(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】移動端末試験装置、移動端末試験システム及び移動端末試験装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H04B 17/10 20150101AFI20231114BHJP
H04B 17/15 20150101ALI20231114BHJP
H04B 17/23 20150101ALI20231114BHJP
H04B 17/29 20150101ALI20231114BHJP
H04W 24/06 20090101ALI20231114BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20231114BHJP
【FI】
H04B17/10 100
H04B17/15
H04B17/23
H04B17/29
H04W24/06
H04W88/18
(21)【出願番号】P 2020075404
(22)【出願日】2020-04-21
【審査請求日】2021-07-07
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 志輝
(72)【発明者】
【氏名】尾本 怜児
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】丸山 高政
【審判官】土居 仁士
(56)【参考文献】
【文献】特許第5670486(JP,B2)
【文献】特開2002-215800(JP,A)
【文献】特開2005-92259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B
H04W
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末(2)の試験を行う移動端末試験装置であって、
前記移動端末の基地局として機能する擬似基地局部(10)と、
前記擬似基地局部を制御する試験制御部(13)と、
前記擬似基地局部の設定情報を表示する表示部(14)と、
設定操作を受付ける操作部(15)と、を備え、
前記擬似基地局部は、前記移動端末との間で多重化信号を送受信し、
前記試験制御部は、
前記多重化信号を構成する被多重化信号のそれぞれに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の第1設定情報を前記表示部に表示させ、
前記操作部によって1つの被多重化信号が特定態様で選択された場合には、前記操作部によって選択された被多重化信号に対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち前記第1設定情報以外の第2設定情報が前記第1設定情報に重畳するように前記第2設定情報を前記表示部に表示さ
せ、
前記多重化信号は、時分割多重化により複数の前記被多重化信号がそれぞれ複数のスロットに多重化された信号であって、
前記試験制御部は、
前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の設定情報を前記第1設定情報として前記表示部に表示させ、
前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち他の設定情報を前記第2設定情報として前記表示部に表示させることを特徴とする移動端末試験装置。
【請求項2】
前記試験制御部は、前記操作部によって1つの前記被多重化信号が前記特定態様と異なる所定態様で選択された場合には、前記操作部によって選択された被多重化信号に対して前記擬似基地局部に設定された前記第2設定情報を変更可能な設定変更画面を前記表示部に表示させる
請求項1に記載の移動端末試験装置。
【請求項3】
前記第2設定情報は、前記各スロットについてのリソースブロック及び変調方式に関する情報であることを特徴とする
請求項1に記載の移動端末試験装置。
【請求項4】
移動端末(2)の試験を行う移動端末試験装置と、
前記移動端末試験装置を制御する試験制御装置(4)と、を備え、
前記移動端末試験装置は、
前記移動端末の基地局として機能する擬似基地局部(10)を有し、
前記試験制御装置は、
前記擬似基地局部を制御する試験制御部(13)と、
前記擬似基地局部の設定情報を表示する表示部(14)と、
設定操作を受付ける操作部(15)と、を有し、
前記擬似基地局部は、前記移動端末との間で多重化信号を送受信し、
前記試験制御部は、
前記多重化信号を構成する被多重化信号のそれぞれに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の第1設定情報を前記表示部に表示させ、
前記操作部によって1つの被多重化信号が特定態様で選択された場合には、前記操作部によって選択された被多重化信号に対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち前記第1設定情報以外の第2設定情報が前記第1設定情報に重畳するように前記第2設定情報を前記表示部に表示さ
せ、
前記多重化信号は、時分割多重化により複数の前記被多重化信号がそれぞれ複数のスロットに多重化された信号であって、
