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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】装置同期のための方法
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20231114BHJP
【FI】
G08C15/00 D
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021531479
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2019083166
(87)【国際公開番号】W WO2020114917
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】18210496.8
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ザントステーフ,コルネリス ヨーハネス
(72)【発明者】
【氏名】サルフェルダ,ロルケ クラース
(72)【発明者】
【氏名】ホルトロップ,アンドリース
(72)【発明者】
【氏名】サブリッチ,セナド
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-531568(JP,A)
【文献】特表2017-530674(JP,A)
【文献】特開平5-192314(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0287669(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-25/04
H04L 7/00- 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置と第2の装置とを同期させるための方法であって、前記第1の装置と前記第2の装置とは無線リンクを介して接続可能であり、前記第1の装置は、第1の送信機コイル、第2の送信機コイル、および第3の送信機コイルを有し、前記方法は:
前記第1の装置において、信号のシーケンスを含む同期信号を生成するステップであって、前記シーケンス内の前記信号の各々は第1の周波数を有する、ステップと;
前記第1の装置から前記第2の装置へ前記信号のシーケンスを送信するステップであって、前記第1の装置から前記第2の装置へ前記信号のシーケンスを送信するステップは:
前記第1の送信機コイルから、前記同期信号を前記シーケンスの第1の信号として前記第2の装置に送信するステップ;
前記第2の送信機コイルから、前記同期信号を前記シーケンスの第2の信号として前記第2の装置に送信するステップ;および
前記第3の送信機コイルから、前記同期信号を前記シーケンスの第3の信号として前記第2の装置に送信するステップ;
を含む、ステップと;
前記第2の装置において、前記シーケンス内の前記信号の各々の相対位相情報を決定するように、前記信号のシーケンスの信号処理を行うステップであって、前記信号のシーケンスの信号処理を行うステップは:
前記第2の装置において基準信号を生成するステップ;
前記第1の装置の前記第1の送信機コイル、前記第2の送信機コイル、および前記第3の送信機コイルのうちの1つを選択するステップ;
選択された前記送信機コイルによって送信された前記シーケンス内の前記信号および生成された前記基準信号に基づいて、前記選択された送信機コイルに関連する位相オフセットを決定するステップ;および
2つの他の前記送信機コイルの各々について、前記送信機コイルに関連する位相オフセットを決定するステップであって、前記位相オフセットの決定は、前記選択された送信機コイルに関連する決定された前記位相オフセット、および前記シーケンス内のそれぞれの前記送信機コイルから送信された前記信号と前記生成された基準信号との間の位相シフトに基づく、ステップ;
を含む、ステップと;
決定された前記相対位相情報に基づいて、前記第1の装置から前記第2の装置へ送信された後続の個々の信号の位相オフセットを補正することによって、前記第1の装置と前記第2の装置とを同期させるステップであって、前記第1の装置と前記第2の装置とを同期させるステップは:
前記第1乃至前記第3の送信機コイルに関連する前記決定された位相オフセットに基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の位相差を同期させるステップを含む、
ステップと;を含む、
方法。
【請求項2】
前記信号のシーケンスの信号処理が行われる同期モードから、1つまたは複数の前記後続の個々の信号が前記第1の装置から前記第2の装置に送信される通常モードに変更するステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通常モードにおいて、少なくとも1つの前記後続の個々の信号の信号強度を所定の閾値と比較するステップと、
前記後続の個々の信号のうちの少なくとも1つの前記信号強度が前記所定の閾値より低い場合に、前記通常モードから前記同期モードに変更するステップと、をさらに含む、
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記通常モードにおいて、前記第1の送信機コイル、前記第2の送信機コイル、および前記第3の送信機コイルの各々から位置信号を送信するステップをさらに含み、前記送信機コイルの各々からのそれぞれの前記位置信号は、異なる周波数を有し、
前記第1の装置と前記第2の装置とを同期させるステップは、前記第2の装置において、送信された前記位置信号の各々の位相オフセットを、前記決定された相対位相情報に基づいて補正するステップを含み、
前記方法は、前記第2の装置において、補正された前記位相オフセットを持つ前記送信された位置信号のうちの少なくとも1つに基づいて、前記第2の装置に対する前記第1の装置の位置を決定するステップをさらに含む、
請求項又はに記載の方法。
【請求項5】
前記送信された位置信号の各々の位相オフセットを補正するステップは、前記決定された相対位相情報に基づいて前記位相オフセットを0°及び-180°のうちの1つとして決定するステップを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の装置は、前記第1乃至前記第3の送信機コイルから所定の距離に配置された機能構成要素をさらに有し、前記第2の装置に対する前記第1の装置の位置を決定するステップは:
第1の位置及び第2の位置を得るために、前記位置信号の信号処理を実行するステップであって、前記第1の位置及び前記第2の位置の一方は、前記機能構成要素が前記第1乃至前記第3の送信機コイルに対して位置する半球に対応する、ステップと;
前記機能構成要素と前記第1乃至前記第3の送信機コイルとの間の前記所定の距離に基づいて、前記第1の位置及び前記第2の位置のどちらが、前記機能構成要素が位置する前記半球に対応するかを決定するステップと;
前記機能構成要素が前記第2の装置に対する前記第1の装置の正しい位置として位置する前記半球に対応する前記位置を選択するステップと;をさらに含む、
請求項又はに記載の方法。
【請求項7】
前記選択された送信機コイルは、前記第1の送信機コイルであり、前記第2の送信機コイルの前記位相オフセットを決定するステップは、前記第3の送信機コイルの前記位相オフセットを決定するステップの前に実行される、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の装置は、第1の受信機コイル、第2の受信機コイル、および第3の受信機コイルを有し、前記第1乃至前記第3の受信機コイルの各々は、前記第1の装置から送信された前記シーケンス内の前記信号の各々を受信するように構成され、それぞれの前記送信機コイルに関連する位相オフセットを決定するステップは:
前記第1の受信機コイル、前記第2の受信機コイル、および前記第3の受信機コイルの各々において受信されるそれぞれの送信された前記信号の信号強度を決定するステップと;
