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特許7384522二次電池用電池ケース及びパウチ型二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】二次電池用電池ケース及びパウチ型二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/105 20210101AFI20231114BHJP
【FI】
H01M50/105
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021564815
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 KR2020004425
(87)【国際公開番号】W WO2020242034
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0064786
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】サン・キュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ス・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ハ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・フン・ホン
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ウィ・ジン・ホン
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-533834(JP,A)
【文献】特表2019-500734(JP,A)
【文献】特表2018-527719(JP,A)
【文献】特表2013-546136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/105
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極及び分離膜が積層された電極組立体を内部に収容するパウチ型の二次電池用電池ケースであって、
該二次電池用電池ケースが展開されたときに、
パウチフィルムにそれぞれ陥没形成されている第1コップ部及び第2コップ部と、
前記第1コップ部及び前記第2コップ部の間に、前記第1コップ部及び前記第2コップ部が互いに対向する端部の長手方向に形成され、前記電極組立体の一側が収納される収納部と、
前記収納部の両端から延在され、前記パウチフィルムに陥没形成されている傾斜部と、
前記傾斜部の外側端から直線状に延在され、前記収納部の長手方向と同一の方向に前記パウチフィルムに陥没形成されている線形成部と、
を含み、
前記傾斜部は、
前記収納部の一端の端部と共有する端部の長さに対する前記外側端までの高さの比率が0.25より大きく、0.6より小さい、二次電池用電池ケース。
【請求項2】
前記傾斜部は、
多角形状を有し、前記パウチフィルムが陥没形成されている、請求項1に記載の二次電池用電池ケース。
【請求項3】
前記傾斜部は、
三角形又は台形の形状を有する、請求項に記載の二次電池用電池ケース。
【請求項4】
前記傾斜部は、
二等辺三角形状に陥没形成されている、請求項に記載の二次電池用電池ケース。
【請求項5】
前記傾斜部は、
前記多角形状の頂点が面取り又はフィレットされる、請求項の何れか一項に記載の二次電池用電池ケース。
【請求項6】
前記傾斜部は、
前記収納部から前記線形成部に行くほど徐々に深さが浅くなる、請求項1~の何れか一項に記載の二次電池用電池ケース。
【請求項7】
前記線形成部は、
前記パウチフィルムの一側端部まで陥没形成されている、請求項1~の何れか一項に記載の二次電池用電池ケース。
【請求項8】
前記線形成部は、
V字状に陥没形成されている、請求項1~の何れか一項に記載の二次電池用電池ケース。
【請求項9】
前記線形成部は、
U字状に陥没形成されている、請求項1~の何れか一項に記載の二次電池用電池ケース。
【請求項10】
前記収納部、前記傾斜部及び前記線形成部は、
引抜成形部である、請求項1~の何れか一項に記載の二次電池用電池ケース。
【請求項11】
電極及び分離膜を交互に積層して形成される電極組立体と、
前記電極組立体を内部に収容する電池ケースと、を含み、
前記電池ケースは、展開されたときに、
パウチフィルムにそれぞれ陥没形成されている第1コップ部及び第2コップ部と、
前記第1コップ部及び前記第2コップ部の間に、前記第1コップ部及び前記第2コップ部が互いに対向する端部の長手方向に形成され、前記電極組立体の一側が収納される収納部と、
前記収納部の両端から延在され、前記パウチフィルムに陥没形成されている傾斜部と、
前記傾斜部の外側端から直線状に延在され、前記収納部の長手方向と同一の方向に前記パウチフィルムに陥没形成されている線形成部と、
を含み、
前記傾斜部は、
前記収納部の一端の端部と共有する端部の長さに対する前記外側端までの高さの比率が0.25より大きく、0.6より小さい、パウチ型二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
【0002】
