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特許7384052主装置、プログラム、および無線電話端末からのプリセレクション操作受付方法
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  • 特許-主装置、プログラム、および無線電話端末からのプリセレクション操作受付方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】主装置、プログラム、および無線電話端末からのプリセレクション操作受付方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/54 20060101AFI20231114BHJP
   H04M 3/50 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H04M3/54
H04M3/50 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020011940
(22)【出願日】2020-01-28
(65)【公開番号】P2021118485
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 智和
(72)【発明者】
【氏名】牟田 憲充
(72)【発明者】
【氏名】青柳 博久
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特許第6631743(JP,B1)
【文献】特開2010-183193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/54
H04M 3/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電話端末に内線電話サービスを提供する主装置であって、
呼が着信した場合に、PUSH通知サーバに前記無線電話端末の指定を伴うPUSH通知要求を送信して、前記無線電話端末を自装置にログインさせるPUSH通知要求手段と、
ログイン中の前記無線電話端末から受信した着信応答を処理する呼制御手段と、
前記無線電話端末に、着信中の呼の情報を含む着信情報を送信して、応答および拒否を含み、さらに転送および留守録の少なくとも一つを含む各種操作をユーザから受け付けるためのプリセレクション操作受付画面を表示させる着信情報送信手段と、
内線端末として収容する前記無線電話端末毎に暫定応答要否の設定情報が記憶された暫定応答要否情報記憶手段と、を備え、
前記呼制御手段は、
ログイン中の前記無線電話端末から着信応答を受信した場合に、
当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答要否情報記憶手段に記憶されている暫定応答要否の設定情報が「要」であるならば、当該無線電話端末に暫定応答し、これを受けて、前記着信情報送信手段が、当該無線電話端末に、前記着信情報を送信して、前記プリセレクション操作受付画面を表示させ、当該無線電話端末から受信した、前記プリセレクション操作受付画面を介してユーザから受け付けた操作に応じた要求に対応する内線電話サービスを実施し、
当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答要否情報記憶手段に記憶されている暫定応答要否の設定情報が「否」であるならば、前記呼の発信元に着信応答を送信して、自装置経由で前記無線電話端末と当該呼の発信元との間に通話路を確立する
ことを特徴とする主装置。
【請求項2】
無線電話端末に内線電話サービスを提供する主装置であって、
呼が着信した場合に、PUSH通知サーバに前記無線電話端末の指定を伴うPUSH通知要求を送信して、前記無線電話端末を自装置にログインさせるPUSH通知要求手段と、
ログイン中の前記無線電話端末から受信した着信応答を処理する呼制御手段と、
前記無線電話端末に、着信中の呼の情報を含む着信情報を送信して、応答および拒否を含み、さらに転送および留守録の少なくとも一つを含む各種操作をユーザから受け付けるためのプリセレクション操作受付画面を表示させる着信情報送信手段と、
内線端末として収容する前記無線電話端末毎に、暫定応答する発信者の電話番号を記憶する暫定応答番号記憶手段と、を備え、
前記呼制御手段は、
ログイン中の前記無線電話端末から着信応答を受信した場合に、
前記呼の発信元の電話番号が当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答番号記憶手段に記憶されているならば、当該無線電話端末に暫定応答し、これを受けて、前記着信情報送信手段が、当該無線電話端末に、前記着信情報を送信して、前記プリセレクション操作受付画面を表示させ、当該無線電話端末から受信した、前記プリセレクション操作受付画面を介してユーザから受け付けた操作に応じた要求に対応する内線電話サービスを実施し、
前記呼の発信元の電話番号が当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答番号記憶手段に記憶されていないならば、前記呼の発信元に着信応答を送信して、自装置経由で前記無線電話端末と当該呼の発信元との間に通話路を確立する
ことを特徴とする主装置。
【請求項3】
コンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、
前記コンピュータを、無線電話端末に内線電話サービスを提供する主装置として機能させ、
前記主装置は、
呼が着信した場合に、PUSH通知サーバに前記無線電話端末の指定を伴うPUSH通知要求を送信して、前記無線電話端末を自装置にログインさせるPUSH通知要求手段と、
ログイン中の前記無線電話端末から受信した着信応答を処理する呼制御手段と、
