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▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】ブラシヘッド製造方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A46B 3/06 20060101AFI20231114BHJP
【FI】
A46B3/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020523006
(86)(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 EP2018076041
(87)【国際公開番号】W WO2019081146
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-09-22
(31)【優先権主張番号】62/576,154
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】マイドル,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ファルヒ,マルティン
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-512567(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0317738(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0038237(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシヘッドを製造する方法であって:
複数の毛タフトをタフトキャリアに挿入するステップであって、各前記毛タフトの近位端が、前記タフトキャリアの異なる開口に挿入される、ステップと;
少なくとも1つの加熱要素及び少なくとも1つの熱反射面を中に有する熱反射装置を作動させるステップであって、前記熱反射装置は、前記加熱要素によって生成される熱を少なくとも部分的に封じ込めるための複数の前記熱反射面と、前記加熱要素によって加熱される前記熱反射装置内に挿入された前記複数の毛タフトをそれぞれ有する複数の前記タフトキャリア全部を挿入又は除去するために使用できる開口とを有する、ステップと;
挿入された前記複数の毛タフトを有する前記複数のタフトキャリアを、前記熱反射装置内に配置するステップと;
前記各毛タフトについて近位端ヘッド部を生成するために前記複数の毛タフトの各々の近位端を少なくとも部分的に溶融させるように、前記少なくとも1つの加熱要素から前記挿入された複数の毛タフトを有する前記タフトキャリアに向けて熱を導くステップと;
溶融した前記近位端ヘッド部を冷却するステップと;を含む、
方法。
【請求項2】
前記タフトキャリアは、前記熱反射装置内に配置される前に、ツーリングプレート上に位置決めされる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの毛タフト保持要素をさらに有し、前記少なくとも1つの毛タフト保持要素及び前記毛タフトは、前記熱を導くステップの溶融が、前記複数の毛タフトの各々の近位端及び前記毛タフト保持要素の近位側の少なくとも一部を部分的に溶融させるとともに一緒に融合させて前記近位端ヘッド部を形成するように、同じ材料又は同様の溶融温度を有する同様の材料で作られる
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記加熱要素又は前記少なくとも1つの熱反射面は、前記熱反射装置内の少なくとも1つのツーリングプレート又は前記タフトキャリアに対して、高さ及び/又は角度が少なくとも部分的に調整可能である、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記加熱要素は、熱風熱源又は電気駆動螺旋状加熱要素である、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記加熱要素によって発生する熱の温度は、制御可能であり且つ調整可能である、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記熱反射装置は、前記熱反射装置内の前記加熱要素によって生成される熱をさらに封じ込めるのに役立つように、少なくとも1つのツーリングプレート又は前記複数のタフトキャリア全部を前記熱反射装置に挿入又は除去するために開くことができる前記開口において使用できる少なくとも1つのドアをさらに有する
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記タフトキャリアを前記熱反射装置内に配置するステップは、前記タフトキャリアを前記熱反射装置の外側から前記熱反射装置の内側に移動させるように構成された搬送機構によって実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記溶融した近位端ヘッド部を冷却するステップは、前記タフトキャリアを前記熱反射装置の内側から前記熱反射装置の外側に移動させることによって達成される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
毛タフト近位端を溶融するための熱反射装置であって:
少なくとも1つの加熱要素と;
前記少なくとも1つの加熱要素からの熱を、少なくとも1つのツールプレート又はブラシヘッドにおいて使用される複数の毛タフト及び少なくとも1つの保持要素を収容するために使用されるタフトキャリアに向かって反射するための複数の熱反射面と;
前記加熱要素によって加熱される前記熱反射装置内に挿入された前記複数の毛タフトをそれぞれ有する複数の前記タフトキャリア全部を挿入又は除去するために使用できる開口と;
を有し、
