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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】心臓弁修復のための経カテーテル法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/08 20060101AFI20231114BHJP
   A61F 2/24 20060101ALI20231114BHJP
   A61B 17/04 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
A61F2/08
A61F2/24
A61B17/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021541428
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 US2020013917
(87)【国際公開番号】W WO2020150497
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】62/792,947
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520367728
【氏名又は名称】ネオコード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NEOCHORD,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】エドミストン、ダリル
(72)【発明者】
【氏名】ノードマン、タイラー
(72)【発明者】
【氏名】ラポワント、スコット
(72)【発明者】
【氏名】ドクソン、アネット
(72)【発明者】
【氏名】ブレーザー、デイビッド
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0185153(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0106245(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0118213(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/08
A61F 2/24
A61B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の拍動している心臓の心臓弁を修復するためのシステムであって、
患者の血管系を介して心臓内に挿入されて身体の外側から心臓内への経路を提供するように構成された長尺の可撓性ガイドカテーテルと、
前記長尺の可撓性ガイドカテーテルを介して心臓内に挿入されるように構成された長尺の可撓性アンカーカテーテルと、
縫合糸に結合されるとともに前記アンカーカテーテルを用いて心臓の心臓壁に固定される縫合糸アンカーであって、前記縫合糸が該アンカーと心臓の心臓弁尖との間に延びる人工腱索として機能することを可能にするように構成された縫合糸アンカーと、
張力がかけられた状態で前記縫合糸を前記縫合糸アンカーに選択的にクランプするように構成された縫合糸ロックと、を含み、
前記縫合糸ロックは、前記縫合糸を前記縫合糸ロックと前記縫合糸アンカーとの間にクランプするために回転するように構成される、システム。
【請求項2】
前記縫合糸ロックの反対方向への回転により、縫合糸がリリースされて、前記縫合糸の張力が調整可能になる、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記縫合糸ロックは、前記アンカーカテーテルを用いて、前記縫合糸アンカーとは別に、心臓に送達されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記縫合糸アンカーを用いて心臓に挿入されるように構成されるとともに、前記縫合糸アンカーから身体の外側に延びるように構成されたロープをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記縫合糸ロックは、前記ロープに沿って前記縫合糸アンカーに送達されるように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記縫合糸アンカーは、前記縫合糸アンカーを心臓壁に埋め込むために回転するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記縫合糸アンカーは、前記縫合糸アンカーが最初に回転するときに心臓壁に隣接する前記縫合糸アンカーの位置を保持するために心臓壁に挿入されるように構成された安定化針をさらに備える、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
患者の拍動している心臓の心臓弁を修復するためのシステムであって、
患者の血管系を介して心臓内に挿入されて身体の外側から心臓内への経路を提供するように構成された長尺の可撓性ガイドカテーテルと、
前記長尺の可撓性ガイドカテーテルを介して心臓内に挿入されるように構成された長尺の可撓性アンカーカテーテルと、
縫合糸に結合されるとともに前記アンカーカテーテルを用いて心臓の心臓壁に固定される縫合糸アンカーであって、前記縫合糸が該アンカーと心臓の心臓弁尖との間に延びる人工腱索として機能することを可能にするように構成された縫合糸アンカーと、
張力がかけられた状態で前記縫合糸を前記縫合糸アンカーに選択的にクランプするように構成された縫合糸ロックと、
前記縫合糸アンカーを用いて心臓に挿入されるように構成されるとともに、前記縫合糸アンカーから身体の外側に延びるように構成されたロープと、を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫合糸の心臓への低侵襲送達に関する。より具体的には、本発明は、1つ以上の縫合糸を、拍動している心臓内の動揺弁尖又は逸脱弁尖のための人工腱索として挿入すること及び固定することに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の心臓内の僧帽弁及び三尖弁は、弁口(弁輪)、2つ(僧帽弁)又は3つ(三尖弁)の弁尖、及び弁下組織を含む。弁下組織は、可動弁尖を心室内の筋肉構造(乳頭筋)に接続する複数の腱索を含む。腱索の断裂又は伸長は、部分的又は全般的な弁尖逸脱を引き起こし、僧帽(又は三尖)弁の逆流を生じさせる。僧帽弁の逆流を外科的に矯正するために一般的に使用される技術は、弁の逸脱部分と乳頭筋との間への人工腱索(通常は4-0又は5-0のゴアテックス(登録商標)の縫合糸)の移植である。
【0003】
人工腱索を移植するためのこの技術は、従来、一般的に胸骨正中切開中に実行される開心術により行われ、大動脈クロスクランプを用いた心肺バイパスによる心停止を必要としていた。このような開心術を使用すると、胸骨正中切開術又は右開胸術によって提供される大きな開口部により、外科医は左心房切開を通して僧帽弁を直接視認することができ、外科用器具の操作、切除した組織の除去、及び/又は心臓内に取り付けるための心房切開を通じた人工腱索の導入のために、自身の手を心臓の外側に近接した胸腔内に配置することができる。しかし、心臓の拍動が止まるこれらの侵襲的な開心術は、重度の外傷、合併症の重大なリスク、長期の入院、及び患者にとって痛みを伴う回復期間をもたらす。さらに、心臓弁手術は多くの患者に有益な結果をもたらすが、このような手術の恩恵を得るかもしれない他の多くの患者は、このような開心術の外傷及びリスクを受けることができない、又は受けることを望まない。
【0004】
