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特許7384333生地に結合するのに適合された膜を製造するための方法、およびその方法により得られる製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】生地に結合するのに適合された膜を製造するための方法、およびその方法により得られる製品
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20231114BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20231114BHJP
   D06N 7/02 20060101ALI20231114BHJP
   D06N 3/00 20060101ALI20231114BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
C08L101/00
C08K3/013
D06N7/02
D06N3/00
B32B27/12
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020567653
(86)(22)【出願日】2019-02-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 IB2019051430
(87)【国際公開番号】W WO2019162880
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-04
(31)【優先権主張番号】102018000002939
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520318915
【氏名又は名称】ザンテデスキ アリス
(73)【特許権者】
【識別番号】520318926
【氏名又は名称】ピエヴァーニ フランチェスカ
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】ザンテデスキ アリス
(72)【発明者】
【氏名】ピエヴァーニ フランチェスカ
【審査官】南 宏樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/151021(WO,A1)
【文献】特表2007-501097(JP,A)
【文献】国際公開第2015/015380(WO,A1)
【文献】特開平11-124774(JP,A)
【文献】特表2013-530277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
D06N 1/00-7/06
B32B 27/00-27/42
C08K 3/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーまたはポリマー混合物中に分散させた岩石の粉末を含む、生地または凝固支持体に結合することができる膜であって、前記岩石の粉末の粒子が、1μm~100μmの間の直径を有するものであり、前記岩石は、大理石、花崗岩、石英、およびオニキスからなる群から選択される1種または複数の岩石であり、前記岩石の粉末の量が、膜の総質量に対して3質量%~50質量%の間であり、前記膜は転写紙に配されていることを特徴とする、膜。
【請求項2】
が大理石であり、好ましくは、ベローナレッド(Verona Red)、ガルダローズ(Garda Rose)、モリイエロー(Mori Yellow)、エボニーブラック(Ebony Black)、アルプスグリーン(Alps Green)、カララホワイト(Carrara White、ならびに大理石および集塊岩の鋸断スラッジから回収された回収粉末から選択される1種または複数の大理石である、請求項1に記載の膜。
【請求項3】
岩石の粉末の粒子が、5~70μmの間、好ましくは8~50μmの間の直径を有する、請求項1または2に記載の膜。
【請求項4】
岩石の粉末の量が、3質量%~30質量%の間、好ましくは10質量%~15質量%の間である、請求項1~3のいずれか一項に記載の膜。
【請求項5】
ポリマーまたはポリマー混合物が、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる群から選択される1種または複数のポリマーであり、好ましくはポリウレタン、より好ましくは脂肪族ポリウレタンである、請求項1~4のいずれか一項に記載の膜。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の膜を含む物品であって、前記膜は、前記物品の表面の少なくとも一部に結合している、物品。
【請求項7】
生地または凝固支持体である、請求項6に記載の物品。
【請求項8】
生地が、天然もしくは人造繊維を用いた生地、またはそれらの組み合わせから選択され、凝固支持体が、不織布、ライクラジャージ、革、および擬革から選択される、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