前記少なくとも1つの加熱要素からの熱と前記複数の熱反射面からの反射熱は、前記複数の毛タフトの各々を前記保持要素に固定するために近位端ヘッド部を形成するように前記複数の毛タフトの各々の近位端を少なくとも部分的に溶融するために、前記少なくとも1つのツールプレート又は前記タフトキャリアに向かって導かれる、
装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのツールプレート又は前記複数のタフトキャリア全部を前記熱反射装置の内外に移動させるための搬送機構をさらに有する、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
第1の熱反射面を有する第1の側壁と;
第2の熱反射面を有する第2の側壁と;
前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に配置され、第3の熱反射面を有する上壁と;
をさらに有し、
前記開口は、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に配置され;
前記開口は、前記少なくとも1つのツールプレート又は前記複数のタフトキャリア全部を受け入れるように動作可能に配置される、
請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記開口は、ドア状装置を有する、
請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エラストマーマトリックス内に保持される毛タフト(毛の房)(bristle tufts)を有するブラシヘッドアセンブリを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手動歯ブラシ及び電動歯ブラシのブラシヘッドは、歯、舌、及び頬をきれいにするために使用される毛(bristles)を含む。いくつかの歯ブラシでは、毛はブラシヘッドのネック部にステープルで留められているか、又は固定されている(anchored)。他の歯ブラシでは、毛は、一般に「アンカーフリータフティング(anchor free tufting)」として知られる方法で、ステープルなしでヘッドに固定される。いくつかの歯ブラシでは、毛は、保持要素又はキャリア要素内に含まれる毛タフトにまとめられている。保持要素は、毛タフトをブラシヘッド内に固定するのに役立つ。製造中、毛タフトは、保持要素の中空内部に挿入され、毛の近位部分は、ホットナイフ又は加熱板又は熱風を用いて一緒に溶融されて、保持要素内に毛を固定するための近位端を形成し、次いで、ブラシネックとともにエラストマー材料に固定され、次いで、エラストマー材料は、最終的なブラシヘッドを形成するために冷却される。
【0003】
しかし、しばしば、ホットナイフ、加熱板、又は熱風は均一に加熱しないので、個々の毛又はキノコ状のヘッド全体は、保持要素内にしっかりと固定されず、ブラシヘッド内で緩むことがあるか、又は毛が常にブラッシングに最適な角度に配置されるとは限らない。このようなとき、電動歯ブラシ動作によって誘発される動きの動的条件下では、例えば、毛又は毛タフトがブラシヘッドから分離することがある。
【0004】
従って、当該技術分野では、毛タフトの端部をより効果的かつ効率的に加熱して、互いに対して、及び、幾つかの構成において、保持要素に対して、毛のより均一な溶融及び改良された接合を達成するための方法及び装置の必要がある。
特許文献1は、ブラシヘッド並びにそれを製造するための方法及びツールを開示する。
特許文献2は、ブラシヘッド並びにそれを作るための方法及びツールを開示する。
特許文献3は、毛を毛キャリアに接続する方法を開示する。
特許文献4は、ブラシヘッド並びにそれを作るための方法及びツールを開示する。
特許文献5は、毛の束を製造する装置を開示する。
【文献】WO2013/186674
【文献】EP2534973
【文献】US4637660
【文献】EP2674061
【文献】US5344218
【発明の概要】
【0005】
本開示は、保持要素内に毛タフトを有するブラシヘッドを製造するための本発明の方法に関する。本明細書の種々の実施形態及び実装形態は、より効率的かつ効果的な加熱の方法を使用する製造方法を対象とし、その方法のステップでは、毛タフトが、一緒に溶融されてその近位端でヘッドを形成する、又はその方法では、毛タフトと保持要素が溶融されて毛タフトと保持要素を一緒に固定する。次いで、ブラシヘッドネックと共に得られた構成要素は、エラストマーマトリックス内に埋め込まれ、完成したブラシヘッドをもたらす。本明細書における様々な実施形態及び実装形態を用いると、ブラシヘッドの費用対効果が高く、効率的な製造が実質的に改善される。
【0006】
例えば、いくつかの実施態様では、製造方法は、毛のタフトを保持要素又はツールプレートに挿入するステップ、次いで、毛タフトの近位端を溶融して保持要素又はツールプレートを通って戻らない近位端ヘッド部を形成する熱反射法を使用すること、又は毛タフトの近位端及び保持要素又はツールプレートの近位側の一部を、毛タフトをより均一に加熱してより一貫した溶融を生じさせる熱反射法を使用して溶融することを含む。これにより、使用中の毛タフトの動きを最小にすることができる、又は、ブラシヘッドの使用中の毛タフトの特定の動きのみを可能にすることができる。本明細書に開示及び説明されるブラシヘッドは、任意の手動又は電動歯ブラシ装置と共に使用することができる。その後、溶融した毛タフトを、少なくとも1つのエラストマーマトリックス及び/又は他のネック材料でオーバーモールド成形することができる。
【0007】
