IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー株式会社の特許一覧

特許7384158画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム
<>
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図1
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図2
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図3
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図4
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図5
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図6
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図7
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図8
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図9
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図10
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図11
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図12
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図13
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図14
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図15
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図16
  • 特許-画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20231114BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20231114BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20231114BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20231114BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20231114BHJP
【FI】
H04N23/60 300
H04N7/18 D
G08G1/00 A
G16Y10/40
G16Y20/10
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020527255
(86)(22)【出願日】2019-05-10
(86)【国際出願番号】 JP2019018771
(87)【国際公開番号】W WO2020003764
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-03-18
(31)【優先権主張番号】P 2018120202
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】青木 卓
(72)【発明者】
【氏名】山本 啓太郎
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/038100(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/212639(WO,A1)
【文献】特開2016-127564(JP,A)
【文献】特開2016-063251(JP,A)
【文献】国際公開第2018/225596(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
H04N 7/18
G08G 1/00
G16Y 10/40
G16Y 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理部と、
前記画像信号処理部の生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析部と、
前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定部と、
前記送信要否判定部の判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信部と、
前記画像解析部におけるカラー画像解析結果と、前記外部サーバにおけるRAW画像解析結果を出力する出力部を有し、
前記送信部は、前記画像解析部におけるカラー画像解析処理の実行中に、外部サーバへのRAW画像送信処理を並列に実行し、
前記出力部は、前記画像解析部におけるカラー画像解析結果を継続的に出力するとともに、前記外部サーバから間欠的に入力するRAW画像解析結果を間欠的に出力する画像処理装置。
【請求項2】
前記送信要否判定部は、
前記RAW画像の外部サーバに対する送信処理を、予め規定した時間周期、またはフレーム周期単位とする送信タイミング制御を実行する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記送信要否判定部は、
前記RAW画像の撮影パラメータ、または前記RAW画像に対して前記画像信号処理部が適用した信号処理パラメータの少なくともずれかのパラメータに基づいて、前記RAW画像の外部サーバに対する送信要否を決定する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記撮影パラメータ、および信号処理パラメータは、シャッタースピード、アナログゲイン、デジタルゲイン、ホワイトバランス制御値、ハイダイナミックレンジ制御値の少なくともいずれかを含む請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記送信要否判定部は、
前記画像解析部における解析結果情報に基づいて、前記RAW画像の外部サーバに対する送信要否を決定する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像解析部における解析結果情報は、前記カラー画像からの検出オブジェクト対応の認識結果確信度、または認識クラスの少なくともいずれかの情報を含む請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記送信要否判定部は、
前記画像処理装置の装置情報に基づいて、前記RAW画像の外部サーバに対する送信要否を決定する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記装置情報は、前記画像処理装置のバスを流れる情報、前記撮像素子の欠陥画素数、前記画像処理装置の異常検出情報の少なくともいずれかの情報を含む請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記送信要否判定部は、
前記外部サーバから入力するRAW画像送信要否判定情報に基づいて、前記RAW画像の外部サーバに対する送信要否を決定する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記外部サーバから入力するRAW画像送信要否判定情報は、前記画像処理装置が前記外部サーバに送信したカラー画像に対する前記外部サーバの解析結果に基づく判定情報である請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記送信要否判定部は、
前記RAW画像に併せて、前記RAW画像の撮影パラメータ、または前記RAW画像に対して前記画像信号処理部が適用した信号処理パラメータの少なくともいずれかのパラメータを外部サーバに送信するか否かを決定する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記送信部は、
前記RAW画像に併せて、前記RAW画像の撮影パラメータ、または前記RAW画像に対して前記画像信号処理部が適用した信号処理パラメータの少なくともいずれかのパラメータを外部サーバに送信する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項13】
移動装置に装着された撮像部と、
前記撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理部と、
前記画像信号処理部の生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析部と、
前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定部と、
前記送信要否判定部の判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信部と、
前記画像解析部におけるカラー画像解析結果と、前記外部サーバにおけるRAW画像解析結果を出力する出力部を有し、
前記送信部は、前記画像解析部におけるカラー画像解析処理の実行中に、外部サーバへのRAW画像送信処理を並列に実行し、
前記出力部は、前記画像解析部におけるカラー画像解析結果を継続的に出力するとともに、前記外部サーバから間欠的に入力するRAW画像解析結果を間欠的に出力する移動装置。
【請求項14】
前記送信要否判定部は、
前記RAW画像の外部サーバに対する送信処理を、予め規定した時間周期、またはフレーム周期単位とする送信タイミング制御処理を実行する請求項13に記載の移動装置。
【請求項15】
前記送信要否判定部は、
前記RAW画像の撮影パラメータ、または前記RAW画像に対して前記画像信号処理部が適用した信号処理パラメータの少なくともずれかのパラメータ、または、
前記画像解析部における解析結果情報、または、
前記画像解析部を有する画像処理装置の装置情報、または、
前記外部サーバから入力するRAW画像送信要否判定情報の少なくともいずれかの情報に基づいて、前記RAW画像の外部サーバに対する送信要否を決定する請求項13に記載の移動装置。
【請求項16】
画像処理装置とサーバを有する画像処理システムであり、
前記画像処理装置は、
撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理部と、