前記第1の受信機コイル、前記第2の受信機コイル、および前記第3の受信機コイルのうち、最大の受信された信号強度に対応する1つを選択するステップと;
選択された前記受信機コイルにおいて受信された前記それぞれの送信機信号に基づいて、前記それぞれの送信機コイルに関連する前記位相オフセットを決定するステップと、を含む、
請求項又はに記載の方法。
【請求項9】
前記第1の信号、前記第2の信号、および前記第3の信号の各々を受信すると、前記第2の装置から前記第1の装置に通知を送信するステップをさらに含む、
請求項乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記シーケンス内の前記信号のうちの少なくとも1つの信号強度を所定の閾値と比較するステップをさらに含み、前記第1の装置と前記第2の装置とを同期させるステップは、前記シーケンス内の前記信号のうちの少なくとも1つの前記信号強度が前記所定の閾値よりも高い場合にのみ実行される、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
第1の装置および第2の装置を有するシステムであって、前記第1の装置と前記第2の装置は、無線リンクを介して接続可能であり、
前記第1の装置は、第1の送信機コイル、第2の送信機コイル、および第3の送信機コイルを有し、
前記第1の装置は、第1の制御ユニットであって:
信号のシーケンスを含む同期信号を生成し、前記シーケンス内の前記信号の各々が第1の周波数を有し、
前記信号のシーケンスを前記第2の装置に送信する、
ように構成される、第1の制御ユニットを有し、
前記第1の装置から前記第2の装置へ前記信号のシーケンスを送信することは:
前記第1の送信機コイルから、前記同期信号を前記シーケンスの第1の信号として前記第2の装置に送信すること;
前記第2の送信機コイルから、前記同期信号を前記シーケンスの第2の信号として前記第2の装置に送信すること;および
前記第3の送信機コイルから、前記同期信号を前記シーケンスの第3の信号として前記第2の装置に送信すること;
を含み、
前記第2の装置は、第2の制御ユニットであって:
前記シーケンス内の前記信号の各々の相対位相情報を決定するように前記信号のシーケンスの信号処理を実行し、
前記信号のシーケンスの信号処理を行うことは:
前記第2の装置において基準信号を生成すること;
前記第1の装置の前記第1の送信機コイル、前記第2の送信機コイル、および前記第3の送信機コイルのうちの1つを選択すること;
選択された前記送信機コイルによって送信された前記シーケンス内の前記信号および生成された前記基準信号に基づいて、前記選択された送信機コイルに関連する位相オフセットを決定すること;および
2つの他の前記送信機コイルの各々について、前記送信機コイルに関連する位相オフセットを決定することであって、前記位相オフセットの決定は、前記選択された送信機コイルに関連する決定された前記位相オフセット、および前記シーケンス内のそれぞれの前記送信機コイルから送信された前記信号と前記生成された基準信号との間の位相シフトに基づく、決定すること;
を含み、
決定された前記相対位相情報に基づいて、前記第1の装置から送信された後続の個々の信号の位相オフセットを補正することによって、前記第1の装置と前記第2の装置とを同期させ、
前記第1の装置と前記第2の装置とを同期させることは:
前記第1乃至前記第3の送信機コイルに関連する前記決定された位相オフセットに基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の位相差を同期させることを含む、
ように構成される、第2の制御ユニットを有する、
システム。
【請求項12】
前記第2の装置は、第1の受信機コイル、第2の受信機コイル、および第3の受信機コイルを有し、前記第1乃至前記第3の受信機コイルの各々は、前記第1の装置から送信された前記シーケンス内の前記信号の各々を受信するように構成される、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の装置はパーソナルケア装置であり、前記第2の装置はセンサ装置であり、前記センサ装置は、ユーザに対して所定の位置に配置されるように構成される、
請求項11又は12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第1の装置と第2の装置とを同期させる方法に関する。本開示はまた、第1の装置と第2の装置とを有するシステムに関し、装置は、無線リンクを介して接続可能であり、自動同期を実行するように構成される。
【背景技術】
【0002】
自動ヘアクリッピングシステム(スマートクリッパシステムとしても知られる)は、位置測定システム、電動長さ設定付きのクリッパ、対象の頭部に対する各位置における毛の長さを示すヘアスタイルのデジタル表現、およびユーザがヘアスタイルを選択、作成、およびヘアクリッパに転送することを可能にするデジタルユーザインタフェースの使用を含む。この特定の分野で使用される典型的な位置決め測定システム(positioning measurement systems)は、電磁場(EMF)としても知られる交流(AC)磁場に基づく三次元(3D)位置および3D配向(orientation)を含む。これらのシステムは、物体を見る又は接触することなく、位置測定を行うことができる。それにもかかわらず、正しい測定データを提供するためには、適切な較正とセットアップが必要である。
【0003】
特許文献1は、パイプ、ワイヤ、ケーブルなどの埋設または隠されたユーティリティに電流を誘導するための装置を開示し、装置は、複数のアンテナコイルを使用して1つまたは複数の周波数で信号を誘導するために使用される全方向性送信機を有することに留意されたい。
【0004】
さらに、特許文献2は、第1の位置でボディに結合されるように構成される第1の装置と、第1の位置からある距離だけ離れている第2の位置でボディに結合されるように構成される第2の装置とを含む、装置を開示していることに留意されたい。第1の装置は、無線信号を生成するように構成されている。第2の装置は、無線信号を検出し、第1の装置と第2の装置との間の距離を計算するために使用されるように構成された検出された無線信号に基づいてデータを生成するように構成される。
【0005】
特許文献3は、無線電力受信機からの無線電力送信機の相対位置を決定するための装置を開示していることにも留意されたい。この装置は、複数のセンスコイルを含み、各々は、複数の波パルスを含む交番磁界の影響下でそれぞれの信号を生成するように構成され、各波パルスは、複数のタイムスロットのそれぞれのタイムスロットで発生する。この装置は、複数のセンスコイルの各々からのそれぞれの信号に基づいて、無線電力受信機からの無線電力送信機の相対位置を決定するように構成されたプロセッサを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2014/266213号
【文献】米国特許出願公開第2008/319349号
【文献】米国特許出願公開第2016/380488号
【発明の概要】
【0007】
自動ヘアクリッピングシステムでは、通常、ヘアクリッパに配置されたEMF送信機と、別個のユニット(例えば、EMF信号を受信および処理することができるプロセッサを含む「制御ボックス」)に配置または接続されたEMFセンサとが設けられている。ヘアクリッパ及び制御ボックスは、両方とも無線構成要素であり、無線リンクを介して互いに通信している。EMFトラッキングの分野における正確な位置測定を達成するために、EMF送信機(複数可)から送信された信号に対するセンサ(複数可)の位置を計算するために使用されるアルゴリズムは、送信された信号に対する受信信号の関連する大きさおよび位相情報を得る必要がある。送信機とセンサが共に同じ処理ユニットに接続されているシステムでは、この位相情報は容易に利用可能である。しかしながら、ヘアクリッパと制御ボックスの両方が無線装置である自動ヘアクリッピングシステムでは、センサと送信機は別々の無線構成要素に配置され、各々が別々の処理ユニットに無線接続されており、位相情報はデフォルト設定では利用できない。
