(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】基板処理方法および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20231114BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20231114BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 643A
H01L21/304 651B
H01L21/306 R
H01L21/30 564D
(21)【出願番号】P 2020099122
(22)【出願日】2020-06-08
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】沖田 有史
(72)【発明者】
【氏名】猶原 英司
(72)【発明者】
【氏名】角間 央章
(72)【発明者】
【氏名】増井 達哉
(72)【発明者】
【氏名】出羽 裕一
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-029883(JP,A)
【文献】特開2020-061404(JP,A)
【文献】特開2015-173148(JP,A)
【文献】特開2008-135679(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/306
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する保持工程と、
供給管に設けられたバルブに開信号を出力して、前記供給管に接続された第1ノズルの先端から前記基板の主面に処理液を吐出する第1吐出工程と、
前記バルブに閉信号を出力し
て前記第1吐出工程を終了させた時点以後において、前記第1ノズルを移動させる移動工程と、
少なくとも前記バルブに閉信号を出力した時点以後
の前記移動工程における前記第1ノズルの移動中に、前記第1ノズルの前記先端を含む所定領域をカメラが順次に撮像して、複数の画像データを取得する撮像工程と、
前記バルブに閉信号が出力された状態で前記第1ノズルの移動中に取得された前記複数の画像データの各々における前記第1ノズルの位置を検出し、
判定領域を前記複数の画像データ間における前記第1ノズルの位置変化に追従させて、前記第1ノズルの前記先端より下側に
前記判定領域を設定する設定工程と、
前記バルブに閉信号が出力された状態で前記第1ノズルの移動中に取得された前記複数の画像データの各々における前記判定領域内の画素に基づいて、前記第1ノズルの前記先端から落下する処理液の有無を監視する液もれ監視工程と、
を備える、基板処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理方法であって、
前記移動工程において前記第1ノズルを上昇させる、基板処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理方法であって、
前記第1ノズルが上昇した状態で、第2ノズルから前記基板の前記主面に処理液を吐出する第2吐出工程をさらに備え、
前記液もれ監視工程において、前記第2吐出工程にて前記カメラによって取得された前記画像データにおいて、前記第1ノズルの上昇に追従して前記判定領域を設定することで、前記第2ノズルの前記先端から前記基板の前記主面に至るまでの処理液を避けて前記判定領域を設定する、基板処理方法。
【請求項4】
基板を保持する基板保持部と、
バルブに設けられた供給管に接続され、前記供給管を通じて供給される処理液を、前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に吐出するノズルと、
前記ノズルを移動させる移動機構と、
前記ノズルの先端を含む所定領域を撮像するカメラと、
前記バルブに開信号を出力して、前記ノズルの先端から前記基板の主面に処理液を吐出させ、前記バルブに閉信号を出力し
て前記処理液の吐出を終了させた時点以後において、前記移動機構に前記ノズルを移動させ、少なくとも前記バルブに閉信号を出力した時点以後
の前記ノズルの移動中に、前記カメラによって順次に取得された複数の画像データの各々における前記ノズルの位置を検出し、
判定領域を前記複数の画像データ間における前記ノズルの位置変化に追従させて、前記ノズルの前記先端より下側に
前記判定領域を設定し、前記複数の画像データの各々における前記判定領域内の画素に基づいて、前記ノズルの前記先端から落下する処理液の有無を監視する制御部と、
を備える、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、基板処理方法および基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体デバイスなどの製造工程においては、基板に対して、純水、フォトレジスト液およびエッチング液などの種々の処理液を供給して、洗浄処理、レジスト塗布処理およびエッチング処理などの種々の基板処理を行っている。これらの処理液を使用した基板処理を行う装置としては、基板を水平姿勢で回転させつつ、その基板の表面にノズルから処理液を吐出する基板処理装置が広く用いられている。
【0003】
この基板処理装置において、ノズルは配管を介して処理液供給源に接続されており、配管にはバルブが設けられている。バルブは制御部によって制御されており、制御部が開信号を出力することによりバルブが開き、閉信号を出力することによりバルブが閉じる。バルブが開くことにより、ノズルから処理液が吐出され、バルブが閉じることにより、ノズルからの処理液の吐出が停止する。
【0004】
このような基板処理装置において、カメラなどの撮像手段を設けてノズルからの処理液の吐出を監視することが提案されている(特許文献1,2)。撮像手段は、ノズルの先端を含む撮像領域を順次に撮像して画像データを取得する。画像処理部は当該画像データを受け取り、当該画像データのうち、ノズルよりも下側に設定された判定領域内の画素値に基づいて、ノズルからの処理液の吐出の有無を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許2008-135679号公報
【文献】特許2015-173148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
バルブが閉じることにより、ノズルからの処理液の吐出が停止する。この吐出停止の際に、ノズルから液滴状の処理液が落下することがある。このような液滴の落下は、ぼた落ちとも呼ばれる。また、バルブの異常等により、ノズルから細い処理液が流下し続けることもある。このような処理液の流下は、出流れとも呼ばれる。
【0007】
このような処理液の液もれ(ぼた落ちおよび出流れを含む)を検出するためには、バルブに閉信号を出力した後も、ノズルを監視することが考えられる。
【0008】
ところで、バルブに閉信号を出力した後に、ノズルを移動させる場合がある。ノズルが移動すると、撮像手段によって取得される画像データ内においてもノズルの位置が変化する。画像データ内においてノズルの位置が変化すると、ノズルからの処理液が、画像データ内の判定領域からずれ得る。この場合、判定領域内の画素値に基づいて、ぼた落ちまたは出流れ等の吐出異常を監視することができず、液もれを検出できない。
