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特許7384491充電台に対するロボットの衝突の防止方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】充電台に対するロボットの衝突の防止方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20231114BHJP
   B25J 19/06 20060101ALI20231114BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
G05D1/02 S
B25J19/06
A47L9/28 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022516166
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 CN2020110624
(87)【国際公開番号】W WO2021047378
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-05-10
(31)【優先権主張番号】201910860744.3
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520347351
【氏名又は名称】珠海一微半導体股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AMICRO SEMICONDUCTOR CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 2706,3000 Huandao East Road,Hengqin New District,Zhuhai,Guangdong 519000(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】李 永勇
【審査官】牧 初
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-520012(JP,A)
【文献】特開2016-045599(JP,A)
【文献】特開2016-045598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00- 1/12
B25J 1/00-21/02
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットは現在の作業エリアで移動する過程において、ロボットがその受信信号カバー範囲内における台回避信号の受信状況をリアルタイムに検出するステップであって、台回避信号はロボット充電専用の充電台からのものである第1ステップと、
ロボットが受信した台回避信号及びロボットの既定作業経路の方向特徴関係に基づき、現在の作業エリア内に安全エリアを確立する第2ステップと、
を含み、
安全エリアを確立する前に、ロボットが受信した台回避信号とロボットの現在の移動経路の方向との間の方位関係に基づき、ロボットの現在位置と衝突防止関係を満たす位置を標識して危険エリアを確立し、ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において充電台を回避させ
受信した台回避信号がロボットの現在の移動方向からずれる角度、及びロボットの予め計画された作業経路が初期点に対して延伸する作業方向に基づき、現在の作業エリア内に安全エリアを確立することを特徴とする、充電台に対するロボットの衝突の防止方法。
【請求項2】
前記安全エリアを確立する前に、前記ロボットがその真正面に前記台回避信号が存在することを検出した場合、前記ロボットの現在の移動方向において、前記ロボットの現在位置から前記ロボットの本体半径距離だけ離れた第1プリセット位置を、危険標識位置としてマーキングし、
同時に、前記ロボットの現在の移動方向に垂直な方向において、第1プリセット位置に隣接する第2プリセット位置及び第3プリセット位置を、前記危険標識位置としてマーキングし、第1プリセット位置と該第1プリセット位置に隣接する第2プリセット位置と第3プリセット位置とをいずれも前記ロボットの現在位置との間の前記衝突防止関係に合致させ、
次いで前記ロボットを制御して前進を停止させ、さらに現在の移動方向の逆方向に沿って既定安全距離後退させた後、その場で回転させて履歴経路に沿って移動させ続けることを特徴とする、請求項1に記載の充電台に対するロボットの衝突の防止方法。
【請求項3】
前記第2ステップにおいて、前記ロボットはその移動方向の左側にのみ前記台回避信号が存在することを検出し、且つ前記既定作業経路が、前記ロボットの現在の移動経路の方向の右側に延伸するものであることを検出した場合、前記ロボットの現在の移動経路が位置する直線又は前記ロボットの本体中心線を境界線として決定し、境界線の右側エリアを前記安全エリアとして設定することを特徴とする、請求項に記載の充電台に対するロボットの衝突の防止方法。
【請求項4】
前記第2ステップにおいて、前記ロボットはその移動方向の右側にのみ前記台回避信号が存在することを検出し、且つ前記既定作業経路が、前記ロボットの現在の移動経路の方向の左側に延伸するものであることを検出した場合、前記ロボットの現在の移動経路が位置する直線又は前記ロボットの本体中心線を境界線として決定し、境界線の左側エリアを前記安全エリアとして設定することを特徴とする、請求項に記載の充電台に対するロボットの衝突の防止方法。
【請求項5】
前記安全エリアを設定する前に、前記ロボットはその移動方向の左側にのみ前記台回避信号が存在することを検出した場合、現在の移動方向に対して左向きに既定角度で偏向する方向において、前記ロボットの現在位置から前記ロボットの本体直径だけ離れた位置を選択して危険標識位置としてマーキングし、該標識位置と前記ロボットの現在位置を前記衝突防止関係に合致させ、
次いで前記ロボットを制御して前進を停止させ、さらに現在の移動方向の逆方向に沿って既定安全距離後退させた後、その場で回転させて前記既定作業経路の逆方向に沿って移動させることを特徴とする、請求項に記載の充電台に対するロボットの衝突の防止方法。
【請求項6】
前記安全エリアを設定する前に、前記ロボットはその移動方向の右側にのみ前記台回避信号が存在することを検出した場合、現在の移動方向に対して右向きに既定角度で偏向する方向において、前記ロボットの現在位置から前記ロボットの本体直径だけ離れた位置を選択して危険標識位置としてマーキングし、該標識位置と前記ロボットの現在位置を前記衝突防止関係に合致させ、
