(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/50 20220101AFI20231114BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20231114BHJP
H04L 41/04 20220101ALI20231114BHJP
H04L 67/04 20220101ALI20231114BHJP
【FI】
H04L67/50
G06F3/12 301
H04L41/04
H04L67/04
(21)【出願番号】P 2020001474
(22)【出願日】2020-01-08
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】國本 慎太郎
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-015799(JP,A)
【文献】特開2014-059842(JP,A)
【文献】特開2014-165883(JP,A)
【文献】特開2019-185514(JP,A)
【文献】特開2019-022170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/50
G06F 3/12
H04L 41/04
H04L 67/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末管理装置、中継装置及び第1端末装置を備え、前記端末管理装置は前記中継装置と通信可能、かつ前記中継装置は前記第1端末装置と通信可能に構成され、前記端末管理装置と前記第1端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由して前記情報を伝達するよう構成される第1のシステムと、前記端末管理装置及び第2端末装置を備え、前記端末管理装置は前記第2端末装置と通信可能に構成され、前記端末管理装置と前記第2端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由することなく前記情報を伝達するよう構成される第2のシステムとが共存する端末管理システムにおける、前記端末管理装置が備える処理部に、
外部装置から受信した指示を送信先へ送信する際に、前記送信先が前記中継装置であるのか前記第2端末装置であるのかを判断する判断処理と、
前記判断処理において前記送信先が前記中継装置であると判断された場合に、前記受信した指示を前記中継装置へと送信する第1送信処理と、
前記判断処理において前記送信先が前記第2端末装置であると判断された場合に、前記受信した指示を前記第2端末装置へと送信する第2送信処理と、
を実行させるように構成され、
前記第2送信処理では、前記受信した指示を複数の送信単位に分割し、各送信単位に含まれる指示を前記第2端末装置へ送信し、
前記第1送信処理では、前記受信した指示を分割せず前記中継装置へ送信する、
端末管理処理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の端末管理処理プログラムであって、
前記第2送信処理では、前記受信した指示の数に応じて、前記指示を分割する際の分割数を変更するように構成されている、
端末管理処理プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の端末管理処理プログラムであって、
前記第2送信処理では、1つの前記送信単位に2以上の指示が含まれる場合に、当該2以上の指示が実行される順序を、あらかじめ定められた優先順位に従って変更するように構成されている、
端末管理処理プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の端末管理処理プログラムであって、
前記第2送信処理では、前記受信した指示の中に、前記第2端末装置に対する再起動指示が含まれている場合には、各送信単位に含まれる前記再起動指示が1つ以下となるように、前記受信した指示を前記送信単位に分割し、かつ1つの前記送信単位に1つの前記再起動指示と1つ以上の前記再起動指示以外の指示とが含まれる場合には、1つ以上の前記再起動指示以外の指示が前記再起動指示よりも先に実行されるように、各指示が実行される順序を変更するように構成されている、
端末管理処理プログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の端末管理処理プログラムであって、
前記判断処理では、前記中継装置及び前記第2端末装置のいずれかである前記送信先から、前記受信した指示の送信要求を受けた場合に、前記端末管理装置が備えるデータベースに登録された情報に基づいて、前記送信先が前記中継装置であるのか前記第2端末装置であるのかを判断するように構成されている、
端末管理処理プログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の端末管理処理プログラムであって、
前記第2送信処理では、前記第2端末装置から前記受信した指示の送信要求を受けたら、1つの前記送信単位に含まれる前記指示を前記第2端末装置へと送信し、当該送信後に、再度、前記第2端末装置から前記受信した指示の送信要求を受けたら、送信済みの前記送信単位とは別の1つの前記送信単位に含まれる前記指示を前記第2端末装置へと送信するように構成されている、
端末管理処理プログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の端末管理処理プログラムであって、
前記第2送信処理では、前記第2端末装置のメモリ容量に応じて、1つの前記送信単位に含まれる指示の数を変更するように構成されている、
端末管理処理プログラム。
【請求項8】
端末管理装置、中継装置及び第1端末装置を備え、前記端末管理装置は前記中継装置と通信可能、かつ前記中継装置は前記第1端末装置と通信可能に構成され、前記端末管理装置と前記第1端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由して前記情報を伝達するよう構成される第1のシステムと、前記端末管理装置及び第2端末装置を備え、前記端末管理装置は前記第2端末装置と通信可能に構成され、前記端末管理装置と前記第2端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由することなく前記情報を伝達するよう構成される第2のシステムとが共存する端末管理システムにおける、前記端末管理装置であって、
外部装置から受信した指示を送信先へ送信する際に、前記送信先が前記中継装置であるのか前記第2端末装置であるのかを判断する判断処理と、
前記判断処理において前記送信先が前記中継装置であると判断された場合に、前記受信した指示を前記中継装置へと送信する第1送信処理と、
前記判断処理において前記送信先が前記第2端末装置であると判断された場合に、前記受信した指示を前記第2端末装置へと送信する第2送信処理と、
を実行するように構成され、
前記第2送信処理では、前記受信した指示を複数の送信単位に分割し、各送信単位に含まれる指示を前記第2端末装置へ送信し、
前記第1送信処理では、前記受信した指示を分割せず前記中継装置へ送信する、
端末管理装置。
【請求項9】