【0009】
また、基板処理装置には、複数のノズルが設けられることがある。例えば第1ノズルによる処理液の吐出を終了した後に、第1ノズルを移動させつつ、第2ノズルが処理液を吐出し始めることもある。この場合、第2ノズルからの処理液が画像データ内の判定領域に入ると、当該処理液を液もれとして誤検出することもあり得る。
【0010】
そこで、本願は、上記課題に鑑みてなされたものであり、バルブへの閉信号を出力した後でも、ノズルからの液もれを適切に監視することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
基板処理方法の第1の態様は、基板を保持する保持工程と、供給管に設けられたバルブに開信号を出力して、前記供給管に接続された第1ノズルの先端から前記基板の主面に処理液を吐出する第1吐出工程と、前記バルブに閉信号を出力して前記第1吐出工程を終了させた時点以後において、前記第1ノズルを移動させる移動工程と、少なくとも前記バルブに閉信号を出力した時点以後の前記移動工程における前記第1ノズルの移動中に、前記第1ノズルの前記先端を含む所定領域をカメラが順次に撮像して、複数の画像データを取得する撮像工程と、前記バルブに閉信号が出力された状態で前記第1ノズルの移動中に取得された前記複数の画像データの各々における前記第1ノズルの位置を検出し、判定領域を前記複数の画像データ間における前記第1ノズルの位置変化に追従させて、前記第1ノズルの前記先端より下側に前記判定領域を設定する設定工程と、前記バルブに閉信号が出力された状態で前記第1ノズルの移動中に取得された前記複数の画像データの各々における前記判定領域内の画素に基づいて、前記第1ノズルの前記先端から落下する処理液の有無を監視する液もれ監視工程と、を備える。
【0012】
基板処理方法の第2の態様は、第1の態様にかかる基板処理方法であって、前記移動工程において前記第1ノズルを上昇させる。
【0013】
基板処理方法の第3の態様は、第2の態様にかかる基板処理方法であって、前記第1ノズルが上昇した状態で、第2ノズルから前記基板の前記主面に処理液を吐出する第2吐出工程をさらに備え、前記液もれ監視工程において、前記第2吐出工程にて前記カメラによって取得された前記画像データにおいて、前記第1ノズルの上昇に追従して前記判定領域を設定することで、前記第2ノズルの前記先端から前記基板の前記主面に至るまでの処理液を避けて前記判定領域を設定する。
【0014】
基板処理装置の態様は、基板を保持する基板保持部と、バルブに設けられた供給管に接続され、前記供給管を通じて供給される処理液を、前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に吐出するノズルと、前記ノズルを移動させる移動機構と、前記ノズルの先端を含む所定領域を撮像するカメラと、前記バルブに開信号を出力して、前記ノズルの先端から前記基板の主面に処理液を吐出させ、前記バルブに閉信号を出力して前記処理液の吐出を終了させた時点以後において、前記移動機構に前記ノズルを移動させ、少なくとも前記バルブに閉信号を出力した時点以後の前記ノズルの移動中に、前記カメラによって順次に取得された複数の画像データの各々における前記ノズルの位置を検出し、判定領域を前記複数の画像データ間における前記ノズルの位置変化に追従させて、前記ノズルの前記先端より下側に前記判定領域を設定し、前記複数の画像データの各々における前記判定領域内の画素に基づいて、前記ノズルの前記先端から落下する処理液の有無を監視する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
基板処理方法および基板処理装置によれば、液もれを適切に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】基板処理装置の全体構成の一例を概略的に示す図である。
【
図2】処理ユニットの構成の一例を概略的に示す平面図である。
【
図3】処理ユニットの構成の一例を概略的に示す側面図である。
【
図4】ノズルの移動経路の一例を概略的に示す平面図である。
【
図5】制御部の内部構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】処理ユニットの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】処理液工程の具体的な工程の一例を示すフローチャートである。
【
図8】監視処理の具体的な一例を示すフローチャートである。
【
図9】撮像画像データの一例を概略的に示す図である。
【
図10】撮像画像データの一例を概略的に示す図である。
【
図11】撮像画像データの一例を概略的に示す図である。
【
図12】撮像画像データの一例を概略的に示す図である。
【
図13】処理液の液滴が落下する様子の一例を概略的に示す図である。
【
図14】撮像画像データの一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化がなされるものである。また、図面に示される構成の大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。
【0018】
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
【0019】
また、以下に記載される説明において、「第1」または「第2」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
【0020】
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
【0021】
<基板処理装置の全体構成>
図1は、本実施の形態に関する基板処理装置100の内部のレイアウトの一例を説明するための図解的な平面図である。
図1に例が示されるように、基板処理装置100は、処理対象である基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の処理装置である。
【0022】
本実施の形態に関する基板処理装置100は、円形薄板状であるシリコン基板である基板Wに対して、薬液および純水などのリンス液を用いて洗浄処理を行った後、乾燥処理を行う。
【0023】
上記の薬液としては、例えば、アンモニアと過酸化水素水との混合液(SC1)、塩酸と過酸化水素水との混合水溶液(SC2)、または、DHF液(希フッ酸)などが用いられる。
【0024】
以下の説明では、薬液、リンス液および有機溶剤などを総称して「処理液」とする。なお、洗浄処理のみならず、不要な膜を除去するための薬液、または、エッチングのための薬液なども「処理液」に含まれるものとする。
【0025】
基板処理装置100は、複数の処理ユニット1と、ロードポートLPと、インデクサロボット102と、主搬送ロボット103と、制御部9とを備える。
【0026】
キャリアとしては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、または、基板Wを外気にさらすOC(Open Cassette)が採用されてもよい。また、移送ロボットは、キャリアと主搬送ロボット103との間で基板Wを移送する。
【0027】
処理ユニット1は、1枚の基板Wに対して液処理および乾燥処理を行う。本実施の形態に関する基板処理装置100には、同様の構成である12個の処理ユニット1が配置されている。
