IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図2
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図4
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図5
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図6
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図7
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図8
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図9
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図10
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図11
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図12
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図13
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図14
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図15
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図16
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図17
  • 特許-電子機器、情報処理方法及びプログラム 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】電子機器、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/169 20200101AFI20231114BHJP
   G06F 40/134 20200101ALI20231114BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20231114BHJP
【FI】
G06F40/169
G06F40/134
G06F3/0481
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021206234
(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公開番号】P2023091472
(43)【公開日】2023-06-30
【審査請求日】2022-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】蓮沼 卓也
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-027752(JP,A)
【文献】特開2012-198808(JP,A)
【文献】特開2013-073298(JP,A)
【文献】特開2013-149083(JP,A)
【文献】特開2008-077227(JP,A)
【文献】特開2014-089677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
G06F 3/0481
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、表示部とを有する電子機器において、
前記制御部は、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
ユーザからの指定に応じて、見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記決定された内容データが複数の場合、前記語句に対して、前記決定された複数の内容データとのリンクを設定し、
前記語句に対して複数のリンクが設定されていることを表す表示形態により前記語句を前記表示部に表示させるよう制御する、電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、
前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータが表示された第1画面において、前記語句を選択する操作があった場合に、前記第1画面に代えて、前記語句とリンクが設定された前記内容データが表示された第2画面に変更する、請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、
前記語句が指定された場合に、前記リンクを設定する処理を指示するためのボタンを前記表示部に表示させる、請求項1または請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、
前記語句の選択に応じて、複数の異なるコンテンツを前記表示部に一覧表示させ、
前記一覧表示に対するコンテンツの指定に応じてコンテンツを決定する、請求項1~3の何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、
前記語句に対応する見出し語を含むコンテンツのみを前記表示部に一覧表示させる、請求項4記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、
前記語句の選択に応じて決定した前記コンテンツに対して、見出し語の指定を入力し、
入力された見出し語と同見出し語に対応する説明情報とを含む内容データを、前記語句と対応づける内容データとして決定する、請求項1~5の何れかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、
前記選択された語句に対応づける見出し語の指定を入力し、
前記入力された見出し語を含む少なくとも1つのコンテンツを前記表示部に表示させ、
前記表示された少なくとも1つのコンテンツに対するコンテンツの指定に応じてコンテンツを決定し、
前記決定されたコンテンツの、前記入力された見出し語と同見出し語に対応する説明情報とを含む内容データを、前記語句と対応づける内容データとして決定する、請求項1~3の何れかに記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、
前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータを画面に表示させる場合に、前記画面に前記リンクの設定内容の一覧表示を指示するためのボタンを表示させ、
前記ボタンに対する指示に応じて、前記リンクの設定内容を前記表示部に一覧表示させる、請求項1~の何れかに記載の電子機器。
【請求項9】
制御部と、表示部とを有する電子機器において、
前記制御部は、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
ユーザからの指定に応じて、見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記語句に対して、前記決定された内容データとのリンクを設定し、
