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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】回路遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/08 20060101AFI20231114BHJP
   H01H 73/18 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H01H33/08
H01H73/18 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021018520
(22)【出願日】2021-02-08
(65)【公開番号】P2022121258
(43)【公開日】2022-08-19
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】中山 祥太郎
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-227648(JP,A)
【文献】実開平01-092028(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/08
H01H 73/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定接点を設けた固定接触子と、前記固定接点に接触可能な可動接点を設けた可動接触子と、前記固定接点と前記可動接点の間に発生したアークを消弧する消弧装置と、を備えた回路遮断器において、
前記消弧装置は、
前記可動接点の移動経路に沿い、当該移動経路の両側に対向して配置された一対の消弧壁と、
前記一対の消弧壁に支持される層状に配置された複数のグリッドと、を備え、
前記一対の消弧壁は、前記固定接点を挟むように前記固定接触子の上部に配置され、アーク発生時の溶融によりアブレーションガスが発生する高分子材料からなる一対の前半消弧壁と、
前記一対の前半消弧壁の上部に連結されて互いの壁間で前記複数のグリッドを支持し、アーク発生時のアブレーションガスの発生量が前記一対の前半消弧壁より少ない高分子材料からなる一対の後半消弧壁と、を備えているとともに、
前記前半消弧壁及び前記後半消弧壁の連結部は、前記前半消弧壁及び前記後半消弧壁の一方に形成されたリブと、他方に形成された前記リブが嵌まり込むリブ係合凹部からなることを特徴とする回路遮断器。
【請求項2】
前記一対の後半消弧壁は、耐熱性、耐トラッキング性を有する高分子材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
【請求項3】
前記一対の前半消弧壁は、金属製の心材が挿入されていることを特徴とする請求項1又は2記載の回路遮断器。
【請求項4】
前記一対の後半消弧壁の一部を連結する壁連結部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の回路遮断器。
【請求項5】
前記前半消弧壁は、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂及びポリメチルペンテン樹脂のうち何れか一つの高分子材料で形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の回路遮断器。
【請求項6】
前記後半消弧壁は、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂のうち何れか一つの高分子材料で形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線用遮断器,漏電遮断器などの回路遮断器に関し、可動接点の移動経路の両側に一対の消弧壁が配置され、これら一対の消弧壁が複数のグリッドを固定しているものに関する。
【背景技術】
【0002】
回路遮断器は、固定接触子に対して可動接触子が接触動作、或いは離間動作を行なって主回路の開閉を行なう装置であり、短絡電流の遮断時に固定接触子の固定接点及び可動接触子の可動接点の間でアークが発生すると、消弧装置によりアークが消弧される(例えば、特許文献1)。
【0003】
消弧装置は、可動接触子の開極移動経路の両側に配置した高分子材料からなる一対の消弧壁と、一対の消弧壁に固定され、開極移動経路に沿って層状に配置された複数のグリッドと、を備えている。
【0004】
過大電流の通電時には、一対の消弧壁の細隙効果(消弧壁の溶融により発生するアブレーションガスによるアークの冷却効果)によって固定接点及び可動接点の間に発生したアークは、アーク電圧が急速に高められて電流ピークが抑制される。そして、固定接点及び可動接点の間でさらに伸長したアークは、一対の消弧壁から複数のグリッド側へ移行していき、複数のグリッドとの接触による分断、冷却作用を受けて消弧されていく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-216378号公報の図5から図7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、回路遮断器の遮断容量の要求仕様が高くなっており、特許文献1の消弧装置の一対の消弧壁を、アブレーションガスの発生量を増大させた高分子材料とすることで、アークの冷却効果を高めて遮断性能を向上させることができる。
