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特許7384685無線操作支援システムおよび無線操作支援機能付き操作スイッチユニット
<図1>
  • 特許-無線操作支援システムおよび無線操作支援機能付き操作スイッチユニット 図1
  • 特許-無線操作支援システムおよび無線操作支援機能付き操作スイッチユニット 図2
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  • 特許-無線操作支援システムおよび無線操作支援機能付き操作スイッチユニット 図12
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】無線操作支援システムおよび無線操作支援機能付き操作スイッチユニット
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/20 20060101AFI20231114BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231114BHJP
   H01H 13/62 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H01H13/20 C
H04Q9/00 301B
H01H13/62
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020018295
(22)【出願日】2020-02-05
(65)【公開番号】P2021125380
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103241
【弁理士】
【氏名又は名称】高崎 健一
(72)【発明者】
【氏名】藤谷 繁年
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-79494(JP,A)
【文献】特開2019-102838(JP,A)
【文献】国際公開第2006/103838(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/20
H04Q 9/00
G05B 19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線操作支援システムであって、
装置の側に設けられるとともに、操作者により押込み操作可能な操作ボタンを有し前記装置を操作するための操作スイッチと、
前記操作スイッチを無線により操作支援する無線端末と、
前記操作スイッチおよび前記無線端末間の通信状態、または、前記操作スイッチおよび前記無線端末の状態を監視する監視部と、
前記監視部による監視の結果、前記操作スイッチおよび前記無線端末間で通信不良が発生したとき、または、前記操作スイッチもしくは前記無線端末の状態低下が発生したときに、前記操作スイッチの前記操作ボタン操作者によらずに押込み操作させる作動部と、
を備えた無線操作支援システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記監視部が、前記操作スイッチおよび前記無線端末間の無線の電波強度を監視している、
ことを特徴とする無線操作支援システム。
【請求項3】
請求項1において、
前記操作スイッチおよび前記無線端末間の通信が冗長化されている、
ことを特徴とする無線操作支援システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記操作スイッチが非常停止スイッチである、
ことを特徴とする無線操作支援システム。
【請求項5】
無線操作支援機能付き操作スイッチユニットであって、
装置に設けられるとともに、操作者により押込み操作可能かつ無線により押込み操作可能な操作ボタンを有し前記装置を操作するための操作スイッチと、
前記操作スイッチの通信不良が発生したとき、または、前記操作スイッチの状態低下が発生したときに、前記操作スイッチの操作ボタン操作者によらずに押込み操作させる作動部と、
を備えた無線操作支援機能付き操作スイッチユニット。
【請求項6】
請求項5において、
前記操作スイッチに対する無線の受信側電波強度を監視する監視部をさらに備えた、
ことを特徴とする無線操作支援機能付き操作スイッチユニット。
【請求項7】
請求項5において、
前記操作スイッチに対する通信が冗長化されている、
ことを特徴とする無線操作支援機能付き操作スイッチユニット。
【請求項8】
請求項5において、
前記操作スイッチが非常停止スイッチである、
ことを特徴とする無線操作支援機能付き操作スイッチユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線操作支援システムおよび無線操作支援機能付き操作スイッチユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2016/181734号パンフレットには、非常停止端末(200)とスタッカクレーン(30)の制御装置(100)との間で無線通信を行う自動運転機器システムが記載されている(段落[0010]および図1図2参照)。同パンフレットによれば、第一通信部(221)と制御装置(100)は通常運転時には常時通信状態にあり、非常停止ボタン(210)が押されると、第一通信部(221)とスタッカクレーン(30)の制御装置(100)との間の無線通信の状態が変更され、制御装置(100)によりスタッカクレーン(30)の動力回路が遮断されて、スタッカクレーン(30)が停止すると記載されている(段落[0010]、[0016]、[0068]~[0070]、[0073]、[0121]~[0123]および図2図3図8参照)。