前記試験制御部は、
前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の設定情報を前記第1設定情報として前記表示部に表示させ、
前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち他の設定情報を前記第2設定情報として前記表示部に表示させることを特徴とする移動端末試験システム。
【請求項5】
移動端末(2)の基地局として機能する擬似基地局部(10)と、
前記擬似基地局部を制御する試験制御部(13)と、
前記擬似基地局部の設定情報を表示する表示部(14)と、
設定操作を受付ける操作部(15)と、を備え、
前記擬似基地局部は、前記移動端末との間で多重化信号を送受信する移動端末試験装置(1)の制御方法であって、
前記多重化信号を構成する被多重化信号のそれぞれに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の第1設定情報を前記表示部に表示させる第1表示ステップと、
前記操作部によって1つの被多重化信号が特定態様で選択された場合には、前記操作部によって選択された被多重化信号に対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち前記第1設定情報以外の第2設定情報が前記第1設定情報に重畳するように前記第2設定情報を前記表示部に表示させる第2表示ステップと、を前記試験制御部に実行さ
せ、
前記多重化信号は、時分割多重化により複数の前記被多重化信号がそれぞれ複数のスロットに多重化された信号であって、
前記第1表示ステップでは、前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の設定情報を前記第1設定情報として前記表示部に表示させ、
前記第2表示ステップでは、前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち他の設定情報を前記第2設定情報として前記表示部に表示させることを特徴とする移動端末試験装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末試験装置、移動端末試験システム及び移動端末試験装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動端末試験装置として、例えば、特許文献1には、設定情報取得部で取得され特定された割当の設定情報に基づき、接続状態ごとに、物理チャネルと、タイムスロット及びチャネライゼーションコードへの対応付けを表す割当状況表示画面を生成するものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の移動端末試験装置は、各タイムスロットに対する設定情報が多くなると、各タイムスロットに対する設定情報を1画面上に表示することができなくなるといった課題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、多重化信号を構成する各被多重化信号に対する設定情報を1画面上に表示することができる移動端末試験装置、移動端末試験システム及び移動端末試験装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の移動端末試験装置は、移動端末(2)の試験を行う移動端末試験装置であって、前記移動端末の基地局として機能する擬似基地局部(10)と、前記擬似基地局部を制御する試験制御部(13)と、前記擬似基地局部の設定情報を表示する表示部(14)と、設定操作を受付ける操作部(15)と、を備え、前記擬似基地局部は、前記移動端末との間で多重化信号を送受信し、前記試験制御部は、前記多重化信号を構成する被多重化信号のそれぞれに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の第1設定情報を前記表示部に表示させ、前記操作部によって1つの被多重化信号が特定態様で選択された場合には、前記操作部によって選択された被多重化信号に対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち前記第1設定情報以外の第2設定情報が前記第1設定情報に重畳するように前記第2設定情報を前記表示部に表示させ、前記多重化信号は、時分割多重化により複数の前記被多重化信号がそれぞれ複数のスロットに多重化された信号であって、前記試験制御部は、前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の設定情報を前記第1設定情報として前記表示部に表示させ、前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち他の設定情報を前記第2設定情報として前記表示部に表示させる構成を有している。
【0007】
この構成により、本発明の移動端末試験装置は、各被多重化信号に対する第1設定情報を表示部に表示させ、1つの被多重化信号が選択された場合には、第1設定情報以外の第2設定情報が第1設定情報に重畳するように第2設定情報を表示部に表示させるため、各被多重化信号に対する設定情報が多くても、各被多重化信号に対する設定情報を1画面上に表示することができる。
