」を判定してもよい。例えば、第2判定部130は、「多光軸光電センサ1の物理的な振動」、「多光軸光電センサ1と外部装置との通信異常を示す電気ノイズ」、「多光軸光電センサ1に供給される電力」、「光ノイズ量」等が、出力OFF時点で異常となっていないかを判定してもよい。
【0134】
そして、第2判定部130は、出力OFF時点における、これらの監視結果の少なくとも1つが異常となっているのを確認すると、その異常が、「光軸OA(n)の出力OFF」の原因であると推定してもよい。また、第2判定部130は、「これらの監視結果がいずれも、出力OFF時点で、異常となっていない」のを確認すると、「遮光(物体の侵入)」が、「光軸OA(n)の出力OFF」の原因であると推定してもよい。第2判定部130は、これらの推定結果を、格納部170に通知して、格納部170に、これらの推定結果を含むログLoを、ログ管理テーブル310へと格納させてもよい。
【0135】
§3.動作例
(ログ出力のタイミング)
図4は、受光器10が実行するログ出力処理の概要を示す図である。図4に示す例では、多光軸光電センサ1(特に、受光器10のログ出力部160)は、出力OFFが実行されるごとにログLoを出力し、つまり、出力OFFの実行の都度、ログ出力処理を実行している。
【0136】
ここで、多光軸光電センサ1は、検出された入遮光状態に応じて出力(安全出力)を変更し、具体的には、入光状態が検出されると出力ONを実行し、遮光状態が検出されると出力OFFを実行する。そして、図4に示す例においてログ出力部160は、出力(安全出力)がONからOFFへと変更された時点で、つまり、出力変更時点で、ログLoの出力としてログLoの保存を実行している。
【0137】
特に図4に示す例では、ログ出力部160は、出力OFFの実行開始時点でログLoの出力を開始し、出力OFFの実行継続中はログ出力処理を継続している。
【0138】
詳細は後述するが、出力OFFの実行継続中にログ出力部160が出力するログLoは、「出力変更時点における、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を示す状態情報」に加え、以下の情報を含んでいてもよい。すなわち、ログLoは、「出力変更時点(例えば、出力OFFの実行開始時点)の状態情報」に加えて、「出力OFFの実行継続中の、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を示す状態情報」を含んでいてもよい。例えば、ログLoは、「或る光軸OAがいったん遮光され、出力OFFが実行された時点」から「次に出力ONが実行された時点」までの間に遮光された光軸OAをすべて示す情報を含んでいてもよい。また、出力OFFの実行継続中に遮光された光軸OAが変化する場合、ログLoは、どの光軸OAがいつ遮光されたかを示す情報を含んでいてもよい。さらに、ログLoは、出力OFFが実行された後に一定の時間間隔でモニタされた複数の光軸OAの各々の入遮光状態を示す情報を含んでいてもよい。
【0139】
図4に示す例では、検出された入遮光状態に応じて出力(安全出力)を変更する例が示されている。しかしながら、前述の通り、多光軸光電センサ1(特に、出力制御部140)は、多光軸光電センサ1に発生した不都合(ノイズ侵入および故障等)の検出に応じて、出力(安全出力)を変更する。例えば、「多光軸光電センサ1に不都合が発生した」ことが検出されると、出力制御部140は、出力部400に出力OFFを実行させる。ログ出力部160は、「出力OFFの実行開始時点における、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を示す状態情報」を含むログLoを出力する。
【0140】
これまでに図4を用いて説明してきた受光器10の実行する制御方法は、以下のように整理することができる。すなわち、受光器10の実行する制御方法は、物体の検知の有無(入遮光状態)に応じて出力(安全出力)を2つの値の間で変更する受光器10(状態通知装置)の制御方法である。受光器10の実行する制御方法は、監視ステップとログ出力ステップとを含む。
【0141】
