(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】非標準アミノ酸含有組成物とその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 9/16 20060101AFI20231114BHJP
C12N 15/55 20060101ALN20231114BHJP
C12N 15/63 20060101ALN20231114BHJP
【FI】
C12N9/16 Z ZNA
C12N15/55
C12N15/63 Z
(21)【出願番号】P 2021523559
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(86)【国際出願番号】 US2019041006
(87)【国際公開番号】W WO2020014226
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-07-08
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521017239
【氏名又は名称】ジーアールオー・バイオサイエンシズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】マンデル,ダニエル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ,クリストファー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ストレンジズ、ピーター・ビー
【審査官】大久保 智之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/045018(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 9/00-99
C12N 15/00-90
C12Q 1/00-70
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
SwissProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のポリペプチドの少なくとも225個の連続アミノ酸に対して少なくとも90%の配列同一性を含むデオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)
ポリペプチドを含んでなる
組成物であって、
DNアーゼIポリペプチドは2~4個のセレノシステインを含み、少なくとも2個のセレノシステインは、配列番号1のポリペプチドの
(a)102位に対応する位置、
(b)105位に対応する位置、
(c)174位に対応する位置、及び
(d)210位に対応する位置、
から成る群より選択される位置に位置し、
DNアーゼIポリペプチドは、第1のジセレニド結合によって連結されたセレノシステインの第1対を含む、前記組成物。
【請求項2】
DNアーゼIポリペプチドが、第2のジセレニド結合によって連結されたセレノシステインの第2対をさらに含む、請求項1の組成物。
【請求項3】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1
のポリペプチドに対して少なくとも
90%の配列同一性を有する、請求項
1の組成物。
【請求項4】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1
のポリペプチドの少なくとも
225個の連続アミノ酸に対して少なくとも
95%の配列同一性がある配列を含む、請求項
1の組成物。
【請求項5】
DNアーゼIポリペプチドが4個のセレノシステインを含み、4個のセレノシステインは、配列番号1の
ポリペプチドの
(a)102位
に対応する位置、
(b)105位
に対応する位置、
(c)174位
に対応する位置、
及び
(d)210位
に対応する位置、
に
位置する、請求項
1の組成物。
【請求項6】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1のポリペプチドの102位
に対応する位置にセレノシステインを含み、前記セレノシステインが、
配列番号1のポリペプチドの105位
に対応する位置のセレノシステインへ
ジセレニド結合によって連結されている、請求項
1の組成物。
【請求項7】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1のポリペプチドの174位
に対応する位置にセレノシステインを含み、前記セレノシステインが、
配列番号1のポリペプチドの210位
に対応する位置のセレノシステインへ
ジセレニド結合によって連結されている、請求項
1の組成物。
【請求項8】
DNアーゼIポリペプチドが組換え体である、請求項
1の組成物。
【請求項9】
DNアーゼIポリペプチドが
改変ウシDNアーゼIである、請求項
1の組成物。
【請求項10】
請求項1の組成物を含む細菌細胞。
【請求項11】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1のポリペプチドの少なくとも225個の連続アミノ酸に対して少なくとも96%の配列同一性を有する、請求項4の組成物。
【請求項12】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1のポリペプチドの少なくとも225個の連続アミノ酸に対して少なくとも97%の配列同一性を有する、請求項4の組成物。
【請求項13】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1のポリペプチドの少なくとも225個の連続アミノ酸に対して少なくとも98%の配列同一性を有する、請求項4の組成物。
【請求項14】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1のポリペプチドの少なくとも225個の連続アミノ酸に対して少なくとも99%の配列同一性を有する、請求項4の組成物。
【請求項15】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1のポリペプチドに対して少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項3の組成物。
【請求項16】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1のポリペプチドに対して少なくとも97%の配列同一性を有する、請求項3の組成物。
【請求項17】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1のポリペプチドに対して少なくとも98%の配列同一性を有する、請求項3の組成物。
【請求項18】
DNアーゼIポリペプチドが、配列番号1のポリペプチドに対して少なくとも99%の配列同一性を有する、請求項3の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001] 本出願は、本明細書に全体が援用される、2018年7月9日出願の米国仮特許出願第62/695,505号の利益を請求する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 多くの酵素の活性は、それらがそれぞれの反応を触媒する環境(例えば、還元条件を伴う緩衝液)に依存する。しばしば、酵素は、それらの活性を維持するためにある種の構造特徴に依存して、これらの構造特徴は、ある種の条件によって損なわれる場合がある。例えば、還元条件下では、酵素の分子間及び/又は分子内ジスルフィド架橋が還元され、この酵素における構造変化と、最終的には活性の低下又は喪失をもたらす場合がある。例えば、単一細胞での配列決定と単一細胞でのPCRについての多くの方法では、ポリヌクレオチド(mRNAのような)を抽出又は増幅するか又はタンパク質をその単一細胞から抽出するために、液滴内部で細胞を溶解する過酷な(harsh)溶解緩衝液の使用が必要とされる。溶解に続いて、逆転写反応、ポリメラーゼ触媒反応(ポリヌクレオチドをコピーすること、及び/又は合成することのような)、連結反応、増幅反応、ヌクレアーゼ触媒反応、及びプロテアーゼ媒介反応が含まれる反応がしばしば利用される。しかしながら、これらの反応の触媒作用は、これらの反応を触媒する酵素がその中に存在している溶解緩衝液の過酷な性質の故にしばしば抑制されるか又は可能でない。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本発明で提供されるのは、上記の問題を克服する組成物及び方法である。本発明で提供されるのは、還元環境のような過酷条件においても活性を維持する安定化酵素である。本発明で提供されるのは、還元緩衝液のような過酷条件下でも、非標準アミノ酸が無い対応する酵素より同じ条件下で高い酵素活性を有する、非標準アミノ酸を含有する安定化酵素である。本発明でまた提供されるのは、これら安定化酵素をコードするポリヌクレオチド、これら安定化酵素を発現する、及び/又は産生するための細胞、及びこれら安定化酵素の使用の方法である。いくつかの側面では、この安定化酵素は、安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチドを含む。
【0004】
[0004] いくつかの側面では、本発明で提供されるのは、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物である。
【0005】
[0005] いくつかの側面では、本発明で提供されるのは、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物であって、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ある環境において、DNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より高いエンドヌクレアーゼ活性を有する。
【0006】
[0006] いくつかの側面では、本発明で提供されるのは、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物であって、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が不安定化する環境において不安定化しない。
【0007】
[0007] いくつかの側面では、本発明で提供されるのは、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物であって、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の融点(Tm)より少なくとも5℃高いTmを有する。
【0008】
[0008] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応する組換え酵素、その機能性断片、又はその変異体の融点(Tm)より少なくとも5℃高いTmを有する。
【0009】
[0009] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、ある環境において、DNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より高いエンドヌクレアーゼ活性を有する。
【0010】
[0010] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が不安定化する環境において不安定化しない。
【0011】
[0011] いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸の少なくとも1個、2個、3個、又は4個以上がセレノシステインである。
[0012] いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸の少なくとも2個が結合によって直接連結している。
【0012】
[0013] いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸の少なくとも4個が結合によって直接連結しており、1個以上の非標準アミノ酸のその少なくとも4個の第1対が結合によって直接連結し、1個以上の非標準アミノ酸のその少なくとも4個の第2対が結合によって直接連結している。
【0013】
[0014] いくつかの態様では、該結合はジセレニド結合である。
[0015] いくつかの態様では、該ジセレニド結合は、分子間結合又は分子内結合である。
【0014】
[0016] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の半減期より少なくとも1.1倍長い半減期を有する。
【0015】
[0017] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、配列番号1に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%の配列同一性を有する。
【0016】
[0018] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、配列番号1の少なくとも25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、又は261個の連続アミノ酸に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%の配列同一性がある配列を含む。
【0017】
[0019] いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の102位;配列番号1の105位;配列番号1の174位、又は配列番号1の210位にある。
[0020] いくつかの態様では、102位の非標準アミノ酸が105位の非標準アミノ酸へ結合によって直接連結している。
【0018】
[0021] いくつかの態様では、174位の非標準アミノ酸が210位の非標準アミノ酸へ結合によって直接連結している。
[0022] いくつかの態様では、該結合はジセレニド結合である。
【0019】
[0023] いくつかの態様では、ジセレニド結合は、1個以上の非標準アミノが無い対応する組換え酵素中のジスルフィド結合の位置にある。
[0024] いくつかの態様では、対応する安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmは37℃未満である。
【0020】
[0025] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmは、37℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、又は65℃より高い。
【0021】
[0026] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmは、対応する組換え酵素、その機能性断片、又はその変異体のTmより少なくとも10℃高い。
【0022】
[0027] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmは、対応する組換え酵素、その機能性断片、又はその変異体のTmより少なくとも15℃高い。
【0023】
[0028] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、ある環境において、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該環境における半減期より少なくとも1.1倍長い半減期を有する。
【0024】
[0029] いくつかの態様では、DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該環境における半減期は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間以上より長い。
【0025】
[0030] いくつかの態様では、DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該環境における半減期は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24日以上より長い。
【0026】
[0031] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ある環境において、DNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該DNA基質へのエンドヌクレアーゼ活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100倍高いエンドヌクレアーゼ活性を有する。
【0027】
[0032] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ある環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、又は50分間存在した後のDNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の、該環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、又は50分間存在した後の該DNA基質に対するへのエンドヌクレアーゼ活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100倍高いエンドヌクレアーゼ活性を有する。
【0028】
[0033] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ある環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、18、又は24時間存在した後のDNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の、該環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、18、又は24時間存在した後の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100倍高いエンドヌクレアーゼ活性を有する。
【0029】
[0034] いくつかの態様では、DNA基質はゲノムDNAである。
[0035] いくつかの態様では、環境は4℃~98℃の温度の環境である。
[0036] いくつかの態様では、環境は溶解緩衝液のある環境である。
【0030】
[0037] いくつかの態様では、環境は、0.01%~20%の濃度の界面活性剤のある環境である。
[0038] いくつかの態様では、界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。
【0031】
[0090] いくつかの態様では、界面活性剤はイオン性界面活性剤である。
[0040] いくつかの態様では、環境は、2価カチオンを0.01mM~100mMの濃度で含む。
【0032】
[0041] いくつかの態様では、2価カチオンは、Mg2+、Mn2+、Ca2+、Co2+、及びZn2+から成る群より選択される。
[0042] いくつかの態様では、環境は、還元剤を0.01mM~100mMの濃度で含む。
【0033】
[0043] いくつかの態様では、環境は5~9のpHを有する。
[0044] いくつかの態様では、環境は6~8のpHを有する。
[0045] いくつかの態様では、環境は7~8のpHを有する。
【0034】
[0046] いくつかの態様では、環境は10mM~1Mの塩濃度を有する。
[0047] いくつかの態様では、環境は液滴内部にある。
[0048] いくつかの態様では、環境は血液循環系である。
【0035】
[0049] いくつかの態様では、環境は、-150mV、-160mV、-170mV、-180mV、-190mV、-200mV、-210mV、-220mV、-230mV、-240mV、又は-250mV、-260mV、-270mV、-280mV、-290mV、-300mV、-310mV、-320mV、-330mV、-340mV、又は-350mV、-360mV、-370mV、-380mV、-390mV、-400mV、-410mV、-420mV、-430mV、-440mV、又は-450mV、-460mV、-470mV、-480mV、-490mV、-500mV、-510mV、-520mV、-530mV、-540mV、又は-550mV、-560mV、-570mV、-580mV、-590mV、又は-600mV未満である還元電位を有する。
【0036】
[0050] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、組換え体である。
[0051] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、ウシDNアーゼIである。
【0037】
[0052] いくつかの態様では、本明細書に開示される組成物をコードするポリヌクレオチドを含んでなる組成物。
[0053] いくつかの態様では、ポリヌクレオチドはベクターである。
【0038】
[0054] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドの1個以上の非標準アミノ酸の2個を直接連結する結合が、ある環境において破断せず、対応するDNアーゼIポリペプチドの1個以上の標準アミノ酸の2個を直接連結する結合は、同じ環境において破断する。
【0039】
[0055] いくつかの態様では、本明細書に開示される組成物を作製する方法は、安定化DNアーゼIポリペプチドのアミノ酸配列を発現させることを含む。
[0056] いくつかの態様では、発現させることが、細胞内又はin vitroで発現させることを含む。
【0040】
[0057] いくつかの態様では、細胞は細菌細胞である。
[0058] いくつかの態様では、細胞は、ゲノム再コード化(genomically recoded)細胞である。
【0041】
[0059] いくつかの態様では、細胞は、再割当(reassigned)されたコドンに対応するアンチコドンを含んでなる安定した非標準アミノ酸tRNAによって認識される再割当されたコドンを含む。
【0042】
[0060] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドのアミノ酸配列は、再割当されたコドンに置換された天然アミノ酸の少なくとも1つのコドンを含んでなるポリヌクレオチド配列によってコードされる。
【0043】
[0061] いくつかの態様では、安定した非標準アミノ酸tRNAは、セレノシステインtRNAである。
[0062] いくつかの態様では、方法は、安定化DNアーゼIポリペプチドのアミノ酸配列が発現される条件下で細胞を培養することを含む。
【0044】
[0063] いくつかの態様では、再割当されたコドンは、UAG、UAA、UGA、又はそれらの組合せである。
[0064] いくつかの側面では、本発明で提供されるのは、緩衝液中、反応環境中、又は固体表面上にあるDNA基質を、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体へ接触させることを含んでなる方法であって、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体より高い速度で該DNA基質の切断又は断片化を触媒する。
【0045】
[0065] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、本明細書の随所で開示される、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体である。
【0046】
[0066] いくつかの態様では、DNA基質はゲノムDNAである。
[0067] いくつかの態様では、DNA基質は単一細胞に由来する。
[0068] いくつかの態様では、方法は、複数個の単一細胞;安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体;及び溶解緩衝液をそれぞれ含んでなる複数個の容器を形成することを含む。
【0047】
[0069] いくつかの態様では、方法は、単一細胞を溶解させ、それにより該単一細胞よりDNA基質を放出させることをさらに含む。
[0070] いくつかの態様では、方法は、DNA基質又はその断片をバーコード化することをさらに含む。
【0048】
[0071] いくつかの態様では、方法は、DNA基質又はその断片を増幅することをさらに含む。
[0072] いくつかの態様では、増幅することはクローン増幅を含む。
【0049】
[0073] いくつかの態様では、方法は、DNA基質又はその断片を配列決定することをさらに含む。
[0074] いくつかの態様では、配列決定することは全ゲノム配列決定を含む。
【0050】
[0075] いくつかの態様では、配列決定することは、ハイスループット配列決定、大量並列配列決定、サンガー配列決定法、又は次世代配列決定を含む。
[0076] いくつかの態様では、複数個の容器は、固体支持体を含む。
【0051】
[0077] いくつかの態様では、DNA基質は容器中の固体支持体へ付着しない。
[0078] いくつかの態様では、緩衝液、反応環境、又は固体表面は、DNA基質又はその断片の配列に特異的なプライマーを含む。
【0052】
[0079] いくつかの態様では、複数個の細胞は、少なくとも2、3、4、5、5.5、6、6.5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、又は9×1012個の細胞を含む。
【0053】
[0080] いくつかの態様では、複数個の細胞は1個以上の生体試料に由来する。
[0081] いくつかの態様では、この1個以上の生体試料は、少なくとも2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100個以上の試料を含む。
【0054】
[0082] いくつかの態様では、1個以上の生体試料は疾患のある被験者に由来する。
[0083] いくつかの態様では、複数個の細胞は、複数個の細菌細胞又は複数個の真菌細胞を含む。
【0055】
[0084] いくつかの態様では、複数個の細胞は複数個の免疫細胞を含む。
[0085] いくつかの態様では、複数個の細胞は複数個の病的細胞を含む。
[0086] いくつかの態様では、複数個の細胞は複数個の癌細胞を含む。
【0056】
援用
[0087] 本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、それぞれ個別の刊行物、特許、又は特許出願が具体的にそして個別に援用されることが示されるのと同じ程度に、本明細書に援用される。
【0057】
図面の簡単な説明
[0001] 本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲において具体的に説明される。本開示の特徴及び利点についてのより良い理解は、本開示の諸原理が利用される例示の態様について説明する以下の詳細な説明と以下の添付図面への参照によって得られよう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】[0002]
図1は、0mM DTT(レーン6)、50mM DTT(レーン7)、30ngのセレノ-DNアーゼ(GST-セレノ-DNアーゼI融合物)、又は等モル量のジスルフィドDNアーゼ(ウシ膵臓より精製した野生型DNアーゼI、シグマ DN25)の混合物へ、0mM DTT(-DTT、レーン2とレーン3)又は50mM DTT(+DTT、レーン4とレーン5)のいずれかを添加した反応緩衝液(NEB B0303S)中でこのDNアーゼを37℃にて2時間インキュベートした後に加えた50ngの2本鎖DNAのアガロースゲルを図示する。2本鎖DNAは、各混合物へ加えて37℃で30分間消化した後、75℃で10分間加熱不活性化した。0mM DTTではいずれの酵素もDNAを消化したが、50mM DTTでDNAを消化したのは、セレノ-DNアーゼだけであった。
