(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】車両の車体構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20231114BHJP
F16F 15/02 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
B62D25/20 G
F16F15/02 H
F16F15/02 K
(21)【出願番号】P 2020030177
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2022-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】中村 海渡
(72)【発明者】
【氏名】蔵田 三穂
(72)【発明者】
【氏名】寺田 栄
【審査官】大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-205871(JP,A)
【文献】特開2005-335578(JP,A)
【文献】特開2004-237871(JP,A)
【文献】特開昭58-218472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/20
F16F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉断面部を備えた車体骨格部材と、エンジン又は/及びサスペンションから上記車体骨格部材を経由して振動が伝達されるパネル部材とを備えた車両の車体構造であって、
上記パネル部材は、
パネル外周縁に平面状に形成されるとともに上記車体骨格部材が上記パネル外周縁に沿って接合されるフランジ部と、
上記フランジ部のパネル中央側縁部から連続してパネル中央側程上方又は下方に膨出するように湾曲する曲面部と、
上記曲面部のパネル中央側縁部から連続してパネル中央側へ延びる平面部とを備え、
上記曲面部と上記平面部は、上記車体骨格部材で囲まれた車体骨格部材囲い込み領域に有し、
上記フランジ部は平面視で上記車体骨格部材囲い込み領域よりも外側
のみに位置する
車両の車体構造。
【請求項2】
上記曲面部と上記平面部のうち、少なくとも上記平面部に振動減衰部材を備えた
請求項1に記載の車両の車体構造。
【請求項3】
上記平面部は、上記パネル部材の全体に対して30パーセントから45パーセントの範囲内の面積割合で設けられた
請求項2に記載の車両の車体構造。
【請求項4】
上記パネル部材は、フロアパネルであり、
上記平面部は、該平面部の外周縁部が、車両平面視において長方形状の上記車体骨格部材囲い込み領域の縦横比と略同じ縦横比となるとともに、該車体骨格部材囲い込み領域と長手方向および短手方向が略一致する長円又は楕円形状で形成された
請求項2又は3に記載の車両の車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の例えば、閉断面部を備えた車体骨格部材と、エンジン又は/及びサスペンションから上記車体骨格部材を経由して振動が伝達されるフロアパネル等のパネル部材とを備えた車両の車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エンジン自体の振動や、サスペンションから伝わるロードノイズは、エンジンやサスペンションに連結された複数の車体骨格部材としてのフレーム部材を経由してフロアパネルに伝達される。これにより、車両の車体構造は、フロアパネルが振動することで、車室内の空気が大きく振動し、車室内のNVH(Noise, Vibration, Harshness)性能に悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0003】
このような課題に対して、特許文献1に例示されるような様々な対策がなされている。
特許文献1の車体フロアパネル構造は、エンジン又はサスペンションに連結される複数のフレーム部材と、これらフレーム部材が外周に沿って配設されたフロアパネルとを備えたものである。特許文献1には、フロアパネルにおける、複数のフレーム部材で囲まれた領域において、中央側にドーム形状に形成された曲面部(球面ビード)と、曲面部の周囲全域において該曲面部より剛性が低い平らな平面部とを有し、平面部のみに制振材が設けられた構造が開示されている。
【0004】
