(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】分配された光電子倍増管を伴う高空間解像度の固体画像センサ
(51)【国際特許分類】
H04N 25/70 20230101AFI20231114BHJP
【FI】
H04N25/70
(21)【出願番号】P 2021568747
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 IB2020053856
(87)【国際公開番号】W WO2020240302
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】102019000007225
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521502883
【氏名又は名称】フォンダツィオーネ ブルーノ ケスラー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ペレンツォーニ,マッテオ
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-534414(JP,A)
【文献】特開平09-101368(JP,A)
【文献】特開2014-059302(JP,A)
【文献】特開2006-105995(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02541219(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光子(F)に感応する複数のピクセル(4)を備えるタイプの、1つまたは複数の前記光子(F)を検出するための固体画像センサ(1)であって、前記ピクセル(4)の各々は、論理ユニット(41)、及び前記論理ユニットに動作可能に接続されたアバランシェ光ダイオード(42)を備え、前記ピクセル(4)の各々の前記論理ユニット(41)は、少なくとも1つの隣接するピクセル(4)の前記論理ユニット(41)に動作可能に接続され、
前記
固体画像センサ(1)は、各
前記ピクセル(4)の前記論理ユニット(41)が、同じ前記ピクセル(4)によって捕捉された情報に関する電気信号(S)を、特定の出力チャネル(7)を介して前記
固体画像センサ(1)に出力するよう構成され、
各前記ピクセル(4)の前記電気信号(S)は、残りの前記ピクセル(4)の前記論理ユニット(41)によって提供された電気信号(S)とは異なることと、
前記論理ユニット(41)の同じピクセル(4)に属する前記アバランシェ光ダイオード(42)及び
前記論理ユニット(41)に動作可能に接続する少なくとも
前記隣接するピクセル(4)に属するアバランシェ光ダイオード(42)の各々が、時間窓(W
T)内で少なくとも1つの前記光子(F)を検出したときに、前記ピクセル(4)の各々の前記論理ユニット(41)は、前記電気信号(S)を出力することと、を特徴とする、
固体画像センサ(1)。
【請求項2】
前記時間窓(W
T)は、少なくとも1つの光子(F)が前記ピクセル(4)によって検出されたときに開始することを特徴とする、請求項1に記載の
固体画像センサ(1)。
【請求項3】
複数の前記ピクセル(4)は、第1の方向Xの沿った複数の列と、第2の方向Yに沿った複数の行と、を画定するような配列として配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の
固体画像センサ(1)。
【請求項4】
前記ピクセル(4)の各々の前記論理ユニット(41)は
、前記論理ユニット(41)が属する前記ピクセル(4)に隣接する8個のピクセル(4)の前記論理ユニット(41)に、動作可能に接続されることを特徴とする、請求項3に記載の
固体画像センサ(1)。
【請求項5】
前記ピクセル(4)における各々の前記論理ユニット(41)の、少なくとも1つの隣接する前記ピクセル(4)の前記論理ユニット(41)との動作可能な接続は、導体トラック(5)と、前記論理ユニット(41)に電気接続または電気接続解除するよう構成された切替要素(6)と、によって画定されることを特徴とする、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の
固体画像センサ(1)。
【請求項6】
前記ピクセル(4)の各々の前記論理ユニット(41)は、導体トラック(5)と、前記論理ユニット(41)に電気接続または電気接続解除されるよう構成された切替要素(6)とによって、前記
固体画像センサ(1)に属する残りの全ての前記ピクセル(4)における各論理ユニット(41)に動作可能に接続されることを特徴とする、請求項5に記載の