【0003】
一方、特開2019-102838号公報には、無線端末(2)により無線操作可能な非常停止スイッチ(52)が記載されている(段落[0032]および図10参照)。非常停止スイッチ(52)は、当該非常停止スイッチ(2)を作動させる電磁ソレノイドからなるアクチュエータ(11)を有している(段落[0028]および図10参照)。ロボット(R)の稼動中に操作者により無線端末(2)のボタン(20)が押し込み操作されると、無線端末(2)から操作信号が送信され、これをロボット(R)側の非常停止スイッチ(52)が受信し、これにより、非常停止スイッチ(2)のアクチュエータ(11)が駆動されて非常停止スイッチユニット(2)の押しボタンが押し込まれ、その結果、ロボット(R)が非常停止するようになっている(段落[0032]参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記国際公開第2016/181734号パンフレットに記載のものでは、非常停止端末(200)と制御装置(100)の間の無線通信状態が常時継続して行われることを前提としており、外部からのノイズの影響等により非常停止端末(200)および制御装置(100)間で通信不良が発生した場合については、上記公報には記載されていない。
【0005】
一方、上記特開2019-102838号公報の段落[0034]には、無線端末(2)を操作した場合だけ非常停止スイッチユニット(52)と通信できればよく、無線端末(2)は非常停止スイッチユニット(52)と常時通信しておく必要はない(また通信の双方向性を担保する必要もない)と記載されており、よって、当該公報には、無線端末(2)および非常停止スイッチユニット(52)間で通信不良が発生した場合については記載されていない。なお、当該公報には、複数の無線端末間で無線通信不可の際に無線端末の表示部にアラーム表示する点について記載されているだけである(段落[0030]参照)。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、無線操作支援システムまたは無線操作支援機能付き操作スイッチユニットにおいて、通信不良や機器の状態低下が発生した場合でも、装置を安全に制御できるようにするとともに、操作スイッチの操作支援を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る無線操作支援システムは、装置の側に設けられるとともに、操作者により押込み操作可能な操作ボタンを有し、装置を操作するための操作スイッチと、操作スイッチを無線により操作支援する無線端末と、操作スイッチおよび無線端末間の通信状態、または、操作スイッチおよび無線端末の状態を監視する監視部と、監視部による監視の結果、操作スイッチおよび無線端末間で通信不良が発生したとき、または、操作スイッチもしくは無線端末の状態低下が発生したときに、操作スイッチの操作ボタン操作者によらずに押込み操作させる作動部とを備えている。ここで、「通信不良」とは、無線の電波強度の低下、外部からのノイズの影響や電波の干渉・減衰等による電波障害、ビットエラーやプログラムエラー等による通信エラー等を含む。また、「状態低下」とは、操作スイッチまたは無線端末の故障(各機器のハードウエア上およびソフトウエア上の欠陥や不具合等を含む)やバッテリー切れ等による動作状態または機能の低下を含む。
【0008】
本発明によれば、装置の側に設けられた操作スイッチは、操作者により押込み操作可能な操作ボタンを有しているとともに、無線端末により無線操作されるようになっており、操作スイッチが操作されることで装置が操作される。このとき、操作スイッチおよび無線端末間の通信状態、または、操作スイッチおよび無線端末の状態は、監視部により監視される。そして、監視部による監視の結果、操作スイッチおよび無線端末間で通信不良が発生したとき、または、操作スイッチもしくは無線端末の状態低下が発生したとき、操作スイッチの操作ボタン、操作者によらずに作動部により押込み操作される。
【0009】
このように本発明によれば、操作スイッチおよび無線端末間の通信不良や、操作スイッチまたは無線端末の状態低下が発生した場合でも、操作スイッチを作動部により操作でき、これにより、通信不良の発生時や機器の状態低下時に操作スイッチが手操作以外の方法で操作できなくなる事態の発生を回避でき、装置を安全に制御できるようになるので、装置の安全性を向上できる。しかも、本発明によれば、無線端末で操作スイッチを操作することにより装置を操作するので、手操作以外の方法で操作スイッチを操作することができ、操作スイッチの操作支援を行える。
【0010】
本発明においては、監視部が操作スイッチおよび無線端末間の無線の電波強度を監視している。この場合には、たとえば、操作スイッチ側または無線端末側の受信側電波強度を監視するようにすればよい。
【0011】
