(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】体の裂け目に適応した製品のための吸収部材及びそのような吸収部材を備えた製品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/472 20060101AFI20231114BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20231114BHJP
A61F 13/511 20060101ALI20231114BHJP
A61F 13/514 20060101ALI20231114BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20231114BHJP
A61F 13/551 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
A61F13/472 100
A61F13/15 120
A61F13/511 300
A61F13/514 100
A61F13/53 300
A61F13/551 300
(21)【出願番号】P 2020566317
(86)(22)【出願日】2019-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2019053752
(87)【国際公開番号】W WO2019158672
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2022-02-09
(32)【優先日】2018-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520310632
【氏名又は名称】ブレヴィンス,ジョン
(74)【代理人】
【識別番号】100163991
【氏名又は名称】加藤 慎司
(72)【発明者】
【氏名】ブレヴィンス,ジョン
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-97693(JP,A)
【文献】特開2007-14657(JP,A)
【文献】特開2007-14658(JP,A)
【文献】特開2012-115465(JP,A)
【文献】特表2006-518711(JP,A)
【文献】特表2001-506168(JP,A)
【文献】特開2008-142114(JP,A)
【文献】特開2004-290598(JP,A)
【文献】特開平11-290376(JP,A)
【文献】特開2009-240673(JP,A)
【文献】特開2007-111194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の裂け目に着用するための吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、少なくとも90重量%が生分解性である化合物からなり、
前記吸収性物品は、
-i)天然材料又は分解性材料をベースとしたトップシ-トと、
-ii)繊維及び超吸収性材料を含んだ吸収性コアと、
-iii)天然材料又は分解性材料をベースとしたバックシ-トと、
を含み、
前記トップシート、前記吸収性コア、又は前記バックシートは、
-セルロース繊維又は変性セルロース材料、
-デンプン、デンプンベ-ス又はデンプン由来の材料、
-ポリ乳酸又はポリラクテ-ト、
-ポリヒドロキシブチレ-ト、ポリヒドロキシアルカノエ-ト、又はポリヒドロキシバレレ-ト、
-ヒドロキシメチルフルフラ-ル、
-ポリカプロラクタン、
-ポリアミド、及び
-ポリウレタン
からなる群より選択される化合物を含み、
前記吸収性物品は、
-全長が50mm以上150mm未満であり、
-全幅が30mm以上150mm未満であり、
前記吸収性物品は、
-着用者の矢状面に平行に配置され、それによって前記吸収性物品の長手方向を規定するように適合された折線と、
-前記吸収性物品の幅方向に前記折線から離れて延びる第1及び第2の側部と、
を備え、
前記側部の各々は、
・前記トップシ-トによって形成されている第1の表面と;
・前記第1の表面の反対側の第2の表面であって、前記バックシートによって形成されている、第2の表面と;
・前記第1の表面と前記第2の表面との間に配置された前記吸収性コアと;
を備え、
前記吸収性物品は、接着剤を含まず、熱融着結合のみを含んでおり、
前記吸収性物品又は前記吸収性コアが、本明細書に記載されている折り畳みドリップオフ容量試験に従って試験されたとき、次の条件のうちの少なくとも1つを満たしている、吸収性物品。
-前記吸収性物品について:
・少なくとも2mlの3.92kPa(40g/cm
2負荷としても表される)における高圧ドリップオフ容量;
・少なくとも4mlの0.981kPa(10g/cm
2負荷としても表される)における低圧ドリップオフ容量;
・3.92kPaにおける高圧ドリップオフ容量の80%のテスト流体負荷で、0.1g以下の高圧エッジ湿潤;
・0.981kPaにおける低圧ドリップオフ容量の80%のテスト流体負荷で0.1g以下の低圧エッジ湿潤、
-前記吸収性コアについて:
・少なくとも2ml/gコア材料の3.92kPa(40g/cm
2負荷としても表される)における高圧コアドロップオフ容量係数;
・少なくとも4ml/gコア材料の0.981kPa(10g/cm
2負荷としても表される)における低圧コアドリップオフ容量係数。
【請求項2】
前記吸収性物品は、完全に生分解性である化合物からなる、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品はさらに、使用前の構成を有している、すなわち、
-前記折線に沿って予め折り畳まれ
ているか;
-前記折線に沿って部分的に折り畳まれ
ているか;又は、
-折り畳まれていな
い、
請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
i)
前記トップシ-ト
は、
綿又はビスコ-
スを含む繊維
;
生分解性材料をベースとする開口フィルム材料;
生分解性材料
をベースとするコ-ティング材料;
及び
生分解性材料
をベースとするバインダ材料
からなる群より選択される1つ又は2つ以上の要素を含み;
ii)
前記吸収性コア
は、
生分解性の繊維;
生分解性の超吸収性材料;及び
生分解性
のバインダ材料
からなる群より選択される1つ又は2つ以上の要素を含み;
iii)
前記バックシ-ト
は、
綿又はビスコ-ス
を含む繊維
;
生分解性材料をベースとするフィルム材料;
生分解性材料
をベースとするコ-ティング材料;
及び
生分解性材料
をベースとするバインダ材料
からなる群より選択される1つ又は2つ以上の要素を含んでいる、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
iv)除去手
段;
v)アプリケ-ション補助
具;
vi)
前記吸収性物品の表面を他の表面
に一時的に接続するための取り付け手段;
vii)
前記第1の表面に適用される皮膚軟化剤/ロ-ション;
viii)エッジバリアウェブ;
ix)縁に塗布されたバリア化合
物;
x)2つの副層を備えた楕円形のコアである
前記吸収性コア;及び
x
i)ロ-ルに巻かれた一連の物
品の一部であって
、前記一連の物品は、単一又は複数のレ-ン配列に配列される物品の一部;
からなる群より選択される1つ又は2つ以上の構成要素を更に含んだ請求項
1乃至4の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性コアは、
丸い長手方向端部及び真っ直ぐな側縁部を示し、
-第1の吸収性ウェブ材料の第1の
副層と、
-第2の吸収性ウェブ材料の第2の
副層と
を備え、
前記第1及び第2の
副層は、部分的に重なり合うように配置される、
請求項1乃至
5の何れか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収デバイス又は物品のための吸収部材、及びそのような吸収デバイス又は物品に関する。より詳細には、月経目的、失禁保護、又はその両方のために女性の着用者によって陰唇間などの体の皺又は裂け目に着用される改善された吸収デバイスの文脈に、並びに、軽い便失禁若しくは痔核のために肛門の皺において着用されるもの、又は脇の下の汗取りパッドの文脈に関連する。
【背景技術】
【0002】
人体の裂け目、皺、又は類似の部分にフィットするように適合された吸収性製品、物品、又はデバイス、ならびにそのような製品、物品、又はデバイスのための吸収部材は、当技術分野で周知である。
【0003】
第1のカテゴリは、肛門滲出物又は汗を吸収するため、鼓腸の影響を最小限にするため、又は出血の場合に薬剤などの物質を適用するために肛門パッド又は出血治療パッドとして肛門領域に配置される物品に関する。例えば、1977年のUS4182335A、1997年のUS6716229B2、及びUS8062277B2を参照。US8353884B2には、2つの平坦な表面に垂直な接触表面を有する吸収性部材を有するパッドと、接触表面と整列した開口を有する接着性バッキング層とを有する、例えば、低レベルの便失禁及び肛門領域の汚れを取り扱うための肛門パッチが記載されている。US8062277B2には、例えば、鼓腸又は漏れ吸収性、及び、パッドが臀部間で摩擦的に保持されるように着用者の肛門開口部に近接した非粘着性の臀部間吸収性パッドの位置決めについて記載されている。WO2010072216A1は、セルロ-ス及び通気性材料で作成された汗を吸収することができる材料で作られ、腋窩パッドとして着用することができる衣類アイテム用インサ-トに関する。
【0004】
女性用保護具としては、陰部周辺の外部装着用生理用ナプキンや、膣腔内の生理用タンポンが知られている。生理用ナプキン及びタンポンの構造的特徴を単一のデバイスに統合しようとするハイブリッドデバイスも提案されている。例えば、1937年のUS2092346、又は、1975年のUS3905372を参照。
【0005】
侵襲性の低いハイブリッドデバイスに対する別のアプロ-チは、陰唇間パッド(interlabial pads)として知られるようになった。このようなパッドは、少なくとも部分的に着用者の前庭内に存在する部分と、少なくとも部分的に着用者の前庭の外部に存在する部分とを有する。例えば、1953年のUS2662527、又は、1986年のUS4631062を参照。
【0006】
そのような吸収性部材及びデバイスのさらなる例は、1959年12月15日にDelaneyに発行された米国特許第2917049号、1969年1月7日にHarmonに発行された米国特許第3420235号、1986年6圧17日にJohnsonらに発行された米国特許第4595392号、1991年12月24日及び1994年8月9日にRosenbluthらに発行された米国特許第5074855号及び第5336208号、並びに、1996年1月16日にVukosらに発行された米国特許第5484429号に記載されている。
【0007】
市販された数少ない陰唇間デバイス製品の1つは、「FRESH ′N FIT PADETTE」(「INSYNC」又は「INSYNC MINIFORM」とも呼ばれる)陰唇間パッドで、米国オレゴン州ポ-トランドのAthena Medical Corp.から販売され、US3983873及びUS4175561で説明されていたものである。同様に、製品「Sofy Syncro Fit」は、経皮吸収性パッドと組み合わせて経血吸収性を追加するものとしてユニ・チャ-ム社(日本)から提供されている。
【0008】
しかしながら、そのような製品は、複雑な製造プロセスや高い製造コストをもたらす非効率な材料利用を含むいくつかの要因の結果として、未だ広範な商業的流通を有していない。
【0009】
さらに最近では、そのような製品は、典型的にはトイレを介して廃棄されるように、好ましくは、下水処理システムが洗浄されたパッドを捕捉することを許容しない場合に生分解性を提供するだけでなく、下水システムを妨害しない洗い流し性に関するより一層厳しい要件を満たすべきである。
【0010】
したがって、これらの問題に対処し、使用時の身体及びパンティ汚れの発生を低減する改良された吸収性物品が必要とされている。このようなデバイスは、挿入が簡単で、装着時に快適でなければならない。一連の身体動作を通して着用者の陰唇の壁も覆い、また、このような動作中に膣入口部、好ましくは尿道も確実に覆う陰唇間デバイスが必要とされている。好ましくは、物品は、主として折り畳みリッジ上ではなく、製品の側部上で身体滲出物を受けるように適合され、折り畳み容量テスト(Folded Capacity Test)又はその各々のサブテストを適用することによって十分に評価することができる。
【発明の概要】
【0011】
したがって、第1の態様では、本発明は、人体の裂け目、好ましくは女性の陰唇の間、臀部若しくは臀部の裂け目の間、又は脇の下に着用するための吸収性物品である。この物品は、以下に説明する「折り畳み容量テスト」の実行時に以下の条件の1つ以上が満たされるような吸収部材を含んでいる:
-物品は、以下を示す。
・少なくとも2mlの3.92kPa(40g/cm2の荷重としても表される)における高圧ドリップオフ容量;
・少なくとも4mlの0.981kPa(10g/cm2とも表記)における低圧ドリップオフ容量;
・3.92kPaにおける高圧ドリップオフ容量の80%のテスト流体負荷で、0.1g以下の高圧エッジ湿潤;