【0007】
しかし、アブレーションガスを大量に発生する高分子材料は、耐トラッキング性、耐熱性が低いので、一対の消弧壁として使用すると、短絡時のアーク発生時に変形や熱的損傷のおそれがある。このため、アブレーションガスを大量に発生する高分子材料からなる一対の消弧壁は、一対の複数のグリッドの固定機能が損なわれるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、アブレーションガスの発生量を増大させることでアークの冷却効果を高め、耐熱性及び耐トラッキング性を高めることで複数のグリッドの固定機能を維持してアークとグリッドの接触による分断、冷却作用を確実に行うことができる回路遮断器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る回路遮断器は、固定接点を設けた固定接触子と、固定接点に接触可能な可動接点を設けた可動接触子と、固定接点と前記可動接点の間に発生したアークを消弧する消弧装置と、を備えた回路遮断器において、消弧装置は、可動接点の移動経路に沿い、移動経路の両側に対向して配置された一対の消弧壁と、一対の消弧壁に支持される層状に配置された複数のグリッドと、を備えている。そして、一対の消弧壁は、固定接点を挟むように固定接触子の上部に配置され、アーク発生時の溶融によりアブレーションガスが発生する高分子材料からなる一対の前半消弧壁と、一対の前半消弧壁の上部に連結されて互いの壁間で前記複数のグリッドを支持し、アーク発生時のアブレーションガスの発生量が一対の前半消弧壁より少ない高分子材料からなる一対の後半消弧壁と、を備えているとともに、前半消弧壁及び後半消弧壁の連結部は、前半消弧壁及び後半消弧壁の一方に形成されたリブと、他方に形成された前記リブが嵌まり込むリブ係合凹部からなる
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る回路遮断器によれば、アブレーションガスの発生量を増大させることでアークの冷却効果を高め、耐トラッキング性及び耐熱性を高めることで複数のグリッドの固定機能を維持してアークとグリッドの接触による分断、冷却作用を確実に行い、遮断性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る回路遮断器の構成を示す断面図である。
図2】回路遮断器の消弧装置を示す図である。
図3】固定接触子に配置した一対の前半消弧壁の構造を示す図である。
図4】固定接触子と一対の前半消弧壁の連結構造と、一対の前半消弧壁と一対の後半消弧壁の連結構造を示す断面図である。
図5】一対の前半消弧壁に、一対の後半消弧壁を連結する構造を示す図である。
図6】可動接点の移動経路に沿って配置した消弧壁を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0013】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
なお、以下の説明で記載されている「上」、「下」、「左」、「右」、「底」、「前」、「後」、「長尺方向」、「短尺方向」等の方向を示す用語は、添付図面の方向を参照して用いられている。
【0015】
図1は、回路遮断器の一実施形態を示すものである。
【0016】
本実施形態の回路遮断器は、ケース1とカバー2とからなる絶縁容器内に、消弧装置3と、過電流引外し装置4と、固定接触子5と、可動接触子6と、可動接触子6を回動自在に保持するホルダ7と、可動接触子6を、ホルダ7を介して開閉動作させる開閉機構15とが配置されている。
【0017】
固定接触子5は、一端側に電源側端子5aが形成され、他端側に固定接点5bが形成されている。可動接触子6は、固定接触子5の固定接点5bに接触する可動接点6aが形成されている。
【0018】
また、カバー2は、ミドルカバー2aとトップカバー2bとで構成されている。
【0019】
可動接触子6の基端には可撓性のリード線8の一端が接続され、リード線8の他端は、電線接続板10を介して中継導体9の一端に接続されている。
【0020】
中継導体9は、電線接続板10に接続する下部平板部9bと、下部平板部9bの端部から立ち上がる立上がり板部9cと、この立上がり板部9cの上端から折り曲げられ、下部平板部9bに対して平行に、且つ下部平板部9bから離間する方向に延在する上部平板部9dと、上部平板部9dの他端側に形成した負荷側端子9aとを備えている。なお、中継導体9の立上がり板部9cがヒータとなっている(以下、ヒータ9cと称する)。
【0021】