【発明の詳細な説明】
【0059】
諸定義
[0088] 「コードする」という用語は、ヌクレオチド(例えばrRNA、tRNA、及びmRNA)の規定配列又はアミノ酸の規定配列を有し、他のポリマー及び巨大分子の生体プロセスにおける合成の鋳型として役立つ、遺伝子、cDNA、又はmRNAのようなポリヌクレオチド中のヌクレオチドの特定配列の固有特性とそれより生じる生物学的特性に言及する。従って、遺伝子、cDNA、又はRNAは、その遺伝子に対応するmRNAの転写及び翻訳により細胞又は他の生体系においてタンパク質が産生されるならば、そのタンパク質をコードする。ヌクレオチド配列がmRNA配列と同一であって配列リストに通常提供されるコード鎖と、遺伝子又はcDNAの転写の鋳型として使用される非コード鎖は、ともにその遺伝子又はcDNAのタンパク質又は他の産物をコードすると言及し得る。
【0060】
[0089] 「内因性」という用語は、生物体、細胞、組織、又は系の内部に由来するか又は内部で産生されるあらゆる物質を表す。
[0090] 「外因性」という用語は、生物体、細胞、組織、又は系の外部から導入されるか又は外部で産生されるあらゆる物質を表す。
【0061】
[0091] 「発現」という用語は、プロモーターによって推進される、特別なヌクレオチド配列の転写及び/又は翻訳を表す。
[0092] 「相同」又は「同一性」という用語は、2個のポリマー分子間(例、2個のDNA分子又は2個のRNA分子のような2個の核酸分子間、又は2個のポリペプチド分子間)のサブユニット配列同一性に言及する。2個の分子の双方におけるサブユニット位置が同じモノマーサブユニットによって占められているとき(例えば、2個のDNA分子のそれぞれにおけるある位置がアデニンによって占められている場合)、このときそれらは、その位置で相同又は同一である。2つの配列間の相同性は、一致しているか又は相同な位置の数の1次関数である;例えば、2つの配列中の位置の半数(例、長さ10のサブユニットのポリマー中の5つの位置)が相同であれば、この2つの配列は、50%相同であり;その位置の90%(例えば10のうち9)が一致しているか又は相同であれば、この2つの配列は、90%相同である。
【0062】
[0093] 「単離(された)」という用語は、自然状態から改変されたか又は移されたことを意味する。例えば、生きている動物中に自然に存在する核酸又はペプチドは、「単離」されていないが、その自然状態の共存物質から一部又は完全に分離された同じ核酸又はペプチドは、「単離」されている。単離された核酸又はタンパク質は、実質的に純粋な形態で存在し得るか、又は例えば、宿主細胞のような非ネイティブ環境中で存在し得る。
【0063】
[0094] 本発明の文脈では、通常存在する核酸塩基について以下の略語を使用する。「A」はアデノシンを意味し、「C」はシトシンを意味し、「G」はグアノシンを意味し、「T」はチミジンを意味し、そして「U」はウリジンを意味する。
【0064】
[0095] 「機能可能的に連結している」又は「転写制御」という用語は、調節配列と異種核酸配列の間の(後者の発現を生じる)機能的な連結に言及する。例えば、第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能可能的に連結しているのは、第1の核酸配列が第2の核酸配列との機能上の関連性において配置されている場合である。例えば、プロモーターがコーディング配列へ機能可能的に連結しているのは、該コーディング配列の転写又は発現に該プロモーターが影響を及ぼす場合である。機能可能的に連結しているDNA配列は、互いと隣接し得て、例えば、2つのタンパク質コーディング領域をつなげることが必要な場合、同じリーディングフレーム中に存在する。
【0065】
[0096] 「核酸」又は「ポリヌクレオチド」という用語は、1本鎖又は2本鎖のいずれかの形態である、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)とそれらのポリマーに言及する。具体的に限定しなければ、この用語には、参照核酸に類似した結合特性を有して天然に存在するヌクレオチドに類似したやり方で代謝される、天然ヌクレオチドの既知類似体を含有する核酸が含まれる。他に断らなければ、特別な核酸配列には、その保守的に修飾された変異体(例えば縮重コドン置換)、対立遺伝子、相同遺伝子、SNP、及び相補配列、並びに明確に示された配列も暗黙裡に含まれる。特に、縮重コドン置換は、1個以上(又はすべての)選択コドンの第3位が混合塩基及び/又はデオキシイノシン残基に置き換わっている配列を産生することによって達成し得る(Batzer et al., Nucleic Res. 19: 5081 (1991); Ohtsuka et al., J. Biol. Chem. 260: 2605-2608 (1985);及び Rossolini et al., Mol. Cell. Probes 8: 91-98 (1994))。
【0066】
[0097] 本明細書で使用される「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸と合成アミノ酸、並びに、天然に存在するアミノ酸に類似したやり方で機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体を意味する。天然に存在するアミノ酸とは、遺伝子コードによってコードされるもの、並びに後に修飾されるアミノ酸(例えばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、及びO-ホスホセリン)である。本明細書で使用される「アミノ酸類似体」という用語は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造(即ち、水素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基がα-炭素へ結合している)を有する化合物(例えばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウム)を意味する。このような類似体は、修飾されたR基(例えばノルロイシン)又は修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造を保持する。本明細書で使用される「アミノ酸模倣体」という用語は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸に類似したやり方で機能する化学化合物を意味する。
【0067】
[0098] 「非標準アミノ酸」という用語は、20種の標準アミノ酸(アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリン)以外のあらゆるアミノ酸を意味する。セレノシステインは、非標準アミノ酸(NSAA)である。
【0068】
[0099] 「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、互換的に使用され、ペプチド結合によって共有結合的に連結したアミノ酸残基から構成される化合物を意味する。タンパク質又はペプチドは、少なくとも2個のアミノ酸を含有するはずであり、タンパク質又はペプチドの配列を含み得るアミノ酸の最大数については制限が無い。ポリペプチドには、ペプチド結合によって互いに結合した2個以上のアミノ酸を含んでなるペプチド又はタンパク質が含まれる。本明細書で使用されるように、この用語は、短鎖(当該技術分野では、通常、例えば、ペプチド、オリゴペプチド、及びオリゴマーとも呼ばれる)とより長い鎖(当該技術分野では、タンパク質と一般的に呼ばれて、多くの種類がある)の両方を表す。「ポリペプチド」には、数ある中でも、例えば、生理活性フラグメント、実質的に相同な相同ポリペプチド、オリゴペプチド、ホモ2量体、ヘテロ2量体、ポリペプチドの変異体、修飾ポリペプチド、誘導体、類似体、融合タンパク質が含まれる。ポリペプチドには、天然ペプチド、組換えペプチド、又はこれらの組合せが含まれる。
【0069】
[00100] 「プロモーター」という用語は、ポリヌクレオチド配列の特異的な転写を開始するのに必要とされる、細胞の転写機構、又は導入された合成機構によって認識されるDNA配列を表す。
【0070】
[00101] 「構成型」プロモーターという用語は、遺伝子産物をコード又は特定するポリヌクレオチドと機能可能的に連結するとき、細胞のほとんど又はすべての生理学的条件の下で該細胞において該遺伝子産物が産生されることを引き起こすヌクレオチド配列に言及する。
【0071】
[00102] 「誘導型」プロモーターという用語は、遺伝子産物をコード又は特定するポリヌクレオチドと機能可能的に連結するとき、実質的には該プロモーターに対応する誘導因子(inducer)が細胞中に存在している場合にのみ該細胞において該遺伝子産物が産生されることを引き起こすヌクレオチド配列に言及する。
【0072】
[00103] 「トランスフェクトされた」又は「形質転換された」又は「形質導入された」という用語は、外因性の核酸が宿主細胞中へ移送又は導入される方法に言及する。「トランスフェクトされた」又は「形質転換(された)」又は「形質導入(された)」細胞とは、外因性の核酸でトランスフェクトされた、形質転換された、又は形質導入された細胞である。この細胞には、1次被験細胞(primary subject cell)とその子孫が含まれる。
【0073】
[00104] 範囲:本開示を通して、本発明の様々な側面を範囲形式で提示することができる。範囲形式での記載は、単に便宜性と簡潔性のためであり、本発明の範囲に対する杓子定規の制限と解釈してはならないと理解されるべきである。従って、範囲についての記載は、具体的に開示されるすべての可能な部分範囲だけでなくその範囲内の個々の数値を有するとみなされるべきである。例えば、1~6のような範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6、等のような具体的に開示される部分範囲だけでなく、その範囲内の個々の数、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、及び6を有するとみなされるべきである。別の例として、95~99%の同一性のような範囲には、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性があるものが含まれ、96~99%、96~98%、96~97%のような部分範囲も含まれる。
【0074】
[00105] 他に定義されなければ、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。上記の一般的な記載と以下の詳細な記載は、例示的で説明のためのものにすぎず、特許請求されるいかなる主題も制限しないと理解されたい。本願において、単数形の使用には、特に他に具体的に述べなければ、複数形が含まれる。
【0075】
非標準アミノ酸含有組成物
[00106] タンパク質中での非標準アミノ酸の使用は、広範囲の応用に利用し得る、著しく拡張された機能性をポリペプチドが有する可能性を提供する。例えば、セレノシステインのポリペプチドへの取込みによって、安定性又は活性のレベルが向上した酵素を開発すること、そして高活性の治療用ポリペプチドを産生することが可能になり得る。しかしながら、これらのアプローチは、今日まで、コードするポリペプチドへセレノシステインを予測可能で信頼可能的に取り込む翻訳経路を安定的に保持する生物を産生できないことにより妨げられてきた。本明細書で詳述される研究では、セレノシステインを取り込むことができるtRNA分子の選択とセレノシステイン位置を取り込むポリペプチドの産生のための安定したシステムを実証する。重要なことは、このシステムは、ある生物から別の生物へ遺伝子再組換えの必要無しに容易に移すことができることである。
【0076】
[00107] 多様な化学属性を有する100を超えるNSAAがこれまで合成されており、進化した直交アミノアシル-tRNA合成酵素(aaRS)/tRNA対を使用して、タンパク質へ同時翻訳的に取り込まれている。非標準アミノ酸は、チロシン又はピロリジンに基づいて設計されてきた。aaRS/tRNAは、プラスミド上で、又はゲノム再コード化生物のゲノムへ提供することができる。直交aaRS/tRNA対を使用して、NSAAをタンパク質へ生体直交的に(bioorthogonally)取り込むことができる。天然コドンの機能をその再割当された機能で打破するために、ベクターベースの過剰発現システムを使用し得る。天然のUAG翻訳機能を完全に廃絶すれば、ずっと低いaaRS/tRNA機能でも、効率的なNSAA取込みを達成するのに十分であり得る。ゲノム再コード化生物(GRO)ベースのNSAAの取込みは、ベクターベース及び/又はゲノムベースのaaRS/tRNA対を使用することができる。ゲノムベースのaaRS/tRNA対は、利用可能なNSAAの非存在下での標準アミノ酸の誤った取込みを抑えるために使用されてきた。ゲノム再コード化生物では、UAGコドンの機能が完全に再割当されているため、セレノシステインのようなNSAAを表現型の結果を伴うことなくゲノム再コード化生物へ取り込むことができる。ゲノム再コード化生物へのNSAA取込みには、セレノシステインのような非標準アミノ酸とaaRSの誘導因子を増殖培地に添加することを伴う場合がある。あるいは、aaRSを構成的に発現させてもよい。あるいは、本開示におけるように、内因性のセリル-tRNA合成酵素を使用してセレノシステインtRNAをセリル化(serylate)してよく、SelAを含んでなる酵素によってこのtRNAが作用を受けて、tRNasec(セレノシステイン担荷tRNA)を産生する。tRNasecの産生を改善するために、亜セレン酸ナトリウムのようなセレン源を培地に添加してよい。所望のタンパク質は、所望のタンパク質過剰発現系(例えば、T7-RNAP、構成的取込み、又はIPTG/アロラクトース、アンヒドロテトラサイクリン、アラビノース、ラムノースに基づいた誘導型の発現、又は他の誘導系)を使用して過剰発現させることができる。タンパク質の架橋連結(ジセレニド結合)は、タンパク質フォールディングのあいだに近傍ベースの幾何学的触媒作用に基づいて自然発生的に形成する場合があって、このタンパク質は、他の過剰発現産物として処理することができる。
【0077】
[00108] 本発明者は、例えば、セレノシステインアミノ酸間のジセレニド結合によって安定化する生物製剤へ折り畳まれるポリペプチドとそのポリペプチドをゲノム再コード化生物(GRO)において産生する方法を開発した。システインアミノ酸間のジスルフィド結合が約-220mVの酸化還元電位を有するのに対し、ジセレニド結合は、約-380mVの酸化還元電位を有する。細菌の細胞質は、典型的には、約-280~-300mVの酸化還元電位を有するため、ジスルフィドでなくジセレニドであれば、還元を回避して、細胞質において形成して存続する。ジセレニドは、ジスルフィドと同じ幾何結合の角度及びねじれ、並びに酷似した結合距離を有するため、それらは、ポリペプチドの3次元構造を壊すことなくポリペプチド中へ置換することができる。さらに、血液のような企図されるin vivo環境は、グルタチオン、アルブミン、及びチオレドキシンのような還元剤を含有するため、ポリペプチド中のジスルフィドは還元されて、ポリペプチドのアンフォールディングを引き起こす可能性があり、多重ジスルフィドの場合、ジスルフィドの「スクランブル」により、不正確なシステインが互いに結合する。これらの結果はいずれも、ポリペプチドの企図される生理活性の破綻をもたらす。ジセレニドの低い酸化還元電位は、血清又は血清の精製された還元成分へ曝露される場合にそれらを還元抵抗性にして、ジスルフィドを担う対応物より長い血清半減期をそれらに付与する。
【0078】
[00109] ジセレニド形成性のセレノシステインを担うペプチドを固相ペプチド合成によってin vitroで産生し得るが、この方法は、特にタンパク質については、治療応用に必要な収量まで造作なく調整されない。しかしながら、組換えセレノ-タンパク質のin vivo産生は、セレノシステインがタンパク質において出現し得る場所についての厳格な配列要求性によって制限される。特に、特異的伸張因子(SelB)を含んでなる内因性セレノシステイン翻訳機構を動員するには、セレノシステイン挿入配列(SECIS)要素がコーディングDNA配列中のセレノシステイン取込み部位に出現しなければならない。代わりに、大腸菌の再コード化株を使用することが可能であり、これは、アンバー終止コドンのような未割り当てコドンを抗アンバーアンチコドンのある遺伝子組換え(engineered)セレノシステインtRNAと一緒に有して、このアンバー終止コドンの対応するDNAコーディング配列中への導入によって、セレノシステインのポリペプチド中への標的指向された布置を可能にする。この修飾されたtRNAは、内因性の伸張因子(EF-Tu)と相互作用する。当該技術分野で知られているように、他のコドン(典型的には、稀なコドン)を再コード化することができる。mRNA上のコドンとtRNA上のアンチコドンは、典型的には、相補的な塩基配列の3つ組である。
【0079】
[00110] 再コード化タンパク質は、大腸菌細胞のような細菌において、又は、in vitroの翻訳系又は転写-翻訳連結系において合成し得る。そのような再コード化タンパク質をコードする遺伝子又はmRNAは、非天然に存在するものであって、天然に存在するコーディング配列の変異体である。付帯の配列表において我々が示すタンパク質の多くは、セレノシステイン残基に置き換わる(ジスルフィド結合に参画する)システイン残基をいすれも有するが、置換の利益を獲得するためにすべてのシステイン残基を置き換える必要はない。1つのジセレニド結合であっても、タンパク質の安定性を向上させる場合がある。タンパク質中のジスルフィド結合については、任意数のジセレニド結合(セレノシステイン対)に置き換えてよい。あるタンパク質がN個のジスルフィド結合を有するならば、このタンパク質は、任意の場所に、そのような結合をN個、N-1個、N-2個、N-3個、N-4個~1個まで有し得る。システインとセレノシステイン残基の間で、セレニルスルフィドと呼ばれる結合を形成することも可能である。この結合は、ジスルフィド(-220mv)より低い酸化還元電位(約-270mv)を有するが、細菌の細胞質(-280mv)ほど低くはない。セレニルスルフィド結合は、ある種の酸化還元環境中での還元に対する抵抗性を高めるために使用し得る。本明細書に記載される方法を使用して、セレノシステインを単一のジスルフィド結合システインに置き換えることによって、又はシステインを単一のジセレニド結合セレノシステインに置き換えることによって、ジセレニドの代わりにセレニルスルフィドを使用することができる。
【0080】
[00111] 我々の方法を使用すると、大腸菌の細胞質において、置換されたセレノシステインを有するジスルフィド安定化生物製剤の配列を標準実験用振とうフラスコ中でmg/Lのスケールで産生することができ、微生物発酵槽ではg/Lの産生まで拡大することができる。
【0081】
[00112] ジセレニド結合とジスルフィドの様々な組合せを有する酵素には、限定されるものではないが、ヌクレアーゼ(DNアーゼ及びRNアーゼのような)、ポリメラーゼ、リガーゼ、逆転写酵素、プロテアーゼ、制限エンドヌクレアーゼ、及び炭素固定酵素(例えば炭素捕捉酵素)が含まれる。
【0082】
[00113] 本明細書に開示される酵素中のどのシステインも、セレノシステインの存在がポリペプチドの発現、フォールディング、又は企図される機能に干渉しない限りは、セレノシステインとして維持することができる。本発明では、限定されるものではないが、ヌクレアーゼ(DNアーゼ及びRNアーゼのような)、ポリメラーゼ、リガーゼ、逆転写酵素、プロテアーゼ、制限エンドヌクレアーゼ、及び炭素固定酵素(例えば炭素捕捉酵素)を含めた様々な酵素について、企図されるジセレニド結合に参画するセレノシステインを産生してその存在を立証するための方法を提供する。
【0083】
[00114] 本発明に従って、ジセレニド結合が2個のセレノシステイン残基間にある安定化酵素を作製して使用し得る。その技術及び修飾は、還元環境のような過酷条件においても活性を維持する酵素を産生するのに有用であり得る。本発明で提供されるのは、還元緩衝液又は溶解緩衝液のような過酷条件において、同じ条件下にある、非標準アミノ酸を含まない対応する酵素より高い酵素活性を有する、非標準アミノ酸を含有する安定化酵素である。安定化酵素は、安定化DNアーゼIポリペプチドを含む可能性がある。また本発明で提供されるのは、これらの安定化酵素をコードするポリヌクレオチド、これらの安定化酵素を発現及び/又は産生するための細胞、及びこれらの安定化酵素の使用の方法である。
【0084】
[00115] ジセレニド結合とジスルフィドの様々な組合せを有する酵素には、限定されるものではないが、ヌクレアーゼ(DNアーゼ及びRNアーゼのような)、ポリメラーゼ、リガーゼ、逆転写酵素、プロテアーゼ、制限エンドヌクレアーゼ、及び炭素固定酵素(例えば炭素捕捉酵素)が含まれる。
【0085】
[00116] いくつかの態様では、本発明に従って、ジセレニド結合が2個のセレノシステイン残基間にあるヌクレアーゼを作製して使用し得る。例示のヌクレアーゼには、限定されるものではないが、DNアーゼ(例えばウシDNアーゼI)、RNアーゼ、等が含まれる。例えば、DNアーゼIは2つのジスルフィド結合を有する。例えば、RNアーゼAは4つのジスルフィド結合を有する。いくつかの態様では、RNアーゼA酵素は、2、4、6、又は8個のセレノシステイン残基を含む。いくつかの態様では、RNアーゼA酵素は、少なくとも1、2、3、又は4つのジセレニド結合を含む。例えば、RNアーゼ3は4つのジスルフィド結合を含む。いくつかの態様では、RNアーゼ3酵素は、少なくとも2、4、6、又は8個のセレノシステイン残基を含む。いくつかの態様では、RNアーゼ3酵素は、少なくとも1、2、3、又は4つのジセレニド結合を含む。例えば、ベンゾナーゼ(例えばセラチア・マルセッセンスのヌクレアーゼ)は、少なくとも2つの必須ジスルフィド結合を含み、30kDaのホモ2量体である。いくつかの態様では、ベンゾナーゼは少なくとも2又は4個のセレノシステイン残基を含む。いくつかの態様では、ベンゾナーゼは少なくとも1又は2つのジセレニド結合を含む。
【0086】
[00117] いくつかの態様では、ヌクレアーゼは1個以上の非標準アミノ酸を含み得る。いくつかの態様では、ヌクレアーゼは1個以上のセレノシステイン残基を含み得る。いくつかの態様では、ヌクレアーゼはジセレニド結合を2個のセレノシステイン残基間に含み得る。ジセレニド結合は、分子内又は分子間の結合であり得る。いくつかの態様では、ヌクレアーゼは1以上のジセレニド結合を含み得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなるヌクレアーゼは、還元緩衝液又は溶解緩衝液のような過酷条件において、非標準アミノ酸の無い対応するポリメラーゼの同じ条件下での酵素活性より高い酵素活性を有する。
【0087】
[00118] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるヌクレアーゼは、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するヌクレアーゼの活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリヌクレオチド基質の結合を切断することができる。
【0088】
[00119] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるヌクレアーゼは、緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するヌクレアーゼの同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリヌクレオチド基質の結合を切断することができる。
【0089】
[00120] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるヌクレアーゼは、界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するヌクレアーゼの界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリヌクレオチド基質の結合を切断することができる。
【0090】
[00121] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるヌクレアーゼは、酸化還元電位が約-150mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するヌクレアーゼの酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリヌクレオチド基質の結合を切断することができる。例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるヌクレアーゼは、酸化還元電位が約-160mV未満、約-170mV未満、約-180mV未満、約-190mV未満、約-200mV未満、約-210mV未満、約-220mV未満、約-230mV未満、約-240mV未満、又は約-250mV未満、約-260mV未満、約-270mV未満、約-280mV未満、約-290mV未満、約-300mV未満、約-310mV未満、約-320mV未満、約-330mV未満、約-340mV未満、又は約-350mV未満、約-360mV未満、約-370mV未満、約-380mV未満、約-390mV未満、約-400mV未満、約-410mV未満、約-420mV未満、約-430mV未満、約-440mV未満、又は約-450mV未満、約-460mV未満、約-470mV未満、約-480mV未満、約-490mV未満、約-500mV未満、約-510mV未満、約-520mV未満、約-530mV未満、約-540mV未満、又は約-550mV未満、約-560mV未満、約-570mV未満、約-580mV未満、約-590mV未満、又は約-600mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するヌクレアーゼの酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリヌクレオチド基質の結合を切断することができる。
【0091】
[00122] いくつかの態様では、本発明に従って、ジセレニド結合が2個のセレノシステイン残基間にあるポリメラーゼを作製して使用し得る。いくつかの態様では、ポリメラーゼは1個以上の非標準アミノ酸を含み得る。いくつかの態様では、ポリメラーゼは1個以上のセレノシステイン残基を含み得る。いくつかの態様では、ポリメラーゼはジセレニド結合を2個のセレノシステイン残基間に含み得る。ジセレニド結合は、分子内又は分子間の結合であり得る。いくつかの態様では、ポリメラーゼは1以上のジセレニド結合を含み得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなるポリメラーゼは、還元緩衝液又は溶解緩衝液のような過酷条件において、非標準アミノ酸の無い対応するポリメラーゼの同じ条件下での酵素活性より高い酵素活性を有する。
【0092】
[00123] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるポリメラーゼは、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するポリメラーゼの活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリメラーゼ反応を触媒することができる。