前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータを画面に表示させる場合に、前記語句に対する指示に応じて、前記語句の表示位置に応じて前記リンクの設定内容の一覧表示を前記表示部に表示させるよう制御する、電子機器。
【請求項10】
制御部と、表示部とを有する電子機器において、
前記制御部は、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
ユーザからの指定に応じて、見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記語句に対して、前記決定された内容データとのリンクを設定し、
複数の前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータが表示された画面において、前記語句を選択する操作があった場合に、複数の前記リンクの設定内容を前記表示部に一覧表示させるよう制御する、電子機器。
【請求項11】
制御部と、表示部とを有する電子機器における情報処理方法であって、
前記制御部は、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
ユーザからの指定に応じて、見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記決定された内容データが複数の場合、前記語句に対して、前記決定された複数の内容データとのリンクを設定し、
前記語句に対して複数のリンクが設定されていることを表す表示形態により前記語句を前記表示部に表示させるよう制御する、情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
ユーザからの指定に応じて、見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記決定された内容データが複数の場合、前記語句に対して、前記決定された複数の内容データとのリンクを設定し、
前記語句に対して複数のリンクが設定されていることを表す表示形態により前記語句を表示部に表示させるよう制御するように機能させるためのプログラム。
【請求項13】
制御部と、表示部とを有する電子機器における情報処理方法であって、
前記制御部は、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
ユーザからの指定に応じて、見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記語句に対して、前記決定された内容データとのリンクを設定し、
前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータを画面に表示させる場合に、前記語句に対する指示に応じて、前記語句の表示位置に応じて前記リンクの設定内容の一覧表示を前記表示部に表示させるよう制御する、情報処理方法
【請求項14】
制御部と、表示部とを有する電子機器における情報処理方法であって、
前記制御部は、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
ユーザからの指定に応じて、見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記語句に対して、前記決定された内容データとのリンクを設定し、
複数の前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータが表示された画面において、前記語句を選択する操作があった場合に、複数の前記リンクの設定内容を前記表示部に一覧表示させるよう制御する、情報処理方法
【請求項15】
コンピュータに、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
ユーザからの指定に応じて、見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記語句に対して、前記決定された内容データとのリンクを設定し、
前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータを画面に表示させる場合に、前記語句に対する指示に応じて、前記語句の表示位置に応じて前記リンクの設定内容の一覧表示を表示部に表示させるよう制御するように機能させるためのプログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
ユーザからの指定に応じて、見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記語句に対して、前記決定された内容データとのリンクを設定し、
複数の前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータが表示された画面において、前記語句を選択する操作があった場合に、複数の前記リンクの設定内容を表示部に一覧表示させるよう制御するように機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、文書中からユーザが必要とする語句を選択して、辞書引きのためのリンクタグを語句に付与することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。リンクタグが付与された語句については、辞書引き結果の表示要求が入力された場合に、辞書引き結果文書を表す画面が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-84754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、特許文献に記載された従来の装置では、文書中の語句に辞書引きのためのリンクタグを付与することができるが、リンクタグを付与された語句によって辞書引きされる内容は常に同じとなっている。このため、文書中の語句に対してリンクタグが設定されていたとしても、リンクを利用したコンテンツの利用が限定的となっていた。
【0005】
本発明は、前記のような課題に考慮してなされたもので、テキストデータに含まれる語句に対するリンク先の設定の自由度を向上させた電子機器、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決するために、本発明の実施形態に係る電子機器は、制御部と、表示部とを有する電子機器において、前記制御部は、テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、ユーザからの指定に応じて、見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、前記決定された内容データが複数の場合、前記語句に対して、前記決定された複数の内容データとのリンクを設定し、前記語句に対して複数のリンクが設定されていることを表す表示形態により前記語句を前記表示部に表示させるよう制御する
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、テキストデータに含まれる語句に対するリンク先の設定の自由度を向上させることが可能な電子機器、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る電子機器の電子回路の構成を示す機能ブロック図。