衣類、インテリア、フットウェア、家具、衣類アクセサリー、補足的な家具、アウトドアデザイン、カーラッピング、船遊び、輸送手段、または壁紙の分野における物品から選択される、請求項6~8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
請求項1に記載の膜を製造するための方法であって、前記膜を、岩石の粉末およびポリマーまたはポリマー混合物のブレンドから1または複数の層として作製する工程を含み、前記岩石の粉末の粒子が、1~100μmの間の直径を有するものであり、前記岩石は、大理石、花崗岩、石英、およびオニキスからなる群から選択される1種または複数の岩石であり、前記岩石の粉末の量が、膜の総質量に対して3質量%~50質量%であり、前記膜は転写紙に配されていることを特徴とする、方法。
【請求項11】
岩石の粉末の量が、膜の総質量に対して3質量%~30質量%、好ましくは10質量%~15質量%である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
岩石の粉末およびポリマーまたはポリマー混合物のブレンド(2)を、1または複数の層、好ましくは単層として転写紙(1)に塗布する工程;および
乾燥オーブン(3)中で乾燥させ、転写紙に結合した膜を得る工程
を含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
請求項6に記載の物品を製造する方法であって、
岩石の粉末およびポリマーまたはポリマー混合物のブレンド(2)を、1または複数の層、好ましくは単層として転写紙(1)に塗布する工程;
乾燥オーブン(3)中で乾燥させ、転写紙に結合した膜を得る工程、
前記膜を、接着により、生地または凝固持体に結合する工程;
結合を安定させるのに適合されたカレンダ(5)中で乾燥させる工程;および
前記膜が結合した生地または凝固支持体から転写紙を分離する工程
を含む、方法。
【請求項14】
岩石の粉末が、大理石、好ましくは、ベローナレッド(Verona Red)、ガルダローズ(Garda Rose)、モリイエロー(Mori Yellow)、エボニーブラック(Ebony Black)、アルプスグリーン(Alps Green)、カララホワイト(Carrara White)、ならびに大理石および集塊岩の鋸断スラッジから回収された回収粉末から選択される1種または複数の大理石の粉末である、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生地に結合するのに適合された膜を製造するための方法、およびその方法により得られる製品に関する。この膜は、大理石の粉末およびポリウレタンを含む。
【背景技術】
【0002】
大理石は、その極めて特有の天然の色および縞模様により、既に衣類分野における審美的なインスピレーションの起源であったという事実が知られている。しかしながら、「大理石模様」のこれらの審美的な効果は、大理石のものに極めて類似する線画および色を生地に付与するために、いくぶん精巧な印刷技術(主にデジタル印刷)によって織物支持体上に複写されてきた。しかし、これでは、天然材料のみが与えることができる十分な感覚的経験を、実際に再現することができない。
【0003】
いくつかの場合では、スタイリストおよびデザイナーは、材料が本来有する質感、および衣服または製品に転写できる構造形態に焦点を当てて、創作に関して石からインスピレーションを受けた。大理石自体そうであるように、時間の経過に伴う連続性を伝えて永遠のファッションを指向する流れは、その非常に季節的および熱狂的な本質とは相反する。
【0004】
したがって、ファッション業界における大理石は、視覚的なグラフィックインスピレーションとして、および材料が伝える感覚を布類に転写するためのツールとして存在した。
【0005】
デザインおよびインテリアの分野における大理石は、広く使用されている材料であり、その美的感覚、性能、およびその「地位の象徴」に関して評価されている。ここで、材料は、様々な用途のために、そのままか、通常は圧板へと切断されるか、ブロックから始めて加工されるか、または粒状体として使用される。大理石は、その古典的な形状で使用され、重く、静的で、堅いので、これらの分野における大理石の限界はその柔軟性である。
【0006】
建築物およびインテリアのカバーの分野では、最終製品に極度の弾性および強度を与えるために、ガラス繊維または綿繊維上に配された天然石の信頼性のある薄層により構成される天然で軽く柔軟な石を提案する、Slate Lab(登録商標)社によって成し遂げられた計画が知られている。石は、2つの機序で適用され、石盤に関しては、入手可能な層を使用することによる一方で、他のタイプの石に関して、大理石模様のデザインは、架橋支持体(crosslinked support)に接着される大理石の粉末によって再現される。
【0007】
大理石は、主に、炭酸カルシウム(CaCO)からなり、炭酸塩は、室温で固体であり、白い外観を有する。炭酸カルシウム粉末は、水中に難溶性、無臭、および不燃性であり、多くの生産分野で使用される。
【0008】