【0028】
具体的には、それぞれが鉛直方向に積層された3個の処理ユニット1を含む4つのタワーが、主搬送ロボット103の周囲を取り囲むようにして配置されている。
【0029】
図1では、3段に重ねられた処理ユニット1の1つが概略的に示されている。なお、基板処理装置100における処理ユニット1の数量は、12個に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
【0030】
主搬送ロボット103は、処理ユニット1が積層された4個のタワーの中央に設置されている。主搬送ロボット103は、インデクサロボット102から受け取る処理対象の基板Wをそれぞれの処理ユニット内に搬入する。また、主搬送ロボット103は、それぞれの処理ユニット1から処理済みの基板Wを搬出してインデクサロボット102に渡す。制御部9は、基板処理装置100のそれぞれの構成要素の動作を制御する。
【0031】
以下、基板処理装置100に搭載された12個の処理ユニット1のうちの1つについて説明するが、他の処理ユニット1についても、ノズルの配置関係が異なること以外は、同一の構成を有する。
【0032】
<処理ユニット>
次に、処理ユニット1について説明する。以下、基板処理装置100に搭載された12個の処理ユニット1のうちの1つを説明する。
図2は、処理ユニット1の構成の一例を概略的に示す平面図である。また、
図3は、処理ユニット1の構成の一例を概略的に示す縦断面図である。
【0033】
処理ユニット1は、チャンバー10内に、基板保持部の一例であるスピンチャック20と、ノズル30と、ノズル60と、ノズル65と、固定ノズル80と、処理カップ40と、カメラ70とを含む。
【0034】
チャンバー10は、鉛直方向に沿う側壁11、側壁11によって囲まれた空間の上側を閉塞する天井壁12および下側を閉塞する床壁13を含む。側壁11、天井壁12および床壁13によって囲まれた空間が処理空間となる。また、チャンバー10の側壁11の一部には、主搬送ロボット103が基板Wを搬出入するための搬出入口およびその搬出入口を開閉するシャッターが設けられている(いずれも図示省略)。
【0035】
チャンバー10の天井壁12には、基板処理装置100が設置されているクリーンルーム内の空気をさらに清浄化してチャンバー10内の処理空間に供給するためのファンフィルタユニット(FFU)14が取り付けられている。ファンフィルタユニット14は、クリーンルーム内の空気を取り込んでチャンバー10内に送り出すためのファンおよびフィルタ(例えばHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ)を備えており、チャンバー10内の処理空間に清浄空気のダウンフローを形成する。ファンフィルタユニット14から供給された清浄空気を均一に分散するために、多数の吹出し孔を穿設したパンチングプレートを天井壁12の直下に設けるようにしても良い。
【0036】
スピンチャック20は、基板Wを水平姿勢に保持する。水平姿勢とは、基板Wの法線が鉛直方向に沿う姿勢である。スピンチャック20は、鉛直方向に沿って延びる回転軸24の上端に水平姿勢で固定された円板形状のスピンベース21を備える。スピンベース21の下方には回転軸24を回転させるスピンモータ22が設けられる。スピンモータ22は、回転軸24を介してスピンベース21を水平面内にて回転させる。また、スピンモータ22および回転軸24の周囲を取り囲むように筒状のカバー部材23が設けられている。
【0037】
円板形状のスピンベース21の外径は、スピンチャック20に保持される円形の基板Wの径よりも若干大きい。よって、スピンベース21は、保持すべき基板Wの下面の全面と対向する上面21aを有している。
【0038】
スピンベース21の上面21aの周縁部には複数(本実施形態では4本)のチャックピン26が立設されている。複数のチャックピン26は、円形の基板Wの周縁に対応する円周上に沿って均等な間隔をあけて(本実施形態のように4個のチャックピン26であれば90°間隔にて)配置されている。各チャックピン26は、基板Wの周縁に当接する保持位置と、基板Wの周縁から離れた開放位置と間で駆動可能に設けられている。複数のチャックピン26は、スピンベース21内に収容された図示省略のリンク機構によって連動して駆動される。スピンチャック20は、複数のチャックピン26をそれぞれの当接位置で停止させることにより、当該基板Wをスピンベース21の上方で上面21aに近接した水平姿勢にて保持することができるとともに(
図3参照)、複数のチャックピン26をそれぞれの開放位置で停止させることにより、基板Wの保持を解除することができる。
【0039】
スピンモータ22を覆うカバー部材23は、その下端がチャンバー10の床壁13に固定され、上端がスピンベース21の直下にまで到達している。カバー部材23の上端部には、カバー部材23から外方へほぼ水平に張り出し、さらに下方に屈曲して延びる鍔状部材25が設けられている。複数のチャックピン26による把持によってスピンチャック20が基板Wを保持した状態にて、スピンモータ22が回転軸24を回転させることにより、基板Wの中心を通る鉛直方向に沿った回転軸線CXまわりに基板Wを回転させることができる。なお、スピンモータ22の駆動は制御部9によって制御される。
【0040】
ノズル30は、ノズルアーム32の先端に吐出ヘッド31を取り付けて構成されている。ノズルアーム32の基端側はノズル基台33に固定して連結されている。ノズル基台33は図示を省略するモータによって鉛直方向に沿った軸のまわりで回動可能とされている。ノズル基台33が回動することにより、
図2中の矢印AR34にて示すように、ノズル30はスピンチャック20の上方の空間内で円弧状に移動する。これらノズルアーム32、ノズル基台33およびモータは、ノズル30を移動させる移動機構37の一例である。
【0041】
図4は、ノズル30の移動経路の一例を概略的に示す平面図である。
図4に例示されるように、ノズル30の吐出ヘッド31は、ノズル基台33の回転により、ノズル基台33を中心とした周方向に沿って移動する。ノズル30は適宜の位置で停止することができる。
図4の例では、ノズル30は中央位置P31、周縁位置P32および待機位置P33の各々で停止可能である。
【0042】
中央位置P31は、吐出ヘッド31が、スピンチャック20に保持された基板Wの中央部と鉛直方向において対向する位置である。中央位置P31に位置するノズル30が回転中の基板Wの主面(上面)に処理液を吐出すると、処理液は基板Wの上面の中央部に着液し、遠心力を受けて基板Wの上面の全面に広がって、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、基板Wの上面の全面に処理液を供給でき、基板Wの上面の全面に対して処理を施すことができる。
【0043】
周縁位置P32は、吐出ヘッド31が、スピンチャック20に保持された基板Wの周縁部と鉛直方向において対向する位置である。周縁位置P32に位置するノズル30が回転中の基板Wの上面に処理液を吐出すると、処理液は基板Wの上面の周縁部に着液し、遠心力を受けて基板Wの周縁側に移動し、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、基板Wの上面の周縁部のみに処理液を供給でき、基板Wの周縁部のみを処理できる(いわゆるベベル処理)。
【0044】