図2】本実施形態における電子辞書の外観構成を示す正面図。
図3図3は、本実施形態におけるリンク設定処理を示すフローチャート。
図4】本実施形態におけるリンク設定データの一例を示す図。
図5】本実施形態におけるサブメニューが表示された説明情報画面の一例を示す図。
図6】本実施形態における辞書コンテンツ一覧画面の一例を示す図。
図7】本実施形態におけるリンク設定用の説明情報画面の一例を示す図。
図8】本実施形態におけるリンク設定用の説明情報画面の一例を示す図。
図9】本実施形態におけるリンク元の文字列(語句)が指定された説明情報画面の一例を示す図。
図10】本実施形態におけるジャンプ処理(1)について示すフローチャート。
図11】本実施形態における説明情報画面の一例を示す図。
図12】本実施形態におけるリンク一覧画面の一例を示す図。
図13】本実施形態におけるリンク先の内容データが表示された説明情報画面の一例を示す図。
図14】本実施形態におけるジャンプ処理(2)について示すフローチャート。
図15】本実施形態における説明情報画面の一例を示す図。
図16】本実施形態におけるリンク先リストがポップアップ表示された説明情報画面の一例を示す図。
図17】本実施形態におけるジャンプ処理(3)について示すフローチャート。
図18】本実施形態におけるリンク一覧画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る電子機器の電子回路の構成を示す機能ブロック図である。
【0011】
本実施形態では、電子機器を例えば電子辞書10として構成した例について示す。なお、電子機器は、電子辞書10の他、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットPC、ゲーム装置、サーバなどの各種の電子機器により実現することが可能である。なお、電子機器をサーバにより実現する場合、サーバとネットワークを介して接続された端末装置(例えば、スマートフォン)において、サーバによる処理に応じて、後述する電子辞書10と同様の画面表示、及びユーザ操作に応じたデータ入力が実行されるものとする。
【0012】
電子辞書10は、複数種類の辞書コンテンツが辞書データとして記録されている。辞書コンテンツでは、複数の見出し語とする文字列(テキストデータ)のそれぞれと対応づけて、見出し語に関する説明情報が登録されている。説明情報には、テキストデータだけでなく、画像情報、音声情報などを含む場合がある。電子辞書10に搭載されている辞書コンテンツは、一般に出版社などによって作成され、紙媒体などによっても出版されたものを含んでおり信頼性が高い。従って、信頼性の高い辞書コンテンツを学習に有効利用することで、正しく効果的な学習の効果を期待することができる。
【0013】
なお、辞書コンテンツは、英語系や国語系などの言語に関する辞書に限らず、百科事典、学習参考書、問題集、文学作品、解説書などのコンテンツなどを含む。
【0014】
電子辞書10は、各種の記録媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータの構成を有し、その電子回路には、CPU(central processing unit)11が備えられる。
【0015】
CPU11は、電子辞書10の全体を制御する制御部として機能する。CPU11は、メモリ12内に予め記憶された制御プログラム、あるいはROMカードなどの記録媒体13から記録媒体読取部14を介してメモリ12に読み込まれた制御プログラム、あるいはインターネット等のネットワーク(図示せず)を通じて、外部装置(サーバ等)からダウンロードされてメモリ12に読み込まれた制御プログラムに応じて、回路各部の動作を制御する。
【0016】
メモリ12に記憶された制御プログラムは、キー入力部16からのユーザ操作に応じた入力信号、表示部17からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは記録媒体読取部14を介して接続されるEEPROM(登録商標),RAM,ROMなどの外部記録媒体13との接続通信信号に応じて起動される。
【0017】
CPU11には、メモリ12、記録媒体読取部14、通信部15、キー入力部16、表示部17、音声入力部(マイク)18、音声出力部(スピーカ)19などが接続される。本実施形態では、表示部17は、タッチパネル式表示部であるが、表示部の構成は本実施形態に限定されない。表示部17は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを備えている。
【0018】
メモリ12に記憶される制御プログラムとしては、辞書制御プログラム12aが含まれる。辞書制御プログラム12aは、電子辞書10の全体の動作制御するためのプログラムである。また、辞書制御プログラム12aは、入力部(キー入力部16、表示部17、音声入力部18)により入力された文字列(見出し語)をもとに辞書コンテンツを検索して、入力された文字列(見出し語)に対応する説明情報を表示させる辞書検索機能を実現する。
【0019】
本実施形態における電子辞書10は、辞書制御プログラム12aに基づいて、辞書コンテンツに対する辞書検索機能によって表示された内容データ(見出し語、説明情報)からユーザ操作によって指定された語句に対して、ユーザが任意に指定したコンテンツの内容データとリンクを設定することができる。リンクが設定された語句は、内容データを表示する画面において、リンクが設定されことを示す特別な表示形態により表示し、この画面において語句が指定されることで、リンク先の内容データを表示する画面に切り替える(ジャンプする)ことができる。内容データは、見出し語と、見出し語に関する説明情報とを含む。
【0020】
メモリ12には、辞書データ12b、リンク設定データ12c、インデックスデータ12dなどが記憶される。
【0021】
辞書データ12bには、複数の異なる種類の辞書コンテンツ1,2…が含まれる。辞書コンテンツ1,2…には、例えば、英和辞書、和英辞書、英英辞書、英漢辞書、国語辞書などの言語に関する辞書の他、百科事典、学習参考書、問題集、文学作品、解説書などの各種のコンテンツが含まれる。
【0022】
辞書データ12bには、辞書毎に、各見出し語のそれぞれに対応する説明情報が対応づけられている。コンテンツの種類によって見出し語は、例えば、標題、タイトル、目次、索引、項目として設けられている。なお、辞書データ12bは、電子辞書10の本体に内蔵せずに、ネットワークを通じてアクセス可能な外部装置(サーバ等)に記憶されていても良い。
【0023】
リンク設定データ12cは、辞書コンテンツの内容データ(見出し語、説明情報)に対して設定されたリンクに関する情報である。リンク設定データ12cには、例えば、内容データに含まれる語句等と、この語句等に対してリンクが設定されたリンク先の辞書コンテンツと、この辞書コンテンツ内の見出し語を示すデータが含まれる(図4参照)。
【0024】
インデックスデータ12dは、複数の辞書コンテンツに対して、高速に検索を実行するためのもので、複数の辞書コンテンツのそれぞれに含まれる見出し語が含まれる。辞書検索のために入力された文字列について、インデックスデータ12dの見出し語を検索することで、入力された文字列を見出し語に有する辞書コンテンツを高速に検索できる。
【0025】
