(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】電池パックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20231114BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231114BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20231114BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20231114BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20231114BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/617
H01M10/625
H01M10/6568
(21)【出願番号】P 2022552223
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 KR2021009644
(87)【国際公開番号】W WO2022045596
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0106097
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨプ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ホング・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ソプ・ユン
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-516225(JP,A)
【文献】特開2013-016301(JP,A)
【文献】特開2012-015391(JP,A)
【文献】特開2019-115206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/52 - 10/667
H01M 50/20 - 50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体、前記電池セル積層体を収納するモジュールフレームおよび前記モジュールフレームの底部の下に位置するヒートシンクを含む複数の電池モジュールと、
前記複数の電池モジュールを収納するパックフレームと、
前記モジュールフレームの底部、前記ヒートシンクおよび前記パックフレームを締結する冷媒伝達用ボルトと、
を含み、
前記パックフレームは、冷媒の供給と排出のためのパック冷媒管を含み、
前記冷媒伝達用ボルトに前記パック冷媒管および前記ヒートシンクを連結する連結管が形成されており、
前記冷媒伝達用ボルトは、冷媒の温度に反応して前記連結管を開放または遮断する開閉部材を含む電池パック。
【請求項2】
前記開閉部材は形状記憶合金を含んで前記冷媒の温度に反応する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記冷媒伝達用ボルトは、前記連結管とつながる第1開口および第2開口を含み、
前記第1開口は前記パック冷媒管の内部に配置されており、
前記第2開口は前記モジュールフレームの底部と前記ヒートシンクの間に配置されており、
前記開閉部材は前記冷媒の温度に反応して、前記第2開口の開閉を調節する、請求項1または2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記開閉部材は、前記連結管を開放または遮断する遮断部、および前記遮断部と連結され、形状記憶合金を含むスプリング部を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記スプリング部は前記冷媒の温度に反応して形状が変形され、
前記スプリング部の形状変形により前記遮断部が上下に動いて、前記連結管を開放または遮断する、請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記スプリング部はコイル型スプリングまたは板状型スプリングである、請求項4または5に記載の電池パック。
【請求項7】
前記パックフレームに冷媒用開口が形成されており、
前記冷媒用開口は前記スプリング部の一端部を支える段差部を含む、請求項4から6のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記モジュールフレームは、前記モジュールフレームの底部一部が延長されて形成されたモジュールフレーム延長部を含み、
前記ヒートシンクは、前記ヒートシンクの一辺から前記モジュールフレーム延長部が位置した部分に延長されたヒートシンク延長部を含み、
前記冷媒伝達用ボルトは、前記モジュールフレーム延長部、前記ヒートシンク延長部、および前記パックフレームを締結する、請求項1から7のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記パックフレームに冷媒用開口が形成され、
前記モジュールフレーム延長部に第1マウンティングホールが形成され、
前記ヒートシンク延長部に第2マウンティングホールが形成され、
前記冷媒伝達用ボルトが前記第1マウンティングホール、前記第2マウンティングホールおよび前記冷媒用開口を通過する、請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記冷媒伝達用ボルトは、前記連結管とつながる第1開口および第2開口を含み、
前記第1開口は前記パック冷媒管の内部に配置されており、
前記第2開口は前記モジュールフレームの底部と前記ヒートシンクの間に配置されており、
前記第1開口の開口方向は前記連結管の貫通方向と平行であり、
前記第2開口の開口方向は前記連結管の貫通方向と垂直である、請求項1から9のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項11】
