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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/24 20060101AFI20231114BHJP
   H01R 13/15 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H01R13/24
H01R13/15 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023510190
(86)(22)【出願日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 JP2021035377
(87)【国際公開番号】W WO2022208940
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2021061215
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森永 陽介
(72)【発明者】
【氏名】内山 隆幸
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/073289(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/073290(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/073291(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/073306(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/110443(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/163858(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/116964(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/139515(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/216523(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/24
H01R 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側から他方側に向かう第1方向に沿って相対的に近づく相手コネクタと嵌合可能であるとともに、前記相手コネクタと電気的に接続可能なコネクタであって、
前記相手コネクタと電気的に接続する端子モジュールと、
前記端子モジュールを収容するコネクタハウジングと、を備え、
前記端子モジュールは、
天井壁と前記天井壁から前記一方側に延びる一対の側壁とを含むケースと、
前記ケースに収容されるとともに前記第1方向に沿って弾性変形可能な弾性部材と、
前記弾性部材によって前記一方側に向かって付勢されている状態で前記一対の側壁に支持されるとともに、前記相手コネクタにより押圧されることで、前記他方側に移動可能な第1端子と、
前記第1端子よりも前記他方側に位置するとともに前記コネクタハウジングに保持されている第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子とを電気的に接続する可撓導体と、を有し、
前記可撓導体は、前記第1端子と接合する第1接合部と、前記第2端子と接合する第2接合部と、を有し、
前記コネクタハウジングは、
前記端子モジュールを保持する本体部と、
前記本体部に取り付けられるとともに前記可撓導体と対向する第1蓋部と、を有し、
前記第1蓋部は、前記可撓導体とは反対側に向かって膨出する膨出部を有し、
前記可撓導体は、前記相手コネクタとの嵌合状態において、前記膨出部の内部に進入可能である、
コネクタ。
【請求項2】
前記相手コネクタとの非嵌合状態において、前記膨出部は、前記第1接合部よりも前記他方側に配置されている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記膨出部は、前記第2接合部よりも前記一方側に配置されている、
請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記コネクタハウジングの前記本体部は、前記可撓導体と対向する対向壁を有し、
前記対向壁は、前記可撓導体と反対側に向かって窪む凹部を有し、
前記可撓導体は、前記相手コネクタとの嵌合状態において、前記凹部の内部に進入可能である、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記相手コネクタとの非嵌合状態において、前記凹部は、前記第1接合部よりも前記他方側に配置されている、
請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記凹部は、前記第2接合部よりも前記一方側に配置されている、
請求項4または請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記凹部は、前記可撓導体に近づくにつれて前記一方側に向かって傾斜する第1傾斜面を有する、
請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記凹部は、前記可撓導体に近づくにつれて前記他方側に向かって傾斜する第2傾斜面を有する、
請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記膨出部は、前記一対の側壁が対向する方向と前記第1方向とに直交する方向からみたときに、前記凹部と重なっている、
請求項4または請求項8のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記可撓導体は、前記一対の側壁が対向する方向と前記第1方向とに直交する方向において、前記膨出部と前記凹部との間に配置されている、
請求項4から請求項9のいずれか1項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
本出願は、2021年3月31日出願の日本出願第2021-061215号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1端子(電気接触部材)と、第2端子(外部接続部材)と、第1端子と第2端子とを電気的に接続している可撓導体(編組線)と、を有する端子モジュールと、端子モジュールを収容するコネクタハウジングと、を備えるコネクタが開示されている。コネクタが相手コネクタ(相手側コネクタ)と嵌合することにより、第1端子が他方側に移動し、第1端子が第2端子に近づく。コネクタと相手コネクタとが嵌合状態にあるとき、可撓導体は、コネクタと相手コネクタとが非嵌合状態であるときと比べて撓んでいる。コネクタと相手コネクタとは、例えば、嵌合状態で車両に搭載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-101556号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示のコネクタは、一方側から他方側に向かう第1方向に沿って相対的に近づく相手コネクタと嵌合可能であるとともに、前記相手コネクタと電気的に接続可能なコネクタであって、前記相手コネクタと電気的に接続する端子モジュールと、前記端子モジュールを収容するコネクタハウジングと、を備え、前記端子モジュールは、天井壁と、前記天井壁から前記一方側に延びる一対の側壁と、を含むケースと、前記ケースに収容されるとともに前記第1方向に沿って弾性変形可能な弾性部材と、前記弾性部材によって前記一方側に向かって付勢されている状態で前記一対の側壁に支持されるとともに、前記相手コネクタにより押圧されることで、前記他方側に移動可能な第1端子と、前記第1端子よりも前記他方側に位置するとともに前記コネクタハウジングに保持されている第2端子と、前記第1端子と前記第2端子とを電気的に接続する可撓導体と、を有し、前記可撓導体は、前記第1端子と接合する第1接合部と、前記第2端子と接合する第2接合部と、を有し、前記コネクタハウジングは、前記端子モジュールを保持する本体部と、前記本体部に取り付けられるとともに前記可撓導体と対向する第1蓋部と、を有し、前記第1蓋部は、前記可撓導体とは反対側に向かって膨出する膨出部を有し、前記可撓導体は、前記相手コネクタとの嵌合状態において、前記膨出部の内部に進入可能である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本実施形態に係る嵌合状態のコネクタ及び相手コネクタを示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る非嵌合状態のコネクタ及び相手コネクタを示す斜視図である。
