(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】フローサイトメトリー調査のための流体サンプルの最適化された希釈のためのデータ分析を伴うフローサイトメトリー
(51)【国際特許分類】
G01N 15/14 20060101AFI20231114BHJP
【FI】
G01N15/14 A
(21)【出願番号】P 2021517833
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(86)【国際出願番号】 US2020013549
(87)【国際公開番号】W WO2020154135
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2023-01-13
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520431409
【氏名又は名称】ザルトリウス バイオアナリティカル インストゥルメンツ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ゲイツ、タイラー
(72)【発明者】
【氏名】スティーフェンズ、ジェフリー
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107063976(CN,A)
【文献】特開2018-205046(JP,A)
【文献】特開平04-324341(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0195268(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0101318(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローサイトメトリー調査ゾーンを通して流体サンプルを流し
、各流体サンプル中の対象粒子の定量化指標を含むフローサイトメトリー結果を決定及び出力するように動作可能なフローサイトメーターを使用して、対象サンプル流体ストック中の特定の粒子属性を有する対象粒子を定量化するためのフローサイトメトリー方法であって、
前記方法は、
複数の希釈係数で希釈されたスクリーニングサンプル流体ストックの希釈系列を含むスクリーニング対象流体サンプルのスクリーニング対象セットを第1のフローサイトメトリー評価に供すること
、及び
前記スクリーニング対象セットのフローサイトメトリー結果を、コンピュータメモリであって、プロセッサによってアクセス可能かつ実行可能なスクリーニングアッセイモジュール、及び
前記プロセッサによってアクセス可能かつ実行可能な力価アッセイモジュール
を格納したメモリに保存するこ
と;
前記プロセッサにより
前記スクリーニングアッセイモジュールを実行すること
であって、前記スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、
前記スクリーニング対象流体サンプルの少なくとも複数の部分のそれぞれについて、補正された定量化指標を計算することであって、
前記補正された定量化指標を計算することは、
前記メモリからの
前記スクリーニング対象セットの第1の選択されたフローサイトメトリー結果と、
前記メモリから選択されたスクリーニング対照セットの対応する第2の選択されたフローサイトメトリー結果
と比較
すること、及び、前記比較に少なくとも部分的に基づき、前記第1の選択されたフローサイトメトリー結果の前記定量化指標を前記補正された定量化指標に調整することを含み、
前記スクリーニング対照セットは、
前記スクリーニング対象セットに対応する少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルを含
むこと、及び
前記補正された定量化指標の分析に基づいて、
前記スクリーニン
グサンプル
流体ストックの最適化されたサンプル希釈係数範囲を決定し、
前記最適化されたサンプル希釈係数範囲を前記メモリに保存することを含む
こと;
最適化されたサンプル希釈係数範囲内の最適化されたサンプル希釈係数に希釈された
前記対象サンプル流体ストックをそれぞれ含む、最適化された対象流体サンプルの最適化された対象セットを第2のフローサイトメトリー評価に供すること
、及び
前記最適化された対象セットのフローサイトメトリー結果を前記メモリに保存するこ
と;及び
前記プロセッサを用いて
前記力価アッセイモジュールを実行するこ
と
を含み、
前記力価アッセイモジュールを実行することは、
前記メモリ内の
前記最適化された対象セットの
前記フローサイトメトリー結果にアクセスすること
、
前記最適化された対象セットの
前記フローサイトメトリー結果を使用して、
前記対象サンプル流体ストックの粒子力価結
果を計算すること
、及び
前記対象サンプル流体ストックの
前記粒子力価結果を
前記メモリに保存することを含む
、方法。
【請求項2】
ユーザ入力デバイスを有するグラフィカルユーザインターフェースのディスプレイに、
前記メモリに保存された
前記フローサイトメトリー結果に対応する結果リストを表示すること
、及び
前記グラフィカルユーザインターフェースの
前記ユーザ入力デバイスによってユーザから第1の力価選択を受け取ること
をさらに含み、
前記第1の力価選択は、
前記結果リストからユーザによって選択された
前記最適化された対象流体サンプルの
前記フローサイトメトリー結果を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルを含む
前記スクリーニング対照セットを第3のフローサイトメトリー評価に供すること
であって、
前記第3のフローサイトメトリー評価に供することは、
各前記スクリーニングブランク対照流体サンプルを、
前記フローサイトメーターの調査ゾーンを通して流し、
前記調査ゾーンにおいて、各前記スクリーニングブランク対照流体サンプルを調査用励起放射にさらすこと、及び
前記調査ゾーンからの応答放射を検出し、各前記スクリーニングブランク対照流体サンプルについて、
前記スクリーニングブランク対照流体サンプルの
前記対象粒子の前記定量化指標を含む前記フローサイトメトリー結果を生成することを含む
こと;
グラフィカルユーザインターフェースのユーザ入力デバイスによってユーザから第2のスクリーニング選択を受け取ること
であって、
前記第2のスクリーニング選択は、
前記グラフィカルユーザインターフェースに表示される結果リストからの
前記少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルの
前記フローサイトメトリー結果を含む
こと;及び
前記結果リストからユーザによって選択された
前記第2のスクリーニング
選択に基づいて、
前記少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルについての
前記第2の選択されたフローサイトメトリー結果を取得するために
前記メモリにアクセスすること
をさらに含む方法。
【請求項4】
前記力価アッセイモジュールを実行することは、
前記最適化された対象セット、及び
前記最適化された対象セットに対応する少なくとも1つの最適化されたブランク対照流体サンプルを含む最適化された対照セットの
前記フローサイトメトリー結果を使用して、
前記対象サンプル流体ストックの
前記粒子力価結果を計算することをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記力価アッセイモジュールを実行することは、
前記最適化された対照セットの
前記フローサイトメトリー結果に基づいて、
前記最適化された対象セットの
前記フローサイトメトリー結果のサンプル定量限界(SQL)を決定すること、及び
前記最適化された対象セットのいずれかの
前記フローサイトメトリー結果が
前記SQLを超えない場合に、SQL通知の表示をグラフィカルユーザインターフェースに提供すること
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、
前記スクリーニング
対象セットの
前記第
1の選択されたフローサイトメトリー結果の各前記定量化指標が、
前記スクリーニング対照セットの
前記第
2の選択されたフローサイトメトリー結果の対応する前記定量化指標よりも大きくな
る条件があるかどうか
を決定すること、及び
そのよう
な条件がないと決定されたときに、定量化補正通知の表示
を提供すること
をさらに含む、請求項1~
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記スクリーニングアッセイモジュール
の実行
において、
前記最適化されたサンプル希釈係数を決定することは、複数の希釈係数に対する
前記補正された定量化指標の適合度を計算することをさらに含み、
前記第1の選択されたフローサイトメトリー結果の
前記スクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分は、前記複数の希釈係数を表す、請求項1~
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、
1つ以上の希釈品質パラメータに対する
前記適合度を比較すること、及び
前記スクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分の
前記適合度が許容可能な希釈品質パラメータに合致しない場合、適合度通知の表示を提供することをさらに含み、
前記最適化されたサンプル希釈係
数範囲は、
前記適合度が許容可能な希釈品質パラメータに合致した後に決定される、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記最適化されたサンプル希釈係数範囲が、最適化された希釈係数の上限と最適化された希釈係数の下限との間に定義され、
前記最適化された希釈係数の上限が、最適化された下限性能濃度限界に対応する
前記適合
度の希釈値に対応し、
前記最適化された希釈係数の下限が、最適化された上限性能濃度限界に対応する
前記適合
度の希釈値に対応する、請求項
7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、
前記最適化されたサンプル希釈係数範囲の表示
をユーザに提供することをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記粒子力価結果は、前記対象サンプル流体ストック中の前記対象粒子の計算された濃度を含み、
前記力価アッセイモジュールを実行することは、
前記粒子力価結果に関する1つ以上の力価パラメータを計算することをさらに含み、
前記1つ以上の力価パラメータは、複数の前記最適化された対象流体サンプルに対応する複数の前記濃度の標準偏差を含み、
前記1つ
以上の力価パラメータは、複数の前記最適化された対象流体サンプルに対応する複数の前記濃度の変動係数を含み、
前記力価アッセイモジュールを実行することは、前記力価パラメータが対応する許容可能な力価パラメータ値の範囲外であると決定された場合に、グラフィカルユーザインターフェース上に力価通知の表示を提供することをさらに含む、請求項1~
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
対象サンプル流体ストック中の粒子を定量化するためのフローサイトメトリーシステムであって、
フローサイトメトリー調査ゾーンに流体サンプルを流し
、各前記流体サンプルにおける特定の粒子属性を有する対象粒子の定量化指標を含むフローサイトメトリー結果を決定及び出力するように動作可能なフローサイトメーター;
フローサイトメトリー結果を受け取り、保存するためのメモリであって、複数のスクリーニング対象流体サンプルのスクリーニング対象セットのそれぞれについての前記フローサイトメトリー結果を含み、各前記スクリーニング対象流体サンプルは、
前記対象粒子のフローサイトメトリー評価のためのスクリーニングサンプル流体ストック、及び、複数の希釈係数で希釈された一連の
前記スクリーニングサンプル流体ストックを含む複数のスクリーニング対象流体サンプルを含む
、前記メモリ;
前記メモリに記憶された
前記フローサイトメトリー結果に対応する結果リストをユーザに提示するためのディスプレイと、
前記結果リストからの
前記フローサイトメトリー結果の選択をユーザから受け取るためのユーザ入力デバイスとを含むグラフィカルユーザインターフェース;
プロセッサを以下のように構成するために
前記プロセッサによって実行可能なスクリーニングアッセイモジュール:
前記メモリにアクセスして、
前記結果リストからユーザが選択した第1のスクリーニング選択に基づいて
前記スクリーニング対象セットの
前記フローサイトメトリー結果を取得し、
複数の希釈係数を表す
前記第1のスクリーニング選択の
前記スクリーニング対象流体サンプルの少なくとも複数の部分
について、前記対象粒子の補正された定量化指標を計算し、
前記複数の希釈係数に
対する
前記補正された定量化指標の適合度を計算し、
前記補正された定量化指標の
前記適合度の分析に基づいて、フローサイトメータ
ーを使用
する前記スクリーニングサンプル流体ストックのフローサイトメトリー調査用に最適化されたサンプル希釈係数範囲を決定し、
前記最適化されたサンプル希釈係数範囲の表示を
前記グラフィカルユーザインターフェースの
前記ディスプレイに提示する;
ここで、
前記メモリは、
前記特定の粒子属性を有する
前記対象粒子のフローサイトメトリー評価のための対象サンプル流体ストックをそれぞれ含む複数の最適化された対象流体サンプルの最適化された対象セットのそれぞれについて、前記フローサイトメトリー結果を受け取って保存するようにさらに機能し、
前記最適化された対象セットの
前記複数の最適化された対象流体サンプルは、
前記最適化されたサンプル希釈係数範囲内に希釈された
前記対象サンプル流体ストックの希釈係数を含む;
前記プロセッサを以下のように構成するために
前記プロセッサによって実行可能な力価アッセイモジュール:
前記メモリにアクセスして、
前記結果リストからユーザが選択した第1の力価選択に基づいて
前記最適化された対象セットの
前記フローサイトメトリー結果を取得し、
前記第1の力価選択の
前記最適化された対象セットの
前記フローサイトメトリー結果に基づいて
前記対象サンプル流体ストックの粒子力価結果を決定し、
前記グラフィカルユーザインターフェースの
前記ディスプレイに
前記粒子力価結果を提供する;
を含むフローサイトメトリーシステム。
【請求項13】
前記フローサイトメトリー結果
は、前記スクリーニング対象セットに対応する少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルを有するスクリーニング対照セットのそれぞれについての前記フローサイトメトリー結果を含
み;
前記スクリーニングアッセイモジュールは、プロセッサを
さらに以下のように構成するために
前記プロセッサによって実行可能
であり:
前記メモリにアクセスして、
前記結果リストからユー
ザが選択した第2のスクリーニング選択に基づいて
前記スクリーニング対照セットの
前記フローサイトメトリー結果を取得し、
前記第2のスクリーニング選択が、
前記第1のスクリーニング選択の
前記複数のスクリーニング対象流体サンプルのそれぞれに対応する前記スクリーニングブランク対照流体サンプルの前記フローサイトメトリー結果を含むこと、及び、
前記第1のスクリーニング選択の各前記スクリーニング対象流体サンプルの
前記対象粒子の
前記定量化指標が、
前記第2のスクリーニング選択の
前記スクリーニング対照セットの
前記対象粒子の対応する前記定量化指標よりも大きいかどうかを確認し、
前記第2のスクリーニング選択の
前記スクリーニング対照セットの
前記対象粒子の対応する前記定量化指標よりも大きい
前記対象粒子の前記定量化指標を有することが確認された複数の希釈係数を表す
前記第1のスクリーニング選択の
前記スクリーニング対象流体サンプルの少なくとも複数の部分
について、前記対象粒子の
前記補正された定量化指標を計算し、
1つ以上の許容可能な希釈品質パラメータに対して適合度を比較し、
前記1つ以上の許容可能な希釈品質パラメータを有する、
前記第1のスクリーニング選択の
前記スクリーニング対象流体サンプルの識別された前記複数の部分に基づいて、フローサイトメータ
ーを使用
する前記スクリーニングサンプル流体ストックのフローサイトメトリー調査用に
前記最適化されたサンプル希釈係数範囲を決
定する;
ここで、
前記メモリは、
前記最適化された対象セットに対応する少なくとも1つの最適化されたブランク対照流体サンプルを有する最適化された対照セットの前記フローサイトメトリー結果を受け取って保存するようにさらに機能
し;
前記力価アッセイモジュールは、前記プロセッサを
さらに以下のように構成するために
前記プロセッサによって実行可能
である:
前記メモリにアクセスして、
前記結果リストからユー
ザが選択した第2の力価選択に基づいて
前記最適化された対照セットの
前記フローサイトメトリー結果を取得し、
前記第1の力価選択の
前記最適化された対象セット及び
前記第2の力価選択の
前記最適化された対照セットの
前記フローサイトメトリー結果に基づいて
前記対象サンプル流体ストックの
前記粒子力価結果を決
定する;
請求項12に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項14】
前記力価アッセイモジュールがさらに、
前記粒子力価結果に関する1つ以上の力価パラメータを計算し、
前記グラフィカルユーザインターフェースの
前記ディスプレイに
前記1つ以上の力価パラメータを提供し、
前記1つ以上の力価パラメータが対応する許容可能な力価パラメータの範囲外である場合、力価通知の表示を提供する
ように機能する、請求項
13に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項15】
前記力価アッセイモジュールがさらに、
前記第2の力価選択の前記最適化された対照セットの
前記フローサイトメトリー結果に基づいて、
前記第1の力価選択の
前記最適化された対象セットの
前記フローサイトメトリー結果のサンプル定量限界(SQL)を決定し、
前記最適化された対象セットのいずれかの
前記フローサイトメトリー結果が
前記SQLを超えない場合は、SQL通知の表示を提供する
ように機能する、請求項
13又は
14に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項16】
前記スクリーニングアッセイモジュールがさらに、
前記第1のスクリーニング選択の
前記スクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分の適合度が、前記許容可能な希釈品質パラメータに合致する希釈品質パラメータを有する前記適合度を提供しない場合、適合度通知の表示を提供するように機能する、請求項
13~
15のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【請求項17】
前記力価アッセイモジュールはさらに、
前記第1の力価選択の
前記最適化された対象流体サンプルの
前記フローサイトメトリー結果が、
前記最適化されたサンプル希釈係数範囲内の許容可能な希釈係数を含むことを確認し、
前記第1の力価選択の
前記最適化された対象流体サンプルの
前記フローサイトメトリー結果のいずれか1つが前記許容可能な希釈係数を含まない場合、
前記グラフィカルユーザインターフェースの
前記ディスプレ
イに力価希釈通知の表示を提供する
ように機能する、請求項
13~
16のいずれか一項に記載のフローサイトメトリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フローサイトメトリー結果のデータ分析のためのシステム及び方法を含む、フローサイトメトリーに関する。
【背景技術】
【0002】
フローサイトメトリーは、生物学的又は非生物学的粒子がサンプル流体中で調査セル(一般にフローセルと呼ばれる)の調査ゾーンを通って流れるときに、その生物学的又は非生物学的粒子の物理的及び/又は化学的特性を測定するために多くの用途で使用される分析技術である。フローセルを通る流れは、励起放射、例えば、電気、音響、及び/又は光信号を含む放射に流れをさらすこと、及び応答を測定し分析して、サンプル流体中の粒子を検出及び評価することを含む、様々な技術によって調査ゾーンで調査することができる。サンプル流体を様々な刺激にさらすことによってサンプル流体を調査することができるが、サンプルを光にさらすことが、一般的な刺激手法の1つである。フローセルから出る散乱光又は蛍光発光を検出及び分析して、サンプル流体に存在する粒子の特性に関する情報を提供することができる。光刺激及び光検出技術は、特定の種類の粒子の存在を示す特定の特性の同定に合わせて調整することができる。例えば、1つの手法は、対象とする特定の生物学的成分に関連する1つ以上の染色剤(染料とも呼ばれる)でサンプル流体を染色することである。染色は、大体特定の波長の蛍光発光を提供する蛍光活性を有し得、その検出は、その生物学的成分の存在の指標を提供する。
【0003】
フローサイトメトリーを実施するためのデバイスは、一般にフローサイトメーターと呼ばれる。フローサイトメーターは、特定の種類の粒子、例えば、特定の細胞、細菌、ウイルス、又はウイルス様粒子の検出を最適化するように設計されていることが多い。フローサイトメーターの堅牢性と長期間にわたる耐久性の複雑な問題は、フローサイトメーターがどちらかというと非常に感度の高い機器であり、機器のパフォーマンスに影響を与える多くの要因を非常に正確に制御する必要があることである。フローサイトメトリー結果の分析には、機器関連のエラー(最適なパフォーマンスのための光学素子の位置合わせなど)、化学関連のエラー(例えば、染料の混合、染料とサンプルとの結合効率など)、及び操作者に関連するエラーに由来するエラーが含まれる可能性がある。すると、これら3つの一般的なエラーの原因のいずれかが、ノイズ又はその他のエラーを引き起こし、所与のフローサイトメトリー調査についてフローサイトメトリー結果の正確度及び/又は精度を低下させる可能性がある。
【0004】