【0093】
[00124] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるポリメラーゼは、緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するポリメラーゼの同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリメラーゼ反応を触媒することができる。
【0094】
[00125] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるポリメラーゼは、界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するポリメラーゼの界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリメラーゼ反応を触媒することができる。
【0095】
[00126] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるポリメラーゼは、酸化還元電位が約-150mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するポリメラーゼの酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリメラーゼ反応を触媒することができる。例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるポリメラーゼは、酸化還元電位が約-160mV未満、約-170mV未満、約-180mV未満、約-190mV未満、約-200mV未満、約-210mV未満、約-220mV未満、約-230mV未満、約-240mV未満、又は約-250mV未満、約-260mV未満、約-270mV未満、約-280mV未満、約-290mV未満、約-300mV未満、約-310mV未満、約-320mV未満、約-330mV未満、約-340mV未満、又は約-350mV未満、約-360mV未満、約-370mV未満、約-380mV未満、約-390mV未満、約-400mV未満、約-410mV未満、約-420mV未満、約-430mV未満、約-440mV未満、又は約-450mV未満、約-460mV未満、約-470mV未満、約-480mV未満、約-490mV未満、約-500mV未満、約-510mV未満、約-520mV未満、約-530mV未満、約-540mV未満、又は約-550mV未満、約-560mV未満、約-570mV未満、約-580mV未満、約-590mV未満、又は約-600mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するポリメラーゼの酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリメラーゼ反応を触媒することができる。
【0096】
[00127] いくつかの態様では、本発明に従って、ジセレニド結合が2個のセレノシステイン残基間にあるリガーゼを作製して使用し得る。いくつかの態様では、リガーゼは1個以上の非標準アミノ酸を含み得る。いくつかの態様では、リガーゼは1個以上のセレノシステイン残基を含み得る。いくつかの態様では、リガーゼはジセレニド結合を2個のセレノシステイン残基間に含み得る。ジセレニド結合は、分子内又は分子間の結合であり得る。いくつかの態様では、リガーゼは1以上のジセレニド結合を含み得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなるリガーゼは、還元緩衝液又は溶解緩衝液のような過酷条件において、非標準アミノ酸の無い対応するリガーゼの同じ条件下での酵素活性より高い酵素活性を有する。
【0097】
[00128] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるリガーゼは、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するリガーゼの活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性で2個以上の核酸を一緒に連結させることができる。
【0098】
[00129] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるリガーゼは、緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するリガーゼの同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性で2個以上の核酸を一緒に連結させることができる。
【0099】
[00130] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるリガーゼは、界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するリガーゼの界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性で2個以上の核酸を一緒に連結させることができる。
【0100】
[00131] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるリガーゼは、酸化還元電位が約-150mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するリガーゼの酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性で2個以上の核酸を一緒に連結させることができる。例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるリガーゼは、酸化還元電位が約-160mV未満、約-170mV未満、約-180mV未満、約-190mV未満、約-200mV未満、約-210mV未満、約-220mV未満、約-230mV未満、約-240mV未満、又は約-250mV未満、約-260mV未満、約-270mV未満、約-280mV未満、約-290mV未満、約-300mV未満、約-310mV未満、約-320mV未満、約-330mV未満、約-340mV未満、又は約-350mV未満、約-360mV未満、約-370mV未満、約-380mV未満、約-390mV未満、約-400mV未満、約-410mV未満、約-420mV未満、約-430mV未満、約-440mV未満、又は約-450mV未満、約-460mV未満、約-470mV未満、約-480mV未満、約-490mV未満、約-500mV未満、約-510mV未満、約-520mV未満、約-530mV未満、約-540mV未満、又は約-550mV未満、約-560mV未満、約-570mV未満、約-580mV未満、約-590mV未満、又は約-600mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するリガーゼの酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性で2個以上の核酸を一緒に連結させることができる。
【0101】
[00132] いくつかの態様では、本発明に従って、ジセレニド結合が2個のセレノシステイン残基間にある制限エンドヌクレアーゼを作製して使用し得る。いくつかの態様では、制限エンドヌクレアーゼは1個以上の非標準アミノ酸を含み得る。いくつかの態様では、制限エンドヌクレアーゼは1個以上のセレノシステイン残基を含み得る。いくつかの態様では、制限エンドヌクレアーゼはジセレニド結合を2個のセレノシステイン残基間に含み得る。ジセレニド結合は、分子内又は分子間の結合であり得る。いくつかの態様では、制限エンドヌクレアーゼは1以上のジセレニド結合を含み得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる制限エンドヌクレアーゼは、還元緩衝液又は溶解緩衝液のような過酷条件において、非標準アミノ酸の無い対応する制限エンドヌクレアーゼの同じ条件下での酵素活性より高い酵素活性を有する。
【0102】
[00133] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される制限エンドヌクレアーゼは、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する制限エンドヌクレアーゼの活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリヌクレオチド基質の1以上の結合を切断することができる。
【0103】
[00134] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される制限エンドヌクレアーゼは、緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する制限エンドヌクレアーゼの同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリヌクレオチド基質の1以上の結合を切断することができる。
【0104】
[00135] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される制限エンドヌクレアーゼは、界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する制限エンドヌクレアーゼの界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリヌクレオチド基質の1以上の結合を切断することができる。
【0105】
[00136] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される制限エンドヌクレアーゼは、酸化還元電位が約-150mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する制限エンドヌクレアーゼの酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリヌクレオチド基質の1以上の結合を切断することができる。例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される制限エンドヌクレアーゼは、酸化還元電位が約-160mV未満、約-170mV未満、約-180mV未満、約-190mV未満、約-200mV未満、約-210mV未満、約-220mV未満、約-230mV未満、約-240mV未満、又は約-250mV未満、約-260mV未満、約-270mV未満、約-280mV未満、約-290mV未満、約-300mV未満、約-310mV未満、約-320mV未満、約-330mV未満、約-340mV未満、又は約-350mV未満、約-360mV未満、約-370mV未満、約-380mV未満、約-390mV未満、約-400mV未満、約-410mV未満、約-420mV未満、約-430mV未満、約-440mV未満、又は約-450mV未満、約-460mV未満、約-470mV未満、約-480mV未満、約-490mV未満、約-500mV未満、約-510mV未満、約-520mV未満、約-530mV未満、約-540mV未満、又は約-550mV未満、約-560mV未満、約-570mV未満、約-580mV未満、約-590mV未満、又は約-600mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する制限エンドヌクレアーゼの酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリヌクレオチド基質の1以上の結合を切断することができる。
【0106】
[00137] いくつかの態様では、本発明に従って、ジセレニド結合が2個のセレノシステイン残基間にある逆転写酵素を作製して使用し得る。いくつかの態様では、逆転写酵素は1個以上の非標準アミノ酸を含み得る。いくつかの態様では、逆転写酵素は1個以上のセレノシステイン残基を含み得る。いくつかの態様では、逆転写酵素はジセレニド結合を2個のセレノシステイン残基間に含み得る。ジセレニド結合は、分子内又は分子間の結合であり得る。いくつかの態様では、逆転写酵素は1以上のジセレニド結合を含み得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる逆転写酵素は、還元緩衝液又は溶解緩衝液のような過酷条件において、非標準アミノ酸の無い対応する逆転写酵素の同じ条件下での酵素活性より高い酵素活性を有する。
【0107】
[00138] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される逆転写酵素は、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する逆転写酵素の活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でRNAからcDNAを合成することができる。
【0108】
[00139] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される逆転写酵素は、緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する逆転写酵素の同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でRNAからcDNAを合成することができる。
【0109】
[00140] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される逆転写酵素は、界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する逆転写酵素の界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でRNAからcDNAを合成することができる。
【0110】
[00141] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される逆転写酵素は、酸化還元電位が約-150mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する逆転写酵素の酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でRNAからcDNAを合成することができる。例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される逆転写酵素は、酸化還元電位が約-160mV未満、約-170mV未満、約-180mV未満、約-190mV未満、約-200mV未満、約-210mV未満、約-220mV未満、約-230mV未満、約-240mV未満、又は約-250mV未満、約-260mV未満、約-270mV未満、約-280mV未満、約-290mV未満、約-300mV未満、約-310mV未満、約-320mV未満、約-330mV未満、約-340mV未満、又は約-350mV未満、約-360mV未満、約-370mV未満、約-380mV未満、約-390mV未満、約-400mV未満、約-410mV未満、約-420mV未満、約-430mV未満、約-440mV未満、又は約-450mV未満、約-460mV未満、約-470mV未満、約-480mV未満、約-490mV未満、約-500mV未満、約-510mV未満、約-520mV未満、約-530mV未満、約-540mV未満、又は約-550mV未満、約-560mV未満、約-570mV未満、約-580mV未満、約-590mV未満、又は約-600mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する逆転写酵素の酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でRNAからcDNAを合成することができる。
【0111】
[00142] いくつかの態様では、本発明に従って、ジセレニド結合が2個のセレノシステイン残基間にあるプロテアーゼを作製して使用し得る。いくつかの態様では、プロテアーゼが1個以上の非標準アミノ酸を含み得る。いくつかの態様では、プロテアーゼが1個以上のセレノシステイン残基を含み得る。いくつかの態様では、プロテアーゼがジセレニド結合を2個のセレノシステイン残基間に含み得る。このジセレニド結合は、分子内又は分子間の結合であり得る。いくつかの態様では、プロテアーゼが1以上のジセレニド結合を含み得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなるプロテアーゼが還元緩衝液又は溶解緩衝液のような過酷条件において、非標準アミノ酸の無い対応するプロテアーゼの同じ条件下での酵素活性より高い酵素活性を有する。
【0112】
[00143] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるプロテアーゼは、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するプロテアーゼの活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリペプチド基質の結合を切断することができる。
【0113】
[00144] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるプロテアーゼは、緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するプロテアーゼの同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリペプチド基質の結合を切断することができる。
【0114】
[00145] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるプロテアーゼは、界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するプロテアーゼの界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる同じ緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリペプチド基質の結合を切断することができる。
【0115】
[00146] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるプロテアーゼは、酸化還元電位が約-150mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するプロテアーゼの酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリペプチド基質の結合を切断することができる。例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供されるプロテアーゼは、酸化還元電位が約-160mV未満、約-170mV未満、約-180mV未満、約-190mV未満、約-200mV未満、約-210mV未満、約-220mV未満、約-230mV未満、約-240mV未満、又は約-250mV未満、約-260mV未満、約-270mV未満、約-280mV未満、約-290mV未満、約-300mV未満、約-310mV未満、約-320mV未満、約-330mV未満、約-340mV未満、又は約-350mV未満、約-360mV未満、約-370mV未満、約-380mV未満、約-390mV未満、約-400mV未満、約-410mV未満、約-420mV未満、約-430mV未満、約-440mV未満、又は約-450mV未満、約-460mV未満、約-470mV未満、約-480mV未満、約-490mV未満、約-500mV未満、約-510mV未満、約-520mV未満、約-530mV未満、約-540mV未満、又は約-550mV未満、約-560mV未満、約-570mV未満、約-580mV未満、約-590mV未満、又は約-600mV未満である緩衝液において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応するプロテアーゼの酸化還元電位が同じである緩衝液における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性でポリペプチド基質の結合を切断することができる。
【0116】
[00147] いくつかの態様では、1個以上の触媒システイン残基を1個以上の触媒セレノシステイン残基で置換する本発明に従って、1個以上の触媒システイン残基(即ち、触媒反応に関与するシステイン、例えば活性部位システイン)を含有する酵素を作製して使用し得る。1以上のセレノシステイン置換は、反応環境における酵素活性を高めるか又は変化させる可能性がある。
【0117】
[00148] いくつかの態様では、本発明に従って、ジセレニド結合が2個のセレノシステイン残基間にある炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)を作製して使用し得る。いくつかの態様では、炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)は1個以上の非標準アミノ酸を含み得る。いくつかの態様では、炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)は1個以上のセレノシステイン残基を含み得る。いくつかの態様では、炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)はジセレニド結合を2個のセレノシステイン残基間に含み得る。ジセレニド結合は、分子内又は分子間の結合であり得る。いくつかの態様では、炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)は1以上のジセレニド結合を含み得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)は、還元緩衝液又は溶解緩衝液のような過酷条件において、非標準アミノ酸の無い対応する炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)の同じ条件下での酵素活性より高い酵素活性を有する。例えば、いくつかの態様では、脱水酵素(例えばβ-炭酸脱水酵素)のような炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)は1以上の触媒セレノシステイン置換を含み得る。
【0118】
[00149] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)は、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)の活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性で炭素を捕捉又は固定することができる。例えば、1個以上の活性部位セレノシステイン残基のような1個以上の非標準活性部位アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)のような酵素は、1個以上の非標準活性部位アミノ酸の無い、炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)のような対応する酵素の活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性で炭素を捕捉又は固定することができる。
【0119】
[00150] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)は、緩衝液又は環境において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)の同じ緩衝液又は環境における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性で炭素を捕捉又は固定することができる。
【0120】
[00151] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)は、界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例えばレダクターゼ)を含んでなる緩衝液又は還元環境において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する炭素捕捉酵素(例、炭素固定酵素)の界面活性剤、還元剤、及び/又は還元酵素(例、レダクターゼ)を含んでなる同じ緩衝液又は同じ還元環境における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性で炭素を捕捉又は固定することができる。
【0121】
[00152] 例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)は、酸化還元電位が約-150mV未満である緩衝液又は環境において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)の酸化還元電位が同じである緩衝液又は環境における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性で炭素を捕捉又は固定することができる。例えば、1個以上のセレノシステイン残基のような1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる、本発明で提供される炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)は、酸化還元電位が約-160mV未満、約-170mV未満、約-180mV未満、約-190mV未満、約-200mV未満、約-210mV未満、約-220mV未満、約-230mV未満、約-240mV未満、又は約-250mV未満、約-260mV未満、約-270mV未満、約-280mV未満、約-290mV未満、約-300mV未満、約-310mV未満、約-320mV未満、約-330mV未満、約-340mV未満、又は約-350mV未満、約-360mV未満、約-370mV未満、約-380mV未満、約-390mV未満、約-400mV未満、約-410mV未満、約-420mV未満、約-430mV未満、約-440mV未満、又は約-450mV未満、約-460mV未満、約-470mV未満、約-480mV未満、約-490mV未満、約-500mV未満、約-510mV未満、約-520mV未満、約-530mV未満、約-540mV未満、又は約-550mV未満、約-560mV未満、約-570mV未満、約-580mV未満、約-590mV未満、又は約-600mV未満である緩衝液又は環境において、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する炭素捕捉酵素(例えば炭素固定酵素)の酸化還元電位が同じである緩衝液又は環境における活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍高い活性で炭素を捕捉又は固定することができる。
【0122】
