(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】USBケーブル及び給電装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/26 20060101AFI20231114BHJP
G06F 1/3215 20190101ALI20231114BHJP
G06F 1/3287 20190101ALI20231114BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
G06F1/26 306
G06F1/3215
G06F1/3287
H02J7/00 A
(21)【出願番号】P 2022048660
(22)【出願日】2022-03-24
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】P 2021155879
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500172058
【氏名又は名称】有限会社パッケージングテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100106404
【氏名又は名称】江森 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100112977
【氏名又は名称】田中 有子
(72)【発明者】
【氏名】河瀬 英司
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-089604(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0108910(US,A1)
【文献】特開2018-191245(JP,A)
【文献】特開2003-114740(JP,A)
【文献】特開2017-211752(JP,A)
【文献】特開2015-023326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26-1/3296
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電装置に接続される、少なくともVBUS端子、GND端子、CC端子を有する第1コネクタと、前記給電装置からの電力が供給される電子機器に接続される第2コネクタと、を備えたUSBケーブルであって、
前記給電装置
がスリープ状態である場合に、前記USBケーブルを非接続状態から接続状態に切り替えて、前記給電装置の前記スリープ状態を解除するスイッチ部を備え
ており、
前記スイッチ部は、当該スイッチ部を、OFFの状態から、ONの状態にして、前記USBケーブルを非接続状態から接続状態に切り替える構成であり、前記CC端子と接地部との間に所定のプルダウン抵抗を有していることを特徴とするUSBケーブル。
【請求項2】
給電装置に接続される、少なくともVBUS端子、GND端子、CC端子を有する第1コネクタと、前記給電装置からの電力が供給される電子機器に接続される第2コネクタと、を備えたUSBケーブルであって、
前記給電装置
がスリープ状態である場合に、前記USBケーブルを非接続状態から接続状態に切り替えて、前記給電装置の前記スリープ状態を解除するスイッチ部を備え
ており、
前記スイッチ部は、当該スイッチ部を、OFFの状態から、ONの状態にして、前記USBケーブルを非接続状態から接続状態に切り替える構成であり、前記給電装置の前記スリープ状態へ遷移する時間をT
S
(秒)とし、前記スイッチ部をONの状態からOFFの状態にして再びONの状態とするまでの時間をT
0
(秒)とした場合に、以下の関係式(1)を満たすことを特徴とするUSBケーブル。
【数1】
【請求項3】
前記スイッチ部は、少なくとも前記CC端子又は前記GND端子のいずれか一方と、接地部との間に備えてあることを特徴とする
請求項1又は2に記載のUSBケーブル。
【請求項4】
前記スイッチ部は、前記給電装置に対して、USBの急速充電規格に基づき、所定電力を供給させる給電条件生成回路を有していることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のUSBケーブル。
【請求項5】
前記スイッチ部は、少なくとも二つの異なる抵抗値に切り替える可変抵抗部を有していることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のUSBケーブル。
【請求項6】
前記スイッチ部は、前記給電装置を第1給電装置とした場合に、当該第1給電装置とは異なる、前記スイッチ部に対して電力を供給する第2給電装置を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のUSBケーブル。
【請求項7】
前記スイッチ部は、当該スイッチ部を切り替える駆動部を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のUSBケーブル。
【請求項8】
前記VBUS端子と、前記電子機器との間に、少なくとも電流の逆流、又は、過電流を防ぐ保護部を備えることを特徴とする
請求項1~7のいずれか一項に記載のUSBケーブル。
【請求項9】
給電装置に接続される、少なくともVBUS端子、GND端子、CC端子を有する第1コネクタと、前記給電装置からの電力が供給される電子機器に接続される第2コネクタと、スイッチ部と、を備え
ており、前記CC端子と接地部との間に所定のプルダウン抵抗を有するUSBケーブルを用いた給電装置の制御方法であって、
下記工程(1)~(3)を含むことを特徴とする給電装置の制御方法。
(1)前記第1コネクタを前記給電装置に接続するとともに、前記第2コネクタを前記電子機器に接続する工程。
(2)前記スイッチ部をOFFの状態にして、前記USBケーブルを非接続状態とし、前記給電装置をスリープ状態とする工程。
(3)前記スイッチ部をONの状態に切り替えて、前記USBケーブルを接続状態とし、前記給電装置のスリープ状態を解除する工程。
【請求項10】
給電装置に接続される、少なくともVBUS端子、GND端子、CC端子を有する第1コネクタと、前記給電装置からの電力が供給される電子機器に接続される第2コネクタと、スイッチ部と、を備えたUSBケーブルを用いた給電装置の制御方法であって、
下記工程(1)~(3)を含むことを特徴とする給電装置の制御方法。
(1)前記第1コネクタを前記給電装置に接続するとともに、前記第2コネクタを前記電子機器に接続する工程。
(2)前記スイッチ部をOFFの状態にして、前記USBケーブルを非接続状態とし、前記給電装置をスリープ状態とする工程。
(3)前記スイッチ部をONの状態に切り替えて、前記USBケーブルを接続状態とし、前記給電装置のスリープ状態を解除する工程
であり、前記給電装置の前記スリープ状態へ遷移する時間をT
S
(秒)とし、前記スイッチ部をONの状態からOFFの状態にして再びONの状態とするまでの時間をT
0
(秒)とした場合に、以下の関係式(1)を満たすように、前記給電装置のスリープ状態を解除する工程。
【数2】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル及び給電装置の制御方法に関する。特に、USBケーブルの抜き差しを行わない場合であっても、容易に給電装置のスリープ状態を解除して、給電装置を給電状態とすることができるUSBケーブル及びそのようなUSBケーブルを用いた給電装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、USBケーブルを介して、ポータブルバッテリ等の給電装置から電子機器に電力を供給することが行われているが、電子機器の高度化により、電子機器の駆動に必要な消費電力も飛躍的に増加している。