通信部15は、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワークを介した、他の電子機器と通信する通信制御、あるいは近距離の他の電子機器との間で、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信をする通信制御を実行する。
【0026】
このように構成された電子辞書10は、CPU11が辞書制御プログラム12a等の各種プログラムに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる機能を実現する。
【0027】
図2は、本実施形態における電子辞書10の外観構成を示す正面図である。
【0028】
図2における電子辞書10の場合、開閉される装置本体の下段側にCPU11、メモリ12、記録媒体読取部14、通信部15、音声入力部18、音声出力部19が内蔵されると共にキー入力部16が設けられ、上段側に表示部17が設けられる。
【0029】
キー入力部16には、文字入力キー16a、各種の辞書や各種機能を選択することができる辞書選択キー16b、[訳/決定]キー16c、[戻る]キー16d、カーソルキー(上下左右キー)16e、削除キー16f、電源ボタン、その他の各種機能キーなどが備えられる。
【0030】
表示部17には、各種機能の実行に応じて、各種メニューやボタン17aなどが表示される。表示部17では、例えばペンPを用いて、各種メニューやボタン17aを選択するタッチ操作、文字を入力するための手書き文字入力をすることができる。
【0031】
また、手書き文字入力では、表示部17に表示された手書き文字入力エリアに、文字を表すパターンがペンPにより手書されると、パターンについて文字認識処理を実行する。
【0032】
また、電子辞書10は、音声入力部18から学習者が発話した音声を入力し、入力された音声に対して音声認識処理を実行して、発話された音声に対応する文字列を入力することができる。
【0033】
次に、本実施形態における電子辞書10の動作について説明する。
【0034】
まず、本実施形態におけるリンク設定処理について説明する。図3は、本実施形態におけるリンク設定処理を示すフローチャートである。図4は、本実施形態におけるリンク設定データ12cの一例を示す図である。
【0035】
CPU11は、辞書制御プログラム12aによる辞書検索機能により、入力部(キー入力部16、表示部17、音声入力部18)により入力された文字列(見出し語)をもとに、検索対象とする辞書コンテンツの見出し語を検索して、入力された文字列(見出し語)に対応する内容データを特定する。CPU11は、説明情報画面として、見出し語をもとに特定された見出し語と、見出し語に対応する説明情報を表示部17において表示させる。見出し語と説明情報は、文字列を表すテキストデータを含む。
【0036】
表示部17に表示された内容データに対して、例えばペンPを用いたユーザ操作により文字列範囲が指定されると(ステップA1、Yes)、CPU11は、範囲指定された文字列(語句)を、選択状態を表す表示形態(反転表示、背景色変更など)により表示させると共に、範囲指定された文字列に対応するサブメニューを表示部17に表示させる(ステップA2)。
【0037】
図5は、本実施形態におけるサブメニューが表示された説明情報画面D1の一例を示す図である。
【0038】
図5に示す説明情報画面D1は、例えば検索対象とする辞書コンテンツ「古語辞典」に対して、見出し語「さくら」により検索された内容データD11が表示され、サブメニューD12が追加表示された状態を示す。
【0039】
なお、内容データD11には、辞書コンテンツ「古語辞典」において、予めリンクが設定された文字列D13(「よのなかに…」)が含まれている。文字列D13は、リンクが設定されていることを表す、他の内容データとは異なる表示形態によって表示されている。例えば、文字列D13は、リンクが設定されていることを表す特定の色により表示されると共に、アンダーラインが付加されている。
【0040】
この場合、辞書コンテンツ「古語辞典」のリンクが設定された文字列D13(「よのなかに…」)については、図4に示すリンク設定データ12cように、リンク元の語句「辞書コンテンツ「古語辞典」、語句(「よのなかに…」)」の情報と対応づけて、リンク先の見出し語「辞書コンテンツ「古語辞典」、語句(「世の中に絶えてさくら…」)」の情報が記録されている。
【0041】
図5に示す例では、範囲指定された文字列D14が内容データの見出し語に相当する「さくら」であるため、文字列「さくら」が選択状態を表す表示形態に変更されている。なお、見出し語に相当する文字列だけでなく、説明情報に含まれる文字列(テキストデータ)に対して範囲指定して文字列を指定することができる。
【0042】
サブメニューD12には、範囲指定された文字列D14に関連する情報の他、文字列D14に応じて実行可能な機能を実行するための複数のボタン(アイコン)が含まれている。また、本実施形態では、サブメニューD12において、範囲指定された文字列D14に対して、リンクを設定するための処理の実行を指示するためのボタン(アイコン)D15(「アドレスジャンプを追加」)が設けられている。
【0043】
CPU11は、サブメニューD12のボタンD15とは別のボタンに対する操作があった場合、操作されたボタンに応じてその他の処理を実行する(ステップA4)。
【0044】
一方、CPU11は、サブメニューD12のボタンD15に対する操作があった場合、リンクの設定対象として範囲指定された文字列D14(語句)をもとに、インデックスデータ12dを検索して、文字列D14を見出し語に持つ辞書コンテンツを選択する(ステップA5)。
【0045】
CPU11は、文字列D14を見出し語に持つ辞書コンテンツを選択すると、文字列D14に対するリンク(アドレスジャンプ)先の辞書コンテンツをユーザに指定させるための辞書コンテンツ一覧画面D2を表示部17に表示させる(ステップA6)。
【0046】
すなわち、本実施形態における電子辞書10では、説明情報画面D1において指定された文字列D14に対して、説明情報画面D1に表示された内容データ(見出し語、説明情報)を含む辞書コンテンツだけでなく、その他の電子辞書10に収容された他の辞書コンテンツを対象としてリンク先を選択することができる。これにより、語句に対するリンク先の設定の自由度を向上させることができる。また、CPU11は、語句が指定された場合に、リンクを設定する処理を指示するためのボタンD15を含むサブメニューD12を表示部17に表示させ、語句が指定されていない場合はサブメニューD12を表示部17に表示させないことにより、リンク設定時以外では説明情報を多く表示させ、リンク設定時はボタンD15から簡単にリンクを設定することができる。これにより、電子辞書10の利便性を向上させることができる。
【0047】
図6には、本実施形態における辞書コンテンツ一覧画面D2の一例を示す図である。図6に示すように、辞書コンテンツ一覧画面D2では、辞書コンテンツのジャンルを選択するボタンD21と、ボタンD21により指定されたジャンルに含まれる、文字列D14を見出し語に持つ辞書コンテンツ一覧D22が表示される。
【0048】
辞書コンテンツ一覧画面D2において、範囲指定された文字列D14を見出し語として有する辞書コンテンツのみを表示させることで、リンク先とする辞書コンテンツの内容データを効率的にユーザにより指定させることができる。
【0049】