心臓が拍動している間に行われる低侵襲胸腔鏡下での心臓弁修復の技術もまた開発されている。本明細書に援用するスペツィアーリ(Speziali)の特許文献1は、胸腔鏡下での心臓弁修復方法及び装置を開示している。停止した心臓での開心術を必要とする代わりに、スペツィアーリによって教示された胸腔鏡下での心臓弁修復法及び装置は、拍動している心臓に対して利用できる低侵襲性外科処置中の可視化技術として経食道心エコー検査(TEE)と組み合わせた光ファイバー技術を利用する。これらの技術のより最近のバージョンは、本明細書に援用されるゼントグラフ(Zentgraf)の特許文献2及び特許文献3に開示されており、心腔に入り、弁尖に進み、弁尖を捕捉し、適切な捕捉を確認し、僧帽弁逆流(MR)修復の一部として縫合糸を送達することができる統合装置を開示している。いくつかの処置では、これらの低侵襲性の修復は、一般に、小さな肋骨間のアクセスポイントを介して実行され、その後、心尖を介して心室に穿刺される。患者にとって、開心術よりもはるかに侵襲性及びリスクは低いものの、これらの処置には依然としてかなりの回復時間と痛みを伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第8465500号明細書
【文献】米国特許第8758393号明細書
【文献】米国特許第9192374号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、患者の血管系を通るカテーテルを利用して心臓に入り、心臓弁尖に縫合糸を人工腱索として取り付けるいくつかのシステムが提案されている。一般に、上記のアプローチよりも侵襲性は低くなるが、経カテーテル心臓弁修復は追加の課題をもたらす可能性がある。例えばすべての人工腱索置換処置では、弁尖を通して縫合糸を挿入することに加え、縫合糸は、心臓の乳頭筋などの第2の箇所に、弁が自然に機能することを可能にする縫合糸の長さ、張力及び位置で固定されなければならない。縫合糸が短すぎる及び/又は張力が大きすぎると、弁尖が適切に閉じない可能性がある。逆に、縫合糸が長すぎる及び/又は十分な張力がない場合、弁尖は依然として逸脱する可能性がある。したがって、弁尖から離れた縫合糸の適切かつ確実な固定は、人工腱索を挿入する心臓弁修復処置の重要な要素である。経カテーテル処置の場合、患者の血管系を通る柔軟なカテーテルでは、従来の縫合糸アンカーを心臓壁、例えば心筋に安定して挿入するのに十分な力を加えることが困難であるため、そのような固定は困難となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示されるのは、経血管的に心臓にアクセスし、1つ以上の縫合糸を人工腱索として心臓弁尖に挿入することによって心臓弁の経カテーテル修復を実行するための低侵襲システム及び方法である。
【0008】
一実施形態では、心臓弁を修復する方法は、経血管的に心臓の内部にアクセスし、1つ以上の縫合糸を心臓の心臓弁尖に挿入することを含む。1つ以上の縫合糸を心臓の外側の縫合糸アンカーに取り付けることができ、縫合糸アンカーは、アンカー送達カテーテルを用いて心臓内に進められ、心臓の心臓壁に固定される。次に、1つ以上の縫合糸の張力は、適切な心臓弁機能を実現するように調整することができる。所望の張力が得られると、縫合糸アンカーの縫合糸ロックを作動させて、適切な心臓弁機能を実現する張力で1つ以上の縫合糸を縫合糸アンカーに保持することができる。
【0009】
一実施形態では、心臓弁を修復する方法は、最初に、弁尖捕捉カテーテルを用いて1つ以上の縫合糸を心臓弁尖に挿入することを含む。次に、縫合糸の自由端を体外のアンカーに通し、アンカーカテーテルを用いてアンカーを心臓内に進めることができる。アンカーはアンカーカテーテルを用いて心臓壁に移植され、縫合糸の張力は適切な弁機能のために調整することができる。適切な張力が得られると、アンカーを作動させて、縫合糸をアンカーに対して所定の位置にロックすることができる。次に、縫合糸の自由端は圧着及び切断されて、弁機能を修復するためにアンカー及び縫合糸を所定の位置に残すことができる。
【0010】
一実施形態では、心臓弁を修復する方法は、ツーピースアンカーを利用し、最初にアンカーカテーテルを用いてアンカー本体を心臓壁に移植することを含む。アンカーは、アンカー本体へのアクセスを可能にするために身体の外側に延びるガイドワイヤを含み得る。次に、弁尖捕捉カテーテルを用いて1つ以上の縫合糸を心臓弁尖に挿入することができる。縫合糸の自由端は、身体の外側のアンカーロックと結合させることができ、アンカーロックと縫合糸は、ガイドワイヤを用いて心臓内のアンカー本体に進めることができる。アンカーロックは、最初にロック解除位置でアンカー本体に取り付けられて縫合糸に張力をかけることができ、次いで適切な張力が設定されると、アンカー本体上でロック位置となるように作動させることができる。次に、縫合糸の自由端は圧着及び切断されて、弁機能を修復するためにアンカー及び縫合糸を所定の位置に残すことができる。
【0011】
一実施形態では、心臓弁を修復する方法は、モジュラーアンカーを使用し、最初にアンカーカテーテルを用いてガイドワイヤに取り付けられたアンカー本体を心臓壁に移植することを含む。次に、弁尖捕捉カテーテルを用いて1つ以上の縫合糸を心臓弁尖に挿入することができる。個々のアンカータブは、身体の外側の各縫合糸の自由端と結合させることができる。各アンカータブは、アンカータブをアンカー本体にガイドするようにガイドワイヤに沿ってスライドするガイドレールに、個別に順番に取り付けることができる。各縫合糸は、アンカー本体に取り付けられたアンカータブを介して個別に張力をかけることができる。各アンカータブがアンカー本体に送達され、各縫合糸に張力がかけられると、アンカーキャップによって縫合糸をアンカー本体に対してロックすることができる。次に、縫合糸の自由端は圧着及び切断されて、弁機能を修復するためにアンカー及び縫合糸を所定の位置に残すことができる。
【0012】
一実施形態では、心臓弁を修復する方法は、最初にアンカー縫合糸を身体の外側のアンカーと結合させ、次いで身体の外側に残る縫合糸ループ及びアンカー縫合糸の自由端と一緒にアンカーを心臓壁に挿入することを含む。次に、弁尖縫合糸を運ぶ弁尖捕捉カテーテルは、アンカー縫合糸の縫合糸ループを介して身体内に挿入され、1つ以上の弁尖縫合糸を弁尖に挿入することができる。弁尖縫合糸を挿入した後、弁尖縫合糸の自由端はアンカー縫合糸ループ内にあり、身体の外側からアンカー縫合糸の自由端を引っ張ると、アンカーの縫合糸ループが弁尖縫合糸の自由端の周りで締め付けられ、弁尖縫合糸をアンカー上に引き下ろす。次に、弁尖縫合糸に張力をかけることができ、アンカー縫合糸を切断して圧着し、弁尖縫合糸をアンカーにロックする。次に、弁尖縫合糸の自由端は圧着及び切断されて、弁機能を修復するためにアンカー及び縫合糸を所定の位置に残すことができる。
【0013】
一実施形態では、患者の拍動している心臓の心臓弁を修復するためのシステムは、患者の血管系を通って心臓内に挿入されて身体の外側から心臓内への経路を提供するように構成された長尺の可撓性ガイドカテーテルと、長尺の可撓性ガイドカテーテルを介して心臓内に挿入されるように構成された長尺の可撓性アンカーカテーテルとを含む。システムはさらに、縫合糸に結合されるとともにアンカーカテーテルを用いて心臓の心臓壁に固定される縫合糸アンカーであって、縫合糸がアンカーと心臓の心臓弁尖との間に延びる人工腱索として機能することを可能にするように構成された縫合糸アンカーを含む。システムはまた、張力がかけられた状態で縫合糸を縫合糸アンカーに選択的にロックするように構成された縫合糸ロックを含む。
【0014】
本明細書では、システム、装置、及び方法の様々な実施形態が説明されている。これらの実施形態は、例としてのみ与えられており、本発明の範囲を限定することを意図していない。さらに、説明されている実施形態の様々な特徴は、多くの追加の実施形態を生成するために様々な方法で組み合わせることができることを理解されたい。さらに、様々な材料、寸法、形状、埋め込み位置などが開示された実施形態での使用について説明されているが、これら開示以外のものも、本発明の範囲を超えない範囲で利用され得る。
【0015】