図3図3は、図2に示すコネクタの分解斜視図である。
図4図4は、図2に示すコネクタについて、図3とは異なる方向から見た分解斜視図である。
図5図5は、図2に示す相手コネクタの分解斜視図である。
図6図6は、図1の矢印VI-VIにて示す切断線により切断したコネクタの断面拡大図である。
図7図7は、図2の矢印VII-VIIにて示す切断線により切断したコネクタの断面拡大図である。
図8図8は、本実施形態に係るコネクタの端子モジュールと相手コネクタの相手端子との接続前の状態を示す斜視図である。
図9図9は、本実施形態に係るコネクタの端子モジュールと相手コネクタの相手端子との接続状態を示す斜視図である。
図10図10は、図3に示すコネクタの本体部の斜視図である。
図11図11は、図3に示すコネクタの第1蓋部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
<発明が解決しようとする課題>
車両の走行時の振動などにより、コネクタが振動する際に、可撓導体が揺動してコネクタハウジングと接触し、可撓導体が摩耗する可能性がある。よって、耐久性の観点において、コネクタにはさらなる改良の余地がある。
【0007】
本開示の目的は、耐久性を向上できるコネクタを提供することにある。
【0008】
<発明の効果>
本開示のコネクタによれば、耐久性を向上できるという効果を奏する。
【0009】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列挙して説明する。
(1)本開示のコネクタは、一方側から他方側に向かう第1方向に沿って相対的に近づく相手コネクタと嵌合可能であるとともに、前記相手コネクタと電気的に接続可能なコネクタであって、前記相手コネクタと電気的に接続する端子モジュールと、前記端子モジュールを収容するコネクタハウジングと、を備え、前記端子モジュールは、天井壁と前記天井壁から前記一方側に延びる一対の側壁とを含むケースと、前記ケースに収容されるとともに前記第1方向に沿って弾性変形可能な弾性部材と、前記弾性部材によって前記一方側に向かって付勢されている状態で前記一対の側壁に支持されるとともに、前記相手コネクタにより押圧されることで、前記他方側に移動可能な第1端子と、前記第1端子よりも前記他方側に位置するとともに前記コネクタハウジングに保持されている第2端子と、前記第1端子と前記第2端子とを電気的に接続する可撓導体と、を有し、前記可撓導体は、前記第1端子と接合する第1接合部と、前記第2端子と接合する第2接合部と、を有し、前記コネクタハウジングは、前記端子モジュールを保持する本体部と、前記本体部に取り付けられるとともに前記可撓導体と対向する第1蓋部と、を有し、前記第1蓋部は、前記可撓導体とは反対側に向かって膨出する膨出部を有し、前記可撓導体は、前記相手コネクタとの嵌合状態において、前記膨出部の内部に進入可能である。
【0010】
この構成によれば、可撓導体と対向する第1蓋部は、可撓導体とは反対側に向かって膨出する膨出部を有する。可撓導体は、膨出部の内部に進入可能である。よって、膨出部が第1蓋部に設けられていない場合と比べて、可撓導体が第1蓋部と接触して摩耗することを抑制できる。したがって、コネクタの耐久性を向上できる。
【0011】
(2)前記相手コネクタとの非嵌合状態において、前記膨出部は、前記第1接合部よりも前記他方側に配置されている、ことが好ましい。
【0012】
この構成によれば、相手コネクタとの非嵌合状態において、膨出部は、第1接合部よりも他方側に配置されている。可撓導体は、可撓導体と第1端子との接合部である第1接合部と可撓導体と第2端子との接合部である第2接合部との間の区間が揺動し得る。相手コネクタとコネクタとが嵌合することで、第1端子は他方側に移動する。すなわち、第1方向における可撓導体の揺動区間は、他方側に寄る。よって、第1方向における可撓導体の揺動区間は、非嵌合状態よりも嵌合状態の方がより短くなる。したがって、相手コネクタとの非嵌合状態において、第1方向と直交する方向からみたときに膨出部が第1接合部と重なる場合と比べて、可撓導体の摩耗を抑制しつつもコネクタの肥大化を抑制できる。ひいては、コネクタの耐久性の向上と肥大化の抑制を両立できる。
【0013】
(3)前記膨出部は、前記第2接合部よりも前記一方側に配置されている、ことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、膨出部は、第2接合部よりも一方側に配置されている。可撓導体は、可撓導体と第1端子との接合部である第1接合部と可撓導体と第2端子との接合部である第2接合部との間の区間で揺動し得る。さらに、第1端子が他方側に移動可能である一方で、第2端子はコネクタハウジングに保持されている。よって、第1方向と直交する方向からみたときに膨出部が第2接合部と重なる場合と比べて、可撓導体の摩耗を抑制しつつもコネクタをより小型化できる。したがって、コネクタの耐久性の向上と肥大化の抑制を両立できる。
【0015】
(4)前記コネクタハウジングの前記本体部は、前記可撓導体と対向する対向壁を有し、前記対向壁は、前記可撓導体と反対側に向かって窪む凹部を有し、前記可撓導体は、前記相手コネクタとの嵌合状態において、前記凹部の内部に進入可能である、ことが好ましい。
【0016】
この構成によれば、可撓導体と対向する対向壁は、可撓導体とは反対側に向かって窪む凹部を有する。さらに、可撓導体が凹部の内部に進入可能である。よって、凹部が対向壁に設けられていない場合と比べて、可撓導体が対向壁と接触して摩耗することを抑制できる。したがって、コネクタの耐久性を向上できる。
【0017】
(5)前記相手コネクタとの非嵌合状態において、前記凹部は、前記第1接合部よりも前記他方側に配置されている、ことが好ましい。
【0018】
この構成によれば、相手コネクタとの非嵌合状態において、凹部は、前記第1接合部よりも他方側に配置されている。可撓導体は、可撓導体と第1端子との接合部である第1接合部と可撓導体と第2端子との接合部である第2接合部との間の区間で揺動し得る。相手コネクタとコネクタとが嵌合することで、第1端子は他方側に移動する。すなわち、第1方向における可撓導体の揺動区間は、他方側に寄る。よって、第1方向における可撓導体の揺動区間は、非嵌合状態よりも嵌合状態の方がより短くなる。したがって、コネクタと相手コネクタとの非嵌合状態において、第1方向と直交する方向からみたときに凹部が第1接合部と重なる場合と比べて、可撓導体の摩耗を抑制しつつもコネクタをより小型化できる。ひいては、コネクタの耐久性の向上と肥大化の抑制を両立できる。
【0019】
(6)前記凹部は、前記第2接合部よりも前記一方側に配置されている、ことが好ましい。
【0020】
この構成によれば、凹部は、第2接合部よりも一方側に配置されている。可撓導体は、可撓導体と第1端子との接合部である第1接合部と可撓導体と第2端子との接合部である第2接合部との間の区間で揺動し得る。さらに、第1端子が他方側に移動可能である一方で、第2端子はコネクタハウジングに保持されている。よって、第1方向と直交する方向からみたときに凹部が第2接合部と重なる場合と比べて、可撓導体の摩耗を抑制しつつもコネクタをより小型化できる。したがって、コネクタの耐久性の向上と肥大化の抑制を両立できる。
【0021】
(7)前記凹部は、前記可撓導体に近づくにつれて前記一方側に向かって傾斜する第1傾斜面を有する、ことが好ましい。