次いで前記ロボットを制御して前進を停止させ、さらに現在の移動方向の逆方向に沿って既定安全距離後退させた後、その場で回転させて前記既定作業経路の逆方向に沿って移動させることを特徴とする、請求項に記載の充電台に対するロボットの衝突の防止方法。
【請求項7】
前記安全エリアは、前記ロボットの現在位置を開始点とし、前記既定作業経路での作業方向に基づいて長さ及び幅がいずれも既定敏感距離である衝突防止敏感エリアを確立し、既定敏感距離は前記台回避信号がカバーする距離以下であり、衝突防止敏感エリアの境界上のノードの開始点に対する延伸方向を作業方向とし、
前記ロボットが前記既定作業経路に沿って現在の前記衝突防止敏感エリアを越えた場合、現在確立された前記安全エリアを削除し、次いで前記ロボットのリアルタイム位置を開始点として、前記第2ステップを繰り返して次の前記安全エリアを確立し、次の前記安全エリアを確立する前に、ロボットの現在位置と前記衝突防止関係を満たす位置に危険標識位置をマーキングすることにより、危険エリアを確立することを特徴とする、請求項又はに記載の充電台に対するロボットの衝突の防止方法。
【請求項8】
前記危険標識位置をグリッド地図上にマッピングし、さらにこれらの標識位置を接続して、グリッド地図上で前記危険エリアを同期確立し、
グリッド地図は前記ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において位置情報をリアルタイムにマーキングすることによって確立されることを特徴とする、請求項7に記載の充電台に対するロボットの衝突の防止方法。
【請求項9】
前記既定角度は30から60度の間であることを特徴とする、請求項8に記載の充電台に対するロボットの衝突の防止方法。
【請求項10】
前記グリッド地図上で最初に前記危険エリアを確立した後、前記ロボットは前記現在の作業エリア内の非前記安全エリアに移動し、前記台回避信号を検出した場合、前記台回避信号の持続時間が既定応答時間に達したか否かを判断し、達していれば前記第2ステップを繰り返して次の前記危険エリアを確立し、達していなければ現在検出された前記台回避信号に応じないで前記危険エリアを確立するステップをさらに含み、
既定応答時間はミリ秒レベルであることを特徴とする、請求項8に記載の充電台に対するロボットの衝突の防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は台に対するロボットの衝突防止の制御分野に関し、具体的には充電台に対するロボットの衝突の防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の市場において、ロボット掃除機は一般的に自動帰還充電機能を有し、大部分の充電台はいずれも赤外線信号でロボットを誘導して帰還充電を行う。ロボットが清掃過程で充電台に衝突しないようにするために、一般的には充電台から送信された信号を受信することによって充電台を回避するが、充電台の台回避信号の大部分は赤外線信号であり、且つ赤外線信号は多くの要因の影響を受けるため、ロボットが斜め方向から充電台に接近する場合、ロボットと充電台との間の距離による制限や、赤外線の帰還充電誘導信号が近かったり遠かったりする不安定性により、赤外線の台回避信号に基づいて充電台を効率的に回避できないことがしばしばあり、ロボットが充電台に頻繁に衝突するため、ロボットの作業効率に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記不足を解消するために、本技術的解決手段は、異なる角度の台回避信号を利用して必ず充電台が存在しないエリアを予測し、それによりこのエリアの清掃過程において台回避信号の影響を受けないようにすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術的解決手段は、充電台に対するロボットの衝突の防止方法を提供し、詳細については下記のとおりである。
【0005】
ロボットは現在の作業エリアで移動する過程において、ロボットがその受信信号カバー範囲内における台回避信号の受信状況をリアルタイムに検出するステップであって、台回避信号はロボット充電専用の充電台からのものであるステップ1と、ロボットが受信した台回避信号及びロボットの既定作業経路の方向特徴関係に基づき、現在の作業エリア内に安全エリアを確立するステップ2と、を含み、安全エリアを確立する前に、ロボットが受信した台回避信号とロボットの現在の移動経路の方向との間の方位関係に基づき、ロボットの現在位置と衝突防止関係を満たす位置を標識して危険エリアを確立し、ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において充電台を回避させる、充電台に対するロボットの衝突の防止方法。本技術的解決手段は危険エリア及び安全エリアを確立することにより充電台周辺の有効作業エリアを設定し、安全エリア内を移動するロボットが台回避信号の干渉を受けずに予め計画された作業経路を実行し、安全エリア外の危険エリア内を移動するロボットが充電台をリアルタイムに、かつ効率的に回避し、ロボットが受信した信号の角度及び強度がいずれも不安定であるという課題を克服し、ロボットの作業効率を向上させる。
【0006】
さらに、前記安全エリアを確立する前に、前記ロボットがその真正面に前記台回避信号が存在することを検出した場合、前記ロボットの現在の移動方向において、前記ロボットの現在位置から前記ロボットの本体半径距離だけ離れた第1プリセット位置を、危険標識位置としてマーキングし、同時に、第1プリセット位置を通過し且つ前記ロボットの現在の移動方向に垂直な方向において、第1プリセット位置に隣接する第2プリセット位置及び第3プリセット位置を、前記危険標識位置としてマーキングし、第1プリセット位置と該第1プリセット位置に隣接する第2プリセット位置と第3プリセット位置とをいずれも前記ロボットの現在位置との間の前記衝突防止関係に合致させ、次いで前記ロボットを制御して前進を停止させ、さらに現在の移動方向の逆方向に沿って既定安全距離後退させた後、その場で回転させて履歴経路に沿って移動させ続ける。本技術的解決手段は前記危険エリアの標識カバー率を向上させ、前記ロボットが前記充電台に正面衝突するリスクを低減する。
【0007】