固体画像センサ(1)。
【請求項7】
前記ピクセル(4)自体の論理ユニット(41)によって、前記ピクセル(4)の前記論理ユニット(41)に動作可能に接続され、前記時間窓(W
T)内で少なくとも1つの光子(F)を検出する、前記ピクセル(4)の数が、所定の数(n)以上であるときに、前記ピクセル(4)の各々の前記論理ユニット(41)は、前記電気信号(S)を出力するよう構成されることを特徴とする、請求項1~6のうちいずれか一項に記載の
固体画像センサ(1)。
【請求項8】
前記ピクセル(4)の各々の前記論理ユニット(41)によって出力された、前記電気信号(S)は、前記論理ユニット(41)の同じピクセル(4)に属する前記アバランシェ光ダイオード(42)によって検出された光子(F)の到達時間に相当することを特徴とする、請求項1~7のうちいずれか一項に記載の
固体画像センサ(1)。
【請求項9】
前記ピクセル(4)の各々の前記論理ユニット(41)によって出力された、前記電気信号(S)は、前記ピクセル(4)の前記アバランシェ光ダイオード(42)によって前記時間窓(W
T)内で検出された、前記光子(F)の数に比例することを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の
固体画像センサ(1)。
【請求項10】
請求項5または請求項6に記載の、1つまたは複数の光子(F)を検出するための固体画像センサ(1)を、管理する方法であって、ピクセル(4)の各々の論理ユニット(41)と、少なくとも1つの隣接するピクセル(4)の少なくとも1つの論理ユニット(41)とを、前記論理ユニット(41)間に挟まれた切替要素(6)を閉じることによって、電気接続する動作を提供することを特徴とする、管理する方法。
【請求項11】
請求項1~9のうちいずれか一項に記載の固体画像センサ(1)によって、1つまたは複数の光子(F)を検出する方法であって、論理ユニット(41)の同じピクセル(4)に属するアバランシェ光ダイオード(42)と、少なくとも1つの隣接する前記ピクセル(4)に属する前記アバランシェ光ダイオード(42)との各々が、少なくとも1つの光子(F)が前記ピクセル(4)によって検出されたときに開始する時間窓(W
T)内で、少なくとも1つの光子(F)を検出したとき、前記ピクセル(4)の各々の前記論理ユニット(41)によって、電気信号(S)を出力する動作を提供することを特徴とする、検出する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分配された光電子倍増管を伴う高空間解像度の固体画像センサに関し、固体画像センサはデバイスの感応面において、1つまたは複数の光子の着弾位置及び瞬間を、精確に判断できる。
【0002】
本発明は、このように上記の着弾位置を精確に判断できる、本発明の高空間解像度の画像センサを管理する方法にも関する。
【0003】
さらに本発明は、本発明による高空間解像度の画像センサによって、1つまたは複数の光子を検出する方法に関する。光の飛行時間による距離測定の分野において、光子ビームの到達時間の瞬間を確立することが必要であることが知られている。
【背景技術】
【0004】
それらは実際、距離を測定するための公知のデバイスであり、関係する対象物に向けて導かれた光放射の放出、及び関係する対象物自体から戻る上述の光放射の検出、に基づいている。
【0005】
詳細には、このような測定デバイスは、光放射を放出するための手段、及び光放射に感応する領域を含んだ、感受手段を備える。測定デバイスは、処理ユニットをさらに備える。この処理ユニットは、放出手段による光放射の放出と、感受手段による光放射の検出との間の時間間隔を、直接的または間接的に判断することができる。
【0006】
専門用語で「飛行時間」すなわちToFとして公知であり、通常は上述の光放射に属する光子を指す、上述の時間間隔の値は、測定デバイスと関係する対象物との間の距離に正比例する。
【0007】
これに関して、公知の測定デバイスにおける処理ユニットは、一般にこのような距離値をToFから判断するよう構成される。ちなみに、「上述の光放射に属する光子」という表現は、上述の放射手段によって生成された光子のみを排他的に示し、したがって背景放射すなわち環境光から得られた光子とは、区別するよう留意することが重要である。
【0008】
実施の観点から、距離画像を検出可能にするため、高解像度で、かつ内在する干渉及び/または外部の干渉に対する感応度に対してほとんど課題のない、できれば全く課題のない、画像センサを使用することが必要である。
【0009】