・0.981kPaにおける低圧ドリップオフ容量の80%のテスト流体負荷で、0.1g以下の低圧エッジ湿潤;
-吸収部材は、以下を示す。
・少なくとも2ml/gコア材料の3.92kPa(40g/cm2負荷としても表される)における高圧ドリップオフ容量係数;
・少なくとも4ml/gコア材料の0.981kPa(10g/cm2負荷としても表される)における低圧コアドリップオフ容量係数;
【0012】
この物品は、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは95%を超え、さらにより好ましくは99%を超え、最も好ましくは実質的に完全に生分解性である化合物からなる。物品は、使用中の構成を示すことができ、物品は、着用者の矢状面(sagittal plane)に平行に配置されるように適合された折り目を含み、それによって物品の長手方向を規定する。第1及び第2の側部は、物品の幅方向に、好ましくはそれらの間の角度が45°未満で、折り目から離れて延びていてもよい。これら側部は、任意に、長手方向の折線に対して対称である実質的に同一の形状を示してもよい。側部の各々は、着用者の皮膚に直接接触し、着用者から放出された身体の滲出物を受けるように適合され、トップシ-ト材料によって形成される第1の表面と、第1の表面の反対側の第2の表面とを含み、第2の表面は、側部の厚さだけ第1の表面から離間され、第2の表面は、バックシ-ト原料強度を示すバックシ-ト原料と、第1の表面と第2の表面との間に配置された吸収性コアとから形成される。好ましくは、第1及び第2の側部のバックシ-ト及びトップシ-ト材料は、同じ材料タイプ、より好ましくは単一であり、物品は、予想される使用期間を通して使用中の構成を維持するように適合される。
【0013】
物品は、好ましくは洗い流し性(flushability)試験に合格することによって洗い流し性を可能にし、及び/又は物品の化合物の生分解性を可能にするために、使用後の形態にさらに好ましくは適合される。
【0014】
使用前の構成では、物品は、折り目に沿って予め折り畳まれても、折り目に沿って部分的に折り畳まれても、又は展開してもよく、好ましくは、ユ-ザによる使用中構成への変換を容易にするための折り畳み補助(folding aid)を含んでいる。
【0015】
本発明による物品は、好ましくは、以下を備えている。
i)繊維、好ましくは天然材料をベ-スとし、より好ましくは綿又はビスコ-スを含む繊維、分解性、好ましくは生分解性材料をベ-スとする開口フィルム材料;分解性、好ましくは生分解性材料をベ-スとするコ-ティング材料;分解性、好ましくは生分解性材料を基材とするバインダ材料からなる群より選択される1つ又は2つ以上の要素を備えたトップシ-ト;
ii)好ましくは分解性、より好ましくは生分解性の繊維、好ましくは分解性、より好ましくは生分解性の高吸収性材料、好ましくは分解性、より好ましくは生分解性のバインダ材料からなる群より選択される1つ又は2つ以上の要素を備えた吸収性コア;
iii)繊維、好ましくは天然材料をベ-スとする、より好ましくは綿又はビスコ-スを含む繊維、分解性材料、好ましくは生分解性材料をベ-スとするフィルム材料;分解性材料、好ましくは生分解性材料に基づくコ-ティング材料;分解性材料、好ましくは生分解性材料上のバインダ材料からなる群より選択される1つ又は2つ以上の要素を備え、2つ又は全ての要素が一体であってもよいバックシ-ト。
【0016】
さらに、本発明による物品は、以下からなる群より選択される1つ又は2つ以上の要素を含んでいてもよい。
iv)除去手段、好ましくは紐、ストライプ、又はバンド;
v)アプリケ-ションエイド、好ましくはフィンガ-ポ-チ;
vi)物品の表面を他の表面、好ましくは着用者の衣類又は皮膚に一時的に接続するための取り付け手段;
vii)第1の表面に適用される皮膚軟化剤/ロ-ション;
viii)エッジバリアウェブ;
ix)縁に塗布されたバリア化合物、好ましくはワックス;
ix)少なくとも長手方向の端部が丸みを帯びた形状であり、好ましくは2つの副層を含む吸収性コア;
x)ロ-ルに巻かれた一連の物品、好ましくは包装された物品の一部であり、このロ-ルは、好ましくは従来のトイレットペ-パ-ロ-ルの幅を示し、一連の物品は、単一又は複数レ-ン配列、好ましくは千鳥(staggered)配列の複数レ-ン配列に配列されるもの。
【0017】
本発明による物品は、以下からなる群より選択される1つ又は2つ以上の条件をさらに満たしていてもよい。
全長が、
50mm以上、好ましくは70mm以上、
150mm未満、好ましくは120mm未満、より好ましくは110mm未満、
全幅が、
30mm以上、好ましくは40mm以上、
但し、150mm未満、好ましくは130mm未満。
【0018】
好ましくは、本発明による物品は、実質的に接着剤を含まず、好ましくは熱可融性結合(thermofusible bonding)のみを含んでいる。
【0019】
特定の実施形態において、本発明による吸収性物品は、以下を含む吸収性コアを含んでいてもよい。
第1の吸収性ウェブ材料の第1の部分、及び
第2の吸収性ウェブ材料の第2の部分。
第1及び第2の部分の各々は、
第1及び第2の端エッジであって、
吸収性コアの長手方向に沿って反対で、
長手方向に延びる側縁によって接続され、
ここで、第1及び第2の部分は、部分的に重なり合う配置でz方向に配置され、オフセット配置で長手方向に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1A乃至Cは、身体の裂け目に着用するのに適した従来の物品を示している。
【
図2】
図2A乃至Fは、本発明による物品で使用され得る特定の実施形態を説明している。
【
図3】
図3A乃至Cは、本発明による物品の使用前の構成を示している。
【
図4】
図4は、本発明による物品と共に使用され得る特定の要素を示している。
【
図5】
図5は、本発明による物品の特定の実施形態を示している。
【
図6】
図6A乃至Cは、本発明による特定の実施形態を示している。
【
図7】
図7A乃至Dは、本発明による吸収性コアの特定の実施形態を示している。
【
図8】
図8A及びBは、本発明による物品に適した更なる要素を示している。
【
図9】
図9A及びBは、本発明による吸収性コアの実施形態を示している。
【
図10】
図10A及びBは、本発明による物品の特定の実行を示している。
【
図11】
図11A乃至Eは、本発明による吸収性コア又は物品を評価するためのテストスタンドの詳細を示している。
【
図12】
図12は、本発明による物品のさらなる特定の実施形態を示している。
【0021】
同じ数字は、同一の又は同等の要素又は特徴を参照している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、身体の裂け目、特に女性の使用者によって陰唇間に、軽い便失禁若しくは出血性痔核の場合に臀部の裂け目に、又は脇汗パッドとして着用されることを意図した吸収デバイスである。
【0023】
「デバイス」という用語は、本明細書では「物品」又は「製品」と実質的に交換可能に使用され、ユ-ザが使用する準備が実質的にできているアイテムを指す。吸収体デバイスは、交換可能に吸収性コアとも呼ばれる吸収性部材を含み、この吸収性部材は、吸収性材料を含み、デバイスに吸収性を提供する。典型的には、吸収デバイスは、着用者に向けて配置され着用者の皮膚に接触することを意図されたトップシ-トと、デバイス又は物品の反対側の表面を形成するバックシ-トとの間に配置された吸収部材又はコアを含んでいる。典型的には、トップシ-ト及びバックシ-トは、吸収部材又はコアとは明らかに異なるが、トップシ-ト及びバックシ-トが、吸収部材との複合体の一体表面層を形成することも本発明の範囲内である。
【0024】
本発明は、尿、便、月経、汗などの身体の滲出物、特に身体の裂け目を吸収する吸収性物品、ならびにそのような吸収性物品のための吸収性コアに関する。したがって、本発明による物品、又は本発明による吸収性コアを含む物品は、女性用衛生パッド、いわゆる陰唇間パッド、又は汗取りパッドであってもよく、腋窩パッド又は腋の下用パッド、又は痔核パッドとも呼ばれ得る。典型的には、全てのそのような物品では、環境に適合した方法でその後に処分されるシングルユ-スが意図されている。今後、特定の用途のためには、成形品及びその成分が、洗浄可能であり、崩壊可能であり、堆肥化可能であり、又は生分解可能であることが望ましい場合があり得る。
【0025】
本発明の製品は、使用前、使用中、使用後の3つの形態を有するように適合されている。
【0026】
「使用前の構成」では、製品は生産者によって製造され、パックされた形に包装されている。パッケ-ジ形式は、単一ラップ、ボックス、ロ-ルであってもよく、物品は、完全に又は部分的に折り畳まれてもよく、又は実質的に平坦であってもよい。物品及びパッケ-ジの両方は、物品の外観又は特性を実質的に変更することなく、製造業者からユ-ザへの通常の取り扱い及び輸送に耐えるように適合されている。
【0027】
好ましくは、本発明の製品は、材料のトリム除去を最大限に最小化することにより、最小のコスト及び資源で容易に製造することができる。
【0028】
「使用中の構成」とは、ユ-ザが包装から取り出して身体に適用する段階の製品を参照している。この目的のために、ユ-ザは、箱から物品を取り出すか、単一のラップを取り外すか、又はロ-ルからそれを取り出すことができる。ユ-ザは、製品を折り畳むか、又は「使用前の構成」の折り畳まれた形状を保持して、身体に対して適切に配置することができる。
【0029】
使用時間は、以下に依存して、2時間以内、多くの場合約4時間、又は8時間を超える(例えば夜間使用時)こともある。
(i)意図された使用、例えば、大量若しくは低流量の月経期間中、又は点滴失禁若しくは正常な失禁で尿を捕捉するため、又は漏れに対する単一の保護として、又はさらなる吸収性物品と組み合わせた使用、及び、
(ii)製造者によって包装又は物品に製造され表示される設計上の能力。
【0030】
使用中、物品は、身体の滲出物を受け取り、保持するが、身体に到達し得る有害物質を放出しないように適合される。
【0031】
「使用後の構成」とは、処分のために身体から除去された物品を指す。使用後の形態では、物品は、好ましくは、固体廃棄物処分及び下水廃棄物処分の両方に適合される。
【0032】
後者については、物品は洗浄可能でなければならず、すなわち、下水システムを詰まらせず、好ましくは、分解可能である、すなわち、使用前及び使用中の形状及び構造を失う。好ましくは、物品の材料は、下水システムのように分解可能であるが、工業的コンポスト化、バイオガス化システム等においても分解可能であり、環境中での制御されない処分の下でも分解可能である。
【0033】
使用後の形態では、成形品は、特定の成形品形状を示さないかもしれないが、分解又は溶解によって、いくつか又は多くの成形品残渣に分離されているかもしれないことに注意すべきであり、これは、下水又は廃棄物処理システムで識別できるかもしれないし、識別できないかもしれない。
【0034】
製品は、材料選択、結合及び結合機構、及び設計要素のための従来のアプロ-チの特定の選択及び組み合わせによって達成され得るように、各構成のための特性の新規の組み合わせを示すことによって、そのライフサイクルの全段階において、製造業者、ユ-ザ、及び環境に利益を提供する。
【0035】
満足すべき特性
本発明の特徴的な性質は、種々の特性、特に液体との接触時の挙動に関して、種々の外見上矛盾する制約が組み合わされることである。
【0036】
第1の特性に関して、物品は、その使用中の構成において身体の液体を吸収するように適合されている。この目的のために、それは、天然繊維(化学的に改質された天然材料ベ-スの繊維を含む)又は合成繊維などの吸収性繊維、又は粒状若しくは繊維状の高吸収性材料などの、一般的に当業者によく知られているような吸収性材料を含み、広く使用されているポリアクリレ-ト系材料などの純粋に合成された材料をベ-スとしているか、又は、澱粉グラフト材料などの再生可能資源材料で製造されたものである。
物品の吸収性は、典型的には、以下に関する物品の機能性を考慮することによって決定される。
-液体を受け取る(取得)、
-液体を散らす(配布)、及び
-最終的に液体を保持する(吸収能力)
-使用中に液体がほとんど又はまったく放出されない(再湿潤)。
【0037】
物品の全体的な吸収性は、その意図された用途に適合しており、使用中の構成では、物品あたり数ミリリットルから最大100mlの範囲であり得る。
【0038】
吸収性は、様々な方法で決定することができる。単純なアプロ-チは、吸収性材料の「遠心力容量試験」における0.9%生理食塩水に対する材料の吸収性の合計に基づく「理論容量」によってそれを近似することである。吸収性はまた、使用中の構成の物品について決定されてもよい。本出願に関して、使用中の構成は折り畳まれた構成であってもよく、「使用中の吸収性」は、本明細書で以下に説明するように物品を「折り畳み容量試験」に付すことによって決定することができる。
【0039】
さらに、物品は、その「設計能力」によって記述されてもよく、特定の用途のための予想される又は意図される積載から導き出されてもよい。例えば、設計能力は、保護のための様々な意図された用途のためであってもよい。
-日中の使用、すなわち2~4時間の使用、又は出血性痔核の場合、設計容量は2mlと低いことがある;
-1晩の月経量が多い場合は10ml、又は、