記無線電話端末に、着信中の呼の情報を含む着信情報を送信して、応答および拒否を含み、さらに転送および留守録の少なくとも一つを含む各種操作をユーザから受け付けるためのプリセレクション操作受付画面を表示させる着信情報送信手段と、
内線端末として収容する前記無線電話端末毎に暫定応答要否の設定情報が記憶された暫定応答要否情報記憶手段と、を備え、
前記呼制御手段は、
ログイン中の前記無線電話端末から着信応答を受信した場合に、
当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答要否情報記憶手段に記憶されている暫定応答要否の設定情報が「要」であるならば、当該無線電話端末に暫定応答し、これを受けて、前記着信情報送信手段が、当該無線電話端末に、前記着信情報を送信して、前記プリセレクション操作受付画面を表示させ、当該無線電話端末から受信した、前記プリセレクション操作受付画面を介してユーザから受け付けた操作に応じた要求に対応する内線電話サービスを実施し、
当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答要否情報記憶手段に記憶されている暫定応答要否の設定情報が「否」であるならば、前記呼の発信元に着信応答を送信して、自装置経由で前記無線電話端末と当該呼の発信元との間に通話路を確立する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
コンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、
前記コンピュータを、無線電話端末に内線電話サービスを提供する主装置として機能させ、
前記主装置は、
呼が着信した場合に、PUSH通知サーバに前記無線電話端末の指定を伴うPUSH通知要求を送信して、前記無線電話端末を自装置にログインさせるPUSH通知要求手段と、
ログイン中の前記無線電話端末から受信した着信応答を処理する呼制御手段と、
前記無線電話端末に、着信中の呼の情報を含む着信情報を送信して、応答および拒否を含み、さらに転送および留守録の少なくとも一つを含む各種操作をユーザから受け付けるためのプリセレクション操作受付画面を表示させる着信情報送信手段と、
内線端末として収容する前記無線電話端末毎に、暫定応答する発信者の電話番号を記憶する暫定応答番号記憶手段と、を備え、
前記呼制御手段は、
ログイン中の前記無線電話端末から着信応答を受信した場合に、
前記呼の発信元の電話番号が当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答番号記憶手段に記憶されているならば、当該無線電話端末に暫定応答し、これを受けて、前記着信情報送信手段が、当該無線電話端末に、前記着信情報を送信して、前記プリセレクション操作受付画面を表示させ、当該無線電話端末から受信した、前記プリセレクション操作受付画面を介してユーザから受け付けた操作に応じた要求に対応する内線電話サービスを実施し、
前記呼の発信元の電話番号が当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答番号記憶手段に記憶されていないならば、前記呼の発信元に着信応答を送信して、自装置経由で前記無線電話端末と当該呼の発信元との間に通話路を確立する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
無線電話端末からのプリセレクション操作受付方法であって、
前記無線電話端末を内線端末として収容する主装置は、
呼が着信した場合に、PUSH通知サーバに前記無線電話端末の指定を伴うPUSH通知要求を送信して、前記無線電話端末を自装置にログインさせ、
ログイン中の前記無線電話端末から着信応答を受信した場合に、
当該無線電話端末に対応付けられて記憶されている暫定応答要否の設定情報が「要」であるならば、当該無線電話端末に暫定応答するとともに、当該無線電話端末に、着信中の呼の情報を含む着信情報を送信して、応答および拒否を含み、さらに転送および留守録の少なくとも一つを含む各種操作をユーザから受け付けるためのプリセレクション操作受付画面を表示させ、当該無線電話端末から受信した、前記プリセレクション操作受付画面を介してユーザから受け付けた操作に応じた要求に対応する内線電話サービスを実施し、
当該無線電話端末に対応付けられて記憶されている暫定応答要否の設定情報が「否」であるならば、前記呼の発信元に着信応答を送信して、自装置経由で前記無線電話端末と当該呼の発信元との間に通話路を確立する
ことを特徴とする無線電話端末からのプリセレクション操作受付方法。
【請求項6】
無線電話端末からのプリセレクション操作受付方法であって、
前記無線電話端末を内線端末として収容する主装置は、
呼が着信した場合に、PUSH通知サーバに前記無線電話端末の指定を伴うPUSH通知要求を送信して、前記無線電話端末を自装置にログインさせ、
ログイン中の前記無線電話端末から着信応答を受信した場合に、
前記呼の発信元の電話番号が当該無線電話端末に対応付けられて記憶されているならば、当該無線電話端末に暫定応答するとともに、当該無線電話端末に、着信中の呼の情報を含む着信情報を送信して、応答および拒否を含み、さらに転送および留守録の少なくとも一つを含む各種操作をユーザから受け付けるためのプリセレクション操作受付画面を表示させ、当該無線電話端末から受信した、前記プリセレクション操作受付画面を介してユーザから受け付けた操作に応じた要求に対応する内線電話サービスを実施し、
前記呼の発信元の電話番号が当該無線電話端末に対応付けられて記憶されていないならば、前記呼の発信元に着信応答を送信して、自装置経由で前記無線電話端末と当該呼の発信元との間に通話路を確立する
