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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】乗車位置案内システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/005 20060101AFI20231114BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
G08G1/005
G01C21/26 P
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020000118
(22)【出願日】2020-01-06
(65)【公開番号】P2021110967
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】今村 朋範
【審査官】西畑 智道
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-116440(JP,A)
【文献】特開2018-147282(JP,A)
【文献】特開2019-87210(JP,A)
【文献】特開2002-312439(JP,A)
【文献】特開2018-149853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両のそれぞれに搭載された表示機と、
利用者の位置情報を少なくとも取得する利用者情報取得部と、
前記車両の位置情報を少なくとも取得する車両情報取得部と、
前記利用者情報取得部が取得した前記利用者の位置情報と、前記車両情報取得部が取得した前記車両の位置情報と、に基づいて、前記利用者の位置から前記利用者が利用する前記車両の位置までの案内経路を作成する経路作成部と、
前記利用者の位置情報に基づいて、前記利用者から近い位置に位置する前記車両に搭載された前記表示機に、前記案内経路を表示させるとともに、前記利用者が利用する前記車両に搭載された前記表示機に、当該車両が前記利用者の利用する車両である旨を表示させる経路出力部と、を備え、
前記経路出力部は、前記利用者の移動に伴う前記利用者の位置情報の変化に基づいて、前記案内経路を表示させる前記車両に搭載された前記表示機を前記利用者により近い位置に位置する前記車両に搭載された前記表示機に変更する、乗車位置案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗車位置案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バス停車場の基地局によって算出された利用者の位置情報とバスの位置情報とに基づいて、当該バスの乗車位置までの経路案内情報を利用者が所持する個人端末に送信する車両乗降支援システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-176221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の車両乗降支援システムは、乗車位置が決まっているバスを前提としたシステムである。そのため、乗車位置が決まっておらず、類似車両が多い乗合バスや乗合タクシーへの乗車位置を案内する場合、利用者が、自身が乗るべき車両を特定しにくいという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、利用者が乗るべき車両をより容易に特定することができる乗車位置案内システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る乗車位置案内システムは、異なる位置に設置された複数の表示部と、利用者の位置情報を少なくとも取得する利用者情報取得部と、車両の位置情報を少なくとも取得する車両情報取得部と、前記利用者情報取得部が取得した前記利用者の位置情報と、前記車両情報取得部が取得した前記車両の位置情報と、に基づいて、前記利用者の位置から前記車両の位置までの案内経路を作成する経路作成部と、前記利用者の位置情報に基づいて、前記利用者から近い位置に位置する前記表示部に、前記案内経路を表示させる経路出力部と、を備え、前記経路出力部は、前記利用者の移動に伴う前記利用者の位置情報の変化に基づいて、前記案内経路を表示させる前記表示部を前記利用者により近い位置に位置する前記表示部に変更する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る乗車位置案内システムによれば、案内経路が利用者から近い位置に位置する表示部に表示されるとともに、利用者の移動に伴って、案内経路が表示される表示部が利用者により近い位置に位置する表示部に変更される。そのため、利用者は乗るべき車両をより容易に特定することができる。これにより、利用者が乗るべき車両をより容易に特定することができる乗車位置案内システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る乗車位置案内システムの一例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る乗車位置案内システムにおける乗車位置案内の一例について説明する図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る乗車位置案内システムにおける乗車位置案内の一例について説明する図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る乗車位置案内システムにおける乗車位置案内の一例について説明する図である。