【0008】
場合によっては、初期位相情報は、較正操作を介して得ることができ、この操作では、ユーザは、センサに対して既知の位置及び向きにヘアクリッパを保持するように要求される。この既知の位置については、信号の位相情報が既知であり、測定された位相は、必要に応じて補正することができる。しかし、ユーザがヘアクリッパを誤った位置及び/又は向きに保持したままシステムの較正を行うと、これは、誤った又は不正確な測定データをもたらす可能性がある。
【0009】
上述のように、システム内の無線装置を較正および/または同期させるための現在知られている技術に関連するいくつかの欠点がある。例えば、典型的には、ユーザは、装置の相対位置の較正を可能にするために、装置のうちの1つを所定の既知の位置に配置することが要求される。他のいくつかの現在知られている技術は、クロック同期を実行するために追加のハードウェア構成要素を必要とし、これは製造コストの増加をもたらす。従って、システムとのユーザのインタラクション又は追加のハードウェア構成要素を必要としない第1の装置と第2の装置とを自動的に同期させるための改善された方法を提供することは有利であろう。また、エラーを起こしにくく、アナログドメインとデジタルドメインとの間の複雑なスイッチングを必要としない、同期のための信頼性の高い方法を提供することも有利であろう。
【0010】
前述の懸念の1つまたは複数により良く対処するために、第1の態様では、請求項1による第1の装置と第2の装置とを同期させるための方法が提供される。
【0011】
1の装置は、第1の送信機コイル、第2の送信機コイル、および第3の送信機コイルを有る。これらの実施形態では、信号のシーケンスを送信するステップは、第1の送信機コイルから、同期信号をシーケンスの第1の信号として第2の装置に送信するステップと;第2の送信機コイルから、同期信号をシーケンスの第2の信号として第2の装置に送信するステップと;第3の送信機コイルから、同期信号をシーケンスの第3の信号として第2の装置に送信するステップとを含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法は、信号のシーケンスの信号処理が行われる同期モードから、1つまたは複数の後続の個々の信号が第1の装置から第2の装置に送信される通常モードに変更するステップをさらに含み得る。これらの実施形態では、本方法は、通常モードにおいて、少なくとも1つの後続の個々の信号の信号強度を所定の閾値と比較するステップと、後続の個々の信号のうちの少なくとも1つの信号強度が所定の閾値より低い場合に、通常モードから同期モードに変更するステップとをさらに含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、本方法は:通常モードにおいて、第1の送信機コイル、第2の送信機コイル、および第3の送信機コイルの各々から位置信号を送信するステップをさらに含み得る。送信機コイルの各々からのそれぞれの位置信号は、異なる周波数を有し得、第1の装置と第2の装置とを同期させるステップは、第2の装置において、送信された位置信号の各々の位相オフセットを、決定された相対位相情報に基づいて補正するステップを含み得る。また、本方法は、第2の装置において、補正された位相オフセットを持つ送信された位置信号のうちの少なくとも1つに基づいて、第2の装置に対する第1の装置の位置を決定するステップをさらに含み得る。加えて、送信された位置信号の各々の位相オフセットを補正するステップは、決定された相対位相情報に基づいて位相オフセットを0°及び-180°のうちの1つとして決定するステップを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の装置は、第1乃至第3の送信機コイルから所定の距離に配置された機能構成要素をさらに有し得る。これらの実施形態では、第2の装置に対する第1の装置の位置を決定するステップは:第1の位置及び第2の位置を得るために、位置信号の信号処理を実行するステップであって、第1の位置及び第2の位置の一方は、機能構成要素が第1乃至第3の送信機コイルに対して位置する半球に対応する、ステップと;機能構成要素と第1乃至第3の送信機コイルとの間の所定の距離に基づいて、第1の位置及び第2の位置のどちらが、機能構成要素が位置する半球に対応するかを決定するステップと;機能構成要素が第2の装置に対する第1の装置の正しい位置として位置する半球に対応する位置を選択するステップと;をさらに含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、選択された送信機コイルは、第1の送信機コイルであり得、第2の送信機コイルの位相オフセットを決定するステップは、第3の送信機コイルの位相オフセットを決定するステップの前に実行され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2の装置は、第1の受信機コイル、第2の受信機コイル、および第3の受信機コイルを有し得、第1乃至第3の受信機コイルの各々は、第1の装置から送信されたシーケンス内の信号の各々を受信するように構成される。これらの実施形態では、それぞれの送信機コイルに関連する位相オフセットを決定するステップは:第1の受信機コイル、第2の受信機コイル、および第3の受信機コイルの各々において受信されるそれぞれの送信された信号の信号強度を決定するステップと;最大の受信された信号強度に対応する第1の受信機コイル、第2の受信機コイル、および第3の受信機コイルのうちの1つを選択するステップと;選択された受信機コイルにおいて受信されたそれぞれの送信機信号に基づいて、それぞれの送信機コイルに関連する位相オフセットを決定するステップとを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の信号、第2の信号、および第3の信号の各々を受信すると、第2の装置から第1の装置に通知を送信するステップをさらに含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法は、シーケンス内の信号のうちの少なくとも1つの信号強度を所定の閾値と比較するステップをさらに含み得る。これらの実施形態では、第1の装置と第2の装置とを同期させるステップは、シーケンス内の信号のうちの少なくとも1つの信号強度が所定の閾値よりも高い場合にのみ実行され得る。
【0019】
第2の態様では、請求項11によるシステムが提供される
【0020】
いくつかの実施形態では、第2の装置は、第1の受信機コイル、第2の受信機コイル、および第3の受信機コイルを有し得、第1乃至第3の受信機コイルの各々は、第1の装置から送信されたシーケンス内の信号の各々を受信するように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の装置はパーソナルケア装置であり得、第2の装置はセンサ装置であり得る。センサ装置は、ユーザに関して所定の位置に配置されるように構成され得る。
【0022】
上述の態様および実施形態によれば、既存の技術の限界が対処される。特に、上述の態様および実施形態は、システム内の無線リンクを介して接続可能な第1の装置および第2の装置が、ユーザの入力または操作を必要とすることなく、無線リンクを通して相対位相情報を通信することによって、自動的に同期されることを可能にする。従って、第1の装置と第2の装置とを同期させるための改善された方法が提供される。
【0023】
本開示のこれらおよび他の態様は、以下に記載される実施形態(複数可)を参照して明らかになり、かつ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本実施形態をより良く理解し、かつ、それをどのように実施することができるかをより明確に示すために、単なる例示として、添付図面を参照する。
【0025】
図1】一実施形態による第1の装置と第2の装置とを有するシステムのブロック図である。
図2図1の第1の装置と第2の装置とを同期させる方法を示す。