前記冷媒伝達用ボルトは、前記連結管が形成された本体部、および前記本体部の上端に位置したヘッド部を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項12】
前記本体部を囲むガスケットをさらに含み、
前記ガスケットは、前記ヘッド部と前記モジュールフレームの底部一部が延長されて形成されたモジュールフレーム延長部との間、および前記ヒートシンクと前記パックフレームとの間のうちの少なくとも一ヶ所に位置する、請求項11に記載の電池パック。
【請求項13】
前記電池モジュールの前面および後面にそれぞれ突出部が形成されており、
前記電池モジュールの前面および後面にそれぞれ位置し、前記突出部を囲みながら前記パックフレームに結合される固定ブラケットをさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項14】
前記パックフレームは、前記電池モジュールを支える支えフレーム、および前記支えフレームの下に位置した下部フレームを含み、
前記パック冷媒管は前記支えフレームと前記下部フレームの間に位置する、請求項1から13のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の電池パックをさらに含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2020年8月24日付韓国特許出願第10-2020-0106097号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池パックおよびこれを含むデバイスに関し、より具体的には、冷却性能と安全性が向上した電池パックおよびこれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常的になることに伴い、このようなモバイル機器と関連した分野の技術に対する開発が活発になってきている。また、充放電が可能な二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として利用されているところ、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在、商用化された二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池と比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという長所のため、脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを間に置いて配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に密封収納する電池ケースとを備える。
【0006】
一般的にリチウム二次電池は、外装材の形状により、電極組立体が金属カンに内装されているカン型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内装されているパウチ型二次電池とに分類され得る。
【0007】
小型機器に利用される二次電池の場合、2~3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに利用される二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が利用される。このような電池モジュールは、多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、一つ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0008】
二次電池は、適正温度より高くなる場合、二次電池の性能が低下することがあり、激しい場合は爆発や発火の危険もある。特に、多数の二次電池、つまり、電池セルを備えた電池モジュールや電池パックは、狭い空間で多数の電池セルから出る熱が合算されて温度がより速くかつ激しく上がることがある。言い換えると、多数の電池セルが積層された電池モジュールとこのような電池モジュールが装着された電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時に電池セルで発生する熱を除去することが容易でない。電池セルの放熱が良好になされない場合、電池セルの劣化が速くなって寿命が短くなり、爆発や発火の可能性が大きくなる。
【0009】
さらに、車両用バッテリーパックに含まれるバッテリーモジュールの場合、直射光線によく露出され、夏季や砂漠地域のような高温条件に置かれることがある。
【0010】
したがって、電池モジュールや電池パックを構成する場合、安定的かつ効果的な冷却性能を確保することは非常に重要であると言える。
【0011】
図1は従来の電池パックの部分斜視図であり、
図2は
図1の電池パックに含まれている電池モジュールのマウンティング方法を示す部分斜視図である。
【0012】
図1および
図2を参照すると、従来の電池パックは、複数の電池モジュール10、および複数の電池モジュールが収納されるパックフレーム11を含むことができる。説明の便宜のために、
図1は一つの電池モジュールだけを示した。
【0013】
従来の電池パックは、電池モジュール10の冷却のために冷媒管を設け、冷媒管と連結された冷媒管コネクタ13を通じて冷媒を供給していた。このような冷媒は、通常、冷却水であり、電池パック内部にこのような冷却水を流して温度を低める流体間接冷却構造を適用していた。
【0014】
一方、電池モジュール10をパックフレーム11に収納する時、4つの角にマウンティングホールを設け、マウンティングボルト12が前記マウンティングホールを通過してパックフレーム11と締結され得る。各電池モジュール10毎にこのようなマウンティング結合が行われ得る。
【0015】
この時、電池モジュール10の冷却のための冷媒管コネクタ13などの冷却構成と電池モジュール10のマウンティングのためのマウンティングボルト12などのマウンティング構成とは別個の構成であり、各構成毎に部品が多く、複雑であるという問題がある。
