(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】ダンボール箱組立装置
(51)【国際特許分類】
B65B 43/26 20060101AFI20231114BHJP
【FI】
B65B43/26 B
(21)【出願番号】P 2019023643
(22)【出願日】2019-02-13
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 達也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 淳
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-288223(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02697497(FR,A1)
【文献】特開平08-238692(JP,A)
【文献】実開平04-000527(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00
B65B 7/00
B31B 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンボール箱の開口を囲むように前記開口の縁に設けられた4つのフラップを折り込むダンボール箱組立装置であって、
前記4つのフラップそれぞれを所定の順序で折り込んで前記開口を閉じる、折り込み部と、
前記4つのフラップのうち最後に折り込まれるロック用フラップを前記ダンボール箱の奥側へ押し込んで引き返す動作を行う、押し込み部と、
を備え、
前記押し込み部は、前記ロック用フラップを吸着し保持する吸着部を有し、さらに前記ロック用フラップを前記ダンボール箱の奥側へ押し込んだ
とき、及びその後、前記ロック用フラップを吸着し保持する、
ダンボール箱組立装置。
【請求項2】
前記押し込み部が、前記折り込み部の一部に固定されている、
請求項1に記載のダンボール箱組立装置。
【請求項3】
前記4つのフラップは、向かい合う一組の小フラップと、向かい合う一組の大フラップとを含み、前記一組の大フラップの一方が前記ロック用フラップであり、
前記折り込み部は、
前記一組の大フラップのうち前記ロック用フラップと向かい合う前記大フラップを折り込む第1折り込み部と、
前記一組の小フラップを折り込む第2折り込み部と、
前記一組の大フラップのうち前記ロック用フラップを折り込む第3折り込み部と、
を有し、
前記押し込み部が前記第3折り込み部に固定されている、
請求項2に記載のダンボール箱組立装置。
【請求項4】
前記吸着部は、前記ロック用フラップを吸着する吸着面の姿勢を前記ロック用フラップの姿勢の変化に追従させる、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のダンボール箱組立装置。
【請求項5】
前記吸着部は、前記押し込み部に回動自在に保持されている、
請求項4に記載のダンボール箱組立装置。
【請求項6】
テープ貼付部をさらに備え、
前記ダンボール箱の底を形成する形態として、テープ貼りタイプの場合には、
前記折り込み部は、対応する前記4つのフラップを保持したままでも互いに干渉することのない構造および配置であり、
前記ダンボール箱は、前記折り込み部によって前記ダンボール箱の底を支持された状態でテープ貼り領域まで搬送される、
請求項1に記載のダンボール箱組立装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンボール箱組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、底を容易に組立可能なダンボール箱が普及し、そのようなダンボール箱を組み立てる装置が広く普及するようになった。例えば、特許文献1(特開2012-162271号公報)に記載の包装箱の組立装置は、底面を組立てる際に、まず、第1底面片が折り込まれ、次に、互いに向かい合う第3底面片および第4底面片が折り込まれ、最後に、第1底面片と向かい合う第2底面片が折り込まれ、第1底面片の被係合部上に第2底面片の凸部が係合することによって、包装箱の底面が組立てられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、第2底面片を包装箱の内側へ押し込んで凸部を第1底面片の被係合部上に係合させているので、第2底面片が内側に入ったまま戻らない場合には、包装箱を反転させて内側から押し戻す作業が必要となる。
【0004】
本発明の課題は、最後に押し込んだ底面片(フラップ)が戻らない事態を抑制したダンボール箱組立装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係るダンボール箱組立装置は、ダンボール箱の開口を囲むように開口の縁に設けられた4つのフラップを折り込むダンボール箱組立装置であって、折り込み部と、押し込み部とを備えている。押し込み部は、4つのフラップそれぞれを所定の順序で折り込んで開口を閉じる。押し込み部は、4つのフラップのうち最後に折り込まれるロック用フラップをダンボール箱の奥側へ押し込んで引き返す動作を行う。押し込み部は、ロック用フラップを吸着し保持する吸着部を有し、さらにロック用フラップをダンボール箱の奥側へ押し込んだとき、及びその後、ロック用フラップを吸着し保持する。