前記画像信号処理部の生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析部と、
前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定部と、
前記送信要否判定部の判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信部と、
前記画像解析部におけるカラー画像解析結果と、前記外部サーバにおけるRAW画像解析結果を出力する出力部を有し、
前記サーバは、
前記画像処理装置からRAW画像を受信してRAW画像の解析処理を実行する構成であり、
前記画像処理装置の前記送信部は、前記画像解析部におけるカラー画像解析処理の実行中に、外部サーバへのRAW画像送信処理を並列に実行し、
前記画像処理装置の前記出力部は、前記画像解析部におけるカラー画像解析結果を継続的に出力するとともに、前記外部サーバから間欠的に入力するRAW画像解析結果を間欠的に出力する画像処理システム。
【請求項17】
画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
画像信号処理部が、撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理ステップと、
画像解析部が、前記画像信号処理ステップにおいて生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析ステップと、
送信要否判定部が、前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定ステップと、
送信部が、前記送信要否判定ステップの判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信ステップと、
出力部が、前記画像解析ステップにおけるカラー画像解析結果と、前記外部サーバにおけるRAW画像解析結果を出力する出力ステップを有し、
前記送信ステップは、前記画像解析部におけるカラー画像解析処理の実行中に、外部サーバへのRAW画像送信処理を並列に実行するステップであり、
前記出力ステップは、前記画像解析部におけるカラー画像解析結果を継続的に出力するとともに、前記外部サーバから間欠的に入力するRAW画像解析結果を間欠的に出力するステップである画像処理方法。
【請求項18】
画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
画像信号処理部に、撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成させる画像信号処理ステップと、
画像解析部に、前記画像信号処理ステップにおいて生成したカラー画像の解析処理を実行させる画像解析ステップと、
送信要否判定部に、前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定させる送信要否判定ステップと、
送信部に、前記送信要否判定ステップの判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信させる送信ステップと、
出力部に、前記画像解析ステップにおけるカラー画像解析結果と、前記外部サーバにおけるRAW画像解析結果を出力する出力ステップを実行させ、
前記送信ステップは、前記画像解析部におけるカラー画像解析処理の実行中に、外部サーバへのRAW画像送信処理を並列に実行させるステップであり、
前記出力ステップは、前記画像解析部におけるカラー画像解析結果を継続的に出力するとともに、前記外部サーバから間欠的に入力するRAW画像解析結果を間欠的に出力させるステップであるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細には、例えば自動車等の移動装置に備えられたカメラの撮影画像の解析を行い、人等の障害物を検出する画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の走行を行う際、カメラ撮影画像の解析によって、進行方向に人等の障害物があるか否かを確認するシステムが多く利用されている。
【0003】
画像解析を行う場合、カメラの撮像素子(イメージセンサ)の出力であるRAW画像に対する画像信号処理後の画像、例えばデモザイク処理やホワイトバランス調整処理後のRGB画像等のカラー画像を利用した解析を行うのが一般的である。しかし、RAW画像とRGB画像を比較すると、RAW画像の方が情報量が多く、RAW画像を用いた解析を行うことでより詳細な画像解析結果を取得することができる。
【0004】
なお、RAW画像を用いた画像解析について開示した従来技術として特許文献1(特開2009-239772号公報)等がある。
しかし、RAW画像は、RGB画像より情報量が多いため、例えばデータ転送、データ処理に時間を要するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-239772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、自動車等の移動装置に装着されたカメラの撮影画像を利用して人や障害物等の検出を行う構成において、カメラの撮像素子(イメージセンサ)からの出力であるRAW画像を選択的にサーバに送信してサーバ側でRAW画像の解析を行わせる。サーバに対する選択的なRAW画像送信処理を行うことで、移動装置内の処理負荷を大きくすることなく、高精度な解析結果を取得可能とした画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の側面は、
撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理部と、
前記画像信号処理部の生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析部と、
前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定部と、
前記送信要否判定部の判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信部を有する画像処理装置にある。
【0008】
さらに、本開示の第2の側面は、
移動装置に装着された撮像部と、
前記撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理部と、
前記画像信号処理部の生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析部と、
前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定部と、
前記送信要否判定部の判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信部を有する移動装置にある。
【0009】
さらに、本開示の第3の側面は、
画像処理装置とサーバを有する画像処理システムであり、
前記画像処理装置は、
撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理部と、
前記画像信号処理部の生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析部と、
前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定部と、
前記送信要否判定部の判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信部を有し、
前記サーバは、
前記画像処理装置からRAW画像を受信してRAW画像の解析処理を実行する画像処理システムにある。
【0010】
さらに、本開示の第4の側面は、
画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
画像信号処理部が、撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理ステップと、
画像解析部が、前記画像信号処理ステップにおいて生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析ステップと、
送信要否判定部が、前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定ステップと、
送信部が、前記送信要否判定ステップの判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信ステップを実行する画像処理方法にある。
【0011】
さらに、本開示の第5の側面は、
画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
画像信号処理部に、撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成させる画像信号処理ステップと、
画像解析部に、前記画像信号処理ステップにおいて生成したカラー画像の解析処理を実行させる画像解析ステップと、
送信要否判定部に、前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定させる送信要否判定ステップと、
送信部に、前記送信要否判定ステップの判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信させる送信ステップを実行させるプログラムにある。
【0012】
なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0013】
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本開示の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一実施例の構成によれば、高精度な画像解析が必要な場合等、規定条件に従って選択されたRAW画像のみを選択してサーバに送信する構成が実現される。
具体的には、例えば、移動装置に装着された撮像部と、撮像部の撮像素子出力であるRAW画像の信号処理によりカラー画像を生成する画像信号処理部と、カラー画像解析処理を実行する画像解析部と、RAW画像のサーバに対する送信要否を判定する送信要否判定部と、判定結果に従ってRAW画像を外部サーバに送信する送信部を有する。送信要否判定部は、一定周期の送信タイミング制御、または撮影、信号処理パラメータや画像解析結果、装置情報等に基づいて、RAW画像の送信要否を決定する。
本構成により、高精度な画像解析が必要な場合等、規定条件に従って選択されたRAW画像のみを選択してサーバに送信する構成が実現される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の構成と処理の概要について説明する図である。