そうした中で、大きな電力を供給することができるType-C規格のUSBケーブル(以降、Type-Cケーブルと称する場合がある。)が注目され始めている。
この理由は、Type-Cケーブルを用いることで、Type-C規格以前のUSBケーブルでも有していた統一されたコネクタ(USBコネクタ)による汎用化に加えて、供給電力の増加(最大5A、48V)、発熱損失の軽減、コネクタの端子数の増加(24ピン)による用途の拡大といった、更なる利便性を得ることができるためである。
【0003】
一方、Type-Cケーブルは、供給可能な電力の増加に伴って、電力線にスイッチを設けた場合には、接触抵抗による発熱等の不具合が生じる場合があった。
更に、給電装置は、一定時間以上、電力線に供給する電流が所定の値に満たないで、スリープ状態となってしまった場合に、電力線に設けたスイッチを操作しても、電力供給を再開できない場合があった。
よって、電力供給を再開させるためには、USBケーブルを一旦抜いて、再度差し直す必要があった。そこで、これを解決するための技術が、従来から各種提案されている。
【0004】
その一例として、通信線に設けたスイッチ部により、給電装置からの電力供給を停止することができる、Type-Cケーブル相当のケーブルが開示されている(特許文献1参照)。
より具体的には、
図12に示すように、第1のコネクタ301と、第2のコネクタ302と、電力供給用の第1の電力線312と、通信線313と、当該通信線に接続された制御部303と、通信線に設けられたスイッチ304と、第1のコネクタ301の周辺の温度を検出可能な第1の温度検出部308等を有するケーブル300である。
そして、かかる制御部303は、第1の温度が所定の温度以上となった場合に、給電装置と電子機器との間で、第1の電力線312を介した電力供給が行われないように通信線313を非接続状態にする構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2021-89604号公報(特許請求の範囲、図面等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたケーブルは、第1のコネクタの温度が過度に高くなった場合の安全装置の発明であって、電力供給を停止することができるものの、スリープ状態を解除するためには、ケーブルを一旦差し直す必要があった。
すなわち、ケーブルの抜き差しを行わない場合に、給電装置のスリープ状態を解除して、電力供給を再開することが困難であるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、USBケーブルに所定のスイッチ部を設けることで、USBケーブルの接続状態と、非接続状態とを切り替えることができることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明によれば、容易に給電装置のスリープ状態を解除して、給電装置を給電状態とすることができるUSBケーブルを提供することを目的としている。
又、本発明の別発明によれば、そのようなUSBケーブルを用いた容易かつ安定的な給電に関しての給電装置の制御方法である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、給電装置に接続される、少なくともVBUS端子、GND端子、CC(Configuration Channel)端子を有する第1コネクタと、給電装置からの電力が供給される電子機器に接続される第2コネクタと、を備えたUSBケーブルであって、給電装置に対して、USBケーブルを非接続状態から接続状態に切り替えて、給電装置のスリープ状態を解除するスイッチ部を備えることを特徴としており、このようなUSBケーブルが提供され、上述した問題を解決することができる。
このように構成することによって、USBケーブルの抜き差しを行わない場合であっても、容易にUSBケーブルを一時的に非接続状態とし、再度接続状態とすることができる。
従って、給電装置のスリープ状態を解除して、給電装置を給電状態とすることができる。
【0009】
又、本発明のUSBケーブルを構成するにあたり、スイッチ部は、少なくともCC端子又はGND端子のいずれか一方と、接地部との間に備えてあることが好ましい。
このように構成することにより、スイッチ部にかかる電力が、VBUS端子に供給される電力に依らず一定となるため、より安定して給電装置のスリープ状態を解除して、給電装置を給電状態とすることができる。
【0010】
又、本発明のUSBケーブルを構成するにあたり、スイッチ部は、CC端子と接地部との間に所定のプルダウン抵抗を有することが好ましい。
このように構成することにより、CC端子に対して給電装置を制御するための信号を送信する回路を有していない場合であっても使用できるため、USBケーブルの汎用性を向上できる。
【0011】
又、本発明のUSBケーブルを構成するにあたり、スイッチ部は、給電装置に対して、USBの急速充電規格に基づき、所定電力を供給させる給電条件生成回路を有していることが好ましい。
このように構成することにより、給電装置に対して急速充電規格の電力を出力させることができるため、USBケーブルの汎用性をより向上させることができる。
【0012】
又、本発明のUSBケーブルを構成するにあたり、スイッチ部は、少なくとも二つの異なる抵抗値に切り替える可変抵抗部を有していることが好ましい。
このように構成することにより、給電装置の仕様に合わせて、二つの抵抗値(合成抵抗値)を切り替えることができ、間接的に、CC端子の電位を所望範囲に制御して、USBケーブルの接続状態と、非接続状態とを、より容易かつ精度良く、変更することができる。
よって、USBケーブルの接続状態と、非接続状態とを切り替える際の、測定誤差による誤検知や、過電流による故障等を、更に効果的に防ぐことができる。
【0013】
又、本発明のUSBケーブルを構成するにあたり、スイッチ部は、給電装置を第1給電装置とした場合に、当該第1給電装置とは異なる、スイッチ部に対して電力を供給する第2給電装置を備えることが好ましい。
このように構成することにより、第1給電装置が給電状態か非給電状態かに依らず、安定的にスイッチ部を駆動させることができ、ひいては、更に容易に給電装置のスリープ状態を解除して、給電装置を給電状態とすることができる。
【0014】
本発明のUSBケーブルを構成するにあたり、スイッチ部を切り替える駆動部を有することが好ましい。
このように構成することにより、スイッチ部の操作を高機能化させることができ、例えば、無線通信などによって、離れた位置であっても、スイッチ部を駆動させることができる。
よって、更に容易に給電装置のスリープ状態を解除して、給電装置を給電状態とすることができる。
【0015】
本発明のUSBケーブルを構成するにあたり、スイッチ部は、給電装置のスリープ状態へ遷移する時間をT
S(秒)とし、前記スイッチ部をONの状態からOFFの状態にして再びONの状態とするまでの時間をT
0(秒)とした場合に、以下の関係式(1)を満たすことが好ましい。
【数1】
このように構成することにより、給電装置を効率的にスリープ状態として無駄な電力消費を防ぐことができる。
【0016】
本発明のUSBケーブルを構成するにあたり、VBUS端子と、電子機器との間に、少なくとも電流の逆流、又は、過電流を防ぐ保護部を備えることが好ましい。
