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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】マット材及びマット材付き排気管
(51)【国際特許分類】
   F01N 13/14 20100101AFI20231114BHJP
   D04H 1/4209 20120101ALI20231114BHJP
【FI】
F01N13/14
D04H1/4209
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019237447
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021105381
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 達也
(72)【発明者】
【氏名】向後 雄太
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-023565(JP,A)
【文献】特開2010-138760(JP,A)
【文献】特開2007-162583(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108868984(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 13/14
D04H 1/4209
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも無機繊維によって構成され、排気管を覆うように配置するためのマット材であって、
前記マット材は平面視において、通常領域と、当該マット材の平面視における内部領域に少なくとも形成され、前記通常領域より強度の高い補強領域と、を含み、
前記補強領域には、前記通常領域を構成する材料より強度の高い補強材が埋め込まれている
マット材。
【請求項2】
前記補強材が、有機材料、無機材料及び金属材料のうち少なくとも1つからなる、
請求項に記載のマット材。
【請求項3】
前記マット材は、平面視略矩形であって、
前記補強領域は、当該マット材の平面視において対向する2つの外縁を結ぶように連続的に形成される、
請求項1又は2に記載のマット材。
【請求項4】
前記マット材は、平面視略矩形であって、
前記補強領域は、当該マット材の平面視において2つの頂点を結ぶ対角線に沿って連続的に形成される、
請求項1又は2に記載のマット材。
【請求項5】
前記補強領域は、当該マット材の平面視において円形に形成される、
請求項1又は2に記載のマット材。
【請求項6】
前記補強領域は、当該マット材の平面視において格子状に形成される、
請求項1又は2に記載のマット材。
【請求項7】
前記補強領域は更に、当該マット材の平面視における外縁の少なくとも一部に沿って形成される、
請求項1~のいずれか1項に記載のマット材。
【請求項8】
前記補強領域及び前記通常領域は、互いに別部材でない一体のマットから形成される、請求項1~のいずれか1項に記載のマット材。
【請求項9】
前記マット材は平面視において、前記通常領域の面積が前記補強領域の面積より大きい、請求項1~のいずれか1項に記載のマット材。
【請求項10】
前記マット材は、給湯器、オーブンレンジ、ガスコンロ、バーナー試験機、加熱試験機、内燃機関及び焼成炉のいずれかから選択される装置の一つに適用される、
請求項1~のいずれか1項に記載のマット材。
【請求項11】
前記排気管と、
当該排気管を覆うように配置されたマット材と、
前記マット材の外側に配置された金属カバーと、を備えるマット材付き排気管であって、
前記マット材は、請求項1~のいずれか1項に記載のマット材である、
マット材付き排気管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マット材及びマット材付き排気管に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のエンジンから排出される排気ガスは、エンジンからエキゾーストマニフォールド、マフラー等の部材を経て外部に排出される。排気ガスの排出に伴う排気音や多量の排熱を抑制することは、快適な運転環境の維持、車両を構成する各種部材の寿命維持の観点から、重要な課題である。
【0003】
特許文献1は、金属製の覆い部材と、覆い部材の内側に張り合わせた無機質繊維よりなるマット部材と、マット部材の表面に張り合わせた無機質耐熱クロス部材とを組み付けて一体化させた内燃機関の排気系用インシュレータを開示している。これにより、吸音及び断熱機能を向上させることを目的としている。
【0004】
特許文献2は、排気用配管と、排気用配管の外周に排気用配管と同軸状に設けられた筒状の遮熱板と、排気用配管と筒状の遮熱板との間に介装された無機繊維質断熱材とを有する車輌用排気管を開示している。無機繊維質断熱材は、無機繊維質集合体に対し、融点が50~500℃である有機系バインダを含浸させつつ加圧成形して形成される。これにより、排気用配管から発生する排気音や排熱の放出を抑制するとともに、筒状の遮熱板の振動を抑制することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-49426号公報