しかしながら、複数のフレーム部材からフロアパネルへ振動が伝達した際に、その振動の周波数によっては、平面部が振動するとともに、該平面部よりもパネル中央に位置する曲面部が平面部につられて一体的に振動する現象、つまりフロアパネルにおける、複数のフレーム部材で囲まれた領域の全体が振動する現象が生じることがある。このような現象が生じた場合には、空気を振動させる面積が大きくなり、NVH性能の悪化に繋がることが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、フロアパネル等のパネル部材における、複数のフレーム部材で囲まれた領域全体が振動するモードを抑制することで、パネル部材の振動を低減することができる車両の車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、閉断面部を備えた車体骨格部材と、エンジン又は/及びサスペンションから上記車体骨格部材を経由して振動が伝達されるパネル部材とを備えた車両の車体構造であって、上記パネル部材は、パネル外周縁に平面状に形成されるとともに上記車体骨格部材が上記パネル外周縁に沿って接合されるフランジ部と、上記フランジ部のパネル中央側縁部から連続してパネル中央側程上方又は下方に膨出するように湾曲する曲面部と、上記曲面部のパネル中央側縁部から連続してパネル中央側へ延びる平面部とを備え、上記曲面部と上記平面部は、上記車体骨格部材で囲まれた車体骨格部材囲い込み領域に有し、上記フランジ部は平面視で上記車体骨格部材囲い込み領域よりも外側のみに位置するものである。
【0008】
上記構成によれば、曲面部は曲面であることにより剛性が高いことに加え外縁に有するフランジ部が車体骨格部材に接合されることより拘束されているため、共振するのは平面部のみとなるため、フロアパネル等のパネル部材全体が振動するモードを抑制することが可能となる。
【0009】
この発明の態様として、上記曲面部と上記平面部のうち、少なくとも平面部に振動減衰部材を備えたものである。
【0010】
上記構成によれば、平面部に生じる振動エネルギーを振動減衰部材により消散させることで振動をさらに抑制することができる。
【0011】
この発明の態様として、上記平面部は、上記パネル部材の全体に対して30パーセントから45パーセントの範囲内の面積割合で設けられたものである。
【0012】
上記構成によれば、平面部を小さく設定すればする程共振による空気を振動させる影響を抑制することができる(つまりNVH性能が向上する)。一方で、平面部を小さく設定しすぎるとフロアパネル等のパネル部材全体における曲面部の面積割合が大きくなり、フロアパネル等のパネル部材全体が共振するモードが発生する。
【0013】
従って、上述した適切な面積割合で平面部を設定することで、フロアパネル等のパネル部材全体の振動をさらに抑制することができる。
【0014】
この発明の態様として、上記パネル部材は、フロアパネルであり、上記平面部は、該平面部の外周縁部が、車両平面視において長方形状の上記車体骨格部材囲い込み領域の縦横比と略同じ縦横比となるとともに、該車体骨格部材囲い込み領域と長手方向および短手方向が略一致する長円又は楕円形状で形成されたものである。
【0015】
上記構成によれば、平面部の中でも、角部周辺(平面視で平面部の隅部に相当する部位)は、中央側と比して振動し難いため、平面部に備えた振動減衰部材のうち、角部周辺に備えた振動減衰部材は、中央側に備えた振動減衰部材と比して歪エネルギーの蓄積量が低減するおそれがある。
【0016】
これに対して、上記平面部を、角部を有しない円形状で形成することで、平面部全体を振動させることができるため、平面部に備えた振動減衰部材によって歪エネルギーを効率よく蓄積して熱エネルギーへと変換することができる。よって、平面部に備える振動減衰部材の質量効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、フロアパネル等のパネル部材における、複数のフレーム部材で囲まれた領域全体が振動するモードを抑制することで、パネル部材の振動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態のフロアパネルを備えた自動車のフロア部および、その前方周辺の要部を示す斜視図
【
図3】
図2のB-B線に沿った要部の矢視断面(a)、
図3(a)のC-C線に沿ったフロアパネルの要部の矢視断面図(b)
【
図4】本実施形態のフロアパネルおよびその周辺を
図1のA-A線に沿った要部の矢視により模式的に示した断面図
【
図5】本実施形態のフロアパネルのパネル形状に着目した作用説明図
【
図6】振動減衰部材の有無に応じた、本実施形態と従来形態との各フロアパネルのOA値を比較したグラフ
【
図7】フロアパネル全体に対する平面部の面積割合とOA値の関係を、振動減衰部材の有無ごとに示したグラフ
【
図8】全体が平面状のパネルに対する本実施形態のフロアパネルのOA値の変化量を、フロアパネル全体に対する平面部の面積割合に応じて示すグラフ(a)、フロアパネル全体に対する平面部の面積割合に応じた振動減衰部材の効果を示すグラフ(b)
【
図9】平面部の外周縁部の形状の違いとOA値との関係を示すグラフ
【
