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特許7384863信号発生装置とそのフロアノイズ低減方法
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  • 特許-信号発生装置とそのフロアノイズ低減方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】信号発生装置とそのフロアノイズ低減方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/29 20150101AFI20231114BHJP
【FI】
H04B17/29
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021112989
(22)【出願日】2021-07-07
(65)【公開番号】P2023009581
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶 一徹
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝典
(72)【発明者】
【氏名】堀内 佳世子
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-199790(JP,A)
【文献】特開2005-286778(JP,A)
【文献】特開2000-022496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 17/00 - 17/40
H03H 7/01 - 7/13
H03H 11/04 - 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数帯域の信号を生成する信号発生器(31)と、
前記信号発生器の生成した信号から、前記所定の周波数帯域より低い第1周波数以下の周波数の信号を除去するハイパスフィルタ(32)と、
前記ハイパスフィルタの出力する信号から、前記所定の周波数帯域以外の信号を除去する可変バンドパスフィルタ(33)と、
前記可変バンドパスフィルタによりフィルタした信号を複数に分配するスプリッタ(34)と、
前記スプリッタにより分配されたそれぞれの信号から、前記所定の周波数帯域より高い第2周波数以上の周波数の信号を除去する複数のローパスフィルタ(37、38)と、を備える信号発生装置。
【請求項2】
所定の周波数帯域の信号を生成する信号発生器(31)と、
前記信号発生器の生成した信号から、前記所定の周波数帯域以外の信号を除去する可変バンドパスフィルタ(33)と、
前記可変バンドパスフィルタの出力する信号から、前記所定の周波数帯域より低い第1周波数以下の周波数の信号を除去するハイパスフィルタ(32)と、
前記ハイパスフィルタによりフィルタした信号を複数に分配するスプリッタ(34)と、
前記スプリッタにより分配されたそれぞれの信号から、前記所定の周波数帯域より高い第2周波数以上の周波数の信号を除去する複数のローパスフィルタ(37、38)と、を備える信号発生装置。
【請求項3】
前記スプリッタにより分配された信号それぞれのレベルを調整する複数のアンプ(35、36)を備える請求項1または請求項2に記載の信号発生装置。
【請求項4】
所定の周波数帯域の信号を生成する信号発生器(31)を備える信号発生装置のフロアノイズ低減方法であって、
前記信号発生器の生成した信号から、前記所定の周波数帯域より低い第1周波数以下の周波数の信号を除去するステップと、
前記第1周波数以下の周波数の信号が除去された信号から、前記所定の周波数帯域以外の信号を除去するステップと、
前記所定の周波数帯域以外の信号が除去された信号を複数に分配するステップと、
前記複数に分配されたそれぞれの信号から、前記所定の周波数帯域より高い第2周波数以上の周波数の信号をそれぞれ除去するステップと、を備えるフロアノイズ低減方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の周波数帯のCW(Continuous Wave)及び変調波を生成する信号発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所望の周波数帯のCW及び変調波を生成する信号発生装置として、例えば、任意信号発生器で生成された中間周波数信号をミキサなどで周波数変換し、所望の周波数帯のCW及び変調波を生成する信号発生装置が知られている。
【0003】
このような信号発生装置は、例えば、移動体通信端末の試験を行なう移動端末試験装置などに組み込まれ、試験用の信号を生成して、出力するようになっている。
【0004】
移動体通信端末の試験の中には、移動体通信端末が3GPP(3rd Generation Partnership Project)の規格に準じているかを確認するコンフォーマンステストなどがある。
【0005】
コンフォーマンステストには、試験用のアップリンク及びダウンリンク信号に対して妨害波を重畳させて通信安定性を試験するものがある。このような妨害波を生成するために信号発生装置が用いられる。
【0006】