本出願は、2019年5月31日付韓国特許出願第10-2019-0064786号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0003】
本発明は、二次電池用電池ケース及びパウチ型二次電池に関し、より詳しくは、サイズの誤差を減少させ、体積に対するエネルギー密度を増加させ得る二次電池用電池ケース及びパウチ型二次電池に関する。
【背景技術】
【0004】
一般に、二次電池の種類としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池等がある。このような二次電池は、デジタルカメラ、P-DVD、MP3P、携帯電話、PDA、携帯型ゲーム装置(Portable Game Device)、パワーツール(Power Tool)及び電動自転車(E-bike)等の小型製品だけでなく、電気自動車やハイブリッド自動車のような高出力が要求される大型製品と、余剰発電電力や再生可能エネルギーを貯蔵する電力貯蔵装置と、バックアップ用電力貯蔵装置にも適用されて用いられている。
【0005】
電極組立体を製造するため、正極(Cathode)、分離膜(Separator)及び負極(Anode)を製造し、これらを積層する。具体的に、正極活物質スラリーを正極集電体に塗布し、負極活物質スラリーを負極集電体に塗布して正極(Cathode)と負極(Anode)を製造する。そして、前記製造された正極及び負極の間に分離膜(Separator)が介在されて積層されると単位セル(Unit Cell)が形成され、単位セルが互いに積層されることによって電極組立体が形成される。そして、このような電極組立体が特定のケースに収容されて電解液を注入すると、二次電池が製造される。
【0006】
このような二次電池は、電極組立体を収容する電池ケースの材質によって、パウチ型(Pouch Type)及び缶型(Can Type)などに分類される。パウチ型(Pouch Type)は、形態が一定でない柔軟性を有するポリマー材質で製造されたパウチに電極組立体を収容する。そして、缶型(Can Type)は、形態が一定な金属またはプラスチックなどの材質で製造されたケースに電極組立体を収容する。
【0007】
パウチ型電池ケースは、柔軟性を有するパウチフィルムに引抜(Drawing)成形をして、コップ部を形成することで製造される。このような引抜成形は、プレスにパウチフィルムを挿入してパンチでパウチフィルムに圧力を印加し、パウチフィルムを延伸させることで行われる。そして、コップ部が形成されると、前記コップ部の収容空間に電極組立体を収納して電池ケースをフォールディングした後、シーリング部をシーリングして二次電池を製造する。
【0008】
パウチフィルムにコップ部を成形する際には、一つのパウチフィルムに対称となる二つのコップ部を互いに隣り合うよう引抜成形してもよい。そして、一つのコップ部の収容空間に電極組立体を収納した後、二つのコップ部が互いに対向するように電池ケースをフォールディングしてよい。そうすると、二つのコップ部が一つの電極組立体を収容するので、コップ部が一つである時より厚さがさらに厚い電極組立体も収容できる。また、電池ケースがフォールディングされることで二次電池の一つの端部が形成されるため、追ってシーリング工程を行うとき、4つではなく残り3つの端部のみをシーリングできる。したがって、シーリングされる端部を減少させて工程の速度を向上させることができ、トリミング工程の数も減少させることができる。
【0009】
図1は、従来のパウチ型二次電池3の平面図である。
【0010】
従来には、電池ケースをフォールディングして熱及び圧力を印加してシーリングすると、二次電池3のフォールディングされた前記一つの端部、すなわちフォールディング部336の一部が外側に突出されていた。これをコウモリ耳(Bat Ear)2と称する。
【0011】
図1に示すように、このようなコウモリ耳2が突出して形成されると、不要な体積がさらに増加するため、二次電池3の設計されたサイズで誤差が発生する。したがって、二次電池3を電池モジュールなどで組み立てる際に組み立てが容易でなく、最初からサイズを小さく設計しなければならないという問題がある。また、全体的に二次電池3の体積を増加させるため、体積に対するエネルギー密度が減少するという問題もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、サイズの誤差を減少させ、体積に対するエネルギー密度を増加させることができる、二次電池用電池ケース及びパウチ型二次電池を提供することである。
【0013】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するための本発明の実施形態による二次電池用電池ケースは、電極及び分離膜が積層された電極組立体を内部に収容するパウチ型電池ケースであって、パウチフィルムにそれぞれ陥没形成されている第1コップ部及び第2コップ部と、前記第1コップ部及び前記第2コップ部の間に、前記第1コップ部及び前記第2コップ部が互いに対向する端部の長手方向に形成され、前記電極組立体の一側が収納される収納部と、前記収納部の両端から延在され、前記パウチフィルムに陥没形成されている傾斜部と、前記傾斜部の外側端から直線状に延在され、前記収納部の長手方向と同一の方向に前記パウチフィルムに陥没形成されている線形成部と、を含む。
【0015】
また、前記傾斜部は、前記収納部の一端の端部と共有する端部の長さに対する前記外側端までの高さの比率が0.25より大きくなり得る。