本発明においては、操作スイッチおよび無線端末間の通信が冗長化されている。この場合には、たとえば、無線接続時のチャンネル数を複数にして冗長化するようにすればよい。冗長化によって、無線接続の確実性を向上できる。
【0012】
本発明においては、操作スイッチが非常停止スイッチである。
【0013】
本発明に係る無線操作支援機能付き操作スイッチユニットは、装置に設けられるとともに、操作者により押込み操作可能かつ無線により押込み操作可能な操作ボタンを有し、装置を操作するための操作スイッチと、操作スイッチの通信不良が発生したとき、または、操作スイッチの状態低下が発生したときに、操作スイッチの操作ボタン操作者によらずに押込み操作させる作動部とを備えている。
【0014】
本発明によれば、装置に設けられた操作スイッチは、操作者により押込み操作可能かつ無線により押込み操作可能な操作ボタンを有しており、操作スイッチが操作されることで装置が操作される。このとき、操作スイッチに対する通信不良の発生時や操作スイッチの状態低下時に、操作スイッチの操作ボタン操作者によらずに作動部により押込み操作される。
【0015】
このように本発明によれば、通信不良や機器の状態低下が発生した場合でも、操作スイッチを作動部により操作でき、これにより、通信不良時や機器の状態低下時に操作スイットが手操作以外の方法で操作できなくなる事態の発生を回避でき、装置を安全に制御できるようになるので、装置の安全性を向上できる。しかも、本発明によれば、操作スイッチを無線操作することにより装置を操作するので、手操作以外の方法で操作スイッチを操作することができ、操作スイッチの操作支援を行える。
【0016】
本発明においては、操作スイッチに対する無線の受信側電波強度を監視する監視部をさらに備えている。
【0017】
本発明においては、操作スイッチに対する通信が冗長化されている。この場合には、たとえば、無線接続時のチャンネル数を複数にして冗長化するようにすればよい。冗長化によって、無線接続の確実性を向上できる。
【0018】
本発明においては、操作スイッチが非常停止スイッチである。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、操作スイッチが、操作者により手操作可能かつ無線操作可能になっており、操作スイッチが操作されることで装置が操作される。この場合において、通信不良や機器の状態低下が発生したとき、操作スイッチは作動部により操作される。これにより、通信不良の発生時や機器の状態低下時に操作スイットが手操作以外の方法で操作できなくなる事態の発生を回避できる。このようにして、装置を安全に制御できるようになるので、装置の安全性を向上できる。しかも、本発明によれば、操作スイッチを無線操作することにより装置を操作するので、手操作以外の方法で操作スイッチを操作することができ、操作スイッチの操作支援を行える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例による無線操作支援システムの全体斜視図である。
図2】前記無線操作支援システム(図1)の平面図である。
図3】前記無線操作支援システム(図1)の側面図である。
図4】前記無線操作支援システム(図1)を構成する無線端末の正面概略図である。
図5】前記無線操作支援システム(図1)を構成する非常停止スイッチ(操作スイッチ/無線操作支援機能付き操作スイッチユニット)の縦断面概略図であって、非常停止スイッチの非操作時の状態を示している。
図6】前記非常停止スイッチ(図5)の操作時(手操作時および無線操作時)の状態を示している。
図7】前記無線操作支援システム(図1)の概略ブロック構成図である。
図8】前記無線操作支援システム(図1)の制御フローの一例を示すフローチャートである。
図9】前記非常停止スイッチ(操作スイッチ/無線操作支援機能付き操作スイッチユニット)(図5)の変形例の縦断面概略図であって、非常停止スイッチの非操作時の状態を示している。
図10】前記非常停止スイッチ(図9)の操作時(手操作時および無線操作時)の状態を示している。
図11】前記非常停止スイッチ(操作スイッチ/無線操作支援機能付き操作スイッチユニット)(図5)の別の変形例の縦断面概略図であって、非常停止スイッチの非操作時の状態を示している。
図12】前記非常停止スイッチ(図11)の操作時(手操作時および無線操作時)の状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図8は、本発明の一実施例による無線操作支援システムを説明するための図である。図1ないし図3は無線操作支援システムの全体構成を示し、図4は無線端末を示し、図5および図6は非常停止スイッチの概略構成を示し、図7は当該システムの概略ブロック構成を示し、図8は当該システムの制御フローの一例を示している。なお、図5および図6では、図示の便宜上、ハッチングを省略して示している。
【0022】
図1ないし図3に示すように、無線操作支援システム1は、ロボット(装置)Rを備えている。ロボットRの近くには作業者(操作者)Pが位置しており、ロボットRは、作業者Pと協調して作業を行う協調ロボットである。
【0023】
ロボットRは、稼動時には、サブテーブルT’上のワークWをロボットアームRaの先端のハンドによりピックアップし、それを作業テーブルTの上に載置されたトレイt内の所定の位置に順次入れていくといった作業を行う。一方、作業者Pは、ロボットRの稼動時には、ワークWをサブテーブルT’上の空いた位置に順次配置していくといった作業を行う。