特許文献1には、アンテナを接続するための複数のアンテナ接続端子を有し、該複数のアンテナ接続端子に接続された複数のアンテナを用いて基地局との間で無線通信を行なう移動体端末の動作試験を、複数のアンテナ接続端子に信号送受信用のケーブルを接続した状態で行なう移動体端末試験装置において、移動体端末の試験に必要なダウンリンク信号を生成出力するとともに、移動体端末のアンテナ接続端子から出力されるアップリンク信号から、無線通信に必要な基本波成分をフィルタ処理により除去して、不要波成分のみを抽出し、ダウンリンク信号に加算合成して、移動体端末が出力するアップリンク信号に含まれる高調波や相互変調波等の移動体端末と基地局との間の通信を妨害する信号をダウンリンク信号に加算することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-163482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
信号発生装置で発生させる妨害波の出力は、アップリンク信号及びダウンリンク信号に直接影響を及ぼすものであってはならないので、アップリンク信号及びダウンリンク信号に対し、信号発生器から出力された妨害波信号をそのまま重畳させると、信号発生器由来のフロアノイズによって、アップリンク信号及びダウンリンク信号が妨害されてしまうという問題があった。
【0009】
そこで、従来では、フロアノイズ軽減のため、信号発生器の出力を、アップリンク信号及びダウンリンク信号の周波数帯の信号を除去するBRF(Band Rejection Filter)に通し、移動体通信端末まで妨害波を出力していた。
【0010】
しかしながら、第5世代移動通信システム(以下、「5G」ともいう)の試験では、周波数帯域幅が100MHzなどの広いチャネル幅の通信が要求されるようになり、従来のBRFでは、そのような広い周波数帯域の信号を除去することができない。
【0011】
そこで、本発明は、広い周波数帯域のフロアノイズを低減させることができる信号発生装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の信号発生装置は、所定の周波数帯域の信号を生成する信号発生器と、前記信号発生器の生成した信号から、前記所定の周波数帯域より低い第1周波数以下の周波数の信号を除去するハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタの出力する信号から、前記所定の周波数帯域以外の信号を除去する可変バンドパスフィルタと、前記可変バンドパスフィルタによりフィルタした信号を複数に分配するスプリッタと、前記スプリッタにより分配されたそれぞれの信号から、前記所定の周波数帯域より高い第2周波数以上の周波数の信号を除去する複数のローパスフィルタと、を備えるものである。
【0013】
この構成により、信号発生器の生成した信号から、所定の周波数帯域より低い第1周波数以下の周波数の信号が除去され、所定の周波数帯域以外の信号が除去され、所定の周波数帯域より高い第2周波数以上の周波数の信号が除去される。このため、広い周波数帯域のフロアノイズを低減させることができる。
【0014】
本発明の信号発生装置は、所定の周波数帯域の信号を生成する信号発生器と、前記信号発生器の生成した信号から、前記所定の周波数帯域以外の信号を除去する可変バンドパスフィルタと、前記可変バンドパスフィルタの出力する信号から、前記所定の周波数帯域より低い第1周波数以下の周波数の信号を除去するハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタによりフィルタした信号を複数に分配するスプリッタと、前記スプリッタにより分配されたそれぞれの信号から、前記所定の周波数帯域より高い第2周波数以上の周波数の信号を除去する複数のローパスフィルタと、を備えるものである。
【0015】
この構成により、信号発生器の生成した信号から、所定の周波数帯域以外の信号が除去され、所定の周波数帯域より低い第1周波数以下の周波数の信号が除去され、所定の周波数帯域より高い第2周波数以上の周波数の信号が除去される。このため、広い周波数帯域のフロアノイズを低減させることができる。
【0018】
また、本発明の信号発生装置において、前記スプリッタにより分配された信号それぞれのレベルを調整する複数のアンプを備えるものである。
【0019】
この構成により、可変バンドパスフィルタ及びハイパスフィルタによりフィルタされた信号が複数に分配され、分配されたそれぞれの信号がレベル調整され、複数のローパスフィルタでフィルタされる。このため、複数に分配された信号において、レベルを調整しながら、広い周波数帯域のフロアノイズを低減させることができる。
【0020】
また、本発明の信号発生装置のフロアノイズ低減方法は、所定の周波数帯域の信号を生成する信号発生器を備える信号発生装置のフロアノイズ低減方法であって、前記信号発生器の生成した信号から、前記所定の周波数帯域より低い第1周波数以下の周波数の信号を除去するステップと、前記第1周波数以下の周波数の信号が除去された信号から、前記所定の周波数帯域以外の信号を除去するステップと、前記所定の周波数帯域以外の信号が除去された信号を複数に分配するステップと、前記複数に分配されたそれぞれの信号から、前記所定の周波数帯域より高い第2周波数以上の周波数の信号をそれぞれ除去するステップと、を備えるものである。
【0021】