【0009】
また、本発明の移動端末試験装置は、各スロットに対する設定情報が多くても、各スロットに対する設定情報を1画面上に表示することができる。
【0010】
また、本発明の移動端末試験装置において、前記試験制御部は、前記操作部によって1つの前記被多重化信号が前記特定態様と異なる所定態様で選択された場合には、前記操作部によって選択された被多重化信号に対して前記擬似基地局部に設定された前記第2設定情報を変更可能な設定変更画面を前記表示部に表示させるように構成してもよい。
【0011】
この構成により、本発明の移動端末試験装置は、各スロットに対する第1設定情報を表示部に表示させた状態で、第2設定情報を変更させることができる。
【0012】
本発明の移動端末試験装置において、前記第2設定情報は、前記各スロットについてのリソースブロック及び変調方式に関する情報であってもよい。
本発明の移動端末試験システムは、移動端末(2)の試験を行う移動端末試験装置と、前記移動端末試験装置を制御する試験制御装置(4)と、を備え、前記移動端末試験装置は、前記移動端末の基地局として機能する擬似基地局部(10)を有し、前記試験制御装置は、前記擬似基地局部を制御する試験制御部(13)と、前記擬似基地局部の設定情報を表示する表示部(14)と、設定操作を受付ける操作部(15)と、を有し、前記擬似基地局部は、前記移動端末との間で多重化信号を送受信し、前記試験制御部は、前記多重化信号を構成する被多重化信号のそれぞれに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の第1設定情報を前記表示部に表示させ、前記操作部によって1つの被多重化信号が特定態様で選択された場合には、前記操作部によって選択された被多重化信号に対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち前記第1設定情報以外の第2設定情報が前記第1設定情報に重畳するように前記第2設定情報を前記表示部に表示させ、前記多重化信号は、時分割多重化により複数の前記被多重化信号がそれぞれ複数のスロットに多重化された信号であって、前記試験制御部は、前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の設定情報を前記第1設定情報として前記表示部に表示させ、前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち他の設定情報を前記第2設定情報として前記表示部に表示させる構成を有している。
【0013】
この構成により、本発明の移動端末試験システムは、各被多重化信号に対する第1設定情報を表示部に表示させ、1つの被多重化信号が選択された場合には、第1設定情報以外の第2設定情報が第1設定情報に重畳するように第2設定情報を表示部に表示させるため、各被多重化信号に対する設定情報が多くても、各被多重化信号に対する設定情報を1画面上に表示することができる。
【0014】
本発明の移動端末試験装置の制御方法は、移動端末(2)の基地局として機能する擬似基地局部(10)と、前記擬似基地局部を制御する試験制御部(13)と、前記擬似基地局部の設定情報を表示する表示部(14)と、設定操作を受付ける操作部(15)と、を備え、前記擬似基地局部は、前記移動端末との間で多重化信号を送受信する移動端末試験装置(1)の制御方法であって、前記多重化信号を構成する被多重化信号のそれぞれに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の第1設定情報を前記表示部に表示させる第1表示ステップと、前記操作部によって1つの被多重化信号が特定態様で選択された場合には、前記操作部によって選択された被多重化信号に対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち前記第1設定情報以外の第2設定情報が前記第1設定情報に重畳するように前記第2設定情報を前記表示部に表示させる第2表示ステップと、を前記試験制御部に実行させ、前記多重化信号は、時分割多重化により複数の前記被多重化信号がそれぞれ複数のスロットに多重化された信号であって、前記第1表示ステップでは、前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち一部の設定情報を前記第1設定情報として前記表示部に表示させ、前記第2表示ステップでは、前記各スロットに対して前記擬似基地局部に設定された設定情報のうち他の設定情報を前記第2設定情報として前記表示部に表示させる。
【0015】