【文献】特開2016-23565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1においては、クロス部材がマット部材の繊維の飛散や崩れを防止する機能を果たすが、マット部材を押圧することによる伸びは抑制することはできないため、マット部材の正確な配置は困難である。また、マット部材にクロス部材を配置することは工程の複雑化を招くことになる。
【0007】
特許文献2においては、有機系バインダをマット材である無機繊維質断熱材の全体に含浸させ、かつ加圧成形しているため、マット材の柔軟性を維持しつつ、マット材の伸びやひずみを抑制する効果を得難く、良好なフィット性を得ることも困難である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、排気管に使用される場面において、変形を抑制することの可能なマット材を提供する。
【0009】
本発明のマット材は、少なくとも無機繊維によって構成され、排気管を覆うように配置するためのマット材であって、前記マット材は平面視において、通常領域と、当該マット材の平面視における内部領域に少なくとも形成され、前記通常領域より強度の高い補強領域と、を含む。
【0010】
本発明のマット材は、例えば、前記マット材は、平面視略矩形であって、前記補強領域は、当該マット材の平面視において対向する2つの外縁を結ぶように連続的に形成される。
【0011】
本発明のマット材は、例えば、前記マット材は、平面視略矩形であって、前記補強領域は、当該マット材の平面視において2つの頂点を結ぶ対角線に沿って連続的に形成される。
【0012】
本発明のマット材は、例えば、前記補強領域は、当該マット材の平面視において円形に形成される。
【0013】
本発明のマット材は、例えば、前記補強領域は、当該マット材の平面視において格子状に形成される。
【0014】
本発明のマット材は、例えば、前記補強領域は更に、当該マット材の平面視における外縁の少なくとも一部に沿って形成される。
【0015】
本発明のマット材は、例えば、前記通常領域及び前記補強領域は、互いに別部材でない一体のマットから形成される。
【0016】
本発明のマット材は、例えば、前記通常領域及び前記補強領域に有機バインダまたは無機バインダを含有し、前記補強領域における当該有機バインダまたは当該無機バインダの含有量が、前記通常領域の当該有機バインダまたは当該無機バインダの含有量より多い。
【0017】
本発明のマット材は、例えば、前記通常領域及び前記補強領域にニードルパンチング処理がされており、前記補強領域における当該ニードルパンチング処理の密度が、前記通常領域の当該ニードルパンチング処理の密度より高い。
【0018】
本発明のマット材は、例えば、前記補強領域には、前記通常領域を構成する材料より強度の高い補強材が埋め込まれている。
【0019】
本発明のマット材は、例えば、前記補強材が、有機材料、無機材料及び金属材料のうち少なくとも1つからなる。
【0020】
本発明のマット材は、例えば、平面視において、前記通常領域の面積が前記補強領域の面積より大きい。
【0021】
本発明のマット材は、例えば、給湯器、オーブンレンジ、ガスコンロ、バーナー試験機、加熱試験機、内燃機関及び焼成炉のいずれかから選択される装置の一つに適用される。
【0022】
本発明のマット材付き排気管は、前記排気管と、当該排気管を覆うように配置された上述のいずれかのマット材と、前記マット材の外側に配置された金属カバーと、を備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、マット材の平面視における内部領域において、通常領域より強度の高い補強領域が形成されており、排気管に使用される場面において、変形を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明のマット材が適用されるマット材付き排気管の一例を模式的に示す断面図である。
図2図2は、本発明の第一実施形態に係るマット材の平面図である。
図3図3は、本発明の第二実施形態に係るマット材の平面図である。
図4図4は、本発明の第三実施形態に係るマット材の平面図である。
図5図5は、本発明の第四実施形態に係るマット材の平面図である。
図6図6は、本発明の第五実施形態に係るマット材の平面図である。
図7図7は、本発明の第六実施形態に係るマット材の平面図である。
図8図8は、本発明の第七実施形態に係るマット材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
【0026】
図1は、本発明のマット材が適用されるマット材付き排気管の一例を模式的に示す断面図である。マット材付き排気管200は、排気管60と、排気管60を覆うように配置されたマット材10と、マット材10の外側に配置された金属カバー70とを備える。マット材付き排気管200は車両に設けられ、車両の排気ガスを排出する配管であればその種類は限定されない(例えばセンターマフラー、テールパイプ、マフラーカッター等)。通常、排気ガス(図1中、排気ガスを符号「G」で示し、ガスの流れを矢印で示す)が排気管60内を通過する際、排気管60は約380℃程度になる。そして、マット材10は、排気音を抑制するとともに、排気管60を通過するガスの熱が外部に放出するのを抑制する役割を果たす。
【0027】
(第一実施形態)
以下、本発明のマット材の第一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1は、本発明の第一実施形態に係るマット材の一例を模式的に示す斜視図である。図1に示すマット材10は、少なくともアルミナ-シリカ繊維等の無機繊維からなり、マット状であり、平面視略矩形の平板状の形状を有している。マット材10は、図1における排気管60を覆うように配置される。