また、ノズル30は中央位置P31と周縁位置P32との間で往復移動しながら、回転中の基板Wの上面に処理液を吐出することも可能である。この場合にも、基板Wの上面の全面を処理することができる。
【0045】
なお、ノズル30は周縁位置P32において処理液を吐出しなくてもよい。例えば、周縁位置P32は、ノズル30が中央位置P31から待機位置P33へ移動する際に、一旦待機する中継位置であってもよい。
【0046】
待機位置P33は、吐出ヘッド31が、スピンチャック20に保持された基板Wと鉛直方向において対向しない位置である。待機位置P33には、ノズル30の吐出ヘッド31を収容する待機ポッドが設けられていても良い。
【0047】
また、ノズル30は昇降可能である。例えばノズル基台63に内蔵された不図示のノズル昇降機構によってノズル30が昇降する。ノズル昇降機構は例えばボールねじ構造を含む。ノズル30は、例えば、中央位置P31よりも鉛直上方に位置する中央上位置P36にも停止可能である。
【0048】
図3に例示されるように、ノズル30は供給管34を介して処理液供給源36に接続される。供給管34にはバルブ35が設けられている。バルブ35は供給管34の流路を開閉する。バルブ35が開くことにより、処理液供給源36からの処理液が供給管34を通じてノズル30に供給され、ノズル30の先端から吐出される。
【0049】
また、
図2に例示されるように、本実施形態の処理ユニット1には、上記ノズル30に加えてさらにノズル60およびノズル65が設けられている。本実施形態のノズル60およびノズル65は、上記のノズル30と同じ構成を有する。すなわち、ノズル60は、ノズルアーム62の先端に吐出ヘッド61を取り付けて構成される。ノズル60は、ノズルアーム62の基端側に連結されたノズル基台63によって、矢印AR64にて示すように、スピンチャック20の上方の空間を、基板Wの中央部と対向する中央位置と、基板Wよりも外側の待機位置との間で円弧状に移動可能である。
【0050】
同様に、ノズル65は、ノズルアーム67の先端に吐出ヘッド66を取り付けて構成される。ノズル65は、ノズルアーム67の基端側に連結されたノズル基台68によって、矢印AR69にて示すように、スピンチャック20の上方の空間を、基板Wの中央部と対向する中央位置と、基板Wよりも外側の待機位置との間で円弧状に移動可能である。
【0051】
また、ノズル60およびノズル65も昇降可能に設けられてもよい。
【0052】
ノズル60およびノズル65の各々も、ノズル30と同様に、供給管(図示省略)を介して処理液供給源(図示省略)に接続される。各供給管にはバルブ(不図示)が設けられ、バルブが開閉することで処理液の供給/停止が切り替えられる。なお、ノズル60およびノズル65の各々は、少なくとも純水を含む複数種の処理液が供給されるように構成されてもよい。
【0053】
また、ノズル30、ノズル60およびノズル65の少なくともいずれか一つは、純水などの洗浄液と加圧した気体とを混合して液滴を生成し、その液滴と気体との混合流体を基板Wに噴射する二流体ノズルであっても良い。また、処理ユニット1に設けられるノズルの数は3本に限定されるものではなく、1本以上であれば良い。
【0054】
図2および
図3の例では、処理ユニット1には、固定ノズル80も設けられている。固定ノズル80は、スピンチャック20よりも上方、且つ、スピンチャック20の周縁よりも径方向外側に位置している。より具体的な一例として、固定ノズル80は後述の処理カップ40と鉛直方向において向かい合う位置に設けられている。固定ノズル80の吐出口は基板W側を向いており、その開口軸は例えば水平方向に沿っている。固定ノズル80も、スピンチャック20に保持された基板Wの上面に処理液(例えば純水)を吐出する。固定ノズル80から吐出された処理液は、例えば、基板Wの上面の中央部に着液する。
【0055】
図3に例示されるように、固定ノズル80は供給管81を介して処理液供給源83に接続される。供給管81にはバルブ82が設けられている。バルブ82は供給管81の流路を開閉する。バルブ82が開くことにより、処理液供給源83からの処理液は供給管81を通じて固定ノズル80に供給され、固定ノズル80の先端から吐出される。
【0056】
スピンチャック20を取り囲む処理カップ40は、互いに独立して昇降可能な内カップ41、中カップ42および外カップ43を含む。内カップ41は、スピンチャック20の周囲を取り囲み、スピンチャック20に保持された基板Wの中心を通る回転軸線CXに対してほぼ回転対称となる形状を有している。この内カップ41は、平面視円環状の底部44と、底部44の内周縁から上方に立ち上がる円筒状の内壁部45と、底部44の外周縁から上方に立ち上がる円筒状の外壁部46と、内壁部45と外壁部46との間から立ち上がり、上端部が滑らかな円弧を描きつつ中心側(スピンチャック20に保持される基板Wの回転軸線CXに近づく方向)斜め上方に延びる第1案内部47と、第1案内部47と外壁部46との間から上方に立ち上がる円筒状の中壁部48とを一体的に含んでいる。
【0057】
内壁部45は、内カップ41が最も上昇された状態で、カバー部材23と鍔状部材25との間に適当な隙間を保って収容されるような長さに形成されている。中壁部48は、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、中カップ42の後述する第2案内部52と処理液分離壁53との間に適当な隙間を保って収容されるような長さに形成されている。
【0058】
第1案内部47は、滑らかな円弧を描きつつ中心側(基板Wの回転軸線CXに近づく方向)斜め上方に延びる上端部47bを有している。また、内壁部45と第1案内部47との間は、使用済みの処理液を集めて廃棄するための廃棄溝49とされている。第1案内部47と中壁部48との間は、使用済みの処理液を集めて回収するための円環状の内側回収溝50とされている。さらに、中壁部48と外壁部46との間は、内側回収溝50とは種類の異なる処理液を集めて回収するための円環状の外側回収溝51とされている。
【0059】
廃棄溝49には、この廃棄溝49に集められた処理液を排出するとともに、廃棄溝49内を強制的に排気するための図示省略の排気液機構が接続されている。排気液機構は、例えば、廃棄溝49の周方向に沿って等間隔で4つ設けられている。また、内側回収溝50および外側回収溝51には、内側回収溝50および外側回収溝51にそれぞれ集められた処理液を処理ユニット1の外部に設けられた回収タンクに回収するための回収機構(いずれも図示省略)が接続されている。なお、内側回収溝50および外側回収溝51の底部は、水平方向に対して微少角度だけ傾斜しており、その最も低くなる位置に回収機構が接続されている。これにより、内側回収溝50および外側回収溝51に流れ込んだ処理液が円滑に回収される。
【0060】
中カップ42は、スピンチャック20の周囲を取り囲み、スピンチャック20に保持された基板Wの中心を通る回転軸線CXに対してほぼ回転対称となる形状を有している。この中カップ42は、第2案内部52と、この第2案内部52に連結された円筒状の処理液分離壁53とを一体的に含んでいる。
【0061】
