IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-記録媒体搬送装置および画像形成装置 図1
  • 特許-記録媒体搬送装置および画像形成装置 図2
  • 特許-記録媒体搬送装置および画像形成装置 図3
  • 特許-記録媒体搬送装置および画像形成装置 図4
  • 特許-記録媒体搬送装置および画像形成装置 図5
  • 特許-記録媒体搬送装置および画像形成装置 図6
  • 特許-記録媒体搬送装置および画像形成装置 図7
  • 特許-記録媒体搬送装置および画像形成装置 図8
  • 特許-記録媒体搬送装置および画像形成装置 図9
  • 特許-記録媒体搬送装置および画像形成装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】記録媒体搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/00 20060101AFI20231114BHJP
   B65H 5/02 20060101ALI20231114BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
B65H5/00 B
B65H5/02 C
B41J2/01 305
B41J2/01 401
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019217271
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021084803
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水本 乃文美
(72)【発明者】
【氏名】平山 順哉
(72)【発明者】
【氏名】山田 千晶
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-137973(JP,A)
【文献】特開2015-150820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/00
B65H 5/02
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤が塗布された表面を有し、前記表面に記録媒体を密着させた状態で回転することにより前記記録媒体を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトの前記表面に洗浄液を付着させる洗浄液塗布部と、
前記搬送ベルトの回転方向において前記洗浄液塗布部の下流側に配置され、前記搬送ベルトの前記表面に当接し、前記搬送ベルトの前記表面に付着した前記洗浄液を除去する少なくとも1つの除去部材と、
前記搬送ベルトに前記除去部材を接触させた状態で前記除去部材を移動させる移動機構と
前記移動機構の動作を制御する制御部を備え、
前記制御部は、少なくとも前記搬送ベルトが停止している際に前記除去部材を移動させるように、前記移動機構の動作を制御する、記録媒体搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記搬送ベルトが停止した時点で前記除去部材の移動が開始するように、前記移動機構の動作を制御する、請求項に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記搬送ベルトが停止してから所定の時間経過後に前記除去部材が移動するように、前記移動機構の動作を制御する、請求項に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、停止状態にある前記搬送ベルトが回転する直前に前記除去部材が移動するように、前記移動機構の動作を制御する、請求項に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記除去部材が間欠的に移動するように、前記移動機構の動作を制御する、請求項からのいずれか1項に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項6】
前記移動機構は、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に前記除去部材を移動させる、請求項1からのいずれか1項に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項7】
前記移動機構は、前記記録媒体の搬送方向に平行な方向に前記除去部材を移動させる、請求項1からのいずれか1項に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの除去部材は、前記記録媒体の搬送方向に平行な方向に沿って並んで配置される複数の除去部材を含み、
前記移動機構は、前記複数の除去部材のうち前記搬送方向において最も下流側に位置する除去部材を移動させる、請求項1からのいずれか1項に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項9】