このような画像センサは、専門用語で「ピクセル」として公知である、複数の感光性ミクロセルを備え、一般に単一の半導体基板上に配列として配置される。上述のピクセルの各々は、単一光子の実施において、SPAD(Single-Photon Avalanche Diode)としても公知である、逆に付勢されたアバランシェ光ダイオードを備え、光子を検出する際に、エレメンタル・チャージ・パックを放出することによって、他から独立して応答する。
【0010】
画像センサの第1のタイプは、各感光性ミクロセルが処理ユニットを備える。この処理ユニットは、アバランシェ光ダイオードに動作可能に接続され、入力として、アバランシェ光ダイオードによって生成された上述のチャージパック、及び出力として、単一の感光性ミクロセルに関連した上述のToFを表わす電気信号、を得るよう構成される。
【0011】
換言すると、このような第1のタイプの画像センサを用いて、各ピクセルは、他のピクセルから独立し、かつ同じピクセルによって検出された光子のToFに関連した、電気信号を出力する。
【0012】
複数のピクセルによって生成された、このような電気信号は、その後特定の電子回路に入力される。これは画像センサの外部にあり、電気信号の処理すること、及び例えば測定した距離を判断すること、ができる。
【0013】
しかし、このタイプの画像センサは、残りのピクセルから独立した各単一ピクセルによって生成された電気信号が、相互関係にあることから成る、周知の欠点を有する。不利には、これは検出された光子でさえ、このようなピクセルの各々が電気信号を生成し、それを出力できるという事実をもたらし、このような生成は、実際に検出される光ビームに属さない背景光子であると判断される。
【0014】
実質的に、このタイプの画像センサにおいて、光のフラッシュにおける光子の検出が、背景光子の背景に重ね合わされた偶発的なポアソン型の一次推定プロセスであるために、検出された光子の配分における統計ノイズが観測される。このノイズは、不利には、同じ画像センサの距離測定における精確さ、精度、及び強度の低下をもたらす。
【0015】
より簡潔には、このタイプの画像センサは、測定されることになる光ビームに実際に属する光子の検出による事象を、背景に属する光子から区別することができない。
【0016】
このような欠点を克服するために、第2のタイプの画像センサが開発され、それは常に複数のピクセルを備えるが、この場合、第1の光子が検出されたときに始まる決定された時間窓において、作動された光ダイオードの数に比例し、したがって検出された光子の数に比例した単一の信号を提供するよう、互いの間で接続された、より多くのアバランシェ光ダイオードを含む。このタイプの画像センサは、上述の時間窓内で受け取った光子を関連付け、関連のないもの、したがって恐らくは背景に属するものを排除するのを可能にする。選択された光子の到達時間はこうして測定され、その後ToFに比例した信号は、画像センサへの出力として利用可能となる。
【0017】
このような電気信号は、調査した測定を判断するために、第1のタイプの画像センサの場合のような、さらなるフィルタにかける必要はない。
【0018】
しかし、この第2のタイプの画像センサでも、以下で提示する周知の欠点を有する。
【0019】
不利には、実際、各ピクセルが複数のアバランシェ光ダイオード及び関連の制御電子機器を含むので、このような画像センサの空間解像度を向上させるために、デバイス自体の感応面を増加させる必要がある。
【0020】
欧州特許出願公開第2708913号明細書は、監視領域から受け取った光を検出するための、アバランシェ光ダイオード素子のグループを備えた光検出器を有するセンサを記載している。グループ評価ユニットは、感受信号を受信するために光ダイオード素子と接続され、光ダイオード素子の最小数が、許容可能な時間間隔内で感受信号を同時に生成したときのみ、受け取った光を検出したとして事象を判断する。
【0021】
欧州特許出願公開第3318895号明細書は、ライダーシステムにおいて反射光パルスを受け取るためのデバイスを記載しており、それは、光パルスを検出するために設定された複数の個々のセンサ素子を含んだセンサ配列と、いくつかのセンサ素子を選択し、それらをマクロピクセルに組み合わせるよう設定された、選択回路と、を備える。
【0022】
欧州特許出願公開第2469294号明細書は、全体的に、実世界の場面における少なくとも1つの対象物の、電気的表示を生成する方法及びデバイスに関する。実世界の場面における表示のための、詳細なリアルタイム撮像装置は:時間に関連した位置を伴う、少なくとも一連の超短波のパワーレーザパルスを提供する場面の少なくとも1つの照明器;及びこの発明の方法に従い、かつ上記照明器の少なくとも一連の超短波のパワーレーザパルスに関連付けられた、SPAD(Single Photon Avalanche Diode)検出器配列のレシーバ、を備える。
【0023】