図3図1の第1の装置の送信機コイルの各々から送信される信号と、同期モード中および通常モード中に図1の第2の装置の受信機コイルの各々で受信される信号とを示す図である。
図4】通常モード中の図1の第1の装置の送信機コイルと第2の装置の受信機コイルとの間の位置信号の送信を示す図である;
図5A】機能構成要素が図1の第1の装置の送信機コイルに対して配置される関連する半球を示す。
図5B】関連しない半球を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
上述のように、第1の装置と第2の装置とを同期させるための改善された方法と、既存の問題に対処する対応するシステムとが提供される。
【0027】
図1は、一実施形態による、第1の装置100および第2の装置200を有するシステム10のブロック図を示す。システム10は、例えば、ワイヤレスパーソナルケア装置(例えば、スマートクリッパ)の分野における位置決めおよび/または追跡システムであり得る。この場合の第1の装置100は、パーソナルケア装置であり得、第2の装置200は、ユーザに対して所定の位置に配置されるように構成されるセンサ装置であり得る。例えば、第2の装置200は、ユーザの顔の近くまたはその上に装着されるように設計されたセンサフレームであり得る。第1の装置100および第2の装置200は、図中の点線の両方向矢印によって表されるように、無線リンクを介して接続可能であるように構成される。無線リンクは、無線周波数通信によって確立され得る。
【0028】
第1の装置100は、信号のシーケンスを含む同期信号を生成するように構成され、シーケンス内の信号の各々は第1の周波数を有する。第1の装置100は、さらに、信号のシーケンスを第2の装置200に送信するように構成される。図1に示すように、この実施形態の第1の装置100は、第1の送信機コイル110と、第2の送信機コイル120と、第3の送信機コイル130と、第1の制御ユニット140と、機能構成要素150とを有する。したがって、この実施形態では、生成された同期信号は、第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130の各々によって送信することができる。第1乃至第3の送信機コイルの各々によって送信される同期信号は、シーケンス内のそれぞれの信号とみなされ得る。複数の送信機コイルによる信号の送信は、第1の装置100において、第1の制御ユニット140によって制御され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130のそれぞれによって送信される信号(複数可)は、三次元デカルト座標系のそれぞれの軸に対応し得る。より詳細には、第1の送信機コイル110によって送信される信号(複数可)は、x軸に対応し得、第2の送信機コイル120によって送信される信号(複数可)は、y軸に対応し得、第3の送信機コイル130によって送信される信号(複数可)は、z軸に対応し得る。
【0030】
機能構成要素150は、第1の装置100における構成要素であり、機能構成要素150は、第1の装置100の特定の機能を実行するように構成される。例えば、上述したように、いくつかの実施形態では、第1の装置100は、ヘアクリッパのようなパーソナルケア装置であり得る。この例では、第1の装置100の機能構成要素150は、カッティングユニットであり得る。いくつかの実施形態では、機能構成要素150は、第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130から所定の距離に配置され得る。この配置の一例が、図5Aおよび図5Bに示される。
【0031】
第2の装置200は、第1の装置100から送信された信号のシーケンスの信号処理を行い、シーケンス内の各信号の相対位相情報を決定するように構成される。第2の装置200は、決定された相対位相情報に基づいて、第1の装置100から送信された後続の個々の信号の位相オフセットを補正することによって、第1の装置100と第2の装置200とを同期させるようにさらに構成される。図1に示すように、本実施形態の第2の装置200は、第1の受信機コイル210、第2の受信機コイル220、第3の受信機コイル230、および第2の制御ユニット240を有する。この実施形態では、第1の受信機コイル210、第2の受信機コイル220、および第3の受信機コイル230のそれぞれは、第1の装置100から送信されたシーケンス内の信号の各々を受信するように構成される。これは、第1の装置100と第2の装置200との間の信号の伝送を示す図3および図4を参照して、より詳細に説明される。
【0032】
第1の制御ユニット140および/または第2の制御ユニット240は、本明細書に記載の種々の機能を実行するために、ソフトウェアおよび/またはハードウェアを用いて、種々の方法で実装され得る。例えば、制御ユニットは、外部デバイス、例えばスマートフォンまたはスマートデバイスなどの構成要素として、またはプログラムコードとして実装され得る。制御ユニットは、所要の機能を実行するために、および/または所要の機能を実行するために制御ユニットの構成要素を制御するために、ソフトウェアまたはコンピュータプログラムコードを使用してプログラムされ得る1つ又は複数のマイクロプロセッサまたはデジタル信号プロセッサ(DSP)を含み得る。制御ユニットは、いくつかの機能を実行するための専用ハードウェア(例えば、アンプ、プリアンプ、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)および/またはデジタル-アナログコンバータ(DAC))と、他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば、1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサ、コントローラ、DSPおよび関連する回路)との組み合わせとして実装され得る。本開示の様々な実施形態において使用され得る構成要素の例としては、従来のマイクロプロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
様々な実装では、第1の制御ユニット140および第2の制御ユニット240のうちの少なくとも1つは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、および電気的消去可能PROM(EEPROM)などの、揮発性および不揮発性コンピュータメモリを含む、キャッシュメモリまたはシステムメモリのような任意のタイプのメモリを有する1つまたは複数のメモリユニットと関連付けられ得るまたはそれらを有し得る。また、第1および/または制御ユニットまたは関連するメモリユニットは、本明細書に記載の機能を実行するためにそれぞれの制御ユニットのプロセッサによって実行されることができるプログラムコードを記憶するために使用することができる。いくつかの実施形態では、メモリユニットは、測定された近赤外光スペクトルと比較するために、複数の多量要素(macronutrients)のスペクトルをそれぞれの制御ユニットに記憶することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1の装置100および第2の装置200の少なくとも1つは、ユーザインタフェース(図面には示されていない)をさらに有し得る。ユーザインタフェースは、第2の装置200に対する第1の装置100の相対位置に関連する情報をユーザに提供する際に使用するためのものであり得る。この相対位置の決定は、図2を参照してより詳細に説明される。第1および第2の制御ユニット140、240は、この情報を提供するために、それぞれのユーザインタフェースを制御するように構成され得る。本明細書で言及するユーザインタフェースは、データ(または情報)のレンダリング(または出力または表示)をシステム10のユーザに可能にする任意のユーザインタフェースであり得る。ユーザインタフェースは、いくつかの実施形態では、ディスプレイユニットを有し得る。
【0035】