図2】本開示の画像処理装置の構成例について説明する図である。
図3】本開示の画像処理装置の実行する処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
図4】本開示の画像処理装置の構成例について説明する図である。
図5】撮影パラメータと信号処理パラメータについて説明する図である。
図6】本開示の画像処理装置の実行する処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
図7】本開示の画像処理装置の構成例について説明する図である。
図8】画像解析部の生成する解析結果情報の例について説明する図である。
図9】本開示の画像処理装置の実行する処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
図10】本開示の画像処理装置の構成例について説明する図である。
図11】本開示の画像処理装置の構成例について説明する図である。
図12】装置情報の例について説明する図である。
図13】本開示の画像処理装置の実行する処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
図14】本開示の画像処理装置の構成例について説明する図である。
図15】本開示の画像処理装置の構成例について説明する図である。
図16】本開示の画像処理装置の実行する処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
図17】画像処理装置のハードウェア構成例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本開示の画像処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行なう。
1.本開示の構成と処理の概要について
2.画像処理装置の構成と処理の具体例について
2-1.(実施例1)一定周期で間欠的にRAW画像送信を行う実施例
2-2.(実施例2)パラメータに基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例
2-3.(実施例3)画像解析結果に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例
2-4.(実施例4)装置情報に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例
2-5.(実施例5)サーバにおけるカラー画像解析結果に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例
3.画像処理装置のハードウェア構成例について
4.本開示の構成のまとめ
【0017】
[1.本開示の構成と処理の概要について]
まず、図1以下を参照して、本開示の構成と処理の概要について説明する。
図1は、本開示の構成と処理の概要について説明する図である。
なお、以下の実施例では、移動装置の一例として自動車(車両)10の例を説明するが、本開示の処理は、自動車以外の様々な移動装置において利用可能である。
例えば、物流ロボット等のロボット型移動体やドローン等にも適用可能である。
【0018】
図1に示すように、自動車10は、カメラ11を装着している。
なお、以下の実施例では、自動車10の前方を撮影するカメラ11の撮影画像を利用した実施例について説明するが、本開示の構成、処理は、前方を撮影するカメラに限らず、後方等、その他の様々な方向を撮影するカメラの撮影画像に対して適用することも可能である。また、カメラ11としては、通常の画像撮影を行うカメラ、あるいは魚眼レンズのような広角レンズを備えたカメラも利用可能である。
【0019】
自動車10は、ネットワーク30を介してサーバ20と通信可能な構成を持つ。
自動車10のカメラ11の撮像素子(イメージセンサ)の出力であるRAW画像41は、図に示すように、ネットワークを介してサーバ20に送信される。
サーバ20は、このRAW画像に基づく画像解析を実行する。
【0020】
図1の右側には、自動車10に装着された画像処理部の構成と、サーバ20内の画像処理部の構成を示している。図1の右下に示す自動車10に装着された画像処理部の構成について説明する。
カメラ11の撮像素子(イメージセンサ)の出力であるRAW画像41は、画像信号処理部(ISP:Image Signal Processor)12において画像処理が実行される。例えば各画素にRGB画素値を設定するデモザイク処理や、ホワイトバランス調整処理等、カラー画像(例えばRGB画像)を生成するための処理が実行される。
【0021】
画像信号処理部(ISP)12において生成されたRGB画像43は、画像解析部13に入力される。画像解析部13は、RGB画像43を用いた画像解析を実行し、例えば人や障害物等の検出処理を行う。画像解析部13において生成されたRGB画像解析結果44は、出力部(表示部)14に出力される。
例えば人検出がなされた場合、人領域に検出枠を表示する等の警告表示を行う。
【0022】
一方、サーバ20は、自動車10から受信したRAW画像41を画像解析部21、学習処理部22に入力する。画像解析部21は、RAW画像41を用いた画像解析を実行し、例えば人や障害物等の検出処理を行う。画像解析部21において生成されたRAW画像解析結果42は、ネットワーク30を介して自動車10に送信され、自動車10の出力部(表示部)14に出力される。
【0023】
なお、サーバ20の画像解析部21の解析結果は、学習処理部22に入力される。学習処理部22は、RAW画像41と画像解析部21の解析結果を入力して、人やその他のオブジェクト検出に関する学習処理を実行し、画像解析によるオブジェクト顕出の精度を高めるための学習データを生成して学習データ記憶部23に格納する。画像解析部21による画像解析に際しては、この学習データ記憶部23に格納された学習データを参照した解析処理が実行される。このような学習データを利用した解析により、より高精度なオブジェクト検出や特定処理が可能となる。
【0024】
本開示の構成では、図1に示すように、自動車10に装着されたカメラ11の撮像素子(イメージセンサ)の出力であるRAW画像41をサーバ20に送信して、サーバ20においてRAW画像の解析を実行する。RAW画像はRGB画像に比較して、情報量が多いため、高精度な解析結果を得ることができる。
【0025】
しかし、RAW画像はデータ量が多いため、カメラ11から出力される全てのRAW画像を継続的にサーバ20に送信する処理を行うと、自動車10側の処理負荷やネットワーク帯域の負荷が過大になる。結果としてデータ送信遅延や自動車10側の画像処理部の処理遅延等が発生する可能性がある。
【0026】
このような問題を解決するため、自動車10の画像処理装置は、カメラ11から出力されるRAW画像の一部のみを選択的にサーバ20に送信する。以下、この処理を実行する画像処理装置の構成と処理の具体例について説明する。
【0027】
[2.画像処理装置の構成と処理の具体例について]
図2以下を参照して、自動車内に構成される画像処理装置の構成と処理の具体例について説明する。
以下の複数の実施例について、順次、説明する。
(実施例1)一定周期で間欠的にRAW画像送信を行う実施例
(実施例2)パラメータに基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例
(実施例3)画像解析結果に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例
(実施例4)装置情報に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例
(実施例5)サーバにおけるカラー画像解析結果に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例
【0028】
(2-1.(実施例1)一定周期で間欠的にRAW画像送信を行う実施例)
まず、図2以下を参照して、本開示の画像処理装置の実施例1として、一定周期で間欠的にRAW画像送信を行う実施例について説明する。
図2を参照して、実施例1の画像処理装置100の構成例について説明する。
【0029】
図2に示す画像処理装置100は自動車10の内部に構成される画像処理装置である。画像処理装置100は、撮像部(カメラ)101、画像信号処理部(ISP:Image Signal Processor)102、画像解析部103、パラメータ取得部104、送信バッファ105、送信部106、送信タイミング制御部107を有する。
【0030】
撮像部(カメラ)101の撮像素子(イメージセンサ)からの出力であるRAW画像111は、画像信号処理部(ISP)102に入力される。画像信号処理部(ISP)102は、RAW画像111に対する画像信号処理を実行する。例えば各画素にRGB画素値を設定するデモザイク処理や、ホワイトバランス調整処理等、カラー画像(例えばRGB画像)を生成するための処理を実行する。
【0031】
画像信号処理部(ISP)102において生成されたRGB画像112は、画像解析部103に入力される。画像解析部103は、RGB画像112を用いた画像解析を実行し、例えば人や障害物等の検出処理を行う。画像解析部103において生成されたRGB画像解析結果は、図示しない出力部(表示部)等に出力される。例えば人検出がなされた場合、人領域に検出枠を表示する等の警告表示が行われる。
【0032】
パラメータ取得部104は、撮像部101における画像撮影時の撮影パラメータ121と、画像信号処理部(ISP)102における信号処理パラメータ122を取得する。
例えば、撮影パラメータには、シャッタースピード、アナログゲイン等が含まれる。また、信号処理パラメータには、デジタルゲイン、ホワイトバランス(AWB)制御値や、ハイダイナミックレンジ(HDR)制御値等が含まれる。
【0033】
パラメータ取得部104の取得した撮影&信号処理パラメータ123は、撮像部(カメラ)101の撮像素子(イメージセンサ)からの出力であるRAW画像111とともに送信バッファ105に格納される。
【0034】
送信部106は、送信バッファ105に格納されたRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123をサーバ20に送信する。
ただし、前述したように、RAW画像はデータ量が多いため、撮像部(カメラ)101の撮像素子(イメージセンサ)から出力される全てのRAW画像を継続的にサーバ20に送信する処理を行うと自動車10側の処理負荷、ネットワーク帯域の負荷が過大になり、自動車10の画像処理部100の処理遅延やデータ転送遅延等が発生する可能性がある。
【0035】