【0016】
また、組立不良や運行中の事故などの原因により、冷媒管や冷媒管コネクタ13などから冷媒が漏れる状況が発生することがあるが、このように漏れた冷媒は電池パック内部に浸透して火災や爆発の原因になることがある。
【0017】
したがって、冷却性能は高めながら、冷媒の漏れによる被害を最小化することができる電池パックを開発するのが要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明が解決しようとする課題は、冷却性能の向上と共に、冷媒漏れによる被害を遮断することができる電池パックおよびこれを含むデバイスを提供することにある。
【0019】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体、前記電池セル積層体を収納するモジュールフレームおよび前記モジュールフレームの底部の下に位置するヒートシンクを含む複数の電池モジュールと、前記複数の電池モジュールを収納するパックフレームと、前記モジュールフレームの底部、前記ヒートシンクおよび前記パックフレームを締結する冷媒伝達用ボルトとを含む。前記パックフレームは、冷媒の供給と排出のためのパック冷媒管を含み、前記冷媒伝達用ボルトに前記パック冷媒管および前記ヒートシンクを連結する連結管が形成される。前記冷媒伝達用ボルトは、冷媒の温度に反応して前記連結管を開放または遮断する開閉部材を含む。
【0021】
前記開閉部材は形状記憶合金を含んで前記冷媒の温度に反応することができる。
【0022】
前記冷媒伝達用ボルトは、前記連結管とつながる第1開口および第2開口を含むことができ、前記第1開口は前記パック冷媒管内部に配置され得、前記第2開口は前記モジュールフレームの底部と前記ヒートシンクの間に配置され得る。前記開閉部材は前記冷媒の温度に反応して、前記第2開口の開閉を調節することができる。
【0023】
前記開閉部材は、前記連結管を開放または遮断する遮断部、および前記遮断部と連結され、形状記憶合金を含むスプリング部を含むことができる。
【0024】
前記スプリング部は前記冷媒の温度に反応して形状が変形され得、前記スプリング部の形状変形により前記遮断部が上下に動いて、前記連結管を開放または遮断することができる。
【0025】
前記スプリング部はコイル型スプリングまたは板状型スプリングであり得る。
【0026】
前記パックフレームに冷媒用開口が形成され得、前記冷媒用開口は前記スプリング部の一端部を支える段差部を含むことができる。
【0027】
前記モジュールフレームは、前記モジュールフレームの底部一部が延長されて形成されたモジュールフレーム延長部を含むことができ、前記ヒートシンクは、前記ヒートシンクの一辺から前記モジュールフレーム延長部が位置した部分に延長されたヒートシンク延長部を含むことができ、前記冷媒伝達用ボルトは、前記モジュールフレーム延長部、前記ヒートシンク延長部および前記パックフレームを締結することができる。
【0028】
前記パックフレームに冷媒用開口が形成され得、前記モジュールフレーム延長部に第1マウンティングホールが形成され得、前記ヒートシンク延長部に第2マウンティングホールが形成され得る。前記冷媒伝達用ボルトが前記第1マウンティングホール、前記第2マウンティングホールおよび前記冷媒用開口を通過することができる。
【0029】
前記冷媒伝達用ボルトは、前記連結管とつながる第1開口および第2開口を含むことができ、前記第1開口は前記パック冷媒管内部に配置され得、前記第2開口は前記モジュールフレームの底部と前記ヒートシンクの間に配置され得る。前記第1開口の開口方向は前記連結管の貫通方向と平行であり得、前記第2開口の開口方向は前記連結管の貫通方向と垂直であり得る。
【0030】
前記冷媒伝達用ボルトは、前記連結管が形成された本体部、および前記本体部の上端に位置したヘッド部を含むことができる。
【0031】
前記電池パックは、前記本体部を囲むガスケットをさらに含むことができ、前記ガスケットは、前記ヘッド部と前記モジュールフレームの底部一部が延長されて形成されたモジュールフレーム延長部との間、および前記ヒートシンクと前記パックフレームとの間のうちの少なくとも一ヶ所に位置することができる。
【0032】
前記電池モジュールの前面および後面にそれぞれ突出部が形成され得、前記電池パックは、前記電池モジュールの前面および後面にそれぞれ位置し、前記突出部を囲みながら前記パックフレームに結合される固定ブラケットをさらに含むことができる。
【0033】
前記パックフレームは、前記電池モジュールを支える支えフレーム、および前記支えフレームの下に位置した下部フレームを含むことができ、前記パック冷媒管は前記支えフレームと前記下部フレームの間に位置することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の実施形態によると、冷媒流路が形成された冷媒伝達用ボルトを通じて、マウンティング固定と加圧シーリングが同時に可能であり、部品数の節減および構造の単純化が可能である。
【0035】
また、冷媒を供給するために必要な貫通ホール間の整列に対する影響を最小化することができるため、冷媒漏れの可能性を減らすことができる。
【0036】
また、開閉部材が配置されて、冷媒伝達用ボルトに形成された連結管の開閉が冷媒の温度により能動的に調節され得る。
【0037】
また、改善された固定ブラケット構造を通じて電池モジュールの堅固な固定と同時に冷媒漏れによる被害を効果的に遮断することができる。
【0038】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図2】
図1の電池パックに含まれている電池モジュールのマウンティング方法を示す部分斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による電池パックに含まれている電池モジュールおよびパックフレームを示す斜視図である。
【
図4】
図3の電池モジュールをパックフレームに固定する固定ブラケットを分解して示す斜視図である。
【
図6】
図3の「A」部分を拡大して示す部分斜視図である。