なお、文字列D14を見出し語として有していない辞書コンテンツについて、文字列D14とは異なる文字列の指定によってリンク先とする内容データを検索できるようにする場合には、ステップA5の処理を省略して、リンク先として選択可能な全ての辞書コンテンツを辞書コンテンツ一覧画面D2において一覧表示する。
【0050】
辞書コンテンツ一覧画面D2において表示された辞書コンテンツ一覧D22から何れかの辞書コンテンツを選択する操作(例えば、ペンPによるタッチ)があると(ステップA7)、CPU11は、選択された辞書コンテンツに対する検索処理を実行する(ステップA8)。
【0051】
まず、CPU11は、表示部17において、選択された辞書コンテンツに対する説明情報画面を表示部17に表示させる。
【0052】
図7は、本実施形態におけるリンク設定用の説明情報画面D3の一例を示す図である。
【0053】
図7は、例えば辞書コンテンツ一覧において、辞書コンテンツ「新国語辞典」が選択され場合の説明情報画面D3の一例を示している。説明情報画面D3には、見出し語検索のために文字列を入力するための文字入力エリアD31が設けられている。文字入力エリアD31には、説明情報画面D1においてリンク元として指定された文字列D14「さくら」がデフォルト設定されて表示されている。従って、リンク設定用の説明情報画面D3が表示された状態において、例えば[訳/決定]キー16cの操作をするのみで、文字列D14「さくら」についての辞書コンテンツ「新国語辞典」に対する検索を実行できる。
【0054】
なお、説明情報画面D3において、予め設定された文字列D14「さくら」に代えて、別の文字列を任意に入力することができる。すなわち、説明情報画面D1においてリンク元として指定された文字列D14「さくら」とは異なる見出し語の内容データとリンクを設定できる。
【0055】
基本的に、リンク元として範囲指定された文字列(語句)について、他の辞書コンテンツの内容データを容易に閲覧できるようにするためリンク(アドレスジャンプ)の設定をする状況が多い。このため、図7に示すように、リンク元として範囲指定された文字列(語句)により辞書検索するようにしているが、説明情報画面D3において、ユーザが意図的にリンク元と異なる文字列(語句)を文字入力エリアD31に入力することで、リンク先とする見出し語(内容データ)を自由に選択できる。例えば、「織田信長」という見出し語によって検索された説明情報の「豊臣秀吉」の文字列に対して、辞書コンテンツ「百科事典」の「猿」という見出し語(内容データ)とのリンクを設定できる。
【0056】
説明情報画面D3において例えば[訳/決定]キー16cの操作により検索実行が指示されると、CPU11は、文字入力エリアD31に入力された文字列を検索対象とする辞書コンテンツに対して見出し語検索を実行して、検索結果とする見出し語に対応する説明情報を表示する説明情報画面(内容データ)を表示部17に表示させる。
【0057】
一実施形態では、サブメニューD12のボタンD15に対する操作(ステップA3;Yes)があった場合、辞書コンテンツの一覧を表示するステップの前にリンク設定用の説明情報画面D3を表示しても良い。この場合、ユーザが文字入力エリアD31に、リンク元として指定された文字列と対応づける任意の語句を入力し、検索実行を指示すると、CPU11は、文字入力エリアD31に入力された語句を見出し語に持つ辞書コンテンツの一覧画面D2を表示部17に表示させる。辞書コンテンツの一覧画面D2は少なくとも1つの辞書コンテンツを含む。辞書コンテンツ一覧D22から何れかの辞書コンテンツを選択する操作があると、CPU11は、選択された辞書コンテンツに対する検索処理を実行する。本実施形態では、辞書コンテンツ一覧D22から何れかの辞書コンテンツが選択されると、CPU11は、選択された辞書コンテンツに対して、文字入力エリアD31に入力された文字列を検索対象とする見出し語検索を実行して、検索結果とする見出し語に対応する説明情報を表示する説明情報画面(内容データ)を表示部17に表示させる。これにより、リンク元として指定された文字列D14に対して、効率よく文字列D14とは異なる見出し語の内容データとリンクを設定できる。
【0058】
図8は、本実施形態におけるリンク設定用の説明情報画面D4の一例を示す図である。
【0059】
図8に示すように、リンク設定用の説明情報画面D4には、説明情報D41と共に、リンク設定の確定指示を促すメッセージD43、例えば「アドレスジャンプを追加 追加する場合にはアイコンをタッチして下さい」と、追加ボタン(アイコン)D42が表示される。
【0060】
ここで、[戻る]キー16dの操作がされた場合(ステップA9、Yes)、CPU11は、説明情報画面D4に表示された内容データとのリンク設定を中止し、ステップA6に戻り、辞書コンテンツ一覧画面D2を表示させて、別の辞書コンテンツを選択できるようにする。この場合、前述と同様にして、任意に辞書コンテンツを選択して、リンク先とする見出し語を指定することができる。
【0061】
一方、説明情報画面D4の追加ボタン(アイコン)D42を指示する操作(例えば、ペンPによるタッチ)がある場合(ステップA10、Yes)、CPU11は、説明情報画面D1において指定された文字列(語句)(「さくら」)と、リンク先とする辞書コンテンツの内容データとのリンクを設定する(ステップA11)。
【0062】
すなわち、CPU11は、図4に示すリンク設定データ12cのように、リンク元の語句「辞書コンテンツ「古語辞典」、語句(「さくら」)」の情報と対応づけて、リンク先の見出し語「辞書コンテンツ「新国語辞典」、語句(「さくら」)」の情報を記録する。
【0063】
CPU11は、リンク元の文字列(語句)が指定された説明情報画面に表示部17の表示を切り替えて、リンク元として範囲指定された文字列(語句)をリンクが設定されことを示す特別な表示形態により表示すると共に(ステップA12)、リンク設定のメッセージを表示させる(ステップA13)。
【0064】
図9は、本実施形態におけるリンク元の文字列(語句)が指定された説明情報画面D5の一例を示す図である。
【0065】
図9に示す説明情報画面D5には、リンク設定のメッセージD61が表示され、リンク元の文字列D63(「さくら」)の表示形態が変更された内容データD51が表示されている。
【0066】
リンク元の文字列D63は、辞書コンテンツ「古語辞典」において、予めリンクが設定された文字列D13とは異なる表示形態(後述する第1表示形態、または第2表示形態)とすることができる。これにより、辞書コンテンツにおいて予め設定されたリンクと、ユーザ操作によって設定されたリンクを容易に識別することができる。
【0067】
ユーザ操作によって設定された文字列D63の表示形態としては、例えば文字色の変更、アンダーバーの付加、マーカー(背景色)の付加、フォントの変更(太字にする等)がある。
【0068】
このようにして、本実施形態における電子辞書10では、検索結果とする説明情報が表示された説明情報画面D1において、内容データ(テキストデータ)に対するユーザ操作により範囲指定された文字列(語句)に対して、ユーザが選択した辞書コンテンツの見出し語に対応する内容データとリンクを設定することができる。すなわち、見出し語及び説明情報(テキストデータ)に含まれる語句に対するリンク先の設定の自由度が向上され、ユーザにとって学習等をする上で効果的なリンクの設定が可能となる。
【0069】