ことを特徴とする無線電話端末からのプリセレクション操作受付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電話端末に内線電話サービスを提供する主装置に関し、特に、主装置が内線端末として収容する無線電話端末からプリセレクション操作を受け付けるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートホン、携帯電話機等の無線電話端末に着信した呼を自動で内線端末(ボタン電話機)に転送する技術が知られている(例えば特許文献1)。また、近年、無線電話端末をWAN(Wide Area Network)経由で主装置に帰属させることにより、この無線電話端末を内線端末として利用する技術が普及している(例えば特許文献2)。これらの技術を組み合わせれば、内線端末として機能する無線電話端末に着信した呼を自動で他の電話端末へ転送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-294969号公報
【文献】特開2002-101437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の特許文献1、2に記載の技術の組合せにおいて、内線端末として主装置に収容された無線電話端末のユーザは、転送、留守録等の電話サービスを受けるために、主装置からの着信に応答して通話相手との間に通話路を確立し、必要に応じて通話相手と会話して事情を説明してから、転送、留守録等の各種操作を行う必要がある。
【0005】
しかしながら、ユーザは、在席中、休憩中、交通機関で移動中、勤務時間外等の自身の状態に応じて、着信に応答して通話相手と会話することなく、転送、留守録等の電話サービスを受ける否かを判断したい場合がある。上記の特許文献1、2に記載の技術は、この点を何ら考慮していない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、主装置が内線端末として収容する無線電話端末からのプリセレクション操作を可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の主装置は、呼が着信すると、PUSH通知サーバに、内線端末として収容する無線電話端末の指定を伴うPUSH通知要求を送信して、無線電話端末を主装置にログインさせる。つぎに、主装置は、無線電話端末から着信応答を受信すると、無線電話端末に暫定応答し、無線電話端末に、着信中の呼の情報を含む着信情報を送信して、応答および拒否を含み、さらに転送および留守録の少なくとも一つを含む各種操作をユーザから受け付けるためのプリセレクション操作受付画面を表示させる。そして、プリセレクション操作受付画面を介してユーザから受け付けた操作に応じた要求を無線電話端末から受信したならば、この要求に対応する内線電話サービスを実施する。
【0008】
例えば、本発明の一態様の主装置は、
無線電話端末に内線電話サービスを提供する主装置であって、
呼が着信した場合に、PUSH通知サーバに前記無線電話端末の指定を伴うPUSH通知要求を送信して、前記無線電話端末を自装置にログインさせるPUSH通知要求手段と、
ログイン中の前記無線電話端末から受信した着信応答を処理する呼制御手段と、
記無線電話端末に、着信中の呼の情報を含む着信情報を送信して、応答および拒否を含み、さらに転送および留守録の少なくとも一つを含む各種操作をユーザから受け付けるためのプリセレクション操作受付画面を表示させる着信情報送信手段と、
内線端末として収容する前記無線電話端末毎に暫定応答要否の設定情報が記憶された暫定応答要否情報記憶手段と、を備え、
前記呼制御手段は、
ログイン中の前記無線電話端末から着信応答を受信した場合に、
当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答要否情報記憶手段に記憶されている暫定応答要否の設定情報が「要」であるならば、当該無線電話端末に暫定応答し、これを受けて、前記着信情報送信手段が、当該無線電話端末に、前記着信情報を送信して、前記プリセレクション操作受付画面を表示させ、当該無線電話端末から受信した、前記プリセレクション操作受付画面を介してユーザから受け付けた操作に応じた要求に対応する内線電話サービスを実施し、
当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答要否情報記憶手段に記憶されている暫定応答要否の設定情報が「否」であるならば、前記呼の発信元に着信応答を送信して、自装置経由で前記無線電話端末と当該呼の発信元との間に通話路を確立する。
また、本発明の他の態様の主装置は、
無線電話端末に内線電話サービスを提供する主装置であって、
呼が着信した場合に、PUSH通知サーバに前記無線電話端末の指定を伴うPUSH通知要求を送信して、前記無線電話端末を自装置にログインさせるPUSH通知要求手段と、
ログイン中の前記無線電話端末から受信した着信応答を処理する呼制御手段と、
前記無線電話端末に、着信中の呼の情報を含む着信情報を送信して、応答および拒否を含み、さらに転送および留守録の少なくとも一つを含む各種操作をユーザから受け付けるためのプリセレクション操作受付画面を表示させる着信情報送信手段と、
内線端末として収容する前記無線電話端末毎に、暫定応答する発信者の電話番号を記憶する暫定応答番号記憶手段と、を備え、
前記呼制御手段は、
ログイン中の前記無線電話端末から着信応答を受信した場合に、
前記呼の発信元の電話番号が当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答番号記憶手段に記憶されているならば、当該無線電話端末に暫定応答し、これを受けて、前記着信情報送信手段が、当該無線電話端末に、前記着信情報を送信して、前記プリセレクション操作受付画面を表示させ、当該無線電話端末から受信した、前記プリセレクション操作受付画面を介してユーザから受け付けた操作に応じた要求に対応する内線電話サービスを実施し、
前記呼の発信元の電話番号が当該無線電話端末に対応付けられて前記暫定応答番号記憶手段に記憶されていないならば、前記呼の発信元に着信応答を送信して、自装置経由で前記無線電話端末と当該呼の発信元との間に通話路を確立する。