監視ステップにおいて監視部500は、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方をモニタする。また、ログ出力ステップにおいてログ出力部160は、受光器10(つまり、多光軸光電センサ1)の出力(安全出力)の変更を契機として、監視部500のモニタ結果を含むログLoを出力する。すなわち、監視ステップにおいて常時または定期的に「各種の状態情報」を取得しておき、取得しておいた「各種の状態情報」から抽出した「出力変更時点での、各種の状態情報」を、ログ出力ステップにおいてログLoとして出力する。
【0142】
前記の構成によれば、受光器10の実行する制御方法は、物体の検知の有無に応じて出力を2つの値の間で変更する状態通知装置の制御方法であって、例えば、人体の検出があると、出力をONからOFFへと変更する状態通知装置の制御方法である。当然、ONディレーおよびOFFディレーなども、前記状態通知装置の「出力を2つの値の間で変更する」に含まれ、前記状態通知装置は、出力を2つの値の間で変更することにより、物体(人体を含む)の検知の有無を、外部に通知し得るものであればよい。
【0143】
受光器10の実行する制御方法は、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方をモニタしておく。そして、受光器10の実行する制御方法は、多光軸光電センサ1(特に受光器10)におけるエラー等の異常の発生をトリガとするのではなく、受光器10(つまり、多光軸光電センサ1)による出力の変更をトリガとして、モニタ結果を含むログLoを出力する。つまり、受光器10の実行する制御方法は、異常発生時だけでなく、受光器10が通常の処理として出力を変更した場合であっても、出力の変更を契機として、前記モニタ結果を含むログLoを出力する。
【0144】
例えば、受光器10の実行する制御方法は、ユーザの意図しない外部入力等の状態に応じて受光器10が正常動作として出力OFFなどの出力変更を実行した場合であっても、出力変更時点におけるモニタ結果を含むログLoを保存する。つまり、受光器10の実行する制御方法は、受光器10が正常動作として出力変更を実行した場合であっても、ユーザがその出力変更の原因を特定できるような情報を、ユーザに提供することができる。ここで、ログLoは、例えば、出力を変更した時点における前記モニタ結果を含んでいる。ログLoは、出力を変更した時点よりも前の時点における前記モニタ結果、および、出力を変更した時点よりも後の時点における前記モニタ結果の少なくとも一方を、さらに含んでいてもよい。
【0145】
したがって、受光器10の実行する制御方法は、受光器10の出力変更の原因を、ユーザが容易に把握できるようにするとの効果を奏する。
【0146】
(ログLoの内容)
図5は、受光器10が出力するログLoの一例を示す図である。多光軸光電センサ1(特に、受光器10のログ出力部160)は、出力OFFを実行するごとに、「エリア情報」と、「OFF開始時刻」と、「OFF継続時間」と、「OFF原因」とを含むログLoを出力する。
【0147】
(1)「エリア情報」は、複数の光軸OAの各々について、出力OFFを実行した時点における入遮光状態を示す情報であり、つまり、出力OFFを実行した時点において複数の光軸OAの各々が入光状態または遮光状態のいずれであったかを示す情報である。ログLoの「エリア情報」によって、ユーザは、出力OFFの原因が侵入検出であったか否かを把握することができ、また、出力OFFの原因が侵入検出であった場合には、どの光軸OAにおいて侵入が検出されたかを把握することができる。
【0148】
ここで、ログLoにおける「エリア情報」は、複数の光軸OAの内、最初に遮光された光軸OAのみを示す情報であってもよい。また、「エリア情報」は、「或る光軸OAがいったん遮光され、出力OFFが実行された時点」から「次に出力ONが実行された時点」までの間に遮光された光軸OAをすべて示す情報であってもよい。「エリア情報」は、遮光された光軸OAが変化するたびに、どの光軸OAがいつ遮光されたかを示す情報であってもよい。さらに、「エリア情報」は、出力OFFが実行された後に一定の時間間隔でモニタされた複数の光軸OAの各々の入遮光状態を示す情報であってもよい。例えば、「エリア情報」は、出力OFFが実行された時点、1秒後の時点、2秒後の時点、3秒後の時点、・・・、「n」秒後の時点における、複数の光軸OAの各々の入遮光状態を示す情報であってもよい。ログLoにおける「エリア情報」として、多光軸光電センサ1(特に、受光器10の制御部100)にどのような情報を出力させるかは、ユーザが選択できてもよい。
【0149】