【0006】
このダンボール箱組立装置では、ロック用フラップは開口の開口面よりも奥側に押し込まれるが、押し込み部と連動して移動する吸着部がロック用フラップを吸着保持しているので、押し込み部が引き返す際にロック用フラップを開口面まで引き戻すことができる。
【0007】
本発明の第2観点に係るダンボール箱組立装置は、第1観点に係るダンボール箱組立装置であって、押し込み部が折り込み部の一部に固定されている。
【0008】
このダンボール箱組立装置では、押し込み部は、ロック用フラップに近い位置にある折り込み部の所定位置から押し込み動作を開始すればよいので、押し込みストロークを短縮することができる。
【0009】
本発明の第3観点に係るダンボール箱組立装置は、第2観点に係るダンボール箱組立装置であって、4つのフラップが、向かい合う一組の小フラップと、向かい合う一組の大フラップとを含み、一組の大フラップの一方がロック用フラップである。折り込み部は、第1折り込み部と、第2折り込み部と、第3折り込み部とを有している。第1折り込み部は、一組の大フラップのうちロック用フラップと向かい合う大フラップを折り込む。第2折り込み部は、一組の小フラップを折り込む。第3折り込み部は、一組の大フラップのうちロック用フラップを折り込む。押し込み部は第3折り込み部に固定されている。
【0010】
このダンボール箱組立装置では、押し込み部が、ロック用フラップを折り込む第3折り込み部の所定位置から押し込み動作を開始すればよいので、押し込みストロークを短縮することができる。
【0011】
本発明の第4観点に係るダンボール箱組立装置は、第1観点から第3観点のいずれか1つに係るダンボール箱組立装置であって、吸着部が、ロック用フラップを吸着する吸着面の姿勢を、ロック用フラップの姿勢の変化に追従させる。
【0012】
このダンボール箱組立装置では、押し込まれるロック用フラップが開口の縁を中心軸として回動するので、押し込まれる距離に応じて傾斜角度が大きくなるように姿勢が変化する。吸着部の吸着面は、その姿勢変化に追従するので、ロック用フラップが傾斜しても安定した吸着を維持することができる。
【0013】
本発明の第5観点に係るダンボール箱組立装置は、第4観点に係るダンボール箱組立装置であって、吸着部が押し込み部に回動自在に保持されている。
【0014】
このダンボール箱組立装置では、ロック用フラップが押し込まれて傾斜角度が大きくなっても、吸着部が回動することによって吸着面がロック用フラップの傾斜角度に追従するようになる。
【0015】
本発明の第6観点に係るダンボール箱組立装置は、第1観点に係るダンボール箱組立装置であって、テープ貼付部をさらに備えている。ダンボール箱の底を形成する形態として、テープ貼りタイプの場合には、折り込み部が、対応する4つのフラップを保持したままでも互いに干渉することのない構造および配置である。ダンボール箱は、折り込み部によってダンボール箱の底を支持された状態でテープ貼り領域まで搬送される。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るダンボール箱組立装置では、ロック用フラップは開口の開口面よりも奥側に押し込まれるが、押し込み部と連動して移動する吸着部がロック用フラップを吸着保持しているので、押し込み部が引き返す際にロック用フラップを開口面まで引き戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るダンボール箱組立装置を搭載した箱詰システムのブロック図。
【
図2B】箱詰システムにおけるダンボール箱及び商品の流れを示す斜視図。
【
図3A】底フラップを折り込む前の筒状に広がったダンボール箱材の斜視図。
【
図3B】
図3Aにおける底フラップを折り込んでいく過程を3段階で表示した斜視図。
【
図5】吸着盤がロック用大フラップに当たる直前の吸着盤の側面図。
【
図6】吸着盤がロック用大フラップに当たってロック用大フラップを押し込んだときの吸着盤の側面図。
【
図7】先行大フラップが折り込まれた後、小フラップが折り込まれる直前のダンボール箱Bの側面図。
【
図8】小フラップが折り込まれた後のダンボール箱Bの側面図。
【
図9】第3折り込み板がロック用大フラップを折り込んで、ヘッドが上昇したときのダンボール箱の正面図。
【
図10】ヘッドが下降したときのダンボール箱の正面図。
【
図11】第1折り込み機構および第3折り込み機構の概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】
(1)箱詰システム1の構成
図1は、本発明の一実施形態に係るダンボール箱組立装置を搭載した箱詰システム1のブロック図である。また、