-軽い尿失禁用には100ml以下。
【0040】
このような設計容量に基づくと、理論上の容量及び使用中の容量は、設計容量の10%、15%、さらには50%の安全マ-ジンを許容する。設計容量が与えられていないが、理論容量や使用容量が決定できる場合は、その80%とする。
【0041】
身体の液体を受け取って取得することに関して、本発明による物品は、例えば、尿を受けるおむつがそうであるように、典型的には、物品の表面が陰唇又は臀部の間の裂け目に位置しているので、表面が一般に着用者の皮膚と良好に接触しているため、それほど厳密ではない要求を提起する。
【0042】
本発明による物品の特徴的な性質は、それらが折り畳まれた形態を適用しており、折り畳みリッジ領域は、体裂部に向けて配向された折り目線を含み、側部は、そこから離れて延在していることである。さらに、液体負荷は、折り畳みリッジ領域ではなく、着用者の皮膚に沿って物品の側部に向かって非常によく伝達され得る。また、着用者によって加えられる圧力は、広く変化することができ、典型的な吸収性製品が評価される3.92kPa(40g/cm2の荷重でも表される)から0.981kPa(10g/cm2とも表す)までの範囲とすることができる。以降、物品は、典型的には0.5ml超、好ましくは1ml超、しばしば3ml超のいずれかの圧力で、またある種の用途では10ml超又は20ml超の「折り畳み式物品ドリップオフ容量(Folded Article Drip Off Capacity)」を適切に示すべきである。しかしながら、身体の裂け目内の物理的空間はしばしば制限され、吸収された液体はある容積に対応するので、単位面積当たりのミリリットルで表される基本容量は過度に高くすべきではなく、これはまた、装填された物品の厚さを決定し、それは20mm未満、好ましくは10mm未満であるべきであり、そしてしばしば5mm未満であるべきである。
【0043】
さらに、物品の下端に位置する濾紙の濡れを所定の荷重で測定することにより試験されるように、物品は良好なエッジ濡れ性能を示すべきである。
【0044】
表面湿潤度に関しては、「ポストドリップオフ容量再湿潤試験(Post Drip Off Capacity Rewet Test)」における十分に確立された取得後再湿潤試験の適合によって決定され得るように、本発明による特定の適用については、物品は最大の乾燥性能を示す必要はなく、物品が接触している敏感な皮膚は過度に乾燥した場合には否定的に反応することさえあり得る。以下に説明するように、これは、綿などの天然材料又はビスコ-スなどの天然材料ベ-スの材料から作られるか又はそれを含むような、恒久的に親水性のトップシ-ト材料によって達成することができる。
【0045】
物品が特定の要件を満たさなければならない特性の第2のクラスは、機械的特性である。従って、物品は、使用中の構成において、使用中に加えられ得る機械的応力に耐えると共に、使用中に適所に留まるように適合されている。
【0046】
これは、物品が無負荷状態にある状態、すなわち、最後の製造又は包装及び輸送工程などの「使用前」の形態を参照しているが、第1の湿潤が生じる前の「使用中」の形態、並びに、少なくともその設計容量まで、好ましくはそれを超えて負荷状態にある状態も参照している。
【0047】
これは、成形品を平らな状態又は折り畳まれた状態のいずれかで引張試験に供することにより、また、流体で負荷されている場合又は負荷後にエ-ジングされている場合でも、測定することができる。
【0048】
これに加えて、又はこれに代えて、乾燥状態及び湿潤状態の両方において、バックシ-ト材料と接触する間の摩擦は、低すぎてはならず、これは、滑り感を生じさせ、物品を適用すること又はその位置に留まることの困難性を高め、又は高すぎてはならず、これは、使用中に望ましくない転位を生じさせる。
【0049】
第3のクラスの特性は、使用者の健康に関連し、特に、物品が着用者の皮膚を刺激せず、特に陰唇間パッドとして使用される場合に関連する。この目的のために、物品は、乾燥状態(すなわち、適用直後)及び湿潤状態(濡れた後)の両方で、柔らかい表面を有している。さらに、物品は、着用者に望ましくない物質を放出すべきではない。以降、物品は、以下に記載される試験方法に従って確立され得るような低い毛羽立ち値(fuzz value)を示すべきである。また、物品は、室温で2時間、4時間、12時間、又は37℃でさらに長い時間、攪拌しない0.9%生理食塩水又は蒸留水抽出液に供した場合、抽出可能な物質のレベルが低くあるべきである。
【0050】
任意の設定において、物品は、ロ-ション及び皮膚軟化剤などの、皮膚の状態を改善するか、又は、塗布を容易にするための物質を含んでいてもよい。本発明による物品は、匂い増強剤又は薬剤送達製剤などのさらなる成分を含んでもよいが、これらは着用者の健康を損なわないように適用されるべきである。
【0051】
さらに、特性の第4のクラスは、洗い流し性に関連しており、すなわち、物品は、様々なタイプのトイレにおいて洗浄可能に適合されている。多くのタイプのトイレ設計及び汚水処理及び処理システムが存在するが、本発明による物品が、下水処理プラントで除去されるサイズのため、大きな分解又は崩壊なしにこのような汚水処理システムを通過するのであれば十分である。任意に、物品は、このようなシステムでの取り扱いを容易にするために崩壊するが、この場合、物品はまた、望ましくない「マイクロプラスチック」を生じないように分解特性(以下の試験セクションを参照)を示すべきである。
【0052】
下水処理システムとの適合性及び崩壊が存在する場合には、洗い流し性試験及び判定基準、特に、拭き取り紙及び本発明による物品のような物品についてINDA/EDANAによって開発されたものによって評価することが好ましい。必要であれば、例えば、試験プロトコルで要求される最小サイズよりも小さい吸収性物品のサイズを許容するように、試験プロトコルを調整することができる。
【0053】
試験に合格するためには、物品は、少なくとも、良好な洗浄を可能にする物品部分まで、非常に迅速に分解しなければならない。より詳細に説明するように、洗い流し性は、材料の選択及び構成の組み合わせによって確立することができる。
【0054】
下水処理システムを通る廃棄経路が好ましいが、本発明による物品は、固体廃棄物処理システムに廃棄される場合には、危険若しくは潜在的に危険な物質又は化合物を環境に放出してはならず、焼却、堆肥化、埋立、又は特定の地域でまだ実施されているような制御されない廃棄であってもよい。
【0055】
第6のクラスの特性は、分解性、より好ましくは生分解性に関する。下水システム又は固体廃棄物処理システムに入った後、又は管理されていない処分条件の下でさえ、物品又はその残骸が使用後の形態でかなりの程度又は完全に分解可能である、すなわち最終的に二酸化炭素及び水に変換されることが、しばしば非常に好ましい。特に、非分解性残渣が、非分解性「マイクロプラスチック」の形で生態系に到達することは非常に望ましくない。最も好ましくは、このような物品の生分解性は、本発明による物品の成分を製造するための原料の選択によって確立されるが、これは分解助剤の添加によって達成され得ると考えられる。
【0056】
定義
特に異なる記載がない限り、すべてのパ-センテ-ジ[%]は、「重量%」として示される。
【0057】
「物品の構成」とは、物品の設計によって定義され、物品の形状を形成する様々な材料を組み合わせることによって確立される物品の物理的構造をいう。製造された物品については、この構成は、さらに、物品のセットアップに言及し、例えば、所与の物品は、平坦又は折り畳まれた状態であってもよく、又は物品の特徴若しくは要素は、内側又は外側に折り畳まれてもよい。
【0058】
1つの物品は、様々な構成をとることができ、その各々について、異なる性質が関連し得る。また、特定の性質は、構成によって異なる場合がある。
【0059】
扁平形状の物品は、長さ(x-)及び幅(y-)方向と、それに垂直な厚さ(z-)方向とを有する。特に明記しない限り、長さ方向は、着用者の前方-後方方向、すなわち、着用者の矢状面に平行な方向であり、陰唇間空間、肛門裂隙、及び腋窩又は腋の下を含む。従って、幅方向は、着用者の左右中央方向、すなわち、着用者の矢状面に垂直である。
【0060】
典型的には、必ずしもそうではないが、物品は、その長手方向中心線に対して対称な形状を示す。平坦な物品の厚さは、典型的には、他の2つの寸法よりもかなり小さいので、物品は、平面図では、2次元のアイテムとして見ることができ、物品又はそのセグメント又は部分は、その縁(エッジ)によって区切られる。これにより、物品は、前縁と後縁と、これらを連結する側縁とを有する。
【0061】
1つのエッジから他の隣接するエッジへの遷移、例えば、前方エッジから側方エッジへの遷移は、遷移コ-ナ-の近傍でエッジが少なくとも1つの直線又は不連続曲線(たとえば、半径が異なり、ジョイント接線を持たない円)によって形成される場合、典型的にはコ-ナ-又は角度として明確に見える。
【0062】
しかしながら、例えば卵形の物品の場合のように、エッジが徐々に遷移する場合、遷移点は、物品の周囲と、長手方向中心線に平行であるが物品の最大幅の40%だけ横方向にオフセットした2本の線との交点として定義される。
【0063】
明示的に言及されていない限り、「縁(エッジ)」という用語は、一般に構造の外縁を指すが、穴の周囲などの「内縁」は構造内に存在する場合がある。
【0064】
しかしながら、物品の「平面形状」を参照する場合、これは、例えばバックシ-ト及びトップシ-トが吸収性コアを包み込み、それによってコアよりも大きなサイズを示し、コアの縁部の周りにマ-ジンがそれぞれトップシ-ト又はバックシ-トの縁部に向かって延びる場合のように、同じ寸法又は異なる寸法の幾つかのz方向に異なる層からなる構造を含む。同様に、コアは、それぞれのコアエッジを有する全体的なコア構造を一緒に形成するz方向配置の2つ又は3つ以上の層を含むことができる。したがって、「平坦」という用語は、必ずしも一定の厚さを必要としない。
【0065】
なお、トップシ-ト及び/又はバックシ-ト材料は、物品のそれぞれの他の表面まで延びていてもよい。例えば、バックシ-トは、コアの周りに周囲シ-ルを形成するように縁部の周りに折り畳むことができる。
【0066】
平坦な物品のような実質的に平坦な構造は、平坦な形態から、側方部分が横方向に延在する折り目に沿って折り畳まれた形態に変形されてもよい。
【0067】
この場合、「z方向」は、折線に対して物品が考慮される場合に依存し、「z方向」は物品又は材料のキャリパ-に対応することが、当業者には容易に理解されよう。
【0068】
従って、物品が、例えば、z方向断面図において、トップシ-ト、バックシ-ト、及びその間のコア層の3層の材料を含む場合、折り畳まれた構成は、このような図において、トップシ-ト、コア層、2つのバックシ-ト層、コア層、及びトップシ-トを示すことができる。
【0069】
なお、必ずしも全ての層が折線内に存在する必要はなく、例えば容易に折るために、コア層は折線の近傍には存在しなくてもよい。同様に、このような折り畳まれた構造は、例えば、バックシ-トが互いに向かって配向された2つのトップシ-ト-コア-バックシ-ト構造などの、ミラ-対称構造を互いに配置し、結合線に沿って2つの構造を接続することによっても作製することができる。
【0070】
側部部分は、実質的に平坦であり、直線に沿って離れて延在することによって、折線から横方向に離れて延在し、それによって、折線に鋭い折り畳み角度を形成することができ、これは、完全な重ね折りの際に実質的にゼロであり得る。例えば、腕を上げたときの脇の下の位置を見るときのように、身体上に位置するときの角度はより大きくてもよいが、典型的には、折り畳み角度は45°未満である。
【0071】
折線(fold line)という用語は、例えば、側部が鋭いキンクを防止する折線にある厚さを示す場合に生じるような、物品がより(逆に)U字形に成形されている場合に、上側の稜線を含む。この場合、折り畳み角度は、上側稜線と側部の最も外側の点とを結ぶことによって決定される。本文脈において、用語「トップシ-ト」は、着用者の皮膚に向けて配向されることを意図された材料層又は副層に対して使用され、用語「バックシ-ト」は、そのz方向の反対側に配置された材料に対して使用される。特に使用中に折り畳まれた構成では、物品の断面図は、U若しくはVの形をとるか、又は、折り畳み若しくは接合線で接続された実質的に2つの平行な側部部分の形をとることもできる。トップシ-ト、即ち、折り畳まれた物品の外面は、次いで、陰唇又は臀部などの身体の裂け目の対応する側部に向けて配置されてもよく、一方、側部の対向するバックシ-ト部分は互いに向けて配置されてもよく、実際には、互いに直接接触していてもよい。
【0072】
材料化合物
本発明による物品に到達するためには、物品の種々の成分のための適切な材料が選択されるべきであり、それによって、種々の化合物は、水性媒体中の溶解性、親水性又は濡れ性、分解性、特に生分解性、すなわち酵素又は微生物による分解、及び関連する動力学、溶融温度、ガラス転移温度などの熱可塑性特性、機械的特性(強度、破断時の伸び、脆性)などの特性に関する重要な成分要件のバランスをとることを可能にする。また、石油、天然-農業、又は天然-微生物/バイオテクノロジ-起源など、物質の由来が関連していることもある。
【0073】
適切な化合物の選択について特別な制限を意図することなく、以下は、単独で又は組み合わせて使用され得る材料を記載する。
【0074】