図10】本発明の変形例に係るフロアパネルの平面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の車両の車体構造の実施形態を、自動車の車室部の床面を形成するフロア部を例に図面に基づいて詳述する。
【0020】
図1は、本実施形態のフロアパネル10を備えた自動車のフロア部の平面図であり、
図2は本実施形態のフロアパネル10の概略を示す平面図であり、
図3(a)は
図2のB-B線に沿った要部の矢視断面図であり、
図3(b)は
図3(a)のC-C線に沿った要部の矢視断面図、
図4は
図1のA-A線に沿った要部を模式的に示した矢視断面図である。
図中、矢印Fは車両前方、矢印Uは車両上方、矢印Wは車幅方向を夫々示すものとする。
【0021】
図1に示すように、車両の下部には、車幅方向の中央側において車体前後方向に延在するトンネル部1の両サイドに配設され、該トンネル部1に沿って延在する左右一対のトンネルサイドフレーム2(車両左側のみ図示)と、車両の下部の車幅方向外側の両サイドにおいて車体前後方向に延在する左右一対のサイドシル3と、左右夫々に対応するトンネルサイドフレーム2とサイドシル3とを連結するように車幅方向に延びるとともに、車両前後方向に互いに離間して配設される前後各側のクロスメンバ4,5等の複数の車体骨格部材を備えている。
【0022】
本実施形態のフロアパネル10は、車体下部の左右夫々における、トンネルサイドフレーム2とサイドシル3と前後各側のクロスメンバ4,5とで囲まれた領域6(車体骨格部材囲い込み領域6)に備えている。
【0023】
なお、本実施形態のフロアパネル10は、車体骨格部材囲い込み領域6ごとに複数備えた構成を採用しているが、車体下部に有する複数の車体骨格部材囲い込み領域6に亘って一体に形成したものであってもよい。
【0024】
また本実施形態の自動車には
図1に示すように、上述した車体骨格部材以外の他の車体骨格部材として例えばフロントサイドフレーム7も備えている。フロントサイドフレーム7は、車室部8の車両前壁を形成するダッシュパネル9よりも前方の両サイドにおいて、エンジン(図示省略)およびフロントサスペンション(図示省略)をマウント支持可能に車両前後方向に延びている。
【0025】
エンジンおよびフロントサスペンションの振動は、複数の車体骨格部材を経由して、具体的にはフロントサイドフレーム7から上述したトンネルサイドメンバ、サイドシル3および前後各側のクロスメンバ4,5を経由してフロアパネル10に伝達される。
【0026】
また、上述した車体骨格部材2,3,4,5,7は、それ自体が内部に閉断面部2s,3s,4s,5s,7s(閉断面空間)を夫々有するように長手方向に延びる筒状に形成されたものに限らず、何れもフロアパネル10や、トンネル部1の側壁等の接合対象面に接合されることにより接合対象面と協働で延在方向に直交する断面形状が閉断面形状に形成してもよい。
【0027】
図2~
図4に示すように、フロアパネル10は、鋼板を一体でプレス成形したもので、長方形状の車体骨格部材囲い込み領域6に対応して長方形状に形成されている。さらにフロアパネル10は、車体骨格部材と接合可能に外縁に沿って平面状に形成されたフランジ部11と、上方へドーム状に湾曲した曲面部12と、曲面部12の頂部に相当する平面視中央側を平面状(平坦かつ水平)に形成した平面部13とを備えている。
【0028】
曲面部12は、フランジ部11の全周に亘って、該フランジ部11のパネル中央側縁部14からパネル中央側へ連続して延びるとともにパネル中央側程厚み方向(車両上下方向)の一方(当例においては下方)にドーム状(換言すると、球面状、椀状或いは3次元的な湾曲形状)に膨出するように湾曲しながら延びている。
【0029】
換言すると、
図3(b)に示すように、本実施形態の曲面部12は、車両前後方向および車幅方向の夫々に沿った断面形状のみならず、車両上下方向の直交断面形状(すなわち、平面部13と平行な面で切断した断面形状)においても湾曲する形状に形成されている。
【0030】
また、曲面部12は、各部位の接線の傾きがパネル中央側程(換言すると下方程)緩やかになるような(水平に近づくような)湾曲形状で形成されている。
図3(b)に示すように、本実施形態の曲面部12は、平面部13の外周縁部15(曲面部12との境界部(15))の形状と略相似形状、かつ平面部13の外周縁部15と同心状を維持しながら車両上下方向の直交断面が、パネル中央側程徐々に小さくなる湾曲形状で形成されている。
【0031】
平面部13は、曲面部12のパネル中央側縁部(15)から連続してパネル中央側へ平面状(平坦な水平面状)に延びており、該平面部13の外周縁部15が全周に亘ってフランジ部11のパネル中央側縁部14に対してパネル中央側へ離間するとともに、フランジ部11よりも下方位置(低い位置)に配設されている。なお、本実施形態において平面部13はフランジ部11と平行に配設されている。