図2Aは箱詰システム1の構成を示す斜視図であり、
図2Bは箱詰システム1におけるダンボール箱B及び商品Gの流れを示す斜視図である。
【0020】
図1及び
図2Aにおいて、箱詰システム1は、例えば、スナック菓子等の袋入商品(商品G)をダンボール箱Bに、一定個数、整列状態で多層詰めするものである。
【0021】
図1及び
図2Aに示すように、箱詰システム1は、ダンボール取り扱い領域DHAと商品取り扱い領域GHAとが、互いに独立して分離可能な状態で接続されている。ダンボール取り扱い領域DHAには、製函工程P1と箱詰工程P3という2つの工程が含まれている。そして、商品取り扱い領域GHAには、商品整列工程P2が含まれている。
【0022】
つまり、箱詰システム1では、ダンボール取り扱い領域DHAと商品取り扱い領域GHAとが接続されることによって、製函工程P1、商品整列工程P2、箱詰工程P3という3つの工程が連携する。
【0023】
製函工程P1は、シート状のダンボール箱材Zをダンボール箱Bへ組み立てて箱詰位置まで搬送する工程であり、箱材収容部11、製函部12、第1姿勢変換部13及び箱下方搬送部14で構成されている。
【0024】
商品整列工程P2は、上流側工程から供給される商品Gを所定位置に搬入し、一定数の商品Gを隣接するもの同士がお互いに一部重なるように整列させて、箱詰位置まで搬送する工程であり、商品搬入部21、商品整列部22及び商品挿入部23で構成されている。
【0025】
箱詰工程P3は、製函工程P1から搬送されてきたダンボール箱Bに商品整列工程P2において整列が完了した一定数量の商品Gを箱詰し、箱を閉じて箱排出位置まで搬送する工程であり、商品受入部31、第2姿勢変換部32及び封函部33で構成されている。
【0026】
箱詰システム1は、ダンボール箱Bに商品Gの多層詰めを行っており、ダンボール箱B内における商品Gの姿勢は「立ち姿勢」である。つまり、ダンボール箱Bの開口を上に向けたとき、商品Gのオモテ面及びウラ面が側方を向き、商品Gの上下の端部が上下を向き、左右の側部が側方を向く姿勢である。
【0027】
また、
図2A及び
図2Bに示すように、ダンボール箱取り扱い領域DHAは2階構造となっており、製函工程P1と箱詰工程P3とを共通の枠10で支持しており、2階部分が製函工程P1であり、1階部分が箱詰工程P3である。
【0028】
この2階構造を実現するために、製函部12でのダンボール箱Bの組立てから箱下方搬送部14に至るまでのダンボール箱Bの搬送方向と、商品Gが詰められたダンボール箱Bの開口が封函部33で封止されるまでのダンボール箱Bの搬送方向とが、互いに反対方向となっている。
【0029】
(2)製函工程P1
図2Bに示すように、製函工程P1は、ダンボール箱材Zを箱詰システム1に導入する箱材収容部11と、ダンボール箱Bを組み立てる製函部12と、ダンボール箱Bをその搬送方向と直交する水平軸周りに90°回転させる第1姿勢変換部13と、第1姿勢となったダンボール箱Bを下方へ搬送する箱下方搬送部14とで構成されている。
【0030】
(2-1)箱材収容部11
箱材収容部11では、
図2Bに示すように、供給位置に積み重ねられたダンボール箱材Zのうちの一番先頭のダンボール箱材Zを1枚ずつ挟んで上方へ送出し、送出されたダンボール箱材Zを鉛直軸周りに90°回転させて筒状に広げる。
【0031】
ダンボール箱材Zは、作業者によって供給位置に載置される。ダンボール箱材Zは、フラップZfが開いた状態で折り畳まれ、そのフラップZfが鉛直方向に位置する姿勢で水平方向に積み重ねられている。なお、説明の便宜上、天面側のフラップZfを天フラップZfa、底面側のフラップZfを底フラップZfbという。
【0032】
ダンボール箱材Zの上方への送出は、昇降機構111によって行われ、供給位置の全てのダンボール箱材Zがなくなると、検知センサ(図示せず)の検知信号をコントローラ40(
図1参照)へ送信する。
【0033】
また、ダンボール箱材Zの鉛直軸周りの回転は、吸着回転機構112によってダンボール箱材Zの側面を吸盤で吸着して保持し、吸着回転機構112を鉛直軸回りに90°回転することによって実現される。
【0034】
(2-2)製函部12
製函部12は、筒状に広がったダンボール箱材Zを水平方向に搬送させながらダンボール箱材Zの底フラップZfbを折り込んで底を形成し、天フラップZfaが開いた状態のダンボール箱Bを組み立てる。
【0035】
この製函部12が本願発明に係るダンボール箱組立装置を構成しており、その詳細を「(5)製函部12の詳細」で説明する。
【0036】
(2-3)第1姿勢変換部13
第1姿勢変換部13は、ダンボール箱Bを搬送方向に90°回転させる。より具体的に説明すると、第1姿勢変換部13は、ダンボール箱Bをその搬送方向と直交する水平軸周りに90°回転させ、ダンボール箱Bの開口と天フラップZfaとが同一鉛直面上になる姿勢(以下、第1姿勢という。)となるように、ダンボール箱Bの姿勢を変換する。ダンボール箱Bが第1姿勢のとき、開口は商品取り扱い領域GHAを向いている。