図5】本発明の実施の形態2に係る乗車位置案内システムにおける乗車位置案内の一例について説明する図である。
図6】本発明の実施の形態3に係る乗車位置案内システムの一例を示すブロック図である。
図7】本発明の実施の形態3に係る乗車位置案内システムにおける各車両の位置関係情報の作成の一例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に、本発明の実施の形態1に係る乗車位置案内システム100の一例を示す。また、図2~4に、実施の形態1に係る乗車位置案内システム100における乗車位置案内の例について示す。
【0010】
図1に示すように、実施の形態1に係る乗車位置案内システム100は、利用者情報取得部110、車両情報取得部120、経路作成部としての情報統合システム130、経路出力部140を備える。また、図2図4に示すように、乗車位置案内システム100は、路上の異なる位置に設置された複数の位置情報発信機150、異なる位置に設置された複数の表示部160を更に備える。
【0011】
利用者情報取得部110は、利用者Uの位置情報を少なくとも取得する。具体的には、利用者情報取得部110は、利用者Uが所持する個人端末111、異なる位置に設置されたスキャナ112、異なる位置に設置された入力部113の少なくとも1つを備える。
そして、例えば、利用者情報取得部110は、図2に示すように、個人端末111が位置情報発信機150から受信した位置情報を利用者Uの位置情報として取得する。また、利用者情報取得部110は、個人端末111に内蔵されたカメラが撮像した周辺画像(風景や車両)を利用者Uの位置情報として取得してもよい。この場合、利用者情報取得部110は、当該周辺画像に写っている対象物と当該対象物の位置情報とが対応付けられたデータテーブルを予め格納する記憶部(図示省略)を備えることにより、当該周辺画像から利用者Uの位置情報を抽出することができる。
また、利用者情報取得部110は、利用者Uの個人端末111の識別情報を利用者Uの識別情報として取得してもよい。当該個人端末111の識別情報としては、個人端末111の電話番号やメールアドレス等が含まれてもよい。
また、利用者情報取得部110は、図3に示すように、スキャナ112が読み取ったICカードの情報、QRコード(登録商標)、生体情報等を利用者Uの識別情報として取得するとともに、当該スキャナ112が設置されている位置を利用者Uの位置情報として取得してもよい。ここで、生体情報とは、例えば、利用者Uの眼の虹彩、顔、指紋、静脈の少なくとも1つである。
また、利用者情報取得部110は、利用者Uが入力部113を操作して入力した利用者Uの予約コードや個人コードを利用者Uの識別情報として取得するとともに、当該入力部113が設置されている位置を利用者Uの位置情報として取得してもよい。ここで、入力部113は操作ボタン又はタッチパネル等を備え、利用者Uが手入力によって予約コードや個人コードを入力してもよい。また、入力部113はマイク等を備え、当該マイクによって利用者Uの声を取得することにより、予約コードや個人コードを取得してもよい。なお、入力部113の設置例は、図3に示すスキャナ112の設置例と同様であるため、図示を省略する。予約コードとは、例えば、利用者Uが予め車両Vの利用の予約をしていた場合に、当該予約を特定するための記号や番号である。
また、利用者情報取得部110は、路上の異なる位置に設置された複数のカメラ170を備えていてもよい。そして、例えば、利用者情報取得部110は、図4に示すように、カメラ170が撮像した利用者Uの顔画像を利用者Uの識別情報として取得するとともに、当該カメラ170が設置されている位置を利用者Uの位置情報として取得してもよい。
そして、利用者情報取得部110は、取得した利用者Uの位置情報を情報統合システム130に入力する。なお、複数の利用者Uがいる場合には、利用者情報取得部110は、利用者Uの識別情報と利用者Uの位置情報とを対応付けて、情報統合システム130に入力することが好ましい。
【0012】
車両情報取得部120は、車両Vの位置情報を少なくとも取得する。具体的には、車両情報取得部120は、当該車両Vに搭載された車両端末121を備える。そして、例えば、車両情報取得部120は、車両端末121が位置情報発信機150から受信した位置情報を車両Vの位置情報として取得する。