本明細書の主題は、添付の図面に関連する様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することで、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態による、患者の拍動している心臓の中に弁尖捕捉カテーテルを挿入するための方法の概略図。
図2A】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図2B】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図2C】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図2D】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図2E】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図2F】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図2G】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図2H】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3A】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3B】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3C】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3D】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3E】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3F】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3G】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3H】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3I】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3J】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3K】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3L】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図3M】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図4A】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図4B】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図4C】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図4D】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図4E】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図4F】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図4G】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図4H】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図4I】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図4J】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図4K】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5A】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5B】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5C】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5D】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5E】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5F】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5G】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5H】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5I】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5J】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5K】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図5L】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図6A】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図6B】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図6C】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図7A】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図7B】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図7C】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図7D】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図8A】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図8B】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図8C】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図8D】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図8E】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図8F】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図8G】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図8H】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図8I】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図8J】一実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図。
図9】一実施形態による心臓弁を修復する方法のステップを示すフローチャート。
図10】一実施形態による心臓弁を修復する方法のステップを示すフローチャート。
図11】一実施形態による心臓弁を修復する方法のステップを示すフローチャート。
図12A】本明細書に開示される方法で使用することができるアンカーアセンブリの様々な図。
図12B】本明細書に開示される方法で使用することができるアンカーアセンブリの様々な図。
図12C】本明細書に開示される方法で使用することができるアンカーアセンブリの様々な図。
図12D】本明細書に開示される方法で使用することができるアンカーアセンブリの様々な図。
図12E】本明細書に開示される方法で使用することができるアンカーアセンブリの様々な図。
図12F】本明細書に開示される方法で使用することができるアンカーアセンブリの様々な図。
図12G】本明細書に開示される方法で使用することができるアンカーアセンブリの様々な図。
図12H】本明細書に開示される方法で使用することができるアンカーアセンブリの様々な図。
図12I】本明細書に開示される方法で使用することができるアンカーアセンブリの様々な図。
図13A】アンカーアセンブリの様々な構成要素を示す図。
図13B】アンカーアセンブリの様々な構成要素を示す図。
図13C】アンカーアセンブリの様々な構成要素を示す図。
図13D】アンカーアセンブリの様々な構成要素を示す図。
図13E】アンカーアセンブリの様々な構成要素を示す図。
図13F】アンカーアセンブリの様々な構成要素を示す図。
図13G】アンカーアセンブリの様々な構成要素を示す図。
図13H】アンカーアセンブリの様々な構成要素を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
様々な実施形態は、様々な改良及び代替形態を受け入れるものの、それぞれの詳細については図面中に一例として示しており、以下に詳しく説明する。しかし、この意図は、特許請求の範囲に記載の発明が説明される特定の実施形態に限定されることではないことを理解されたい。逆に、この意図は、特許請求の範囲によって定義される主題の主旨及び範囲に含まれるすべての改良物、均等物、及び代替物を網羅することである。
【0018】
本開示は、一般に、血管内経カテーテルアプローチを介して、1つ以上の縫合糸を人工腱索として1つ以上の心臓弁尖に挿入すること及び固定することに向けられている。本技術分野で知られている任意の方法で、心臓弁尖を捕捉し、縫合糸を弁尖に挿入し得る。そのような弁尖捕捉カテーテルの例は、本明細書に援用される同時係属中の米国特許出願公開第2019/0290260号明細書及び米国特許出願第16/564887号明細書に開示されている。人工腱索を挿入するための別の経カテーテル処置は、本明細書に援用される米国特許出願公開第2016/0143737号明細書に開示されている。
【0019】
以下に説明する実施形態のそれぞれにおいて、修復される心臓の弁へのアクセスは、血管内経カテーテルアプローチを介して得ることができる。修復される弁が僧帽弁である場合、弁はさらに経中隔的にアクセスされ得る。図1は、僧帽弁10にアクセスする心臓弁修復システムのためのアクセスアプローチの実施形態の概略図を示す。図1は、大腿静脈を介して心臓の内部にアクセスする長尺の可撓性ガイドカテーテル14を示す。いくつかの実施形態では、そのようなシステムは、外側ガイドカテーテル及び内側ガイドカテーテルをさらに含むことができる。そのような実施形態では、外側ガイドカテーテルは、患者の鼠径部で大腿静脈に挿入され、大腿静脈を通って下大静脈19、次に右心房16に進むことができる。様々な実施形態において、外側ガイドカテーテルは、単一の平面内で操縦可能であり得、例えば8mm(24french)など、約10mm(30french)以下の外径を有し得る。次に、適切な穿刺ツールを使用して中隔18を穿刺することができ、外側ガイドカテーテルを中隔18内に、又は中隔18を通って左心房20内に進めることができる。次に、内側ガイドカテーテルを、外側ガイドカテーテルの中を通って左心房20内に軸方向に進めることができる。いくつかの実施形態では、内側ガイドカテーテルには、2通りの操縦方法があり、僧帽弁10よりも優れた安定した位置を確立するとともに、弁尖捕捉カテーテルの弁尖を修復する動作のための所望の軌道を提供すべく、外側ガイドカテーテルとともに、及び/又は、外側ガイドカテーテルを越えて操作することができる。
【0020】
心臓弁を修復する方法の実施形態の様々なステップの概略図が図2A図2Hに示されている。図2Aに示すように、最初に1つ以上の縫合糸30が弁12の弁尖13に挿入される。図示の実施形態では、3つの縫合糸30が挿入されているが、より多くの又はより少ない縫合糸を挿入することができる。縫合糸30は、上記のように弁尖捕捉カテーテルを用いて挿入され、それぞれが弁尖13の縁の周りにガースヒッチ結び32を形成することができ、図2Aに示される処置の段階で、ガイドカテーテル14を通って身体の外側に延びる一対の自由端34を有する。
【0021】
次に、縫合糸30の自由端34は、身体の外側のアンカー100に送り込まれる。アンカー100は、アンカー本体102及びロッキングヘッド104を含むことができ、図2Bに示すように、縫合糸30は、アンカー本体102とロッキングヘッド104との間の開口部を通過することができる。アンカー100は、アンカー本体100から延びる複数の歯枝106など、アンカー100を心臓内に保持するように構成された複数の組織係合機能をさらに含むことができる。アンカー100を、ガイドカテーテル14を介して身体内に送達するために、アンカーカテーテル40内に配置することができる。一実施形態では、歯枝106などの組織係合機能は、アンカーカテーテル40によって拘束される形状記憶材料から構成される。図2Cに示すように、アンカー100がアンカーカテーテル40から心臓壁24に進むとき、歯枝106は、アンカー40をその中に保持するために、心臓壁24の小柱組織に埋め込まれる。
【0022】
アンカー100が心臓壁24に配置されると、図2Dに示すように、アンカーカテーテル40が引き抜かれ、本技術分野で知られているように、適切な弁機能のために縫合糸30に張力をかけることができる。縫合糸30の張力は、自由端が延在するアンカー本体102とアンカーヘッド104との間の開口に対して、心臓の外側から自由端34を動かすことによって調整することができる。縫合糸30に張力がかけられた後、アンカー100をロックして、縫合糸30の張力を保持することができる。図2Eを参照すると、アンカーカテーテル40は、アンカーカテーテル40内に延びるロッキングアクチュエータ42と一緒に、ガイドカテーテル14の中を通って心臓に再導入され、アンカーヘッド104をアンカー本体102に向かって押し下げ、図2Fに示すように、縫合糸30をその間の所定の位置にロックすることができる。いくつかの実施形態では、ロッキングアクチュエータ42は、アンカーヘッド104を作動させるように構成された可撓性ワイヤであってもよい。様々な実施形態において、ロッキングアクチュエータ42は、例えば圧縮力や回転力などを用いてアンカーヘッドを作動させることができる。
【0023】
縫合糸30がアンカー100に対して所定の位置にロックされた後、縫合糸30の自由端34を切断することができる。図2G図2Hを参照すると、切断カテーテル44は、ガイドカテーテル14の中を通って心臓内のアンカー100まで進められ、切断要素(図示略)を用いてアンカー100に隣接する縫合糸30の自由端34を切断することができる。切断カテーテル44を使用して圧着要素46を自由端に沿ってアンカー30に隣接するように進めさせ、切断された自由端34を一緒に保持することもできる。圧着要素46を切断カテーテル44の遠位端に配置し、圧着要素46をアンカー100まで進めさせることができ、次いで、例えばねじり動作によって切断カテーテル44から取り外すことができる。次に、圧着要素46が固定された後、切断要素を使用して、縫合糸30の自由端34を切断する。これにより、心臓弁12が修復され、システムを心臓から引き抜いて、外科的なアクセスを封止することができる。