[00153] いくつかの側面では、本発明で提供されるのは、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物である。いくつかの態様では、本発明に従って、ジセレニド結合が2個のセレノシステイン残基間にある安定化DNアーゼIポリペプチドを作製して使用し得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1個以上の非標準アミノ酸を含み得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1個以上のセレノシステイン残基を含み得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ジセレニド結合を2個のシステイン残基間に含み得る。ジセレニド結合は、分子内又は分子間の結合であり得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1以上のジセレニド結合を含み得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1以上の触媒セレノシステイン置換を含み得る。
【0123】
[00154] いくつかの側面では、本発明で提供されるのは、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物であって、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ある環境において、DNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より高いエンドヌクレアーゼ活性を有する。例えば、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ある環境において、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のDNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍以上高いエンドヌクレアーゼ活性を有し得る。
【0124】
[00155] いくつかの側面では、本発明で提供されるのは、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物であって、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が不安定化する環境において不安定化しない。不安定化は、対応するDNアーゼIポリペプチドを1個以上の不安定化剤と接触させることによって入手し得る。不安定化は、対応するDNアーゼIポリペプチドを不安定化環境に置くことによって入手し得る。対応するDNアーゼIポリペプチドを不安定化させる環境については、本明細書の他所に記載されている。
【0125】
[00156] いくつかの側面では、本発明で提供されるのは、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物であって、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の融点(Tm)より少なくとも5℃高いTmを有する。
【0126】
[00157] いくつかの態様では、組成物は、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含み得て、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の融点(Tm)より少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、又は36℃高い可能性があるTmを有し得る。いくつかの態様では、組成物は、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含み得て、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の融点(Tm)より1℃未満高い可能性があるTmを有し得る。
【0127】
[00158] いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸の少なくとも1個、2個、3個、又は4個以上がセレノシステインである。いくつかの態様では、その1個以上の非標準アミノ酸の少なくとも2個が結合によって直接連結している。
【0128】
[00159] いくつかの態様では、その1個以上の非標準アミノ酸の少なくとも4個が結合によって直接連結し得て、1個以上の非標準アミノ酸のその少なくとも4個の第1対が結合によって直接連結し得て、1個以上の非標準アミノ酸のその少なくとも4個の第2対が結合によって直接連結し得る。いくつかの態様では、その結合は、ジセレニド結合である。いくつかの態様では、そのジセレニド結合は、分子間結合又は分子内結合であり得る。
【0129】
[00160] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の半減期より少なくとも1.1倍長い可能性がある半減期を有し得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の半減期より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍以上長い可能性がある半減期を有し得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の半減期より1.1倍未満長い可能性がある半減期を有し得る。
【0130】
[00161] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、配列番号1に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%の配列同一性を有し得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、配列番号1に対して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%以上の配列同一性を有し得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、配列番号1に対して10%未満の配列同一性を有し得る。
【0131】
[00162] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、配列番号1の少なくとも25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、又は261個の連続アミノ酸に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%の配列同一性がある配列を含み得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、配列番号1の少なくとも25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、又は261個の連続アミノ酸に対して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%以上の配列同一性がある配列を含み得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、配列番号1の少なくとも25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、又は261個の連続アミノ酸に対して10%未満の配列同一性がある配列を含み得る。
【0132】
[00163] いくつかの態様では、DNアーゼIは、ALKIAAFNIRTFGETKMSNATLASYIVRIVRRYDIVLIQEVRDSHLVAVGKLLDYLNQDDPNTYHYVVSEPLGRNSYKERYLFLFRPNKVSVLDTYQYDDGUESUGNDSFSREPAVVKFSSHSTKVKEFAIVALHSAPSDAVAEINSLYDVYLDVQQKWHLNDVMLMGDFNADUSYVTSSQWSSIRLRTSSTFQWLIPDSADTTATSTNUAYDRIVVAGSLLQSSVVPGSAAPFDFQAAYGLSNEMALAISDHYPVEVTLT(配列番号1)(Uは、セレノシステインのような非標準アミノ酸である)の少なくとも50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、260、又は261個の連続アミノ酸に対して少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性があるアミノ酸配列を含む。
【0133】
[00164] いくつかの態様では、DNアーゼIは、少なくともALKIAAFNIRTFGETKMSNATLASYIVRIVRRYDIVLIQEVRDSHLVAVGKLLDYLNQDDPNTYHYVVSEPLGRNSYKERYLFLFRPNKVSVLDTYQYDDGUESUGNDSFSREPAVVKFSSHSTKVKEFAIVALHSAPSDAVAEINSLYDVYLDVQQKWHLNDVMLMGDFNADUSYVTSSQWSSIRLRTSSTFQWLIPDSADTTATSTNUAYDRIVVAGSLLQSSVVPGSAAPFDFQAAYGLSNEMALAISDHYPVEVTLT(配列番号1)(Uは、セレノシステインのような非標準アミノ酸である)に対して少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性があるアミノ酸配列を含む。
【0134】
[00165] いくつかの態様では、DNアーゼIは、RGTRLMGLLLALAGLLQLGLSLKIAAFNIRTFGETKMSNATLASYIVRIVRRYDIVLIQEVRDSHLVAVGKLLDYLNQDDPNTYHYVVSEPLGRNSYKERYLFLFRPNKVSVLDTYQYDDGCESCGNDSFSREPAVVKFSSHSTKVKEFAIVALHSAPSDAVAEINSLYDVYLDVQQKWHLNDVMLMGDFNADCSYVTSSQWSSIRLRTSSTFQWLIPDSADTTATSTNCAYDRIVVAGSLLQSSVVPGSAAPFDFQAAYGLSNEMALAISDHYPVEVTLT(配列番号2)(Uは、セレノシステインのような非標準アミノ酸である)に対して少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性があるアミノ酸配列を含む。
【0135】
[00166] いくつかの態様では、DNアーゼIは、RGTRLMGLLLALAGLLQLGLSLKIAAFNIRTFGETKMSNATLASYIVRIVRRYDIVLIQEVRDSHLVAVGKLLDYLNQDDPNTYHYVVSEPLGRNSYKERYLFLFRPNKVSVLDTYQYDDGCESCGNDSFSREPAVVKFSSHSTKVKEFAIVALHSAPSDAVAEINSLYDVYLDVQQKWHLNDVMLMGDFNADCSYVTSSQWSSIRLRTSSTFQWLIPDSADTTATSTNCAYDRIVVAGSLLQSSVVPGSAAPFDFQAAYGLSNEMALAISDHYPVEVTLT(配列番号2)(Uは、セレノシステインのような非標準アミノ酸である)の少なくとも50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、又は281個の連続アミノ酸に対して少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性があるアミノ酸配列を含む。
【0136】
[00167] いくつかの態様では、DNアーゼIは、少なくとも1個のアフィニティータグをさらに含む。いくつかの態様では、DNアーゼIのアフィニティータグはC末端アフィニティータグである。いくつかの態様では、DNアーゼIのアフィニティータグはN末端アフィニティータグである。いくつかの態様では、DNアーゼIの第1アフィニティータグはN末端アフィニティータグであって、DNアーゼIの第2アフィニティータグはC末端アフィニティータグである。いくつかの態様では、DNアーゼIの第1アフィニティータグは第1のN末端アフィニティータグであって、DNアーゼIの第2アフィニティータグは第2のN末端アフィニティータグである。いくつかの態様では、DNアーゼIの第1アフィニティータグは第1のC末端アフィニティータグであって、DNアーゼIの第2アフィニティータグは第2のC末端アフィニティータグである。
【0137】
[00168] 例えば、DNアーゼIは、ポリ-ヒスチジンタグ、ポリ-ヒスチジン-グリシンタグ、ポリ-アルギニンタグ、ポリ-アスパラギン酸タグ、ポリ-システインタグ、ポリ-フェニルアラニンタグ、c-mycタグ、単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ、FLAGタグ、KT3エピトープタグ、チューブリンエピトープタグ、T7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ、ストレプトアビジンタグ、ストレプトアビジン結合ペプチド(SPB)タグ、ストレプ-タグ、ストレプ-タグII、アルブミン結合タンパク質(ABP)タグ、アルカリホスファターゼ(AP)タグ、ブルータングウイルスタグ(B-タグ)、カルモジュリン結合ペプチド(CBP)タグ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)タグ、コリン結合ドメイン(CBD)タグ、キチン結合ドメイン(CBD)タグ、セルロース結合ドメイン(CBP)タグ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)タグ、ガラクトース結合タンパク質(GBP)タグ、マルトース結合タンパク質(MBP)タグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)タグ、Glu-Glu(EE)タグ、ヒトインフルエンザ赤血球凝集素(HA)タグ、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)タグ、NE-タグ、HSVタグ、ケトステロイドイソメラーゼ(KSI)タグ、KT3タグ、LacZタグ、ルシフェラーゼタグ、NusAタグ、PDZドメインタグ、AviTag、カルモジュリン-タグ、E-タグ、S-タグ、SBP-タグ、Softag1、Softag3、TCタグ、VSV-タグ、Xpressタグ、Isopeptag、SpyTag、SnoopTag、Profinity eXactタグ、プロテインCタグ、S1-タグ、S-タグ、ビオチン-カルボキシキャリアタンパク質(BCCP)タグ、緑色蛍光タンパク質(GFP)タグ、低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)タグ、タンデムアフィニティー精製(TAP)タグ、HaloTag、Nus-タグ、チオレドキシン-タグ、Fc-タグ、CYDタグ、HPCタグ、TrpEタグ、ユビキチンタグ、VSV-Gエピトープタグ、V5タグ、又はそれらの組合せを含み得る。
【0138】
[00169] いくつかの態様では、DNアーゼIは、少なくとも2個のアフィニティータグをさらに含む。例えば、DNアーゼIは、ポリ-ヒスチジンタグ、ポリ-ヒスチジン-グリシンタグ、ポリ-アルギニンタグ、ポリ-アスパラギン酸タグ、ポリ-システインタグ、ポリ-フェニルアラニンタグ、c-mycタグ、単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ、FLAGタグ、KT3エピトープタグ、チューブリンエピトープタグ、T7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ、ストレプトアビジンタグ、ストレプトアビジン結合ペプチド(SPB)タグ、ストレプ-タグ、ストレプ-タグII、アルブミン結合タンパク質(ABP)タグ、アルカリホスファターゼ(AP)タグ、ブルータングウイルスタグ(B-タグ)、カルモジュリン結合ペプチド(CBP)タグ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)タグ、コリン結合ドメイン(CBD)タグ、キチン結合ドメイン(CBD)タグ、セルロース結合ドメイン(CBP)タグ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)タグ、ガラクトース結合タンパク質(GBP)タグ、マルトース結合タンパク質(MBP)タグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)タグ、Glu-Glu(EE)タグ、ヒトインフルエンザ赤血球凝集素(HA)タグ、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)タグ、NE-タグ、HSVタグ、ケトステロイドイソメラーゼ(KSI)タグ、KT3タグ、LacZタグ、ルシフェラーゼタグ、NusAタグ、PDZドメインタグ、AviTag、カルモジュリン-タグ、E-タグ、S-タグ、SBP-タグ、Softag1、Softag3、TCタグ、VSV-タグ、Xpressタグ、Isopeptag、SpyTag、SnoopTag、Profinity eXactタグ、プロテインCタグ、S1-タグ、S-タグ、ビオチン-カルボキシキャリアタンパク質(BCCP)タグ、緑色蛍光タンパク質(GFP)タグ、低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)タグ、タンデムアフィニティー精製(TAP)タグ、HaloTag、Nus-タグ、チオレドキシン-タグ、Fc-タグ、CYDタグ、HPCタグ、TrpEタグ、ユビキチンタグ、VSV-Gエピトープタグ、及びV5タグより選択される少なくとも2個のアフィニティータグを含み得る。
【0139】
[00170] いくつかの態様では、DNアーゼIは、GSTであるアフィニティータグを含む。いくつかの態様では、DNアーゼIは、6×-Hisタグのようなポリ-ヒスチジンタグであるアフィニティータグを含む。いくつかの態様では、DNアーゼIは、MBPであるアフィニティータグを含む。いくつかの態様では、DNアーゼIは、2個のストレプ-タグのような、ストレプ-タグであるアフィニティータグを含む。
【0140】
[00171] いくつかの態様では、DNアーゼIは、GSTである第1アフィニティータグと、6×-Hisタグのようなポリ-ヒスチジンタグである第2アフィニティータグを含む。いくつかの態様では、DNアーゼIは、GSTである第1アフィニティータグとストレプタグである第2アフィニティータグを含む。いくつかの態様では、DNアーゼIは、2個のストレプタグのようなストレプタグである第1アフィニティータグと、6×-Hisタグのようなポリ-ヒスチジンタグである第2アフィニティータグを含む。いくつかの態様では、DNアーゼIは、MBPである第1アフィニティータグと、6×-Hisタグのようなポリ-ヒスチジンタグである第2アフィニティータグを含む。いくつかの態様では、DNアーゼIは、MBPである第1アフィニティータグと、2個のストレプタグのようなストレプタグである第2アフィニティータグを含む。
【0141】
[00172] いくつかの態様では、DNアーゼIは、GSTである第1アフィニティータグ、6×-Hisタグのようなポリ-ヒスチジンタグである第2アフィニティータグ、及び2個のストレプタグのようなストレプタグである第3アフィニティータグを含む。いくつかの態様では、DNアーゼIは、GSTタグ、Hisタグ、及び2個のストレプタグを含む。いくつかの態様では、DNアーゼIは、MBPである第1アフィニティータグ、6×-Hisタグのようなポリ-ヒスチジンタグである第2アフィニティータグ、及び2個のストレプタグのようなストレプタグである第3アフィニティータグを含む。いくつかの態様では、DNアーゼIは、MBPタグ、Hisタグ、及び2個のストレプタグを含む。
【0142】
[00173] いくつかの態様では、DNアーゼIは、MSPILGYWKIKGLVQPTRLLLEYLEEKYEEHLYERDEGDKWRNKKFELGLEFPNLPYYIDGDVKLTQSMAIIRYIADKHNMLGGCPKERAEISMLEGAVLDIRYGVSRIAYSKDFETLKVDFLSKLPEMLKMFEDRLCHKTYLNGDHVTHPDFMLYDALDVVLYMDPMCLDAFPKLVCFKKRIEAIPQIDKYLKSSKYIAWPLQGWQATFGGGDHPPKSDGGSGSAALKIAAFNIRTFGETKMSNATLASYIVRIVRRYDIVLIQEVRDSHLVAVGKLLDYLNQDDPNTYHYVVSEPLGRNSYKERYLFLFRPNKVSVLDTYQYDDGUESUGNDSFSREPAVVKFSSHSTKVKEFAIVALHSAPSDAVAEINSLYDVYLDVQQKWHLNDVMLMGDFNADUSYVTSSQWSSIRLRTSSTFQWLIPDSADTTATSTNUAYDRIVVAGSLLQSSVVPGSAAPFDFQAAYGLSNEMALAISDHYPVEVTLT(配列番号3)に対して少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性があるアミノ酸配列を含む。
【0143】
[00174] いくつかの態様では、DNアーゼIは、ALKIAAFNIRTFGETKMSNATLASYIVRIVRRYDIVLIQEVRDSHLVAVGKLLDYLNQDDPNTYHYVVSEPLGRNSYKERYLFLFRPNKVSVLDTYQYDDGUESUGNDSFSREPAVVKFSSHSTKVKEFAIVALHSAPSDAVAEINSLYDVYLDVQQKWHLNDVMLMGDFNADUSYVTSSQWSSIRLRTSSTFQWLIPDSADTTATSTNUAYDRIVVAGSLLQSSVVPGSAAPFDFQAAYGLSNEMALAISDHYPVEVTLTGSHHHHHHGSGGGSGGSAWSHPQFEKGGGSGGGSGGSAWSHPQFEK(配列番号4)に対して少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性があるアミノ酸配列を含む。
【0144】
[00175] いくつかの態様では、DNアーゼIは、MSPILGYWKIKGLVQPTRLLLEYLEEKYEEHLYERDEGDKWRNKKFELGLEFPNLPYYIDGDVKLTQSMAIIRYIADKHNMLGGCPKERAEISMLEGAVLDIRYGVSRIAYSKDFETLKVDFLSKLPEMLKMFEDRLCHKTYLNGDHVTHPDFMLYDALDVVLYMDPMCLDAFPKLVCFKKRIEAIPQIDKYLKSSKYIAWPLQGWQATFGGGDHPPKSDGGSGSAALKIAAFNIRTFGETKMSNATLASYIVRIVRRYDIVLIQEVRDSHLVAVGKLLDYLNQDDPNTYHYVVSEPLGRNSYKERYLFLFRPNKVSVLDTYQYDDGUESUGNDSFSREPAVVKFSSHSTKVKEFAIVALHSAPSDAVAEINSLYDVYLDVQQKWHLNDVMLMGDFNADUSYVTSSQWSSIRLRTSSTFQWLIPDSADTTATSTNUAYDRIVVAGSLLQSSVVPGSAAPFDFQAAYGLSNEMALAISDHYPVEVTLTGSHHHHHHGSGGGSGGSAWSHPQFEKGGGSGGGSGGSAWSHPQFEK(配列番号5)に対して少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性があるアミノ酸配列を含む。
【0145】
[00176] いくつかの態様では、DNアーゼIは、MSPILGYWKIKGLVQPTRLLLEYLEEKYEEHLYERDEGDKWRNKKFELGLEFPNLPYYIDGDVKLTQSMAIIRYIADKHNMLGGCPKERAEISMLEGAVLDIRYGVSRIAYSKDFETLKVDFLSKLPEMLKMFEDRLCHKTYLNGDHVTHPDFMLYDALDVVLYMDPMCLDAFPKLVCFKKRIEAIPQIDKYLKSSKYIAWPLQGWQATFGGGDHPPKSD(配列番号6)に対して少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性があるアミノ酸配列を含んでなるアフィニティータグを含む。
【0146】
[00177] いくつかの態様では、DNアーゼIは、GSHHHHHHGSGGGSGGSAWSHPQFEKGGGSGGGSGGSAWSHPQFEK(配列番号7)に対して少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性があるアミノ酸配列を含んでなるアフィニティータグを含む。
【0147】
[00178] いくつかの態様では、DNアーゼIは、アミノ酸配列:HHHHHH(配列番号8)を含んでなるアフィニティータグを含む。いくつかの態様では、このDNアーゼIは、アミノ酸配列:AWSHPQFEK(配列番号9)を含んでなるアフィニティータグを含む。
【0148】
[00179] いくつかの態様では、DNアーゼIは、アフィニティータグを含み、DNアーゼとアフィニティータグは、リンカーによって分離される。いくつかの態様では、DNアーゼIは、第1アフィニティータグと第2アフィニティータグを含み、DNアーゼと第1アフィニティータグは、リンカーによって分離され、DNアーゼと第2アフィニティータグは、リンカーによって分離される。いくつかの態様では、DNアーゼIは、第1アフィニティータグと第2アフィニティータグを含み、第1アフィニティータグと第2アフィニティータグは、リンカーによって分離される。いくつかの態様では、DNアーゼIは、第1アフィニティータグ、第2アフィニティータグ、及び第3アフィニティータグを含み、第1アフィニティータグ、第2アフィニティータグ、及び第3アフィニティータグは、リンカーによってそれぞれ分離される。いくつかの態様では、DNアーゼIは、第1アフィニティータグ、第2アフィニティータグ、第3アフィニティータグ、及び第4アフィニティータグを含み、第1アフィニティータグ、第2アフィニティータグ、第3アフィニティータグ、及び第4アフィニティータグは、リンカーによってそれぞれ分離される。いくつかの態様では、リンカーは、(GS)n、(GGS)n、又は(GGGS)nのアミノ酸配列又はこれらの組合せを含む(nは、1~10の整数である)。いくつかの態様では、リンカーはGSGGGSGGS(配列番号10)のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、リンカーはGGGSGGGSGGS(配列番号11)のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、リンカーはGS(配列番号12)のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、リンカーはGGSGSA(配列番号13)のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、リンカーはGGSGSAA(配列番号14)のアミノ酸配列を含む。
【0149】