この構成により、信号発生器の生成した信号から、所定の周波数帯域より低い第1周波数以下の周波数の信号が除去され、所定の周波数帯域以外の信号が除去され、所定の周波数帯域より高い第2周波数以上の周波数の信号が除去される。このため、広い周波数帯域のフロアノイズを低減させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、広い周波数帯域のフロアノイズを低減させることができる信号発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る移動端末試験装置のブロック図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る移動端末試験装置の信号発生装置のブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る移動端末試験装置の処理方式によるフィルタのかけ方を説明する周波数のスペクトラムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る信号発生装置について詳細に説明する。
【0025】
図1において、本発明の一実施形態に係る信号発生装置を搭載した移動端末試験装置1は、送受信部11と、アンテナ信号生成部12と、操作部19と、表示部20と、制御部21と、信号発生装置30と、を含んで構成される。
【0026】
この移動端末試験装置1は、基地局との間で二つの異なる周波数帯B1、B2を用いて送受信を行なうキャリアアグリゲーション等の通信方式に対応した移動端末2を試験対象とするものであり、最も簡易な構成例として、移動端末2には、周波数帯B1の信号を送受信するアンテナを接続するためのアンテナ接続端子2aと周波数帯B2の信号を送受信するアンテナを接続するためのアンテナ接続端子2bが設けられているものとする。
【0027】
また、ここでは、二つの周波数帯について送受信兼用の2種類のアンテナ用いる移動端末2を試験対象としているが、一つの周波数帯のみを使用し、送受信兼用、受信専用、送信専用等を含めて複数のアンテナを用いる方式であってもよい。
【0028】
送受信部11は、移動端末2の試験に必要な二つの異なる周波数帯B1、B2のダウンリンク信号DL1、DL2を生成出力するとともに、移動端末2の二つのアンテナ接続端子2a、2bから出力されるアップリンク信号ULl、UL2を受けて受信復調する。
【0029】
アンテナ信号生成部12は、送受信部11から出力されるダウンリンク信号DL1、DL2を移動端末2の二つのアンテナ接続端子2a、アンテナ接続端子2bに与えるとともに、移動端末2の二つのアンテナ接続端子2a、アンテナ接続端子2bから出力されるアップリンク信号ULl、UL2を送受信部11に入力させる。
【0030】
また、アンテナ信号生成部12は、送受信部11から出力されるダウンリンク信号DL1、DL2に、信号発生装置30から出力される妨害波信号を加算して移動端末2の二つのアンテナ接続端子2a、アンテナ接続端子2bに与える。
【0031】
アンテナ信号生成部12は、ダウンリンク信号DL1、DL2を分配器13、分配器14によりそれぞれ移動端末2のアンテナ接続端子数(この場合2)に分け、その分けたダウンリンク信号(DL1a、DL1b)、(DL2a、DL2b)から一つずつ選んで組合せたダウンリンク信号の組(DL1a,DL2b)、(DL1b,DL2a)を合成器15、合成器16により加算し、移動端末2の各アンテナ接続端子2a、2bが受信する信号を生成する。
【0032】
合成器15、合成器16は、ダウンリンク信号合成機能の他に、信号発生装置30から出力される妨害波信号を、ダウンリンク信号に加算合成する機能も有している。
【0033】
合成器15、合成器16から出力される合成信号DLA、DLBは、サーキュレータ17、サーキュレータ18、信号端子1a、信号端子1b及びケーブルCa、ケーブルCbを介して移動端末2のアンテナ接続端子2a、アンテナ接続端子2bにそれぞれ入力される。
【0034】
一方、移動端末2のアンテナ接続端子2a、アンテナ接続端子2bから出力されるアップリンク信号UL1、UL2は、ケーブルCa、ケーブルCb、信号端子1a、信号端子1b及びサーキュレータ17、サーキュレータ18を介して、送受信部11に入力される。
【0035】
操作部19は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力機器で構成され、操作入力された各種パラメータや試験項目などを制御部21に出力する。表示部20は、液晶ディスプレイ等の画像表示機器で構成され、各種パラメータや試験項目などを入力させる画像や試験中の状態を示す画像、試験結果を示す画像などを表示する。
【0036】
送受信部11によるダウンリンク信号の出力およびアップリンク信号の受信復調は、制御部21によって制御される。制御部21は、操作部19の操作により予め指定された各種パラメータや試験項目にしたがって送受信部11を制御し、試験対象の移動端末2との間のリンク確立処理(呼接続処理)を行ない、各種試験を実行させ、その試験結果等を表示部20に表示させる。
【0037】
また、制御部21は、信号発生装置30を制御して、操作部19の操作により指定された妨害波信号を生成させ、送受信部11から出力されるダウンリンク信号DL1、DL2に加算合成させて、移動端末2に出力させる。
【0038】
