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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】異種材料間の連続した相互接続部
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/03 20060101AFI20231114BHJP
   H01L 23/52 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H05K1/03 630D
H01L23/52 E
H05K1/03 610G
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021570380
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 US2020034854
(87)【国際公開番号】W WO2020243254
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】62/853,481
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521075321
【氏名又は名称】リキッド ワイヤ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LIQUID WIRE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】キンツェル, チャールズ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ローナイ, マーク ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス, マイケル アドベンチャー
(72)【発明者】
【氏名】カルボ, ジョルジ イー., ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】デサバシナ, サイ スリニバス
(72)【発明者】
【氏名】リビエラ, トレバー アントニオ
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0187692(US,A1)
【文献】特表2014-505529(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0247727(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/03
H01L 23/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料と、
前記第1の材料と第2の材料との間の第1の接合部において、前記第1の材料に接合された第2の材料と、
前記第2の材料と第3の材料との間の第2の接合部において、前記第2の材料に接合された第3の材料と、
前記第1の接合部および前記第2の接合部を越えて延在し、前記第1の材料前記第2の材料および前記第3の材料の間に連続した相互接続部を形成し、第1の電子部品を第2の電子部品に電気的に結合する流体相導体とを有し、
前記第1の材料と前記第2の材料とは、相互に異なった、機械的特性、制約、または処理パラメータのうちの少なくとも1つを有することにより異種であり、
前記第2の材料と前記第3の材料とは、相互に異なった、機械的特性、制約、または処理パラメータのうちの少なくとも1つを有することにより異種であることを特徴とする個別の構造体。
【請求項2】
さらに、前記第1の材料と前記第2の材料との間の前記第1の接合部に移行部を有する請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記移行部は、重ね接続部を備える請求項2に記載の構造体。
【請求項4】
前記流体相導体は、導電性ゲルを含む請求項1に記載の構造体。
【請求項5】
前記第1の材料は、前記第2の材料よりも剛性が高い請求項1に記載の構造体。
【請求項6】
前記第1の材料は、前記第2の材料よりも弾性が高い請求項1に記載の構造体。
【請求項7】
さらに、前記流体相導体の一部を包み込む、前記第1の材料上に配置された第1の封止材を有する請求項1に記載の構造体。
【請求項8】
さらに、前記流体相導体の一部を包み込む、前記第2の材料上に配置された第2の封止材を有する請求項1に記載の構造体。
【請求項9】
前記第1の材料は、前記流体相導体の少なくとも一部が貫通するビアを備える請求項1に記載の構造体。
【請求項10】
前記構造体は、前記第1の材料と前記第2の材料との間の前記第1の接合部に、重ね接続部を有し、
前記ビアは、前記重ね接続部を貫通する請求項9に記載の構造体。
【請求項11】
さらに、前記第1の材料に取り付けられ、前記流体相導体に電気的に結合された電子部品を有する請求項1に記載の構造体。
【請求項12】
前記構造体は、さらに、前記第1の材料に取り付けられ、前記流体相導体に電気的に接続された前記第1の電子部品と、
前記第3の材料に取り付けられ、前記流体相導体に電気的に接続された前記第2の電子部品とを有する請求項に記載の構造体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年5月28日に出願された米国仮特許出願第62/853,481の優先権を主張し、これは参照により組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本特許開示の発明原理は、一般に、2つの異種材料間の相互接続部に関するものであり、より具体的には、2つの異種材料間に延在し、材料間に連続した相互接続部を形成する1以上の媒体を有する構造体および/またはそのような構造体を形成する方法に関するものである。