このような化合物の第1のカテゴリは、セルロ-ス、例えばセルロ-ス繊維、又は特に不織材料又はフィルムにされた場合には、Viscose(登録商標)又はRayon(登録商標)などの変性セルロ-ス材料又はセルロ-スエステルに基づいている。
化合物は、イタリアのNovamont s.p.a、ドイツのBiotec GmbH、カナダのCerestech、中国のZhejiang Tianhe、台湾のGrace biotech、日本のJapan corn starch、ドイツのRKW SEから入手可能なものなどの、デンプン、デンプンベ-ス又はデンプン由来の材料を含み得る。
【0075】
その他の化合物は、アメリカのネブラスカ州のNatureWorks LLC、日本のTora Industries、日本のTeijin Ltd、中国のZheijiang Hisun Biomaterials、UAEのドバイのTaghleef IndustriesのNativia(登録商標)、又は、ドイツのRKW SEから入手可能なものなどの、ポリ乳酸(polylactic acid)又はポリラクテ-ト(polylactates)を含むことができる。
【0076】
さらなる材料は、とりわけドイツのRKW SEからも入手できる、ポリヒドロキシブチレ-ト(PHB)、アルカノエ-ト(PHA)、若しくはバレレ-ト(PHBV)、又はヒドロキシメチルフルフラ-ルなどの天然又は分解性の材料に基づいていてもよく、又はこれらを含んでいてもよい。また、ポリカプロラクタン又は特定のポリアミド又はポリウレタンを適切に使用することができる。
【0077】
本発明に関連して適用することができる他の化合物は、設計された溶解性特性を示す接着剤であってもよく、そのような接着剤は、一定期間又は湿気にさらされても無傷のままであるが、最初の湿潤の後の一定時間の後、又は過剰の水が供給されるとき、又は別の崩壊トリガ-が適用されるときに、その接着性を失い始める。
【0078】
適切な成分
「成分(components)」という用語は、吸収性物品の形成を可能にする形態の化合物を指す。
【0079】
本文脈において、用語「ウェブ」又は「ウェブ材料」は、1つの方向、すなわちウェブ材料に対するデカルト座標における長手方向の延長、長さ、又はx方向の実質的に無端(endless)の材料を指す。この用語に含まれるのは、実質的に無端の材料から切断されるか、又は別の方法で分離される部分の実質的に無制限のシ-ケンスである。典型的には、ウェブ材料は、長手方向延長部(すなわちx方向に)よりも有意に小さい厚さ寸法(すなわちz方向)を有する。典型的には、ウェブ材料の幅(y方向)は、厚さよりもかなり大きく、長さよりも小さい。必ずしもそうではないが、このような材料の厚さ及び幅は、ウェブの長さに沿って実質的に一定であることが多い。ウェブの幅を小さくすると、現在このような用語に含まれているバンド又はストリングを形成することができる。
【0080】
制限を意図するものではないが、このようなウェブ材料は、セルロ-ス繊維材料、組織、織布又は不織布材料などの繊維材料、又は「高内相エマルジョン発泡体」のような吸収性フォ-ムなどの他の多孔質材料であってもよい。典型的には、必ずしもそうではないが、ウェブ材料は、ロ-ル状、スプ-ル上、又は箱に折り畳まれた状態で供給される。個々の配送物は、その後、実質的に無端のウェブを形成するために一緒にスプライスされ得る。ウェブ材料は、多層不織布、被覆組織、不織布/フィルム積層体などのいくつかの(サブ)ウェブ材料から構成されてもよい。ウェブ材料は、付加された結合材料、粒子、特に高吸収性粒子、親水化剤などの他の材料を含んでもよい。
【0081】
ウェブが繊維を含む場合、これらは、典型的には、互いに、又は十分な強度を示すフィルム又は繊維ウェブのような他のウェブなどのウェブの他の構成要素に結合される。超音波接合を含む熱又は溶融融合接合、又は接着用途など、多くの適切な接合機構が利用可能である。
【0082】
この文脈では、ウェブは、典型的には、事前に製造され、さらに処理される前に貯蔵及び/又は輸送されてもよいが、このようなウェブは、現在検討されているウェブ処理プロセスの上流の別個のプロセスステップで形成されてもよい範囲内である。ウェブは、取り扱い、保管又は輸送及び移送中に生じるような通常の加工応力を維持する必要があり、したがって、予め製造されたウェブは、典型的には、予め接合されている。
本文脈において、「単一(unitary)」又は「一体(integral)」という用語は、本発明による物品を製造するためのプロセスに対して、単一のプロセスで形成されるか、又は個別に製造されて結合され、単一の材料として供給される後に結合される複数の層などの、いくつかの副構成要素を含む構成要素を指す。
【0083】
本発明に適したトップシ-ト材料は、着用者の皮膚に対して柔軟性、ソフトな感触、及び非刺激性であるという一般要件を満たすべきである。更に、トップシ-トは、液体透過性であり、液体がその厚さを容易に透過することを可能にする。トップシ-トは、身体に面する側面(side)又は面(face)と、衣服に面する側面又は面とを有する。
【0084】
用途によっては、着用者の皮膚に過度に乾燥感を生じさせないように、表面シ-トがバランスのとれた親水性を示すことが望ましい場合がある。特定の用途では、トップシ-トが天然化合物を含むか、又は実質的に天然化合物からなることが望ましい場合がある。
【0085】
トップシ-トが分解性化合物を含むか、又は実質的に分解性化合物からなる場合、トップシ-トの製造がこの特性を妨げないことが望ましい。
【0086】
トップシ-トは、不織ウェブを含むか、又は実質的に不織ウェブからなることができる。不織ウェブ又は不織布は、方向性又はランダムに配向された繊維の製造されたウェブであり、局所的な圧縮及び/又は熱もしくは超音波エネルギ-の適用、又はそれらの組み合わせによって生成された結合及び結合印象の1つ以上のパタ-ンによって、一緒に連結及び結合される。この用語は、糸又はフィラメントで織られ、編まれ、又はステッチ結合された織物を含まない。繊維は天然又は人工のものであってもよく、ステ-プル又は連続フィラメントであってもよく、又はその場で形成されてもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満から約0.2mmを超える範囲の直径を有し、短繊維(ステ-プルとして知られている、又は切られる)、連続単繊維(フィラメントやモノフィラメント)、連続フィラメントの撚られていない束(トウ)、及び連続フィラメントの撚られた束(ヤ-ン)のいくつかの異なる形態である。不織布は、メルトスピニング、メルトブロ-、スパンレイイング、溶剤スピニング、エレクトロスピニング、及びカ-ディングなどの多くのプロセスによって形成することができる。本明細書で使用される「スパンレイイング(spunlaying)」とは、結合などのさらなる加工を受けることなく、スパンボンド技術によって製造された繊維を指す。不織布の坪量は、通常、平方メ-トル当たりのグラム数(g/m2又はgsm)で表される。不織ウェブは、熱及び/又は圧縮(超音波ボンディングを含む)によって得られる結合によって圧密及び結合されることに加えて、又はその代わりに、流体もつれ及び/又はニ-ドルパンチによって圧密及び結合され得る。不織ウェブをパタ-ン接着してもよい。典型的には、結合パタ-ンは、熱及び/又は圧力の使用、及び/又は超音波結合によって付与される。熱、圧力、及び/又は超音波エネルギ-の使用により、結合領域内の多成分繊維は互いに緊密に圧縮され、その結果、繊維の塑性変形が生じる。特に、結合が熱又は熱及び圧縮によって達成される場合、結合領域内の繊維は、完全に又は部分的に溶融され、その結果、結合領域内の個々の繊維は、一緒に融合(合体)されてフィルム様構造を形成する。
【0087】
トップシ-トは、液体不透過性、好ましくは熱可塑性材料から製造されるような開口フィルムを含むか、又は実質的にそれからなることができる。1つの適切な材料は、0.001から0.002インチ(0.0025-0.0051cm)の厚さを有する低密度ポリエチレンフィルムである。開口プラスチックフィルムの製造に使用される熱可塑性材料は、上記で説明した化合物群から選択される。好適な化合物の一般的な溶融指数は好ましくは約2から約100の範囲であり、より好ましい範囲は約4から約25である。
【0088】
好ましくは、このような開口フィルムは、各々がベ-ス開口部及び頂部開口部を有し、頂部開口部が吸収性コアのような下地層に向けられている複数のテ-パ状毛細管を有する三次元構造であってもよい。
【0089】
さらなる実施形態において、トップシ-トは、吸収性コアと一体の特定の材料層であり得る。
【0090】
本発明に適したバックシ-ト材料は、準拠するように柔軟である必要があり、人体の一般的な形状及び輪郭に容易に適合する。
【0091】
特定の用途では、バックシ-ト材料は、吸収性コアに吸収され含有される滲出物が吸収性物品に接触する物品を濡らすことを防止することが好ましい。特定の用途では、バックシ-トが「通気性」であること、すなわち、液体滲出物がバックシ-トを通過するのを防止しながら、蒸気、特に水蒸気が吸収性物品から逃げることを可能にすることが好ましい。
【0092】
バックシ-トは、織布又は不織布材料、熱可塑性フィルムなどのポリマ-フィルム、任意に開口された前記化合物の熱可塑性フィルム、又はフィルム被覆不織布材料などの複合材料を含んでいてもよい。バックシ-トは、エンボス加工及び/又はマット仕上げされて、より布のような外観を与えることができる。
【0093】
バックシ-ト材料は、バックシ-ト機能性を提供する材料層がコアのバックシ-ト側にコ-ティングされる場合のように、コアと一体的に実行されてもよい。
【0094】
本発明によれば、吸収性コアは、吸収性材料を含んでいる。本文脈において、「吸収性材料」という用語は、液体を受容し保持することができる材料を指す。このような吸収性材料では、液体は繊維間又は繊維内液体として繊維構造体によって保持され得る。また、それは、ポリアクリレ-ト又はデンプン系などの(これらに限定されない)高吸収性材料としばしば呼ばれる吸収性ゲル化材料中に保持されてもよく、そうでなければ、吸収性構造の材料に結合されてもよい。
【0095】
本文脈において、用語「吸収剤」及び関連する用語は、ある条件下で液体を受け取り、そのような液体を保持する材料の能力を指す。このように、セルロ-スウェブなどの材料は、実質的には、2つの機構、すなわち、いくつかの液体を繊維構造内に保持することと、液体中に分散された液体及び場合によっては他の材料を繊維間の隙間の空隙内に保持することによって、水性液体を吸収することができる。「SAM」とも呼ばれる「超吸収性材料」、「SAP」とも呼ばれる「超吸収性ポリマ-」、「超吸収材」、「吸収性ゲル化材料」又は「AGM」、「吸収性ポリマ-材料」の用語は、部分的に架橋されたポリマ-材料を意味し、しばしばポリアクリル酸/アクリル酸タイプであり、ゲルを形成するために膨潤している間、水を吸収することができる。典型的には、そのような材料は、以下により詳細に記載されるような遠心分離保持容量(CRC)に従って測定した場合に、その重量の少なくとも10倍、しばしばその重量の20倍以上、又は30倍以上を吸収することができる、粒状又は繊維状の形態である。このような粒子状SAP材料は、ドイツのBASF、日本の日本触媒、ドイツのEvonik、韓国のLG、中国のDanson、中国のSatelliteなどから広く販売されている。繊維状SAPは、例えば、英国のTechnical Absorbent Ltdから入手できる。ポリビニルアルコ-ル(PVA)、多糖類、ポリイタコン酸、又はポリペプチドに基づくものなどの生分解性SAP材料は、例えば、米国のArcher Daniels Midland、イスラエルのExotech Bio Solutions、米国のTryEco、及び、米国のWeyerhaeuser Companyから入手できる。
【0096】
本発明によって適切に吸収され得る液体は、一般に、尿、月経、低粘度糞便、血液などの身体滲出物などの水性液体である。
【0097】
特に好ましい実施において、吸収性コアの吸収性材料は、吸収性ウェブ材料として提供されてもよい。
【0098】
典型的には、適切な吸収性ウェブは、以下に記載される方法によって決定されるように、2ml/gを超える、しばしば4ml/gを超える、15ml/gを超える、又は30ml/gをさえ超える生理食塩水遠心分離器保持容量(CRC)能力を示すウェブ材料である。好ましくは、材料は、以下に記載されるような折り畳み容量試験に従って試験されたとき、少なくとも2ml/g、又は5ml/gを超える、10ml/gを超える、又は15ml/gを超える折り畳み吸収容量係数を示す材料である。したがって、材料は、コア容量係数と材料の基本重量から生じる基本容量を示すが、体の間隙の空間がしばしば制限され、厚さの増加をもたらす高吸収性が不快になる場合があるので、高すぎるべきではない。それゆえ、多くの場合、20mm未満の膨潤後の最大折り畳み厚さ(すなわち、両側部の厚さの合計)が好ましく、15mm未満又は10mm未満さえも好ましい。
【0099】
好ましくは、本発明で使用するのに特に有用なウェブは、剛性テストに従って長手方向又は横断方向のいずれかでテストした場合、400N/m未満、しばしば350N/m未満、又は300N/m未満の曲げ剛性を示す。この剛性テストについては、WO2011041352A1に詳細に記載されており、その内容が参照により明示的に組み込まれる。特定の用途では、剛性が低すぎると、ユ-ザが「もろい」と感じたり、取り扱いや適用の容易さが低下したりすることがある。そして、曲げ剛性は、好ましくは、約200N/m以上、さらには約275N/m以上である。典型的には、本発明に適した吸収性ウェブは、約1mm~約10mmの乾燥厚さを示す。