特許文献1(米国特許出願公開第2014/0037890A1号)は、ポリウレタンの加水分解を減少させるためのナノメートルの寸法を有する炭酸カルシウムの使用、および製品に、光沢の、または不透明な外観を与える表面カバーを得るために、光沢があり不透明のカバーを作製するためのアクリル樹脂と組み合わせる、サブマイクロメートルの寸法を有する炭酸カルシウム(「SMGCC-サブミクロンの天然重質炭酸カルシウム」)の使用を記載している。そのようなカバーは、既存の製品上に直接作製しなければならない。
【0009】
2014年6月27日に出願された特許文献2(イタリア国特許出願第1424946号)は、150ミクロン以下の粒度分布を有する大理石の粉末が配合されているポリウレタンをベースとしたいくつかの層がその上に結合されている、生地または凝固支持体(coagulated support)の形状の柔軟な支持体を含む衣類用の結合製品を記載している。公知の解決策の組成は、0~150の範囲の様々な粒度分布を、定まらない割合で有する大理石の粉末の使用を提供する。特許出願で明示されている粒度分布は、曖昧であり、膜上の切断、線、および欠陥の発生を決定し、したがって、材料の性能が変わる可能性があるので、管理が困難であることが分かる。さらに、膜は、その正確な生産に適当ではない厚さを有するので、炭酸カルシウムの存在により、非常に薄いマイクロフィルムが傷つき、かつ貫通する可能性がある。さらに、膜を製造するための方法は、大理石の粉末のいくつかのコーティング層をポリウレタン基材上に作製することを規定しており、その結果、実装するのが困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許出願公開第2014/0037890A1号
【文献】イタリア国特許出願第1424946号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、衣類または家具の分野で使用することができる生地または他の支持体に結合されるのに適合された膜を製造するための方法、およびその方法により得られる製品を提供することであり、前述のすべての欠点を克服することを目的とする。
【0012】
本発明の方法の目的は、岩石または石などの石材の粉末、例えば大理石の粉末、およびポリマー、例えばポリウレタンをブレンドすることにより、好ましくは1層のみの層で膜を作製することを規定し、保護の用途のためのいかなる追加的な層も追加する可能性を有する。
【0013】
可能な多層は、1層のみの層を有する実装と比較して、保護効果が増大している可能性がある。所望の最終製品の特徴に応じて、膜は、単層または多層で作製することができる。
【0014】
本発明の膜の目的はまた、耐摩耗性および難燃能力に関する性能を導入する要求を満たす。岩石の粉末、例えば大理石の粉末は、本発明にかかる膜の岩石の粉末、特に大理石の粉末の特徴的な存在がない類似の膜に対して、耐摩耗性を増大させる。実際、特定の粒度分布、すなわち本発明に従って例示される粒度分布を有する粉末が使用される場合、膜は破れず/欠陥を生成せず、したがって、摩耗に対してさらに耐性である。岩石の粉末、特に大理石の粉末は、本発明に従ってより高い耐摩耗性を膜に与え;特有の粒度分布は、膜の切断の形成を回避し、記載されている性能を達成するための最適解である。新規な膜の応用分野は、以下:衣類、フットウェア、アクセサリー、布張りの製品、インテリアデザイン、補足的な家具、アウトドアデザイン、カーラッピング、船遊び、輸送手段、壁紙、の様々な場面に参入するのに適合されている。
【0015】
さらに、上で述べたイタリア国特許出願に記載されているものとは異なり、製造方法が異なっているように見え、その理由は、本方法では大理石の粉末およびポリウレタンのブレンドの2層以上のコーティング層を作製しないことが可能であり、したがって、それを単層で(および、単一の経路によって)生産することが可能であるからである。さらに、ここでは、生産廃棄物に由来する大理石の粉末を使用することも可能である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によると、石または岩石の粉末、通常は石材、好ましくは大理石の粉末、さらに回収大理石から作製された製品、ならびに岩石、好ましくは大理石が使用されているカバーを発達させて、その審美的および技術的な特性をもたらすことを可能にする、好ましくは単層で表面コーティングすることによって膜を作製することによる、関連する製造方法が提案される。
【0017】
ポリマーまたはポリマー混合物中に分散させた岩石の粉末を含む、生地または凝固支持体に結合することができる膜であって、前記岩石の粉末の粒子が、1μm~100μmの間の直径を有することを特徴とする膜が、本発明の目的である。本発明のそのような膜を含む物品も、本発明の目的である。
【0018】
生地に結合するのに適合された膜を製造するための方法であって、前記膜を、岩石の粉末、好ましくは大理石の粉末、およびポリマー、好ましくはポリウレタン樹脂、またはポリマー混合物のブレンドとして作製する工程を含み、前記岩石の粉末が、0~50μmの粒度分布、例えば少なくとも10重量%の割合の膜を有することを特徴とする方法が、本発明のさらなる目的である。以下議論されるように、様々な割合および粒度分布が可能である。
