(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】管理装置、および通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 24/00 20090101AFI20231114BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20231114BHJP
【FI】
H04W24/00
H04W4/06
(21)【出願番号】P 2022119523
(22)【出願日】2022-07-27
(62)【分割の表示】P 2019057299の分割
【原出願日】2019-03-25
【審査請求日】2022-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】三栗谷 純一
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 一郎
【審査官】小林 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-143358(JP,A)
【文献】特開2018-137524(JP,A)
【文献】特開2017-034347(JP,A)
【文献】特開2016-012849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一のグループ通信の
呼出対象となる端末装置が登録された基地局装置を特定し、前記特
定した基地局装置の動作状況を示す基地局情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得
した前記基地局情報に基づいて、前記一のグループ通信を処理すべき
基地局装置の中で正常に処理できな
かった基地局装置、または正常に処理できな
かった基
地局装置に登録された端末装置に関する
通信結果情報を作成する処理部と、
前記一のグループ通信の通信中または終了後に、前記処理部で作成された前記
通信結果
情報を
、前記一のグループ通信を発信した端末装置、前記一のグループ通信の呼出対象と
なる端末装置、または通信システムの管理者が使用する端末装置に送信する送信部と、
を備え、
前記送信部はさらに、前記取得部で特定された基地局装置に対して、前記一のグループ
通信を開始するための参加要求を送信し、
前記取得部は、前記送信部が前記参加要求を送信した基地局装置から、当該基地局装置
が前記一のグループ通信に必要なリソースを確保できたか否かを示す応答を前記基地局情
報として取得し、
前記処理部は、前記取得部で取得した前記基地局情報に基づいて、前記一のグループ通
信に必要なリソースを確保できなかったことを示す応答をおこなった基地局装置を、正常
に処理できなかった基地局装置と判定することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記送信部が前記参加要求を送信してから所定時間以内に前記取得部が
当該基地局装置から前記基地局情報を取得しない場合に、当該基地局装置に係るネットワ
ーク障害が発生したと判定し、当該基地局装置を正常に処理できなかった基地局装置と判
定するとともに、正常に処理できなかった要因が、当該基地局装置のリソース不足であっ
たのか、あるいは当該基地局装置に係るネットワーク障害であったのかを示す情報を前記
通信結果情報に含める、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記一のグループ通信に必要な処理を正常に実行でき
た基地局装置に登
録された端末装置と、前記一のグループ通信に必要な処理を正常に実行できな
かった基地
局装置に登録された端末装置とを判別可能な情報を前記
通信結果情報に含める、
ことを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
管理装置と、前記管理装置から情報提供を受ける端末装置とを含む通信システムであっ
て、
前記管理装置は、
一のグループ通信の呼出対象となる端末装置が登録された基地局装置を特定し、前記特
定した基地局装置の動作状況を示す基地局情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記基地局情報に基づいて、前記一のグループ通信を処理すべき
基地局装置の中で正常に処理できた基地局装置に登録された端末装置と、正常に処理でき
なかった基地局装置に登録された端末装置とを判別可能な情報を含む通信結果情報を作成
する処理部と、
前記一のグループ通信の通信中または終了後に、前記処理部で作成された前記通信結果
情報を、前記情報提供を受ける端末装置に送信する送信部と、
を備え、
前記送信部はさらに、前記取得部で特定された基地局装置に対して、前記一のグループ
通信を開始するための参加要求を送信し、
前記取得部は、前記送信部が前記参加要求を送信した基地局装置から、当該基地局装置
が前記一のグループ通信に必要なリソースを確保できたか否かを示す応答を前記基地局情
報として取得し、
前記処理部は、前記取得部で取得した前記基地局情報に基づいて、前記一のグループ通
信に必要なリソースを確保できなかったことを示す応答をおこなった基地局装置を、正常
に処理できなかった基地局装置と判定し、
前記情報提供を受ける端末装置は、
前記管理装置から前記通信結果情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記通信結果情報に基づいて、前記一のグループ通信を正常に処
理できた基地局装置に登録された端末装置と、正常に処理できなかった基地局装置に登録
された端末装置とを、異なる表示形態で表示するための表示制御データを作成する処理部
と、
を備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項5】
管理装置と、前記管理装置から情報提供を受ける端末装置とを含む通信システムであっ
て、
前記管理装置は、
一のグループ通信の呼出対象となる端末装置が登録された基地局装置を特定し、前記特
定した基地局装置の動作状況を示す基地局情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記基地局情報に基づいて、前記一のグループ通信を処理すべき
基地局装置の中で正常に処理できなかった基地局装置、または正常に処理できなかった基
地局装置に登録された端末装置に関する通信結果情報を作成する処理部と、
前記一のグループ通信の通信中または終了後に、前記処理部で作成された前記通信結果
情報を、前記情報提供を受ける端末装置に送信する送信部と、
を備え、
前記送信部はさらに、前記取得部で特定された基地局装置に対して、前記一のグループ
通信を開始するための参加要求を送信し、
前記取得部は、前記送信部が前記参加要求を送信した基地局装置から、当該基地局装置
が前記一のグループ通信に必要なリソースを確保できたか否かを示す応答を前記基地局情
報として取得し、
前記処理部は、前記取得部で取得した前記基地局情報に基づいて、前記一のグループ通
信に必要なリソースを確保できなかったことを示す応答をおこなった基地局装置を、正常
に処理できなかった基地局装置と判定するとともに、
前記送信部が前記参加要求を送信してから所定時間以内に前記取得部が当該基地局装置
から前記基地局情報を取得しない場合に、当該基地局装置に係るネットワーク障害が発生
したと判定し、当該基地局装置を正常に処理できなかった基地局装置と判定し、正常に処
理できなかった要因が、当該基地局装置のリソース不足であったのか、あるいは当該基地
局装置に係るネットワーク障害であったのかを示す情報を前記通信結果情報に含め、
前記情報提供を受ける端末装置は、
前記管理装置から前記通信結果情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記通信結果情報に基づいて、前記一のグループ通信を正常に処
理できなかった基地局装置、または正常に処理できなかった基地局装置に登録された端末
装置に関して、正常に処理できなかった要因が、当該基地局装置のリソース不足であった
のか、あるいは当該基地局装置に係るネットワーク障害であったのかを判別可能な表示形
態で表示するための表示制御データを作成する処理部と、
を備える、
ことを特徴とする通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、複数の移動局を含むグループ内で、広範囲のエリアに配置
された無線基地局装置を介して音声通信などが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ネットワークの圏外にいたために呼び出しに応じられなかっ
た移動局や、グループ通話中に圏外となった移動局の情報をグループ内の移動局において
表示する技術が記載されている。また、特許文献1には、圏外にいた移動局が圏内に戻っ
た場合に、グループ通話に途中参加(再参加)する技術が記載されている。また、特許文
献1には、発呼側の表示部に未応答移動局情報や、圏外移動局情報を表示させており、グ
ループ通話に参加しているユーザの意図を反映させながら、途中参加させることも記載さ
れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、移動局がグループ通信に参加できない要因として、移動局が圏外にい
ることしか考慮していない。しかしながら、基地局装置やネットワークを用いて構成され
る通信システムにおいては、移動局が圏内にいたとしても、その移動局がグループ通信に
参加できない場合がある。例えば、複数の基地局装置をネットワークで接続した広域通信
システムにおいて、基地局装置がグループ単位にリソース(例えば、チャネル)を割り当
てて、グループ通信を実行する場合である。この場合、ある基地局装置ではグループ通信
が実行されるが、別の基地局装置ではリソースに余裕がなく、グループ通信が実行できな
いときがある。そのため、基地局装置側に起因するグループ通信の障害の情報など、グル
ープ通信の通信状況に関する詳細な情報を提供することが望まれている。
【0006】
本発明は、グループ通信の通信状況に関する詳細な情報を提供することのできる管理装
置、端末装置、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の管理装置は、一のグループ通信の呼出対象となる端末装置が登録された基地局
装置を特定し、前記特定した基地局装置の動作状況を示す基地局情報を取得する取得部と
、前記取得部で取得した前記基地局情報に基づいて、前記一のグループ通信を処理すべき
基地局装置の中で正常に処理できなかった基地局装置、または正常に処理できなかった基
地局装置に登録された端末装置に関する通信結果情報を作成する処理部と、前記一のグル
ープ通信の通信中または終了後に、前記処理部で作成された前記通信結果情報を、前記一
のグループ通信を発信した端末装置、前記一のグループ通信の呼出対象となる端末装置、
または通信システムの管理者が使用する端末装置に送信する送信部と、を備え、前記送信
部はさらに、前記取得部で特定された基地局装置に対して、前記一のグループ通信を開始
するための参加要求を送信し、前記取得部は、前記送信部が前記参加要求を送信した基地
局装置から、当該基地局装置が前記一のグループ通信に必要なリソースを確保できたか否
かを示す応答を前記基地局情報として取得し、前記処理部は、前記取得部で取得した前記
基地局情報に基づいて、前記一のグループ通信に必要なリソースを確保できなかったこと