このように、本発明の移動端末試験装置の制御方法は、各被多重化信号に対する第1設定情報を表示部に表示させ、1つの被多重化信号が選択された場合には、第1設定情報以外の第2設定情報が第1設定情報に重畳するように第2設定情報を表示部に表示させるため、各被多重化信号に対する設定情報が多くても、各被多重化信号に対する設定情報を1画面上に表示することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、多重化信号を構成する各被多重化信号に対する設定情報を1画面上に表示することができる移動端末試験装置、移動端末試験システム及び移動端末試験装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る移動端末試験装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る移動端末試験装置によって表示される第1設定表示画面の表示例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る移動端末試験装置によって表示される第2設定表示画面の表示例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る移動端末試験装置によって表示される設定変更画面の表示例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る移動端末試験装置の設定情報表示動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態の変形例に係る移動端末試験システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態においては、5G(5th Generation)無線方式である5G NR(New Radio)の標準仕様に準拠した移動端末の試験を行う移動端末試験装置に本発明に係る移動端末試験装置を適用した例について説明する。
【0019】
図1に示すように、移動端末試験装置1は、アンテナ3を介して無線で移動端末2と信号を送受信する。また、移動端末試験装置1は、同軸ケーブル等を介して有線で移動端末2と信号を送受信することもできる。
【0020】
移動端末試験装置1は、移動端末の基地局として機能する擬似基地局部10と、擬似基地局部10を制御するためのパラメータを含む試験情報が記憶された試験情報記憶部11と、移動端末2の試験を実行するためのシナリオを含む情報が記憶されたシナリオ記憶部12と、シナリオ記憶部12に記憶された情報に基づいて、擬似基地局部10を制御する試験制御部13と、移動端末2の試験の結果等が表示される表示部14と、設定操作を受付ける操作部15とを含んで構成される。
【0021】
ここで、移動端末試験装置1は、移動端末2と通信を行うための通信回路が設けられた図示しないコンピュータ装置によって構成される。このコンピュータ装置は、それぞれ図示しないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、ハードディスク装置と、入出力ポートと、タッチパネルとを有する。
【0022】
このコンピュータ装置のROM及びハードディスク装置には、コンピュータ装置を移動端末試験装置1として機能させるためのプログラムが格納されている。すなわち、CPUがRAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータ装置は、移動端末試験装置1として機能する。
【0023】
擬似基地局部10は、CPU及び通信回路によって構成される。試験情報記憶部11及びシナリオ記憶部12は、RAM又はハードディスク装置によって構成される。試験制御部13は、CPUによって構成される。
【0024】
表示部14は、タッチパネルを構成する液晶表示装置によって構成される。操作部15は、タッチパネルを構成するタッチパッドの他、マウス又はトラッキングボールなどのポインティングデバイス及びキーボード装置などを含んで構成される。操作部15は、試験の選択、試験の実行指示、試験用の設定情報の設定、試験結果の表示調整などの試験制御部13に対する操作を受付ける。
【0025】
5G NRでは、無線フレームを10分割した1つのサブフレームと、12個の連続するサブキャリアとの組み合わせからなるリソースブロックを送信単位として移動端末と基地局とが信号を送受信する。また、5G NRでは、1個のサブフレームが1以上のスロットによって構成され、1つのスロットが14のシンボルで構成される。
【0026】
移動端末2と擬似基地局部10との間では、複数の被多重化信号が多重化された多重化信号が送受信される。具体的には、移動端末2と擬似基地局部10との間では、複数の被多重化信号が時分割多重化によりそれぞれ複数のスロットに多重化された多重化信号が送受信される。
【0027】
図2に示すように、試験制御部13は、各スロットに対して擬似基地局部10に設定された設定情報を表す第1設定表示画面を表示部14に表示させる。第1設定表示画面には、各スロットに対して擬似基地局部10に設定された設定情報の一部の第1設定情報が表示される。
【0028】
第1設定情報は、「Slot No.」、「Slot Type」、「Format」、「Channel」、「DL DCI」、「K1」、「DL S」、「DL L」、「UL DCI」、「K2」、「UL Type」、「UL S」及び「UL L」を含む。
【0029】
「Slot No.」は、スロット番号を表す。「Slot Type」は、スロットがアップリンク信号に割り当てられているか、ダウンリンク信号に割り当てられているか、スペシャルリンク信号に割り当てられているかを表す。