端末管理装置、中継装置及び第1端末装置を備え、前記端末管理装置は前記中継装置と通信可能、かつ前記中継装置は前記第1端末装置と通信可能に構成され、前記端末管理装置と前記第1端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由して前記情報を伝達するよう構成される第1のシステムと、前記端末管理装置及び第2端末装置を備え、前記端末管理装置は前記第2端末装置と通信可能に構成され、前記端末管理装置と前記第2端末装置との間で情報を伝達する場合には、前記中継装置を経由することなく前記情報を伝達するよう構成される第2のシステムとが共存する端末管理システムであって、
前記端末管理装置は、
外部装置から受信した指示を送信先へ送信する際に、前記送信先が前記中継装置であるのか前記第2端末装置であるのかを判断する判断処理と、
前記判断処理において前記送信先が前記中継装置であると判断された場合に、前記受信した指示を前記中継装置へと送信する第1送信処理と、
前記判断処理において前記送信先が前記第2端末装置であると判断された場合に、前記受信した指示を前記第2端末装置へと送信する第2送信処理と、
を実行するように構成され、
前記第2送信処理では、前記受信した指示を複数の送信単位に分割し、各送信単位に含まれる指示を前記第2端末装置へ送信し、
前記第1送信処理では、前記受信した指示を分割せず前記中継装置へ送信する、
端末管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットと直接接続する機能のないプリンタを、インターネットに接続された管理サーバによって管理する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1には、インターネットと直接接続する機能を有するプリンタを対象とする技術は開示されていない。特に、インターネットと直接接続する機能のないプリンタと、インターネットと直接接続する機能を有するプリンタとが混在する環境で、それらのプリンタを適切に管理する技術については、何ら開示されていない。
【0005】
本開示の一局面においては、通信機能に差異がある端末装置を適切に管理可能な端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面における端末管理処理プログラムは、端末管理装置、中継装置及び第1端末装置を備え、端末管理装置は中継装置と通信可能、かつ中継装置は第1端末装置と通信可能に構成され、端末管理装置と第1端末装置との間で情報を伝達する場合には、中継装置を経由して情報を伝達するよう構成される第1のシステムと、端末管理装置及び第2端末装置を備え、端末管理装置は第2端末装置と通信可能に構成され、端末管理装置と第2端末装置との間で情報を伝達する場合には、中継装置を経由することなく情報を伝達するよう構成される第2のシステムとが共存する端末管理システムにおける、端末管理装置が備える処理部に、判断処理と、第1送信処理と、第2送信処理と、を実行させるように構成される。
【0007】
判断処理は、外部装置から受信した指示を送信先へ送信する際に、送信先が中継装置であるのか第2端末装置であるのかを判断する。第1送信処理は、判断処理において送信先が中継装置であると判断された場合に、受信した指示を中継装置へと送信する。第2送信処理は、判断処理において送信先が第2端末装置であると判断された場合に、受信した指示を第2端末装置へと送信する。第2送信処理では、受信した指示を複数の送信単位に分割し、各送信単位に含まれる指示を第2端末装置へ送信する。第1送信処理では、受信した指示を分割せず中継装置へ送信する。
【0008】
このように構成された端末管理処理プログラムに基づく処理を端末管理装置が備える処理部に実行させれば、端末管理装置は、受信した指示が中継装置又は第1端末装置で対処すべき指示である場合、受信した指示を分割せず中継装置へ送信する。一方、端末管理装置は、受信した指示が第2端末装置で対処すべき指示である場合、受信した指示を複数の送信単位に分割し、各送信単位に含まれる指示を第2端末装置へ送信する。
【0009】
このように構成されていれば、第2端末装置が未分割の指示に対処できる程度の処理性能を備えていない場合であっても、分割された指示それぞれであれば適正に受信して対処することができる。一方、端末管理装置から中継装置へ指示が送信される場合は、指示が分割せず送信される。そのため、中継装置が未分割の指示であっても対処できる程度の処理性能を備えている場合には、分割された指示をそれぞれ送信しなくても済み、送信効率を高めることができる。よって、相対的に処理性能が低い第2端末装置と相対的に処理性能が高い中継装置が混在していても、各装置の性能に応じた好適な手法で各装置に指示を送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は端末管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2(A)は集中管理装置の構成を示すブロック図である。
図2(B)は端末管理装置の構成を示すブロック図である。
図2(C)は中継装置の構成を示すブロック図である。
図2(D)は端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は第1実施形態の指示送信処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は第2実施形態の指示送信処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は第3実施形態の指示送信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、上述の端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システムについて、例示的な実施形態を挙げて説明する。
(1)端末管理システム1の構成
図1に示すように、端末管理システム1は、集中管理装置2、端末管理装置3、中継装置4、第1端末装置5A及び第2端末装置5Bを備えている。以下の説明において、第1端末装置5Aと第2端末装置5Bとを明示的に区別して説明する必要がない場合は、第1端末装置5A及び第2端末装置5Bそれぞれのことを端末装置5とも称する。集中管理装置2と端末管理装置3は、
図1に示すように、WAN6を介して通信可能に構成されている。端末管理装置3と中継装置4は、WAN7及びLAN8を介して通信可能に構成されている。中継装置4と第1端末装置5Aは、LAN8を介して通信可能に構成されている。端末管理装置3と第2端末装置5Bは、WAN7及びLAN8を介して通信可能に構成されている。WANは、Wide Area Networkの略称である。LANは、Local Area Networkの略称である。WAN6とWAN7は同一ネットワークであってもよいし、別々のネットワークであってもよい。本実施形態の場合、WAN6及びWAN7としては、双方ともインターネットを利用している。
【0012】
WAN7とLAN8は、無線LANルータ8Aを介して接続されている。無線LANルータ8Aは、ルータ機能と無線LANアクセスポイント機能の双方を兼ね備えた機器である。無線LANルータ8Aは、ファイアウォール機能を有し、WAN7側からLAN8側への不正なアクセスを阻止できるように構成されている。無線LANルータ8AにはLANケーブルが接続されている。LAN8は、有線LAN及び無線LANの双方を組み合わせて構成されている。
【0013】