さらに、前記ステップ2において、前記ロボットはその移動方向の左側にのみ前記台回避信号が存在することを検出し、且つ前記既定作業経路が、前記ロボットの現在の移動経路の方向の右側に延伸するものであることを検出した場合、前記ロボットの現在の移動経路が位置する直線又は前記ロボットの本体中心線を境界線として決定し、前記ロボットの現在の移動経路の方向に沿って境界線の右側エリアを前記安全エリアとして設定する。従来技術と比較すると、該技術的解決手段は前進方向の左側の台回避信号と前記ロボットが現在計画している清掃作業経路方向との関係に基づいて、充電台を含まない安全エリアを設定し、ロボットがこのエリアの清掃過程において台回避信号の影響を受けないことを目的とする。
【0008】
さらに、前記ステップ2において、前記ロボットはその移動方向の右側にのみ前記台回避信号が存在することを検出し、且つ前記既定作業経路が、前記ロボットの現在の移動経路の方向の左側に延伸するものであることを検出した場合、前記ロボットの現在の移動経路が位置する直線又は前記ロボットの本体中心線を境界線として決定し、前記ロボットの現在の移動経路の方向に沿って境界線の左側エリアを前記安全エリアとして設定する。従来技術と比較すると、該技術的解決手段は前進方向の右側の台回避信号と前記ロボットが現在計画している清掃作業経路方向との関係に基づいて、充電台を含まない安全エリアを設定し、ロボットがこのエリアの清掃過程において台回避信号の影響を受けないことを目的とする。
【0009】
前記技術的解決手段に基づいて、前記安全エリアを設定する前に、前記ロボットはその移動方向の左側にのみ前記台回避信号が存在することを検出した場合、現在の移動方向に対して左向きに既定角度で偏向する方向において、前記ロボットの現在位置から前記ロボットの本体直径だけ離れた位置を選択して前記危険標識位置としてマーキングし、該標識位置と前記ロボットの現在位置を前記衝突防止関係に合致させ、次いで前記ロボットを制御して前進を停止させ、さらに現在の移動方向の逆方向に沿って既定安全距離後退させた後、その場で回転させて前記既定作業経路の逆方向に沿って移動させる。該技術的解決手段は、前記ロボットの現在の移動方向の左側からの信号及び真正面との夾角に基づいて左側の危険エリアの標識カバー率を向上させ、前記ロボットが前記充電台に衝突するリスクを低減する。
【0010】
前記技術的解決手段に基づいて、前記安全エリアを設定する前に、前記ロボットはその移動方向の右側にのみ前記台回避信号が存在することを検出した場合、現在の移動方向に対して右向きに既定角度で偏向する方向において、前記ロボットの現在位置から前記ロボットの本体直径だけ離れた位置を選択して前記危険標識位置としてマーキングし、該標識位置と前記ロボットの現在位置を前記衝突防止関係に合致させ、次いで前記ロボットを制御して前進を停止させ、さらに現在の移動方向の逆方向に沿って既定安全距離後退させた後、その場で回転させて前記既定作業経路の逆方向に沿って移動させる。該技術的解決手段は、前記ロボットの現在の移動方向の右側からの信号及び真正面との夾角に基づいて右側の危険エリアの標識カバー率を向上させ、前記ロボットが前記充電台に衝突するリスクを低減する。
【0011】
前記安全エリアを確立する時に、前記安全エリアに、前記ロボットの現在位置を開始点とし、前記既定作業経路での作業方向に基づいて、長さ及び幅がいずれも既定敏感距離である衝突防止敏感エリアを確立し、既定敏感距離は前記台回避信号がカバーする距離以下であり、前記ロボットが前記既定作業経路に沿って現在の前記衝突防止敏感エリアを越えた場合、現在確立された前記安全エリア及び前記衝突防止敏感エリアを削除し、次いで前記ロボットのリアルタイム位置を開始点として、前記ステップ2を繰り返して次の前記安全エリアを確立し、次の前記安全エリアを確立する前に、ロボットの現在位置と前記衝突防止関係を満たす位置に危険標識位置をマーキングすることにより、危険エリアを確立することをさらに含む。
【0012】
従来技術と比較すると、本技術的解決手段は、前記安全エリアのエリア範囲を前記衝突防止敏感エリア内に制限しており、前記ロボットが前記台回避信号を受信し、さらにはリアルタイムに移動する充電台に衝突したとしても、前記既定作業経路に従って作業し続ける必要があり、ロボットの移動が前記台回避信号の干渉を受けないことを保証する。前記衝突防止敏感エリアを越えるだけで、現在確立された安全エリアの履歴情報を削除する方式により次の前記安全エリアを再確立することができ、前記安全エリアを確立する前に危険エリアを識別する必要があり、ロボットが台に衝突するリスクをより効果的に回避する。前記台回避信号の影響を受けない。
【0013】
さらに、前記危険標識位置をグリッド地図上にマッピングし、さらにこれらの標識位置を接続して、グリッド地図上で前記危険エリアを同期確立することにより、前記充電台を囲み、グリッド地図は前記ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において位置情報をリアルタイムにマーキングすることによって確立される。前記ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において、まずこれらの囲まれた危険エリアを回避し、マシンが台に衝突するリスクを低下させる。且つ前記ロボットが危険エリアに進入する時に、台回避信号カバー範囲と帰還充電誘導信号カバー範囲との間に繰り返し出入りして、前記ロボットの作業効率を低下させる可能性を防ぐ。
【0014】
さらに、前記既定角度は30から60度の間である。前記ロボットの衝突防止センサの組み立てにおける特徴に基づいて、前記危険エリアの標識エリアのカバーレベルを向上させる。
【0015】
さらに、前記グリッド地図上で最初に前記危険エリアを確立した後、前記ロボットは前記現在の作業エリア内の非前記安全エリアに移動し、前記台回避信号を検出した場合、前記台回避信号の持続時間が既定応答時間に達したか否かを判断し、達していれば前記ステップ2を繰り返して次の前記危険エリアを確立し、達していなければ現在検出された前記台回避信号に応じないで前記危険エリアを確立するステップを含み、既定応答時間はミリ秒レベルである。標識の精度を向上させ、前記充電台の測位精度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は実施例1におけるY軸の右側に充電台が存在するシーンで、ロボットが現在計画されている「弓」字状経路に沿って移動する過程において安全エリアを確立し、及び現在の移動方向上の危険標識位置をマーキングする過程の概略図である。
図2図2は実施例2におけるY軸の右側に充電台が存在するシーンで、ロボットが現在計画されている「弓」字状経路に沿って移動する過程において安全エリア及び危険エリアを確立する過程の概略図である。