機器関連のエラーに関連して、フローサイトメーターは、非常に低い粒子濃度及び非常に高い粒子濃度のサンプル流体中の粒子の検出に関して、パフォーマンスの低下を経験する可能性がある。例えば、粒子濃度が非常に低いサンプル流体では、個々の粒子信号をバックグラウンド信号と区別するのが困難である。非常に高い粒子濃度では、粒子は凝集しやすくなり、一度に1個ずつではなく凝集体として調査ゾーンを通過する傾向が高まる。したがって、フローサイトメーターは、サンプル流体中の粒子の濃度に対して、許容可能な粒子の識別及びカウントの正確度を提供できるダイナミックレンジを有する。しかしながら、そのようなダイナミックレンジは、特定の種類の、及び特定の粒子属性を有する粒子を識別するための、所与の機器及び/又は特定のサンプル流体ストックの調査に固有であり得る。この点に関して、既知の機器性能特性のフローサイトメーターにおいてさえ、特定の流体媒体中の特定の粒子タイプに対する所与の調査のダイナミックレンジは、調査を開始する前に正確に知られていない場合がある。これらの問題は、個々のウイルス粒子(ビリオン)のサイズ範囲(数十ナノメートル程度のサイズ)などの非常に小さい粒子の定量化を目的としたフローサイトメトリー調査ではさらに顕著になる。粒子が小さいほど、バックグラウンド信号に対して粒子からの蛍光信号を区別することが難しくなり、粒子の識別及びゲーティングの目的での光散乱検出の適用性が低下する。蛍光染色を使用してウイルスサイズの粒子を検出及びカウントするように設計されたフローサイトメーターの一例は、Virus Counter(商標)3100フローサイトメーター(Sartorius Stedim Biotech)である。これは、フローセル調査ゾーンを通る流体サンプル流量が非常に遅い状態で動作し、タンパク質又は核酸内容物への非特異的結合のための非特異的蛍光発生染色、又は特異的結合部位(エピトープ)への結合のための蛍光抗体染色の使用を含む。
【0005】
機器のダイナミックレンジ外のサンプルによる正確度の潜在的な低下に対処し、上記の様々なエラーの原因に対処するために以前に提案された解決策には、複数の異なる希釈率のそれぞれで、広い範囲の希釈率にわたり、調査するサンプル流体ストックの複数のサンプル複製のフローサイトメトリー調査を実施することが含まれる。この手法は、ウイルス粒子のサイズ範囲の粒子を定量化するためのフローサイトメトリー評価に特に適用できる。各希釈レベルでサンプル内の一貫性を評価するには、各希釈率で複数のサンプル複製を行うことが重要である。複数の異なる希釈率でのサンプリングは、調査に使うフローサイトメトリー機器のダイナミックレンジ内にある可能性が高い粒子濃度範囲に及ぶようにするのに重要である。すると、所与のサンプルストックの幅広い希釈係数にわたる複数のサンプル複製からのフローサイトメトリー結果は、実施しなければならないフローサイトメトリー調査の数を非常に多くする。また、このアプローチでは、対応する大量のデータセットが生成される。サンプル流体ストック中の粒子の濃度を決定するなど、サンプル流体ストックに関連する結果を提供するために、統計的アプローチがこのデータに適用され得る。大量のデータセットに対するこのような統計的アプローチでは、処理能力や時間の増加が必要になり得る。例えば、調査するサンプル流体ストックに対して、10、100、1000、及び10,000の希釈係数で3つの流体サンプルの複製が調製され得る。これは、12個の流体サンプルの調製及びそのフローサイトメトリーをもたらし、その後、単一のサンプル流体ストックの合理的な評価を確保するため、すべての流体サンプルのフローサイトメトリー結果のデータ分析とコンピュータ保存をもたらす。理解できるように、そのような処理はかなりの時間と費用を必要とする。さらに、そのようなプロセスは、広範囲の希釈係数にわたって複数のサンプル複製の調製を可能にするために、比較的大量のサンプル流体ストックを必要とすることが多い。さらに、このアプローチは、必要とする多くのフローサイトメトリー調査にわたって条件が変動する可能性があるため、エラーが増加する機会ももたらす。すると、結果の正確度及び/又は精度が悪影響を受ける可能性がある。さらに、そのようなデータ分析は、フローサイトメトリー機器とは別の処理環境で主に実行されているため、データ処理技術の標準化された又は一貫したアプリケーションは、そのような結果には適用されない。むしろ、フローサイトメーターの個々の操作者は、それぞれがデータを独自に処理する可能性があり、したがって、処理に操作者関連のエラーを導入するさらなる機会を提示する。
【発明の概要】
【0006】
上記に鑑み、本開示は、概して、フローサイトメーターによる対象サンプル流体ストックの調査の改善された精度及び/又は正確度を提供するフローサイトメトリー結果のデータ分析を提供するフローサイトメトリー方法及びフローサイトメトリーシステムに関する。具体的には、本開示は、概して、対象サンプル流体ストックのフローサイトメトリー調査のための最適化された希釈係数範囲を効率的に決定することができるフローサイトメトリー方法及びフローサイトメトリーシステムに関する。また、対象サンプル流体ストックの力価は、最適化された希釈係数範囲で最適化された対象流体サンプルを調査することによって実行され得る。本明細書に記載のアプローチは、フローサイトメトリー調査における機器関連のエラー、化学関連のエラー、及び操作者関連のエラーに関するエラーの低減を容易にし得る。したがって、より正確度及び精度の高いフローサイトメトリー調査が容易になり、よって、本明細書に記載のデータ分析アプローチを採用するフローサイトメトリーシステムの機能を改善することができる。
【0007】
概して、本開示は、スクリーニングアッセイモジュール及び力価アッセイモジュールを含むフローサイトメトリーシステムを含む。スクリーニングアッセイモジュールは、複数のスクリーニング対象流体サンプルからのフローサイトメトリー結果の分析に基づいて、フローサイトメトリーシステムのフローサイトメーターが最も正確である最適化された希釈係数範囲を決定するように機能する。スクリーニングアッセイモジュールは、最適化された希釈係数範囲の決定のためのフローサイトメトリー結果の処理に関連するオペレータガイダンス及び/又はデータ確認機能を提供することなどによって、最適化された希釈係数範囲を決定するためのデータ処理に関連する支援(例えば、自動化された支援)を提供し得る。本明細書で使用される場合、最適化された希釈係数の範囲は、希釈係数の上限及び下限内の1つ以上のサンプル希釈係数である。最適化された希釈係数の範囲は、上限値及び下限値を含むものであり、上限と下限が同じである状況、つまり、最適化されたサンプル希釈係数の範囲が単一の希釈係数の値として特定される状況を含むものである。
【0008】
次に、力価アッセイモジュールは、最適化された希釈係数範囲内に希釈された複数の最適化された対象流体サンプルからのフローサイトメトリー結果に基づいて、粒子力価結果(例えば、調査中のサンプル流体ストック中の粒子濃度)を決定し得る。力価アッセイモジュールも、対象サンプルストックの粒子力価結果を決定するために、最適化された希釈係数範囲にある最適化された対象流体サンプルを処理することに関連する支援(例えば、自動化された支援)を提供し得る。この場合も、力価アッセイモジュールによって提供される支援には、オペレータガイダンス及び/又はデータ確認機能が含まれ得る。
【0009】
本願で利用される場合、スクリーニングアッセイモジュール及び/又は力価アッセイモジュールの操作に関連する特定のプロセスは、所与のパラメータについて、そのパラメータが許容値に属するものとする確認を提供する。さらに、所与のパラメータが許容可能な値であることが見出されない場合、データ通知がユーザに提示され得る。以下の議論で理解され得るように、そのような通知は、ユーザに警告を提供して、ユーザが通知の原因を提供する所与のパラメータに基づいて計算又は決定を確認できるようにすることができる。特定の実施形態では、そのような通知は、通知を生成するパラメータ又は条件が対処されるまで、及び対処されない限り、モジュールのさらなる操作を妨げてもよい。この点に関して、そのようなデータ通知は、スクリーニングアッセイモジュール及び/又は力価アッセイモジュールの操作に関連するパラメータ又は条件に関して特定の確認又はチェックを提供し得る。本明細書に記載のデータのそのような確認又はチェックは、スクリーニングアッセイモジュール及び/又は力価アッセイモジュールの特定の操作に関連することを意図しており、スクリーニングアッセイモジュール及び/又は力価アッセイモジュールの処理に使用される根本的なフローサイトメトリー結果の正確度に関する確認又はチェックを反映するものではない。すなわち、パラメータ又は条件の受容性の機器確認を提供することにより、最適化された希釈係数範囲を決定する際に使用するためにユーザによって選択されたフローサイトメトリー結果に関連する場合でも、本明細書に提示される実施形態は、スクリーニングアッセイモジュール及び/又は力価アッセイモジュールに関連して使用されるフローサイトメトリー結果の絶対的正確度の定性的評価を提供することを意図するものではない。
【0010】
最適化された希釈係数範囲内に希釈される複数の最適化された対象流体サンプルのフローサイトメトリー調査を用いて最適化された希釈係数範囲を決定する前述のアプローチは、フローサイトメトリーシステムの操作に関して多くの特定の技術的利点を提供し得る。特に、上記のように最適化された希釈係数範囲を決定することにより、より効率的なシステム、及び結果として生じるプロセスが様々な方法で促進される。最初に、複数のスクリーニング対象流体サンプルのフローサイトメトリー結果にアクセスし得るスクリーニングアッセイモジュールが提供され得る。スクリーニング対象流体サンプルは、複数の希釈係数で希釈されたスクリーニングサンプルストックの希釈系列を含み得る。本開示の少なくとも一実施形態では、限られた数のスクリーニング対象流体サンプル(例えば、各希釈係数での1つのサンプル)が、スクリーニングアッセイモジュールによる分析のために提供され得る。そして、所与のフローサイトメトリー機器及びフローサイトメーターによって分析される所与の対象サンプルストックのダイナミックレンジ内での操作のために最適化された希釈係数範囲を決定するために、フローサイトメトリー調査に供される必要のあるスクリーニング対象流体サンプルは、(例えば、複数の希釈係数のそれぞれで複数のサンプル複製を使用する以前に提案されたアプローチと比較して)より少なくて済む可能性がある。続いて、特定された最適化された希釈範囲内で調製された複数の流体サンプル複製のセットをフローサイトメトリーにかけ、結果を分析して、特定の機器及びサンプル状況のダイナミックレンジの高性能部分で実行されたものとして、妥当な程度の信頼性で対象サンプルストックの粒子力価結果を提供することができる。
【0011】
これは、以前のフローサイトメトリー機器及び方法と比較して多くの利点を提供し得る。最初に、各希釈係数で必要なサンプルの複製が少なくなるため、最適化された希釈係数の範囲を決定するために必要なスクリーニングサンプル流体ストックの総量が減少し得る。これは、各希釈係数で多数の複製の分析を実施することができないような、スクリーニングサンプル流体ストックの供給が限られている状況で特に有利であると考えられる。さらに、スクリーニング対象流体サンプルの調製及び実行における操作者の関与が全体的に減少し得るため、操作者関連のエラーの機会が減少し得る。
【0012】
さらに、スクリーニング対象流体サンプルの数が減少した場合にフローサイトメトリー調査を実施するために必要な時間は、それに応じて短縮され得る。これにより、分析の実施に必要な時間に関して効率が向上するだけでなく、よりコンパクトな分析が可能になり、各流体サンプルのフローサイトメトリー調査を実行する過程でエラーが発生する可能性が低くなる。プロセスのエラー又は変動性の量は時間とともに増加することから、フローサイトメトリープロセスは、フローサイトメトリー調査にエラーを導入する時間依存変数の影響を受ける可能性があることが理解され得る。したがって、より時間的にコンパクトな分析を提供することで、そのような時間依存的エラー又は変動性を減少させることができる。
【0013】
さらにまた、最適化された希釈係数範囲を決定するために必要なスクリーニング対象流体サンプルの数が減少すると、フローサイトメトリー結果を提供するために必要な計算リソースも減少し得る。理解され得るように、多数のフローサイトメトリー調査のためにデータ分析を実行することは、分析が実行される計算環境の実質的な処理リソース及び/又はメモリリソースを必要とし得る。使用するスクリーニング対象流体サンプルの数を制限することにより、計算リソースの対応する削減を達成することができる。さらに、本明細書に記載のモジュールは、メモリに格納されたフローサイトメトリー結果に直接アクセスできるので、より限定された結果の処理の効率をさらに高めることができ、したがって、フローサイトメーターが操作される全体的により効率的な計算処理環境を提供する。
【0014】
さらに、最適化された対象流体サンプルを検討する場合でも、対象流体サンプルの総数が減少した対象サンプルストックに対して、許容できる正確度の信頼性を備えた完全なフローサイトメトリー評価を行うことができる。これには、データ分析処理と消費されるコンピュータストレージの削減が含まれる場合があり、これにより、機器の操作とデータ分析にかかる電力消費の、対応する削減も提供される場合がある。例えば、上記の背景技術の欄で説明した、10、100、1000、及び10,000の各希釈係数で3つずつ調製された対象流体サンプル複製を使用する以前の手法の例では、対象サンプル流体ストックの完全な評価のために、合計12個の対象流体サンプルが準備され、処理される。しかしながら、本開示の技術の実施により、対象サンプルストックの結果の正確度に関して同等の信頼性の評価を、もっと少ない対象流体サンプル数の処理で得ることができる。例えば、効率は、スクリーニングアッセイモジュールの操作で最適化された希釈係数範囲を得るために、記載された希釈係数のそれぞれで1つのスクリーニング対象流体サンプルを調製及び処理することによって実現され得る。次に、合計4つのスクリーニング対象流体サンプルを調製して調査し、続いて、最適化された希釈係数範囲内の単一希釈係数で3つの最適化された対象流体サンプルを調製及び処理して、力価アッセイモジュールの操作により粒子力価結果を得ることができる。結果として、本開示のこの例では、対応する以前の手法の例のような12個の対象流体サンプルではなく、7個の対象流体サンプル(4個のスクリーニング対象流体サンプルと3個の最適化された対象流体サンプル)のみの調製及び処理で、対象サンプルストックの比較可能な評価が行われる。また、結果として、消費される対象サンプルストックが少なくなり、対象流体サンプルを調製してそれらの対象流体サンプルをフローサイトメトリーにかけるのに必要な時間が少なくなり、フローサイトメーターのスループット容量が少なくなり、データ分析に使用されるコンピュータ処理容量が少なくなり、フローサイトメトリー結果が少ないのでその保存に使用されるコンピュータストレージが少なくなり、フローサイトメーターの操作及びデータ処理に消費される電力が少なくなる。さらに、フローサイトメトリー機器のスループット容量は、フローサイトメトリー機器によって評価され得る対象サンプルストックの数に対して増加し、対象サンプルストックのそのような評価ごとに消費される機器の消耗が少なくなる。
【0015】
本開示のフローサイトメトリー方法及びフローサイトメトリーシステムは、フローサイトメトリー評価による任意の特定の種類の対象粒子の定量化のために有益に使用され得る。そのような対象粒子は、例えば、サイズが数マイクロメートルから数十マイクロメートルのサイズであり得る細胞、又は生物学的材料の他の同様のサイズの粒子であり得る。しかしながら、いくつかの好ましい実施形態では、上記方法及びシステムは、非常に小さい、特にウイルスサイズの対象粒子の定量化に特に有益である。そのようなウイルスサイズの対象粒子は、いくつかの実施形態では、最大粒子サイズが2マイクロメートル、1マイクロメートル、600ナノメートル、300ナノメートル、又はさらに小さい粒子サイズであり得る。そのようなウイルスサイズの対象粒子は、いくつかの実施形態において、最小粒子サイズが少なくとも10ナノメートル、20ナノメートル、30ナノメートル、又はさらに大きい粒子サイズであり得る。上記で特定された粒子サイズは、粒子の最大断面寸法を指す。そのようなウイルスサイズの対象粒子は、例えば、ビリオン(感染細胞などのより大きな単位の一部になっていない遊離ウイルス粒子)、ウイルス様粒子、エキソソーム又はマイクロベシクルであり得る。ビリオン又はウイルス様粒子は、エンベロープ型又は非エンベロープ型のものであり得る。そのようなビリオン又はウイルス様粒子は、任意のウイルスファミリーのウイルスに属するものであるか、又はその属性を有するものであり得る。いくつかの例示的なウイルスは、インフルエンザウイルス、バキュロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、エンテロウイルス、レンチウイルス、マウス微小ウイルス、ロタウイルス、パルボウイルス及びネコ白血病ウイルスである。
【0016】
本明細書における粒子への言及は、大抵の場合、実質的により大きな粒子ユニットの一部になっていない、結合していない状態のそのような粒子に関するものである。ウイルスサイズであり、結合していない粒子とは、粒子がウイルスサイズよりも大きい粒子構造の一部になっていないことを意味する。例えば、結合していない粒子は、宿主細胞内にはなく、イムノアッセイビーズやミクロスフェアにも結合しておらず、ウイルスサイズよりも大きい凝集体の一部でもない。蛍光発光応答によるフローサイトメトリー検出のために蛍光染色剤で標識された対象粒子は、追加された蛍光標識の質量のために、標識されていない対象粒子よりもいくらか大きい可能性があることが理解されよう。しかしながら、本明細書における粒子サイズへの言及、特にウイルスサイズである粒子への言及は、染色前の結合していない対象粒子のサイズ、及び/又は、対象粒子に付着している追加された蛍光染色剤の質量を含む染色された対象粒子への言及であり得る。ウイルスサイズの粒子(例えば、ビリオン、エキソソーム、ウイルス様粒子又はマイクロベシクル)に付着する蛍光発生染料分子によって蛍光染色が提供される場合、付着した染料分子に由来する追加サイズは、大抵の場合、結果として生じる結合していない染色粒子のサイズの大きさを感知できるほどには増加させない。したがって、結合していない染色粒子も、たとえ染色されていない粒子よりもわずかに大きいとしても、ウイルスサイズである。同様に、蛍光抗体染色の場合、染色された粒子は染色されていない粒子よりも大きくなるが、やはりウイルスサイズである。いくつかの典型的な例示的蛍光抗体染色剤は、サイズが約7ナノメートルほどであり得、したがって、蛍光抗体染色剤が対象粒子に直接結合する場合、染色されていない粒子と比較してサイズに約14ナノメートルほどの大きさを追加し得る。一次抗体が対象粒子に結合し、フルオロフォアを有する二次抗体が一次抗体に結合して粒子上に蛍光標識を提供する、蛍光抗体染色の間接的結合の場合、染色に伴う粒子サイズの増加はいくらか大きくなる可能性がある。
【0017】
本開示の方法及びシステムの様々な態様及び例示的な実装の実施形態は、特許請求の範囲を含む以下の説明、及び図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】フローサイトメーター機器の一実施形態の斜視図である。
【
図1B】フローサイトメーター機器の一実施形態の側面図である。
【
図2A】
図1A~1Bのフローサイトメーター機器内に含まれ得るフローサイトメーター内部アセンブリの一実施形態の斜視図である。
【
図2B】
図1A~1Bのフローサイトメーター機器内に含まれ得るフローサイトメーター内部アセンブリの一実施形態の上面図である。
【
図2C】
図1A~1Bのフローサイトメーター機器内に含まれ得るフローサイトメーター内部アセンブリの一実施形態の端面図である。
【
図2D】
図1A~1Bのフローサイトメーター機器内に含まれ得るフローサイトメーター内部アセンブリの一実施形態の端面図である。
【
図3】スクリーニングアッセイモジュール及び力価アッセイモジュールを含むフローサイトメトリーシステムの一実施形態の概略図である。
【
図4】対象サンプル流体ストックを処理するための機器のダイナミックレンジを決定し、そのための最適化された希釈係数範囲を決定するための分析用に提示されたフローサイトメトリー結果を示すプロットである。
【
図5】対象サンプル流体ストックを処理するための機器のダイナミックレンジを決定し、そのための最適化された希釈係数範囲を決定するための分析用に提示されたフローサイトメトリー結果を示すプロットである。
【
図6】対象サンプル流体ストックを処理するための機器のダイナミックレンジを決定し、そのための最適化された希釈係数範囲を決定するための分析用に提示されたフローサイトメトリー結果を示すプロットである。
【
図7】対象サンプル流体ストックを処理するための機器のダイナミックレンジを決定し、そのための最適化された希釈係数範囲を決定するための分析用に提示されたフローサイトメトリー結果を示すプロットである。
【
図8】対象サンプル流体ストックを処理するための機器のダイナミックレンジを決定し、そのための最適化された希釈係数範囲を決定するための分析用に提示されたフローサイトメトリー結果を示すプロットである。
【
図9】フローサイトメトリー結果に対応する結果リストを提供するグラフィカルユーザインターフェースの画面の一実施形態である。
【
図10】データ処理のためのフローサイトメトリー結果の選択に使用するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面の一実施形態である。
【
図11】最適化された希釈係数範囲を決定するためのスクリーニングアッセイモジュールの制御及びやりとりのためのグラフィカルユーザインターフェースの画面の一実施形態である。
【
図12】最適化された希釈係数範囲の決定が決定され、ユーザに表示されている、
図11の画面の一実施形態である。
【
図13】最適化された希釈係数範囲の決定が決定され、ユーザに表示され、データ通知表示が存在する
図11の画面の一実施形態である。
【
図14】
図13に提示されたデータ通知表示に関連するデータ通知の詳細なリストを示す画面の一実施形態である。
【
図15】最適化された希釈係数範囲における最適化された対象流体サンプルの粒子力価結果を決定するための力価アッセイモジュールの制御及びやりとりのためのグラフィカルユーザインターフェースの画面の一実施形態である。
【
図16】粒子力価の結果が決定され、データ通知表示が存在する、
図15の画面の一実施形態である。
【
図17】フローサイトメトリー結果に対するサンプル定量限界の関係を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
本発明は様々な変更形態及び代替形態とすることもできるが、その特定の実施形態を、例として図面に示し、本明細書に詳細に記載する。しかしながら、本発明を開示された特定の形態に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあるすべての変更、同等物、及び代替物を包含することを意図することを理解されたい。
【0020】