【0100】
限定されるものではないが、例示的な吸収性ウェブ材料は、ドイツのGlatfelter、例えばGlatfelter Falkenhagen、又は、英国のTechnical Absorbent LtdによるSAPファイバ(SAF;商標)を含むもの、又は、ドイツのMcAirlaid’s Vliesstoffe, Germanyから市販されているような、好ましくは上記で言及されている超吸収性材料を含む、エアレイド繊維ウェブであってもよい。
【0101】
他の好ましい吸収性ウェブは、WO2014/001487又はWO2014/001488に記載されているように、超吸収性粒子を開放多孔質ウェブと組み合わせ、ウェブを超音波的に強化することによって製造することができる。このようなウェブは、上流処理工程においてバッファシステム内で又はバッファシステムを介してインラインで製造される場合に特に適している。
【0102】
本発明による吸収性コアは、全体的な物品サイズ要件によく適合しなければならず、必要に応じて、吸収性物品の外接エッジの少なくとも一部の周囲を許容する。
【0103】
しかしながら、吸収性コアは、同時係属出願GB1720942.0(未公開、代理人整理番号0207-2010)に記載されたプロセスによって非常に適切に作製され得るように、長方形形状のコアから生じ得るような鋭い縁部を示さないが、それらが丸い前部及び後部の縁部を示すことが非常に好ましい。任意に、吸収性コアは、「峡部(isthmus)」タイプの設計を示してもよく、この場合、折線の長さは、最大の全体の長手方向延長よりも短い。
【0104】
本発明による物品の吸収性コアの流体吸収能力は、以下の試験方法のセクションに記載されるように決定することができる。典型的には、吸収性コアは、以下に記載されるように、物品の吸収性の全て又は少なくとも大部分を提供する。吸収性コアは、均一な基底容量を示すことができ、すなわち、その吸収性は、物品のx-y方向にわたる様々な線に沿って同じであるが、例えば、長手方向中心線に沿って変化する基底容量などの容量プロファイルを(しばしば好ましく)示すこともある。
【0105】
本発明による物品は、少なくともその使用前及び使用中の構成において物品の完全性を確保する構成要素を含むことができる。このような接続は、使用前及び使用中の強度要件に耐えるように凝集性の内部強度を示しながら、バックシ-ト、トップシ-ト又はコア材料などの構造体に接着的に付着する化合物と一般に呼ばれる接着剤又は接着剤を添加することによって達成することができる。或いは、結合は、加熱、加圧、又は音波、好ましくは超音波エネルギ-の印加などからのエネルギ-が、結合結合を形成し得るように化合物の少なくとも一部を融解又は可塑化する、熱又は融合結合などの他の結合手段によっても達成され得る。
【0106】
特定の実施のためには、本発明による物品を包装することが好ましく、任意に、単一物品の各々は単一物品ごとに包装される。任意に、包装は、新鮮な物品の包装が使用済み物品の処分のために使用され得るように設計され得る。任意に、ラッピングは、洗浄可能又は分解可能であるように適合されてもよい。
【0107】
いくつかの物品は、フィルムのような包装ウェブの間に折り畳まれた又は展開された物品が包み込まれるときのように、同じ包装ウェブによって包み込まれてもよい。これにより、物品を単一のレ-ン配列に配置することができ、すなわち、物品を長手方向の順序で配置することができる。
【0108】
代替的に、物品は、複数レ-ン配置に配置されてもよく、2つ以上の物品は、交差方向に隣接して配置されてもよく、又は千鳥状に配置されてもよい。
【0109】
必要に応じて、必ずしもそうではないが、物品は、その長手方向延長部が包装ウェブの長手方向延長部と一致するように位置決めされてもよい。本発明による物品は、これらの物品が包装されていてもされていなくても、清潔で形状保護包装に適切に包装され得る。いかなる制限も意図しないが、このような包装形態は、単一包装された、折り畳まれていない、又は部分的に折り畳まれた物品を、カ-トンパッケ-ジなどのパッケ-ジに包装することを含み得る。任意に、物品、特に部分的に折り畳まれた物品は、相互にかみ合うか又は重なり合うように配置されて、チュ-ブ状のパッケ-ジングに適切に配置されてもよい。任意に、連続的なラッピングウェブの間でラップされた物品は、随意的に、6cmから12cmの幅、及び3cmから6cmの内径(ロ-ルコア)のような従来のトイレットペ-パ-の寸法と一致し得る全体のロ-ル幅をもたらすように、巻き上げられてもよい。外ロ-ル直径は、家庭用用途では10cmから20cmの範囲であるが、例えば公衆トイレ用途ではかなり大きくてもよい。
【0110】
さらに有用な成分は、以下からなる群から選択されるような1つ又は2つ以上の添加剤であってもよい。
-トップシ-ト表面の特性を高める可能性のあるロ-ション又は皮膚軟化剤;
-臭気抑制剤又は香料;
-上記のトップシ-ト適用動作又は皮膚軟化剤又は匂い制御剤に含まれ得る薬剤を含む他の健康又はウェルネス増進剤;
-物品の縁部での液体移動を低減又は排除することができる抗ウィッキング手段などの液体輸送制御剤;
-接着剤などの接続手段又は機械的接続手段(フック及び/又はル-プタイプの例)などの固定補助具であって、リリ-スカバ-層を組み合わせられていてもよく、トップシ-ト表面に使用することもできる(例えばボディ接着剤)固定補助具;
-適用を容易にするために作られたパウチなどの適用及び/又は除去補助具、及び除去を容易にするためのストリング又はバンド;
-物品の長手方向に延びる周囲に沿って物品の着用者配向表面に接続され、かつ物品の最大幅の約10から20%の長手方向中心線に向かって延びるエッジバリアウェブであって、別個のウェブとして、又は例えばバックシ-ト材料を重ねて適用することができるもの;
-少なくとも長手方向に延びる周囲に沿って、場合によってはその全周囲に沿って物品に適用され得るエッジバリア剤であって、シリコ-ンスプレ-又はワックス等のような疎水化剤であり得るもの。
【0111】
本発明の特定の態様では、製品は、下水道システムを介して処分するための特定の特性、すなわち、洗い流し性及び/又は(生物)分解性を示すが、特定の用途又は特定の地域のために、本発明による物品を、埋立又は焼却などの固体廃棄物システムを介して容易に処分できる特定の特徴を備えて適合させることが望ましい場合がある。
【0112】
したがって、材料は、好ましくは、環境に有害であり、完全に生分解する、すなわち好ましくはCO2及び水のみに分解する物質を有さない。
【0113】
また、本発明による製品は、新鮮な製品を良好に保護するが、使用済み製品を容易に廃棄するための包装として使用することができる包装を含んでいてもよく、又は包装と組み合わせていてもよい。
【0114】
物品のデザイン
本発明の物品は、上述したような材料及び構成要素から構成される。全体の形状及び寸法は、それぞれの体の裂け目によく適合するように特定の用途によって決定される。
陰唇間パッドとしての用途では、物品は一般に平坦であり、すなわち、厚さは必ずしも全領域にわたって同じである必要はないが、一般に他の延長(extensions)よりもかなり小さい。
【0115】
典型的には、使用中の構成は、少なくとも2つの側部部分が長手方向に延びる折線から離れて延びるようなものである。特定の用途では、側部は、長手方向折り目線に対して対称な形状を示す。物品又は側部は、交差方向に延びる線に沿って対称である必要はないが、対称であってもよい。このような用途のための物品は、楕円形、楕円形又は卵様の丸い形状を呈することができる。「楕円」という用語は、楕円の形状、すなわち、より小さな楕円直径からより大きな楕円直径に移行する丸めを有する全体的な丸められた形状を指す。卵形は、内接円又は楕円によって局所的に近似され得る断面の緩やかな遷移を有する丸みを帯びた構造を指す。「楕円」とは、少なくとも対応する反対の線の対のために直線部分によって接続された丸みを帯びた角を有する長方形又は台形などの四角形を指す。これは、1つ又は2つの対向する部分の直線が実質的に存在しない形状を含む。例えば、長方形の形状が、対向する部分上の2つの半円によって補完される場合である。
【0116】
また、全体的に丸みを帯びた形状が含まれ、局所的に直径が変化するが、緩やかな遷移は示さず、隣接する部分が接続点で角度を示すことがある。
【0117】
物品はまた、「峡部」形状を呈してもよく、長手方向折り目に沿った物品の長さは、物品の最大長手方向延長よりも短い。
【0118】
このような用途のための最大長手方向延長は、側部に対して約50mmより大きく、しばしば約65mmより大きく、又は約80mmより大きく、しかし約110mmより小さく、しばしば約100mmより小さく、又は約90mmより小さく、最も好ましくは約80mmから約90mmである。
【0119】
従って、長手方向に延びる折線の長さは、最大長手方向延長と同じであってもよく、例えば、「峡部」の場合には、最大長手方向延長よりも少なくとも2mm、しばしば10mmよりも大きいか、又は15mmよりも大きいが、好ましくは25mm未満、しばしば15mmよりも小さいか、又は約10mmよりも小さい。
【0120】
痔核パッドとしての用途には、陰唇間パッドと同じ形状及び寸法を適用することができる。
【0121】
腋窩又は脇の下の汗取りパッドとしての用途では、他の用途と同じ形状を使用することができるが、長手方向の折り目線に対して非対称な形状、例えば、より大きく及びより小さい側部部分を有することが好ましい。また、前記側部は、前記全物品について説明したような形状であってもよい。長手方向延長は、約70mmより大きく、しばしば約80mmより大きく、又は約90mmより大きく、しかし約120mmより小さく、しばしば約110mmより小さく、又は約100mmより小さく、最も好ましくは約90mmから約100mmである第1の(例えば、より大きい)側部であってもよい。長手方向延長は、約50mmより大きく、しばしば約60mmより大きく、又は約70mmより大きく、しかし約100mmより小さく、しばしば約100mmより小さく、又は約90mmより小さく、最も好ましくは約75mmから約185mmである第2の(例えば、より大きい)側部であってもよい。
【0122】
第1の部分と第2の部分とを接続する長手方向折り目線は、約50mmより大きく、しばしば約60mmより大きく、又は約70mmより大きく、しかし約120mmより小さく、しばしば約110mmより小さく、又は約100mmより小さい、折り目線を示すことができる。幅延長、すなわち、物品の長手方向折り目線に垂直な最大延長は、最大長手方向延長を超えてもよく、約85mmより大きく、しばしば約100mmより大きく、又は約110mmより大きく、一方好ましくは約150mmより小さく、しばしば約140mmより小さく、又は約130mmより小さく、最も好ましくは約120mm及び130mmの間である。第1の(例えば、より大きい)側部は、約50mmを超える、しばしば約60mmを超える、又は約65mmを超える幅を示すことができるが、好ましくは約110mm未満、しばしば約90mm未満、又は約80mm未満、最も好ましくは約50mmから60mmの間である。第2の(例えば、より小さい)側部は、約30mmを超える、しばしば約40mmを超える、又は約50mmを超える幅を示すことができるが、好ましくは約90mm未満、しばしば約75mm未満、又は約60mm未満、最も好ましくは約50mmから60mmの間である。
【0123】
なお、折られた製品の場合、全体の幅は、長手方向に延びる折線から延びる2つの部分の幅の合計によって決定することができる。
【0124】
物品は、例えば、一体化されたトップシ-ト、バックシ-ト及び吸収性機能を有する複合多層材料から物品が切り出されるとき、吸収性コアと実質的に同一の延長を有することができる。そのような実施においては、周囲の少なくとも一部に水分移動阻害手段を適用しなければならないことが好ましい場合がある。
【0125】
しかしながら、より典型的には、物品は、その周囲の少なくとも一部に、トップシ-ト及びバックシ-トを含むが吸収性材料を含まない周囲を含み、トップシ-ト及びバックシ-トが互いに接続される。任意に、接続は、接着剤又は他のバリアラインによって達成され得るような水分バリアとしても機能するように実行されてもよく、このバリアラインは、ラインに沿って配置されるか、又は結合点のパタ-ンのような結合領域を形成する連続ライン又は一連の結合点であり得る。
【0126】
本発明による物品は、そのz方向延長部において好ましくは薄く、典型的には約10mm未満であり、しばしば約5mm未満であり、ここで、厚さは、折り畳まれていない物品又は片側部の厚さに対応する。
【0127】
物品は、上記で説明したさらなる構成要素のいずれかをさらに含むことができる。
【0128】
物品の性質
本発明による物品は、好ましくは、それぞれの試験方法によって確認され得る特定のパラメ-タによって記載され得る特定の特性を示すべきである。
【0129】