開閉機構15は、開閉操作を行うハンドル16と、ハンドル16と連動して動作するハンドルレバー17と、上トグル18及び下トグル19からなるトグルリンク機構21と、ラッチ20と、ラッチ20と係合するラッチ受け22と、中間ラッチ23と、中間ラッチ23を回動させてラッチ20及びラッチ受け22の係合を外すトリップバー24とを備えている。上トグル18及び下トグル19は、トグルピン25を介して互いに連結され、上トグル18の上端はラッチ20に回動自由に連結されるとともに、下トグル19はホルダ7に連結されている。また、トグルピン25には、スプリング(不図示)の下端フック部が引っ掛けられ、スプリングの上端フック部はハンドルレバー17の上端に引っ掛けられている。
【0022】
過電流引外し装置4は、中継導体9のヒータ9cに下部が固定されたバイメタル26と、このバイメタル26の上部の自由端に固定され、トリップバー24の近傍まで延在する延長板27と、延長板27の上部の自由端に係合し、トリップバー24との間に所定のギャップを設けるように進退可能とした調整ネジ28と、バイメタル26の下部にかしめ固定したヒータ9cと、電源側端子5a及び負荷側端子9aの間に短絡電流などの大電流が流れると先端部でトリップバー24を叩き、ラッチ20とラッチ受け22の係合を外すアーマチュア30及び固定マグネット29とを備えている。
【0023】
消弧装置3は、図2に示すように、固定接点5bを挟んで固定接触子5の上部に互いに対向配置された一対の第1消弧壁31を有する第1消弧部材32と、一対の第1消弧壁31の上部に連結する一対の第2消弧壁33を有する第2消弧部材34と、一対の第2消弧壁33に連結して互いに対向配置され、層状に配置した複数のグリッド35を支持する一対の第3消弧壁36を有する第3消弧部材37と、を備えている。
【0024】
固定接触子5、第1消弧部材32、第2消弧部材34及び第3消弧部材37の構造について図3から図5を参照して説明する。
【0025】
固定接触子5は、図3に示すように、他端側の板部に略U字形状に延在する周溝5cが形成され、この周溝5cの内側に舌形状の接点基部5dが形成されており、接点基部5d上に固定接点5bが設けられている。図3の符号38で示す磁気ヨークは、コ字形状に折曲された磁性金属であり、基板38aの幅方向端部から平行に延在する一対の平行板38bが、固定接触子5の下側から周溝5cに挿入され、固定接点5bを挟み込むように固定接触子5の上部に突出している。
【0026】
第1消弧部材32は、図3に示すように、一対の第1消弧壁31と、一対の第1消弧壁31同士を連結し、開口部39aを設けた連結部39と、を備えている。一対の消弧壁31には、図4に示すように、下端で開口する挿入スリット31aが形成されているとともに、上端にリブ31bが形成されている。そして、磁気ヨーク38の一対の平行板38bを一対の消弧壁31の挿入スリット31aに挿入し、開口部39aから固定接点5bを露出させた状態で、固定接触子5の他端側上部に第1消弧部材32が装着されている。
【0027】
第2消弧部材34は、図5に示すように、一対の第2消弧壁33と、一対の第2消弧壁33同士を連結する連結部40と、を備えている。そして、図4に示すように、一対の第2消弧壁33の下部にはリブ係合凹部33aが形成されており、一対の第2消弧壁33が一対の第1消弧壁31の上部に連結する際に、一対の第1消弧壁31のリブ31bがリブ係合凹部33aに嵌まり込む。
【0028】
第3消弧部材37は、図5に示すように、一対の第3消弧壁36と、一対の第3消弧壁36同士を連結する連結部41と、を備えており、一対の第3消弧壁36は、層状に配置された複数のグリッド35を支持している。グリッド35は、磁性金属で形成されている。
【0029】
次に、第1消弧部材32、第2消弧部材34及び第3消弧部材37の材料について説明する。
【0030】
第1消弧部材32は、アーク発生により溶融すると大量の水素が発生する高分子材料で形成されており、例えばPA(ポリアミド樹脂)、POM(ポリアセタール樹脂)、PMP(ポリメチルペンテン樹脂)などの材料により形成されている。
【0031】
また、第2消弧部材34及び第3消弧部材37は、アークが発生しても第1消弧部材32と比較して水素発生量が少なく、耐熱性を有し、耐トラッキング性を有する高分子材料で形成されており、例えばBMC(不飽和ポリエステル樹脂)、MF(メラミン樹脂)、EP(エポキシ樹脂)などの材料により形成されている。
【0032】
次に、本実施形態の回路遮断器の動作及び作用について、図1及び図6を参照して説明する。
【0033】
本実施形態の回路遮断器は、図1に示すように、固定接触子5と可動接触子6とが閉じた閉極状態では、電源側端子5a、固定接触子5、可動接触子6、リード線8、電線接続板10、ヒータ9c及び中継導体9、負荷側端子9aの電流経路で電流が流れる。
【0034】
電流経路を流れる電流が過負荷状態になると、ヒータ9cから発生する熱によってバイメタル26が反時計方向に湾曲し、同時にバイメタル26に固定された延長板27も反時計方向に回動して調整ネジ28の先端がトリップバー24に接触し、トリップバー24は支軸24a回りに反時計方向に回動する。このトリップバー24の回動により中間ラッチ23が回動し、ラッチ20及びラッチ受け22の係合が外れてトグルリンク機構21が動作し、下トグル19に連結されたホルダ7が回動し、可動接触子6が固定接触子5から開離して開極状態となる。
【0035】