【発明の概要】
【0003】
構造体は、第1の材料と、第1の材料と第2の材料との間の接合部において、第1の材料に接合された第2の材料と、接合部を越えて延在し、第1の材料と第2の材料との間に連続した相互接続部を形成する1以上の媒体とを含み、第1の材料と第2の材料とは、異種材料である。構造体は、さらに、第1の材料と第2の材料との間の接合部に移行部を含む。移行部は、重ね接続部を含む。1以上の媒体は、機能性材料を含む。機能性材料は、導電性である。機能性材料は、導電性ゲルを含む。第1の材料は、第2の材料よりも実質的に剛性が高い。第1の材料は、第2の材料よりも実質的に弾性が高い。構造体は、さらに、媒体の一部を実質的に包み込むように、第1の材料上に配置された第1の封止材を含む。構造体は、さらに、媒体の一部を実質的に包み込むように、第2の材料上に配置された第2の封止材を含む。第1の材料は、媒体の少なくとも一部が貫通するビアを含む。構造体は、第1の材料と第2の材料との間の接合部に、重ね接続部を含み、ビアは、重ね接続部を貫通する。構造体は、さらに、第1の材料に取り付けられ、媒体に電気的に結合された電気部品を含む。
【0004】
第1の材料と第2の材料との間の接合部は、第1の接合部を含み、構造体は、さらに、第2の材料と第3の材料との間の第2の接合部において、第2の材料に接合された第3の材料を含み、媒体は、第2の接合部を越えて延在し、第1の材料、第2の材料および第3の材料の間に連続した相互接続部を形成し、第2の材料と第3の材料とは、異種である。媒体は、導電性であり、構造体は、さらに、第1の材料に取り付けられ、媒体に電気的に接続された第1の電気部品と、第3の材料に取り付けられ、媒体に電気的に接続された第2の電気部品とを含む。
【0005】
センサ構造体は、第1の材料を含む第1の基板と、第1の基板上に設けられた第2の材料を含む導電性接触層と、第1の基板上に設けられた第3の材料を含む第2の基板と、第2の基板上にパターン状に配置され、導電性接触層とで連続した電気的な相互接続部を形成する導電性ゲルとを含み、第1の材料、第2の材料および第3の材料のうち少なくとも2つは、異質である。センサ構造体は、さらに、第2の基板上に設けられ、連続した電気的な相互接続部に電気的に接続された電気部品を含む。第1の基板は、連続した電気的な相互接続部が導電性接触層に接続するビアを含む。
【0006】
方法は、第1の材料を接合部で第2の材料に接合する工程と、接合部を越えて、第1の材料と第2の材料との間に、連続して相互接続部を形成する工程とを含み、第1の材料と第2の材料とは、異種である。方法は、さらに、連続した相互接続部を封止する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図は必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、同様の構造または機能を有する要素は、一般に、図全体の説明のために、同様の参照数字で表される。図は、本明細書に記載される種々の実施形態の説明を容易にすることのみを目的とする。図は、本明細書に開示される教示のあらゆる側面を説明するものではなく、特許請求の範囲を限定するものでもない。図が不明瞭になるのを防止すべく、全ての部品、接続等が示されていない場合があり、全ての部品に参照番号を付していない場合もある。しかしながら、部品構成のパターンは、図から容易に明らかになる。
【0008】
図1図1は、本特許開示のいつくかの発明原理に係る構造体の一実施形態を示す。
【0009】
図2図2は、本特許開示のいくつかの発明原理に係る構造体の他の実施形態を示す。
【0010】
図3図3は、本開示のいくつかの発明原理に係る相互接続部の設計の例示的な実施形態を示す分解透視図である。
【0011】
図4図4は、本開示のいくつかの発明原理に係る異種構造体の他の例示的な実施形態の断面図である。
【0012】
図5図5は、本開示のいくつかの発明原理に係る導電性ゲルを配線として使用した異種構造体の他の例示的な実施形態を示す。
【0013】
図6図6は、本開示のいくつかの発明原理に係る連続した相互接続部を有する構造体の他の実施形態を示す。
【0014】
図7図7は、本開示のいくつかの発明原理に係る異種材料間の連続した相互接続部を有する構造体の一実施形態を示す側面図である。
図8図8は、本開示のいくつかの発明原理に係る異種材料間の連続した相互接続部を有する構造体の一実施形態を示す上面図である。
【0015】
図9図7および図8の構造体の他の側面図である。
【0016】
図10図10は、本開示のいくつかの発明原理に係る異種材料間の連続した相互接続部を有する構造体の他の実施形態を示す断面図である。
【0017】
図11図11は、本開示のいくつかの発明原理に係る異種構造体の他の例示的な実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本特許開示のいくつかの発明原理に係る構造体の一実施形態を示す。図1のシステムは、材料A(10)および材料B(12)の少なくとも2つの異種材料を含む。材料Aおよび材料Bは、異なる機械的特性、制約(constraint)、処理パラメータ等のうちの少なくとも1つを有するという点において異種である。1以上の媒体14は、材料Aと材料Bとの間に延在し、材料間に連続した相互接続部を形成する。図2は、図1と同様の他の実施形態を示すが、図2の実施形態は、材料Aと材料Bとの間に移行部A/B(16)を含む。