[00180] いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の102位、配列番号1の105位、配列番号1の174位、又は配列番号1の210位にあり得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の102位、配列番号1の105位、配列番号1の174位、及び配列番号1の210位にあり得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の102位及び配列番号1の105位にあり得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の102位及び配列番号1の174位にあり得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の102位及び配列番号1の210位にあり得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の105位及び配列番号1の174位にあり得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の105位及び配列番号1の210位にあり得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の174位及び配列番号1の210位にあり得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の102位、配列番号1の105位、及び配列番号1の174位にあり得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の102位、配列番号1の174位、及び配列番号1の210位にあり得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の102位、配列番号1の105位、及び配列番号1の210位にあり得る。いくつかの態様では、1個以上の非標準アミノ酸は、配列番号1の105位、配列番号1の174位、及び配列番号1の210位にあり得る。
【0150】
[00181] いくつかの態様では、102位の非標準アミノ酸が105位の非標準アミノ酸へ結合によって直接連結し得る。いくつかの態様では、174位の非標準アミノ酸が210位の非標準アミノ酸へ結合によって直接連結し得る。いくつかの態様では、102位の非標準アミノ酸が174位の非標準アミノ酸へ結合によって直接連結し得る。いくつかの態様では、102位の非標準アミノ酸が210位の非標準アミノ酸へ結合によって直接連結し得る。いくつかの態様では、105位の非標準アミノ酸が174位の非標準アミノ酸へ結合によって直接連結し得る。いくつかの態様では、105位の非標準アミノ酸が210位の非標準アミノ酸へ結合によって直接連結し得る。
【0151】
[00182] いくつかの態様では、結合はジセレニド結合であり得る。いくつかの態様では、ジセレニド結合は、1個以上の非標準アミノ酸の無い対応する組換え酵素中のジスルフィド結合の位置にあり得る。
【0152】
[00183] いくつかの態様では、対応する安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmは、37℃未満であり得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmは、37℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、又は65℃より高い可能性がある。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmは、少なくとも37℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、又は65℃以上であり得る。
【0153】
[00184] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmは、対応する組換え酵素、その機能性断片、又はその変異体のTmより少なくとも10℃高い可能性がある。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmは、対応する組換え酵素、その機能性断片、又はその変異体のTmより少なくとも15℃高い可能性がある。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmは、対応する組換え酵素、その機能性断片、又はその変異体のTmより少なくとも15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、又は65℃以上高い可能性がある。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmは、対応する組換え酵素、その機能性断片、又はその変異体のTmより10℃未満高い可能性がある。
【0154】
[00185] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、ある環境において、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該環境における半減期より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍以上長い半減期を有し得る。
【0155】
[00186] いくつかの態様では、DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該環境における半減期は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間以上より長い可能性がある。いくつかの態様では、DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該環境における半減期は、1時間未満であり得る。
【0156】
[00187] いくつかの態様では、DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該環境における半減期は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24日以上より長い可能性がある。いくつかの態様では、DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該環境における半減期は、1日未満であり得る。
【0157】
[00188] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ある環境において、DNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より、少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100倍高いエンドヌクレアーゼ活性を有し得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ある環境において、DNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より1.1倍未満高いエンドヌクレアーゼ活性を有し得る。
【0158】
[00189] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ある環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、又は50分間存在した後のDNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の、該環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、又は50分間存在した後の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100倍高いエンドヌクレアーゼ活性を有し得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチは、ある環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、又は50分間存在した後のDNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の、該環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、又は50分間存在した後の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より1.1倍未満高いエンドヌクレアーゼ活性を有し得る。
【0159】
[00190] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ある環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、18、又は24時間存在した後のDNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の、該環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、18、又は24時間存在した後の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100倍高いエンドヌクレアーゼ活性を有し得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチは、ある環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、18、又は24時間存在した後のDNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の、該環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、18、又は24時間存在した後の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より1.1倍未満高いエンドヌクレアーゼ活性を有し得る。
【0160】
[00191] いくつかの態様では、DNA基質はゲノムDNAであり得る。いくつかの態様では、DNA基質は、1本鎖DNA、2本鎖DNA、環状DNA、又は無細胞DNAであり得る。
【0161】
[00192] いくつかの態様では、環境は4℃~98℃の温度の環境であり得る。いくつかの態様では、環境は、5℃~97℃、6℃~96℃、7℃~95℃、8℃~94℃、9℃~93℃、10℃~92℃、11℃~91℃、12℃~90℃、13℃~89℃、14℃~88℃、15℃~85℃、20℃~75℃、25℃~70℃、30℃~65℃、35℃~60℃、40℃~55℃、又は45℃~50℃の温度の環境であり得る。いくつかの態様では、環境は、少なくとも4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、又は80℃以上の温度の環境であり得る。いくつかの態様では、環境は4℃未満の温度の環境であり得る。
【0162】
[00193] いくつかの態様では、環境は溶解緩衝液のある環境であり得る。いくつかの態様では、溶解緩衝液は、NP-40溶解緩衝液、RIPA(放射性免疫沈降法)溶解緩衝液、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)溶解緩衝液、又はACK(アンモニウム塩化カリウム)溶解緩衝液であり得る。
【0163】
[00194] いくつかの態様では、環境は、界面活性剤が0.01%~20%の濃度にある環境であり得る。いくつかの態様では、この環境は、界面活性剤が0.01%~20%、0.05%~19.5%、0.1%~19%、0.2%~18.5%、0.3%~18%、0.4%~17.5%、0.5%~17%、0.6%~16.5%、0.7%~16%、0.8%~15%、0.8%~14%、0.9%~13%、又は1%~12%の濃度にある環境であり得る。いくつかの態様では、環境は、界面活性剤が0.01%未満の濃度である環境であり得る。いくつかの態様では、環境は、界面活性剤が20%より高い濃度である環境であり得る。
【0164】
[00195] いくつかの態様では、界面活性剤は非イオン性界面活性剤であり得る。非イオン性界面活性剤は、Triton X-100、Triton X-114、NP-40、Brij-35、Brij-58、Tween 20、Tween 80、オクチルグルコシド、及びオクチルチオグルコシドを含み得る。いくつかの態様では、界面活性剤はイオン性界面活性剤であり得る。イオン性界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含み得る。ある態様では、界面活性剤はカチオン性界面活性剤であり得る。カチオン性界面活性剤は、臭化エチルトリメチルアンモニウムであり得る。ある態様では、界面活性剤は両性イオン界面活性剤であり得る。両性イオン界面活性剤は、CHAPS(3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート)であり得る。
【0165】
[00196] いくつかの態様では、環境は、2価カチオンを0.01mM~100mMの濃度で含み得る。いくつかの態様では、環境は、2価カチオンを0.01mM~100mM、0.05mM~95mM、0.1mM~90mM、0.5mM~85mM、1mM~80mM、5mM~75mM、10mM~70mM、15mM~65mM、20mM~60mM、25mM~55mM、30mM~50mM、又は35mM~45mMの濃度で含み得る。いくつかの態様では、環境は、2価カチオンを0.01mM未満の濃度で含み得る。いくつかの態様では、環境は、2価カチオンを100mMより高い濃度で含み得る。いくつかの態様では、2価カチオンは、Mg2+、Mn2+、Ca2+、Co2+、及びZn2+から成る群より選択され得る。
【0166】
[00197] いくつかの態様では、環境は、還元剤を0.01mM~100mMの濃度で含み得る。還元剤は、グルタチオン、アルブミン、又はチオレドキシンであり得る。いくつかの態様では、環境は、還元剤を0.01mM~100mM、0.05mM~95mM、0.1mM~90mM、0.5mM~85mM、1mM~80mM、5mM~75mM、10mM~70mM、15mM~65mM、20mM~60mM、25mM~55mM、30mM~50mM、又は35mM~45mMの濃度で含み得る。いくつかの態様では、環境は、還元剤を0.01mM未満の濃度で含み得る。いくつかの態様では、環境は、還元剤を100mMより高い濃度で含み得る。
【0167】
[00198] いくつかの態様では、環境は5~9のpHを有し得る。いくつかの態様では、環境は6~8のpHを有する。いくつかの態様では、環境は7~8のpHを有し得る。いくつかの態様では、環境は5未満のpHを有し得る。いくつかの態様では、環境は9より高いpHを有し得る。
【0168】
[00199] いくつかの態様では、環境は、10mM~1Mの塩濃度を有し得る。いくつかの態様では、環境は、15mM~950mM、20mM~900mM、30mM~850mM、40mM~800mM、50mM~750mM、60mM~700mM、70mM~650mM、80mM~600mM、90mM~550mM、100mM~500mM、150mM~450mM、又は200mM~400mMの塩濃度を有し得る。いくつかの態様では、環境は、10mM未満の塩濃度を有し得る。いくつかの態様では、環境は、1Mより高い塩濃度を有し得る。
【0169】
[00200] いくつかの態様では、環境は液滴内部にあり得る。いくつかの態様では、環境は血液循環系であり得る。いくつかの態様では、環境は、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が酵素活性を有し得る、どの環境でもあり得る。
【0170】
[00201] いくつかの態様では、環境は、-150mV、-160mV、-170mV、-180mV、-190mV、-200mV、-210mV、-220mV、-230mV、-240mV、又は-250mV、-260mV、-270mV、-280mV、-290mV、-300mV、-310mV、-320mV、-330mV、-340mV、又は-350mV、-360mV、-370mV、-380mV、-390mV、-400mV、-410mV、-420mV、-430mV、-440mV、又は-450mV、-460mV、-470mV、-480mV、-490mV、-500mV、-510mV、-520mV、-530mV、-540mV、又は-550mV、-560mV、-570mV、-580mV、-590mV、又は-600mV未満である酸化還元電位を有し得る。いくつかの態様では、環境は、-150mVより高い酸化還元電位を有し得る。
【0171】
[00202] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、組換え体であり得る。いくつかの態様では、組換え体は、例えば、バクテリオファージ又は酵母の発現系によって発現される安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のように、組換えDNA技術を使用して産生することができる。他の態様では、組換え体は、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体をコードするDNA分子の合成によって産生することができる。
【0172】
[00203] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、ウシDNアーゼIであり得る。安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、限定されるものではないが、大腸菌DNアーゼI、ミクロセラ・アルカリフィラ(Microcellaa alkaliphila)DNアーゼI、ラクトバチルス・アルジダス(Lactobacillus algidus)DNアーゼI、コレラ菌(Vibrio cholerae)DNアーゼI、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)DNアーゼI、ホモ・サピエンスDNアーゼI、及びラウルテラ・オルニチノリティカ(Raoultella ornithinolytica)DNアーゼIが含まれる他のどの種類のDNアーゼIでもよい。
【0173】
[00204] いくつかの態様では、組成物が、本明細書に開示される組成物をコードするポリヌクレオチドを含み得る。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドはベクターであり得る。ベクターは核酸分子の断片であり得る。ベクターは、ウイルス、プラスミド、又は高等生物の細胞より採取することができる。ベクターは、生物中で安定に維持することができる。ベクターは、クローニング目的のために異種核酸断片とともに挿入することができる。ベクターは、核酸断片のベクターへの簡便な挿入とベクターからの簡便な除去を可能にする特徴を含み得る。このベクターは、遺伝子組換えプラスミドであり得る。
【0174】
[00205] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドの1個以上の非標準アミノ酸の2個を直接連結している結合がある環境において破断しない場合があり、このとき対応するDNアーゼIポリペプチドの1個以上の標準アミノ酸の2個を直接連結している結合は、同じ環境において破断する場合がある。
【0175】
[00206] いくつかの態様では、本明細書に開示される組成物を作製する方法は、安定化DNアーゼIポリペプチドのアミノ酸配列を発現させる工程を含み得る。いくつかの態様では、発現させる工程が細胞中又はin vitroで発現させることを含み得る。
【0176】
[00207] いくつかの態様では、細胞は細菌細胞であり得る。いくつかの態様では、細胞は、ゲノム再コード化細胞であり得る。いくつかの態様では、細胞は細菌細胞でない場合がある。細胞は、被験者より入手又は単離することができる。細胞は、組織より入手又は単離することができる。被験者は、ヒト、マウス、ラット、ブタ、イヌ、ウサギ、ヒツジ、ウマ、ニワトリ、又は他の動物のような動物であり得る。細胞は、神経細胞であり得る。細胞は、血液-脳関門系の細胞の1つであり得る。細胞は、神経細胞株のような細胞株であり得る。細胞は、被験者の脳より入手される細胞のような初代細胞であり得る。細胞は、組織生検、細胞診標本、血液試料、微細針吸引(FNA)試料、又はそれらの組合せのような、被験者より単離され得る細胞の集団であり得る。細胞は、尿、母乳、汗、リンパ液、血液、喀痰、羊水、房水、硝子体液、胆汁、脳脊髄液、乳糜、糜汁、滲出液、内リンパ液、外リンパ液、胃酸、粘液、心膜液、腹水、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、漿液、恥垢、喀痰、涙液、嘔吐物、又は他の体液のような体液より入手し得る。細胞は、癌性細胞、非癌性細胞、腫瘍細胞、非腫瘍細胞、健常細胞、又はそれらのあらゆる組合せを含み得る。
【0177】
[00208] いくつかの態様では、細胞は、再割当されたコドンに対応するアンチコドンを含んでなる安定した非標準アミノ酸tRNAによって認識される再割当されたコドンを含み得る。
【0178】
[00209] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドのアミノ酸配列は、再割当されたコドンに置き換えられた、天然アミノ酸の少なくとも1つのコドンを含んでなるポリヌクレオチド配列によってコードされ得る。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチドのアミノ酸配列は、再割当されたコドンに置き換えることができる、天然アミノ酸の少なくとも1個、2個、又は3個のコドンを含んでなるポリヌクレオチド配列によってコードされ得る。
【0179】
[00210] いくつかの態様では、安定した非標準アミノ酸tRNAは、セレノシステインtRNAであり得る。
[00211] いくつかの態様では、本方法は、安定化DNアーゼIポリペプチドのアミノ酸配列が発現され得る条件下で細胞を培養する工程を含み得る。いくつかの態様では、再割当されたコドンは、UAG、UAA、UGA、又はこれらの組合せであり得る。
【0180】
[00212] いくつかの側面では、本発明で提供されるのは、緩衝液中、反応環境中、又は固体表面上にあり得るDNA基質を1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体へ接触させる工程を含んでなる方法であって、ここでこの安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体より高い速度で該DNA基質の切断又は断片化を触媒することができる。いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体より1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000倍以上高い速度で該DNA基質の切断又は断片化を触媒することができる。
【0181】
[00213] いくつかの態様では、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、本明細書の他所で開示される安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体であり得る。いくつかの態様では、DNA基質はゲノムDNAであり得る。いくつかの態様では、DNA基質は単一細胞に由来する。単一細胞(又は細胞)については、本明細書の他所で記載されている。いくつかの態様では、該方法は、複数個の細胞の単一細胞;安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体;及び溶解緩衝液をそれぞれ含んでなる複数個の容器を構成する工程を含み得る。いくつかの態様では、該方法は、単一細胞を溶解させて、それによって該単一細胞よりDNA基質を放出させる工程をさらに含み得る。
【0182】
[00214] いくつかの態様では、該方法は、DNA基質又はその断片をバーコードする工程(barcoding)をさらに含み得る。このDNA基質上のバーコードは、ポリヌクレオチドの明確な同定を可能にするポリヌクレオチドに含まれる天然又は合成の核酸配列と前記バーコード配列を有するポリヌクレオチドに含まれる他の配列であり得る。このバーコードは、被験者、試料(無細胞試料のような)、核酸配列(1個以上の後成修飾塩基を有する配列のような)、又はこれらのあらゆる組合せを独自に同定し得る。このバーコードは、DNA基質又は相補鎖と関連付けられる場合がある。このDNA基質は、単一のバーコードを含み得る。このDNA基質は、第1バーコードと第2バーコードのように、1個以上のバーコードを含み得る。いくつかの事例において、第1バーコードは、第2バーコードと異なる可能性がある。いくつかの事例では、複数個のバーコードの各バーコードが独自のバーコードであり得る。いくつかの事例では、、バーコードが試料同定バーコードを含み得る。例えば、第1バーコードが独自のバーコードを含み得て、第2バーコードが試料同定バーコードを含み得る。
【0183】
[00215] いくつかの態様では、本方法は、DNA基質又はその断片を増幅する工程をさらに含み得る。増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ループ介在等温増幅、核酸配列ベース増幅、鎖置換増幅、多置換増幅、ローリングサークル増幅、リガーゼ連鎖反応、ヘリカーゼ依存性増幅、分枝増幅法、クローン増幅、又はこれらのあらゆる組合せによる増幅を含み得る。いくつかの事例では、増幅は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13回以上の増幅サイクルを含み得る。いくつかの態様では、増幅する工程は、クローン増幅を含み得る。いくつかの事例では、個別のDNA基質又は断片を支持体上にてin situで増幅することができる。いくつかの事例では、増幅は、増幅される単一の鋳型より約102、103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1015、又は1020個以下のアンプリコンを産生する。
【0184】
[00216] いくつかの態様では、本方法は、DNA基質又はその断片を配列決定する工程をさらに含む。配列決定する工程は、バイサルファイト(bisulfite)フリー配列決定、バイサルファイト配列決定、TET支援バイサルファイト(TAB)配列決定、ACE配列決定、ハイスループット配列決定、マクサム・ギルバート(Maxam-Gilbert)配列決定、大量並列サイン配列決定、ポロニー(Polony)配列決定、454パイロシークエンス法、サンガー配列決定、イルミナ(Illumina)配列決定、SOLiD配列決定、イオントレント半導体配列決定、DNAナノボール配列決定、Heliscope 単一分子配列決定、単一分子リアルタイム(SMRT)配列決定、ナノポアDNA配列決定、ショットガン配列決定、RNA配列決定、EniGMA配列決定、又はこれらのあらゆる組合せを含み得る。いくつかの態様では、配列決定する工程は、全ゲノム配列決定を含む。いくつかの態様では、配列決定する工程は、ハイスループット配列決定、大量並列配列決定、サンガー配列決定、又は次世代配列決定を含む。
【0185】
[00217] いくつかの態様では、複数個の容器は固体支持体を含む。いくつかの態様では、DNA基質は容器中の固体支持体へ付着しない。いくつかの態様では、DNA基質は容器中の固体支持体へ付着し得る。支持体は、核酸のような試薬をその上に固定化することができる固体又は半固体の物品であり得る。限定されるものではないが、物理的吸着、イオン結合又は共有結合の形成、又はこれらの組合せが含まれるどの方法によっても、核酸をこの固体支持体上に固定化し得る。固体支持体には、ポリマー、ガラス、又は金属性の物質が含まれ得る。固体支持体の例には、膜、平面状表面、マイクロタイタープレート、ビーズ、フィルター、試験紙、スライドガラス、カバーガラス、及び試験管、即ち、その上でオリゴマーが合成、付着、連結されるか又は他のやり方で固定化されるあらゆる固相物質が含まれる。支持体は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフルオロエチレン、ポリエチレンオキシ、及びポリアクリルアミドのような有機ポリマー、並びにそれらの共重合体及びグラフトより構成され得る。支持体は、ガラス、シリカ、制御孔ガラス(CPG)、又は逆相シリカのような無機物でもよい。支持体の配置は、ビーズ、球体、粒子、顆粒、ゲル、又は表面の形態であり得る。表面は、平面状、実質的に平面状、又は非平面状であり得る。支持体は、多孔性でも非多孔性でもよくて、膨潤性又は非膨潤性の特性を有し得る。支持体は、1個以上のウェル、窪み、又は他の器、容器、特徴、又は位置を含むように成形することができる。複数個の支持体を様々な位置での配列(array)に配置することができる。