【0019】
例えば前記方法により得られる岩石の粉末を含む膜、および前記膜を含む物品、例えば生地も、本発明の目的である。
【0020】
本発明のさらなる目的および利点は、本発明の例示的な実施形態(およびその変形例)の以下の明細事項から、ならびに純粋に解説として与えられる添付の図面を参照して、限定されることなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】生地に直接結合する場合の、本発明の目的の膜の、製造方法の実施形態の概略図である。
図2】生地への結合が後で実施される場合の、本発明の目的の膜の、製造方法の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図中の同じ参考番号および文字は、同じ要素または構成要素を特定する。
【0023】
本発明によると、岩石の粉末は、1種または複数の岩石、好ましくは、例えば大理石、花崗岩、石英、およびオニキスから構成される群から選択される1種または複数の岩石の、粉砕および/または破砕に由来する粉末を意味する。本発明の好ましい態様によると、岩石の粉末は大理石の粉末である。
【0024】
本発明の範囲では、使用可能な大理石の粉末の非限定的な例は、以下の通りである:Verona Red(「Rosso Verona」)、Garda Rose(「Rosa del Garda」)、Mori Yellow(「Giallo Mori」)、Ebony Black(「Nero Ebano」)、Alps Green(「Verde Alpi」)、Carrara White(「Bianco Carrara」)、ならびに大理石および集塊岩の鋸断スラッジから乾燥された回収粉末。実際、有利には、後者は、通常高い処理費用が伴う発掘可能なスラッジ、すなわち製材工場(圧板を作製するためにブロックが切断される場所)における残留粉末の廃棄物の回収に由来する場合がある。このスラッジは、大理石の粉末(または大理石および他の集塊岩)および水から構成される。
【0025】
本発明によると、本明細書に記載された審美的および技術的な効果を有する膜を得るために、岩石の粉末の大部分は、100μm未満の粒度分布を有する粒子によって構成される。好ましくは、そのような粒子は、1~100μmの間、より好ましくは5~70μmの間、より一層好ましくは8~50μmの間の直径を有する。岩石の粉末の粒度分布はまた、0~50μmの間の範囲内にあってもよく、ここで、0~50の範囲は、50μmの篩を通過する大理石粒子のプールを定義することを意味する。同様に、8~50μmの粒度分布を有する石材から作製された粒子は、50μmの篩を通過しかつ8μmの篩により制限された粒子であることを意味する。
【0026】
本明細書に記載された審美的および技術的な効果をもたらすのに有益である粒度分布は、使用される岩石の粉末のタイプに応じて、例えば使用される大理石の粉末のタイプに応じて、上に言及された範囲内で変化でき;本発明にかかる有益な大理石の粉末の、特定の粒度分布範囲は、以下に記載される。岩石の粉末の粒度分布が、本発明の膜の審美的および技術的な特性に影響を及ぼすことが観察されてきた。例えば、上で言及した米国特許出願に記載されている光沢および不透明化効果が、本発明の膜において、本明細書で報告された粒度分布範囲の岩石の粉末を含む場合に見出されないことが観察されてきた。実際、本発明の膜の光沢および不透明化効果は、転写紙により、以下に述べるように提供することができる。
【0027】
使用される大理石の粉末は、使用される大理石のタイプに応じて異なる寸法/粒度分布を有し得る。特に、以下のタイプの大理石に以下の粒度分布範囲が適用される:
- Verona Redの大理石 30~40μm
- Ebony Blackの大理石 30~40μm
- Mori Yellowの大理石 30μm
- Alps Greenの大理石 30μm
- 白色の大理石 10~40μm
- 脱水した大理石+樹脂スラッジ 8μm
一般に、粉末粒子の最大寸法は、40~50ミクロンの範囲にあることが好ましい。
【0028】
本発明によると、岩石の粉末の配合は、ポリマーまたはポリマー混合物、好ましくはポリウレタンと一緒に行われ、そうして始めに液体状態の膜を作製し、その後、それは、乾燥させて異なるタイプの生地と結合する準備を整える乾燥オーブンの下を通過するときに、乾燥させられる。ポリマーまたはポリマー混合物は、支持体に結合することができる膜を調製するのに有益な、任意のポリマーまたは混合物であってよい。好ましい実施形態によると、ポリマーまたはポリマー混合物は、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリルポリマー、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から主に選択される、合成または植物性の1種または複数のポリマーであり;好ましくは、ポリマーは、ポリウレタン、例えば脂肪族ポリウレタンである。
【0029】
生産される膜のタイプは、好ましくは、例えばブレンドされたポリウレタンおよび大理石の粉末から構成され、支持紙に配される単層を有する。