を示す応答をおこなった基地局装置を、正常に処理できなかった基地局装置と判定する。
【0008】
本発明の通信システムは、管理装置と、前記管理装置から情報提供を受ける端末装置と
を含む通信システムであって、前記管理装置は、一のグループ通信の呼出対象となる端末
装置が登録された基地局装置を特定し、前記特定した基地局装置の動作状況を示す基地局
情報を取得する取得部と、前記取得部で取得した前記基地局情報に基づいて、前記一のグ
ループ通信を処理すべき基地局装置の中で正常に処理できた基地局装置に登録された端末
装置と、正常に処理できなかった基地局装置に登録された端末装置とを判別可能な情報を
含む通信結果情報を作成する処理部と、前記一のグループ通信の通信中または終了後に、
前記処理部で作成された前記通信結果情報を、前記情報提供を受ける端末装置に送信する
送信部とを備え、前記送信部はさらに、前記取得部で特定された基地局装置に対して、前
記一のグループ通信を開始するための参加要求を送信し、前記取得部は、前記送信部が前
記参加要求を送信した基地局装置から、当該基地局装置が前記一のグループ通信に必要な
リソースを確保できたか否かを示す応答を前記基地局情報として取得し、前記処理部は、
前記取得部で取得した前記基地局情報に基づいて、前記一のグループ通信に必要なリソー
スを確保できなかったことを示す応答をおこなった基地局装置を、正常に処理できなかっ
た基地局装置と判定し、前記情報提供を受ける端末装置は、前記管理装置から前記通信結
果情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した前記通信結果情報に基づいて、前記一
のグループ通信を正常に処理できた基地局装置に登録された端末装置と、正常に処理でき
なかった基地局装置に登録された端末装置とを、異なる表示形態で表示するための表示制
御データを作成する処理部と、を備える。
【0009】
本発明の通信システムは、管理装置と、前記管理装置から情報提供を受ける端末装置と
を含む通信システムであって、前記管理装置は、一のグループ通信の呼出対象となる端末
装置が登録された基地局装置を特定し、前記特定した基地局装置の動作状況を示す基地局
情報を取得する取得部と、前記取得部で取得した前記基地局情報に基づいて、前記一のグ
ループ通信を処理すべき基地局装置の中で正常に処理できなかった基地局装置、または正
常に処理できなかった基地局装置に登録された端末装置に関する通信結果情報を作成する
処理部と、前記一のグループ通信の通信中または終了後に、前記処理部で作成された前記
通信結果情報を、前記情報提供を受ける端末装置に送信する送信部と、を備え、前記送信
部はさらに、前記取得部で特定された基地局装置に対して、前記一のグループ通信を開始
するための参加要求を送信し、前記取得部は、前記送信部が前記参加要求を送信した基地
局装置から、当該基地局装置が前記一のグループ通信に必要なリソースを確保できたか否
かを示す応答を前記基地局情報として取得し、前記処理部は、前記取得部で取得した前記
基地局情報に基づいて、前記一のグループ通信に必要なリソースを確保できなかったこと
を示す応答をおこなった基地局装置を、正常に処理できなかった基地局装置と判定すると
ともに、前記送信部が前記参加要求を送信してから所定時間以内に前記取得部が当該基地
局装置から前記基地局情報を取得しない場合に、当該基地局装置に係るネットワーク障害
が発生したと判定し、当該基地局装置を正常に処理できなかった基地局装置と判定し、正
常に処理できなかった要因が、当該基地局装置のリソース不足であったのか、あるいは当
該基地局装置に係るネットワーク障害であったのかを示す情報を前記通信結果情報に含め
、前記情報提供を受ける端末装置は、前記管理装置から前記通信結果情報を受信する受信
部と、 前記受信部で受信した前記通信結果情報に基づいて、前記一のグループ通信を正
常に処理できなかった基地局装置、または正常に処理できなかった基地局装置に登録され
た端末装置に関して、正常に処理できなかった要因が、当該基地局装置のリソース不足で
あったのか、あるいは当該基地局装置に係るネットワーク障害であったのかを判別可能な
表示形態で表示するための表示制御データを作成する処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、グループ通信の通信状況に関する詳細な情報を提供することができる
。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る基地局装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、端末装置データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、参加情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係るグループ通信における各装置の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成を示す模式図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係るグループ通信における各装置の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図10】
図10は、グループ参加情報の表示方法の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、グループ参加情報の表示方法の一例を示す模式図である。
【
図12】
図12は、グループ参加情報の表示形態の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、グループ参加情報の表示形態の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、表示部に表示させるグループ参加情報の表示条件を選択する方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施
形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実
施形態を組み合わせて構成するものも含む。
【0013】
本発明を具体的に説明する前に、まず業務用無線システムの概要を説明する。本発明の
実施形態は、ネットワークに接続された複数の基地局装置と、複数の端末装置と、ネット
ワークに接続されたシステム管理装置を含む業務用無線システムである。
【0014】
業務用途を主とした陸上移動無線システム(LMR:Land Mobile Radio)の分野にお
いては、複数のシステム形態が存在し、大きく分けてトランキング方式とコンベンショナ
ル方式の2つが存在する。説明を簡潔にするため、本実施形態では、トランキング方式を
例に説明するが、本発明はトランキング方式に限定されるものではなく、コンベンショナ
ル方式にも適用可能である。また、本発明は、業務用無線システムに限定されるものでは
なく、携帯電話網を使った通信システムなど他の通信システムにも適用できる。
【0015】
トランキング方式では、無線チャネルをシェアして周波数を効率よく使用するために、
基地局装置の回線制御装置を用いて通信が発生するたびに移動局に対して通信チャネルを
割り当てる。これにより、各所に配置された基地局装置を経由した移動局間での通信を可
能にしたシステムが構成される。業務用無線システムでは、複数の移動局によってグルー
プが形成される。
【0016】
[無線通信システム]
図1を用いて、本発明の実施形態に係る無線通信システム1の構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システム1の構成を示す模式図である。
図1に
図示の無線通信システム1は、例えば業務用無線システムである。
【0017】
無線通信システム1は、基地局装置10aと、基地局装置10bと、基地局装置10c
と、基地局装置10dと、端末装置20a-1と、端末装置20a-2と、端末装置20
a-3と、端末装置20a-4と、端末装置20b-1と、端末装置20b-2と、端末
装置20b-3と、端末装置20c-1と、端末装置20c-2と、端末装置20c-3
と、端末装置20d-1と、端末装置20d-2と、端末装置20d-3と、管理装置3
0とを含む。
図1に示す無線通信システム1は、例示であり、基地局装置の数および端末
装置の数を制限するものではない。また、以下の説明において、基地局装置10aと、基
地局装置10bと、基地局装置10cと、基地局装置10dとを区別する必要のない場合
には総称して基地局装置10と呼ぶこともある。端末装置20a-1と、端末装置20a
-2と、端末装置20a-3と、端末装置20a-4と、端末装置20b-1と、端末装
置20b-2と、端末装置20b-3と、端末装置20c-1と、端末装置20c-2と
、端末装置20c-3と、端末装置20d-1と、端末装置20d-2と、端末装置20
d-3とを区別する必要のない場合には総称して端末装置20と呼ぶこともある。基地局
装置10と、管理装置30とはネットワークNWを介して接続されている。
【0018】
基地局装置10aは、通信エリア10a-1を形成する。基地局装置10aは、通信エ
リア10a-1内に存在する端末と無線通信を行う。
図1に示す例では、基地局装置10
aは、端末装置20a-1、端末装置20a-2、端末装置20a-3、および端末装置
20a-4と無線通信を行う。通信エリア10a-1のことを、エリアAと呼ぶこともあ
る。基地局装置10aには、チャネル情報40aに示されているように、CH1からCH
7までの複数のチャネルが設定されている。CH1は制御チャネルである。CH2からC
H7は通信チャネル用に使用されるチャネルである。通信チャネルとは、端末装置20間
でやりとりされる音声、画像、映像、テキストなどのデータを伝送するためのチャネルで
ある。CH2は、
図1に示す例ではグループIDが「グループ#1」のグループ通信によ
って動的に割り当てられた通信チャネルである。CH3からCH7は、
図1に示す例では
、アイドル状態である。アイドル状態のチャネルは、CH2に割り当てられたグループ「
グループ#1」とは異なるグループのグループ通信が行われるときに通信チャネルとして
使用される。
【0019】
基地局装置10bは、通信エリア10b-1を形成する。基地局装置10bは、通信エ
リア10b-1内に存在する端末と無線通信を行う。
図1に示す例では、基地局装置10
bは、端末装置20b-1、端末装置20b-2、および端末装置20b-3と無線通信
を行う。通信エリア10b-1のことを、エリアBと呼ぶこともある。基地局装置10b
には、チャネル情報40bに示されているように、CH1からCH4までの複数のチャネ
ルが設定されている。CH1は制御チャネルである。CH2からCH4は通信チャネル用
に使用されるチャネルである。CH2は、
図1に示す例ではグループIDが「グループ#
1」のグループ通信によって動的に割り当てられた通信チャネルである。CH3とCH4
とは、
図1に示す例では、アイドル状態である。
【0020】
基地局装置10cは、通信エリア10c-1を形成する。基地局装置10cは、通信エ
リア10c-1内に存在する端末と無線通信を行う。
図1に示す例では、基地局装置10
cは、端末装置20c-1、端末装置20c-2、および端末装置20c-3と無線通信
を行う。通信エリア10c-1のことを、エリアCと呼ぶこともある。基地局装置10c
には、チャネル情報40cに示されているように、CH1からCH4までの複数のチャネ