【0022】
この構成によれば、凹部は、可撓導体に近づくにつれて一方側に向かって傾斜する第1傾斜面を有する。よって、第1傾斜面が設けられていない場合と比べて、可撓導体の摩耗を抑制できる。したがって、コネクタの耐久性を向上できる。
【0023】
(8)前記凹部は、前記可撓導体に近づくにつれて前記他方側に向かって傾斜する第2傾斜面を有する、ことが好ましい。
【0024】
この構成によれば、凹部は、可撓導体に近づくにつれて他方側に向かって傾斜する第2傾斜面を有する。よって、第2傾斜面が設けられていない場合と比べて、可撓導体の摩耗を抑制できる。したがって、コネクタの耐久性を向上できる。
【0025】
(9)前記膨出部は、前記一対の側壁が対向する方向と前記第1方向とに直交する方向からみたときに、前記凹部と重なっている、ことが好ましい。
【0026】
この構成によれば、膨出部は、一対の側壁が対向する方向と第1方向とに直交する方向からみたときに、凹部と重なっている。よって、可撓導体が揺動する際に、コネクタハウジングは、第1方向において、可撓導体が膨出部と凹部との両方に進入可能な区間を有する。したがって、可撓導体がコネクタハウジングと接触して摩耗することを抑制できる。したがって、コネクタの耐久性をより向上できる。
【0027】
(10)前記可撓導体は、前記一対の側壁が対向する方向からみたときに、前記膨出部と前記凹部との間に配置されている、ことが好ましい。
【0028】
この構成によれば、可撓導体は、一対の側壁が対向する方向からみたときに、膨出部と凹部との間に配置されている。可撓導体は、膨出部と凹部とに挟まれている。よって、可撓導体が膨出部の側と凹部の側のいずれの側に向かって振れても、可撓導体がコネクタハウジングと接触して摩耗することを抑制できる。したがって、コネクタの耐久性を向上できる。
【0029】
<本開示の実施形態の詳細>
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については、各図面で異なる場合がある。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。また、本開示において、平行とは幾何学的に厳密な意味での平行を意味するものではなく、平行とみなされる範囲であれば本発明の効果を奏する範囲で幅をもつ意味である。また、本開示において、直交とは幾何学的に厳密な意味での直交を意味するものではなく、直交とみなされる範囲であれば本発明の効果を奏する範囲で幅をもつ意味である。
【0030】
<コネクタ10と相手コネクタ12との概要>
図1図2に示すように、コネクタ10及び相手コネクタ12は、車両に搭載されている機器(図示省略)にそれぞれ設けられている。例えば、コネクタ10はインバータ回路を含むPCU(Power Control Unit、機器の一例)に設けられ、相手コネクタ12はモータ(相手機器の一例)に設けられている。
【0031】
相手コネクタ12が一方側から他方側に向かう第1方向に沿って相対的にコネクタ10に近づくことで、コネクタ10に相手コネクタ12が差し込まれる。すなわち、コネクタ10と相手コネクタ12とが嵌合し、コネクタ10と相手コネクタ12とは電気的に接続される。コネクタ10と相手コネクタ12とを介して、PCUとモータとが電気的に接続される。コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合については、後述する。
【0032】
<コネクタ10>
コネクタ10は、端子モジュール14と、コネクタハウジング16とを備える。端子モジュール14は、相手コネクタ12に含まれる相手端子124と機器に含まれる電気回路(図示省略)とを電気的に接続するためのモジュールである。
【0033】
図3図4図7に示すように、コネクタハウジング16は、端子モジュール14を収容している。コネクタハウジング16は、本体部64と、第1蓋部66と、第2蓋部68とを有している。端子モジュール14は、本体部64と第1蓋部66と第2蓋部68との間の空間に収容されている。端子モジュール14と本体部64と第1蓋部66とは、第1方向に直交する方向に並んでいる。本体部64と第2蓋部68とは、第1方向に沿って並んでいる。
【0034】
<端子モジュール14>
図7図8図9に示すように、端子モジュール14は、ケース20と、弾性部材18と、第1端子22と、第2端子42と、可撓導体44とを備える。以下に説明する端子モジュール14の各部構成は、非嵌合状態のコネクタ10における構成である。
【0035】
<ケース20>
図8に示すように、ケース20は、天井壁24と、天井壁24から延びる一対の側壁26、26と、天井壁24から延びる一対の弾性部材保持壁28、28とを有する。ケース20は、例えば、金属製である。ケース20は、例えば、ステンレス鋼製である。ケース20は、弾性部材18を収容している。ケース20は、例えば、板材をプレス加工することにより、天井壁24と一対の側壁26、26と一対の弾性部材保持壁28、28とが一体形成されている。
【0036】
一対の側壁26、26は、互いに対向している。一対の側壁26、26が対向する方向は、第1方向と直交している。一対の側壁26、26が対向する方向は、本体部64と第1蓋部66とが並ぶ方向と直交している。
【0037】
以下の説明では、便宜上、第1方向に沿う方向を上下方向と称する。一対の側壁26、26の対向方向を左右方向と称する。第1方向と一対の側壁26、26の対向方向とに直交する方向を前後方向と称する。すなわち、本体部64と第1蓋部66とが並ぶ方向を前後方向と称する。以下の説明では、便宜上、上下方向において、他方側を上方、一方側を下方と称する。前後方向において、本体部64の側を前方、第1蓋部66の側を後方と称する。
【0038】
天井壁24は、前後方向及び左右方向に沿って設けられている平板状の領域である。天井壁24の前後方向及び左右方向の幅は、弾性部材18の前後方向及び左右方向の幅よりも大きい。上下方向における上方側からみたとき、天井壁24は弾性部材18を覆っている。
【0039】
一対の側壁26、26は、天井壁24の左右方向の縁から下方に向かって延びる互いに平行な一対の壁である。一対の側壁26、26は、それぞれ鏡像対称となる形状を有する。以下、右側の側壁26について代表的に説明する。図8に示すように、側壁26は、基部26Aと、第1脚部26Bと、第2脚部26Cと、ガイド突起26Dとを有する。
【0040】
基部26Aは、天井壁24と連なっている。基部26Aは、前後方向において天井壁24と同じ幅を有する。基部26Aは、弾性部材18が圧縮又は伸張する際に、左右方向に曲がる弾性部材18を受ける機能を有する。
【0041】
第1脚部26Bは、基部26Aの前後方向中央部分において、基部26Aから下方に向かって延びつつ、前方に傾斜している。第1脚部26Bは、前後方向の傾斜幅よりも上下方向の幅の方が長い。第1脚部26Bは、前後方向において基部26Aよりも小さい幅を有する。第1脚部26Bは、例えば、基部26Aの4分の1程度の幅を有する。第1脚部26Bは、下端部分において前方に向かって延びる第1受け部26B1を有する。第1受け部26B1の上面は、前後方向に沿って延びる面である。第1脚部26Bの後方の面は、相手コネクタ12が嵌合する際に、第1端子22を案内するガイド面26B2として機能する。ガイド面26B2が前後方向に傾斜した状態で下方に延びるため、第1端子22は、ガイド面26B2に沿って上下方向に案内されるとともに前後方向にも案内される。
【0042】
第2脚部26Cは、基部26Aから下方に向かって延びている。第2脚部26Cは、第1脚部26Bの後方に位置している。第2脚部26Cは、前後方向において、第1脚部26Bと離れている。第2脚部26Cは、前後方向において、基部26Aよりも小さい幅を有する。第2脚部26Cは、例えば、基部26Aの4分の1程度の幅を有する。第2脚部26Cは、第2受け部26C1と、下端部26C2とを有する。第2受け部26C1は、下端部26C2よりも上方に配置されている。第2受け部26C1は、下端部26C2よりも後方に向かって突出している。第2受け部26C1の上面は、前後方向に沿って延びる面である。
【0043】