【0032】
図2に示すように、平面部13の外周縁部15は、楕円形状で形成されている。楕円形状の平面部13の長軸と長方形状のフロアパネル10の長手方向とが一致するとともに、平面部13の短軸とフロアパネル10の短手方向とが一致する。
なお、
図2中において矢印LX13は平面部13の長軸、矢印SX13は平面部13の短軸、矢印LX10はフロアパネル10の長手方向、矢印SX10はフロアパネル10の短手方向を夫々示すものとする。
【0033】
さらに、平面部13は、長方形状のフロアパネル10の外縁と略同じ縦横比となるように形成されている。すなわち本実施形態においては、平面部13の長軸と短軸との比と、フロアパネル10の長手方向と短手方向との比とは略一致する。
【0034】
平面部13は、フロアパネル10の全体(すなわちフランジ部11、曲面部12および平面部13を合算した面積)に対して30パーセントから45パーセントの範囲内の面積割合で設けられている。本実施形態においては、平面部13は、フロアパネル10の全体に対して40パーセントの面積割合で設けられている。
【0035】
また
図3(a)(b)、
図4に示すように、フロアパネル10は、曲面部12と平面部13のうち少なくとも平面部13に振動減衰部材20(制振部材)が塗布されている。本実施形態においては、平面部13および曲面部12に、その下面全域に振動減衰部材20が略均等の厚みで塗布されている。
【0036】
フランジ部11は、平面視で車体骨格部材囲い込み領域6よりも外側に位置するとともに、曲面部12および平面部13は、平面視で車体骨格部材囲い込み領域6(の内側)に位置する。
【0037】
本実施形態において振動減衰部材20は、粘弾性部材としての発泡ポリウレタン樹脂を採用しているが、これに限定せず、ゴム材料や、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の他のエストラマ樹脂を用いてもよい。
【0038】
また、振動減衰部材20をフロアパネル10の少なくとも平面部13に備えるにあたり、振動減衰部材20を上述したように塗布するに限定せず、接着(貼り付け)や溶着等により備えてもよい。
【0039】
複数の車体骨格部材2,3,4,5は、フロアパネル10の外縁を形成するフランジ部11の全周に亘って配置され、夫々が、フロアパネル10の外縁における各端辺に相当するフランジ部11に対して上方から例えばスポット溶接又はアーク溶接により接合されている。
【0040】
本実施形態においては、
図1に示すように、フロアパネル10の前縁に相当するフランジ部11には前側クロスメンバ4が、車幅方向内縁に相当するフランジ部11にはトンネルサイドフレーム2が、車幅方向外縁に相当するフランジ部11にはサイドシル3が、後縁に相当するフランジ部11には、後側クロスメンバ5が、夫々接合されている。
さらに、車体骨格部材2,3,4,5は、フロアパネル10のフランジ部11に配置された状態で、該車体骨格部材2,3,4,5のパネル中央側の縁部がフランジ部11のパネル中央側縁部14と平面視で一致するように接合されている(
図4参照)。
【0041】
ここで、フロアパネル10のフランジ部11は、上述したように車体骨格部材が接合されているため、車体骨格部材からフランジ部11へ伝達された振動エネルギーは、該フランジ部11のパネル中央側縁部14からパネル中央側へ連続して延びる平面部13の側へ伝達、分散される。
【0042】
続いて上述した実施形態のフロアパネル10’のパネル形状自体の特長について、従来のフロアパネル10のパネル構造と比較しながら
図5、
図11を用いて説明する。
【0043】
図5、
図11は、何れもフロアパネル10,10’に対して車体骨格部材から共振振動が入力された際に、フロアパネル10,10’の上方又は下方へ周期的に撓み変形する様子を模式的に示す断面図あって、
図5は発明例1のフロアパネル10の変形挙動を示すものであり、
図11は従来例1のフロアパネル10’の変形挙動を示すものである。
【0044】
発明例1のフロアパネル10は
図5に示すように、上述した本実施形態と同様のパネル形状を有しているが、平面部13に振動減衰部材20を備えていない本発明のフロアパネル10の一例を示すものである。
一方、従来例1のフロアパネル10’は
図11に示すように、パネル中央部に中央側程厚み方向(車両上下方向)の一方(当例においては下方)へドーム形状に膨出形成した曲面部12’を備えるとともに曲面部12’の周囲全域に平面部13’を備えている。
【0045】
すなわち、従来例1のフロアパネル10は、平面部13がフランジ部11の内縁と曲面部12の外縁とを平面状に繋ぐように形成されており、曲面部12’が、縁(平面部13’との境界部15’)からパネル中央に向けて全体をドーム形状に形成されている。