一態様では、ブラシヘッドを製造する方法が提供される。本方法は:少なくとも1つの毛タフトの近位端を、少なくとも1つの毛タフト保持要素を有するツールプレート又はタフトキャリアを有する、少なくとも1つのツールプレート又はタフトキャリアの開口に挿入するステップと;少なくとも1つの加熱要素及び少なくとも1つの熱反射面を中に有する熱反射装置を作動させるステップと;挿入された毛タフトを有する少なくとも1つの毛タフト保持要素を、少なくとも1つの加熱要素及び少なくとも1つの熱反射面を有する熱反射装置に配置するステップと;近位端ヘッド部を生成するために、少なくとも1つの毛タフト近位端を少なくとも部分的に溶融させるように、少なくとも1つの加熱要素から挿入された少なくとも1つの毛タフトを有する少なくとも1つの毛タフト保持要素に向けて熱を導くステップと;溶融した近位端ヘッド部を冷却するステップと;を含む。
【0008】
一実施形態では、本方法は、ブラシヘッドネックのプラテン部(platen portion)を近位端ヘッド部に対して配置するステップであって、ネックのプラテン部の位置(positioning)が、エラストマー材料を注入するための近位端ヘッド部に対するスペースを画定する、ステップと、プラテンネック部及び近位端ヘッド部を少なくとも部分的に包囲するエラストマーマトリックスを形成するようにエラストマー材料をスペースに注入するステップとをさらに含む。
【0009】
一実施形態では、保持要素及び毛タフトは、配置するステップの溶融が、毛タフト近位端及び保持要素の近位側の少なくとも一部を部分的に溶融させるとともに一緒に融合させて(merges)近位端ヘッド部を形成するように、同じ材料又は同様の溶融温度を有する同様の材料で作られる。
【0010】
一実施形態では、加熱要素又は少なくとも1つの熱反射面は、少なくとも部分的に調整可能である、すなわち、熱を導くように、熱反射装置内のツールプレート又は保持要素からの距離及びそれに対する角度が、少なくとも部分的に調整可能である。
【0011】
一実施形態では、加熱要素は少なくとも部分的に調整可能である熱風熱源(hot air heat source)である。代替的には、熱源は、電気駆動螺旋状加熱要素、又は毛タフトを溶融するのに十分な高温を提供する任意の他の加熱要素であり得る。
【0012】
一実施形態では、加熱要素によって発生する熱の温度は、制御可能であり且つ調整可能である。
【0013】
一実施形態では、熱反射装置は、加熱要素によって生成される熱を少なくとも部分的に封じ込めるための複数の面(側部)を有する。
【0014】
一実施形態では、熱反射装置は、熱反射装置内の加熱要素によって生成される熱をさらに封じ込めるのに役立つように、挿入された毛タフトを有する少なくとも1つの毛タフト保持要素又はツールプレートを熱反射装置内に挿入又は除去するために使用することができる、少なくとも1つの開口をさらに有する。
【0015】
一実施形態では、熱反射装置は、熱反射装置内の加熱要素によって生成される熱をさらに封じ込めるのに役立つように、挿入された毛タフトを有する少なくとも1つの毛タフト保持要素を熱反射装置に挿入又は除去するように開くことができる少なくとも1つの開口において使用できる少なくとも1つのドアをさらに有する。
【0016】
一実施形態では、少なくとも1つの毛タフト保持要素を熱反射装置内に配置するステップは、少なくとも1つの毛タフト保持要素を保持するように構成されたツールプレートを熱反射装置の外側から熱反射装置の内側に移動させるように構成された搬送機構によって実行される。
【0017】
一実施形態では、溶融した近位端ヘッド部を冷却するステップは、少なくとも1つの毛タフト保持要素を保持するように構成されたツールプレートを熱反射装置の内側から熱反射装置の外側に移動させることによって達成される。
【0018】
別の態様では、毛タフト近位端を溶融するための熱反射装置が提供される。装置は:少なくとも1つの加熱要素と;少なくとも1つの加熱要素からの熱を、ブラシヘッドにおいて使用される毛タフト及び少なくとも1つの保持要素を収容するために使用されるツーリングプレートに向かって反射するための少なくとも1つの熱反射面と;を含み、少なくとも1つの加熱要素からの熱と少なくとも1つの熱反射面からの反射熱は、毛タフトを保持要素に固定するために近位端ヘッド部を形成するように毛タフトの近位端を少なくとも部分的に溶融するために、ツーリングプレートに向かって導かれる。
【0019】
一実施形態では、装置は、ツールプレートを熱反射装置の内外に移動させるための搬送機構をさらに含む。ツールプレートの移動に関する「内外」によって、これは、ツールプレートが第1の開口部を通って熱反射装置内に移動し、熱が印加され、次いでツールプレートが第1の開口部を通って装置の内側から装置の外側に移動される実施形態を含み得ることが考えられることが理解されるべきである。さらに、これは、ツールプレートが第1の開口部を通って熱反射装置内に移動し、熱が印加され、次いで、ツールプレートが、デバイス上の他の場所、例えば第1の開口部としてデバイスの反対側に配置された第2の開口部を通って、装置の内側から外側へ移動される実施形態を含み得ることが考えられることが理解されるべきである。
【0020】
一実施形態では、装置は、さらに:第1の熱反射面を有する第1の側壁と;第2の熱反射面を有する第2の側壁と;第1の側壁と第2の側壁との間に配置され、第3の熱反射面を有する上壁と;第1の側壁と第2の側壁との間に配置される少なくとも1つの開口と;を含み、少なくとも1つの開口は、ツーリングプレートを受け入れるように動作可能に配置される。
【0021】
一実施形態では、少なくとも1つの開口は、ドア状装置を有する。
【0022】
前述の概念及び以下により詳細に議論される追加の概念の全ての組み合わせは(かかる概念が相互に矛盾しない限り)、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられることが理解されるべきである。特に、本開示の末尾にある特許請求の範囲に記載された主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示される発明の主題の一部であることが意図される。本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載する実施形態(複数可)を参照して明らかになり、かつ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面において、同様の参照符号は概して異なる図面を通じて同一の部分を指す。また、図面は必ずしも正確な縮尺ではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに概ね重点を置いている。