【
図7】
図6の切断線B-B’に沿って切断した断面の部分断面図である。
【
図8】
図7の「E」部分を拡大して示す部分斜視図である。
【
図9】
図7の「E」部分を拡大して示す部分斜視図である。
【
図10】
図10(a)~
図10(c)は本発明の一実施形態による冷媒伝達用ボルトを多様な角度で眺めた図面である。
【
図11】
図11(a)および
図11(b)は本発明の一実施形態による冷媒伝達用ボルトおよび開閉部材を多様な角度で眺めた図面である。
【
図12】
図12(a)および
図12(b)は本発明の変形された一実施形態による冷媒伝達用ボルトおよび開閉部材を多様な角度で眺めた図面である。
【
図13】
図6の切断線C-C’に沿って切断した断面の部分断面図である。
【
図14】
図6の切断線D-D’に沿って切断した断面の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0041】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0042】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ず図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0043】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ず重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0044】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0045】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0046】
図3は本発明の一実施形態による電池パックに含まれている電池モジュールおよびパックフレームを示す斜視図である。
図4は
図3の電池モジュールをパックフレームに固定する固定ブラケットを分解して示す斜視図である。
図5は
図3の電池モジュールの分解斜視図である。
【0047】
図3~
図5を参照すると、本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池モジュール100、複数の電池モジュール100を収納するパックフレーム1100、および冷媒伝達用ボルトを含む。電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体120、電池セル積層体120を収納するモジュールフレーム200、およびモジュールフレーム200の底部210aの下に位置するヒートシンク300を含む。前記冷媒伝達用ボルトについては後述する。
【0048】
電池セル110は、パウチ型電池セルであり得る。このようなパウチ型電池セルは、樹脂層と金属層を含むラミネートシートのパウチケースに電極組立体を収納した後、前記パウチケースの外周部を熱融着して形成され得る。この時、電池セル110は長方形のシート型構造で形成され得る。
【0049】
このような電池セル110は、複数個で構成され得、複数の電池セル110は、互いに電気的に連結され得るように積層されて電池セル積層体120を形成する。特に、
図5に示されているようにx軸と平行な方向に沿って複数の電池セル110が積層され得る。
【0050】
本実施形態による電池セル積層体120は、電池セル110の個数が従来よりも多くなる大面積のモジュールであり得る。具体的に、電池モジュール100当たり32個~48個の電池セル110が含まれ得る。このような大面積のモジュールの場合、電池モジュールの水平方向の長さが長くなるようになる。ここで、水平方向の長さとは、電池セル110が積層された方向、つまり、x軸と平行な方向への長さを意味し得る。
【0051】
電池セル積層体120を収納するモジュールフレーム200は、上部カバー220およびU字型フレーム210を含むことができる。
【0052】
U字型フレーム210は、底部210a、および底部210aの両端部から上向きに延長された二つの側面部210bを含むことができる。底部210aは電池セル積層体120の下面(-z軸方向)を覆うことができ、側面部210bは電池セル積層体120の両側面(x軸方向と-x軸方向)を覆うことができる。
【0053】
上部カバー220は、U字型フレーム210により囲まれる前記下面および前記両側面を除いた残りの上面(z軸方向)を囲む一つの板状型構造で形成され得る。上部カバー220とU字型フレーム210は、互いに対応する縁部位が接触された状態で、溶接などにより結合することによって、電池セル積層体120を上下左右に覆う構造を形成することができる。上部カバー220とU字型フレーム210を通じて電池セル積層体120を物理的に保護することができる。このために上部カバー220とU字型フレーム210は所定の強度を有する金属材質を含むことができる。
【0054】
一方、具体的に図示していないが、変形例によるモジュールフレーム200は、上面、下面および両側面が一体化した金属板材形態のモノフレームであり得る。つまり、U字型フレーム210と上部カバー220が互いに結合する構造でなく、押出成形により製造されて上面、下面および両側面が一体化した構造であり得る。
【0055】
エンドプレート400は、電池セル積層体120の前面と後面(y軸方向と-y軸方向)に位置して電池セル積層体120を覆うように形成され得る。このようなエンドプレート400は、外部の衝撃から電池セル積層体120およびその他電装品を物理的に保護することができる。
【0056】
一方、具体的に図示していないが、電池セル積層体120とエンドプレート400の間にはバスバーが装着されるバスバーフレームおよび電気的絶縁のための絶縁カバーなどが位置することができる。
【0057】
一方、本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレーム200の底部210aの下に位置するヒートシンク300を含む。モジュールフレーム200の底部210aはヒートシンク300の上部プレートを構成することができ、ヒートシンク300の陥没部340とモジュールフレーム200の底部210aが冷媒の流路を形成することができる。