(2)「OFF開始時刻」は、出力OFFを実行した時点(時刻)を示す情報であり、ログLoの「OFF開始時刻」によって、ユーザは、出力OFFがいつ実行されたかを把握することができ、例えば、侵入が検出されたのがいつなのかを把握することができる。
【0150】
(3)「OFF継続時間」は、出力OFFの実行が継続した時間(期間)を示す情報であり、ログLoの「OFF継続時間」によって、ユーザは、出力OFFの実行が継続した時間を把握することができる。
【0151】
(4)「OFF原因」は、出力OFFを実行した時点における、多光軸光電センサ1の動作状況および多光軸光電センサ1を取り巻く環境の少なくとも一方を示す情報である。具体的には、「OFF原因」は、各種のセンサを含む監視部500等によって検出された、「多光軸光電センサ1およびその周囲の物理的振動」、「多光軸光電センサ1が受けた電気ノイズ」、「多光軸光電センサ1が受けた光ノイズ」などのモニタ結果である。
【0152】
上述の通り、ログ出力部160の出力するログLoは、多光軸光電センサ1(特に、受光器10)による出力変更の原因を示す情報であり、図5に例示するログLoについて、その詳細を説明すれば以下の通りである。
【0153】
すなわち、図5に例示するログLoには、時刻t1において出力変更が発生し、その出力変更の原因(「OFF原因」)が電気ノイズにあったことが示されている。具体的には、出力OFFの実行が時刻t1において開始され、出力OFFが期間dt1にわたって継続されたこと、および、時刻t1において電気ノイズが検出されたことが示されている。また、予め設定された閾値を超過するような、物理的振動、光ノイズの発生は、時刻t1においては検出されていないことが示されている。
【0154】
さらに、「エリア情報」において、時刻t1において、1光軸目、つまり、光軸OA(1)(=受光素子200(1))のみが遮光状態(=非入光状態)となり、他の光軸(他の受光素子200)は入光状態にあったことが示されている。ただし、「エリア情報」においては時刻t1において光軸OA(1)の遮光状態が示されているが、「OFF原因」において「通常遮光」は発生していないとされている。そのため、時刻t1において、入光状態における受光信号と異なる受光信号が受光素子200(1)について検出された(つまり、「エリア情報」において、時刻t1の光軸OA(1)が遮光状態とされている)原因は、「電気ノイズ」あると考えられる。
【0155】
したがって、ユーザは、図5に例示するログLoが示すこれらの情報を用いて、時刻t1における出力OFFの原因が電気ノイズにあると推定することができる。
【0156】
また、図5に例示するログLoには、時刻t2において出力変更が発生し、その出力変更の原因(「OFF原因」)が「通常遮光」にあったことが示されている。具体的には、出力OFFの実行が時刻t2において開始され、出力OFFが期間dt2にわたって継続されたこと、および、時刻t2において通常遮光が検出されたことが示されている。また、予め設定された閾値を超過するような、物理的振動、電気ノイズ、光ノイズの発生は、時刻t2においては検出されていないことが示されている。
【0157】
さらに、「エリア情報」において、時刻t2から期間dt2にわたって、3光軸目から6光軸目、つまり、光軸OA(3)から光軸OA(6)(=受光素子200(3)から受光素子200(6))が遮光状態にあったことが示されている。「エリア情報」においては、時刻t2から期間dt2にわたって、光軸OA(3)から光軸OA(6)の遮光状態が示されており、「OFF原因」においても「通常遮光」の発生が示されている。
【0158】
したがって、ユーザは、図5に例示するログLoが示すこれらの情報を用いて、時刻t2における出力OFFの原因が通常遮光にあると推定することができる。
【0159】
さらに、図5に例示するログLoには、時刻t3において出力変更が発生し、その出力変更の原因(「OFF原因」)が、物理的振動および光ノイズの少なくとも一方にあったことが示されている。具体的には、出力OFFの実行が時刻t3において開始され、出力OFFが期間dt3にわたって継続されたこと、および、時刻t3において物理的振動および光ノイズが検出されたことが示されている。また、予め設定された閾値を超過するような、電気ノイズの発生は、時刻t3においては検出されていないことが示されている。
【0160】