代替的にまたは追加的に、本明細書で言及するユーザインタフェースは、システム10のユーザが、追加のユーザ入力を提供する、第1の装置100および第2の装置200の少なくとも1つとインタラクトするおよび/またはそれを制御することを可能にする任意のユーザインタフェースであり得る。例えば、本明細書で言及するユーザインタフェースは、1つまたは複数のスイッチ、1つまたは複数のボタン、キーパッド、キーボード、ジェスチャー認識センサ、タッチスクリーンまたはアプリケーション(例えば、タブレットまたはスマートフォン上の)、1つまたは複数のマイクロフォンまたは他の任意のオーディオコンポーネント、または任意の他のユーザインタフェースコンポーネント、またはユーザインタフェースコンポーネントの組み合わせを有することができる。
【0036】
図1は、システム10、第1の装置100、および第2の装置200の一態様を示すために必要な構成要素のみを示しており、実際の実施においては、システム10、第1の装置100、および/または第2の装置200は、示されたものに対して代替または追加の構成要素を含んでもよいことが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、第1の装置100は、機能構成要素150を含まなくてもよい。別の例として、第1の装置および第2の装置は、それぞれ、装置に電力を供給するためのバッテリを有し得る。
【0037】
上述したように、この実施形態の第1の装置100は、第1~第3の送信機コイルを有するが、代替の実施形態では、第1の装置100は、異なる数の(より多くの、またはより少ない)送信機コイルを有し得ることが理解されよう。同様に、この実施形態の第2の装置200は、第1乃至第3の受信機コイルを有することが上述されているが、代替の実施形態では、第2の装置200は、異なる数の(より多くの、またはより少ない)受信機コイルを有することができることが理解されるであろう。送信機コイルおよび/または受信機コイルの数は、システム10または第1および第2の装置100、200のそれぞれの技術的要件に基づき得る。
【0038】
図2は、図1の第1の装置100と第2の装置200とを同期させる方法を示す。図示された方法は、概して、第1の装置100の第1の制御ユニット140および第2の装置200の第2の制御ユニット240によって、またはその制御の下で実行されることができる。いくつかの実施形態では、ブロック202および204は、第1の制御ユニット140によって実行され得、ブロック206および208は、第2の制御ユニット240によって実行され得る。図2の方法は、異なるシステム、例えば、単一の制御ユニットまたはプロセッサを有するシステムによって実行されることができることが理解されるであろう。この場合、図2の方法は、単一の制御ユニットまたはプロセッサによって実行されてもよい。
【0039】
図2を参照すると、ブロック202において、信号のシーケンスを含む同期信号が、第1の装置100において生成される。シーケンス内の信号の各々は、第1の周波数を有する。続いて、ブロック204において、ブロック202で生成された信号のシーケンスが、第1の装置100から第2の装置200に送信される。いくつかの実施形態では、ブロック204において信号のシーケンスを送信することは、ブロック202において生成された同期信号を、第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130によって順次送信することを含み得る。より詳細には、送信プロセスは:第1の送信機コイル110から、同期信号をシーケンスの第1の信号として第2の装置200に送信するステップ、同期信号を第2の送信機コイル120から、シーケンスの第2の信号として第2の装置200に送信するステップ、および第3の送信機コイルから、同期信号をシーケンスの第3の信号として第2の装置200に送信するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、シーケンス内の信号の各々の送信は、中断することなく行われ得る。具体的には、シーケンス内の信号の各々は、他の信号の送信若しくは受信または何らかの遅延なしに、第1の装置100から第2の装置200へ連続的に送信され得る。
【0040】
図2に戻ると、ブロック206において、ブロック204で送信された信号のシーケンスの信号処理が、シーケンス内の信号の各々の相対位相情報を決定するために実行される。いくつかの実施形態では、信号のシーケンスの信号処理は、第2の装置200の第2の制御ユニット240によって実行され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、ブロック206において信号のシーケンスの信号処理を行うことは:第2の装置200において基準信号を生成することと、第2の装置200において、第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130のうちの1つを選択することと、選択された送信機コイルに関連する位相オフセットを決定することと、2つの他の(選択されていない)送信機コイルのそれぞれについて位相オフセットを決定することとを含み得る。選択された送信機コイルの位相オフセットの決定は、選択された送信機コイルによって送信されたシーケンスの信号および生成された参照信号に基づき得る。2つの他の送信機コイルの位相オフセットの決定は、選択された送信機コイルに関連する決定された位相オフセットと、シーケンス内のそれぞれの送信機コイルから送信された信号と生成された参照信号との間の位相シフトとに基づき得る。ブロック208を参照してより詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、第1の装置100と第2の装置200とを同期させるステップは、上述の方法で決定された位相オフセットに基づき得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、送信機コイルの位相オフセットの決定は、送信機コイルに関連する位相オフセットの決定が、第2の装置200がそれぞれの送信機コイルによって送信された信号を受信した後且つシーケンス内の次の信号の送信の前に行われる、段階的アプローチで実行され得る。代替的な実施形態では、送信機コイルの位相オフセットの決定は、連続的なアプローチで行われ得、このアプローチでは、送信機コイルの各々に関連する位相オフセットの決定は、第2の装置200がシーケンス内の全ての信号を受信した後に行われる。
【0043】
さらに、いくつかの実施形態では、2つの他の(選択されていない)送信機コイルのそれぞれに関連する位相オフセットを決定することは、シーケンス内の送信機コイルによって送信されるそれぞれの信号の相対位相情報が0°または-180°に近いかどうかに基づき得る。それぞれの信号の相対位相情報が0°に近い場合、送信機コイルに関連する位相オフセットは0°に設定される;それぞれの信号の相対位相情報が-180°に近い場合、送信機コイルに関連する位相オフセットは-180°に設定される。
【0044】
一例では、選択された送信機コイルは、第1の装置100の第1の送信機コイル110であり得る。この例では、第2の送信機コイル120及び第3の送信機コイル130の各々についての位相オフセットは、第1の信号並びにそれぞれの信号(すなわち、第2又は第3の信号)と生成された基準信号との間の位相シフトに基づいて決定される位相オフセットに基づいて決定される。いくつかの実施形態では、第2の送信機コイル120に関連する位相オフセットの決定は、第3の送信機コイル130に関連する位相オフセットの決定前に行われ得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、基準信号は、第1乃至第3の信号と同じ周波数(すなわち、ブロック202を参照して上述した第1の周波数)を有し得る。代替的な実施形態では、基準信号は、第1の周波数からの許容範囲内の周波数を有し得る。さらに、第2の装置200における受信機コイルの各々が、第1の装置100から送信されるシーケンス内の信号の各々を受信するように構成される実施形態では、それぞれの送信機コイルに関連する位相オフセットを決定することは:第1の受信機コイル210、第2の受信機コイル220、および第3の受信機コイル230の各々において受信されたそれぞれの送信信号の信号強度を決定することと;最大の受信信号強度に対応する第1の受信機コイル、第2の受信機コイル、および第3の受信機コイルのうちの1つを選択することと;選択された受信機コイルにおいて受信されたそれぞれの送信機信号に基づいて、それぞれの送信機コイルに関連する位相オフセットを決定すること、を含み得る。