【0016】
また、前記傾斜部は、前記収納部の一端の端部と共有する端部の長さに対する前記外側端までの高さの比率が0.6より小さくなり得る。
【0017】
また、前記傾斜部は、多角形状を有し、前記パウチフィルムに陥没形成されてよい。
【0018】
また、前記傾斜部は、三角形又は台形の形状を有してよい。
【0019】
また、前記傾斜部は、二等辺三角形状に陥没形成されてよい。
【0020】
また、前記傾斜部は、前記多角形の頂点が面取り又はフィレットされてよい。
【0021】
また、前記傾斜部は、前記収納部から前記線形成部に行くほど徐々に深さが浅くなってよい。
【0022】
また、前記線形成部は、前記パウチフィルムの一側端部まで陥没形成されてよい。
【0023】
また、前記線形成部は、V字状に陥没形成されてよい。
【0024】
また、前記線形成部は、U字状に陥没形成されてよい。
【0025】
また、前記収納部、前記傾斜部及び前記線形成部は、一回の引抜成形で共に形成されてよい。
【0026】
前記課題を解決するための本発明の実施形態によるパウチ型二次電池は、電極及び分離膜を交互に積層して形成される電極組立体と、前記電極組立体を内部に収容する電池ケースと、を含み、前記電池ケースは、パウチフィルムにそれぞれ陥没形成されている第1コップ部及び第2コップ部と、前記第1コップ部及び前記第2コップ部の間に、前記第1コップ部及び前記第2コップ部が互いに対向する端部の長手方向に形成され、前記電極組立体の一側が収納される収納部と、前記収納部の両端から延在され、前記パウチフィルムに陥没形成されている傾斜部と、前記傾斜部の外側端から直線状に延在され、前記収納部の長手方向と同一の方向に前記パウチフィルムに陥没形成されている線形成部と、を含む。
【0027】
また、前記傾斜部は、前記収納部の一端の端部と共有する端部の長さに対する前記外側端までの高さの比率が0.25より大きくてよい。
【0028】
また、前記傾斜部は、前記収納部の一端の端部と共有する端部の長さに対する前記外側端までの高さの比率が0.6より小さくてよい。
【0029】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0030】
本発明の実施形態によれば、少なくとも次のような効果がある。
【0031】
コウモリ耳が収納部の下面よりさらに外側に突出することを防止し、二次電池の設計されたサイズで発生する誤差を減少させることができ、二次電池を電池モジュールなどで容易に組み立てることができる。
【0032】
また、全体的に不要な二次電池の体積を減少させるので、体積に対するエネルギー密度を増加させることができる。
【0033】
また、コップ部、シーリング部及び傾斜部の形状が変形されることなく堅固に維持されつつ、電池ケースがフォールディングされるため、電極組立体が安定的にコップ部の内部に収容され得る。
【0034】
また、電池ケースのシーリング部同士が正確に当接してシーリングされるため、堅固にシーリングされ得る。
【0035】
また、収納部の下面にしわが寄ることを防止することもできる。
【0036】
本発明による効果は、以上で例示された内容によって制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】従来のパウチ型二次電池の平面図である。
図2】本発明の一実施形態によるパウチ型二次電池の組立図である。
図3】本発明の一実施形態によるパウチ型二次電池の斜視図である。
図4】本発明の一実施形態によるパウチ型電池ケースを図2のA-A’で切断した断面図である。
図5図4のパウチ型電池ケースに電極組立体が収納される姿を示した断面図である。
図6図4のパウチ型電池ケースに電極組立体が収納された姿を示した断面図である。
図7図4のパウチ型電池ケースがフォールディングされる姿を示した断面図である。
図8図4のパウチ型電池ケースがフォールディングされた姿を示した断面図である。
図9】本発明の一実施形態による線形成部の拡大斜視図である。
図10】本発明の一実施形態による傾斜部及び線形成部の平面拡大図である。
図11】従来の電池ケースの側面部分拡大図である。
図12】本発明の一実施形態による電池ケースの側面部分拡大図である。
図13】本発明の一実施形態による線形成部の正面拡大図である。
図14】本発明の他の実施形態による線形成部の正面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるはずである。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるのではなく、互いに異なる多様な形態に具現されてよく、但し、本実施形態は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に伝えるために提供されるものであり、本発明は、特許請求の範囲の範疇によって定義されるだけである。明細書の全体にかけて同一の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0039】
他の定義がなければ、本明細書で用いられる全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解できる意味に用いられ得るだろう。また、一般的に用いられる辞書に定義されている用語は、明らかに特に定義されていない限り、理想的又は過度に解釈されない。
【0040】