米国特許出願公開第2006202121号明細書は、光学記録担体に記憶された情報を読み取るための変換器を記載しており、少なくとも1つの固体単一光子検出器、例えば光学記録担体の少なくとも一部において、2Dまたは3D画像を取得するための、単一光子アバランシェ光ダイオードを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【文献】欧州特許出願公開第2708913号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3318895号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2469294号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006202121号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は、全ての言及した欠点を克服することを意図する。
【0026】
詳細には、本発明の目標は、同じセンサの感応面における物理的寸法が等しい、公知の技術分野の画像センサよりも、高い空間解像度を確保できる画像センサを実現することである。
【0027】
本発明の別の目標は、高い空間解像度、及び同時に、簡易な構造かつ管理を有し、光子の到達を時間窓に関連付けることができる、画像センサを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上述の目標は、独立請求項による画像センサを実現することによって達成される。
【0029】
本発明の画像センサにおける別の特徴は、従属請求項で説明する。
【0030】
このような目標は、請求項10による画像センサを管理する方法によって、及び請求項11による本発明の画像センサの使用による、1つまたは複数の光子を検出する方法によっても、到達される。
【0031】
上述の目標は、以下で言及する利点と共に、本発明の好ましい実施形態の説明の間に強調されることになり、それは非限定例によって、添付の図面を参照して与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の画像センサ、及びこの画像センサに属する隣接したピクセルの詳細な接続図を、上から見て表わした図である。
【
図2】
図1の画像センサに属する単一のピクセルの概略図である。
【
図3a】本発明の画像センサによる、1つまたは複数の光子の検出に関する信号を表わす、2つの略図のうち1つである。
【
図3b】本発明の画像センサによる、1つまたは複数の光子の検出に関する信号を表わす、2つの略図のうち1つである。
【
図4】本発明の画像センサに属する隣接したピクセルの接続図を、
図1における第1の好ましい実施形態に対する実行上の変形に従って示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
1つまたは複数の光子を検出するための、本発明の固体画像センサが、
図1において好ましい実施形態に従って全体が表わされ、1で示される。
【0034】
好ましい実施形態によると、本発明の画像センサ1は、上述の光子に感応する複数のピクセル4を備え、これらピクセル4は、第1の方向Xに沿った複数の列と、第2の方向Yに沿った複数の行とを決定するような配列として配置される。
【0035】
しかし、ピクセル4が、上述の第1の方向Xのみに沿って延びるか、または上述の第2の方向Yのみに沿って延びた、一次元配列を画定するよう配置された、本発明の異なる実施形態を排除しない。
【0036】
図2で確認できるように、各ピクセル4は、論理ユニット41と、この論理ユニット41に動作可能に接続されたアバランシェ光ダイオードまたはSPAD42とを備える。
【0037】
本発明の好ましい実施形態によると、これら論理ユニット41、及び関連のアバランシェ光ダイオードまたはSPAD42は、画像センサ1に属する単一の半導体基板3上に作られる。
【0038】
しかし、画像センサ1が、垂直方向に互いに重ね合わされた2層の半導体層3を備えた、実行上の変形によるものを排除しない。ここにおいて、ピクセル4の各論理ユニット41が、同じピクセル4のアバランシェ光ダイオード42に動作可能に接続される限り、上述のアバランシェ光ダイオード42は、より外側の半導体基板上に作られ、その一方で論理ユニット41は、より内側の半導体基板上に画定される。
【0039】
各ピクセル4の論理ユニット41は、例えば光子の数及び/または到達時間を含む、捕捉した情報に関連した信号Sを、特定の出力チャネル7を介して画像センサ1に出力するよう構成される。出力チャネル7から出力された情報は、インターフェース周辺回路に提供されることになる。このインターフェース回路は、全てのピクセル4における出力チャネル7の多重化を可能にする出力OUTを有する。