【0186】
[00218] いくつかの態様では、緩衝液、反応環境、又は固体表面は、DNA基質又はその断片の配列に特異的なプライマーを含み得る。このプライマーは、既知又は未知の配列がある核酸であり得る。プライマーは、1本鎖であり得る。いくつかの事例では、プライマーがバーコード(例えばユニーク識別子配列)を含み得る。プライマーは、増幅反応においてアダプターへハイブリダイズして、標的核酸を鋳型として使用して伸張させ得る増幅プライマーであり得る。プライマーは、配列決定反応においてアダプターへハイブリダイズして、標的核酸を鋳型として使用して伸張させ得る配列決定プライマーであり得る。
【0187】
[00219] いくつかの態様では、複数個の細胞は、少なくとも2、3、4、5、5.5、6、6.5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、又は9×1012個の細胞を含み得る。
【0188】
[00220] いくつかの態様では、複数個の細胞は、1個以上の生体試料に由来し得る。生体試料は、組織生検、細胞診標本、血液試料、微細針吸引(FNA)試料、又はそれらの組合せのように、被験者に由来し得る。生体試料は、尿、母乳、汗、リンパ液、血液、喀痰、羊水、房水、硝子体液、胆汁、脳脊髄液、乳糜、糜汁、滲出液、内リンパ液、外リンパ液、胃酸、粘液、心膜液、腹水、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、漿液、恥垢、喀痰、涙液、嘔吐物、又は他の体液のような体液より入手し得る。
【0189】
[00221] いくつかの態様では、1個以上の生体試料は、少なくとも2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100個以上の試料を含む。いくつかの態様では、1個以上の生体試料は、異なる被験者由来の試料を含み得る。いくつかの態様では、1個以上の生体試料は、同じ被験者由来の試料を含み得る。
【0190】
[00222] いくつかの態様では、1個以上の生体試料は、疾患のある被験者に由来する。疾患には、癌、神経系障害、又は自己免疫疾患が含まれ得る。いくつかの態様では、疾患は神経系障害を含み得る。いくつかの事例では、神経系障害は、後天性てんかん性失語症、急性播種性脳脊髄炎、副腎白質ジストロフィー、脳梁欠損症、失認症、アイカルディー症候群、アレクサンダー病、アルパーズ病、交互性片麻痺、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(運動ニューロン病を参照のこと)、無脳症、アンジェルマン症候群、血管腫症、無酸素症、失語症、失行症、くも膜嚢胞、くも膜炎、アーノルド・キアリ奇形、動静脈奇形、アスペルガー症候群、毛細血管拡張性運動失調症、注意・欠陥・多動性障害、自閉症、聴覚情報処理障害、自律神経機能不全、背痛、バッテン病、ベーチェット病、ベル麻痺、良性本態性眼瞼痙攣、良性焦点性筋萎縮症、良性頭蓋内圧亢進症、両側性前頭頭頂多少脳回、ビンスヴァンガー病、眼瞼痙攣、ブロッホ・サルツバーガー症候群、腕神経叢損傷、脳膿瘍、脳傷害、脳損傷、脳腫瘍、ブラウン・セカール症候群、カナバン病、手根管症候群(CTS)、灼熱痛、中枢痛症候群、橋中心髄鞘崩壊症、中心核ミオパチー、頭部障害、脳動脈瘤、脳動脈硬化症、脳萎縮、脳性巨人症、脳性麻痺、シャルコー・マリー・トゥース病、キアリ奇形、舞踏病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性疼痛、慢性局所疼痛症候群、コフィン・ローリー症候群、遷延性植物状態を含めた昏睡、先天性眼筋麻痺、大脳基底核変性症、頭蓋動脈炎、頭蓋骨癒合症、クロイツフェルト・ヤコブ病、累積外傷性障害、クッシング症候群、巨細胞性封入体病(CIBD)、サイトメガロウイルス感染症、ダンディ・ウォーカー症候群、ドーソン病、ドモルシア症候群、デジェリン・クルンプケ麻痺、デジェリン・ソッタス病、睡眠相後退症候群、認知症、皮膚筋炎、神経失行、糖尿病性ニューロパチー、びまん性硬化症、自律神経失調症、計算障害、書字障害、ディスレクシア、ジストニア、早期乳児てんかん性脳症、エンプティセラ(Empty sella)症候群、脳炎、脳瘤、脳3叉神経領域血管腫症、遺糞症、てんかん、エルブ麻痺、肢端紅痛症、本態性振戦、ファブリー病、ファール症候群、失神、家族性痙性対麻痺、熱性痙攣、フィッシャー症候群、フリードライヒ運動失調症、FART症候群、ゴーシェ病、ゲルストマン症候群、巨細胞性動脈炎、巨細胞性封入体病、グロボイド細胞白質ジストロフィー、異所性灰白質、ギラン・バレー症候群、HTLV-1関連脊髄症、ハレルフォルデン・スパッツ病、頭部損傷、頭痛、片側顔面痙攣、遺伝性痙性麻痺、遺伝性多発神経炎性失調、耳性帯状疱疹、帯状疱疹、平山症候群、全前脳胞症、ハンチントン病、水無脳症、水頭症、副腎皮質機能亢進症、低酸素症、免疫介在性脳脊髄炎、封入体筋炎、色素失調症、乳児フタン酸蓄積病、乳児レフサム病、乳児痙攣、炎症性筋疾患、頭蓋内嚢胞、頭蓋内圧亢進、ジュベール症候群、カーンズ・セイヤー症候群、ケネディー病、キンスボーン症候群、クリッペル・ファイル症候群、クラッベ病、クーゲルベルグ・ウェランダー病、クールー病、ラフォラ病、ランバート・イートン筋無力症候群、ランドウ・クレフナー症候群、延髄外側(ワレンベルグ)症候群、学習障害、リー症候群、レノックス・ガスト症候群、レッシュ・ナイハン症候群、白質ジストロフィー、レビー体認知症、滑脳症、閉じ込め症候群、ルー・ゲーリッグ病、腰部椎間板症、ライム病-神経学的後遺症、マチャド・ジョセフ病(脊髄小脳失調症3型)、大脳症、メープルシロップ尿症、巨脳症、メルカーソン・ローゼンタール症候群、メニエル病、髄膜炎、メンケス病、異染性脳白質変性症、小頭症、偏頭痛、ミラー・フィッシャー症候群、小発作、ミトコンドリア筋症、メビウス症候群、単量体型筋萎縮症、運動ニューロン病、運動能力障害、もやもや病、ムコ多糖症、多発梗塞性認知症、多巣性運動ニューロパチー、多発性硬化症、多系統萎縮症、筋ジストロフィー、筋痛性脳脊髄炎、重症筋無力症、ミエリン分解性びまん性硬化症、小児ミオクローヌス脳症、ミオクローヌス、ミオパチー、筋細管ミオパチー、先天性筋緊張症、ナルコレプシー、神経線維腫症、神経遮断薬悪性症候群、AIDSの神経学的徴候、狼瘡の神経学的後遺症、神経性筋緊張症、神経セロイドリポフスチン症、神経細胞移動障害、ニーマン・ピック病、非24時間睡眠覚醒症候群、非言語性学習障害、オサリバン・マクラウド症候群、後頭神経痛、潜在性脊椎閉鎖不全症、大田原症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、起立性低血圧症、濫用症候群、反復視、錯感覚、パーキンソン病、先天性パラミオトニア、腫瘍随伴病、発作(paroxymal attacks)、パリー・ロンバーグ症候群、ロンバーグ症候群、ペリツェウス・メルツバッハ病、周期性四肢麻痺、末梢神経障害、遷延性植物状態、広汎性神経障害、光くしゃみ反射、フィタン酸蓄積病、ピック病、圧迫神経、下垂体腫瘍、PMG、ポリオ、多小脳回症、多発筋炎、孔脳症、ポリオ後症候群、ヘルペス後神経痛(PHN)、後感染性脳脊髄炎、体位性低血圧症、プラダー・ウィリ症候群、原発性側索硬化症、プリオン病、ロンバーグ症候群としても知られる進行性顔面片側萎縮症、進行性多巣性白質脳症、進行性硬化性ポリオジストロフィー、進行性核上性麻痺、偽脳腫瘍、ラムゼイ・ハント症候群(I型及びII型)、ラスムッセン脳炎、反射交感神経ジストロフィー症候群、レフサム病、反復性運動障害、反復性ストレス損傷、むずむず脚症候群、レトロウイルス関連脊髄症、レット症候群、ライ症候群、ロンバーグ症候群、狂犬病、聖ウィトゥス舞踏病、サンドホフ病、統合失調症、シルダー病、裂脳症、感覚統合機能不全、中隔視神経形成異常症、乳幼児揺さぶられ症候群、帯状疱疹、シャイ・ドレーガー症候群、シェーグレン症候群、睡眠時無呼吸、睡眠病、くしゃみ病(Snatiation)、ソトス症候群、痙縮、二分脊椎症、脊髄損傷、脊髄腫瘍、脊髄性筋萎縮症、脊柱管狭窄、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー症候群(進行性核上性麻痺を参照のこと)、脊髄小脳運動失調、全身硬直症候群、脳卒中、スタージ・ウェーバー症候群、亜急性硬化性汎脳炎、皮質下動脈硬化性脳症、表在性鉄沈着症、シデナム舞踏病、仮死、共感覚、脊髄空洞症、遅発性ジスキネジア、テイ・サックス病、側頭動脈炎、脊髄係留症候群、トムゼン病、胸郭出口症候群、疼痛性チック、トッド麻痺、トゥレット症候群、一過性脳虚血発作、伝達性海綿状脳症、横断性脊髄炎、外傷性脳損傷、振戦、三叉神経痛、熱帯性痙性不全対麻痺、トリパノソーマ症、結節性硬化症、側頭動脈炎を含めた血管炎、フォン・ヒッペル・リンダウ病(VHL)、ビリウスク脳脊髄炎(VE)、ワレンベルグ症候群、ウェルドニッヒ・ホフマン病、ウェスト症候群、むち打ち症、ウィリアムズ症候群、ウィルソン病、X連鎖球脊髄性筋萎縮症、及びツェルウェーガー症候群を含み得る。
【0191】
[00223] いくつかの事例では、疾患は自己免疫疾患を含み得る。いくつかの事例では、自己免疫疾患は、急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経失調症、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全症、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性膵炎、自己免疫網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、軸索性及び神経細胞性ニューロパチー、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病(非熱帯性)、チャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、チャーグ・シュトラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心臓ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、本態性混合型クリオグロブリン血症、脱髄性ニューロパチー、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状ループス、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エヴァンス症候群、線維筋痛症、線維化性肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、グレイブス病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、ヘルペス妊娠、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、免疫調節性リポタンパク質、封入体筋炎、インスリン依存型糖尿病(1型)、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病、川崎病、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病(LAD)、狼瘡(SLE)、ライム病、メニエル病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少症、眼部瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、PANDAS(レンサ球菌感染性小児自己免疫性神経精神疾患)、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間ヘモグロビン血症(PNH)、パリー・ロンバーグ症候群、パーソナージュ・ターナー症候群、扁平部炎(周辺部ぶどう膜炎)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、I型、II型、及びIII型自己免疫性多内分泌腺症候群、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、純赤血球無形成症、レイノー現象、反射交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発軟骨炎、むずむず脚症候群、後腹膜線維症、リューマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子・精巣自己免疫性、スティッフパーソン(stiff person)症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TPP)、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病(UCTD)、ぶどう膜炎、血管炎、水疱性皮膚症、白斑、又はウェゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、拡張型心筋症、心筋炎、自己免疫性多内分泌腺症候群I型(APS-I)、嚢胞線維症血管炎、後天性副甲状腺機能低下症、冠動脈疾患、落葉性天疱瘡、尋常性天疱瘡、ラスムッセン脳炎、自己免疫性胃炎、インスリン低血糖症候群(平田病)、B型インスリン耐性、表皮肥厚、紅斑性全身性狼瘡(SLE)、悪性貧血、治療抵抗性ライム関節炎、多発性神経障害、脱髄症、アトピー性皮膚炎、自己免疫性甲状腺機能低下症、白斑、甲状腺関連眼症、自己免疫性セリアック病、ACTH欠乏症、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、全身性硬化症、進行性全身性硬化症、限局性強皮症、原発性抗リン脂質症候群、慢性特発性蕁麻疹、結合組織症候群、壊死性半月体形成性糸球体腎炎(NCGN)、全身性血管炎、レイノー症候群、慢性肝疾患、内臓リーシュマニア症、自己免疫性C1欠乏症、膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、凝固時間延長、免疫不全症、アテローム性動脈硬化症、神経細胞障害、傍腫瘍性天疱瘡、傍腫瘍性スティッフマン(stiff man)症候群、傍腫瘍性脳脊髄炎、亜急性自律神経ニューロパチー、悪性腫瘍随伴網膜症、傍腫瘍性眼球クローヌス・ミクローヌス運動失調、下位運動ニューロン症候群、及びランバート・イートン筋無力症候群を含み得る。
【0192】
[00224] いくつかの事例では、疾患は、AIDS、炭疽病、ボツリヌス中毒症、ブルセラ症、軟性下疳、クラミジア感染、コレラ、コクシジディオス症、クリプトスポリジウム症、シクロスポラ症、ジフテリア、エールリヒア症、アルボウイルス脳炎、腸管出血性大腸菌感染症、ジアルジア症、淋病、デング熱、インフルエンザ菌感染症、ハンセン病(らい病)、ハンタウイルス肺症候群、溶血性尿毒症症候群、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、レジオネラ症、リステリア症、ライム病、マラリア、麻疹、髄膜炎菌感染症、流行性耳下腺炎、百日咳(pertussis)(百日咳(whooping cough))、ペスト、麻痺性ポリオ、オウム病、Q熱、狂犬病、ロッキー山紅斑熱、風疹、先天性風疹症候群(SARS)、細菌性赤痢、天然痘、レンサ球菌感染症(侵襲性A群)、レンサ球菌毒素性ショック症候群、レンサ球菌肺炎、梅毒、破傷風、毒素性ショック症候群、旋毛虫病、結核、野兎病、腸チフス、バンコマイシン中間体耐性黄色ブドウ球菌感染症、水痘、黄熱病、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)、エボラ出血熱、エキノコックス症、ハンドラウイルス感染症、サル痘、A型インフルエンザ感染症、H5N1、ラッサ熱、マールブルグ出血熱、ニパウイルス感染症、オニョン熱、リフトバレー熱、ベネズエラウマ脳炎、及びウェストナイルウイルス病を含み得る。
【0193】
[00225] いくつかの事例では、疾患は癌を含み得る。いくつか事例では、癌は、甲状腺癌、副腎皮質癌、肛門癌、再生不良性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨転移、中枢神経系(CNS)癌、末梢神経系(PNS)癌、乳癌、キャッスルマン病、子宮頸部癌、小児非ホジキンリンパ腫、リンパ腫、大腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング腫瘍(例、ユーイング肉腫)、眼癌、胆嚢癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、妊娠性絨毛性疾患、有毛細胞白血病、ホジキン病、カポシ肉腫、腎癌、喉頭・下咽頭癌、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、小児白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、肝癌、肺癌、肺カルチノイド腫瘍、非ホジキンリンパ腫、男性乳癌、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、鼻腔・副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔・口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫(成人軟部組織癌)、黒色腫、皮膚癌、非黒色腫皮膚癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、子宮癌(例えば子宮肉腫)、膣癌、外陰癌、又はワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症を含み得る。
【0194】
[00226] いくつかの事例では、疾患には過剰増殖性障害が含まれ得る。悪性過剰増殖性障害は、低リスク群と中~高リスク群のように、リスク群へ層別化し得る。過剰増殖性障害には、限定されるものではないが、癌、過形成、又は新生物を含めることができる。いくつかの事例では、過剰増殖性癌は、乳腺の腺管組織中の腺管癌、髄様癌、粘液癌、管状癌、及び炎症性乳癌のような乳癌;卵巣の腺癌のような上皮性卵巣腫瘍と卵巣から腹腔へ転移した腺癌とを含めた卵巣癌;子宮癌;扁平細胞癌と腺癌とを含めた、子宮頸部上皮の腺癌のような子宮頸部癌;腺癌又は骨へ転移した線癌より選択される前立腺癌のような前立腺癌;膵管組織中の類上皮癌及び膵管中の腺癌のような膵臓癌;膀胱の移行上皮癌、尿路上皮癌(移行上皮癌)、膀胱の裏打ちとなる尿路上皮細胞の腫瘍、扁平細胞癌、腺癌、及び小細胞癌のような膀胱癌;急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、脊髄形成異常、骨髄増殖性障害、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、肥満細胞症、慢性リンパ球性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)、及び骨髄異形成症候群(MDS)のような白血病;骨癌;扁平細胞癌、腺癌、及び大細胞未分化癌へ分類され得る非小細胞肺癌(NSCLC)と、小細胞肺癌のような肺癌;基底細胞癌、黒色腫、扁平細胞癌、及び扁平細胞癌へ発達することがある皮膚状態であり得る日光角化症のような皮膚癌;眼網膜芽細胞腫;皮膚又は眼内(眼)黒色腫;原発性肝癌(肝臓で始まる癌);腎癌;びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、B細胞免疫芽球性リンパ腫、及び小型非切れ込み核細胞性リンパ腫のような自己免疫不全症候群(AIDS)関連リンパ腫;カポシ肉腫;B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、及び肝細胞癌を含めたウイルス誘発癌;ヒトリンパ好性ウイルス1型(HTLV-1)及び成人T細胞白血病/リンパ腫;並びに、ヒト乳頭ウイルス(HPV)及び子宮頸部癌;神経膠腫(星細胞腫、退形成星細胞腫、又は多形膠芽腫)、乏突起膠腫、上衣腫、髄膜腫、リンパ腫、神経鞘腫、及び髄芽腫が含まれる原発性脳腫瘍のような中枢神経系(CNS)癌;聴神経腫と神経線維腫及び神経鞘腫を含めた悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、悪性線維性細胞腫、悪性線維性組織球腫、悪性髄膜腫、悪性中皮腫、及び悪性ミュラー管混合腫瘍のような末梢神経系(PNS)癌;下咽頭癌、喉頭癌、鼻咽頭癌、及び口腔咽頭癌のような口腔・口腔咽頭癌;リンパ腫、消化管間質腫瘍、及びカルチノイド腫瘍のような胃癌;セミノーマ及び非セミノーマを含めた胚細胞腫瘍(GCT)とライディック細胞腫瘍及びセルトリ細胞腫瘍を含めた性腺間質腫瘍のような精巣癌;胸腺腫、胸腺癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、カルチノイド又はカルチノイド腫瘍のような胸腺癌;直腸癌;及び結腸癌であり得る。いくつかの事例では、本開示の方法によって層別、分類、特徴付け、又は診断される疾患には、限定されるものではないが、例えば、良性甲状腺障害(限定されるものではないが、濾胞状腺腫、ヒュルトレ細胞腺腫、リンパ球性甲状腺炎、及び甲状腺過形成が含まれる)のような甲状腺障害が含まれる。いくつかの事例では、本開示の方法によって層別、分類、特徴付け、又は診断される疾患には、限定されるものではないが、例えば、濾胞状癌、濾胞型甲状腺乳頭癌、髄様癌、及び乳頭癌のような悪性甲状腺障害が含まれる。
【0195】
[00227] 疾患には遺伝性疾患が含まれ得る。遺伝性疾患は、遺伝子又は染色体における異常によって引き起こされる病気であり得る。遺伝性疾患は、2つのカテゴリー:単一遺伝子疾患と多因性及び多遺伝子性(複合)疾患へ群分けし得る。単一遺伝子疾患は、単一の突然変異遺伝子の所産であり得る。単一遺伝子疾患を遺伝することには、限定されるものではないが、常染色体優性、常染色体劣性、X連鎖優性、X連鎖劣性、Y連鎖性、及びミトコンドリア性の遺伝が含まれ得る。常染色体優性疾患によって人が影響を受けるには、この遺伝子の唯1つの突然変異コピーが必要であり得る。常染色体優性型疾患の例には、限定されるものではないが、ハンチントン舞踏病、神経線維腫症1型、マルファン症候群、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、又は遺伝性多発性外骨腫症を含めることができる。常染色体劣性疾患では、常染色体劣性疾患によって被験者が影響を受けるには、この遺伝子の2コピーが突然変異しなければならない。このタイプの疾患の例には、限定されるものではないが、嚢胞性線維症、鎌状赤血球症(部分的鎌状赤血球症も)、テイ・サックス病、ニーマン・ピック病、又は脊髄性筋萎縮症を含めることができる。X連鎖優性疾患は、X連鎖低リン血症性くる病のように、X染色体上の遺伝子中の突然変異によって引き起こされる。レット症候群、色素失調症2型、及びアルカディ症候群のようなある種のX連鎖優性状態は、致死性であり得る。X連鎖劣性疾患も、X染色体上の遺伝子の突然変異によって引き起こされる。このタイプの疾患の例には、限定されるものではないが、血友病A、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、赤緑色覚異常、筋ジストロフィー、及び男性型脱毛症が含まれ得る。Y連鎖疾患は、Y染色体上での突然変異によって引き起こされる。例には、限定されないが、男性不妊症と耳介多毛症が含まれ得る。母性遺伝としても知られている、ミトコンドリア遺伝の遺伝性疾患は、レーベル遺伝性視神経症のように、ミトコンドリアDNA中の遺伝子へ適用することができる。
【0196】
[00228] いくつかの態様では、複数個の細胞が複数個の細菌細胞又は複数個の真菌細胞を含み得る。いくつかの態様では、複数個の細菌細胞又はその複数個の真菌細胞は、少なくとも2、3、4、5、5.5、6、6.5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、又は9×1012個の細胞を含み得る。
【0197】
[00229] いくつかの態様では、複数個の細胞は複数個の免疫細胞を含む。いくつかの態様では、複数個の免疫細胞は、少なくとも2、3、4、5、5.5、6、6.5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、又は9×1012個の細胞を含み得る。
【0198】
[00230] いくつかの態様では、複数個の細胞は複数個の病的細胞を含む。いくつかの態様では、複数個の病的細胞は、少なくとも2、3、4、5、5.5、6、6.5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、又は9×1012個の細胞を含み得る。
【0199】
[00231] いくつかの態様では、複数個の細胞は複数個の癌細胞を含む。いくつかの態様では、複数個の癌細胞は、少なくとも2、3、4、5、5.5、6、6.5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、又は9×1012個の細胞を含み得る。
【0200】
[00232] 本明細書に記載される酵素は、宿主細胞、in vitro、又は無細胞合成系において作製することができる。宿主細胞は、確実に再コード化され得るどの細胞でもよい。これらは、十分に開発された遺伝子系を有する細菌細胞であり得、大腸菌がその例である。他の細菌種も使用することができる。タンパク質を産生するために無細胞系を転写/翻訳系又は翻訳系だけと共役させることができる。本発明の方法の注目すべき側面は、化学合成手段よりむしろ生物学的合成の使用である。
【0201】
[00233] 構築された核酸配列を含む再コード化細胞の培養は、当該技術で公知のいかなる手段によってもよい。培養工程は、バッチ式でも連続式でも、振とうフラスコ中でも発酵槽中でもよく、またより大きな容器中の微小粒子のような固体表面上に固定化してもよい。典型的には、培養基には、Na2SeO3のようなセレンの供給源が添加される。当該技術分野で公知のように、所望のタンパク質変異体の産生は、誘導因子又は抑制因子の制御下にあり得る。当該技術分野で公知のそのような産生系も、構築及びタンパク質産生の簡便性のために選択してよい。
【0202】
[00234] 上記の開示は、本発明を概略的に記載している。本明細書に開示されるすべての参考文献が明確に援用される。例示の目的にのみ提供されており本発明の範囲を限定することを企図しない、以下の具体例を参照にすることで、より完全な理解を得ることができる。
【実施例】
【0203】
実施例1-発現と精製
[00235] 全システインコドンの代わりに置換されるセレノシステインの取込みを指令するUAGコドンとともにDNアーゼIをコードする遺伝子を有するプラスミド:pUC-TetO-GST-DNase_Sec-HisAltStrepで形質転換されたRTΔA2 X310K細胞を、1000μg/mL カルベニシリン、12.5μg/mL テトラサイクリン、及び25μM Na2SeO3を添加した1Lのテリフィックブロス(terrific broth)で1/250に希釈し、対数中期の間に(1mM)3,4-ジヒドロキシ安息香酸で誘導して、37℃で一晩増殖させる。8000×gで10分間の遠心分離によって細胞を採取し、プロテアーゼ阻害剤カクテル(cOmplete、ミニEDTAフリー、ロシュ)とリゾチーム(0.5mg/mL)を含む25mLの洗浄緩衝液(50mM K2HPO4、300mM NaCl、20mMイミダゾール、及び10%グリセロール、pH8.0)に再懸濁させる。穏やかに振とうしながら4℃で20分のインキュベーション後、細胞を超音波処理(モデル500、フィッシャー・サイエンティフィック)によって溶解させ、35000×gで30分間の遠心分離によって3回澄明化する。溶解液を0.2μm膜にて濾過し、Ni-NTA樹脂と自然落下式カラムを使用するIMACによってタンパク質を回収する。溶出液を3mLに濃縮し、TBS(pH7.5)に対して透析した後、サイズ排除FPLCによって見かけの均質性まで精製する。この試料の有意な分量が透析の間に沈殿し、この試料の追加分量がより不安定/不溶性の2量体型で存在し得る。可溶性酵素の最終収率を決定する。