【0029】
図1における実施形態においては、マット材10は排気管60の外周に巻き付けられた状態で配置される。このような構成においては、巻き付けた状態を維持するため、マット材10の輪郭を形成する二つの対向する外縁18(図2を参照)に、凸部と凹部なる嵌合部を形成してもよいが、マット材の形状は特に限定はされない。また、マット材10は排気管60の外周に必ずしも巻き付ける必要はなく、排気管60の外面の一部に配置してもよい。
【0030】
図2に示すように、本実施形態のマット材10は、平面視において、通常領域16と、マット材10の平面視における内部領域に少なくとも形成され、通常領域16より強度の高い補強領域14と、を含む。ここで通常領域16は、補強領域14以外のマット材10の他の領域を指す。そして、マット材10の特定の位置に補強領域14が形成され、その強度は通常領域16より高くなるように設定されている。
【0031】
「マット材10の平面視における内部領域」とは、マット材10の輪郭を形成する外縁18以外の領域であって、外縁18から見てマット材10の内側に存在する領域であり少なくともこの内部領域に補強領域14が形成される。本実施形態では、補強領域14の一部である第1の補強領域14aが内部領域に形成されている。特に、第1の補強領域14aは、マット材10の平面視において対向する2つの外縁18を結ぶように連続的に形成される。「連続的に」は、第1の補強領域14aが2つの外縁18の間で切れ目なく存在することを意味する。このような構成により、所定の強度を確保し、応力による変形や伸びが効果的に抑制される。この結果、防音性や耐熱性に優れたマット材付き排気管が提供される。
【0032】
ただし、本実施形態では、補強領域14の一部である第2の補強領域14bが更に、マット材10の平面視における外縁18の少なくとも一部に沿って形成される。本実施形態では、第2の補強領域14bが外縁18の全てにわたって形成されている。このような構成により、応力による変形や伸びが更に効果的に抑制される。
【0033】
一般的に、マット材には、有機バインダまたは無機バインダ等のバインダを付与することができる。マット材に付与されたバインダによって、マット材を構成する無機繊維同士を互いに固着することができ、マット材をケーシングに圧入する際のマット材の嵩を低減させたり、無機繊維の飛散を防止したりすることができる。また、有機バインダまたは無機バインダの含有量を増やすことにより、マット材の強度を向上させることができる。本実施形態のマット材10は、通常領域16及び補強領域14の双方に有機バインダまたは無機バインダを含有し、補強領域14における有機バインダまたは無機バインダの含有量が、通常領域16の有機バインダまたは無機バインダの含有量より多くなっている。なお、通常領域16における有機バインダまたは無機バインダの含有量がゼロ(すなわち、通常領域16に有機バインダまたは無機バインダを含まない)であってもよい。
【0034】
添加する有機バインダは、特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ゴム系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。上記有機バインダの中では、ゴム系樹脂(ラテックス)等が好ましい。有機バインダを含有する有機バインダ含有液としては、例えば、カルボキシメチルセルロース又はポリビニルアルコール等の水溶性有機重合体を溶解させた溶液、アクリルゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム又はスチレン-ブタジエンゴムを水に分散させたラテックス等が挙げられる。
【0035】
添加する無機バインダも、特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、イットリア、セリア、亜鉛、マグネシア、ジルコニア、更にはこれらから選択された、もしくは、これらの組み合わせからなるコロイダルゾル等が挙げられる。
【0036】
本実施形態のマット材の製造方法の一例について説明する。例えば、紡糸法により、無機繊維を絡み合わせて作製した素地マットを所望の形状に打ち抜く方法等によりマット材を製造することができる。
また、本実施形態のマット材は、抄造又は立体成形により製造されるものであってもよい。
【0037】
補強領域14及び通常領域16は、互いに別部材でない一体のマット(素地マット)から形成可能である。すなわち、作製した素地マットに対し添加する有機バインダの量を調整することにより、一体の素地マットから補強領域14及び通常領域16を生成することが可能である。補強領域4を構成する部品と、通常領域16を構成する部品とを別々に用意して組み立てる場合に比べて、容易にマット材10を製造することが可能である。
【0038】
(第二実施形態)
図3は、本発明の第二実施形態に係るマット材の一例を示す平面図である。図3に示すマット材10においては、補強領域14は、マット材10の平面視において円形に形成される。このような構成によっても、所定の強度を確保し、応力による変形や伸びが効果的に抑制される。
【0039】
(第三実施形態)