【発明の効果】
【0009】
本発明において、主装置は、無線電話端末から着信応答を受信した場合に、呼の発信元に着信応答を送信することなく、無線電話端末に暫定応答して着信情報を送信し、無線電話端末にプリセレクション操作受付画面を表示させることができる。そして、プリセレクション操作受付画面を介してユーザから受け付けた操作に応じた内線電話サービスを実施する。したがって、本発明によれば、内線端末として収容する無線電話端末からのプリセレクション操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る内線電話システムの概略構成図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る内線電話システムにおける着信動作例を説明するためのシーケンス図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係る内線電話システムにおける着信動作例を説明するためのシーケンス図であり、図2の続きである。
図4図4は、主装置1の概略機能構成図である。
図5図5は、主装置1の着信動作を説明するためのフロー図である。
図6図6は、主装置1の着信動作を説明するためのフロー図であり、図5の続きである。
図7図7は、主装置1の終話動作を説明するためのフロー図である。
図8図8は、無線電話端末3の概略機能構成図である。
図9図9は、無線電話端末3の動作を説明するためのフロー図である。
図10図10は、無線電話端末3の動作を説明するためのフロー図であり、図10の続きである。
図11図11は、プリセレクション操作受付画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る内線電話システムの概略構成図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係る内線電話システムは、WAN4に接続された主装置1およびPUSH通知サーバ2と、基地局5を介してWAN4に接続された複数の無線電話端末3と、を備えている。
【0014】
主装置1は、複数の無線電話端末3を内線端末として収容し、これらに内線電話サービスを提供する。
【0015】
PUSH通知サーバ2は、主装置1から受信したPUSH通知要求に従い、このPUSH通知要求で指定されている無線電話端末3にPUSH通知を送信する。
【0016】
無線電話端末3は、PUSH通知サーバ2から受信したPUSH通知に従い、主装置1にログインして、主装置1が提供する内線電話サービスを享受する。
【0017】
図2および図3は、本実施の形態に係る内線電話システムにおける着信動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0018】
まず、WAN4から主装置1に呼が着信したとする(S100)。主装置1は、内線端末として収容する無線電話端末3の指定を伴うPUSH通知要求をPUSH通知サーバ2に送信する(S101)。これを受けて、PUSH通知サーバ2は、指定された無線電話端末3にPUSH通知を送信する(S102)。
【0019】
無線電話端末3は、PUSH通知サーバ2からPUSH通知を受信すると、着信音の送出を開始して(S103)、ユーザに着信を知らせるとともに、主装置1にログイン要求を送信する(S104)。これを受けて、主装置1は、ログイン処理を行い(S105)、無線電話端末3を自装置1にログインさせる。
【0020】
つぎに、無線電話端末3は、ユーザから応答操作を受け付けると(S106)、着信音送出を停止して(S107)、主装置1に着信応答を送信する(S108)。これを受けて、主装置1は、着信応答の送信元である無線電話端末3に対応付けられて記憶されている暫定応答要否の設定情報を確認する(S109)。ここでは、暫定応答要否の設定情報が「要」に設定されているものとする。この場合、主装置1は、WAN4に着信応答することなく、無線電話端末3に暫定応答する(S110)。これにより、主装置1と無線電話端末3との間に通話路が確立され(S111)、主装置1は、この通話路を介して無線電話端末3に、後述するプリセレクション操作受付画面に表示されている「応答」、「拒否」、「転送」、「留守録」等の電話サービスのなかから所望の内線電話サービスを選択するプリセレクション操作のための音声ガイダンスを送信する(S112)。また、主装置1は、着信中の呼の情報を含む着信情報を無線電話端末3に送信する(S113)。
【0021】
つぎに、無線電話端末3は、通話路を介して主装置1から受信した音声ガイダンスを出力するとともに、主装置1から受信した着信情報に含まれている着信中の呼の情報が表示されたプリセレクション操作受付画面を表示して(S114)、希望の内線電話サービスが選択されるのを待つ。
【0022】
それから、無線電話端末3は、プリセレクション操作受付画面を介してユーザから内線電話サービスの選択操作を受け付けると(S115)、選択された内線電話サービスの要求を主装置1に送信する(S116)。ここでは、予め登録されている転送先への転送サービスが選択され、転送先の電話番号の指定を伴う転送要求が無線電話端末3から主装置1へ送信されたものとする。
【0023】
主装置1は、無線電話端末3から転送要求を受信すると、この転送要求で指定されている電話番号へ呼を発信する(S117)。また、無線電話端末3に切断要求を送信して(S118)、無線電話端末3との間に確立されている通話路を切断する(S119)。その後、主装置1が発信先(転送先)から着信応答を受信することにより(S120)、S100において主装置1に着信した呼の発信元と、S117において主装置1が発信した呼の発信先(転送先)との間に通話路が確立され、両者間での通話が開始される。
【0024】
つぎに、本実施の形態に係る内線電話システムを構成する主装置1および無線電話端末3の詳細について説明する。なお、PUSH通知サーバ2は、既存のPUSH通知サーバと同じであるので、その詳細な説明を省略する。