前記除去部材は、前記搬送ベルトに当接するブレードを含む、請求項1からのいずれか1項に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項10】
請求項1からのいずれか1項に記載の記録媒体搬送装置と、
前記記録媒体搬送装置によって搬送された前記記録媒体に対して画像を形成する画像形成部とを備えた、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、記録媒体搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の記録媒体に対して高精細な画像を記録する装置として、インクジェット方式による画像記録装置が開発されている。特に、記録媒体が伸縮性のある布帛等である場合などには、記録媒体を搬送ベルトで記録ヘッドの下方に搬送することが行われている。
【0003】
記録媒体にインクを吐出し画像を形成した後、記録媒体は剥離され、搬送ベルトには、別の記録媒体が供給される。
【0004】
インクの裏抜け等のために、記録ヘッドから吐出されたインクが搬送ベルトに付着する場合がある。この場合には、搬送ベルトに付着したインクが新たに供給されてきた記録媒体に付着し、記録媒体が汚染される。
【0005】
このような汚染を防止するために、記録媒体が剥離された後には、搬送ベルトに水等の洗浄液が供給され、搬送ベルトが洗浄される。供給された洗浄液は、搬送ベルト上に残留するとインクの滲みの原因となる。
【0006】
搬送ベルト上に残留するインクを洗浄する技術として、特開2015-150820(特許文献1)には、記録媒体を搬送する搬送ベルトと、当該搬送ベルトを洗浄する除去部材として第1ワイパーブレードおよび第2ワイパーブレードとを備えた記録媒体搬送装置が開示されている。第1ワイパーブレードおよび第2ワイパーブレードのうち少なくとも第1ワイパーブレードは、搬送ベルトに当接する当接位置と、搬送ベルトから離れた離間位置との間で移動可能に設けられている。第2ワイパーブレードは、記録媒体の搬送方向において第1ワイパーベルトの下流側に配置されている。第2ワイパーブレードは、常時搬送ベルトに当接しているか、第1ワイパーブレード同様に搬送ベルトに対して接離可能に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2015-150820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
粘着剤による除去部材と搬送ベルトとの粘着力は、搬送ベルトの動作状況によっても変化する。搬送ベルトと除去部材との粘着力が大きくなった場合には、除去部材が搬送ベルトによって一時的に引っ張られる。復元力によって、引っ張られた除去部材が元の位置に戻る場合には、搬送ベルトから除去部材が一時的に離間してしまう。この際、搬送ベルト上に付着した洗浄液が除去部材と搬送ベルトとの間の隙間を通過してしまう。
【0009】
特許文献1に開示の記録媒体搬送装置にあっては、第1ワイパーブレードは、搬送ベルトに対して圧接・離間可能に設けられているが、搬送ベルトの回動が開始する前に、搬送ベルトに圧接される。このため、第1ワイパーベルトが搬送ベルトに圧接されてから搬送ベルトが回動するまでの間に、粘着剤による搬送ベルトと第1ワイパーブレードとの粘着力が増加する。
【0010】
また、圧接力等が変化することなく第2ワイパーブレードが常時搬送ベルトに接触する場合には、搬送ベルトが停止してから回動するまでの間に、粘着剤による搬送ベルトと第2ワイパーブレードとの粘着力が増加する。第2ワイパーブレードが搬送ベルトに接離可能に設けられる場合であっても、第1ワイパーブレードのように搬送ベルトに接触するタイミングの如何によっては、粘着剤による搬送ベルトと第2ワイパーブレードとの粘着力が増加してしまう。
【0011】
このような場合には、上述のように、搬送ベルト上に付着した洗浄液が除去部材と搬送ベルトとの間の隙間を通過することが起こり得る。
【0012】
本開示は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、洗浄液が除去部材をすり抜けることを抑制できる記録媒体搬送装置および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示に基づく記録媒体搬送装置は、粘着剤が塗布された表面を有し、上記表面に記録媒体を密着させた状態で回転することにより上記記録媒体を搬送する搬送ベルトと、上記搬送ベルトの上記表面に洗浄液を付着させる洗浄液塗布部と、上記搬送ベルトの回転方向において上記洗浄液塗布部の下流側に配置され、上記搬送ベルトの上記表面に当接し、上記搬送ベルトの上記表面に付着した上記洗浄液を除去する少なくとも1つの除去部材と、上記搬送ベルトに上記除去部材を接触させた状態で上記除去部材を移動させる移動機構と、を備える。
【0014】
上記本開示に基づく記録媒体搬送装置は、上記移動機構の動作を制御する制御部をさらに備えてもよい。この場合には、上記制御部は、少なくとも上記搬送ベルトが停止している際に上記除去部材を移動させるように、上記移動機構の動作を制御することが好ましい。
【0015】