【0037】
(2-4)箱下方搬送部14
箱下方搬送部14は、第1姿勢となったダンボール箱Bを下方へ搬送する。つまり、ダンボール箱Bの開口を商品取り扱い領域GHAに向けた状態のまま下方に移動させる。
【0038】
(3)商品整列工程P2
箱詰システム1の商品Gの流れにおける商品整列工程P2の上流側には、図示しない計量装置、及び製袋包装機等が配置されている。そして、箱詰システム1には、上流側工程で重量、シール性、異物混入検査等に合格した商品Gだけが商品整列工程P2に供給される。
【0039】
商品整列工程P2は、商品Gを受け取り所定位置まで搬送する商品搬入部21と、商品搬入部21から供給される商品Gを整列させる商品整列部22と、整列した商品Gを集積して押し出す商品挿入部23とで構成されている。
【0040】
(3-1)商品搬入部21
商品搬入部21は、商品導入コンベア211、及び搬入コンベア212を有している。商品導入コンベア211は、重量、シール性、異物混入検査等を行う工程の下流側で、検査に合格した商品Gの供給を受けて、それを搬入コンベア212へ導く。
【0041】
搬入コンベア212は、商品導入コンベア211から搬送されてくる商品Gを商品整列部22へ搬送する。
【0042】
(3-2)商品整列部22
商品整列部22は、第1整列コンベア221、第2整列コンベア222、及び第3整列コンベア223を有している。商品整列部22は、商品Gに対して集積動作を行いながら所定位置まで搬送するものであり、特に、袋状の包装物の集積に適しているので、包装物集積装置として独立して使用することもできる。
【0043】
(3-3)商品挿入部23
商品挿入部23は、第3整列コンベア223で一列に整列した一群の商品Gの先頭と最後尾とを挟んで一群の商品Gを丸ごとダンボール箱B内に挿入する。
図2Bに示すように、商品挿入部23は、整列した一群の商品Gを挟むために、起立コンベア231と、押寄板233と、挿入板235とを有している。
【0044】
(4)箱詰工程P3
箱詰工程P3は、商品Gをダンボール箱Bに受け入れる商品受入部31と、ダンボール箱の開口が上を向くように姿勢を変換する第2姿勢変換部32と、商品Gの箱詰が完了したダンボール箱Bを搬送しながらダンボール箱Bの開口を閉じる封函部33とを有している。
【0045】
(4-1)商品受入部31
商品受入部31は、ダンボール箱Bを第1姿勢に維持し、ダンボール箱Bの開口を、商品挿入部23の挿入板235に対向させて待機させる。商品挿入部23において起立状態になったN個の商品Gは、挿入板235によってダンボール箱Bに開口面に向かって押しだされるので、商品受入部31はそのN個の商品Gがダンボール箱Bに開口から底に向かって完全に挿入されるまで、その位置に待機する。
【0046】
第1層目のN個の商品Gがダンボール箱Bに挿入されると、所定距離だけ降下する。そして、第2層目のN個の商品Gを受け入れるために、ダンボール箱Bの開口のうち第1層目より上の空間の開口を挿入板235に対向させて待機させる。
【0047】
上記のような動作を繰り返して、第i層目のN個の商品Gがダンボール箱Bに挿入されて、ダンボール箱Bへの商品の受け入れが完了する。
【0048】
(4-2)第2姿勢変換部32
図2Bに示すように、第2姿勢変換部32は、商品Gの詰められたダンボール箱Bの姿勢を、開口を上に向けた姿勢へ変換する姿勢変換機構321を有している。
【0049】
姿勢変換機構321は、それまで鉛直にしていた開口面を水平にして、すなわち、開口面が上を向くようにダンボール箱Bを回転させる。姿勢変換機構321は、ダンボール箱Bの側面及び底面を同時に吸着する吸着盤付きのL字状部材で保持し、L字状部材が90°回転することで、ダンボール箱Bが回転する。
【0050】
(4-3)封函部33
図2Bに示すように、封函部33は、ダンボール箱Bを搬送する排出コンベア330と、ダンボール箱Bの開口を囲むフラップを閉じるフラップ閉塞機構(図示せず)と、フラップで閉じられた開口を封止するテープ貼付機380とを有している。
【0051】
(5)製函部12の詳細
ここでは、筒状に広がったダンボール箱材Zの底フラップZfbを折り込む動作を中心に説明する。
【0052】
(5-1)ダンボール箱Bの底フラップZfb
先ず、動作説明の前に、箱詰システム1で扱うダンボール箱Bについて説明する。
図3Aは、底フラップZfbを折り込む前の筒状に広がったダンボール箱材Zの斜視図である。また、
図3Bは、
図3Aにおける底フラップZfbを折り込んでいく過程を3段階で表示した斜視図である。
【0053】
図3Aおよび
図3Bにおいて、底フラップZfbは、互いに向かい合う一対の大フラップZfb1、Zfb3と、互いに向かい合う一対の小フラップZfb2、Zfb4を含んでいる。
【0054】
一対の大フラップZfb1、Zfb3のうち一方の大フラップZfb1には凹状の切り欠きZfb1aが設けられ、他方の大フラップZfb3には凸状の突出片Zfb3aが設けられている。説明の便宜上、凹状の切り欠きZfb1aを有する大フラップZfb1を先行大フラップZfb1、凸状の突出片Zfb3aを有する大フラップをロック用大フラップZfb3という。