例えば、ユーザ自身が有用だと判断した関連する情報を、複数の辞書コンテンツに含まれる内容データ(見出し語、説明情報)を選択して、1つの語句とリンクを設定することで学習効率を向上させることが期待できる。例えば、英語名演説、名せりふ集のような英文コンテンツで各単語の意味を、リンクされた情報を閲覧しながら読み進めると、従来の紙の教科書で単語の意味を書きこみながら英文全体の意味を理解するのと同様の学習効果が期待できる。
【0070】
なお、前述説明では、説明情報画面D1において指定された1つの文字列(語句)に対して、1つのリンク先を設定している場合について説明しているが、本実施形態では、1つの文字列(語句)に対して、複数のリンク先を設定することができる。例えば、図9に示す説明情報画面D5において、リンクが設定されことを示す表示形態により表示された文字列D63(「さくら」)に対して、前述と同様にして、リンク元とする語句として範囲指定されることで、新たにリンク先を設定する処理を実行する。この場合、リンク先とする辞書コンテンツは、文字列D63に対して設定済みのリンクと同じ辞書コンテンツからリンク先を決定しても良いし、異なる辞書コンテンツからリンク先を決定しても良い。
【0071】
図4に示すリンク設定データ12cでは、リンク元の語句「辞書コンテンツ「古語辞典」、語句(「さくら」)」の情報と対応づけて、先に説明した、リンク先の見出し語「辞書コンテンツ「新国語辞典」、語句(「さくら」)」の情報とは別に、リンク先の見出し語「辞書コンテンツ「百科事典」、語句(「コスモス」)」の情報が設定された例を示している。
【0072】
リンク先の見出し語「辞書コンテンツ「百科事典」、語句(「コスモス」)」については、前述したリンク設定処理と同様にして、リンク先として辞書コンテンツ「百科事典」を選択し、見出し語「コスモス」を指定することにより、リンクを設定することができる。
【0073】
なお、1つの語句に対して複数のリンク先が設定された場合、リンク元の語句については、説明情報画面において、複数のリンクが設定されていることを表す表示形態であって、1つのリンク先が設定された語句の表示形態(第1表示形態)とは異なる表示形態(第2表示形態)によって表示させる。一実施形態では、CPU11は、説明情報画面において、複数のリンク先が設定された語句については、リンクの設定数に応じた表示形態により語句を表示させても良い。これにより、説明情報画面においてリンクが設定された語句の表示形態により複数のリンクが設定されているかを容易に識別することができる。
【0074】
また、図4に示すリンク設定データ12cでは、リンク元の語句「辞書コンテンツ「古語辞典」、語句(「平安時代」)」の情報と対応づけて、リンク先の見出し語「辞書コンテンツ「日本史事典」、語句(「鎌倉」)」の情報が記録された例を示している。
【0075】
このように、本実施形態の電子辞書10では、説明情報画面D1において指定された文字列D14に対して、説明情報画面D1に表示された内容データ(見出し語、説明情報)を含む辞書コンテンツ(古語辞典)だけでなく、その他の電子辞書10に収容された他の辞書コンテンツ(例えば「日本史事典」)を対象としてリンク先を設定することができる。例えば、CPU11は、説明情報画面において、リンク先が自辞書コンテンツ(この場合「古語辞典」)の場合と、他の辞書コンテンツ(この場合「日本史事典」)とで異なる表示形態(第3表示形態)により語句を表示させる。これにより、説明情報画面においてリンクが設定された語句の表示形態により、リンク先が自辞書コンテンツであるか、他の辞書コンテンツであるかを容易に識別することができる。
【0076】
次に、リンクが設定された語句に対する操作に応じた画面表示(アドレスジャンプ表示)の動作について説明する。
【0077】
本実施形態における電子辞書10のCPU11は、リンクが設定された語句を含むテキストデータが表示された画面(説明情報画面)において、語句を選択する操作があった場合に、この画面(説明情報画面)に代えて、語句とリンクが設定された内容データが表示された画面(説明情報画面)に変更する。本実施形態の電子辞書10では、さらに、後述するジャンプ処理(1)(2)(3)の何れかを適用して、語句とリンクが設定された内容データを表示させることができる。
【0078】
まず、本実施形態におけるジャンプ処理(1)について、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0079】
CPU11は、辞書検索機能による処理結果として、説明情報画面において説明情報を表示させる場合に(ステップB1、Yes)、説明情報画面に表示させる内容データ(見出し語、説明情報)にリンクが設定されているか、リンク設定データ12cを参照して判別する。
【0080】
ここで、内容データにリンクが設定されている文字列(語句)がない場合(ステップB2、No)、CPU11は、辞書検索機能による処理結果として、説明情報画面において見出し語と説明情報とを表示させる(ステップB3)。
【0081】
一方、CPU11は、内容データにリンクが設定されている文字列(語句)がある場合(ステップB2、Yes)、CPU11は、説明情報画面にリストボタンを追加して、説明情報を表示させる(ステップB4)。
【0082】
図11は、本実施形態における説明情報画面D7の一例を示す図である。
【0083】
図11に示す説明情報画面D7は、図4のリンク設定データ12cが示すリンクが設定された複数の語句を含む内容データ(見出し語、説明情報)を表示する画面の一例を示す。
【0084】
内容データD71には、辞書コンテンツ「古語辞典」において、予めリンクが設定された文字列D72(「よのなかに…」)の他、ユーザ操作によってリンクが設定された文字列D73(「さくら」)、文字列D74(「平安時代」)が含まれている。文字列D73(「さくら」)には、2つのリンク先が設定されている。また、説明情報画面D7には、リストボタンとして、ハイパージャンプボタンD75が設けられている。
【0085】
CPU11は、説明情報画面D7において、「ハイパージャンプボタンD75を選択する操作がされた場合(ステップB5、Yes)、説明情報画面D7に含まれる語句に設定されたリンクを一覧表示するリンク先リスト(リンクの設定内容の一覧表示)を含むリンク一覧画面を表示部17に表示させる。
【0086】
図12は、本実施形態におけるリンク一覧画面D8の一例を示す図である。
【0087】
図12に示すように、リンク一覧画面D8には、リンク元の語句ごとにリンク先(辞書コンテンツ、見出し語)のリスト先リストを表示するリンク一覧エリアD81と、リンク一覧エリアD81において選択されたリンク先の内容データを表示する内容データ表示エアD82が設けられている。
【0088】
図11に示す説明情報画面D7には、リンクが設定された3つの文字列D72(「よのなかに…」)、文字列D73(「さくら」)、文字列D74(「平安時代」)が含まれているため、リンク一覧エリアD81には、文字列D73に対応するリンク先D83、文字列D74に対応するリンク先D84、文字列D72に対応するリンク先D85を含むリスト先リストが表示される。
【0089】
リンク一覧エリアD81では、初期状態では、先頭に表示されたリンク先(図12では「新国語[さくら]」)が選択状態になっているため、内容データ表示エアD82には、リンク先「新国語[さくら]の内容データが表示されている。
【0090】