上記本開示に基づく記録媒体搬送装置にあっては、上記制御部は、上記搬送ベルトが停止した時点で上記除去部材の移動が開始するように、上記移動機構の動作を制御してもよい。
【0016】
上記本開示に基づく記録媒体搬送装置にあっては、上記制御部は、上記搬送ベルトが停止してから所定の時間経過後に上記除去部材が移動するように、上記移動機構の動作を制御してもよい。
【0017】
上記本開示に基づく記録媒体搬送装置にあっては、上記制御部は、停止状態にある上記搬送ベルトが回転する直前に上記除去部材が移動するように、上記移動機構の動作を制御してもよい。
【0018】
上記本開示に基づく記録媒体搬送装置にあっては、上記制御部は、上記除去部材が間欠的に移動するように、上記移動機構の動作を制御してもよい。
【0019】
上記本開示に基づく記録媒体搬送装置にあっては、上記移動機構は、上記記録媒体の搬送方法と交差する方向に上記除去部材を移動させてもよい。
【0020】
上記本開示に基づく記録媒体搬送装置にあっては、上記移動機構は、上記記録媒体の搬送方向に平行な方向に上記除去部材を移動させてもよい。
【0021】
上記本開示に基づく記録媒体搬送装置にあっては、上記少なくとも1つの除去部材は、上記記録媒体の搬送方向に平行な方向に沿って並んで配置される複数の除去部材を含んでいてもよい。この場合には、上記移動機構は、上記複数の除去部材のうち上記搬送方向において最も下流側に位置する除去部材を移動させることが好ましい。
【0022】
上記本開示に基づく記録媒体搬送装置にあっては、上記除去部材は、上記搬送ベルトに当接するブレードを含むことが好ましい。
【0023】
上記本開示に基づく画像形成装置は、上記の記録媒体搬送装置と、上記記録媒体搬送装置によって搬送された記録媒体に対して画像を形成する画像形成部とを備える。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、洗浄液が除去部材をすり抜けることを抑制できる記録媒体搬送装置および画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施の形態1に係る画像形成装置を示す概略図である。
図2】実施の形態1に係る除去部材および移動機構を示す模式図である。
図3】実施の形態1に係る制御構成を示す図である。
図4】実施の形態1に係る除去部材の第1制御方法を示す図である。
図5】実施の形態1に係る除去部材の第2制御方法を示す図である。
図6】実施の形態1に係る除去部材の第3制御方法を示す図である。
図7】除去部材の移動態様の第1変形例を模式的に示す図である。
図8】除去部材の移動態様の第2変形例を模式的に示す図である。
図9】実施の形態2に係る画像形成装置を示す概略図である。
図10】実施の形態の効果を検証するために行なった検証実験の条件および結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置を示す概略図である。図1を参照して、実施の形態1に係る画像形成装置10について説明する。
【0028】
図1に示すように、画像形成装置10は、画像形成部11、押圧ローラー12、剥離ローラー13、および記録媒体搬送装置20を備える。
【0029】
押圧ローラー12は、後述する搬送ベルト21の回転方向において画像形成部11の上流側に配置されている。押圧ローラー12は、供給される記録媒体Pを搬送ベルト21の表面に密着させる。
【0030】
記録媒体Pとしては、たとえば、例えば、紙、布帛、プラスチックフィルム等が用いられる。記録媒体Pは、所定のサイズに裁断されたシート状であってもよいし、巻回体から連続して繰り出される長尺状であってもよい。
【0031】
画像形成部11は、搬送ベルト21の表面に密着された記録媒体Pに画像を印刷する。画像形成部11は、記録媒体Pに向けてインクを吐出するヘッド部を含む。ヘッド部には、印刷用の着色剤が充填されている。
【0032】
画像形成部11により画像が形成された記録媒体Pは、剥離ローラー13に向けて搬送される。剥離ローラー13は、搬送ベルト21から記録媒体Pを剥離する。
【0033】
記録媒体搬送装置20は、搬送ベルト21、駆動ローラー22、従動ローラー23、駆動源24、制御部25、洗浄液塗布部26、除去部材27、吸収部材29、および移動機構30を備える。
【0034】
搬送ベルト21の表面には、粘着剤が塗布されている。粘着剤によって、記録媒体Pを搬送ベルト21の表面に密着させることができる。粘着剤としては、特に限定しないが、天然ゴム、合成ゴムを主成分とするゴム系、アクリル系、シリコーン系などを用いることができる。粘着剤は、1種類または複数種の材料を混合して使用してもよい。粘着剤として、シリコーン系粘着剤(大力社製「リキタックFS」)などを用いてもよい。
【0035】
搬送ベルト21は、駆動ローラー22、および従動ローラー23に張架されている。駆動ローラー22は、駆動源24によって回転駆動される。駆動源24の動作は、制御部25によって制御される。駆動ローラー22の回転に伴って、搬送ベルト21は、矢印AR1方向に回転する。従動ローラー23は、搬送ベルト21によって従動回転される。
【0036】
上記駆動ローラー22は、駆動源24によって駆動される。駆動源24は、駆動ローラー22を間欠駆動することにより、搬送ベルト21を間欠駆動させる。