また、車両情報取得部120は、路上の異なる位置に設置された複数のカメラ170を備えていてもよい。そして、例えば、車両情報取得部120は、図4に示すように、カメラ170が撮像した車両のナンバープレートの番号を車両Vの識別情報として取得するとともに、当該カメラ170が設置されている位置を車両Vの位置情報として取得してもよい。
また、車両情報取得部120は、車両端末121の識別情報を車両Vの識別情報として取得してもよい。
そして、車両情報取得部120は、取得した車両Vの位置情報を情報統合システム130に入力する。なお、車両Vが複数台ある場合には、車両情報取得部120は、車両Vの識別情報と車両Vの位置情報とを対応付けて、情報統合システム130に入力することが好ましい。
【0013】
情報統合システム130は、CPU(図示省略)及び記憶部(図示省略)等を備える。そして、CPUが記憶部に格納されたプログラムを実行することにより、情報統合システム130における処理が実現する。
また、情報統合システム130のそれぞれの記憶部に格納されるプログラムは、CPUに実行されることにより、情報統合システム130のそれぞれにおける処理を実現するためのコードを含む。なお、記憶部は、例えば、このプログラムや、情報統合システム130における処理に利用される各種情報を格納することができる任意の記憶装置を含んで構成される。記憶装置は、例えば、メモリ等である。
具体的には、情報統合システム130は、利用者情報取得部110から入力された利用者Uの位置情報と、車両情報取得部120が取得した車両Vの位置情報と、に基づいて、利用者Uの位置から車両Vの位置までの案内経路を作成する。
また、情報統合システム130は、利用者Uが予め予約した車両Vの車種や予約時間等の予約情報と、当該予約を特定するための予約コードとを対応付けて記憶部(図示省略)に格納していてもよい。そして、情報統合システム130は、利用者情報取得部110から入力された利用者Uの識別情報に予約コードが含まれる場合、当該予約コードに基づいて記憶部から当該利用者Uの予約情報を抽出する。そして、情報統合システム130は、利用者Uの当該予約情報と、利用者Uの当該識別情報と、利用者Uの位置情報と、車両Vの位置情報と、に基づいて、上記案内経路を作成してもよい。より具体的には、上記予約情報に、車両Vの車種等の指定がある場合には、情報統合システム130は、当該車種の車両Vの位置情報も用いて、案内経路を作成してもよい。
そして、情報統合システム130は、作成した案内経路を利用者Uの位置情報とともに経路出力部140に入力する。また、情報統合システム130は、作成した案内経路を利用者Uの識別情報及び位置情報とともに経路出力部140に入力してもよい。また、情報統合システム130は、作成した案内経路を利用者Uの位置情報とともに車両端末121に送信してもよい。また、情報統合システム130は作成した案内経路を利用者Uの個人端末111に送信してもよい。
また、情報統合システム130は、利用者Uが移動することに伴って、利用者情報取得部110によって取得される利用者Uの位置情報が更新される度に、更新された利用者Uの位置情報を経路出力部140に入力する。
【0014】
経路出力部140は、案内表示システム141を備える。
案内表示システム141は、CPU(図示省略)及び記憶部(図示省略)等を備える。そして、CPUが記憶部に格納されたプログラムを実行することにより、案内表示システム141における処理が実現する。
また、案内表示システム141のそれぞれの記憶部に格納されるプログラムは、CPUに実行されることにより、案内表示システム141のそれぞれにおける処理を実現するためのコードを含む。なお、記憶部は、例えば、このプログラムや、案内表示システム141における処理に利用される各種情報を格納することができる任意の記憶装置を含んで構成される。記憶装置は、例えば、メモリ等である。
具体的には、案内表示システム141は、利用者Uの位置情報に基づいて、利用者Uから近い位置に位置する表示部160に、当該案内経路を表示させる。
より具体的には、案内表示システム141は、情報統合システム130から入力された利用者Uの位置情報と、表示部160の位置情報とに基づいて、利用者Uに近接した位置に位置する表示部160を決定する。そして、案内表示システム141は、決定した表示部160に情報統合システム130から入力された案内経路を表示させる。なお、案内表示システム141は、表示部160の識別情報と当該表示部160の位置情報とが対応付けられたデータテーブルを予め記憶部(図示省略)に格納している。
また、案内表示システム141は、情報統合システム130から入力された利用者Uの識別情報に利用者Uの個人端末111のメールアドレス等が含まれる場合、利用者Uの個人端末111に案内経路を送信し、個人端末111の表示画面に当該案内経路を表示させてもよい。個人端末111にARナビゲーション(Augmented Reality Navigation)機能が搭載されている場合、当該案内経路はARナビゲーションによって表示されてもよい。