本明細書で使用される場合、サンプルストック又はサンプル流体ストックは、流体媒体を含む材料のバッチを指し、これは、特定の粒子属性又は特性を有する粒子の存在についてのフローサイトメトリー調査による調査の対象である。調査の対象であるそのような粒子を、本明細書では対象粒子と呼ぶ。そのようなサンプルストックは、例えば、生物学的プロセスから収集されたサンプルバッチ、又はそのように収集されたサンプルバッチのさらなる処理、例えば精製処理から生じるサンプルバッチであり得る。フローサイトメトリー処理用の複数の流体サンプルは、このようなサンプルストックの一部を使用して調製される。例えば、異なる希釈率で流体サンプルを調製したり、同じレベルの希釈で複数の流体サンプルの複製を調製したりする。対象サンプルストックとは、対象粒子の最終的な定量化の対象であり、それぞれが最適化されたサンプル希釈係数範囲内に希釈された複数の最適化された対象流体サンプルを含む最適化された対象セットを調製するために使用されるサンプルストックを指す。スクリーニングサンプルストックとは、スクリーニングアッセイモジュールの実行を通じて最適化された希釈係数範囲を決定するために使用される複数のスクリーニング対象流体サンプルを含むスクリーニング対象セットを準備するために使用されるサンプルストックを指す。好ましい実施において、対象サンプルストック及びスクリーニング対象サンプルストックは同じサンプルストックであり、これは、スクリーニングアッセイモジュールの実行による最適化された希釈係数範囲を決定するための処理用のスクリーニング対象流体サンプルの調製、及び、力価アッセイモジュールの実行による粒子力価の結果を決定するための処理用の最適化された対象流体サンプルの調製の両方に使用される。しかしながら、いくつかの代替の実施において、スクリーニングサンプルストックは、対象サンプルストックとは異なるサンプルストックであってもよいが、そのような実施において、スクリーニングサンプルストック及び対象サンプルストックは、好ましくは、スクリーニングサンプルストック及び対象サンプルストックが、対象粒子含有量に関連するものを含めて、概して同等の組成特性を有すると予想される条件下で調達されるべきである。そうすることで、スクリーニングサンプルストックを使用した最適化された希釈係数範囲の決定は、対象サンプルストックを使用して調製された最適化された流体サンプルのフローサイトメトリー評価に合理的に変換されるであろう。例えば、対象サンプルストックは、ある日に生物学的製造プロセスから収集された材料の収集されたサンプルバッチであるか、又はそれから調製され、スクリーニングサンプルストックは、同じ生物学的製造プロセスから、同様の条件下で異なる時間に、例えば、同じ日の異なる時間に、又は同等の操作状態で異なる日に収集された材料の同等に収集されたサンプルバッチであるか、又はそれから調製され得る。しかしながら、前述のように、好ましい実施において、対象サンプルストック及びスクリーニング対象サンプルストックは同じサンプルストックである(例えば、単一の収集されたサンプルバッチ)。
【0021】
対象粒子の特定の粒子属性は、例えば、サイズ、組成、形態又はコンフォメーション特性に関連する、対象粒子の任意の1つ又は複数の特性を含み得る。いくつかの好ましい実施形態では、対象粒子の特定の属性は、1つ以上の蛍光染色剤の使用による識別に影響を受けやすい、目的とする1つ又は複数の特定の生物学的特徴を含み得る。そのような生物学的特徴には、非特異的蛍光染色による非特異的染色に一般的に感受性であるタンパク質含有量及び/又は核酸含有量(例えば、ゲノム物質の存在)が含まれ得る。そのような生物学的特徴には、蛍光抗体染色の使用による同定のための、目的の粒子特徴への抗体染色剤による特異的結合などの特定の抗原結合活性によって同定され得る特定のエピトープの存在が含まれ得る。実施は、単一の粒子特徴の有無を識別する単一の蛍光染色剤を使用することができ、又は複数の粒子特徴を識別する複数の蛍光染色剤を使用することができる。複数の蛍光染色剤の使用には、2つ以上のそのような蛍光染色剤からの同時蛍光応答の識別を通じて、複数の粒子属性を持つ対象粒子を識別するための、又は、2つ目の蛍光染色剤の蛍光応答と一致しない1つの蛍光染色剤の蛍光応答の識別を通じて、1つの因子の存在と別の因子の不在を識別するためのフローサイトメトリー評価が含まれる場合がある。そのような適用例の一つには、概してタンパク質内容物の存在を特定するための非特異的蛍光発生染色剤と、概して核酸内容物の存在を特定するための別の非特異的蛍光発生染色剤の使用が含まれる。フローサイトメトリー中の2つの非特異的染色剤の蛍光応答の同時発生の識別は、タンパク質内容物と核酸内容物の両方を含む対象粒子の存在を示している可能性がある。例えば、エンベロープ又はカプシドタンパク質及びゲノム物質を含む完全な無傷のビリオンの場合などである。このような適用例の別の例には、核酸内容物に対する非特異的蛍光発生染色剤と一緒にエピトープ特異的蛍光抗体染色剤を使用することが含まれる。蛍光抗体染色剤は、ウイルスエンベロープ、ウイルスカプシド、エキソソーム又はマイクロベシクル上のエピトープとの結合に特異的である可能性があり、フローサイトメトリー中のそのような蛍光抗体染色剤及び非特異的核酸染色剤の蛍光応答の同時発生の識別は、エピトープ及びゲノム物質を含む対象粒子の存在を示し得、一方で、例えば、そのようなエピトープの存在によって表されるウイルス型(例えば、特定のウイルス)の完全な無傷のビリオンの場合、ある蛍光染色剤のある蛍光応答が別の蛍光染色剤の別の蛍光応答と一致しないことの識別は、ある粒子の特徴を積極的に有し、別の蛍光染色剤に対応する他の粒子の特徴を有さない粒子(例えば、ウイルスエピトープを有するがゲノムは持たないウイルス様粒子)の存在を示し得る。本開示で使用することができる蛍光染色剤及びフローサイトメトリーによる染色検出に関する追加情報は、米国特許第10,161,850号、米国特許第10,031,061号、米国特許第9,546,936号、米国特許第9,903,803号、及び米国仮特許出願第62/713,377号に開示されており、これらのそれぞれの全内容は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。対象粒子についての調査の被検体である対象流体サンプル(例えば、スクリーニング対象流体サンプル及び最適化された対象流体サンプル)とは対照的に、ブランク対照流体サンプル(例えば、スクリーニングブランク対照流体サンプル及び最適化されたブランク対照流体サンプル)は、対象粒子が存在しないように意図的に調製された流体サンプルである。ブランク対照流体サンプルは、対象粒子の存在について調査されている対象流体サンプル(例えば、スクリーニング対象流体サンプル又は最適化された対象流体サンプル)のフローサイトメトリー評価からのフローサイトメトリー結果を補正するために使用され得るバックグラウンド粒子数を有するブランク対照フローサイトメトリー結果を生成するために、フローサイトメトリー評価に提供され得る。対象粒子が存在しないことは、フローサイトメトリー定量化に関連するすべての実用的な目的において、その流体サンプルが実質的に対象粒子を含まないことを意味し、そのようなブランク対象サンプルがそのような対象粒子を1個も含まない(通常はそうあることが望ましいが)ということを意味するものではない。好ましくは、ブランク対照流体サンプルは、対象粒子の有意な量を含まないことを除いて、組成において対応する対象流体サンプルに密接に対応する。いくつかのより好ましい実施形態では、ブランク対照流体サンプルは、対応するサンプルストックのブランクサンプル流体マトリックスを用いて調製され、ブランク対照流体サンプルは、このサンプルストックの補正目的で使用される。流体マトリックスとは、サンプルストックの流体媒体の基本的な組成を意味し、添加される試薬液体と共に、サンプルストックから調製された対象流体サンプルの液体媒体を形成する。そのような添加される試薬液体は、例えば、サンプルストックに対して希釈された流体サンプルを調製するために使用されるサンプル希釈バッファー、ならびに対象流体サンプルの蛍光染色との関係で添加され得る液体を含み得る。そのような各ブランク対照流体サンプルは、好ましくは、対応する対象流体サンプルで使用されるのと同じ蛍光染色剤で、かつ同じ濃度で作製されるべきである。好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは1つだけの、対応する流体マトリックスで作製されたそのようなブランク対照スクリーニング流体サンプルが、スクリーニング対象セットの各スクリーニング対象流体サンプルのために調製される。好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは1つだけの、対応する流体マトリックスで作製された最適化されたブランク対照流体サンプルが、最適化された対象セットの各最適化された対象流体サンプルのために調製される。
【0022】
サンプルストックの流体マトリックスを、対応するブランク対照流体サンプルの調製に利用できない場合は、近似液体製剤を用いて、対応するブランク対照流体サンプルを調製してもよい。例えば、ブランク対照流体サンプルは、対象流体サンプルの調製に使用される1つ以上の試薬液体(例えば、サンプルストックの希釈に使用される緩衝液とサンプル染色の関係で添加される液体との混合物)を用いて作製され得る。そのような場合、そのような試薬液体製剤を用いて作製され、スクリーニング対象流体サンプルと同じ濃度の1つ以上の蛍光染色剤を含む単一のブランク対照流体サンプル組成物を、場合に応じて、スクリーニング対照セット又は最適化された対照セットのための対応するスクリーニングブランク対照流体サンプル又は対応する最適化されたブランク対照流体サンプルとして使用することができる。
【0023】
フローサイトメーターは、流体サンプルのフローサイトメトリー調査を実行するために使用され得る。流体サンプルは、特定の粒子属性を有する対象粒子を含み得る。流体サンプルのフローサイトメトリー調査は、その流体サンプルのフローサイトメトリー結果を提供し得る。フローサイトメトリー結果には、流体サンプルの粒子の定量化指標が含まれ得る。一例では、定量化指標は、粒子の濃度、又は単位体積あたりの粒子数(例えば、個/mL)として表され得る。別の例では、定量化指標は、標準体積の流体サンプル中の粒子カウント(粒子の数)として表すことができ、そこから粒子濃度を決定することができる。流体サンプルは、フローサイトメーターの放射検出システムによって測定され得る、調査用励起放射にさらされたときに応答放射を提供する染色剤又は染料にさらされ得る。上記のように、特に測定される粒子がウイルスサイズである適用例では、フローサイトメーター機器は非常に感度が高く、フローサイトメーターの結果を合理的な精度で正確に決定することは難しい場合がある。具体的には、フローサイトメトリー結果には、上記のように多くの原因でエラーが生じる可能性がある。
【0024】
したがって、適切かつ実証的に正確な結果を達成するようなフローサイトメトリー調査を計画する場合、得られるフローサイトメトリー結果の正確度及び/又は精度の尺度を計算するために流体サンプルの多くの複製を処理することが、これまでの慣行であった。これは、フローサイトメトリー結果が、所与の分析を行うのに十分な正確度及び/又は精度を有し、結果が統計的にロバストであることを示すために必要となり得る。例えば、対象サンプル流体の少なくとも3つの複製をそれぞれフローサイトメトリーに供して、3つの複製のそれぞれについて結果を得る。次に、これらの複製のフローサイトメトリー結果を、データ分析技術を使用して処理し、結果の正確度及び/又は精度の尺度を求めることができる。
【0025】
さらに、多くの調査計画では、調査の正確度を高めるために、対照もフローサイトメトリー調査に供され得る。対象流体サンプルの対象粒子が提供される流体媒体の組成を合理的な程度まで複製又は模倣したブランク対照流体サンプルが提供され得る。ブランク対照流体サンプルは、本明細書では、簡潔にするために単に対照流体サンプル又はブランク流体サンプルと称されることもある。流体サンプルのフローサイトメトリー調査は誤検出イベントの影響を受けやすい可能性があるため、対応する対照流体サンプルのフローサイトメトリー調査を行うことにより、対象流体サンプルについて得られたフローサイトメトリー結果において、誤検出イベントを説明し、補正することが可能となり得る。具体的には、対照流体サンプルのフローサイトメトリー結果を、対象流体サンプルのフローサイトメトリー結果から減算することができる。
【0026】
調査計画の一実施形態では、ブランク対照流体サンプルは、対応するサンプルストックの流体マトリックスを用いて、ただし対象流体サンプルの対象粒子が存在しないように調製することができる。これに関して、ブランク対照流体サンプルは、対象流体サンプルマトリックスと同じ組成に、希釈緩衝液及び染色液などの添加試薬、ならびに対象流体サンプルで使用される染料又は染色剤を加えたものであり得る。代替のやり方としては、そのような試薬液体の混合物を含むサンプル緩衝液を使用することができ、これにもまた、対象粒子の非存在下で対象流体サンプルの染料又は染色剤が提供され得る。いずれにせよ、ブランク対照流体サンプルで検出された粒子は、誤検出に関連するエラーを表すと想定され、対照流体サンプルのフローサイトメトリー結果の減算は、対象流体サンプル中の粒子の実際の定量化の補正された測定値を提供する。しかしながら、対象流体サンプルの場合のように、好ましくは、対照流体サンプルの正確な結果を提供するために、対照流体サンプルの複数の複製がフローサイトメトリー調査に供される。
【0027】
したがって、多くの対象流体サンプル及び対照流体サンプルのそれぞれをフローサイトメトリー調査に供することは、多くの課題をもたらし得ることが理解され得る。最初に、対象流体サンプルと対照流体サンプルの両方の所望の数の複製を提供するために、対応する流体マトリックスと共にサンプルストック及び対照ストックの十分な供給が必要である。存在するストック供給量が限られているとか、サンプルストックのブランク流体マトリックスが手に入らないなどの特定の状況では、フローサイトメトリー調査の計画は、結果的に、限られたストック流体供給を考慮して制限され得る。さらに、対象及び対照の各サンプル流体を処理するために必要な時間と費用は法外なものになる可能性がある。加えて、フローサイトメトリー機器は多くの変数の影響を受けやすく、その一部は操作依存的又は時間依存的である可能性があるため、調査の期間が長くなるほど、そして調査の数が多いほど、各流体サンプルの調査に関するエラーが増加しやすくなると考えられる。すなわち、多くの流体サンプル調査の状況において、最初の流体サンプル調査に関連する条件は、最後の流体サンプルの条件とは異なっている可能性があり、その結果、条件の変化により、集合的に処理される結果に含まれるエラーが増加し得る。そのため、調査の効率は、時間と費用を削減するという単純な利点を提供するだけでなく、所与の招待デザインのフローサイトメトリー結果を決定する過程でエラーが導入される可能性を減らすことにより、本質的により正確な結果を達成する。
【0028】
図1A~1Bは、フローサイトメトリー結果を生成するために、流体サンプルのフローサイトメトリー調査を実行するために使用され得る保護エンクロージャ102内に含まれるフローサイトメトリーコンポーネントを含むフローサイトメーター100の実施形態を示す。流体サンプルは、フローサイトメトリー調査のためにサンプル入口104を介してフローサイトメーター100内に導入され得る。フローサイトメーター100は、エンクロージャ102及びエンクロージャ102の内容物の重量を支える支持パッド106を含む。有利には、支持パッド106は、使用中のフローサイトメーター100が置かれている棚、テーブル、又は他の表面を介して伝達され得る周囲環境の振動から、エンクロージャ102及びエンクロージャ102の内容物にしっかりした振動絶縁を提供する材料のものであり得る。したがって、支持パッド106は、エンクロージャ102及びエンクロージャ102の内容物に振動伝播バリアを提供する振動絶縁構造を提供することができる。例えば、支持パッド106は、振動分解効果を提供するポリマー組成物であり得る。ポリマー組成物の例には、熱可塑性及び熱硬化性ポリマー組成物が含まれる。
【0029】
図2A~2Bは、フローサイトメーター100のエンクロージャ102内に配置され得る例示的なフローサイトメーター内部アセンブリ180を示す。内部アセンブリ180は、支持プラットフォーム200及び支持プラットフォーム200に支持されたいくつかのフローサイトメトリー光学部品を含む流れ光学系アセンブリを含み、光学部品は、サンプル流体のフローサイトメトリー調査を実行するように構成された固定相対位置を有する。フローサイトメトリー光学系アセンブリは、3つの剛性支持部材202及び支持部材202によって支持される除振マウント(
図2A~2Bには示されていない)を含む支持構造によって支持され、フローサイトメトリー調査の作動中、これらが支持プラットフォーム200及びサポートプラットフォーム200によって支持される部品の全重量を支える。
【0030】
支持プラットフォーム200によって支持されるフローサイトメトリー光学部品は、レーザユニット206の形態の光源、フローセルユニット208、ならびにダイクロイックミラーユニット210及び2つの光検出器ユニット212(例えば、光電子増倍管を含み得る)を含む光検出システムを含む。フローセルユニット208のフローセルの調査流路を通って流れるサンプル流体のフローサイトメトリー調査の作動中に、レーザユニット206からの光は、第1の光路250に沿ってフローセルに到達する。第1の光路250は、ミラーユニット214であって、レーザユニット206からの光を反射してその光を集束レンズ216に通すように向け、フローセルユニット208のフローセル内の調査流路付近に光を集束させるように配向可能なミラーを含むミラーユニット214を含む。ミラーユニット214のミラーの向きは、ミラーに結合された一対のモータ270、272の一方又は両方を操作することによって制御することができる。フローセルの調査流路からの光は、光検出器212による検出のために、第2の光路260に沿って、フローセルからダイクロイックミラーユニット210へと向けられる。第2の光路260は、集束レンズユニット218、及びフローセルユニット208とダイクロイックミラーユニット210との間の空間レンズユニット220を含む。ダイクロイックミラーユニット210内のダイクロイックミラーは、ダイクロイックミラーを通過して光検出器212aに向けられる光と、ダイクロイックミラーによって反射されて光検出器212bに向けられる光との間で光を分割する。光検出器212への光路にバンドパスフィルタ222を配置して、それぞれの光検出器212a、212bによる検出の対象となる波長又は波長域を含む狭い光を通過させてもよい。
【0031】
流体サンプルのフローサイトメトリー調査を実行するためのフローサイトメーター100の作動中、調査される流体サンプルは、サンプル入口104を通してフローサイトメーターに導入され得る。サンプル流体は、フローセルユニット208への入口(
図2A~2Bには示されていない)に導かれる。サンプル流体は、本明細書ではフローセルユニット208内のフローサイトメーター調査ゾーンとも呼ばれる調査流路を通って流れ、サンプル出口226を通ってフローセルユニット208を出る。サンプル流体入口104を介してフローセルユニット208に導入されたサンプル流体は、フローセルユニット208の透明部分を通って流れ、そこで調査用入射放射(例えば、レーザユニット206からの光)にさらされ、サンプル出口226を通って出る。調査流路は透明部分を通過する。透明部分は、例えば、水晶材料でできていてもよい。フローサイトメーター100のサンプル入口104とフローセルユニット208への入口との間で、流体サンプルは流量計232を含む流体経路(図示略)を通過し、その際に、フローセルユニット208への流体サンプルの流量を制御するためのフィードバック制御メカニズムの一部としてのデータ収集の目的で、流体サンプルの流量が測定されてもよい。フローセルユニット208において、流体サンプルが調査のために透明部分を通って流れる前に、シース流体が流体サンプル流の周りに導入される。シース流体は、シース流体入口(
図2A~2Bには示されていない)を通してフローセルユニット208に導入される。シース流体をフローセルユニット208に導入する前に、シース流体は、フローセルユニット208へのシース流体の流量をモニタリングするための、及びフローセルユニット208へのシース流体の流量を制御するためのフィードバック制御に使用するためのフローセンサ234を含む流体経路(
図2A~2Bには示されていない)を通過する。フローセンサ232及び234は、サポートプラットフォーム200上に支持されるのが好都合である。
【0032】
さらに
図3を参照すると、フローサイトメトリーシステム300の実施形態の概略図が示されている。フローサイトメトリーシステム300は、上記のものなどのフローサイトメーター100を含み得る。フローサイトメーター100は、フローサイトメーター100を使用して、フローサイトメトリー調査に供された流体サンプルのフローサイトメトリー結果を生成するように動作し得る。フローサイトメーター100によって生成されたフローサイトメトリー結果は、所与の流体サンプルの粒子の定量化指標(例えば、粒子数又は粒子濃度)を含み得る。フローサイトメトリー結果は、識別目的のサンプル名、サンプルの希釈係数、フローサイトメトリー調査の日付/時刻に対応する日付/時刻タグ、マルチチャンネル調査(例えば、それぞれのチャンネルで異なる対象粒子属性を調査するために使用する組合せ染料を含むもの)のそれぞれの調査チャンネルの個々の結果、及び検出器ベースライン、ピーク、幅などの放射検出データを含むがこれらに限定されない、フローサイトメトリー調査に関する他の情報も含み得る。
【0033】
フローサイトメーター100は、フローサイトメトリー結果データベース310と動作可能に通信してもよい。フローサイトメーター100は、フローサイトメーター100によるフローサイトメトリー調査に供された各流体サンプルのフローサイトメトリー結果を、フローサイトメトリー結果データベース310に提供し、フローサイトメーター結果はコンピュータメモリに記憶され得る。フローサイトメトリー結果データベース310は、フローサイトメトリー調査に供された異なるそれぞれの流体サンプルのフローサイトメーター結果に対応するデータベースエントリを格納するための任意の適切なデータベース構造を含み得る。実装の具体例の1つは、フローサイトメトリー結果を保存するためのSQLデータベースである。フローサイトメトリー結果データベース310は、フローサイトメトリーシステム300に対してローカルにあってもよく(例えば、フローサイトメトリーシステム300の他の1つ以上の要素と共通のデバイス上にある)、遠隔地に提供されてもよい。フローサイトメトリー結果データベース310が遠隔から提供される場合、フローサイトメーター結果データベース310へのアクセスは、ローカルエリアネットワークなどのネットワーク通信又はインターネットなどの広域ネットワークを介して提供され得る。
【0034】