本実施例では、このような問題を防止するため、送信要否判定部として機能する送信タイミング制御部107において、RAW画像送信を一定の周期ごと、間欠的に実行する。例えばNフレーム毎、あるいはMsec毎等、一定の周期で選択されたRAW画像のみをサーバ20に送信する。
【0036】
サーバ20に送信するデータは、例えば、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123である。撮影&信号処理パラメータ123は、RAW画像111の撮影時の撮影パラメータと、このRAW画像111に対する画像信号処理に適用された画像信号処理パラメータからなるパラメータセットである。
【0037】
なお、本実施例を含め、以下に説明する実施例では、自動車側の画像処理装置100からサーバ20に対して、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を送信する例について説明するが、いずれの実施例においても、RAW画像のみを送信する構成や、RAW画像と撮影パラメータ、あるいはRAW画像と信号処理パラメータを送信する構成等、様々な設定が可能である。
【0038】
本実施例1では、送信要否判定部として機能する送信タイミング制御部107において、RAW画像送信を一定の周期ごと、間欠的に実行する構成としたので、自動車側の処理負荷や転送帯域の過剰な利用を発生させることなく、データ転送遅延、処理遅延を発生させることのないスムーズな処理が可能となる。
【0039】
次に、図3に示すフローチャートを参照して本実施例1の処理シーケンスについて説明する。
なお、図3に示すフローに従った処理は、例えば、画像処理装置100の記憶部に格納されたプログラムに従って実行することが可能であり、例えばCPU等のプログラム実行機能を持つ制御部の制御の下で実行される。以下、図3に示すフローの各ステップの処理について順次、説明する。
【0040】
(ステップS101)
まず、ステップS101においてRAW画像を取得する。
図3に示す撮像部(カメラ)101の撮像素子(イメージセンサ)からの出力であるRAW画像を取得する。
【0041】
(ステップS102)
ステップS102と、ステップS103~S105のの処理は並列に実行可能な処理である。
まず、ステップS102において、撮影パラメータを取得する。この処理は、図3に示すパラメータ取得部104の実行する処理である。撮影パラメータは、撮像部(カメラ)101における画像撮影時のパラメータであり、例えば、シャッタースピード、アナログゲイン等のパラメータである。
【0042】
(ステップS103)
ステップS103は、図3に示す画像信号処理部(ISP)102の実行する画像信号処理である。画像信号処理部(ISP)102は、撮像部(カメラ)101の撮像素子(イメージセンサ)からの出力であるRAW画像を入力して、RAW画像111に対する画像信号処理を実行する。例えば各画素にRGB画素値を設定するデモザイク処理や、ホワイトバランス調整処理等、カラー画像(例えばRGB画像)を生成するための処理を実行する。
【0043】
(ステップS104)
ステップS104において、信号処理パラメータを取得する。この処理は、図3に示すパラメータ取得部104の実行する処理である。信号処理パラメータは、画像信号処理部102における画像信号処理時に適用した信号処理パラメータであり、例えば、デジタルゲイン、ホワイトバランス(AWB)制御値や、ハイダイナミックレンジ(HDR)制御値等のパラメータである。
【0044】
(ステップS105)
ステップS105は、画像解析部103の実行する画像解析処理である。画像解析部103は、画像信号処理部102が生成したRGB画像を用いた画像解析を実行し、例えば人や障害物等の検出処理を行う。画像解析部103において生成されたRGB画像解析結果は、図示しない出力部(表示部)等に出力される。例えば人検出がなされた場合、人領域に検出枠を表示する等の警告表示が行われる。
【0045】
(ステップS106)
ステップS106は、送信タイミング判定処理であり、図3に示す送信タイミング制御部107の実行する処理である。送信タイミング制御部107は、サーバに対する送信データ、すなわち、RAW画像と、RAW画像の撮影パラメータと信号処理パラメータの送信タイミングを決定する。具体的には、例えばNフレーム毎、あるいはMsec毎等、一定周期の送信タイミングでサーバにRAW画像とパラメータを送信する。
ステップS106では規定の送信タイミングになったか否かを判定する。規定の送信タイミングであると判定した場合はステップS107に進み、それ以外は待機する。
【0046】
(ステップS107)
ステップS106において、規定の送信タイミングになったと判定されると、ステップS107に進む。ステップS107では、送信部106が、サーバ20に対して、RAW画像と、RAW画像の撮影時の撮影パラメータと信号処理パラメータを送信する。
【0047】
上述したように、本実施例1では、サーバに対するRAW画像送信を一定の周期ごと、間欠的に実行する構成としたので、自動車側の処理負荷や転送帯域の過剰な利用を発生させることなく、データ転送遅延、処理遅延を発生させることのないスムーズな処理が可能となる。
【0048】
(2-2.(実施例2)パラメータに基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例)
次に、図4以下を参照して、本開示の画像処理装置の実施例2として、パラメータに基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例について説明する。
図4を参照して、実施例2の画像処理装置100の構成例について説明する。
【0049】
図4に示す画像処理装置100は、先に(実施例1)として説明した図2に示す画像処理装置100とほぼ同様の構成である。異なる点は、図2に示す送信タイミング制御部107を削除し、送信要否判定部201を追加した点である。
その他の構成は、同様の構成であるので説明を省略し、実施例1との相違点のみについて説明する。
【0050】
送信要否判定部201は、パラメータ取得部104の取得したパラメータを入力する。すなわち、パラメータ取得部104の取得した撮影&信号処理パラメータ123を入力する。撮影&信号処理パラメータ123は、撮像部101における画像撮影時の撮影パラメータ121と、画像信号処理部(ISP)102における信号処理パラメータ122によって構成される。
例えば、撮影パラメータには、シャッタースピード、アナログゲイン等が含まれる。また、信号処理パラメータには、デジタルゲイン、ホワイトバランス(AWB)制御値や、ハイダイナミックレンジ(HDR)制御値等が含まれる。
【0051】
送信要否判定部201は、これらのパラメータに基づいて、サーバ20に、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を送信する必要があるか否かを判定する。
サーバ20に対するデータ送信要否判定処理に利用されるパラメータの例を図5に示す。図5に示すように、サーバ20に対するデータ送信要否判定処理に利用されるパラメータとして、以下のパラメータがある。
(1)撮影パラメータ
(1a)シャッタースピード、
(1b)アナログゲイン
(2)信号処理パラメータ
(2a)デジタルゲイン
(2b)ホワイトバランス(AWB)制御値
(2c)ダイナミックレンジ(HDR)制御値
【0052】
送信要否判定部201は、これらのパラメータに基づいて、サーバ20に、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を送信する必要があるか否かを判定する。例えば、シャッタースピードが低速である場合、夜間等の暗い環境での撮影が行われた可能性が高い。このような場合、RGB画像の解析では高精度な解析結果が得られる可能性が低下する。この場合には、サーバ20に対するRAW画像とパラメータを送信し、サーバ20でRAW画像に基づく画像解析を実行させるといった設定である。
【0053】
なお、送信要否判定部201には、予め図5に示す各パラメータに対するしきい値をメモリに格納しており、入力パラメータとしきい値を比較してサーバに対すするデータ送信要否を判定する。
送信要否判定部201における判定結果、すなわちサーバ20に対するRAW画像とパラメータ送信が必要であるか不要であるかの情報は、送信部106に出力される。
【0054】
送信部106は、送信要否判定部201から送信要との判定結果が入力された場合に限り、送信バッファ105に格納されたRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を取得してサーバ20に送信する。
【0055】
本実施例2では、送信要否判定部201が、RAW画像に基づく解析を実行すべきであるか否かを撮影パラメータと信号処理パラメータに基づいて判定し、RAW画像に基づく解析を実行すべきと判定した場合にのみ、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123をサーバ20に送信する。
本実施例2でも、前述した実施例1と同様、RAW画像の送信処理が選択的に実行されることになり、自動車側の処理負荷や転送帯域の過剰な利用を発生させることなく、データ転送遅延、処理遅延を発生させることのないスムーズな処理が可能となる。
【0056】
次に、図6に示すフローチャートを参照して本実施例2の処理シーケンスについて説明する。
なお、図6に示すフローに従った処理は、例えば、画像処理装置100の記憶部に格納されたプログラムに従って実行することが可能であり、例えばCPU等のプログラム実行機能を持つ制御部の制御の下で実行される。以下、図6に示すフローの各ステップの処理について順次、説明する。
【0057】
(ステップS201~S205)
ステップS201~S205の処理は、先の実施例1において説明した図3に示すフローのステップS101~S105の処理と同様の処理であるので簡潔に説明する。
【0058】
まず、ステップS201においてRAW画像を取得する。
図4に示す撮像部(カメラ)101の撮像素子(イメージセンサ)からの出力であるRAW画像を取得する。
次に、ステップS202において、パラメータ取得部104が撮像部(カメラ)101における画像撮影時のパラメータ、例えば、シャッタースピード、アナログゲイン等のパラメータを取得する。
さらにステップS203において、画像信号処理部(ISP)102がRAW画像に対する画像信号処理を行う。例えばデモザイク処理や、ホワイトバランス調整処理等、カラー画像(例えばRGB画像)を生成する処理を実行する。
【0059】
ステップS204において、パラメータ取得部104が、画像信号処理部102における画像信号処理に適用した信号処理パラメータ、例えば、デジタルゲイン、ホワイトバランス(AWB)制御値や、ハイダイナミックレンジ(HDR)制御値等のパラメータを取得する。