【0019】
好適な媒体14としては、材料Aおよび材料Bの1以上の変形に応じて変形した後、材料Aおよび材料Bの1以上が元の形態に復元したときに元の形態に復元する、粘性、弾性、粘弾性および/または他の材料が挙げられる。媒体(mediumまたはmedia)14は、それ自体の作用(例えば、媒体が弾性材料である場合)によって、または材料Aおよび材料Bの1以上が元の形態に復元する作用(例えば、媒体が流体である場合)によって、元の形態に復元する。
【0020】
いくつかの実施形態では、媒体14は、主に構造的でない少なくとも1つの機能、例えば、電気、光、音等の伝導、応力、歪み、圧力、温度、伸長のような1以上の刺激の感知、(材料そのものの)質量輸送、熱輸送、伝達力、運動、圧力、振動のような機械的結合、および/または他の種類の機能を有する1以上の機能材料を含む。いくつかの実施形態では、機能性材料は、例えば、流体相材料またはゲル材料の流体成分等として、少なくとも1つの流体特性または流体成分を有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、機能性材料は、流体成分と固体成分との双方を有する粘弾性材料で実施される。このような材料は、例えば、通電性のような電気応答機能を発揮するか、または機械的な相互接続部、作動的な相互接続部、燃料ラインまたは流体リザーバ、または他の機能としての役割を果たす。粘弾性の相互接続部の材料は、目的の機能に対応するために、任意の適切な形状で配置される。
【0022】
流体力学において、Gは、それぞれ貯蔵弾性率および損失弾性率と称される2つの成分G’およびG”を含む複合剪断弾性率を意味する。貯蔵弾性率は、本質的に材料の弾性成分を表し、一方、損失弾性率は、材料の粘性成分または液体成分を表す。いくつかの実施形態では、材料Aまたは材料Bの一方または双方よりも高いG’を有するように機能性材料を選択することにより、機能性材料は、構造体の成形および/または使用中において、ある程度の圧縮に耐えることができる。いくつかの実施形態では、実施内容に応じて、機能性材料の貯蔵弾性率は、構造体の成形および/または使用後において機能を維持しつつ、機能性材料が成形および/または使用中における圧縮または他の歪み刺激に耐え得るぐらい高い場合、材料Aまたは材料Bの一方または双方の貯蔵弾性率よりも「高い」と考えられる。
【0023】
材料Aおよび材料Bの機械的特性の相違点としては、弾性率(例えば、ヤング率、剪断率、バルク率等)、硬度(ショア硬度、モース硬度、ブリネル硬度、ロックウェル硬度等)、強度(引張強度、圧縮強度等)、密度等が挙げられる。
【0024】
材料Aおよび材料Bの異なる処理パラメータとしては、温度、圧力、時間、試薬(例えば、反応物、溶媒、触媒、活性剤等)、UV、IR、RF、超音波処理への暴露等が挙げられる。
【0025】
材料Aおよび材料Bの異なる制約としては、変形限界(例えば、搭載された剛性部品の存在、人体、高感度機械器具のような対象物上への配置等を原因とする)、暴露限界(例えば、温度、放射線、UV、IR、RF、超音波、化学物質等に対する)等が挙げられる。
【0026】
相互接続部を形成する媒体14は、材料Aおよび/または材料B、または移行部A/Bの1以上の表面上、材料Aおよび/または材料B、または移行部A/Bを貫通する通路内、または材料Aと材料Bとの間に動作可能な相互接続部を形成する他の配置内に、形成される。
【0027】
移行部A/Bは、必要に応じて、材料Aと材料Bの間での重複、交互配置、材料勾配等、および/または材料Aと材料Bとの間の1以上の中間材料、移行材料、干渉材料等を含んでもよい。
【0028】
材料Aおよび材料Bの1以上の変形、および相互接続部14の対応する変形は、材料Aおよび材料Bの1以上での引張力、圧縮力、伸張力、屈曲力、捻じれ力、バルク力等のいずれかまたは全てに対応してもよい。
【0029】
媒体14によって形成される相互接続部の種類としては、機械的な相互接続部、電気的な相互接続部、電子的な相互接続部、電気機械的な相互接続部、電磁的な相互接続部および/または他の電気活性な相互接続部、光学的な輸送部、光量子的な輸送部、音響的な輸送部、質量的な輸送部等が挙げられる。
【0030】
材料Aおよび材料Bとしての使用に適した材料としては、任意の組み合わせにおいて、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含むシリコーン系材料、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含むウレタン、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、ネオプレンの他、エポキシのようなゴム材料およびプラスチック材料を含むあらゆる種類の天然ポリマーおよび/または合成ポリマー、純金属および合金、織布または不織布、木、革、紙、グラスファイバー、カーボンおよび他の複合材料等、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0031】
相互接続部を形成する媒体14としての使用に適した材料としては、特に限定されないが、ガリウムインジウム合金のような導電性ゲルを含む変形可能な導体が挙げられ、そのいくつかの例は、参照により組み込まれる2018年8月30日に公開された米国特許出願公開第2018/0247727号に開示されている。他の適切な電気活性材料としては、金、ニッケル、銀、白金、銅等を含む任意の導電性金属;シリコン、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、ヒ素、ホウ素、炭素、セレン、硫黄、テルル等を主とする半導体、ガリウムヒ素、インジウムアンチモン、および各種金属の酸化物を含む半導体化合物;有機半導体;およびグラファイトのような導電性非金属物質が挙げられる。他の導電性ゲルとしては、グラファイトまたは炭素の他の形態を主とするゲル、およびイオン性ゲルが挙げられる。好適な非電気的組成物としては、例えば、シリカゲルのような他の各種のゲル、およびスターノ(Sterno)のようなチェーフィング燃料等が挙げられる。他の例としては、電気活性であってもなくてもよい水、油、インク、アルコールのような液体の他、電気活性であってもなくてもよい弾性材料が挙げられる。