【0040】
各ピクセル4は、出力チャネル8によって、同じ画像センサ1に属する残りのピクセル4によって生成かつ出力される電気信号TRIGOUTとは異なる、電気信号TRIGOUTも生成する。このTRIGOUT信号は、少なくとも1つの光子Fの単一ピクセル4におけるアバランシェ光ダイオード42によって実施された、検出に相当する。
【0041】
本発明の代替の実施形態によると、各ピクセル4は、「OR」タイプの論理に従って、同じピクセル4における同じ論理ユニット41に接続された、2つ以上のアバランシェ光ダイオード42を備え、それによって論理ユニット41は、少なくとも1つのアバランシェ光ダイオード42が光子Fを検出したとき、信号S及び電気信号TRIGOUTを出力するよう構成され得る。または代替として、「AND」タイプの論理に従って、同じピクセル4における全ての上述のアバランシェ光ダイオード42が光子Fを検出したときに、信号S及び電気信号TRIGOUTを出力する。
【0042】
図1及び
図4にそれぞれ表わされた、本発明の2つの実施形態によると、各ピクセル4の論理ユニット41は、この論理ユニット41に属する上述のピクセル4に隣接した、8個のピクセル4の論理ユニット41にも、動作可能に接続される。
【0043】
論理ユニット41は、同じ論理ユニット41に動作可能に接続され、光子が上述の論理ユニット41に接続されたアバランシェ光ダイオード42によって検出されたときに始動する所定の時間窓WT内に、少なくとも1つの光子Fを検出する論理ユニット41の数が、予め確立された最小の数n以上である場合に、光子の数及び/または到達時間の情報を確認かつ記憶し、最終的に上述の電気信号Sを出力するよう構成される。
【0044】
例えば、本発明の上述の好ましい実施形態の場合、それは各ピクセル4の論理ユニット41に、そのアバランシェ光ダイオード42及び隣接するピクセル4の8個の論理ユニット41との動作可能な接続を提供する。予め確立される最小の数nは、4であってよい。したがって、論理ユニット41は、該当するピクセル4によって検出された光子の数及び/または到達時間の情報を、確認かつ記憶する。該当するピクセル4及び8個の隣接したピクセル4を備え、かつ上述の時間窓W
Tで少なくとも1つの光子Fを検出するピクセル4の数が、4個以上である場合のみ、論理ユニット41は電気信号Sを出力する。この最後の事象は、
図3aに表わされる。
【0045】
図3bは、少なくとも1つの光子Fを検出するピクセルの、予め確立された最小の数に到達していない場合を、対照的に表す。その結果この場合、時間窓W
Tの終わりにおいて、論理ユニット41は、いかなる電気信号Sも出力しない。
【0046】
本発明の好ましい実施形態による、該当するピクセル4の到達時間の情報は、そのアバランシェ光ダイオード42によって捕捉された光子のみに関連すること、及び、隣接するピクセル4は確認要素のみを表わし、それは空間平均を実現することなくピクセルレベルにおける空間解像度を実際に維持するのを可能にすること、に留意することは重要である。
【0047】
しかし、各ピクセル4の論理ユニット41が、ピクセル4の隣接または隣接しない論理ユニット41の、8個以外の数に接続され得る、本発明の実行上の変形を排除しない。
【0048】
本発明の好ましい実施形態に戻ると、
図1に表わされるように、各ピクセル4の上述の論理ユニット41と、隣接するピクセル4の論理ユニット41との間の接続は、恒久的な電気接続である。
【0049】
しかし、上述の論理ユニット41における各対間の動作接続が、導体トラック5と、上記の論理ユニット41の対における各々を電気接続するよう、または電気接続解除するよう構成された切替要素6と、によって成される、
図4に表わされた本発明における代替の実行上の変形を、排除しない。
【0050】
このような構成は、本発明の画像センサ1を使用しながら、隣接するピクセル4の、どの論理ユニット41が、ピクセル4の各々の論理ユニット41に実際に電気接続されるかを、動的に選択することを可能にする。
【0051】
したがって、本発明におけるデバイスの実行上の変形は、上述の導体トラック5及び上述の切替要素6によってピクセル4の各々の論理ユニット41を、隣接するピクセル4の論理ユニット41だけではなく、同じ画像センサ1に属する他のピクセル4の論理ユニット41にも、動作可能に接続されるよう提供し得る。
【0052】
各ピクセル4の論理ユニット41は、上述の導体トラック5及び上述の切替要素6によって、本発明における同じ画像センサ1に属する全ての残りのピクセル4における論理ユニット41に動作可能に接続される、極端な場合を提供し得る。