図3図3は実施例3におけるY軸の右側と左側のいずれにも充電台が存在するシーンで、ロボットが現在計画されている「弓」字状経路に沿って移動する過程において安全エリアを確立し、及び現在の移動方向上の危険標識位置をマーキングする過程の概略図である。
図4図4は実施例4におけるY軸の右側と左側のいずれにも充電台が存在するシーンで、ロボットが現在計画されている「弓」字状経路に沿って移動する過程において安全エリア及び危険エリアを確立する過程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に具体的な実施例を参照しながら上記解決手段をさらに説明する。以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例で採用する実施条件はメーカーの具体的な条件に基づいてさらに調整することができ、記載されていない実施条件は一般的に通常の実験における条件である。
【0018】
本発明の実施主体はロボットであり、該ロボットは少なくとも3つの異なる方向に赤外線受信センサが取り付けられ、該赤外線受信センサは充電台が送信した台回避信号である赤外線衝突防止信号を受信するために用いられ、この3つの異なる方向に取り付けられた赤外線受信センサは、真正面に位置する前方センサと、それぞれ前方センサの両側にある側面センサとを含み、側面センサの前方センサからの角度は30~60度に設定される。且つ、本実施例が提供するロボットは計画式移動するロボット掃除機を含み、ロボット掃除機を予め設定された方向に沿って清掃させることができる。
【0019】
本発明の実施例は、異なる角度の台回避信号に応じて充電台が存在しないエリアを予測し、ロボットがこのエリアの清掃過程において台回避信号の影響を受けないようにするという効果を達成する充電台に対するロボットの衝突の防止方法を提供し、該充電台に対するロボットの衝突の防止方法は、ロボットは現在の作業エリアで移動する過程において、ロボットがその受信信号カバー範囲内における台回避信号の受信状況をリアルタイムに検出し、ここで、台回避信号はロボット充電専用の充電台からのものであるステップ1と、ロボットが受信した台回避信号及びロボットの既定作業経路の位置特徴関係に基づき、即ち受信した台回避信号がロボットの現在の移動方向からずれる角度、及びロボットの予め計画された作業経路が初期点に対して延伸する作業方向に基づき、現在の作業エリア内に安全エリアを確立するステップ2と、を含み、ここで、安全エリアを確立する前に、ロボットの現在位置と衝突防止関係を満たす位置を標識して危険エリアを確立し、ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において充電台を回避させる。本実施例が提供する方法は危険エリア及び安全エリアを確立することにより充電台周辺の有効作業エリアを設定し、安全エリア内を移動するロボットが台回避信号の干渉を受けずに予め計画された作業経路を実行し、安全エリア外の危険エリア内を移動するロボットが充電台をリアルタイムに、かつ効率的に回避し、ロボットが受信した信号の角度及び強度がいずれも不安定であるという課題を克服し、ロボットの作業効率を向上させる。
【0020】
なお、ロボット掃除機は、充電台を回避するプログラムを呼び出し始めた後、前記安全エリアを確立したか否かを判断し、前記安全エリアが確立されていない場合、前記ステップ2に従って前記安全エリア及び前記危険エリアを確立し、前記安全エリアを確立した場合、前記ロボットが前記既定作業経路に沿って現在確立された前記安全エリアを越えたか否かを判断し続け、越えた場合、現在確立された前記安全エリアを削除し、次にロボットの現在位置と前記衝突防止関係を満たす位置に危険標識位置をマーキングすることにより、危険エリアを確立し、次いで次の前記安全エリアを確立する。前記ロボットが前記既定作業経路に沿って現在確立された前記安全エリアを越えていない場合、前記ロボットは前記既定作業経路に沿って現在確立された前記安全エリアを越えるまで移動し続け、ここで、ロボットは前記安全エリア内を移動する時に危険標識位置をマーキングしない。本実施例は前記危険標識位置をグリッド地図上にマッピングし、さらにこれらの標識位置を接続して、グリッド地図上で前記危険エリアを同期確立することにより、前記充電台を囲む。ここで、グリッド地図は前記ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において位置情報をリアルタイムにマーキングすることによって確立される。
【0021】
本実施例は前記安全エリアのエリア範囲及び確立時間を制限しており、前記ロボットが前記台回避信号を受信し、さらにはリアルタイムに移動する充電台に衝突したとしても、前記既定作業経路に従って作業し続ける必要があり、ロボットの移動が前記台回避信号の干渉を受けないことを保証する。本実施例は危険エリアの確立時間の状態も制限し、即ち前記安全エリアを越えるだけで、現在確立された安全エリアの履歴情報を削除する方式により次の前記安全エリアを再確立することができ、前記安全エリアを確立する前に危険エリアを識別する必要があり、ロボットが台に衝突するリスクをより効果的に回避して、且つ前記台回避信号の影響を減少させる。
【0022】
実施例1として、前記安全エリアを確立する前に、前記ロボットは予め計画されたX軸正方向に延伸する「弓」字状経路に沿って位置A0に移動し、且つ位置A0において、その真正面に充電台1から送信される台回避信号が存在することを既に検出しており、この時、前記ロボットが受信した台回避信号の送信方向はロボットの既定作業経路での作業方向と同じであるため、位置A0に前記安全エリアを確立することができない。
【0023】
図1に示すように、前記ロボットは位置A0において、その真正面に充電台1から送信される台回避信号が存在することを検出し、前記ロボットの現在の移動方向である座標系のx軸正方向において、前記ロボットの現在位置から前記ロボットの本体半径距離だけ離れた第1プリセット位置A1を、前記危険標識位置としてマーキングし、それがグリッド地図上の1つのグリッドエリアを占め、且つ前記衝突防止関係を満たす位置であると見なすことができる。同時に、前記ロボットの現在の移動方向(図1におけるA0がA1を指す方向に対応)に垂直な方向において、第1プリセット位置に隣接する第2プリセット位置及び第3プリセット位置は、位置A1に隣接する2つの黒色グリッドエリアに対応するものとして、前記危険標識位置としてマーキングされる。これは、Y軸方向においてグリッド地図上のグリッドA1に隣接する2つのグリッドと見なすことができる。それにより第1プリセット位置とその隣接する第2プリセット位置と第3プリセット位置はいずれも前記ロボットの現在位置との間の位置分布関係になり前記衝突防止関係を形成しており、前記衝突防止関係は、前記ロボットが「弓」字状経路に沿ってX軸正方向に清掃作業を続けることを制限するために用いられる。