ガイド突起26Dは、基部26Aから右方に向かって突出している。ガイド突起26Dは、基部26Aから弾性部材18とは反対側に向かって突出している。ガイド突起26Dは、側壁26の一部を右方に向かって屈曲させることで形成される。例えば、ガイド突起26Dは、一対のスリット27、27の間において側壁26を右方に向かって屈曲させることにより形成されており、スリット27、27がガイド突起26Dの上下両側に設けられているため、ガイド突起26Dを右方に向かって屈曲させ易くなっている。
【0044】
ガイド突起26Dは、第1脚部26Bよりも上方に配置されている。ガイド突起26Dは、第2脚部26Cよりも上方に配置されている。ガイド突起26Dは、側壁26の前方と側壁26の後方とに1つずつ設けられている。側壁26の前方に配置されているガイド突起26Dと側壁26の後方に配置されているガイド突起26Dとは、前後方向からみたときに、重なる。側壁26の前方に配置されているガイド突起26Dの上面の位置は、側壁26の後方に配置されているガイド突起26Dの上面の位置と等しい。側壁26の前方に配置されているガイド突起26Dの下面の位置は、側壁26の後方に配置されているガイド突起26Dの下面の位置と等しい。
【0045】
一対の弾性部材保持壁28、28は、天井壁24の前後方向の縁から下方に向かって延びる互いに平行な一対の壁である。一対の弾性部材保持壁28、28は、左右方向において天井壁24よりも小さい幅を有する。一対の弾性部材保持壁28、28は、例えば、左右方向において、天井壁24の3分の1程度の幅を有する。一対の弾性部材保持壁28、28は、上下方向において側壁26よりも小さい幅を有する。一対の弾性部材保持壁28、28は、例えば、上下方向において、側壁26の2分の1程度の幅を有する。一対の弾性部材保持壁28、28の前後方向の内面は、図7に示すように、弾性部材18の前後方向の側部とわずかに隙間を空けて対向している。一対の弾性部材保持壁28、28は、弾性部材18が圧縮又は伸張する際に、前後方向に曲がる弾性部材18を受ける機能を有する。
【0046】
<弾性部材18>
弾性部材18は、金属製の線材をコイル状に巻回したコイルスプリングである。弾性部材18は、例えば、ステンレス鋼製である。
【0047】
図8に示すように、弾性部材18は、ケース20に収容されている。すなわち、弾性部材18は、天井壁24と、一対の側壁26、26と、一対の弾性部材保持壁28、28とにより囲まれている。弾性部材18は、天井壁24と第1端子22とにより、上下方向に圧縮した状態で挟まれている。弾性部材18は、第1端子22を下方に向かって付勢している。弾性部材18は、天井壁24を上方に向かって付勢している。この状態において、弾性部材18は上下方向にさらに圧縮可能となっている。すなわち、弾性部材18は、天井壁24と第1端子22とによりバネの自由長さより短くかつ最大圧縮時の長さよりも長い範囲で圧縮されている。
【0048】
弾性部材18は、第1端部18aと、第2端部18bとを有する。第1端部18aは、弾性部材18の上端から1周分程度の領域である。第1端部18aは、天井壁24と接触している。第2端部18bは、弾性部材18の下端から1周分程度の領域である。第2端部18bは、第1端子22と接触している。
【0049】
<第1端子22>
図6図7図8に示すように、第1端子22は、相手端子124と物理的に接触可能な端子である。図7図8に示すように、第1端子22は、一対の側壁26、26に取り付けられている。第1端子22は、弾性部材18によって下方に向かって付勢された状態で、一対の側壁26、26に支持されている。第1端子22は、第1部分22aと、第2部分22bと、第1面22Aと、第1面22Aとは反対側に配置されている第2面22Bとを有する。第1端子22は、金属製である。第1端子22は、例えば、銅合金製である。第1端子22は、板材をプレス加工することにより、第1部分22aと第2部分22bとが一体形成されている。
【0050】
第1部分22aは、天井壁24から下方に離れて配置されている。第1部分22aは、天井壁24と平行に設けられている。すなわち、第1部分22aは、前後方向及び左右方向に沿って延びている。第2部分22bは、第1部分22aの後方の縁から上方に向かって延びている。よって、第1端子22は、左右方向からみたとき、L字形状を有する。第1部分22aは、一対の第1係合部58、58と、一対の被ガイド部62、62とを有する。第2部分22bは、一対の第2係合部60、60を有する。
【0051】
第1部分22aにおける第1面22Aは、弾性部材18の第2端部18bと接触している。第1部分22aにおける第1面22Aは、弾性部材18の第2端部18bを受ける受け面として機能する。第1部分22aにおける第2面22Bは、相手端子124に含まれる相手接点128と接触可能な接触面として機能する。
【0052】
第1係合部58は、第1部分22aの前縁において左右方向の外側に突出している。第1係合部58は、第1脚部26Bの第1受け部26B1に対して上方から当接する。第1係合部58は、第1受け部26B1の上面と当接する。第1係合部58は、第1受け部26B1に受け止められている。
【0053】
被ガイド部62は、第1部分22aの前後方向の中央部分において左右方向の外側に突出している。被ガイド部62は、第1脚部26Bと第2脚部26Cとの間に挿入されている。被ガイド部62は、コネクタ10が相手コネクタ12と嵌合する際に、ガイド面26B2に沿って上下方向に案内されるとともに前後方向にも案内される。
【0054】
第2部分22bにおける第1面22Aは、弾性部材18の側に向く面である。第2部分22bにおける第2面22Bは、弾性部材18とは反対側に向く面である。第2部分22bにおける第2面22Bは、可撓導体44が接続されている。
【0055】
第2係合部60は、左右方向の外側に突出している。第2係合部60は、第2部分22bの上下方向の中央部分よりも下方に配置されている。第2係合部60は、第2脚部26Cの第2受け部26C1に対して上方から当接する。第2係合部60は、第2受け部26C1の上面と当接する。第2係合部60は、第2受け部26C1に受け止められている。
【0056】
第1係合部58が第1受け部26B1と当接するとともに第2係合部60が第2受け部26C1と当接することで、第1端子22は下方への移動が規制されている。すなわち、非嵌合状態において、第1端子22は、弾性部材18と一対の側壁26、26とにより挟持されている。非嵌合状態において、第1端子22は、弾性部材18と一対の第1受け部26B1、26B1及び一対の第2受け部26C1、26C1とにより挟持されている。
【0057】
<第2端子42>
図4図7に示すように、第2端子42は、PCUに含まれる電気回路(図示省略)と電気的に接続している平板形状の端子である。第2端子42は、上部分42Aと、下部分42Bと、くびれ部分42Cと、を有する。第2端子42は、金属製である。第2端子42は、例えば、銅合金製である。第2端子42は、板材をプレス加工することにより、上部分42A、下部分42B及びくびれ部分42Cが一体形成されている。第2端子42は、コネクタハウジング16に取り付けられている。第2端子42は、コネクタハウジング16によって、第1端子22よりも上方の位置に保持されている。
【0058】
上部分42Aは、コネクタハウジング16の外側に配置されている。上部分42Aは、電気回路(図示省略)と接続される領域である。下部分42Bは、上部分42Aから下方に向かって延びている。下部分42Bは、コネクタハウジング16の内側に配置されている。下部分42Bは、可撓導体44が接続されている。くびれ部分42Cは、上部分42Aと下部分42Bとの境界領域において、左右方向内側に凹む領域である。くびれ部分42Cは、コネクタハウジング16と凹凸嵌合する。
【0059】
<可撓導体44>
可撓導体44は、可撓性を有する導体である。図7に示すように、可撓導体44は、第1端子22と第2端子42とを電気的に接続する。可撓導体44は、第1端子22よりも可撓性に優れる導体である。可撓導体44は、第2端子42よりも可撓性に優れる導体である。可撓導体44は、繰り返し変形可能である。
【0060】
可撓導体44は、例えば、導電性を有する複数の金属素線が編まれた帯状の編組線である。編組線は、例えば、銅合金製の素線が編まれて形成されている。可撓導体44は、第1端子22に接合されている第1接合部52と、第2端子42に接合されている第2接合部48と、第1接合部52と第2接合部48との間の中間部分53とを有する。