【0053】
これら最後の場合、以下で説明するように、本発明の画像センサ1の使用を提供する前に、各ピクセル4を、関連の切替要素6によって設定する必要がある。他のピクセル4の論理ユニット41は、上述のピクセル4の論理ユニット41に電気接続しなければならない。
【0054】
有利には、この実行上の変形は、使用の要求に基づいて、本発明の画像センサ1のアーキテクチャを、動的に調節することを可能にする。
【0055】
本明細書で説明し、かつ添付の図面で表わした、本発明の好ましい実施形態に戻ると、各ピクセル4の論理ユニット41によって出力された電気信号Sは、この論理ユニット41の同じピクセル4に属する、アバランシェ光ダイオード42によって検出された光子Fの、到達時間に相当する。
【0056】
したがってこの場合、有利には、各ピクセル4の論理ユニット41は、実際にそれ自体のアバランシェ光ダイオード42によって検出された光子Fが、検出される光ビームに属する光子であるか、またはそれが背景光子であるか、のみを検証するために、隣接するピクセル4の論理ユニット41との接続を使用するよう構成され、特定の距離において観測された対象が、さらなる隣接するピクセル4によって骨組みが作られる可能性が高い、という利点を得る。上記で確認されたような検証は、他のアバランシェ光ダイオード42における所定の最小数nも、上述の時間窓WT内の光子を検出したかをチェックすることによって、本発明によって実施される。
【0057】
しかし出力信号Sは、明らかにこのような検証が成功した場合だけ、検出された光子Fのデータのみ、または特定の論理ユニット41の同じピクセル4に属するアバランシェ光ダイオード42によって検出された光子Fのデータのみに、排他的に関連する。
【0058】
しかし、各ピクセル4の論理ユニット41によって出力された信号が、上述の論理ユニット41のアバランシェ光ダイオード42によって上述の時間窓WT内で検出された光子Fの数に比例する、代替の実行上の変形を排除しない。
【0059】
さらに、各ピクセル4の論理ユニット41によって出力された信号が、該当するピクセル4の同じ論理ユニット41に接続された、全ての論理ユニット41における全てのアバランシェ光ダイオード42によって、上述の時間窓WT内で検出された光子Fの数に比例する、代替の実行上の変形を排除しない。
【0060】
上記で説明した全ての実行上の変形を含む、本発明の好ましい実施形態による本発明の画像センサ1の実施は、明確に、既に確認されているいくつかのデータを得ることを可能にし、したがって既に使用可能であり、それは公知のタイプの画像センサよりも多い。各感光性ミクロセル4が、例えば検出された光子のToFなどのデータを提供できるが、先行技術で前に説明した第1のタイプの画像センサではできないという点で、このようなデータは、1つまたは複数の隣接するピクセル4も、所定の時間窓WT内で光子Fを検出した場合のみ、排他的に提供されることになる。
【0061】
換言すると、このような実施及び取り組みは、ピクセル4の数及び感応面2全体のサイズが等しい場合、画像センサ1の空間解像度を向上させるのを可能にする。
【0062】
上記で言及したように、本発明の一部は、ピクセル4の各々の論理ユニット41と、隣接するか、または隣接しないピクセル4の1つまたは複数の論理ユニット41と、の間の動作可能な接続が、上述の導体トラック5及び上述の切替要素6によって成される場合の、本発明の画像センサ1を管理するための方法でもある
【0063】
この方法は、詳細には同じ画像センサ1を使用する前に、論理ユニット41の間に挟まれた切替要素6を閉じることによって、ピクセル4の各々の論理ユニット41、及び少なくとも1つの隣接するピクセル(またはそれ未満)の少なくとも1つの論理ユニット41の、電気接続動作を実行することを提供する。
【0064】
本発明の一部は、画像センサ1によって1つまたは複数の光子Fを検出する方法でもあり、それは、論理ユニット41の同じピクセル4に属するアバランシェ光ダイオード42と、隣接するピクセル4に属するアバランシェ光ダイオード42の所定の最小数との各々が、上述の時間窓WT内で少なくとも1つの光子Fを検出したとき、各ピクセル4の論理ユニット41の各々によって、所定の電気信号Sを出力することを提供する。
【0065】
したがって前述に基づき、本発明の画像センサ1は、事前に決めた目標の全てに到達する。
【0066】
詳細には、空間解像度を公知の技術の画像センサよりも高めることを保証でき、同じ画像センサの感応面の物理的寸法が等しい画像センサを実現する目標は、達成される。
【0067】
高い空間解像度及び同時に簡易な構造及び管理を伴う画像センサを実現し、光子の到着を時間窓に関連させることができるという目標も、達成される。