【0024】
作業テーブルT上には、プログラマブル表示器50が配置されている。プログラマブル表示器50は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のディスプレイを有している。テーブルTの側面たとえば左右の各側面および背面には、それぞれセーフティレーザスキャナ51が配置されている。各レーザスキャナ51は、作業者Pやその他の人の接近を検知するためのものである。テーブルTの前面には、ロボットRを緊急停止させる(操作する)ための非常停止スイッチ(操作スイッチ)/非常停止スイッチユニット(無線操作機能付き操作スイッチユニット)2と、非常停止スイッチ2の送受信部31とが配置されている。テーブルTの近傍には、グラフィカルライト53が設置されている。グラフィカルライト53は、ロボットアームRaの先端のハンドが次に移動してくる場所に光を照射することで、作業者PにロボットR側の予告情報を知らせるためのものである。また、サブテーブルT’上には、ワークWに付されたワーク情報である2次元コードを読み取るための2次元コードスキャナ54が配置されている。
【0025】
作業者Pの一方の腕の手首には、非常停止スイッチ2を無線操作するための携帯型(ウェアラブル)無線端末4が装着されている。無線端末4は、図4に示すように、作業者Pがもう一方の指や手で操作可能な押しボタン40と、各種表示機能を有する表示部43と、押しボタン40から左右側方に延び、作業者Pの手首の周りに巻回される左右一対のバンド(装着部)45とを備えている。
【0026】
無線端末4のバンド55は、腕時計のバンドと同様に、一方のバンド45に複数の小穴45aが貫通形成されるとともに、他方のバンド45には、これらの小穴45aに挿入される、腕時計バンドのつく棒に相当する棒状部材(図示せず)が設けられている。なお、面ファスナやその他の係脱手段により双方のバンド45を係脱自在に構成するようにしてもよい。
【0027】
非常停止スイッチ2は、図5および図6に示すように、ケース(筐体)20と、ケース20の一端側に設けられ、ケース20に軸方向に移動可能に支持されるとともに、作業者Pが押し込み操作(手操作)するための押圧面21aを有する非常停止ボタン21と、非常停止ボタン21の押圧面21aと逆側の裏面に連結され、非常停止ボタン21の操作に連動して移動するように設けられるとともに、ケース20の内部において軸方向に延びる軸部22とを備えている。
【0028】
軸部22の先端部は、軸方向に直線状に延びる第1の軸部22Aと、第1の軸部22Aの先端から軸方向と斜めに交差する方向に延びる第2の軸部22Bと、第2の軸部22Bの先端から第1の軸部22Aと平行に延びる第3の軸部22Cとから構成されており、これら第1ないし第3の軸部22A~22Cは一体に連設されている。この構成により、第1の軸部22Aと第2の軸部22Bとの間には段差部22bが形成され、第2の軸部22Bと第3の軸部22Cとの間には段差部22bが形成されている。この例では、段差部22bは単一の傾斜面から構成され、段差部22bは交差する2つの傾斜面から構成されている。
【0029】
一方、軸部22の先端部を挟んで第1の接点28および第2の接点28が対向配置されている。第1、第2の接点28、28は、第1の軸部22Aおよび第3の軸部22Cの軸方向と直交する方向に移動可能に設けられており、その移動によって接点が切り替わるように構成されている。各接点28、28にはそれぞれ端子片35,35が接続されている。第1の接点28は傾斜面からなる突出部を有しており、当該突出部は軸部22の段差部22bと当接しつつ係合し得るように設けられている。同様に、第2の接点28は傾斜面からなる突出部を有しており、当該突出部は軸部22の段差部22bと当接しつつ係合し得るように設けられている。第1の接点28はばね29の弾性反発力により軸部22の側に向かって付勢されており、同様に、第2の接点28はばね29の弾性反発力により軸部22の側に向かって付勢されている。
【0030】
図5に示すように、非常停止スイッチ2の非操作時の状態においては、第1の接点28は、ばね29の弾性反発力により軸部22の側に伸長しており、突出部が段差部22bと当接しかつ係合していてON状態にある。これに対して、第2の接点28は、ばね29の弾性反発力に抗してケース20の側に縮退しており、突出部が第3の軸部22Cの外周面と当接していてOFF状態にある。このように、第1の接点28がONでかつ第2の接点28がOFFのとき、非常停止スイッチ2の接点はONになる。
【0031】
図6に示すように、非常停止スイッチ2の操作時(手操作時および無線操作時)の状態においては、第1の接点28は、ばね29の弾性反発力に抗してケース20の側に縮退しており、突出部が第1の軸部22Aの外周面と当接していてOFF状態にある。これに対して、第2の接点28は、ばね29の弾性反発力により軸部22の側に伸長しており、突出部が第1の軸部22Aの外周面と当接していてON状態にある。このように、第1の接点28がOFFでかつ第2の接点28がONのとき、非常停止スイッチ2の接点はOFFになる。
【0032】