端末装置5には、無線LANに接続可能な端末装置5と、有線LANに接続可能な端末装置5とが含まれ得る。無線LANに接続可能な端末装置5としては、例えばモバイル端末と連携して使われるプリンタ(以下、モバイルプリンタとも称する。)を挙げることができる。無線LANに接続可能な端末装置5は、無線LANルータ8Aとの通信圏内に存在する場合に無線LANルータ8Aとの通信リンクが確立し、端末管理システム1に組み込まれる。有線LANに接続可能な端末装置5としては、例えば無線LAN非対応のプリンタやMFP(Multi Function Peripheral)を挙げることできる。
【0014】
本実施形態の端末管理システム1では、例えば、集中管理装置2において端末装置5から情報を収集することや、集中管理装置2での遠隔操作により、例えば、端末装置5でのテスト印字、端末装置5の再起動、端末装置5のシャットダウンを実現することができる。本実施形態の場合、端末管理装置3は、クライアント/サーバシステムにおけるサーバ装置として機能するように構成されている。集中管理装置2、中継装置4及び第2端末装置5Bは、それぞれがクライアント/サーバシステムにおけるクライアント装置として機能するように構成されている。集中管理装置2、中継装置4及び第2端末装置5Bのそれぞれと、端末管理装置3との間で情報を伝達する際には、クライアント装置からサーバ装置に対して情報を送信し、その応答として、サーバ装置からクライアント装置に対して情報を送信する。一方、第1端末装置5Aは、WAN7を経由して他の機器と通信する機能を備えていない。そのため、端末管理装置3と第1端末装置5Aとの間では、中継装置4を経由して情報を伝達するように構成されている。
【0015】
端末管理システム1を構成する各装置が設置される場所の一例としては、例えば、企業Aの本社に端末管理装置3が設置され、企業Aの支社に中継装置4及び端末装置5が設置されるような例を考え得る。この場合、企業Aの支社において運用されている複数の端末装置5に関する情報(以下、端末情報とも称する。)は、企業Aの本社に設置されている端末管理装置3によって収集される。端末管理装置3によって収集された端末情報は、例えば企業Aとは別の管理会社によって運用される集中管理装置2によって収集、管理される。ただし、集中管理装置2は企業Aによって運用されてもよく、企業Aと管理会社が別会社であるか否かは任意である。
【0016】
図1では図示を省略してあるが、端末管理装置3は複数あってもよい。この場合、複数の端末管理装置3は、1つの集中管理装置2で管理されるように構成されてもよい。例えば、更に企業Aとは別の企業B,C,D,…それぞれに端末管理装置3が設置され、それら複数の端末管理装置3が管理会社に設置された1つの集中管理装置2で管理されてもよい。
【0017】
また、
図1では図示を省略してあるが、中継装置4は複数あってもよい。この場合、複数の中継装置4は、1つの端末管理装置3で管理されるように構成されてもよい。例えば、企業Aに複数の支社がある場合、各支社に中継装置4が設置され、それら複数の中継装置4が本社に設置された1つの端末管理装置3で管理されてもよい。
【0018】
集中管理装置2は、
図2(A)に示すように、制御部21、通信部22、表示部23、入力部24及び記憶部25を備える。制御部21は、CPU211及びメモリ212を備える。CPU211は、メモリ212に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、集中管理装置2の各種機能が実現される。ただし、集中管理装置2の各種機能は、CPU211及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0019】
メモリ212は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ212は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部22は、WAN6に接続してWAN6経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。表示部23は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部24は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。記憶部25は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)のような補助記憶装置によって構成される。
【0020】
端末管理装置3は、
図2(B)に示すように、制御部31、通信部32、表示部33、入力部34及び記憶部35を備える。制御部31は、CPU311及びメモリ312を備える。CPU311は、メモリ312に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、端末管理装置3の各種機能が実現される。ただし、端末管理装置3の各種機能は、CPU311及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0021】
メモリ312は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ312は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部32は、WAN6に接続してWAN6経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。なお、本実施形態の場合、WAN6及びWAN7は同一ネットワークなので、通信部32は、WAN7に接続してWAN7経由での通信が可能な構成でもある。表示部33は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部34は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。記憶部35は、例えばHDDやSSDのような補助記憶装置によって構成される。記憶部35には、データベース351が構成されている(以下、データベース351のことをDB351と略称する。)。端末管理装置3が後述する処理を実行する際には、各種データがDB351に登録され、また、それらのデータの更新、削除が実行される。
【0022】
中継装置4は、
図2(C)に示すように、制御部41、通信部42、表示部43、入力部44及び記憶部45を備える。制御部41は、CPU411及びメモリ412を備える。CPU411は、メモリ412に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、中継装置4の各種機能が実現される。ただし、中継装置4の各種機能は、CPU411及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0023】
メモリ412は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ412は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部42は、WAN7に接続してWAN7経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラと、LAN8に接続してLAN8経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。表示部43は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部44は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。記憶部45は、例えばHDDやSSDのような補助記憶装置によって構成される。