【0024】
図3A図3Mは、心臓弁を修復する方法の別の実施形態の様々なステップの概略図を示す。この実施形態では、アンカー100は、最初に上記のようなアンカーカテーテル40を用いて心臓壁24に着座される。図2A図2Hの実施形態とは対照的に、アンカー100は、図3A図3Bに示すように、複数の歯枝106又は他のアンカー機能(ロッキングヘッド104は含まない)を備えた単なるアンカー本体102として最初に移植される。この実施形態では、アンカー30が移植されるときにアンカー30に縫合糸が取り付けられていないが、図3A図3Bに示されるガイドワイヤ48は、アンカーから体外まで延び、身体の外側からアンカー本体102へのアクセスを可能にすることができる。アンカーの移植に続いて、アンカーカテーテル40が引き抜かれ、1つ以上の縫合糸30は、上記のように弁尖捕捉カテーテルを用いて弁尖13に挿入することができる。
【0025】
次に、図3Cに示すように、縫合糸30の自由端34は、アンカーカテーテル40内に配置された別個のアンカーロッキングヘッド104の開口110を介して身体の外側から通すことができる。ロッキングヘッド104は、ガイドワイヤ48に沿ってロッキングヘッド104をガイドするように構成されたガイドフランジ108を含むことができる。次に、図3Dに示すように、ロッキングヘッド104は、ガイドワイヤ48に沿ってアンカー本体102に進められる。図3Eを参照すると、ロッキングヘッド104を、最初にアンカー100上に緩く配置することができ、縫合糸30に上記のように張力をかけられることを可能にする。
【0026】
ツーピースアンカーを備えた図3A図3Mに記載の実施形態の1つの利点は、張力をかけている間に追加の縫合糸が必要と判定された場合、追加の縫合糸の使用を可能にすることである。図3F図3Iを参照すると、外科医がより多くの縫合糸を移植すべきであると判定した状況では、アンカーカテーテル40をアンカー100まで進めさせて、図3Fに示すようにロッキングヘッド104に係合し、ロッキングヘッド104を取り外すことができる。次に、1つ以上の追加の縫合糸30aを、弁尖捕捉カテーテルを用いて弁尖13に挿入することができる(図3G)。図3Cに先に示したように、1つ以上の追加の縫合糸30aは、ロッキングヘッド104の開口110を通して挿入することもでき、図3H図3Iに示すように、ロッキングヘッド104をアンカー本体102と係合させ、縫合糸30に張力をかけるステップを繰り返すことができる。
【0027】
所望の張力が得られると、ロッキングヘッド104は、上記で説明されるとともに図3J図3Kに示すように、ロッキングアクチュエータ42を用いてアンカー本体102上にロックすることができる。次に、切断カテーテル44は、上記のように縫合糸の端34を圧着要素46と一緒に圧着するために使用することができ、縫合糸の端34及びガイドワイヤ48の両方を切断要素を用いて切断し、修復プロセスを完了することができる。
【0028】
心臓弁を修復するためのステップの別の実施形態は、図4A図4Kに概略的に示されている。図4A図4Bに示すように、この方法は、最初にガイドワイヤ48が取り付けられたアンカー本体102が心臓壁24に移植され、次に1つ以上の縫合糸30が弁尖に挿入されるという点で先の方法と同様に始まる。図示の方法における縫合糸の端34には、先の実施形態のようにすべての縫合糸30のための単一のロッキングヘッドではなく、個別のモジュラーアンカータブ112が設けられている。図4Dに示すように、各アンカータブ112は、アンカーカテーテル40によって運ばれ、ガイドワイヤ48に沿ってスライドすることができるレールガイド114と選択的に順番に接合されることができる。図4E図4Fは、レールガイド114をガイドワイヤ48に沿って進めて、モジュラーアンカータブ112をアンカー本体102に取り付ける方法を示す。図4Gを参照すると、固定された縫合糸30aから延びる縫合糸の端34aを使用して、張力を調整することができる。この図では、縫合糸の他の端34bは、まだ固定されていない。
【0029】
ここで図4H図4Iを参照すると、別のアンカータブ112をレールガイド114に取り付けることができ、レールガイド114をガイドワイヤ48の周りで回転させて、このアンカータブを最初の縫合糸116aが取り付けられて固定された開口部116aとは異なるアンカー本体102内の開口部116に進める。縫合糸30のそれぞれが対応するアンカータブ112を用いてアンカー本体102に取り付けられ、適切な張力に調整されると、図4Jに示すように、アンカーキャップ118を縫合糸30に沿ってアンカー本体102まで進めて、縫合糸30をアンカータブ112に対してロックすることができる。次に、縫合糸の端34は、上記のように切断及び/又は圧着することができる。
【0030】
図5A図5Lは、別の実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図を示す。この実施形態では、アンカー縫合糸30aは、最初にアンカー200に取り付けられる。図5Aに示すように、アンカー200はアンカーチャネル211内にループ210を含み、縫合糸のループ33及び単一の自由端34がアンカー200から延びるように、縫合糸30aをループ210に通すことができる。アンカー200は、複数のアンカー歯枝206又は他の組織係合機能をさらに含むことができる。次に、アンカー200は、本明細書に記載されるように、アンカーカテーテル40を用いて心臓壁24に着座することができる。図5Dに示すように、弦状の縫合糸(chordal suture)30bを運ぶ弁尖捕捉カテーテル80は、アンカー縫合糸30aのループ33を通ってガイドカテーテル14に挿入され、身体内に導入される。1つ以上の弦状の縫合糸30bは、本明細書に記載されるとともに図5E図5Fに示される方法で、弁尖13に配置することができる。
【0031】
図5G図5Jに示すように、弦状の縫合糸30bは、身体の外側にあるアンカー縫合糸30aの自由端34を引っ張り、アンカー縫合糸30aのループ33が弦状の縫合糸30bをアンカー200に引き下げてチャネル211内に引き込むようにすることによって、アンカー200に固定することができる。次に、上記のように1つ以上の切断圧着カテーテル44を用いて、弦状の縫合糸30bに張力をかけ、切断し、圧着することができ、アンカー縫合糸30aの自由端34を切断し、圧着することができる。
【0032】
上記の図は、心臓にアンカーを固定するために心臓壁に埋め込まれる複数の歯枝を有するアンカー100,200を示すが、そのようなアンカーは、本開示の一実施形態にすぎないことを理解されたい。上記のシステムのそれぞれにおいて、他の様々なアンカーを代替的に使用することができる。そのようなアンカーは、本明細書に援用される米国特許出願公開第2019/0343626号明細書、米国特許出願公開第2019/0343633号明細書及び米国特許出願公開第2019/0343634号明細書に開示されているものを含むことができる。上記のシステムで使用できる他のアンカーは、身体の外側に延びるアンカーカテーテルによって回転されることでアンカーを心臓壁に固定する螺旋又はコルク栓抜き型のアンカーを含む。そのようなアンカーの例は、本明細書に援用される米国仮特許出願第62/834512号に開示されている。
【0033】