【0055】
図3Bは、底フラップZfbを上に向けたダンボール箱Bにおいて、底フラップZfbの折り込み順序を示す斜視図である。
図3Bにおいて、底フラップZfbの折り込みは、最初に先行大フラップZfb1が折り込まれ、次に一対の小フラップZfb2、Zfb4が折り込まれ、最後にロック用大フラップZfb3が折り込まれる。このとき、ロック用大フラップZfb3はダンボール箱Bの中まで押し込まれ、凸状の突出片Zfb3aが先行大フラップZfb1の凹状の切り欠きZfb1aを超えて、先行大フラップZfb1の内側面に当たって停止する。これによって、4つの底フラップZfbが互いに干渉しあってロックされる。
【0056】
製函部12では、この底フラップZfbの折り込みを自動で行っている。以下、底フラップZfbの折り込み動作について説明する。
【0057】
(5-2)底フラップZfbの折り込み機構
図4は、製函部12の要部の斜視図である。
図4において、ダンボール箱組立装置として機能する製函部12は、第1折り込み機構51と、第2折り込み機構52と、第3折り込み機構53と、押し込み機構54と、吸着機構55とを含んでいる。
【0058】
(5-2-1)第1折り込み機構51
第1折り込み機構51は、先行大フラップZfb1を折り込む機構であって、第1折り込み板511、第1連結棒513、及び第1エアシリンダ515を含んでいる。なお、
図4では、第1エアシリンダ515と第1折り込み板511および第1連結棒513との位置関係が見えないため、
図11に第1折り込み機構51の概略側面図を記載しているので、参照されたい。
【0059】
(5-2-1-1)第1折り込み板511
第1折り込み板511は、第1面511a、第2面511bおよび第3面511cを有する板金部材である。
【0060】
第2面511bは、第1面511aの端から第1面511aに対して鈍角を成して延びている。第3面511cは、第2面511bの端から第1面511aに対して垂直に延びる。それゆえ、第1面511aが水平のとき第3面511cは鉛直姿勢であり、第1面511aが鉛直のとき第3面511cは水平である。
【0061】
(5-2-1-2)第1連結棒513
第1連結棒513は、第1折り込み板511に第1エアシリンダ515のピストン変位を伝達する棒である。
【0062】
第1連結棒513の一端は、第1折り込み板511の第1面511aの裏面に固定されている。第1面511aの裏面とは、先行大フラップZfb1を折り込むときに先行大フラップZfb1に当たる面の反対側の面である。
【0063】
図11に示すように、第1連結棒513の他端は、第1エアシリンダ515のピストン515aの先端に接続されている。第1連結棒513の一部分には、軸受517に支持された回転軸519が連結されている。それゆえ、ピストン515aが往復することによって、第1連結棒513が回転軸519を中心に回動するので、それに伴って第1折り込み板511がスイングする。
【0064】
(5-2-2)第2折り込み機構52
第2折り込み機構52は、向かい合う一対の第2折り込み板521と、一対の第2折り込み板521それぞれを回動させる第2エアシリンダ525とを含んでいる。
【0065】
説明の便宜上、小フラップZfb2を折り込む側の第2折り込み板521を第2折り込み板521A、小フラップZfb4を折り込む側の第2折り込み板521を第2折り込み板521Bとする(
図7及び
図8参照)。
【0066】
また、第2折り込み板521Aを回動させるエアシリンダを第2エアシリンダ525A、第2折り込み板521Bを回動させるエアシリンダを第2エアシリンダ525Bとする。
【0067】
第2折り込み板521Aは、1/4円弧を有する板金部材である。その1/4円弧から所定距離はなれた位置に回動軸が設けられている。1/4円弧と回動軸との間に第2エアシリンダ525Aのピストンの先端が連結されている。第2エアシリンダ525Aのピストンが往復することによって、第2折り込み板521Aが回動し、1/4円弧が小フラップZfb2を折り込む。
【0068】
第2折り込み板521Bも、1/4円弧を有する板金部材である。第2折り込み板521Bは、第2折り込み板521Aの鏡像と同じ形状であって、その1/4円弧から所定距離はなれた位置に回動軸が設けられている。1/4円弧と回動軸との間に第2エアシリンダ525Bのピストンの先端が連結されている。第2エアシリンダ525Bのピストンが往復することによって、第2折り込み板521Bが回動し、1/4円弧が小フラップZfb4を折り込む。
【0069】
(5-2-3)第3折り込み機構53
第3折り込み機構53は、ロック用大フラップZfb3を折り込む機構であって、第3折り込み板531、第3連結棒533、及び第3エアシリンダ535を含んでいる。なお、
図4では、第3エアシリンダ535と第3折り込み板531および第3連結棒533との位置が見えないので、
図11に第3折り込み機構53の概略側面図を記載しているので、参照されたい。