【0030】
大理石の粉末は、50μm未満の粒度分布を有し、顆粒が、後に転写紙上での混合物(またはブレンド)の層の広がりをもたらすドクターブレード上に障害物を生じるのを防止することができる。このことは、前に記載した直径を有する粒子でも起こることが分かった。
【0031】
膜に添加される岩石の粉末の割合は、使用される岩石の粉末のタイプに応じて、例えば、使用される大理石のタイプに応じて変更することができる。好ましい態様によると、膜に含まれる岩石の粉末の割合は、膜の総重量に対して3重量%~50重量%、好ましくは5重量%~30重量%、より好ましくは10重量%~15重量%の範囲であってもよいが、異なる割合を使用することができる。
【0032】
添加される大理石の粉末の最大の割合は、好ましくは、膜の総重量に対して15重量%の粉末であるが、割合は、大理石の粉末のサイズに応じて変更することもでき、約30μmの粉末が使用される場合、使用される割合は約10%である。粉末量を増加させることによって、より低い透湿性の膜となり、弾性がより低く、より「パリパリ感(crunchy)」のある、感触および馴染み効果(touch and fit effect)が生じる。粉末サイズを増大させることにより不均質となり、膜に穴が開く、または膜に掻き傷が付くリスクが生じる。
【0033】
最終的な乾燥の間、特定の触媒添加剤が好ましくは活性化され、これは、結合を補強する、および生じた接着性を増大させる目的を有する。
【0034】
この処理の終わりに、転写紙は、生じた膜から剥離され、そうして生地に結合することができる。
【0035】
したがって、処理の結果は、支持体、例えば生地(機械的特性を付与する)から作製される支持体、ならびに岩石の粉末、例えば大理石の粉末、およびポリマー、例えばポリウレタンから作製される一層により構成され、審美的ならびに技術的な特性を付与する。膜は、例えば2つの端部(支持体および膜)の接着を可能とする接着剤により生地に結合され、その後分離不可能になる。
【0036】
従来の生地は、場合によっては天然もしくは人造繊維で弾性を持たせた支持体、または前述のものの組合せ、そうでなければ「凝固支持体」として使用でき:後者の用語は、例えば、不織布、ライクラジャージ、革、擬革などの衣類、インテリア、フットウェア、家具、衣類アクセサリーの分野、および上で述べた他の分野で支持体として作用する任意の柔軟な層を意味する。膜は、異なるタイプの生地を有することもでき、それらは結合されていなくてもよい。さらに、追加の材料を縫い合わせて、および/または熱融着させて、最終製品の完全な不透過性を維持することが可能である。膜は、3層以上の層を有する材料において、内部層、外部層と共に、または中間層として使用することができる。したがって、本発明の膜を含む支持体は、それ自体が本発明の目的でもある物品を構成する。好ましくは、物品は、少なくとも1つの表面を含み、そのような表面は、本発明の膜と少なくとも部分的に接している。膜に接している物品表面の部分は、本発明に記載した審美的および技術的な効果を示す。
【0037】
膜の厚さは、膜が例えばジャケットなどの布向けの生地に結合される場合、典型的には、30+/-5μmであり、その重量は、30+/-5g/mに等しい。より詳細には、図1に関して、例えば、ポリウレタン樹脂、および岩石の粉末、例えば大理石から作製されたポリマーブレンド2は、例えばドクターブレードにより広げることにより転写紙1上に塗布され、そうして乾燥オーブン3を通過する。その後、生地4は、接着、例えばスポット接着または完全な接着により、依然として転写紙を含む膜に結合され;接着は、スポット的な、または膜の全表面上への接着剤の添加をもたらすことができる。後に、組立品は、さらには圧力のおかげで結合を安定させ、所望の効果に応じて異なる圧力をかけることができるカレンダに通されてもよい。そうして、生地および膜の結合は転写紙1から分離され、転写紙1は、例えば、再び使用するために回収され、巻き直されてもよい。
【0038】
図2に関して、生地への結合工程は、後で実施することがきる。第1の乾燥オーブン3を通過した後、転写紙1に結合された膜2は、生地に結合する用途での後の使用のために、巻いて保存することができる。
【0039】
膜の厚さはまた、より厚くなってもよく、特に、例えばソファーなどの家具向けの支持体に結合される場合に、例えば200μmであってもよい。そのような場合では、膜は、前述されるように調製および結合されるが、違いは、ブレンドが、転写紙上のいくつかの層に塗布することが必要なこともあるという点である。
【0040】