まず従来例1のフロアパネル10’に、車体骨格部材2,3,4,5から振動が入力されると、曲面部12’よりも剛性が低い平面部13’が振動する(つまり上下方向に周期的に撓み変形する)。特に共振時においては
図11中の一点鎖線および二点鎖線で示した撓み変形後の形状に示すように、平面部13’が振動すると、その振動につられて剛性が高い曲面部12’が、平面部13’と一緒に振動する。つまり、曲面部12’は剛性が高いため、それ自体が撓み変形しなくても周辺に有する平面部13’の撓み変形につられて上下に変形する。このような場合、車室内の空気が振動し易くなるため、音響放射パワーが大きくなる。
【0046】
なお、フロアパネル10,10’が撓み変形していない静止状態に対して撓み変形後の形状の変化量(
図5、
図11中の面積S参照)の絶対値が大きい程、車室部8内の空気がより振動し易くなる。このようなフロアパネル10,10’の形状の変化量の大きさは、音響放射パワーの大きさに直結する。すなわち、この音響放射パワーが小さい方が車室内のNVH性能を高める点で好ましい。
【0047】
これに対して発明例1においては
図5に示すように、フロアパネル10に振動が入力されると、従来例1と同様に曲面部12よりも剛性が低い平面部13が振動するが、平面部13は曲面部12よりもパネル中央に配しているため、共振時においても曲面部12が振動することなく、よりパネル中央側に有する平面部13のみが振動する。
【0048】
図6は上述した発明例1および従来例1に加えて、これらの平面部13,13’および曲面部12,12’に対して振動減衰部材20を付加(塗布)したフロアパネル(夫々「発明例2」、「従来例2」と称する)の、音響放射パワーのオーバーオール値(以下、「OA値」と称する)を示す。つまり発明例2のフロアパネル10は、上述した実施形態のフロアパネル10(
図1~
図4参照)である。
【0049】
ここで、OA値は、フロアパネル10に対して打撃ヘッドによる各打撃動作での検出信号の周波数分析を行い、打撃毎の分析周波数帯域(80Hz~450Hz)全体の音響放射パワーの総和(二乗和)を算出した値である。
【0050】
図6中のグラフに示すとおり、発明例1は、従来例1よりもOA値を低く抑えることができるとともに、発明例2は、従来例2よりもOA値を低く抑えることができる。
【0051】
しかも
図6より明らかなとおり、発明例1に対する発明例2のOA値の低減率は、従来例1に対する従来例2のOA値の低減率よりも大きかった。
【0052】
すなわち、従来例1のように曲面部12と一体に振動する平面部13よりも、発明例1のように、曲面部12と連動せずに単独で振動する平面部13の方が、振動減衰部材20を付加したことによる、振動エネルギーの消散効果をより顕著に発揮することができる。
【0053】
ちなみに図示省略するが、フロアパネルを、車体骨格部材囲い込み領域6の全体が曲面部12となるように形成した場合、すなわち、平面部13を有しないで形成した場合には、該車体骨格部材囲い込み領域6の全体の剛性が平均化されるため、車体骨格部材囲い込み領域6の全体が一体で振動することが想定されるため好ましくない。
【0054】
次に、発明例1(振動減衰部材20を塗布していない本発明のフロアパネル10)、発明例2(振動減衰部材20を塗布した本発明のフロアパネル10)の2種類について、フロアパネル10全体に対する平面部13の面積割合に応じた振動減衰効果の違い(OA値の大小)を検証するために行った実験について
図7、
図8を用いて説明する。
【0055】
本実験では上記面積割合を、60パーセントから24パーセントの範囲における所定の値(60、52、45、40、30、24パーセント)に設定し、上記2種類のフロアパネル10について上記所定の面積割合ごとのOA値を算出する。
【0056】
図7は、実験結果として算出したOA値のプロット点に基づいて作成したグラフである。
図7中の波形aは、発明例1における、面積割合ごとのOA値を示すとともに、
図7中の波形bは、発明例2における、面積割合ごとのOA値を示す。
【0057】
さらに本実験では、
図7の実験結果を得るための実験に加えて、全体が平面状に形成したフロアパネル(以下、「平面パネル」と称する)(図示省略)を基準とした発明例1の、上記所定の面積割合ごとのOA値の変化量(すなわち発明例1のOA値の平面パネルのOA値に対する面積割合ごとの変化量)も算出した。
【0058】
図8(a)は、その実験結果を示すグラフであり、算出したOA値の変化量のプロット点に基づいて作成したグラフである。
図8(a)中の波形cは、平面パネルに対する発明例1の、上記所定の面積割合ごとのOA値の変化量の関係を示す。
【0059】
さらに
図8(b)は、発明例1のフロアパネル10に振動減衰部材20を付加したことによる振動減衰効果を、上記所定の面積割合ごとに示すグラフである。
図8(b)中の波形dは、