ルが設定されている。CH1は制御チャネルである。CH2からCH4は通信チャネル用
に使用されるチャネルである。CH2は、
図1に示す例ではグループIDが「グループ#
1」のグループ通信によって動的に割り当てられた通信チャネルである。CH3とCH4
は、
図1に示す例では、アイドル状態である。
【0021】
基地局装置10dは、通信エリア10d-1を形成する。基地局装置10dは、通信エ
リア10d-1内に存在する端末と無線通信を行う。
図1に示す例では、基地局装置10
dは、端末装置20d-1、端末装置20d-2、および端末装置20d-3と無線通信
を行う。通信エリア10d-1のことを、エリアDと呼ぶこともある。基地局装置10d
には、チャネル情報40dに示されているように、CH1からCH5までの複数のチャネ
ルが設定されている。CH1は制御チャネルである。CH2からCH5は通信チャネル用
に使用されるチャネルである。CH2は、
図1に示す例ではグループIDが「グループ#
1」のグループ通信によって動的に割り当てられた通信チャネルである。CH3からCH
5は、
図1に示す例では、アイドル状態である。
【0022】
端末装置20は、基地局装置10を介して他の端末装置と通信可能な無線端末である。
端末装置20は、電源が投入されたとき、または待ち受け中の受信電界強度低下時に制御
チャネルをサーチして最も品質回線の良い基地局装置を選択し、選択した基地局装置に対
して、位置登録とグループ登録を要求する。
【0023】
以下では、位置登録(位置登録処理)と、グループ登録(グループ登録処理)との概要
を説明する。
【0024】
位置登録は、端末装置20の情報と、その端末装置20が今後使用する基地局装置10
の情報とを管理装置30に登録する処理である。具体的には、まず端末装置20が今後使
用する基地局装置10に位置登録要求を送信する。位置登録要求を受信した基地局装置1
0は、基地局装置10の識別情報と端末装置20の識別情報とを含めた情報を管理装置3
0に登録する。位置登録によって、管理装置30は、端末装置20の存在するエリア(端
末装置20と通信可能な基地局装置10)を把握できる。これにより、管理装置30は、
端末装置20に対する通信が発生した時に使用すべき基地局装置10を特定することが可
能になる。例えば、端末装置20a-1が、端末装置20b-1に向けて発信(発呼)し
た場合、基地局装置10aが電波を受信し、基地局装置10bに中継する。このような処
理は、端末装置20b-1が基地局装置10bを介して管理装置に登録することで、管理
装置30は端末装置20b-1に係る通信が発生した時に使用すべき基地局装置が基地局
装置10bであることを特定できる。以下では、通信を発信(発呼)する端末装置20を
発信端末あるいは発呼端末と呼ぶ。また、発呼端末によって通信相手に指定された端末装
置20、すなわち呼出対象である端末装置20を呼出端末と呼ぶ。管理装置30は、1対
1の個別通信であれば、呼出端末の存在するエリアの基地局装置10へすぐに着信を通知
する信号を送信することができる。端末装置20を位置登録することで、端末装置20を
探す手間が省けるため、無線通信システム1を効率的に運用することができる。
【0025】
グループ登録は、端末装置20がグループ通信で使用するグループを管理装置30に登
録する処理である。グループ登録することにより、管理装置30は、発呼端末に指定され
たグループに属する呼出端末が存在するエリアの基地局装置10を把握できる。そのため
、管理装置30は、発呼端末に指定されたグループに属する端末装置20が存在するエリ
アを容易に特定し、効率的なグループ通信を行える。なお、グループ登録がなされた後で
あっても、ユーザは所定の操作を行うことにより、端末装置20の所属するグループを変
更することができる。
【0026】
端末装置20は、電源がオフされたとき基地局装置10に対して位置登録削除を通知す
ることで、管理装置30に記憶された自身の位置情報を削除する。管理装置30は、端末
装置20の位置情報を、一元管理している。そのため、管理装置30は、エリア毎に存在
する端末装置20を把握することができる。管理装置30は、端末装置20をグループ登
録することにより、グループ呼出の対象となる端末装置20の存在するエリアも把握でき
る。そのため、管理装置30は、登録されたエリアを呼び出し範囲として、効率的なグル
ープ呼び出しを行うことができる。
【0027】
ここで、グループ通話を開始する処理の概要について説明する。
【0028】
端末装置20においてグループ通話を開始するための発呼が発生した場合、端末装置2
0は、制御チャネル上で発信グループ要求を基地局装置10に送信する。発信グループ要
求を受信した基地局装置10は、グループ通信を行うためのリソースを確保する。例えば
、典型的なリソースはチャネルであり、基地局装置10はグループ通信のためのチャネル
を割り当てる。基地局装置10は、管理装置30に対して、当該グループ通信を要求する
。要求を受信した管理装置30は、当該グループの基地局装置エリアが登録されているか
を確認する。登録されている場合、管理装置30は、他の基地局装置に対して当該グルー
プに対してチャネルを割り当てることを、ネットワーク経由で要求する。他の基地局装置
は、要求に応じて、グループ通信のリソースを確保する。
【0029】
発信元となる基地局装置10および他の基地局装置は、通信チャネル情報を含む要求を
制御チャネル上で端末装置20に送信する。当該グループに所属する端末装置20は、通
信チャネル情報を含む要求を制御チャネル上で受信することによって、通信チャネルを認
識する。発呼端末は、割り当てられた通信チャネルにて信号を基地局装置10へ送信する
。当該信号には、デジタル化された音声信号が含まれている。基地局装置10は、当該グ
ループに所属する端末装置20が自基地局装置に登録されている場合、割り当てた通信チ
ャネルにて信号を送信する。また、基地局装置10は、受信した信号を管理装置30に送
信する。管理装置30は、受信した信号を他の基地局装置へ配信する。他の基地局装置は
、割り当てた通信チャネル上にて信号を端末装置20(呼出端末)へ送信する。端末装置
20(呼出端末)は、受信した信号をもとに音声信号をデコードして、スピーカから音声
を出力する。
【0030】
このように、複数の端末装置が含まれたグループが複数形成されている。また、複数の
基地局装置のそれぞれがグループ単位にチャネルを割り当てる。その結果、チャネルを割
り当てたグループに含まれたひとつの端末装置から、当該グループに含まれた残りの端末
装置への通信がなされる。
【0031】
このようなグループ通話は、ひとつの通話が発生した場合に、各基地局装置のチャネル
をひとつ使用する。そのため、同一グループに含まれた端末装置が、広範囲の基地局装置
に登録されている場合、システム全体では、1回の通話で基地局装置の数分のチャネルが
使用される。以上の処理は、グループごとになされる。
【0032】
図1を用いて具体的に説明する。
図1では「グループ#1」の通話が行われ際の各基地
局装置の動作を示しているが、他のグループの通話が行われる場合の動作についても同様
である。
図1では、通信エリア10a-1内に存在する端末装置20a-1が発呼端末で
あるものとして説明する。
【0033】
端末装置20a-1は、基地局装置10aのCH1の制御チャネルを使用して通信を要
求(リクエスト)するための信号を送信する。この信号は、「発呼要求」あるいは「発話
要求」あるいは「通信要求」とも呼ばれる。管理装置30には、「グループ#1」に属す
る端末装置とそのエリア情報とが対応付けられて登録されている。そのため、管理装置3
0は、「グループ#1」に所属する端末装置のエリア情報を判断して、「グループ#1」
に対するチャネル割り当て要求を基地局装置10b、基地局装置10c、基地局装置10
dに送信する。各基地局装置の通信エリア内に存在する端末装置は、基地局装置の通信チ
ャネルを使用して信号を受信する。
図1に示す例では、基地局装置10bと、基地局装置
10cと、基地局装置10dのCH2の通信チャネルを使用して信号を受信する。
【0034】
図2を用いて、本発明の実施形態に係る基地局装置10の構成について説明する。
図2
は、本発明の実施形態に係る基地局装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
基地局装置10は、アンテナ11と、通信部12と、処理部13と、ネットワークIF
(Inter Face)部14と、リソース制御部15と、記憶部16とを含む。
【0036】
通信部12は、端末装置20との間で情報通信を行う。通信部12は、受信部121と
、送信部122とを含む。
【0037】
受信部121は、端末装置20からの上り信号を、アンテナ11を介して受信する。受
信部121で受信する上り信号には、端末装置20からの音声信号、位置登録情報、グル
ープ通信要求など、端末装置20から送信されてくる種々の情報を含む。受信部121は
、端末装置20から受信した上り信号を処理部13に出力する。
【0038】
送信部122は、端末装置20に対して下り信号を、アンテナ11を介して送信する。
送信部122で送信する下り信号には、音声信号、グループ通信要求など、処理部13か
ら入力される種々の情報を含む。
【0039】
処理部13は、種々の信号を処理する。処理部13は、受信部121が位置登録要求を
受信した場合、その位置等要求を記憶部16に出力する。記憶部16は、端末装置のユニ
ット情報と待ち受けるグループ情報を記憶する。また、処理部13は、位置登録要求をネ
ットワークIF部14へ出力する。ネットワークIF部14は、ネットワークNWを介し
て管理装置30へ位置登録要求を送信する。基地局装置10から管理装置30に送信され
る位置登録要求には、後述するように、端末装置20を識別する端末装置ID(端末識別
子)と、端末装置20を使用するユーザを識別するユーザID(ユーザ識別子)と、端末
装置20が属するグループを識別するグループID(グループ識別子)と、端末装置20
からの位置登録要求(端末装置20からの電波)を受信した基地局装置10を識別する基
地局ID(基地局識別子)とが含まれる。
【0040】
処理部13は、受信部121がグループ通信要求を受信した場合、そのグループ通信要
求をリソース制御部15へ出力する。リソース制御部15は、通信に必要なリソースを管
理する。典型的なリソースは、無線通信に使用するチャネルである。また、チャネル以外
にも、基地局装置10において通信処理を実行するのに必要なCPU(Central Process
ing Unit)やメモリなどの処理能力、および使用する電力量などをリソースと呼ぶ。リ
ソース制御部15は、グループ通信チャネルの割り当て管理と、CPUやメモリの空き状
況と、消費電力量などを監視している。リソース制御部15は、リソースが確保できた場
合、通信チャネルの情報を処理部13へ出力する。処理部13は、通信チャネルの情報を
送信部122へ出力する。送信部122は、通信チャネル情報を発呼した端末装置20に
通知する。
【0041】
処理部13は、受信部121が音声信号を受信した場合、その音声信号をネットワーク
IF部14へ出力する。ネットワークIF部14は、ネットワークNWを介して管理装置
30へ音声信号を送信する。
【0042】
ネットワークIF部14は、他の基地局装置で発生したグループ通信におけるチャネル
割り当て要求を管理装置30から受信する。ネットワークIF部14は、処理部13にチ
ャネル割り当て要求を出力する。処理部13は、グループ通信におけるチャネル割り当て
要求をリソース制御部15へ出力する。リソース制御部15は、チャネル割り当て要求に