本発明による物品の吸収能力は、例えば、人工月経などの他の液体と共に月経パッドとして適用する場合には異なる量となり得るものの、0.9%生理食塩水に基づく物品のCRCによって記述され得る。好ましくは、本発明による物品はまた、平坦な形状に配置されていない場合にも良好な性能を示すが、折り、傾斜し、加圧された形状に配置されている場合には、以下に説明する「折り畳み容量テスト」によって非常によく評価される。物品の「折り畳みドリップオフ容量」は、意図された用途に適合させることができ、例えば「滴下失禁」又は「痔パッド」の物品では、1~5ml又は10mlの範囲でさえあり得る。例えば、軽い尿失禁、汗取りパッド、又は生理用パッドとしての陰唇間パッドの場合、容量は5から10ml又は20ml、或いは中程度の尿失禁の場合は50ml以上であってもよい。
【0130】
パンティなどの着用者の織物製品の汚れのリスクを最小限にするために、物品は、以下に記載されるように、「エッジ濡れテスト」に従って決定され得るように、側縁漏れがないか、又は、低い側縁漏れを示すべきである。
【0131】
特定の用途、例えば、脇汗パッドとしての用途では、最大の表面乾燥が望まれることがある。特定の適用、例えば陰唇間パッド適用については、以下に記載されるような「滴下後容量試験リウェット試験」によって決定され得るバランスのとれた表面乾燥が、敏感な組織を過度に乾燥させないように所望され得る。バランスのとれた表面乾燥により皮膚状態に悪影響を与えないことは別として、本発明による物品は、良好な柔軟性、圧縮性及び曲げ剛性を示すことにより、皮膚に対して刺激性ではないが、有害な又は刺激性の物質を露出させない。
【0132】
特定の用途のためには、本発明による物品は、トイレを通して洗い流されるように構成されていることが好ましい。大部分のトイレ及び下水処理システムでは、物品は、それらが下水システムを詰まらせないような大きさであるために、洗い流し性基準を満たすであろうし、また、篩い分け又は廃水からの他の機械的分離によって除去することができる。特定のシステムに依存して、物品が浮遊しており、したがって、より容易に下水処理プラントに移送されるか、又は分離を容易にし得る沈殿している場合には、好ましいことがある。しかしながら、ある種のシステムでは、過剰な水にさらされると物品が分解することが好ましい場合がある。これは、上述の材料又は化合物によって達成することができる。
【0133】
さらに、本発明による物品は、制御された焼却又はあまり好ましくない埋立を可能にする種々の廃棄物経路を介して処分することができ、物品は、これらのシステムに沿った環境に対していかなる脅威も課さないことが望ましい。しかしながら、処分方法のほとんど無制限の選択でさらに広範な使用を可能にするために、本発明による物品は、UV又は日光への暴露等に対する分解性を示し得るが、より好ましくは、生分解性である。
【0134】
物品の製造
本発明の物品は、少なくともトップシ-ト及びバックシ-トを吸収性コアと組み合わせて製造することができる。材料は、ウェブ材料として提供されてもよく、又は、ウェブ材料に超吸収性粒子が添加される場合、若しくは、ウェブ材料がコ-ティングを添加することによって液体不透過性にされる場合のように、他のウェブと組み合わせる直前に形成されてもよい。材料は、接着剤又は接着剤を塗布することによって、又は溶融融着によって、公知の方法によって接続することができる。
【0135】
予め形成された吸収性ウェブの好ましい実施において、これらはトップシ-トとバックシ-トとの間に包み込まれてもよく、物品はこの複合体から切り出されてもよい。しかしながら、これは実質的なトリムを生成する可能性があり、これは、リサイクルが容易な単純なコア材料の場合には許容可能であり、また、廃棄される可能性のある安価なコア材料の場合にも(あまり好ましくないが)許容可能である。
【0136】
或いは、コアウェブは、トップシ-トとバックシ-トとの間に包み込まれる前に切断されてもよい。しかしながら、長方形のような単純な吸収性コア形状は、使用者の受容の観点からはあまり好ましくないので、コア切断は、少なくとも前方縁部及び後方縁部において丸い縁部を形成すべきである。リサイクル又は処分され得るコア材料のトリムを依然として生成する従来のアプロ-チとは別に、特に好ましいアプロ-チは、参照が明示されている同時係属出願GB1720942.0(未公開、代理人参照番号02072010)に記載されているように、トリムフリ-アプロ-チで層状コア構造を提供することである。
【0137】
実施例
本発明の原理をよりよく説明するために、図面を参照するが、特定の例示的であるが決して限定的ではない実施形態が概略的に示されている。様々な特徴及び要素は、それ自体として使用されてもよいが、明示的な参照がなされていなくても、他の特徴又は要素と組み合わせて使用されてもよいことに留意されたい。
【0138】
図1は、陰唇間パッドとして有用な物品を示し、
図1A~1Cは、折り畳みリッジ領域1003、幅方向1006、及び厚さ方向1008における長手方向1002及び長手方向に延びる折線1004を有するデカルト座標での物品1000の斜視図を示す。物品は、さらに、
図2A~Fの断面図に示されるように、折線1004から離れて延びる2つの側部領域1010及び1020を、それぞれ様々な実施形態で含む。
図2Aでは、物品は、側部1010及び1020が折線1004で接続されてそれらの間に角度1030を形成するように折られた構成で示されている。
図2Bでは、物品は、鋭い折線を示さず、逆U字形の形状によって近似され得るより緩やかな曲げを示し、次いで、折線1004は、上部リッジ部分に対応し、折角1030は、それぞれ、この折線及び側部部分の終点1018及び1028によって定義される。
図2Cに示されるように、側部1010及び1020は、必ずしも同じ形状又はサイズではない。
【0139】
図2Dでは、物品1000は、それぞれ側部1010及び1020と、長手方向折線1004とを備えている。また、各側部は、それぞれ、吸収性コア1015及び1025を備えている。単一のトップシ-ト1012は、吸収性コア1015及び1025の両方の使用者方向表面をそれぞれ覆い、さらに、側部1018及び1028の端部でそれぞれ単一のバックシ-ト1019に接続され、この例示的な実施形態では折線1004で行われる。
【0140】
図2Eに示すような実施形態では、トップシ-ト及びバックシ-トは、両側部について単一ではないが、折線1004において、第1及び第2の側部のそれぞれのバックシ-ト1019’及び1019’’、並びに、トップシ-ト1012’及び1012’’は、ここでは、バットシ-ム(合掌貼り)モ-ドで示されているが、これは、オ-バラップシ-ムによるオ-バ-ラップ配置として実行することもできる。
【0141】
さらに、
図2Fは、折り畳み角度が0°に近づくように、完全に重なり合った側部の配置を概略的に示している。このような実施形態において、側部の端部は、接着剤又は溶融融合結合点若しくは線などによって、物品の縁部若しくは周囲の端部に近接して、又は端部において、接続部1190によって互いに接続されていてもよい。
【0142】
本発明による特定の実施形態は、
図2Fに示す第1の長手方向端部部分(図示せず)に向かって完全に折り畳まれ得る使用前の構成における吸収性物品に関連して
図3に概略的に示されており、それぞれ、反対側の端部における角度1030”に向かって増大する折り畳み角度1030’を有している。
【0143】
図4は、本発明による物品において具体化され得る、ストリング1110の形態の除去補助具を含むさらなる要素を概略的に示している。さらに、物品は、表面1120に塗布された皮膚軟化剤又はロ-ション1130又は固定助剤を含む表面トップシ-ト1012を含んでいてもよい。その特定の変形例では、ロ-ションなどの添加剤を使用者が塗布することができ、それによって、使用者は、例えば、皮膚親和性、臭気低減又はマスキング、洗浄などの目的に応じて、異なる添加剤の中から選択することができる。
【0144】
図5は、本発明による物品が包装材料2100に包まれ、ロ-ル軸2015の周りのロ-ルに巻き取られる実施形態を概略的に示している。図示されているように、物品の長手方向の向きは、ここでは完全に折り畳まれた物品である使用前の構成で示されており、ロ-ルの巻き戻し方向に対して垂直である。
【0145】
最大長さ1001、最大幅1007、及び長手方向折線1004を示す物品のさらなる詳細を
図6Aに示す。除去ストリング1110も示されている。
図6B及びCには、吸収性パッドが周辺部2200を含む場合の実施形態が示されており、周辺部は、接着によって、又は溶融融合結合によって、結合されていてもよい。任意に、上記に記載したように、周辺部をウィッキング制限剤で処理してもよい。或いは、例えば長手方向に延びる側縁部2210に沿って、周囲の一部のみを処理してもよい(
図6C参照)。
【0146】
図7は、吸収性コアが丸い長手方向端部及び実質的に真っ直ぐな側縁部を示す特に好ましい実施に関するものであり、
図7Aは、z方向に部分的に重なり合い且つ長手方向にオフセットされた吸収性ウェブ材料1014及び1016の2つの副層を含む吸収性コア1015の分解及び組合せ斜視図を概略的に示しており、
図7Bは、長手方向断面図を、
図7C及び7Dは横断方向断面図を概略的に示している。このような実施形態は、本明細書で既に参照した同時係属中の出願GB1720942.0にさらに詳細に記載されているように、実質的にトリムフリ-で製造することができる丸みを帯びた端部を可能にするので、特に有益である。
図7Aに見られるように、このようなコア1015は、長手方向折線1004に沿って適切に折り畳むことができ、物品の第1及び第2の側部を有するコアを形成する。
【0147】
図8A及びBでは、トップシ-ト1012とバックシ-ト1019との間に包み込まれた2つの副層1014及び101を備えたコアを含む物品1000が示されている。コアは、接着剤コ-ティング又はスプレ-1160及び/又は接合点パタ-ン1170によって示されるように、バックシ-ト又はトップシ-トに接続されてもよい。物品の周囲において、トップシ-ト1012及びバックシ-ト1019は、接続部1150によって示されるように、互いに接続されてもよい。
図8Bは、折り畳まれた形態のそのような物品を示し、重ねられた側部の間に接続部1190を更に含んでいる。
【0148】
図9Aは、本発明による吸収性物品のためのコアのさらなる配置を示し、ここで、2つの別々のコア1015’及び1015”は、それぞれ、
図7の文脈で説明されるように、コア材料のサブ層を含み得るが、長手方向折線1004に平行に配置され、したがって、それぞれが側部を形成する。そのような側部は、
図9Bに示されるように、必ずしも同じサイズを有する必要はなく、
図9Bにおいて、第1及び第2の側部のそのようなコアは、さらなる吸収パッチ1140などのさらなる材料によって折り目線を横切って架橋されていてもよい。
【0149】
図10A及びBは、物品の最大幅の約10~20%の長手方向中心線に向かって延びる物品の長手方向に延びる周囲に沿って物品の着用者配向表面に接続され得るエッジバリアウェブ1180を含む物品を示している。
【0150】
参照サンプル汗パッド(SP-R):
図12では、例えばe-bay(商標)を介して、「汗脇パット吸収」としてChangxi HuのHialyPackから市販されている吸収性物品3000を参照する。パッド3000は、約1.6gの平均総パッド重量及び
図12に示されるような形状を示し、2つの翼又は不均等なサイズの側部が折線3004で折線領域3003によって接続され、これは、幅方向3006及び長さ方向3002を有するデカルト座標において、65mmの折線長さ3005を示し、パッドを第1の側部(3040-ここでは小さい方として表示)及び第2の側部(3050-ここでは大きい方として表示)に分離している。第1の側部3040は、折線3004から横方向外側に55mmの最大幅延長3047と、80mmの最大長さ3045とを示している。第2の側部3050は、折線3004から横方向外側に70mmの最大幅延長3057と、9mmの最大長さ3055とを示し、その結果、パッドは、125mmの両側部3007にわたって最大幅を示す。
【0151】
その全面積にわたって、パッドは、使用中に着用者の方へ向けられ、
図12の観察者に面するトップシ-ト3012として約17g/m
2の従来のスパンボンド不織布と、反対側のバックシ-トとして約20g/m
2の従来のポリエチレンフィルムとで構成されている。トップシ-トとバックシ-トとの間に、パッド当たり約57g/m
2及び約0.44gの毛羽立ちを有するセルロ-スフラッフ(cellulose fluff)の層が、吸収性コアとして位置付けられ、これも全領域にわたって延在し、第1(小さい)側部コア3041及び第2(大きい)側部コア3051を示す。バックシ-ト、トップシ-ト、及びフラッフ層は、存在する場合、接着剤スプレ-によって結合され、更にパッドの周囲に沿って5mmのリム3009でエンボス加工によって縁部結合される。バックシ-ト側では、剥離紙が、長手方向折線3004に沿って折り目領域3003を除いてパッドの外縁に向かって延在する衣服接着層を覆い、第1の側部折り目領域幅3049で延在する10mmの第1の折り目領域3042と、同じく10mmの第2の側部折り目領域幅3059で延在する第2の折り目領域3052とを有する。
【0152】