【0070】
(5-2-3-1)第3折り込み板531
第3折り込み板531は、第1面531a、第2面531bおよび第3面531cを有する板金部材である。
【0071】
第2面531bは、第1面531aの端から第1面531aに対して鈍角を成して延びている。第3面531cは、第2面531bの端から第1面531aに対して垂直に延びる。それゆえ、第1面531aが水平のとき第3面531cは鉛直姿勢であり、第1面531aが鉛直のとき第3面531cは水平である。
【0072】
(5-2-3-2)第3連結棒533
第3連結棒533は、第3折り込み板531に第3エアシリンダ535のピストン変位を伝達する棒である。
【0073】
第3連結棒533の一端は、第3折り込み板531の第1面531aの裏面に固定されている。第1面531aの裏面とは、ロック用大フラップZfb3を折り込むときにロック用大フラップZfb3に当たる面の反対側の面である。
【0074】
図11に示すように、第3連結棒533の他端は、第3エアシリンダ535のピストン535aの先端に接続されている。第3連結棒533の一部分には、軸受537に支持された回転軸539が連結されている。それゆえ、ピストン535aが往復することによって、第3連結棒533が回転軸539を中心に回動するので、それに伴って第3折り込み板531がスイングする。
【0075】
なお、本実施形態における第3連結棒533は、2つの棒部材で構成されており、当該2つの棒部材は回転軸539を介して連結されている。
【0076】
(5-2-4)押し込み機構54
上記「(5-1)ダンボール箱Bの底フラップZfb」で説明したように、ロック用大フラップZfb3はダンボール箱Bの中まで押し込まれ、凸状の突出片Zfb3aが先行大フラップZfb1の凹状の切り欠きZfb1aを超えて、先行大フラップZfb1の内側面に当たって停止する。
【0077】
それゆえ、押し込み機構54は、ロック用大フラップZfb3をダンボール箱Bの中まで押し込む押し込み棒541を有している。
【0078】
(5-2-4-1)押し込み棒541
押し込み棒541は、2つの押し込み棒541a,541bから成る。2つの押し込み棒541a,541bは、等間隔を維持するため、上部保持板543、案内板544、中間保持板545および下部保持板546によって支持されている。
【0079】
上記4つの板部材は、上から上部保持板543、案内板544、中間保持板545および下部保持板546の順に配置されている。上部保持板543、案内板544、中間保持板545および下部保持板546には、2つの押し込み棒541a,541bが貫通する2つの貫通孔が設けられている。
【0080】
上部保持板543、案内板544、中間保持板545および下部保持板546それぞれの2つの貫通孔のピッチを合わせることによって、2つの押し込み棒541a,541bは、等間隔を維持することができる。
【0081】
上部保持板543、中間保持板545および下部保持板546それぞれの2つの貫通孔と2つの押し込み棒541a,541bとは固定されている。
【0082】
案内板544の2つの貫通孔と2つの押し込み棒541a,541bとは、2つの押し込み棒541a,541bが摺動可能な程度のクリアランスが設けられることによって、相対移動が可能となっている。
【0083】
押し込み棒541の先端には、ロック用大フラップZfb3に直に接触するヘッド541cが支持されている。ヘッド541cは、1つの金属片から曲げ加工によって成形された板金部材である。ヘッド541cの断面は、L字の形状である。
【0084】
(5-2-4-2)押し込み用第1エアシリンダ547
押し込み用第1エアシリンダ547は、ピストン547aを鉛直下方に向けた姿勢で配置されている。ピストン547aの先端部は、中間保持板545と連結されている。ピストン547aが上下方向に往復移動することによって、押し込み棒541およびヘッド541cが上下方向に移動する。
【0085】
(5-2-4-3)押し込み用第2エアシリンダ549
押し込み用第2エアシリンダ549は、ピストン549aを鉛直上方に向けた姿勢で配置されている。ピストン549aの先端部は、ヘッド541cに連結されている。ヘッド541cの下面には、2つの押し込み棒541a,541bと同じピッチの2つの第2押し込み棒(図示せず)が連結されている。
【0086】
2つの押し込み棒541a,541bは中空円筒であり、2つの第2押し込み棒は、その当該中空円筒の内径よりも僅かに小さい外径を有している。押し込み棒541aの中空円筒内に一方の第2押し込み棒が挿入され、押し込み棒541bの中空円筒内に他方の第2押し込み棒が挿入されている。
【0087】
それゆえ、ピストン549aが上下方向に往復移動することによって、ヘッド541cだけが上下方向に移動する。
【0088】
(5-2-5)吸着機構55