【0024】
図1A】本発明の一実施形態によるブラシヘッドアセンブリの斜視概略図である。
図1B】本発明の一実施形態によるブラシヘッドアセンブリの斜視分解図である。
図2】従来技術によるブラシヘッド部品の溶融の概略切り取り側面図である。
図3A】本明細書に開示された異なる実施形態によるタフトキャリアの概略図である。
図3B】本明細書に開示された異なる実施形態によるタフトキャリアの概略図である。
図3C】本明細書に開示された異なる実施形態によるタフトキャリアの概略図である。
図3D】本明細書に開示された異なる実施形態によるタフトキャリアの概略図である。
図3E】本明細書に開示された異なる実施形態によるタフトキャリアの概略図である。
図3F】本明細書に開示された異なる実施形態によるタフトキャリアの概略図である。
図4A】本発明の一実施形態によるツールプレート及びタフトキャリアと係合したツールプレートを示す図である。
図4B】本発明の一実施形態によるツールプレート及びタフトキャリアと係合したツールプレートを示す図である。
図5A】本発明の一実施形態によるツールプレート及びタフトキャリアと係合したツールプレートを示す図である。
図5B】本発明の一実施形態によるツールプレート及びタフトキャリアと係合したツールプレートを示す図である。
図6】ブラシヘッドの構成要素を溶融するために使用される加熱要素の配置の正面図である。
図7】本発明の熱反射装置の図である。
図8】一実施形態による熱反射装置における加熱によりブラシヘッドアセンブリを製造する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は、毛タフトの近位端、又は毛タフトの近位端及び保持要素の近位側を一緒に溶融するステップの間により均一且つ一貫した熱を提供するブラシヘッドアセンブリを製造する方法の種々の実施形態を説明する。より具体的には、出願人は、毛タフトの近位端、又は毛タフトの近位端及び保持要素の近位側のより一貫した溶融が、より良い製品のために達成されるように、熱を印加する改良された方法を有するブラシヘッドを製造する方法を提供することが有益であることを認識し、認めてきた。加熱される領域に向かって熱を戻して反射する封じ込められた領域で加熱するステップを実施することによって、加熱される表面(複数可)にわたってより一貫した溶融温度が達成され、より一様な溶融をもたらす。加えて、熱損失がより少なく、ある場合には、加熱機構を作動させるのに必要なエネルギを低減することができる。本開示のいくつかの実施形態を利用する特定の目標は、毛タフト又は毛タフト及び保持要素のブラシヘッド内での改善した保持を伴ってブラシヘッドを効率的に製造する能力である。
【0026】
図1Aは、アンカーフリータフティングで製造された本発明のブラシヘッドアセンブリ10の概略図である。図1Bは、アンカーフリータフティングによる本発明のブラシヘッドアセンブリ10の分解斜視図である。ブラシヘッド10は、ネック40を含み、これは、任意の手動ブラシシャフトに、又は、より好ましくは、口腔ケアブラシ、又は、現在知られているか若しくは開発されることになる他のブラッシング若しくはクリーニング装置のために作られた若しくは適している任意のアクチュエータ及び駆動シャフト(図示せず)に結合されることができる。ブラシヘッドはまた、タフトキャリア50の開口51内に保持された複数の毛タフト21を含む。タフトキャリア50は、1つ又は複数の保持要素52を含む。毛タフトを収容する保持要素52の一部は、プラテン42であるネック40の少なくとも一部と共に、その後、図1Aに示すように、ブラシヘッドアセンブリ10のヘッド部を形成するように、可撓性エラストマーマトリックス30内に封入される(encapsulated)。
【0027】
各毛タフト21は、複数の毛ストランド22から構成され、各毛タフト21は、図2に示すように、近位端23及び自由端25を有し、各毛タフトの近位端23は、保持要素52の開口51に挿入される。毛タフト21は、図1A及び図1Bに示すように、様々な形状及びサイズのものとすることができる。毛タフト21は、それらが挿入される保持要素52の開口51に整合する形状及び直径に形成することができる。保持要素52及びその中の開口51は、円形、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、又は他の形状などの、同一のサイズ、形状及び配置とすることができ、これらの幾つかは、図1に示されて、又は互いに変化することができる。タフトキャリア50は、単一の毛タフト21を保持するように構成することができ、又は、タフトキャリア50は、図2に示すように、互いに何らかの方法で接続された開口51を有する複数の保持要素52を有することができる。
【0028】
図2に示すように、従来技術では、毛タフト21が保持要素52に挿入されると、近位端ヘッド部26を形成するように複数の毛タフト21の近位端23に熱が加えられる。近位端ヘッド部26は、毛タフト21の溶融した近位端23、又は毛タフト21の溶融した近位端23及びタフトキャリア50の少なくとも一部の溶融した近位側53によって形成される。熱は、毛タフトの近位端と直接物理的に接触して配置される、又は、図2に示すように、毛タフト21の近位端23を溶融する又は毛タフト21の近位端23及びタフトキャリア50の近位側53の一部を一緒に溶融し、近位端ヘッド部26を形成するのに十分な熱を達成するように、毛タフト21の近位端23を含む保持要素52の近位側53を横切って移動する、ホットナイフなどの加熱要素105によって供給される。従来技術の他の構成では、熱風又は他の形態の熱源(図示せず)が、熱を供給するために使用される加熱要素であることができ、加熱された空気は、溶融されることになる領域の上又はその領域を横切って下方に向けられる。