【0061】
第1接合部52は、第1端子22に抵抗溶接によって接合されている。第1接合部52は、例えば、第1端子22の第2部分22bに抵抗溶接によって接合されている。第1接合部52は、中間部分53よりも剛性が高くなっている。第2接合部48は、第2端子42に抵抗溶接によって接合されている。第2接合部48は、例えば、第2端子42の下部分42Bに抵抗溶接によって接合されている。第2接合部48は、中間部分53よりも剛性が高くなっている。
【0062】
第1端子22の第2部分22bと第2端子42とは、上下方向に並んでいる。すなわち、第1接合部52と第2接合部48とは、上下方向に並んでいる。第1接合部52と第2接合部48と中間部分53のなかで、第1接合部52は最も下方に配置されている。第1接合部52と第2接合部48と中間部分53のなかで、第2接合部48は最も上方に配置されている。
【0063】
<コネクタハウジング16>
図3図4図7に示すように、コネクタハウジング16は、本体部64と、第1蓋部66と、第2蓋部68とを有している。コネクタハウジング16は、端子モジュール14を収容している。コネクタハウジング16は、本実施形態では、3つの端子モジュール14を収容している。本体部64は、補強部材64Fが取り付けられている。第1蓋部66は、本体部64の後方に取り付けられている。第2蓋部68は、本体部64と第1蓋部66の下方に取り付けられている。
【0064】
<本体部64>
本体部64は、例えば、熱可塑性樹脂製である。本体部64は、前壁64Aと、右壁64Bと、左壁64Cと、支持壁64Dと、上壁64Eとを有する。前壁64Aと右壁64Bと左壁64Cと支持壁64Dと上壁64Eとは、例えば、射出成形により一体成形されている。
【0065】
前壁64Aは、ケース20の前方に配置されている壁である。右壁64Bは、前壁64Aの右方の縁から後方に向かって延びる壁である。左壁64Cは、前壁64Aの左方の縁から後方に向かって延びる壁である。支持壁64Dは、ケース20の上方に配置されている壁である。支持壁64Dは、前壁64Aと右壁64Bと左壁64Cとに連なっている。上壁64Eは、支持壁64Dの後方の縁から上方に向かって延びる壁である。
【0066】
支持壁64Dは、ケース20の天井壁24の上方に配置されている。支持壁64Dは、当接面64D1と、当接面64D1とは反対側に配置される補強面64D2とを有している。
【0067】
当接面64D1は、ケース20と対向している。当接面64D1は、天井壁24と対向している。当接面64D1は、ケース20と当接可能である。当接面64D1は、天井壁24と当接可能である。
【0068】
本体部64は、図3図4図10に示すように、端子モジュール14を収容する端子モジュール収容部70と、隔壁71、第1開口部75と、第2開口部77と、保持部82と、第1係合突起84とを有する。
【0069】
第1開口部75は、本体部64の後方が開放されることで形成されている。第1開口部75は、端子モジュール収容部70を本体部64の外部に露出させている。よって、本体部64は、例えば、端子モジュール14を後方から端子モジュール収容部70に収めることができる。
【0070】
第2開口部77は、本体部64の下方が開放されることで形成されている。第2開口部77は、端子モジュール収容部70を本体部64の外部に露出させている。
【0071】
端子モジュール収容部70は、ケース収容部72と、可撓導体収容部74とを有している。端子モジュール収容部70は、上下方向に沿って延びている。端子モジュール収容部70は、本体部64の内部空間である。端子モジュール収容部70は、左右方向に沿って複数設けられている。複数の端子モジュール収容部70は、隔壁71によって、本体部64の内部空間が区画されることで形成されている。複数の端子モジュール収容部70は、複数の端子モジュール14を個別に収容している。本実施形態では、3つの端子モジュール収容部70が、左右方向に並んでいる。
【0072】
隔壁71は、上下方向および前後方向に延びている。隔壁71は、前壁64Aと支持壁64Dと上壁64Eとに連なっている。隔壁71は、複数の端子モジュール14を個別に本体部64に収容するための空間を区画している。すなわち、隔壁71は、隣り合う端子モジュール収容部70の間に配置されている。本実施形態では、3つの端子モジュール収容部70を形成するため、2つの隔壁71が設けられている。すなわち、本実施形態では、2つの隔壁71が左右方向に並んでいる。
【0073】
隔壁71は、左右方向に隣り合うケース収容部72の間に配置されている。すなわち、隔壁71は、左右方向に隣り合うケース20の間に配置されている。隔壁71は、左右方向において、ケース20と対向している。隔壁71は、左右方向に隣り合う可撓導体収容部74の間に配置されている。すなわち、隔壁71は、左右方向に隣り合う可撓導体44の間に配置されている。隔壁71は、左右方向において、可撓導体44と対向している。
【0074】
隔壁71は、上下方向に沿って延びるガイドレール99を有する。ガイドレール99は、例えば、上下方向に沿って延びる溝である。ガイドレール99は、隔壁71の後面に設けられている。隔壁71の後面は、第1蓋部66と対向している。ガイドレール99は、第1蓋部66と対向している。
【0075】
ケース収容部72は、端子モジュール14のケース20を収容している。ケース収容部72は、可撓導体収容部74よりも下方に配置されている。ケース収容部72は、ケース20と対向している。ケース収容部72の後方は、第1開口部75によって開放されている。ケース収容部72の下方は、第2開口部77によって開放されている。
【0076】
ケース収容部72は、本実施形態では、左右方向に3つ並んでいる。最も右方に位置するケース収容部72は、前壁64Aと右壁64Bと支持壁64Dと隔壁71とによって区画されている。最も左方に位置するケース収容部72は、前壁64Aと左壁64Cと支持壁64Dと隔壁71とによって区画されている。左右方向において真ん中のケース収容部72は、前壁64Aと支持壁64Dと一対の隔壁71、71とによって区画されている。
【0077】
ケース収容部72は、端子モジュール14の移動方向を規制するガイド溝76を有している。ガイド溝76は、右壁64Bと左壁64Cと隔壁71に設けられている。ガイド溝76は、前後方向に沿って延びている。ガイド溝76は、ケース20と対向している。ガイド溝76は、一対の側壁26、26と対向している。ガイド溝76には、ケース20のガイド突起26Dが差し入れられており、ガイド溝76がガイド突起26Dを保持している。ガイド突起26Dは、ガイド溝76に係止されている。一対の側壁26、26に設けられているガイド突起26Dは、ガイド溝76を摺動可能である。したがって、端子モジュール14は、ガイド溝76に沿って摺動可能とされている。
【0078】
可撓導体収容部74は、端子モジュール14の可撓導体44を収容している。可撓導体収容部74は、ケース収容部72よりも上方に配置されている。可撓導体収容部74は、ケース収容部72と連なっている。可撓導体収容部74は、上壁64Eに配置されている。可撓導体収容部74は、可撓導体44と対向している。可撓導体収容部74の後方は、第1開口部75によって開放されている。可撓導体収容部74は、可撓導体44と対向する対向壁79と、対向壁79に形成されている凹部78とを有する。
【0079】
図7に示すように、凹部78は、可撓導体44と対向している。凹部78は、可撓導体44とは反対側に向かって窪んでいる。可撓導体44は、凹部78の内部空間に進入可能である。凹部78は、第1接合部52よりも上方に配置されている。すなわち、凹部78は、第1接合部52よりも他方側に配置されている。凹部78は、第2接合部48よりも下方に配置されている。すなわち、凹部78は、第2接合部48よりも一方側に配置されている。
【0080】
凹部78は、第1傾斜面78Aと、第2傾斜面78Bとを有する。第1傾斜面78Aは、後方に近づくにつれて下方に向かって傾斜している。すなわち、第1傾斜面78Aは、可撓導体44に近づくにつれて一方側に向かって傾斜している。第2傾斜面78Bは、後方に近づくにつれて上方に向かって傾斜している。すなわち、第2傾斜面78Bは、可撓導体44に近づくにつれて他方側に向かって傾斜している。第1傾斜面78Aは、第2傾斜面78Bよりも上方に配置されている。