図7中の波形aと波形bとの差分、すなわち発明例1と発明例2との夫々の、OA値の差分と上記所定の面積割合との関係を示す。
【0060】
まず、振動減衰部材20を備えていない発明例1に着目すると、平面部13の面積割合が60パーセントから30パーセントの範囲においては、
図7中の波形aの領域a1から明らかなとおり、面積割合が小さくなるに従ってOA値が低くなるとともに、
図8(a)中の波形cの領域c1から明らかなとおり、面積割合が小さくなるに従ってOA値の変化量が小さくなる。
【0061】
すなわち、
図7中の波形aと
図8(a)中の波形cのいずれの場合も発明例1は、平面部13の面積割合が60パーセントから30パーセントの範囲において、平面部13の面積割合が小さくなるに従って振動減衰効果は高くなった。
【0062】
ここで、平面部13は曲面部12と比して剛性が低く振動し易い特性を有する。このため、上述した結果は、平面部13の面積が小さい程、フロアパネル10の上方の空気を振動させる面積も小さくなることが要因として考えられる。
【0063】
一方、平面部13の面積割合が30パーセントから24パーセントの範囲においては、
図7の波形aの領域a2から明らかなとおり、面積割合が小さくなるに従ってOA値が高くなるとともに、
図8(a)中の波形cの領域c2から明らかなとおり、面積割合が小さくなるに従ってOA値の変化量が大きくなる。
すなわち、
図7中の波形aと
図8(a)中の波形cのいずれの場合も発明例1は、平面部13の面積割合が30パーセントから24パーセントの範囲において、平面部13の面積割合が小さくなるに従って振動減衰効果は逆に低くなった。
【0064】
このような結果は、平面部13の面積割合が小さくなるに従って、曲面部12の曲率が小さくなることから曲面部12の剛性が低下し、結果として所定の面積割合(当例では30パーセント(
図7、
図8(a))参照)を閾値として、該所定の面積割合よりも面積割合が小さくなると曲面部12が振動するモードが発現することが要因として考えられる。
【0065】
すなわち、曲面部12の剛性低下に起因して平面部13と共に曲面部12にも共振が生じ、パネル全体が振動することで、OA値が増大する(
図7中の波形aの領域a2参照)とともにOA値の変化量が小さくなる(
図8(a)中の波形cの領域c2参照)ものと考えられる。
【0066】
そして上述した、
図7中の波形aおよび
図8(a)中の波形cから明らかなとおり、振動減衰部材20を備えていない発明例1は、面積割合が30パーセントのとき、OA値が極小値を示すとともにOA値の変化量が極大値を示し、振動減衰効果が最も高くなる。
【0067】
続いて、振動減衰部材20を備えた発明例2に着目するが、その前に発明例1のフロアパネル10に振動減衰部材20を付加したことによる振動減衰効果を示す
図8(b)中の波形dに基づいて考察する。
図8(b)中の波形dより明らかなとおり、面積割合が60パーセントから24パーセントの範囲において、本実施形態のフロアパネル10のようなパネル形状の場合(
図1~
図5参照)、平面部13の面積割合が高くなればなる程、振動減衰部材20を備えたことによる振動減衰効果が高くなる。
【0068】
この結果は、剛性が低い平面部13の面積が大きくなればなる程、振動し易くなるため、平面部13の振動による歪エネルギーを、該平面部13に塗布した振動減衰部材20によって効率よく消散するうえで有利に作用することが要因として考えられる。
【0069】
すなわち、この結果は、平面部13の振動による歪エネルギーが、振動減衰部材20に蓄積され、熱エネルギーに効率よく変換されることが要因として考えられる。
【0070】
そして、発明例1と同じパネル形状を有するが振動減衰部材20を備えた発明例2における、フロアパネル10全体に対する平面部13の面積割合とOA値の関係は、
図7の波形bに示すような結果となった。
【0071】
図7中の波形bの結果は、上述した
図8(b)中の波形dと
図7中の波形aとの各結果を踏まえた結果となる。具体的には、振動減衰部材20を備えた発明例2については、
図7中の波形bに示すように、平面部13の面積割合が60パーセントから40パーセントの範囲において、面積割合が小さくなるに従ってOA値が低くなるとともに(
図7中の波形bの領域b1参照)、平面部13の面積割合が40パーセントから24パーセントの範囲において、面積割合が小さくなるに従ってOA値が高くなる(
図7中の波形bの領域b2参照)。
【0072】
このように、発明例2は、
図7中の波形bより明らかなとおり、平面部13の面積割合が45パーセントから30パーセントの範囲において、OA値が閾値(28.9dB)以下となるとともに、平面部13の面積割合が40パーセントの時にOA値が極小値を示す結果となった(
図7参照)。
【0073】
また、
図9は、本発明のフロアパネルの平面部の形状の違いに応じた、振動減衰部材20の付加によるOA値の低減値(低減効果)の違いについて検証した実験結果を示す。