【0024】
次に前記ロボットは前進を停止し、現在の移動方向の逆方向(図1の矢印Pが指す方向に対応)に沿って位置A2まで既定安全距離だけ後退した後、その場で回転してその真正面のセンサをY軸正方向に向ける。図1に示すように、前記ロボットは位置A2から開始し、予め計画された「弓」字状経路に沿って清掃作業を継続し、同時に、次の前記安全エリア(図1に示す衝突防止感知エリア1を含む)を確立する前に、前記ロボットの現在位置と前記衝突防止関係を満たす位置に危険標識位置をマーキングすることにより、危険エリアを確立することを開始する。本実施例が提供する危険標識位置のマーキング実施例は前記危険エリアの標識カバー率を向上させ、前記ロボットが前記充電台に正面衝突するリスクを低減する。
【0025】
図1に示すように、前記ロボットが位置A2に移動する時、前記ロボットはその移動方向の右側にのみ前記台回避信号が存在することを検出し、且つ前記既定作業経路が、前記ロボットの現在の移動経路の方向の左側に延伸するものであることを検出する。図1に示すように、前記ロボットは位置A2から、Y軸正方向に沿って移動して、「弓」字状に、即ち前記既定作業経路で清掃する。充電台1が位置A2の右側にあるので、前記ロボットが位置A2で受信する前記回避信号は、位置A2の右側(X軸正方向)の充電台1からのものである。同時に、本実施例は現在計画された「弓」字状経路が、左側を向く矢印Pが示す方向に延伸するように設定し、それにより「弓」字状経路がカバーするエリアを位置A2の左側(X軸負方向)に位置させる。次に前記ロボットの現在の移動経路が位置する直線又は前記ロボットの本体中心線を境界線として決定し、即ち位置A2を通過し且つX軸に垂直な直線を境界線として決定した後、それを前記グリッド地図に記録し、さらに境界線の左側エリアを前記安全エリアとして設定して記録し、前記ロボットが該安全エリアで移動する過程において台回避信号の影響を受けないようにする。本実施例は初期前進方向の右側の台回避信号と前記ロボットが現在計画している清掃作業経路方向との関係に基づいて、充電台が含まれない安全エリアを設定し、ロボットがこのエリアの清掃過程において充電台1の台回避信号の影響を受けないようにすることができる。
【0026】
理論的には、前記境界線の左側エリアはいずれも安全エリアであり、前記充電台が移動されたか、又は左側のより遠いエリアに充電台がまだ存在しており、それが送信した前記台回避信号を検出していない可能性を考慮すると、前記安全エリアの有効範囲を制限するための衝突防止敏感エリアを確立する必要があり、長さ及び幅がいずれも既定敏感距離である矩形の衝突防止敏感エリアの範囲を設定し、その範囲は台の台回避信号の範囲に応じて決定することができ、ここで、既定敏感距離は前記台回避信号がカバーする距離以下である。本実施例は前記ロボットの現在位置を開始点とし、前記既定作業経路での作業方向に基づき、長さと幅がいずれも既定敏感距離である衝突防止敏感エリアを確立し、且つ前記グリッド地図上に記録する。図1に示すように、本実施例は好ましくは長さ及び幅がいずれも2mの矩形の衝突防止敏感エリアの範囲を設定し、座標単位をmに設定する。前記グリッド地図に対応する座標系において、それはローカルグリッド座標系であってもよく、又は変換後のグローバル座標系であってもよく、前記ロボットの現在位置A2の座標は(x0+2、y0)であり、衝突防止敏感エリアの長さ及び幅はいずれも2mであり、且つ衝突防止敏感エリアの境界における1つのノードの開始点に対する延伸方向を作業方向とし、本実施例は図1における矢印Pの方向を作業方向としており、従って、図1の衝突防止敏感エリア1を形成する4本の境界線はそれぞれ(x0+2、y0+2)、(x0、y0+2)、A3(x0+2、y0)及びA2(x0、y0)で交差する。前記ロボットは位置A2(x0、y0)から始めて図に示す「弓」字状経路に沿って清掃作業を行い、且つ衝突防止敏感エリア1内で受信した台回避信号を処理せず、図に示す「弓」字状経路に従って位置A3(x0、y0)まで移動した後、衝突防止敏感エリア1を越えて、位置A4(x1、y1)に移動する。
【0027】
前記ロボットが前記「弓」字状経路に沿って衝突防止敏感エリア1を越えた時、前記グリッド地図の中から、確立された衝突防止敏感エリア1を削除し、この時周囲に充電台がなく、又は充電台1が送信する前記台回避信号を受信できないため、前記危険標識位置をマーキングしない。次に前記ロボットの位置A4(x1、y1)を開始点とし、前記作業方向を同様に図1で矢印Pが示す方向に設定し、長さ及び幅がいずれも2mの衝突防止敏感エリア2を確立し、図1の矩形の衝突防止敏感エリア2を計画し、ここで、衝突防止敏感エリア2の4本の境界線はそれぞれ(x1-2、y1+2)、(x1、y1+2)、(x1-2、y1)及びA4(x1、y1)で交差する。前記ロボットは位置A4(x1、y1)から始めて図に示す「弓」字状経路に沿って清掃作業を行い、且つ衝突防止敏感エリア2内で受信した台回避信号を処理せず、図に示す「弓」字状経路に従って(x1-2、y1)まで移動した後、衝突防止敏感エリア2を越えて、同時に前記グリッド地図の中から、確立された衝突防止敏感エリア2を削除する。位置A4(x1、y1)で充電台から送信された前記台回避信号を受信した場合、次の前記安全エリア(衝突防止敏感エリア2を含む)を確立する前に、前記ロボットの現在位置と前記衝突防止関係を満たす位置に危険標識位置をマーキングすることにより、危険エリアを確立する。
【0028】
実施例2として、実施例1で決定された危険標識位置A1を基礎として、図2に示すように、前記安全エリアを確立する前に、前記ロボットは位置A0でその移動方向の右側に充電台3から送信される前記台回避信号が存在することを検出するが、現在の作業エリア内の他の位置の充電台から送信される前記台回避信号を排除せず、且つその信号強度は位置A0にある前記ロボットの右側受信センサが受信するのに十分である。次に現在の移動方向に対して右向きに既定角度で偏向する方向、即ち図2におけるA0がA1に指向する方向に対して右向きに45度偏向する方向において、前記ロボットの現在位置A0から前記ロボットの本体直径だけ離れた位置C1を選択して前記危険標識位置としてマーキングし、該標識位置C1と前記ロボットの現在位置A0を前記衝突防止関係に合致させ、前記ロボットが「弓」字状経路に沿ってX軸正方向に清掃作業を続けることを制限するために用いられる。危険エリアの標識カバー率を向上させ、前記ロボットが前記充電台に衝突するリスクを低減する。