図4は、本発明の第三実施形態に係るマット材の一例を示す平面図である。図4に示すマット材10においては、補強領域14は、マット材10の平面視において対向する2つの外縁18を結ぶように連続的に形成される。特に二つの互いに垂直に交わる第1の補強領域14aが、マット材10の平面視において対向する2つの外縁18を結ぶように連続的に形成される。各第1の補強領域14aは、外縁18を構成する辺の中央から伸びている。このような構成によっても、所定の強度を確保し、応力による変形や伸びが効果的に抑制される。
【0040】
本実施形態においても、補強領域14の一部である第2の補強領域14bが更に、マット材10の平面視における外縁18の少なくとも一部に沿って形成される。本実施形態では、第2の補強領域14bが外縁18の全てにわたって形成されている。このような構成により、応力による変形や伸びが更に効果的に抑制される。
【0041】
(第四実施形態)
図5は、本発明の第四実施形態に係るマット材の一例を示す平面図である。図5に示すマット材10においては、補強領域14は、マット材10の平面視において2つの頂点を結ぶ対角線に沿って連続的に形成される。特に二つの第1の補強領域14aが、マット材10の中央位置において交わるように、マット材10の平面視において2つの頂点を結ぶ対角線に沿って連続的に形成される。このような構成によっても、所定の強度を確保し、応力による変形や伸びが効果的に抑制される。
【0042】
本実施形態においても、補強領域14の一部である第2の補強領域14bが更に、マット材10の平面視における外縁18の少なくとも一部に沿って形成される。本実施形態では、第2の補強領域14bが外縁18の全てにわたって形成されている。このような構成により、応力による変形や伸びが更に効果的に抑制される。
【0043】
(第五実施形態)
図6は、本発明の第五実施形態に係るマット材の一例を示す平面図である。図6に示すマット材10においては、補強領域14は、マット材10の平面視において格子状に形成される。本実施形態では、外縁18の少なくとも一部に沿って形成される第2の補強領域14bが存在しないが、このような構成によっても、所定の強度を確保し、応力による変形や伸びが効果的に抑制される。
【0044】
(第六実施形態)
マット材においては、無機繊維から構成された素地マットに対してニードルパンチング処理を施すことができる。ニードルパンチング処理とは、ニードル等の繊維交絡手段を素地マットに対して抜き差しする処理のことをいう。ニードルパンチング処理が施されたマット材では、比較的繊維長の長い無機繊維が3次元的に交絡する。そのため、マット材の強度が向上することとなる。
【0045】
図7は、本発明の第六実施形態に係るマット材の一例を模式的に示す平面図である。図7に示すマット材10は、第一実施形態に係るマット材10と基本的に同じ構成を有するが、通常領域16及び補強領域14の双方にニードルパンチング処理がされており、補強領域14におけるニードルパンチング処理の密度が、通常領域16のニードルパンチング処理の密度より高く設定されている。このような処理により、補強領域4と通常領域16を生成することができる。なお、通常領域16におけるニードルパンチング処理は、なしであってもよい。
【0046】
(第七実施形態)
図8は、本発明の第七実施形態に係るマット材の一例を模式的に示す平面図である。図8に示すマット材10は、第一実施形態に係るマット材10と基本的に同じ構成を有するが、補強領域14には、通常領域16を構成する材料(無機繊維等)より強度の高い補強材17が埋め込まれている。このような処理により、補強領域14と通常領域16を生成することができる。
補強材17は、有機材料、無機材料又は金属材料等、種々の材料により構成することができ、その種類は特に限定されない。補強材17の材料は、有機物(樹脂、ゴム)、セラミック、金属等、一定の強度を確保できるものならば特に限定はされない。
補強材17を形成するより具体的な材料の例として、例えば、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル、エラストマー、ポリフェニレンサルファイド、アクリロニトリルスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、フッ素樹脂等の樹脂、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴム、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、チタンまたはそれらの合金等を挙げることができる。また、補強材17の形状や数等も特に限定はされない。
【0047】
マット材は平面視において、例えば通常領域の面積が補強領域の面積より大きく設定される。これにより、マット材の剛性が過剰に増大するのを抑制して、排気管への取り付けの容易性を確保することができる。
【0048】
また、本発明のマット材は種々の装置に適用可能であるが、ジェットエンジンや自動車用エンジンの如き内燃機関のみならず、給湯器、オーブンレンジ、ガスコンロ、バーナー試験機、熱間面圧測定機等の加熱を必要とする加熱試験機、焼成炉等に対し適用可能である。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0050】
10 マット材
14 補強領域
14a 第1の補強領域
14b 第2の補強領域
16 通常領域
17 補強材
18 外縁
60 排気管
70 金属カバー
200 マット材付き排気管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8