リンク一覧エリアD81に対しては、例えばカーソルキー16eの上下キーによって何れかのリンク先を指定することができる。CPU11は、リンク一覧エリアD81において、何れかのリンク先が選択された状態で[訳/決定]キー16cの操作があった場合、あるいはペンPによる何れかのリンク先を選択するタッチ操作がある場合に(ステップB7、Yes)、リンク一覧画面D8に代えてリンク先の内容データを表示する説明情報画面を表示部17に表示させる(ステップB8)。
【0091】
図13は、本実施形態におけるリンク先の内容データ(見出し語、説明情報)が表示された説明情報画面D9の一例を示す図である。
【0092】
図13は、図12に示すリンク一覧エリアD81から、例えば「新国語[さくら]が選択された場合に表示される説明情報画面D9である。すなわち、辞書コンテンツ「新国語辞典」の見出し語「さくら」の内容データ(見出し語、説明情報)が表示されている。
【0093】
このようにして、本実施形態におけるジャンプ処理(1)では、説明情報画面において表示される内容データの語句にリンクが設定されている場合に、ハイパージャンプボタンD75に対する操作に応じて、複数のリンク先をリンク一覧画面D8において表示させることができる。従って、説明情報画面においてリンクが設定された複数の語句がある場合であっても、複数のリンク先から目的とするジャンプ先を容易に選択して、説明情報画面を表示させることができる。なお、説明情報画面においてリンクが設定された語句が1つしかない場合でもハイパージャンプボタンD75を表示しても良い。
【0094】
次に、本実施形態におけるジャンプ処理(2)について、図14に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0095】
CPU11は、辞書検索機能による処理結果として、説明情報画面において内容データ(見出し語、説明情報)を表示させる(ステップC1)。
【0096】
CPU11は、説明情報画面において、リンクが設定された語句に対する、例えばペンPによる指定があるか判別する。CPU11は、リンクが設定された語句に対する指示があると判別した場合(ステップC2、Yes)、この指示された語句に対して複数のリンクが設定されているかを、リンク設定データ12cをもとに判別する。
【0097】
複数のリンクが設定されていない場合(ステップC3、No)、CPU11は、語句に設定されたリンク先を、リンク設定データ12cをもとに判別して、リンク先の辞書コンテンツの見出し語に対応する内容データ(見出し語、説明情報)を説明情報画面において表示させる。
【0098】
一方、複数のリンクが設定されている場合(ステップC3、Yes)、CPU11は、リンク先リスト(リンクの設定内容の一覧表示)を、ペンPにより指定された語句の近傍にポップアップ表示させる。
【0099】
図15は、本実施形態における説明情報画面D10の一例を示す図である。
【0100】
図15に示す説明情報画面D10は、図4のリンク設定データ12cが示すリンクが設定された複数の語句を含む内容データ(見出し語、説明情報)を表示する画面の一例を示す。
【0101】
内容データD101には、辞書コンテンツ「古語辞典」において、予めリンクが設定された文字列D102(「よのなかに…」)の他、ユーザ操作によってリンクが設定された文字列D103(「さくら」)、文字列D104(「平安時代」)が含まれている。
【0102】
図15に示す説明情報画面D10では、リンクが設定された文字列D103(「さくら」)がペンPにより指示された状態を示している。この場合、文字列D103(「さくら」)には、2つのリンク先が設定されているため、CPU11は、ペンPにより指示された文字列D103(「さくら」)の近傍、例えば文字列D103を隠さない最も近い位置に、リンク先リストD105をポップアップ表示させる。

図16は、本実施形態におけるリンク先リストD105がポップアップ表示された説明情報画面D10の一例を示す図である。
【0103】
図16に示すように、ペンPにより指示された文字列D103(「さくら」)の近傍にポップアップ表示されたリンク先リストD105では、複数のリンク先を示す辞書コンテンツと見出し語(図16では、「新国語[さくら]」と「百科[コスモス]」)が一覧表示されている。
【0104】
リンク先リストD105が表示された状態において、リンク先リストD105の何れかのリンク先を選択する操作があると(ステップC5、Yes)、CPU11は、リンク先リストD105を消去して(ステップC6)、リンク先リストD105から選択されたリンク先の内容データ(見出し語、説明情報)を説明情報画面において表示させる(ステップC7)。
【0105】
例えば、リンク先リストD105から「新国語[さくら]」が選択された場合、CPU11は、図13に示す、辞書コンテンツ「新国語辞典」の見出し語「さくら」の内容データ(見出し語、説明情報)を説明情報画面に表示させる。
【0106】
このようにして、本実施形態におけるジャンプ処理(2)では、説明情報画面において表示される内容データの語句に複数のリンクが設定されている場合に、ペンPを用いたリンクが設定された語句を指示する操作に応じて、リンク先リストD105をポップアップ表示させることができる。従って、1つの語句に複数のリンクが設定されている場合に、ポップアップ表示されたリンク先リストD105から目的とするジャンプ先を容易に選択して、説明情報画面を表示させることができる。
【0107】
なお、前述した説明では、1つの語句に対して複数のリンク先が設定された場合に、リンク先リストD105をポップアップ表示させるとしているが、リンク先が1つの語句についても同様にして、リンク先を示す情報(辞書コンテンツ、見出し語)をポップアップ表示させるようにしても良い。
【0108】
この場合、例えばペンPを用いてリンクが設定された語句を指示することで、説明情報画面に画面を切り替えずに、リンク先を確認することができる。
【0109】
次に、本実施形態におけるジャンプ処理(3)について、図17に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0110】
CPU11は、辞書検索機能による処理結果として、説明情報画面において内容データ(見出し語、説明情報)を表示させる。CPU11は、説明情報画面において、リンクが設定された語句に対する、例えばペンPによる指定があるか判別する。CPU11は、リンクが設定された語句に対する指示があると判別した場合(ステップE1、Yes)、この指示された語句に対して複数のリンクが設定されているかを、リンク設定データ12cをもとに判別する。
【0111】
複数のリンクが設定されていない場合(ステップE2、No)、CPU11は、語句に設定されたリンク先を、リンク設定データ12cをもとに判別して、リンク先の辞書コンテンツの見出し語に対応する内容データ(見出し語、説明情報)を説明情報画面において表示させる。
【0112】
一方、複数のリンクが設定されている場合(ステップE2、Yes)、CPU11は、語句に設定されたリンクを一覧表示するリンク先リスト(リンクの設定内容の一覧表示)を含むリンク一覧画面を表示部17に表示させる。
【0113】
図18は、本実施形態におけるリンク一覧画面D110の一例を示す図である。
【0114】
図18に示すように、リンク一覧画面D110には、説明情報画面において指定された語句に設定された複数のリンク先(辞書コンテンツ、見出し語)のリスト先リストを表示するリンク一覧エリアD111と、リンク一覧エリアD111において選択されたリンク先の内容データを表示する内容データ表示エアD112が設けられている。
【0115】