【0032】
本特許開示のいくつかの追加の発明原理は、図1および図2に示すような構造体の使用に関する。これらは、例えば、フレキシブルハイブリッドエレクトロニクス(FHE)組立体のような変形可能な電子組立体において、種々の特殊部品を搭載する異種材料間の相互接続部として機能する。いくつかの非限定的な実施形態では、相互接続部は、フレキシブルプリント回路基板(FlexPCB)および/または伸縮可能なPCB(StretchPCB)等のプリント回路基板(PCB)のような変形可能な回路基板と、例えば、TPU構造体またはシリコーン構造体のような他の変形可能な構造体との間の異種接合部に跨ってもよい。このような構造体を形成するのに使用される技術は、成形、接着剤による結合、熱成形、テープ結合、超音波結合等を含む。いくつかの実施形態では、そのような技術は、FHE技術および本特許開示の1以上の相互接続部と組み合わせて、例えば、産業用電子機器、民生用電子機器および/または携帯用電子機器において、種々の用途での1以上の統合された布帛/電子組立体を作製することができる。
【0033】
FHEのような変形可能な電子機器では、特に、硬質材料と軟質材料との間、または硬質部品と非直線的形状に適合する材料との間における混合モードでの相互接続部が課題となる場合がある。FHEおよび他の変形可能な電子機器は、IoT(Internet of Things)および携帯用途に応用される。このような用途において、電子機器には、従来の電子組立体の機構と異なると従来考えられていた機械部品が密接に関連して存在する。布帛、ゴム膜、熱成形プラスチックのような材料は、スマート機能または活性制御機能をサポートするために、電子的要素を直接的に取り入れる。
【0034】
異種材料間の相互接続部には、特殊なはんだ、導電性接着剤または機械的コネクタ等が使用される。しかしながら、これらの中には、それぞれ独自の機械的制約を伴う2つの異種基板上に構築された個別の配線同士の適合性を必要とする場合がある。これは、異種材料の相互接続部および機構の双方の技術を必要とし、FHEまたは他の変形可能な電子デバイスの設計において、多大な制約および費用を生じさせる。
【0035】
本特許開示の発明原理は、連続した相互接続部を採用することで、マルチモーダルメタライゼーションのような潜在的な相互接続の問題を回避することができる。この連続した相互接続部は、導電性ゲルおよび/または他の導電性機能材料を、混合材料基板内に切断または形成されたビアまたは他の通路を介して作製するか、基板上に直接印刷するか、または他の適切な方法で基板に配置される。いくつかの実施形態では、単一および/または混合材料多層回路構成を有するビアおよび他の構造を含む連続回路は、導電性ゲルおよび/または他の導電性機能材料から形成された相互接続部により作製される。いくつかの実施形態では、部品は、導電性ゲルおよび/または他の導電性機能材料で充填された接着基板のビアを介して、表面実装部品、フレックス回路および導電性布帛を含む従来の電子要素に直接結合されてもよい。これらの構成は、いずれもオーミックかつ低インピーダンスの接触部を作製することができる。この接触部は、例えば、歪みサイクルおよび/または曲げ試験に対する耐性、および/または動的な動きが予想される、最終組み立て時と、装着用電子機器、歪み監視電子機器のような用途での使用時との双方において構造体にかかる動的な負荷に耐える可能性を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、本特許開示の発明原理は、多くの基板材料および製造方法に適用される。これらは、FlexPCBまたはStretchPCB基板上に硬質な表面実装部品を搭載することと、導電性ゲルから構成された連続したワイヤによって結ばれ、実質的に大きな歪みに耐え得るPCB部品に取り付けられた機械的に堅牢な相互接続部を作製することとの双方を可能にする。
【0037】
いくつかの例示的な実施形態では、FHEまたは他の変形可能な電子デバイスは、表面実装部品を搭載する第1の基板部と、例えば、導電性ゲルで作製され、比較的高い伸度の布帛統合導体および/または歪みゲージとして機能する第2の基板部との双方を含む。回路の高伸度部は、低伸度フレックス回路に対して可変抵抗および/または導電性経路を提供する。低伸度回路は、例えば、高伸度部によって経験される伸縮の視覚的出力を作製し得る1以上の受動的および/または能動的な表面実装技術(SMT)部品を搭載することができる。
【0038】
本特許開示のいくつかの発明原理に係るFHEデバイスまたは他の変形可能なデバイスに使用される材料としては、以下に限定されないが:例えば、低ショアAのTPUおよび/または高ショアAの他のTPUを含む任意のTPU;熱硬化性および/またはエポキシ系フィルム;シリコーン、例えば、高伸縮性ニット布帛に適用される任意の種類の硬化性シリコーン;銅クラッドポリアミド、金属クラッドポリアミド、またはFlexPCB、ストレッチPCB等に使用される他の基板;ならびに、任意の能動的および/または受動的なスルーホールおよび/または表面実装部品が挙げられる。いくつかの例示的な実施形態では、銅クラッドポリアミドおよびSMC部品は、導電性ゲルで充填されたビアに安定した電気的接続部を形成するために使用され、例えば、ハイブリッド組立体の部品として適用される。