下に説明する低圧における非対称ドリップオフ容量試験は、それぞれ25mm及び33mmの折線3048(第1の小さな側部)及び3058(第2の大きな側部)からの荷重バ-距離(load bar distance)と、それぞれ70mm及び85mmの荷重長さ3043(第1の小さな側部)及び3053(第2の大きな側部)で実行され、結果として140g(第1の小さな側部)及び175g(第2の大きな側部)の荷重バ-負荷が得られた。最初のドリップは、第2(大)及び第1(小)パッド側部からそれぞれ4.665ml及び2.634mlに認められ、滴下が漏れ始めた前の吸収性コア(ここではセルロ-ス)重量の平均負荷率は16.0xであった。このようにして求めたコア容量係数の80%を各側部に負荷すると、1.38gの再湿潤が生じた。
【0153】
テストサンプル汗パッド-1(SP-1)
サンプルSP-Rと同じ外部(トップシ-ト及びバックシ-ト)寸法を示す汗パッドを作製した。但し、セルロ-ス系コアの代わりに、英国GrimsbyのTechnical Absorbentsからの、商品名SAF(商標)、タイプ0076A 235100の予め製造されたエアレイド不織ウェブであって、これは、超吸収性繊維に加えて、フラッフパルプ、二成分ポリエチレン/ポリプロピレン繊維及び不織ウェブを含んでいる。それは76g/m2の坪量及び0.8mmの厚さであった。パッド外周部はトップシ-ト/バックシ-トより5mm小さくカットし、トップシ-トと従来の17g/m2のスパンボンドポリプロピレン製ウェブとバックシ-トとを約20g/m2の従来のポリエチレンフィルムで熱接着した。さらに、折り畳み領域は、各側部において約10mmの間、材料を含まないままにした。このように、約438mgの吸収性材料が第2の(大きい)側部に配置され、約268mgの材料が第1の(小さい)側部に配置された。パッドは良好な柔らかさを示した。側部を非対称低圧コアドリップオフ容量試験に供した結果、ドリップオフ容量は約11.634ml、即ち、ドリップオフコア容量係数は16xであった。
【0154】
テストサンプル汗パッド-2(SP-2)
吸収性コアを除いて、さらなる試験サンプルをSP-1と同様にして調製した。このために、EK-XEN 67の名称でドイツ国HaanのEkotec Groupから市販されている高吸収性材料を篩にかけて、約500μmより大きい粗粒子を除去した。このうち1gを、イスラエルのSHALAGのSTA1PBL30スル-エア接着ウェブ間に坪量約130g/m2で分配した。このウェブは、二成分ポリエチレン/ポリプロピレンとポリプロピレン繊維の混合物の空気を通して結合された30g/m2のウェブである。パッドは非常に良好な柔らかさを示した。低圧ドリップ試験では、サイドシ-ルが破損する前に、パッドの大きな側部に23.238mlの試験流体、又は23倍の荷重係数を受けたが、滴下は発生しなかった。
【0155】
テストサンプル陰唇間パッド(ILP-1)
トップシ-ト及びバックシ-トを含み、85mmの長軸及び45mmの短軸を有する実質的に楕円形を示し(
図6A参照)、熱融着結合によりそれらの周囲に沿って連結された吸収性パッドを調製した。トップシ-トは約17g/m
2の従来のスパンボンドされたポリプロピレン不織布であり、バックシ-トは約22g/m
2の従来のいわゆる「織物バックシ-ト」であり、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレン繊維の外向きに配向された層を含んでいる。トップシ-トとバックシ-トとの間に、吸収性コアを、トップシ-トとバックシ-トとを接続するための5mmの結合領域のためのスペ-スを提供するサイズ、すなわち75mm×35mmの楕円として配置した。コア材料は、フラッフパルプ、BiCo繊維、及び、英国GrimsbyのTechnical AbsorbentsからAirled 2717の名称で市販されている総坪量240g/m
2の不織層の間に包まれた超吸収性材料ファイバを有するエアレイド織物であった。それは、グラム当たり1.3mmの公称キャリパ-及び21mlの0.9%生理食塩水公称CRC容量を示す。パッドの総重量は704mgであった。自由膨潤試験では、吸収性材料の厚さは約2.5mm増加する。パッドは、長手方向に折り畳まれ、折り畳みは、折線に投影されたときに長手方向折線の端部から約1cmの距離で、周辺部の熱融着結合点によって固定される。試験前に、この結合点を注意深く開いて、試験片支持体上に試験片を位置決めできるようにする。ドリップテストでは、開口部からの液垂れが早まっていないことが注視される。
【0156】
パッドを以下に記載するように対称的な低圧ドリップ試験に供し、それによって試験液体を側部に滴下し、それによって約0.75mlの荷重で、最初のドリップが第1の側部から解放されるまで、それぞれの他の側部を交互に装填し、その上に、他の側部もそこで滴下が解放されるまで(この場合はさらに0.5ml)装填した。全体で9つの全荷重と部分的な最後の荷重が側部ごとに排出された。各側に3つの荷重を加えた後、厚さの増加を補うために荷重バ-の距離を約0.8mm(調整ねじのカウントによって決定され、測定によって確認される)慎重に増加させた。これをさらに3荷重行った後に繰り返した。
【0157】
試験台から全体パッドを注意深く取り出し、パッド当たり14.967ml又はコア材料g当たり20.9mlの0.9%生理食塩水の重量増加を測定した。
【0158】
テストサンプル陰唇間パッド(ILP-2a~2c)
コア材料の種類を除いて、ILP-1の設計に従ってさらに試験試料を調製した。即ち、フラッフパルプ、BiCo繊維、及び、英国GlimsbyのTechnical Absorbents社からAirled 2351の名称で市販されている、公称坪量76g/m 2、キャリパ-0.8mm及びグラム当たり0.9%生理食塩水24mlの容量を示す超吸収性材料繊維である。この材料の単一層(サンプルILP-2a)、二重層(サンプルILP-2b)及び三重層(サンプルILP-2c)を使用して3つの試料を調製し、1つの液滴が放出されるまで、側部ごとに約1ml/面を30秒で塗布し、30秒待ち、第2の側部を装填する等して、本明細書に記載の低圧ドリップ試験にかけた。試料の吸収性コアは、それぞれ138mg、276mg及び414mgの重量を有し、最初のドリップの放出後、試料は、それぞれ2440mg、4123mg及び5458mgの総重量、又はそれぞれ15.7g/g、13.4g/g及び11.8g/gのドリップオフ容量係数を示した。
【0159】
このことは、試験条件下では吸収剤の坪量が増加するとコア効率が低下することを示している。
【0160】
テストサンプル陰唇間パッド(ILP-3)
バックシ-ト材料のためのポリの代わりに、約19g/m2の疎水性スパンボンドNWが使用され、それは、コア及びトップシ-トの長手方向に延在する部分の周りに約10mm、すなわち、コアの最も幅の広い部分を約5mmオ-バ-ラップするように各側で折られたことを除いては、ILP-2bの設計に従って、さらなる試験試料を調製した。吸収性コアは、282mgの重量、435mgの総パッドを示した。最初のドリップは、総重量5331mg、又は比滴下容量17.4g/gで放出された。
【0161】
テストサンプル陰唇間パッド(ILP-4)
ILP-1及びILP-2に従った寸法及びトップシ-ト及びバックシ-ト材料を有する吸収性部材を用いてさらに別の試験サンプルを調製した。吸収性コアについては、超吸収性粒子をSP-2のようにパッド当たり600mgで使用し、2層の埋め込み材料ATBNW Vortex 60g/m2(イタリアのTexsus s.p.a.から市販されているもの)の間に配置され、スキン層が「外側」すなわちトップシ-ト及びバックシ-トにそれぞれ配置されている。パッドの総重量は982mgで、非常に良好な柔軟性を示した。総重量12113mgで、特異的なコアドリップ容量係数13.2g/gに相当する強い膨潤による側方閉鎖の失敗まで、液滴は放出されなかった。
【0162】
試験方法
すべての試験は、EDANANWSP 003.0.R 0(15)に詳細に規定されているような標準的な実験室条件下で実施すべきである。
【0163】
液体吸収容量は、いくつかのパラメ-タ及びそれぞれの試験方法によって決定及び記述することができる。
【0164】
遠心分離保持容量(CRC)は良く確立された方法である。EDANANWSP 241.0.R 2では、超吸収性材料の容量を決定する方法が記載されている。吸収性ウェブ材料の遠心分離保持容量を決定するために、この標準試験は、吸収性ウェブ材料の領域の40mm×20mmの切り出しサンプルに適用されるという点で修正することができる。次いで、各試料は、EDANA法で規定されているように、例えば、密閉容器に保管し、測定前に調整するなどして、取り扱われ、測定されるべきである。
【0165】
セルロ-スと超吸収性材料の混合物の吸収能力の単純化された近似は、そのような材料について一般的に知られているSAP原料のCRCを取り、セルロ-スフラッフについて4ml/gの値を仮定することによって行うことができる。
【0166】
「折り畳み容量テスト」
応用:本試験に用いる試験片は、吸収デバイスであってもよく、そのようなデバイスのために使用されることを意図された、又はそのようなデバイスに含まれる吸収性部材又はコアであってもよい。「折り畳み製品容量テスト」と称される第1の場合、吸収性デバイス製品は、そのまま使用されてもよく、又は、例えばパッドの完全性を損なうことなく側部の外側部間の接続部を慎重に取り外すことによって、折り畳み可能であるが実質的に平坦な構成を取ることを可能にすることによって、本試験において試験可能であるように改変されてもよい。「折り畳みコア容量テスト」と称される第2の場合には、吸収部材又はコアは、吸収デバイスを形成するために意図されたタイプの吸収デバイスを形成するために意図されたタイプのトップシ-ト及びバックシ-ト材料又は表面層などの表面層間で試験されることが好ましい。このように規定されたトップシ-ト又はバックシ-ト材料のない吸収性部材を試験する場合、吸収性部材は、標準的な従来のトップシ-ト材料(17+/-2g/mの親水性スパンボンド不織布、1~3dTexのモノフィラメント)と標準的な従来のバックシ-ト材料(10g/m2~20g/m2のポリエチレン又はポリプロピレンフィルム)との間に配置されるべきである。トップシ-ト及びバックシ-トは、吸収部材の周囲から1cmを超えて延びてはならない。トップシ-トとバックシ-トの縁部は熱接着や超音波接着などで互いに接着してもよいが、追加の接着剤を試験片に塗布してはならない。
【0167】
原理:この試験は、着用者とデバイスとの間の接触面に沿って、液体が一次的に吸収デバイスに移送され、上部リッジ又は長手方向折線に沿ってではなく、デバイスの側部内にある、身体の裂け目内の折り畳まれた製品の使用中の状態を反映することを目的とする。
【0168】
折り畳み容量テストには、同じ製品又はコア設計の異なる試験片に対して、一括又は個別に実行できるさまざまなサブテストが含まれる。これらのサブテストには、以下を決定することが含まれる。
-吸収性材料又はコアの重量に対する吸収された液体の比率として「ml/パッド若しくはコア」又は「ドリップオフ容量係数」で表すことができるドリップオフ容量;
-エッジウェッティング;
-ポストドリップ容量試験リウェット試験;
-設計容量、例えばドリップオフ容量の80%でのリウェット試験。
【0169】
これらは、以下の条件で実行可能である。
-0.981kPaの低圧状態(10g/cm2の荷重でも表される);又は
-3.92kPaの高圧状態(40g/cm2の荷重でも表される)、
それぞれ吸収性パッドや製品、又は吸収性コアのためのものである。
【0170】
結果を報告する際には、どのサブテスト又は条件が実行されたかを、例えば「折り畳みコア低圧ドリップオフ容量」を引用することによって明確にするべきである。
【0171】
次に、上腕の下側の汗取りパッドのようにパッド形態で実質的に平坦であり、及び/又は陰唇間製品のように長手方向の折線に対して対称であり、さらに60mmから130mmの全体の製品長さ、及び15mmから50mmの折られた、それぞれ30mmから100mmの平坦化された全体のパッドを示すデバイスへの適用について説明する。さらに、それらは典型的には、生理食塩水又は設計容量において、それぞれ1ml~20mlの吸収能力を示す。他の製品への試験の適応については、後述する。「試験片」という用語は、特定の試験において特定されるような吸収性物品又はそのような物品の吸収性部材を指す。
【0172】
一般に、試験は、待機期間中に積載物の乾燥を引き起こす可能性のある過剰な通風から保護されるように設定されるべきである。
【0173】
図11A~Eでは、試験スタンド9000がより詳細に示されている。
試験片支持体9100は、折線1004が試験片支持体の上部リッジ9004上に位置合わせされた状態で、非平坦な構成で試験片1000を位置決めすることができるようになっている。これは、幅/高さの断面が、少なくとも、好ましくは40mmより大きい、折り曲げられた試験片の幅の辺長を有する正三角形を形成するような形状を有する。長さは、少なくとも試験片の長さ、好ましくはそれ以上、例えば120mmとする。エッジは鋭く、半径は1mm以下とするべきである。。材料は、例えばパ-スペックス、PVC、金属又は防水処理された木材などの任意の液体非感受性材料であってもよい。
【0174】