【0024】
端末装置5は、
図2(D)に示すように、制御部51、通信部52、表示部53、入力部54及び印刷部56を備える。第1端末装置5Aと第2端末装置5Bとでは、ハードウェアの性能や、各装置に搭載されているファームウェアやソフトウェアに相違点があるが、そのような相違点に関する図示は
図2(D)では省略する。制御部51は、CPU511及びメモリ512を備える。CPU511は、メモリ512に記憶されたソフトウェアに従って処理及び制御を実行し、これにより、端末装置5の各種機能が実現される。ただし、端末装置5の各種機能は、CPU511及びソフトウェアによって実現されるものに限定されず、当該機能の一部又は全部が、1つあるいは複数のハードウェアによって実現されるように構成されていてもよい。
【0025】
メモリ512は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ。)を備える。メモリ512は、ソフトウェア及びデータを記憶する。通信部52は、LAN8に接続してLAN8経由での通信が可能なネットワークインタフェースコントローラを備える。例えば、端末装置5が、無線LAN対応のモバイルプリンタである場合、通信部52としては、無線LAN規格に対応したネットワークインタフェースコントローラが設けられる。端末装置5が、有線LAN対応のプリンタである場合、通信部52としては、有線LAN規格に対応したネットワークインタフェースコントローラが設けられる。
【0026】
表示部53は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部54は、各種入力操作を受け付けるための入力装置と、入力装置からの入力を処理する入力コントローラとを備える。印刷部56は、感熱方式の印刷機構を備え、感熱ロール紙に対して印刷可能に構成されている。ただし、印刷部56は、カット紙に対して印刷可能に構成されていてもよい。あるいは、感熱方式以外の周知の記録方式(例えば、インクジェット方式又は電子写真方式。)で画像を印刷可能に構成されていてもよい。
【0027】
(2)端末管理システム1の動作の概要
本実施形態において、端末管理システム1は、以下のように動作する。コンピュータに中継処理プログラムをインストールして、その中継処理プログラムを起動すると、コンピュータが中継装置4としての処理を開始する。中継処理プログラムの起動時には、中継装置4がWAN7を介して端末管理装置3にアクセスし、端末管理装置3に対して中継装置4の登録リクエストを送信する。また、第2端末装置5Bを起動すると、第2端末装置5Bは、WAN7を介して端末管理装置3にアクセスし、端末管理装置3に対して第2端末装置5Bの登録リクエストを送信する。
【0028】
端末管理装置3は、中継装置4又は第2端末装置5Bからの登録リクエストを受信したら、クライアント登録処理を実行する。クライアント登録処理では、端末管理装置3が上述の登録リクエストの送信元(すなわち、中継装置4又は第2端末装置5B。)がDB351に登録済みか否かを判断する。端末管理装置3において送信元が未登録の状態にあれば、送信元の情報をDB351に登録する。
【0029】
次に、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが実行すべきアクションとして、定期処理を実行すべき旨のアクション情報をDB351に登録する。このアクション情報は、定期情報としてDB351に登録される。定期情報は、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令により、あえて削除が指令されない限り、削除されないままDB351に登録された状態が維持される情報である。中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが稼働を開始すると、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが定期処理を実行し、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれにおいて対処すべきアクションがあるか否かを、定期的に端末管理装置3に問い合わせる。
【0030】
端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bからの問い合わせを受けると、指示送信処理を実行する。指示送信処理の詳細については後述する。端末管理装置3が指示送信処理を実行すると、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが実行すべきアクションに関するアクション情報がDB351に登録されていれば、そのアクション情報を中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれに対して返信する。中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれからの初回問い合わせ時には、上述の定期処理を実行すべき旨のアクション情報が中継装置4及び第2端末装置5Bへと返信される。中継装置4及び第2端末装置5Bは、定期処理を実行すべき旨のアクション情報を取得し、以後は、アクション情報に内包されるインターバルの設定に従って、インターバルが経過するたびに定期処理を繰り返し実行する。
【0031】
中継装置4は、SNMP(Simple Network Management Protocol)により、管理対象とすべき第1端末装置5AをLAN8上で検索する。管理対象とすべき第1端末装置5Aが見つかった場合、その第1端末装置5Aに関する端末情報の登録要求を、端末管理装置3へと送信する。端末情報の登録要求を受けた端末管理装置3はDB351に端末情報を登録する。
【0032】
集中管理装置2でのユーザ操作によって中継装置4、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bへの指令が入力された場合、その指令は集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される。また、端末管理装置3でのユーザ操作によって中継装置4、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bへの指令が入力される場合もある。端末管理装置3は、集中管理装置2から伝送される指令又は端末管理装置3において入力された指令を受け取った場合に、指示保管処理を実行する。
【0033】
指示保管処理では、集中管理装置2から伝送される指令又は端末管理装置3において入力された指令に対応するアクション情報をDB351に登録する。アクション情報には、上述のような定期情報として登録されるアクション情報と、単発情報として登録されるアクション情報が含まれる。単発情報は、その単発情報に対応する処理が第1端末装置5A又は第2端末装置5Bにおいて実行された場合に、その後はDB351から削除される情報である。
【0034】