【0081】
保持部82は、第2端子42が第1端子22よりも上方に配置されるように保持している。保持部82は、第2端子42のくびれ部42Cと凹凸嵌合している。保持部82は、上壁64Eに配置されている。保持部82は、ケース収容部72よりも上方に配置されている。保持部82は、可撓導体収容部74よりも上方に配置されている。
【0082】
第1係合突起84は、第2蓋部68と係合している。第1係合突起84は、本体部64の前壁64Aに設けられている。第1係合突起84は、前壁64Aの下側に配置されている。本実施形態では、第1係合突起84は、複数設けられている。
【0083】
<補強部材64F>
補強部材64Fは、図3図4図7に示すように、左右方向に延びる板状部材である。補強部材64Fは、例えば、ステンレス鋼製である。補強部材64Fは、コネクタハウジング16よりも剛性が優れている。補強部材64Fは、支持壁64Dよりも剛性が優れている。
【0084】
補強部材64Fは、コネクタハウジング16に取り付けられている。補強部材64Fは、本体部64に取り付けられている。補強部材64Fは、支持壁64Dに取り付けられている。補強部材64Fは、支持壁64Dの補強面64D2に接している。
【0085】
補強部材64Fは、コネクタハウジング16と一体化されている。補強部材64Fの少なくとも一部は、コネクタハウジング16に埋設されている。補強部材64Fは、例えば、インサート成形によって、コネクタハウジング16と一体化されている。補強部材64Fは、本体部64と一体化されている。補強部材64Fは、本体部64と一体化されている。補強部材64Fの少なくとも一部は、本体部64に埋設している。補強部材64Fは、例えば、インサート成形によって、支持壁64Dと一体化されている。
【0086】
補強部材64Fは、上下方向の上側からみたとき、支持壁64Dと重なっている。補強部材64Fは、上下方向の上側からみたとき、当接面64D1と重なっている。補強部材64Fは、上下方向の上側からみたとき、端子モジュール14のケース20の天井壁24と重なっている。本実施形態においては、補強部材64Fは、上下方向の上側からみたとき、左右方向に並ぶ3つの端子モジュール14の天井壁24の全てと重なっている。
【0087】
補強部材64Fは、コネクタ10をPCUの筐体に固定可能な固定部64F1を有している。固定部64F1は、補強部材64Fの左右方向の両側にそれぞれ設けられている。
【0088】
<第1蓋部66>
図2図3図4図7に示すように、第1蓋部66は、本体部64に取り付けられている。第1蓋部66は、本体部64の第1開口部75を覆っている。第1蓋部66は、可撓導体44と対向している。第1蓋部66は、本体部64に対して摺動可能である。より具体的には、第1蓋部66は、本体部64に対して上下方向に沿って摺動可能である。第1蓋部66は、膨出部102と、第2係合突起108と、ガイド突片117とを有する。
【0089】
図7に示すように、膨出部102は、可撓導体44と対向している。膨出部102は、前後方向において、可撓導体44と対向している。膨出部102は、可撓導体44とは反対側に膨出している。膨出部102は、後方に向かって膨出している。膨出部102は、第1接合部52よりも上方に配置されている。すなわち、膨出部102は、第1接合部52よりも他方側に配置されている。膨出部102は、第2接合部48よりも下方に配置されている。すなわち、膨出部102は、第2接合部48よりも一方側に配置されている。可撓導体44は、膨出部102の内部に進入可能である。
【0090】
膨出部102は、前後方向からみたときに、凹部78と重なっている。すなわち、膨出部102は、一対の側壁26、26が対向する方向と第1方向とに直交する方向からみたときに、凹部78と重なっている。
【0091】
膨出部102は、左右方向からみたときに、可撓導体44に対して凹部78と反対側に位置している。膨出部102と凹部78とは、可撓導体44の前後両側に位置している。すなわち、可撓導体44は、一対の側壁26、26が対向する方向からみたときに、膨出部102と凹部78との間に配置されている。
【0092】
第2係合突起108は、第2蓋部68と係合している。第2係合突起108は、第1蓋部66の後面に設けられている。すなわち、第2係合突起108は、第2蓋部68における可撓導体44と対向する面とは反対側の面に設けられている。第2係合突起108は、第1蓋部66の下方に設けられている。第2係合突起108は、膨出部102よりも下方に配置されている。本実施形態では、第2係合突起108は、2つ設けられている。
【0093】
図11に示すように、ガイド突片117は、第2蓋部68の前面に設けられている。ガイド突片117は、前方に向かって突出している。ガイド突片117は、上下方向に沿って延びており、ガイドレール99に沿って摺動可能とされている。ガイド突片117は、本体部64のガイドレール99に嵌る。ガイド突片117は、第1蓋部66をガイドレール99に沿って本体部64に対して摺動可能にする。ガイド突片117は、本実施形態では、2つ設けられている。
【0094】
<第2蓋部68>
図2図7に示すように、第2蓋部68は、本体部64と第1蓋部66とに取り付けられている。第2蓋部68は、本体部64の下側に取り付けられている。第2蓋部68は、第1蓋部66の下側に取り付けられている。第2蓋部68は、本体部64の第2開口部77を覆っている。第2蓋部68は、図2図3図4図7に示すように、本体部64と係合する第1係合片120と、第1蓋部66と係合する第2係合片121と、上下方向に空いた相手端子挿通孔122とを有する。
【0095】
第1係合片120は、前壁64Aの下側の部分と係合する。第1係合片120は、前壁64Aの第1係合突起84と係合する。第2係合片121は、第1蓋部66の下側の部分に係合する。第2係合片121は、第1蓋部66の第2係合突起108と係合する。第2係合片121は、第1係合片120とは反対側に配置されている。第2係合片121は、膨出部102よりも下方に配置されている。第2係合片121は、上下方向からみたとき、膨出部102と重なっている。
【0096】
相手端子挿通孔122は、本体部64の第2開口部77と重なっている。相手端子挿通孔122は、端子モジュール14を第2蓋部68の外部に露出させる。相手端子挿通孔122は、端子モジュール14の第1端子22を第2蓋部68の外部に露出させる。相手端子挿通孔122は、下側からの相手端子124の進入を許容し、相手端子124と第1端子22との物理的接触を許容する。相手端子挿通孔122は、コネクタハウジング16に収容されている端子モジュール14の個数と対応する様に設けられている。本実施形態では、相手端子挿通孔122は、3つ設けられている。
【0097】
<相手コネクタ12>
相手コネクタ12は、図5に示すように、相手端子124と、相手ハウジング126とを有する。相手端子124は、相手ハウジング126に保持されている。相手端子124の少なくとも一部は、相手ハウジング126に埋設されている。相手端子124は、例えば、インサート成形によって設けられている。
【0098】
相手端子124は、導電性の金属部材である。相手端子124は、例えば、銅合金製である。相手端子124は、上下方向に延びる領域と、当該領域から前側に延びる領域とを含む。相手端子124は、左右方向からみたとき、L字形状を有する。相手端子124は、第1端子22の第1部分22aにおける第2面22Bと当接する相手接点128を有する。相手接点128は、相手端子124の一部を塑性変形させることで、相手端子124の上面にビード状に設けられている。
【0099】
相手ハウジング126は、樹脂製の部材である。相手ハウジング126は、コネクタハウジング16の相手端子挿通孔122に進入可能な嵌合部130を有する。嵌合部130は、上方に凸な形状を有する。嵌合部130は、その上面において相手端子124を支持している。
【0100】
<コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合>