吸着機構55が、押し込み棒541のヘッド541cの上面に設けられている。吸着機構55は、少なくとも吸着盤551を有している。吸着盤551は、ロック用大フラップZfb3がダンボール箱Bの中に押し込まれたとき、ロック用大フラップZfb3の表面に吸着しており、ヘッド541cが待機位置へ戻る過程で、ロック用大フラップZfb3が押し込まれた位置からダンボール箱Bの底面となる位置までロック用大フラップZfb3を引き戻す。
【0089】
図5は、吸着盤551がロック用大フラップZfb3に当たる直前の吸着盤551の側面図である。また、
図6、吸着盤551がロック用大フラップZfb3に当たってロック用大フラップZfb3を押し込んだときの吸着盤551の側面図である。
【0090】
図5において、吸着機構55は、吸着盤551と、コネクタ553と、コネクタ保持板555と、姿勢制御バネ557とを含んでいる。
【0091】
吸着盤551は、例えば、シリコンゴムで成形された蛇腹状の部材である。吸着盤551の吸着面と反対側に、コネクタ553が接続されている。コネクタ553の胴部は中空であり、胴部側面に吸引用チューブ(図示せず)が接続される接続孔553aが設けられている。
【0092】
コネクタ553は、ネジ切りされた部位であるボルト553bが設けられている。コネクタ553は、ボルト553bとナット554とによってコネクタ保持板555に固定されている。
【0093】
コネクタ保持板555は、ヘッド541cに回転可能に保持されている。姿勢制御バネ557は、ねじりコイルバネであって、一端がコネクタ保持板555に引っ掛けられ、他端がヘッド541cに引っ掛けられている。
【0094】
吸着盤551は、待機時、吸着面を鉛直上方に向けた姿勢を採っている。ロック用大フラップZfb3を押し込む際には、
図6に示すように、ロック用大フラップZfb3の傾斜角度の変化に合わせて吸着盤551の吸着面が傾斜する。このとき、吸着盤551の吸着面の角度変位が、コネクタ553を介してコネクタ保持板555に伝達され、コネクタ保持板555は姿勢制御バネ557の付勢力に抗して角度変位する。
【0095】
(6)製函部12の動作
ここでは、ダンボール箱組立装置として機能する製函部12の動作について説明する。先ずは、第1折り込み板511、第2折り込み板521A,521B、および第3折り込み板531の動作を、
図7および
図8を参照しながら説明する。
【0096】
図7は、先行大フラップZfb1が折り込まれた後、小フラップZfb2,Zfb4が折り込まれる直前のダンボール箱Bの側面図である。また、
図8は、小フラップZfb2,Zfb4が折り込まれた後のダンボール箱Bの側面図である。
【0097】
図7において、第1折り込み板511が先に先行大フラップZfb1を折り込んで待機している。このとき、一組の小フラップZfb2,Zfb4は、第2折り込み板521A,521Bによる折り込みを待っている状態である。
【0098】
次に、
図8において、第2エアシリンダ525A,525Bのピストンが上昇し、第2折り込み板521A,521Bを約90°回動させることによって、小フラップZfb2,Zfb4が折り込まれる。
【0099】
次に、
図9および
図10を参照しながら、ロック用大フラップZfb3の折り込み動作について説明する。
【0100】
図9は、第3折り込み板531がロック用大フラップZfb3を折り込んで、ヘッド541cが上昇したときのダンボール箱Bの正面図である。
図10は、ヘッド541cが下降したときのダンボール箱Bの正面図である。
【0101】
図9において、ヘッド541cが上昇した結果、吸着盤551がロック用大フラップZfb3をダンボール箱Bの内側まで押し込み、ロック用大フラップZfb3が根元を中心に回動し傾斜する。
【0102】
ロック用大フラップZfb3は、ロック用大フラップZfb3の突出片Zfb3aが先行大フラップZfb1の切り欠きZfb1aを乗り越えて、先行大フラップZfb1の内側面に乗り上がるまで、押し込まれる。
【0103】
このとき、ロック用大フラップZfb3の傾斜角度の変化に合わせて吸着盤551の吸着面が傾斜する。吸着盤551の吸着面の角度変位が、コネクタ553を介してコネクタ保持板555に伝達され、コネクタ保持板555は姿勢制御バネ557の付勢力に抗して角度変位する。
【0104】
ロック用大フラップZfb3の突出片Zfb3aが先行大フラップZfb1の内側面に乗り上がるまで押し込まれた後、ヘッド541cが降下する。
【0105】
図10は、ヘッド541cが降下し、ロック用大フラップZfb3が本来の底面レベルまで戻されたときのダンボール箱Bの正面図である。
図10において、ヘッド541cの降下に伴って、吸着盤551も降下する。吸着盤551はロック用大フラップZfb3の表面を吸着した状態で降下するので、ロック用大フラップZfb3はダンボール箱Bの中に留まることなく、ダンボール箱Bの底面の高さ位置まで引き戻される。
【0106】
なお、ロック用大フラップZfb3は、ダンボール箱Bの底面の高さ位置まで引き戻される前の段階で、ロック用大フラップZfb3の突出片Zfb3aが先行大フラップZfb1の切り欠きZfb1aを乗り越えて、先行大フラップZfb1の内側面に乗り上がっており、ロック用大フラップZfb3は先行大フラップZfb1を押さえ込むように降下するので、先行大フラップZfb1、ロック用大フラップZfb3の順で底面の高さ位置に降下する。