【0025】
まず、主装置1の詳細を説明する。
【0026】
図4は、主装置1の概略機能構成図である。
【0027】
図示するように、主装置1は、ネットワークインターフェース部10と、内線端末情報記憶部11と、ログイン処理部12と、呼制御部13と、交換処理部14と、PUSH通知要求部15と、着信情報送信部16と、を有する。
【0028】
ネットワークインターフェース部10は、WAN4に接続するためのインターフェースである。
【0029】
内線端末情報記憶部11には、内線端末として収容する無線電話端末3毎に、アドレス情報(内線番号、IPアドレス)、ログイン情報(ユーザ名、パスワード)、ログイン状態(ログイン中、ログアウト中)、端末状態(待機中、通話中)、および暫定応答要否の設定情報を含む端末情報が記憶されている。
【0030】
ログイン処理部12は、無線電話端末3から受信したログイン要求に含まれているログイン情報と、内線端末情報記憶部11に記憶されているこの無線電話端末3の端末情報に含まれているログイン情報とを用いて、この無線電話端末3のログイン処理を実施する。
【0031】
呼制御部13は、SIP(Session Initiation Protocol)等の呼制御プロトコルに従い、無線電話端末3と通話相手との間の通話路の確立・解放を含む、無線電話端末3から受け付けた要求に応じた電話サービスを実施する。
【0032】
交換処理部14は、呼制御部13により無線電話端末3と通話相手との間に通話路が確立された場合に、この通話路を介して無線電話端末3と通話相手との間を中継する。
【0033】
PUSH通知要求部15は、呼制御部13の指示に従い、無線電話端末3の指定を伴うPUSH通知要求をPUSH通知サーバ2に送信する。
【0034】
着信情報送信部16は、呼制御部13の指示に従い、着信中の呼の情報を含む着信情報を無線電話端末3に送信する。
【0035】
図5および図6は、主装置1の着信動作を説明するためのフロー図である。
【0036】
まず、呼制御部13は、ネットワークインターフェース部10を介して呼が着信すると(S200でYES)、内線端末情報記憶部11を参照し、ログイン状態が「ログアウト中」である無線電話端末3のアドレス情報をPUSH通知要求部15に通知してPUSH通知要求を指示する。これを受けて、PUSH通知要求部15は、ネットワークインターフェース部10を介してPUSH通知サーバ2に、無線電話端末3のアドレス情報の指定を伴うPUSH通知要求を送信する(S201)。
【0037】
つぎに、ログイン処理部12は、所定時間の経過によりタイムアウトするまで、ネットワークインターフェース部10を介して無線電話端末3からログイン要求を受信して、ログイン処理を実施する(S202)。そして、内線端末情報記憶部11に記憶されている端末情報のうち、ログインを許可した無線電話端末3の端末情報に含まれているログイン状態、端末状態を、それぞれ「ログイン中」、「待機中」に更新する。
【0038】
呼制御部13は、着信中の呼の着信停止を検出すると(S208でYES)、内線端末情報記憶部11を参照して、ログイン状態が「ログイン中」の無線電話端末3のうち、端末状態が「待機状態」である無線電話端末3を特定する。そして、ネットワークインターフェース部10を介して、特定した無線電話端末3にログアウト通知を送信するとともに、内線端末情報記憶部11に記憶されている、この特定した無線電話端末3の端末情報のログイン状態を「ログアウト中」に更新する(S209)。それから、S200に戻る。
【0039】
また、呼制御部13は、ネットワークインターフェース部10を介して無線電話端末3から着信拒否を受信すると(S204でYES)、ネットワークインターフェース部10を介して、着信拒否送信元である無線電話端末3にログアウト通知を送信するとともに、内線端末情報記憶部11に記憶されている、この無線電話端末3の端末情報のログイン状態を「ログアウト中」に更新する(S205)。それから、呼制御部13は、内線端末情報記憶部11を参照し、ログイン状態が「ログイン中」の無線電話端末3のうち、端末状態が「待機状態」である無線電話端末3が存在するならば(S206でYES)、S203に戻る。
【0040】
一方、ログイン状態が「ログイン中」の無線電話端末3のうち、端末状態が「待機状態」である無線電話端末3が存在しないならば(S206でNO)、着信中の呼に応答できる無線電話端末3が存在しないことになるので、例えば、着信中の呼に一次応答し、後で電話をかけ直して欲しい旨のメッセージを送出する等の所定の着信拒否処理を実施する(S207)。それから、S200に戻る。
【0041】
また、呼制御部13は、ネットワークインターフェース部10を介して無線電話端末3から着信応答を受信すると(S203でYES)、内線端末情報記憶部11を参照し、着信応答送信元の無線電話端末の端末情報に含まれている暫定応答要否の設定情報が「要」であるか否かを判断する(S210)。暫定応答要否の設定情報が「否」であるならば(S210でNO)、呼制御部13は、着信応答送信元である無線電話端末3との間に通話路を確立する。また、ネットワークインターフェース部10を介して呼の発信元に着信応答を送信して(S211)、呼の発信元との間に通話路を確立する。それから、呼制御部13は、交換処理部14に、着信応答の送信元である無線電話端末3との通話路および呼の発信元との通話路間の中継を指示する。これを受けて、交換処理部14は、着信応答の送信元である無線電話端末3との通話路および呼の発信元との通話路間の中継を開始する(S212)。これにより、着信応答の送信元である無線電話端末3と呼の発信元との通話が可能となる。その後、呼制御部13は、内線端末情報記憶部11に記憶されている、着信応答の送信元である無線電話端末3の端末情報の端末状態を「通話中」に更新し(S213)、S200に戻る。
【0042】