図2に示すように、信号発生装置30は、信号発生器31と、ハイパスフィルタとしてのハイパスフィルタバンク32と、可変バンドパスフィルタとしてのYTF(Yttrium Iron Garnet Tuned Filter)33と、スプリッタ34と、アンプ35と、アンプ36と、ローパスフィルタとしてのローパスフィルタバンク37と、ローパスフィルタとしてのローパスフィルタバンク38と、を含んで構成される。
【0039】
信号発生器31は、中間周波数信号を生成し、周波数変換して所望の周波数帯域のCW及び変調波を生成して妨害波として出力する。
【0040】
ハイパスフィルタバンク32は、信号発生器31で生成した妨害波の信号の周波数帯域より低い周波数である第1周波数以下の信号を除去することでサブハーモニクスを除去する。ハイパスフィルタバンク32は、例えば、複数のハイパスフィルタを、スイッチで切り替えて所望の周波数以下の信号を除去する。
【0041】
信号発生器31で生成する妨害波の信号の周波数帯域を変更した際には、ハイパスフィルタバンク32は、例えば、複数のハイパスフィルタを、その変更に応じてスイッチで切り替えて所望の周波数以下の信号を除去する。
【0042】
YTF33は、ハイパスフィルタバンク32の出力する信号の妨害波の周波数帯域以外の信号を除去することで、妨害波以外の周波数帯域のフロアノイズを除去する。YTF33は、除去せず通過させる信号の周波数帯域を変更することができる。
【0043】
信号発生器31で生成する妨害波の信号の周波数帯域を変更した際には、その変更に応じてYTF33の除去せず通過させる信号の周波数帯域を変更する。
【0044】
スプリッタ34は、YTF33の出力する信号をアンテナ接続端子数(この場合2)に分配する。
【0045】
アンプ35及びアンプ36は、スプリッタ34で分配された信号のレベルをそれぞれ調整する。
【0046】
ローパスフィルタバンク37及びローパスフィルタバンク38は、アンプ35及びアンプ36の出力する信号の妨害波の周波数帯域より高い周波数である第2周波数以上の信号を除去することで高調波を除去する。ローパスフィルタバンク37及びローパスフィルタバンク38は、例えば、複数のローパスフィルタを、スイッチで切り替えて所望の周波数以上の信号を除去する。
【0047】
信号発生器31で生成する妨害波の信号の周波数帯域を変更した際には、ローパスフィルタバンク37及びローパスフィルタバンク38は、例えば、複数のローパスフィルタを、その変更に応じてスイッチで切り替えて所望の周波数以上の信号を除去する。
【0048】
以上のように構成された本実施形態に係る信号発生装置30は、図3に示すように、図中Bで示す妨害波の周波数帯域のみを通過させ、それ以外の周波数帯域の信号を除去した図中Cで示すようなスペクトラムの信号を妨害波信号として出力するため、図中Aで示す試験信号であるダウンリンク信号の周波数帯域のフロアノイズを除去することができる。
【0049】
このように、上述の実施形態では、信号発生器31で生成した信号の妨害波の周波数帯域のみを通過させ、それ以外の周波数帯域の信号を除去しているため、試験対象のダウンリンク信号の周波数帯域のフロアノイズを除去する方法に比べ、広い周波数帯域のフロアノイズを低減させることができる。
【0050】
また、YTF33の出力する信号をアンテナ接続端子数に分配しているため、高価なYTF33の使用数を抑えることができ、コストを低減させることができる。
【0051】
また、固定フィルタが無いため、妨害波の周波数帯域に大幅な変更が無ければ、汎用的な妨害波の出力が可能となり、コスト低減、汎用性向上、測定時間短縮を計ることができる。
【0052】
また、試験対象のダウンリンク信号の周波数帯域が追加されてもハードウェアの変更が不要であり、ハードウェア追加や調整の必要が無く、容易に試験対象のダウンリンク信号の周波数帯域の追加に対応することができる。
【0053】
また、フロアノイズはYTF33で除去し、高調波はローパスフィルタバンク37で除去し、サブハーモニクスはハイパスフィルタバンク32で除去しているため、従来のようにフロアノイズと高調波を急峻なBRFで一気に除去する方式よりもフィルタが急峻である必要が無いので、フィルタ自体の要求性能を下げることができ、歩留まり向上、コストダウンを計ることができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、ハイパスフィルタバンク32でフィルタした信号を、YTF33でフィルタしたが、YTF33でフィルタした信号を、ハイパスフィルタバンク32でフィルタするようにしてもよい。また、ハイパスフィルタバンク32、YTF33、ローパスフィルタバンク37はそれぞれ、経由せず接続(スルー)した状態で使用できるような構成としてもよい。
【0055】
また、信号発生装置30に検波器を設けて、YTF33の調整をするようにすれば、YTF33の調整にかかる時間を短縮させることができる。
【0056】
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0057】
1 移動端末試験装置
30 信号発生装置
31 信号発生器
32 ハイパスフィルタバンク(ハイパスフィルタ)
33 YTF(可変バンドパスフィルタ)
34 スプリッタ
35、36 アンプ
37、38 ローパスフィルタバンク(ローパスフィルタ)
図1
図2
図3