基づいてリソースを確保する。リソース制御部15は、リソース確保に成功した場合、通
信チャネルの情報を処理部13へ出力する。処理部13は、受けた通信チャネルの情報を
送信部122へ出力する。また、処理部13は、ネットワークIF部14へチャネル確保
応答(成功)を出力する。リソース制御部15は、リソース確保に失敗した場合、チャネル
確保応答(失敗)を処理部13へ出力する。処理部13は、受けた、チャネル確保応答(失
敗)をネットワークIF部14へ出力する。ネットワークIF部14は、チャネル確保応
答(成功)あるいはチャネル確保応答(失敗)の情報を管理装置30に通知する。チャネ
ル確保応答(成功あるいは失敗)の情報は、基地局装置10の動作状況を示す情報である
ため、基地局装置の動作情報あるいは基地局動作情報とも呼ばれる。なお以下では、「チ
ャネル確保応答(成功)」を「成功応答」、「チャネル確保応答(失敗)」を「失敗応答」と
呼ぶ場合もある。
【0043】
ネットワークIF部14は、チャネル確保応答を管理装置30へ送信する。ネットワー
クIF部14は、管理装置30から音声信号を受信すると、処理部13へ出力する。処理
部13は、音声信号を送信部122に出力する。送信部122は、処理部13から受けた
音声信号を、アンテナ11を介して端末装置20へ送信する。
【0044】
図3を用いて、本発明の実施形態に係る管理装置30の構成について説明する。
図3は
、本発明の実施形態に係る管理装置30の構成の一例を示すブロック図である。
【0045】
管理装置30は、ネットワークIF部31と、処理部32と、記憶部33とを備える。
処理部32は、取得部34を含む。
【0046】
ネットワークIF部31は、ネットワークNWを介して、基地局装置10との間で、位
置登録要求、発呼要求、音声信号、終了通知、端末装置の参加状況の報告通知、リソース
確保の結果応答などを送信あるいは受信し、処理部32へ出力する。
【0047】
処理部32は、発呼要求を受信すると、記憶部33を検索し、発呼要求に含まれるグル
ープ名(グループID)に基づいて、そのグループが登録されているエリアの基地局装置
IDを取得する。そして、処理部32は、そのグループが登録された基地局装置10に対
して、ネットワークNWを介して「グループ参加要求」情報を送信する。なお以下では、
「グループ参加要求」を「参加要求」と呼ぶ場合もある。処理部32は、グループ通信に
係る各々の基地局装置10から、「グループ参加要求」に対応して端末装置の呼出し処理
を実行できたか否か等を示す情報をすべて収集し、グループ参加情報を作成(生成)する
。そして、作成したグループ参加情報を発呼した端末装置20にネットワークNWを介し
て通知を行う。グループ参加情報は、通信結果情報とも呼ばれる。取得部34は、処理部
32に含まれており、取得部34は処理部32の一部であるともいえる。取得部34は、
後述するように、処理部32がグループ参加情報を作成するために必要なデータを、ネッ
トワークIF部31を介して基地局装置10から、あるいは記憶部33から取得する。
【0048】
記憶部33は、種々のデータを記憶する。記憶部33は、例えば端末装置データベース
331を記憶している。端末装置データベース331は、各基地局装置に登録された端末
装置に関する種々の情報を含む。
【0049】
ネットワークIF部31は、基地局装置10から位置登録要求を受信すると、それを処
理部32に出力し、処理部32は、その位置登録要求を許可するか否かを判定する。具体
的には、処理部32は、記憶部33にあらかじめ記憶されている端末装置IDのリスト(
登録可能端末リスト)を照合し、位置登録要求に含まれる端末装置IDが、登録可能端末
リストに含まれる場合に、登録許可とする。一方、位置登録要求に含まれる端末装置ID
が、登録可能端末リストに含まれない場合に、登録不許可とする。登録許可した場合に、
処理部32は、位置登録要求に含まれる、端末装置ID、ユーザID、グループID、基
地局ID、基地局IDを記憶部33の端末装置データベース331に記憶させる。一方、
登録不許可にした場合には、位置登録要求の情報を端末装置データベース331に記憶さ
せない。つまり、端末装置データベース331には、位置登録要求が許可された端末装置
20のみの情報が格納される。なお、管理装置30は、登録許可あるいは登録不許可の判
定結果を基地局装置10に通知してもよい。さらに基地局装置10は、その判定結果を端
末装置20に通知してもよい。
【0050】
図4を用いて、端末装置データベース331について説明する。
図4は、端末装置デー
タベース331のデータ構造の一例を示す図である。
【0051】
図4に示すとおり、端末装置データベース331では、「端末装置ID」と、「ユーザ
ID」と、「グループID」と、「基地局ID」と、「登録状態」とが関連付けられてい
る。つまり、端末装置ごとに、「ユーザID」と、「グループID」と、「基地局ID」
と、「登録状態」を記憶する。登録状態は登録情報とも呼ばれる。上述したように、「端
末装置ID」と、「ユーザID」と、「グループID」と、「基地局ID」とは、基地局
装置10から受信した位置登録要求に含まれる情報である。管理装置30は、登録許可と
判定した場合に、端末装置データベース331に新たな行を追加するが、この際の登録状
態は「登録」である。つまり、登録状態フィールドの初期値は「登録」である。
【0052】
「端末装置ID」は、端末装置を一意に識別するための識別情報である。「端末装置I
D」が「#20a-1」の端末装置は、端末装置20a-1である。「端末装置ID」が
「#20a-2」の端末装置は、端末装置20a-2である。「端末装置ID」が「#2
0a-3」の端末装置は、端末装置20a-3である。「端末装置ID」が「#20a-
4」の端末装置は、端末装置20a-4である。端末装置ID」が「#20b-1」の端
末装置は、端末装置20b-1である。「端末装置ID」が「#20b-2」の端末装置
は、端末装置20b-2である。「端末装置ID」が「#20b-3」の端末装置は、端
末装置20b-3である。端末装置ID」が「#20c-1」の端末装置は、端末装置2
0c-1である。「端末装置ID」が「#20c-2」の端末装置は、端末装置20c-
2である。「端末装置ID」が「#20c-3」の端末装置は、端末装置20c-3であ
る。端末装置ID」が「#20d-1」の端末装置は、端末装置20d-1である。「端
末装置ID」が「#20d-2」の端末装置は、端末装置20d-2である。「端末装置
ID」が「#20d-3」の端末装置は、端末装置20d-3である。
【0053】
「ユーザID」は、端末装置を使用しているユーザを識別するための識別情報である。
例えば、端末装置20a-1を使用しているユーザは「#U1」である。「ユーザID」
は、実名でもニックネームでもよい。なお、「ユーザID」は、省略してもよい。
【0054】
「グループID」は、端末装置20に関連付けられているグループを識別するための識
別情報である。
図4に示す例では、端末装置20a-3には「グループ#1000」が関
連付けられており、その他の各端末装置には「グループ#1」が関連付けられている。な
お、各端末装置には、複数の「グループID」が関連付けられていてもよい。つまり、1
つの端末装置が複数のグループに属することも可能である。
【0055】
「基地局ID」は、端末装置が接続する基地局を識別するための識別情報である。なお
以下では、「端末装置が接続する基地局」を、「端末装置が登録された基地局」、「端末
装置が使用する基地局」、「端末装置が属する基地局」などという場合もある。「#A」
は基地局装置10a、「#B」は基地局装置10b、「#C」は基地局装置10c、「#
D」は基地局装置10dを意味している。例えば端末装置20a-1には、「#A」すな
わち基地局装置10aが関連付けられている。
図4に示す例では、端末装置20a-1と
、端末装置20a-2と、端末装置20a-3と、端末装置20a-4とは、基地局装置
10aに接続することが示されている。端末装置20b-1と、端末装置20b-2と、
端末装置20b-3とは、基地局装置10bに接続することが示されている。端末装置2
0c-1と、端末装置20c-2と、端末装置20c-3とは、基地局装置10cに接続
することが示されている。端末装置20d-1と、端末装置20d-2と、端末装置20
d-3とは、基地局装置10dに接続することが示されている。
【0056】
「登録状態」は、端末装置の状態を示す情報である。「登録状態」が、「登録」であれ
ば、その端末装置が位置登録されており、かつその端末装置の電源がオン状態であること
を示す。「登録状態」が「未登録」であれば、その端末装置が位置登録された後に、その
端末装置の電源がOFF状態になったことを示す。
図4に示す例では、端末装置20a-
4は「未登録」であり、その他の各端末装置は「登録」されていることが示されている。
ユーザが端末装置の電源オフ操作を行うと、端末装置から基地局装置に対して、位置登録
を削除する要求が送信され「登録状態」が「登録」から「未登録」に変更される。つまり
、ある端末装置が位置登録された後に、その端末装置の電源がOFFになると、「未登録
」状態になる。基地局装置10から受信した位置登録要求に対して、処理部32が登録許
可して、端末装置データベース331に最初に登録する場合、位置登録要求を発信した端
末装置20の電源がオン状態であることが明らかであるため、登録状態の初期値は「登録
」になる。
【0057】
なお、基地局装置10あるいは管理装置30が、各端末装置20の位置情報を取得し、
端末装置20の位置が基地局装置10の通信エリア外になった場合(端末装置20の位置
が圏外エリアになった場合)に、登録状態を「未登録」に変更してもよい。具体的には、
各端末装置20が備えるGPS(Global Positioning System)機能により、自端末の
位置情報を取得し、端末装置20から基地局装置10に位置情報を所定の周期で送信すれ
ばよい。基地局装置10はその位置情報を管理装置30に送信する。管理装置30は、各
基地局装置10の通信エリアの情報(緯度および経度の範囲など)を記憶しており、端末
装置20の位置が通信エリア内であるか否かを判定して、通信エリア外に出た場合、ある
いは出ると予想される場合、登録状態を「未登録」に変更する。さらに、端末装置20の
新たな位置情報を取得した場合に、それが通信エリア内であるか否かを判定し、通信エリ
ア内であれば、一度「未登録」にした端末装置20を「登録」にしてもよい。また、各基
地局装置10が自基地局の通信エリアの情報を記憶し、端末装置20の位置が通信エリア
内にあるか否かを判定し、その判定結果を管理装置30に送信してもよい。管理装置30
は、受信した判定結果に基づいて、登録状態を変更してもよい。
【0058】
登録状態(登録情報)が「登録」であれば、端末装置20は通信を受信可能な状態であ
る。従って、その端末装置20はグループ参加要求を受信可能な状態であり、グループ通
信に参加可能な状態である。一方、登録状態(登録情報)が「未登録」であれば、端末装
置20は通信を受信不可能な状態であり、グループ参加要求を受信不可能な状態であり、
グループ通信に参加不可能な状態である。従って、登録情報は、端末装置20が受信可能
な状態であるか否かを示す情報であるといえる。
【0059】
図5を用いて、本発明の実施形態に係る端末装置20の構成について説明する。
図5は
、本発明の実施形態に係る端末装置20の構成の一例を示すブロック図である。
【0060】
端末装置20は、マイク21と、スピーカ22と、操作部23と、表示部24と、処理