一方、暫定応答要否の設定情報が「要」である場合(S210でYES)、呼制御部13は、着信応答送信元である無線電話端末3に暫定応答して、この無線電話端末3との間に通話路を確立する(S214)。それから、この通話路を介して無線電話端末3に、着信中の呼に対する内線電話サービスを選択するプリセレクション操作のための音声ガイダンスを送出する(S215)。また、呼制御部13は、内線端末情報記憶部11を参照し、着信応答送信元である無線電話端末3のアドレス情報と着信中の呼の情報とを着信情報送信部16に通知して着信情報の送信を指示する。これを受けて、着信情報送信部16は、ネットワークインターフェース部10を介して着信応答送信元である無線電話端末3に、着信中の呼の情報を含む着信情報を送信する(S216)。
【0043】
つぎに、呼制御部13は、ネットワークインターフェース部10を介して着信応答送信元である無線電話端末3から要求を受信すると、この要求を解析する(S218)。
【0044】
無線電話端末3から受信した要求が「拒否要求」である場合、ネットワークインターフェース部10を介して拒否要求送信元である無線電話端末3にログアウト通知を送信するとともに、内線端末情報記憶部11に記憶されている端末情報のうち、この無線電話端末3の端末情報のログイン状態を「ログアウト中」に更新する(S205)。それから、呼制御部13は、内線端末情報記憶部11を参照し、ログイン状態が「ログイン中」の無線電話端末3のうち、端末状態が「待機状態」である無線電話端末3が存在するならば(S206でYES)、S203に戻る。一方、ログイン状態が「ログイン中」の無線電話端末3のうち、端末状態が「待機状態」である無線電話端末3が存在しないならば(S206でNO)、着信中の呼に応答できる無線電話端末3が存在しないことになるので、例えば、着信中の呼に一次応答し、後で電話をかけ直して欲しい旨のメッセージを送出する等の所定の着信拒否処理を実施する(S207)。それから、S200に戻る。
【0045】
また、無線電話端末3から受信した要求が「応答要求」である場合、呼制御部13は、ネットワークインターフェース部10を介して呼の発信元に着信応答を送信して(S211)、呼の発信元との間に通話路を確立する。それから、呼制御部13は、応答要求送信元である無線電話端末3との通話路および呼の発信元との通話路間の中継を交換処理部14に指示する。これを受けて、交換処理部14は、応答要求送信元である無線電話端末3との通話路および呼の発信元との通話路間の中継を開始する(S212)。これにより、応答要求送信元である無線電話端末3と呼の発信元との通話が可能となる。その後、呼制御部13は、内線端末情報記憶部11に記憶されている端末情報のうち、応答要求送信元である無線電話端末3の端末情報の端末状態を「通話中」に更新し(S213)、S200に戻る。
【0046】
また、無線電話端末3から受信した要求が「転送要求」である場合、呼制御部13は、転送要求送信元である無線電話端末3との通話路を解放する(S219)。また、ネットワークインターフェース部10を介して、この無線電話端末3にログアウト通知を送信するとともに、内線端末情報記憶部11に記憶されている端末情報のうち、この無線電話端末3の端末情報のログイン状態を「ログアウト中」に更新する(S220)。その後、呼制御部13は、転送要求で指定されている転送先に着信中の呼を転送し(S221)、それから、S200に戻る。
【0047】
また、無線電話端末3から受信した要求が「留守録要求」である場合、呼制御部13は、留守録要求送信元である無線電話端末3との通話路を解放する(S222)。また、ネットワークインターフェース部10を介して、この無線電話端末3にログアウト通知を送信するとともに、内線端末情報記憶部11に記憶されている端末情報のうち、この無線電話端末3の端末情報のログイン状態を「ログアウト中」に更新する(S223)。その後、呼制御部13は、着信中の呼の発信元に着信応答を送信して、呼の発信元との間に通話路を確立するとともに(S224)、この通話路を介して呼の発信元に、録音を開始する旨の音声ガイダンスを送出し、この通話路を介して呼の発信元から送られてくる音声の録音を開始する(S225)。それから、S200に戻る。
【0048】
図7は、主装置1の終話動作を説明するためのフロー図である。
【0049】
このフローは、呼制御部13がネットワークインターフェース部10を介して通話中の無線電話端末3あるいはその通話相手から切断要求を受信することにより開始される。
【0050】
まず、呼制御部13は、切断要求の送信元が無線電話端末3ならば、この無線電話端末3との通話路を解放して、この通話路および通話相手との通話路間の中継を終了し、切断要求の送信元が無線電話端末3の通話相手ならば、この通話相手との通話路を解放して、この通話路および無線電話端末3との通話路間の中継を終了する(S300)。
【0051】
つぎに、呼制御部13は、切断要求の送信元が無線電話端末3ならば、この無線電話端末3の通話相手に切断要求を送信して、この通話相手との通話路を解放し、切断要求の送信元が無線電話端末3の通話相手ならば、無線電話端末3に切断要求を送信して、この無線電話端末3との通話路を解放する(S301)。
【0052】
それから、呼制御部13は、通話路を解放した無線電話端末3にログアウト通知を送信するとともに、内線端末情報記憶部11に記憶されている端末情報のうち、この無線電話端末3の端末情報のログイン状態を「ログアウト中」に更新する(S302)。
【0053】
つぎに、無線電話端末3の詳細を説明する。
【0054】
図8は、無線電話端末3の概略機能構成図である。
【0055】
図示するように、無線電話端末3は、無線インターフェース部30と、マンマシンインターフェース部31と、呼制御部32と、通話処理部33と、ログイン要求部34と、着信情報受信部35と、プリセレクション操作受付部36と、を有する。
【0056】
無線インターフェース部30は、基地局5を介してWAN4に接続するためのインターフェースである。
【0057】