【0037】
洗浄液塗布部26は、記録媒体Pが剥離された後の搬送ベルト21の表面に洗浄液を塗布する。洗浄液塗布部26は、散水口が設けられた散水パイプと、ポンプ等によって構成されている。搬送ベルト21の表面に洗浄液を塗布することにより、画像を形成する際にインクが付着した搬送ベルト21の表面を洗浄することができる。
【0038】
除去部材27は、搬送ベルト21の回転方向において洗浄液塗布部26の下流側に配置されている。除去部材27は、搬送ベルト21の表面に当接可能に設けられている。除去部材27は、搬送ベルト21の表面に付着した洗浄液を除去する。これにより、新たに供給される記録媒体Pに搬送ベルト21の表面に残留した液体が付着することを防止することができる。
【0039】
移動機構30は、搬送ベルト21に除去部材27を接触させた状態で当該除去部材27を移動させる。移動機構30の詳細については、図2を用いて後述する。
【0040】
吸収部材29は、搬送ベルト21の回転方向において除去部材27の下流側に配置されている。吸収部材29は、除去部材27によって除去しきれなかった洗浄液を吸収する。吸収部材29としては、たとえば、ローラー状に加工され、ポリエステルやポリウレタンの不織布を回転軸に巻き付けたものやスポンジ等を用いることができる。なお、吸収部材29は、必須の部材ではなく、省略することができる。
【0041】
図2は、実施の形態1に係る除去部材および移動機構を示す模式図である。図2を参照して、実施の形態1に係る除去部材27および移動機構30の詳細について説明する。
【0042】
図2に示すように、除去部材27は、ブレード271および支持部272を含む。ブレード271は、略板状形状を有する。ブレード271に用いられる材料としては、特に限定しないが、鉄、鋼、ステンレス、アルミ、真鍮などの金属材料のほか、シリコーンゴム、軟質PVCゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴムなど、弾性部材を用いてもよい。耐摩耗性の観点からウレタンゴムであることが好ましい。ブレード271において搬送ベルト21に接触する接触部は、断面矩形でもよいが、先端が斜めに切り落とされた形状や、先端に向かって薄くなっている形状でもよい。
【0043】
支持部272は、ブレード271を支持する。支持部272は、ブレード271を着脱可能に支持することが好ましい。支持部272は、搬送ベルト21の幅方向Wに平行な方向に沿って延在する。支持部272は、搬送ベルト21の幅方向Wに平行な方向において一端272aおよび他端272bを有する。
【0044】
移動機構30は、たとえば、記録媒体Pの搬送方向と交差する方向に除去部材27を移動させる。具体的には、移動機構30は、記録媒体Pの搬送方向と直交する方向、すなわち搬送ベルト21の幅方向と平行な方向に除去部材27を揺動させる。
【0045】
移動機構30は、偏心カム31と、付勢部材34と、駆動部35(図3参照)を含む。偏心カム31は、支持部272の一端272a側に配置されている。偏心カム31は、支持部272の一端272aに当接するカム32と、回転軸33とを含む。回転軸33は、カム32の中心からオフセットされた位置に位置する。駆動部35は、偏心カム31を駆動させる。駆動部35からの駆動力によって回転軸33回りにカム32を回転させることにより、支持部272を押し込む押込量を変動することができる。
【0046】
付勢部材34は、支持部272の他端272b側に配置されている。付勢部材34は、支持部272の他端272b側を支持部272の一端272a側に向けて付勢する。カム32による支持部272の押込量が変動することにより、付勢部材34による付勢力が変化する。このように、偏心カム31と付勢部材34によって移動機構30が構成されることにより、除去部材27を揺動させることができる。
【0047】
なお、移動機構30は、上記のような構成に限定されず、除去部材27を移動可能に構成される限り、適宜変更することができる。
【0048】
図3は、実施の形態1に係る制御構成を示す図である。制御部25は、制御回路251、駆動タイミング制御回路252、搬送ベルト用駆動回路253、除去部材用駆動回路254を含む。制御部25は、少なくとも搬送ベルト21が停止している際に除去部材27を移動させるように、移動機構30の動作を制御する。
【0049】
制御回路251は、2値の信号で、搬送ベルト回転開始信号1または搬送ベルト回転停止信号2を駆動タイミング制御回路252に入力する。駆動タイミング制御回路252は、入力された信号に基づいて、搬送ベルト用駆動回路253に向けて搬送ベルト回転信号5を出力する。搬送ベルト用駆動回路253は、入力された搬送ベルト回転信号5に基づいて、搬送ベルト21を回転駆動する駆動源24の動作を制御する。
【0050】
一方で、搬送ベルト用駆動回路253は、2値の信号で搬送ベルト回転モニター信号3を駆動タイミング制御回路252に入力する。駆動タイミング制御回路252は、搬送ベルト回転モニター信号3に基づき、搬送ベルト21が回転中あるいは回転停止中であるかを判断する。
【0051】