フローサイトメトリーシステム300は、コンピュータメモリ320をさらに含む。コンピュータメモリ320は、スクリーニングアッセイモジュール360及び力価アッセイモジュール370をその中に格納していてもよい。スクリーニングアッセイモジュール360及び力価アッセイモジュール370は、コンピュータメモリ320に記憶された機械可読命令を含み得る。これに関して、スクリーニングアッセイモジュール360及び力価アッセイモジュール370は、コンピュータメモリ320と動作可能に通信する1つ以上のプロセッサ330によってアクセスされ得る。プロセッサ330は、スクリーニングアッセイモジュール360及び力価アッセイモジュール370にアクセスしてそれらを実行し、以下でより詳細に説明するようにこれらのモジュールの機能を提供することができる。他の実施形態では、スクリーニングアッセイモジュール360及び/又は力価アッセイモジュール370は、以下に記載されるスクリーニングアッセイモジュール360及び/又は力価アッセイモジュール370に関連する機能を提供するための任意の適切なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せを含み得る。さらに、スクリーニングアッセイモジュール360及び力価アッセイモジュール370に個別に又は集合的にアクセスしてこれらを実行し、以下により完全に記載されるフローサイトメトリーシステム300の機能を提供するための複数のプロセッサ330を提供することができる。他の実施形態では、スクリーニングアッセイモジュール360及び/又は力価アッセイモジュール370は、任意の適切なプロセッサ及び/又はメモリの組合せ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又は以下で詳細に説明する機能を達成するために実行され得る他のコンピュータハードウェア又はソフトウェアを含み得る。
【0035】
フローサイトメトリーシステム300はまた、それぞれがプロセッサ330と動作可能に通信する入力デバイス340及びディスプレイ350を含み得る。これに関して、プロセッサ330は、フローサイトメトリーシステム300とのやりとり又はフローサイトメトリーシステム300の制御で使用するために、入力デバイス340からユーザ入力を受け取ることができる。さらに、プロセッサ330は、フローサイトメトリーシステム300の動作に関する情報をユーザが知覚できる方法でユーザに提示するようにディスプレイ350を構成することができる。ディスプレイ350及び入力デバイス340は、集合的に、ユーザとフローサイトメトリーシステム300との間のやりとりを容易にすることができるグラフィカルユーザインターフェース380を提供することができる。例えば、グラフィカルユーザインターフェース380は、フローサイトメーター100、スクリーニングアッセイモジュール360、力価アッセイモジュール370、及び/又はフローサイトメトリー結果データベース310のうちの1つ以上の動作の制御を容易にすることができる。以下に、スクリーニングアッセイモジュール360及び/又は力価アッセイモジュール370の実行に対応し得るいくつかのグラフィカルユーザインターフェース画面を説明する。これらは、ディスプレイ350上の画面の提示及びユーザ入力デバイス340からの画面に関する対応する入力の受信によって、グラフィカルユーザインターフェース380を使用してユーザとやりとりするために提供され得る。
【0036】
大抵の場合、フローサイトメトリーシステム300は、スクリーニングアッセイモジュール360が、最適化された希釈係数範囲の決定に使用するために、フローサイトメーター結果データベース310内のフローサイトメトリー結果にアクセスするように動作可能であるように実行され得る。これに関連して、スクリーニングサンプル流体ストック390を使用して、フローサイトメーター100によるフローサイトメトリー調査にそれぞれ供することができる複数のスクリーニング対象流体サンプル392を調製することができる。スクリーニング対象流体サンプル392のそれぞれのフローサイトメトリー結果は、フローサイトメトリー結果データベース310に格納され得る。さらに、1つ以上のスクリーニングブランク対照流体サンプル398を調製し、フローサイトメーター100によるフローサイトメトリー調査に供して、1つ以上のスクリーニングブランク対照流体サンプル398のフローサイトメトリー結果をフローサイトメトリー結果データベース100に保存することができる。したがって、スクリーニングアッセイモジュール360は、フローサイトメトリー結果データベース310にアクセスして、以下でより詳細に説明するように、最適化された希釈係数範囲の決定に使用するために、スクリーニング対象流体サンプル392及び/又はスクリーニングブランク対照流体サンプル398のフローサイトメトリー結果を取得することができる。
【0037】
次に、複数の最適化された対象流体サンプル396が、対象サンプル流体ストック394から調製され得る。複数の最適化された対象流体サンプル396は、それぞれ、最適化された希釈係数範囲内にあり得(例えば、スクリーニングアッセイモジュール360によって決定されるように)、任意選択で、すべてが最適化された希釈係数範囲内の同じ希釈係数にあり得る。一実施形態では、スクリーニングサンプル流体ストック390及び対象サンプル流体ストック394は、同じ流体ストックであり得る。代替の実施形態では、スクリーニングサンプル流体ストック390は、上記のように、対象サンプル流体ストック394の同等の近似物であり得る。例えば、スクリーニングサンプル流体ストック390及び対象サンプル流体ストック394は、同じ対象粒子を有し、かつ十分に類似した特性(例えば、流体媒体組成及び対象粒子濃度を含む)を有することができ、その結果、スクリーニング対象流体サンプル392のフローサイトメトリー結果は、最適化された対象流体サンプル396に対して、フローサイトメーター100の性能を正確にモデル化する。1つの企図される例は、対象サンプル流体ストック394が分析されるべき予測可能な処理環境に関連し得る。そのような予測可能な処理環境では、対象サンプル流体ストック394は、スクリーニング対象流体サンプル392のフローサイトメトリー結果の分析によって決定される最適化された希釈係数範囲が多数の対象サンプル流体ストック394に適用可能であるように、比較的一貫した特性を有し得る。例えば、複数の対象サンプル流体トックス394のうちの所与の1つのインスタンスは、最適化された希釈係数範囲を決定するための分析が残りの複数の対象サンプル流体ストック394に適用され得るように、スクリーニングサンプル流体ストック390として使用され得る。したがって、所与のスクリーニングサンプル流体ソック390からの結果を用いて得られた結果は、所与の時間又は数の流体ストックインスタンスについて予測可能な処理環境で調製された他の対象サンプル流体ストック394に使用することができる。
【0038】
いずれにせよ、最適化された希釈係数範囲内にある最適化された対象流体サンプル396の最適化された対象セットは、フローサイトメーター100によるフローサイトメトリー調査に供され、最適化された対象流体サンプル396の対応するフローサイトメトリー結果が力価アッセイモジュール370によって分析され、対象サンプルストック394の粒子力価結果が提供され得る。さらに、最適化されたブランク対照流体サンプル399も調製され、フローサイトメーター100によるフローサイトメトリー調査に供され得る。次に、最適化されたブランク対照流体サンプル399のフローサイトメトリー結果は、フローサイトメトリー結果データベース310に保存され、粒子力価結果を決定する際の分析のための対照として力価アッセイモジュール370によって使用され得る。
【0039】
最適化された希釈係数範囲の決定、及びその後の、最適化された希釈係数範囲内の最適化された対象流体サンプル396のフローサイトメトリー調査は、力価アッセイモジュール370によって生成される粒子力価結果の正確度及び精度の向上をもたらし得る。例えば、フローサイトメトリーシステム300の動作のために、より少ない数のスクリーニング対象流体サンプル及び/又はスクリーニング対照流体サンプルが必要とされ得る。その結果、必要な調査の数を減らすことによるエラーの減少が実現され得る。さらに、最適化された希釈係数範囲は、対象サンプル流体ストック394の特定の対象粒子を調査する所与のフローサイトメーター100に特有である可能性があるため、最適化された希釈係数範囲を決定することにより、最適化された対象流体サンプル396の調査の結果として得られる正確度を達成することができる。
【0040】
最適化された対象希釈係数範囲に関連して、この範囲の改善された正確度は、フローサイトメーター100が正確度の向上を示す希釈範囲にある最適化された対象流体サンプル396のフローサイトメトリー調査を実行することによって達成され得る。フローサイトメーターは、流体サンプル中の粒子の濃度に関連する動作範囲を示す場合がある。すなわち、フローサイトメーターは、上記のように非常に高濃度の粒子、非常に低濃度の粒子を有する流体サンプルについては十分に正確な結果を生成できない場合がある。この点で、フローサイトメーターが十分に正確な結果を生成できる流体サンプル中の粒子の濃度の範囲は制限される場合がある。機器の範囲は、フローサイトメーター100が動作する絶対範囲と、機器及び調査されている特定の流体サンプルに依存するダイナミックレンジとを有し得る。機器のダイナミックレンジは、様々な希釈係数の流体サンプルが(以下で説明する対数分析レジームで)線形フローサイトメトリー結果を示す粒子濃度の範囲を指す場合がある。フローサイトメーターのダイナミックレンジの決定に関する分析は、
図4~8との関連で示されている。この分析は、スクリーニング分析と呼ばれることがあり、そのような分析は、以下でより詳細に説明されるように、スクリーニングアッセイモジュール360によって実行され得る。
【0041】
図4は、スクリーニング対象流体サンプル406a、406b、406c、及び406dのスクリーニング対象セット406のフローサイトメトリー結果の両対数プロット400を含む。プロット400はまた、スクリーニングブランク対照流体サンプル408a、408b、408c、及び408dのスクリーニング対照セット408のフローサイトメトリー結果を含む。プロット400の縦軸は、粒子濃度値402の対数目盛を表し、横軸は、サンプル希釈係数値404の対数目盛を表す。次に、対象スクリーニングセット406及びスクリーニング対照セット408は、粒子濃度402及び希釈係数404に対してプロットされる。
【0042】
プロット400には、装置定量下限値(IQL)410も示されている。IQL410は、フローサイトメーター100が十分に正確な結果を提供し、フローサイトメトリー機器の絶対範囲に関連する粒子濃度の下限を定義し得る流体サンプル中の粒子の最小濃度を表す。したがって、IQL410を下回るスクリーニング対象流体サンプル406のフローサイトメトリー結果は、スクリーニング対象流体サンプル406が所与の機器のIQL410を下回る濃度であるという事実のために、分析から無視することができる。例えば、
図4では、スクリーニング対象流体サンプル406dのフローサイトメトリー結果は、IQL410を下回っており、したがって、フローサイトメトリーデータの分析から無視することができる。
【0043】
プロット400から理解できるように、プロット400に示されるそれぞれの流体サンプルの粒子濃度402は、理論的に予想されるように、希釈係数404の増加とともに減少する。つまり、理論的には、両対数プロットでの粒子濃度402と希釈係数404との関係は、サンプルが希釈されていくにつれて、流体サンプルの粒子濃度がそれに比例して減少することを反映して線形になるはずである。ただし、機器の制限及びエラーのため、実際のフローサイトメトリー結果は、理想化された理論的シナリオの線形関係に従わない場合がある。具体的には、高粒子濃度の流体サンプルでは粒子数が過少報告され、低粒子濃度の流体サンプルでは粒子数が過大報告される可能性があるため、高粒子濃度と低粒子濃度でデータが「平坦化」され得る。次に、以下でより詳細に説明するように、複数の希釈係数にわたって得られたフローサイトメトリー結果の直線性の質を評価することができる。理解されるように、
図4の両対数関係は、粒子濃度の対数値対希釈係数の対数値の変換された線形プロット形式で同等にプロットすることができる。
【0044】
さらに
図5を参照すると、粒子濃度502の対数値の線形目盛を表す縦軸と、希釈係数504の対数値の線形目盛を表す横軸とを有する、そのような線形変換形式のプロット500が提供される。プロット500は、複数のスクリーニング対象流体サンプルについての複数の補正された定量化指標506を示している。上記のように、補正された定量化指数506は、対応するスクリーニングブランク対照流体サンプルのフローサイトメトリー結果によって補正された、スクリーニング対象流体サンプルのフローサイトメトリー結果に対応し得る。補正された定量化指標506がプロットされた後、補正された定量化指標506の適合度が計算され得る。適合度は、補正された定量化指標506の定量的測定値又は特徴付けを提供し得る。例えば、適合度は、補正された定量化指標506が十分に線形の結果を表すかどうかを決定するために分析され得る希釈品質パラメータを提供し得、したがって、スクリーニング対象流体サンプルのフローサイトメトリー結果が、フローサイトメーター100の正確度が向上するダイナミックレンジ内に入る濃度であったことを示し得る。
【0045】
さらに
図6を参照すると、補正された定量化指標506について適合度を計算することができる。例えば、補正された定量化指標506に基づき、結果として傾向線508が生成され得るように、線形回帰が計算され得る。得られる傾向線508は、適合度が計算される補正された定量化指標506がフローサイトメーター100のダイナミックレンジ内にあるかどうかの評価に使用するための1つ以上の希釈品質パラメータの定量的特徴付けを提供し得る。すなわち、傾向線508は、補正された定量化指標506a、506b、及び506cを評価して、プロット500上の補正された定量化指標506が、フローサイトメーター100の精度の向上に対応するフローサイトメーター100のダイナミックレンジ内の結果の特性に対応する予想される挙動のレベルを示すかどうかを決定するための手段を提供し得る。希釈品質パラメータを提供する適合度の1つの定量的特徴付けは、プロット500に示されるような線形変換プロットに関する傾向線508の傾きであり得る。このシナリオでは、理想化された性能(すなわち、フローサイトメーター100の線形ダイナミックレンジに入るすべての補正された定量化指標506)は、-1の傾き値として表すことができる。このような線形方程式は、y=mx+bの形であり得、ここで、mは傾き、bは希釈係数の対数値ゼロでの縦軸の切片である。これに関して、
図6に示されるように、傾向線508を特徴付ける線形方程式510がプロット500上に提供され得る。線形方程式510は、補正された定量化指標506がフローサイトメーター100の十分に線形な(すなわち、
図5の対数値プロット500に関して線形な)ダイナミックレンジ内にあるかどうかを決定するために評価され得る傾き値514を提供する。すなわち、補正された定量化指標506の適合度は、理想化された傾き値-1に対する傾向線508の計算された傾き値514の比較によって、少なくとも部分的に許容可能な希釈品質パラメータと比較され得る。具体的には、許容可能な傾き値の範囲を定義することができ、又はユーザが定義することができる。したがって、許容可能な傾き値の範囲内にある傾き値514は、適合度を生成するために使用される補正された定量化指標が機器のダイナミックレンジ内にあることを示す補正された定量化指標506の許容可能な希釈品質パラメータを示し得る。しかしながら、許容可能な傾き値の範囲外である計算された傾き値514は、以下でより詳細に説明されるように、希釈適合度通知をもたらし得る。
【0046】
また、補正された定量化指標のプロットされた点に対する傾向線508の決定係数(すなわちR2値)512も提供され得る。R2値512はまた、傾向線508を分析するために使用され得る希釈品質パラメータを含み得る。R2値512は、傾向線508と比較した、補正された定量化指標506の分散量の定量的特徴付けを提供し得る。言い換えれば、R2値512は、適合度が補正された定量化指標506をどれほど十分に説明しているかの指標を提供し得る。R2が1に近いほど、傾向線508の、プロットされた補正された希釈係数506への適合が良好である。これに関して、R2値512はまた、適合度の許容性を評価するために使用され得る希釈品質パラメータを提供し得る。すなわち、許容可能なR2値の範囲が提供され得る。次に、許容可能なR2値の範囲内にある計算されたR2値512は、適合度を生成するために使用される補正された定量化指標が機器のダイナミックレンジ内にあることを示す補正された定量化指標506の許容可能な希釈品質パラメータを示し得る。しかしながら、許容可能なR2値の範囲外にある計算されたR2値514は、以下でより詳細に説明されるように、適合度通知をもたらし得る。
【0047】
補正された定量化指標506について計算された適合度の受容性の評価にさらに関連して、
図7は、補正された定量化指標606a、606b、606c、及び606dの別の例示的なセットのプロット600を示す。この場合も、傾向線508は、補正された定量化指標606の適合度に対応して計算されている。理解できるように、傾向線508について計算された傾き値514は約-0.7であり、理想化された値-1からの逸脱を示している。
図7に示される例示的シナリオでは、この傾き値514は、許容可能な傾き値の範囲外にあると見なされ、したがって、傾きの希釈品質パラメータは、この例の目的では許容可能な希釈品質パラメータではないため、適合度通知をもたらす。さらに、R
2値512は、R
2値が理想化された値1に近い場合の理想化されたプロット500から減少している。したがって、このシナリオのR
2値512も、許容可能なR
2値の範囲外にあるため、R
2値512も適合度通知をもたらす。
【0048】
次に、許容可能な希釈品質パラメータを持たない、補正された定量化指標606a、606b、606c、及び606dの適合度のための希釈品質パラメータは、補正された定量化指標600に対応するフローサイトメトリー結果の少なくとも1つがフローサイトメーター100のダイナミックレンジから外れ、したがって結果が十分な直線性を示さないことを示し得る。具体的には、補正された定量化指標606の適合度は、流体サンプルの1つがフローサイトメーター100のダイナミックレンジ外の濃度にあることにより結果に機器エラーが含まれるために、調査中の流体サンプルの特性については、少なくとも1つの対応するフローサイトメーター結果の正確度が損なわれることを示し得る。理解できるように、そのようなエラーは、提供されたデータセットの最大希釈率又は最小希釈率に対応するフローサイトメトリー結果(ならびに、対応する補正された定量化指標606)に対して発生する可能性が高い。これらの値は、機器の限界にあるか、ダイナミックレンジの範囲外にある可能性が最も高いためである。プロット600において、これは、データセットの最小希釈率を表す補正された定量化指標606a、又はデータセットの最大希釈率を表す補正された定量化指標606dに対応する。したがって、データセットの最大希釈率に対応する補正された定量化指標606a及び/又は最小希釈率に対応する補正された定量化指標606dの一方又は両方を傾向線508の計算から除外して、残りの補正された定量化指標606から得られる希釈品質パラメータが、許容可能な希釈品質パラメータに対応するかどうかを決定することができる。
【0049】
さらに
図8を参照すると、傾向線508の更新された計算が提供されるように、補正された定量化指標606aが適合度の計算から(例えば、外れ値として)除外されたプロット700が提示される。理解できるように、補正された定量化指標606aの除外後、傾向線508の傾き値514はほぼ理想値に戻り、R
2値512もほぼ理想値まで増加する。このシナリオでは、傾き値514及びR
2値512の両方が許容可能な希釈品質パラメータに対応すると考えられ、その結果、残りの補正された定量化指標606b、606c、及び606dの適合度が、補正された定量化指標がフローサイトメトリー機器の許容できるダイナミックレンジ内にあることを示す十分に線形な結果を表すものとして確認(又はデータ分析の目的で検証)できる。
【0050】
上記は、補正された定量化指標606が機器のダイナミックレンジ内にあるかどうかを決定する補正された定量化指標606の評価を企図するが、所与のスクリーニングサンプルストックの最適化された希釈範囲の決定は、フローサイトメーター100がさらなる正確度を示す濃度範囲のさらなる分離に関連し得る。すなわち、フローサイトメーターは、結果が生成され得る絶対範囲を示し得るが、これは、その絶対範囲全体にわたるフローサイトメトリー結果の線形関係をもたらさない場合がある(すなわち、絶対範囲のうち高い及び/又は低い希釈率では、サンプルに誤差がある可能性がある)。フローサイトメーターはまた、結果(又は補正された結果)が上記で決定された機器のダイナミックレンジに入るのに十分な直線性を示す、所与のサンプルセットについてのダイナミックレンジを有し得る。さらにまた、フローサイトメーターは、概して、調査されている流体サンプル中の粒子の濃度に対して定義された最適性能帯域内で、より正確な結果を提供し得る。このような最適性能帯域は、ダイナミックレンジ内のより高い性能の部分範囲を表す場合がある。フローサイトメーターの極端な感受性を考慮して、最適性能帯域内の濃度の流体サンプルのフローサイトメトリー調査を実行すると、所与の対象サンプルストックを調査する所与のフローサイトメーターに対してさらに高い正確度及び精度の結果が提供され得る。
【0051】
したがって、
図8の参照に戻ると、傾向線508がデータ内の十分な線形性を反映し、補正された定量化指標606が機器のダイナミックレンジ内にある補正された定量化指標606の傾向線508をさらに使用して、スクリーニングサンプルストックの最適化された希釈係数範囲を決定することができる。具体的には、プロット700に反映されるように、フローサイトメーター100に対して、下限性能濃度限界702及び上限性能濃度限界704を定義することができる。下限性能濃度限界702及び上限性能濃度限界704は、所与のフローサイトメーター100について経験的に決定され得るか、又はユーザによって定義され得る。いずれにせよ、下限性能濃度限界702及び上限性能濃度限界704は、フローサイトメーター100の性能が高められた正確度を示すダイナミックレンジ内の部分的濃度範囲を定義することができる。次に、下限性能濃度限界702を使用して、機器のダイナミックレンジ内のデータの傾向線508が下限性能濃度限界702に対応する点を決定することができる。機器のダイナミックレンジ内のデータについて、下限性能濃度限界702が傾向線508と交差する希釈係数は、最適化された希釈係数範囲の最適化された希釈係数の上限706を定義し得る。同様に、上限性能濃度限界704が傾向線508と交差する希釈係数は、最適化された希釈係数範囲の最適化された希釈係数の下限708を定義し得る。したがって、最適化された希釈係数範囲は、機器のダイナミックレンジ内にあると判断されたデータの傾向線508に関する上限性能濃度限界704及び下限性能濃度限界702の分析によって決定される、最適化された希釈係数の下限708と最適化された希釈係数の上限706との間の範囲に対応し得る。
【0052】
次に、
図3も参照し、前述の分析を利用して、所与のスクリーニングサンプル流体ストック390の最適化された希釈係数範囲を決定することができる。そのような分析は、フローサイトメトリーシステム300のスクリーニングアッセイモジュール360によって、
図9~16に示されるグラフィカルユーザインターフェース画面と併せて実行され得る。グラフィカルユーザインターフェース380は、概して以下に関連してユーザに提示され得るいくつかの画面を含み得る:
図9~10に示される結果リスト画面800における、フローサイトメトリー結果の選択、又はスクリーニング分析のためのスクリーニングアッセイモジュール360による使用、又は力価分析のための力価アッセイモジュール370による使用;
図11~14に示されるスクリーニングアッセイ画面900におけるスクリーニング分析に関するスクリーニングアッセイモジュール360との制御及びやりとり;及び、
図15~16に示される力価アッセイ画面1000における力価分析に関する力価アッセイモジュール370との制御及びやりとり。さらに、グラフィカルユーザインターフェース380の各画面は、画面選択部820を表示することができる。画面選択部820は、グラフィカルユーザインターフェース380の所与の画面を選択するために利用され得るそれぞれ異なる画面に対応するタブを提供することができる。これに関して、画面選択バー820は、分析タブ822、結果タブ824、スクリーニングタブ826、及び力価タブ828を含み得る。分析タブ822は、フローサイトメトリー調査中にフローサイトメーターの操作に関連してユーザが操作して、フローサイトメーター100の動作をモニタリングすることができるが、本明細書での詳細な説明は行わない。グラフィカルユーザインターフェース380はまた、フローサイトメーター100の動作の制御に使用するための様々なインターフェースを含み得る機器制御パネル810を含み得る。
【0053】
図9は、グラフィカルユーザインターフェース380の結果リスト画面800を示す。結果リスト画面800は、フローサイトメトリー結果データベース310からのフローサイトメトリー結果のリストを含む結果リスト850を含み得る。上記のように、スクリーニング対象流体サンプル392は、スクリーニングサンプル流体ストック390の複数の希釈率のそれぞれで調製され得る。さらに、染料又は染色剤を、特定の粒子属性を有する対象粒子の検出に使用され得る各スクリーニング対象流体サンプル392に加えることができる。一実施形態では、複数のスクリーニング対象流体サンプル392は、複数の希釈係数(例えば、複数の異なる希釈係数)に希釈されたスクリーニングサンプル流体ストック390の希釈系列を含み得る。一実施形態では、希釈系列は、スクリーニング対象流体サンプル392が10倍に増加する希釈率(例えば、10:1、100:1、1,000:1等)で提供されるように、スクリーニングサンプル流体ストック390の10倍希釈系列を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、複数の希釈係数のそれぞれにつき1つのスクリーニング対象流体サンプル392が調製され得る。すなわち、少なくとも1つの実施形態では、所与の希釈率でのスクリーニング対象流体サンプル392の複数の複製をフローサイトメトリー調査に供する必要がない場合があり、したがって、調査する必要のある流体サンプルの数を減らし、上述した利点を提供する。複数のスクリーニング対象流体サンプル392のフローサイトメトリー結果は、それらが結果リスト850に反映されるように、フローサイトメーター結果データベース310に提供され、保存され得る。
図9で理解され得るように、結果リスト850からの所与の結果の選択は、所与の結果を拡張して、所与の結果に対する追加の情報及び/又はオプションを提供し得る。例えば、ユーザが結果にコメントしたり、電子署名を提供したりできるようにするオプションが提供され得る。
【0054】
さらに、1つ以上のスクリーニングブランク対照流体サンプル398を調製し、フローサイトメーター100を使用するフローサイトメトリー調査に供してもよい。1つ以上のスクリーニングブランク対照流体サンプル398は、複数のスクリーニング対象流体サンプル392に対応する1つ以上の流体サンプルを含み得る。したがって、1つ以上のスクリーニングブランク対照流体サンプル398は、複数のスクリーニング対象流体サンプルと同様の特性を有し得るが、調査の目的である対象粒子を実質的に又はまったく含まないものであり得る。スクリーニングブランク対照流体サンプル398について生成されたフローサイトメトリー結果は、実際の粒子数ではなく、フローサイトメーター100によって検出されたバックグラウンドノイズを反映することができ、スクリーニングブランク対照流体サンプル398は、上記のように補正された定量化指標を調製するために使用され得る。一実施形態では、1つ以上のスクリーニングブランク対照流体サンプル398は、同じ種類の複数のスクリーニング対象流体サンプル392の、フローサイトメトリー調査で調査の目的とされている対象粒子がないブランクサンプルマトリックスであり得るが、そうでない場合は、フローサイトメトリー調査で使用される染料又は染色剤を含有しているなど、同様の特性及び調製物を有する。複数のスクリーニングブランク対照流体サンプル398は、複数のスクリーニング対象流体サンプル392で提供される複数の希釈率のそれぞれに対応する希釈率で提供され得る。これに関して、複数のスクリーニング対象流体サンプル392とスクリーニングブランク対照流体サンプル398との間の対応は、各サンプルの共通する希釈率に関係し得る。別の実施形態では、1つ以上のスクリーニングブランク対照流体サンプル398は、ブランクサンプルストックマトリックス流体の代わりに溶液バッファー及び/又は他の試薬流体を含み得る(例えば、ブランクストックサンプルマトリックス流体が入手できない場合)。これに関して、対応する希釈物が提供されない場合があり、単一のスクリーニングブランク対照流体サンプル398をフローサイトメトリー調査に供して、試験で使われる溶液バッファー及び/又は任意の染料又は染色剤に関連するバックグラウンドノイズを決定することができる。1つ以上のスクリーニングブランク対照流体サンプル398のフローサイトメトリー調査時に、スクリーニングブランク対照流体サンプル398のフローサイトメーターの結果は、フローサイトメーター結果データベース310に提供され得、結果リスト850に反映され得る。
【0055】
結果リスト850は、結果リスト850に行エントリとして提供されるフローサイトメトリー結果のデータパラメータに関連するいくつかのデータ列を含み得る。例えば、縦列は、サンプル名列852、希釈係数列854、粒子カウント結果列856、力価結果列858(粒子濃度を示す)、取得日時列860、機器識別子列(図示略)、操作者列(図示略)、及び、フローサイトメトリー調査に関連し得る、個々の検出チャネル数や、検出器ベースライン、ピーク、幅などの放射検出データなどの他のデータ列を含むがこれらに限定されない、上記のフローサイトメトリー結果データベースに含まれるフローサイトメトリー結果の情報のいずれかを反映し得る。結果リスト850は、結果リスト850に提示された列のいずれか1つに従ってソート可能であり得る。さらに、ユーザソートオプション872、機器ソートオプション874、又は日付ソートオプション876によって、追加のソート機能が提供され得る。さらに、特定の種類のフローサイトメトリー結果を非表示にするオプションが提供されてもよい。
【0056】
さらに
図10を参照すると、ユーザは、スクリーニングアッセイモジュール360によって実行されるスクリーニング分析又は力価アッセイモジュール370によって実行される力価分析のいずれかで利用するための特定のフローサイトメトリー結果を指定するために、結果リスト850からフローサイトメトリー結果を選択することができる。スクリーニングアッセイモジュール360によって使用するためのフローサイトメトリー結果の選択に関して、ユーザは、スクリーニング対照セット選択882又はスクリーニング対象セット選択884の選択を可能にするスクリーニング選択サブメニュー880を含む結果指定メニュー878へのナビゲーションによって、結果リスト850から1つ以上のフローサイトメトリー結果エントリを選択することができる。すなわち、結果リスト850から選択された結果は、フローサイトメトリー結果の選択及びスクリーニング対照セット選択882の選択によって、スクリーニング対照セットに属するものとしてユーザによって選択され得る。同様に、結果リスト850から選択された結果は、フローサイトメトリー結果の選択及びスクリーニング対象セット選択884の選択によって、スクリーニング対象セットに属するものとしてユーザによって選択され得る。
【0057】
さらに
図11を参照すると、画面選択バー820からのスクリーニングタブ826の選択時にユーザに提示され得るスクリーニングアッセイ画面900が示されている。スクリーニングアッセイ画面900は、スクリーニング対照セット選択884を使用してユーザによって選択されたスクリーニング対照セット906が入力されたスクリーニング対照セットリスト902を含み得る。スクリーニングアッセイ画面900は、結果画面800の結果リスト850から対象スクリーニングセット選択884を使用して選択されたスクリーニング対象セット908を含むフローサイトメトリー結果が入力されたスクリーニング対象セットリスト904をさらに含み得る。
【0058】
スクリーニング対照セット906及びスクリーニング対象セット908の選択時に、選択されたスクリーニング対象セット908に対する機器のダイナミックレンジの決定に関して上記の1つ以上の決定又は計算が、スクリーニング対照セット906及びスクリーニング対象セット908を使用して実行され得る。そのような計算は、スクリーニング対象セット904及びスクリーニング対照セット906の入力時に自動的に実行され得るか、又は計算ボタン910の選択によって計算を開始することをユーザに要求し得る。これに関して、
図11は、スクリーニング対照セット906及びスクリーニング対象セット908が選択されているが、最適化された希釈係数範囲の計算がまだ計算されていないスクリーニングアッセイ画面900の例を示す。さらに
図12を参照すると、最適化された希釈係数範囲の計算が(例えば、自動的に、又は計算ボタン910の選択によって)実行されたスクリーニングアッセイ画面900が示されている。自動計算又はユーザ開始計算の選択は、グラフィカルユーザインターフェース380の設定メニューで構成することができる。
【0059】
最適な希釈係数範囲を決定するための上記の計算及び分析に関連して、
図12を引き続き参照すると、スクリーニングアッセイ画面900はまた、プロット領域916を含むことができ、ここに、スクリーニング対象セット908及びスクリーニング対照セット906に基づく補正された定量化指標がユーザに表示される。すなわち、スクリーニングアッセイモジュール360は、スクリーニング対象セット908のスクリーニング対象流体サンプルのそれぞれについて、スクリーニング対照セット906の対応するものに基づき、粒子の補正された定量化指標を計算するように動作可能であり得る。補正された定量化指標はまた、スクリーニング対象セットリスト904の粒子の補正された定量化列912において、スクリーニング対象セット908のそれぞれについて表示され得る。
【0060】
さらに、スクリーニングアッセイモジュール360は、選択されたスクリーニング対照セット906が、スクリーニング対象セット908に対応する結果を含むかどうかを決定することができる。すなわち、スクリーニングアッセイモジュール360は、対照サンプルが、スクリーニング対象セット908の対象流体サンプルの各希釈率に対応する希釈率で提供されることをチェックすることができる。対応がない場合(例えば、対応するスクリーニング対象流体サンプルがないスクリーニング対照流体サンプルが選択された場合、又はスクリーニング対照流体サンプルがないスクリーニング対象流体サンプルが選択された場合)、対応通知がスクリーニングアッセイモジュール360によって生成され得、これは、データ通知インジケータ924を
図13に示すように表示されるようにトリガーすることができる。すなわち、データ通知インジケータ924は、スクリーニングアッセイモジュール360の動作に関して任意のデータ通知が存在する場合に提供され得る。次に、データ通知インジケータ924を選択すると、
図14に示すように、データ通知詳細リスト926が表示され得る。データ通知詳細リスト926は、上述の対応通知又は以下の説明に記載するさらなるデータ通知など、存在するすべてのデータ通知の詳細なリストを含み得る。対応通知は、対応の欠如を示す警戒通知又は警告としてユーザに提供される場合がある。これは、ユーザが、選択されたスクリーニング対照セット906及び/又はスクリーニング対象セット908の再検討及び/又は修正によって、対応の欠如に対処することを可能にし得る。例えば、スクリーニング対照セット906内のスクリーニング対照流体サンプル又はスクリーニング対象セット908内のスクリーニング対象流体サンプルのいずれかのうちの1つを、スクリーニング対照セットリスト902又は対象セットリスト904において強調表示し(例えば、オフセット背景色又はフォントの色、サイズ、又は他のフォーマットの変更によって)、対応する結果が提供されていないことを示すことができる。データ通知は情報提供であってもよいし、最適希釈係数範囲を決定する前に通知の原因となっている問題に対処するユーザ側のアクションを必要としてもよい。例えば、ユーザは、結果リスト850に戻り、欠落している適切な対応する値を選択することを要求され得る。対応通知が警戒通知である場合、ユーザは通知の原因となっている問題に対処せずに続行することを選択することもできる。あるいは、対応通知は、対応通知をもたらしている条件がユーザによって解決されるまで、及び解決されない限り、スクリーニングアッセイモジュール360での最適化された希釈係数範囲のさらなる計算を妨げる障害をもたし得る。
【0061】
上記の特定の実施形態において、1つ以上のスクリーニングブランク対照流体サンプルは、サンプル希釈バッファー及び/又は他の試薬液体を使用して、かつサンプルストックマトリックスを使用せずに作製され得る。この場合、スクリーニングブランク対照流体サンプルは、複数のスクリーニング対象流体サンプルに対応する希釈率を有していない場合があるため、スクリーニング対照セット906とスクリーニング対象セット908との間の直接の対応は必要とされなくてもよい。これに関して、任意の対応通知を無効化し、スクリーニング対象セット908の複数のスクリーニング対象流体サンプルの各々の補正に使用するためのスクリーニング対照セット908からの所与の対照サンプル結果をスクリーニングアッセイモジュール360に利用させるように、対照対応無効化選択914がユーザによって選択されてもよい。
【0062】
スクリーニングアッセイモジュール360はまた、スクリーニング対象セット908のそれぞれについて、補正された定量化指標912を計算することができる。これは、スクリーニング対照セット906のフローサイトメトリー結果をスクリーニング対象セット908の対応するものから減算することを含み得る。次に、スクリーニングアッセイモジュール360は、結果として生じる補正された定量化指標912が負であるかどうかを決定し、負の補正された定量化指標912が計算された場合、補正された定量化指標通知を提供し得る。例えば、補正された定量化指標通知は、データ通知表示924をもたらすことができる。補正された定量化指標通知の詳細は、存在する場合、データ通知詳細リスト926にも提供され得る。補正された定量化指標通知は、通知の表示が情報提供の目的でユーザに提示される警戒通知であり得るか、又はスクリーニングアッセイモジュール360によるさらなる処理を妨げる障害をもたらすものであり得る。さらに、負の補正された定量化指標912は、対象セットリスト904において、強調表示された値及び/又は特定のテキスト色、サイズ、フォーマットなどで提供される値によって、強調表示され得る。
【0063】
補正された定量化指標912がスクリーニング対象セット908のそれぞれについて計算されると、補正された定量化指標912がプロット領域916にプロットされ得る。また、補正された定量化指標912の線形回帰適合度に対応する傾向線918を表示することができる。最適化された希釈係数範囲を決定するための分析に関連して上記のように傾向線918の傾き514を反映する最適化された希釈係数範囲表示920が提供され得る。さらに、R2値512はまた、最適化された希釈係数範囲表示920に提供され得る。ユーザは、プロット領域916及び/又は最適化された希釈係数範囲表示920を検討して、そこに表示される希釈品質パラメータ又は他の値を検証するように促され得る。これには、補正された定量化指標の結果の適合度が許容範囲内にあるかどうかを判断するために、傾き値514又はR2値512をチェックするように促されるユーザが含まれ得る。許容範囲は、最適化された希釈係数範囲表示920に表示され得るか、又は最適化された希釈係数範囲自体の値は、適合度の希釈品質パラメータに対して定義された所与の許容範囲に対して許容可能又は許容不能として強調表示又は他の方法で示され得る。例えば、最適化された希釈係数範囲表示920に表示される最適化された希釈係数範囲の値は、値が許容可能か許容不能かを示すために特定の色で強調表示され得る。例えば、値は、許容可能値の場合は緑色で強調表示され、許容不能値の場合は赤色で強調表示されてもよい。これに加え、又はこれに代えて、テキストの色は、本明細書に記載されている画面のいずれにおいても、許容可能値又は許容不能値の指標として使用することができる。スクリーニングアッセイモジュール360は、希釈品質パラメータの許容範囲(例えば、傾きの許容範囲及び/又はR2値の許容範囲)を定義し、又はユーザに(例えば、グラフィカルユーザインターフェース380の入力を介して)定義させることができる。これに加え、又はこれに代えて、補正された定量化指標912の希釈品質パラメータが対応する許容範囲内にない場合、傾向線918は、プロット領域916に生成されない場合がある。さらに、希釈品質パラメータが許容範囲内にない場合、適合度通知がユーザに提示され得る。適合度通知は、希釈品質パラメータが許容範囲外であることの強調表示又は他の表示などのユーザへの表示を含み得る。適合度通知はまた、データ通知インジケータ924及びデータ通知詳細リスト926における適合度通知のリストをもたらすことができる。この点で、適合度通知は、ユーザが通知を無効化して、最適化された希釈範囲を計算し続けることを可能にする警戒通知であり得る。あるいは、任意の希釈範囲は、(例えば、傾向線918の計算での使用から1つ以上の補正された定量化指標912を削除することによって)希釈品質パラメータが許容範囲内であると決定されるまで表示されなくてもよい。また、理想化された傾向線922が、ユーザが傾向線918を検討するのを支援するために、プロット領域916に提供され得る。
【0064】
傾向線918が機器のダイナミックレンジを反映していることが確認されると、最適化された希釈係数範囲が、最適化された希釈係数範囲表示920でユーザに提示され得る。上記のように、最適化された希釈係数の範囲は、上限性能濃度限界に対応する希釈係数の下限と、下限性能濃度限界に対応する希釈係数の上限との間に及び得る。上限性能濃度限界及び下限性能濃度限界は、それに関連してリストされた対応する希釈係数とともに、最適化された希釈係数範囲表示920に提供され得る。あるいは、ユーザにとって好都合な希釈率を含む丸められた希釈係数が、最適化された希釈係数範囲表示920に提示され得る。すなわち、最適化された希釈係数範囲の希釈係数の下限及び希釈係数の上限は、調製するのに比較的不便な希釈係数に対応している場合がある。したがって、スクリーニングアッセイモジュール360は、希釈係数範囲内の1つ以上の好都合な希釈係数を選択して、最適化された希釈係数として使用するためにユーザに提示してもよい。これには、最適化された希釈係数の範囲内の丸められた希釈係数が含まれ得る。一例として、最適化された希釈係数の範囲が88~242の場合、最適化された対象流体サンプルの調製を容易にする好都合な希釈係数として、100又は200の丸められた希釈係数がユーザに提案される。この点に関して、最適化された希釈係数の範囲は、上限と下限の間にまたがる必要はなく、上記のように単一の希釈係数値として提供することができる。
【0065】
最適化された希釈係数範囲がユーザに提示されると、力価アッセイモジュール370を使用して力価分析を実行することができる。これは、スクリーニングアッセイモジュール360によって決定されるような対象希釈範囲内の希釈を有する最適化された対象流体サンプル396の調製を含み得る。これに関して、最適化された対象流体サンプル396は、最適化された希釈係数範囲内に入る希釈係数を有し得る。一実施形態では、スクリーニングアッセイモジュール360は、最適化された対象流体サンプル396が最適化された希釈係数範囲内に入るように、最適化された対象流体サンプル396の調製に関してユーザに指示を提供し得る。いずれにせよ、最適化された対象流体サンプル396は、フローサイトメトリー100によるフローサイトメトリー調査に供され得、最適化された対象流体サンプル396のフローサイトメトリー結果は、フローサイトメトリー結果データベース310に提供され得る。さらに、1つ以上の最適化されたブランク対照流体サンプル399もまた、調製され、フローサイトメトリー調査に供され得る。最適化されたブランク対照流体サンプル399は、スクリーニングブランク対照流体サンプルと同様であり、対応するサンプルストックのブランク流体マトリックスを使用して、かつ最適化された対象流体サンプルに使用される対応する希釈係数で(例えば、最適化された対象希釈範囲内の希釈率で)、対象粒子が存在しないように作製され得る。最適化されたブランク対照流体サンプル399は、対応するサンプルストック流体マトリックスを使用せずに作製してもよく、代わりにサンプル希釈バッファー及び/又は他の試薬液体を含み、対応する染料又は染色剤を用いて、最適化された対象流体サンプル396に関するブランク対照流体サンプルを提供する。
【0066】
次に、ユーザは、
図10に示されるような結果画面800を使用して、結果タブ824を選択することにより、結果リスト850から最適化された対象セット及び最適化された対照セットを選択することができる。スクリーニングアッセイモジュール360操作のためのスクリーニング対象セット及びスクリーニング対照セットの選択に関して上述したのと同様の方法で、結果リスト850から、最適化された対象流体サンプルの最適化された対象セットのメンバー又は1つ以上の最適化されたブランク対照流体サンプルを含む最適化された対照セットのメンバーとしてフローサイトメトリー結果を指定するために、結果指定メニュー878の力価選択サブメニュー886が使用され得る。すなわち、力価選択サブメニュー886はまた、結果リスト850から、それぞれ最適化された対照セット及び最適化された対象セットを指定するために使用され得る最適化された対照セット選択及び最適化された対象セット選択を有し得る。
【0067】
さらに