【0058】
具体的に、ヒートシンク300は、ヒートシンク300の骨格を形成し、モジュールフレーム200の底部210aと溶接などにより直接接合される下部プレート310、および冷媒が流動する経路である陥没部340を含むことができる。
【0059】
ヒートシンク300の陥没部340は、下部プレート310が下側に陥没形成された部分に該当する。陥没部340は、冷媒流路が伸びる方向を基準として垂直にxz平面で切断した断面がU字型管であり得、前記U字型管の開放された上側に底部210aが位置することができる。ヒートシンク300が底部210aと接しながら、陥没部340と底部210aの間の空間が冷媒が流動する領域、つまり、冷媒の流路となる。これによって、モジュールフレーム200の底部210aが前記冷媒と接触することができる。
【0060】
ヒートシンク300の陥没部340の製造方法に特別な制限はないが、板状型のヒートシンク300に対して陥没形成された構造を設けることによって、上側が開放されたU字型陥没部340を形成することができる。
【0061】
一方、図示してはいないが、
図5のモジュールフレーム200の底部210aと電池セル積層体120の間に熱伝導性樹脂(Thermal resin)を含む熱伝導性樹脂層が位置することができる。前記熱伝導性樹脂層は、熱伝導性樹脂(Thermal resin)を底部210aに塗布し、塗布された熱伝導性樹脂が硬化して形成され得る。
【0062】
前記熱伝導性樹脂は、熱伝導性接着物質を含むことができ、具体的にシリコン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材およびアクリル(Acrylic)素材のうちの少なくとも一つを含むことができる。前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して電池セル積層体120を構成する一つ以上の電池セル110を固定する役割を果たすことができる。また、熱伝導特性に優れて電池セル110で発生した熱を迅速に電池モジュールの下側に伝達することができる。
【0063】
本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレーム200とヒートシンク300の冷却一体型構造を実現して、冷却性能をより向上させることができる。モジュールフレーム200の底部210aがヒートシンク300の上部プレートに対応する役割を果たすことによって冷却一体型構造を実現することができる。直接冷却による冷却効率が上昇し、ヒートシンク300がモジュールフレーム200の底部210aと一体化した構造を通じて電池モジュール100、および電池モジュール100が装着された電池パック上の空間活用率をより向上させることができる。
【0064】
具体的には、電池セル110で発生した熱が電池セル積層体120と底部210aの間に位置する熱伝導性樹脂層(図示せず)、モジュールフレーム200の底部210a、冷媒を経て電池モジュール100の外部に伝達され得る。従来の不要な冷却構造を除去することによって、熱伝達経路が単純化され、各層の間のエアーギャップを減らすことができるため、冷却効率や性能を増大することができる。特に、底部210aがヒートシンク300の上部プレートで構成されて、底部210aが直ちに冷媒と接触するため、冷媒を通じたより直接的な冷却が可能であるという長所がある。
【0065】
また、不要な冷却構造の除去を通じて電池モジュール100の高さが減少して、原価節減が可能であり、空間活用度を高めることができる。なお、電池モジュール100がコンパクトに配置され得るため、電池モジュール100を多数含む電池パックの容量や出力を増大させることができる。
【0066】
一方、モジュールフレーム200の底部210aは、ヒートシンク300のうち、陥没部340が形成されていない下部プレート310部分と溶接を通じて接合され得る。本実施形態は、モジュールフレーム200の底部210aとヒートシンク300の冷却一体型構造を通じて、前述した冷却性能の向上だけでなく、モジュールフレーム200に収容された電池セル積層体120の荷重を支持し、電池モジュール100の剛性を補強する効果を有することができる。それだけでなく、下部プレート310とモジュールフレーム200の底部210aは、溶接接合などを通じて密封されることによって、下部プレート310内側に形成された陥没部340で冷媒が漏れなしに流動することができる。
【0067】
効果的な冷却のために、
図5に示されているように、モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって陥没部340が形成されることが好ましい。このために、陥没部340は、少なくとも一回曲がって一側から他側につながり得る。特に、モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって陥没部340が形成されるために、陥没部340は数回曲がることが好ましい。モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって形成された冷媒流路の開始点から終了点まで冷媒が移動することによって、電池セル積層体120の全領域に対する効率的な冷却が行われ得る。
【0068】
一方、前記冷媒は、冷却のための媒介物として、特別な制限はないが、冷却水であり得る。
【0069】
一方、本実施形態によるヒートシンク300の陥没部340には突出パターン340Dが形成され得る。本実施形態による電池セル積層体120のように積層される電池セルの個数が従来と比べて多く増える大面積の電池モジュールの場合、冷媒流路の幅がより広く形成され得るため、温度偏差がより激しくなり得る。大面積の電池モジュールでは、既存の一つの電池モジュール内にほぼ12個~24個の電池セルが積層された場合とは異なり、ほぼ32個~48個の電池セルが一つの電池モジュール内に積層されている場合を含むことができる。このような場合、本実施形態による突出パターン340Dは、冷却流路の幅を実質的に縮小させる効果を発生させて圧力降下を最小化し、同時に冷媒流路幅間の温度偏差を減らすことができる。したがって、均一な冷却効果を実現することができる。