対応するアンカー本体102に対して張力がかけられた縫合糸をロックするための本明細書に記載の縫合糸ロック104は、縫合糸を直線的に押したり引いたりしてクランプ又はリリースするロッキングヘッドとして図示及び説明されているが、そのような縫合糸ロックは本開示の一実施形態にすぎないことを理解されたい。張力をかけた状態で1つ以上の縫合糸をリリース可能に保持する他の様々な方法を使用することができる。例えば、他の実施形態では、縫合糸は、縫合糸を回転係合させることによってクランプすることができる。そのような実施形態では、1つ以上の縫合糸をアンカーの一部に通して、回転クランプ要素がアンカーカテーテルによって回転されると、クランプ要素が縫合糸を締め付けて、クランプ要素とアンカーの別の部分との間に縫合糸をクランプすることができる。実施形態では、クランプ要素を反対方向に回転させて縫合糸を解放して、再び張力をかけることを可能にし、選択的に取り付け可能なクランプ要素の場合、クランプ要素をアンカー本体から引き抜き、追加の縫合糸を弁尖に挿入し、続いて他の縫合糸と一緒に張力をかけることができる。
【0034】
図6A図6Cは、アンカーコイル602及びアンカーコイルの中を通って長手方向に延びる安定化針604を含むらせん状又はコルク栓抜き型のアンカー600を利用する、別の実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図を示す。図示の実施形態では、縫合糸30が弁尖13に挿入された後、縫合糸30を身体の外側のアンカー600に通すことができる。次に、アンカー600をアンカー送達カテーテル40に挿入し、心臓壁に隣接して配置することができる。安定化針604は、最初に組織を貫通してアンカーを安定化させ、コイル602は、アンカー600を回転させることによって組織内に打ち込まれる。この実施形態及び他の実施形態では、安定化針は、心臓壁から離れるようなコイルの動きを引き起こし得る回転力であって、カテーテルから伝達される回転力に対して、アンカーコイルの位置を保持することができる。いくつかの実施形態では、コイル602は、心臓壁の内面に対して概ね垂直に挿入することができる。他の実施形態では、硬質の内部形状を理由として、コイル602は、心臓壁に対して垂直でない角度で挿入され得る。アンカー600が挿入された後、縫合糸に張力をかけ、次にアンカークランプ606を回転させて縫合糸30をクランプ留めすることによってロックすることができる。次に、図6Cに示すように、安定化針604を取り外して、縫合糸の端を切断することができる。
【0035】
図7A図7Dは、アンカーコイル702を含むらせん状又はコルク栓抜き型のアンカー700を利用する、別の実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図を示す。縫合糸30が弁尖13に挿入された後、縫合糸30を、身体の外側にあるアンカーのアンカーコイル702及びアンカー本体704に通すことができる。次に、アンカーカテーテル40を使用して、アンカー700及び対応するアンカードライバ720を心臓に送達することができる。次に、アンカードライバ720を使用して、アンカー700を回転させてコイル702を心臓壁に埋め込むことができ、これにより、縫合糸30をコイルを介してアンカー本体704にスライドさせ、次いで、アンカードライバ720を図7Bに示すように引き抜くことができる。いくつかの実施形態では、コイル702は、心臓壁の内面に対して概ね垂直に挿入することができる。他の実施形態では、硬質の内部形状を理由として、コイル702は、心臓壁に対して垂直でない角度で挿入され得る。次に、縫合糸に張力をかけ、縫合糸ロック708(図7C参照)を回転させて縫合糸をアンカー本体704にクランプすることにより、張力をかけた状態でロックすることができる。次に、アンカードライバ720を引き抜いて、アンカー700から心臓の外側に延びるロープ712を残すことができる。次に、縫合糸30の自由端を切断することができ、縫合糸カバー710をロープ712に沿って進めてアンカー本体704に着座させ、縫合糸30を覆うことができる。次に、ロープ712を切断して身体から引き抜いて、アンカー700を所定の位置に残すことができる。
【0036】
図8A図8Jは、アンカーコイル802及びアンカーコイルの中を通って長手方向に延びる安定化針804を含むらせん状又はコルク栓抜き型のアンカー800を利用する、別の実施形態による心臓弁を修復する方法の様々なステップの概略図を示す。アンカー送達カテーテル40は、アンカー800を心臓に送達し、アンカー800は、アンカードライバ820と一緒にカテーテル40に対して部分的に回転され、安定化針804を露出させて、針804の心臓壁への挿入を可能にする。次に、図8D図8Eに示すように、アンカー800をさらに回転させてアンカーコイル802を心臓組織に挿入し、アンカーカテーテル40及びアンカードライバ820を引き抜いて、アンカーハブ806から心臓の外側に延びるロープ812を所定の位置に残すことができる。いくつかの実施形態では、コイル802は、心臓壁の内面に対して概ね垂直に挿入することができる。他の実施形態では、硬質の内部形状を理由として、コイル802は、心臓壁に対して垂直でない角度で挿入され得る。次に、図8F図8Jに示すように、縫合糸ロック送達システムは、1つ以上の縫合糸をロープ812に沿ってアンカー800に運ぶことができる。したがって、縫合糸は、アンカーが心臓壁に着座する前又は後に、弁尖に挿入することができる。図8Fに示すように、ロッキングスプリング810を保持するスプリングキャリア808は、アンカーハブ806に取り付けられたままにすることができる。次に、縫合糸30に適切に張力をかけることができ、次いで、図8Hに示すように、縫合糸ロック送達システムをアンカーに戻し、プッシャー814がロッキングスプリング810をスプリングキャリア808から外してアンカーハブ806上に配置し、縫合糸30をロッキングスプリング810とアンカーハブ806との間で調整された張力でクランプする。次に、プッシャー814及びスプリングキャリア808を含む縫合糸ロック送達システムを取り外すとともに、ロープ812及び安定化針804を取り外し、縫合糸30を切断して処置を完了することができる。
【0037】
図9は、一実施形態による経カテーテル心臓弁修復の方法300のステップのフローチャートを示す。ステップ302において、心臓への外科的なアクセスは、例えば図1に関連して図示及び説明されている血管内経カテーテルアプローチによって得ることができる。次に、ステップ304で、1つ以上の縫合糸を、例えば本明細書に上記で援用されたもののような弁尖捕捉カテーテルを用いて、弁尖に取り付けることができる。次に、ステップ306で、縫合糸の自由端を、心臓の外側において本明細書に記載されているもののような縫合糸アンカーの一部に通すか接続することができる。次に、ステップ308で、縫合糸アンカーを心臓内に進めて、心臓壁に埋め込むことができる。次に、ステップ310で、適切な弁機能のために縫合糸の張力を調整することができる。適切な張力が得られると、ステップ312で、例えば縫合糸をアンカーに対してクランプするために、押したり回転させたりする縫合糸ロックを用いて縫合糸をクランプすることにより、縫合糸をロックすることができる。いくつかの実施形態では、縫合糸アンカーは、ロックを解除し、張力を再調整することができる場合がある。次に、ステップ314で、余分な縫合糸を切断することができる。これにより、ステップ316で、心臓弁12が修復され、システムを引き抜いて外科的なアクセスを封止することができる。
【0038】
図10は、一実施形態による経カテーテル心臓弁修復の方法400のステップのフローチャートを示す。ステップ402において、心臓への外科的なアクセスは、例えば図1に関連して図示及び説明されている血管内経カテーテルアプローチによって得ることができる。次に、ステップ404で、1つ以上の縫合糸を、例えば本明細書に上記で援用されたもののような弁尖捕捉カテーテルを用いて、弁尖に取り付けることができる。次に、この実施形態では、ステップ406で、縫合糸アンカーのアンカー本体を、心臓壁に挿入することができる。身体の外側からアンカー本体へのアクセスを可能にするために、ロープ又はガイドワイヤは、例えばアンカー本体から身体の外側に延在することができる。次に、ステップ408で、縫合糸の自由端を、心臓の外側において本明細書に記載されているもののようなアンカーヘッド又は他の縫合糸ロッキング要素の一部に通すか接続することができる。ステップ409において、アンカーヘッドを、ロープ又はガイドワイヤに沿って身体内に進め、アンカー本体と結合させることができる。次に、ステップ410で、縫合糸の張力は、適切な弁機能のために調整することができ、ステップ412で、縫合糸は、例えばアンカーヘッドとアンカー本体との間に縫合糸をクランプすることによって、ロックすることができる。アンカーヘッドは、縫合糸のロックを解除し、張力の再調整を可能にするためだけでなく、1つ以上の追加の縫合糸を弁尖に挿入し、アンカーヘッドの中を通ってアンカーヘッドとアンカー本体との間で他の縫合糸と一緒にロックするために、アンカー本体から取り外すこともできる。次に、ステップ414で、余分な縫合糸を切断することができ、これにより、ステップ416で、心臓弁12が修復され、システムを引き抜いて外科的なアクセスを封止することができる。