さらに、「エリア情報」において、時刻t3から期間dt3にわたって、1光軸目から3光軸目、つまり、光軸OA(1)から光軸OA(3)(=受光素子200(1)から受光素子200(3))が遮光状態(=非入光状態)にあったことが示されている。ただし、「エリア情報」においては、時刻t3から期間dt3にわたって、光軸OA(1)から光軸OA(3)の遮光状態が示されているが、「OFF原因」において「通常遮光」は発生していないとされている。そのため、時刻t3から期間dt3にわたって、入光状態における受光信号と異なる受光信号が受光素子200(1)から受光素子200(3)について検出された原因は、「光ノイズ」あると考えられる。つまり、「エリア情報」において示された、時刻t3から期間dt3における、光軸OA(1)から光軸OA(3)の「入光状態における受光信号とは異なる受光信号」の原因は、「光ノイズ」あると考えられる。
【0161】
したがって、ユーザは、図5に例示するログLoが示すこれらの情報を用いて、時刻t3における出力OFFの原因が物理的振動および光ノイズの少なくとも一方にあると推定することができる。
【0162】
§4.変形例
(出力ONの実行をトリガとするログ出力について)
これまで、多光軸光電センサ1(特に、受光器10)が、出力OFFの実行をトリガとして、ログLoを出力する例を説明してきた。しかしながら、多光軸光電センサ1(具体的には、ログ出力部160)は、出力ONの実行をトリガとして、ログLoを出力してもよい。つまり、多光軸光電センサ1は、出力(安全出力)の変更を、ログLoの出力のトリガとすればよい。
【0163】
(検出される対象、および、変更する出力について)
これまで、多光軸光電センサ1(特に、受光器10)が、状態を検出し、特に検出領域Rの入遮光状態を検出して、検出された状態に応じて出力(安全出力)を変更する例を説明してきた。しかしながら、本発明の一態様に係る状態通知装置が検出する対象が、入遮光状態であることは必須ではない。本発明の一態様に係る状態通知装置は、人体を含む物体の検出の有無に応じて、出力を2つの値の間で変更できればよい。
【0164】
本発明の一態様に係る状態通知装置は、非接触方式で物体を検出するセンサ等によって検出された物体の有無に応じて、出力を変更してもよく、例えば、非接触安全センサ(非接触安全スイッチ)によって検出された物体の有無に応じて出力を変更してもよい。非接触安全スイッチは、アクチュエータ及びセンサ本体にて構成されるセーフティ用のスイッチ(センサ)であり、アクチュエータがセンサに対して一定の距離以下になるとセンサの出力がONとなり、つまり、出力ONを実行する。また、非接触安全スイッチは、アクチュエータがセンサに対して一定の距離以上になるとセンサの出力がOFFとなり、つまり、出力OFFを実行する。非接触安全スイッチは、アクチュエータ側に磁石、本体側にリードスイッチを1つ以上内蔵するリードスイッチタイプと、アクチュエータ側にRFID(ICタグ)、本体側にRFIDリーダを搭載するRFIDタイプとに大別される。
【0165】
同様に、検出された状態に応じて本発明の一態様に係る状態通知装置が変更する出力は、「安全出力」でなくともよい。また、本発明の一態様に係る状態通知装置にとって、検出された状態に応じて出力をONまたはOFFに変更することは必須ではない。
【0166】
〔ソフトウェアによる実現例〕
上述のように、制御部100の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。すなわち、受光素子出力取得部110、第1判定部120、第2判定部130、出力制御部140、監視結果取得部150、ログ出力部160、および、格納部170は、ハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0167】
後者の場合、制御部100を備えるコンピュータは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現してもよい。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0168】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0169】
1 多光軸光電センサ(状態通知装置)
10 受光器(状態通知装置)
160 ログ出力部
200 受光素子
300 記憶部
500 監視部
600 送信部
700 受付部
Lo ログ
図1
図2
図3
図4
図5