【0030】
「Slot Type」には、スロットがアップリンク信号に割り当てられている場合には「U」と表示され、ダウンリンク信号に割り当てられている場合には「D」と表示され、スペシャルリンク信号に割り当てられている場合には「S」と表示される。
【0031】
「Format」は、3GPP(Third Generation Partnership Project)で定義されたスペシャルリンク信号のフォーマットの番号を表す。「Channel」は、スロットに対応する各チャネルがデータチャネルであるか、コントロールチャネルであるかを表す。
【0032】
「Channel」には、各スロットのチャネルの種別が表示される。「SCH」の表示はShared Channelで、「CCH」の表示はControl Channelであることを示す。PHYレイヤーの視点では、Shared ChannelはPDSCH/PUSCHで、Control Channel はPDCCH/PUCCHである。
【0033】
「DL DCI」は、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)のACK/NACKを有効にするか否かを表す。「DL DCI」には、ACK/NACKが有効な場合には「ON」が表示される。「K1」の設定に誤りがない場合には、「DL DCI」は、通常態様で表示(例えば、「黒」表示)され、「K1」の設定に誤りがない場合には、「DL DCI」は、異常態様で表示(例えば、「赤」表示)される。
【0034】
「K1」は、PDSCHのACK/NACKの送信タイミングを表す。例えば、スロット#0~#9の「K1」には、それぞれ「2」が設定されている。スロット#0~#6の2スロット後であるスロット#2~#8は、「Slot Type」が「D」であり、ACK/NACKを送信することができないため、「DL DCI」は、異常態様で表示される。
【0035】
一方、スロット#6~#9の2スロット後であるスロット#8~#11は、「Slot Type」が「S」又は「U」であり、ACK/NACKを送信することができるため、「DL DCI」は、通常態様で表示される。
【0036】
「DL S」は、ダウンリンク信号のスロットのスタートシンボルを表す。「DL L」は、ダウンリンク信号のスロットのシンボル長を表す。「UL DCI」は、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)のスケジューリング情報を有効にするか否かを表す。
【0037】
「UL DCI」には、PUSCHスケジューリング情報が有効な場合には「ON」が表示される。「K2」の設定に誤りがない場合には、「UL DCI」は、通常態様で表示(例えば、「黒」表示)され、「K2」の設定に誤りがない場合には、「UL DCI」は、異常態様で表示(例えば、「赤」表示)される。
【0038】
「K2」は、PUSCHの送信タイミングを表す。例えば、スロット#0~#9の「K1」には、それぞれ「4」が設定されている。スロット#0~#5の4スロット後であるスロット#4~#9は、「Slot Type」が「D」又は「S」であり、スケジューリング情報を送信することができないため、「DU DCI」は、異常態様で表示される。
【0039】
一方、スロット#6~#9の4スロット後であるスロット#10~#13は、「Slot Type」が「U」であり、スケジューリング情報を送信することができるため、「DU DCI」は、通常態様で表示される。
【0040】
「UL Type」は、3GPPで定義されたアップリンク信号のDMRS(Demodulation Reference Signal)のマッピングタイプを表す。「UL S」は、アップリンク信号のスロットのスタートシンボルを表す。「UL L」は、アップリンク信号のスロットのシンボル長を表す。
【0041】
図3に示すように、試験制御部13は、操作部15によって1つのスロットが特定態様で選択された場合には、第2設定表示画面20が第1設定表示画面に重畳するように第2設定表示画面20を表示部14に表示させる。第1設定表示画面には、各スロットに対して擬似基地局部10に設定された設定情報のうち第1設定情報以外の第2設定情報が表示される。
【0042】
例えば、試験制御部13は、操作部15を構成するポインティングデバイスによって、1つのスロットの「Slot Type」の領域内にカーソルが入れられた場合には、当該スロットに対する第2設定表示画面20を表示部14に表示させる。
【0043】
一方、試験制御部13は、操作部15を構成するポインティングデバイスによって、第2設定表示画面20を表示部14に表示させたスロットの「Slot Type」の領域内からカーソルが外された場合には、第2設定表示画面20を非表示にする。
【0044】
また、試験制御部13は、操作部15を構成するタッチパッドによって、1つのスロットの「Slot Type」の領域がタップされた場合には、当該スロットに対する第2設定表示画面20を表示部14に表示させる。一方、試験制御部13は、操作部15を構成するタッチパッドによって、第2設定表示画面20がタップされた場合には、第2設定表示画面20を非表示にする。