部25と、記憶部26と、通信部27と、アンテナ28とを備える。通信部27は、受信
部271と、送信部272とを備える。
【0061】
マイク21は、通話の際に、ユーザからの音声を受け付け、音声を音声信号に変換する
。マイク21は、音声信号を処理部25へ出力する。
【0062】
スピーカ22は、通話の際に、処理部25からの音声信号を受け付け、音声信号を音声
として出力する。なお、スピーカ22は、警告音(報知音)等を出力してもよい。
【0063】
操作部23は、ボタン、タッチパネル等によって構成されており、ユーザからの入力を
受け付ける。操作部23は、受け付けた入力を処理部25へ出力する。
【0064】
表示部24は、処理部25からの画像、メッセージを受け付け、それらを表示する。画
面がタッチパネルである場合、表示部24は、操作部23と一体的に構成される。なお、
表示部24は、端末装置20に含めなくともよい。例えば、端末装置20に外部の表示装
置(図示せず)を接続し、接続した表示装置に情報を表示させるように構成することも可
能である。
【0065】
処理部25は、端末装置20の電源がオンされた場合、または新たなエリアに端末装置
20が進入した場合、位置登録要求とグループ登録要求を生成し、位置登録要求とグルー
プ登録要求を送信部272に送信させる。
【0066】
送信部272は、処理部25の制御に従って、位置登録要求とグループ登録要求を上り
制御チャネル上で基地局装置10に送信する。送信部272が上り制御チャネルを送信し
た後、受信部271は、基地局装置からの下り制御チャネル上で位置登録要求に対する応
答を受信する。グループ通信が発呼された際に、呼出端末の受信部271は、基地局装置
10から参加要求を受信すると処理部25へ出力する。処理部25は、参加要求に基づい
て、受信すべき該当グループなのかを判断する。受信部271は、基地局装置10からグ
ループ参加情報を受信すると処理部25へ出力する。処理部25は、各端末装置のグルー
プ参加情報を記憶部26に記憶させる。記憶部26は、各端末装置のグループ参加情報を
参加情報データベース261として記憶している。
【0067】
図6を用いて、参加情報データベース261について説明する。
図6は、参加情報デー
タベース261のデータ構造の一例を示す図である。端末装置20は、基地局装置10を
介して管理装置30からグループ参加情報を受信すると、それを参加情報データベース2
61として記憶部26に記憶する。管理装置30がグループ参加情報(通信結果情報)を
作成する方法については後述する。
【0068】
図6に示すとおり、参加情報データベース261では、「端末装置ID」と、「ユーザ
ID」と、「基地局ID」と、「参加情報」とが関連付けられている。つまり、端末装置
ごとに、「ユーザID」と、「基地局ID」と、「参加情報」の各フィールドとを記憶す
る。
図6には、「グループ#1」を対象とするあるグループ通信(1回のグループ通信)
が実行された際の参加情報が示されている。
図6は、このグループ通信の発呼端末である
端末装置20a-1に記憶される参加情報データベース261を示しており、端末装置2
0a-1の情報は含まれていない。このように、参加情報データベース261に発呼端末
の情報を含めなくてもよいが、発呼端末の情報を含めてもよい。また、1つの端末装置2
0が複数のグループに属する場合には、グループIDと関連付けて参加情報データベース
261を記憶部26に記憶するとよい。つまり、グループごとに参加情報データベース2
61を記憶してもよい。また、
図6では、1回のグループ通信における参加情報データベ
ース261を示しているが、通信を識別するID(通信ID)と関連付けて参加情報デー
タベース261を記憶部26に記憶してもよい。つまり、複数回のグループ通信に関する
参加情報データベース261を記憶してもよい。
【0069】
「参加情報」フィールドには、例えば「参加」、「リソース不足」、「電源オフ」、「
ネットワーク障害」といった情報(値)が格納される。「参加情報」フィールドは、端末
装置20のグループ通信への参加状況を示す情報である。また「参加情報」フィールドは
、端末装置20が少なくともグループ通信に参加したか否かを示す情報である。また「参
加情報」フィールドは、端末装置20がグループ通信に参加しなかった場合、その要因が
「電源オフ」、「リソース不足」、「ネットワーク障害」の3つの要因のうちのいずれか
であることを示す情報である。
【0070】
「参加」は、グループ通信に参加したことを示す。発呼端末のユーザの操作によって、
グループ通信を開始するための発呼要求が発呼端末から送信された場合、全ての呼出端末
がそのグループ通信に参加できるとは限らない。例えば、電源オフ状態の呼出端末やリソ
ース確保に失敗した基地局装置10に登録された呼出端末は、グループ通信に参加できな
い。つまり、「参加情報」フィールドが「参加」となる端末装置は、呼出対象となった端
末装置のうち、呼出処理が正常に実行され、発呼端末との間で通話音声やテキストメッセ
ージなどの情報が伝達された端末装置である。
図6に示す例では、端末装置20a-2と
、端末装置20c-1と、端末装置20c-2と、端末装置20c-3とがグループ通信
に参加したことが示されている。
【0071】
「電源オフ」は、端末装置20の電源がオフであり、グループ通信に参加できていない
ことを示す。
図6に示す例では、端末装置20a-4が電源オフであったことが示されて
いる。
【0072】
「リソース不足」は、基地局装置10のリソース不足により、グループ通信に参加でき
ていない状態を示す。例えば、「基地局装置10の通信チャネルが不足している」、「基
地局装置10のCPUやメモリなどの処理能力が不足している」、「基地局装置10が使
用可能な電力量を超えている」などの状況である。
図6に示す例では、端末装置20b-
1と、端末装置20b-2と、端末装置20b-3とが、基地局装置10bのリソース不
足により、グループ通信に参加できなかったことが示されている。
【0073】
「ネットワーク障害」は、管理装置30と、基地局装置10との間のネットワークが切
断状態にあり、グループ通信に参加できていない状態を示す。
図6に示す例では、端末装
置20d-1と、端末装置20d-2と、端末装置20d-3とが、基地局装置10dと
、管理装置30との間のネットワーク障害により、グループ通信に参加できなかったこと
が示されている。
【0074】
[無線通信システムの処理]
図7を用いて、本発明の実施形態に係るグループ通信の処理について説明する。
図7は
、本発明の実施形態に係るグループ通信における各装置の処理の流れの一例を示すシーケ
ンス図である。
図7において、端末装置20a-1はグループ通信を発呼する発呼端末で
あるものとする。
【0075】
まず、端末装置20a-1は、上り制御チャネルにおいて、「グループ#1」の発話要
求を送信する(ステップS11)。なお、
図7ではグループ通信として、音声通話による
グループ通話を想定しているため、「発話要求」という用語を用いているが、上述したよ
うに、これは「発呼要求」と同じ意味である。
【0076】
基地局装置10aは、端末装置20a-1から発話要求を受けるとリソース(通信チャ
ネル)を確保する(ステップS12)。基地局装置10aは、リソースを確保すると「グ
ループ#1」の発話要求を管理装置30に送信する(ステップS13)。
【0077】
管理装置30は、端末装置データベース331から「グループ#1」に属する端末装置
(発呼端末以外の端末装置)が存在するエリアを検索する(ステップS14)。管理装置
30は、ステップS14における検索結果に基づいて、配信エリアを決定する(ステップ
S15)。
【0078】
管理装置30は、基地局装置10aと、基地局装置10bと、基地局装置10cと、基
地局装置10dとに対し、「グループ#1」の参加要求を送信する(ステップS16a、
ステップS16b、ステップS16c、ステップS16d)。基地局装置10aは、通信
チャネル情報を端末装置20a-1に送信する(ステップS17)。
【0079】
基地局装置10bは、「グループ#1」の参加要求を受けるとリソース(通信チャネル
)を確保する(ステップS18)。基地局装置10bは、リソースを確保すると、チャネ
ル確保応答(成功)を管理装置30に送信する(ステップS19)。なお、基地局装置1
0は、リソース確保に失敗すると、チャネル確保応答(失敗)を管理装置に送信する。チ
ャネル確保応答(成功)およびチャネル確保応答(失敗)をまとめて、リソース確保情報
あるいはリソース情報と呼ぶこともある。管理装置30の取得部34は、ネットワークI
F部31を介して基地局装置10から、リソース確保情報を取得する。
【0080】
基地局装置10cは、「グループ#1」の参加要求を受けるとリソース(通信チャネル
)を確保する(ステップS20)。基地局装置10cは、リソースを確保すると、チャネ
ル確保応答(成功)を管理装置30に送信する(ステップS21)。
【0081】
基地局装置10dは、「グループ#1」の参加要求を受けるとリソース(通信チャネル
)を確保する(ステップS22)。基地局装置10dは、リソースを確保すると、チャネ
ル確保応答(成功)を管理装置30に送信する(ステップS23)。ステップS19、ス
テップS21、ステップS23において、取得部34が取得するリソース確保情報は、基
地局装置10の動作状態を示す情報であるため、基地局装置の動作情報であるともいえる
。基地局装置の動作情報を「基地局動作情報」あるいは「基地局情報」と呼ぶ場合もある
。基地局動作情報は、基地局装置10の動作が「正常」であるか「異常」であるかを少な
くとも示す情報である。チャネル確保応答(成功)は、基地局動作情報「成功」に相当し
、チャネル確保応答(失敗)は、基地局動作情報「異常」に相当する。
【0082】
次に、端末装置20a-1は、ステップS17で通知されたチャネル情報に従って、音
声信号を基地局装置10aに送信する(ステップS24)。基地局装置10aは、端末装
置20a-1から受けた音声信号を管理装置30に送信する(ステップS25)。管理装
置30は、基地局装置10bと、基地局装置10cと、基地局装置10dとに対し、基地
局装置10aから受けた音声信号を送信する(ステップS26a、ステップS26b、ス
テップS26c)。
【0083】
端末装置20a-1は、「グループ#1」の通話を終了するとき、基地局装置10aに
対して終了通知を送信する(ステップS27)。基地局装置10aは、端末装置20a-
1から受けた音声信号を管理装置30に送信する(ステップS28)。管理装置30は、
基地局装置10bと、基地局装置10cと、基地局装置10dとに対し、基地局装置10
aから受けた終了通知を送信する(ステップS29a、ステップS29b、ステップS2
9c)。
【0084】
次に、管理装置30は、グループ参加情報(通信結果情報)を作成する。取得部34は
、記憶部33の端末装置データベース331を参照し、グループ通信の対象になったグル
ープ(ここでは「グループ#1」)に関連するデータを全て取得する。例えば、
図4に示
す例では、「グループ#1」に関連するデータは、端末装置IDが「#20a-3」以外
のデータ全てなので、これらを全て取得する。つまり、取得部34は、特定のグループに
対応する端末装置ID、ユーザID、基地局ID、登録情報を端末装置データベース33
1(記憶部33)から取得する。取得部34が記憶部33から取得するデータは、端末装
置20が受信可能であるか否かを示す情報(登録情報)、すなわちグループ通信時の端末
装置20の状態(動作情報)を含んでいるため、端末装置の動作情報であるといえる。端