このように構成することにより、電子機器に起電力が生じてしまう場合や電子機器が短絡してしまった場合に、給電装置への逆流や過電流を効果的に防ぐことができる。
従って、電力を供給する電子機器の種類に寄らず使用できるため、USBケーブルの汎用性をより向上させることができる。
【0017】
本発明の別の態様は、給電装置に接続される、少なくともVBUS端子、GND端子、CC端子を有する第1コネクタと、給電装置からの電力が供給される電子機器に接続される第2コネクタと、スイッチ部と、を備えたUSBケーブルを用いた給電装置の制御方法であって、下記工程(1)~(3)を含むことを特徴とする給電装置の制御方法である。
(1)第1コネクタを給電装置に接続するとともに、第2コネクタを電子機器に接続する工程
(2)スイッチ部をOFFの状態にして、USBケーブルを非接続状態とし、給電装置をスリープ状態とする工程
(3)スイッチ部をONの状態に切り替えて、USBケーブルを接続状態とし、給電装置のスリープ状態を解除する工程
このように実施することにより、USBケーブルの抜き差しを行わない場合であっても、容易にUSBケーブルを一時的に非接続状態とし、再度接続状態とすることができる。
従って、容易かつ安定的に、給電装置のスリープ状態を解除して、給電装置を給電状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明のUSBケーブルの概要と、給電装置、及び電子機器との関係性を説明するために供するブロック図である。
【
図2】
図2(a)~(b)は、本発明のUSBケーブルにおける形状の一例を説明するために供する斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の構成例1のUSBケーブルを説明するために供するブロック図である。
【
図4】
図4(a)~(b)は、本発明の構成例1のUSBケーブルのより具体的な構成を説明するために供するブロック図である。
【
図5】
図5(a)~(c)は、本発明の構成例2~4のUSBケーブルを説明するために供するブロック図である。
【
図6】
図6は、本発明の構成例5のUSBケーブルを説明するために供するブロック図である。
【
図7】
図7は、本発明の構成例6のUSBケーブルを説明するために供するブロック図である。
【
図8】
図8は、本発明のその他の構成のUSBケーブルを説明するために供するブロック図である。
【
図9】
図9(a)~(b)は、本発明の可変抵抗部を有するUSBケーブルを説明するために供するブロック図である。
【
図10】
図10は、本発明のUSBケーブルの動作の一例を説明するために供するフローチャート図である。
【
図11】
図11(a)は、本発明のUSBケーブルの動作の一例を説明するためのタイミングチャート図であり、
図11(b)は、給電装置からの電力供給を停止することができる従来のUSBケーブルの動作の一例を説明するためのタイミングチャート図である。
【
図12】
図12は、従来のUSBケーブルとしてのUSBケーブルを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
又、説明に用いる各図において、同一の構成成分については、同一の符号を付して示し、その説明を省略する場合もある。
そして、説明に用いる各図は、これらの発明を理解できる程度に概略的に示したものであり、説明中で述べる使用装置、形状、寸法、材質等は、この発明の範囲内の好適例にすぎない。従って、本発明は、以下の実施形態のみに、特に理由なく限定されるものではない。
【0020】
[第1の実施形態]
第1の実施形態のUSBケーブルは、
図1に例示されるように、給電装置100に接続される、少なくともVBUS端子11a、GND端子11b、CC端子11cを有する第1コネクタ11と、給電装置100からの電力が供給される電子機器200に接続される第2コネクタと、を備えたUSBケーブル10であって、給電装置100をスリープ状態とした場合に、USBケーブル10を非接続状態から接続状態に切り替えて、給電装置100のスリープ状態を解除するスイッチ部18を備えることを特徴としている。
以下、第1の実施形態のUSBケーブルにつき、当該USBケーブルに接続される給電装置及び電子機器を含めた各構成成分に分け、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
なお、本発明のUSBケーブルには、かかるUSBケーブルと同様の機能を発揮するケーブル型の回路構成(
図2(a)参照)、同じく回路基板(
図2(b)参照)、同じく電子機器の組み込み回路モジュール(図示せず)等、給電装置から電子機器に電力を供給する回路構成についても含むものとする。
【0021】
1.給電装置
給電装置は、USBケーブルの第1コネクタに接続する装置であって、USBケーブルを介し、後述の電子機器に対して所定の電力を出力する装置である。
又、給電装置の電力供給がない場合に、給電装置の電源をOFFとして、スリープ状態とすることが好ましい。
この理由は、給電装置の電力消費を抑えて、電力供給時間を効果的に長くすることができるためである。
【0022】
又、給電装置は、USB Type-C規格に適合した3.6~48Vの充電機能を有していることが好ましい。
具体的には、給電装置は、特に図示しないものの、CC端子の電位を測定する電圧検知部と、CC端子にかかる電位を制御するプルアップ抵抗と、供給する電力を制御する供給制御部とを有していることが好ましい。
【0023】
又、給電装置としては、交流の100Vコンセントに接続して使用するACアダプタ、リチウム電池や窒化ガリウム電池等を用いたポータブルバッテリ、自動車用バッテリ、燃料電池、太陽光や風力等の発電装置等であることが好ましい。
この理由は、このような給電装置であれば、後述の給電条件生成回路からの給電条件情報を好適に受け取って、当該給電条件情報に基づいて、所定電力を出力することができ、電子機器の動作不良をより効果的に防止することができるためである。
【0024】
又、スリープ状態とは、給電装置がVBUS端子に対して供給する電流が、一定時間以上予め設定された基準値を下回った場合に、給電装置の電力供給がないと認識し、電装置からの電力供給を停止する状態である。
具体的には、電流が基準値を下回って、給電装置がスリープ状態となる時間としては、1~300秒の範囲内の値であることが好ましい。
この理由は、このような時間であれば、より効果的に給電装置の電力消費を抑えて、電力供給時間を効果的に長くすることができるためである。
従って、スリープ状態となる時間としては、5~60秒の範囲内の値であることがより好ましく、10~30秒の範囲内の値であることが更に好ましい。
【0025】
又、スリープ状態となる電流の基準値としては、1~500mAの範囲内の値であることが好ましい。
この理由は、このような電流であれば、より効果的に電力供給の停止状態を判断でき、電力供給時間を効果的に長くすることができるためである。
従って、スリープ状態となる電流の基準値としては、10~300mAの範囲内の値であることがより好ましく、50~150mAの範囲内の値であることが更に好ましい。
【0026】
又、給電装置は、CC端子の電位を測定して、USBケーブルの接続を認識するとともに、USBケーブルが抜かれて、再度挿し直された場合の電位変化によって、スリープ状態を解除する構成であることが好ましい。
すなわち、給電装置の電圧検知部が、CC端子の電位を測定することで、CC端子が所定の抵抗値を有する回路要素を介して接地部(グランド電位であるUSBケーブルの内部端子)に接続されたことを間接的に検知した場合に、USBケーブルの接続状態と判断することが好ましい。
