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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】H鋼クリップ
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/06 20060101AFI20231114BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20231114BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20231114BHJP
   F16B 5/08 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
F16B2/06 A
E04G21/16
F16B7/04 301N
F16B5/08 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020120930
(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公開番号】P2022001786
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】504196492
【氏名又は名称】株式会社高橋監理
(72)【発明者】
【氏名】高橋 龍夫
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-123007(JP,U)
【文献】実公昭46-026005(JP,Y1)
【文献】実開昭55-168547(JP,U)
【文献】特開2010-127405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/06
E04G 21/16
F16B 7/04
F16B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量物を載せて移動させるため、H型鋼のフランジ面を上下にして横並びに配置した複数の高さ200mm、フランジ幅100mm、ウェブ厚さ5.5mm、フランジ厚さ8mmの架台用H型鋼(1)のフランジと、前記複数の架台用H型鋼(1)の両端上面に載せた高さ300mm、フランジ幅150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mmの吊上用H型鋼(10)のフランジを固定するための固定金具において、
長方形に成形した2枚の平板鋼板の、一方の厚さ9mm、縦105mm、横170mmの平板鋼板(B)(35)の面(C)(45)と面(D)(46)から互いに15mmの位置の中心直径16mmのタップ用穴(A)(18)を開けると共に、他方の厚さ9mm、縦80mm、横220mmの平板鋼板(A)(32)の面(A)(43)と面(B)(44)から互いに15mmの位置の中心直径18mmの貫通用ボルト穴(B)(33)を開け、前記2枚の平板鋼板(B)(35)、平板鋼板(A)(32)の角部に厚さ17mm、縦横共に30mmの厚板鋼板を挟みL形状に重ね合わせて溶融溶接しL形固定金具(A)(41)を形成し、このように形成した2の同一形状のL形固定金具(A)(41)、L形固定金具(B)(42)を互いに反対方向に90度回転させ、タップ用穴(A)(18)、タップ用穴(B)36貫通用ボルト(A)17、貫通用ボルト穴(B)(33)が同一中心線上になるように配置し、前記架台用H型鋼(1)の上側のフランジと吊上用H型鋼(10)の下側のフランジの2枚のフランジをサンドイッチ状に挟み込み、ボルト(A)(16)、ボルト(B)(40)を貫通用ボルト穴(A)(17)、貫通用ボルト穴(B)(33)に挿入しタップ用穴(A)(18)、タップ用穴(B)(36)にねじ込み固定することにより架台用H型鋼(1)と吊上用H型鋼(10)を固定したことを特徴とするH鋼クリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量物を載せて移動するための架台用H型鋼と吊上用H型鋼を連結するための固定金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫・工場等で重量物を移動させる際には重量物の形状に合わせて専用の架台を製作しクレーン等で持ち上げ移動していた。
【0003】