【0070】
以下、
図6および
図7などを参照して冷媒伝達用ボルトを通じた締結について具体的に説明する。
【0071】
図6は
図3の「A」部分を拡大して示す部分斜視図である。
図7は
図6の切断線B-B’に沿って切断した断面の部分断面図である。
【0072】
図4~
図7を参照すると、本実施形態による電池パックは、モジュールフレーム200の底部210a、ヒートシンク300およびパックフレーム1100を締結する冷媒伝達用ボルト700を含む。
【0073】
本実施形態によるパックフレーム1100は、冷媒の供給と排出のためのパック冷媒管1130、1140、およびパック冷媒管1130、1140に形成された冷媒用開口1150、1160を含むことができる。具体的に、パック冷媒管1130、1140は、冷媒の供給のためのパック冷媒供給管1130、および冷媒の排出のためのパック冷媒排出管1140を含むことができる。また、冷媒用開口1150、1160は、パック冷媒供給管1130と連結された冷媒供給用開口1150、およびパック冷媒排出管1140と連結された冷媒排出用開口1160を含むことができる。
【0074】
パックフレーム1100は、電池モジュール100を支える支えフレーム1110、および支えフレーム1110の下に位置した下部フレーム1120を含むことができる。パック冷媒供給管1130とパック冷媒排出管1140は支えフレーム1110と下部フレーム1120の間に位置することができ、より詳しくは、パック冷媒供給管1130とパック冷媒排出管1140は支えフレーム1110の直下に位置して支えフレーム1110と一体化した構成であり得る。
【0075】
本実施形態によるモジュールフレーム200は、モジュールフレーム200の底部210aの一部が延長されて形成されたモジュールフレーム延長部211を含むことができる。また、本実施形態によるヒートシンク300は、ヒートシンク300の一辺からモジュールフレーム延長部211が位置した部分に延長されたヒートシンク延長部311を含むことができる。モジュールフレーム延長部211とヒートシンク延長部311は互いに対応する形態を有し、エンドプレート400を通過するように延長形成され得る。
【0076】
モジュールフレーム延長部211に第1マウンティングホール211Hが形成され、ヒートシンク延長部311に第2マウンティングホール311Hが形成され得る。
【0077】
本実施形態による冷媒伝達用ボルト700は、モジュールフレーム延長部211、ヒートシンク延長部311およびパックフレーム1100を締結するが、具体的には、冷媒伝達用ボルト700が第1マウンティングホール211H、第2マウンティングホール311Hおよびパックフレーム1100の冷媒供給用開口1150を順次に通過して締結される。
【0078】
以下、
図8~
図11などを参照して冷媒伝達用ボルトを通じた冷媒伝達構造について具体的に説明する。パック冷媒管1130、1140のうち、パック冷媒供給管1130を基準として説明するが、パック冷媒排出管1140にも冷媒伝達用ボルト700を通じた冷媒伝達構造が同様に適用され得る。
【0079】
図8および
図9は
図7の「E」部分を拡大して示す部分斜視図である。
図10a~
図10cは本発明の一実施形態による冷媒伝達用ボルトを多様な角度で眺めた図面である。
図11aおよび
図11bは本発明の一実施形態による冷媒伝達用ボルトおよび開閉部材を多様な角度で眺めた図面である。
【0080】
具体的に、
図8は開閉部材900aにより冷媒流路が開放された状態を示し、
図9は開閉部材900aにより冷媒流路が遮断された状態を示す。一方、
図10a~
図10cは説明の便宜のために開閉部材900aを除去した様子の冷媒伝達用ボルト700を示したものであり、
図10aは冷媒伝達用ボルト700の斜視図であり、
図10bは
図10aの冷媒伝達用ボルト700を下から眺めた平面図であり、
図10cは
図10aの冷媒伝達用ボルト700を覆した後に側面から眺めた側面図である。一方、
図11aおよび
図11bは冷媒伝達用ボルト700に開閉部材900aが配置された様子を示す。
図8~
図11を参照すると、本実施形態による冷媒伝達用ボルト700には、パック冷媒管1130、1140およびヒートシンク300を連結する連結管713が形成され、冷媒伝達用ボルト700は、冷媒の温度に反応して連結管713を開放または遮断する開閉部材(opening-closing member)900aを含む。
図8にはパック冷媒供給管1130とヒートシンク300を連結する冷媒伝達用ボルト700の連結管713が示されている。
【0081】
具体的には、冷媒伝達用ボルト700は、連結管713が形成された本体部710、および本体部710の上端に位置したヘッド部720を含むことができる。本体部710は第1マウンティングホール211Hおよび第2マウンティングホール311Hの内径と対応する直径を有する柱形態の構成であり、具体的に図示していないが、外周面にねじ山が形成され得る。冷媒供給用開口1150の内側面にもねじ山が形成され得、本体部710がパックフレーム1100に締結され得る。ヘッド部720は本体部710よりも直径が大きい構成であり、モジュールフレーム延長部211とヒートシンク延長部311を密着させることができる。
【0082】
冷媒伝達用ボルト700は、連結管713とつながり、本体部710に形成された第1開口711および第2開口712を含むことができる。第1開口711はパック冷媒供給管1130内部に配置され、第2開口712はモジュールフレーム200の底部210aとヒートシンク300の間に配置され得る。第1開口711の開口方向は連結管713の貫通方向と平行であり、第2開口712の開口方向は連結管713の貫通方向と垂直であり得る。第1開口711は連結管713とつながりながら本体部710の一端に位置することができ、第2開口712は本体部710の外周面に沿って複数個で形成されて連結管713とつながり得る。
【0083】