第2案内部52は、内カップ41の第1案内部47の外側において、第1案内部47の下端部と同軸円筒状をなす下端部52aと、下端部52aの上端から滑らかな円弧を描きつつ中心側(基板Wの回転軸線CXに近づく方向)斜め上方に延びる上端部52bと、上端部52bの先端部を下方に折り返して形成される折返し部52cとを有している。下端部52aは、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、第1案内部47と中壁部48との間に適当な隙間を保って内側回収溝50内に収容される。また、上端部52bは、内カップ41の第1案内部47の上端部47bと上下方向に重なるように設けられ、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、第1案内部47の上端部47bに対してごく微小な間隔を保って近接する。さらに、上端部52bの先端を下方に折り返して形成される折返し部52cは、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、折返し部52cが第1案内部47の上端部47bの先端と水平方向に重なるような長さとされている。
【0062】
また、第2案内部52の上端部52bは、下方ほど肉厚が厚くなるように形成されており、処理液分離壁53は上端部52bの下端外周縁部から下方に延びるように設けられた円筒形状を有している。処理液分離壁53は、内カップ41と中カップ42とが最も近接した状態で、中壁部48と外カップ43との間に適当な隙間を保って外側回収溝51内に収容される。
【0063】
外カップ43は、中カップ42の第2案内部52の外側において、スピンチャック20の周囲を取り囲み、スピンチャック20に保持された基板Wの中心を通る回転軸線CXに対してほぼ回転対称となる形状を有している。この外カップ43は、第3案内部としての機能を有する。外カップ43は、第2案内部52の下端部52aと同軸円筒状をなす下端部43aと、下端部43aの上端から滑らかな円弧を描きつつ中心側(基板Wの回転軸線CXに近づく方向)斜め上方に延びる上端部43bと、上端部43bの先端部を下方に折り返して形成される折返し部43cとを有している。
【0064】
下端部43aは、内カップ41と外カップ43とが最も近接した状態で、中カップ42の処理液分離壁53と内カップ41の外壁部46との間に適当な隙間を保って外側回収溝51内に収容される。また、上端部43bは、中カップ42の第2案内部52と上下方向に重なるように設けられ、中カップ42と外カップ43とが最も近接した状態で、第2案内部52の上端部52bに対してごく微小な間隔を保って近接する。さらに、上端部43bの先端部を下方に折り返して形成される折返し部43cは、中カップ42と外カップ43とが最も近接した状態で、折返し部43cが第2案内部52の折返し部52cと水平方向に重なるように形成されている。
【0065】
また、内カップ41、中カップ42および外カップ43は互いに独立して昇降可能とされている。すなわち、内カップ41、中カップ42および外カップ43のそれぞれには個別にカップ昇降機構(図示省略)が設けられており、それによって別個独立して昇降される。このようなカップ昇降機構としては、例えばボールネジ機構やエアシリンダなどの公知の種々の機構を採用することができる。
【0066】
仕切板15は、処理カップ40の周囲においてチャンバー10の内側空間を上下に仕切るように設けられている。仕切板15は、処理カップ40を取り囲む1枚の板状部材であっても良いし、複数の板状部材をつなぎ合わせたものであっても良い。また、仕切板15には、厚さ方向に貫通する貫通孔や切り欠きが形成されていても良く、本実施形態ではノズル30のノズル基台33、ノズル60のノズル基台63およびノズル65のノズル基台68を支持するための支持軸を通すための貫通穴が形成されている。
【0067】
仕切板15の外周端はチャンバー10の側壁11に連結されている。また、仕切板15の処理カップ40を取り囲む端縁部は外カップ43の外径よりも大きな径の円形形状となるように形成されている。よって、仕切板15が外カップ43の昇降の障害となることはない。
【0068】
また、チャンバー10の側壁11の一部であって、床壁13の近傍には排気ダクト18が設けられている。排気ダクト18は図示省略の排気機構に連通接続されている。ファンフィルタユニット14から供給されてチャンバー10内を流下した清浄空気のうち、処理カップ40と仕切板15と間を通過した空気は排気ダクト18から装置外に排出される。
【0069】
カメラ70は、チャンバー10内であって仕切板15よりも上方に設置されている。カメラ70は、例えば固体撮像素子の一つであるCCD(Charge Coupled Device)と、レンズなどの光学系とを含む。カメラ70は、例えば、ノズル30からの処理液の吐出状態を監視するために設けられる。カメラ70の撮像領域には、基板W、および、基板Wよりも上方の空間が含まれている。この撮像領域には、例えば、中央位置P31で停止したときのノズル30の先端が含まれ、また、中央上位置P36で停止したときのノズル30の先端も含まれる。カメラ70は撮像領域を撮像して撮像画像データを取得し、取得した撮像画像データを順次に制御部9に出力する。
【0070】
図3に示されるように、チャンバー10内であって仕切板15よりも上方の位置に、照明部71が設けられている。チャンバー10内が暗室である場合、カメラ70が撮像を行う際に照明部71が光を照射するように、制御部9が照明部71を制御してもよい。
【0071】
基板処理装置100に設けられた制御部9のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同一である。すなわち、制御部9は、各種演算処理を行うCPUなどの処理部と、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM(Read Only Memory)などの一時的な記憶媒体と、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM(Random Access Memory)および制御用ソフトウェアまたはデータなどを記憶しておく磁気ディスクなどである非一時的な記憶媒体とを備えて構成される。制御部9のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって、基板処理装置100の各動作機構が制御部9に制御され、基板処理装置100における処理が進行する。なお、制御部9はその機能の実現にソフトウェアが不要な専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0072】
図5は、制御部9の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。制御部9は、監視処理部91と、判定領域設定部92と、処理制御部93とを含んでいる。
【0073】
処理制御部93はチャンバー10内の各構成を制御する。具体的には、処理制御部93は、スピンモータ22、バルブ35,82等の各種バルブ、ノズル基台33,63,68のモータおよびノズル昇降機構、カップ昇降機構ならびにファンフィルタユニット14を制御する。処理制御部93がこれらの構成を所定の手順に沿って制御することにより、処理ユニット1は基板Wに対する処理を行うことができる。
【0074】
監視処理部91は、カメラ70がチャンバー10内を撮像して取得した撮像画像データに基づいて監視処理を行う。具体的には、例えば、カメラ70は、ノズル30の先端を含む所定領域を撮像して撮像画像データを取得し、監視処理部91は当該撮像画像データに基づいて、ノズル30からの処理液の吐出状態を監視する。