ステップS205は、画像解析部103におけるRGB画像を用いた画像解析処理である。例えば人や障害物等の検出処理を行う。画像解析部103において生成されたRGB画像解析結果は、図示しない出力部(表示部)等に出力される。例えば人検出がなされた場合、人領域に検出枠を表示する等の警告表示が行われる。
【0060】
(ステップS206~S207)
ステップS206~S207は、図4に示す送信要否判定部201の実行する撮影&信号処理パラメータ123に基づくRAW画像のサーバへの送信要否を判定するステップである。
【0061】
送信要否判定部201は、パラメータ取得部104の取得した撮影&信号処理パラメータ123を入力する。撮影&信号処理パラメータ123は、撮像部101における画像撮影時の撮影パラメータ121と、画像信号処理部(ISP)102における信号処理パラメータ122によって構成される。図5を参照して説明したように、
(1)撮影パラメータ
(1a)シャッタースピード、
(1b)アナログゲイン
(2)信号処理パラメータ
(2a)デジタルゲイン
(2b)ホワイトバランス(AWB)制御値
(2c)ダイナミックレンジ(HDR)制御値
これらのパラメータである。
【0062】
送信要否判定部201は、これらのパラメータに基づいて、サーバ20に、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を送信する必要があるか否かを判定する。例えば、入力パラメータとしきい値を比較してサーバに対すするデータ送信要否を判定する。前述したように、シャッタースピードが低速である場合、夜間等暗い環境での撮影が行われた可能性が高い。このような場合、RGB画像の解析では高精度な解析結果が得られる可能性が低下する。この場合には、サーバ20に対するRAW画像とパラメータを送信し、サーバ20でRAW画像に基づく画像解析を実行させるといった設定である。
【0063】
(ステップS208)
ステップS207において、送信要否判定部201が送信要と判定した場合、ステップS208に進む。ステップS208では、送信部106が、送信バッファ105に格納されたRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を取得してサーバ20に送信する。
【0064】
本実施例2も、前述した実施例1と同様、RAW画像の送信処理が選択的に実行されることになり、自動車側の処理負荷や転送帯域の過剰な利用を発生させることなく、データ転送遅延、処理遅延を発生させることのないスムーズな処理が可能となる。
【0065】
(2-3.(実施例3)画像解析結果に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例)
次に、図7以下を参照して、本開示の画像処理装置の実施例3として、画像解析結果に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例について説明する。
図7を参照して、実施例3の画像処理装置100の構成例について説明する。
【0066】
図7に示す画像処理装置100は、先に(実施例1)として説明した図2に示す画像処理装置100とほぼ同様の構成である。異なる点は、図2に示す送信タイミング制御部107を削除し、送信要否判定部202を追加した点である。
その他の構成は、同様の構成であるので説明を省略し、実施例1との相違点のみについて説明する。
【0067】
送信要否判定部202は、画像解析部103の生成した画像解析結果124を入力する。送信要否判定部202は、画像解析部103の生成した画像解析結果124に基づいて、サーバ20に、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を送信する必要があるか否かを判定する。
【0068】
画像解析部103の生成する画像解析結果124の構成データの一例について図8を参照して説明する。
画像解析部103の生成する画像解析結果124には、例えば以下のデータがある。
(1)認識結果確信度
(2)認識クラス
【0069】
(1)認識結果確信度とは、画像から識別されたオブジェクトの種類に関する確信度である。例えば識別オブジェクトが人であるか否かを示す確信度である。
認識結果確信度について、図8の下部に示す(具体例1)を参照して説明する。
解析対象とする画像からあるオブジェクトが検出された場合、そのオブジェクトに対して、例えばパターンマッチング等を実行して、オブジェクトの種類を推定する。
【0070】
(具体例1)に示す例では、画像から2つのオブジェクトが検出された例である。左側のオブジェクトは、予めメモリに保持している人パターンとのマッチング率が高く、画像解析結果として認識スコア=0.99が得られている。この場合、オブジェクト種類=人である確信度が高いと判定される。
一方、右側のオブジェクトは、人パターンとのマッチング率があまり高くなく、画像解析結果として認識スコア=0.59が得られている。この場合、オブジェクト種類=人である確信度が低いと判定される。
【0071】
送信要否判定部202は、例えば、予め規定したしきい値と、画像解析結果として取得した認識スコアとの比較を行い、しきい値以下の認識スコアが得られた場合、RAW画像に基づく高精度な解析をサーバ20で実行させるため、サーバ20に対するRAW画像の送信が必要と判定する。
【0072】
また(2)認識クラスとは、画像から識別されたオブジェクトの種類を規定するクラスであり、例えばオブジェクトが人である、あるいは犬である、あるいは自動車であるといったオブジェクト種類に対応する。
認識クラスが決定困難な場合や、珍しいクラスである場合には、RAW画像に基づく高精度な解析をサーバ20で実行させるため、サーバ20に対するRAW画像の送信が必要と判定する。
【0073】
図8下部の(具体例2)
には、検出オブジェクトとして、犬(Dog)が検出されている。各進度に相当する認識スコアは、0.85であり高いが、道路上に検出される可能性が低い、すなわち珍しいクラス=犬であるため、送信要否判定部202は、RAW画像に基づく高精度な解析をサーバ20で実行させるため、サーバ20に対するRAW画像の送信が必要と判定する。
【0074】
送信要否判定部202は、このように、画像解析部103の画像解析結果を入力して画像解析結果に基づいて、サーバ20に対するRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123の送信要否を判定する。
【0075】
このように本実施例3では、送信要否判定部202は、画像解析部103の画像解析結果に基づく、サーバ20に対するRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123の送信要否を判定する。この判定に用いる画像解析結果としては、図8に示すデータ以外に、例えば、セマンティック・セグメンテーションによる解析結果や、距離画像を用いた解析結果、人体認識装置を用いた認識結果等がある。
【0076】
セマンティック・セグメンテーションは、様々な実際のオブジェクトの形状やその他の特徴情報に基づくオブジェクト識別用の辞書データ(学習済みデータ)と、画像内のオブジェクトとの一致度に基づいて、画像の構成画素(ピクセル)各々が、どのようなカテゴリに属するのかを識別する技術である。
【0077】
例えば、
(S1)セマンティック・セグメンテーションと距離画像を用いて、路面を抽出、
(S2)現在位置対応の路面位置情報を地図情報から取得、
(S3)(S1)と(S2)で取得した路面位置が規定しきい値以上、乖離している場合、RAW画像をサーバに送信してRAW画像に基づく高精度な解析を行わせる。
【0078】
また、人体認識装置を用いた認識結果から、衝突予測を行い、衝突リスクが高くなった場合にRAW画像をサーバに送信してRAW画像に基づく高精度な解析を行わせる。
【0079】
さらに、送信要否判定部202により利用可能な画像解析結果として、例えば、オブジェクト検出位置を示す座標データ、オブジェクトの特徴量、さらに、オブジェクト検出に適用した学習データとの差分に相当する距離データ等もある。
例えば、画像解析処理によって検出したオブジェクトと、学習データとの差異が大きい場合には、RAW画像をサーバに送信してRAW画像に基づく高精度な解析を行わせる。
また、人オブジェクトが検出され、その検出された人物が予めデータベースに登録された人物と異なる場合にもRAW画像をサーバに送信して解析を実行させするといった設定も可能である。
【0080】
なお、送信要否判定部202には、画像解析部103の出力する画像解析結果の各データに対応するしきい値をメモリに格納しており、入力結果データとしきい値を比較してサーバに対すするデータ送信要否を判定する。
送信要否判定部202における判定結果、すなわちサーバ20に対するRAW画像とパラメータ送信が必要であるか不要であるかの情報は、送信部106に出力される。
【0081】
送信部106は、送信要否判定部202から送信要との判定結果が入力された場合に限り、送信バッファ105に格納されたRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を取得してサーバ20に送信する。
【0082】
本実施例3では、送信要否判定部202が、RAW画像に基づく解析を実行すべきであるか否かを、画像解析部103の生成した画像解析結果に基づいて判定し、RAW画像に基づく解析を実行すべきと判定した場合にのみ、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123をサーバ20に送信する。
本実施例3でも、前述した実施例1,2と同様、RAW画像の送信処理が選択的に実行されることになり、自動車側の処理負荷や転送帯域の過剰な利用を発生させることなく、データ転送遅延、処理遅延を発生させることのないスムーズな処理が可能となる。
【0083】
次に、図9に示すフローチャートを参照して本実施例3の処理シーケンスについて説明する。
なお、図9に示すフローに従った処理は、例えば、画像処理装置100の記憶部に格納されたプログラムに従って実行することが可能であり、例えばCPU等のプログラム実行機能を持つ制御部の制御の下で実行される。以下、図9に示すフローの各ステップの処理について順次、説明する。
【0084】
(ステップS301~S305)
ステップS301~S305の処理は、先の実施例1において説明した図3に示すフローのステップS101~S105の処理と同様の処理であるので簡潔に説明する。
【0085】
まず、ステップS301においてRAW画像を取得する。
図7に示す撮像部(カメラ)101の撮像素子(イメージセンサ)からの出力であるRAW画像を取得する。
次に、ステップS302において、パラメータ取得部104が撮像部(カメラ)101における画像撮影時のパラメータ、例えば、シャッタースピード、アナログゲイン等のパラメータを取得する。
さらにステップS303において、画像信号処理部(ISP)102がRAW画像に対する画像信号処理を行う。例えばデモザイク処理や、ホワイトバランス調整処理等、カラー画像(例えばRGB画像)を生成する処理を実行する。