【0039】
図11は、一実施形態による経カテーテル心臓弁修復の方法500のステップのフローチャートを示す。ステップ502において、心臓への外科的なアクセスは、例えば図1に関連して図示及び説明されている血管内経カテーテルアプローチによって得ることができる。この実施形態では、ステップ504で、身体の外側からアンカー本体へのアクセスを可能にするために、例えばアンカー本体から身体の外側に延在するロープ又はガイドワイヤを用いて、縫合糸アンカーのアンカー本体を、最初に心臓壁に挿入することができる。次に、ステップ506で、1つ以上の縫合糸を、例えば本明細書に上記で援用されたもののような弁尖捕捉カテーテルを用いて、弁尖に取り付けることができる。次に、ステップ508で、縫合糸の自由端を、心臓の外側において本明細書に記載されているもののようなアンカーヘッド又は他の縫合糸ロッキング要素の一部に通すか接続することができる。ステップ509において、アンカーヘッドを、ロープ又はガイドワイヤに沿って身体内に進め、アンカー本体と結合させることができる。次に、ステップ510で、縫合糸の張力は、適切な弁機能のために調整することができ、ステップ512で、縫合糸は、例えばアンカーヘッドとアンカー本体との間に縫合糸をクランプすることによって、ロックすることができる。この実施形態のアンカーヘッドも、縫合糸のロックを解除し、張力の再調整を可能にするためだけでなく、1つ以上の追加の縫合糸を弁尖に挿入し、アンカーヘッドの中を通ってアンカーヘッドとアンカー本体との間で他の縫合糸と一緒にロックするために、アンカー本体から取り外すこともできる。次に、ステップ4514で、余分な縫合糸を切断することができ、これにより、ステップ516で、心臓弁12が修復され、システムを引き抜いて外科的なアクセスを封止することができる。
【0040】
図12A図12Iは、本明細書に開示される方法で使用することができるアンカーアセンブリの様々な図を示し、図13A図13Hは、アンカーアセンブリの様々な構成要素を示す。図8A図8Jは、そのようなアンカーを使用する方法の例示的な実施形態を示すが、本明細書に開示される実施形態のいずれも、そのようなアンカーと一緒に使用するために採用及び/又は適合されることができる。アンカーアセンブリは、アンカー送達アセンブリ1301及び縫合糸ロックアセンブリ1303を含む。アンカー送達アセンブリ1301を使用してアンカーを心臓壁に埋め込むと、アンカー送達アセンブリ1301が引き抜かれ、縫合糸ロックアセンブリ1303を使用して縫合糸をアンカーに送達し、ロックする。
【0041】
アンカー送達アセンブリ1301は、アンカーコイル1302の中を通って長手方向に延びる中央安定化針1304を備えたアンカーコイル1302を含む。安定化針1304は、アンカーの配置中に心室壁に対する安定性を提供し、また、身体の外側に延在するとともにアンカーアセンブリを回転させるために使用されるロープ1310への取り付けを提供する。針1304は、心臓組織を貫通するように構成された鋭利な遠位端1314と、アンカーハブ1306の雌ネジに針1304をリリース可能に固定するネジ部分1316とを含む。アンカーコイル1302は、例えば溶接などによってアンカーハブ1306に接続され、アンチバックアウト(anti-backout)機能を含むことができる。アンチバックアウト機能は、心臓の自然な律動に起因してコイル1302が回転して組織から外れるのを防ぐ、コイル1302の周りに配置されたバーブ1308として構成することができる。実施形態では、バーブ1308は、コイル1302に溶接することができる。コイル1302は、心臓の組織を貫通するように構成された鋭利な遠位端1312を含む。
【0042】
上記のように、アンカーハブ1306は、アンカーハブの遠位部分に雌ネジを含み、その中に針1304をリリース可能に固定する。アンカーハブ1306はまた、アンカーハブ1306の周りに延びる近位側を向いた縫合糸クランプ面1318を提供する。アンカードライバ1320は、アンカーハブ1306の近位部分における対応する内部形状と嵌合し、アンカードライバ1320と一緒にアンカーハブ1306の回転を可能にする駆動端1322を含む。アンカードライバ1320は、身体の外側に延在し、アンカーコイル1302を組織内に押し込むのに必要なトルクを提供するためにねじられる、らせん中空ストランド(HHS)1324をさらに含むことができる。図8Bに示されるように、ロープ1310は、アンカードライバのHHS1324及びアンカードライバ1320の中を通って、アンカーハブ1306内の接続部まで延び、安定化針1304の近位端における開口部まで延びる。補強管1326は、アンカーハブ1306内のロープ1310上にねじ込まれてロープ1310の小さな部分を補強し、アンカーハブ1306内で嵌合する必要がある構成要素により良い位置合わせを提供することができる。
【0043】
縫合糸ロックアセンブリ1303は、アンカーハブ1306の縫合糸捕捉面1318に対して縫合糸を圧縮することによって縫合糸をロックするスプリング1328として構成された縫合糸ロックを含む。縫合糸ロックスプリング1328は、スプリングキャリア1330上のアンカーに送達することができる。スプリングキャリア1330は、それらの間に縫合糸チャネル1344を規定する一対の上向きに隆起したレッジ1348を含むことができる。各レッジ1348は、縫合糸ロックスプリング1328が送達されるために着座するロック凹部1350と、縫合糸ロックスプリング1328が意図せず脱落することを防ぐためにロック凹部1350から上方に突出する保持リップ1352とを含むことができる。スプリングキャリア1330は、アンカーハブ1306と嵌合して、適切な張力が維持されることを保証にするために縫合糸ロックの最終点の近くにある張力点を提供する遠位部分1332を含む。チューブ1334は、スプリングキャリア1330から身体の外側に伸びて、ロープ1310に中空経路を提供し、アンカーハブ1306にガイドされるスプリングキャリア1330の進行を可能にする。実施形態では、チューブ1334は、PEEKにより構成することができ、スプリングキャリアに結合することができる。プッシャー1336は、チューブ1334及びスプリングキャリア1330上を進むことができ、遠位面1338を含む。遠位面1338は、縫合糸ロック1328と係合して縫合糸ロック1328を保持リップ1352を越えてスプリングキャリア1330から離し、アンカーハブ1306上に押し出し、アンカーハブ1306の縫合糸クランプ面1318に押し付けるように構成される。プッシャーコネクタ1340を使用して、プッシャーを、縫合糸ロックアセンブリ1303を動かすために使用されるカテーテル1342に接続することができる。
【0044】
縫合糸ロックアセンブリ1303を通る縫合糸30の経路は、図8Gに示されている。身体の外側に弁尖から延びる縫合糸30は、縫合糸ロックスプリング1328の下のスプリングキャリア1330の縫合糸チャネル1344を通ってプッシャー1336に入り、プッシャーの縫合糸開口1346から出される。次に、縫合糸30は、縫合糸に張力をかけるために、アンカーカテーテルを通って身体の外側に延在することができる。縫合糸ロックスプリング1328がプッシャー1336と一緒に配置されると、縫合糸30は、縫合糸ロックスプリング1328とアンカーベース1360の縫合糸捕捉面1318との間で張力がかけられた状態で圧着される。