リンク一覧エリアD111では、初期状態では、先頭に表示されたリンク先(図18では「新国語[さくら]」)が選択状態になっているため、内容データ表示エアD112には、リンク先「新国語[さくら]の内容データが表示されている。
【0116】
リンク一覧エリアD111に対しては、例えばカーソルキー16eの上下キーによって何れかのリンク先を指定することができる。CPU11は、リンク一覧エリアD111において、何れかのリンク先が選択された状態で[訳/決定]キー16cの操作があった場合、あるいはペンPによる何れかのリンク先を選択するタッチ操作がある場合に(ステップE4、Yes)、リンク一覧画面D110に代えてリンク先の内容データを表示する説明情報画面を表示部17に表示させる(ステップE5)。
【0117】
図18に示すリンク一覧エリアD111から、例えば「新国語[さくら]が選択された場合には、図13に示す説明情報画面D9を表示させる。すなわち、辞書コンテンツ「新国語辞典」の見出し語「さくら」の内容データ(見出し語、説明情報)を表示させる。
【0118】
このようにして、本実施形態におけるジャンプ処理(3)では、説明情報画面において表示される内容データの語句に複数のリンクが設定されている場合に、ペンPを用いたリンクが設定された語句を指示する操作に応じて、語句に設定された複数のリンク先(辞書コンテンツ、見出し語)のリスト先リストをリンク一覧エリアD111に表示させることができる。従って、1つの語句に複数のリンクが設定されている場合に、リンク一覧エリアD111のリスト先リストから目的とするジャンプ先を容易に選択して、説明情報画面を表示させることができる。
【0119】
なお、実施形態において記載した手法、すなわちフローチャートに示す処理等の各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記録媒体に格納して配布することができる。そして、コンピュータは、外部記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明した機能と同様の処理を実現することができる。
【0120】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワーク(インターネット)上を伝送させることができ、このネットワークに接続されたコンピュータからプログラムデータを取り込み、前述した実施形態と同様の機能を実現することもできる。
【0121】
なお、本願発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0122】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0123】
[1]
制御部を有する電子機器において、
前記制御部は、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記語句に対して、前記決定された内容データとのリンクを設定する電子機器。
【0124】
[2]
前記制御部は、
前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータが表示された第1画面において、前記語句を選択する操作があった場合に、前記第1画面に代えて、前記語句とリンクが設定された前記内容データが表示された第2画面に変更する、[1]記載の電子機器。
【0125】
[3]
前記制御部は、
前記語句が指定された場合に、前記リンクを設定する処理を指示するためのボタンを表示部に表示させる、[1]または[2]記載の電子機器。
【0126】
[4]
前記制御部は、
前記語句の選択に応じて、複数の異なるコンテンツを一覧表示させ、
前記一覧表示に対するコンテンツの指定に応じてコンテンツを決定する、[1]~[3]の何れかに記載の電子機器。
【0127】
[5]
前記制御部は、
前記語句に対応する見出し語を含むコンテンツのみを一覧表示させる、[4]記載の電子機器。
【0128】
[6]
前記制御部は、
前記語句の選択に応じて決定した前記コンテンツに対して、見出し語の指定を入力し、入力された見出し語と同見出し語に対応する説明情報とを含む内容データを、前記語句と対応づける内容データとして決定する、[1]~[5]の何れかに記載の電子機器。
【0129】
[7]
前記制御部は、
前記選択された語句に対応づける見出し語の指定を入力し、
前記入力された見出し語を含む少なくとも1つのコンテンツを表示させ、
前記表示された少なくとも1つのコンテンツに対するコンテンツの指定に応じてコンテンツを決定し、
前記決定されたコンテンツの、前記入力された見出し語と同見出し語に対応する説明情報とを含む内容データを、前記語句と対応づける内容データとして決定する、[1]~[3]の何れかに記載の電子機器。
【0130】
[8]
前記制御部は、
前記語句に対して、複数の前記内容データとのリンクを設定する、[1]~[7]の何れかに記載の電子機器。
【0131】
[9]
前記制御部は、
前記語句に対して、複数の前記内容データとのリンクを設定した場合に、複数のリンクが設定されていることを表す表示形態により前記語句を表示させる、[8]記載の電子機器。
【0132】
[10]
前記制御部は、
前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータを画面に表示させる場合に、前記画面に前記リンクの設定内容の一覧表示を指示するためのボタンを表示させ、
前記ボタンに対する指示に応じて、前記リンクの設定内容を一覧表示させる、[1]~[9]の何れかに記載の電子機器。
【0133】
[11]
前記制御部は、
前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータを画面に表示させる場合に、前記語句に対する指示に応じて、前記語句の表示位置に応じて前記リンクの設定内容の一覧表示を表示させる、[1]~[9]の何れかに記載の電子機器。
【0134】
[12]
前記制御部は、
複数の前記リンクが設定された前記語句を含むテキストデータが表示された画面において、前記語句を選択する操作があった場合に、複数の前記リンクの設定内容を一覧表示させる、[1]~[9]の何れかに記載の電子機器。
【0135】
[13]
制御部を有する電子機器における情報処理方法であって、
前記制御部は、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記語句に対して、前記決定された内容データとのリンクを設定する、情報処理方法。
【0136】
[14]
コンピュータに、
テキストデータに対する指定に応じて語句を選択し、
見出し語と前記見出し語と対応する説明情報とを含む内容データを有するコンテンツを決定し、
前記コンテンツから前記語句と対応づける内容データを決定し、
前記語句に対して、前記決定された内容データとのリンクを設定するように機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0137】
10…電子辞書、11…CPU、12…メモリ、12a…辞書制御処理プログラム、12b…辞書データ、12b1,12b2…辞書コンテンツ、12c…リンク設定データ、12d…インデックスデータ、13…記録媒体、14…記録媒体読取部、15…通信部、16…キー入力部、17…表示部、18…音声入力部、19…音声出力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18