末装置の動作情報は、「端末動作情報」、あるいは「端末状態情報」、あるいは「端末情
報」とも呼ばれる。なお、端末装置データベース331に格納されているデータは、管理
装置30が基地局装置10から取得したデータ(端末装置ID、ユーザID、グループI
D、基地局ID)、および管理装置30が基地局装置10から取得したデータ(基地局装
置ID)をもとに作成されたデータ(登録状態)であるため、取得部34はグループ参加
情報の作成に必要な端末動作情報を基地局装置10から取得するともいえる。次に、処理
部32は、取得部34が記憶部から取得したデータと、取得部34がステップS19、ス
テップS21、ステップS23で取得したリソース確保情報とをもとに、グループ参加情
報を作成する。グループ参加情報は、
図6に示す参加情報データベース261と同様な情
報を含んでいる。つまり、グループ参加情報(通信結果情報)は、端末装置IDと、ユー
ザIDと、基地局IDと、参加情報とを含む。ただし、ユーザIDを省略してもよい。
【0085】
処理部32は、次のようにしてグループ参加情報の「参加情報」フィールドの内容(値
)を設定する。
(1)取得部34が端末装置データベース331から取得したデータの中で登録状態が
「登録」であるデータを対象にして、チャネル確保応答(成功)を受信した基地局装置1
0に属する端末装置20の参加情報を「参加」とする。すなわち、グループ通信時に障害
が発生しなかった基地局装置10に属し、かつグループ通信時に受信可能な状態であった
端末装置20の参加情報を「参加」とする。
(2)取得部34が端末装置データベース331から取得したデータの中で登録状態が
「未登録」である端末装置20の参加情報を「電源オフ」とする。また、グループ通信時
に端末装置20が通信圏外エリアに位置していたことを管理装置30が認識できる場合は
、その端末装置20の参加情報を「圏外」としてもよい。また、「電源オフ」と「圏外」
をまとめて、参加情報を「不参加」としてもよい。つまり、グループ通信時に受信不可能
な状態であった端末装置20の参加情報を「不参加」としてもよい。
(3)ステップS19、ステップS21、ステップS23において、取得部34がチャ
ネル確保応答(失敗)を取得した基地局装置10に属する端末装置20の参加情報を「リ
ソース不足」とする。
(4)ステップS19、ステップS21、ステップS23において、取得部34が所定
時間以内にチャネル確保応答を取得できない場合、本来チャネル確保応答を送信すべき基
地局装置10と管理装置30との間のネットワーク障害の可能性が高い。このため、その
基地局装置10に属する端末装置20の参加情報を「ネットワーク障害」とする。端末装
置20がグループ通信に参加しなかった場合、参加情報フィールドには、その要因として
、「電源オフ」、「リソース不足」、「ネットワーク障害」のいずれかが示される。この
うち、「電源オフ」は端末装置20側の要因であり、残りの2つは基地局装置10側の要
因である。基地局装置10から端末装置20に対して、グループ参加要求(データ)が送
信されない場合、その要因として2つの要因(「リソース不足」あるいは「ネットワーク
障害」)のいずれかが参加情報フィールドに示される。
【0086】
なお
図7に示すシーケンス図の例では、上記の(3)および(4)に該当する事象は発
生していないため、参加情報は「参加」あるいは「電源オフ(不参加)」になる。
【0087】
基地局装置10aに対し、グループ通話の参加対象エリアと端末装置の参加情報とを、
「グループ#1」参加情報(グループ参加情報)として通知する(ステップS30)。基
地局装置10aは、端末装置20a-1に対し、管理装置30から受けた「グループ#1
」参加情報を端末装置20a-1に送信する(ステップS31)。端末装置20a-1は
、管理装置30から受けた「グループ#1」参加情報を表示部24に表示する(ステップ
S32)。「グループ#1」参加情報を表示する方法については後述する。そして、
図7
の処理は終了する。
【0088】
なお、ステップS31において、基地局装置10aは、グループ参加情報を端末装置2
0a-1に限らず、他の端末装置に送信してもよい。例えば、基地局装置10aは、基地
局装置10aに登録されている全ての端末装置にグループ参加情報を送信してもよい。ま
た、ステップS30において、管理装置30が、基地局装置10a以外の基地局装置にグ
ループ参加情報を送信してもよい。この場合、各基地局装置10が、登録されている端末
装置にグループ参加情報を送信してもよい。また管理装置30は、グループに属している
か否かに係らずグループ参加情報を端末装置あるいは他の装置に送信してもよい。例えば
、通信システムを管理する管理者の使用する端末装置(管理端末)にグループ参加情報を
送信してもよい。
【0089】
また、管理装置30は、グループ参加情報を通話終了後ではなく、より早いタイミング
で送信してもよい。例えば、管理装置は、各基地局装置からチャネル確保応答(成功)ま
たはチャネル確保応答(失敗)を受信した直後に、グループ参加情報を作成し、送信して
もよい。管理装置30は、チャネル確保応答(成功)またはチャネル確保応答(失敗)を
受信してから通話が終了するまでの任意の時に、グループ参加情報を作成して、送信して
もよい。
【0090】
[無線通信システム]
図8を用いて、本発明の実施形態に係る無線通信システム1の動作についてさらに説明
する。
図8は、本発明の実施形態に係る無線通信システム1の動作を説明するための模式
図である。
【0091】
図8に示す例と、
図1に示す例とでは、無線通信システム1の動作状況が異なっている
。例えば、基地局装置10bで使用されているチャネルの数が異なっている。
【0092】
図8において、基地局装置10aの通信エリア10a-1内の端末装置20a-3は「
グループ#1」には属しておらず「グループ#1000」に属しているものとする。また
「グループ#1」に属している端末装置20a-4は電源がオフ状態である。
【0093】
基地局装置10bのチャネル情報40bを参照すると、CH2には「グループ#20」
の通信チャネルが使用され、CH3には「グループ#30」の通信チャネルが使用され、
CH4には「グループ#40」の通信チャネルが使用されている。すなわち、基地局装置
10bは「グループ#1」のグループ通話を行うためのリソースが不足している。
【0094】
また、基地局装置10dの通信エリア10d-1において、基地局装置10dと管理装
置30とを接続するネットワークに障害が発生している。
【0095】
以下では、
図8に示すような、グループ通話が正常に実行できない状況下における無線
通信システム1の処理を説明する。
【0096】
[無線通信システムの処理]
図9を用いて、本発明の実施形態に係るグループ通信の処理について説明する。
図9は
、本発明の実施形態に係るグループ通信における各装置の処理の流れの一例を示すシーケ
ンス図である。
図9において、端末装置20a-1はグループ通信を発呼する発呼端末で
あるものとする。
【0097】
図9において、ステップS41からステップS47は、
図7に図示のステップS11か
らステップS17と同様なので、説明は省略する。
【0098】
基地局装置10bは、「グループ#1」の参加要求を受けるとリソース(通信チャネル
)が不足していると判定する(ステップS48)。基地局装置10bは、リソースが不足
していると判定すると、チャネル確保応答(失敗)を管理装置30に送信する(ステップ
S49)。上述したように、ここで管理装置30に通知されるチャネル確保応答(失敗)
の情報は、基地局装置の動作情報あるいは基地局動作情報とも呼ばれる。管理装置30の
取得部34は、ネットワークIF部31を介して基地局装置10から、チャネル確保応答
(失敗)を取得する。すなわち、取得部34は基地局動作情報を取得する。
【0099】
基地局装置10cは、「グループ#1」の参加要求を受けるとリソース(通信チャネル
)を確保する(ステップS50)。基地局装置10cは、リソースを確保すると、チャネ
ル確保応答(成功)を管理装置30に送信する(ステップS51)。
【0100】
図8で説明したように、管理装置30と、基地局装置10dとの間のネットワークに障
害が発生している状況である。そのため、管理装置30は、基地局装置10dからチャネ
ル確保応答を受信できない。この場合、管理装置30は、所定時間(第1の所定時間、例
えば10秒)以内にチャネル確保応答を受信できない場合、グループ参加要求の再送を行
う(ステップS52)。取得部34は、再送してから所定時間(第2の所定時間、例えば
20秒)以内にチャネル確保応答を受信できない場合は、管理装置30と、基地局装置1
0dとの間のネットワークに障害が発生していると判定する。第1の所定時間と第2の所
定時間は同じであっても異なっていてもよい。また、再送処理を省略し、1回目にグルー
プ参加要求を送信した後、所定時間以内にチャネル確保応答を受信できない場合は、ネッ
トワーク障害発生と判定してもよい。すなわち、取得部34は、所定時間以内にチャネル
確保応答を取得できないことを検出した場合、基地局装置10またはネットワークNWが
「異常」であることを示す基地局動作情報を取得したといえる。また逆に、所定時間以内
にチャネル確保応答を取得した場合、ネットワークNWが「正常」であることを示す基地
局動作情報を取得したといえる。なお、管理装置30と、基地局装置10dとの間のネッ
トワークの障害を判定する方法として、グループ参加要求を一定期間再送する場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、管理装置30と、基地局装置10
dとの間であらかじめお互いの存在確認(ネットワーク上の正常動作の確認)をしておき
、それに基づいてネットワーク障害を判定してもよい。管理装置30と基地局装置10と
の間のネットワーク障害があると、当然ながら基地局装置10は正常な動作を実行できな
いため、取得部34が、ネットワーク障害の情報を取得(検出)することは、基地局装置
情報を取得することに相当する。また、ネットワーク障害という用語は、ネットワークN
Wの障害だけでなく、基地局装置10のネットワークIF部14の障害、および管理装置
30との通信に係る基地局装置10の障害を含む。また、ネットワーク障害が発生すると
、基地局装置10が正常な動作を実行できないため、ネットワーク障害は、基地局装置1
0に係る障害であるともいえる。すなわち、「参加情報」フィールドの「リソース不足」
と「ネットワーク障害」はともに、基地局装置10に係る障害が発生したことを示す。
【0101】
次に、端末装置20a-1は、ステップS47で受信した通信チャネル情報に従って、
音声信号を基地局装置10aに送信する(ステップS53)。基地局装置10aは、端末
装置20a-1から受けた音声信号を管理装置30に送信する(ステップS54)。管理
装置30は、基地局装置10cに対し、基地局装置10aから受けた音声信号を送信する
(ステップS55)。すなわち、端末装置20a-1からの音声信号は、基地局装置10
cのみに配信される。
【0102】
端末装置20a-1は、「グループ#1」の通話を終了するとき、基地局装置10aに
対して終了通知を送信する(ステップS56)。基地局装置10aは、端末装置20a-
1から受けた終了通知を管理装置30に送信する(ステップS57)。管理装置30は、
基地局装置10cに対し、基地局装置10aから受けた終了通知を送信する(ステップS
58)。
【0103】
次に、管理装置30は、グループ参加情報(通信結果情報)を作成する。具体的には、
上述したように、取得部34と処理部32が連携した処理を行い、基地局動作情報と端末