図6図7及び図8図9を参照して、コネクタ10へ相手コネクタ12が嵌合される様子を説明する。相手コネクタ12が上方に向かって移動してコネクタ10に近づくと、相手コネクタ12の相手端子124及び嵌合部130が相手端子挿通孔122を通ってコネクタハウジング16の内部に進入する。そして、相手端子124の相手接点128が、第1端子22の第2面22Bと接触する。なお、コネクタ10に相手コネクタ12が嵌合される際、コネクタ10及び相手コネクタ12は上下方向に相対的に近づけばよく、コネクタ10が下方に向かって移動して相手コネクタ12に近づいてもよい。
【0101】
相手接点128が第2面22Bと接触した後、相手コネクタ12がさらに上方に向かって移動すると、第1端子22が相手接点128に押圧されることで、第1端子22は弾性部材18を圧縮しながら上方に向かって移動する。このとき、第1端子22の被ガイド部62は第1脚部26Bのガイド面26B2と摺接する。よって、第1端子22は、上方に向かって移動するとともに、ガイド面26B2が前後方向に傾斜する分だけ後方にも向かって移動する。ガイド面26B2は、前後方向に傾斜する幅よりも上下方向の幅の方が長いため、嵌合時の第1端子22の上方への移動量は、後方への移動量よりも多い。
【0102】
後方に向かって移動する第1端子22の第2面22Bは、上方に向かって移動する相手接点128と前後方向に摺動する。これにより、第2面22Bと相手接点128の間に付着した異物が除去される。異物としては、例えば、第2面22Bの表面に形成された硫化物や酸化物等の皮膜が挙げられる。
【0103】
そして、相手コネクタ12がさらに上方に向かって移動すると、相手コネクタ12がコネクタ10に嵌合する。この状態において、第1端子22の第1部分22aは、弾性部材18から下向きの付勢力を受けるとともに、相手接点128から上向きの押圧力を受ける。第1端子22の第1部分22aは、弾性部材18と相手接点128とによって上下方向に挟持されている。このように、第1部分22aが弾性部材18によって相手接点128に押し付けられることで、第1端子22は相手接点128とより確実に電気的接続することができる。
【0104】
図6図7に示すように、コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合前後において、第1端子22が上方に向かって移動することにともない、第1接合部52と第2接合部48との間の直線距離が短くなる。よって、第1端子22が上方に向かって移動することにともない、可撓導体44は変形し、可撓導体44の撓み量は増大する。したがって、可撓導体44は、コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合前に比べて、コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合後の方が、より揺動し易い傾向にある。すなわち、可撓導体44は、コネクタ10と相手コネクタ12との非嵌合状態に比べて、コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態の方が、より揺動し易い傾向にある。可撓導体44は、コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態において、膨出部102の内部に進入可能である。可撓導体44は、コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態において、凹部78の内部に進入可能である。
【0105】
図6に示すように、コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態において、ケース20は、当接面64D1と当接している。コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態において、天井壁24は、当接面64D1と当接している。コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態において、弾性部材18は、天井壁24を支持壁64Dに向かって付勢している。コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態において、弾性部材18は、天井壁24を支持壁64Dに向かって押圧している。コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態において、天井壁24は、支持壁64Dと補強部材64Fとによって支持されている。
【0106】
コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態において、第1端子22は、相手接点128と当接している。コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態において、弾性部材18は、第1端子22を相手コネクタ12に向かって付勢している。コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態において、第1端子22を相手コネクタ12に向かって押圧している。コネクタ10と相手コネクタ12との嵌合状態において、第1端子22は、相手コネクタ12によって支持されている。
【0107】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
(1)可撓導体44と対向する第1蓋部66は、可撓導体44とは反対側に向かって膨出する膨出部102を有する。さらに、可撓導体44は、膨出部102の内部に進入可能である。よって、膨出部102が第1蓋部66に設けられていない場合と比べて、可撓導体44が第1蓋部66と接触して摩耗することを抑制できる。したがって、コネクタ10の耐久性を向上できる。
【0108】
(2)コネクタ10と相手コネクタ12との非嵌合状態において、膨出部102は、第1接合部52よりも他方側に配置されている。可撓導体44は、第1接合部52と第2接合部48との間の区間で揺動し得る。相手コネクタ12とコネクタ10とが嵌合することで、第1端子22は他方側に移動する。すなわち、第1方向における可撓導体44の揺動区間は、他方側に寄る。よって、第1方向における可撓導体44の揺動区間は、非嵌合状態よりも嵌合状態の方がより短くなる。したがって、コネクタ10と相手コネクタ12との非嵌合状態において、第1方向と直交する方向からみたときに膨出部102が第1接合部52と重なる場合と比べて、可撓導体44の摩耗を抑制しつつもコネクタ10の肥大化を抑制できる。ひいては、コネクタ10の耐久性の向上と肥大化の抑制を両立できる。
【0109】
(3)膨出部102は、第2接合部48よりも一方側に配置されている。可撓導体44は、可撓導体44と第1端子22との接合部である第1接合部52と可撓導体44と第2端子42との接合部である第2接合部48との間の区間で揺動し得る。さらに、第1端子22が他方側に移動可能である一方で、第2端子42はコネクタハウジング16に保持されている。よって、第1方向と直交する方向からみたときに膨出部102が第2接合部48と重なる場合と比べて、可撓導体44の摩耗を抑制しつつもコネクタ10の肥大化を抑制できる。したがって、コネクタ10の耐久性の向上と肥大化の抑制を両立できる。
【0110】
(4)可撓導体44と対向する対向壁79は、可撓導体44とは反対側に向かって窪む凹部78を有する。さらに、可撓導体44は、凹部78の内部に進入可能である。よって、凹部78が対向壁79に設けられていない場合と比べて、可撓導体44が対向壁79と接触して摩耗することを抑制できる。したがって、コネクタ10の耐久性を向上できる。
【0111】
(5)コネクタ10と相手コネクタ12との非嵌合状態において、凹部78は、第1接合部52よりも他方側に配置されている。可撓導体44は、第1接合部52と可撓導体44と第2接合部48との間の区間で揺動し得る。相手コネクタ12とコネクタ10とが嵌合することで、第1端子22は他方側に移動する。すなわち、第1方向における可撓導体44の揺動区間は、他方側に寄る。よって、第1方向における可撓導体44の揺動区間は、非嵌合状態よりも嵌合状態の方がより短くなる。したがって、コネクタ10と相手コネクタ12との非嵌合状態において、第1方向と直交する方向からみたときに凹部78が第1接合部52と重なる場合と比べて、可撓導体44の摩耗を抑制しつつもコネクタ10の肥大化を抑制できる。ひいては、コネクタ10の耐久性の向上と肥大化の抑制を両立できる。