【0015】
また、経路出力部140は、利用者Uの移動に伴う利用者Uの位置情報の変化に基づいて、上記案内経路を表示させる表示部160を変更する。具体的には、案内表示システム141は、利用者Uが移動することに伴って、情報統合システム130から入力される更新された利用者Uの位置情報と、表示部160の位置情報とに基づいて、移動後の利用者Uに近接した位置に位置する表示部160を決定し、決定した表示部160に情報統合システム130から入力された案内経路を表示させる。
【0016】
位置情報発信機150は、例えば、ビーコン(Beacon)等であり、当該ビーコンの位置情報を含む情報を電波として発信している。
【0017】
表示部160は、例えば、デジタルサイネージ(Digital Sighnage)等であり、案内表示システム141と通信可能に接続されている。そして、表示部160は、案内表示システム141から入力される案内経路を表示する。
【0018】
次に、図2を参照しながら、乗車位置案内システム100における乗車位置案内の一例について説明する。
まず、利用者情報取得部110は、個人端末111が位置情報発信機150から受信した位置情報を利用者Uの位置情報として取得する。
次に、車両情報取得部120は、車両端末121が位置情報発信機150から受信した位置情報を車両Vの位置情報として取得する。
そして、案内表示システム141は、利用者Uの位置情報と、表示部160の位置情報とに基づいて、利用者Uに近接した位置に位置する表示部160を決定し、決定した表示部160に情報統合システム130から入力された案内経路を表示させる。例えば、図2に示す例では、表示部160に、利用者Uの識別情報である「ID:463」と利用者Uが進むべき方向を示す矢印が表示されている。なお、表示部160の当該表示例は、一例であり、表示部160の表示は、当該表示例に限定されるものではない。例えば、表示部160は、利用者Uの現在位置、乗車予定の車両Vの位置、利用者Uが進むべき方向を電子地図上に表示してもよい。
【0019】
次に、図3を参照しながら、乗車位置案内システム100における乗車位置案内の他の例について説明する。
まず、利用者情報取得部110は、スキャナ112が読み取ったICカードの情報、QRコード(登録商標)、生体情報等を利用者Uの識別情報として取得するとともに、当該スキャナ112が設置されている位置を利用者Uの位置情報として取得する。
次に、車両情報取得部120は、車両端末121が位置情報発信機150から受信した位置情報を車両Vの位置情報として取得する。
そして、案内表示システム141は、利用者Uの位置情報と、表示部160の位置情報とに基づいて、利用者Uに近接した位置に位置する表示部160を決定し、決定した表示部160に情報統合システム130から入力された案内経路を表示させる。
【0020】
次に、図4を参照しながら、乗車位置案内システム100における乗車位置案内の他の例について説明する。
まず、スキャナ112が、利用者Uが所持するICカードの情報、QRコード(登録商標)、生体情報等を利用者Uの識別情報として取得する。また、スキャナ112が利用者Uの識別情報を取得する際に、当該スキャナ112の近傍に位置するカメラ170が利用者Uの顔画像を撮像する。そして、利用者情報取得部110は、当該顔画像を利用者Uの識別情報として取得するとともに、当該カメラ170が設置されている位置を利用者Uの位置情報として取得する。
次に、車両情報取得部120は、カメラ170が撮像した車両のナンバープレートの番号を車両Vの識別情報として取得するとともに、当該カメラ170が設置されている位置を車両Vの位置情報として取得する。
そして、案内表示システム141は、利用者Uの位置情報と、表示部160の位置情報とに基づいて、利用者Uに近接した位置に位置する表示部160を決定し、決定した表示部160に情報統合システム130から入力された案内経路を表示させる。
また、利用者情報取得部110は、路上の異なる位置に配置された複数のカメラ170によって撮像された画像と、利用者Uの識別情報として取得した利用者Uの顔画像とに基づいて、利用者Uの位置情報を更新する。そして、案内表示システム141は、利用者情報取得部110によって取得される利用者Uの位置情報が更新される度に、更新された利用者Uの位置情報と、表示部160の位置情報とに基づいて、移動後の利用者Uに近接した位置に位置する表示部160を決定する。そして、案内表示システム141は、決定した表示部160に情報統合システム130から入力された案内経路を表示させる。
【0021】
以上に説明した実施の形態1に係る乗車位置案内システム100によれば、案内経路が利用者Uから近い位置に位置する表示部160に表示されるとともに、利用者Uの移動に伴って、案内経路が表示される表示部160が利用者Uにより近い位置に位置する表示部160に変更される。そのため、利用者Uは乗るべき車両Vをより容易に特定することができる。これにより、利用者Uが乗るべき車両Vをより容易に特定することができる乗車位置案内システム100を提供することができる。