この理由は、このような構成とすることにより、より容易に、USBケーブルの接続状態と、非接続状態とを検知して、より迅速にスリープ状態を解除することができるためである。
【0027】
具体的には、電圧検知部によって、給電装置、及びUSBケーブルが、接続状態であるとして認識する、CC端子と、接地部との間の抵抗値(以降、接続抵抗値と称する場合がある。)としては、1.2kΩ以上とすることが好ましい。
この理由は、このような抵抗値とすることにより、電圧検知部によって測定される電位が安定し、測定誤差等による誤検知を、より効果的に防ぐことができるためである。
一方、抵抗値が過度に高い場合には、CC端子の電位変化が過度に小さくなり、測定誤差の影響を受けやすいことから、接続抵抗値を2~10kΩの範囲内の値とすることがより好ましく、3~6kΩの範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0028】
これに対して、電圧検知部によって、給電装置、及びUSBケーブルが、非接続状態であるとして認識する態様としては、CC端子を開放端とするか、又はGND端子を接地部から切断することが好ましい。
この理由は、後述のスイッチ部によって、容易に給電装置のスリープ状態を解除でき、より簡易な構成であっても、給電装置を給電状態とすることができるためである。
【0029】
又、電圧検知部によって、給電装置、及びUSBケーブルが非接続状態(電子機器を接続していない状態のUSBケーブルを、給電装置と接続した場合も含む。)であるとして認識する別の態様としては、CC端子と、接地部との間の抵抗値(以降、非接続抵抗値と称する場合がある。)を、1.2kΩ未満とすることが好ましい。
この理由は、このような抵抗値とすることにより、電圧検知部における、測定誤差による誤検知や、過電流による故障等をより効果的に防ぐことができるためである。
一方、抵抗値が過度に小さい場合には、CC端子の電位変化が過度に大きくなり、故障等の原因になりやすいことから、0.5~1.18kΩの範囲内の値とすることがより好ましく、0.8~1.15kΩの範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0030】
又、電圧検知部の具体的構成としては、電圧計IC、電力計IC等であることが好ましい。
この理由は、このような構成であれば、後述のスイッチ部によって、より容易に給電装置のスリープ状態を解除して、給電装置の給電状態とすることができるためである。
【0031】
2.電子機器
電子機器は、USBケーブルの第2コネクタに接続して、給電装置から出力された所定電力を受けて駆動する機器である。
具体的には、ファン(サーキュレータ含む)、換気扇、ヒーター、クーラー、掃除機、冷蔵庫、温蔵庫、ノートPC、ライト、ディスプレイ、ラジオ、テレビ、超音波発信機、金属探知機、魚群探知機、携帯ゲーム機、通信用モデム、映像ディスクプレーヤー、ICレコーダー、測定器、レーザー発振器等であることが好ましい。
この理由は、このような電子機器であれば、Type-Cケーブルによって、より容易に駆動させることができるためである。
又、電子機器の駆動電力としては、2.5~240Wの範囲内の値であることが好ましい。
この理由は、このような消費電力であれば、Type-Cケーブルの許容電力の範囲内で駆動することができ、追加の昇圧回路などが必要なくなるため、アダプタ全体を小型化することが容易になるためである。
従って、駆動する電子機器の消費電力が5~150Wの範囲内の値であることがより好ましく、10~100Wの範囲内の値であることが更に好ましい。
【0032】
3.第1コネクタ
第1コネクタは、少なくともVBUS端子、GND端子、CC端子を有し、給電装置の開口部に接続するためのコネクタである。
具体的には、Type-C規格のプラグ又はレセプタクルであることが好ましい。
この理由は、変換コネクタ等を用いることなく給電装置に接続でき、USBケーブル全体を小型化することが容易になるためである。
【0033】
4.第2コネクタ
第2コネクタは、給電装置から出力された電力を送る電力線を電子機器に接続するためのコネクタである。
具体的には、DC丸形プラグ、DC丸形ジャック、DC角型プラグ、DC角型ジャック、シガープラグ、シガージャック、オーディオステレオプラグ、オーディオステレオジャック、基板接続プラグ、基板接続ジャック等、の少なくとも一つを用いることが好ましい。
この理由は、このようなコネクタであれば、少なくとも直流の電力供給に必要な端子を有しており、追加の端子を配置する必要がなくなり、USBケーブル全体を小型化することが容易になるためである。
【0034】
5.スイッチ部
(1)基本構成
スイッチ部は、ON状態と、OFF状態とを切り替えることによって、給電装置に対するUSBケーブルの状態を電気的な接続状態と、非接続状態とで相互に切り替える部位であって、給電装置のスリープ状態を解除する部位である。
具体的には、スイッチ部をOFF状態にして、CC端子の電位を基準電位から外れた値とし、再度スイッチをON状態にして、CC端子の電位を基準電位に戻す部位である。
ここで、基準電位は、給電装置の仕様等によって異なるものの、GND端子をグランド電位とし、CC端子を、接続抵抗値の範囲内である抵抗(ICの場合には相当する内部抵抗)を介して接地部に接続した場合の電位とすることが好ましい。
この理由は、このような基準電位とすることで、より容易に、Type-Cケーブルの規格に沿ったUSBケーブルとすることができるためである。
【0035】
又、スイッチ部は、第1コネクタが給電装置から抜かれた状態の場合には、OFF状態となる構成であることが好ましい。
この理由は、スイッチ部がON状態のまま給電装置と電子機器を接続して、意図せず電力供給がされてしまうことを効果的に防ぐことができるためである。
【0036】
又、スイッチ部の配置に関し、当該スイッチ部が、少なくともCC端子又はGND端子のいずれか一方と、接地部との間に備えてあることが好ましい。
この理由は、このような配置とすることで、スイッチ部を操作することにより、CC端子の電位を間接的に変化させて、より容易に、USBケーブルの接続状態と、非接続状態とを切り替えることができるためである。
ここで、
図1に示すように、CC端子11cに接続されたスイッチ部18を第1スイッチ部18aとし、GND端子11bに接続されたスイッチ部18を第2スイッチ部18bと称する場合がある。
更に、スイッチ部としては、CC端子と接地部との間に、後述の給電条件生成回路を設けて、当該給電条件生成回路の電力を供給する電力線に切替器を設けてある場合も第1スイッチ部と称する場合がある。
このように構成することで、間接的に給電条件生成回路を遮断して、CC端子と接地部との間にスイッチ部を配置した場合と同様の作用をさせることができるためである。
【0037】
又、スイッチ部は、給電装置を第1給電装置とした場合に、当該第1給電装置とは異なる、スイッチ部に対して電力を供給する第2給電装置を設けてあることが好ましい。
具体的には、スイッチ部は、第2給電装置として、リチウムイオン電池、アルカリボタン電池、アルカリ乾電池、ソーラーパネル、圧電素子等を有していることが好ましい。
この理由は、スイッチ部を駆動するための電力を給電装置から受けている場合等、給電装置と独立して電力を供給できる電源として使用することができるためである。
【0038】
又、スイッチ部は、切り替えを制御するための駆動部を有していることが好ましい。
具体的には、駆動部は、後述のスイッチ部の駆動を制御するための制御装置であって、マイコン、PLC、電磁リレー等によって構成されていることが好ましい。