動作情報とに基づいて、グループ参加情報を作成する。
図9に示す例では、ステップS4
9において、取得部34は基地局装置10bからチャネル確保応答(失敗)を取得してい
るため、上記の(3)のケースに該当し、基地局装置10bに属する端末装置20の参加
情報は「リソース不足」となる。また、ステップS52において、取得部34は基地局装
置10dから所定時間以内にチャネル確保応答を取得できないため、上記の(4)のケー
スに該当し、基地局装置10dに属する端末装置20の参加情報は「ネットワーク障害」
となる。
図9に示す例では、管理装置30が「グループ#1」参加情報(グループ参加情
報)を作成した後、基地局装置10aに対して通知する(ステップS59)。基地局装置
10aは、端末装置20a-1に対し、管理装置30から受けた「グループ#1」参加情
報を端末装置20a-1に送信する(ステップS60)。端末装置20a-1は、管理装
置30から受けた「グループ#1」参加情報を表示部24に表示する(ステップS61)
。「グループ#1」参加情報を表示する方法については後述する。そして、
図9の処理は
終了する。
【0104】
なお、管理装置30がグループ参加情報を送信するタイミングは、グループ通信が開始
された以降の任意のタイミングであってよい。つまり、グループ通信が継続中に送信して
もよいし、グループ通信が終了した後に送信してもよい。
【0105】
ここで、端末装置20a-1にグループ参加情報を表示する意義について説明する。
【0106】
無線通信システム1において、例えば、管理装置30に「グループ#1」が基地局装置
10aだけに登録されている場合、「グループ#1」通話が発生すると、基地局装置10
a内での通話が行われる。そのため、ひとつの基地局装置10だけの1組のチャネルが使
用される。
【0107】
また、「グループ#1」がふたつの基地局装置10(例えば、基地局装置10aと基地
局装置10b)に登録されている場合、「グループ#1」の通話が発生すると、基地局装
置10aと基地局装置10bのそれぞれにおいて1組のチャネルが使用される。すなわち
、通信システム全体で2組のチャネルが使用される。
【0108】
さらに、「グループ#1」が3つ以上の基地局装置10(例えば、基地局装置10aと
基地局装置10bと基地局装置10c)に登録されている場合、通信システム全体で3組
以上のチャネルが消費される。ここで例えば、基地局装置10bの全てのチャネルが他の
グループに使用されている場合、基地局装置10bにおいて「グループ#1」の通話が配
信されない。これは、基地局装置10bが「ビジー状態」になっている状況である。この
ため、基地局装置10bのエリアに所属する各端末装置は「グループ#1」の通話を受信
することができない。しかしながら、従来技術では、このような状況が発生したことを発
呼端末のユーザが知ることはできなかった。このため、発呼端末のユーザは、自分が発話
した内容(発信情報)が、グループ内の全てのユーザに届いているものと誤解してしまう
場合があった。本実施形態によれば、通話終了時、または通話中にグループに属する端末
装置の参加情報を発呼端末に通知する。このため、発呼端末のユーザは、自分の発信情報
が確実に他のユーザに届いたのか、届いていない場合は、どのような理由で誰に届いてい
ないのか等の情報を容易に把握できる。
【0109】
[グループ参加情報の参加表示]
図10を用いて、端末装置20が表示するグループ参加情報の一例について説明する。
図10は、グループ参加情報の画面表示の一例を示す図である。
【0110】
端末装置20は、基地局装置10からのグループ参加情報を受信したことを契機に自動
的に、またはユーザの所定の操作を受け付けることによってグループ参加情報を表示する
。具体的には、端末装置20の処理部25は、記憶部26の参加情報データベース261
に記憶されたグループ参加情報に基づいてグループ通話履歴の一覧画面を生成し、生成し
た一覧画面を表示部に表示させる。
【0111】
図10は、表示部24に表示される画面の一例を示している。表示画面400には、図
7に示された基地局装置10と、基地局装置10に属する端末装置20が示される。基地
局装置10に属する端末装置20は、一覧で表示できる。基地局装置10aには、端末装
置20a-2と、端末装置20a-4とが属していることが表示されている。基地局装置
10bには、端末装置20b-1と、端末装置20b-2と、端末装置20b-3とが属
していることが表示されている。基地局装置10cには、端末装置20c-1と、端末装
置20c-2と、端末装置20c-3とが属していることが表示されている。基地局装置
10dには、端末装置20d-1と、端末装置20d-2と、端末装置20d-3とが属
していることが表示されている。このように、基地局装置10と端末装置20との対応関
係が画面に表示されるため、ユーザは、基地局装置10と端末装置20との対応関係を容
易に把握できる。なお、各基地局装置とその基地局装置に属する端末装置とは直線で接続
されているが、表示形態はこれに限定されるものではない。例えば基地局装置ごとに、基
地局装置とその基地局装置に属する端末装置とを円等の図形で囲うようにして表示しても
よい。
【0112】
図10において、基地局装置10に対応する図形内には、基地局装置10の基地局ID
あるいは基地局名が表示される。また、各々の基地局装置10の動作状況に応じて、図形
の表示形態が変わる。本図に示す例では、障害が発生しなかった基地局装置10の図形の
背景色は「白色」であり、障害が発生した基地局装置10の図形の背景色は「灰色」とな
っている。各端末装置の欄(各端末装置に対応する図形)には、例えば、それぞれの端末
装置の「端末装置ID」が表示される。ただし、端末装置IDに限らず、端末装置の名称
(端末装置名)や端末装置を使用するユーザの名称(ユーザ名)などを表示してもよい。
また、各々の端末装置のグループ通信への参加状況に応じて、端末装置に対応する図形の
表示形態が変わる。
図10において、グループ通信に参加した端末装置については、例え
ば、背景色が白色で示され、不参加の端末装置については、背景色が灰色で示される。図
10に示す例では、基地局装置10aの背景色は白色であり、基地局装置10aに属する
端末装置20a-2の背景は白色であり、端末装置20a-4の背景は灰色である。この
ような表示により、ユーザは、端末装置20a-4がグループ通信に参加できなかった理
由は、基地局装置10aに起因する問題ではなく、端末装置20a-4に起因する問題(
例えば、電源オフ)であることが容易に分かる。つまり、ある基地局装置に障害が発生し
ておらず、その基地局装置に属する複数の端末装置のうちの一部が参加し、残りの一部が
不参加である場合、ユーザは、不参加の端末装置は基地局装置に起因する問題で不参加と
なったのではなく、その端末装置に起因する問題で不参加になったと容易に把握できる。
【0113】
一方、基地局装置10bおよび基地局装置10dと、これらの基地局装置に属する全て
の端末装置との背景が灰色で示されている。これは、各端末装置は、基地局装置10bお
よび基地局装置10dに起因する問題でグループ通信に参加できなかったことを示す。
【0114】
表示画面400は、ユーザからの操作を受け付けるMenuボタン410と、Succ
ess Listボタン420と、Failure Listボタン430とを含む。M
enuボタン410を選択することで、種々のメニュー画面を表示させることができる。
Success Listボタン420と、Failure Listボタン430につ
いては後述する。
【0115】
図11は、グループ参加情報の画面表示の別の一例を示す図である。
図11においては
、
図10に比べて、基地局装置のさらに詳細な情報を表示している。
【0116】
図11に示す表示画面400Aにおいて、基地局装置10bと、それに属する端末装置
20b-1、端末装置20b-2、端末装置20b-3の全ての背景が網目模様(クロス
模様)で示されている。この網目模様は、基地局装置10bのリソース不足により配信が
なされなかったことを示している。
【0117】
表示画面400Aにおいて、基地局装置10dと、それに属する端末装置20d-1、
端末装置20d-2、端末装置20d-3の全ての背景が、縦線模様で示されている。こ
の縦線模様は、基地局装置10dに係るネットワーク障害により、配信がなされなかった
ことを示している。このように、基地局装置10の詳細情報(障害の理由等)に応じて、
基地局装置10に対応する図形の表示形態が変わる。
【0118】
ユーザは、表示画面400Aを確認することで、基地局装置10bではリソース不足に
より配信がなされなかったこと、基地局装置10dではネットワーク障害により配信され
なかったことを把握できる。また、端末装置に起因する問題が複数ある場合には、その問
題に応じて、端末装置の背景の表示を変更するようにしてもよい。
【0119】
なお、表示画面400または表示画面400Aにおいて、端末装置を使用するユーザの
ユーザ名を表示してもよい。このような表示をすると、通信結果をより直感的に分かり易
く表示できる。この場合、
図6に示すような、参加情報データベース261に記憶された
ユーザIDを表示するようにすればよい。また、表示画面400または表示画面400A
において、「端末装置ID」の代わりに「ユーザID」のみを表示してもよいし、「端末
装置ID」および「ユーザID」を両方表示してもよい。また、参加情報データベース2
61に端末装置を使用するユーザの名称(ユーザ名)を記憶した上で、表示画面400ま
たは表示画面400Aにユーザ名を表示してもよい。
【0120】
このように、グループ通信に参加した端末装置と、不参加の端末装置とを異なる表示形
態(異なる表示色、異なるアイコン、異なるフォント等)で表示するとよい。同様に、グ
ループ通信を配信した基地局装置と、配信しなかった基地局装置を異なる表示形態で表示
するとよい。また、配信されなかった原因ごとに異なる表示形態で表示するとよい。この
ような表示を行うことで、端末装置のユーザに対して、非常に分かり易く直感的に、グル
ープ通信の配信状況を伝えることができる。
【0121】
また、本実施形態は、ユーザからの操作を受け付けて、グループ参加情報の表示形態を
変更することができる。
【0122】
図12と、
図13とを用いて、グループ参加情報の表示形態のさらに別の一例について
説明する。
図12と、
図13とは、グループ参加情報の表示形態のさらに別の一例を示す
図である。
【0123】
図12は、グループ通信に参加した端末装置20および基地局装置10のリスト(グル
ープ参加リスト)のみを表示する表示画面400Bを示している。ユーザは、例えばSu
ccess Listボタン420を選択することでグループ参加リストを表示部に表示
させることができる。
図12に示すように、基地局装置としては基地局装置10aおよび
基地局装置10cのみが表示されている。端末装置としてはグループ通信に参加した、端
末装置20a-2と、端末装置20c-1と、端末装置20c-2と、端末装置20c-
3とが表示されている。
【0124】
Success Listボタン420は、表示部に設けられたタッチパネルで選択し
てもよいし、外部からのキー操作で選択するようにしてもよい。言い換えれば、処理部2
5は、ユーザから操作を受け付けて、グループ参加リストのみを生成し、生成した映像を
表示部に表示させる。
【0125】
図13は、グループ通信に参加しなかった端末装置20および基地局装置10のリスト
(グループ不参加リスト)のみを表示する表示画面400Cを示している。ユーザは、例