パック冷媒供給管1130を通じて移動した冷媒が第1開口711、連結管713および第2開口712を順次に通過して底部210aとヒートシンク300の間に流入され得る。流入された冷媒は、前述したとおり、ヒートシンク300の陥没部340に沿って移動して電池モジュール100を冷却することができる。
【0084】
本実施形態による冷媒伝達用ボルト700は、モジュールフレーム200とヒートシンク300をパックフレーム1100にマウンティング固定する機能を担当するだけでなく、電池モジュール100下端に冷媒を供給する経路として機能することができる。また、冷媒伝達用ボルト700の締結力により底部210a、ヒートシンク300およびパック冷媒供給管1130が互いに強く密着するため、密封性が向上してその間の冷媒漏れの可能性を減らすことができる。つまり、マウンティング固定、加圧シーリングおよび冷媒伝達を同時に行うことができるため、部品数の節減および構造の単純化が可能である。また、冷媒伝達用ボルト700により冷媒供給用開口1150と第2マウンティングホール311Hが整列されるしかないため、冷媒を供給するために必要な貫通ホール間の整列に対する影響を最小化することができ、冷媒漏れの可能性を減らすことができる。
【0085】
一方、本実施形態による開閉部材900aは、冷媒の温度に反応して連結管713を開放または遮断する。具体的には、開閉部材900aは、形状記憶合金を含んで冷媒の温度に反応することができ、第2開口712の開閉を調節することができる。また、開閉の程度を調節して、ヒートシンク300を流れる冷媒の流量が調節され得る。この時、形状記憶合金は転移温度以下で変形され、転移温度以上になると変形前へ戻る性質を有する合金であり得る。
【0086】
具体的に、開閉部材900aは、連結管713を開放または遮断する遮断部910a、および遮断部910aと連結され、形状記憶合金を含むスプリング部920aを含むことができる。遮断部910aは、第2開口712が形成された本体部710の外周面を囲む形態であり得、このような遮断部910aの下にスプリング形態のスプリング部920aが連結され得る。
【0087】
スプリング部920aは、形状記憶合金を含むことができ、前記冷媒の温度に反応して形状が変形され得る。特に、冷媒の温度によりスプリング形態が上下方向に伸びたり縮んだりすることができる。このようなスプリング部920aの形状変形により遮断部910aが上下に動いて、連結管713、特に第2開口712を開放または遮断することができる。一例として、
図8はスプリング部920aが上下方向に縮んで遮断部910aが下に動いて、第2開口712が開放された状態を示す。反面、
図9はスプリング部920aが上下方向に伸びて遮断部910aが上に動いて、第2開口712が遮断された状態を示す。
【0088】
一方、前述したとおり、本実施形態によるパックフレーム1100は、パック冷媒管1130、1140、およびパック冷媒管1130、1140に形成された冷媒用開口1150、1160を含むことができる。この時、冷媒用開口1150、1160は、スプリング部920aの一端部を支える段差部1150Sを含むことができる。
図8および
図9を基準として説明すると、冷媒伝達用ボルト700が通過する冷媒供給用開口1150は、段差構造を有する段差部1150Sを含むことができる。このような段差部1150Sの上面にスプリング部920aが配置され得る。スプリング部920aが冷媒の温度により上下方向に伸びたり縮んだりする時、段差部1150Sにより支持されるため、遮断部910aを上下に移動させることができる。
【0089】
本実施形態による電池パックは、一定の温度に反応する形状記憶合金を利用した開閉部材900aを冷媒伝達用ボルト700に適用することによって、冷媒の温度により能動的に冷媒の供給と遮断を調節することができ、開閉の程度により冷媒の流量も調節することができる。別途の複雑な調節装置なしでも、簡便に電池モジュールの温度により流量が調節される冷媒循環システムを形成することができる。
【0090】
一方、本実施形態による電池パックは、冷媒伝達用ボルト700の本体部710を囲むガスケット600をさらに含むことができる。ガスケット600は、ヘッド部720とモジュールフレーム延長部211の間、およびヒートシンク300とパックフレーム1100の間のうちの少なくとも一ヶ所に位置することができる。このようなガスケット600を通じて冷媒の漏れを防止することができる。
【0091】
一方、具体的に図示していないが、第1マウンティングホール211H、第2マウンティングホール311Hおよびパックフレーム1100の冷媒排出用開口1160も本実施形態による冷媒伝達用ボルト700により締結され得る。言い換えると、本実施形態によれば、パック冷媒管1130、1140は全て冷媒伝達用ボルト700を通じてヒートシンク300と連結され、第1マウンティングホール211H、第2マウンティングホール311Hおよび冷媒伝達用ボルト700は複数個で構成され得る。パック冷媒供給管1130からいずれか一つの第2マウンティングホール311Hと冷媒伝達用ボルト700を通じて流入した冷媒が陥没部340に沿って移動した後、他の一つの第2マウンティングホール311Hと冷媒伝達用ボルト700を通じてパック冷媒排出管1140に排出され得る。
【0092】
一方、
図11aおよび
図11bを再び参照すると、本実施形態によるスプリング部920aは、コイル型スプリングであり得る。具体的に、このようなコイル型スプリングは、冷媒伝達用ボルト700の本体部710の外周面を囲みながら、冷媒の温度に反応して上下方向に圧縮などの変形が可能であり得る。
【0093】
一方、
図12aおよび
図12bは、本発明の変形された一実施形態による冷媒伝達用ボルトおよび開閉部材を多様な角度で眺めた図面である。
【0094】
図12aおよび
図12bを参照すると、本実施形態による開閉部材900bは、遮断部910bおよびスプリング部920bを含むことができる。この時、遮断部910bは前述した構成と類似乃至同一であり得るが、スプリング部920bは板状型スプリングであり得る。具体的に、複数の板状型スプリングは、遮断部910bに沿って一定の間隔で離隔して配置され、冷媒の温度に反応して上下方向に圧縮などの変形が可能であり得る。