【0029】
前記安全エリアを確立する前に、前記ロボットは位置A0でその移動方向の左側に充電台2から送信される前記台回避信号が存在することを検出するが、現在の作業エリア内の他の位置の充電台から送信される前記台回避信号を排除せず、且つその信号強度は位置A0にある前記ロボットの左側受信センサが受信するのに十分である。次に現在の移動方向に対して左向きに既定角度で偏向する方向、即ち図2におけるA0がA1に指向する方向に対して左向きに45度偏向する方向において、前記ロボットの現在位置A0から前記ロボットの本体直径だけ離れた位置B1を選択して前記危険標識位置としてマーキングし、該標識位置B1と前記ロボットの現在位置A0を前記衝突防止関係に合致させ、前記ロボットが「弓」字状経路に沿ってX軸正方向に清掃作業を続けることを制限するために用いられる。危険エリアの標識カバー率を向上させ、前記ロボットが前記充電台に衝突するリスクを低減する。
【0030】
前記危険標識位置B1、A1、C1及び位置A1に隣接する2つの黒色グリッドエリアをそれぞれ独立してマーキングし且つグリッド地図に一つずつマッピングした後、図2のX軸正方向における弧形破線に示すように、これらの標識位置を接続して、グリッド地図上で前記危険エリアを同期確立することにより、前記充電台を囲み、それによりグリッド地図上の充電台の位置を予測する。ここで、グリッド地図は前記ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において位置情報をリアルタイムにマーキングすることによって確立される。前記ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において、まずこれらの囲まれた半閉鎖危険エリアを回避し、それによりマシンが台に衝突するリスクを低下させる。且つ前記ロボットが危険エリアに進入する時に、前記ロボットが台回避信号カバー範囲と帰還充電誘導信号カバー範囲との間に繰り返し出入りする現象が発生して、前記ロボットの作業効率を低下させる可能性を防ぐ。
【0031】
次に前記ロボットは前進を停止し、さらに現在の移動方向の逆方向(図2の矢印Pが指す方向に対応)に沿って位置A2まで既定安全距離後退する。図2に示すように、前記ロボットは位置A2から開始し、予め計画された「弓」字状経路に沿って清掃作業を継続し、この時、前記ロボットはその移動方向の右側にのみ前記台回避信号が存在することを検出し、且つ前記既定作業経路が、前記ロボットの現在の移動経路の方向の左側に延伸するものであることを検出する。図2に示すように、図2のX軸負方向に充電台が配置されておらず、実施例1に対応する図1に示す座標環境の特徴と類似しているため、本実施例は実施例1の方法に従って同じ位置エリアに前記安全エリアを確立し、且つ前記安全エリアを基に、同じ位置エリアに衝突防止敏感エリア1及び衝突防止敏感エリア2を確立する。本実施例は、前記安全エリアのエリア範囲を前記衝突防止敏感エリア内に制限しており、前記ロボットが前記台回避信号を受信し、さらにはリアルタイムに移動する充電台に衝突したとしても、前記既定作業経路に従って作業し続ける必要があり、ロボットの移動が前記台回避信号の干渉を受けないことを保証する。前記衝突防止敏感エリアを越えるだけで、現在確立された安全エリアの履歴情報を削除する方式により次の前記安全エリアを再確立することができ、前記安全エリアを確立する前に危険エリアを識別する必要があり、ロボットが台に衝突するリスクをより効果的に回避する。前記台回避信号の影響を受けない。
【0032】
実施例3:実施例1は位置A0に危険標識位置A1及びその隣接する危険標識位置をすでにマーキングしており、次いで前記ロボットは位置A3(x0+2、y0)に移動し且つ前記衝突防止敏感エリア1を越えた後、図1に示す「弓」字状経路に従って位置A5に移動し、この時、前記ロボットは位置A5において、その真正面に充電台5から送信される台回避信号が存在することを検出する。前記安全エリアを確立する前に、前記ロボットは予め計画されたX軸負方向に延伸する「弓」字状経路に沿って位置A5に移動し、且つ位置A5において、その真正面に充電台5から送信される台回避信号が存在することを検出しており、この時、前記ロボットが受信した台回避信号の送信方向はロボットの既定作業経路での作業方向と同じであるため、位置A5に前記安全エリアを確立することができない。
【0033】
図3に示すように、前記ロボットの現在の移動方向である座標系のx軸負方向において、前記ロボットの現在位置から前記ロボットの本体半径距離だけ離れた第1プリセット位置A6を、前記危険標識位置としてマーキングし、それがグリッド地図上の1つのグリッドエリアを占めると見なすことができる。同時に、前記ロボットの現在の移動方向(図3におけるA5がA6を指す方向に対応)に垂直な方向において、第1プリセット位置A6に隣接する第2プリセット位置及び第3プリセット位置は、位置A6に隣接する2つの黒色グリッドエリアに対応するものとして、前記危険標識位置としてマーキングされ、Y軸方向においてグリッド地図上のグリッドA6に隣接する2つのグリッドと見なすことができる。それにより第1プリセット位置とその隣接する第2プリセット位置と第3プリセット位置はいずれも前記ロボットの現在位置との間の位置分布関係になり前記衝突防止関係を形成し、前記ロボットが「弓」字状経路に沿ってX軸負方向に清掃作業を続けることを制限するために用いられ、それにより前記ロボットが充電台5に衝突することを回避する。次に前記ロボットは前進を停止し、現在の移動方向の逆方向(図3の矢印P1が指す方向に対応)に沿って位置A3まで既定安全距離だけ後退した後、その場で回転してその真正面のセンサをY軸正方向に向け、図3に示すように、前記ロボットは位置A3から開始して予め計画された「弓」字状経路に沿って清掃作業を継続する時、次の前記安全エリア(図3に示す衝突防止感知エリア3を含む)の確立も開始する。新しい前記安全エリアを確立する前に、前記ロボットの現在位置と前記衝突防止関係を満たす位置に危険標識位置をマーキングすることにより、危険エリアを確立する。本実施例が提供する危険標識位置のマーキング実施例は前記危険エリアの標識カバー率を向上させ、前記ロボットが前記充電台に正面衝突するリスクを低減する。