【0046】
図2に戻ると、ブロック208において、ブロック206で決定された相対的な位相情報に基づいて、第1の装置100と第2の装置200とが同期される。具体的には、この同期は、第1の装置100から第2の装置200に送信される後続の個々の信号の位相オフセットを補正することによって実行される。いくつかの実施形態では、この方法は、ブロック208の前に、シーケンス内の信号のうちの少なくとも1つの信号強度を所定の閾値と比較することを含み得、この方法は、このシーケンス内の信号のうちの少なくとも1つの信号強度が所定の閾値よりも高い場合にのみ、第1の装置100と第2の装置200との同期が行われるブロック208に進む。さらに、いくつかの実施形態では、この方法は、シーケンス内の信号のすべての信号強度が所定の閾値よりも高い場合にのみ、第1の装置100と第2の装置200との同期が実行されるブロック208に進み得る。
【0047】
上述のように、いくつかの実施形態では、ブロック206において信号のシーケンスの信号処理を実行することは、第1の装置100の送信機コイルのうちの1つを選択すること、選択された送信機コイルに関連する位相オフセットを決定すること、また、2つの他の(選択されていない)送信機コイルのそれぞれについて位相オフセットを決定することを含み得る。これらの実施形態では、ブロック208において第1の装置100と第2の装置200とを同期させることは、第1乃至第3の送信機コイルと関連する決定された位相オフセットに基づいて、第1の装置100と第2の装置200との間の位相差を同期させることを含み得る。
【0048】
図2には示されていないが、本方法は、信号のシーケンスの信号処理が行われる(すなわち、ブロック206)同期モードから、1つまたは複数の後続の個々の信号が第1の装置100から第2の装置200に送信される(すなわち、ブロック208)通常モードに変更することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、本方法における少なくともブロック206は、同期モードで実行されるステップに対応すると考えられ、ブロック208は、通常モードで実行されるステップに対応すると考えられ得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、同期モードから通常モードへの変更は、第1の装置100から第2の装置200へ送信される信号のシーケンスの最後の信号を受信すると、自動的に開始され得る。いくつかの実施形態では、同期モードから通常モードへの変更は、シーケンス内の送信信号の各々の相対位相情報の決定に際して自動的に開始され得る。
【0050】
さらに、いくつかの実施形態では、本方法は、通常モードにおいて、少なくとも1つの後続の個々の信号の信号強度を所定の閾値と比較することと、後続の個々の信号の少なくとも1つの信号強度が所定の閾値より低い場合に、通常モードから同期モードに変更することをさらに含み得る。信号強度に対する所定の閾値は、第1の装置100を、同期を実行するための最適な範囲から外れるようにする第2の装置200からの第1の装置100の距離に対応し得る。(第1の装置100によって送信される)少なくとも1つの後続の個々の信号の信号強度が所定の閾値よりも低い場合に、通常モードから同期モードに変更することによって、第1の装置が最適範囲外である毎に(例えば、システム中断に起因して)、第1の装置100と第2の装置200との間で正確な同期を達成するように同期パラメータをリセットすることができる。
【0051】
上述したように、いくつかの実施形態では、本方法は、同期モードから通常モードに変更することをさらに含み得る。これらの実施形態では、本方法は、通常モードにおいて、第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130の各々から位置信号を送信することをさらに含み得る。送信機コイル110、120、130の各々からのそれぞれの位置信号は、異なる周波数を有し得る。これらの実施形態では、ブロック208において第1の装置100と第2の装置200とを同期させることは、第2の装置200において、決定された相対位相情報に基づいて、送信された位置信号の各々の位相オフセットを補正することを含み得る。この方法は、さらに、第2の装置200において、位相オフセットが補正された送信された位置信号のうちの少なくとも1つに基づいて、第2の装置200に対する第1の装置100の位置を決定することを含み得る。
【0052】
これらの実施形態では、送信された位置信号の各々の位相オフセットを補正することは、決定された相対位相情報に基づいて位相を0°および-180°の一方に設定することを含み得る。より詳細には、これらの実施形態では、送信された位置信号の各々について、位置信号の位相が0°または-180°に近いかどうかが第2の制御ユニット240によって決定され得る。位相が0°により近いと決定された場合、位置信号の位相は0°に設定され、位相が-180°により近いと決定された場合、位置信号の位相は-180°である。第1の装置100および第2の装置200は、クロック周波数において異なる許容誤差(tolerances)を有し得るので、第1の装置100と第2の装置200との間にジッタおよび/または遅延が生じ得る。これらの実施形態において位相オフセットを0°または-180°の一方として補正することによって、第1の装置100と第2の装置200との間のジッタまたは遅延によって引き起こされる緩やかにシフトする位相差を補正することができる。
【0053】
図1を参照して上述したように、いくつかの実施形態では、第1の装置100の機能構成要素150は、第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130から所定の距離に配置され得る。これらの実施形態では、第2の装置200に対する第1の装置100の位置を決定することは:第1の位置及び第2の位置を得るために、(第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、及び第3の送信機コイル130からの)位置信号の信号処理を実行することであって、第1の位置及び第2の位置のうちの1つは、機能構成要素150が第1乃至第3の送信機コイル110、120、130に対して位置する半球(hemisphere)に対応する、実行することと、第1の位置及び第2の位置のうちのどれが、機能構成要素150と第1乃至第3の送信機コイル110、120、130との間の所定の距離に基づいて機能構成要素150が位置する半球に対応するかを決定することと、機能構成要素が第2の装置200に対する第1の装置100の正しい位置として位置する半球に対応する位置を選択することを含み得る。上述のような半球の例は、図5Aおよび図5Bに示されており、これらの図面を参照して以下により詳細に説明される。
【0054】
図2には示されていないが、この方法は、第1の信号、第2の信号、および第3の信号のそれぞれを受信すると、第2の装置200から第1の装置100に通知を送信することをさらに含み得る。この方法では、第1の装置100が、第2の装置200から第1の信号が送信された旨の通知を受信すると、第1の装置100の第1の制御ユニット140は、同期信号が第2の送信機コイル120によって第2の信号として送信されることができるように、第1の送信機コイル110から第2の送信機コイル120へのスイッチングを制御することができる。同様に、第1の装置100が、第2の装置200から第2の信号が送信された旨の通知を受信すると、第1の装置の第1の制御ユニット140は、同期信号が第3の送信機コイル130によって第3の信号として送信されることができるように、第2の送信機コイル120から第3の送信機コイル130へのスイッチングを制御することができる。
