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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】触媒インク
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/88 20060101AFI20231114BHJP
   H01M 4/86 20060101ALI20231114BHJP
   H01M 8/10 20160101ALI20231114BHJP
   H01M 8/1004 20160101ALI20231114BHJP
【FI】
H01M4/88 K
H01M4/86 B
H01M8/10 101
H01M8/1004
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022176228
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2017061191の分割
【原出願日】2017-03-27
(65)【公開番号】P2023002824
(43)【公開日】2023-01-10
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 友希
【審査官】高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-206638(JP,A)
【文献】特開2006-309953(JP,A)
【文献】特開2014-216228(JP,A)
【文献】特開2003-331863(JP,A)
【文献】特開2008-140763(JP,A)
【文献】特開2009-021236(JP,A)
【文献】特開2007-234469(JP,A)
【文献】特開2007-059376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/86-4/98
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写基材上に触媒層が形成された触媒層付き転写基材で固体高分子電解質膜の表面を狭持し、熱ラミネートロールで加圧した後、前記転写基材のみを剥離して、前記固体高分子電解質膜の表面に前記触媒層を転写し、その後乾燥工程を経ることなく形成された膜電極接合体に備わる前記触媒層を形成するための触媒インクであって、
前記触媒インクは、揮発成分と、触媒担持カーボンとを含み、
含有する揮発成分の重量比が、90%以上95%以下であり、
且つ、前記揮発成分中の水の比率が15%以上40%未満であり、
前記揮発成分は、水及びアルコールであり、
前記アルコールは1-プロパノールであることを特徴とする触媒インク。
【請求項2】
転写基材上に触媒インクを塗工して触媒層を形成し、前記転写基材上に前記触媒層が形成された触媒層付き転写基材で固体高分子電解質膜の表面を狭持し、熱ラミネートロールで加圧した後、前記転写基材のみを剥離して、前記固体高分子電解質膜の表面に前記触媒層を転写し、その後乾燥工程を経ることなく膜電極接合体を形成するための触媒層形成用触媒インクであって、
前記触媒インクは、揮発成分と、触媒担持カーボンとを含み、
含有する揮発成分の重量比が、90%以上95%以下であり、
且つ、前記揮発成分中の水の比率が15%以上40%未満であり、
前記揮発成分は、水及びアルコールであり、
前記アルコールは1-プロパノールであることを特徴とする触媒インク。
【請求項3】
前記触媒インクは、導電性高分子をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の触媒インク。
【請求項4】
前記触媒インクは、フッ素系高分子電解質をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の触媒インク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の膜電極接合体(MEA:membrane-electrode
assembly)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、膜電極接合体の製造方法としては、所望の形状を有する触媒層が付与された転写基材と固体高分子電解質膜をホットプレス、熱ラミネートロールなどで熱圧着した後、基材を剥離する熱転写方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ホットプレスを用いる手法、及び熱ラミネートロールを用いる手法が開示されている。上記熱ラミネートロールを用いる手法は、長尺の固体高分子電解質膜とその表裏面に配された所望の形状を有する触媒層が付与された転写基材とを接触させ、一対の熱ラミネートロールで熱圧着することによって、固体高分子電解質膜と触媒層とを一体的に接合し、その後転写基材から基材のみを一対の剥離ロールを用いて触媒層から剥離し、触媒層を固体高分子電解質膜表面に転写している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-64574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような触媒層を固体高分子電解質膜に熱転写する方式において、触媒インクの調製が必要である。