非常停止スイッチ2の手操作または無線操作の際には、非常停止スイッチ2は、図5の非操作時の状態から図6の操作時の状態に移行するが、このとき、第1の接点28は段差部22bを乗り越えて第1の軸部22Aの外周面と当接し、第2の接点28は段差部22bを経て第1の軸部22Aの外周面と当接する。また、非常停止スイッチ2の復帰動作の際には、非常停止スイッチ2は、図6の操作時の状態から図5の非操作時の状態に移行するが、このとき、第2の接点28は段差部22bを乗り越えて第3の軸部22Cの外周面と当接し、第2の接点28は段差部22bと当接して係合する。
【0033】
非常停止スイッチ2は、さらに、ケース20の内部に設けられ、非常停止ボタン21を作動させるための電磁ソレノイド(作動部)3を有している。電磁ソレノイド3は、第1、第2の接点28、28と非常停止ボタン21との間に配置されており、ソレノイド本体(電磁コイル部)30を有している。ソレノイド本体30は、軸部22を軸方向スライド可能に保持しており、軸部22を軸方向に移動させるように作用する。電磁ソレノイド3には、電流供給用のリード線34が接続されている。
【0034】
軸部22は、その略中央において外周側に張り出すフランジ部22aを有している。一方、ケース20の内壁面には、内周側に張り出す張出し部20aが設けられている。張出し部20aは、軸方向に所定の間隔を隔ててフランジ部22aに対向配置されている。フランジ部22aおよび張出し部20a間には、コイルばね25が圧縮状態で配設されている。コイルばね25の一端は、フランジ部22aに当接して係止されることで軸部22の移動とともに移動するようになっている。コイルばね25の他端は、張出し部20aに当接して係止されることでケース20の側に係止されている。コイルばね25は、フランジ部22aおよび張出し部20aに対して弾性反発力を作用させている。この弾性反発力により、軸部22は、非常停止スイッチ2の接点をOFFにする側(すなわち、非常停止ボタン21のON状態からOFF状態の側)に付勢されている。
【0035】
この例では、図5に示す非常停止スイッチ2の非操作時(操作前)においては、コイルばね25は張出し部20aおよびフランジ部22a間で最大圧縮された状態におかれており、コイルばね25の弾性反発力は最大であって、最大の弾性エネルギーを保有している。これに対して、図6に示す非常停止スイッチ2の操作時(操作後)においては、コイルばね25は図5の状態から軸方向に伸びていて、コイルばね25の弾性反発力は減少しており、コイルばね25が保有する弾性エネルギーも減少している。
【0036】
また、軸部22は、非常停止ボタン21の近傍において外周側に突出する突部22bを有している。突部22bは縦断面が台形形状をしており、一対の傾斜面を有している。一方、ケース20の内部には、一対の係合部材26が設けられている。各係合部材26は、突部22bの各傾斜面と係合し得る一対の傾斜面を有している。各係合部材26は、ケース20の内部に配設されたばね27の弾性反発力により、対応する各突部22bの側に付勢されている。図5に示す非操作時の状態では、突部22bの図示右側の傾斜面に係合部材26の図示左側の傾斜面が係合しており、図6に示す操作時の状態では、突部22bの図示左側の傾斜面に係合部材26の図示右側の傾斜面が係合している。このように、非常停止ボタン21が押し込まれるためには、軸部22の各突部22bがそれぞれ対応する係合部材26を確実に乗り越える必要があり、したがって、これら突部22b、係合部材26およびばね27により、非常停止ボタン21が確実に操作されない限り接点がONからOFFに移行しないようになっている。
【0037】
なお、ケース20において、電磁ソレノイド3、コイルばね25、軸部22の突部22bおよび係合部材26が収容された部分は操作部20Aに相当しており、第1、第2の接点28、28が収容された部分は接点部(コンタクト部)20Bに相当している。操作部20Aの一端側に非常停止ボタン21が配置され、他端側に接点部20Bが配置されている。
【0038】
次に、無線操作支援システム1の概略ブロック構成を図7に示す。
同図に示すように、当該システム1は、ロボットコントローラ101を有している。ロボットコントローラ101は、CPUおよびメモリを備えており、メモリには、ロボットRの制御プログラムが格納されている。ロボットコントローラ101には、プログラマブル表示器50、レーザスキャナ(LS)51、2次元コードスキャナ54、アクチュエータやモータを含むロボット駆動部102、グラフィカルライト53、非常停止ランプ/ブザー103、および各種表示を行う表示部104が接続されている。
【0039】
図7に示すように、無線端末4は、無線モジュール4Aを有しており、無線モジュール4Aは、CPUおよびメモリを含む制御部44と、これに接続され、無線で通信を行うための送受信部41とを有している。制御部44は、さらに、無線による通信時にたとえば受信側電波強度を監視する電波強度監視部42と、表示部43と、押しボタン40とが接続されている。
【0040】
送受信部41は、押しボタン40が押し込まれた際に、非常停止スイッチ2を無線で操作するための非常停止(操作)信号を送信するためのものであり、また、非常停止スイッチ2から送信されてきた信号を受信するためのものであり、非常停止スイッチ2に対して無線で通信可能に設けられている。表示部43は、押しボタン40を押した際の照光(たとえば点灯)表示や、電波強度のレベルの表示、バッテリー切れの際や無線通信不可時のアラーム表示等を行うためのものである。
【0041】