本明細書で用いられた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、文章で特に言及しない限り複数形も含む。明細書で用いられる『含む(comprises)』及び/又は『含んで(comprising)』は、言及された構成要素以外に一つ以上の他の構成要素の存在又は追加を排除しない。
【0041】
以下、図を参照しつつ、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。
【0042】
図2は、本発明の一実施形態によるパウチ型二次電池1の組立図であり、図3は、本発明の一実施形態によるパウチ型二次電池1の斜視図である。
【0043】
本発明の一実施形態によるパウチ型二次電池1は、図2に示すように、パウチ型の電池ケース13、前記電池ケース13の内部に収容される電極組立体10を含む。
【0044】
電極組立体(Electrode Assembly)10は、正極及び負極などの二つの電極と、電極等を互いに絶縁させるために電極の間に介在されるか、何れか一つの電極の左側又は右側に配置される分離膜を備えた積層構造体であってよい。前記積層構造体は、所定の規格の正極と負極が分離膜を挟んで積層されてもよく、ゼリーロール(Jelly Roll)状に巻き取られてもよいなど、制限なく多様な形態であってよい。二つの電極は、それぞれアルミニウムと銅を含む金属ホイル又は金属メッシュ状の電極集電体に活物質スラリーが塗布された構造である。スラリーは、通常、粒状の活物質、補助導体、バインダー及び可塑剤等が、溶媒が添加された状態で撹拌されて形成されてよい。溶媒は、後続の工程で除去される。
【0045】
電極組立体10は、図2に示すように、電極タブ(Electrode Tab)11を含む。電極タブ11は、電極組立体10の正極及び負極とそれぞれ連結され、電極組立体10の外部に突出され、電極組立体10の内部と外部との間に電子が移動可能な経路になる。電極組立体10の集電体は、電極活物質が塗布された部分と、電極活物質が塗布されていない末端部分、すなわち無地部とからなる。そして、電極タブ11は、無地部を裁断して形成されるか、無地部に別途の導電部材を超音波溶接等で連結して形成されてもよい。このような電極タブ11は、図2に示すように、電極組立体10のそれぞれ異なる方向に突出されてもよいが、これに制限されず、一側から同一の方向に並んで突出されてもよい。
【0046】
電極組立体10の電極タブ11には、電極リード(Electrode Lead)12がスポット(Spot)溶接等で連結される。そして、電極リード12の一部は、絶縁部14で周りが取り囲まれる。絶縁部14は、電池ケース13の第1ケース131と第2ケース132が熱融着されるシーリング部134に限定されて位置し、電池ケース13に接着される。そして、電極組立体10から生成される電気が電極リード12を介して電池ケース13に流れることを防止し、電池ケース13のシーリングを維持する。よって、このような絶縁部14は、電気がよく通らない非電導性を有する不導体で製造される。一般に絶縁部14としては、電極リード12に付着しやすく、厚さが比較的薄い絶縁テープを多く用いるが、これに制限されず、電極リード12を絶縁できれば多様な部材を用いてよい。
【0047】
電極リード12は、正極タブ111及び負極タブ112の形成位置によって互いに反対方向に延在されてもよく、互いに同一の方向に延在されてもよい。正極リード121及び負極リード122は、互いにその材質が異なっていてよい。すなわち、正極リード121は、正極板と同一のアルミニウム(Al)材質であり、負極リード122は、負極板と同一の銅(Cu)材質又はニッケル(Ni)がコーティングされた銅材質であってよい。そして、電池ケース13の外部に突出された電極リード12の一部分は端子部となり、外部端子と電気的に連結される。
【0048】
電池ケース13は、柔軟性を有する材質で製造されたパウチであり、柔軟性を有するパウチフィルムに引抜成形をして、コップ部133を形成することで製造される。そして、電池ケース13は、電極リード12の一部、すなわち端子部が露出されるよう電極組立体10を収容してシーリングされる。このような電池ケース13は、図2に示すように、第1ケース131と第2ケース132を含む。第1ケース131及び第2ケース132には、第1コップ部1331及び第2コップ部1332がそれぞれ一つずつ形成され、電極組立体10を収容できる収容空間が設けられる。そして、前記電極組立体10が電池ケース13の外部に離脱しないよう、電池ケース13がフォールディングされて電極組立体10がコップ部133の収容空間に収納される。
【0049】
一方、パウチフィルムに二つのコップ部133を互いに対称に引抜成形するとき、二つのコップ部133の間に収納部135を共に引抜成形することができる。収納部135は、図2に示すように、第1コップ部1331及び第2コップ部1332の間に、第1コップ部1331及び第2コップ部1332が互いに対向する端部の長手方向に長く形成され、電極組立体10が最初に収納される空間である。このような収納部135は、前記電極組立体10をコップ部133に容易に収納するために、電極組立体10の一側を先に収納して位置を固定させる。このため、図2に示すように、収納部135の幅(w)及び長さ(l)は、電極組立体10の厚さ(T)及び長さ(L)とそれぞれ対応され、第1コップ部1331及び第2コップ部1332から同一の距離に位置する。よって、収納部135の長手方向に形成される中心軸が、第1コップ部1331及び第2コップ部1332の対称軸となる。