【0029】
図3A図3Fに示すように、種々のタフトキャリア50が、本明細書に開示する本発明の種々の実施形態において利用することができる。図3Aのタフトキャリア50は、毛タフト21の単一の毛タフトを保持する保持要素52の単一の保持要素を有する。図3B及び図3Cはそれぞれ、タフトキャリア50が、互いに接続された、例えば最終ブラシヘッド又はその一部の形状に配置された、複数の保持要素52を有するキャリアプレート54を有することができることを示している。図3D図3Fでは、タフトキャリア50は、一連のストランド又はウェビングリンク55によって互いに接続された複数の個々の保持要素52を有するタフトキャリアウェブを有する。このようにして、保持要素52は、分離したの個別ユニットであることができる、又はキャリアプレート54若しくはウェビングリンク55などによって相互接続されることができることが理解されるべきである。図3B及び3Cに示されるタフトキャリアと同様に、図3D~3Fに示されるタフトキャリアの保持要素52及び/又は開口51は、ブラシヘッドが完全に組み立てられるときに、タフト21に対して所望のパターンで配置されてもよく、又はその一部であってもよい。毛タフトの少なくとも一部が溶融されて、タフトを保持機構内に保持する、タフトの保持機構の他の種々の構成及び配置も、本発明と共に使用することができることが理解されよう。
【0030】
典型的には、一連の製造ステップが、ブラシヘッドを形成するために使用され、そこでは:(a)保持要素が作られ;(b)毛タフトが保持要素に挿入され;(c)保持要素に毛タフトを固定するために保持要素の近位側及び/又は毛タフトが溶融され;(d)そこに固定された毛タフトを有する保持要素及びブラシヘッドネックが所望の位置に位置決めされ;(e)エラストマーマトリックスがネックの一部及び毛を収容している保持要素の周囲に注入されて、全ての部品を封入し且つ結合する。ステップ(c)は、本発明が関係するステップである。一連の製造ステップがあるので、構成要素は典型的にはツーリングプレート(tooling plate)400上に保持され、それに対して構成要素が付加されるか、除去されるか、又は処理される。多くの製造プロセスにおいて、単一のツーリングプレート400が、製造プロセスのステップを通して使用されるので、構成要素を保持し、処理することができ、また、次の処理ステップが異なる製造装置で生じる場合には次の処理ステップに移動されることができる。ツールプレート(tool plate)400の2つの例示的な実施形態が図4A~5Bに示され、以下に説明される。
【0031】
タフトキャリア50の取扱いを容易にするために、ツールプレート400が使用され得る。図4A及び4Bに示すように、ツールプレート400は、図3Dに示すタフトキャリア50の保持要素52に形状、サイズ及びレイアウトが対応する開口403を含む。例えば、開口403は、ツールプレート400からダイブロックへの直接的なタフトキャリア50のスタンピング、又は他の製造装置におけるツールプレート内のタフトキャリア又はタフトキャリアの位置決めを容易にするために、ダイブロック内の開口403と整列又は形成することができる。
【0032】
さらに、ツールプレート400は、図3Dに示されるタフトキャリア50のウェビングリンク55を受け入れるように成形されかつ寸法決めされた一組の溝又は凹部404を含み得る。このようにして、例えば、溝は、スタンピング中にタフトキャリア50を位置決めし、保持するのを助け得る。タフトキャリア50のウェビングリンク55は、ツールプレート400とともにタフトキャリア50をスタンプした後に廃棄される余分な材料を形成してもよく、或いは、それらは製造プロセスを通して保持要素52に取り付けられたままであってもよい。本明細書に開示及び想定されるツールプレート400は、例えば、ツールプレートによって運ばれる対応するタフトキャリアのさらなる処理を容易にするために、ダイブロック又は他のベースプレート又はモールドから取り外し可能に分離され得ることに留意されたい。このようにして、ツールプレート400は、溝404内に残されたウェビングリンク55と共に、所望であれば、スタンピング後にダイブロックから分離され得る。
【0033】
本発明の別の例示的な実施形態によるツールプレート400が、図5A~5Bに示されている。図4A~4Bに示されるツールプレートとは異なり、図5A~5Bに示されるツールプレート400は、(個々の保持要素52とは対照的に)図3Bのタフトキャリア50のキャリアプレート54に概して形状、サイズ、及び/又はレイアウトに対応する開口403を含む。このようにして、いくつか又は全てのキャリアプレート54は、例えばスタンピング後のダイブロック内に、種々の製造ステップのために保持要素52と共に残り得る、及び/又は最終組立中にブラシヘッド10内に含まれ得る。例えば、スタンピングの代わりに、ツールプレート400を使用して、タフトキャリア50の一般的なハンドリング及び/又はタフトキャリア50のタフトユニットなどの他のツールへの装填(loading)を容易にすることができる。一実施形態では、スタンピングツールは、図3Bのタフトキャリア50の形状を図3Eのタフトキャリア50の形状に変更するように、キャリアプレート54の一部のみを除去するように、パンチ又はスタンピング要素を備えて構成され得る。換言すれば、ウェビングリンク55のみを残すために、キャリアプレート54の余分な部分を除去することができる。他の実施形態では、キャリアプレート54は、余分な部分を除去することなく利用され得る。
【0034】
図6に示すように、これらのプロセスで使用される加熱要素105は、加熱表面での温度が不均一であることが多く、その結果、ホットスポット及びコールドスポットを生じ、したがって、熱は、溶融エリア又は加熱エリア内の異なる位置の異なる構成要素に一貫して加えられない。同様に、熱風は、熱源からさらに遠くに熱が放散されることを伴う、製造エリア内の気流又は空気循環、又は中央領域内のより高い熱の集中に起因する、一貫性のない熱の印加にさらされる。熱が均等に印加されない場合、それは、毛22のある領域が不均等に溶融し、過剰で燃焼につながり、又は過少で、毛22又は毛タフト21が保持要素52に保持されないことにつながり、場合によりブラシの使用中に抜けることにつながる。