【0055】
図3は、同期モード中および通常モード中に、図1の第1の装置100の送信機コイルの各々から送信された信号と、図1の第2の装置200の受信機コイルの各々で受信された信号とを示す図である。
【0056】
列X1、Y1、Z1、X2、Y2、Z2の各々は、第1の装置100における送信機コイルまたは第2の装置200における受信機コイルに対応する。本実施形態では、送信機コイルおよび受信機コイルの各々は、三次元デカルト座標系における座標軸に対応し、したがって、これらの送信機/受信機コイルの各々は、それに応じて図中にラベル付けされる。具体的には、X1は第1の送信機コイル110(x軸)に対応し、Y1は第2の送信機コイル120(y軸)に対応し、Z1は第3の送信機コイル130(z軸)に対応し、X2は第1の受信機コイル210(x軸)に対応し、Y2は第2の受信機コイル(y軸)に対応し、Z2は第3の受信機コイル230(z軸)に対応する。
【0057】
図3に示すように、図は、S301、S302、S303、S304の4つの特徴的なステップを含む。ステップS301、S302、およびS303は、それぞれ、第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130による、第1の装置100から第2の装置200への同期信号の送信に対応する。さらに、ステップS304は、第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130による、第1の装置100から第2の装置200への位置信号の送信に対応する。本実施形態では、ステップS301~S303は同期モードで実行され、ステップS304は通常モードで実行される。
【0058】
ステップS301において、第1の装置100で生成された同期信号が、シーケンスの第1の信号として、第1の送信機コイル110によって送信され、第1の受信機コイル210、第2の受信機コイル220、および第3の受信機コイル230の各々によって受信される。これは、列X1、X2、Y2、およびZ2の各々における波形によって表され、第1の受信機コイル210において受信された信号は、第1の送信機コイル110によって送信された信号と同じ位相(X2の列において「+」記号で示される)および振幅を有する。
【0059】
ステップS302において、第1の装置100で生成された同期信号は、シーケンスの第2の信号として、第2の送信機コイル120によって送信され、第1の受信機コイル210、第2の受信機コイル220、および第3の受信機コイル230の各々によって受信される。これは、Y1、X2、Y2、およびZ2列のそれぞれにおける波形で表され、第2の受信機コイル220において受信された信号は、第2の送信機コイル120によって送信される信号と同じ振幅を有するが、逆位相(Y2列では「-」記号で示される)を有する。
【0060】
ステップS303では、第1の装置100で生成された同期信号は、シーケンスの第3の信号として、第3の送信機コイル130によって送信され、第1の受信機コイル210、第2の受信機コイル220、および第3の受信機コイル230の各々によって受信される。これは、Z1、X2、Y2、およびZ2の各列における波形によって表され、第3の受信機コイル230において受信された信号は、第3の送信機コイル130によって送信された信号と同じ位相(Z2列において「+」記号で示される)および振幅を有する。
【0061】
ステップS304において、位置信号は、第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130の各々から送信され、第1の受信機コイル210、第2の受信機コイル220、および第3の受信機コイル230の各々によって受信される。これは、各列X1、Y1、Z1、X2、Y2、およびZ2における波形によって表される。受信機コイル210、220、230において受信された信号の各々は、第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130によって送信される信号の組み合わせである。第1の装置100から第2の装置200への位置信号の送信は、図4を参照して以下により詳細に説明される。
【0062】
図3には明示的に示されていないが、ステップS301~S303の各々の後に、送信された信号の相対位相情報が決定され、ステップS304の後に、決定された位相情報に基づいて、送信された位置信号の位相オフセットが補正され得る。具体的には、いくつかの実施形態では、本方法は、さらに、第1の装置100の送信機コイル110、120、130の各々に関連する位相オフセットを決定することによって、信号のシーケンスの信号処理を実行することを含み得る。この場合、第1の装置100と第2の装置200との間の位相差は、図3に示すステップS301~S303を実行した後に、決定されたオフセットに基づいて同期され得る。したがって、位置信号がステップS304において第2の装置200で受信されると、送信された位置信号の位相オフセットは、第2の装置200に対する第1の装置100の相対位置の正確な決定を可能にするように、送信機コイル110、120、130の各々について決定された位相オフセットに基づいて補正され得る。
【0063】
図4は、通常モードにおける、図1の第1の装置100の送信機コイルと第2の装置200の受信機コイルとの間の位置信号の送信を示す図である。
【0064】
第1の装置100の第1の送信機コイル110、第2の送信機コイル120、および第3の送信機コイル130の各々によって送信される位置信号は、それぞれ、三次元デカルト座標系における三つの座標軸に対応する。したがって、図4に示すように、送信機コイルによって送信される位置信号の各々は、デカルト座標系における軸を示す概略図で表される。より詳細には、第1の送信機コイル110によって送信された位置信号は、ラベル「X」を有するX軸概略図を表し、第2の送信機コイル120によって送信された位置信号は、ラベル「Y」を有するY軸概略図を表し、第3の送信機コイル130によって送信された位置信号は、ラベル「Z」を有するz軸概略図を表す。通常モードでは、送信機コイル110、120、130の各々によって送信される位置信号は、異なる周波数を有する。本実施形態では、第1の送信機コイル110によって送信される位置信号は26kHzの周波数を有し、第2の送信機コイル120によって送信される位置信号は28kHzの周波数を有し、第3の送信機コイル130によって送信される位置信号は30kHzの周波数を有する。それにもかかわらず、他の実施形態では、それぞれの送信機コイルによって送信される位置信号のそれぞれの周波数は、他の異なる値を採用してもよいことが理解されるであろう。
【0065】
送信機コイル110、120、130と同様に、第2の装置200における受信機コイル210、220、230の各々もまた、三次元デカルト座標系のそれぞれの軸に対応する概略図によって表される。図4に示すように、第1の受信機コイル210は、ラベル「X」を有するx軸概略図によって表され、第2の受信機コイル220は、ラベル「Y」を有するy軸概略図によって表され、第3の受信機コイル230は、ラベル「Z」を有するz軸概略図によって表される。さらに、図4の図において、第1の受信機コイル210、第2の受信機コイル220、および第3の受信機コイル230の各々で受信された信号は、第1乃至第3の送信機コイル110、120、130からの信号の組み合わせを含むことが示されている。換言すれば、受信機コイル210、220、230の各々で受信される信号は、周波数26kHZ、28kHz、および30kHzの信号を含む。
【0066】
図2に示す方法で上述したように、第2の装置200で信号が受信されると、同期モードで決定される相対位相情報に基づいて、送信された位置信号の各々の位相オフセットを補正することができる。従って、第2の装置200に対する第1の装置100の位置は、補正された位相オフセットを有する送信された位置信号のうちの少なくとも1つに基づいて決定されることができる。
