(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】粉体容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/04 20060101AFI20231114BHJP
B65D 83/06 20060101ALI20231114BHJP
B65D 51/24 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
B65D47/04 100
B65D83/06 F
B65D51/24
(21)【出願番号】P 2020045089
(22)【出願日】2020-03-16
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000229162
【氏名又は名称】日本ソリッド株式会社
(72)【発明者】
【氏名】波多野 倫
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-110159(JP,U)
【文献】実開昭62-188452(JP,U)
【文献】特開平08-091405(JP,A)
【文献】実開昭61-3242(JP,U)
【文献】実開平3-23064(JP,U)
【文献】実公昭49-18968(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/04
B65D 47/06
B65D 83/06
B65D 51/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の上端部に円筒状の口部を設け、該口部の外周面に雄ねじ部を設け、前記口部の中心に
放射状の切り込みを入れた円形口を有する内蓋を嵌合し、かつ内周面に前記雄ねじ部に対応する雌ねじ部を設け、内面天部の中心部に前記内蓋の円形口に挿通する、
先端の外周面に溝を設け、かつ前記円形口の口径より太い突出棒を設けてなる外蓋を、前記容器本体の口部に螺合することを特徴とする粉体容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体用の容器に関し、特に携帯用に適し、かつ吸湿性粉体にも好適な粉体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から粉体容器として種々の容器が提案されている。例えば、上端面を開口した筒状の容器体2と、該容器体2の周壁6上端部に周壁7下端を気密に嵌合させて装着するとともに、頂壁8前部に振り出し孔を穿設してなるキャップ本体3と、該本体の頂壁8上面を横断する薄肉ヒンジ10を介して基端部を回動可能に連結するとともに上記振り出し孔9を開閉可能に閉塞してキャップ本体3に係止可能に構成した蓋板4とを備え、上記キャップ本体頂壁8下面に先端が尖った塊化収納物粉砕用の突起5を一体に垂設してなることを特徴とする振り出し容器(特許文献1)、あるいは合成樹脂により形成され、容器に取り付ける取付部1と、前記容器の収容品の通行を遮断する遮断壁2から成る本体3と、該本体3に装着する蓋4から成るキャップ5において、前記遮断壁2に開口6が形成され、該開口6に網7が設けられ、網目口8が形成されていることを特徴とする振り出し容器のキャップ(特許文献2)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-91405号公報
【文献】特開平10-167302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の振り出し容器は、比較的多量の粉体を振り出するためには効果的であるが、少量の粉体を振り出すことは困難であった。また特許文献2の振り出し容器は網の目が細かいため、網の目以上に細かくしなくてはならない欠点があった。そのため振り出し動作を長く続けなければならなかった。
【0005】
そして本発明者は、少量の粉体の排出を可能とし、排出口の閉塞がなく、特に携帯に便利な粉体容器について種々研究を重ねた結果本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、容器本体の上端部に円筒状の口部を設け、該口部の外周面に雄ねじ部を設け、前記口部に、中心に円形口を有する内蓋を嵌合し、かつ内周面に雄ねじに対応する雌ねじを設け、内面天部の中心部に、内蓋の円形口に挿通する突出棒を設けてなる外蓋を、前記容器本体の口部に螺合することからなる、粉体容器である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粉体容器は、少量の粉体の排出に適している他、内蓋の円形口の封止性も優れており、吸湿性粉体であっても、塊状であっても、粉砕機能および内蓋内面に付着した粉体の振り落とし機能を有し、外蓋の操作性も優れ、かつ携帯用容器としても適している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の粉体容器は、容器本体1、内蓋2および外蓋3から構成されている。次に図面を参照しながら本発明の粉体容器について説明する。
図1は、容器本体1の一例を示す側断面図である。
図1に示す容器本体1は円筒形の形状であるが、それ以外に例えば円錐形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形の筒状体とすることもできる。容器本体1の上端部には円筒状の口部4が設けられている。該口部4には外周面に雄ねじ部5が設けられている。
【0010】
次に内蓋2は、
図2に示すように鍔部6を有し側面7は口部4に嵌合したときに口部4の内壁に圧接する大きさに調整されている。さらに内蓋2の側面7に強固に圧接させるために、内蓋2の側面7の外周面に凸部8を設けることが好ましい。
また内蓋2の鍔部6の外径は、容器本体1の口部4の外径と同一とすることが好ましい。さらに内蓋2の中心に円形口9を設ける。内蓋2の他の態様としては容器本体1の口部4に冠着させるタイプとして
図3に示すように冠着部10を有し、冠着部10の内周面に凸部8を設け、中心に円形口9を設けたものも使用することができる。
図3に示す冠着タイプの内蓋2を用いる場合、口部4の先端部の外径を内蓋2の冠着部11の厚みの分だけ小径とすることが好ましい。
【0011】
次に外蓋3は、
図4に示すように外蓋3の冠着部11の側面内周面に、前記口部4に設けられた雄ねじ部5に対応する雌ねじ部12を設け、かつ外蓋3の内面天部13の中心部に突出棒14を一体に設ける。この突出棒14の長さは、外蓋3の下端面より長く延びていても短くてもよい。下端面より長い場合は円形口9に差し込んで円形口9を擦ることによって円形口9の閉塞を防止することができ、また差し込んだ状態にすることによって容器本体1内の塊を粉砕することができる。また短い場合は下端面より短いために取扱性に優れている。そしてこの突出棒14の太さは、内蓋2の円形口9を封止する太さとすることが好ましい。
【0012】
また
図5に示すように内蓋2の円形口9に放射状に複数の切れ込み15を設けることが好ましい。そして突出棒14には
図6に示すように、先端部の外周面に溝16を設け、また突出棒14の太さを円形口9の口径より太く調製することが好ましい。このようにすることによって突出棒14を円形口9に挿入すると、円形口9に切れ込み15が入っていることから、円形口9が広げられ、その際円形口9が振動するため円形口9付近に付着した粉体を振り落とすことができる。
【0013】
次に本発明の粉体容器を
図7を参照しながら説明する。容器本体1に粉体17を充填する。次に容器本体の口部4に内蓋2(
図2タイプの内蓋)を嵌合する。次いで外蓋3を口部4に嵌めて回すことによって口部4に螺合され、粉体容器として用いられる。
本発明の粉体容器は、内蓋2の円形口9が突出棒14によって完全に封止された状態にあるため、仮に携帯をして逆さにしても外部に飛散しない。
【符号の説明】
【0014】
1・・・容器本体
2・・・内蓋
3・・・外蓋
9・・・円形口
14・・・突出棒
15・・・切れ込み