マンマシンインターフェース部31は、ユーザが電話および各種操作を行うためのインターフェースであり、図示していないが、例えば、マイクと、スピーカと、カメラと、ダイヤルキー等の操作部を兼ねたタッチパネルディスプレイと、を備える。
【0058】
呼制御部32は、SIP等の呼制御プロトコルに従い、主装置1と連携して通話相手との通話路の確立・解放を実施する。
【0059】
通話処理部33は、RTP(Realtime Transport Protocol)等の伝送プロトコルに従い、呼制御部32によって確立された通話路を介して、通話相手と通話データを送受信する。具体的には、マンマシンインターフェース部31を介してユーザにより入力された音声信号を通話データに符号化し、この通話データを通話路経由で通信相手に送信するとともに、通信相手から通話路経由で通話データを受信し、この通話データを音声信号に復号してマンマシンインターフェース部31から出力する。
【0060】
ログイン要求部34は、無線インターフェース部30を介してPUSH通知サーバ2から受信したPUSH通知に従い主装置1にログイン要求を送信して、主装置1にログインする。
【0061】
着信情報受信部35は、無線インターフェース部30を介して主装置1から着信情報を受信する。
【0062】
プリセレクション操作受付部36は、着信情報受信部35により受信された着信情報に含まれている着信中の呼の情報を含むプリセレクション操作受付画面をマンマシンインターフェース部31に表示して、ユーザから希望の内線電話サービスの選択を受け付ける。
【0063】
図9および図10は、無線電話端末3の動作を説明するためのフロー図である。
【0064】
ログイン要求部34は、無線インターフェース部30を介してPUSH通知サーバ2からPUSH通知を受信すると(S300でYES)、呼制御部32にその旨を通知する。これを受けて、呼制御部32は、マンマシンインターフェース部31から着信音の送出を開始する(S301)。また、ログイン要求部34は、無線インターフェース部30を介して主装置1にログイン要求を送信して、自端末3を主装置1にログインさせるログイン処理を実施する(S302)。
【0065】
その後、ログイン要求部34は、無線インターフェース部30を介して主装置1からログアウト通知を受信すると(S303でYES)、その旨を呼制御部32に通知する。これを受けて、呼制御部32は、マンマシンインターフェース部31からの着信音の送出を停止し(S304)、S300に戻る。
【0066】
また、呼制御部32は、マンマシンインターフェース部31を介してユーザから拒否操作を受け付けると(S305でYES)、マンマシンインターフェース部31からの着信音の送出を停止するとともに、無線インターフェース部30を介して主装置1に着信拒否を送信する(S306)。その後、呼制御部32は、主装置1からログアウト通知を受信して、S300に戻る。
【0067】
また、呼制御部32は、マンマシンインターフェース部31を介してユーザから応答操作を受け付けると(S307でYES)、マンマシンインターフェース部31からの着信音の送出を停止するとともに、無線インターフェース部30を介して主装置1に着信応答を送信する(S308)。
【0068】
つぎに、主装置1に登録されている自端末3の暫定応答要否の設定情報が「否」である場合(S309でNO)、主装置1を介して自端末3と呼の発信元である通話相手との間に通話路が確立され、通話処理部33は、この通話路を用いた通話処理を開始する(S314)。その後、終話して通話処理が終了すると(S315でYES)、呼制御部32は、主装置1からログアウト通知を受信して、S300に戻る。
【0069】
一方、主装置1に登録されている自端末3の暫定応答要否の設定情報が「要」である場合(S309でYES)、主装置1との間に通話路が確立され、通話処理部33は、この通話路を介して主装置1から、プリセレクション操作を案内する音声ガイダンスを受信してマンマシンインターフェース部31から送出する。また、着信情報受信部35は、着信情報を呼制御部32に通知する。そして、呼制御部32は、プリセレクション操作受付部36に着信情報を通知してプリセレクション操作受付を指示する。
【0070】
これを受けて、プリセレクション操作受付部36は、呼制御部32から通知された着信情報を含み、この着信情報により特定される着信中の呼に対する「応答」、「拒否」、「転送」、「留守録」等の内線電話サービスの選択を受け付けるプリセレクション操作受付画面を生成し、マンマシンインターフェース部31に表示する(S310)。
【0071】
図11は、プリセレクション操作受付画面例を示す図である。
【0072】
図に示すプリセレクション操作受付画面例において、符号360は、着信情報の表示エリアである。また、符号361は、着信に応答するための応答ボタン、符号362は、着信を拒否するための拒否ボタン、符号363は、予め登録された第1の転送先に着信転送するための転送ボタン、符号364は、予め登録された第2の転送先に着信転送するための転送ボタン、符号365は、予め登録された第3の転送先に着信転送するための転送ボタン、そして、符号366は、留守録するための留守録ボタンである。
【0073】
つぎに、プリセレクション操作受付部36は、プリセレクション操作受付画面を介して希望の内線電話サービスの選択を受け付けると(S311でYES)、選択された内線電話サービスを呼制御部32に通知する。これを受けて、呼制御部32は、無線インターフェース部30を介して主装置1に、選択された内線電話サービスに応じた要求を送信する(S312)。例えば、図11において、応答ボタン361が選択されたならば、応答要求を主装置1に送信し、拒否ボタン362が選択されたならば、拒否要求を主装置1に送信する。また、転送ボタン363が選択されたならば、第1の転送先の指定を伴う転送要求を主装置1に送信し、転送ボタン364が選択されたならば、第2の転送先の指定を伴う転送要求を主装置1に送信し、転送ボタン365が選択されたならば、第3の転送先の指定を伴う転送要求を主装置1に送信する。また、留守録ボタン366が選択されたならば、主装置1に、留守録要求を送信する。