【0034】
図3に示すように、前記ロボットが位置A3に移動する時、前記ロボットはその移動方向の左側にのみ前記台回避信号が存在することを検出し、且つ前記既定作業経路が、前記ロボットの現在の移動経路の方向の左側に延伸するものであることを検出し、図3に示すように、前記ロボットは位置A3から、Y軸正方向に沿って移動して、「弓」字状に、即ち前記既定作業経路で清掃する。充電台5が位置A3の左側にあるので、前記ロボットが位置A3で受信する前記台回避信号は、位置A3の左側(X軸負方向)の充電台5からのものである。同時に、本実施例は現在計画された「弓」字状経路が、右側を向く矢印Pが示す方向に延伸するように設定し、それにより「弓」字状経路がカバーするエリアを位置A3の右側(X軸正方向)に位置させ、前記ロボットが現在計画している「弓」字状経路は実施例1が計画している「弓」字状経路と比較して、方向が逆であるだけであるため、本実施例が計画している「弓」字状清掃カバーエリアは実施例1と同じである。
【0035】
前記ロボットが「弓」字状清掃の実行を開始する前に、さらに前記ロボットの現在の移動経路が位置する直線又は前記ロボットの本体中心線を境界線として決定し、即ち位置A3を通過し且つX軸に垂直な直線を境界線として決定した後、それを前記グリッド地図に記録し、さらに境界線の右側エリアを前記安全エリアとして設定且つ記録して、前記ロボットが該安全エリアで移動する過程において台回避信号の影響を受けないようにする必要がある。本実施例は初期前進方向の左側の台回避信号と前記ロボットが現在計画している清掃作業経路方向との関係を利用して、充電台が含まれない安全エリアを設定し、ロボットがこのエリアの清掃過程において充電台5の台回避信号の影響を受けないようにすることができる。
【0036】
理論的には、前記境界線の右側エリアはいずれも安全エリアであり、前記充電台が移動されたか、又は右側のより遠いエリアに充電台1(図3に示す)がまだ存在しており、それが送信した前記台回避信号を検出していない可能性を考慮すると、前記安全エリアの有効範囲を制限するための衝突防止敏感エリアを確立する必要があり、長さ及び幅がいずれも既定敏感距離である矩形の衝突防止敏感エリアの範囲を設定し、その範囲は台の台回避信号の範囲に応じて決定することができ、ここで、既定敏感距離は前記台回避信号がカバーする距離以下である。本実施例は前記ロボットの現在位置を開始点とし、前記既定作業経路での作業方向に基づき、長さと幅がいずれも既定敏感距離である衝突防止敏感エリアを確立し、且つ前記グリッド地図上に記録する。図3に示すように、本実施例は好ましくは長さ及び幅がいずれも2mの矩形の衝突防止敏感エリアの範囲を設定し、座標単位をmに設定する。前記グリッド地図に対応する座標系において、それはローカルグリッド座標系であってもよく、又は変換後のグローバル座標系であってもよく、前記ロボットの現在位置A3の座標は(x0、y0)であり、衝突防止敏感エリアの長さ及び幅はいずれも2mであり、且つ衝突防止敏感エリアの境界における1つのノードの開始点に対する延伸方向を作業方向とし、本実施例は図3における矢印P1の方向を作業方向としており、従って、図3の衝突防止敏感エリア3を形成する4本の境界線はそれぞれ(x0+2、y0+2)、(x0、y0+2)、A3(x0+2、y0)及びA2(x0、y0)で交差する。前記ロボットは位置A3(x0、y0)から始めて図に示す「弓」字状経路に沿って清掃作業を行い、且つ衝突防止敏感エリア3内で受信した台回避信号を処理せず、図に示す「弓」字状経路に従って位置A2(x0+2、y0)まで移動した後、衝突防止敏感エリア3を越えて、前記ロボットは実施例1における位置A0に移動でき、実施例1の方法に従って前記第1プリセット位置、前記第2プリセット位置及び前記第3プリセット位置を前記危険標識位置としてマーキングし、これらの標識位置と前記ロボットの現在位置A2を前記衝突防止関係に合致させ、前記ロボットが前記既定作業経路での作業方向に清掃作業を続けることを制限するために用いられる。
【0037】
実施例4:実施例3を基礎として、前記ロボットは予め計画されたX軸負方向に延伸する「弓」字状経路に沿って位置A5に移動し、且つ位置A5において、その真正面に充電台5から送信される台回避信号が存在することをすでに検出し、前記ロボットの現在位置から前記ロボットの本体半径距離だけ離れた第1プリセット位置A6を、前記危険標識位置としてマーキングし、同時に、第1プリセット位置A6を通過し且つ前記ロボットの現在の移動方向(図4におけるA5がA6を指す方向に対応)に垂直な方向において、且つ第1プリセット位置A6に隣接する第2プリセット位置及び第3プリセット位置は、位置A6に隣接する2つの黒色グリッドエリアに対応するものとして、前記危険標識位置としてマーキングされる。この時、前記ロボットが受信した台回避信号の送信方向はロボットの既定作業経路での作業方向と同じであるため、位置A5に前記安全エリアを確立することができない。
【0038】
図4に示すように、次の前記安全エリアを確立する前に、前記ロボットは位置A5でその移動方向の右側に充電台6から送信される前記台回避信号が存在することを検出するが、現在の作業エリア内の他の位置の充電台から送信される前記台回避信号を排除せず、且つその信号強度は位置A5にある前記ロボットの右側受信センサが受信するのに十分である。次に現在の移動方向に対して右向きに既定角度で偏向する方向、即ち図4におけるA5がA6に指向する方向に対して右向きに45度偏向する方向において、前記ロボットの現在位置A5から前記ロボットの本体直径だけ離れた位置B2を選択して前記危険標識位置としてマーキングし、該危険標識位置B2と前記ロボットの現在位置A5を前記衝突防止関係に合致させる。前記衝突防止関係は、前記ロボットが「弓」字状経路に沿ってX軸負方向に作業することを制限して、充電台6に衝突することを防止するために用いられる。
【0039】
図4に示すように、次の前記安全エリアを確立する前に、前記ロボットは位置A5でその移動方向の左側に充電台4から送信される前記台回避信号が存在することを検出するが、現在の作業エリア内の他の位置の充電台から送信される前記台回避信号を排除せず、且つその信号強度は位置A5にある前記ロボットの左側受信センサが受信するのに十分である。次に現在の移動方向に対して左向きに既定角度で偏向する方向、即ち図4におけるA5がA6に指向する方向に対して左向きに45度偏向する方向において、前記ロボットの現在位置A5から前記ロボットの本体直径だけ離れた位置C2を選択して前記危険標識位置としてマーキングし、該危険標識位置C2と前記ロボットの現在位置A5を前記衝突防止関係に合致させ、前記ロボットが「弓」字状経路に沿ってX軸負方向に作業することを制限して、充電台4に衝突するのを防止するために用いられる。