【0086】
ステップS304において、パラメータ取得部104が、画像信号処理部102における画像信号処理に適用した信号処理パラメータ、例えば、デジタルゲイン、ホワイトバランス(AWB)制御値や、ハイダイナミックレンジ(HDR)制御値等のパラメータを取得する。
ステップS305は、画像解析部103におけるRGB画像を用いた画像解析処理である。例えば人や障害物等の検出処理を行う。画像解析部103において生成されたRGB画像解析結果は、図示しない出力部(表示部)等に出力される。例えば人検出がなされた場合、人領域に検出枠を表示する等の警告表示が行われる。
【0087】
(ステップS306~S307)
ステップS306~S307は、図7に示す送信要否判定部202の実行する画像解析部103の生成した画像解析結果124に基づくRAW画像のサーバへの送信要否を判定するステップである。
【0088】
送信要否判定部202は、画像解析部103の生成した画像解析結果124を入力する。画像解析結果124には、例えば先に図8を参照して説明したように、
(1)認識結果確信度
(2)認識クラス
例えばこれらの解析結果データが含まれる。
【0089】
送信要否判定部202は、画像解析部103の生成した画像解析結果124に基づいて、サーバ20に、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を送信する必要があるか否かを判定する。先に図8を参照して説明したように、例えば、認識結果確信度がしきい値より低い場合、あるいは認識クラスが決定困難な場合、あるいは珍しいクラスである場合には、サーバ20に対するRAW画像とパラメータを送信し、サーバ20でRAW画像に基づく画像解析を実行させる。
【0090】
(ステップS308)
ステップS307において、送信要否判定部202が送信要と判定した場合、ステップS308に進む。ステップS308では、送信部106が、送信バッファ105に格納されたRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を取得してサーバ20に送信する。
【0091】
本実施例3も、前述した実施例1,2と同様、RAW画像の送信処理が選択的に実行されることになり、自動車側の処理負荷や転送帯域の過剰な利用を発生させることなく、データ転送遅延、処理遅延を発生させることのないスムーズな処理が可能となる。
【0092】
なお、本実施例3の変形例として、例えば図10に示すような構成も可能である。
図10に示す画像処理装置100は、パラメータ取得部104が、画像信号処理部102から、信号処理パラメータ122のみを取得する構成である。すなわち撮像部101からの撮影パラメータの取得を省略している。
【0093】
この図10に示す構成では、パラメータ取得部104の取得した信号処理パラメータ122のみがRAW画像111とともにサーバ20に送信される。
【0094】
なお、この逆の構成として、パラメータ取得部104が、撮像部101から撮影パラメータのみを取得して、撮影パラメータのみをRAW画像111とともにサーバ20に送信する構成も可能である。
【0095】
(2-4.(実施例4)装置情報に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例)
次に、図11以下を参照して、本開示の画像処理装置の実施例4として、装置情報に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例について説明する。
図11を参照して、実施例4の画像処理装置100の構成例について説明する。
【0096】
図11に示す画像処理装置100は、先に(実施例1)として説明した図2に示す画像処理装置100とほぼ同様の構成である。異なる点は、図2に示す送信タイミング制御部107を削除し、装置情報取得部203と、送信要否判定部204を追加した点である。
その他の構成は、同様の構成であるので説明を省略し、実施例1との相違点のみについて説明する。
【0097】
装置情報取得部203は、RAW画像の送信要否判定に適用するための画像処理装置100の様々な装置情報125を取得して送信要否判定部204に出力する。送信要否判定部204は、装置情報取得部203の取得した装置情報125に基づいて、サーバ20に、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を送信する必要があるか否かを判定する。
【0098】
装置情報取得部203が取得する装置情報125の例について、図12を参照して説明する。
図12に示すように、装置情報取得部203が取得する装置情報125には、例えば以下の情報がある。
(1)バスに流れる情報
(2)撮像素子の欠陥画素数
(3)信号処理部等の異常検出情報
【0099】
(1)バスに流れる情報とは画像処理装置100内のバスを流れる情報である。バスは、通常のデータ処理に利用されるデータの他、例えば、バスに接続された各構成要素の出力する故障情報等のエラーメッセージ等も流れる。
エラーメッセージは例えば画像処理装置100の制御を実行する制御部に入力され、制御部の制御下でエラー修復処理や一時的なデータ処理中止等、エラーによる影響を低減させるための対応が行われることになる。
【0100】
例えば、装置情報取得部203が取得したバスに流れる情報中に、故障情報等のエラーメッセージが含まれる場合、送信要否判定部204は、画像処理装置100内部での画像解析が正しく実行されない可能性があると判断し、RAW画像に基づく高精度な解析をサーバ20で実行させるため、サーバ20に対するRAW画像の送信が必要であると判定する。
【0101】
(2)撮像素子の欠陥画素数とは、画像処理装置100の撮像部(カメラ)101の撮像素子(イメージセンサ)の欠陥画素数である。この欠陥画素数は、画像処理装置100のメモリに記録され、更新される。装置情報取得部203は、この情報を取得して送信要否判定部204に出力する。送信要否判定部204は、予め規定されたしきい値と欠陥画素数を比較し、欠陥画素数がしきい値以上になった場合、画像処理装置100内部での画像解析が正しく実行されない可能性があると判断し、RAW画像に基づく高精度な解析をサーバ20で実行させるため、サーバ20に対するRAW画像の送信が必要であると判定する。
【0102】
(3)信号処理部等の異常検出情報とは、例えば、画像信号処理部102等の各データ処理部において行われるチェック処理、具体的にはテストデータに基づくチェック処理であるビルトインテスト(Built in Test)等のチェック結果情報である。このチェック結果は、各データ処理部において実行され、その結果情報が画像処理装置100内のメモリに記録される。装置情報取得部203は、この情報を取得して送信要否判定部204に出力する。送信要否判定部204は、このチェック結果情報に異常検出情報が含まれる場合、画像処理装置100内部での画像解析が正しく実行されない可能性があると判断し、RAW画像に基づく高精度な解析をサーバ20で実行させるため、サーバ20に対するRAW画像の送信が必要であると判定する。
【0103】
送信要否判定部204における判定結果、すなわちサーバ20に対するRAW画像とパラメータ送信が必要であるか不要であるかの情報は、送信部106に出力される。
送信部106は、送信要否判定部202から送信要との判定結果が入力された場合に限り、送信バッファ105に格納されたRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を取得してサーバ20に送信する。
【0104】
本実施例4では、送信要否判定部204が、サーバ20におけるRAW画像に基づく解析を実行すべきであるか否かを、装置情報取得部203の取得した装置情報125に基づいて判定し、RAW画像に基づく解析を実行すべきと判定した場合にのみ、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123をサーバ20に送信する。
本実施例4でも、前述した実施例1,2と同様、RAW画像の送信処理が選択的に実行されることになり、自動車側の処理負荷や転送帯域の過剰な利用を発生させることなく、データ転送遅延、処理遅延を発生させることのないスムーズな処理が可能となる。
【0105】
次に、図13に示すフローチャートを参照して本実施例4の処理シーケンスについて説明する。
なお、図13に示すフローに従った処理は、例えば、画像処理装置100の記憶部に格納されたプログラムに従って実行することが可能であり、例えばCPU等のプログラム実行機能を持つ制御部の制御の下で実行される。以下、図13に示すフローの各ステップの処理について順次、説明する。
【0106】
(ステップS401~S405)
ステップS401~S405の処理は、先の実施例1において説明した図3に示すフローのステップS101~S105の処理と同様の処理であるので簡潔に説明する。
【0107】
まず、ステップS401においてRAW画像を取得する。
図11に示す撮像部(カメラ)101の撮像素子(イメージセンサ)からの出力であるRAW画像を取得する。
次に、ステップS402において、パラメータ取得部104が撮像部(カメラ)101における画像撮影時のパラメータ、例えば、シャッタースピード、アナログゲイン等のパラメータを取得する。
さらにステップS403において、画像信号処理部(ISP)102がRAW画像に対する画像信号処理を行う。例えばデモザイク処理や、ホワイトバランス調整処理等、カラー画像(例えばRGB画像)を生成する処理を実行する。
【0108】
ステップS404において、パラメータ取得部104が、画像信号処理部102における画像信号処理に適用した信号処理パラメータ、例えば、デジタルゲイン、ホワイトバランス(AWB)制御値や、ハイダイナミックレンジ(HDR)制御値等のパラメータを取得する。
ステップS405は、画像解析部103におけるRGB画像を用いた画像解析処理である。例えば人や障害物等の検出処理を行う。画像解析部103において生成されたRGB画像解析結果は、図示しない出力部(表示部)等に出力される。例えば人検出がなされた場合、人領域に検出枠を表示する等の警告表示が行われる。
【0109】
(ステップS406~S407)
ステップS406~S407は、図11に示す装置情報取得部203と、送信要否判定部204の実行する処理であり、装置情報取得部203の取得した装置情報125に基づくRAW画像のサーバへの送信要否を判定するステップである。
【0110】
図11に示す装置情報取得部203は、例えば先に図12を参照して説明したように、
(1)バスに流れる情報
(2)撮像素子の欠陥画素数
(3)信号処理部等の異常検出情報
例えばこれらの装置情報を取得して送信要否判定部204に出力する。
【0111】