【0050】
電極組立体10の電極タブ11に電極リード12が連結され、電極リード12の一部分に絶縁部14が形成されると、電極組立体10を収納部135に収納する。そして、第1ケース131及び第2ケース132をフォールディングすると、第1コップ部1331及び第2コップ部1332に設けられた収容空間に電極組立体10が収納され、第1コップ部1331及び第2コップ部1332が電極組立体10を取り囲む。そして、内部に電解液を注入し、第1ケース131及び第2ケース132の縁部に形成されたシーリング部134をシーリングする。電解液は、二次電池1の充電/放電時に電極の電気化学的反応により生成されるリチウムイオンを移動させるためのものであって、リチウム塩と高純度の有機溶媒類の混合物である非水質系有機電解液又は高分子電解質を用いたポリマーを含むことができる。このような方法を介して、図3に示すように、パウチ型二次電池1が製造され得る。
【0051】
図4は、本発明の一実施形態によるパウチ型電池ケース13を図2のA-A’で切断した断面図である。
【0052】
コップ部133は、図4に示すように、電極組立体10の幅(W)の中央部に対応される部分1333から電極組立体10の上側端部に対応される部分1334に行くほど徐々に深さ(d)が深くなる形状を有する。そして、収納部135とコップ部133との間の区間は、深さの変化がほぼない平らな形状を有する。
【0053】
前記コップ部133で最も深さ(d)の深い箇所は、電極組立体10の上側端部に対応される部分であり、深さ(d)は、電極組立体10の厚さ(T)の半分より深いことが好ましい。追って第1コップ部1331及び第2コップ部1332が互いに対向して電池ケース13のシーリング部134がシーリングされると、電極組立体10はコップ部133の内部に収納される。ところが、もし第1コップ部1331及び第2コップ部1332の深さ(d)がそれぞれ電極組立体10の厚さ(T)の半分より深くなければ、第1コップ部1331及び第2コップ部1332が電極組立体10を内部に収納した後にシーリング部134同士が互いに当接しないためシーリングされないか、シーリング部134同士が互いに当接するとしても当接する領域が過度に狭いので、シーリングが不良になるという問題が発生するからである。
【0054】
収納部135とコップ部133との間の区間の長さ(S)は、電極組立体10の幅(W)及び厚さ(T)によって異なる。すなわち、電極組立体10の幅(W)が短いほど、収納部135とコップ部133との間の区間の長さ(S)も短くなるのが好ましい。逆に、電極組立体10の幅(W)が長いほど、収納部135とコップ部133との間の区間の長さ(S)は長くなるのが好ましい。また、電極組立体10の厚さ(T)が厚いほど、コップ部133の深さ(d)も深くなるため、収納部135とコップ部133との間の区間の長さ(S)は短くなるのが好ましい。逆に、電極組立体10の厚さ(T)が薄いほど、コップ部133の深さ(d)も浅くなるため、収納部135とコップ部133との間の区間の長さ(S)は長くなるのが好ましい。
【0055】
図5は、図4のパウチ型電池ケース13に電極組立体10が収納される姿を示した断面図であり、図6は、図4のパウチ型電池ケース13に電極組立体10が収納された姿を示した断面図である。
【0056】
前記収納部135に電極組立体10の一側を収納する。このとき、図2及び図5に示すように、電極組立体10を上方から下方に直立して収納するのが好ましい。これにより、追って電池ケース13がフォールディングされると、電極組立体10の両側にそれぞれ形成された第1コップ部1331及び第2コップ部1332が電極組立体10を取り囲みながら内部に収納できる。
【0057】
前述した通り、収納部135は、電極組立体10の厚さ(T)及び長さ(L)とそれぞれ対応される幅(w)及び長さ(l)を有するため、図6に示すように、電極組立体10が収納部135に容易に収納され、位置が固定され得る。
【0058】
図7は、図4のパウチ型電池ケース13がフォールディングされる姿を示した断面図であり、図8は、図4のパウチ型電池ケース13がフォールディングされた姿を示した断面図である。
【0059】
電極組立体10が収納部135に収納された後、収納部135の両側の第1ケース131及び第2ケース132を、図7に示すように上方にフォールディングする。そうすると、図8に示すように、二つのコップ部133が互いに対向して電極組立体10を共に取り囲み、コップ部133の内部に設けられた収容空間に収納され得る。
【0060】
第1ケース131及び第2ケース132は、図4に示すように、収納部135を形成する両側壁から略直角にそれぞれ折り曲げられながら連結される。そして、第1ケース131及び第2ケース132をフォールディングすると、図8に示すように、折り曲げられていた第1ケース131及び第2ケース132が収納部135の両側壁からそれぞれ互いに広げられながら電極組立体10がコップ部133に収納される。すなわち、電池ケース13全体からみればフォールディングされるものであるが、収納部135の両側壁からみれば折り曲げられた部分が広げられるものである。
【0061】
このように第1ケース131及び第2ケース132をフォールディングした後、シーリングツールを用いてシーリング部134をシーリングすると、二次電池1の製造が完了する。