【0067】
図5Aおよび図5Bは、それぞれ、機能構成要素が図1の第1の装置100の送信機コイルに対して配置される関連する半球および関連しない半球を示す。
【0068】
図1および図2を参照して上述したように、いくつかの実施形態では、第1の装置100は、第1の装置100の特定の機能を実行することが確認されている機能構成要素150を有する。図5A及び図5Bに示す実施形態では、第1の装置100は、ヘアクリッパであり、機能構成要素150は、ヘアクリッパに設けられるカッティングユニットである。機能構成要素150は、第1の装置の送信機コイルから所定の距離に位置し、
このコイルは、図面にラベルが付されている送信機ユニット160によって表される。
【0069】
また、図2を参照して上述したように、第2の装置が受信した位置信号の信号処理は、第1の位置および第2の位置を得るために実行することができ、その1つは、第2の装置200に対する第1の装置100の正しい相対位置に対応する。これは、第1の装置100の送信機コイルが、対称的な三次元磁場を生成するように構成され、この対称性のために、第2の装置200において受信機コイルで受信された位置信号の信号処理は、常に、それぞれが三次元磁場の半球に対応する二つの解を生成するからである。従って、信号処理の結果として得られる第1の位置及び第2の位置の一方は、機能構成要素150が第1乃至第3の送信機コイル110、120、130(すなわち、正しい位相)に対して位置する関連する半球に対応し、他方は関連しない半球に対応する。これらは、それぞれ、図5Aおよび図5Bに示される。より詳細には、図5Aに示される関連する半球510に属する位置(512とラベル付けされる)は、第1の装置100が正しく動作することを可能にし(検出された位置が、ユーザの頭500のまたはその近くのあるポイントに対応するため)、一方、図5Bに示される関連しない半球520に属する位置(522とラベル付けされる)は、第1の装置100が正しく動作することを妨げる(位置522は、ユーザの頭500のまたはその近くのポイントに対応しないため)。
【0070】
したがって、上述したように、いくつかの実施形態による方法は、第1の位置および第2の位置のどちらが、機能構成要素150が位置する半球に対応するかを決定することをさらに含み得、その決定は、機能構成要素150と第1乃至第3の送信機コイル110、120、130との間の所定の距離に基づいている。次に、機能構成要素150が位置する半球に対応する位置は、第2の装置200に対する第1の装置100の正しい位置として選択することができる。
【0071】
上述の技術を用いて、機能構成要素150が位置する半球に対応する位置を決定することによって、第1の装置100および第2の装置200に対するユーザ支援較正を実行する必要性を排除することができる。従って、ユーザによる不適切な取り扱いに起因する潜在的なエラーを防止しながら、より使いやすく直感的なシステムを提供することができる。
【0072】
従って、第1の装置と第2の装置とを同期させるための改良された方法と、第1の装置と第2の装置とを含む改良されたシステムであって、2つの装置が互いに同期させるように構成されているシステムが提供される。
【0073】
また、コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータ可読媒体は、その中に具現化されたコンピュータ可読コードを有し、コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータまたはプロセッサによる実行時に、コンピュータまたはプロセッサに本明細書に記載の方法を実行させるように構成される。従って、本開示は、実施形態を実施するように適合されたコンピュータプログラム、特にキャリア上またはキャリア内のコンピュータプログラムにも適用されることが理解されるであろう。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、部分的にコンパイルされた形態などのコード中間ソースおよびオブジェクトコードの形態、または本明細書に記載される実施形態に従う方法の実施において使用するのに適した任意の他の形態であってもよい。
【0074】
また、このようなプログラムは、多くの異なるアーキテクチャ設計を有し得ることも理解されよう。例えば、方法またはシステムの機能を実装するプログラムコードは、1つまたは複数のサブルーチンに細分され得る。これらのサブルーチン間で機能を分散させる多くの異なる方法は、当業者には明らかであろう。サブルーチンは、自己完結型プログラムを形成するために、1つの実行可能ファイル内に一緒に格納され得る。そのような実行可能ファイルは、コンピュータ実行可能命令、例えば、プロセッサ命令および/またはインタープリタ命令(例えば、Java(登録商標)インタープリタ命令)を含み得る。代替的には、サブルーチンのうちの一つ以上の又は全ては、少なくとも一つの外部ライブラリファイルに格納され、例えば実行時に静的に又は動的にメインプログラムとリンクされる。メインプログラムは、サブルーチンの少なくとも1つへの少なくとも1つの呼び出しを含む。サブルーチンはまた、相互の関数呼び出しを含んでもよい。
【0075】
コンピュータプログラム製品に関する実施形態は、本明細書に記載された方法のうちの少なくとも1つの各処理段階に対応するコンピュータ実行可能命令を含む。これらの命令は、サブルーチンに細分されてもよく、および/または、静的にまたは動的にリンクされ得る1つまたは複数のファイルに格納されてもよい。コンピュータプログラム製品に関する別の実施形態は、本明細書に記載のシステムおよび/または製品の少なくとも1つの各手段に対応するコンピュータ実行可能命令を含む。これらの命令は、サブルーチンに細分されてもよく、および/または、静的にまたは動的にリンクされ得る1つまたは複数のファイルに格納されてもよい。
【0076】
コンピュータプログラムのキャリアは、プログラムを運ぶことができる任意のエンティティまたはデバイスであり得る。例えば、キャリアは、データ記憶装置、例えば、ROM、例えば、CD-ROM若しくは半導体ROM、又は磁気記録媒体、例えば、ハードディスクを含み得る。さらに、キャリアは、電気または光信号のような伝送可能なキャリアであってもよく、これは、電気または光ケーブルを介して、または無線若しくは他の手段によって伝送され得る。プログラムがそのような信号で実現される場合、キャリアはそのようなケーブルまたは他の装置若しくは手段で構成され得る。代替的には、キャリアは、プログラムが組み込まれた集積回路であってもよく、その集積回路は、関連する方法を実行するように適合されるか、またはその実行において使用される。
【0077】
開示された実施形態に対する変更は、図面、開示および添付の特許請求の範囲の研究から、当業者が特許請求の範囲に記載された発明を実施する際に理解し、実施することができる。請求項において、語「有する、含む」は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「1つの(「a」又は「an」)」は、複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項に記載のいくつかのアイテムの機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に利用できないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、光記憶媒体又は他のハードウェアと共に若しくはその一部として供給される固体媒体のような適切な媒体上に記憶/分配されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムのような他の形態で分配されてもよい。請求項中の引用符号は、その範囲を限定するものと解釈してはならない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B