【0022】
実施の形態2
次に、図5を参照しながら、本発明の実施の形態2について説明する。図5は、実施の形態2に係る乗車位置案内システムにおける乗車位置案内の例を示す。本実施の形態2に係る乗車位置案内システムは、利用者情報取得部110を必要しない点が、実施の形態1に係る乗車位置案内システム100と異なる。また、本実施の形態2に係る乗車位置案内システムは、車両情報取得部120が車両Vの位置情報を取得する手法、及び、案内表示システム141が案内経路を表示させる対象が実施の形態1に係る乗車位置案内システム100と異なる。そのため、以下の実施の形態2の説明では、実施の形態1に係る車両位置案内システム100と同一の構成については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0023】
車両情報取得部120は、車両Vに搭載されたカメラを備え、当該カメラが撮像した画像から、当該車両Vの前方に位置する車両Vのナンバープレートの番号等の車両情報を、当該車両Vの位置情報として取得する。
【0024】
案内表示システム141は、車両Vに搭載された表示機180に、案内経路を表示させる。車両Vに搭載れた表示機180とは、例えば、車載用の電光表示板等である。例えば、図5に示す例では、利用者Uの近くに位置する車両Vに搭載された表示機180に、利用者Uが進むべき方向が矢印で表示されている。また、利用者Uが乗車する車両Vの1つ後の車両Vに搭載された表示機180には、「NEXT」と表示されている。さらに、利用者Uが乗車する車両Vに搭載された表示機180には、「これ For A」と表示されている。なお、当該表示例は、一例であり、車両Vに搭載された表示機180の表示は、当該表示例に限定されるものではない。
【0025】
以上に説明した実施の形態2に係る乗車位置案内システムによれば、実施の形態1に係る乗車位置案内システム100と同様の効果が得られるのは勿論こと、利用者Uの位置情報を取得する必要がないため、利用者Uが個人端末111を持っていなくても、利用者Uに案内経路を提示することができる。
【0026】
実施の形態3
次に、図6及び図7を参照しながら、本発明の実施の形態3について説明する。図6は、本発明の実施の形態3に係る乗車位置案内システム200の一例を示す。また、図7は、実施の形態3に係る乗車位置案内システム200における各車両Vの位置関係情報の作成の一例を示す。本実施の形態3に係る乗車位置案内システム200は、車両情報取得部120が車両Vの位置情報を取得する手法、及び、情報統合システム130が案内経路の代わりに乗り場情報を作成する点が実施の形態1に係る乗車位置案内システム100と異なる。また、実施の形態3に係る乗車位置案内システム200は、実施の形態1に係る乗車位置案内システム100と同一の構成を有するため、同一の構成については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0027】
車両情報取得部120は、図7に示すように、各車両Vに搭載された車両端末121の識別情報(例えば、図7に示す「ID:1」、「ID:2」、「ID:3」、「ID:4」、「ID:5」)と、各車両Vに搭載された車両端末121に近接した位置に位置する位置情報発信機150の識別情報(例えば、図7に示す「ID:A」、「ID:B」、「ID:C」)と、各車両Vに搭載された車両端末121と位置情報発信機150との間の電波強度と、を取得する。車両情報取得部120は、取得した各車両Vに搭載された車両端末121の識別情報と、位置情報発信機150の識別情報と、電波強度とを情報統合システム130に入力する。
【0028】
情報統合システム130は、各車両Vに搭載された車両端末121の識別情報と、各車両Vに近接した位置に位置する位置情報発信機150の識別情報と、各車両Vに搭載された車両端末121と位置情報発信機150との間の電波強度と、位置情報発信機150の位置情報と、に基づいて、各車両Vの位置関係情報を作成する。なお、情報統合システム130は、位置情報発信機150の識別情報と当該位置情報発信機150の位置情報とが対応付けられたデータテーブルを予め記憶部(図示省略)に格納している。
また、情報統合システム130は、各車両Vの位置関係情報と、利用者Uの識別情報及び位置情報と、に基づいて、利用者Uのための乗り場情報を作成する。具体的には、利用者Uに近接した位置に位置する車両Vの位置情報と各車両Vの位置関係情報とを乗り場情報として作成する。なお、情報統合システム130は、各車両Vの位置関係情報と、利用者Uの予約情報と、利用者Uの識別情報及び位置情報と、に基づいて、利用者Uのための乗り場情報を作成してもよい。より具体的には、上記予約情報に、車両Vの車種等の指定がある場合には、情報統合システム130は、当該車種の車両Vの位置情報も用いて、乗り場情報を作成してもよい。