【0204】
[00236] 全システインコドンの代わりに置換されるセレノシステインの取込みを指令するDNアーゼI UAGコドンをコードする遺伝子を有するプラスミド:pUC-TetO-GST-DNase_Sec-HisAltStrepで形質転換されたRTΔ2X310K-T7細胞を、1000μg/mL カルベニシリン、33μg/mL クロラムフェニコール、及び25μM Na2SeO3を添加した1Lのテリフィックブロスで1/250に希釈し、対数中期の間に200ng/mLのアンヒドロテトラサイクリンで誘導して、30℃で一晩増殖させる。先に記載したように細胞を採取してIMACによって精製する。沈殿を抑えるために、試料をより多い量(>6mL)で透析する。タンパク質試料をサイズ排除FPLC又は陰イオン交換クロマトグラフィー(HiTrap Q HP カラム)によって均質に精製する。可溶性酵素の最終収率を決定する。
【0205】
実施例2-質量分析法
[00237] 先に記載した方法を使用して、インタクトなタンパク質試料について分析する。10kDa分子量カットオフフィルターを使用して、セレノタンパク質試料をLC-MSグレード水へ緩衝液交換する。この緩衝液交換が完了したらすぐに、この試料をメタノール/水/ギ酸(50/49/1)溶液で20μMに希釈する。希釈後、タンパク質溶液をOrbitrap Elite質量分析計(Thermo Fisher Scientific Instruments、ブレーメン、ドイツ)へエレクトロスプレーイオン化により3μL/分の速度で注入する。セレノシステインの取込みを確かめるために、インタクト質量分析を240k分解能と20スキャン平均化で実行する。先に記載したようなOrbitrap質量分析計にインターフェースされる193nmエキシマレーザー(Coherent社)を使用する紫外光解離(UVPD)によって、このタンパク質配列の特性決定を実施する。それぞれのUVPDスペクトルにつき2つのレーザーパルス(2.5mJ)を使用して、250スキャンを平均化する。Xtractデコンボリューションアルゴリズム(サーモフィッシャー・サイエンティフィック)を使用してMS1スペクトルを解析する。UVPD質量スペクトルについてもXtractを使用して解析し、次いでProsight PC3.0を使用して解析する。取込み部位のセリン残基へ61.9146Daの修飾を加えること(ジセレニド結合の形成による1個の水素原子の減算が含まれる)によって、セレノシステインを含有するタンパク質について検索する。修飾タンパク質ピークの面積を非修飾タンパク質ピークと修飾タンパク質ピークの合計面積で割ることによって、取込み効率を計算する。各タンパク質について使用するピーク面積は、それぞれの同位体クラスター由来の5つの最も豊富なピークの積分面積の合計になる。
【0206】
実施例3-非標準アミノ酸含有ポリペプチドを発現するのに適したUAGゲノム再コード化生物
[00238] 非標準アミノ酸(NSAA)をUAGで明確に取り込むために、UAGコドン翻訳機能が完全に取り除かれたゲノム再コード化生物(GRO)を使用する。ゲノム再コード化生物には、セレノシステインのような非標準アミノ酸(NSAA)の取込みを促進する1個以上の再割当した3塩基コドンが含まれ得る。当業者に公知の方法を使用して、セレノシステインのような非標準アミノ酸を取り込むように3塩基コドンを再割当することができる。あるいは、当業者に公知の方法を使用して、非標準アミノ酸を取り込むように4塩基コドンを再割当することができる。非機能的なUAG3塩基に基づいて4塩基UAGAコドンを特異的かつ効率的に解読し、UAGAコドンでのセレノシステインのような非標準アミノ酸の一義的な取込みを生じて高いタンパク質収率をもたらす、直交アミノアシル-tRNAシンテターゼ(aaRS)/tRNAの対が開発されている。本発明の方法では、このような4塩基コドンを使用し得る。
【0207】
実施例4-tRNAの選択
[00239] 異なるレベルのセレノシステインの取込みを識別することが可能な遺伝子選択方法を開発した。レポータータンパク質をセリンではなくセレノシステインへ特異的に「常習させる(addict)」ために、エンテロバクター・クロアカ由来のNMC-A f3-ラクタマーゼを使用する。この酵素は、セラチア・マルセッセンス由来のSME-1 f3-ラクタマーゼに対して高い配列類似性を有し、活性には活性部位のセリン残基に隣接するジスルフィド結合を必要とすることがかつて示されていたが、大腸菌には有意な適合負担を付与する酵素である。最初に、NMC-AよりC69S突然変異体を構築したが、これはアンピシリン耐性を付与することに失敗し(MIC<50μg/mL)、ジスルフィド結合が活性に必須であることを示唆した。次いで、セレノシステインの取込みとセレニル-スルフヒドリル結合の形成があれば活性が回復されると仮説をたて、ライブラリー選択のために、システイン69をアンバー終止コドン(X69)に置換した。
【0208】
[00240] RNASecライブラリーと内因性セレノシステイン取込み機構の間のクロストークをなくすために、selA、selB、及びselC遺伝子(SelA、SelB、及びtRNASecをそれぞれコードする)を大腸菌DH10Bより欠失させた(DHΔabcと指定)。レポータープラスミドpNMC-A C69XとアクセサリープラスミドpRSF-eSelA(SelAを発現する)を含有する細胞を、tRNASec非決定因子(antideterminant)ライブラリーを含有するプラスミドpMB1-ZUTで形質転換した。セレノシステイン特異的に抑制可能な突然変異体の選択のために、アンピシリンの濃度勾配を含有する培地に形質転換体を蒔いた。出現する単一コロニーは、広範囲のアンピシリン濃度をカバーした。各プレートより約12のコロニーについて配列決定し、3種の別個のtRNASec突然変異体を明らかにした:
G7-C66:U49-G65:C50-U64
(GGAAGATG
7GTCGTCTCCGGTGAGGCGGCTGGACTCTAAATCCAGTTGGGGCCGCCAGCGGTCCCGGT
49
C
50AGGTTCGACTCCTT
64
G
65
C
66ATCTTCCGCCA(配列番号15))、
C7-G66:U49-G65:C50-U64
(GGAAGATC7GTCGTCTCCGGTGAGGCGGCTGGACTCTAAATCCAGTTGGGGCCGCCAGCGGTCCCGGT
49
C
50AGGTTCGACTCCTT64
G
65
G
66ATCTTCCGCCA(配列番号16))、及び
C7-U66:U49-A65:A50-Δ64
(GGAAGATC
7GTCGTCTCCGGTGAGGCGGCTGGACTCTAAATCCAGTTGGGGCCGCCAGCGGTCCCGGT
49
A
50AGGTTCGACTCCTA
65
T
66ATCTTCCGCCA(配列番号17))
(下線を施した塩基は、親の非決定因子配列からの変化を表す)。これらのtRNASec変異体の中で、2つの最高アンピシリン濃度(200μg/mLと250μg/mL)でも検出されたのは、G7-C66:U49-G65:C50-U64だけである。
【0209】
[00241] G7-C66:U49-G65:C50-U64非決定因子配列を含有するtRNASec変異体をtRNASecUxと指定し、先に設計したキメラ(tRNAUTu)、及びEF-Tuへ緊密に結合するはずの非決定因子領域を有するように設計されたtRNASec誘導体(tRNAUG)と比較した。CUAアンチコドンを含有する親のtRNASecとtRNAUGは、活性β-ラクタマーゼを産生することができなかった。ハイブリッドのtRNAUTuは、セレノシステインを取り込んで、75μg/mLで増殖し得た。対照的に、tRNASecUxの発現は、有意に高いβ-ラクタマーゼ活性(最大400μg/mL)をもたらしたが、SelAと同時発現される場合だけであり、活性がセレノシステイン依存性であることが確認された。tRNASecUxがアンバー終止コドンに応答してセレノシステインを取り込むことをさらに確認するために、内因性の大腸菌セレノタンパク質であるギ酸デヒドロゲナーゼH(FdhH)の活性に基づいた標準比色アッセイを利用した。FdhHは、嫌気性条件下で発現され、ギ酸の酸化を触媒してCO2を産生させ、電子アクセプターのベンジルビオロゲンの同時還元を伴って、深紫色の発色を生じる。FdhHによるギ酸酸化は、140位のセレノシステイン残基に厳格に依存しているため、突然変異体のFdhH U140Sは完全に不活性であった。SelAと同時発現されるときに活性FdhHを産生したのは、tRNASecUxとtRNAUTuだけである。
【0210】
[00242] 選択されたtRNAは、通常はEF-Tuと相互反応する連結部に非標準配列を含有していた。アクセプタステムの塩基も隣接するTアーム塩基対もtRNASecとSelAの間の相互作用に何らの役割も担っていないとすれば、この結果は、選択されたU:Cが野生型tRNASec配列より強いEF-Tuへの結合をもたらすことを示唆する。通常とは異なるC50-U64塩基対は、カノニカル(canonical)tRNAについて開発されたモデルに基づけば、EF-Tuへ強く結合すると予測されないし、主要な大腸菌tRNAGly由来の強いEF-Tu結合領域を含有するハイブリッドtRNAUGの発現が活性のあるβ-ラクタマーゼの産生をもたらさなかったことは、この非標準配列が機能上重要であることを示唆している。従って、遺伝子操作されたtRNASecの一部がカノニカルtRNAとは異なるやり方でEF-Tuへ結合することはあり得るが、そのことは、tRNASecが通常はSelBと相互作用することからすれば、必ずしも驚きではない。
【0211】
[00243] 放出因子1(RF1)をコードするprfA遺伝子を欠失した遺伝子組換え大腸菌株の開発は、広範囲の非天然アミノ酸の効率的な取込みを可能にし、ゲノム遺伝子組換えされたアンバーのない大腸菌C321.ΔAの開発は、セレノシステインを効率的に取り込むどのタンパク質が発現され得るのかを決定するための優れた機会をもたらした。C321.ΔAにおいてselA、selB、及びselCの遺伝子を欠失させて(RTΔA株と指定)、アンバー含有NMC-Aレポーターとアクセサリープラスミドで細胞を形質転換した。RF1欠損細胞では、RF1を依然として含有するprfA+DHΔabc細胞に比較して、β-ラクタマーゼ活性が劇的に増加した。加えて、RF1欠損バックグラウンドにおいて、tRNASecUxは、今や機能的なジセレニド結合の形成を支援することができた(2個のセレのシステイン残基、U69及びU238のアンバー媒介性の取込みによる)。
【0212】
[00244] セレノシステインの取込み効率をさらに高めるために、SelAのレベルを高めること、tRNASecUxの遺伝子量を減らすこと、及びホスホセリル-tRNASecキナーゼを同時発現させることを含めたいくつかの段階を踏んで、Ser-tRNASecに対するSec-tRNASecのレベルを改善した。セレノシステインの取込み効率についてモニターし、タンパク質工学の可能性を実証するために、遺伝子組換えされた非必須セレニル-スルフヒドリル結合を含有する大腸菌ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)を産生した。トップダウン質量分析法は、セリン含有DHFRに対応するバックグラウンドが検出されない、100%に近いセレノシステイン取込みを示した。合理的に設計されたtRNAUTuキメラについても、P39X置換を含有するDHFR中にセレノシステインを取り込むことが観測されたが、ずっと低いレベル(38%)のセレノシステイン取込みと有意な(62%)セリン取込みを生じた。質量スペクトルには、他の標準アミノ酸の取込みに対応する質量が観測されなかった。セレノシステイン取込みをさらに検証するために、緑膿菌メタロタンパク質のアズリンについてもその必須システイン(C112)をセレノシステインに置換して発現させ、ヒトセレノタンパク質の細胞性グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx-1)も同様に発現させた。アズリンについては、この化学的変化が発現タンパク質の連結を介してのみ可能であることが以前に証明されており、今や必須システインは、インタクトタンパク質の質量分析法によって測定されるように、良好な効率でセレノシステインに生物学的に置換することができた。
【0213】
実施例5-方法
<菌株構築>
[00245] Datsenko及びWanner (2000)より採用したλレッドシステムを使用して、大腸菌DH10BよりselAB遺伝子とselC遺伝子を欠失させた。FLPレコンビナーゼを使用して抗生物質耐性カセットを切り出し、DHAabc株を産生した。fdhFオープンリーディングフレーム全体の欠失により、DHAabcF株を得た。
【0214】
[00246] Addgeneより大腸菌C321.ΔAを入手した。λファージ遺伝子と菌株の開発の間に挿入されたTEM-1 3-ラクタマーゼを含有する約12kbのゲノム領域を除去して、37℃での安定した増殖を促進させ、3-ラクタム抗生物質に対する感受性を回復させた。selAB遺伝子とselC遺伝子の後続の欠失と抗生物質耐性カセットの切出しにより、RTΔA株を産生した。組換えタンパク質の産生を向上させるために、Lonプロテアーゼをコードするlon遺伝子の欠失と、RNアーゼEのC末端から477個のアミノ酸を除去するme遺伝子の末端切断とを実施して、RTΔA.2を生じた。
【0215】
<レポータープラスミド>
[00247] いずれのレポータープラスミドも、pcat-pheSより誘導した。15A複製起点とテトラサイクリン耐性を付与するtetA遺伝子を含有する、pcat-pheS由来の3281bp断片を、内因性のプロモーター配列とターミネーター配列が隣接するSME-1 3-ラクタマーゼをコードする、セラチア・マルセッセンス由来のSME-1遺伝子を含有する1158bpの合成DNA断片へ連結した。このプラスミド(pSME-1)は、大腸菌宿主細胞に対してきわめて有害であり、ほとんど維持されないことがわかった。このblaSME-1オープンリーディングフレームを、SME-1とほぼ70%の配列同一性を共有するNMC-A β-ラクタマーゼをコードする、エンテロバクター・クロアカ由来のblaNMC-Aで置換してプラスミドpNMC-Aを産生すると、全く毒性を示さなかった。セリン又はアンバーのコドンが残基69と残基238にあるpNMC-A変異体をQuikChange部位特異的突然変異導入によって産生した。
【0216】
[00248] pcat-pheS由来断片を、fdhF遺伝子、内因性のプロモーター配列及びターミネーター配列、並びに上流のギ酸応答エレメントを含有する大腸菌DH10BゲノムDNAより増幅させた2886bp断片と連結することによって、p15A-fdhFを構築した。U140S変異体とU140TAG変異体をQuikChange部位特異的突然変異導入によって産生した。
【0217】
<アクセサリープラスミド>
[00249] RSF1030の複製起点とkanカセットを、pRSFDuet-1(ノバジェン)から1563bp断片としてPCRにより増幅させた。大腸菌selA遺伝子と内因性プロモーターをカバーする5’領域とを含有する1562bp断片を、大腸菌DH10BゲノムDNAより増幅させた。この2つの断片の組立てによりプラスミドpRSF-SelAを生じた。内因性の弱活性プロモーターを、構成的に高活性のEM7プロモーターとカノニカルなシャイン・ダルガノ配列で置換して、プラスミドpRSF-eSelAを生じた。ベンジルビオロゲンアッセイで測定されるselA欠失大腸菌DH10B(DHΔa)の補完により、SelA発現プラスミドを検証した。pRSF-eSelAがpRSF-SelAと比べて強い色変化を誘発したので、この変異体を以後のすべての実験に使用した。
【0218】
[00250] RSF1030複製起点とselプロモーターとの間にNotIとNcoIの制限部位を加え、pMB1-ZU由来のselC遺伝子を含有するNotI/NcoI断片をサブクローニングすることによって、pRSF-U-eSelAを構築した。突然変異体のtRNASec遺伝子を含有するpRSF-U-eSelA変異体を酵素インバースPCRによって構築した。TGAとTAAの終止コドンを167位と168位にそれぞれ導入するQuikChange部位特異的突然変異導入によって、末端切断されたselA遺伝子を含有するプラスミドpRSF-U-ΔSelAを産生した。
【0219】
<変異体tRNA配列>
[00251] tRNASecCUA-GGAAGATCGTCGTCTCCGGTGAGGCGGCTGGACTCTAAATCCAGTTGGGGCCGCCAGCGGTCCCGGGCAGGTTCGACTCCTGTGATCTTCCGCCA(配列番号17)。
【0220】
[00252] tRNASecUx-GGAAGATGGTCGTCTCCGGTGAGGCGGCTGGACTCTAAATCCAGTTGGGGCCGCCAGCGGTCCCGGTCAGGTTCGACTCCTTGCATCTTCCGCCA(配列番号18)。
【0221】
[00253] tRNASecUG-GGAAGATGGTCGTCTCCGGTGAGGCGGCTGGACTCTAAATCCAGTTGGGGCCGCCAGCGGTCCCGGCGAGGTTCGACTCCTCGTATCTTCCGCCA(配列番号19)。
【0222】
[00254] tRNAUTu-GGAAGATGTGGCCGAGCGGTTGAAGGCACCGGTCTCTAAAACCGGCGACCCGAAAGGGTTCCAGAGTTCGAATCTCTGCATCTTCCGCCA(配列番号20)。
【0223】
[00255] 合成DNA断片をselA遺伝子とkanカセットの間に挿入して、selAの3’luxIターミネーターと、大腸菌における発現のためにコドンを最適化された、EM7プロモーターとluxIターミネーターが隣接するO-ホスホセリル-tRNASecキナーゼ(PSTK)をコードするメタノカルドコックス・ヤンナスキイ(Methanocaldococcus jannaschii)pstK遺伝子とを加えることによって、SelAとPSTKを構成的に発現させるためのプラスミドpRSF-eSelAKを構築した。
【0224】
<発現プラスミド>
[00256] いくつかの発現プラスミドをpRST.11より誘導した。pDHFR-P39X-AUについては、wrs1遺伝子を、セリン/アラニンリンカーで結合したC末端ストレプIIタグ付きのジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする大腸菌folA遺伝子(DH10BゲノムDNAより増幅)と、カノニカルなシャイン・ダルガノ配列を提供するための配列:TAGGAGGCAGATC(配列番号21)によって分離したselA遺伝子とを含有する、構成的EM7プロモーターによって制御されるオペロンに置換した。Sc-tRNATrpAmbをtRNASecUxとtRNAUTuに置換して、強力なleuPプロモーターからtRNASec変異体を発現させた。TAGコドンとAGCコドンをQuikChange部位特異的突然変異導入によって39位に導入した。folA遺伝子を、大腸菌における発現のためにコドンを最適化された、アズリンをコードする緑膿菌由来のazu遺伝子を、C末端His6-タグとともに含有する合成DNA断片で置換することによって、pAz-C112X-AUを同様に構築した。TAGコドンとAGCコドンをQuikChange部位特異的突然変異導入によって112位に導入した。folA遺伝子を、大腸菌における発現のためにコドンを最適化された、細胞性グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx-1)をコードするヒトgpx1遺伝子を、C末端His6-タグとともに含有する合成DNA断片で置換することによって、pGPx-U49-AUを構築した。
【0225】
<ライブラリー構築と選択>
[00257] MB1複製起点とrop遺伝子が含まれる1518bp断片を、pETDuet-1(ノバジェン)より増幅させた。これを、EM7プロモーターと内因性ターミネーター配列が隣接する、ゼオシン耐性を付与する放線菌由来のコドン最適化ble遺伝子と、NotI部位とNcoI部位が含まれるMCSとを含有する合成DNA断片とともに組み立てて、プラスミドpMB1-Zを産生した。selC遺伝子とそのプロモーターが含まれる410bp断片を、隣接するNotI部位とNcoI部位とともに大腸菌DH10BゲノムDNAより増幅させてpMB1-Zへ連結し、pMB1-ZUを構築した。ベンジルビオロゲンアッセイによって測定されるselC欠失大腸菌DH10B(DHΔc)の補完により、selC遺伝子の機能性を確認した。
【0226】
[00258] tRNASec非決定因子ライブラリーは、オリゴヌクレオチドプライマーを使用してEF-Tu結合についての主要な非決定因子として同定された6つの位置を無作為化する、酵素インバースPCRによって産生した。16時間の自己連結後、DNAをGlycoBlue(アンビオン)でエタノール沈殿させて、プラスミドpNMC-A C69XとpRSF-eSelAを含有する大腸菌DHAabcをエレクトロポレーションによって形質転換させた。形質転換体を、12.5μg/mL ゼオシン、6.25μg/mL テトラサイクリン、及び25μg/mL カナマイシンを含有する200mlのLB培地に希釈し、一晩インキュベートした。一晩の増殖後、細胞を、6.25μg/mL ゼオシン、3.75μg/mL テトラサイクリン、12.5μg/mL カナマイシン、1μM Na2SeO3、及び20μg/mL L-システインを含有するLB培地で1/50に希釈し、1時間インキュベートした。細胞の250μlアリコートの系列を、6.25μg/mL ゼオシン、3.75μg/mL テトラサイクリン、12.5μg/mL カナマイシン、1μM Na2SeO3、20μg/mL L-システイン、及び50μg/mLずつ増量させた50~300μg/mL アンピシリンを含有するLB寒天培地上に蒔いた。37℃で20時間後、個々のコロニーについて、50~200μg/mLのアンピシリンを含有するプレート上で観察した。全プレートからそれぞれ選択した1つのコロニーよりプラスミドDNAを単離し、tRNASec突然変異をサンガーの配列決定法によって判定した。
【0227】
<プライマー配列-ライブラリー構築用のオリゴヌクレオチドプライマー>
[00259] selClibfwd-TGGACTGGTCTCCCAGTTGGGGCCGCCAGCGGTCCCGGNNAGGTTCGACTCCTNNNATCTTCCGCCAAAATGC(配列番号22)。
【0228】
[00260] selClibrev-GCTGGCGGTCTCaACTGGATTTAGAGTCCAGCCGCCTCACCGGAGACGACNATCTTCCGCGCCTCG(配列番号23)。
【0229】
<再表現型検査(Rephenotyping)>
[00261] tRNASecUxを含有するNotI/NcoI断片をpRSF-eSelAへサブクローニングして、pRSF-UX-eSelAを産生した。レポータープラスミドpNMC-A C69TAGを含有する大腸菌DHAabcをpRSF-U-eSelA変異体で形質転換させた。pNMC-AとpRSFDuet-1を含有するDHAabc細胞を陽性対照として使用した。pNMC-AC69SとpRSF-UX-eSelA、並びにpNMC-A C69TAGとpRSF-UX-ASelAを有するDHAabc細胞を、セレノシステイン依存性fl-ラクタマーゼ活性についての対照として使用した。形質転換体を、6.25pg/mL テトラサイクリン、25pg/mL カナマイシン、1pM Na2SeO3、及び20pg/mL L-システインを含有するLB培地中で一晩培養した。一晩の増殖後、細胞を、抗生物質、亜セレン酸塩、及びL-システインを含有するLB培地で1/10に希釈し、3時間インキュベートした。培養物をOD600=0.1へ正規化し、同一3検体の5pLアリコートを、3.75pg/m Lテトラサイクリン、12.5pg/mL カナマイシン、1pM Na2SeO3、20pg/mL L-システインと、0、10、25、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、及び500pg/mLのアンピシリン濃度勾配を含有するLB寒天培地に蒔いた。プレートを37℃で一晩インキュベートした。同一のアッセイ条件を使用して、大腸菌RTΔAでこの実験を繰り返した。
【0230】
<ベンジルビオロゲンアッセイ>
[00262] pRSFDuet-1とpcat-pheSを含有する大腸菌DH10細胞を陽性対照として使用した。p15A-fdhF U140SとpRSF-UX-eSelA、並びにp15A-fdhF U140XとpRSF-UX-ASelAを有するDHAabcF細胞を、セレノシステイン依存性葉酸デヒドロゲナーゼ活性についての対照として使用した。形質転換体を、12.5pg/mL テトラサイクリンと50pg/mL カナマイシンを添加したLB培地中で37℃にて一晩増殖させた。一晩の培養物を2mlの最終容量で1/20に希釈し、3時間インキュベートした。培養物をOD600=0.5へ正規化し、5pLアリコートを、3.75pg/mL テトラサイクリン、12.5pg/mL カナマイシン、5mM ギ酸ナトリウム、10pM Na2MoO4、1pM Na2SeO3、及び20pg/mL L-システインを含有するLB寒天プレート上に点在させた。プレートを好気性条件下にて37℃で3時間インキュベートし、次いで嫌気性条件へ移して37℃で60時間インキュベートした。嫌気性チャンバーから取り出したら、1mg/mL ベンジルビオロゲン、250mM ギ酸ナトリウム、及び25mM KH2PO4をpH7.0で含有する寒天をプレートに重ねた。重ね合わせて1時間以内にプレートを写真撮影した。
【0231】
<修飾とタンパク質精製>
[00263] 大腸菌株RTΔA.2においてセレノタンパク質を産生する最初の試みでは、内因性selCプロモーターを高活性大腸菌leuPプロモーターに置換した、pRSF-UX-eSelAに由来するアクセサリープラスミドを、azu遺伝子を強力なtacIプロモーターの下流に含有する発現プラスミドと組み合わせて使用した。この最初のセレノタンパク質試料の質量分析法がアンバーコドンでのセリンのほとんど排他的な取込みを明らかにしたので、取込み効率の主要な駆動因子であると考えられる、Sec-tRNASec対Ser-tRNASecの比を高めるためにいくつかの最適化を行った。このSelA対tRNASec比を高めるために、MB1複製起点を含有する低コピーの発現プラスミドへleuPカセットを移し、標的セレノタンパク質の下流に第2のselA遺伝子を付加することによって、tRNASec変異体の発現を抑えた。加えて、誘導後のSec-tRNASecプールの迅速な枯渇を防ぐために、セレノタンパク質発現を推進するtacIプロモーターを構成的EM7プロモーターに置換した。これらの変更によって、発現プラスミドのpDHFR-P39X-AUとpAz-C112X-AUを産生した。
【0232】
[00264] カノニカルな翻訳に参画するのに利用可能なSer-tRNASecのプールをさらに抑えるために、O-ホスホセリル-tRNASecキナーゼをコードするpstK遺伝子をアクセサリープラスミドのpRSF-eSelAへ加え、pRSF-eSelAKを生じさせた。PSTKについては、SelAの効率的な基質であるが、大腸菌EF-Tuにはほとんど認識されないSep-tRNASecを産生することによって、tRNAUTuでのセレノシステイン取込みを高めることが以前報告されている。一体化すると、培地中のセレン濃度は増加し、L-システインはセレノタンパク質産生のために除外された。