また、駆動タイミング制御回路252は、除去部材駆動信号4を除去部材用駆動回路254に入力する。除去部材用駆動回路254は、入力された除去部材駆動信号4に基づいて、移動機構30の動作を制御する。
【0052】
続いて、図4から図6を用いて、除去部材27の第1制御方法から第3制御方法について説明する。なお、図4から図6においては、回転中の搬送ベルト21が、回転を中止し、再度回転する際の各種信号の変化を示している。搬送ベルト21が一定の速度で回転する時間は、略2秒であり、搬送ベルト21が減速して停止するまでの時間は、略0.2秒である。また、搬送ベルト21が停止している時間は2秒であり、搬送ベルト21が加速して上記一定の速度に到達するまでの時間は、略0.2秒である。
【0053】
(第1制御方法)
図4は、実施の形態1に係る除去部材の第1制御方法を示す図である。図4を参照して、除去部材27の第1制御方法について説明する。
【0054】
第1制御方法においては、制御部25は、搬送ベルト21が停止した時点で除去部材27の移動が開始するように、移動機構30の動作を制御する。また、第1制御方法においては、制御部25は、搬送ベルト21が停止した時点から搬送ベルト21の回転が開始するまでの間、継続して除去部材27が移動するように、移動機構30の動作を制御する。
【0055】
具体的には、搬送ベルト21が回転している際に、制御回路251から駆動タイミング制御回路252に搬送ベルト回転停止信号2が入力される。搬送ベルト回転停止信号2が入力されることにより、駆動タイミング制御回路252は、駆動源24を停止させるための搬送ベルト回転信号5を搬送ベルト用駆動回路253に向けて出力する。
【0056】
搬送ベルト用駆動回路253は、当該搬送ベルト回転信号5に基づき、駆動源24を停止させる。これにより、搬送ベルト21が停止する。また、搬送ベルト用駆動回路253は、搬送ベルト21が停止状態にあることを知らせるための搬送ベルト回転モニター信号3を駆動タイミング制御回路252に入力する。搬送ベルト回転モニター信号3は、搬送ベルト回転停止信号2の立ち下がりと同時に駆動タイミング制御回路252に入力される。
【0057】
また、駆動タイミング制御回路252は、搬送ベルト回転停止信号2の立ち下がりと同時に除去部材駆動信号4をLowからHighに切り替える。これにより、駆動部35がONとなり、除去部材27の移動が開始する。すなわち、搬送ベルト21が停止した時点で除去部材27の移動が開始する。
【0058】
続いて、搬送ベルト21の回転を開始するために、制御回路251は、搬送ベルト回転開始信号1を駆動タイミング制御回路252に入力する。搬送ベルト回転開始信号1が入力されることにより、駆動タイミング制御回路252は、駆動源24を駆動させるための搬送ベルト回転信号5を搬送ベルト用駆動回路253に向けて出力する。
【0059】
搬送ベルト用駆動回路253は、当該搬送ベルト回転信号5に基づき、駆動源24を駆動させる。また、搬送ベルト21は、搬送ベルト21が回転状態にあることを知らせるための搬送ベルト回転モニター信号3を駆動タイミング制御回路252に入力する。搬送ベルト回転モニター信号3は、搬送ベルト回転開始信号1の立ち下がりと同時に駆動タイミング制御回路252に入力される。
【0060】
また、駆動タイミング制御回路252は、搬送ベルト回転停止信号2の立ち下がりと同時に除去部材駆動信号4をHighからLowに切り替える。これにより、駆動部35がOFFとなり、除去部材27の移動が停止する。すなわち、第1制御方法においては、搬送ベルト21が停止した時点から搬送ベルト21が回転開始するタイミングまで除去部材27が連続して移動する。
【0061】
なお、第1制御方法においては、搬送ベルト21が停止した時点で除去部材27の移動が開始するように、移動機構30の動作が制御部25によって制御される場合を例示して説明したが、これに限定されない。搬送ベルト21が停止してから所定の時間経過後に除去部材27の移動が開始するように、移動機構30の動作が制御部25によって制御されてもよい。
【0062】
また、第1制御方法においては、搬送ベルト21が回転を開始するタイミングで除去部材27の移動が停止するように、移動機構30の動作が制御部25によって制御される場合を例示して説明したが、これに限定されない。搬送ベルト21が回転を開始してから所定の時間経過後に除去部材27の移動が停止するように、移動機構30の動作が制御部25によって制御されてもよい。
【0063】
上述の第1制御方法のように除去部材27を移動させる場合には、搬送ベルト21が停止している際に、搬送ベルト21に接触した状態で搬送ベルト21が常時、搬送ベルト21の幅方向に移動(揺動)する。このため、搬送ベルト21が停止している際に、除去部材27が搬送ベルト21に接触した状態で停止する場合と比較して、搬送ベルト21と除去部材27との粘着力が大きくなることを抑制することができる。
【0064】
(第2制御方法)
図5は、実施の形態1に係る除去部材の第2制御方法を示す図である。図5を参照して、除去部材27の第2制御方法について説明する。
【0065】
第2制御方法においては、制御部25は、搬送ベルト21が停止してから所定の時間経過後に除去部材27が移動するとともに、間欠的(断続的)に移動するように、移動機構30の動作を制御する。