【0062】
図9は、本発明の一実施形態による線形成部138の拡大斜視図である。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、コウモリ耳2が収納部の下面よりさらに外側に突出することを防止し、二次電池1の設計されたサイズで発生する誤差を減少させることができ、二次電池1を電池モジュールなどに容易に組み立てることができる。また、全体的に不要な二次電池1の体積を減少させるので、体積に対するエネルギー密度を増加させることができる。また、コップ部133、シーリング部134及び傾斜部137の形状が変形されることなく堅固に維持されつつ電池ケース13がフォールディングされるので、電極組立体10が安定的にコップ部133の内部に収容され得る。また、電池ケース13のシーリング部134同士が正確に当接してシーリングされるので、堅固にシーリングされ得る。また、収納部の下面にしわが寄ることを防止することもできる。
【0064】
このため、本発明の一実施形態による二次電池1用電池ケース13は、電極及び分離膜が積層された電極組立体10を内部に収容するパウチ型電池ケース13であって、パウチフィルムにそれぞれ陥没形成されている第1コップ部1331及び第2コップ部1332と、前記第1コップ部1331及び前記第2コップ部1332の間に、前記第1コップ部1331及び前記第2コップ部1332が互いに対向する端部の長手方向に形成され、前記電極組立体10の一側が収納される収納部135と、前記収納部135の両端から延在され、前記パウチフィルムに陥没形成されている傾斜部137と、前記傾斜部137の外側端1372から直線状に延在され、前記収納部135の長手方向と同一の方向に前記パウチフィルムに陥没形成されている線形成部138と、を含むことができる。
【0065】
収納部135は、前述した通り、第1コップ部1331及び第2コップ部1332の間に、第1コップ部1331及び第2コップ部1332が互いに対向する端部の長手方向に長く形成され、電極組立体10の一側が収納される。このような収納部135は、二つのコップ部133と同一の距離に位置し、略矩形状に、一側に長くパウチフィルムに陥没形成されている。よって、収納部135の長手方向に形成される中心軸が、二つのコップ部133の対称軸となる。
【0066】
傾斜部137は、収納部135の両端から延在されてパウチフィルムに陥没形成されている。このような傾斜部137は、パウチフィルムの上方からみるとき三角形又は台形の形状の多角形を有してよく、特に二等辺三角形の形状に陥没形成されてよい。そして、傾斜部137の底辺に該当する端部は、収納部135の両端に該当する端部と同じ端部を共有する。但し、これに制限されず、傾斜部137は、上方からみるとき半円又は半楕円の形状等の多様な形状を有してもよい。
【0067】
傾斜部137は、収納部135側では収納部135と同一の深さに形成され、収納部135から線形成部138に行くほど徐々に深さが浅くなる。そして、傾斜部137の外側端(図10に図示)1372では、線形成部138と自然に連結され、線形成部138と同一の深さに形成されてよい。よって、傾斜部137は、パウチフィルムの側面からみるとき、略直角三角形状に形成されてよい。
【0068】
線形成部138は、傾斜部137の外側端1372から直線状に延在され、収納部135の長手方向と同一の方向にパウチフィルムに陥没形成されている。線形成部138が形成されずに単に電池ケース13をフォールディングすれば、第1コップ部1331及び第2コップ部1332が正確に互いに対向せず、ずれて対向することがある。そうすると、第1コップ部1331及び第2コップ部1332の内部に電極組立体10が収容される空間が変形され、シーリング部134及び傾斜部137の形状も変形され、電極組立体10を安定的に収容できないという問題がある。また、電池ケース13のシーリング部134同士が互いに正確に当接しないため、シーリングされないか、シーリング部134の領域が過度に狭くなってシーリングが不良になるという問題が発生し得る。
【0069】
したがって、本発明の一実施形態によれば、線形成部138が形成され、電池ケース13が線形成部138に沿ってフォールディングされるので、線形成部138が電池ケース13のフォールディングをガイドする。それにより、コップ部133、シーリング部134及び傾斜部137の形状が変形されることなく堅固に維持されつつ、電池ケース13がフォールディングされるので、電極組立体10が安定的にコップ部133の内部に収容され得る。また、電池ケース13のシーリング部134同士が正確に当接してシーリングされるので、堅固にシーリングされ得る。
【0070】
線形成部138が電池ケース13のフォールディングをガイドするので、電池ケース13は線形成部138を中心にフォールディングされる。そして、追って電池ケース13がフォールディングされ二次電池1が完成されると、電池ケース13において直接フォールディングされる部分であるフォールディング部136は、前記線形成部138が形成されていた位置に形成されてよい。このような線形成部138は、傾斜部137の外側端1372からパウチフィルムの一側端部まで陥没形成されてよい。それにより、電池ケース13がより容易にフォールディングされ得る。
【0071】
図10は、本発明の一実施形態による傾斜部137及び線形成部138の平面拡大図である。
【0072】