【0074】
ここで、呼制御部32が主装置1に応答要求を送信した場合(S313でYES)、主装置1を介して自端末3と呼の発信元である通話相手との間に通話路が確立され、通話処理部33は、この通話路を用いた通話処理を開始する(S314)。その後、終話して通話処理が終了すると(S315でYES)、呼制御部32は、主装置1からログアウト通知を受信して、S300に戻る。
【0075】
以上、本発明の一実施の形態を説明した。
【0076】
本実施の形態において、主装置1は、無線電話端末3から着信応答を受信した場合に、呼の発信元に着信応答を送信することなく、無線電話端末3に暫定応答して着信情報を送信し、無線電話端末3にプリセレクション操作受付画面を表示させることができる。そして、プリセレクション操作受付画面を介してユーザから受け付けた操作に応じた電話サービスを実施する。したがって、本実施の形態によれば、例えばアップル社のオペレーティングシステムであるiOSのCall Kitを利用した電話アプリケーションプログラムにより実現される無線電話端末等の、プリセレクション操作に対応していない無線電話端末3でも、内線端末として収容した場合にプリセレクション操作が可能となる。
【0077】
また、本実施の形態において、主装置1は、無線電話端末3毎に暫定応答要否の設定情報を記憶しており、ログイン中の無線電話端末3から着信応答を受信した場合に、この無線電話端末3に対応付けられて記憶されている暫定応答要否の設定情報が「要」であるならば、この無線電話端末3に、着信情報を送信して、プリセレクション操作受付画面を表示させ、「否」であるならば、呼の発信元に着信応答を送信して、主装置1経由で無線電話端末3と呼の発信元との間に通話路を確立する。したがって、プリセレクション操作を望まない無線電話端末3のユーザには、直ちに通話相手との通話を可能とすることができるので、ユーザの使い勝手が向上する。
【0078】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0079】
例えば、上記の実施の形態において、主装置1は、内線端末として収容する無線電話端末3毎に暫定応答要否の設定情報を記憶しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、アップル社のオペレーティングシステムであるiOSのCall Kitを利用した電話アプリケーションプログラムにより実現される無線電話端末等、プリセレクション操作に対応していない無線電話端末については暫定応答要否の設定情報が「要」となるように、無線電話端末3の種別毎に暫定応答要否の設定情報を記憶してもよい。また、主装置1が記憶している暫定応答要否の設定情報は、変更権限を有するユーザにより変更可能であってもよい。また、例えば所定の時間帯の着信については「要」、それ以外の時間帯の着信については「否」というように、暫定応答要否の設定情報に適用条件を付加して、適用条件にしたがって暫定応答の要否が変更されるようにしてもよい。
【0080】
あるいは、内線端末として収容する無線電話端末3毎に暫定応答要否の設定情報を記憶することに代えて、暫定応答すべき発信者の電話番号を無線電話端末3毎に記憶するようにしてもよい。そして、主装置1は、ログイン中の無線電話端末3から着信応答を受信した場合に、呼の発信元の電話番号がこの無線電話端末3に対応付けられて記憶されているならば、この無線電話端末3に、着信情報を送信して、プリセレクション操作受付画面を表示させ、記憶されていないならば、呼の発信元に着信応答を送信して、主装置1経由で無線電話端末3と呼の発信元との間に通話路を確立する。このようにすることにより、無線電話端末3のユーザは、呼の発信者毎にプリセレクション操作受付画面を表示するか否かを設定することができるので、ユーザの使い勝手がさらに向上する。
【0081】
また、上記の実施の形態では、主装置1が自ら留守録サービスを実施する場合を例にとり説明したが、専用の録音サーバを設け、この録音サーバと連携して留守録サービスを実施するようにしてもよい。
【0082】
また、上記の実施の形態において、図4に示す主装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、HDD(Hard Disk Dive)等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)等の通信機を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【0083】
同様に、図8に示す無線電話端末3の機能構成も、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSPなどの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPUと、メモリと、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、および無線LANアダプタ等の無線通信機を備えたスマートホン、タブレットPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【符号の説明】
【0084】
1:主装置 2:PUSH通知サーバ 3:無線電話端末 4:WAN
5:基地局 10:ネットワークインターフェース部
11:内線端末情報記憶部 12:ログイン処理部 13:呼制御部
14:交換処理部 15:PUSH通知要求部 16:着信情報送信部
30:無線インターフェース部 31:マンマシンインターフェース部
32:呼制御部 33:通話処理部 34:ログイン要求部
35:着信情報受信部 36:プリセレクション操作受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11