【0075】
判定領域設定部92は、撮像画像データのうち、ノズル30からの処理液の吐出状態を判定するために用いられる判定領域を設定する。判定領域については後に詳述する。
【0076】
<基板処理の流れの一例>
<全体の流れ>
図6は、基板処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、主搬送ロボット103が未処理の基板Wを処理ユニット1に搬入する(ステップS1:搬入工程)。次に、スピンチャック20が基板Wを水平姿勢にて保持する(ステップS2:保持工程)。具体的には、複数のチャックピン26がそれぞれの当接位置に移動することにより、複数のチャックピン26が基板Wを保持する。
【0077】
次に、スピンモータ22が基板Wの回転を開始する(ステップS3:回転工程)。具体的には、スピンモータ22がスピンチャック20を回転させることにより、スピンチャック20に保持された基板Wを回転させる。次に、カップ昇降機構が処理カップ40を上昇させる(ステップS4:カップ上昇工程)。これにより、処理カップ40が上位置で停止する。
【0078】
次に、基板Wに対して処理液を順次に供給する(ステップS5:処理液工程)。なお、この処理液工程(ステップS5)において、カップ昇降機構は、基板Wに供給される処理液の種類に応じて、適宜に上昇させるカップを切り替えるものの、この点は、本実施の形態の本質とは異なるので、以下では、その説明を省略する。
【0079】
処理液工程(ステップS5)においては、ノズル30、ノズル60、ノズル65および固定ノズル80がそれぞれ必要に応じて、基板Wの上面に順次に処理液を吐出する。ここでは、一例として、ノズル30が処理液を吐出した後に、固定ノズル80が処理液を吐出するものとする。
図7は、処理液工程の一部の具体的な一例を示すフローチャートである。具体的な一例として、まず、ノズル基台33がノズル30を待機位置P33から中央位置P31に移動させる(ステップS51:第1ノズル移動工程)。次に、処理制御部93がバルブ35に開信号を出力することで、バルブ35を開く(ステップS52:第1吐出工程)。これにより、処理液供給源36からの処理液が供給管34を通じてノズル30に供給され、ノズル30の先端から基板Wの上面に吐出される。基板Wの上面に着液した処理液は遠心力を受けて広がり、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、処理液に応じた処理を基板Wの上面に対して行うことができる。
【0080】
例えばノズル30からの処理液の吐出開始から所定時間が経過すると、処理制御部93はバルブ35に閉信号を出力して、バルブ35を閉じる。これにより、ノズル30からの処理液の吐出が停止する。
【0081】
次に、ノズル基台33はノズル30を中央位置P31から中央上位置P36に上昇させる(ステップS53:第2移動工程)。
【0082】
次に、処理制御部93がバルブ82に開信号を出力することで、バルブ82を開く(ステップS54:第2吐出工程)。これにより、処理液供給源83からの処理液が供給管81を通じて固定ノズル80に供給され、固定ノズル80から基板Wの上面に吐出される。固定ノズル80から吐出される処理液は、例えば純水等のリンス液である。この場合、リンス液は基板Wの上面の処理液を洗い流し、基板Wの上面の処理液がリンス液に置換される。
【0083】
図7の例では、固定ノズル80からの処理液の吐出(ステップS54)開始の前にノズル30の移動を開始している(ステップS53)。よって、固定ノズル80から吐出された処理液がノズル30に衝突する可能性を低減させることができる。
【0084】
そして、例えば固定ノズル80からの処理液の吐出開始から所定時間が経過すると、処理制御部93はバルブ82に閉信号を出力して、バルブ82を閉じる。これにより、固定ノズル80からの処理液の吐出が停止する。
【0085】
ステップS54の後に、ノズル30、ノズル60およびノズル65が必要に応じて順次に所定位置に移動して、処理液を吐出してもよい。また、固定ノズル80も必要に応じて処理液を適宜に吐出してもよい。ノズル30、ノズル60、ノズル65および固定ノズル80の処理液の吐出が終了することにより、処理液工程(ステップS5)が終了する。
【0086】
図6を再び参照して、処理液工程(ステップS5)の終了後に、処理ユニット1は、基板Wを乾燥させる(ステップS6:乾燥工程)。例えば、スピンモータ22が基板Wの回転速度を増加させて、基板Wを乾燥させる(いわゆるスピンドライ)。
【0087】
次に、カップ昇降機構は処理カップ40を下降させる(ステップS7:カップ下降工程)。
【0088】
次に、スピンモータ22はスピンチャック20および基板Wの回転を終了し、スピンチャック20は基板Wの保持を解除する(ステップS8:保持解除工程)。具体的には、複数のチャックピン26がそれぞれの開放位置に移動することで、保持を解除する。
【0089】
次に、主搬送ロボット103は、処理済みの基板Wを処理ユニット1から搬出する(ステップS9:搬出工程)。
【0090】
以上のようにして、基板Wに対する処理が行われる。
【0091】
<監視>
監視処理部91はカメラ70を用いて、処理液工程(ステップS5)における処理液の吐出状態を監視する。
図8は、監視処理の具体的な一例を示すフローチャートである。カメラ70は処理液工程(ステップS5)において順次に撮像を行って、撮像画像データを順次に取得する(ステップS11:撮像工程)。例えば、カメラ70は所定のフレームレートで動画像データを取得する。この場合、撮像画像データは動画像データの1フレームに相当する。
図9から
図11は、撮像画像データの一例を概略的に示す図である。
【0092】
図9は、ノズル30が中央位置P31で停止したときにカメラ70によって取得された撮像画像データの一例を示している。この撮像画像データにおいて、ノズル30は未だ処理液を吐出していない。
【0093】
図10は、中央位置P31で停止したノズル30が処理液を吐出しているときにカメラ70によって取得された撮像画像データの一例を示している。この撮像画像データには、ノズル30の先端から流下する液柱状の処理液が含まれている。
【0094】
図10から理解できるように、ノズル30から吐出される処理液は、撮像画像データにおいて、ノズル30の先端よりも下側の領域に含まれる。よって、当該領域を含む判定領域R1を設定すれば、監視処理部91は判定領域R1内の画素値に基づいて、ノズル30の処理液の吐出状態を監視することができる。例えば、
図9および
図10から理解できるように、判定領域R1内の画素値は、ノズル30が処理液を吐出したときと、ノズル30が処理液を吐出していないときとで相違する。例えば、ノズル30が処理液を吐出しているときの判定領域R1内の画素値の総和は、ノズル30が処理液を吐出していないときの判定領域R1内の画素値の総和よりも大きくなる。
【0095】
そこで、まず、判定領域設定部92は上記の判定領域R1を設定する(ステップS12:設定工程)。具体的には、判定領域設定部92は、まず、撮像画像データに対して画像処理を行って、ノズル30の座標位置を検出する。例えば、判定領域設定部92は、予め記憶媒体に記憶されたノズル30(具体的には、吐出ヘッド31)を含む参照画像データRI1と、撮像画像データとのテンプレートマッチングにより、撮像画像データ内のノズル30の座標位置を検出する。なお、