架台は、重量物の形状に合わせて鋼材を切断して溶接等で接合し製作していた。このように鋼材を切断、溶接して製作した重量部専用の架台は、一度限りの使用で役目を終えることが多く、役目を終えた後は、倉庫の片隅に置かれるか、又は金属スクラップとして廃棄されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した従来の問題点を解決すべくなされたもので、重量物を移動させるための運搬用架台を重量物の大きさに応じて自在に組み合わせることにより架台のサイズを自由に可変させることを可能にすると共に、架台として使用するH型鋼を、穴開け、溶接等の加工をすることなく組み合わせ固定するための固定金具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、重量物を載せて移動させるため、H型鋼のフランジ面を上下にして横並びに配置した複数の高さ200mm、フランジ幅100mm、ウェブ厚さ5.5mm、フランジ厚さ8mmの架台用H型鋼(1)のフランジと、前記複数の架台用H型鋼(1)の両端上面に載せた高さ300mm、フランジ幅150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mmの吊上用H型鋼(10)のフランジを固定するための固定金具において、長方形に成形した2枚の平板鋼板の、一方の厚さ9mm、縦105mm、横170mmの平板鋼板(B)(35)の面(C)(45)と面(D)(46)から互いに15mmの位置の中心直径16mmのタップ用穴(A)(18)を開けると共に、他方の厚さ9mm、縦80mm、横220mmの平板鋼板(A)(32)の面(A)(43)と面(B)(44)から互いに15mmの位置の中心直径18mmの貫通用ボルト穴(B)(33)を開け、前記2枚の平板鋼板(B)(35)、平板鋼板(A)(32)の角部に厚さ17mm、縦横共に30mmの厚板鋼板を挟みL形状に重ね合わせて溶融溶接しL形固定金具(A)(41)を形成し、このように形成した2の同一形状のL形固定金具(A)(41)、L形固定金具(B)(42)を互いに反対方向に90度回転させ、タップ用穴(A)(18)、タップ用穴(B)36貫通用ボルト(A)17、貫通用ボルト穴(B)(33)が同一中心線上になるように配置し、前記架台用H型鋼(1)の上側のフランジと吊上用H型鋼(10)の下側のフランジの2枚のフランジをサンドイッチ状に挟み込み、ボルト(A)(16)、ボルト(B)(40)を貫通用ボルト穴(A)(17)、貫通用ボルト穴(B)(33)に挿入しタップ用穴(A)(18)、タップ用穴(B)(36)にねじ込み固定することにより架台用H型鋼(1)と吊上用H型鋼(10)を固定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、重量物を載せて移動させるため、H型鋼のフランジ面を上下にして横並びに配置した複数の高さ200mm、フランジ幅100mm、ウェブ厚さ5.5mm、フランジ厚さ8mmの架台用H型鋼(1)のフランジと、前記複数の架台用H型鋼(1)の両端上面に載せた高さ300mm、フランジ幅150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mmの吊上用H型鋼(10)のフランジを固定するための固定金具において、長方形に成形した2枚の平板鋼板の、一方の厚さ9mm、縦105mm、横170mmの平板鋼板(B)(35)の面(C)(45)と面(D)(46)から互いに15mmの位置の中心直径16mmのタップ用穴(A)(18)を開けると共に、他方の厚さ9mm、縦80mm、横220mmの平板鋼板(A)(32)の面(A)(43)と面(B)(44)から互いに15mmの位置の中心直径18mmの貫通用ボルト穴(B)(33)を開け、前記2枚の平板鋼板(B)(35)、平板鋼板(A)(32)の角部に厚さ17mm、縦横共に30mmの厚板鋼板を挟みL形状に重ね合わせて溶融溶接しL形固定金具(A)(41)を形成し、このように形成した2の同一形状のL形固定金具(A)(41)、L形固定金具(B)(42)を互いに反対方向に90度回転させ、タップ用穴(A)(18)、タップ用穴(B)36貫通用ボルト(A)17、貫通用ボルト穴(B)(33)が同一中心線上になるように配置し、前記架台用H型鋼(1)の上側のフランジと吊上用H型鋼(10)の下側のフランジの2枚のフランジをサンドイッチ状に挟み込み、ボルト(A) (16)、ボルト(B)(40)を貫通用ボルト穴(A)(17)、貫通用ボルト穴(B)(33)に挿入しタップ用穴(A)(18)、タップ用穴(B)(36)にねじ込み固定することにより架台用H型鋼(1)と吊上用H型鋼(10)を固定したことにより、重量物を移動させるための運搬用架台を重量物の大きさ重量に応じて自在に可変させることを可能にすると共に、重量物を移動させるために使用するH型鋼を、穴開け、溶接等の加工をすることなく再利用することが可能になった。
【実施例
【0013】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至図5には、この発明の実施の形態を示す。
【0015】
図1は、重量物を移動させるため架台に用いる架台用H型鋼1(高さ200mm、フランジ幅100mm、ウェブ厚さ5.5mm、フランジ厚さ8mmのH型鋼)のフランジ(B)3を下にして床面に4本配置した状態を示す。
【0016】
図2は、図1で説明した4本の架台用H型鋼1の概ね両端のフランジ(A)2の上面にH型鋼(高さ300mm、フランジ幅150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mm)で成形した吊上用H型鋼10のフランジ(D)12を下にして左右に2本載せた状態を示す。