【0039】
図3は、本特許開示のいくつかの発明原理に係るFHEデバイスまたは他のデバイスで使用するのに適した相互接続部の設計の例示的な実施形態を示す分解透視図である。異種の基板A(103)および基板B(104)の個別の層上に、それぞれ直径D1および直径D2を有する2つのパッド101およびパッド102が、例えば、電気的導通が達成されるようにパッドを貫通する孔を用いて印刷される。パッド101は、基板Aの配線107と繋がり、パッド102は、基板Bの配線108と繋がる。
【0040】
パッドサイズとビアホールサイズとは、回路基板の製造性を考慮した設計を容易にするために選択される。可撓性および/または伸縮性基板上の異種の相互接続部のいくつかの例示的な実施形態では、これらの特徴のサイズは、基板の予想される変形に応じて、および/または異種の相互接続部の組み立ておよび検査を容易にするために選択される。いくつかの実施形態では、これらのビアパッドは、回路(例えば、ポリアミド回路)の表面またはパッドに接着された表面実装部品に直接接続される。
【0041】
図3の例では、基板Aおよび基板Bの重なり合った部分の間に、直径D3を有するビア106を有する移行基板A/B(105)を示しているが、いくつかの実施形態では移行基板は、省略されてもよい。基板A、基板Bおよび移行基板A/B(使用する場合)に使用される材料は、上記で特定された材料または他の適切な材料のいずれかから選択される。パッド、配線およびビア用の充填材は、導電性ゲルまたは他の任意の適切な導電性材料で実施される。
図4は、本開示に係る配線としての導電性ゲルおよび/または他の相互接続媒体114を使用する異種構造体(いくつかの実施形態では、レイアップとして実施される)の他の例示的な実施形態の断面図である。基板A(110)は、基板B(112)に重なり、かつ直接接合されている。他の実施形態では、移行基板が使用される。本実施形態では、基板Aを貫通してビア116が形成されることにより、例えば、基板A上の配線122および/またはパッド124が、基板B上の配線118および/またはパッド120の上面に整列することによって、基板Aのビア116内の導電性ゲルが基板Bの上面のパッド120に直接接触する。
【0042】
図4に示す構造体は、導電性ゲルおよび/または他の相互接続媒体114の配線、パッドおよび/またはビアを規制および/または保護するために、1以上の封止材を含む。例えば、基板Aの少なくとも一部は、封止材A(126)で被覆され、基板Bの少なくとも一部は、封止材B(128)で被覆される。封止材には、任意の適切な材料、例えば、PDMSのようなシリコーン系材料、TPU、ウレタン、エポキシ、ポリエステル、ポリアミド、ワニスおよび保護コーティングを提供し、および/または組立体を一括して保持するのに役立つ任意の他の材料が使用される。基板110および基板112は、接着剤による結合、熱成形、テープ結合、超音波結合等を含む任意の適切な技術を使用して結合される。
【0043】
図4に示すような構造体が有用な用途としては、基板Aが1以上の電子部品を搭載するための材料で実施され、一方、基板Bがリモートセンサ、ディスプレイ、電子モジュール等に対する接続部を提供するための材料で実施される用途が挙げられる。例えば、基板Aは、比較的硬質な材料で構成され、一方、基板Bは、比較的柔軟および/または伸縮可能な材料で構成される。
【0044】
いくつかの実施形態では、配線122を基板A(110)の下面に形成することにより、ビア116を省略することができる。このような実施形態では、基板A(110)の下面に封止材A(126)が塗布される。いくつかの実施形態では、封止材A(126)および封止材B(128)が単一部品として組み合わせられる。
【0045】
いくつかの実施形態では、図4に示す構造体の一部または全部の他、本開示に記載される他の構造体のいずれかが、参照により組み込まれる2020年2月27日に公開された米国特許出願公開第2020/0066628号に記載された材料および/または製造技術のいずれかを少なくとも部分的に使用して製造され、本明細書に記載された方法および/または製造物のいずれかと組み合わせて使用される。
【0046】
図5は、本特許開示のいくつかの発明原理に係る配線として導電性ゲルを使用する異種構造体の他の例示的な実施形態を示す。図5に示す実施形態では、熱硬化性プラスチック積層体130(材料A)のリボンが、重複領域134(A/B)でTPU132(材料B)のリボンと重なっている。例えば、共晶ガリウム合金から作製された異種の相互接続媒体は、材料A上の第1の部分136と、材料B上の第2の部分138と、重複領域134内の移行部140とを有する。配線の全ての3つの部分は、例えば、シリコーン、TPU、ウレタン、エポキシ等の1以上の封止材で封止される。
【0047】
熱硬化性プラスチック(材料A)およびTPU(材料B)は、連続した導電性配線によって繋がれた実質的に異なる機械的特性を有することにより、2つの異種材料間を移行する異種の相互接続部が形成される。例えば、いくつかの実施形態では、熱硬化性プラスチック積層体(材料A)は、TPU(材料B)よりも実質的に剛性が高い。
【0048】
はんだ付け可能なコネクタ142のような電気機械的コネクタは、重複領域144において配線の第2の部分138と重なっており、連続した配線と任意の他の電気機器との間に他の異種の電気接続部を形成する。これに代えて、いくつかの実施形態では、TPUまたはシリコーンで封止された導電性ゲルと、導電性布帛に機械的に接続されたはんだ付け可能なコネクタとの間の相互接続部を提供するために、ポリアミド層が端子層として導電性布帛に接着される。