また、短絡電流などの大電流がヒータ9cに流れると、過電流引外し装置4のアーマチュア30が反時計方向に回動して固定マグネット29に瞬時に吸着され、その先端部でトリップバー24を叩く。そして、トリップバー24が叩かれると、ラッチ20とラッチ受け22の係合が外れてトグルリンク機構21が動作し、下トグル19に連結されたホルダ7が回動し、可動接触子6が固定接触子5から開離して開極状態となる。
【0036】
固定接点5bから離れた可動接点6aは、図6に示す移動経路Rで移動する。可動接点6aの移動経路Rの前半では、可動接点6a及び固定接点5bの間で発生したアークの熱により一対の第1消弧壁31の表面が溶融して大量の水素ガスが発生し、アブレーションガスとしてアークに向けて流れる。アブレーションガスが吹き付けられて冷却され、一対の第1消弧壁31にも接触して冷却されるアークは、アーク電圧が高められて電流ピークが抑制されていく。
【0037】
そして、可動接点6aの移動経路Rの後半では、さらにアークが伸長していく。この伸長したアークは、一対の第2消弧壁33及び一対の第3消弧壁36を加熱するとともに、アブレーションガスの吹き付けにより層状に配置されている複数のグリッド35側へ移行していく。アークに加熱された一対の第2消弧壁33は、水素ガスを発生するが耐熱性及び耐トラッキング性を有して機械的強度が高い。
【0038】
また、アークに加熱された一対の第3消弧壁36も耐熱性及び耐トラッキング性を有して機械的強度が高いので、複数のグリッド35を確実に支持し、アークはグリッド35に接触することで分断、冷却作用を受けて消弧されていく。
【0039】
次に、本実施形態の回路遮断器の効果について説明する。
【0040】
本実施形態の回路遮断器は、短絡電流などの大電流が電流経路を流れ、可動接触子6が固定接触子5から開離して可動接点6a及び固定接点5bの間にアークが発生すると、可動接点6aの移動経路Rの前半では、一対の第1消弧壁31の表面が溶融して大量の水素ガスが発生し、アブレーションガスとしてアークに向けて流れるので、アークはアーク電圧が高められて電流ピークが抑制されていく。そして、可動接点6aの移動経路Rの後半では、伸長したアークに加熱されても一対の第3消弧壁36が変形せず、複数のグリッド35を確実に支持しているので、複数のグリッド35側へ移行したアークはグリッド35に接触することで分断、冷却作用により消弧されていく。したがって、本実施形態の回路遮断器は遮断性能を向上させることができる。
【0041】
また、アーク発生時に大量の水素ガスが発生する一対の第1消弧壁31は脆くなるが、内部の挿入スリット31aに挿入した磁気ヨーク38の平行板38bが心材として機能するので、一対の第1消弧壁31の変形や熱的損傷を確実に防止することができる
【0042】
また、アークに加熱される一対の第2消弧壁33は、水素ガスを発生するが耐熱性及び耐トラッキング性を有して機械的強度が高く、この第2消弧壁33のリブ係合凹部33aに一対の第1消弧壁31のリブ31bが嵌まり込んで連結することで、一対の第1消弧壁31に対する補強構造となる。
【0043】
また、第2消弧部材34は、一対の第2消弧壁33の一部を連結する連結部40を備えた門型形状の部材なので、一対の第2消弧壁33の剛性が高められて、一対の第1消弧壁31に対する補強をさらに高めることができる。
【0044】
さらに、第3消弧部材37も、一対の第3消弧壁36の一部を連結する連結部41を備えた門型形状の部材なので、剛性を有する一対の第3消弧壁36は、複数のグリッド35を確実に支持することができる。
【0045】
ここで、本発明に記載されている一対の前半消弧壁が一対の第1消弧壁31に対応し、本発明に記載されている一対の後半消弧壁が一対の第2消弧壁33及び一対の第3消弧壁36に対応している。また、本発明に記載されている心材が磁気ヨーク38の平行板38bに対応し、本発明に記載されている壁連結部が、連結部40,41に対応している。
【符号の説明】
【0046】
1 ケース
2 カバー
2a ミドルカバー
2b トップカバー
3 消弧装置
4 過電流引外し装置
5 固定接触子
5a 電源側端子
5b 固定接点
5c 周溝
5d 接点基部
6 可動接触子
6a 可動接点
7 ホルダ
8 リード線
9 中継導体
9a 負荷側端子
9b 下部平板部
9c ヒータ
9d 上部平板部
10 電線接続板
15 開閉機構
16 ハンドル
17 ハンドルレバー
18 上トグル
19 下トグル
20 ラッチ
21 トグルリンク機構
22 ラッチ受け
23 中間ラッチ
24 トリップバー
25 トグルピン
26 バイメタル
27 延長板
28 調整ネジ
29 固定マグネット
30 アーマチュア
31 第1消弧壁
31a 挿入スリット
31b リブ
32 第1消弧部材
33 第2消弧壁
33a リブ係合凹部
34 第2消弧部材
35 グリッド
36 第3消弧壁
37 第3消弧部材
38 磁気ヨーク
38a 基板
38b 平行板
39 連結部
39a 開口部
40,41 連結部
R 可動接点の移動経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6