更に、駆動部は、当該駆動部に取り付けられた温度センサ、電流センサ、電圧センサ、無線通信用IC等から出力される信号に基づいて駆動させることが好ましい。
この理由は、スイッチと操作部とが離れている場合であっても、センサや無線通信用IC等の信号をトリガとすることができ、スイッチの配置の自由度が向上するためである。
【0039】
又、スイッチ部は、CC端子又はGND端子を接地部に対して遮断するための切替器と、USBケーブルの接続を給電装置に対して認識させるための回路要素とを有していることが好ましい。
この理由は、このように構成することで、スイッチ部や回路要素を、給電装置や電子機器の種類に合わせて換えることができ、USBケーブルの汎用性をより高めることができるためである。
【0040】
更に、スイッチ部は、給電装置がスリープ状態か否かを外部に表示すための表示部を有していることが好ましい。
具体的には、液晶パネル、有機パネル、LEDライト、電子ペーパー等であることが好ましい。
この理由は、このように構成することで、給電装置の電力供給状態を明確にして、スイッチの消し忘れ等を有効に防ぐことができるためである。
【0041】
(2)切替器
切替器の種類は、有接点スイッチ又は無接点スイッチを用いることが好ましい。
より具体的には、有接点スイッチとしては、ロッカスイッチ、プッシュスイッチ、タクタイルスイッチ、スライドスイッチ、ロータリースイッチ、トグルスイッチ、電磁リレースイッチ、ジャックスイッチ等であることが好ましい。
又、無接点スイッチとしては、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタであるMOSFET(Мetal-oxide-semiconductor field-effect transistor)スイッチ、ソリッドステートスイッチ等であることが好ましい。
この理由は、このような種類のスイッチであれば入手や組み立てが容易であり、大量生産が容易であるためである。
【0042】
(3)回路要素
回路要素15は、給電装置100内のCC端子(以下、CC1端子又はCC2端子で限定されないもののCC1端子として説明する。)に接続されたプルアップ抵抗101と協働して、給電装置100に、USBケーブル10の接続及び又は給電条件を認識させる部位である。
すなわち、回路要素15における抵抗値を、接続抵抗値の範囲内とすることが好ましい。
以下、回路要素15の具体例について、
図3、及び
図4(a)~(b)を参照して説明する。
【0043】
(3)-1 USB Type―Cで規定されるプルダウン抵抗
USB Type-C規格では、給電装置に接続される電子機器やケーブルのCC端子に、プルダウン抵抗を実装する仕様になっている。
図3に示すように、USBケーブル10では、CC1端子と接地部との間に、スイッチ部18(第1スイッチ部18a)として、切替器17と、回路要素15であるプルダウン抵抗との直列回路を設けてある。
従って、スイッチ部18の切替器17をON又はOFFすることによって、プルダウン抵抗をCC1端子に接続又は非接続状態に切り換えて、給電装置100に対しUSBケーブル10を抜き差しせずとも、USBケーブル10を抜き差しした状態とすることができるので、本発明の効果を得ることができる。
【0044】
(3)-2 給電条件生成回路
給電条件生成回路は、給電装置に対して、急速充電規格であるUSB PD(USB Power Delivery)規格で電力を供給するように指示するための信号を送信する回路である。
すなわち、給電装置100はCC端子から入力される給電条件を示す信号を受信して、この給電条件に対応する電力をVBUS端子に出力する。
具体的には、
図4(a)に示したように、USBケーブル10bは、USB PD規格に適合した給電条件を生成する給電条件生成回路(以降、PD制御部15b)を内蔵しており、希望する給電条件に応じた電気信号であるパルス列を、CC1端子を介して給電装置100に出力できる構成としてある。
より具体的には、PD制御部15bは、マイコンやエミュレータIC等によって構成してある。
但し、この形態のUSBケーブル10bでは、PD制御部15bの給電条件信号を出力する端子とCC1端子との間に、切替器17を含むスイッチ部18(第1スイッチ部18a)を設けてある。従って、切替器17を含むスイッチ部18をON又はOFFすることによって、PD制御部15bをCC1端子に接続状態又は非接続状態に、切り換えることができる。
そして、PD制御部15bとCC1端子とが非接続状態の場合、給電装置100は、USBケーブル10bが給電装置100に接続されていないと認識する。従って、給電装置100に対しUSBケーブル10bを抜き差しせずとも、USBケーブル10bを抜き差しした状態を形成できるので、本発明の効果を得ることができる。
【0045】
(3)-3 eM給電条件生成回路
ここで、USB PD規格のeMarker仕様では、給電装置に接続されるUSBケーブルにeMarkerチップを内蔵させてケーブル情報を給電装置に送信する仕様になっている。
かかるeMarkerチップを用いた回路は、本発明の回路要素として利用できる。
ここで、
図4(b)は、eMarkerチップを用いた給電条件生成回路であるeM給電条件生成回路15cを備えた実施形態のUSBケーブル10cを示したブロック図である。
給電装置100は、eM給電条件生成回路15cからCC1端及びCC2端子を経由して入力される給電条件、すなわちケーブル情報を認識して、この給電条件に対応する電力をVBUS端子に出力する。
但し、本発明のUSBケーブル10cでは、eM給電条件生成回路15cの給電条件信号を出力する端子とCC1端子(CC2端子でも良い)との間に、切替器17を含むスイッチ部18(第1スイッチ部18a)を設けてある。従って、切替器17を含むスイッチ部18をON及びOFFすることによって、eM給電条件生成回路15cをCC1端子に接続及び非接続状態に、切り換えることができる。
そして、eM給電条件生成回路15cとCC1端子とが非接続状態の場合、給電装置100は、USBケーブル10cが給電装置100に接続されていないと認識する。従って、給電装置100に対しUSBケーブル10cを抜き差しせずとも、USBケーブル10cを抜き差しした状態を形成できるので、本発明の効果を得ることができる。
【0046】
(4)可変抵抗部
スイッチ部は、
図9(a)に示されるように、少なくとも二つの異なる抵抗値に切り替える可変抵抗部19aを有していることが好ましい。
具体的には、CC端子と、接地部との間に、接続抵抗値の範囲内の抵抗値を有する回路要素15と、当該回路要素15とは並列に、切替器17、及び抵抗16aとを設けてあり、回路要素15、及び抵抗16aの合成抵抗を、非接続抵抗値とする構成であることが好ましい。
すなわち、切替器17をOFFとした場合には、給電装置100と、USBケーブル10jとを接続状態にし、切替器17をONとした場合には、非接続状態にする構成であることが好ましい。
この理由は、このような構成とすることにより、給電装置の仕様に合わせて、二つの抵抗値を切り替えることができ、より容易に、USBケーブルの接続状態と、非接続状態とを変更することができるためである。
そして、測定誤差による誤検知や、過電流による故障等をより効果的に防ぐことができるためである。
【0047】
又、可変抵抗部の切替器として、ジャックスイッチ型の切替器を設けてあることが好ましい。
具体的には、
図9(b)に示されるように、第2コネクタ13、及び電子機器200が非接続状態の場合に、CC端子と、接地部とを接続状態(所謂、ノーマルクローズ状態)とし、第2コネクタ13、及び電子機器200が非接続状態の場合に、CC端子と、接地部とを非接続状態とする可変抵抗部19aを有することが好ましい。