前述した通り、傾斜部137は、多角形状を有し、特に三角形又は台形の形状にパウチフィルムに陥没形成されてよい。ここで、多角形状に形成されるというのは、多角形の辞書的な意味、すなわち、頂点と直線の端部が何れも複数である平面図形という意味に制限されない。図10に示すように、傾斜部137の外側端1372が線形成部138と一部重複され、少なくとも一つの頂点が面取り(Chamfering)される場合、又は傾斜部137の底辺に該当する端部1371の両端が形成する二つの頂点がフィレット(Filleting)される場合等に制限されず、略多角形状に認められるものであれば多様な形状を含んでよい。
【0073】
傾斜部137は、図10に示すように、パウチフィルムを上方からみるとき二等辺三角形状に陥没形成してよい。すなわち、傾斜部137の底辺に該当する端部1371の両端から前記傾斜部137の外側端1372までに至る二つの端部は、互いに長さが同一であってよい。ここで、傾斜部137の底辺に該当する端部1371は、パウチフィルムを上方からみるとき収納部135の一端の端部と同じ端部を共有する。
【0074】
このような傾斜部137が有する三角形又は台形の形状は、底辺に該当する端部1371、すなわち、収納部135の一端の端部と共有する端部の長さ(D)に対する外側端1372までの高さ(h)の比率が0.25より大きく、0.6より小さいことが好ましい。もし0.25より小さければ、追って電池ケース13をフォールディングするとき、依然としてフォールディング部136が収納部135に近接した位置から形成され得る。よって、コウモリ耳2を形成できるシーリング部134の領域が十分であり、収納部135とコウモリ耳2との間の角度が急激に変化するので、依然としてコウモリ耳2が収納部135の高さよりもさらに外側に突出するか、収納部135と類似の高さまで突出して形成され得る。また、依然として収納部135の下面1351にしわが寄るという問題も発生し得る。一方、もし前記比率が0.6より大きければ、傾斜部137の高さが過度に長くなるので、二次電池1を製造した後にデッドスペース(Dead Space)が増加し、体積に対するエネルギー効率が低下し得る。また、電極組立体10が固定されずに電池ケース13の内部で移動するため、安定性が低下することもある。
【0075】
ここで、前記収納部135の一端の端部と共有する端部の長さ(D)は、収納部135の幅(w)と長さが同一であるのが好ましい。
【0076】
一方、収納部135、傾斜部137及び線形成部138は、図10に示すように、全部連結される。よって、収納部135、傾斜部137及び線形成部138がそれぞれ別にフォーミングされず、一回の引抜成形でパウチフィルムに共にフォーミングされ得る。それにより、パウチフィルムに行う引抜成形の数を減少させ、工程の速度を増加させることができる。
【0077】
図11は、従来の電池ケースの側面部分拡大図である。
【0078】
フォールディング部136は、電池ケース13がフォールディングされるとき、電池ケース13において収納部135の両端で直接フォールディングされる部分である。そして、二次電池1を側面からみるとき、収納部135の両端とフォールディング部136との間の領域が内側に陥没される陥没部139を形成する。しかし、従来には、図11に示すように、傾斜部137が存在しないため、陥没部339が収納部335の両端で略垂直に形成される。そうすると、フォールディング部336が収納部335に非常に近接した位置から形成され、コウモリ耳2を形成できるシーリング部134の領域が十分であり、収納部335とコウモリ耳2との間の角度が急激に変化する。よって、コウモリ耳2が収納部335の下面3351よりもさらに外側に突出することがあった。また、収納部335の下面3351にしわが寄るという問題も発生することがあった。
【0079】
図12は、本発明の一実施形態による電池ケース13の側面部分拡大図である。
【0080】
前述した通り、傾斜部137は、収納部135から線形成部138に行くほど徐々に深さが浅くなるので、傾斜部137が収納部135の両端から延在して形成されると、陥没部139が一定の傾斜を有して内側に陥没形成される。そうすると、図12に示すように、フォールディング部136が収納部135からある程度離隔した位置に形成され、コウモリ耳2を形成できるシーリング部134の領域が減少する。そして、収納部135とコウモリ耳2との間の角度がある程度緩やかに変化する。よって、コウモリ耳2が収納部135の下面1351よりもさらに外側に突出することを防止できる。また、収納部135の下面1351にしわが寄ることを防止することもできる。
【0081】
図13は、本発明の一実施形態による線形成部138の正面拡大図である。
【0082】
前述した通り、線形成部138は、直線状にパウチフィルムに陥没形成され、電池ケース13のフォールディングをガイドする。このとき、本発明の一実施形態によれば、線形成部138は、電池ケース13のフォールディングをより容易にガイドするために、図13に示すようにV字状に陥没形成されてよい。それにより、電池ケース13がフォールディングされるとき、線形成部138の最下端の折り曲げられた部分を中心にフォールディングされるので、コップ部133、シーリング部134及び傾斜部137の形状が変形されることなく堅固に維持されつつ、電池ケース13を容易にフォールディングできる。
【0083】
図14は、本発明の他の実施形態による線形成部138の正面拡大図である。
【0084】