図9の例では、参照画像データRI1を模式的に仮想線で、撮像画像データに重ね合わせて示している。
【0096】
次に、判定領域設定部92は、ノズル30の座標位置に応じて判定領域R1を設定する。具体的には、判定領域設定部92は、判定領域R1がノズル30の先端から下側に延在する領域を含むように、判定領域R1を設定する。
図9および
図10の例では、判定領域R1は、縦方向に延在する矩形状の形状を有している。
【0097】
ノズル30の座標位置に対する判定領域R1の相対的な位置は例えば予め設定されており、設定情報として記憶媒体に記憶されている。また、判定領域R1の形状および大きさも例えば予め設定され、設定情報として記憶媒体に記憶されている。判定領域設定部92は、テンプレートマッチングにより検出したノズル30の座標位置と、記憶媒体に記憶された設定情報とに基づいて、判定領域R1を設定する。
【0098】
監視処理部91は、判定領域R1内の画素値に基づいて、ノズル30からの処理液の吐出状態を判別する(ステップS13:監視工程)。具体的には、監視処理部91は、判定領域R1内の画素値の総和が所定の吐出基準値以上であるか否かを判断し、当該総和が吐出基準値以上であるときにノズル30が処理液を吐出していると判断する。また、監視処理部91は当該総和が吐出基準値未満であるときに、ノズル30が処理液を吐出していないと判断する。
【0099】
なお、判定領域R1内の画素値に基づく処理液の吐出の有無判定はこれに限らず、種々の手法を採用できる。例えば、ノズル30が処理液を吐出しているときの判定領域R1内の画素値の分散は、ノズル30が処理液を吐出していないときの分散よりも大きい。よって、監視処理部91は当該分散を算出し、その分散の大小に基づいて処理液の吐出の有無を判断してもよい。また、分散に替えて標準偏差を採用することも可能である。
【0100】
監視処理部91は、カメラ70によって順次に取得された撮像画像データの各々に対して上述の処理を行うことで、ノズル30が処理液の吐出を開始する開始タイミング、および、ノズル30が処理液の吐出を終了する終了タイミングを検出することができる。また、監視処理部91は開始タイミングおよび終了タイミングに基づいて、処理液が吐出される吐出期間を算出し、当該吐出期間が規定時間となっているかを監視することができる。
【0101】
ところで、上述の例では、ノズル30が処理液を吐出する期間においてノズル30は中央位置P31で停止している。この場合、ノズル30の位置が変わらないので、判定領域R1の位置も変更する必要がない。そこで、判定領域設定部92は、ノズル30が中央位置P31で停止している状態で取得された複数枚の撮像画像データに対して、共通に判定領域R1を設定してもよい。
【0102】
具体的には、判定領域設定部92は、ノズル30が中央位置P31で停止した初期の1枚の撮像画像データに基づいて、上述のように、ノズル30の座標位置を検出する。そして、判定領域設定部92は当該座標位置に基づいて、判定領域R1を設定する。判定領域設定部92は、その後に取得された撮像画像データでは、ノズル30の座標位置を検出する動作を行わず、設定された判定領域R1をそのまま利用する。このように複数の撮像画像データにおいて共通に判定領域R1を設定すれば、ノズル30の座標位置の検出動作を回避させることができ、判定領域設定部92の処理負荷を軽減することができる。
【0103】
<ぼた落ち>
ノズル30が処理液を吐出し始めてから所定期間が経過すると、処理制御部93はバルブ35に閉信号を出力して、ノズル30からの処理液の吐出を停止させる。この処理液の吐出停止の際には、ノズル30の先端から液滴状の処理液が落下することがある(いわゆるぼた落ち)。このような液滴が基板Wの上面に落下すると、不具合が生じ得る。
図11は、ノズル30が処理液の吐出を停止するときにカメラ70によって取得された撮像画像データの一例を示している。この撮像画像データには、ノズル30の先端から落下する処理液の液滴(ぼた落ち)が含まれている。
【0104】
図9から
図11の比較から理解できるように、判定領域R1内の画素値は、ノズル30が処理液を吐出していないとき(
図9)と、ノズル30が処理液を吐出しているとき(
図10)と、ぼた落ちが生じたとき(
図11)とで相違する。例えば、ぼた落ちが生じたときの判定領域R1内の画素値の総和は、ノズル30が処理液を吐出しているときの判定領域R1内の画素値の総和よりも小さく、ノズル30が処理液を吐出していないときの判定領域R1内の画素値の総和よりも大きくなる。
【0105】
よって、監視処理部91は、ぼた落ちが生じたか否かを判定領域R1内の画素値に基づいて判断することができる。具体的な一例として、監視処理部91は、判定領域R1内の画素値の総和が所定の第1基準値以上であるときに、ノズル30が処理液を吐出していると判断し、判定領域R1内の画素値の総和が第1基準値未満かつ所定の第2基準値以上であるときに、ぼた落ちが生じたと判断し、判定領域R1内の画素値の総和が第2基準値未満であるときに、ノズル30が処理液を吐出していないと判断する。
【0106】
なお、判定領域R1内の画素値に基づくぼた落ちの有無判定はこれに限らず、種々の手法を採用できる。例えば、判定領域R1内の分散または標準偏差に基づいて、ぼた落ちの有無を判定してもよい。
【0107】
さて、上述の処理液工程(ステップS5)では、バルブ35が閉じてノズル30が処理液の吐出を停止すると、ノズル基台33はノズル30を中央位置P31から中央上位置P36に上昇させる(第2移動工程:ステップS53)。
図12は、ノズル30が中央上位置P36で停止したときにカメラ70によって取得された撮像画像データを示している。
【0108】
上述したぼた落ちは、ノズル30が中央位置P31から中央上位置P36への上昇中にも生じ得る。また、ぼた落ちは、ノズル30が中央上位置P36で停止した以後にも生じ得る。よって、監視処理部91は、ノズル30の先端から落下する処理液(ぼた落ち)の有無を、ノズル30の中央上位置P36へ移動中も、中央上位置P36での停止中も、監視することが望ましい。
【0109】
以下では、中央位置P31で停止したノズル30の座標位置に応じて設定された判定領域R1を、判定領域R10と呼ぶ。
図12の例では、判定領域R10が二点鎖線で示されている。
【0110】
処理液の液滴はノズル30の先端から落下する。よって、ノズル30が中央上位置P36に上昇したとしても、当該液滴は、ノズル30の先端よりも下側に位置する判定領域R10を通過し得る。よって、ノズル30の中央上位置P36への移動中および中央上位置P36での停止中における判定領域R1(以下、判定領域R11と呼ぶ)として、判定領域R10をそのまま採用することも考えられる。
【0111】
しかしながら、処理液の液滴がノズル30の先端から斜めに落下することもある。
図13は、液滴が落下する様子の一例を概略的に示す図である。液滴がノズル30の吐出ヘッド31の内壁を伝って鉛直下方に移動し、ノズル30の先端から落下する場合、液滴は斜め下方向に吐出され得る。ノズル30の先端と判定領域R10との間の距離が大きいと、当該液滴は判定領域R10を通過せずに落下する可能性がある。この場合には、監視処理部91は判定領域R10を監視しても、液滴を検出できない。つまり、ぼた落ちについての検出漏れが生じる。
【0112】