すなわち、切替器17aは、第2コネクタ13を、電子機器200に接続した場合に、電子機器200に設けられた突起部202によって、GND端子の先端が押し上げられて、GND端子と、CC端子とが非接触となる構成であることが好ましい。
この理由は、このような構成とすることにより、第2コネクタの差し込みにより、給電装置、及びUSBケーブル10kの接続状態と、非接続状態とを、より容易に切り替えることができるためである。
なお、ここでは第1スイッチ部18aとして、可変抵抗部19aを単体で用いているが、別の態様として、複数のスイッチ部18を併用することも好ましい。
【0048】
又、特に図示しないものの、給電装置について、給電装置Aと、給電装置Bとの、少なくとも二つの給電装置を並列に接続するとともに、給電装置Aによる電力供給が停止した場合に、給電装置Bによる電力供給を行う構成とすることが好ましい。
具体的には、給電装置Bに可変抵抗部を設けるとともに、かかる可変抵抗部におけるCC端子と、接地部とをノーマルクローズ状態としておき、給電装置Aからの電力がなくなった場合に、CC端子と、接地部とが非接続状態となって、給電装置Bから電力を供給する構成とすることが好ましい。
この理由は、このような構成とすることにより、例えば、通常時にAC電源で供給しておき、停電等の非常時において、ポータブルバッテリによる電力供給に、迅速に切り替えることができるためである。
従って、給電装置Aは、通常時、電子機器に電力を供給するとともに、給電装置Bを充電する構成であることが更に好ましい。
【0049】
6.保護部
特に図示しないものの、VBUS端子と電子機器との間に、少なくとも電流の逆流、又は、過電流を防ぐ保護部を備えることが好ましい。
この理由は、電子機器がファン等である場合には、スイッチ部をOFFとした後であっても、惰性によってファンが回転を継続し、起電力を生ずる場合があり、このような場合に電子機器から給電装置に対して電流が逆流する場合があるためである。
又、第2コネクタのVBUS端子と第2コネクタのGND端子とがショートしてしまった場合等に給電装置から過電流が流れる場合があるためである。
すなわち、USBケーブルの電力線に保護部を備えることによって、効果的にUSBケーブルの破損を防ぎ、更には給電装置の破損を防ぐことができるためである。
具体的には、PTCサーミスタやダイオード等であることが好ましい。
【0050】
7.動作
次に、これまで説明した本発明のUSBケーブルの動作を、
図10のフローチャート及び
図11のタイミングチャートをもとに説明する。
なお、
図11のタイミングチャートにおいては、本発明のUSBケーブルの動作と、電力線に設けられたスイッチ部を有する従来のUSBケーブルの動作を比較する。
【0051】
(1)フローチャート1
図10は、本発明のUSBケーブルの動作のフローチャートを示している。
具体的には、初期状態で、給電装置がスリープ状態となっており、USBケーブルのスイッチ部がONとなっている場合のフローチャートを考える。
まず、ステップS1において、本発明のUSBケーブルの第1コネクタを、給電装置に接続し、USBケーブルの第2コネクタを、電子機器に接続する。このとき、USBケーブルが接続状態となり、一旦給電装置のスリープ状態が解除される。
次いで、ステップS2において、USBケーブルのスイッチ部をOFFの状態とし、その直後となるステップS3において、USBケーブルを非接続状態にする。
次いで、ステップS4において、USBケーブルが非接続状態となってから、給電装置がスリープ状態へ遷移する時間T
S(秒)が経過した後、給電装置をスリープ状態とする。
次いで、ステップS5において、USBケーブルのスイッチ部をONの状態にし、その直後となるステップS6において、USBケーブルを接続状態にする。
次いで、ステップS6の直後となるステップS7において、給電装置がUSBケーブルとの接続状態を検知し、給電装置のスリープ状態が解除され、給電が再開されることとなる。
上述のステップS1~S7を経ることで、本発明のUSBケーブルは、物理的にケーブルの抜き差しを必要せずに、給電装置の非給電状態と給電状態とを制御することができる。
【0052】
(2)フローチャート2
又、特に図示をしないものの、初期状態で、給電装置がスリープ状態となっており、USBケーブルのスイッチ部がOFFとなっている場合のフローチャートを考える。
まず、フローチャート1と同様に、ステップS1において、本発明のUSBケーブルの第1コネクタを、給電装置に接続し、USBケーブルの第2コネクタを、電子機器に接続する。
次いで、ステップS2~ステップS4を省略して、ステップS5において、USBケーブルのスイッチ部をONの状態にし、その直後となるステップS6において、USBケーブルを接続状態にする。
次いで、ステップS6の直後となるステップS7において、給電装置がUSBケーブルとの接続状態を検知し、給電装置のスリープ状態が解除され、給電が再開されることとなる。
なお、無接点スイッチを用いた場合には、このフローチャートとなる。
【0053】
(3)タイミングチャート
上述の
図10のフローチャートの説明における本発明のUSBケーブルの動作の特徴を、
図11(a)~(b)を用いて更に説明する。
すなわち、
図11(a)は、本発明のUSBケーブルの動作のタイミングチャートを示しており、
図11(b)は、従来のUSBケーブルの動作のタイミングチャートを示している。
そして、かかる
図11(a)~(b)から、双方のUSBケーブルともに、スイッチ部をONの状態からOFFの状態にして、再びONの状態とするまでの時間T
0(秒)がT
1(t1~t2の間)であり、T
1<T
Sである場合には、スイッチ部をOFFの状態からONの状態にすると、給電を再開できることが理解される。
一方、時間T
0(秒)がT
2(t3~t4の間)であり、T
2≧T
Sである場合には、従来のUSBケーブルでは、一度スリープ状態となると、制御部への電力給電を給電装置から行っている構成上、スイッチ部をOFFの状態からONの状態にしても、CC端子に、所定の電位変化を生じさせることができない。
すなわち、従来のUSBケーブルは、給電装置のスリープ状態の解除、ひいては、給電を再開できないことから、給電を再開するために、一旦、給電装置から取り外して、再度差し直す必要がある。
それに対して、本発明のUSBケーブルであれば、スイッチ部をOFFの状態からONの状態にすることにより、CC端子に対し、効果的に所定の電位変化を生じさせ、給電装置のスリープ状態を解除して給電を再開することができる。
従って、電子機器の電源を頻繁にON、OFFして、給電装置がスリープ状態になってしまうような場合であっても、スイッチ部を操作することで、より迅速に給電を再開できる点で有利である。
【0054】
8.構成例
(1)構成例1
図3に示すように、本発明の構成例1のUSBケーブルは、Type-Cの給電装置100に接続される第1コネクタ11と、給電装置100からの電力を使用する電子機器200に接続される第2コネクタ13と、を備える例である。
具体的には、第1コネクタ11のCC端子(図示例ではCC1端子)に接続されていて、給電装置100内のプルアップ抵抗101と協働して、給電装置100に、USBケーブル10の接続及び又は給電条件を認識させる回路要素15と、回路要素15とCC端子とを接続又は非接続にする切替器17を含む第1スイッチ部18aと、を備えている。
【0055】
ここで、本発明のUSBケーブルの外観形状は任意であるが、USBケーブルの外観形状の態様例を、
図2(a)~(b)に示す。