【0066】
具体的には、搬送ベルト21が回転している際に、制御回路251から駆動タイミング制御回路252に搬送ベルト回転停止信号2が入力される。搬送ベルト回転停止信号2が入力されることにより、駆動タイミング制御回路252は、駆動源24を停止させるための搬送ベルト回転信号5を搬送ベルト用駆動回路253に向けて出力する。
【0067】
搬送ベルト用駆動回路253は、当該搬送ベルト回転信号5に基づき、駆動源24を停止させる。これにより、搬送ベルト21が停止する。また、搬送ベルト用駆動回路253は、搬送ベルト21が停止状態にあることを知らせるための搬送ベルト回転モニター信号3を駆動タイミング制御回路252に入力する。搬送ベルト回転モニター信号3は、搬送ベルト回転停止信号2の立ち下がりと同時に駆動タイミング制御回路252に入力される。
【0068】
また、搬送ベルト回転停止信号2の立ち下がりと同時に、駆動タイミング制御回路内にあるタイマー回路(不図示)が作動する。搬送ベルト回転停止信号2の立ち下がりから所定の時間(Tm1)経過すると、駆動タイミング制御回路252は、除去部材駆動信号4をLowからHighに切り替える。これにより、駆動部35がONとなり、除去部材27の移動が開始する。除去部材27は、所定の時間(Tm2)移動する。すなわち、駆動タイミング制御回路252は、除去部材駆動信号4をHighに切り替えてから所定の時間(Tm2)経過後に、除去部材駆動信号4をLowに切り替える。これにより、駆動部35がOFFとなり、除去部材27の移動が停止する。
【0069】
除去部材27の移動が停止すると、再びタイマー回路が作動する。除去部材27が停止してから所定の時間(Tm1)経過すると、駆動タイミング制御回路252は、除去部材駆動信号4をLowからHighに切り替える。これにより、除去部材27が再度移動する。
【0070】
続いて、搬送ベルト21の回転を開始するために、制御回路251は、搬送ベルト回転開始信号1を駆動タイミング制御回路252に入力する。搬送ベルト回転開始信号1が入力されると、駆動タイミング制御回路252は、除去部材駆動信号4をHighからLowに切り替える。これにより、除去部材27が停止する。
【0071】
なお、駆動タイミング制御回路252への搬送ベルト回転開始信号1の入力は、上述のように、除去部材27が再度移動してから所定の時間(Tm2)経過後に行われる。
【0072】
また、搬送ベルト回転開始信号1が入力されることにより、駆動タイミング制御回路252は、駆動源24を駆動させるための搬送ベルト回転信号5を搬送ベルト用駆動回路253に向けて出力する。
【0073】
搬送ベルト用駆動回路253は、当該搬送ベルト回転信号5に基づき、駆動源24を駆動させる。また、搬送ベルト21は、搬送ベルト21が回転状態にあることを知らせるための搬送ベルト回転モニター信号3を駆動タイミング制御回路252に入力する。搬送ベルト回転モニター信号3は、搬送ベルト回転開始信号1の立ち下がりと同時に駆動タイミング制御回路252に入力される。
【0074】
このようにして、第2制御方法においては、搬送ベルト21が回動を停止している際に、除去部材27が間欠的に移動する。このため、搬送ベルト21が停止している際に、除去部材27が搬送ベルト21に接触した状態で停止する場合と比較して、搬送ベルト21と除去部材27との粘着力が大きくなることを抑制することができる。
【0075】
(第3制御方法)
図6は、実施の形態1に係る除去部材の第3制御方法を示す図である。図6を参照して、除去部材27の第3制御方法について説明する。
【0076】
第3制御方法においては、制御部25は、停止状態にある搬送ベルト21が回転する直前にのみ除去部材27が移動するように、移動機構30の動作を制御する。
【0077】
具体的には、搬送ベルト21が回転している際に、制御回路251から駆動タイミング制御回路252に搬送ベルト回転停止信号2が入力される。搬送ベルト回転停止信号2が入力されることにより、駆動タイミング制御回路252は、駆動源24を停止させるための搬送ベルト回転信号5を搬送ベルト用駆動回路253に向けて出力する。
【0078】
搬送ベルト用駆動回路253は、当該搬送ベルト回転信号5に基づき、駆動源24を停止させる。これにより、搬送ベルト21が停止する。また、搬送ベルト用駆動回路253は、搬送ベルト21が停止状態にあることを知らせるための搬送ベルト回転モニター信号3を駆動タイミング制御回路252に入力する。搬送ベルト回転モニター信号3は、搬送ベルト回転停止信号2の立ち下がりと同時に駆動タイミング制御回路252に入力される。
【0079】
第3制御方法においては、搬送ベルト21が停止した状態であっても所定の時間、除去部材27の移動が停止している状態が維持される。
【0080】
続いて、搬送ベルト21の回転を開始するために、制御回路251は、搬送ベルト回転開始信号1を駆動タイミング制御回路252に入力する。この場合においては駆動タイミング制御回路252に入力されると、駆動タイミング制御回路252内にあるタイマー回路が作動すると同時に、駆動タイミング制御回路252は、除去部材駆動信号4をLowからHighに切り替える。これにより、駆動部35がONとなり、除去部材27の移動が開始する。除去部材27は、所定の時間(Tm2)移動する。すなわち、駆動タイミング制御回路252は、タイマー回路が作動してから所定の時間(Tm2)経過後に、除去部材駆動信号4をLowに切り替える。これにより、駆動部35がOFFとなり、除去部材27の移動が停止する。