【0074】
すなわち、
図9は、本発明に含まれるが形状の異なる3種類のフロアパネルの夫々について、振動減衰部材20の付加によるOA値の低減値を示すものである。
3種類のフロアパネルは、
図9中の横軸に列記したとおり、楕円パネル、長方形パネルおよび正方形パネルである。
楕円パネルは、上述した発明例1のように平面部13の外周形状が楕円形状のフロアパネルを示し(
図2、
図5参照)、長方形パネルは、平面部13の外周形状が長方形状のフロアパネルを示し(
図10(c)参照)、正方形パネルは、平面部13の外周形状が正方形状のフロアパネルを示している(
図10(d)参照)。特に、長方形パネルは、平面部13とパネルとの夫々の外周形状が共に長方形状に形成されているが、長手方向および短手方向が互いに一致するとともに、長手方向と短手方向との比(縦横比)も略一致するものとする。
【0075】
図9に示すように、振動減衰部材20の付加によるOA値の低減値(低減効果)は、楕円パネルが、長方形パネルおよび正方形パネルと比して倍以上の高い値を示した。
【0076】
すなわち、本発明は、上述した実施形態のフロアパネル10(楕円パネル)の形状に限定せず、長方形パネルや正方形パネルのようなフロアパネルを備えた構成を採用してもよいが、
図9の結果より、楕円パネル、すなわち上述した実施形態のフロアパネル10が、振動減衰部材20の付加による振動減衰効果が効率よく発揮できる点で好ましい。
【0077】
図1に示すように、本実施形態の車両の車体構造は、閉断面部2s,3s,4s,5s,7s(閉断面空間)を備えた車体骨格部材2,3,4,5,7と、エンジン又は/及びサスペンションからフロントサイドフレーム7等の車体骨格部材2,3,4,5,7を経由して振動が伝達されるパネル部材としてのフロアパネル10とを備えた車両の車体構造であって、
図2~
図4に示すように、フロアパネル10は、パネル外周縁に平面状に形成されるとともにトンネルサイドフレーム2とサイドシル3と前後各側のクロスメンバ4,5(車体骨格部材)がパネル外周縁に沿って接合されるフランジ部11と、フランジ部11のパネル中央側縁部14から連続してパネル中央側程下方に膨出するように湾曲する曲面部12と、曲面部12のパネル中央側縁部から連続してパネル中央側へ延びる平面部13とを備えたものである。
【0078】
上記構成によれば、曲面部12は曲面であることにより剛性が高いことに加え外縁に有するフランジ部11が車体骨格部材2,3,4,5に接合されることより拘束されているため、共振するのは平面部13のみとなるため、フロアパネル10全体が振動するモードを抑制することが可能となる。
【0079】
すなわち、上記構成によれば、車体骨格部材2,3,4,5に拘束されるフランジ部11よりもパネル中央側において、剛性差を有する曲面部12と平面部13とを備えるとともに、剛性が低い平面部13の振動につられて剛性の高い曲面部12が平面部13と一体に振動することがないレイアウトで曲面部12と平面部13とを設けたため、共振するのは平面部13のみとなり、フロアパネル10全体としての振動を低減することができる。
【0080】
この発明の態様として、曲面部12と平面部13とに振動減衰部材20を塗布したものである。
【0081】
上記構成によれば
図2~
図4に示すように、曲面部12に比して剛性が低いために振動し易い、少なくとも平面部13に、振動減衰部材20を塗布することで、歪エネルギーが振動減衰部材20に蓄積され、熱エネルギーとして消散(変換)されるため、フロアパネル10の振動を効果的に減衰することができる。
【0082】
この発明の態様として
図7中の波形bに示すように、振動減衰部材20を備えた平面部13は、フロアパネル10の全体に対して30パーセントから45パーセントの範囲内の面積割合で設けることが好ましい(
図7参照)。
【0083】
上記構成によれば、平面部13を小さく設定すればする程、共振による空気を振動させる影響を抑制することができる(つまりNVH性能が向上することができる)。一方で、平面部13を小さく設定しすぎるとフロアパネル10全体における曲面部12の面積割合が大きくなり、平面部13の振動につられて曲面部12が平面部13と一体に振動するという、フロアパネル10全体が共振するモードが発生する。
【0084】
従って、上述した適切な面積割合で平面部13を設定することで、フロアパネル10全体の振動をさらに抑制することができる。
【0085】
この発明の態様として、平面部13は、該平面部13の外周縁部15が、長方形状のフロアパネル10の縦横比と略同じ縦横比となるとともに、該フロアパネルと長手方向および短手方向が略一致する長円又は楕円形状で形成されたものである。
【0086】