図2(a)に示したUSBケーブル10´は、ケーブル型の態様例であって、樹脂及び又は金属製の略直方体状の本体10xの上面に、配線をON及びOFFできるスライド式等のスイッチ部18´を設けてあり、本体10xの内部に回路要素(図示せず)を設けてある。
そして、本体10xから2方向に所定のケーブル10y、10zが出ていて、ケーブル10yの先端に第1コネクタ11´を、ケーブル10zの先端に第2コネクタ13´をそれぞれ設けてある構成である。
従って、本体10xの形状は、
図2(a)に記載された態様より、更に長尺な直方体状、立方体状、円柱状、円盤状、板状等、あるいは、それ以外の任意態様でも良い。
すなわち、
図2(a)に示した態様を基本とし、各種用途や機能に対応させて態様を更に変更しつつ、給電装置に対しUSBケーブルを抜き差しせずとも、本発明の効果を得ることができる。
なお、本体10xの形状・構造・材質やスイッチ部18´の形状・構造は、
図2(a)の例に限られない。
【0056】
又、
図2(b)に示したUSBケーブル10´´は、回路基板型の態様例であって、樹脂製の回路基板10w上に、第1コネクタ11´´、第2コネクタ13´´、及びスイッチ部18´´等の回路素子が、それぞれ設けてある構成である。
このように回路基板型の態様例であれば、公知の半導体素子、電子素子、表示素子、計測素子、発振回路等の各種素子を容易に搭載しつつ、耐半田層を設けて、リフロー実装等が極めて容易になり、汎用性や製造効率を高めることができる。
すなわち、
図2(b)に示した回路基板型の態様を基本とし、各種用途や機能に対応させて態様を更に変更しつつ、本発明の効果を得ることができる。
なお、特に図示しないものの、第1コネクタ、第2コネクタ、スイッチ部等の各種素子の配置は、基板上に固定されている態様に限定されず、配線等によって基板外に引き出されて構成されている態様も含んでいる。
【0057】
(2)構成例2
図5(a)に示したように、構成例2のUSBケーブル10dは、USB Type―Cの給電装置100に接続される第1コネクタ11と、給電装置100からの電力を使用する電子機器200に接続される第2コネクタ13と、を備えている。
そして、第1コネクタ11のCC端子に接続されていて、USB PDで規定される給電条件を出力するPD制御部15bと、第1コネクタ11のGND端子を接地部に対して接続又は非接続にする切替器17を含むスイッチ部18(第2スイッチ部18b)と、を備えた例である。
よって、スイッチ部18をON又はOFFすることによって、第1コネクタ11のGND端子を接地部に対して接続又は非接続にできる。
このとき、第1コネクタ11のGND端子が接地部に対して非接続状態であると、PD制御部15bは動作しないので、CC1端子に所定の信号は出力されないから、給電装置100は、コネクタにUSBケーブル10dが接続されていないと認識する。
従って、給電装置100に対しUSBケーブル10dを抜き差しせずとも、USBケーブル10dを抜き差しした状態を形成できるので、本発明の効果を得ることができる。
【0058】
(3)構成例3
図5(b)に示したように、構成例3のUSBケーブル10eは、USB Type―Cの給電装置100に接続される第1コネクタ11と、給電装置100からの電力を使用する電子機器200に接続される第2コネクタ13と、を備えている。
そして、第1コネクタ11のCC端子に接続されていて、USB Type―Cで規定されるプルダウン抵抗15aと、第1コネクタ11のD+端子及びD-端子に接続されていてUSB QCで規定される給電条件を出力する給電条件生成回路(以下、QC制御部15dと略称することもある)と、第1コネクタ11のGND端子を接地部に対して接続又は非接続にする切替器17を含むスイッチ部18(第2スイッチ部18b)と、を備えた例である。
なお、構成例3においては、プルダウン抵抗の抵抗値を、接続抵抗値の範囲内である5.1kΩとしてある。
【0059】
ここで、USB QC規格で規定される給電仕様では、D+端子及びD-端子に、所定電圧及び所定期間で構成されるパルス列を供給することによって、給電装置100は、そのパルス列に対応する給電条件で給電をする。更に、複数種の給電条件に対応するパルス列すなわち給電条件が定められている。
そして、QC制御部15dは、このパルス列をD+端子、D-端子に出力する。
具体的には、
図5(b)の構成例3の回路では、QC制御部15dは、VBUS端子に出力される電圧を所定電圧に定電圧化するレギュレータIC31と、マイコン33と、抵抗ラダーで構成した分圧回路35とを備えていて、D+端子、D-端子に、所定電圧及び所定期間で構成されるパルス列を出力する。
【0060】
よって、第1コネクタのGND端子が接地部に対して非接続状態であると、QC制御部15dは動作せず、CC1端子に所定の電位がかからなくなるため、給電装置100は、コネクタにUSBケーブル10eが接続されていないと認識する。
従って、給電装置100に対しUSBケーブル10eを抜き差しせずとも、USBケーブル10eを抜き差しした状態を形成できるので、本発明の効果を得ることができる。
【0061】
(4)構成例4
図5(c)に示したように、構成例4のUSBケーブル10fは、USB Type―Cの給電装置100に接続される第1コネクタ11と、給電装置100からの電力を使用する電子機器に接続される第2コネクタ13と、を備えている。
そして、第1コネクタ11のCC1端子及びCC2端子に接続されていて、USB eMarkerで規定される給電条件を出力する給電条件生成回路(eM給電条件生成回路15c)と、第1コネクタ11のGND端子を接地部に対して接続又は非接続にする切替器17を有するスイッチ部18(第2スイッチ部18b)と、を備えた例である。
すなわち、切替器17を有するスイッチ部18をON又はOFFすることによって、第1コネクタ11のGND端子を接地部に対して接続又は非接続にできる。このような構成とすることにより、eM給電条件生成回路15cは動作しないので、CC1端子に所定の信号は出力されないから、給電装置100は、コネクタにUSBケーブル10fが接続されていないと認識する。従って、給電装置100に対しUSBケーブル10fを抜き差しせずとも、USBケーブル10fを抜き差しした状態を形成できるので、本発明の効果を得ることができる。
【0062】
(5)構成例5及び構成例6
構成例5及び構成例6は、構成例2及び構成例4の変形例に相当するもので、
図6及び
図7に示すように、給電条件生成回路のGNDと第1コネクタのGNDとの間にスイッチ部を設ける代わりに、各給電条件生成回路の電力供給線中に、電源と当該給電条件生成回路とを接続又は非接続にするスイッチ部を備えた例である。
【0063】
具体的には、
図6に示したように、構成例5のUSBケーブル10gは、既に説明したPD制御部15bと、その電源に相当するVBUS端子との線中に、切替器17を有するスイッチ部18(第1スイッチ部18a)を設けた例である。
構成例6のUSBケーブル70は、
図7に示したように、既に説明したeM給電条件生成回路15cと、その電源に相当するVBUS端子との線中に、切替器17を有するスイッチ部18(第1スイッチ部18a)を設けたことを特徴とするものである。
【0064】
図6及び
図7に示すように、USBケーブル10g、USBケーブル10hのいずれの場合も、切替器17を有するスイッチ部18をOFFすると、各々に内蔵してある給電条件生成回路に電源が接続されないので、給電条件生成回路が動作しないため、給電装置100は、コネクタにUSBケーブルが接続されていないと認識する。
従って、給電装置100に対しUSBケーブルを抜き差しせずとも、USBケーブルを抜き差しした状態を形成できるので、本発明の効果を得ることができる。