図15~16を参照すると、力価アッセイ画面1000が示されている。力価アッセイ画面1000は、画面選択バー820の力価タブ828を選択することによってアクセスすることができる。力価アッセイ画面1000は、結果リスト850からユーザによって選択された最適化された対照セット1008を反映する最適化された対照セットリスト1002と、結果リスト850からユーザによって選択された最適化された対象セットを反映する最適化された対象セットリスト1004とを含み得る。力価アッセイモジュール370は、ユーザによって選択された最適化された対象セット1006及び最適化された対照セット1008に基づいて、対象サンプルストックの粒子力価結果を計算するように動作可能であり得る。粒子力価結果は、力価アッセイ画面1000の力価結果部1010に表示され得る。粒子力価結果は、対象サンプルストック394の平均力価1012、最適化された対象セット1006のフローサイトメトリー結果の標準偏差1014、及び粒子力価結果の変動係数1016を含み得る。平均力価1012は、最適化された対象セット1006から決定される、対象サンプルストック中の対象粒子の平均濃度であり得る。
【0068】
粒子力価結果1010の決定に関連して、力価アッセイモジュール370は、最適化された対照セット1002に基づいて、最適化された対象セット1006の補正された定量化指標1026を計算することができる。これは、最適化された対象セット1004のフローサイトメトリー結果から最適化された対照セット1002の平均結果を減算することを含み得る。スクリーニングアッセイモジュール360の動作と同様に、力価アッセイモジュール370が、最適化された対象セット1006の補正された定量化指標1026が負であると決定した場合、通知を作成する状況をユーザに通知し、及び/又は粒子力価結果1010の決定を排除する、補正された定量化指標通知が提示され得る。例えば、
図16に示されるように、力価アッセイモジュール370の動作に関するデータ通知が存在する場合には、データ通知インジケータ928が力価アッセイ画面1000に提供され得る。示されていないが、
図14に関連して説明したもののようなデータ通知詳細リストが、力価アッセイ画面1000のデータ通知インジケータ926の選択時に提供されてもよい。力価アッセイ画面1000のデータ通知詳細リストは、力価アッセイモジュール270の動作に関するデータ通知の詳細を提供することができる。
【0069】
さらに、力価アッセイモジュール370は、最適化された対照セット1008及び最適化された対象セット1006のすべての希釈係数が、スクリーニングアッセイモジュール360によって確立された最適希釈範囲内にあることを検証し得る。結果が最適化された希釈係数範囲外である場合、希釈係数通知が、最適化された希釈係数範囲外の最適化された対照セット1008又は最適化された対象セット1006のいずれかのメンバーに関して提示され、データ通知インジケータ926が表示され得る。また、許容範囲外の値が強調表示されるか、フォントの色、サイズ、又はフォーマットが変更されることで、上記のようにデータ通知が示される場合がある。さらに、最適化された対象範囲よりも広い範囲であり得る希釈の絶対限界を確立することができる。最適化された対照セット1008又は最適化された対象セット1006のいずれかが絶対希釈係数範囲外にある場合、希釈係数通知も提示され得る。
【0070】
さらに、平均力価結果1012は、最適化された対象セット1006の希釈係数に基づいてもよい(例えば、希釈されていない対象サンプル流体ストック394における希釈サンプルから粒子結果への粒子定量化指標の外挿に関連して)ことが理解され得る。これに関して、力価アッセイモジュール370は、平均力価1012を決定するために、有効希釈係数1028を決定又は計算することができる。有効希釈係数は、最適化された対照セット1006の希釈係数に基づいて自動的に入力され得る。
【0071】
力価結果部1010はまた、計算されたサンプル定量限界(sample qualification limit:SQL)1018を含み得る。SQL1018は、最適化された対象セット1006及び最適化された対照セット1008のフローサイトメトリー結果に基づいて決定できる。SQL1018は、サンプル結果の所与のマトリックスで適切な精度及び正確度でサンプル結果を決定できる限界に対応し得る。SQL1018は、最適化された対照セット1008の平均結果、最適化された対象セット1006の観察された変動性(例えば、最適化された対照セットの標準偏差に反映される)、及び所望の信頼度1020に基づいて決定され得る。所望の信頼度1012は、力価結果部1010においてユーザによって選択可能としてもよい。これに関して、SQL1018を使用して、サンプル結果がサンプルマトリックスからのバックグラウンド信号よりも統計的に有意に大きいかどうかを判断できる。SQL1018は、最適化された対照セットの結果1008の平均に基づいて計算され得る。具体的には、最適化された対照セット1008の標準偏差が計算され得る。信頼区間も、最適化された対照セット1008の標準偏差に基づいて計算され得る。信頼区間は、最適化された対照セット1008の標準偏差に、t分布表から決定された適切な信頼値を掛けたものであり得る。信頼値は、データの自由度(例えば、最適化された対照セット1008の複製の数より1少ない値)に基づいて、及び選択された信頼度1020に基づいて決定され得る。得られる信頼値は、SQL1018を定義するために、最適化された対照セットの測定値の平均値に加算され得る。
【0072】
図17に示されるように、SQL1018は、プロット内の最適化されたブランク対照流体サンプル結果1022に関連するエラーバーとして示されている。理解できるように、
図12に示される最適化されたブランク対照流体サンプル結果1022に対応する最適化された対象流体サンプル結果1024は、最適化されたブランク対照流体サンプル結果1022に関連して示されるように、SQL1018外に提供される。しかしながら、最適化された対象流体サンプル結果1024が、対応する最適化されたブランク対照流体サンプル結果1022に対して定義されたSQL1018外ではない場合、SQL通知がグラフィカルユーザインターフェース380に提供され得る。さらに、SQL通知は、粒子力価結果部の平均粒子力価の計算を妨げてもよい。
【0073】
力価アッセイモジュール370は、粒子力価結果を計算するために使用されるデータ及び/又は粒子力価結果自体の他の確認を行うことができる。後者の点に関して、粒子力価結果1010のいずれかが、対象サンプルストック394の平均力価1012、最適化された対象セット1006のフローサイトメトリー結果の標準偏差1014、及び粒子力価結果の変動係数1016のいずれかについてユーザによって提供又は定義され得る定義された許容限界の外にある場合、力価通知が提供され得る。
【0074】
本発明を、図面及び前述の説明において詳細に例示及び説明してきたが、そのような例示及び説明は、例示的であり、性質を限定するものではないと見なされるべきである。例えば、上記で説明された特定の実施形態は、他の説明された実施形態と組み合わせることができ、及び/又は他の方法で配置され得る(例えば、プロセス要素は、他の順序で実行され得る)。したがって、好ましい実施形態及びそのバリエーションのみが示され、説明されており、本発明の主旨の範囲内にあるすべての変更及び変形が保護されることが望まれることを理解されたい。
【0075】
実装の組合せの例
上記又は本明細書の他の場所に開示されるような追加の特徴の有無を問わず、本開示の様々な態様に関する実装の組合せのいくつかの他の企図される実施形態を、以下に提示される例示的な番号付きの組合せにまとめる。
【0076】
1.調査用励起放射にさらされるフローサイトメトリー調査ゾーンを通して流体サンプルを流し、調査ゾーンからの応答放射を検出及び測定し、各流体サンプル中の対象粒子の定量化指標を含むフローサイトメトリー結果を決定及び出力するように動作可能なフローサイトメーターを使用して、対象サンプル流体ストック中の特定の粒子属性を有する対象粒子を定量化するためのフローサイトメトリー方法であって、以下を含む方法:
複数の希釈係数で希釈されたスクリーニングサンプル流体ストックの希釈系列(任意選択で、各前記希釈係数で1つの前記スクリーニング対象流体サンプルのみ)を含むスクリーニング対象流体サンプルのスクリーニング対象セットを第1のフローサイトメトリー評価に供すること、ここで、前記第1のフローサイトメトリー評価に供することは、
各前記スクリーニング対象流体サンプルを、フローサイトメーターの調査ゾーンを通して流し、調査ゾーンにおいて、各前記スクリーニング対象流体サンプルを調査用励起放射にさらすこと、
調査ゾーンからの応答放射を検出し、各前記スクリーニング対象流体サンプルについて、スクリーニング対象流体サンプルの対象粒子の前記定量化指標を含むフローサイトメトリー結果を生成すること、及び
スクリーニング対象セットのフローサイトメトリー結果を、コンピュータメモリであって、プロセッサによってアクセス可能かつ実行可能なスクリーニングアッセイモジュール、及びプロセッサによってアクセス可能かつ実行可能な力価アッセイモジュールをその中に格納したメモリに保存することを含む;
プロセッサによりスクリーニングアッセイモジュールを実行すること、ここで、前記スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、
スクリーニング対象流体サンプルの少なくとも複数の部分のそれぞれについて、補正された定量化指標を計算することであって、これは、メモリからのスクリーニング対象セットの第1の選択されたフローサイトメトリー結果と、メモリから選択されたスクリーニング対照セットの対応する第2の選択されたフローサイトメトリー結果との比較を含み、スクリーニング対照セットは、スクリーニング対象セットに対応する少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルを含み、少なくとも部分的に、第1の選択されたフローサイトメトリー結果の定量化指標を補正された定量化指標に調整する比較に基づく、補正された定量化指標を計算すること、及び
補正された定量化指標の分析に基づいて、スクリーニングストック流体サンプルの最適化されたサンプル希釈係数範囲を決定し、その最適化されたサンプル希釈係数範囲を前記メモリに保存することを含む;
最適化されたサンプル希釈係数範囲内の最適化されたサンプル希釈係数に希釈された対象サンプル流体ストックをそれぞれ含む、最適化された対象流体サンプルの最適化された対象セットを第2のフローサイトメトリー評価に供すること、ここで、第2のフローサイトメトリー評価に供することは、
各前記最適化された対象流体サンプルを、フローサイトメーターの調査ゾーンを通して流し、調査ゾーンにおいて、各前記最適化された対象流体サンプルを調査用励起放射にさらすこと、
調査ゾーンからの応答放射を検出し、各前記最適化された対象流体サンプルについて、最適化された対象流体サンプルの対象粒子の前記定量化指標を含む前記フローサイトメトリー結果を生成すること、及び
最適化された対象セットのフローサイトメトリー結果を前記メモリに保存することを含む;
プロセッサを用いて力価アッセイモジュールを実行すること、ここで、前記力価アッセイモジュールを実行することは、
メモリ内の最適化された対象セットのフローサイトメトリー結果にアクセスすること、及び
最適化された対象セットのフローサイトメトリー結果を使用して、対象サンプル流体ストックの粒子力価結果(任意選択で、対象サンプル流体ストック中の対象粒子の計算された濃度を含む)を計算することを含む;及び
対象サンプル流体ストックの粒子力価結果をメモリに保存すること。
【0077】
2.グラフィカルユーザインターフェースのディスプレイに、メモリに保存されたフローサイトメトリー結果に対応する結果リストを表示することをさらに含み、任意選択で、グラフィカルユーザインターフェースはユーザ入力デバイスを有する、例示的組合せ1の方法。
【0078】
3.グラフィカルユーザインターフェースのユーザ入力デバイスによってユーザから第1のスクリーニング選択を受け取ることをさらに含み、第1のスクリーニング選択は、結果リストからのスクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分についての第1の選択されたフローサイトメトリー結果を含む、例示的組合せ2の方法。
【0079】
4.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、結果リストからユーザによって選択された第1のスクリーニングセクションに基づいて、スクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分についての第1の選択されたフローサイトメトリー結果を取得するためにメモリにアクセスすることをさらに含む、例示的組合せ3の方法。
【0080】
5.グラフィカルユーザインターフェースのユーザ入力デバイスによってユーザから第1の力価選択を受け取ることをさらに含み、第1の力価選択は、結果リストからユーザによって選択された最適化された対象流体サンプルのフローサイトメトリー結果を含む、例示的組合せ2~4のいずれか1つの方法。
【0081】
6.力価アッセイモジュールを実行することは、結果リストからユーザによって選択された第1の力価選択に基づいて、最適化された対象流体サンプルのフローサイトメトリー結果を取得するためにメモリにアクセスすることをさらに含む、例示的組合せ5の方法。
【0082】
7.スクリーニング対照セットの少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルのフローサイトメトリー結果を前記メモリに保存することをさらに含む、例示的組合せ5又は例示的組合せ6のいずれか1つの方法。
【0083】
8.以下をさらに含む、例示的組合せ1~7のいずれか1つの方法:
少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルを含むスクリーニング対照セットを第3のフローサイトメトリー評価に供すること、ここで、第3のフローサイトメトリー評価に供することは、
各前記スクリーニングブランク対照流体サンプルを、フローサイトメーターの調査ゾーンを通して流し、調査ゾーンにおいて、各前記スクリーニングブランク対照流体サンプルを調査用励起放射にさらすこと、及び
調査ゾーンからの応答放射を検出し、各前記スクリーニングブランク対照流体サンプルについて、スクリーニングブランク対照流体サンプルの対象粒子の前記定量化指標を含む前記フローサイトメトリー結果を生成することを含む。
【0084】
9.グラフィカルユーザインターフェースのユーザ入力デバイスによってユーザから第2のスクリーニング選択を受け取ることをさらに含み、第2のスクリーニング選択は、グラフィカルユーザインターフェースに表示される結果リストからの少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルのフローサイトメトリー結果を含む、例示的組合せ8の方法。
【0085】
10.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、結果リストからユーザによって選択された第2のスクリーニングセクションに基づいて、少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルについての第2の選択されたフローサイトメトリー結果を取得するためにメモリにアクセスすることをさらに含む、例示的組合せ9の方法。
【0086】
11.力価アッセイモジュールを実行することは、最適化された対象セット、及び最適化された対象セットに対応する少なくとも1つの最適化されたブランク対照流体サンプルを含む最適化された対照セットのフローサイトメトリー結果を使用して、対象サンプル流体ストックの粒子力価結果を計算することをさらに含む、例示的組合せ1~10のいずれか1つの方法。
【0087】
12.力価アッセイモジュールを実行することは、
最適化された対照セットのフローサイトメトリー結果に基づいて、最適化された対象セットのフローサイトメトリー結果のサンプル定量限界(SQL)を決定すること、及び
最適化された対象セットのいずれかのフローサイトメトリー結果がSQLを超えない場合に、SQL通知の表示を、任意選択でグラフィカルユーザインターフェースに提供すること
をさらに含む、例示的組合せ11の方法。
【0088】
13.最適化された対照セットの少なくとも1つの最適化されたブランク対照流体サンプルのフローサイトメトリー結果をメモリに保存することをさらに含む、例示的組合せ11又は例示的組合せ12のいずれか1つの方法。
【0089】
14.以下をさらに含む、例示的組合せ11~13のいずれか1つの方法:
少なくとも1つの最適化されたブランク対照流体サンプルを含む最適化された対照セットを第4のフローサイトメトリー評価に供すること、ここで、第4のフローサイトメトリー評価に供することは、
各前記最適化されたブランク対照流体サンプルを、フローサイトメーターの調査ゾーンを通して流し、調査ゾーンにおいて、各前記最適化されたブランク対照流体サンプルを調査用励起放射にさらすこと、及び
調査ゾーンからの応答放射を検出し、各前記最適化されたブランク対照流体サンプルについて、最適化されたブランク対照流体サンプルの対象粒子の前記定量化指標を含む前記フローサイトメトリー結果を生成することを含む。
【0090】
15.グラフィカルユーザインターフェースのユーザ入力デバイスによってユーザから第2の力価選択を受け取ることをさらに含み、第2の力価選択は、グラフィカルユーザインターフェースに表示される結果リストからの少なくとも1つの最適化されたブランク対照流体サンプルのフローサイトメトリー結果を含む、例示的組合せ11~14のいずれか1つの方法。
【0091】
16.力価アッセイモジュールを実行することは、結果リストからユーザによって選択された第2の力価セクションに基づいて、少なくとも1つの最適化されたブランク対照流体サンプルについてのフローサイトメトリー結果を取得するためにメモリにアクセスすることをさらに含む、例示的組合せ15の方法。
【0092】
17.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、
スクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分の各前記スクリーニング対象流体サンプルに対応する前記スクリーニングブランク対照流体サンプルについての前記フローサイトメトリー結果が存在する第1の条件があるかどうかを第1に決定すること、及び
上記第1に決定している間にそのような第1の条件がないと決定されたときに、対応通知を、任意選択でグラフィカルユーザインターフェースに提供すること
をさらに含む、例示的組合せ1~16のいずれか1つの方法。
【0093】
18.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、
スクリーニング対照セットの第2の選択されたフローサイトメトリー結果の各前記定量化指標が、スクリーニング対照セットの第1の選択されたフローサイトメトリー結果の対応する前記定量化指標よりも大きくなる第2の条件があるかどうかを第2に決定すること、及び
上記第2に確認している間にそのような第2の条件がないと決定されたときに、定量化補正通知の表示を、任意選択でグラフィカルユーザインターフェースに提供すること
をさらに含む、例示的組合せ1~17のいずれか1つの方法。
【0094】
19.スクリーニングアッセイモジュールを実行する際に、最適化されたサンプル希釈係数を決定することは、複数の希釈係数に対する補正された定量化指標の適合度を計算することをさらに含み、第1の選択されたフローサイトメトリー結果のスクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分は、前記複数の希釈係数を表す、例示的組合せ1~18のいずれか1つの方法。
【0095】
20.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、グラフィカルユーザインターフェースに、前記対応する複数の希釈係数に対する補正された定量化指標の適合度のプロットを、任意選択で、補正された定量化指標のプロットされた点に対してプロットに表示されたプロットされた適合度と共に表示することをさらに含み、任意選択で、適合度は直線状傾向線としてプロットされる、例示的組合せ19の方法。
【0096】
21.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、グラフィカルユーザインターフェース上で、理想的な傾向線をプロットに表示することをさらに含む、例示的組合せ20の方法。
【0097】
22.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、スクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分がプロット可能な結果を生成しない場合、グラフ化通知の表示を提供することをさらに含む、例示的組合せ20又は例示的組合せ21のいずれか1つの方法。
【0098】
23.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、1つ以上の希釈品質パラメータに対する適合度を比較することをさらに含み、最適化されたサンプル希釈係数の範囲は、適合度が許容可能な希釈品質パラメータに合致した後に決定される、例示的組合せ19~22のいずれか1つの方法。
【0099】
24.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、スクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分の適合度が許容可能な希釈品質パラメータに合致しない場合、適合度通知の表示を提供することをさらに含む、例示的組合せ23の方法。
【0100】
25.適合度を計算することが、補正された定量化指標及び前記複数の希釈係数の対数変換に対する線形回帰適合度を決定することを含む、例示的組合せ22又は例示的組合せ23のいずれかの方法。
【0101】
26.1つ以上の希釈品質パラメータが線形回帰適合度の定量的特徴付けを含む、例示的組合せ25の方法、
27.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、線形回帰適合度を、補正された定量化指標及び前記複数の希釈係数の対数変換に対する傾向線として表すことをさらに含み、希釈品質パラメータは、傾向線の傾き及び決定係数を含む、例示的組合せ25又は例示的組合せ26のいずれか1つの方法。
【0102】
28.前記許容可能な希釈品質パラメータが、直線状傾向線の許容可能な傾き値及び直線状傾向線の許容可能な決定係数を含む、例示的組合せ23~27のいずれか1つの方法。
【0103】
29.許容可能な傾き値が許容可能な傾き値の所定の範囲内にあり、許容可能な決定係数値が許容可能な決定係数の所定の範囲内にある、例示的組合せ28の方法。
30.最適化されたサンプル希釈係数範囲が、スクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分の複数の希釈係数の範囲内の部分範囲内にあり、前記部分範囲内において、傾き値は許容可能な傾き値の所定の範囲内にあり、決定係数は許容可能な適合決定係数値の所定の範囲内にある、例示的組合せ28又は例示的組合せ29のいずれかの方法。
【0104】