【0107】
上記の動作によって、ダンボール箱Bの底は、先行大フラップZfb1、ロック用大フラップZfb3および一対の小フラップZfb2,zfb4が互いに干渉した状態となり、ダンボール箱Bの底が完成する。
【0108】
なお、ロック用大フラップZfb3が降下するときも、その根元を中心に回動するので、ロック用大フラップZfb3は傾斜角度を変えながら降下するが、吸着盤551の吸着面の傾斜角度の変化はコネクタ553を介してコネクタ保持板555に伝わる。コネクタ保持板555は、姿勢制御バネ557によって付勢されているので、吸着盤551の吸着面の傾斜角度の変化に追従することができる。
【0109】
したがって、吸着盤551の吸着面は、ロック用大フラップZfb3の傾斜角度の変化に追従することができ、確実な吸着を維持することができる。
【0110】
そして、吸着盤551の吸着面がダンボール箱Bの底面の高さ位置に到達したタイミングで、吸着盤551による吸引が解除され、ヘッド541cがさらに降下し、吸着盤551がロック用大フラップZfb3から離れる。
【0111】
(7)特徴
(7-1)
ヘッド541cは、4つのフラップのうち最後に折り込まれるロック用大フラップZfb3をダンボール箱Bの奥側へ押し込んで引き返す動作を行う。この際、ヘッド541cと連動して移動する吸着盤551がロック用大フラップZfb3を吸着保持しているので、ヘッド541cが引き返す際にロック用大フラップZfb3を底(開口面)まで引き戻すことができる。
【0112】
(7-2)
押し込み機構54は、ロック用大フラップZfb3を折り込む第3折り込み機構の一部に固定されている。その結果、押し込み機構54は、ロック用大フラップZfb3に近い位置にある第3折り込み機構の所定位置から押し込み動作を開始すればよいので、押し込みストロークを短縮することができる。
【0113】
(7-3)
押し込まれるロック用大フラップZfb3は根元(開口の縁)を中心軸として回動するので、押し込まれる距離に応じて傾斜角度が大きくなるように姿勢が変化するが、吸着盤551はヘッド541cに回動自在に保持されており、吸着盤551の吸着面がロック用大フラップZfb3の傾斜角度の変化に追従するので、ロック用大フラップZfb3が傾斜しても安定した吸着を維持することができる。
【0114】
(8)その他
ダンボール箱Bの底を形成する形態として、本願のようなロック底タイプと、従来のテープ貼りタイプが存在する。両者を兼用する製函部の実現が理想であるが、底フラップを折る順序、底フラップの長さが異なるため、折り込み機構の配置変更、折り込みタイミングの調整を通じて、底フラップと折り込み機構との干渉を防止する必要がある。
【0115】
また、本願のようなロック底タイプは、最後にロック用大フラップを押し込む必要があり、シート状のダンボール箱材を展開して折り込み機構まで搬送する際に、押し込み機構と干渉しないようにする必要がある。
【0116】
押し込み機構を搬送領域より外側に設けることも考えられるが、押し込みストロークが長くなり、さらに他の機構との干渉を避けるための領域が広がるので小型化に逆行する。
【0117】
また、ロック底タイプは、ダンボール箱の底フラップ同士が支え合うので、底形成後はダンボール箱を搬送する際に底を支える機構は不要であるが、テープ貼りタイプは底を支える必要があるので折り込み機構が底を支持した状態でテープ貼り領域まで搬送する必要がある。
【0118】
上記のような課題を解決するため、本発明に係る実施形態では、
図7~
図10に記載の通り、第1折り込み板511、第2折り込み板521A,521Bおよび第3折り込み板531は、対応する底フラップZfbを保持したままでも互いに干渉することのない構造および配置である。
【0119】
それゆえ、第1折り込み機構51、第2折り込み機構52および第3折り込み機構53の動作タイミングを重ねる必要がなく、同機構を用いて、テープ貼りタイプと、ロック底タイプのダンボール箱を組み立てることができる。
【符号の説明】
【0120】
12 製函部(ダンボール箱組立装置)
51 第1折り込み機構(第1折り込み部)
52 第2折り込み機構(第2折り込み部)
53 第3折り込み機構(第3折り込み部)
54 押し込み機構(押し込み部)
541 押し込み棒(押し込み部)
541a 押し込み棒(押し込み部)
541b 押し込み棒(押し込み部)
541c ヘッド(押し込み部)
55 吸着機構(吸着部)
551 吸着盤(吸着部)
553 コネクタ(吸着部)
555 コネクタ保持板(吸着部)
557 姿勢制御バネ(吸着部)
B ダンボール箱
Zfb1 先行大フラップ
Zfb2 小フラップ
Zfb3 ロック用大フラップ(ロック用大フラップ)
Zfb4 小フラップ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】