【0035】
これらの問題に対処するために、本発明は、溶融されることになる表面(複数可)から最適な距離に配置された線(line)若しくは他のパターンに配置された1つ又はいくつかの加熱要素105を使用する、熱反射装置200を有する。本発明の一例示的実施形態では、4つの加熱要素105が、熱反射装置200内に直列に設けられる。本発明の別の例示的な実施形態では、4つの加熱要素105が、熱反射装置200内に2×2の四角形のグリッド配置で設けられる。加熱要素105は、より均一な熱が加えられ、より一貫した溶融が達成されるように、加熱要素105からの熱を溶融される表面(複数可)に向かって集束又は反射させるために、耐熱性材料で作られた熱反射面210によって囲まれる又は部分的に囲まれる。本発明の一例によれば、熱反射装置200は、少なくとも3つの接続され且つ隣接した面(側部)(sides)を有する細長い長方形のハウジングの形状を形成することができ、各側部は熱反射面210を含む。しかし、本発明の実施形態に依存して、熱反射面210は、加熱要素の真後の表面、処理されることになる材料の下の表面、又は処理されることになる材料の側に対する表面など、熱反射装置200の内部の1つ又は複数の側部でのみ使用される必要があることが理解されるべきである。さらに、本発明のいくつかの構成では、加熱要素105は、加熱要素が、毛タフト21及び保持要素52を作るために使用される材料の適切な溶融温度を反映するように調整され得るように、可変温度設定を有する、又は製造プロセスの他の可変態様を有する。本発明のいくつかの構成では、溶融される材料及び/又は製造プロセスの速度に応じて、溶融されることになる表面(複数可)からの最適な距離が得られることができるように、加熱要素105を移動又は調整することができる。本発明のいくつかの構成では、加熱要素105の温度は600℃から1000℃の範囲であり、好ましくは750℃から850℃の範囲である;しかし、加熱要素105とタフトキャリア52との間の距離及び溶融される材料に依存して、他の温度を使用してもよいことを理解されたい。さらに、本発明の幾つかの構成では、熱反射面210は、反射された熱は、溶融される特定の構成要素に依存して、特定の領域に向けられることができるように、少なくとも部分的に移動可能/調整可能である。
【0036】
1つの構成では、図7に示すように、熱反射装置200は、細長い矩形のハウジング又はトンネルに似ており、第1の側壁205と、第2の側壁206と、1つの上壁207と、オプションで、底壁(図示せず)とを含む少なくとも2つの側壁を有し、これらのうちの少なくとも1つが熱反射面210で作られる又は熱反射面210で覆われ、前側及びオプションで後側(図示せず)の開口220を有する。さらに、本発明の幾つかの構成では、一方又は両方の開口220は、製造プロセスの加熱部分のために保持要素52及び毛タフト21を含むタフトキャリア50の出入りを可能にするために開閉することができるドア状装置230によってさらに囲まれることができる。図7に示すドア状装置230は、既知のガレージのドアと同様に、ロールアップタイプの区分化された(sectioned)装置である。しかし、側部(複数可)又は頂部にヒンジ止めされた単一ユニット、家庭又は単一区画のガレージドアへの標準的な入口ドア、又は中央に開口する両側にヒンジ止めされたドア、又は種々の他の構成など、多くのドアスタイルが使用され得ることが理解され得る。さらに、本発明の幾つかの構成では、処理された材料を出入りさせるのに必要なサイズの開口のみを有するドアが使用され、このタイプのドア状装置は必ずしも開閉しない。これらのドア状装置230の目的は、材料が処理されているときに閉じたままにすることによって熱を熱反射装置200内に保持するのを助け、処理されている材料が出入りできるように、又は必要に応じて熱反射装置の温度を下げるために開くことである。
【0037】
製造プロセスの一実施形態では、図7に示すように、ツーリングプレート400は搬送システム300に取り付けられ、これは、毛タフト21が保持要素52に挿入された以前の製造ステップ、又は発生した他の処理からタフトキャリア50が保持要素52及び毛タフト21を有する状態でツールプレート400を熱反射装置200へ及び熱反射装置200を通って搬送するので、保持要素及び/又は毛タフトを一緒に溶融させて、保持要素内に毛タフトを固定することができる。搬送システム300はまた、ツーリングプレート400を、熱反射装置200を通って連続速度で移動させる能力を提供し、その結果、熱反射装置を通る構成要素の均一の移動をもたらす。「ストップ・アンド・ゴー」ではなく、連続的なペースの移動は、処理される様々な構成要素への熱のより均一な印加を確実にするのに役立つ。しかし、ツーリングプレート400が固定位置にとどまること、及び、ツーリングプレート400の位置に移動する種々の処理ステップを実行するのに必要な熱反射装置200を含む製造装置を含む、他の逐次処理ステップの方法が可能である。
【0038】
本発明の一構成では、ツールプレート400を熱反射装置200に搬送するために使用される機構300は、自動的に、又はセンサからのデータに応答して、可変速度で動作することができ、その結果、ツールプレート400上の構成要素の処理を最適化することができる。例えば、温度計によって感知された熱反射装置200内の周囲温度に基づいて、搬送システム300は、ツールプレート400上の保持要素52及び/又は毛タフト21の最適な溶融が達成されるように、増速/減速される、又は熱反射装置200に入る前に一時停止されることができる。搬送システム300の速度の変動、及び、放出される温度を調整すること又はツールプレートもしくは保持要素と加熱要素との間の距離を調整することによる熱反射装置200の温度設定を調整する能力によって、溶融プロセスは、改良された一貫した溶融のために最適化され得る。さらに、熱を熱反射装置に封じ込め、熱を作業領域に反射させることによって、よりコスト効率の良い製造プロセスを達成することができ、製造ユーティリティ(manufacturing utility)コストを削減することができる。