【0049】
図6は、本開示に係る連続した相互接続部を有する構造体の他の実施形態を示す。図6に示す実施形態では、導電性ゲルの外側リング150および導電性ゲルの内側リング152が、熱硬化性プラスチックのような比較的硬質の材料から形成された第1の基板154(材料A)上にパターニングされている。第1の基板154は、シリコーンのような比較的柔軟および/または伸縮可能な材料から形成された第2の基板156(材料B)に移行する。第1の基板154および第2の基板156は、重ね接続、突合せ接続または他の方法で移行する。外側リング150に電気的に接続された第1の直線配線158が、材料Aと材料Bとの間の移行部を跨ぐように、第1の基板154および第2の基板156上にパターンーニングされている。内側リング152に電気的に接続された第2の直線配線160が、材料Aと材料Bとの間の移行部を跨ぐように、第1の基板154および第2の基板156上にパターンーニングされている。
【0050】
発光ダイオード(LED)162のような1以上の2端子の電子部品が、内側リングおよび外側リングのそれぞれに1つの端子が直接接触するように、第1の基板154に実装される。第1の基板154は、例えば、シリコーンのような透明の封止材で封止され、LEDが封止材を通して視認可能になっている。第2の基板は、例えば、シリコーンの他の層で封止され、それらの間に直線配線158および直線配線160が接合されている。直線配線158および直線配線160の破線で示す部分は、第2の基板154上の封止材によって覆われている。これは、いくつかの実施形態では透明でない。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1の基板154、およびその上に形成された導電性ゲルのパターンおよびLEDの選択的な歪み制限を提供するために、例えば、封止材の内側に埋め込むこと、または他の封止材と結合することによって、第1の基板154に布帛メッシュを適用してもよい。
【0052】
よって、図6に示す実施形態は、比較的硬質だが、柔軟および/または伸縮可能な基板154(材料A)が電子部品用の基部を提供する一方で、比較的より柔軟および/または伸縮可能な基板156(材料B)により基部に電気的接続部を提供する電子組立体を、いくつかの実施形態において、いかなる固体ワイヤも使用することなく提供する。
【0053】
米国特許出願公開第2018/0247727号に記載されるようなガリウム合金から作製された導電性ゲルは、TPU、シリコーン、エポキシ、EPDMおよび種々の熱硬化性エラストマーを含む多種多様な基板上にパターニング可能であるため、異種材料間の相互接続部に使用するのに特に有益である。いくつかの実施形態では、パターニング方法は、本質的にグラフィックであり、基板と導電性ゲルとの間に機械的結合を形成する。いくつかの実施形態では、硬化段階または化学反応がないため、多くの基板に対して機能性パターンを濡らすことができる。例えば、ガリウム-インジウム-スズ共晶合金の組成物では、架橋された酸化ガリウムのナノ構造が誘導され、粘度と湿潤パラメータとを変化させることで、材料を種々の基板上に制御可能にパターニングすることができる。また、共晶系ガリウム合金ゲルは、非晶質の流体状態で伝導するため、歪みサイクルで破壊される構造を有さず、基板の限界まで歪みサイクルに強くなる可能性がある。したがって、FHEおよび多くの他の用途、特に重要な硬質から軟質への移行部において、異種材料間の相互接続部に対して有効な解決手段を提供する。また、共晶ガリウム合金ゲルは、低抵抗のDC接続および5GHz以上の伝送ラインパラメータ(主にS11)を提供する優れた電気的特性を有する。
【0054】
図7および図8は、それぞれ、本特許開示のいくつかの発明原理に係る異種材料間の連続した相互接続部を有する構造体の一実施形態の側面図および上面図である。
【0055】
図7および8の実施形態は、第1の異種基板18、第2の異種基板20および第3の異種基板22を含む。この例では、第1の基板18は、硬質のTPUであり、第2の基板20は、より柔軟であるが依然として硬質のTPUであり、第3の基板22は、柔軟なTPUであるが、本発明の原理はこれらの詳細に限定されるものではなく、様々の特性を有する材料の任意の組み合わせが使用される。第1の基板と第2の基板とは、任意の適切な接合技術を用いて接合部19で互いに接合され、第2の基板と第3の基板とは、任意の適切な接合技術を用いて接合部21で互いに接合される。図7および図8の部品は、必ずしも縮尺通りではない。例えば、基板は非常に薄いシート状の材料から作製され、その場合、図7および8の垂直方向のスケールは誇張されている。
【0056】
導電性ゲルのような導電性媒体の配線は、基板の上面にU字型パターン28で形成され、基板間の接合部を越えている。U字型パターン28の端部は、第1の基板18の剛性特性の理由から、従来の電気接触パッドである接触パッド24および接触パッド26で終端している。図7および図8には示さないが、U字型パターン28および基板18、基板20、基板22の上面を覆うように、封止材が形成されている。
【0057】
図9は、図7および図8の構造体が変形している様子を示す他の側面図であり、R1およびR2で示すように、異なる基板が異なる曲率半径を提供することにより、結果として得られる構造体は、様々の力に応じて湾曲させられる。いくつかの実施形態では、このような構造体は、歪み軽減体として機能する。
【0058】