送信要否判定部204は、これらの装置情報に基づいて、サーバ20に、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を送信する必要があるか否かを判定する。先に図12を参照して説明したように、例えば、バスに流れる情報にエラー情報が含まれる場合、撮像素子の欠陥画素数がしきい値以上の場合、信号処理部等からの異常検出情報が検出された場合には、サーバ20に対するRAW画像とパラメータを送信し、サーバ20でRAW画像に基づく画像解析を実行させる。
【0112】
(ステップS408)
ステップS407において、送信要否判定部204が送信要と判定した場合、ステップS408に進む。ステップS408では、送信部106が、送信バッファ105に格納されたRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を取得してサーバ20に送信する。
【0113】
本実施例4も、前述した実施例1~3と同様、RAW画像の送信処理が選択的に実行されることになり、自動車側の処理負荷や転送帯域の過剰な利用を発生させることなく、データ転送遅延、処理遅延を発生させることのないスムーズな処理が可能となる。
【0114】
(2-5.(実施例5)サーバにおけるカラー画像解析結果に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例)
次に、図14以下を参照して、本開示の画像処理装置の実施例5として、サーバにおけるRGB画像等のカラー画像の解析結果に基づくRAW画像送信要否判定を実行する実施例について説明する。
図14図15を参照して、実施例5の画像処理装置100の構成例について説明する。
【0115】
図14図15は、本実施例5の画像処理装置100の2つのフェーズの処理を説明する図である。構成自体は図14図15とも同じである。
図14は、画像処理装置100がサーバ20にRGB画像112を送信するフェーズを説明する図である。
図15は、その後に、画像処理装置100がサーバ20にRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を送信するフェーズを説明する図である。
【0116】
図14図15に示す画像処理装置100は、先に(実施例1)として説明した図2に示す画像処理装置100とほぼ同様の構成である。異なる点は、図2に示す送信タイミング制御部107を削除し、送信要否判定部として機能する送信要否判定情報受信部205を追加した点である。
その他の構成は、同様の構成であるので説明を省略し、実施例1との相違点のみについて説明する。
【0117】
送信要否判定情報受信部205は、サーバ20からRAW画像の送信要否判定情報126を受信する。
すなわち、本実施例5は、サーバ20がRAW画像の送信要否判定処理を実行する。図14に示すように、画像処理装置100は、まず、画像信号処理部(ISP)102の生成したRGB画像112を、送信部106を介してサーバ20に送信する。
サーバ20は、画像処理装置100から受信したRGB画像112の画像解析処理を実行する。
【0118】
図14に示すサーバ20内のRGB画像解析部281が、画像処理装置100から受信したRGB画像112の画像解析処理を実行する。解析結果は、RAW画像送信要否判定部282に入力され、RGB画像解析結果に基づいてRAW画像の送信要否が判定される。例えばRGB画像解析結果に不明瞭な部分がなく十分な解析結果が得られた場合は、RAW画像の解析は不要であり、RAW画像送信は不要と判定する。一方、RGB画像解析結果に不明瞭な部分がある場合は、RAW画像の解析が必要であり、RAW画像送信が必要と判定する。
【0119】
RAW画像送信要否判定部282の判定結果である送信要否判定情報126は、送信要否判定情報通知部283を介して画像処理装置100の送信要否判定情報受信部205に通知される。
ここまでの処理が図14に示されている。
【0120】
画像処理装置100の送信要否判定情報受信部205がサーバ20から受信した送信要否判定情報126がRAW画像の「送信不要」を示す情報である場合は、画像処理装置100からサーバ20に対するRAW画像送信は実行されない。
【0121】
一方、画像処理装置100の送信要否判定情報受信部205がサーバ20から受信した送信要否判定情報126がRAW画像の「送信必要」を示す情報である場合は、画像処理装置100からサーバ20に対するRAW画像送信が実行される。この画像処理装置100からサーバ20に対するRAW画像送信フェーズを説明する図が図15である。
【0122】
図15に示すように、画像処理装置100の送信要否判定情報受信部205は、サーバ20から送信要否判定情報126を入力する。
【0123】
送信要否判定情報受信部205は、送信要否判定情報126を受信すると、送信要否判定情報受信部205は、送信部106に対して、送信要否判定情報126を送信部106に出力する。
送信部106は、送信要否判定情報126がRAW画像送信が必要であることを示す情報である場合に限り、送信バッファ105に格納されたRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を取得してサーバ20に送信する。
【0124】
本実施例5では、サーバ20におけるRGB画像解析結果に基づいて、サーバ20がRAW画像の転送、解析が必要であるか否かを判定し、画像処理装置100はこの判定結果に応じてRAW画像の送信を実行するか否かを決定する。サーバ20がRAW画像に基づく解析を実行すべきと判定した場合にのみ、画像処理装置100は、RAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123をサーバ20に送信する。
本実施例5でも、前述した実施例1~4と同様、RAW画像の送信処理が選択的に実行されることになり、自動車側の処理負荷や転送帯域の過剰な利用を発生させることなく、データ転送遅延、処理遅延を発生させることのないスムーズな処理が可能となる。
【0125】
次に、図16に示すフローチャートを参照して本実施例5の処理シーケンスについて説明する。
なお、図16に示すフローに従った処理は、例えば、画像処理装置100の記憶部に格納されたプログラムに従って実行することが可能であり、例えばCPU等のプログラム実行機能を持つ制御部の制御の下で実行される。以下、図16に示すフローの各ステップの処理について順次、説明する。
【0126】
(ステップS501~S505)
ステップS501~S505の処理は、先の実施例1において説明した図3に示すフローのステップS101~S105の処理と同様の処理であるので簡潔に説明する。
【0127】
まず、ステップS501においてRAW画像を取得する。
図14図15に示す撮像部(カメラ)101の撮像素子(イメージセンサ)からの出力であるRAW画像を取得する。
次に、ステップS502において、パラメータ取得部104が撮像部(カメラ)101における画像撮影時のパラメータ、例えば、シャッタースピード、アナログゲイン等のパラメータを取得する。
さらにステップS503において、画像信号処理部(ISP)102がRAW画像に対する画像信号処理を行う。例えばデモザイク処理や、ホワイトバランス調整処理等、カラー画像(例えばRGB画像)を生成する処理を実行する。
【0128】
ステップS504において、パラメータ取得部104が、画像信号処理部102における画像信号処理に適用した信号処理パラメータ、例えば、デジタルゲイン、ホワイトバランス(AWB)制御値や、ハイダイナミックレンジ(HDR)制御値等のパラメータを取得する。
ステップS505は、画像解析部103におけるRGB画像を用いた画像解析処理である。例えば人や障害物等の検出処理を行う。画像解析部103において生成されたRGB画像解析結果は、図示しない出力部(表示部)等に出力される。例えば人検出がなされた場合、人領域に検出枠を表示する等の警告表示が行われる。
【0129】
(ステップS506)
ステップS506は、RGB画像の送信処理ステップである。これは、図14に示す画像信号処理部(ISP)102が生成したRGB画像112を送信部106を介してサーバ20に送信するステップである。
【0130】
(ステップS507~S508)
ステップS507~S508は、図14に示す画像処理装置100の送信要否判定情報受信部205の実行する処理である。送信要否判定情報受信部205は、サーバ20から受信した送信要否判定情報126に基づいて、RAW画像の送信要否を決定する。
【0131】
送信要否判定情報受信部205がサーバ20から受信した送信要否判定情報126がRAW画像の「送信必要」を示す情報である場合は、画像処理装置100からサーバ20に対するRAW画像送信を実行する。一方、サーバ20から受信した送信要否判定情報126がRAW画像の「送信不要」を示す情報である場合は、画像処理装置100からサーバ20に対するRAW画像送信は実行しない。
【0132】
(ステップS509)
ステップS508において、送信要否判定情報受信部205がサーバ20から受信した送信要否判定情報126に基づいて送信必要と判定した場合、ステップS509に進む。ステップS509では、送信部106が、送信バッファ105に格納されたRAW画像111と撮影&信号処理パラメータ123を取得してサーバ20に送信する。
【0133】
本実施例5も、前述した実施例1~4と同様、RAW画像の送信処理が選択的に実行されることになり、自動車側の処理負荷や転送帯域の過剰な利用を発生させることなく、データ転送遅延、処理遅延を発生させることのないスムーズな処理が可能となる。
【0134】
以上、複数の実施例について説明したが、これらの複数の実施例は、個別の実施例構成に限らず、任意の複数の実施例を組み合わせた構成としてもよい。
【0135】
[3.画像処理装置のハードウェア構成例について]
図17は、上述した処理を実行する画像処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
CPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)302、または記憶部308に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行するデータ処理部として機能する。例えば、上述した実施例において説明したシーケンスに従った処理を実行する。RAM(Random Access Memory)303には、CPU301が実行するプログラムやデータなどが記憶される。これらのCPU301、ROM302、およびRAM303は、バス304により相互に接続されている。
【0136】
CPU301はバス304を介して入出力インタフェース305に接続され、入出力インタフェース305には、各種スイッチ、キーボード、タッチパネル、マウス、マイクロフォン、さらに、センサ、カメラ、GPS等の状況データ取得部などよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307が接続されている。