【0039】
図8は、本明細書に記載されている又は本明細書で想定されているブラシヘッド10の1つ又は複数を製造するための方法500を示す。図8に示す製造方法のステップ510では、図2に示すように、少なくとも1つの保持要素52を有するタフトキャリア50が提供される。図2に示される切り取られた側面概略図では、少なくとも1つの保持要素52の各々は、それらを貫通する少なくとも1つの開口51を含む。タフトキャリア50は、近位側53と遠位側を有する。図2に示す実施形態では、保持要素52は、2つ以上の開口51を有する。
【0040】
本方法のステップ512では、各々が複数の毛ストランド22を含む少なくとも1つの毛タフト21が提供される。毛タフト(複数可)21は、その中に毛タフト21が挿入される保持要素52内のそれぞれの開口51の形状及びサイズを反映するように成形及びサイズ決定される。
【0041】
方法のステップ520において、少なくとも1つの毛タフト21が、保持要素(複数可)52の開口(複数可)51に挿入される。図2に示すように、毛タフト21の各々は、近位端23及び自由端25を含み、近位端23は保持要素52に収容される。
【0042】
本方法のステップ530では、毛タフト21を収容する保持要素(複数可)52を有するタフトキャリア50は熱反射装置200内に移動されて、構成要素を溶融させ、これを冷却すると、近位端ヘッド部26が形成される。毛22及びタフトキャリア50及び保持要素52に使用される材料、ならびに熱反射装置200に印加される熱に応じて、近位端ヘッド部26は、毛タフト21の近位端23を溶融させることによって形成され得る;又は近位端ヘッド部26は、毛タフトの近位端23をタフトキャリア50の近位側53の一部と共に溶融させることによって形成され得る。融合ユニットを形成するように保持要素52及び毛タフト21を一緒に溶融するために、それらは、プラスチック(特に、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)プラスチック)若しくはナイロン(特に、PA(ポリアミド)ナイロン)、ポリプロピレンなどの熱可塑性ポリマー、又は類似の材料、又はそれらが同様の温度及び速度で溶融及び冷却するように同様の溶融係数を有するこれらの材料の変形物又は組み合わせなど同一又は類似の材料から作られることが好ましいことが判明した。しかし、他の材料が、それらが溶融にさらされる限り、使用され得ることが理解され得る。冷却されると、毛タフト21の近位端23及び保持要素52の近位側53は、融合した近位端ヘッド部26を形成するように接合又は融合される。代替的には、保持要素52が毛タフト21の材料よりも高い溶融係数を有する材料で作られている場合、毛タフトの近位端23は、互いに溶融し、近位端ヘッド部26を形成し、これは、毛タフトを保持要素内に保持するが、熱反射装置200内の温度が保持要素52の溶融温度よりも低く維持されている場合には、保持要素は溶融しない。
【0043】
熱反射装置200は、溶融されることになる表面(複数可)から最適な距離に配置された、線又は他のパターンに配置された1つ又は複数の加熱要素105を有する。また、熱反射装置200は、少なくとも、溶融されることになる構成要素により均一な熱が加えられ、より一貫した溶融が達成されるように、加熱要素(複数可)からの熱を溶融されることになる表面に反射させるよう、その内側に、熱反射面210で作られる又は熱反射面210を有する上壁を有する。また、熱反射装置200は、溶融されることになる表面に向けて熱をさらに保持し反射するために、その内側に熱反射面210で作られ得る又は熱反射面210を有し得る側壁及び/又は底壁を有し得る。また、熱反射装置は、少なくとも1つの開口220を有し、該開口を通って、毛タフト21を収容する保持要素52を有するタフトキャリア50が、溶融のために熱反射装置200に挿入され得る。また、熱反射装置200は、その反対側(図示せず)に異なる開口220を有していてもよく、その開口を通って溶融した構成要素は、熱反射装置200から出ることができる。さらに、本発明のいくつかの構成では、開口220は、製造プロセスの加熱部分のための保持要素及び毛タフトの出入りを可能にするために開閉することができるドア状装置230によってさらに囲まれることができる。これらのドア状装置230は、熱反射装置200内に熱をさらに保持するのに役立つ。本発明のいくつかの構成では、搬送システム300は、ステップ520から熱反射装置200に保持要素(複数可)52及び挿入された毛タフト21を移動させ、その結果、製造プロセスのステップ530、毛タフト近位端23の溶融、又は保持要素52を有するタフトキャリア50の近位端23及び近位側53の溶融が熱反射装置200内で行うことができる。
【0044】
近位端ヘッド部26が形成された後、ステップ540において冷却することが可能にされ、これは熱反射装置200内で、又は熱反射装置の外で起こり得る。
【0045】
方法500のステップ550において、ブラシヘッドネック40は、毛タフト21の近位端ヘッド部26及び保持要素(複数可)52に対してプラテン42を適切な位置に置くように位置決めされる。プラテン42は、近位端ヘッド部26のすぐ上に位置決めされる。プラテン42は、例えば、モールド又は他の位置決め機構を用いて適切に位置決めされることができる。エラストマー材料が、プラテン42と、近位端ヘッド部26及び保持要素52の少なくとも一部の周囲との間の空間に注入される。エラストマー材料は、図1Aに示すように、ブラシヘッドアセンブリ10を形成するように、プラテン42、保持要素52、及び近位端ヘッド部26の少なくとも一部を取り囲む成形エラストマーマトリックス30を形成する。一実施形態によれば、エラストマーマトリックス30は、好ましくは、可撓性熱可塑性エラストマーから作られる。ステップ550は、同一又は異なる製造装置で、ステップ540の直後又は後の時点で実行されることができる。