この触媒インク中には、触媒、電解質膜同様の導電性高分子、溶媒、水が含まれている。触媒インク中に含まれる水の比率が低く、かつ水分量が少ないと、触媒インク調製中や触媒インクの塗工・乾燥工程で、触媒の作用により溶媒が酸化され、発熱・発火してしまう危険性がある。
【0006】
燃料電池の触媒インクに用いられる触媒はカーボンの粉末からなるのが一般的で、このカーボンは疎水性であるため、水との相性が悪い。また、導電性高分子においても、水との相溶性が低いため、触媒インク中の水の比率が高くなると、触媒インクを塗工・乾燥して形成された触媒層にクラックが発生しやすい。クラックのある触媒層が形成されたMEAは、燃料電池として用いた際に、固体高分子電解質膜が破膜する恐れがあるため、MEAの耐久性が劣るという問題がある。加えて、水の比率が高い触媒インク中では導電性高分子の高分子鎖が広がりにくいため、発電性能に寄与する導電パスの形成が不十分になるため、発電性能が低下するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、触媒層にクラックのない外観が良好な膜電極接合体が得られる膜電極接合体の製造方法および触媒インクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための手段として、本発明の一態様に係る膜電極接合体の製造方法は、触媒インクを調液する工程と、転写基材上に上記触媒インクを塗工して触媒層を形成する工程と、熱転写方式により固体高分子電解質膜の表面に前記触媒層を転写する工程とを含み、
上記触媒インクを調液する工程は、揮発成分の重量比が、90%以上95%以下であり、且つ、上記揮発成分中の水の比率が15%以上40%未満の触媒インクを調製する工程である。
【0009】
また、本発明の一態様に係る膜電極接合体の製造方法においては、上記膜電極接合体の製造方法における上記触媒インクの揮発成分が、水及びアルコールであり、上記アルコールは水よりも揮発性が高いことが好ましい。
【0010】
また、本発明の一態様に係る膜電極接合体の製造方法においては、上記触媒インクを調液する工程を除く全工程又は一部工程が連続であってもよい。
【0011】
また、本発明の一態様に係る膜電極接合体の製造方法においては、全工程が不連続であってもよい。
【0012】
また、上記の課題を解決するための手段として、本発明の一態様に係る触媒インクは、含有する揮発成分の重量比が、90%以上95%以下であり、且つ、前記揮発成分中の水の比率が15%以上40%未満である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の膜電極接合体の製造方法の一態様によれば、触媒層にクラックのない外観が良好なMEAを製造することができる。外観が良好なMEAが得られることによって、発電性能や耐久性の低下を抑制することができ且つ触媒の作用による発火の危険性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】膜電極接合体の製造方法の一実施形態の概略図である。
図2】膜電極接合体の実施例及び比較例における発電性能を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下に説明する各図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適宜省略する。また、本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0016】
図1は、本発明の膜電極接合体の製造方法の一実施形態を説明するための概略図である。本実施形態の膜電極接合体の製造方法は、触媒インク(以下、インクということがある)を調液する工程(触媒インク調液工程)と、触媒インクを塗工する工程(触媒インク塗工工程)と、触媒層を転写する工程(熱転写工程)とを含む。
【0017】
<触媒インクを調液する工程>
まず、触媒インク1を調液(調製)する。触媒インク1には、不揮発成分として、触媒担持カーボン、導電性高分子、揮発成分として、水、溶媒が含まれる。この触媒インク1に含まれる揮発成分の重量比は、90%以上95%以下であり、且つ、上記揮発成分中の水の比率が15%以上40%未満である。
【0018】