材料の生産において、岩石の粉末、例えば大理石の粉末を導入することで、膜が、使用される岩石のタイプに応じる特別なベースカラーを帯びることを可能とする。有色顔料を添加することは、膜に、艶のある色合いおよび特有で明るい色を実現させる助けになる。一般的に、大理石の色は、さらに、自色であると定義される鉱物の存在により、または無機および有機の性質を有する様々な着色の存在により定義することができる。自色鉱物は、常に同じ色を有するが、いくらかの不純物を依然として含む。こうして、カルサイト、ドロマイト、およびある程度の石英が、石に白またはわずかに灰色がかった色を与え、緑泥石およびアンチゴライトが、緑がかった緑色をもたらす一方で、輝石および雲母が、黒色を有する岩石の特徴を表す。色素沈着に関係する根拠は、岩石の起源を考慮しなければならないので、かえってより複雑である。堆積物起源の岩石では、無機顔料が、岩石自体の粘土成分に一般的に関連しており、最も広く知られているものは、酸化鉄であり、これは、顔料がVerona Yellow(「Giallo Verona」)を含む異なる石灰石におけるような褐鉄鉱(FeOOH)である場合、黄色の色を示し、そうでなければ顔料がVerona Redにおけるような赤鉄鉱(Fe)である場合、岩石を赤色の傾向がある色ヘと導く。
【0041】
新規な膜から知覚される触覚効果は、極めて特有であり、炭酸カルシウム粉末が微粒状である場合に提示するタルク効果を連想させる。柔らかくほぼビロードのような手ざわりは、フィルムを作製するプロセスで使用される転写紙のタイプ、および岩石の寄与、例えば大理石の構成要素のそのほぼ全体である炭酸カルシウムの両方により得られる。炭酸カルシウムが、より柔らかく、よりビロードのような手ざわりを与え、そうして、膜の生産のために特別に使用したビロード紙の効果を引き立たせることが分かる。膜により光沢のある効果、そうでなければより不透明な効果を与える紙を選択することが可能であり、好ましくは、本明細書で言及される材料は、不透明なビロード紙を用いて生産される。
【0042】
新規な膜の特性は、手ざわりおよび視覚効果などの審美的な性能、および高い技術的な性能に分けられる。
【0043】
ポリマー支持体、例えばポリウレタンのおかげで、膜の材料は非透過性であり、例えばEN ISO 20811試験に従って5,000mm以下の水柱を維持することができる。空気の通りは、EN ISO 9237試験方法に従って測定して1mm/秒以下であり、膜に風防性能が付与される。ポリウレタン膜(通常は非透湿性の材料)の場合であってもが、膜は、EN ISO 31092試験に従って40mPa/W以下の良好な透湿指数(Ret)を首尾よく有する。さらに、膜は、Cigarette Test、BS 5852-1(1979年)の認証方法に従って測定された難燃性で定義されてもよく、したがって、インテリアの分野でカバーとして材料を使用することが可能であろう。
【0044】
膜は、その組成、および添加剤の添加によって、この難燃性の特性を、異なる応用分野に柔軟に対応できるようにさらに増大させることができる。
【0045】
織物製品は、それが意図する使用に関連して摩耗にさらされる。したがって、これが有する摩耗に対する耐性を決定できることが重要である。この耐性に影響を及ぼす以下の多くの因子が存在する:繊維の物理的機械的特性、生地の緊密さ、適用される仕上げプロセスに応じる表面のタイプ、任意の非繊維物質、例えば樹脂、仕上げ材料、柔軟化製品などの存在。
【0046】
耐摩耗性は、摩耗試験機または耐摩耗試験機と呼ばれる装置によって決定される。互いに非常に異なる操作原理を有し、生地の使用条件を理想化しようとする多くのタイプが存在する。
【0047】
新規な膜を分析できるようにするために、マーチンデールタイプの摩耗試験機を使用したが、これが圧倒的に最も使用されている試験機であり、この試験機に関して模範的な文献が最も多い。このことに基づき、このタイプの機器を使用する方法はまた、それらの意図された使用に関して様々な生地の品質規格をより良く定義することが可能であった方法である。マーチンデール摩耗試験機は、場合によっては単一の試験に対してすべてが利用されなければならない4基または6基の作業端末と共に提供されるが、これは、単一の試験品の挙動が常に極めて均一であるとは限らないからである。試料ホルダーに取り付けられ規定の負荷にかけられた、検査する織物製品の試験品は、リサジューパターンを再現する直進運動で、標準摩耗生地に対してこすりつけられる。
【0048】
試験を実施するには、以下のように進めること。
【0049】
標準フェルト、および1片の標準摩耗生地を、各摩耗テーブルの各こすり面上に配置し、適正なリングナットで固定し、摩耗生地が水平であり、折り目がないことを確認する。
【0050】
分析する生地の円形試験品を作製し、標準ポリウレタンフォームの円形試料を、各試験品の後部に組み合わせ、すべてを摩耗試験機の試料ホルダー中で合わせる。
【0051】
そのように準備された試料ホルダーを摩耗テーブル上に配置し、適正なロッドによって固定し、その上に、試験する生地の意図される使用に対して好適な重量を配置する。生地を衣類に使用する場合、9KPaの重量が使用されることとなり、生地を、家具、作業着の製造、またはシーツおよび枕カバーのための技術的な用途で使用することを意図する場合、12KPaの重量が使用されるであろう。
【0052】
装置をそのように操作し、その後に停止させて、生地の耐性の機能もしくは適用される技術的な規則に応じる可変要素、または同じ規則において存在することもある方法論的な可変要素である、定義した時間間隔で試験品を評価する。
【0053】
全体として、試験は:
- 直交生地に関しては少なくとも2本(家具向けの生地の場合は3本)の糸の破断、およびメリヤス生地に関しては1本の糸の破断があるとき、あるいは不織布に関しては少なくとも0.5mmの直径の穴が形成される場合、