例えば、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令が、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bに対するテスト印字又は再起動の指令であった場合、端末管理装置3は、第1端末装置5A又は第2端末装置5Bへの指令に対応するアクション情報をDB351に登録する。このアクション情報は、単発情報としてDB351に登録される。
【0035】
中継装置4及び第2端末装置5Bは、上述の通り、中継装置4において対処すべきアクションがあるか否かを、端末管理装置3に対して定期的に問い合わせる。端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bからの問い合わせを受けると、後述する指示送信処理を実行する。端末管理装置3が指示送信処理を実行した際に、上述の単発情報がDB351に登録されていれば、端末管理装置3は、そのアクション情報(すなわち、単発情報。)を中継装置4又は第2端末装置5Bに対して返信する。中継装置4の場合、中継装置4は返信されたアクション情報に基づき、第1端末装置5Aに対して指令を伝達する。これにより、第1端末装置5Aでは、テスト印字や再起動が実行される。第2端末装置5Bの場合、第2端末装置5Bは返信されたアクション情報に基づき、テスト印字や再起動を実行する。
【0036】
第1端末装置5Aでの処理が実行されたら、中継装置4は、その実行結果及び第1端末装置5Aでのアクション完了を意図するアクション削除依頼をそれぞれ端末管理装置3へと送信する。第2端末装置5Bでの処理が実行されたら、第2端末装置5Bは、その実行結果及び第2端末装置5Bでのアクション完了を意図するアクション削除依頼をそれぞれ端末管理装置3へと送信する。端末管理装置3では、削除依頼に対応する情報をDB351から削除する。
【0037】
また、中継装置4及び第2端末装置5Bにおいて定期的に実行される定期処理のインターバルをユーザが変更したい場合には、集中管理装置2から端末管理装置3へと伝送される指令又は端末管理装置3でのユーザ操作によって入力される指令により、定期処理のインターバル変更を指示するアクション情報をDB351に登録することができる。このアクション情報は、単発情報としてDB351に登録される。
【0038】
中継装置4及び第2端末装置5Bは、上述の通り、定期的に中継装置4において対処すべきアクションがあるか否かを端末管理装置3に問い合わせる。端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bからの問い合わせを受けると、後述する指示送信処理を実行する。端末管理装置3が指示送信処理を実行した際に、上述の単発情報がDB351に登録されていれば、端末管理装置3は、そのアクション情報(すなわち、単発情報。)を中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれに対して返信する。中継装置4及び第2端末装置5Bは返信されたアクション情報に基づき、中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれが実行している定期処理のインターバルを変更する。インターバル変更を実行したら、中継装置4及び第2端末装置5Bは、その実行結果及び中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれでのアクション完了を意図するアクション削除依頼をそれぞれ端末管理装置3へと送信する。端末管理装置3では、削除依頼に対応する情報をDB351から削除する。インターバル変更指示を受けた中継装置4及び第2端末装置5Bそれぞれは、定期処理を指示されたインターバルで再開する。
【0039】
(3)端末管理装置3による指示送信処理
次に、端末管理装置3において実行される指示送信処理について説明する。端末管理装置3では、CPU311がメモリ312に記憶された端末管理処理プログラムに従って処理を実行し、その処理の中の一部として指示送信処理が実行される。以下の説明では3つの実施形態を例示する。
【0040】
(3.1)第1実施形態
第1実施形態では、端末管理装置3が
図3に示す指示送信処理を実行するように構成されている。
図3に示す指示送信処理を開始すると、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bからの命令問い合わせを受信する(S101)。中継装置4及び第2端末装置5Bは、HTTPメソッド「GET」を使って端末管理装置3に対して命令問い合わせを送信する。
【0041】
端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bからの問い合わせ中に含まれる情報に基づき、DB351を参照して、問い合わせ装置(すなわち、端末管理システム1に含まれる中継装置4及び第2端末装置5Bのうちのいずれか。)を特定する(S103)。続いて、端末管理装置3は、S103で特定した問い合わせ装置に対する命令があるか否かを判断する(S105)。S105では、DB351を検索して、問い合わせ装置に紐付けられたアクション情報がDB351に登録されているか否かを判断する。問い合わせ装置に紐付けられたアクション情報がDB351に登録されている場合、端末管理装置3は、問い合わせ装置に対する命令があると判断する。問い合わせ装置に紐付けられたアクション情報がDB351に登録されていない場合、端末管理装置3は、問い合わせ装置に対する命令がないと判断する。
【0042】
S103において命令がないと判断された場合は(S105:NO)、
図3に示す指示送信処理を終了する。一方、S103において命令があると判断された場合(S105:YES)、端末管理装置3は、中継装置4からの問い合わせか否かを判断する(S107)。S107において中継装置4からの問い合わせであると判断された場合(S107:YES)、端末管理装置3は、問い合わせ装置(すなわち、中継装置4。)に対し、DB351に登録されている命令をすべて返す(S109)。S109を終えたら、
図3に示す指示送信処理を終了する。
【0043】
一方、S107において中継装置4からの問い合わせではないと判断された場合(S107:NO)、問い合わせ装置は第2端末装置5Bである。この場合、端末管理装置3は、問い合わせ装置(すなわち、第2端末装置5B。)に対し、DB351に登録されている命令を1つ返す(S111)。S111を終えたら、
図3に示す指示送信処理を終了する。
【0044】
DB351には、問い合わせ装置に対する命令として、複数の命令が登録されていることがある。問い合わせ装置が中継装置4である場合、端末管理装置3において上記指示送信処理が実行されると、S109により、DB351に登録されている命令すべてが端末管理装置3から中継装置4へ送信される。一方、問い合わせ装置が第2端末装置5Bである場合、端末管理装置3において上記指示送信処理が実行されると、S111により、DB351に登録されている命令の1つが端末管理装置3から第2端末装置5Bへ送信される。この場合、送信した命令以外の未送信命令がDB351に登録されていれば、その未送信命令は、第2端末装置5Bから命令問い合わせを受信するたびに、1つずつ送信されることになる。
【0045】