【0233】
[00265] pDHFR-P39X-AUとpRSF-eSelAKを含有するRTΔA.2形質転換体を、100μg/mL アンピシリン、50μg/mL カナマイシン、及び1μM Na2SeO3を含有するLB培地中で一晩培養した。一晩の培養物を、50μg/mL アンピシリン、25μg/mL カナマイシン、及び5μM Na2SeO3を含有する最終容量2LのLB培地で1/500に希釈し、振とうしながら37℃で24時間インキュベートした。細胞を8000×gで10分間の遠心分離によって採取し、プロテアーゼ阻害剤カクテル(cOmplete、ミニEDTAフリー、ロシュ)と1mg/mL リゾチームを有する20mLの洗浄緩衝液(100mM Tris、150mM NaCl、1mM EDTA、pH8.0)に再懸濁させた。4℃で20分のインキュベーション後、細胞を超音波処理(モデル500、フィッシャー・サイエンティフィック)によって溶解させ、35000×gで30分間の遠心分離によって3回澄明化した。溶解液を0.2μmフィルターに通過させて、ストレプ-タクチンアフィニティークロマトグラフィーを製造業者(GEヘルスケア)の使用説明書に従って使用して、セレノ-DHFRを回収した。溶出液を3mLに濃縮し、50mM NH4Ac(pH6.5)に対して透析した後で、サイズ排除FPLC(AKTA、GEヘルスケア)によってセレノ-DHFRを単離した。tRNASecUxを使用して、セレノ-DHFRを68μg/Lの収量と100%の取込み効率で産生した。tRNAUTuを使用して、セレノ-DHFRを131μg/Lの収量と38.1%の取込み効率で産生した。39位にセリンを含有するDHFRを225μg/Lの収量で産生した。
【0234】
[00266] pAz-C112X-AUとpRSF-eSelAKを含有するRTΔA.2形質転換体を、20μM Na2SeO3を加えて24時間インキュベーションすること以外は、先に記載したように培養した。細胞を遠心分離によって採取し、ペリプラズム画分を単離した。簡潔には、細胞ペレットを50mLの100mM Tris及び0.75M スクロース(pH7.5)に再懸濁させた。1mg/mLまでのリゾチームとプロテアーゼ阻害剤カクテルを加えた後、細胞を4℃で20分間穏やかに振とうした。50mLの1mM EDTAを加えて、試料を再び20分間インキュベートした。さらに20分間のインキュベーションの間に、3.5mLの0.5M MgCl2を加えることによってEDTAを中和した。35000×gで30分間の遠心分離によってスフェロプラストを除去し、ペリプラズム画分を0.2μmフィルターに通過させて、イミダゾールストック溶液と混合し、20mMの最終濃度とした。Ni-NTA樹脂と自然落下式カラムを使用するIMACによってセレノ-アズリンを回収した。溶出液を濃縮し、50mM NH4Ac(pH6.5)に対して透析した後、サイズ排除FPLCによってセレノ-アズリンを単離した。tRNASecUxを使用して、セレノ-アズリンを50μg/Lの収量と76%より高い取込み効率で産生した。セレノ-アズリンが精製の間と後でより高分子量の複合体を形成し、サイズ排除クロマトグラフィーの間に損失を生じることが観測されたため、この数値は、おそらくはセレノシステイン取込みの実水準より低く表れている。セリンだけを含有するアズリン試料では、凝集を観測しなかった。
【0235】
[00267] pGPx-U49-AUとpRSF-eSelAKを含有するRTΔA.2形質転換体を、アズリンについて先に記載したように培養した。細胞を遠心分離によって採取し、50mLの緩衝液(50mMリン酸カリウム、150mM NaCl、10%グリセロール、1mM DTT、pH8.0)と1mg/mLリゾチームに再懸濁した。細胞を超音波処理によって溶解して澄明化した後、IMACによってGPx-1を回収した。溶出液を濃縮し、100mMリン酸緩衝液(pH8.0)、0.1% Tween 20、及び1mM DTTに対して透析した後、陰イオン交換クロマトグラフィー(Q HP カラム)によってGPx-1を単離した。500μg/Lの収量と100%に近いセレノシステイン取込み効率でGPx-1を産生した。
【0236】
<質量分析法>
[00268] 先に記載した方法を使用して、インタクトなタンパク質試料について分析する。10kDa分子量カットオフフィルターを使用して、アズリン、DHFR、及びGPx-1の試料をLC-MSグレード水へ緩衝液交換した。緩衝液交換が完了したら、試料をメタノール/水/ギ酸(50/49/1)溶液で20μMに希釈した。希釈後、タンパク質溶液をOrbitrap Elite質量分析計(Thermo Fisher Scientific Instruments,ブレーメン、ドイツ)へエレクトロスプレーイオン化により3μL/分の速度で注入した。セレノシステインの取込みを確認するために、インタクト質量分析を240k分解能と20スキャン平均化で実行した。先に記載したようなOrbitrap質量分析計にインターフェースされる193nmエキシマレーザー(Coherent 社)を使用する紫外光解離(UVPD)によって、タンパク質配列の特性決定を実施した。それぞれのUVPDスペクトルにつき2つのレーザーパルス(2.5mJ)を使用して、250スキャンを平均化した。Xtractデコンボリューションアルゴリズム(サーモフィッシャー・サイエンティフィック)を使用してMS1スペクトルを解析した。UVPD質量スペクトルについても、Xtractを使用して解析してから、Prosight PC3.0を使用して解析した。アズリンについては112位のセリンへ62.9216Daの修飾を加えること、又はDHFRについては39位のセリン残基へ61.9146Daの修飾を加えること(セレノシステインが存在する場合はセレニル-スルフヒドリル結合が形成されるため、DHFR修飾から1個の水素原子を減算する)によって、セレノシステインを含有するタンパク質について検索した。修飾タンパク質ピークの面積を非修飾タンパク質ピークと修飾タンパク質ピークの合計面積で割ることによって、取込み効率を計算した。各タンパク質について使用するピーク面積は、それぞれの同位体クラスター由来の5つの最も豊富なピークの積分面積の合計であった。
【0237】
実施例6-DNアーゼI活性
[00269] DNアーゼI活性についてのアッセイの一部としての蛍光標識プローブを増幅によって製造する。プラスミドDNA、DNAポリメラーゼ、増幅緩衝液、各種のデオキシヌクレオシド3リン酸(dNTP)、及びプライマーを含有する反応混合物において増幅を実施する。この増幅は、以下の条件下で実施する:94℃で5分間の初期変性、94℃で1分間、55℃で1分間、及び72℃で1分間を35サイクル、72℃で10分間の最後の伸長工程。入手したPCR産物は、GeneJET PCR精製キット(サーモフィッシャー・サイエンティフィック、マサチューセッツ州ウォルサム)を使用して精製する。
【0238】
[00270] DNアーゼIの活性は、試料を蛍光標識PCR断片とともにインキュベーションし、アプライドバイオシステムズ3130 Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムズ社、カリフォルニア州カールスバッド)でのキャピラリー電気泳動により蛍光標識産物を検出することによって決定する。アッセイは、PCR産物と生理食塩水で10倍に希釈した試料を含有する反応混合物において実施する。陰性対照は、DNアーゼI活性の供給源が無く、標識断片のみを含有する。反応混合物を室温で2分間インキュベートし、その後で75℃で10分間のインキュベーションによって反応を止める。反応混合物は、GeneJET PCR精製キット(サーモフィッシャー・サイエンティフィック)を使用して精製する。各試料を断片解析へ処す。キャピラリー電気泳動は、G5ダイセット用のデフォルト遺伝子型決定用モジュールを使用して、POP-7 Polymer(アプライドバイオシステムズ社)で実施する。結果は、GeneMapper Software、バージョン4.0(アプライドバイオシステムズ社)を使用して分析した。試料のDNアーゼ活性は、DNアーゼを含有しない対照物質のシグナル強度に1(100%)の数値を割り当てて比較した、シグナル強度の百分率差として表す。
【0239】
実施例7-DNアーゼI活性
[00271] 30ngのセレノ-DNアーゼ(GST-セレノ-DNアーゼI融合物)と等モル量のジスルフィドDNアーゼ(ウシ膵臓より精製した野生型DNアーゼI、シグマ DN25)を、0mM DTT(-DTT)又は50mM DTT(+DTT)のいずれかを添加した反応緩衝液(NEB B0303S)において37℃で2時間インキュベートした。この混合物へ50ngの2本鎖DNAを加えて37℃で30分間消化した後、75℃で10分間の熱不活性化をした。いずれの酵素も0mM DTTでDNAを消化したが、50mM DTTでDNAを消化したのは、セレノ-DNアーゼだけであった(
図1)。
【0240】
[00272] 本発明の好ましい態様について本明細書に示し、記載してきたが、当業者には、このような態様が例示のためにのみ提供されることが明白であろう。今や当業者には、本発明より逸脱することなく、数多くの変形態様、変更態様、及び代用態様が想起されよう。本発明を実践する場合には、本明細書に記載される本発明の態様に対する様々な代替態様を利用し得ることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を明確化すること、そしてこれらの特許請求の範囲内にある方法及び構造とそれらの等価物がそれに含まれることが企図される。
本願は以下の発明を包含する。
[項目1] 1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物。
[項目2] 1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物であって、安定化DNアーゼIポリペプチドは、ある環境において、DNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より高いエンドヌクレアーゼ活性を有する、前記組成物。
[項目3] 1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物であって、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が不安定化する環境において不安定化しない、前記組成物。
[項目4] 1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体を含んでなる組成物であって、安定化DNアーゼIポリペプチドは、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の融点(Tm)より少なくとも5℃高いT
m
を有する、前記組成物。
[項目5] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応する組換え酵素、その機能性断片、又はその変異体の融点(Tm)より少なくとも5℃高いT
m
を有する、項目1~3のいずれか1項の組成物。
[項目6] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が、ある環境において、DNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より高いエンドヌクレアーゼ活性を有する、項目1、3、又は4のいずれか1項の組成物。
[項目7] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が不安定化する環境において不安定化しない、項目1、2、又は4のいずれか1項の組成物。
[項目8] 1個以上の非標準アミノ酸の少なくとも1個、2個、3個、4個以上がセレノシステインである、項目1~7のいずれか1項の組成物。
[項目9] 1個以上の非標準アミノ酸の少なくとも2個が結合によって直接連結している、項目1~8のいずれか1項の組成物。
[項目10] 1個以上の非標準アミノ酸の少なくとも4個が結合によって直接連結しており、1個以上の非標準アミノ酸のその少なくとも4個の第1対が結合によって直接連結し、1個以上の非標準アミノ酸のその少なくとも4個の第2対が結合によって直接連結している、項目9の組成物。
[項目11] 結合がジセレニド結合である、項目9又は10の組成物。
[項目12] ジセレニド結合が分子間結合又は分子内結合である、項目11の組成物。
[項目13] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の半減期より少なくとも1.1倍長い半減期を有する、項目1~12のいずれか1項の組成物。
[項目14] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が、配列番号1に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%の配列同一性を有する、項目1~13のいずれか1項の組成物。
[項目15] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が、配列番号1の少なくとも25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、又は261個の連続アミノ酸に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%の配列同一性がある配列を含む、項目1~14のいずれか1項の組成物。
[項目16] 1個以上の非標準アミノ酸が、配列番号1の
(a)102位、
(b)105位、
(c)174位、又は
(d)210位、
にある、項目1~15のいずれか1項の組成物。
[項目17] 102位の非標準アミノ酸が105位の非標準アミノ酸へ結合によって直接連結している、項目16の組成物。
[項目18] 174位の非標準アミノ酸が210位の非標準アミノ酸へ結合によって直接連結している、項目16又は17の組成物。
[項目19] 結合がジセレニド結合である、項目17又は18の組成物。
[項目20] ジセレニド結合が、1個以上の非標準アミノが無い対応する組換え酵素中のジスルフィド結合の位置にある、項目19の組成物。
[項目21] 対応する安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmが37℃未満である、項目4、5、及び8~20のいずれか1項の組成物。
[項目22] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmが、37℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、又は65℃より高い、項目4、5、及び8~21のいずれか1項の組成物。
[項目23] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmが、対応する組換え酵素、その機能性断片、又はその変異体のTmより少なくとも10℃高い、項目4、5、及び8~22のいずれか1項の組成物。
[項目24] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体のTmが、対応する組換え酵素、その機能性断片、又はその変異体のTmより少なくとも15℃高い、項目23の組成物。
[項目25] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が、ある環境において、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該環境における半減期より少なくとも1.1倍長い半減期を有する、項目1~24のいずれか1項の組成物。
[項目26] DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該環境における半減期が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間以上より長い、項目25の組成物。
[項目27] DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該環境における半減期が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24日以上より長い、項目25又は26の組成物。
[項目28] 安定化DNアーゼIポリペプチドが、ある環境において、DNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100倍高いエンドヌクレアーゼ活性を有する、項目2及び5~27のいずれか1項の組成物。
[項目29] 安定化DNアーゼIポリペプチドが、ある環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、又は50分間存在した後のDNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の、該環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、又は50分間存在した後の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100倍高いエンドヌクレアーゼ活性を有する、項目2及び5~27のいずれか1項の組成物。
[項目30] 安定化DNアーゼIポリペプチドが、ある環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、18、又は24時間存在した後のDNA基質に対して、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体の、該環境に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、18、又は24時間存在した後の該DNA基質に対するエンドヌクレアーゼ活性より少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100倍高いエンドヌクレアーゼ活性を有する、項目2及び5~29のいずれか1項の組成物。
[項目31] DNA基質がゲノムDNAである、項目2及び5~30のいずれか1項の組成物。
[項目32] 環境が4℃~98℃の温度の環境である、項目2、3、及び5~31のいずれか1項の組成物。
[項目33] 環境が溶解緩衝液のある環境である、項目2、3、及び5~32のいずれか1項の組成物。
[項目34] 環境が、0.01%~20%の濃度の界面活性剤のある環境である、項目2、3、及び5~33のいずれか1項の組成物。
[項目35] 界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、項目34の組成物。
[項目36] 界面活性剤がイオン性界面活性剤である、項目34の組成物。
[項目37] 環境が、2価カチオンを0.01mM~100mMの濃度で含む、項目2、3、及び5~36のいずれか1項の組成物。
[項目38] 2価カチオンが、Mg
2+
、Mn
2+
、Ca
2+
、Co
2+
、及びZn
2+
から成る群より選択される、項目37の組成物。
[項目39] 環境が、還元剤を0.01mM~100mMの濃度で含む、項目2、3、及び5~38のいずれか1項の組成物。
[項目40] 環境が5~9のpHを有する、項目2、3、及び5~39のいずれか1項の組成物。
[項目41] 環境が6~8のpHを有する、項目2、3、及び5~40のいずれか1項の組成物。
[項目42] 環境が7~8のpHを有する、項目2、3、及び5~41のいずれか1項の組成物。
[項目43] 環境が10mM~1Mの塩濃度を有する、項目2、3、及び5~42のいずれか1項の組成物。
[項目44] 環境が液滴内部にある、項目2、3、及び5~43のいずれか1項の組成物。
[項目45] 環境が血液循環系である、項目2、3、及び5~44のいずれか1項の組成物。
[項目46] 環境が、-150mV、-160mV、-170mV、-180mV、-190mV、-200mV、-210mV、-220mV、-230mV、-240mV、又は-250mV、-260mV、-270mV、-280mV、-290mV、-300mV、-310mV、-320mV、-330mV、-340mV、又は-350mV、-360mV、-370mV、-380mV、-390mV、-400mV、-410mV、-420mV、-430mV、-440mV、又は-450mV、-460mV、-470mV、-480mV、-490mV、-500mV、-510mV、-520mV、-530mV、-540mV、又は-550mV、-560mV、-570mV、-580mV、-590mV、又は-600mV未満である還元電位を有する、項目2、3、及び5~45のいずれか1項の組成物。
[項目47] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が組換え体である、項目1~46のいずれか1項の組成物。
[項目48] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体がウシDNアーゼIである、項目1~47のいずれか1項の組成物。
[項目49] 項目1~48のいずれか1項の組成物をコードするポリヌクレオチドを含んでなる組成物。
[項目50] ポリヌクレオチドがベクターである、項目49の組成物。
[項目51] 安定化DNアーゼIポリペプチドの1個以上の非標準アミノ酸の2個を直接連結する結合が、ある環境において破断せず、対応するDNアーゼIポリペプチドの1個以上の標準アミノ酸の2個を直接連結する結合は、同じ環境において破断する、項目1~50のいずれか1項の組成物。
[項目52] 項目1~48のいずれか1項の組成物を作製する方法であって、安定化DNアーゼIポリペプチドのアミノ酸配列を発現させることを含む、前記方法。
[項目53] 発現させることが、細胞内又はin vitroで発現させることを含む、項目52の方法。
[項目54] 細胞が細菌細胞である、項目53の方法。
[項目55] 細胞が、ゲノム再コード化(genomically recoded)細胞である、項目53又は54の方法。
[項目56] 細胞が、再割当(reassigned)したコドンに対応するアンチコドンを含んでなる安定した非標準アミノ酸tRNAによって認識される再割当したコドンを含む、項目53~55のいずれか1項の方法。
[項目57] 安定化DNアーゼIポリペプチドのアミノ酸配列が、再割当したコドンに置換された天然アミノ酸の少なくとも1つのコドンを含んでなるポリヌクレオチド配列によってコードされる、項目56の方法。
[項目58] 安定した非標準アミノ酸tRNAがセレノシステインtRNAである、項目56又は57の方法。
[項目59] 安定化DNアーゼIポリペプチドのアミノ酸配列が発現される条件下で細胞を培養することを含む、項目52~58のいずれか1項の方法。
[項目60] 再割当したコドンが、UAG、UAA、UGA、又はそれらの組合せである、項目56~59いずれか1項の方法。
[項目61] 緩衝液中、反応環境中、又は固体表面上にあるDNA基質を、1個以上の非標準アミノ酸を含んでなる安定化デオキシリボヌクレアーゼI(DNアーゼI)ポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体へ接触させることを含んでなる方法であって、安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体は、1個以上の非標準アミノ酸を含まない対応するDNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体より高い速度で該DNA基質の切断又は断片化を触媒する、前記方法。
[項目62] 安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体が、項目1~項目48のいずれか1項の安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体である、項目61の方法。
[項目63] DNA基質がゲノムDNAである、項目61又は62の方法。
[項目64] DNA基質が単一細胞に由来する、項目61~63のいずれか1項の方法。
[項目65] (a)複数個の単一細胞;
(b)安定化DNアーゼIポリペプチド、その機能性断片、又はその変異体;及び
(c)溶解緩衝液、
をそれぞれ含んでなる複数個の容器を形成することを含む、項目61~64のいずれか1項の方法。
[項目66] 単一細胞を溶解させ、それにより該単一細胞よりDNA基質を放出させることをさらに含む、項目64又は65の方法。
[項目67] DNA基質又はその断片をバーコード化することをさらに含む、項目61~66のいずれか1項の方法。
[項目68] DNA基質又はその断片を増幅することをさらに含む、項目61~67のいずれか1項の方法。
[項目69] 増幅することがクローン増幅を含む、項目68の方法。
[項目70] DNA基質又はその断片を配列決定することをさらに含む、項目61~69のいずれか1項の方法。
[項目71] 配列決定することが全ゲノム配列決定を含む、項目70の方法。
[項目72] 配列決定することが、ハイスループット配列決定、大量並列配列決定、サンガー配列決定法、又は次世代配列決定を含む、項目70又は71の方法。
[項目73] 複数個の容器が固体支持体を含む、項目61~72のいずれか1項の方法。
[項目74] DNA基質が容器中の固体支持体へ付着しない、項目61~73のいずれか1項の方法。
[項目75] 緩衝液、反応環境、又は固体表面が、DNA基質又はその断片の配列に特異的なプライマーを含む、項目61~74のいずれか1項の方法。
[項目76] 複数個の細胞が、少なくとも2、3、4、5、5.5、6、6.5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10
6
、2×10
6
、3×10
6
、4×10
6
、5×10
6
、6×10
6
、7×10
6
、8×10
6
、9×10
6
、1×10
7
、2×10
7
、3×10
7
、4×10
7
、5×10
7
、6×10
7
、7×10
7
、8×10
7
、9×10
7
、1×10
8
、2×10
8
、3×10
8
、4×10
8
、5×10
8
、6×10
8
、7×10
8
、8×10
8
、9×10
8
、1×10
9
、2×10
9
、3×10
9
、4×10
9
、5×10
9
、6×10
9
、7×10
9
、8×10
9
、9×10
9
、1×10
10
、2×10
10
、3×10
10
、4×10
10
、5×10
10
、6×10
10
、7×10
10
、8×10
10
、9×10
10
、1×10
11
、2×10
11
、3×10
11
、4×10
11
、5×10
11
、6×10
11
、7×10
11
、8×10
11
、9×10
11
、1×10
12
、2×10
12
、3×10
12
、4×10
12
、5×10
12
、6×10
12
、7×10
12
、8×10
12
、又は9×10
12
個の細胞を含む、項目61~75のいずれか1項の方法。
[項目77] 複数個の細胞が1個以上の生体試料に由来する、項目61~76のいずれか1項の方法。
[項目78] 1個以上の生体試料が、少なくとも2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100個以上の試料を含む、項目77の方法。
[項目79] 1個以上の生体試料が疾患のある被験者に由来する、項目77又は78の方法。
[項目80] 複数個の細胞が、複数個の細菌細胞又は複数個の真菌細胞を含む、項目61~79のいずれか1項の方法。
[項目81] 複数個の細胞が複数個の免疫細胞を含む、項目61~79のいずれか1項の方法。
[項目82] 複数個の細胞が複数個の病的細胞を含む、項目61~79のいずれか1項の方法。
[項目83] 複数個の細胞が複数個の癌細胞を含む、項目61~79のいずれか1項の方法。
【配列表】