【0081】
また、タイマー回路が作動してから所定の時間(Tm2)経過後に、駆動タイミング制御回路252は、駆動源24を駆動させるための搬送ベルト回転信号5を搬送ベルト用駆動回路253に向けて出力する。
【0082】
搬送ベルト用駆動回路253は、当該搬送ベルト回転信号5に基づき、駆動源24を駆動させる。これにより、除去部材27が停止するタイミングで、搬送ベルト21の回転が開始する。
【0083】
また、搬送ベルト21は、搬送ベルト21が回転状態にあることを知らせるための搬送ベルト回転モニター信号3を駆動タイミング制御回路252に入力する。搬送ベルト回転モニター信号3は、搬送ベルト回転開始信号1の立ち下がりと同時に駆動タイミング制御回路252に入力される。
【0084】
このようにして、第3制御方法においては、制御部25は、停止状態にある搬送ベルト21が回転する直前に除去部材27が移動する。このため、搬送ベルト21が回転を開始する際には、搬送ベルト21と除去部材27との粘着力を低減させることができる。
【0085】
以上のように、実施の形態1においては、搬送ベルト21に除去部材27を接触させた状態で除去部材27を移動させる移動機構30を備えることにより、搬送ベルト21と除去部材27との粘着力を適宜のタイミングで適切に調整することができる。
【0086】
このため、搬送ベルト21と除去部材27との粘着力が大きくなり、搬送ベルト21の回転が開始する際に、除去部材27が搬送ベルト21によって一時的に引っ張られることを防止することができる。これにより、引っ張られた除去部材27が元の位置に戻る際に、搬送ベルト21から除去部材27が一時的に離間し、搬送ベルト21上に付着した洗浄液の多くが除去部材27と搬送ベルト21との間の隙間をすり抜けることを防止することができる。この結果、洗浄液が除去部材27をすり抜けることを抑制できる。
【0087】
(第1変形例)
図7は、除去部材の移動態様の第1変形例を模式的に示す図である。図7を参照して、除去部材27の移動態様について説明する。
【0088】
図7に示すように、第1変形例においては、実施の形態1に係る記録媒体搬送装置20と比較して、移動機構30Aの構成が相違する。移動機構30Aは、駆動部35と、動力伝達機構31Aと、ガイド36とを含む。
【0089】
動力伝達機構31Aは、駆動部35によって発生された駆動力を除去部材27に伝達する。また、動力伝達機構31Aは、記録媒体Pの搬送方向に平行な方向に除去部材27を移動させるように、上記駆動力を変換する。
【0090】
ガイド36は、除去部材27の移動をガイドする。ガイド36は、記録媒体Pの搬送方向と平行な方向に沿って延在する。
【0091】
第1変形例においては、駆動部35の動作を切り替えることで、除去部材27が記録媒体Pの搬送方向に揺動する状態と、除去部材27が停止した状態とを切り替えることができる。
【0092】
第1変形例においても、除去部材27の移動は、実施の形態1に係る第1制御方法から第3制御方法のいずれかに基づいて制御される。これにより、第1変形例においても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0093】
(第2変形例)
図8は、除去部材の移動態様の第2変形例を模式的に示す図である。なお、図8においては、便宜上、除去部材27が対向する部分における搬送ベルト21の表面の法線方向から搬送ベルト21と除去部材27とを見た状態を模式的に示している。破線で搬送ベルト21を示し、実線で除去部材27を示している。
【0094】
第2変形例においては、第1変形例と比較して、動力伝達機構が、駆動部から発生する駆動力を、除去部材27が、上記法線方向に平行な方向を回転軸として回転するように、駆動部によって発生された駆動力を変換しつつ、当該除去部材27に伝達する。
【0095】
第2変形例においては、駆動部の動作を切り替えることで、除去部材27が上記回転軸を中心として回転する状態と、除去部材27が停止した状態とを切り替えることができる。
【0096】
第2変形例においても、除去部材27の移動は、実施の形態1に係る第1制御方法から第3制御方法のいずれかに基づいて制御される。これにより、第2変形例においても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0097】
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2に係る画像形成装置を示す概略図である。図9を参照して、実施の形態2に係る画像形成装置10Aについて説明する。
【0098】
図9に示すように、実施の形態2に係る画像形成装置10Aは、実施の形態1と比較した場合に、複数の除去部材27が設けられている点が主として相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0099】