また、図7および図8の構造体は、TPUとエポキシ、シリコーンとエポキシ、シリコーンと布帛またはTPUのような他の材料間の移行部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、実施の詳細にもよるが、シリコーンに対する電気的接続部の作製は、困難であるが、TPUに対する電気的接続部の作製は、比較的容易な傾向があるため、TPUとシリコーンとの間に連続した相互接続部を有することは特に有益である。したがって、電気的接続部をTPU基板上に配置した後、シリコーンに移行することで、導電性ゲルのような変形可能な導電体から作製されたセンサ用のより感度の高い基板を提供することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ステンシル、フレキソグラフまたは他の蒸着プロセスで回路を印刷した後、変形可能な導体充填ビアを有する封止層を追加したり、露出した回路を単に放置してもよい。次に、回路上に集積回路(IC)または他の電子デバイスが配置される。IC上の金属層は、導電性ゲルと低インピーダンスのオーミック接触を形成する。いくつかの実施形態では、基板自体が接着性であることにより、IC(またはパッケージ化された表面実装部品(SMC))を所定の位置に保持してもよい。これに代えて、接着剤をランド領域上またはIC(またはSMC)上に配置してもよい。最後に、導電性ゲルとICとを所定の位置に保持するために、封止層を組立体を覆うように配置することができる。
【0060】
本特許開示の発明原理に係るいくつかの実施形態では、非常に柔軟/適合性の導体を有することは、柔軟相互接続取付プロセス、直接ダイ取付プロセス、直接ICア取付プロセスおよび/または柔軟相互接続COB(チップオンボード)プロセスのいずれにとっても有益である。いくつかの実施形態では、これは、導電性ゲル、例えば、粘度を制御するために、酸化物とミクロンスケールの粒子とが混合されたガリウム-インジウム-スズ合金を使用することによって達成される。いくつかの実施形態では、このような技術は、金属層と低インピーダンス接触可能な他の共形(comformal)導体で利用することができる。
【0061】
本特許開示のいくつかの発明原理に係る他の実施形態では、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)のような材料で作製されたガスケットは、ガスケットの性能を感知するように配置された変形可能な導体のパターンを有する。EPDMに電気接触部を取り付けることは、比較的困難であるため、変形可能な導体は、EPDMガスケットと、電気接触部のための良好な基板であるTPUのような他の材料との間の連続した相互接続部を介して結合される。よって、検出回路は、EPDMガスケット内または上の変形可能な導体パターンに良好な電気的接続部を提供しつつ、TPU基板上の接触部に接続される。
【0062】
図10は、本特許開示のいくつかの発明原理に係る異種材料間の連続した相互接続部を有する構造体の他の実施形態の断面図である。図10の実施形態は、第1の基板32上に形成された導電性材料30のパターンを含む。第1の基板32は、導電性ゲルのような変形可能な導体の配線36を有する第2の基板34に取り付けられる。封止材38は、第2の基板34および配線36を覆っている。第1の基板32および第2の基板34をそれぞれ貫通するビア41およびビア43は、変形可能な導体により、導電材料30のパターンと第2の基板34上の配線36との間に連続した相互接続部40を形成することを可能にする。図10に示す層のいずれかまたは全てが1以上の異種特性を有し、連続した相互接続部40および/または配線36に対して導電性ゲルのような機能性材料を使用することで、材料疲労、材料クリープ、複数の導体間のガルバニック作用等に関連する問題を除去または低減しつつ、図10に示す組立体を製造および/または動作させることができる。
【0063】
図10に示す実施形態は、例えば、心電図(ECGまたはEKG)、筋電図(EMG)等の生体電気センサにおいて使用される。そのような実施形態では、導電性材料30は、導電性シリコーン、銅クラッド、または患者の身体との接触に適した電極を実施するのに適切な他の材料から作製される。基板32および基板34は、例えば、1以上の電子部品を搭載するのに十分な剛性を有するが、患者の身体に快適に接するのに十分な柔軟性を有する材料から作製される。かかる材料としては、TPU、ポリアミド、熱硬化性エポキシ、熱硬化性プラスチック等が挙げられる。
【0064】
いくつかの例示的な実施形態では、導電性材料30は、皮膚との接触に耐え得る導電性シリコーンとして実施され、一方、第2の基板34は、電子部品用の基部および/または回路基板用の端線の他の層を形成するために、エポキシで実施される。第1の層32は、TPUで実施されることにより、一部の患者にとって刺激物となるエポキシ基板34との接触から患者を保護することができる。
【0065】