【0046】
全ての定義は、本明細書中で定義され且つ用いられるとき、辞書的定義、引用により援用された文書中の定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を支配すると理解されるべきである。
【0047】
不定冠詞“a”及び“an”は、明細書及び特許請求の範囲において用いられるとき、明瞭に反対のことが示されるのでなければ、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0048】
「及び/又は」という語句は、本明細書及び特許請求の範囲において使用されるとき、そのように結合された要素の「いずれか又は両方」、すなわち、ある場合には結合して存在し、他の場合には非結合的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」と共に列挙された複数の要素は、同じ様式、すなわち、そのように結合された要素の「1つ又は複数」で解釈されるべきである。他の要素は、「及び/又は」の節により具体的に識別される要素以外に、具体的に識別される要素に関連するか否かを問わず、任意に存在してもよい。
【0049】
本明細書及び特許請求の範囲において使用されるとき、「又は」は、上記の「及び/又は」と同一の意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト中の項目を分離する場合、「又は」又は「及び/又は」は、包括的である、すなわち、いくつかの要素又は要素のリストのうちの少なくとも1つを含むが、それらのうちの複数の要素を含む、及び、オプションで、追加のリストに挙げられていない項目を包含すると解釈される。それとは反対に「のうちの1つのみ」又は「のうちの正確に1つ」のなど用語、又は、請求項中で使用される場合、「からなる」などの明確に示された用語のみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの正確に1つの要素の包含を示す。一般的に、用語「又は」は、本明細書において使用されるとき、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの唯一」、又は「のうちの正確に1つ」などの排他的条件が先行する場合、排他的な代替手段を示す(すなわち、一方又は他方だが両方ではない)ものとしてのみ解釈されるものとする。
【0050】
本明細書及び特許請求の範囲において使用されるとき、「少なくとも1つ」という語句は、1つ又は複数の要素のリストを参照して、要素のリスト中の要素の任意の1つ又は複数から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、必ずしも要素のリスト中に具体的に列挙された各要素及び全ての要素の少なくとも1つを含まず、要素のリスト中の要素の任意の組み合わせを排除しない。この定義はまた、具体的に特定された要素に関連するか否かを問わず、句「少なくとも1つ」が言及する要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素がオプションで存在し得ることを可能にする。
【0051】
また、明瞭に反対のことが示されているのでなければ、1を超えるステップ又は行為を含む本明細書中において請求項に記載されたいずれの方法においても、該方法のステップ又は行為の順番は、該方法のステップ又は行為が引用される順番に必ずしも限定されないのも理解されるべきである。
【0052】
特許請求の範囲において、また上記明細書においても、「有する」、「含む」、「担持する」、「収容する」、「含む」、「保持する」、「構成される」などのすべての移行句は、オープンエンドである、すなわち、含むが限定されるものではないと理解されるべきである。「からなる」及び「本質的にからなる」という移行句のみが、それぞれ、クローズドの又はセミクローズドの移行句でなければならない。
【0053】
いくつかの発明的実施形態を記載し、ここに説明してきたが、当業者であれば、機能を実施し、及び/又は結果及び/又は本明細書中で記載された利点の1つ又は複数を得るために、種々の他の手段及び/又は構造を容易に考え付き、そのような変形及び/又は修正の各々は、本明細書中で記載された発明的実施形態の範囲内にあるとみなされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書中で記載された全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例示的であることを意図し、及び現実のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、発明の教示が用いられる具体的な適用に依存するであろうことは容易に認識するであろう。当業者であれば、ルーチン的実験を超えないものを用いて、本明細書中で記載された具体的な発明的実施形態に対する多くの均等物を認識し、又はそれを確認することができよう。従って、これまでの実施形態は例示としてのみ提示され、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、発明的実施形態は、具体的に記載され、及び請求項に記載されるものとは異なるように実施することができると理解されるべきである。本開示の発明的実施形態は、本明細書中で記載された各個々の特徴、システム、製品、材料、キット及び/又は方法に向けられる。加えて、2以上のそのような特徴、システム、製品、材料、キット、及び/又は方法のいずれの組合せも、もしそのような特徴、システム、製品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しないならば、本開示の発明的範囲内に含まれる。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8