具体的には、画像形成装置10Aは、記録媒体Pの搬送方向に平行な方向に沿って並んで配置される2つの除去部材27を備える。画像形成装置10Aにおいては、移動機構30は、2つの除去部材27のうち下流側に位置する除去部材27を移動させるように設けられている。上流側に配置された除去部材27は、たとえば、常時、搬送ベルト21の表面に当接するように設けられていてもよいし、搬送ベルト21に接離可能に設けられていてもよい。
【0100】
なお、除去部材27の個数は、2つに限定されない。少なくとも移動機構30によって、記録媒体Pの搬送方向において最も下流側に位置する除去部材27を移動させられる限り、3つ以上であってもよい。また、複数の除去部材のうち、最も下流側に位置する除去部材27に加えて、残りの除去部材の一部あるいは全部が、移動機構によって移動させられてもよい。
【0101】
実施の形態2においても、少なくとも最も下流側に位置する除去部材27は、実施の形態1に係る第1制御方法から第3制御方法のいずれかに基づいて制御される。これにより、第2変形例においても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0102】
(検証実験)
図10は、実施の形態の効果を検証するために行なった検証実験の条件および結果を示す図である。
【0103】
図10に示すように、検証実験においては、実施例1から実施例4に係る画像形成装置および比較例1に係る画像形成装置を準備して、洗浄液のすり抜け評価を行なった。実施例1から3に係る画像形成装置としては、実施の形態1に係る画像形成装置を準備し、除去部材27の制御方法を変更した。実施例1においては、第1制御方法を用いた。実施例2においては、第2制御方法を用いた。実施例3においては、第3制御方法を用いた。実施例4に係る画像形成装置としては、第1変形例に係る移動機構を備えたものを準備し、制御方法としては、第3制御方法を用いた。比較例1に係る画像形成装置としては、移動機構を搭載せずに、除去部材27が搬送ベルト21に当接した状態で停止しているものを用いた。
【0104】
すり抜け評価としては、除去部材27をすり抜けた洗浄液の量を確認するとともに、搬送ベルト21の洗浄後に記録媒体Pに形成された画質を確認した。この際、除去部材27をすり抜けた洗浄液が確認されなかった場合、あるいは、除去部材27を洗浄液がすり抜けるものの、画像に洗浄液による滲みが確認できなかった場合を良と評価した。一方、除去部材27を洗浄液がすり抜け、画像に洗浄液による滲みが発生した場合を不良と評価した。
【0105】
実施例1から4においては、いずれの場合も、洗浄液のすり抜けが減少しており、画像形成後の画像に洗浄液による滲みは確認できなかった。このため、実施例1から4においては、いずれの場合も、良と評価された。
【0106】
一方、比較例1においては、除去部材27が搬送ベルト21に当接した状態で停止しているため、搬送ベルト21が停止している際に、搬送ベルト21と除去部材27との粘着力が大きくなり、搬送ベルト21の回転が開始する際には、除去部材27が搬送ベルト21によって一時的に引っ張られた状態となった。このため、復元力によって、引っ張られた除去部材27が元の位置に戻る際に、搬送ベルト21から除去部材27が一時的に離間し、搬送ベルト21上に付着した洗浄液の多くが除去部材27と搬送ベルト21との間の隙間をすり抜けた。このため、画像に洗浄液による滲みも発生した。この結果、比較例1は、不良と評価された。
【0107】
以上の結果から、実施例1から4のように、少なくとも搬送ベルト21が停止している際に移動機構30によって除去部材27を移動させることにより、搬送ベルト21と除去部材27との粘着力の増加を抑制でき、これにより、洗浄液が除去部材27をすり抜けることを抑制できたと言える。
【0108】
なお、実施の形態1,2、第1変形例、および第2変形例のいすれにおいても、搬送ベルト21が停止している際に除去部材27を移動させる場合を例示して説明したが、これに限定されない。少なくとも搬送ベルト21が停止している際に、除去部材27を移動させる限り、搬送ベルト21が回転している際に除去部材27を移動させてもよい。
【0109】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0110】
1 搬送ベルト回転開始信号、2 搬送ベルト回転停止信号、3 搬送ベルト回転モニター信号、4 除去部材駆動信号、5 搬送ベルト回転信号、10,10A 画像形成装置、11 画像形成部、12 押圧ローラー、13 剥離ローラー、20 記録媒体搬送装置、21 搬送ベルト、22 駆動ローラー、23 従動ローラー、24 駆動源、25 制御部、26 洗浄液塗布部、27 除去部材、29 吸収部材、30,30A 移動機構、31 偏心カム、31A 動力伝達機構、32 カム、33 回転軸、34 付勢部材、35 駆動部、36 ガイド、251 制御回路、252 駆動タイミング制御回路、253 搬送ベルト用駆動回路、254 除去部材用駆動回路、271 ブレード、272 支持部、272a 一端、272b 他端。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10