2つの荷重バ-9200’及び9200”は、同じ又は異なる液体非感受性材料から作られ、試験片支持体上に置かれ、折線1004から側部を垂下するときに、試験片1000上に配置されるように適合される荷重バ-の長手方向中心線9220は、折線1004と平行に延びる。荷重バ-9200は、幅-高さ寸法において明確な断面形状を示し、好ましくは5mmの側面長を有し、正方形9210又は三角形の断面などの試験片支持体上に平らに載置され、60mm以上などの試験片支持体9100の長さを超える全長を有し、各長手方向の端部側に約30mm以上突出して、その上に荷重ウェイトを載置又は吊り下げることができる。2つの荷重バ-は、支持体に対して荷重バ-を互いに正確に離隔させることを可能にする連結部9250によって互いに連結されている。この接続は、接着テ-プのような可撓性のものであってもよく、又は調節可能な固定距離の取り付けであってもよい。接続部によるテストパッドの圧縮を回避するために、接続部は、実質的に水平な接続部によって支持部の横方向外側にある。特に、厚さ方向に高い膨潤を示す吸収材料については、荷重バ-の接続は、荷重バ-の距離が、試験中であっても、任意に、容易かつ正確に調節され得るように実行され得る。あるいは、荷重バ-は、試験片支持体の上縁部の上方で実質的に平行に延びることができるギベットから懸架されてもよい。接続部9250は、荷重バ-が互いに平行に且つ支持体と平行になるように実施され、試験片1000上の荷重バ-の平坦な位置決めを妨げないように注意すべきである。
【0175】
荷重バ-は、荷重バ-の突出部分上に配置されてもよく、又はこれらの部分から吊り下げられてもよい荷重ウェイト9300’及び9300”によって負荷される。これらは、荷重バ-の突出部分上に配置することができ、鉛、鉛ボ-ル、砂、水などの適切な重量調整で充填することができる、好ましくは1グラムの精度に正確に調整することができるタイプのものである。好ましい実施は、調節又は懸濁が容易になるように、任意に他の磁気ウェイトと組み合わせて、直径5mm又は6mmの磁気球を使用する。荷重ウェイトは、試験棒の重さ、荷重ウェイト容器及び荷重ウェイトの合計として所定の試験ウェイトを生成するように調整される。
【0176】
一般に、0.9%生理食塩水を試験流体として使用することができるが、タンポンに適用可能な、EDANANWSP 350.1.R1による合成月経などの他の流体を適用することもできる。任意に、例えば、より良好な視覚的観察を可能にするために、着色(食品着色料)を加えてもよいが、流体の表面張力はこれによって影響されるべきではない。
【0177】
空気中から水分が取り込まれる可能性がないように、気密パック中で試験片を標準状態に調整する。
【0178】
エッジ濡れ試験を実行するために、吸収性エッジ濡れピックアップ紙9400、例えば、Whatmanろ紙グレ-ド3又は同等物を、試験片支持体よりも短いが最大試験片長よりも長い1cm幅及び長さのストリップに切断する。長手方向に沿って均等に重ねて、その両端部を小さな粘着テ-プ9410で固定する。試験片支持体に付着させる前に、好ましくはmg単位で、それを注意深く秤量する。次に、試験片支持体の両側面に、開口縁が上方に向いて試験片の最下端が嵌合するポケットを形成するように取り付けられる。
【0179】
バックシ-ト材料が液体非透過性ではなく、したがって何らかの液体を透過させる可能性がある場合には、エッジ濡れテストのための代替の設定がより適している場合もある。この実施形態では、縁を濡らす濾紙の幅5mmのストリップが、ストリップの約半分を覆い、残りが試験片支持体上に位置決めされる接着テ-プでその完全な下部長手方向縁上に取り付けられ、かくして、ピックアップ紙と試験片支持体の表面との間にポケットを形成し、このポケットに、端縁の下端を位置決めすることができる。全てのエッジ濡れピックアップ用紙が荷重バ-の下に位置するように注意すべきである。
【0180】
試験実施のための一部のパラメ-タは、試験片の詳細に依存する。
縦折線1004からの荷重バ-の距離は、折線に対する荷重バ-の上縁の距離が折り曲げられた試験片の最大幅の半分に相当するように、荷重バ-接続部9250の長さによって調整される。好ましくは、荷重バ-接続部の長さは、異なるサイズの試験片に適合するように、あるいは、例えば、試験手順中でも操作可能なスクリュ-ナットシステムを使用することによって、負荷中の試験片の厚さの増加にさえ適合するように調整することができる。
【0181】
荷重領域は、荷重バ-の幅と、荷重バ-の長手方向の中心線に沿った試験片の長さである試験片の荷重長さ9500とによって決定される。
【0182】
試験片の両側面又は側部のパッド表面の法線に対する所望の圧力を達成するために、所望の圧力を試験片支持角度の余弦(即ち60°であり、0.5の値に対応する)で割り、荷重バ-幅(即ち5mm)及び試験片荷重長さ9500で乗算する。
【0183】
したがって、3.92kPa(又は40g/cm2)の「高圧」を達成するためには、試験片の荷重長さが70mmの場合、荷重バ-の重量と荷重バ-の両側にある2組の対称の重量で構成される、各側に280gの荷重重量、つまり合計560gを適用する必要がある。従って、「高圧」の25%の「低圧」に対して、全荷重は、合計140g又は荷重長さ1cmあたり20gであるべきである。
【0184】
試料の重量は、例えばmgの読み取りスケ-ルで正確に決定され、試料は、その長手方向の折線が試料支持体を覆って配置され、側部が、長手方向の対称線が存在する場合には、その対称線に対して横方向に下方に対称に延びるように配置される。
【0185】
荷重バ-は、その上端が試験片の中間断面線と一致するように適用され、荷重ウェイトが適用される。
【0186】
全ての試験オプションは、ドリップピペットを調製し、約30秒以内に1滴あたり100+/-50mlの液滴で約1mlの流体を試験試料に滴下することによって実施される。液滴は、約2cm以下の落下高さから荷重バ-の真上まで試験片に当たるように塗布される。非対称試験片については、液滴は片側部のみに適用され、各側では、
図11Eにおいて矢印9903、9905及び9908によって示されるように、それぞれ全荷重長の25%、50%及び75%で長手方向に広がり、25%及び75%と比較して約2倍の量が50%である。最初のmlが適用され、30秒の待機期間の間、30秒後、次の30秒の間にもう1mlを滴下し、この手順を最初の液滴がパッドから落ちるまで繰り返す。次に、液体の添加を停止する。さらに1分間の待ち時間の後、装填されたパッドをmgの読み値まで正確に計量し、第1の側部について所定の圧力に対する「ドリップオフ容量」を記録する。次に、新しいパッド及び反対側の部分でテストを繰り返す。ドリップオフ容量は、パッド単位(ml/パッド)又はコア重量単位で、コア材料1g当たりのドリップオフ容量係数(ml)で表すことができる。
【0187】
対称試験片及び/又は側部間に良好な流体移動がある場合に特に適したこの試験の変形例では、パッドの第1及び第2側部は、それぞれの待機期間の後に、交互に負荷される。パッドの横方向の流体分布特性が良好であれば、片面部負荷試験と両面部負荷試験の比率は1に近づく。
【0188】
ドリップオフ試験の後に、ポストドリップオフ容量テストの再湿潤テストを実行してもよい。この目的のために、コアの特定の表面積に対して低い圧力(0.981kPa)又は高い圧力(3.02kPa)を生成するために、平坦なパッド再湿潤重量が準備される。例えば、長半軸が40mmで短半軸が20mmの楕円体コアの場合、面積は25.13cm2であり、それぞれの低圧(0.981kPa)負荷は251gであり、高圧(3.92kPa)では1kgである。さらに、濾紙(Whatman#3、6μm又は同等品)は、展開されたパッドよりも大きなサイズで調製され、mgの読みまで正確に秤量される。
【0189】
秤量後1分以内に、パッドを載荷面を上にして平らな面に置き、平板(例えばパ-スペックス製)で覆い、濾紙をパッドと各再湿重量の間に置く。1分の待ち時間の後、濾紙が再計量され、平坦パッドが再湿潤されたかどうかがパッド単位で決定される。
【0190】
コア再湿潤試験は、上述したように、パッドにドリップオフ容量の80%を負荷し、再湿潤を測定するときにも行うことができる。
【0191】
ろ紙の代わりに、COFFIの指定の下に約28g/m2の坪量でドイツのWeinheinのNATURIN GmbHから購入した予め調整されたコラ-ゲンフィルムを使用することができ、その結果はそのようなものとして報告される。
【0192】
エッジ濡れ試験を実施するために、ドリップオフ容量試験と同じタイプの更なる試験片を同じ方法で準備し、その最低エッジがエッジ濡れピックアップ紙のポケットに適合するように配置する。そして、上記のようにして、待機時間なしにドリップオフ容量の80%に達するまで、試験液を塗布する。
【0193】
3分の待ち時間の後、試験片を取り出して正確に秤量し、実際の流体荷重及びエッジ濡れピックアップ紙を確認し、エッジ濡れ量を算出する。
【0194】
ストレス試験条件については、エッジ湿潤試験を、滴下容量の85%、90%、又は95%などのように、それに適用される試験流体の量を増加させて反復することができ、それぞれの結果を監視し、そのように明確にマ-クするべきである。
【0195】
特定の試験片形状に関する考慮事項:
予め折り畳まれた形状を示す試験片については、試験台の試験片支持体上に平らに位置決めできるように固定手段を注意深く開けるべきである。
【0196】
縦方向の折り目線に対して非対称な試験片については、各側部を別々に評価し、それに従って報告するものとする。
【0197】
交差方向の折線に対して非対称な試験片については、最大の交差方向延長に対して荷重バ-の位置を計算しなければならない。
【0198】
いわゆるバタフライ形状を示すなど、縦方向に延びるマ-ジンに沿って1つ以上の凹みを有する試験片については、荷重バ-の位置は、最大の横断方向延長について計算されなければならない。荷重バ-がそのような凹みを越えて延びている場合は、試験片の荷重長さについて、試験片上に載置されている長さのみをカウントする。
【0199】
縦方向の折り目線に沿った膨らみ、こぶ、又は下方への折り目を含む試験片の場合、試験片が支持体上に載置される側面が除去可能であり、支持体の上部リッジに沿った縦方向の間隙が形成され、そこに膨らみ、こぶ、又は下方への折り目が嵌合可能であるように、試験デバイスを適合させることができる。
【0200】
厚みはEDANA法NWSP 120.6.R 0(15)に従って決定することができる。
【0201】
耐リント性(resistance to linting)はEDANANWSP 160.1.R 0(15)/ISO 9073-10に従って測定できる。
【0202】
洗い流し性(flushabiity)は、INDA及びEDANA;2013によって共同で発行された「不織布使い捨て製品の洗い流し性を評価するためのガイドライン文書」、ならびに本発明による物品に対するそれぞれの更新を適合させることによって決定することができ、これらの物品は、通常、EDANA/INDAガイドラインが開発されているワイピングよりも小さいサイズを示す。.
【0203】
生分解性とは、本明細書では、微生物により、又は微生物の存在下で、二酸化炭素、水、バイオマス及び無機材料に完全に又は実質的に完全に分解され得るポリマ-、層、フィルム、粒子又は繊維などの材料又は化合物を指す。生分解性は、試験物質を唯一の炭素源及びエネルギ-源として含む培地からの二酸化炭素発生量及び溶存有機炭素除去、ならびに均質化した活性汚泥の上清から得られた希釈細菌接種物を測定することによって推定することができる。生分解性を推定する適切な方法については、Larson「生体異物有機化学物質の生分解性の評価」Applied and Environmental Microbiology, Volume 38(1979)p.1153-61を参照のこと。さらに生分解性の判定は、ISO 17088/EN 13432/EN 14995に準拠して、コンポスト化可能なプラスチック及びコンポスト化可能なプラスチック材料から作られた製品について行うことができる。それは、コンポスト化過程やコンポストの品質に悪影響を及ぼすだけでなく、コンポスト化中の生分解や崩壊などの側面にも取り組んでいる。これはASTM規格D6400に強く関連しており、本来は好気的に堆肥化されるように設計されたプラスチックのラベル表示を定義している。この規格は、プラスチックだけでなく、都市及び産業施設でコンポスト化されるように設計されたプラスチック製品も対象としている。さらに、ASTM D5338/ISO14855は、制御されたコンポスト化条件下でプラスチックの好気的生分解を測定するための試験方法を提供している。この規格は、制御されたコンポスト化環境、すなわち実験室条件下でのプラスチックの好気的生分解の程度と速度を決定するのに役立つ試験方法を定義する。
【0204】
キャリパ-
米国特許第8314286号明細書を明示的に参照して、この明細書では、マサチュ-セッツ州ウォルサムのB.C.エイムズ社から入手可能なフットダイヤル(厚さ)ゲ-ジ、モデル番号ADP 1116、スタンド付き直径29.6mmの足、0.0254mmまで正確な56.7gm自重を詳細に記載している。同等の方法も適用可能である。
【0205】
ガ-レ-剛性
ガ-レ-剛性は、多くの軟らかさの指標の1つであり、US8314286に詳細に記載されており、この方法に関して、明示的な参照がなされる。ガ-レ-剛性は吸収性材料の曲げ性又は柔軟性を測定する。ガ-レ-剛性値が低いほど、材料の柔軟性が高くなる。ガ-レ-剛性値は、ニュ-ヨ-ク州トロイのGurley Precision Instruments製のGurley Stiffness Tester(型番4171D)を使用して測定される。結果は、ミリグラム単位の「Gurley Stiffness」値で取得される。