31.最適化されたサンプル希釈係数範囲が、最適化された希釈係数の上限と最適化された希釈係数の下限との間に定義され、最適化された希釈係数の上限が、最適化された下限性能濃度限界に対応する直線状傾向線上の希釈値に対応し、最適化された希釈係数の下限が、最適化された上限性能濃度限界に対応する直線状傾向線上の希釈値に対応し、
任意選択で、最適化された下限性能濃度限界は、1ミリリットルあたり少なくとも106.5個の粒子、好ましくは1ミリリットルあたり少なくとも106.7個の粒子、より好ましくは1ミリリットルあたり少なくとも106.9個の粒子、さらにより好ましくは1ミリリットルあたり少なくとも約107.0個の粒子であり、最適化された濃度の上限は、1ミリリットルあたり108個以下の粒子、好ましくは1ミリリットルあたり107.9個以下の粒子、より好ましくは1ミリリットルあたり107.8個以下の粒子、さらにより好ましくは1ミリリットルあたり約107.7個以下の粒子である、例示的組合せ28~30のいずれか1つの方法。
【0105】
32.最適化された下限性能濃度限界及び最適化された上限性能濃度限界は、粒子濃度決定のためのフローサイトメーターのダイナミックレンジ内の最適化された性能部分範囲を定義し、
任意選択で、最適化された上限濃度限界は、最適化された下限濃度限界の10倍以下、好ましくは最適化された下限濃度限界の100.8倍以下、より好ましくは最適化された下限濃度限界の100.5倍以下である、例示的組合せ31の方法。
【0106】
33.適合度を比較することは、適合度の希釈品質パラメータを確認するようにユーザに促すためにユーザにレビュープロンプトを提供することをさらに含み、任意選択で、上記提示は、グラフィカルユーザインターフェース上に現れる視覚的表示を含む、例示的組合せ23~31のいずれか1つの方法。
【0107】
34.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、許容可能な希釈品質パラメータを定義するユーザからの許容可能な希釈品質パラメータ入力を、任意選択でグラフィカルユーザインターフェースのユーザ入力デバイスを介して受け取ることをさらに含む、例示的組合せ23~33のいずれか1つの方法。
【0108】
35.適合度を計算することが、適合度の決定から、前記複数の希釈係数のうち最大の前記希釈係数又は最小の前記希釈係数にある少なくとも1つの前記スクリーニング対象流体サンプルを除外することをさらに含み、ここで、適合度は、各前記除外されたスクリーニング対象流体サンプルについての前記補正された定量化指標を排除して決定され、任意選択で、前記除外は、1つ以上の許容可能な希釈品質パラメータに合致しない先に提案された適合度の結果である、例示的組合せ23~34のいずれか1つの方法。
【0109】
36.前記除外がユーザ入力に応じて行われる、例示的組合せ35の方法。
37.適合度を計算することが、適合度の決定から、前記複数の希釈係数のうち最大の前記希釈係数又は最小の前記希釈係数にある少なくとも1つの前記スクリーニング対象流体サンプルを除外することをさらに含み、ここで、適合度は、各前記除外されたスクリーニング対象流体サンプルの前記補正された定量化指標を排除して決定され、任意選択で、前記除外はユーザ入力に応じて行われる、例示的組合せ19~24のいずれか1つの方法。
【0110】
38.最適化されたサンプル希釈係数範囲が、最適化された希釈係数の上限と最適化された希釈係数の下限との間に定義され、最適化された希釈係数の上限が、最適化された下限性能濃度限界に対応する適合値の希釈値に対応し、最適化された希釈係数の下限が、最適化された上限性能濃度限界に対応する適合値の希釈値に対応する、例示的組合せ19~24及び37のいずれか1つの方法。
【0111】
39.最適化された下限性能濃度限界が、1ミリリットルあたり少なくとも106.5個の粒子、好ましくは1ミリリットルあたり少なくとも106.7個の粒子、より好ましくは1ミリリットルあたり少なくとも106.9個の粒子、さらにより好ましくは1ミリリットルあたり少なくとも約107.0個の粒子である、例示的組合せ38の方法。
【0112】
40.最適化された上限濃度限界が、1ミリリットルあたり108個以下の粒子、好ましくは1ミリリットルあたり107.9個以下の粒子、より好ましくは1ミリリットルあたり107.8個以下の粒子、さらにより好ましくは1ミリリットルあたり約107.7個以下の粒子である、例示的組合せ38又は例示的組合せ39のいずれかの方法。
【0113】
41.最適化された性能の部分範囲を定義する、最適化された上限性能濃度限界内にある最適化された下限性能濃度限界は、粒子濃度測定用のフローサイトメーターのダイナミックレンジ内にあり、
最適化された上限濃度限界は、最適化された下限濃度限界の10倍以下、好ましくは最適化された下限濃度限界の100.8倍以下、より好ましくは最適化された下限濃度限界の100.5倍以下である、例示的組合せ38~40のいずれか1つの方法。
【0114】
42.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、最適化されたサンプル希釈係数範囲がフローサイトメーターの絶対希釈係数範囲外にある場合に希釈係数通知の表示を提供することをさらに含み、任意選択で、希釈係数エラーの表示は、グラフィカルユーザインターフェース上の視覚的表示を含む、例示的組合せ1~41のいずれか1つの方法。
【0115】
43.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、最適化されたサンプル希釈係数範囲の表示を、任意選択でグラフィカルユーザインターフェース上の視覚的表示として、ユーザに提供することをさらに含む、例示的組合せ1~42のいずれか1つの方法。
【0116】
44.最適化されたサンプル希釈係数範囲の表示を提供することは、グラフィカルユーザインターフェースのディスプレイ上で最適化されたサンプル希釈係数範囲の上限及び下限を強調表示することを含む、例示的組合せ43の方法。
【0117】
45.最適化されたサンプル希釈係数範囲の表示を提供することは、最適化されたサンプル希釈係数範囲内の丸められた希釈値を含む少なくとも1つの最適化された希釈係数値を、任意選択でグラフィカルユーザインターフェース上に、提供することを含む、例示的組合せ43又は例示的組合せ44のいずれかの方法。
【0118】
46.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、最適化されたサンプル希釈係数範囲内の複数の最適化された対象流体サンプルの最適化された対象セットを調製するための希釈指示を生成することをさらに含む、例示的組合せ1~45のいずれか1つの方法。
【0119】
47.スクリーニングアッセイモジュールを実行することは、最適化された対象セットを調製するための希釈指示を、任意選択でグラフィカルユーザインターフェース上で、ユーザに提示することをさらに含む、例示的組合せ46の方法。
【0120】
48.力価アッセイモジュールを実行することは、粒子力価結果に関する1つ以上の力価パラメータを計算することをさらに含む、例示的組合せ1~47のいずれか1つの方法。
【0121】
49.1つ以上の力価パラメータは、粒子力価結果の標準偏差、及び任意選択で、複数の前記最適化された対象流体サンプルに対応する複数の前記濃度の標準偏差を含む、例示的組合せ48の方法。
【0122】
50.1つ又は複数の力価パラメータは、粒子力価結果の変動係数、及び任意選択で、複数の前記最適化された対象流体サンプルに対応する複数の前記濃度の変動係数を含む、例示的組合せ48又は例示的組合せ49のいずれかの方法。
【0123】
51.力価アッセイモジュールを実行することは、前記力価パラメータが対応する許容可能な力価パラメータ値の範囲外であると決定された場合に、任意選択でグラフィカルユーザインターフェース上に、力価通知の表示を提供することをさらに含む、例示的組合せ48~50のいずれか1つの方法。
【0124】
51A.力価アッセイモジュールを実行することは、最適化された対象セットの各前記最適化された対象流体サンプルが、許容可能な希釈係数を含むことを確認することをさらに含む、例示的組合せ1~50のいずれか1つの方法。
【0125】
52.許容可能な希釈係数が最適化された希釈係数の範囲内にある、例示的組合せ51Aの方法。
53.力価アッセイモジュールを実行することは、最適化された対象セットの最適化された対象流体サンプルのフローサイトメトリー結果のいずれか1つ以上が前記許容可能な希釈係数を含まない場合に力価希釈通知の表示を提供することをさらに含む、例示的組合せ51A又は例示的組合せ52のいずれか1つの方法。
【0126】
54.スクリーニング対照セットは、複数の前記スクリーニングブランク対照流体サンプルを含み、少なくとも1つの前記スクリーニングブランク対照流体サンプルは、スクリーニング対象流体サンプルの複数の希釈係数の各前記希釈係数に対応しており、任意選択で、スクリーニング対象流体サンプルの複数の希釈係数の各前記希釈係数に対応する複数の希釈係数サンプルの各前記希釈係数に対応する1つの前記スクリーニングブランク対照流体サンプルのみを有する、例示的組合せ1~53のいずれか1つの方法。
【0127】
55.複数のスクリーニングブランク対照流体サンプルは、対象粒子が存在しない、スクリーニングサンプル流体ストックのブランク流体マトリックスを含む、例示的組合せ54の方法。
【0128】
56.少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルは、対象粒子の存在しないスクリーニング緩衝液を含み、任意選択で、スクリーニング対照セットは1つの前記スクリーニングブランク対照流体サンプルのみを含む、例示的組合せ1~53のいずれか1つの方法。
【0129】
57.対象サンプル流体ストックは、スクリーニングサンプル流体ストックの流体マトリックスを含む、例示的組合せ1~56のいずれか1つの方法。
58.スクリーニングサンプル流体ストックは対象サンプル流体ストックと同じものである、例示的組合せ1~57のいずれか1つの方法。
【0130】
59.スクリーニング対象セットは、スクリーニングサンプル流体ストックの連続的な10倍希釈系列を含む、例示的組合せ1~58のいずれか1つの方法。
60.対象サンプル流体ストック中の対象粒子の計算された濃度は、少なくとも部分的に、最適化された対象セットの前記希釈係数の調整に基づいている、例示的組合せ1~59のいずれか1つの方法。
【0131】
61.力価アッセイモジュールを実行することは、最適化された対象セットの前記希釈係数を自動的に取得して、粒子力価結果を決定することを含む、例示的組合せ60の方法。
【0132】
62.スクリーニング対照セットは、複数の希釈係数の各前記希釈係数で1つの前記スクリーニングブランク対照流体サンプルのみを含む、例示的組合せ1~61のいずれか1つの方法。
【0133】
63.最適化された対象セットは、最適化されたサンプル希釈係数範囲内の単一の前記最適化された希釈係数で複数の前記最適化された対象流体サンプルを含み、任意選択で、複数の前記最適化された流体サンプルは、少なくとも3つの前記最適化された対象流体サンプル、好ましくは10個以下の前記最適化された対象流体サンプル、より好ましくは3つの前記最適化された対象流体サンプルを含む、例示的組合せ1~62のいずれか1つの方法。
【0134】
64.最適化されたサンプル希釈係数範囲は、スクリーニング対象セットの複数の希釈係数のいずれの希釈係数でもない、最適化された希釈係数の上限及び最適化された希釈係数の下限によって境界付けられる、例示的組合せ1~63のいずれか1つの方法。
【0135】
65.対象粒子が生物学的材料の粒子である、例示的組合せ1~64のいずれか1つの方法。
66.対象粒子が2マイクロメートル未満、好ましくは1マイクロメートル未満、より好ましくは600ナノメートル未満、さらにより好ましくは300ナノメートル未満の粒子サイズを有する、例示的組合せ1~65のいずれか1つの方法。
【0136】
67.粒子サイズが少なくとも10ナノメートル、好ましくは少なくとも20ナノメートル、さらにより好ましくは少なくとも30ナノメートルである、例示的組合せ66の方法。
【0137】
68.各前記スクリーニング対象流体サンプル、スクリーニングブランク対照流体サンプル、最適化された対象流体サンプル、及び最適化されたブランク対照流体サンプルは、対象粒子上に少なくとも1つの蛍光標識を提供するように蛍光染色され、
各前記フローサイトメトリー評価は、対象粒子上の前記蛍光標識からの蛍光発光応答について、調査ゾーンからの応答放射を検出することを含む、例示的組合せ1~67のいずれか1つの方法。
【0138】
69.各前記フローサイトメトリー評価が、調査ゾーンからの蛍光発光応答のみを検出し、光散乱を検出しないことを含む、例示的組合せ68の方法。
70.少なくとも1つの蛍光標識は、蛍光発生色素によって提供される非特異的核酸標識を含む、例示的組合せ68又は例示的組合せ69のいずれか1つの方法。
【0139】
71.少なくとも1つの蛍光標識は、第2の蛍光発生色素によって提供される非特異的タンパク質標識を含む、例示的組合せ68~70のいずれか1つの方法。
72.少なくとも1つの蛍光標識は、対象粒子のエピトープへの結合に特異的な抗体染色剤を含む、例示的組合せ68~71のいずれか1つの方法。
【0140】
73.対象粒子は蛍光標識されたビリオンを含む、例示的組合せ68~71のいずれか1つの方法。
74.対象粒子は蛍光標識されたウイルス様粒子を含む、例示的組合せ68~71のいずれか1つの方法。
【0141】
75.対象粒子は蛍光標識されたエキソソームを含む、例示的組合せ68~71のいずれか1つの方法。
76.対象粒子はマイクロベシクルを含む、例示的組合せ68~71のいずれか1つの方法。
【0142】
77.少なくとも1つの蛍光標識は複数の蛍光標識を含み、各前記フローサイトメトリー評価が、前記複数の蛍光標識のそれぞれからの別個の蛍光発光応答を検出することを含む、例示的組合せ68~76のいずれか1つの方法。
【0143】
78.前記フローサイトメトリー結果を生成することのそれぞれが、少なくとも2つの前記蛍光標識を含む前記対象粒子が調査ゾーンを通過したことを示す少なくとも2つの前記蛍光標識からの同時蛍光発光応答を識別することを含む、例示的組合せ77の方法。
【0144】
79.前記フローサイトメトリー結果を生成することのそれぞれが、対象粒子として、各前記識別された同時蛍光発光応答をカウントすることを含む、例示的組合せ78の方法。
【0145】
80.励起放射が単一の励起放射源から提供される、例示的組合せ68~79のいずれか1つの方法。
81.励起放射が、それぞれが異なる放射波長範囲で調査ゾーンに放射を提供する複数の異なる励起放射源から提供される、例示的組合せ68~80のいずれか1つの方法。
【0146】
82.各前記励起放射源は光源であり、任意選択でレーザ又は発光ダイオード(LED)を含む、例示的組合せ80又は例示的組合せ81のいずれか1つの方法。
83.各前記フローサイトメトリー評価は、それぞれの流体サンプルを、毎分600ナノリットルから毎分3000ナノリットル、好ましくは毎分600ナノリットルから毎分2000ナノリットルの範囲の流量で、前記それぞれの流体サンプルを調査用励起放射にさらしながら調査ゾーンを通して流すことを含む、例示的組合せ1~82のいずれか1つの方法。
【0147】
84.対象サンプル流体ストック中の粒子を定量化するためのフローサイトメトリーシステムであって、
調査用励起放射にさらされるフローサイトメトリー調査ゾーンに流体サンプルを流し、調査ゾーンから応答放射を検出及び測定し、各前記流体サンプルにおける特定の粒子属性を有する対象粒子の定量化指標を含むフローサイトメトリー結果を決定及び出力するように動作可能なフローサイトメーター;
フローサイトメトリー結果を受け取り、保存するためのメモリであって、複数のスクリーニング対象流体サンプルのスクリーニング対象セットのそれぞれについての前記フローサイトメトリー結果を含み、各前記スクリーニング対象流体サンプルは、対象粒子のフローサイトメトリー評価のためのスクリーニングサンプル流体ストック、及び、複数の希釈係数で希釈された一連のスクリーニングサンプル流体ストックを含む複数のスクリーニング対象流体サンプルを含むメモリ;
メモリに記憶されたフローサイトメトリー結果に対応する結果リストをユーザに提示するためのディスプレイと、結果リストからのフローサイトメトリー結果の選択をユーザから受け取るためのユーザ入力デバイスとを含むグラフィカルユーザインターフェース;
プロセッサを以下のように構成するためにプロセッサによって実行可能なスクリーニングアッセイモジュール:
メモリにアクセスして、結果リストからユーザが選択した第1のスクリーニング選択に基づいてスクリーニング対象セットのフローサイトメトリー結果を取得し、
複数の希釈係数を表す第1のスクリーニング選択のスクリーニング対象流体サンプルの少なくとも複数の部分の対象粒子の補正された定量化指標を計算し、
複数の希釈係数に関する補正された定量化指標の適合度を計算し、
補正された定量化指標の適合度の分析に基づいて、フローサイトメーター機器を使用してスクリーニングサンプル流体ストックのフローサイトメトリー調査用に最適化されたサンプル希釈係数範囲を決定し、
最適化されたサンプル希釈係数範囲の表示をグラフィカルユーザインターフェースのディスプレイに提示する;
ここで、メモリは、特定の粒子属性を有する対象粒子のフローサイトメトリー評価のための対象サンプル流体ストックをそれぞれ含む複数の最適化された対象流体サンプルの最適化された対象セットのそれぞれについて、前記フローサイトメトリー結果を受け取って保存するようにさらに機能し、最適化された対象セットの複数の最適化された対象流体サンプルは、最適化されたサンプル希釈係数範囲内に希釈された対象サンプル流体ストックの希釈係数を含む;
プロセッサを以下のように構成するためにプロセッサによって実行可能な力価アッセイモジュール:
メモリにアクセスして、結果リストからユーザが選択した第1の力価選択に基づいて最適化された対象セットのフローサイトメトリー結果を取得し、
第1の力価選択の最適化された対象セットのフローサイトメトリー結果に基づいて対象サンプル流体ストックの粒子力価結果を決定し、グラフィカルユーザインターフェースのディスプレイに粒子力価結果を提供する;
を含むフローサイトメトリーシステム。
【0148】
85.メモリは、スクリーニング対象セットに対応する少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルを有するスクリーニング対照セットの前記フローサイトメトリー結果を受け取り、保存する、例示的組合せ84のフローサイトメトリーシステム。
【0149】
86.スクリーニングアッセイモジュールがさらに、結果リストからユーザが選択した第2のスクリーニング選択に基づいて、スクリーニング対照セットのフローサイトメトリー結果を取得するように機能する、例示的組合せ85のフローサイトメトリーシステム。
【0150】
87.スクリーニングアッセイモジュールがさらに、第2のスクリーニング選択が、第1のスクリーニング選択のスクリーニング対象流体サンプルの複数の部分のそれぞれに対応する前記スクリーニングブランク対照流体サンプルの前記フローサイトメトリー結果を含むことを確認するように機能する、例示的組合せ86のフローサイトメトリーシステム。
【0151】
88.スクリーニングアッセイモジュールがさらに、第1のスクリーニング選択の各前記スクリーニング対象流体サンプルの対象粒子の定量化指標が、第2のスクリーニング選択のスクリーニング対照セットの対象粒子の対応する前記定量化指標よりも大きいかどうかを確認するように機能する、例示的組合せ86又は例示的組合せ87のいずれかのフローサイトメトリーシステム。
【0152】
89.スクリーニング対象流体サンプルの複数の部分が、第2のスクリーニング選択のスクリーニング対照セットの対象粒子の対応する前記定量化指標よりも大きい対象粒子の前記定量化指標を有することが確認される、例示的組合せ88のフローサイトメトリーシステム。
【0153】
90.メモリは、最適化された対象セットに対応する少なくとも1つの最適化されたブランク対照流体サンプルを有する最適化された対照セットの前記フローサイトメトリー結果を受け取って保存する、例示的組合せ84~89のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0154】
91.力価アッセイモジュールはさらに、結果リストからユーザが選択した第2の力価選択に基づいて、最適化された対照セットのフローサイトメトリー結果を取得するように機能する、例示的組合せ90のフローサイトメトリーシステム。
【0155】
92.対象サンプル流体ストックの粒子力価結果が、第1の力価選択の最適化された対象セット及び第2の力価選択の最適化された対照セットのフローサイトメトリー結果に基づく、例示的組合せ91のフローサイトメトリーシステム。
【0156】
93.スクリーニングアッセイモジュールがさらに、適合度の1つ以上の希釈品質パラメータを1つ以上の許容可能な希釈品質パラメータと比較するように機能する、例示的組合せ84~92のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0157】
94.最適化されたサンプル希釈係数範囲が、許容可能な希釈品質パラメータを有する第1のスクリーニング選択のスクリーニング対象流体サンプルの識別された前記複数の部分に基づく、例示的組合せ93のフローサイトメトリーシステム。
【0158】
95.対象サンプル流体ストック中の粒子を定量化するためのフローサイトメトリーシステムであって、
調査用励起放射にさらされるフローサイトメトリー調査ゾーンに流体サンプルを流し、調査ゾーンから応答放射を検出及び測定し、流体サンプルにおける特定の粒子属性を有する対象粒子の定量化指標を含むフローサイトメトリー結果を決定及び出力するように動作可能なフローサイトメーター;
フローサイトメトリー結果を受け取り、保存するためのメモリであって、複数のスクリーニング対象流体サンプルのスクリーニング対象セットのそれぞれ、及び、スクリーニング対象セットに対応する少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルを有するスクリーニング対照セットのそれぞれについての前記フローサイトメトリー結果を含み、各前記スクリーニング対象流体サンプルは、対象粒子のフローサイトメトリー評価のためのスクリーニングサンプル流体ストック、及び、複数の希釈係数で希釈された一連のスクリーニングサンプル流体ストックを含む複数のスクリーニング対象流体サンプルを含むメモリ;
メモリに記憶されたフローサイトメトリー結果に対応する結果リストをユーザに提示するためのディスプレイと、結果リストからのフローサイトメトリー結果の選択をユーザから受け取るためのユーザ入力デバイスとを含むグラフィカルユーザインターフェース;
プロセッサを以下のように構成するためにプロセッサによって実行可能なスクリーニングアッセイモジュール:
メモリにアクセスして、結果リストからユーザが選択した第1のスクリーニング選択に基づいてスクリーニング対象セットのフローサイトメトリー結果を取得し、ならびに結果リストからユーザーが選択した第2のスクリーニング選択に基づいてスクリーニング対照セットのフローサイトメトリー結果を取得し、