一方、パウチフィルムの厚さが非常に薄い場合、線形成部138をV字状に引抜成形すれば、線形成部138の最下端の折り曲げられた部分が破損されることもある。したがって、本発明の他の実施形態によれば、パウチフィルムの厚さが非常に薄い場合、線形成部138aは、図14に示すようにU字状に陥没形成されてよい。それにより、パウチフィルムの破損を防止しつつ、電池ケース13aのフォールディングをガイドできる。
【0085】
製造例1
【0086】
先ず、ポリプロピレン(PP)、アルミニウム(Al)及びポリエチレンテレフタレート(PET)が順に積層され製造されたパウチフィルムを設けた。そして、パウチフィルムに引抜成形を行い、第1コップ部、第2コップ部及び収納部を形成した。第1コップ部及び第2コップ部は互いに対称に形成され、収納部は、第1コップ部及び第2コップ部の間に、第1コップ部及び第2コップ部が互いに対向する端部の長手方向に長く形成された。このような第1コップ部及び第2コップ部は、深さ(d)が0.6cmであり、収納部とコップ部との間の区間の長さ(S)は3.85cmである。また、収納部の長さ(l)は32.25cmであり、幅(w)は1.1cmである。
【0087】
収納部を引抜成形するとき、収納部の両端から延在される傾斜部、及び傾斜部の外側端から直線状に延在される線形成部も共に引抜成形した。傾斜部を成形するときは、上方からみるとき三角形状となるよう、そして、収納部から線形成部に行くほど徐々に深さが浅くなるよう成形した。そして、線形成部を成形するときは、収納部の長手方向と同一の方向に形成されるよう成形した。傾斜部は、収納部の一端の端部と共有する端部の長さ(D)が1.1cmであり、外側端までの高さ(h)が0.3cmである。これによると、収納部の一端の端部と共有する端部の長さ(D)に対する外側端までの高さ(h)の比率が0.273で、0.25より大きく0.6より小さい。そして、線形成部を成形するときはV字状に成形した。
【0088】
収納部に電極組立体を上方から下方に直立して収納した。このような電極組立体の長さ(L)は32.25cmであり、幅(W)は9.87cmであり、厚さ(T)は0.11cmである。電極組立体が収納部に収納された後、収納部の両側の第1ケース及び第2ケースを上方にフォールディングした。その後、フォールディングされた一つの端部以外の残りの端部を、シーリングツールを用いてシーリングすることで二次電池を製造した。
【0089】
製造例2
【0090】
傾斜部の外側端までの高さ(h)が0.6cmであることを除いては、前記製造例1と同様に製造した。これによると、収納部の一端の端部と共有する端部の長さ(D)に対する外側端までの高さ(h)の比率が0.545で、0.25より大きく0.6より小さい。
【0091】
比較例
【0092】
傾斜部及び線形成部を成形していないことを除いては、前記製造例1と同様に製造した。
【0093】
物性測定の方法 - コウモリ耳の高さの差
【0094】
製造例1、製造例2及び比較例で製造された二次電池において、収納部の下面とコウモリ耳との高さの差を測定した。
【0095】
物性測定の結果 - コウモリ耳の高さの差
【0096】
比較例による二次電池は傾斜部が形成されないため、フォールディング部が収納部に近接した位置に形成される。それにより、陥没部が収納部の両端で略垂直に形成される。そして、コウモリ耳を形成できるシーリング部の領域がある程度十分であり、収納部とコウモリ耳との間の角度が急激に変化する。したがって、コウモリ耳と収納部との高さの差(t1)は0.4cmであり、コウモリ耳が収納部とほぼ類似の高さまで突出して形成される。
【0097】
一方、製造例1及び製造例2による二次電池は傾斜部が形成されるため、フォールディング部が収納部からある程度離隔した位置に形成される。それにより、陥没部が一定の傾斜を有して内側に陥没形成される。そして、コウモリ耳を形成できるシーリング部の領域が減少し、収納部とコウモリ耳との間の角度がある程度緩やかに変化する。よって、製造例1によれば、コウモリ耳と収納部との高さの差(t2)は0cmであり、製造例2によれば、コウモリ耳と収納部との高さの差(t2)は-0.1cmである。すなわち、外側に突出するコウモリ耳の高さが減少し、二次電池の設計されたサイズで発生する誤差を減少させることができ、二次電池を電池モジュールなどに容易に組み立てることができる。
【0098】
本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずとも、他の具体的な形態で実施され得ることを理解できるはずである。よって、以上で記述した実施形態は、全ての面において例示的なものであり、限定的ではないものとして理解しなければならない。本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、その均等の概念から導出される様々な実施形態が本発明の範囲に含まれるものとして解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0099】
1 パウチ型二次電池
3 パウチ型二次電池
10 電極組立体
13 パウチ型電池ケース
133 コップ部
135 収納部
137 傾斜部
138 線形成部
335 収納部
1331 第1コップ部
1332 第2コップ部
1371 端部
1372 外側端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14