上記触媒には、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素のほか、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属もしくは白金とこれらの合金、又はこれ
らの酸化物、複酸化物などを用いることができる。これらの中でも、白金や白金合金がより好ましい。
【0019】
上記触媒の粒径は、大きすぎると触媒の活性が低下し、小さすぎると触媒の安定性が低下するため、0.5nm以上20nm以下が好ましい。
【0020】
上記触媒担持カーボンとしては、微粒子状で導電性を有し、触媒に侵さないものであれば特に限定されない。具体的には、カーボンブラックやグラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレンなどを用いることができる。上記触媒担持カーボンの粒径は、10nm以上100nm以下程度が好適に用いられる。
【0021】
初めに、上記触媒担持カーボンに水を加え、十分にカーボンの表面が水に濡れた状態になるように混錬する。最初の段階で十分に表面が濡れることにより、発火の危険性が低減する。次に良好なプロトン導電性を示す導電性高分子を加え、更に攪拌し、ペースト状にする。
【0022】
上記導電性高分子材料としては、具体的には、炭化水素系高分子電解質、フッ素系高分子電解質といった材料を用いることができる。
上記炭化水素系高分子電解質材料としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどの電解質材料を用いることができる。
【0023】
上記フッ素系高分子電解質材料としては、例えば、デュポン製Nafion(登録商標)、旭硝子製Flemion(登録商標)、旭化成製Aciplex(登録商標)、ゴア製Gore Select(登録商標)などを用いることができる。
【0024】
その後、ペースト状の混合物に溶媒を加えて、更に攪拌、分散することで、触媒インク1を調液する。溶媒には、水よりも沸点の低いアルコールであることが好ましく、更にエタノール、1-プロパノール、2-プロパノールなどの低級アルコール類を用いることがより好ましい。低級アルコール類は水との相溶性が比較的高いため、安定な触媒インク1を作製することができる。触媒インクを調液するための分散方法には、各種分散方法を用いることができる。分散方法としては、例えば、超音波分散、ボールミル分散、ビーズミル分散、ホモジナイザー分散などを用いることができる。
【0025】
<触媒インクを塗工する工程>
次いで、触媒インク1を高分子フィルムからなる転写フィルム2上に、ダイコーター10を用いて塗工する。塗工には大量且つ安定して触媒層塗工が可能なダイコート方式が好ましい。転写フィルム2には触媒インク1の濡れが良好で、乾燥後に形成される触媒層5a(アノード)及び5c(カソード)を固体高分子電解質膜4表面に熱転写装置20にて熱転写することができれば、特に限定されるものではない。
転写フィルムとしては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリパルバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを用いることができる。また、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性フッ素樹脂を用いることもできる。
【0026】
<触媒層を転写する工程>
次に、固体高分子電解質膜4の対向する表面に、上記で作製した触媒層付き転写基材3a及び3cを配置し、熱転写装置20により、熱加圧を行った後、転写基材2のみを剥離し、固体高分子電解質膜4表面に触媒層5a及び5cが形成された膜電極接合体6を得る。熱加圧による熱転写には、熱ラミネートロールによる方法、熱プレスによる方法などを用いることができる。また、固体高分子電解質膜材料としては、触媒インク1に含まれる導電性高分子材料と同様の材料を用いることができる。
【0027】
ここで、上記触媒インク調液工程を除く工程は、全て連続であることが、生産性を考慮した場合好ましい。しかし、歩留まりを考慮した場合には、全工程は不連続であるが、各工程がロールtoロールで連続した工程であっても良い。また、材料のロスなどを考慮した場合は、全ての工程が不連続であっても良い。
【実施例
【0028】
以下に、本発明の製造方法を実施例によって具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0029】
(実施例1)
<膜電極接合体の製造>
触媒インク1の調液は、白金触媒(田中貴金属製TEC10E50E)に水を加えて触媒を混錬する。次に、フッ素系高分子電解質膜分散溶液(ケマーズ製20%Nafion分散液 DE2020CS)を加えた後、攪拌装置にて攪拌を行った。次に、1-プロパノールを追加し、再度攪拌を行った後、ビーズミル分散装置を用いて分散を行った。このとき、揮発成分の重量比が90%、揮発成分中の水の比率が15%になるよう、各材料の量を調整した。