【0040】
図4に示すように、前記危険標識位置B2、A6、C2及び位置A6に隣接する2つの黒色グリッドエリアはいずれもすでにマーキングされ且つグリッド地図にマッピングした後、図4のX軸負方向における弧形破線に示すように、これらの標識位置を接続して、グリッド地図上で前記危険エリアを同期確立し、充電台4、充電台5及び充電台6をロボットから隔離する境界線を形成する。次に前記ロボットは前進を停止し、さらに現在の移動方向の逆方向(図4の矢印P1が指す方向に対応)に沿って位置A3まで既定安全距離だけ後退した後、その場で回転してその真正面のセンサをY軸正方向に向け、次に実施例3の方法に従って衝突防止敏感エリア3を確立し、さらに実施例3で計画された「弓」字状経路に沿って衝突防止敏感エリア3を移動し、清掃作業を行う。前記ロボットは位置A3(x0、y0)から始めて図に示す「弓」字状経路に沿って清掃作業を行い、且つ衝突防止敏感エリア3内で受信した台回避信号を処理せず、図に示す「弓」字状経路に従って位置A2(x0+2、y0)まで移動した後、衝突防止敏感エリア3を越えて、前記ロボットは実施例1における位置A0に移動でき、実施例1の方法に従って前記第1プリセット位置、前記第2プリセット位置及び前記第3プリセット位置を前記危険標識位置としてマーキングし、これらの標識位置と前記ロボットの現在位置A2を前記衝突防止関係に合致させ、前記ロボットが前記既定作業経路での作業方向に清掃作業を続けることを制限するために用いられる。同時に実施例2の方法に従って危険標識位置B1、A1、C1をマーキングし、且つグリッド地図にマッピングした後、図4のX軸正方向における弧形破線に示すように、これらの標識位置を接続して、グリッド地図上で前記危険エリアを同期確立することにより、前記充電台を囲み、充電台1、充電台2及び充電台3をロボットから隔離する境界線を形成し、さらに図4のX軸負方向における弧形破線を加味し、グリッド地図上の充電台の位置を予測することができる。ここで、グリッド地図は前記ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において位置情報をリアルタイムにマーキングすることによって確立される。前記ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において、まずこれらの囲まれた半閉鎖危険エリアを回避し、それによりマシンが台に衝突するリスクを低下させる。且つ前記ロボットが危険エリアに進入する時に、前記ロボットが台回避信号カバー範囲と帰還充電誘導信号カバー範囲との間に繰り返し出入りする現象が発生して、前記ロボットの作業効率を低下させる可能性を防ぐ。なお、本実施例は、前記衝突防止敏感エリアを越えるだけで、現在確立された安全エリアの履歴情報を削除する方式により次の前記安全エリアを再確立することができ、前記安全エリアを確立する前に危険エリアを識別する必要があり、ロボットが台に衝突するリスクをより効果的に回避する。前記台回避信号の影響を受けない。
【0041】
一つの実施例として、次の前記安全エリアを確立する前に、前記ロボットは予め計画された「弓」字状経路に沿って既定作業位置まで移動し、前記ロボットは該既定作業位置において、その移動方向の右側に前記台回避信号が存在することをすでに検出しており、同時にその移動方向の左側にも前記台回避信号が存在することを検出した場合、前記ロボットはその移動方向の真正面に、充電台から送信された台回避信号が存在すると決定することができ、前記実施例の方法に従って前記第1プリセット位置とその隣接する前記第2プリセット位置と前記第3プリセット位置をそれぞれ前記危険標識位置としてマーキングし、それにより前記第1プリセット位置とその隣接する前記第2プリセット位置と前記第3プリセット位置はいずれも前記ロボットの現在位置との間の位置分布関係になり前記衝突防止関係を形成し、前記ロボットが充電台に衝突することを防止する。次に前記ロボットは前進を停止し、現在の移動方向の逆方向に沿って既定安全距離だけ後退した後、その場で回転して予め計画された「弓」字状経路に沿って清掃作業を継続し(元の計画された「弓」字状経路と異なり、新たなエリアをカバーして清掃してもよい)、同時に前記実施例の方法に従って次の前記安全エリアを確立する。
【0042】
前記実施例において、前記グリッド地図上で最初に前記危険エリアを確立した後、前記ロボットは前記現在の作業エリア内の非前記安全エリアに移動する。前記台回避信号を検出した場合、前記台回避信号の持続時間が既定応答時間に達したか否かを判断し、達していれば前記実施例の危険標識位置のマーキング方法を繰り返して次の前記危険エリアを確立し、達していなければ現在検出された前記台回避信号に応じないで前記危険エリアを確立する。前記危険標識位置をグリッド地図上にマッピングし、さらにこれらの標識位置を接続して、グリッド地図上で前記危険エリアを同期確立することにより、前記充電台を囲む。前記ロボットが現在の作業エリアで移動する過程において、まずこれらの囲まれた危険エリアを回避し、それにより機械が台に衝突するリスクを低下させる。且つ前記ロボットが危険エリアに進入する時に、台回避信号カバー範囲と帰還充電誘導信号カバー範囲との間に繰り返し出入りして、前記ロボットの作業効率を低下させる可能性を防ぐ。ここで、既定応答時間はミリ秒レベルである。標識の精度を向上させ、それにより前記充電台の測位精度を向上させる。
【0043】
前記実施例において、前記危険標識位置を決定するための前記既定角度は30から60度の間に設定される。前記ロボットの衝突防止センサの組み立てにおける特徴に基づいて、前記危険エリアの標識エリアのカバーレベルを向上させる。
【0044】
最後に説明すべきことは、以上の各実施例は本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではない。好ましい各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、依然として本発明の具体的な実施例を修正し、あるいはそのうち一部の技術的特徴を等価置換し、本発明の主旨から逸脱させなければ、これらの修正又は置換したものは特許請求の範囲内であることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4