- 組織または糸底の完全な露出が、それぞれビロードタイプの生地およびパイル生地に対して生じる場合に、終了する。試験品の評価は、例えば:
- 表面上の斑点の形成、
- 生地組織の部分的な露出、
- 衣類、ベロア、ムフロンなどの、毛羽立ちがないが覆われた組織を有する生地組織の完全な露出、
- 生地の色の変化、
- 生地の外観または構造を損なうと思われる他の変化、などの著しい外観変化も考慮に入れる。この方法を用いて、摩耗に続く生地の質量損失を決定することも可能である。
【0054】
膜の試験を実施することにより、摩耗耐性は、通常、良好な耐性が衣類に関して10,000回転、技術的な膜に関して50,000回転であると考えられており、家具においては、良好な耐性は100,000回転であると考えられているが、200,000回転でも優れていることが見出された。
【0055】
新規な膜の他の特性は、非粘着特性、ならびに水(30℃)およびドライクリーニングで洗濯可能である特性に関する。材料にアイロンを直接かけてはならないが、それが生地または他の支持体に一旦結合されたなら、この側面には、低温のアイロンを使用すれば十分であろう。
【0056】
これらの特性のすべてが、得られる性能および組成の両方の観点から、完全に新規で独創的な製品を可能とする。
【0057】
実際、様々な性質の衣服およびカバーを製造するための製品または結合された膜を得ることが可能であり、ここでは、岩石の粉末が、柔軟で、軽く、革新的な手法で実際に使用される。
【0058】
微調整された特定の製造方法は、岩石の粉末の材料を、生地/複合膜に導入することを可能とし、そうして、衣服およびカバーの組成に関する革新的な、技術的、染色的、触覚的、および審美的な解決策を提供する。
【0059】
本発明にかかる製造方法の、非限定的な例のさらなる詳細は、以下に記載される。
【0060】
第1の実施例は、衣類の使用分野に関する。使用する製品の製法は、以下のものを提供する:
長さ約400メートルの膜を生産するために:
- 70%のPUおよび30%のトルエンから構成される、80kgのポリウレタン+トルエン混合物(例えば、Baxender(登録商標)社により生産される)
- 15kgの廃物大理石(8μm)または約30μmの寸法を有する約10kgの大理石の粉末
- 耐火成分のための640gのFR118 IGNIF
- 1.5kgのBlack Color 11/C、または作製したい大理石/膜の色に応じる他の液体顔料
- 1kgのIRIODIN MINATEC 230 AIR、または作製したい大理石/膜色に応じる他の粉体染料
- 5kgのトルエン(既にLSブレンド中に存在するものに加えて)
【0061】
膜上に抗細菌成分を添加することが可能である。この後、ブレンドは、最も大きい部分および成分を除去するために、例えば、250ミクロンの粒度分布の穴があるRMO 250 PAフィルターにより濾過され、そうでなければ、それらが底に堆積する可能性があり、一旦ブレンドが広げるための設備に配されると、膜が均質ではなくなる。
【0062】
その後、ブレンドを設備上に配し、ドクターブレードが所望厚さで水平にするタスクを有する:この場合は、30+/-5μmである一方で、膜の総重量は、30+/-5g/mである。しかしながら、重量および厚さは、場合に応じて変化する場合がある。
【0063】
生産した膜は、ブレンドの単層を、ビロード紙(その上にフィルムが広げられているダンボールであり、光沢があり、不透明で、柔らかいものなどであってもよい)上に配し、続いて可能な限りの溶媒を蒸発させる設備のオーブン中で乾燥させた結果である。不透明仕上げであるが光沢のあるビロード紙、または他のタイプの紙を、必要に応じて使用することができる。
【0064】
次の工程は、膜を、任意の生地または支持体、例えば凝固支持体と結合することからなる。例えば、生地は、綿、ネオプレン、ウール、カシミヤ、オーガンザ、船舶帆布、ライクラであってもよいが、他の支持体も使用することができる。
【0065】
膜は、生産直後に既に結合でき、それを一旦結合して、リールに巻きつけて3~7日静置させることが好ましい。そうでなければ、上記の通り、生地への結合はその後に行うことができる。
【0066】
生地への膜の結合は、以下の2つの機序:スポット接着又はFORMAT、すなわち全領域接着に従って行うことができる。スポット結合の方が簡便である。
【0067】
使用される接着剤はまた、6%の耐火成分を有する。使用される接着剤は、例えば、透湿性のドロップ359型(drop 359 type)の接着剤である。
【0068】
得られた性能特性は、以下の通りである:
- 非透過性: ≧5,000mm EN ISO 20811
- 透湿性(RET): ≦40mPa/W EN ISO 31092、防風性:≦1mm/秒 EN ISO 9237
- 耐摩耗性: 150,000サイクル、上記のマーチンデール試験。
- 耐火性: 上記の「Cigarette」試験、肯定的に合格。
- 色: 選択される大理石のタイプにより得られる色に基づくが、染料を、色を復活させるか、または変更するために添加することができる。