【0030】
転写基材(旭硝子製アフレックス、厚み50μm)上にダイコーター10にて触媒インク1を塗工し、乾燥し、アノード用カソード用触媒層付き転写基材3a及び3cを得た。
【0031】
アノード触媒層用には、不揮発成分中に含まれる白金量が0.1mg/cmになるように厚み調整をし、触媒層付き転写基材3aを、カソード触媒層用には、0.4mg/cmになるように厚みを調整し、触媒層付き転写基材3cを作製した。得られた触媒層付き転写基材3a及び3cでフッ素系電解質膜4(ケマーズ製Nafion HP)の表面を狭持し、130℃の熱ラミネートロール20で加圧した後、転写基材2のみを剥離し、膜電極接合体6を得た。
【0032】
(実施例2)
実施例2として、触媒インクの揮発成分中の水の比率が35%にした以外には実施例1と同様の方法で、触媒層付き転写基材を作製した後、膜電極接合体を作製した。
【0033】
(実施例3)
実施例3として、触媒インクの揮発成分の重量比95%にした以外には実施例1と同様の方法で、触媒層付き転写基材を作製した後、膜電極接合体を作製した。
【0034】
(比較例1~3)
触媒インクの水の比率を12%(比較例1)、40%(比較例2)、58%(比較例3)とした以外には実施例1と同様の方法で、触媒層付き転写基材を作製した後、膜電極接合体を作製した。実施例1と同様の方法で評価を行った結果を表1、図2に示す。
【0035】
(比較例4,5)
触媒インクの揮発成分の重量比を88%(比較例4)、96%(比較例5)にした以外
には実施例1と同様の方法で、触媒層付き転写基材を作製した後、膜電極接合体を作製した。
【0036】
【表1】
【0037】
(評価結果1)
実施例1,2、および比較例1~3について、「触媒インクの揮発成分中の水の比率」による触媒インク温度および外観を評価した。触媒インク調液時の触媒インクの発熱の目安である温度の評価結果、および触媒層の外観の評価結果を表1に示し、膜電極接合体の発電性能結果を図2に示す。
表1における触媒インク温度の良否判断は、ビーズミル分散中の触媒インクの温度上昇が10℃未満であるケースを○、10℃以上であるケースを×判断とした。これは、触媒インク温度が上昇することで溶媒の揮発が進みやすく、触媒インクの組成に変化が生じる恐れがあることによる。
実施例1より、揮発成分における水の比率が15%以上であると触媒インク温度評価が良好なのは、最初に触媒が水で十分濡れるため、溶媒を混合したときの触媒反応による触媒インクの発熱が抑制されたのが原因である。
比較例1の水の比率12%の場合では、10℃以上の触媒インクの温度上昇がみられたため、×評価とした。また、最初に投入する水の量が少なかったため、調液容器底部に触媒のダマ残りの発生が確認された。
【0038】
次に外観の評価では、実施例1、2、比較例1では外観に不良が確認されなかったため、○評価とした。しかし、比較例2の水の比率40%以上であると、触媒層付き転写基材の外観にクラックが多数確認されたため、×評価とした。
【0039】
実施例1、2、および比較例1~3の膜電極接合体の発電性能をそれぞれ評価したところ、図2の発電評価結果が得られた。クラックの多い比較例2及び3において顕著に性能低下が生じた。
【0040】
(評価結果2)
次に、実施例1,3、および比較例1~3について、「触媒インクの揮発成分の重量比」による触媒インク温度および外観を評価した。評価結果を表2に示す。なお、評価基準は表1と同様である。
【0041】
【表2】
【0042】
表2に示すように、重量比が90%以上95%以下である実施例1,3は、ビーズミル分散中の触媒インクの温度上昇が10℃未満であり良好であった。また、触媒層付き転写基材の外観にも不良は発見されなかった。
【0043】
一方、比較例4に示すように、重量比が90%より小さいと、触媒表面を水で十分に濡らすことができないため、触媒インク温度が上昇した。また、分散時にダマになりやすく、塗工時に凹凸が生じ、乾燥後の触媒層にムラが発生したため、外観評価を×評価とした。
また、比較例5に示すように重量比が95%より大きいと、水の絶対量が増えすぎてしまい、乾燥の過程で水比率が上がってしまい、クラックが生じてしまったため、外観評価を×評価とした。
【0044】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、触媒インクの水比率を低く維持することで、膜電極接合体の外観及び発電性能低下を抑制し、揮発成分の比率を高くすることで安全性を考慮した、膜電極接合体の製造方法およびそれに用いられる有用な触媒インクを提供することができる。
【符号の説明】
【0045】
1・・・触媒インク
2・・・転写基材
3a、3c・・・触媒層付き転写基材
4・・・固体高分子電解質膜
5a、5c・・・触媒層
6・・・膜電極接合体
10・・・ダイコーター
20・・・熱転写装置
図1
図2