導電性配線36は、第2の基板34の下面に示されているが、いくつかの実施形態では、導電性配線36は、例えば、第1の基板32と封止材38との間に包み込まれる配線36を形成するためのインプレイスステンシルとして機能する第2の基板34を貫通してもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、1以上の電気および/または電子部品を備えた機能的な回路を形成するために、追加のビア、配線等を備える基板の追加の層を含んでもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、図10に示す構造体は、組立体を1以上の他の装置に接続するためのインターフェース44を含む。例えば、いくつかの実施形態では、導電性配線36は、例えば、組立体が統合されたセンサからデータを読み取るために、組立体をケーブルまたは他の導電性装置に結合するための1以上の端子に移行する。他の実施形態では、インターフェース44は、例えば、組立体を他の装置に接続するために、比較的高い伸長性の導電性組立体に移行する図4に示すような他の異種接合部に移行してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、図10に示す1以上の基板は、布帛層として実施されるか、または布帛層が追加の層として追加される。このような布帛層は、例えば、生体電気センサの場合、患者に快適性を提供するために含まれる。さらに、付加的または代替的に、このような布帛層は、組立体を衣類や装飾、または留め具のような他の装着用装置に統合するために使用される。さらに、図10に示すような複数の組立体は、組立体間の電気的および/または電子的な相互接続部を形成する1以上の柔軟性および/または伸縮性の基板を用いて、単一衣類や装飾または他の装着用装置に統合してもよい。
【0069】
図11は、本開示に係る異種構造体の他の例示的な実施形態の断面図である。図11に示す実施形態は、図4の実施形態に示すものと同様の部品を含むが、図11の実施形態は、さらに、基板B(112)との第2の接合部を形成する第3の基板C(166)を含む。配線168、配線および/またはパッド170、ビア172および/またはビア174は、配線122および/またはパッド124、ビア116、および配線118および/またはパッド120を介して、相互接続媒体114によって形成される連続した相互接続部を延伸する。他の封止材C(176)は、基板C内または基板C上の相互接続部の一部を封止する。いくつかの実施形態では、封止材A、封止材Bおよび/または封止材Cのいずれかが、単一層として形成される。
【0070】
いくつかの実施形態では、図11に示す構造体は、例えば、部品Aと部品Bとの間の連続した機能性の相互接続部を提供する用途において使用される。例えば、部品Xは、センサ、ディスプレイ、アクチュエータ、および/または基板Aに搭載される他の種類の部品として実施される。この基板Aは、例えば、医療用または他のバイオセンサ、産業用センサ等として部品Xのセンサ、ディスプレイ、アクチュエータ等を搭載するのに十分に比較的硬質であるが、被験者の身体、産業用機器、パラシュート、衣類または他の柔軟な物品等に適合するのに十分な柔軟性および/または伸縮性を有する材料で実施される。次いで、基板Aは基板Bに移行する。この基板Bは、例えば、一定の距離で延在しつつ、部品Yに1以上の信号を伝導し、および/またはセンサとして動作する、比較的より柔軟および/または伸縮可能な(例えば、高伸長の)材料として実施される。例えば、基板Bは、衣類、パラシュートコード、パイプ、導管、ケーブル等に縫い付け、接着され、または取り付けられる。次いで、基板Bは基板Cに移行する。この基板Cは、例えば、部品Xから受信したデータを表示し、部品Xによって表示されるデータを送信し、部品X内の1以上のサブ部品を制御するデータ収集ユニットおよび/または処理ユニットを搭載するガラス繊維またはポリアミド回路基板のような比較的硬質の材料で実施される。
【0071】
したがって、いくつかの実施形態では、実施の詳細に応じて、図11に示すような組立体は、1つの連続した相互接続部を利用しつつ、順に複数の環境を横断する異種材料間の複数の接合部に跨る2つの部品間の完全なエンド・ツー・エンドでの相互接続の解決手段を提供する。
【0072】
本特許開示のいくつかの発明原理に係る図10および図11に示すような異種材料間の連続した相互接続部を製造するために使用するいくつかの技術は、参照により組み込まれる上述の米国特許出願公開第2020/0066628号に開示されるものを含む。この公報には、導電性ゲルおよび他の相互接続媒体で充填されたビアに表面実装部品を直接取り付ける方法、および導電性ゲルおよび他の相互接続媒体に適合する多層PCBを製造するステンシル法が開示されている。
【0073】
本明細書に開示された実施形態は、様々の実施の詳細の文脈で説明されるが、本開示の原理は、これらまたは他の特定の詳細に限定されるものではない。いくつかの機能は、所定の部品によって実施されるものとして説明したが、他の実施形態では、かかる機能は、異なる場所に存在し、様々のユーザーインターフェースを有する異なるシステムおよび部品間で分散されてもよい。所定の実施形態は、特定の部品、プロセス、ステップ、これらの組み合わせ等を有するものとして説明したが、これらの用語は、特定のプロセス、ステップ、これらの組み合わせ等が、複数の部品、プロセス、ステップ、これらの組み合わせなどで実施される実施形態、または複数のプロセス、ステップ、これらの組み合わせ等が、単一のプロセス、ステップ、これらの組み合わせ等に統合される実施形態をも包含する。部品(component)または要素(element)への言及は、その部品または要素の一部のみを指す場合がある。本開示および特許請求の範囲における「第1」および「第2」のような用語の使用は、それらが修飾するものを区別する目的のためだけであり、文脈から明らかでない限り、空間的または時間的な順序を示すものではない。また、第1の物への言及は、第2の物の存在を示唆するものではい。さらに、上述した様々の詳細および実施形態は、本特許開示の発明原理に係る追加の実施形態を生み出すために組み合わせられる。
【0074】
本特許開示の発明原理は、発明概念を逸脱することなく、配置および細部を変更することができるため、そのような変更および修正は、以下の請求項の範囲に含まれるものと考えられる。
図1
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図11