えばFailure Listボタン430を選択することで、グループ不参加リストを
表示部に表示させることができる。
図13に示すように、基地局装置として、基地局装置
10aと、基地局装置10bと、基地局装置10dとが表示されている。端末装置として
は、グループ通信に参加しなかった、端末装置20a-4と、端末装置20b-1と、端
末装置20b-2と、端末装置20b-3と、端末装置20d-1と、端末装置20d-
2と、端末装置20d-3とが表示されている。基地局装置10aは、グループ参加リス
トとグループ不参加リストの両方に入っているが、このように1つの基地局装置10が両
方のリストに入っていてもよい。あるいは、基地局装置10に属する端末装置20のうち
、参加した端末装置が50%以上であれば、その基地局装置10をグループ参加リストの
みに入れる等の処理を行ってもよい。
【0126】
Failure Listボタン430は、表示部に設けられたタッチパネルで選択し
てもよいし、外部からのキー操作で選択するようにしてもよい。言い換えれば、処理部2
5は、ユーザからの操作を受け付けて、グループ不参加リストのみを生成し、生成した映
像を表示部に表示させる。
【0127】
図12と、
図13とに示すように、本実施形態は、通信対象となった基地局装置のエリ
アと他の端末装置の参加状況を個別に表示させることも可能とする。このような表示を行
うことで、画面に表示される情報が必要以上に多くなり、画面表示が複雑になり過ぎるこ
とを防止することができる。このためユーザは、グループ通信に関する配信状況や参加状
況を容易に把握することができる。
【0128】
また、本実施形態では、表示部に表示させる表示条件を選択するようにしてもよい。
【0129】
図14を用いて、表示部に表示させる表示条件を選択する方法について説明する。
図1
4は、表示部に表示させるグループ参加情報の表示条件を選択する方法の一例を説明する
ための模式図である。
【0130】
図14、表示部に表示させる表示条件を選択するための表示画面400Dを示している
。ユーザは、例えばSelectボタン440を選択することで表示画面400Dを表示
させることができる。
【0131】
表示画面400Dには、表示部に表示させる表示条件が示されている。表示条件は、例
えば複数の項目から構成される。
図14に示す例では、表示条件は、基地局(基地局条件
)と、端末状態(表示状態条件)と、端末表示数(端末表示数条件)の3つの項目(条件
)から構成されている。なお、以下ではこの3つの項目について説明するが、これは例示
であり、本発明を限定するものではない。表示条件は、1つであってもよいし、2つであ
ってもよいし、更に多くの項目から構成されていてもよい。
【0132】
基地局の項目は、基地局装置10aと、基地局装置10bと、基地局装置10cと、基
地局装置10dとを含む。ユーザは、基地局装置10aと、基地局装置10bと、基地局
装置10cと、基地局装置10dとのうち、グループ参加情報に表示させる基地局装置を
少なくとも1つ選択することができる。すなわち、複数選択可能である。ユーザは、基地
局の各項目のうち、例えば表示させる基地局装置のチェックボックスにチェック印を付け
ることで選択する。例えば、基地局装置10aのみ選択された場合には、基地局装置10
aのグループ参加情報のみが表示される。なお、デフォルト状態で、全ての基地局装置1
0が選択されてもよい。
【0133】
端末状態の項目は、「参加」と、「電源オフ」と、「リソース不足」と、「ネットワー
ク障害」とを含む。ここで、「電源オフ」は、端末装置が電源オフであったために端末装
置が不参加になったことを示し、「リソース不足」は、基地局装置のリソース不足のため
に端末装置が不参加になったことを示し、「ネットワーク障害」は、基地局装置と接続さ
れたネットワークNWの障害により端末装置が不参加になったことを示す。ユーザは、こ
れらの各項目(選択肢)の中から、グループ参加情報に表示させる端末状態を少なくとも
1つ選択することができる。すなわち、複数選択可能である。ユーザは、端末状態の各項
目のうち、例えば表示させるチェックボックスにチェック印を付けることで選択する。例
えば、「参加」のみ選択された場合には、グループ通話に参加した端末装置のみが表示さ
れる。
【0134】
表示端末数の項目は、「10台」と、「30台」と、「50台」と、「100台」とを
含む。表示端末数の項目では、表示部24に一度に表示する端末装置の数を選択すること
ができる。ユーザは、これらの各項目(選択肢)の中から、1つを選択することができる
。ユーザは、各項目のうち、例えば表示させるチェックボックスにチェック印を付けるこ
とで選択する。例えば、「10台」が選択された場合には、一度に表示させる端末装置の
台数は10台となる。この場合、処理部25は、スクロール操作や、ページの切替操作を
受け付けることで、全ての端末を表示するようにすればよい。このような表示を行うこと
で、1つの画面に表示される情報が必要以上に多くなり、画面表示が複雑になり過ぎるこ
とを防止できる。このためユーザは、グループ通信に関する配信状況や参加状況を容易に
把握することができる。
【0135】
なお、表示する端末数を制限する方法として、以下の方法を用いてもよい。例えば、図
4に示す端末装置データベース331に、端末装置IDに対応させて端末装置の優先度(
プライオリティ)を記憶しておく。優先度としては、例えば、「1」から「10」までの
数値を用い、数値が大きいほど優先度が高い端末装置であることを示すようにする。例え
ば、グループの責任者や管理者などの重要なユーザが使用する端末装置の優先度を「10
」などと高く設定しておく。そして、表示画面400Dと同様な表示条件を選択する画面
において、端末装置の優先度に関する条件を選択できるようにする。ユーザは、例えば、
「優先度8以上の端末装置のみを表示する」といった選択をする。そして、ユーザが選択
した条件に合致する端末装置についてグループ参加情報を表示し、その他の端末装置に関
する表示を省略すればよい。このような表示をすることにより、画面に表示される情報が
必要以上に多くなり、画面表示が複雑になり過ぎることを防止することができる。
【0136】
ユーザは、表示画面400Dを用いて表示条件を設定した後、
図14に示す「All
List」ボタン415と、「Success List」ボタン420と、「Fail
ure List」ボタン430のいずれかを選択する(押す)ことにより、所望の形式
でグループ参加情報を表示部24に表示させることができる。例えば、「All Lis
t」ボタン415を選択すると、
図11に示す表示画面400Aが表示される。ここで表
示される情報には、表示画面400Dで設定された表示条件が反映される。
【0137】
本実施形態によれば、通話の終了または、通話中に発呼端末装置に対してグループ参加
情報を通知することで、ユーザはグループ通信の通信状況を把握できる。また、端末装置
の参加可否も含むことで、通話グループの配信エリア情報を含む参加可否の端末装置及び
、未配信基地局装置エリア情報を含む不参加の端末装置を表示することができるようにな
り、より詳細にグループの参加状況を判断できる。ユーザは、画面に表示された情報をも
とに、再度発呼するなど、必要な措置を行うことができる。なお上述の説明では、グルー
プ通話を発呼した端末装置において、グループ通信の配信状況を示す情報を表示したが、
これに限らず、発呼した端末装置以外のグループ内の端末装置において、その情報を表示
してもよい。また、グループに属しているか否かに係らず端末装置あるいは他の装置にお
いて、グループ参加情報を表示してもよい。例えば、通信システムの管理者や運営者が使
用する端末装置あるいは管理端末(管理用の端末装置)において、全てのグループのグル
ープ通信に関するグループ参加情報を表示してもよい。
【0138】
本実施形態では、基地局情報として、基地局装置がリソース確保に成功したか否かを示
す情報、および基地局装置に接続されたネットワークの通信状況や通信障害に関する情報
を用いた。これに限らず他の情報を用いてもよい。例えば、基地局装置が定期点検等で停
止する場合、停止する直前に、基地局状態「停止」を示す情報を基地局装置から管理装置
に送信し、この情報を基地局情報(基地局動作情報)としてもよい。すなわち、基地局装
置が「停止中」であることを示す情報を基地局情報としてもよい。
【0139】
本実施形態では、取得部34が端末装置20の登録状態を含む端末情報を取得したが、
これに限定されない。例えば、取得部34は、端末装置IDと基地局IDとを関連付けた
端末情報(登録状態を含まない端末情報)を取得してもよい。この場合、処理部32が作
成するグループ参加情報には、基地局装置10の動作状態を示す情報は含まれるが、端末
装置20の動作状態を示す情報が含まれない。このため例えば、
図10の表示において、
端末装置20a-2と端末装置20a-4の表示形態を変えることはできず、両者は同じ
表示形態となる。ただし、基地局装置10に関しては、
図10や
図11と同様な表示が可
能である。このような処理であっても、グループ通信に係る基地局装置10と、それに登
録されたグループ通信に係る端末装置20とを関連付けて表示できる。さらに、グループ
参加要求を送信した基地局装置と、送信しなかった(送信できなかった)基地局装置とを
異なる表示形態で表示することができる。このため、ユーザに対してグループ通信の通信
状況に関する詳細な情報を提供することができる。これにより、ユーザは、グループ通信
において基地局装置に係る障害が発生した場合、呼出端末のユーザに情報が伝達されてい
ないことを容易に把握できる。
【0140】
また、本実施形態ではグループ通信の一例として、音声データを送受信するグループ通
話を行う通信システムを説明したが、これに限らず、テキスト、画像、映像等のデータを
送受信するグループ通信であってもよい。例えば、3つ以上の端末装置においてテキスト
メッセージを交換するチャット等のグループ通信を行ってもよい。
【0141】
また、業務用無線システムを例に説明したが、これに限らず、他の通信システムであっ
てもよい。例えば、携帯電話網を用いたグループ通信であってもよい。端末装置は、携帯
電話、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ(パソコン)等であってもよい。
また、端末装置は必ずしもユーザが携帯可能である必要はなく、また移動可能でなくても
よい。例えば、デスクトップ型のコンピュータであってもよい。
【0142】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により実施形態が限定さ
れるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質
的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適
宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で
構成要素の種々の省略、置換又は変更を行なうことができる。
【符号の説明】
【0143】
1 無線通信システム
10 基地局装置
11 アンテナ
12,27 通信部
121,271 受信部
122,272 送信部
13,25,32 処理部
14,31 ネットワークIF部
15 リソース制御部
16,33 記憶部
20 端末装置
21 マイク
22 スピーカ
23 操作部
24 表示部
30 管理装置
34 取得部
261 参加情報データベース
331 端末装置データベース