【0045】
本明細書では、システム、装置、及び方法の様々な実施形態が説明されている。これらの実施形態は、例としてのみ与えられており、特許請求の範囲に記載の発明の範囲を限定することを意図していない。さらに、説明されている実施形態の様々な特徴は、多くの追加の実施形態を生成するために様々な方法で組み合わせることができることを理解されたい。さらに、様々な材料、寸法、形状、構造及び位置などが開示された実施形態での使用について説明されているが、これら開示以外のものも、特許請求の範囲に記載の発明の範囲を超えるない範囲で利用され得る。
【0046】
関連分野の当業者であれば、本明細書の主題が、上記の任意の個々の実施形態に示されるよりも少ない特徴を含み得ることを認識するであろう。本明細書で説明される複数の実施形態は、本明細書の主題の様々な特徴を組み合わせることができる方法の網羅的な提示となるものではない。したがって、複数の実施形態は、特徴の相互に排他的な組み合わせではなく、むしろ、様々な実施形態は、当業者によって理解されるように、異なる個々の実施形態から選択された異なる個々の特徴の組み合わせを含むことができる。さらに、一の実施形態に関して説明された複数の要素は、別段の記載がない限り、そのような実施形態で説明されていない場合でも、他の実施形態で実装することができる。
【0047】
従属クレームは、複数のクレームにおいて1以上の他のクレームとの特定の組み合わせを指す場合があるが、他の複数の実施形態は、従属クレームと他の各従属クレームの主題との組み合わせ、又は、1以上の機能と他の従属又は独立クレームとの組み合わせを含むこともできる。そのような組み合わせは、特定の組み合わせが意図しないと述べられていない限り、本明細書で提案される。
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
[付記1]
患者の拍動している心臓の心臓弁を修復する方法であって、
経血管的に心臓の内部にアクセスすることと、
1つ以上の縫合糸を心臓の心臓弁尖に挿入することと、
前記1つ以上の縫合糸を心臓の外側の縫合糸アンカーに取り付けることと、
前記縫合糸アンカーを心臓に進め、アンカー送達カテーテルを用いて前記縫合糸アンカーを心臓の心臓壁に固定することと、
適切な心臓弁機能を実現するために、前記1つ以上の縫合糸の張力を調整することと、
適切な心臓弁機能を実現する張力で前記1つ以上の縫合糸を前記縫合糸アンカーに保持するために、前記縫合糸アンカーの縫合糸ロックを作動させることと、を含む、方法。
[付記2]
前記1つ以上の縫合糸を前記縫合糸アンカーに保持するために前記縫合糸ロックを作動させることは、前記縫合糸ロックを回転させて前記1つ以上の縫合糸を前記縫合糸アンカーにクランプすることを含む、付記1に記載の方法。
[付記3]
前記1つ以上の縫合糸を前記縫合糸アンカーに保持するために前記縫合糸ロックを作動させることは、前記縫合糸ロックを長手方向に押して前記1つ以上の縫合糸を前記縫合糸アンカーにクランプすることを含む、付記1に記載の方法。
[付記4]
前記縫合糸ロックを心臓の前記縫合糸アンカーに送達することをさらに含む、付記1に記載の方法。
[付記5]
前記縫合糸アンカーを心臓壁に固定する前に、前記1つ以上の縫合糸を心臓弁尖に挿入する、付記1に記載の方法。
[付記6]
前記1つ以上の縫合糸を心臓弁に挿入する前に、前記縫合糸アンカーを心臓壁に固定する、付記1に記載の方法。
[付記7]
ロープを、心臓壁の前記縫合糸アンカーから身体の外側に延びるように配置することをさらに含む、付記6に記載の方法。
[付記8]
前記縫合糸アンカーを心臓に進め、前記縫合糸を心臓の心臓壁に固定することは、アンカー本体を心臓壁に固定することを含み、前記1つ以上の縫合糸を心臓の外側の前記縫合糸アンカーに取り付けることは、前記1つ以上の縫合糸をアンカーヘッドに取り付けることを含み、前記方法は、前記アンカーヘッドを身体の外側から前記アンカー本体に進め、前記アンカーヘッドを前記アンカー本体に取り付けることをさらに含む、付記6に記載の方法。
[付記9]
前記縫合糸アンカーを心臓壁に固定することは、安定化針を心臓壁に挿入し、前記アンカーを最初に回転するときに前記安定化針が心臓壁に隣接する前記アンカーの位置を保持している状態で、前記アンカーを心臓壁内に埋め込むように回転させることを含む、付記1に記載の方法。
[付記10]
前記縫合糸アンカー上の前記1つ以上の縫合糸のロックを解除し、前記1つ以上の縫合糸の張力を再調整し、前記縫合糸を調整された張力に保持するために前記縫合糸ロックを再度作動させることをさらに含む、付記1に記載の方法。
[付記11]
患者の拍動している心臓の心臓弁を修復するためのシステムであって、
患者の血管系を介して心臓内に挿入されて身体の外側から心臓内への経路を提供するように構成された長尺の可撓性ガイドカテーテルと、
前記長尺の可撓性ガイドカテーテルを介して心臓内に挿入されるように構成された長尺の可撓性アンカーカテーテルと、
縫合糸に結合されるとともに前記アンカーカテーテルを用いて心臓の心臓壁に固定される縫合糸アンカーであって、前記縫合糸が該アンカーと心臓の心臓弁尖との間に延びる人工腱索として機能することを可能にするように構成された縫合糸アンカーと、
張力がかけられた状態で前記縫合糸を前記縫合糸アンカーに選択的にロックするように構成された縫合糸ロックと、を含む、システム。
[付記12]
前記縫合糸ロックは、前記縫合糸を前記縫合糸ロックと前記縫合糸アンカーとの間にクランプするように回転させられることによって、前記縫合糸を前記縫合糸アンカーに選択的にロックするように構成される、付記11に記載のシステム。
[付記13]
前記縫合糸アンカーの反対方向への回転により、縫合糸がリリースされて、前記縫合糸の張力が調整可能になる、付記12に記載のシステム。
[付記14]
前記縫合糸ロックは、前記縫合糸を前記縫合糸ロックと前記縫合糸アンカーとの間にクランプするように長手方向に前記縫合糸ロックを押すことによって、前記縫合糸を前記縫合糸アンカーに選択的にロックするように構成される、付記11に記載のシステム。
[付記15]
前記縫合糸ロックを引っ張ることにより、前記縫合糸がリリースされて、前記縫合糸の張力が調整可能になる、付記14に記載のシステム。
[付記16]
前記縫合糸ロックは、前記アンカーカテーテルを用いて、前記縫合糸アンカーとは別に、心臓に送達されるように構成される、付記11に記載のシステム。
[付記17]
前記縫合糸アンカーを用いて心臓に挿入されるように構成されるとともに、前記縫合糸アンカーから身体の外側に延びるように構成されたロープをさらに備える、付記11に記載のシステム。
[付記18]
前記縫合糸アンカーは、前記ロープに沿って前記縫合糸アンカーに送達されるように構成される、付記17に記載のシステム。
[付記19]
前記縫合糸アンカーは、前記縫合糸アンカーを心臓壁に埋め込むために回転するように構成される、付記11に記載のシステム。
[付記20]
前記縫合糸アンカーは、前記縫合糸アンカーが最初に回転するときに心臓壁に隣接する前記縫合糸アンカーの位置を保持するために心臓壁に挿入されるように構成された安定化針をさらに備える、付記19に記載のシステム。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L
図3M
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図5L
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図8J
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図12I
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図13H