【0017】
図3は、図2で説明した4本の架台用H型鋼1の上部のフランジ(A)2と吊上用H型鋼10の下部のフランジ(D)12に、図3aで示すようにH鋼クリップ15を取り付け架台用H型鋼1と吊上用H型鋼10を固定した状態を示す。なお、図3aで示すH鋼クリップ15については図5で詳しく説明する。
【0018】
図4は、図3で説明した吊上用H型鋼10の両端に嵌め込み式の吊金具24を取り付け、吊金具24に固定した丸環23に滑車22とワイヤーロープ21を取り付けた状態を示すと共に、架台14に鋼材(H型鋼)25を載せた状態を示す。このようにH鋼クリップ15を使うことにより架台用H型鋼1と吊上用H型鋼10の両方のH型鋼に穴を一切開けることなく、短時間で簡単に架台14を製作することが可能になった。
【0019】
図5は、図3図4で説明したH鋼クリップ15を示す。図5aでは、H鋼クリップ15を構成する部材の内、架台用H型鋼1と吊上用H型鋼10の裏側に隠れて見えない部分についてもわかりやすく表示するため点線で表示した。図5bはH鋼クリップ15を構成する2個のL形固定金具(A)41とL形固定金具(B)42を上下に分離した状態を示す。L形固定金具(A)41とL形固定金具(B)42は同一形状で互いに反対方向に90度回転させた状態で配置される。L形固定金具(A)41は、長方形に成形した厚さ約9mm、縦約80mm、横約220mmの平板鋼板(A)32と、長方形に成形した厚さ約9mm、縦約105mm、横約170mmの平板鋼板(B)35を90度回転させL形状に重ね合せ、互いの角部に厚さ約17mm、縦横共に約30mmの厚板鋼板(A)34をサンドイッチ状に重ね合わせ溶融接合した状態を示す。さらに平板鋼板(A)32の面(A)43と面(B)44から互いに約15mmの位置の中心に直径約18mmの貫通用ボルト穴(B)33を成形すると共に、同様に、平板鋼板(B)35の面(C)45と面(D)46から互いに約15mmの位置の中心に直径約16mmのタップ用穴(A)18を成形した状態を示す。
【0020】
図5cは、図5bで説明したL形固定金具(A)41とL形固定金具(B)42を重ね合わせた状態を示す。4枚の平板鋼板(A)32、平板鋼板(B)35、平板鋼板(C)38、平板鋼板(D)37と、さらに2個の厚板鋼板(A)34、厚板鋼板(B)39を組み合わせることで、簡単にL形固定金具(A)41とL形固定金具(B)42を製作することが可能になった。
【0021】
このようにL形固定金具(A)41とL形固定金具(B)42を同一形状で形成することにより、L形固定金具(A)41の平板鋼板(A)32、平板鋼板(B)35とL形固定金具(B)42の平板鋼板(D)37で重ね合わせた2枚のフランジ(A)2、フランジ(D)12をサンドイッチ状に挟むと共に、さらにL形固定金具(B)42の平板鋼板(C)38、平板鋼板(D)37とL形固定金具(A)41の平板鋼板(B)35で重ね合わせた2枚のフランジ(A)2、フランジ(D)12をサンドイッチ状に挟み込み、ボルト(A)16、ボルト(B)40を貫通用ボルト穴(A)17、貫通用ボルト穴(B)33に挿入しタップ用穴(A)18、タップ用穴(B)36にねじ込み固定することにより架台用H型鋼1と吊上用H型鋼10を固定することが可能になった。
【0022】
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係るH鋼クリップについて詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態に係る、4本の架台用H型鋼を床面に配置した状態を斜視図で示す。
図2】同実施の形態に係る、図1で示した4本の架台用H型鋼の両端に吊上用H型鋼を載せた状態を斜視図で示す。
図3】同実施の形態に係る、図2で示した架台用H型鋼と吊上用H型鋼の2枚のフランジをH鋼クリップで固定した状態を斜視図で示す。
図4】同実施の形態に係る、図3で示した架台に鋼材を載せ、滑車を取り付けた状態を斜視図で示す。
図5】同実施の形態に係る、図3で示したH鋼クリップを分解図で示す。
【符号の説明】
【0024】
1 架台用H型鋼
2 フランジ(A)
3 フランジ(B)
10 吊上用H型鋼
11 フランジ(C)
12 フランジ(D)
14 架台
15 H鋼クリップ
16 ボルト(A)
17 貫通用ボルト穴(A)
18 タップ用穴(A)
21 ワイヤーロープ
22 滑車
23 丸環
24 吊金具
25 鋼材(H型鋼)
30 フランジ側面(A)
31 フランジ側面(B)
32 平板鋼板(A)
33 貫通用ボルト穴(B)
34 厚板鋼板(A)
35 平板鋼板(B)
36 タップ用穴(B)
37 平板鋼板(D)
38 平板鋼板(C)
39 厚板鋼板(B)
40 ボルト(B)
41 L形固定金具(A)
42 L形固定金具(B)
43 面(A)
44 面(B)
45 面(C)
46 面(D)
図1
図2
図3
図4
図5