図7に示すように、非常停止スイッチ2は、CPUおよびメモリを含む制御部33と、これに接続され、無線端末4との間で無線で通信を行うための送受信部31と、無線による通信時にたとえば受信側電波強度を監視する電波強度監視部32と、非常停止スイッチ2を作動させるための電磁ソレノイド(作動部)3と、非常停止ボタン21とを有している。非常停止スイッチ2は、この例では、ロボットRの電源回路に組み込まれている。
【0042】
なお、本実施例で用いられる無線の種類としては、たとえば、BLUETOOTH(登録商標)通信、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信、ZIGBEE(登録商標)通信、Wi-Fi(登録商標)通信、WiMAX(登録商標)通信、赤外線通信等がある。
【0043】
次に、無線操作支援システム1において、非常停止スイッチ2に対する無線操作および無線操作支援の制御フローについて、図8を用いて説明する。
プログラムがスタートすると、無線端末4側のステップT1および非常停止スイッチ2側のステップS1において、無線端末4および非常停止スイッチ2間でペアリング処理が行われる。ここで、「ペアリング処理」とは、複数の機器間、この例では、無線端末4および非常停止スイッチ2間の無線通信において1対1の対応付けがなされた接続を確立するための処理をいう。
【0044】
このペアリング処理の際には、無線端末4のメモリに記憶されていた無線端末4のIDデータが送受信部41から送信され、送信された無線端末4のIDデータは、非常停止スイッチ2の送受信部31で受信されるとともに、非常停止スイッチ2のメモリに記憶される。このようにして、無線端末4および非常停止スイッチ2間のペアリング処理が完了する。
【0045】
ペアリング処理後は、無線端末4および非常停止スイッチ2は常時通信状態におかれている。また、ペアリング処理後の無線端末4および非常停止スイッチ2間の通信においては、送信側は、送信側のIDデータと受信側のIDデータを対にしたペアリングデータを通信データのヘッダまたはフッタに付けて送信を行うようにし、これに対して、受信側は、受信された通信データのヘッダまたはフッタに付されたペアリングデータがメモリに格納されているIDデータと一致する場合に限って受信するようにする。また、受信側は、通信データの受信後、送信側に向けて受信確認信号を送信するようにする。
【0046】
一方、ロボットR側のステップC1において、ロボットRの運転が開始される。ロボットRの稼動時には、ロボットRは、コントローラ101に格納された制御プログラムにしたがって運転される。作業者Pは、所定の手順にしたがってワークWをサブテーブルT’上に載せる等の作業を行って、ロボットRと協調作業を行う。
【0047】
次に、無線端末4側のステップT2および非常停止スイッチ2側のステップS2において、通信の電波強度が所定の閾値より大きいか否かが判断される。ペアリング処理後、無線端末4側では電波強度監視部42が、また非常停止スイッチ2側では電波強度監視部32がそれぞれ通信の電波強度を監視している。これにより、無線端末4、非常停止スイッチ2のいずれか一方または双方の機器での電波強度の低下による通信不良の発生に対処できるようにしている。なお、ここで用いられる電波強度としては、たとえば、通信時における受信側電波強度が用いられる。また、閾値の値は、使用される無線の種類等に応じて適宜設定される。
【0048】
無線端末4側のステップT2において、電波強度が所定の閾値より大きいと判断されれば、ステップT3に移行する。ステップT3では、操作者Pにより無線端末4の押しボタン40がONされるのを待つ。押しボタン40がONされなければ、プログラムは再びステップT2に戻り、ステップT2~T3の処理を繰り返す。
【0049】
ステップT3において、押しボタン40がONされれば、ステップT4に移行する。ステップT4では、無線端末4の送受信部41から非常停止信号が送信される。なお、この送信時には、たとえば、無線端末4の複数のチャンネル(ここではチャンネルn、n、n)から送信を行うとともに、各チャンネルからの信号を冗長化するようにしてもよい。各信号は論理和回路に入力されており、そのため、少なくともいずれか一の信号が入力されれば、無線端末4から非常停止信号が出力されるようになっている。ステップT4での処理後、プログラムはステップT2に戻る。
【0050】
一方、非常停止スイッチ2側のステップS2において、電波強度が所定の閾値より大きいと判断されれば、ステップS3に移行する。ステップS3では、非常停止信号が受信されるのを待つ。非常停止信号が受信されなければ、プログラムは再びステップS2に戻り、ステップS2~S3の処理を繰り返す。
【0051】
ステップS3において、非常停止信号が受信されれば、ステップS4に移行する。ステップS4では、非常停止スイッチ2のソレノイド3に電流を供給してソレノイド3をONにする。すると、非常停止スイッチ2において軸部22がソレノイド3側に引き込まれ、その結果、図5図6に示すように、非常停止ボタン21が押し込まれて、第1、第2の接点28、28が切り替わり、非常停止スイッチ2の接点がONからOFFになる(ステップS5参照)。このとき、非常停止スイッチ2は、操作者Pにより手操作された場合と同様に、押しボタン21が押し込まれた状態になっている。
【0052】