中継装置4は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)によって構成される。そのため、メモリ312の容量は十分に大容量である場合が多い。一方、第2端末装置5Bは、例えばモバイルプリンタであり、メモリ512の容量はPCほど大容量ではないのが一般的である。この点、上記指示送信処理では、中継装置4へ指示(すなわち、DB351に登録されている命令。)を送信する際には、DB351に登録されている命令すべてを送信する。そのため、命令を複数の送信単位に分割して、各分割単位を送信しなくても済み、送信効率を高めることができる。一方、第2端末装置5Bへ指示を送信する際には、DB351に登録されている命令すべてを送信することはしない。そのため、第2端末装置5Bのメモリ512の容量が小さくても、複数の送信単位に分割された指示であれば、各分割単位に含まれる指示を受信しても、メモリ512の容量不足に陥るのを抑制することができる。つまり、相対的に処理性能が低い第2端末装置5Bと相対的に処理性能が高い中継装置4が系内に混在していても、各装置の性能に応じた好適な手法で各装置に指示を送信することができる。
【0046】
(3.2)第2実施形態
第2実施形態では、端末管理装置3が
図4に示す指示送信処理を実行するように構成されている。
図4中、S201からS209までの各処理ステップは、第1実施形態において例示したS101からS109までの各処理ステップと同等な処理ステップである。すなわち、
図4に示す指示送信処理を開始すると、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bからの命令問い合わせを受信する(S201)。続いて、端末管理装置3は、DB351を参照して、問い合わせ装置を特定する(S203)。
【0047】
続いて、端末管理装置3は、S203で特定した問い合わせ装置に対する命令があるか否かを判断する(S205)。S205において命令がないと判断された場合は(S205:NO)、
図3に示す指示送信処理を終了する。一方、S205において命令があると判断された場合(S205:YES)、端末管理装置3は、中継装置4からの問い合わせか否かを判断する(S207)。
【0048】
S207において中継装置4からの問い合わせであると判断された場合(S207:YES)、端末管理装置3は、問い合わせ装置(すなわち、中継装置4。)に対し、DB351に登録されている命令をすべて返す(S209)。S209を終えたら、
図4に示す指示送信処理を終了する。一方、S207において中継装置4からの問い合わせではないと判断された場合(S207:NO)、問い合わせ装置は第2端末装置5Bである。この場合、端末管理装置3は、プールされている命令の中で一番最後に登録した命令を一つ選択する(S211)。S211おいて、プールされている命令とは、DB351に登録されている命令であって、まだS211で選択されたことがない命令のことである。なお、S211では、プールされている命令の中で一番最初に登録した命令を一つ選択してもよい。すなわち、S211では、DB351への登録順とは逆の順序(いわゆるLIFO。)で命令を一つ選択してもよいし、DB351への登録順と同じ順序(いわゆるFIFO。)で命令を一つ選択してもよい。
【0049】
続いて、端末管理装置3は、受信可能な命令サイズか否かを判断する(S213)。S213では、第2端末装置5Bで受信可能なデータ量D1と、S211で選択した命令のデータ量D2と、リストに含まれる命令のデータ量D3とに基づき、データ量D2が不等式D2≦D1-D3を満たすか否かを判断する。第2端末装置5Bであってもすべての命令を受信可能にするため、1つの命令のデータ量D2は不等式D2≦D1を満たすように設計されている。また、S213の初回実行時は、データ量D3=0である。
【0050】
そのため、S213の初回実行時は、S213において受信可能な命令サイズであると判断され(S213:YES)、端末管理装置3は、S211で選択した命令をリストに移動する(S215)。なお、S215が実行されると、リストに含まれる命令のデータ量D3は、データ量D3に対してデータ量D2を加算した値に更新される(すなわち、D3=D3+D2。)。
【0051】
続いて、端末管理装置3は、再起動が必要か否かを判断する(S217)。S217では、S211で選択した命令(すなわち、S215でリストに移動した命令。)が、第2端末装置5Bの再起動が実行される命令であるか否かを判断する。S217において再起動が必要ではないと判断された場合(S217:NO)、端末管理装置3は、命令がプールされているか否かを判断する(S219)。
【0052】
S219において、端末管理装置3は、DB351に登録されている命令の中に、まだS211で選択されたことがない命令が残っているか否かを判断する。S219において命令がプールされていると判断された場合は(S219:YES)、S211へ戻る。これにより、S211以降の処理ステップが再実行される。S211からS219までの処理ステップが繰り返し実行されると、S211で選択された命令がS215においてリストに移動され、リストに含まれる命令のデータ量D3が増大する。
【0053】
その結果、上述のS213においては、受信可能な命令サイズではないと判断される場合がある(S213:NO)。すなわち、S211で選択した命令のデータ量D2が、上述の不等式D2≦D1-D3を満たさなくなることがある。その場合、端末管理装置3は、リストに命令が一つ以上あるか否かを判断する(S221)。S221においてリストに命令が一つ以上あると判断された場合(S221:YES)、端末管理装置3は、問い合わせ装置(すなわち、第2端末装置5B。)に対し、リストに含まれる命令を返す(S223)。
【0054】
つまり、
図4に示す指示送信処理では、リストに蓄積した命令のデータ量D3が、第2端末装置5Bで受信可能なデータ量D1を超えそうな場合には、その直前の時点で、リストに蓄積された命令を第2端末装置5Bへ送信している。S223を終えたら、
図4に示す指示送信処理を終了する。なお、S221においてリストに命令が一つもないと判断された場合は(S221:NO)、S223を実行せず、
図4に示す指示送信処理を終了する。
【0055】
上述のS217においては、再起動が必要であると判断される場合がある(S217:YES)。この場合、端末管理装置3は、問い合わせ装置(すなわち、第2端末装置5B。)に対し、リストに含まれる命令を返す(S223)。S223を終えたら、
図4に示す指示送信処理を終了する。つまり、
図4に示す指示送信処理では、プールされている命令を1つずつ選択し、再起動が不要な命令を選択した場合はリストに命令を蓄積する処理を継続し、再起動が必要な命令を選択した場合は、その時点までに蓄積された命令を第2端末装置5Bへ送信している。
【0056】
また、上述のS219においては、命令がプールされていないと判断される場合がある(S219:NO)。この場合、端末管理装置3は、問い合わせ装置(すなわち、第2端末装置5B。)に対し、リストに含まれる命令を返す(S223)。S223を終えたら、
図4に示す指示送信処理を終了する。つまり、
図4に示す指示送信処理では、プールされている命令が無くなれば、その時点までにリストに蓄積された命令を第2端末装置5Bへ送信し、指示送信処理を終了する。
【0057】