【0095】
このような本実施形態によるスプリング部920a、920bは、一つの例示的構造であり、遮断部910a、910bを上下方向に移動させることができれば、その形態の特別な制限はない。
【0096】
以下、
図13および
図14などを参照して固定ブラケットを通じた固定方式について具体的に説明する。
【0097】
図13は
図6の切断線C-C’に沿って切断した断面の部分断面図であり、
図14は
図6の切断線D-D’に沿って切断した断面の部分断面図である。
【0098】
図4、
図5、
図13および
図14を参照すると、本実施形態による電池モジュール100の前面および後面にそれぞれ突出部410が形成される。電池モジュール100の前面および後面にエンドプレート400が位置することができるが、突出部410はエンドプレート400に形成され得る。具体的に、突出部410は電池セル110の積層方向と垂直方向(y軸と平行な方向)に向かって突出した構造であり得る。つまり、電池モジュール100の前面に形成された突出部410はy軸方向に向かって突出し、電池モジュール100の後面に形成された突出部410は-y軸方向に向かって突出し得る。
【0099】
また、突出部410は、電池モジュール100の前面の下側縁部と電池モジュール100の後面の下側縁部にそれぞれ形成され得る。なお、電池モジュール100の前面と後面のそれぞれに対して互いに離隔した二つの突出部410が形成され得る。
【0100】
固定ブラケット500は、突出部410を囲みながらパックフレーム1100に結合することができる。具体的に、突出部410は、エンドプレート400から突出して形成されることによって上面と3個の側面を有するが、固定ブラケット500は、突出部410の上面と一側面を囲む固定部510を含むことができる。なお、固定部510は突出部410の他の二つの側面をさらに囲むことができる。
【0101】
一方、固定ブラケット500にブラケットホール500Hが形成され、パックフレーム1100にパックフレームホール1111Hが形成される。本実施形態による電池パックは、パックフレームホール1111Hとブラケットホール500Hを通過するブラケットボルトB1、およびブラケットボルトB1と結合するブラケットナットN1を含むことができる。
【0102】
具体的に、ブラケットホール500Hとパックフレームホール1111Hが互いに対応するように位置し、ブラケットボルトB1がパックフレームホール1111Hとブラケットホール500Hを通過して上向きに直立することができる。その後、ブラケットボルトB1がブラケットナットN1と結合して固定ブラケット500がパックフレーム1100に固定され得る。効果的な固定のためにパックフレームホール1111H、ブラケットホール500H、ブラケットボルトB1およびブラケットナットN1は、それぞれ複数で構成されることが好ましく、
図4には一実施形態として、それぞれ4個ずつ構成された様子が示されている。
【0103】
電池モジュール100を間に置いて互いに対向して配置される二つの固定ブラケット500が電池モジュール100の突出部410を囲みながら、ブラケットボルトB1とブラケットナットN1を通じてパックフレーム1100に結合するため、電池モジュール100がパックフレーム1100に収納および固定され得る。
【0104】
一方、
図13に示されているように、本実施形態による電池パックは、突出部410とパックフレーム1100の間に位置する絶縁部材800をさらに含むことができる。絶縁部材800は、電気的絶縁を帯びるパッド形態の部材であり得る。エンドプレート400とパックフレーム1100の間に異種材質接触によるガルバニック腐食(Galvanic Corrosion)が発生することがあるが、その間に絶縁部材800を配置することによって、ガルバニック腐食の発生を予防することができる。
【0105】
一方、
図6を再び参照すると、本実施形態による固定ブラケット500は、モジュールフレーム延長部211を覆う蓋部520を含むことができる。また、蓋部520の左、右にはブラケットボルトB1とブラケットナットN1の締結構造がそれぞれ位置することができる。ブラケットボルトB1とブラケットナットN1で固定される固定ブラケット500に蓋部520を形成することによって、モジュールフレーム延長部211を加圧することができる。したがって、モジュールフレーム延長部211およびヒートシンク延長部311が密着してその間の冷媒漏れの可能性を減らすことができる。また、冷媒伝達用ボルト700のヘッド部720がエンドプレート400、モジュールフレーム延長部211および蓋部520に囲まれたまま密閉され得る。蓋部520を通じて密閉することによって、漏れた冷媒が周辺の部品に浸透することを遮断することができる。つまり、蓋部520自体が冷媒の漏れ防止機能を遂行することができる。
【0106】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されているが、このような用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、対象となる事物の位置や観測者の位置などにより変わり得る。
【0107】
前述した本実施形態による一つまたはそれ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0108】
前記電池モジュールや電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用され得るが、これに制限されず、二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0109】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0110】
100:電池モジュール
200:モジュールフレーム
211:モジュールフレーム延長部
300:ヒートシンク
311:ヒートシンク延長部
700:冷媒伝達用ボルト
713:連結管
900a、900b:開閉部材
1100:パックフレーム