第2のスクリーニング選択が、第1のスクリーニング選択の複数のスクリーニング対象流体サンプルのそれぞれに対応する前記スクリーニングブランク対照流体サンプルの前記フローサイトメトリー結果を含むこと、及び、第1のスクリーニング選択の各前記スクリーニング対象流体サンプルの対象粒子の定量化指標が、第2のスクリーニング選択のスクリーニング対照セットの対象粒子の対応する前記定量化指標よりも大きいかどうかを確認し、
第2のスクリーニング選択のスクリーニング対照セットの対象粒子の対応する前記定量化指標よりも大きい対象粒子の前記定量化指標を有することが確認された複数の希釈係数を表す第1のスクリーニング選択のスクリーニング対象流体サンプルの少なくとも複数の部分の対象粒子の補正された定量化指標を計算し、
複数の希釈係数に関する補正された定量化指標の適合度を計算し、
1つ以上の許容可能な希釈品質パラメータに対して適合度を比較し、
許容可能な希釈品質パラメータを有する、第1のスクリーニング選択のスクリーニング対象流体サンプルの識別された前記複数の部分に基づいて、フローサイトメーター機器を使用してスクリーニングサンプル流体ストックのフローサイトメトリー調査用に最適化されたサンプル希釈係数範囲を決定し、
最適化されたサンプル希釈係数範囲の表示をグラフィカルユーザインターフェースのディスプレイに提示する;
ここで、メモリは、特定の粒子属性を有する対象粒子のフローサイトメトリー評価のための対象サンプル流体ストックをそれぞれ含む複数の最適化された対象流体サンプルの最適化された対象セットのそれぞれについての前記フローサイトメトリー結果、及び、最適化された対象セットに対応する少なくとも1つの最適化されたブランク対照流体サンプルを有する最適化された対照セットの前記フローサイトメトリー結果を受け取って保存するようにさらに機能し、最適化された対象セットの複数の最適化された対象流体サンプルは、最適化されたサンプル希釈係数範囲内に希釈された力価サンプル流体ストックの希釈係数を含む;
プロセッサを以下のように構成するためにプロセッサによって実行可能な力価アッセイモジュール:
メモリにアクセスして、結果リストからユーザが選択した第1の力価選択に基づいて最適化された対象セットのフローサイトメトリー結果を取得し、及び、結果リストからユーザーが選択した第2の力価選択に基づいて最適化された対照セットのフローサイトメトリー結果を取得し、
第1の力価選択の最適化された対象セット及び第2の力価選択の最適化された対照セットのフローサイトメトリー結果に基づいて対象サンプル流体ストックの粒子力価結果を決定し、グラフィカルユーザインターフェースのディスプレイに粒子力価結果を提供する;
を含むフローサイトメトリーシステム。
【0159】
96.力価アッセイモジュールがさらに、
粒子力価結果に関する1つ以上の力価パラメータを計算し、
グラフィカルユーザインターフェースのディスプレイに1つ以上の力価パラメータを提供する
ように機能する、例示的組合せ84~95のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0160】
97.1つ以上の力価パラメータが粒子力価結果の標準偏差を含む、例示的組合せ96のフローサイトメトリーシステム。
98.1つ以上の力価パラメータが粒子力価結果の変動係数を含む、例示的組合せ96又は例示的組合せ97のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0161】
99.力価アッセイモジュールがさらに、1つ以上の力価パラメータが対応する許容可能な力価パラメータの範囲外である場合、力価通知の表示を提供するように機能する、例示的組合せ96~98のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0162】
100.力価アッセイモジュールがさらに、
前記第2の力価選択の前記最適化された対照セットのフローサイトメトリー結果に基づいて、第1の力価選択の最適化された対象セットのフローサイトメトリー結果のサンプル定量限界(SQL)を決定し、
前記最適化された対象セットのいずれかのフローサイトメトリー結果がSQLを超えない場合は、SQL通知の表示を提供する
ように機能する、例示的組合せ86及び95~99のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0163】
101.スクリーニングアッセイモジュールがさらに、第1のスクリーニング選択のスクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分の適合度が、前記許容可能な希釈品質パラメータに合致する希釈品質パラメータを有する前記適合度を提供しない場合、適合度通知の表示を提供するように機能する、例示的組合せ94~100のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0164】
102.適合度は、補正された定量化指標のセット及び複数の希釈係数の対数変換に対して計算された線形回帰適合度を含む、例示的組合せ101のフローサイトメトリーシステム。
【0165】
103.1つ以上の希釈品質パラメータは、線形回帰適合度の定量的特徴付けを含む、例示的組合せ102のフローサイトメトリーのシステム。
104.線形回帰適合度は、補正された定量化指標及び複数の希釈係数の対数変換に対する傾向線として表され、希釈品質パラメータは、前記傾向線の傾き及び決定係数を含む、例示的組合せ102又は例示的組合せ103のいずれかのフローサイトメトリーシステム。
【0166】
105.補正された定量化指標のセットの対数変換が、グラフィカルユーザインターフェースのディスプレイ上で前記対応する複数の希釈係数に対してプロットに表示され、傾向線が補正された定量化指標に対してプロットに表示される、例示的組合せ104のフローサイトメトリーシステム。
【0167】
106.理想化された傾向線がプロットに表示される、例示的組合せ105のフローサイトメトリーシステム。
107.スクリーニングアッセイモジュールはさらに、スクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分がプロット可能な結果を生成しない場合、グラフ化通知の表示を提供するように機能する、例示的組合せ105又は例示的組合せ106のいずれかのフローサイトメトリーシステム。
【0168】
108.前記許容可能な品質パラメータが、傾向線の許容可能な傾き値及び傾向線の許容可能な決定係数を含む、例示的組合せ104~107のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0169】
109.許容可能な傾き値は許容可能な傾き値の範囲を含み、許容可能な決定係数は許容可能な適合決定係数の範囲を含む、例示的組合せ108のフローサイトメトリーシステム。
【0170】
110.最適化されたサンプル希釈係数範囲は、傾き値が許容可能な傾き値内にあり、決定係数が許容可能な適合決定係数の範囲内にある第1のスクリーニング選択の、スクリーニング対象流体サンプルの前記複数の部分の複数の希釈係数の範囲内にある、例示的組合せ190のフローサイトメトリーシステム。
【0171】
111.最適化されたサンプル希釈係数範囲が、最適化された希釈係数の上限と最適化された希釈係数の下限との間に定義され、最適化された希釈係数の上限が下限性能濃度限界に対応する傾向線の希釈値に対応し、最適化された希釈係数の下限が上限性能濃度限界に対応する傾向線の希釈値に対応する、例示的組合せ104~110のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0172】
112.スクリーニングアッセイモジュールはさらに、適合度の希釈品質パラメータを確認するようにユーザに促す検証プロンプトをグラフィカルユーザインターフェースのディスプレイ上に提示するように動作可能である、例示的組合せ94~111のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0173】
113.最適化されたサンプル希釈係数範囲を決定することは、前記第1の複数の部分の対応する前記適合度の前記許容可能な品質希釈パラメータを提供しない、第1のスクリーニング選択のスクリーニング対象流体サンプルの第1の複数の部分から、最大希釈係数又は最小希釈係数のいずれか又は両方に対応するフローサイトメトリー結果を除外することを含む、例示的組合せ94~112のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0174】
114.グラフィカルユーザインターフェースは、最大希釈係数又は最小希釈係数のフローサイトメトリー結果に対応する除外入力を含む、例示的組合せ113のフローサイトメトリーシステム。
【0175】
115.スクリーニングアッセイモジュールはさらに、第1のスクリーニング選択の対象流体サンプルの粒子の前記定量化が、第2のスクリーニング選択のスクリーニング対照セットの粒子の前記対応する定量化よりも大きくない場合、補正された定量化指標通知の表示を提供するように機能する、例示的組合せ89及び例示的組合せ95~114のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0176】
116.スクリーニングアッセイモジュールはさらに、最適化されたサンプル希釈係数範囲がフローサイトメーターの絶対許容可能希釈係数の範囲外である場合は、希釈係数通知の表示を提供するように機能する、例示的組合せ84~115のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0177】
117.最適化されたサンプル希釈係数範囲の表示が、グラフィカルユーザインターフェースのディスプレイ上で最適化されたサンプル希釈係数範囲の上限及び下限を強調表示することを含む、例示的組合せ84~116のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0178】
118.最適化されたサンプル希釈係数範囲の表示が、最適化されたサンプル希釈係数範囲内の丸められた希釈値を含む少なくとも1つの最適化された希釈値を含む、例示的組合せ84~117のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0179】
119.スクリーニングアッセイモジュールはさらに、最適化されたサンプル希釈係数範囲内の複数の最適化された対象流体サンプルの最適化された対象セットを調製するための希釈指示を生成し、グラフィカルユーザインターフェースのディスプレイ上でユーザに希釈指示を提供するように機能する、例示的組合せ84~118のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0180】
120.力価アッセイモジュールはさらに、第1の力価選択の複数のサンプルのフローサイトメトリー結果が許容可能な希釈係数を含むことを確認するように機能する、例示的組合せ84~119のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0181】
121.許容可能な希釈係数が最適化されたサンプル希釈係数範囲内にある、例示的組合せ120のフローサイトメトリーシステム。
122.力価アッセイモジュールはさらに、第1の力価選択の複数のサンプルのフローサイトメトリー結果のいずれか1つが前記許容可能な希釈係数を含まない場合、グラフィカルユーザインターフェースのディスプレイ上に力価希釈通知の表示を提供するように機能する、例示的組合せ84~121のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0182】
123.許容可能な品質パラメータがユーザによって定義可能である、例示的組合せ94~122のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
124.グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザによる許容可能な品質パラメータを定義する際に使用するための許容可能な品質パラメータ入力を含む、例示的組合せ123のフローサイトメトリーシステム。
【0183】
125.スクリーニング対照セットは、スクリーニング対象流体サンプルの複数の希釈係数に対応する複数のスクリーニングブランク対照流体サンプルを含む、例示的組合せ84及び95~124のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0184】
126.複数のスクリーニングブランク対照流体サンプルは、スクリーニングサンプル流体ストックの特定の粒子属性を有する対象粒子の存在しないブランクマトリックスを含む、例示的組合せ125のフローサイトメトリーシステム。
【0185】
127.複数のスクリーニング対象流体サンプルの希釈系列はスクリーニング緩衝液を使用して希釈され、少なくとも1つのスクリーニングブランク対照流体サンプルは、スクリーニングサンプル流体ストックの特定の粒子属性を有する対象粒子の存在しないスクリーニング緩衝液を含む、例示的組合せ84及び95~124のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0186】
128.対象サンプル流体ストックはスクリーニングサンプル流体ストックを含む、例示的組合せ84~127のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
129.スクリーニングサンプル流体ストックは、対象サンプル流体ストックの同等の近似物である、例示的組合せ84~127のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0187】
130.対象サンプルスクリーニングセットは、スクリーニングサンプル流体ストックの連続的な10倍希釈系列を含む、例示的組合せ84~127のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0188】
131.粒子力価結果が、最適化された対象セットの前記希釈係数に少なくとも部分的に基づく、例示的組合せ84~130のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
132.力価アッセイモジュールが、粒子力価結果を決定するために最適化された対象セットの前記希釈係数を自動的に取得するように動作する、例示的組合せ84~131のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0189】
133.粒子力価結果は、対象サンプル流体ストック中の対象粒子の計算された濃度を含む、例示的組合せ84~132のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
134.対象粒子が生物学的材料の粒子である、例示的組合せ84~133のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0190】
135.対象粒子が2マイクロメートル未満、好ましくは1マイクロメートル未満、より好ましくは600ナノメートル未満、さらにより好ましくは300ナノメートル未満の粒子サイズを有する、例示的組合せ1~134のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0191】
136.粒子サイズが少なくとも10ナノメートル、好ましくは少なくとも20ナノメートル、さらにより好ましくは少なくとも30ナノメートルである、例示的組合せ135のフローサイトメトリーシステム。
【0192】
137.各前記スクリーニング対象流体サンプル、スクリーニングブランク対照流体サンプル、最適化された対象流体サンプル、及び最適化されたブランク対照流体サンプルは、対象粒子上に少なくとも1つの蛍光標識を提供するように蛍光染色され、
フローサイトメーターは、対象粒子上の前記蛍光標識からの蛍光発光応答について、調査ゾーンからの応答放射を検出するように動作可能である、例示的組合せ84~136のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0193】
138.フローサイトメーターが、調査ゾーンからの蛍光発光応答のみを検出し、光散乱を検出しないように動作する、例示的組合せ137のフローサイトメトリーシステム。
139.少なくとも1つの蛍光標識は、蛍光発生色素によって提供される非特異的核酸標識を含む、例示的組合せ137又は138のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0194】
140.少なくとも1つの蛍光標識は、第2の蛍光発生色素によって提供される非特異的タンパク質標識を含む、例示的組合せ137~139のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0195】
141.少なくとも1つの蛍光標識は、対象粒子のエピトープへの結合に特異的な抗体染色剤を含む、例示的組合せ137~140のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0196】
142.対象粒子は蛍光標識されたビリオンを含む、例示的組合せ137~140のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
143.対象粒子は蛍光標識されたウイルス様粒子を含む、例示的組合せ137~141のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0197】
144.対象粒子は蛍光標識されたエキソソームを含む、例示的組合せ137~141のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
145.対象粒子はマイクロベシクルを含む、例示的組合せ137~141のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0198】
146.少なくとも1つの蛍光標識は複数の蛍光標識を含み、フローサイトメーターは、前記複数の蛍光標識のそれぞれからの別個の蛍光発光応答を検出するように動作可能である、例示的組合せ137~145のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0199】
147.フローサイトメーターが、少なくとも2つの前記蛍光標識を含む前記対象粒子が調査ゾーンを通過したことを示す少なくとも2つの前記蛍光標識からの同時蛍光発光応答を識別し、識別された前記同時蛍光発光応答に少なくとも部分的に基づいて、粒子力価結果を決定するように動作可能である、例示的組合せ146のフローサイトメトリーシステム。
【0200】
148.フローサイトメーターは、識別された前記同時蛍光発光応答の発生を対象粒子としてカウントするように動作可能である、例示的組合せ147のフローサイトメトリーシステム。
【0201】
149.励起放射がフローサイトメーターの単一の励起放射源から提供される、例示的組合せ137~148のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
150.励起放射が、それぞれが異なる放射波長範囲で調査ゾーンに放射を提供するフローサイトメーターの複数の異なる励起放射源から提供される、例示的組合せ137~148のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0202】
151.各前記励起放射源は光源であり、任意選択でレーザ又は発光ダイオード(LED)を含む、例示的組合せ149又は150のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0203】
152.フローサイトメーターは、それぞれの流体サンプルを、毎分600ナノリットルから毎分3000ナノリットル、好ましくは毎分600ナノリットルから毎分2000ナノリットルの範囲の制御された流量で、前記それぞれの流体サンプルを調査用励起放射にさらしながら調査ゾーンを通して流すように動作可能である、例示的組合せ84~151のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0204】
153.例示的組合せ1~83のいずれか1つの方法、又はその方法の任意の特徴を実行するように構成された、例示的組合せ84~151のいずれか1つのフローサイトメトリーシステム。
【0205】
154.例示的組合せ1~83のいずれか1つの方法を実行するための、例示的組合せ84~151のいずれか1つのフローサイトメトリーシステムの使用。
155.対象サンプル流体ストック中の対象粒子の力価結果を、任意選択で対象サンプル流体ストック中の対象の計算された濃度を含めて決定するための、例示的組合せ84~151からのいずれか1つのフローサイトメトリーシステムの使用。
【0206】
特定の組合せにおける1つ又は複数の機能の説明は、特定の組合せの変形における1つ又は複数の追加の機能の包含を排除するものではない。処理ステップ及び順序付けは例示のみを目的としており、そのような例示は、両立性が失われない限り、他のステップ又は他のステップの順序付けを含めることを排除するものではない。追加のステップは、両立性が失われない限り、例示された処理ステップの間に、又は例示された処理ステップの前又は後に含まれ得る。
【0207】
「含む」、「含有する」、「備える」、「有する」という用語、及びこれらの用語の文法上の変形は、そのような用語の使用は記載された条件又は特徴の存在を示すという意味において包括的かつ非限定的であることを意図しており、他の条件や機能の存在を排除するものではない。1つ又は複数の構成要素、副構成要素又は材料の存在を指す際の「含む」、「含有する」、「備える」、「有する」という用語、及びこれらの用語の文法上の変形の使用もまた、場合によっては「含む」、「含有する」、「備える」、又は「有する」(又はそれらの用語の変形)という用語が「本質的になる」又は「からなる」又は「のみで構成される」(又はそのような狭い用語の文法上適切なバリエーション)といった、より狭い用語のいずれかによって置き換えられる具体的な実施形態を含み、開示することを意図する。例えば、何かが述べられた要素を「含む」という記載はまた、述べられた要素又は複数の要素から「本質的になる」もの、及び述べられた要素又は複数の要素から「からなる」もののより具体的なより狭い実施形態を含み、開示することを意図する。様々な特徴の例が例示の目的で提供されており、「例」、「例えば」などの用語は、限定的ではなく、1つ又は複数の特徴を特定の例に限定するものとして解釈されるべきではない例示的な例を示す。「少なくとも」の後に数字(例えば、「少なくとも1つ」)が続く用語は、その数字か、その数字より多いことを意味する。本明細書で使用される場合、ある特徴の範囲は、上限及び下限を含む、上限及び下限内のその特徴の1つ又は複数の値を指し、上限及び下限が同じである状況、つまり、範囲に、同じ上限と下限で表される単一の値が含まれる場合を含む。