以上のように構成された第2実施形態の場合も、第1実施形態と同様の作用、効果を奏し、メモリ容量が相対的に大きい中継装置4と、メモリ容量が相対的に小さい第2端末装置5Bに対し、それぞれに適したデータ量の指示を送信することができる。また、第1実施形態の場合は、第2端末装置5Bに対しては命令を1つずつ送信していたのに対し、第2実施形態の場合は、第2端末装置5Bにおいて受信可能な範囲内で、いくつかの命令をまとめて送信する。したがって、問い合わせ装置が第2端末装置5Bの場合でも、第2端末装置5Bに対する指示の送信回数を、第1実施形態以上に削減することができる。
【0058】
さらに、第2実施形態の場合は、再起動が必要な命令が含まれない限り、それらの命令をリストに蓄積する一方、再起動を伴う命令がリストに1つ含まれたら、その時点でリスト内の命令を第2端末装置5Bへ送信する。このように構成されていれば、再起動を伴う命令が複数送信されることはない。そのため、第2端末装置5Bにおいて1つ目の再起動を伴う命令が実行されたことにより、第2端末装置5Bの再起動が発生した際に、その再起動が原因で、2つ目の再起動を伴う命令がメモリ512から消失してしまうのを抑制できる。
【0059】
(3.3)第3実施形態
第3実施形態では、端末管理装置3が
図5に示す指示送信処理を実行するように構成されている。
図5中、S301からS309までの各処理ステップは、第1実施形態において例示したS101からS109までの各処理ステップと同等な処理ステップである。すなわち、
図5に示す指示送信処理を開始すると、端末管理装置3は、中継装置4及び第2端末装置5Bからの命令問い合わせを受信する(S301)。続いて、端末管理装置3は、DB351を参照して、問い合わせ装置を特定する(S303)。
【0060】
続いて、端末管理装置3は、S303で特定した問い合わせ装置に対する命令があるか否かを判断する(S305)。S305において命令がないと判断された場合は(S305:NO)、
図3に示す指示送信処理を終了する。一方、S305において命令があると判断された場合(S305:YES)、端末管理装置3は、中継装置4からの問い合わせか否かを判断する(S307)。
【0061】
S307において中継装置4からの問い合わせであると判断された場合(S307:YES)、端末管理装置3は、問い合わせ装置(すなわち、中継装置4。)に対し、DB351に登録されている命令をすべて返す(S309)。S309を終えたら、
図3に示す指示送信処理を終了する。一方、S307において中継装置4からの問い合わせではないと判断された場合(S307:NO)、問い合わせ装置は第2端末装置5Bである。この場合、端末管理装置3は、プールされている命令の中に、再起動を必要としない命令があるか否かを判断する(S311)。
【0062】
S311において再起動を必要としない命令があると判断された場合(S311:YES)、端末管理装置3は、再起動しない命令を1つ選択する(S313)。続いて、端末管理装置3は、受信可能な命令サイズか否かを判断する(S315)。S315において受信可能な命令サイズであると判断された場合(S315:YES)、端末管理装置3は、S313で選択した命令をリストに追加する(S317)。
【0063】
S315及びS317は、第2実施形態におけるS213及びS215と同等な処理ステップである。データ量D1,D2,D3及び不等式D2≦D1-D3に基づく判断を行う点も第2実施形態と同様である。S317を終えたらS311へ戻る。これにより、S311以降の処理ステップが再実行される。S311からS317までの処理ステップが繰り返し実行されると、S313で選択された命令がS317においてリストに追加され、リストに含まれる命令のデータ量D3が増大する。
【0064】
その結果、上述のS315においては、受信可能な命令サイズではないと判断される場合がある(S315:NO)。その場合、端末管理装置3は、リストに命令が一つ以上あるか否かを判断する(S319)。S319においてリストに命令が一つ以上あると判断された場合(S319:YES)、端末管理装置3は、問い合わせ装置(すなわち、第2端末装置5B。)に対し、リストに含まれる命令を返す(S321)。
【0065】
つまり、
図5に示す指示送信処理では、リストに蓄積した命令のデータ量D3が、第2端末装置5Bで受信可能なデータ量D1を超えそうな場合には、その直前の時点で、リストに蓄積された命令を第2端末装置5Bへ送信している。S321を終えたら、
図4に示す指示送信処理を終了する。なお、S319においてリストに命令が一つもないと判断された場合は(S319:NO)、S321を実行せず、
図4に示す指示送信処理を終了する。
【0066】
上述のS311においては、再起動を必要としない命令がないと判断される場合がある(S311:NO)。この場合、端末管理装置3は、端末管理装置3は、任意の命令を1つ選択する(S323)。S323で選択される命令は、S311:NOを経てS323へと進んでいるので、再起動を必要とする命令になる。続いて、端末管理装置3は、受信可能な命令サイズか否かを判断する(S325)。S325において受信可能な命令サイズであると判断された場合(S325:YES)、端末管理装置3は、S323で選択した命令をリストに追加する(S327)。
【0067】
S325及びS327は、第2実施形態におけるS213及びS215と同等な処理ステップである。データ量D1,D2,D3及び不等式D2≦D1-D3に基づく判断を行う点も第2実施形態と同様である。S327を終えたら、端末管理装置3は、問い合わせ装置(すなわち、第2端末装置5B。)に対し、リストに含まれる命令を返す(S321)。S321を終えたら、
図4に示す指示送信処理を終了する。
【0068】
S325においては、受信可能な命令サイズではないと判断される場合がある(S325:NO)。その場合、端末管理装置3は、リストに命令が一つ以上あるか否かを判断する(S319)。S319においてリストに命令が一つ以上あると判断された場合(S319:YES)、端末管理装置3は、問い合わせ装置(すなわち、第2端末装置5B。)に対し、リストに含まれる命令を返す(S321)。S321を終えたら、
図4に示す指示送信処理を終了する。なお、S319においてリストに命令が一つもないと判断された場合は(S319:NO)、S321を実行せず、
図4に示す指示送信処理を終了する。
【0069】
以上のように構成された第3実施形態の場合も、第1実施形態と同様の作用、効果を奏し、メモリ容量が相対的に大きい中継装置4と、メモリ容量が相対的に小さい第2端末装置5Bに対し、それぞれに適したデータ量の指示を送信することができる。また、第1実施形態の場合は、第2端末装置5Bに対しては命令を1つずつ送信していたのに対し、第3実施形態の場合は、第2端末装置5Bにおいて受信可能な範囲内で、いくつかの命令をまとめて送信する。したがって、問い合わせ装置が第2端末装置5Bの場合でも、第2端末装置5Bに対する指示の送信回数を、第1実施形態以上に削減することができ、この点は第2実施形態と同様である。
【0070】
さらに、第3実施形態の場合は、再起動が必要な命令が含まれない限り、それらの命令をリストに蓄積する一方、再起動を伴う命令がリストに1つ含まれたら、その時点でリスト内の命令を第2端末装置5Bへ送信する。この点も第2実施形態と同様である。このように構成されていれば、再起動を伴う命令が複数送信されることはない。そのため、第2端末装置5Bにおいて1つ目の再起動を伴う命令が実行されたことにより、第2端末装置5Bの再起動が発生した際に、その再起動が原因で、2つ目の再起動を伴う命令がメモリ512から消失してしまうのを抑制できる。
【0071】