また、上述の処理液工程(ステップS5)の一例では、ノズル30からの処理液の吐出(第1吐出工程:ステップS52)後に固定ノズル80が処理液を吐出する(第2吐出工程:ステップS54)。
図14は、固定ノズル80が処理液を吐出しているときに取得された撮像画像データの一例を示している。
図14でも、判定領域R10が二点鎖線で示されている。
図14の例では、固定ノズル80の先端から放出された処理液の一部がこの判定領域R10内に含まれている。この場合には、監視処理部91は当該処理液をノズル30から落下した液滴(ぼた落ち)として誤検出する場合がある。
【0113】
そこで、本実施の形態では、判定領域設定部92は、少なくともバルブ35に閉信号が出力された時点以後において、複数の撮像画像データ間におけるノズル30の位置変化に追従させて、各撮像画像データにおいて判定領域R11を設定する。つまり、判定領域設定部92は、第2移動工程(ステップS53)の直前から順次に取得された撮像画像データの各々に対して、ノズル30の移動に追従するように、判定領域R11を設定する。
【0114】
具体的な一例として、判定領域設定部92は、ノズル30からの処理液の吐出開始から規定期間が経過した以後に取得される撮像画像データに対して、ノズル30の検出動作を行う。規定時間は、ノズル30が処理液を吐出する吐出期間よりも短く設定され、記憶媒体等に記憶される。これにより、判定領域設定部92は、バルブ35に閉信号が出力される直前以後において、ノズル30の位置を検出できる。
【0115】
判定領域設定部92は、検出動作として、例えば、時間的に連続する複数の画像データ間でトラッキング処理を行う。トラッキング処理によれば、時間的に連続する複数の撮像画像データのそれぞれにおいて、ノズル30の座標位置を得ることができる。なお、トラッキング処理の手法としては、例えば、メディアンフローを用いることができる。
【0116】
メディアンフローでは、まず、初期の撮像画像データの指定領域内で、指定密度で複数の追跡対象点を生成する。当該初期の撮像画像データとしては、例えば、検出動作を行う最初の撮像画像データを採用できる。また、指定領域としては、該撮像画像データにおいて、例えば、参照画像データRI1と一致する領域(つまり、ノズル30を示す領域)を採用できる。そして、それぞれの追跡対象点について、時間的に次の撮像画像データにおけるそれぞれの位置を、Lucas-Kanade Trackerによって追跡する。さらに、Forward-Backward Errorによって、上記の追跡においてトラッキングエラーが大きい追跡対象点を除去し、残った追跡対象点を用いて前後の撮像画像データにおける追跡対象点の位置の変化量のメディアン(中央値)を求める。そして、当該中央値に基づいて、次の撮像画像データにおいてノズル30を示す領域(つまり座標位置)を推定(検出)する。
【0117】
判定領域設定部92は、各撮像画像データにおいて検出されたノズル30の座標位置に基づいて、各撮像画像データにおける判定領域R1(つまり、判定領域R11)を設定する。ノズル30の座標位置と判定領域R11との相対的な位置関係、大きさおよび形状は上述のように、例えば予め設定されており、記憶媒体に記憶されている。これにより、判定領域R11は、各撮像画像データにおいて、ノズル30の移動に追従して設定されることになる。
【0118】
図14の例では、判定領域R11は、中央上位置P36で停止したノズル30座標位置に応じて設定されており、固定ノズル80が吐出する処理液を含む領域を避けて設定される。つまり、判定領域設定部92は、第2移動工程(ステップS53)におけるノズル30の上昇に追随して判定領域R11を設定することで、第2吐出工程(ステップS54)での固定ノズル80の先端から基板Wの上面に至るまでの処理液を含む領域を避けて、判定領域R11を設定する。逆に言えば、判定領域R11が、固定ノズル80の先端から基板Wの上面に至るまでの処理液を含む領域を避けることができるように、ノズル30についての中央上位置P36が設定される。
【0119】
以上のように、判定領域設定部92は、少なくともバルブ35に閉信号が出力された以後において、撮像画像データごとにノズル30の座標位置を検出し、当該ノズル30の座標位置に応じて判定領域R1を設定する。
【0120】
そして、監視処理部91は、判定領域設定部92によって設定された各撮像画像データの判定領域R1内の画素値に基づいて、ノズル30の先端から落下する処理液の有無を監視する。判定領域R1はノズル30の移動に追従して設定されるので、監視処理部91は適切にぼた落ちを検出することができる。つまり、検出漏れ、および、誤検出が生じる可能性を低減させることができる。
【0121】
なお、上述の例では、ノズル30が中央上位置P36で停止してから、固定ノズル80からの処理液の吐出が終了するまでの停止期間において、ノズル30は中央上位置P36で停止し続ける。この場合、この停止期間中における判定領域R11を変更する必要はない。そこで、判定領域設定部92は、停止期間において取得される複数の撮像画像データに対して共通に判定領域R11を設定しても構わない。つまり、ノズル30が中央上位置P36で停止したときの撮像画像データに基づいて判定領域R11を設定すると、その判定領域R11を、停止期間において以後に取得された他の撮像画像データに対しても適用する。これによれば、停止期間においてトラッキング処理および判定領域R11の設定を行う必要がない。よって、判定領域設定部92の処理負荷を低減させることができる。
【0122】
以上のように、基板処理方法および基板処理装置100は詳細に説明されたが、上記の説明は、全ての局面において、例示であって、この基板処理装置がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施の形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【0123】
上述の例では、ノズル30は処理液の吐出停止後に中央位置P31から中央上位置P36に上昇している(第2移動工程:ステップS53)。しかしながら、この第2移動工程において、ノズル30を中央位置P31から周縁位置P32に移動させても構わない。この場合でも、判定領域設定部92は、少なくともバルブ35に閉信号が出力された以後において、各撮像画像データにおけるノズル30の座標位置を検出し、当該ノズル30の移動に追従するように、各撮像画像データにおいて判定領域R11を設定する。これにより、高い検出精度でノズル30からのぼた落ちを検出することができる。
【0124】
また、上述の例では、ぼた落ちに着目しているものの、出流れも上述の監視処理により検出することができる。出流れとは、バルブ35の異常等により、バルブ35に閉信号を出力しているにも関わらず、ノズル30から細い液状の処理液が流下する異常である。
【0125】
また、上述の例では、ノズル30からの処理液の吐出を監視しているものの、ノズル60およびノズル65の各々からの処理液の吐出を監視してもよい。
【符号の説明】
【0126】
1 処理ユニット
20 スピンチャック
30,60,65 第1ノズル(ノズル)
37 移動機構
80 第2ノズル(固定ノズル)
9 制御部
70 カメラ
100 基板処理装置
S11 撮像工程(ステップ)
S12 設定工程(ステップ)
S13 液もれ監視工程(ステップ)
S2 保持工程(ステップ)
S52 第1吐出工程(ステップ)
S53 移動工程(ステップ)
S54 第2吐出工程(ステップ)
W 基板