これにより、ロボットR側のステップC2において、ロボットRへの電源供給が遮断されて、ロボットRの運転が停止する。次に、非常停止スイッチ2側のステップS6において、非常停止スイッチ2の復帰処理がなされる。この場合には、操作者Pが非常停止ボタン21を手前側に引っ張ることにより、非常停止スイッチ2の接点がOFFからONに切り替わる。一方、ロボットR側のステップC3では、操作者Pが安全確認を行った後、ロボットRの運転が再開される。また、非常停止スイッチ2においては、ステップS6の処理後、プログラムはステップS2に戻り、ステップS2~S6の処理を繰り返す。
【0053】
一方、無線端末4側のステップT2および非常停止スイッチ2側のステップS2において、電波強度が所定の閾値以下と判断されれば、ステップS4に移行し、その後、非常停止信号を受信した場合と同様の処理を行う。すなわち、非常停止スイッチ2のソレノイド3に電流を供給しソレノイド3をONにすることによって、軸部22の移動により非常停止ボタン21を押し込む。これにより、第1、第2の接点28、28が切り替わり、非常停止スイッチ2の接点がONからOFFになる(ステップS5参照)。このとき、非常停止スイッチ2は、操作者Pにより手操作された場合と同様に、押しボタン21が押し込まれた状態になっている。
【0054】
このように本実施例によれば、電波強度の低下による通信不良が発生した場合でも、非常停止スイッチ2をソレノイド3により作動でき、これにより、通信不良の発生時に非常停止スイッチ2が手操作以外の方法で操作できなくなる事態の発生を回避でき、その結果、ロボットRを安全に制御できるようになるので、システム全体の安全性を向上できる。しかも、本実施例によれば、無線端末4で非常停止スイッチ2を操作することによりロボットRを操作するので、手操作以外の方法で非常停止スイッチ2を操作することができ、非常停止スイッチ2の操作支援を行える。
【0055】
また、本実施例によれば、各電波強度監視部32、42により無線の電波強度を監視するようにしたので、無線端末4および非常停止スイッチ2間の無線通信の双方向性を担保できる。さらに、本実施例によれば、無線端末4および非常停止スイッチ2間の通信を冗長化することによって、無線接続の確実性を向上できる。
【0056】
〔第1の変形例〕
前記実施例では、無線端末4および非常停止スイッチ2において、両機器間の通信状態を監視して通信不良を検出するのに、通信時の受信側電波強度を監視するようにした例を示したが、これ以外に、あるいは、これに加えて、外部からのノイズの影響や電波の干渉・減衰等による電波障害、ビットエラーやプログラムエラー等による通信エラー等の有無を監視するようにしてもよく、また、無線端末4および非常停止スイッチ2の故障(各機器のハードウエア上およびソフトウエア上の欠陥や不具合等を含む)やバッテリー切れ等による動作状態または機能の低下、すなわち、各機器の状態低下の有無を監視するようにしてもよい。これらの場合には、電波強度監視部とは別に、電波障害や通信エラー、機器のバッテリー切れをそれぞれ検知する各種検知部、機器の故障を診断する故障診断部が設けられる。
【0057】
〔第2の変形例〕
前記実施例では、非常停止スイッチ2がロボットRの電源回路に組み込まれることにより、非常停止スイッチ2の操作時にロボットRへの電源供給が遮断されるようにした例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。非常停止スイッチ2をロボットRのコントローラ101に接続することにより、非常停止スイッチ2が非常停止信号を受信して接点がOFFになった際に、コントローラ101からロボットRに対して停止信号を出力するようにしてもよい。この場合には、ロボットRへの電源供給は維持されたまま、ロボットRを停止させることができる。
【0058】
〔第3の変形例〕
図9図10は非常停止スイッチ2の変形例の概略構成を示しており、これらの図において、前記実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。図9は非常停止スイッチ2の非操作時の状態を示し、図10は非常停止スイッチ2の操作時(手操作時および無線操作時)の状態を示している。
【0059】
この例では、接点の構成が前記実施例とは異なっている。図9に示すように、軸部22の先端には、軸部22とともに移動する可動接点23が取り付けられ、ケース20の内壁面には、固定接点24が固定されており、固定接点24は可動接点23に対向配置されている。また、コイルばね25の弾性反発力により、可動接点23が固定接点24から離れる方向(つまり接点開離方向)に常時付勢されている。
【0060】
この場合においても、無線端末4および非常停止スイッチ2間での通信不良の発生時や機器の状態低下時には、ソレノイド3が駆動されることにより、非常停止スイッチ2の接点がONからOFFに切り替わるようになっている。
【0061】
〔第4の変形例〕
図11図12は非常停止スイッチ2の別の変形例の概略構成を示しており、これらの図において、前記実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。図11は非常停止スイッチ2の非操作時の状態を示し、図12は非常停止スイッチ2の操作時(手操作時および無線操作時)の状態を示している。
【0062】