一方、第2実施形態の場合は、プールされている命令の中から命令を選択してから、その選択した命令が再起動の必要な命令かどうかを判断していたが、第3実施形態の場合は、再起動を必要としない命令があるかどうかを判断してから、再起動を必要としない命令を優先的に選択してリストに蓄積している。そのため、第3実施形態の場合は、DB351への登録順に従うと、再起動を必要とする命令と再起動を必要としない命令が混在している場合であっても、再起動を必要としない命令をまとめてリストに追加することができる。したがって、第3実施形態の方が第2実施形態よりも、指示の分割数を減らすことができ、送信回数の低減を図ることができる。
【0072】
(4)他の実施形態
以上、端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システムについて、例示的な実施形態を挙げて説明したが、上述の実施形態は本開示の一態様として例示されるものにすぎない。すなわち、本開示は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
【0073】
例えば、上記実施形態では、端末装置5の例として、モバイルプリンタ及び無線LAN非対応のプリンタやMFPを例示したが、端末装置5がプリンタ機能を有するか否かは限定されない。例えば、端末装置5は、PC(Personal Computer)やスマートフォンなどであってもよい。あるいは、端末装置5は、ネットワーク経由で遠隔操作及び遠隔管理ができるように構成された工業機器や業務用機器(例えば、工業用ミシン、自動販売機、業務用洗濯機、医療機器など。)であってもよい。あるいは、ネットワーク経由で遠隔操作及び遠隔管理ができるように構成された家庭用電化製品(例えば、冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機など。)であってもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、LAN8が有線LAN及び無線LANの双方を組み合わせて構成されていたが、LAN8は、有線LAN又は無線LANのいずれか一方のみで構成されていてもよい。
【0075】
以上の他、例えば、上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される複数の機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される1つの機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される複数の機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した構成の一部を省略してもよい。
【0076】
(5)補足
なお、以上説明した例示的な実施形態から明らかなように、本開示の端末管理処理プログラム、端末管理装置及び端末管理システムは、更に以下に挙げるような構成を備えていてもよい。
【0077】
(A)第2送信処理では、受信した指示(すなわち、DB351にアクション情報として登録されている命令。)の数に応じて、指示を分割する際の分割数を変更するように構成されていてもよい。
【0078】
このように構成された端末管理処理プログラムに基づく処理を端末管理装置が備える処理部に実行させれば、指示の数が多い場合には、その指示数に応じた分割数に変更され、指示の数が少ない場合には、その指示数に応じた分割数に変更される。したがって、指示の数とは無関係に分割数が設定される場合に比べ、分割された指示それぞれのデータ量が適正になる範囲内で、送信回数が過度に増大するのを抑制することができる。
【0079】
(B)第2送信処理では、1つの送信単位に2以上の指示が含まれる場合に、当該2以上の指示が実行される順序を、あらかじめ定められた優先順位(例えば第3実施形態で例示したように、再起動を必要としない命令を優先。)に従って変更するように構成されていてもよい。
【0080】
このように構成された端末管理処理プログラムに基づく処理を端末管理装置が備える処理部に実行させれば、分割後の送信単位の中に、優先順位の低い指示と優先順位の高い指示が優先順位とは無関係な順序で含まれている場合に、優先順位を変更することができる。
【0081】
(C)第2送信処理では、受信した指示の中に、第2端末装置に対する再起動指示が含まれている場合には、各送信単位に含まれる再起動指示が1つ以下となるように、受信した指示を送信単位に分割し、かつ1つの送信単位に1つの再起動指示と1つ以上の再起動指示以外の指示とが含まれる場合には、1つ以上の再起動指示以外の指示が再起動指示よりも先に実行されるように、各指示が実行される順序を変更するように構成されていてもよい。
【0082】
このように構成された端末管理処理プログラムに基づく処理を端末管理装置が備える処理部に実行させれば、1つ以上の再起動指示以外の指示が再起動指示よりも先に実行される。そのため、1つ以上の再起動指示以外の指示が、再起動に伴ってメモリ上から消失するのを抑制できる。したがって、再起動指示以外の指示を適切に実行することができる。
【0083】
(D)判断処理では、中継装置及び第2端末装置のいずれかである送信先から、受信した指示の送信要求を受けた場合に、端末管理装置が備えるデータベースに登録された情報に基づいて、送信先が中継装置であるのか第2端末装置であるのかを判断するように構成されていてもよい。
【0084】
(E)第2送信処理では、第2端末装置から受信した指示の送信要求を受けたら、1つの送信単位に含まれる指示を第2端末装置へと送信し、当該送信後に、再度、第2端末装置から受信した指示の送信要求を受けたら、送信済みの送信単位とは別の1つの送信単位に含まれる指示を第2端末装置へと送信するように構成されていてもよい。
【0085】
このように構成された端末管理処理プログラムに基づく処理を端末管理装置が備える処理部に実行させれば、第2端末装置での受信準備ができたタイミングで指示を送信する処理を繰り返すことができる。
【0086】
(F)第2送信処理では、第2端末装置のメモリ容量に応じて、1つの送信単位に含まれる指示の数を変更するように構成されていてもよい。
このように構成された端末管理処理プログラムに基づく処理を端末管理装置が備える処理部に実行させれば、第2端末装置のメモリ容量が大きい場合は1つの送信単位に含まれる指示の数を多くし、第2端末装置のメモリ容量が小さい場合は1つの送信単位に含まれる指示の数を少なくすることができる。これにより、第2端末装置のメモリ容量に応じて、第2端末装置のメモリ使用量を好適に調節することができる。
【0087】
(G)上記端末管理処理プログラムに基づく処理を実行する端末管理装置、及び当該端末管理装置を備える端末管理システムも、新規で有用である。また、上記端末管理処理プログラムに基づいて端末管理装置において実行される端末管理方法、及び上記端末管理処理プログラムが格納されているコンピュータ読取可能な非遷移的実体的記録媒体も、新規で有用である。
【符号の説明】
【0088】
1…端末管理システム、2…集中管理装置、3…端末管理装置、4…中継装置、5A…第1端末装置、5B…第2端末装置、8…LAN、8A…無線LANルータ、21,31,41,51…制御部、22,32,42,52…通信部、23,33,43,53…表示部、24,34,44,54…入力部、25,35,45…記憶部、56…印刷部、211,311,411,511…CPU、212,312,412,512…メモリ、351…データベース(DB)。