【0112】
(6)凹部78は、第2接合部48よりも一方側に配置されている。可撓導体44は、第1接合部52と第2接合部48との間の区間で揺動し得る。さらに、第1端子22が他方側に移動可能である一方で、第2端子42はコネクタハウジング16に保持されている。よって、第1方向と直交する方向からみたときに凹部78が第2接合部48と重なる場合と比べて、可撓導体44の摩耗を抑制しつつもコネクタ10をより小型化できる。したがって、コネクタ10の耐久性の向上と肥大化の抑制を両立できる。
【0113】
(7)凹部78は、可撓導体44に近づくにつれて一方側に向かって傾斜する第1傾斜面78Aを有する。よって、第1傾斜面78Aが設けられていない場合と比べて、可撓導体44の摩耗を抑制できる。したがって、コネクタ10の耐久性を向上できる。
【0114】
(8)凹部78は、可撓導体44に近づくにつれて他方側に向かって傾斜する第2傾斜面78Bを有する。よって、第2傾斜面78Bが設けられていない場合と比べて、可撓導体44の摩耗を抑制できる。したがって、コネクタ10の耐久性を向上できる。
【0115】
(9)膨出部102は、一対の側壁26、26が対向する方向と第1方向とに直交する方向からみたときに、凹部78と重なっている。よって、可撓導体44が揺動する際に、コネクタハウジング16は、第1方向において、可撓導体44が膨出部102と凹部78との両方に進入可能な区間を有する。したがって、可撓導体44がコネクタハウジング16と接触して摩耗することを抑制できる。ひいては、コネクタ10の耐久性を向上できる。
【0116】
(10)可撓導体44は、一対の側壁26、26が対向する方向からみたときに、膨出部102と凹部78との間に配置されている。可撓導体44は、膨出部102と凹部78とに挟まれている。よって、可撓導体44が膨出部102の側と凹部78の側のいずれの側に向かって振れても、可撓導体44がコネクタハウジング16と接触することを抑制できる。したがって、コネクタ10の耐久性を向上できる。
【0117】
<他の実施形態>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0118】
・上記実施形態の端子モジュール14の数は、3つに限定されず、2つ以下や4つ以上に変更してもよい。
【0119】
・上記実施形態のコネクタハウジング16は、上記実施形態では、本体部64と第1蓋部66と第2蓋部68とを有しているが、これに限定されない。コネクタハウジング16は、端子モジュール14を収容できればよい。
【0120】
・上記実施形態の弾性部材18は、上下方向に伸縮可能な部材であれば、コイルスプリング以外の部材であってもよい。弾性部材18は、ステンレス鋼製でなくても良い。弾性部材18は、例えば、板バネであってもよいし、ゴム部材であってもよい。
【0121】
・上記実施形態のケース20は、ステンレス鋼製でなくてもよい。ケース20は、例えば、鉄合金製、銅合金製、アルミ合金製であってもよい。
【0122】
・上記実施形態の第1端子22は、銅合金製でなくても良い。第1端子22は、例えば、アルミ合金製であってもよい。
・上記実施形態の第1端子22は、メッキ処理が施されていてもよい。第1端子22には、例えば、銅錫メッキ処理が施されていてもよい。
・上記実施形態の第1端子22は、第1部分22aと第2部分22bとが一体形成されておらず、第2部分22bを省略してもよい。第2部分22bが省略される場合、第2係合部60は第1部分22aに設けられる。この場合において、可撓導体44は、第1部分22aに接合されている。
【0123】
・上記実施形態の第2端子42は、銅合金製でなくても良い。第2端子42は、例えば、アルミ合金製であってもよい。
・上記実施形態の第2端子42は、メッキ処理が施されていてもよい。第2端子42は、例えば、銅錫メッキ処理が施されていてもよい。
【0124】
・上記実施形態の可撓導体44は、可撓性を有する導体であれば特に限定されない。可撓導体44は、例えば、筒状の編組線であってもよいし、導線性の撚線からなる裸電線であってもよい。可撓導体44は、例えば、導電性の撚線を絶縁体により被覆した被覆電線であってもよいし、導電性の薄板を積層させた積層バスバであってもよい。
【0125】
・上記実施形態の第1接合部52は、第1端子22に接合されていればよく、抵抗溶接による接合に限定されない。第1接合部52は、例えば、超音波溶接や圧着によって、第1端子22に接合されてもよい。
【0126】
・上記実施形態の第2接合部48は、第2端子42に接合されていればよく、抵抗溶接による接合に限定されない。第2接合部48は、例えば、超音波溶接や圧着によって、第2端子42に接合されてもよい。
【0127】
・上記実施形態の補強部材64Fは、支持壁64Dよりも剛性が優れていれば、金属以外の材料を用いてもよい。補強部材64Fは、例えば、熱硬化性樹脂製であってもよいし、熱可塑性樹脂製であってもよい。
・上記実施形態の補強部材64Fは、省略しても良い。
【0128】
・上記実施形態の異物は、第2面22Bの表面に形成された硫化物や酸化物等の皮膜に限定されない。異物は、例えば、相手接点128の表面に形成された硫化物や酸化物等の皮膜であってもよいし、第2面22Bの表面に付着している塵であってもよいし、相手接点128の表面に付着している塵であってもよい。
【0129】
・上記実施形態の膨出部102は、相手コネクタ12との非嵌合状態において、第1接合部52よりも一方側に配置される部分を含んでもよい。
・上記実施形態の膨出部102は、第2接合部48よりも他方側に配置される部分を含んでもよい。
【0130】
・上記実施形態の凹部78は、省略してもよい。
・上記実施形態の凹部78は、相手コネクタ12との非嵌合状態において、第1接合部52よりも一方側に配置される部分を含んでもよい。
・上記実施形態の凹部78は、第2接合部48よりも他方側に配置される部分を含んでもよい。
【0131】
・上記実施形態の第1傾斜面78Aは、省略してもよい。
・上記実施形態の第2傾斜面78Bは、省略してもよい。
【0132】
・上記実施形態の膨出部102は、一対の側壁26、26が対向する方向と第1方向とに直交する方向からみたときに、凹部78と重なっていなくてもよい。
【0133】
・上記実施形態の可撓導体44は、一対の側壁26、26が対向する方向と第1方向とに直交する方向において、膨出部102と凹部78との間に配置されていなくてもよい。
【0134】
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0135】
10 コネクタ
12 相手コネクタ
14 端子モジュール
16 コネクタハウジング
18 弾性部材
18a 第1端部
18b 第2端部
20 ケース
22 第1端子
22a 第1部分
22b 第2部分
22A 第1面
22B 第2面
24 天井壁
26 側壁
26A 基部
26B 第1脚部
26B1 第1受け部
26B2 ガイド面
26C 第2脚部
26C1 第2受け部
26C2 下端部
26D ガイド突起
27 スリット
28 弾性部材保持壁
42 第2端子
42A 上部分
42B 下部分
42C くびれ部分
44 可撓導体
48 第2接合部
52 第1接合部
53 中間部分
58 第1係合部
60 第2係合部
62 被ガイド部
64 本体部
64A 前壁
64B 右壁
64C 左壁
64D 支持壁
64D1 当接面
64D2 補強面
64E 上壁
64F 補強部材
64F1 固定部
66 第1蓋部
68 第2蓋部
70 端子モジュール収容部
71 隔壁
72 ケース収容部
74 可撓導体収容部
75 第1開口部
76 ガイド溝
77 第2開口部
78 凹部
78A 第1傾斜面
78B 第2傾斜面
79 対向壁
82 保持部
84 第1係合突起
99 ガイドレール
102 膨出部
108 第2係合突起
117 ガイド突片
120 第1係合片
121 第2係合片
122 相手端子挿通孔
124 相手端子
126 相手ハウジング
128 相手接点
130 嵌合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11