- 手ざわり: 柔らかい触覚効果は、大理石を構成する炭酸カルシウム、および使用される紙のタイプ(本発明者らの場合はビロード紙)により得られる
- 非粘着性であり、非常に耐摩耗性があり、水およびドライクリーニングで洗濯可能である。
- 膜の融点は、180℃である。
【0069】
膜は、熱融着させることができる。膜上に印刷することが可能である。
【0070】
第2の実施例は、船舶の使用分野に関する。第1の実施例に関して上述したものと異なる詳細のみを記載する。
【0071】
使用される製品の製法は、以下のものを提供する:
- 例えば、Baxender(登録商標)社により生産される45/60%の乾燥ポリウレタン、25/40%の酢酸エチル
- 15%の廃物大理石(8μm) - 8μmを超える粒度分布を有する他のタイプの大理石が使用される場合は、10%も可能である。
【0072】
濾過は、上記した通りである。
【0073】
その後、ブレンドを設備上に配し、ドクターブレードが、所望厚さで水平にするタスクを有する:この場合は、30+/-5μmであり、膜の総重量は、30+/-5g/mである。
【0074】
船舶の分野のために、より厚い、例えば200μmの膜、または異なる膜を、必要性に応じて提供することができる。膜が薄いほどより軽く弾力性があるが、厚い場合は膜がよりしっかりし、堅くなる。
【0075】
生産した膜は、ブレンドの単層または多層の結果であって、より高い耐性を確かなものとする。
【0076】
膜を任意の生地と結合する次の工程は、上記した通りである。
【0077】
衣類分野の膜の生産に対して、温度、および溶媒を蒸発させるための空気などのほとんどのパラメーターは変化しないが、非透湿特性を有するタイプ、および不透過性に関してより優れた特性のタイプなどの、異なるポリウレタンブレンドを有する膜を使用しなければならない。得られた性能特性は、以下の通りであってもよい:
- 非透過性: ≧10,000mm EN ISO 20811(衣類よりも高い)
- 透湿性(RET): ≦非透湿性、防風性: ≦1mm/秒 EN ISO 9237
- 耐摩耗性: 150,000サイクル、マーチンデール試験
- 耐火性: ブレンド内に衣類分野におけるものと同じ添加剤が存在する。
- 色: 選択される大理石のタイプにより得られる色に基づくが、染料を、色を復活させるか、または変更するために添加することができる。
- 手ざわり: 柔らかい触覚効果は、大理石を構成する炭酸カルシウム、および使用される紙のタイプ(本発明者らの場合はビロード紙)により得られる
- 非粘着性であり、非常に耐摩耗性があり、水およびドライクリーニングで洗濯可能である。使用される大理石の粉末は、上記の通りである。
【0078】
生じた最終製品は、内部に大理石の粉末を有する膜である。この膜は、より高い遮蔽性を有し、船舶の分野により好適であり、非透湿性である。
【0079】
第3の実施例は、内装/外装に関する使用分野に関する。第1の実施例に関して上述したものと異なる詳細のみを記載する。
【0080】
使用する製品の製法は、必要によって、以下のものを提供する:
- 衣類分野で使用するに好適なポリウレタン+大理石の粉末の混合物(上記を参照されたい)、そうでなければ
- 非透湿性ポリウレタン+大理石の粉末の混合物(上記を参照されたい)、そうでなければ
- 家具に好適なポリウレタン+大理石の粉末の混合物(上記を参照されたい)。
【0081】
例えば、Baxender(登録商標)社が、本発明のために使用することができる異なるポリウレタンブレンドを供給する。
【0082】
濾過は、上記した通りである。
【0083】
その後、ブレンドを設備上に配し、ドクターブレードが、所望厚さで水平にするタスクを有する:この場合は、30~200ミクロンの間であり、膜の総重量は、30+/-5g/mである。
【0084】
次の工程は、上記した通りである。
【0085】
得られた性能特性は、以下の通りである:
- 非透過性: ≧5,000mm EN ISO 20811
- 透湿性(RET): ≦40mPa/W EN ISO 31092、防風性:≦1mm/秒 EN ISO 9237
- 耐摩耗性: 150,000サイクル、マーチンデール試験
- 耐火性: 上記の「Cigarette」試験、肯定的に合格。
【0086】
使用される大理石の粉末は、上記の通りである。
【0087】
生じた最終製品は、内部に大理石の粉末を有する膜である。この膜は、より高い遮蔽性を有し、内装/外装の分野により好適であり、非透湿性である。直接的な使用に応じて、より透湿性のある膜も選択することができる。生産した膜は、ブレンドの単層または多層の結果であって、より高い耐性を確かなものとする。
【0088】
さらに、記載された非限定的な例の実装の変形形態も、本発明の保護の範囲から逸脱することなく可能であり、当業者に対して等価な実装のすべてを含む。
【0089】
異なる好ましい実施形態で記載される要素および特性は、互いに、しかし本発明の保護の範囲から逸脱することなく、組み合わせることができる。
【0090】
前述の記載から、当業者は、さらなる構築の詳細を導入することなく、本発明の目的を達成することができる。
図1
図2