【0045】
なお、試験制御部13は、上述したように、「Slot Type」の領域を選択対象とするのに代えて、「Slot No.」などの他の情報の領域、又は、これらの領域の結合領域を選択対象としてもよい。
【0046】
第2設定情報は、「Starting RB」、「Number of RB」、「MCS Index」及び「Modulation」を含む。「Number of RB」は、リソースブロックの数を表す。「MCS Index」は、MCS(Modulation Coding Scheme)のインデックスを表す。
【0047】
MCSのインデックスは、変調方式と誤り訂正符号の符号化率との組合せに対して、一意に対応付けられている。「Modulation」は、変調方式を表す。このように、「MCS Index」は、変調方式に関連しているため、「MCS Index」と「Modulation」とは、一方を変更した場合には、他方を変更する必要がある場合がある。
【0048】
図4に示すように、試験制御部13は、操作部15によって1つのスロットが所定の態様で選択された場合には、当該スロットに対する設定変更画面を表示部14に表示させる。試験制御部13は、設定変更画面上で操作部15による第2設定情報の変更を可能とする。
【0049】
例えば、試験制御部13は、操作部15を構成するポインティングデバイスによって、1つのスロットの「Slot Type」の領域内がクリック又はダブルクリックされた場合には、当該スロットに対する設定変更画面を表示部14に表示させる。
【0050】
また、試験制御部13は、操作部15を構成するタッチパッドによって、1つのスロットの「Slot Type」の領域がロングタップ又はダブルタップされた場合には、当該スロットに対する設定変更画面を表示部14に表示させる。
【0051】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る移動端末試験装置1の設定情報表示動作について
図5を参照して説明する。なお、以下に説明する設定情報表示動作は、第1設定表示画面の表示要求があってから、第1設定表示画面が閉じられるまでの間、繰り返し実行される。
【0052】
まず、試験制御部13は、第1設定情報を表す第1設定表示画面を表示部14に表示させる(ステップS1:第1表示ステップ)。次に、試験制御部13は、スロットが特定態様で選択されたか否かを判断する(ステップS2)。
【0053】
スロットが特定態様で選択されたと判断した場合には、試験制御部13は、当該スロットの第2設定情報を表す第2設定表示画面20が第1設定表示画面に重畳するように第2設定表示画面20を表示部14に表示させる(ステップS3:第2表示ステップ)。
【0054】
スロットが特定態様で選択されていないと判断した場合には、試験制御部13は、スロットが所定態様で選択されたか否かを判断する(ステップS4)。スロットが所定態様で選択されたと判断した場合には、試験制御部13は、当該スロットの第2設定情報を変更可能な設定変更画面を表示部14に表示させる(ステップS5)。
【0055】
ステップS4において、スロットが所定態様で選択されなかったと判断した場合、又は、ステップS3若しくはS5の処理を実行した後、試験制御部13は、設定情報表示動作を終了する。
【0056】
以上に説明したように、本実施の形態は、各スロットに対する第1設定情報を表示部14に表示させ、1つのスロットが特定態様で選択された場合には、第1設定情報以外の第2設定情報が第1設定情報に重畳するように第2設定情報を表示部14に表示させるため、各スロットに対する設定情報が多くても、各スロットに対する設定情報を1画面上に表示することができる。
【0057】
また、本実施の形態は、1つのスロットが所定態様で選択された場合には、第2設定情報を変更可能な設定変更画面を表示部に表示させるため、各スロットに対する第1設定情報を表示部14に表示させた状態で、第2設定情報を変更させることができる。
【0058】
なお、本実施の形態における移動端末試験装置1は、CPUと、RAMと、ROMと、フラッシュメモリと、ハードディスク装置と、通信モジュールとを備えた汎用のコンピュータ装置を接続できるように構成してもよい。
【0059】
この場合、
図6に示すように、シナリオ記憶部12、試験制御部13、表示部14及び操作部15を含む試験制御装置4を汎用のコンピュータ装置によって構成し、シナリオ記憶部12、試験制御部13、表示部14及び操作部15を除いた移動端末試験装置1と試験制御装置4とによって移動端末試験システムを構成してもよい。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について開示したが、本発明の範囲を逸脱することなく本実施の形態に変更を加えることは容易である。本発明の実施の形態は、このような変更が加えられた等価物が特許請求の範囲に記載された発明に含まれることを前提として開示されている。
【符号の説明】
【0061】
1 移動端末試験装置
2 移動端末
4 試験制御装置
10 擬似基地局部
11 試験情報記憶部
13 試験制御部
14 表示部
15 操作部