そして、情報統合システム130は、作成した乗り場情報を、利用者Uの識別情報と対応付けて、経路出力部140の案内表示システム141に入力する。また、情報統合システム130は、作成した乗り場情報を、利用者Uが乗車すべき車両V(上述の利用者Uに近接した位置に位置する車両V)の車両端末121に送信する。
【0029】
案内表示システム141は、情報統合システム130から入力された、利用者Uの識別情報と対応付けられた乗り場情報を記憶部(図示省略)に格納する。また、案内表示システム141は、利用者Uの個人端末111から送信された利用者Uの識別情報に基づいて、記憶部に格納されている複数の乗り場情報から、当該利用者Uのための乗り場情報を検索する。そして、案内表示システム141は、検索した乗り場情報を当該個人端末111に送信する。
【0030】
次に、本実施の形態3に係る乗車位置案内システム200における乗り場情報の提示方法について、簡単に説明する。
まず、利用者情報取得部110は、利用者Uの識別情報と位置情報とを情報統合システム130に入力する。また、個人端末111は、利用者Uの識別情報を案内表示システム141に送信する。
また、車両情報取得部120は、各車両Vに搭載された車両端末121の識別情報と、位置情報発信機150の識別情報と、電波強度とを情報統合システム130に入力する。
次に、情報統合システム130は、各車両Vに搭載された車両端末121の識別情報と、各車両Vに近接した位置に位置する位置情報発信機150の識別情報と、各車両Vに搭載された車両端末121と位置情報発信機150との間の電波強度と、位置情報発信機150の位置情報と、に基づいて、各車両Vの位置関係情報を作成する。
次に、情報統合システム130は、各車両Vの位置関係情報と、利用者Uの識別情報及び位置情報と、に基づいて、利用者Uのための乗り場情報を作成する。
次に、情報統合システム130は、作成した乗り場情報を、利用者Uの識別情報と対応付けて、経路出力部140の案内表示システム141に入力する。また、情報統合システム130は、作成した乗り場情報を、利用者Uが乗車すべき車両V(上述の利用者Uに近接した位置に位置する車両V)の車両端末121に送信する。
次に、案内表示システム141は、利用者Uの個人端末111から送信された利用者Uの識別情報に基づいて、記憶部に格納されている複数の乗り場情報から、当該利用者Uのための乗り場情報を検索し、検索した乗り場情報を当該個人端末111に送信する。
次に、利用者Uの個人端末111は、当該個人端末111の表示画面に当該乗り場情報を表示させる。なお、個人端末111にARナビゲーション機能が搭載されている場合、当該乗り場情報はARナビゲーションによって表示されてもよい。
また、利用者Uが乗車すべき車両Vの車両端末121は、当該車両端末121の表示画面に、情報統合システム130から送信された乗り場情報を表示させる。
【0031】
以上に説明した実施の形態3に係る乗車位置案内システム200によれば、実施の形態1に係る乗車位置案内システム100と同様の効果が得られるのは勿論こと、異なる位置に設置された複数の表示部160を必要としないため、表示部160が設置されていない場所や、表示部160を設置できない場所でも、利用者Uに乗り場情報を提示することができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施の形態において、情報統合システム130から、案内経路や乗り場情報の代わりに、利用者Uが乗るべき車両Vの位置情報が利用者Uの個人端末111に送信されてもよい。この場合、情報統合システム130は、案内経路や乗り場情報を作成しなくてもよい。
【0033】
また、上記実施の形態において、車両情報取得部120は、車両Vの移動に伴って、車両Vの新たな位置情報を情報統合システム130に入力してもよい。この場合、情報統合システム130は、更新された車両Vの位置情報と、利用者Uの位置情報とに基づいて、案内経路を作成してもよい。
また、上記実施の形態において、車両情報取得部120は、各車両Vの移動に伴って、各車両Vに搭載された車両端末121と位置情報発信機150との間の電波強度を更新してもよい。情報統合システム130は、各車両Vに搭載された車両端末121の識別情報と、位置情報発信機150の識別情報と、更新された電波強度と、位置情報発信機150の位置情報と、に基づいて、各車両Vの位置関係情報を作成してもよい。これにより、車両Vが移動しても、利用者Uに適切な案内経路や乗り場情報を提示することができる。
【符号の説明】
【0034】
100、200 乗車位置案内システム
110 利用者情報取得部
111 個人端末
112 スキャナ
113 入力部
120 車両情報取得部
121 車両端末
130 情報統合システム
140 経路出力部
141 案内表示システム
150 位置情報発信機
160 表示部
170 カメラ
180 表示機
U 利用者
V 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7