上記構成によれば、平面部13の中でも、角部周辺(平面視で平面部13の隅部に相当する部位)は、該角部周辺よりも中央側と比して振動し難いため、平面部13に備えた振動減衰部材20のうち、角部周辺に備えた振動減衰部材20は、中央側に備えた振動減衰部材20と比して歪エネルギーの蓄積量が低減するおそれがある。
【0087】
これに対して、平面部13を角部を有しない円形状で形成することで、平面部13全体を振動させることができるため、平面部13に備えた振動減衰部材20によって歪エネルギーを効率よく蓄積して熱エネルギーへと変換することができる。よって、平面部13に備える振動減衰部材20の質量効率を高めることができる。
【0088】
なお、平面部13の外周縁部15が円形状である場合、曲面部12を、フロアパネル10の短手方向(車両前後方向)又は長手方向(車幅方向)に沿った直交断面のみならず、上下方向に直交する直交断面においても湾曲形成することができる。すなわち、平面部13の外周縁部15が円形状である場合、曲面部12を、1方向のみに湾曲する2次元的な湾曲形状ではなく、2方向に湾曲する3次元的な湾曲形状として形成することができる。
【0089】
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
【0090】
本発明のフロアパネルは、上述した実施形態のフロアパネル10のように、平面部131の外周縁部151を、上述したように楕円形状に形成するに限らず、
図10(a)に示す変形例1のフロアパネル101のように他の円形状として例えば、正円形状に形成してもよい。
【0091】
或いは、本発明のフロアパネルは、
図10(b)に示す変形例2のフロアパネル102のように、平面部132の外周縁部152を他の円形状として例えば、長円形状(互いに離間した同じ大きさの2つの正円同士を接線方向に延びる直線で繋いだ外形形状)に形成してもよい。
【0092】
また、本発明のフロアパネルは、
図10(c)に示す変形例3のフロアパネル103のように、平面部133の外周縁部153を長方形状に形成する、或いは、
図10(d)に示す変形例4のフロアパネル104のように、平面部134の外周縁部154を正方形状に形成してもよい。すなわち、本発明のフロアパネルは、上述したように、長方形パネル或いは正方形パネルとして形成してもよい(
図9参照)。
【0093】
さらにまた、本発明のフロアパネルは、
図10(a)に示す変形例1のフロアパネル101のように、平面部131は、その中心が、フロアパネル101の平面視中心と一致した位置に設けるに限らず、
図10(e)に示す変形例5のフロアパネル105のように、平面部135は、その中心が、フロアパネル105の平面視中央位置に対して偏心した位置に設けてもよい。
なお、
図10(e)は、変形例5のフロアパネル105として、平面部135の外周縁部155が正円形状の場合を例に採り図示したが、言うまでもなくパネル中心から偏心した平面部の外周縁部は、他の形状であってもよい。
なお、
図10(a)~
図10(e)は、上述した実施形態のフロアパネル10と同一の形態の部位については同一の符号を付してその説明を省略している。
【0094】
また本発明のフロアパネルは、振動減衰部材20を少なくとも平面部13に備えた構成であれば、上述した実施形態のフロアパネル10のように、曲面部12と平面部13との双方に備えた構成に限らず、平面部13のみに備えた構成を採用してもよい。
【0095】
また、振動減衰部材20はフロアパネル10の下面側から塗布するに限らず、上面側のみ、或いは上下両面に塗布した構成を採用してもよい。
【0096】
さらにまた、平面部13は、全体が完全な平面で形成するに限らず、剛性や機能の観点でフロアパネル10として実用上適用できる範囲でビード(凸部)、溝(凹部)又は/及び水抜き穴等の部分的に上下方向に形状が変化する部位を有する平面状に形成したものも含む。
【0097】
また、本発明のフロアパネルは、上述した実施形態のフロアパネル10のように、フランジ部11に対して平面部13が下方に位置するように凹状に形成するに限らず、平面部が上方(車室側)に位置するように凸状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0098】
2…トンネルサイドフレーム(車体骨格部材)
2s…トンネルサイドフレームの閉断面部
3…サイドシル(車体骨格部材)
3s…サイドシルの閉断面部
4…前側のクロスメンバ(車体骨格部材)
4s…前側のクロスメンバの閉断面部
5…後側のクロスメンバ(車体骨格部材)
5s…後側のクロスメンバの閉断面部
6…車体骨格部材囲い込み領域
7…フロントサイドフレーム(車体骨格部材)
7s…フロントサイドフレームの閉断面部
10,101,102,103,104,105…フロアパネル(パネル部材)
11…フランジ部
12…曲面部
13…平面部
14…フランジ部のパネル中央側縁部
15…曲面部のパネル中央側縁部
20…振動減衰部材