なお、構成例5及び構成例6のような態様の場合、給電装置がスリープ状態になっても、給電条件生成回路に電力を供給できるように、第2給電装置を設けてあることが好ましい。
【0065】
(6)その他の構成例
本発明は、USBケーブル中にウェイクアップ回路を設けたものにも、適用できる。
図8(a)は、その一例を示した図であり、構成例1のUSBケーブル10bにウェイクアップ回路80を設けた例を示した図である。
ウェイクアップ回路80は、USBケーブル10内であって、VBUS端子とGND端子との間に設けてあり、スイッチング回路81と、マイコン83で構成してある。マイコン83は所定周期でスイッチング回路81に駆動パルスを出力する。
かかるスイッチング回路81は、この駆動パルスに応じて所定時間ON状態になるので、VBUS端子からGND端子に所定電流が流れる。
すなわち、この所定電流は、給電装置100がスリープ状態に入る閾値電流より大きい電流にしてあるので、スリープ状態になるのを効果的に防止することができる。
一方、かかる構成例のUSBケーブルは、意図せずに給電装置が停止したり、スイッチ部を意図的にOFFとして、給電装置がスリープ状態となっても、スイッチ部の操作によって、USBケーブルを抜き差しすることなく、より迅速にスリープ状態を解除して、給電を再開することができる。
【0066】
又、かかるウェイクアップ回路は、USBケーブルに内蔵されている構成であっても良いが、電力線に対して、並列に着脱できるカートリッジ型とすることも好ましい。
この理由は、ウェイクアップ回路を、給電装置や、電子機器等の仕様に合わせて、構成を変更することが、より容易にできるためである。
【0067】
又、本発明のUSBケーブルでは、スイッチ部のON又はOFFを、別途に設けたセンサが検出した信号に応じて行う構成とすることも好ましい。
図8(b)はその一例を示した図であって、構成例1のUSBケーブル10の切替器17を有するスイッチ部18(第1スイッチ部18a)のON又はOFFを、別途に設けたセンサ90が検出する信号Sに応じて行う例である。センサ90としては、目的に応じた種々のものとすることができる。
すなわち、給電装置100の給電及び非給電の切換を、外部から行えるとともに、電子機器200の定格とは関係のない回路要素15のみの制御で、行うことができる。
従って、電子機器200の定格電圧によらず、回路要素15の制御のみに必要な、供給電力に対して比較的小さい電流で、給電装置100の給電及び非給電の切換を行うことができる。
【0068】
[第2の実施形態]
第2の実施形態の給電装置の制御方法は、給電装置に接続される、少なくともVBUS端子、GND端子、CC端子を有する第1コネクタと、給電装置からの電力が供給される電子機器に接続される第2コネクタと、を備えた給電装置の制御方法であって、下記工程(1)~(3)を含むことを特徴としている。
(1)第1コネクタを給電装置に接続するとともに、第2コネクタを電子機器に接続する工程
(2)スイッチ部をOFFにして、USBケーブルを非接続状態とし、給電装置をスリープ状態とする工程
(3)スイッチ部をONに切り替えて、USBケーブルを接続状態とし、給電装置のスリープ状態を解除する工程
【0069】
1.工程(1)
工程(1)は、第1コネクタと第2コネクタとを、それぞれ給電装置と電子機器に接続する工程である。
具体的には、給電装置のVBUS端子及びGND端子を電子機器のVBUS端子及びGND端子に対して、それぞれ接続する工程である。
このとき、USBケーブルのスイッチ部は、ONの状態又はOFFの状態のいずれの場合であってもよいが、OFFの状態で接続することが好ましい。
この理由は、ケーブルのスイッチ部をOFFの状態で接続することで、接続時に給電装置から電子機器に対して、意図せず電力を供給してしまうことを効果的に防ぐことができるためである。
【0070】
2.工程(2)
工程(2)は、給電装置をスリープ状態とする工程である。
具体的には、給電装置と電子機器とをUSBケーブルによって接続した状態、かつ、スイッチ部がOFFの状態で、給電装置のスリープ状態へ遷移する時間T
S(秒)以上経過させる工程である。
すなわち、給電装置に対してUSBケーブルを非接続状態とすることで、給電装置にUSBケーブルが挿入されていないと認識させ、その状態を所定時間以上維持することで、容易にスリープ状態とすることができる。
このとき、スイッチ部をONの状態からOFFの状態にして再びONの状態とするまでの時間をT
0とした場合に、以下の関係式(1)を満たすようにスイッチ部を駆動することが好ましい。
【数2】
この理由は、給電装置を効率的にスリープ状態として無駄な電力消費を防ぐことができるためである。
従って、スイッチ部は、T
0≧2T
Sの関係式を満たすように駆動させることがより好ましく、T
0≧10T
Sの関係式を満たすように駆動させることが更に好ましい。
【0071】
3.工程(3)
工程(3)は、給電装置のスリープ状態を解除して、給電装置から電力を供給する工程である。
具体的には、給電装置と電子機器とをUSBケーブルによって接続した状態、かつ、給電装置がスリープ状態で、スイッチ部をONの状態とする工程である。
すなわち、給電装置に対してUSBケーブルを接続状態とすることで、給電装置にUSBケーブルが差されたと認識させ、容易にスリープ状態を解除し、電力供給を再開させることができる。
このとき、給電装置に設けられた電圧検知部がCC端子の所定の電位変化を検知し、給電制御部に対してスリープ状態を解除して電力供給を再開させる信号を送信することが好ましい。
この理由は、このように制御することで、より容易にスリープ状態を解除して、電力供給を再開させることができるためである。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明のUSBケーブルは、内部に設けたスイッチ部をON、OFFすることによって、CC端子の電位を所定変化させ、USBケーブルの接続状態と、非接続状態とを切り替える。
これによって、給電装置にUSBケーブルを抜き差しすることなく、抜き差ししたのと同様な状態を形成することができる。
例えば、給電装置内のプルアップ抵抗と協働して、USBケーブルの接続状態や、給電条件等を、給電装置に認識させる回路要素を設けるとともに、CC端子、又はGND端子と、接地部との間に設けたスイッチ部をON、OFFすることによって、このようなUSBケーブルを構成できる。
すなわち、本発明のUSBケーブルは、ケーブル型の回路構成に限られず、同様の機能を発揮する回路基板、電子機器の組み込み回路モジュール等、給電装置から電子機器に電力を供給する種々の回路構成の態様についても、適用することができる。
従って、任意に給電装置の給電停止又は給電再開を制御できるType-Cケーブルを実現できるため、USB規格及び急速充電規格の給電装置の利用価値を一層高めることができ、産業上の利用可能性が極めて高いものである。
【符号の説明】
【0073】
10、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10j、10k:USBケーブル、11:第1コネクタ、13:第2コネクタ、15:回路要素、15a:プルダウン抵抗、15b:PD制御部、15c:eM給電条件生成回路、15d:QC制御部、17:切替器、18:スイッチ部、18a:第1スイッチ部、18b:第2スイッチ部、19a:可変抵抗部、31:レギュレータIC、33:マイコン、35:分圧回路、80:ウェイクアップ回路、81:スイッチング回路、83:マイコン、90:センサ、100:給電装置、200:電子機器