この例では、接点の構成は前記第3の変形例と同様であるが、ソレノイド3の位置が前記実施例および前記第3の変形例とは異なっている。図11に示すように、軸部22の凸部22bと係合する一方の係合部材26’の背面には、軸部22の軸方向と直交する方向に延びる支軸26aの一端が取り付けられており、支軸26aはばね27’を挿通して延びている。支軸26aの他端には、ソレノイド3が設けられており、支軸26aはソレノイド3にスライド可能に支持されている。
【0063】
この場合には、図11に示す状態において、操作者Pが無線端末4の押しボタン40をONすることにより、ソレノイド3に電流が供給されると、ソレノイド3に支持された支軸26aがソレノイド3側に引き込まれ、それに伴って、係合部材26’が軸部22の凸部22bから離れようとする。このとき、軸部22はばね25の弾性反発力により図示右側に付勢されているので、軸部22bの各凸部22bは係合部材26、26’を乗り越えて図示右側に移動する。その結果、図12に示すように、可動接点23が固定接点24から開離して接点がONからOFFに移行する。
【0064】
この場合においても、無線端末4および非常停止スイッチ2間での通信不良の発生時や機器の状態低下時には、ソレノイド3が駆動されることにより、非常停止スイッチ2の接点がONからOFFに切り替わるようになっている。
【0065】
〔第5の変形例〕
前記実施例では、非常停止スイッチにより操作される装置として、協調ロボットを例にとって説明したが、本発明は、協調ロボット以外の産業用ロボットにも適用可能である。また、ロボットとしては、垂直多関節ロボットに限定されるものではなく、スカラロボットやパラレルリンクロボット等のその他のロボットでもよく、無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)でもよい。さらには、本発明の適用は、FA(ファクトリーオートメーション)の分野に限らず、たとえばパワーショベル等の特殊車両を含む産業車両や工事車両の分野でもよい。また、前記実施例では、単一のロボットRを制御する例を示したが、本発明は複数のロボットを制御対象としてもよい。
【0066】
〔第6の変形例〕
前記実施例では、操作スイッチとして、非常停止スイッチを例にとって説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、一旦停止等のその他の停止スイッチでもよい。また、速度切り替えによる速度制御等を行うセレクタスイッチやレバースイッチ、カムスイッチ、フットスイッチ等の離散値を扱うスイッチに限らず、ボリュームのような連続値を扱うポテンショメータ(可変抵抗、可変容量等)等でもよい。したがって、無線端末4の送受信部41から送信される信号は、停止信号に限らず、その他の操作信号全般を含む。
【0067】
〔第7の変形例〕
前記実施例では、無線端末4として、作業者Pが手首に装着することができるリストウォッチ(またはリストバンド)タイプのものを例にとって説明したが、作業者Pが身に付ける場所としては、手首に限らず、指(つまり指輪タイプ)でもよく、手の平に装着するタイプでもよい。また、手首のスナップ動作で動作するように加速度センサが内蔵されたものでもよい。さらに、無線端末4としては、これら携帯型(ウエアラブルタイプ)のものに限らない。作業者Pの体に装着するためのバンド45等の装着部がないものでもよい。この場合、無線端末4は、たとえば、作業服のポケット等に収納されたり、また工事現場等に設置される円錐状のロードコーンの先端部等に取り付けられたりして用いられる。あるいは、無線端末4は、ペンダント型の操作端末でもよい。
【0068】
〔その他の変形例〕
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
【0069】
〔他の適用例〕
前記実施例および前記各変形例では、本発明が適用される分野として、製造業や建設、土木の分野を例にとって説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明は、飲食業界や食品業界、医療、流通の分野にも同様に適用できる。これらの分野においても、協調ロボットやその他のロボットが用いられることがあるからである。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、操作者により手操作可能かつ無線操作可能な操作スイッチを備えた無線操作支援システムおよび無線操作支援機能付き操作スイッチユニットに有用である。
【符号の説明】
【0071】
1: 無線操作支援システム

2: 非常停止スイッチ(操作スイッチ)/非常停止スイッチユニット(無線操作機能付き操作スイッチユニット)
3: 電磁ソレノイド(作動部)
32: 電波強度監視部(監視部)

4: 無線端末
42: 電波強度監視部(監視部)

R: ロボット(装置)

P: 作業者(操作者)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【文献】国際公開第2016/181734号パンフレット(段落[0010]、[0016]、[0068]~[0070]、[0073]、[0121]~[0123]および図1図3図8参照)
【文献】特開2019-102838号公報(段落[0028]、[0030]、[0032]、[0034]および図10参照)
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