なお、入力部306には、カメラ321や、距離センサ等のセンサ322からの入力情報も入力される。
【0137】
CPU301は、入力部306から入力される指令や状況データ等を入力し、各種の処理を実行し、処理結果を例えば出力部307に出力する。
入出力インタフェース305に接続されている記憶部308は、例えばハードディスク等からなり、CPU301が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部309は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介したデータ通信の送受信部として機能し、外部の装置と通信する。
【0138】
入出力インタフェース305に接続されているドライブ310は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはメモリカード等の半導体メモリなどのリムーバブルメディア311を駆動し、データの記録あるいは読み取りを実行する。
【0139】
なお、サーバ20のハードウェア構成としては、例えば図17に示す構成から、カメラ321や、距離センサ等のセンサ322を省略した構成が適用可能である。
【0140】
[4.本開示の構成のまとめ]
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0141】
なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
(1) 撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理部と、
前記画像信号処理部の生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析部と、
前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定部と、
前記送信要否判定部の判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信部を有する画像処理装置。
【0142】
(2) 前記送信要否判定部は、
前記RAW画像の外部サーバに対する送信処理を、予め規定した時間周期、またはフレーム周期単位とする送信タイミング制御を実行する(1)に記載の画像処理装置。
【0143】
(3) 前記送信要否判定部は、
前記RAW画像の撮影パラメータ、または前記RAW画像に対して前記画像信号処理部が適用した信号処理パラメータの少なくともずれかのパラメータに基づいて、前記RAW画像の外部サーバに対する送信要否を決定する(1)または(2)に記載の画像処理装置。
【0144】
(4) 前記撮影パラメータ、および信号処理パラメータは、シャッタースピード、アナログゲイン、デジタルゲイン、ホワイトバランス制御値、ハイダイナミックレンジ制御値の少なくともいずれかを含む(3)に記載の画像処理装置。
【0145】
(5) 前記送信要否判定部は、
前記画像解析部における解析結果情報に基づいて、前記RAW画像の外部サーバに対する送信要否を決定する(1)~(4)いずれかに記載の画像処理装置。
【0146】
(6) 前記画像解析部における解析結果情報は、前記カラー画像からの検出オブジェクト対応の認識結果確信度、または認識クラスの少なくともいずれかの情報を含む(5)に記載の画像処理装置。
【0147】
(7) 前記送信要否判定部は、
前記画像処理装置の装置情報に基づいて、前記RAW画像の外部サーバに対する送信要否を決定する(1)~(6)いずれかに記載の画像処理装置。
【0148】
(8) 前記装置情報は、前記画像処理装置のバスを流れる情報、前記撮像素子の欠陥画素数、前記画像処理装置の異常検出情報の少なくともいずれかの情報を含む(7)に記載の画像処理装置。
【0149】
(9) 前記送信要否判定部は、
前記サーバから入力するRAW画像送信要否判定情報に基づいて、前記RAW画像の外部サーバに対する送信要否を決定する(1)~(8)いずれかに記載の画像処理装置。
【0150】
(10) 前記サーバから入力するRAW画像送信要否判定情報は、前記画像処理装置が前記サーバに送信したカラー画像に対する前記サーバの解析結果に基づく判定情報である(9)に記載の画像処理装置。
【0151】
(11) 前記送信要否判定部は、
前記RAW画像に併せて、前記RAW画像の撮影パラメータ、または前記RAW画像に対して前記画像信号処理部が適用した信号処理パラメータの少なくともいずれかのパラメータを外部サーバに送信するか否かを決定する(1)~(10)いずれかに記載の画像処理装置。
【0152】
(12) 前記送信部は、
前記RAW画像に併せて、前記RAW画像の撮影パラメータ、または前記RAW画像に対して前記画像信号処理部が適用した信号処理パラメータの少なくともいずれかのパラメータを外部サーバに送信する(1)~(11)いずれかに記載の画像処理装置。
【0153】
(13) 移動装置に装着された撮像部と、
前記撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理部と、
前記画像信号処理部の生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析部と、
前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定部と、
前記送信要否判定部の判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信部を有する移動装置。
【0154】
(14) 前記送信要否判定部は、
前記RAW画像の外部サーバに対する送信処理を、予め規定した時間周期、またはフレーム周期単位とする送信タイミング制御処理を実行する(13)に記載の移動装置。
【0155】
(15) 前記送信要否判定部は、
前記RAW画像の撮影パラメータ、または前記RAW画像に対して前記画像信号処理部が適用した信号処理パラメータの少なくともずれかのパラメータ、または、
前記画像解析部における解析結果情報、または、
前記画像処理装置の装置情報、または、
前記サーバから入力するRAW画像送信要否判定情報の少なくともいずれかの情報に基づいて、前記RAW画像の外部サーバに対する送信要否を決定する(13)または(14)に記載の移動装置。
【0156】
(16) 画像処理装置とサーバを有する画像処理システムであり、
前記画像処理装置は、
撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理部と、
前記画像信号処理部の生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析部と、
前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定部と、
前記送信要否判定部の判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信部を有し、
前記サーバは、
前記画像処理装置からRAW画像を受信してRAW画像の解析処理を実行する画像処理システム。
【0157】
(17) 画像処理装置において実行する画像処理方法であり、
画像信号処理部が、撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成する画像信号処理ステップと、
画像解析部が、前記画像信号処理ステップにおいて生成したカラー画像の解析処理を実行する画像解析ステップと、
送信要否判定部が、前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定する送信要否判定ステップと、
送信部が、前記送信要否判定ステップの判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信する送信ステップを実行する画像処理方法。
【0158】
(18) 画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
画像信号処理部に、撮像部の撮像素子の出力であるRAW画像に対する信号処理を実行してカラー画像を生成させる画像信号処理ステップと、
画像解析部に、前記画像信号処理ステップにおいて生成したカラー画像の解析処理を実行させる画像解析ステップと、
送信要否判定部に、前記RAW画像を外部サーバに送信するか否かを決定させる送信要否判定ステップと、
送信部に、前記送信要否判定ステップの判定結果に従って前記RAW画像を外部サーバに送信させる送信ステップを実行させるプログラム。
【0159】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0160】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0161】
以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、高精度な画像解析が必要な場合等、規定条件に従って選択されたRAW画像のみを選択してサーバに送信する構成が実現される。
具体的には、例えば、移動装置に装着された撮像部と、撮像部の撮像素子出力であるRAW画像の信号処理によりカラー画像を生成する画像信号処理部と、カラー画像解析処理を実行する画像解析部と、RAW画像のサーバに対する送信要否を判定する送信要否判定部と、判定結果に従ってRAW画像を外部サーバに送信する送信部を有する。送信要否判定部は、一定周期の送信タイミング制御、または撮影、信号処理パラメータや画像解析結果、装置情報等に基づいて、RAW画像の送信要否を決定する。
本構成により、高精度な画像解析が必要な場合等、規定条件に従って選択されたRAW画像のみを選択してサーバに送信する構成が実現される。
【符号の説明】
【0162】
10 自動車
11 カメラ
12 画像信号処理部(ISP)
13 画像解析部
20 サーバ
21 画像解析部
22 学習処理部
23 学習データ記憶部
30 ネットワーク
100 画像処理装置
101 撮像部(カメラ)
102 画像信号処理部(ISP)
103 画像解析部
104 パラメータ取得部
105 送信バッファ
106 送信部
107 送信タイミング制御部
201 送信要否判定部
202 送信要否判定部
203 装置情報取得部
204 送信要否判定部
205 送信要否判定情報受信部
281 RGB画像解析部
282 RAW画像送信要否判定部
283 送信要否判定情報通知部
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 バス
305 入出力インタフェース
306 入力部
307 出力部
308 記憶部
309 通信部
310 ドライブ
311 リムーバブルメディア
321 カメラ
322 センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17