(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】保持構造を有するシールを含む流体弁アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16K 3/22 20060101AFI20231114BHJP
F16K 11/076 20060101ALI20231114BHJP
F16K 39/04 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
F16K3/22 Z
F16K11/076 Z
F16K39/04
(21)【出願番号】P 2021572269
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2020064265
(87)【国際公開番号】W WO2020244931
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-02-03
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トム チャップマン
(72)【発明者】
【氏名】アダーシュ ヴェンキテスワラン
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ポポヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】レスレイ ワン
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第1361126(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0162536(US,A1)
【文献】特開2015-081621(JP,A)
【文献】実開昭55-015467(JP,U)
【文献】米国特許第05332193(US,A)
【文献】実開昭57-121008(JP,U)
【文献】特開2010-231246(JP,A)
【文献】特開昭62-283266(JP,A)
【文献】特開2009-180240(JP,A)
【文献】特開平04-228979(JP,A)
【文献】特開2020-159518(JP,A)
【文献】米国特許第5617815(US,A)
【文献】特開2004-190835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 7/00 - 7/22
F16K 3/00 - 3/36
F16K 5/00 - 5/22
F16K 11/00 - 11/24
F16K 39/00 - 51/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体弁であって、
弁プラグチャンバと、前記弁プラグチャンバにそれぞれ連通する弁ポートと、を含む弁本体と、
前記弁プラグチャンバ内に配置されていて、回転軸線を中心に前記弁本体に対して回転可能である弁プラグであって、
前記弁プラグは、第1端と、前記第1端と反対側且つ平行な第2端と、前記第1端と前記第2端との間に延び、前記弁プラグチャンバの内面に面する湾曲した側面と、を有する、弁プラグと、
を備え、
前記弁プラグは、
前記回転軸線に垂直な方向に延びる第1の溝であって、該第1の溝は、対向する前記弁ポートの間に延びる第1の流体経路の一部を画定している、第1の溝と、
前記回転軸線
および前記第1の溝に対して垂直な方向に前記弁プラグから突出した中空の管状突出部であって、該管状突出部の内面が、
第2の流体経路の一部を画定している、管状突出部と、
前記管状突出部を包囲しかつ該管状突出部から離間させられたスリーブであって、
前記管状突出部と前記スリーブとの間の空間が、前記管状突出部を包囲する環状の
第2の溝を画定しており、該
第2の溝は、前記管状突出部と共有された溝内壁と、前記スリーブと共有された溝外壁とを有する、スリーブと、
前記
第2の溝内に配置された環状のシールであって、
前記溝内壁に面したシール内面と、
前記溝外壁に面したシール外面と、
前記シールを
前記第2の溝内に保持するように構成されたシール保持構造と、
を含むシールと、
を含
む、流体弁。
【請求項2】
前記
第2の溝の盲端と前記シールとの間で前記
第2の溝内に配置された弾性部材であって、前記弁プラグチャンバの内面に対して前記シールを方向付ける力を与える弾性部材を備える、請求項1記載の流体弁。
【請求項3】
前記スリーブは、貫通開口を含み、
前記シール保持構造は、前記シール外面から外向きに突出したラッチであり、
前記ラッチは、前記スリーブの前記貫通開口内へ延びており、前記ラッチと前記貫通開口との間の係合が、前記シールを前記第2の溝内に保持する、
請求項1記載の流体弁。
【請求項4】
前記ラッチは、前記シールの周囲に沿って細長く、前記貫通開口は、前記スリーブの周囲に沿って細長い、請求項3記載の流体弁。
【請求項5】
前記シールは、前記弁プラグチャンバの表面に面した第1の端部と、該第1の端部とは反対側の、前記弁プラグの表面に面した第2の端部と、を含み、
前記ラッチは、前記シールの前記第2の端部に対応するエッジにおいて前記シール外面に配置されている、
請求項3記載の流体弁。
【請求項6】
前記貫通開口は、前記弁プラグの表面から離間させられている、請求項3記載の流体弁。
【請求項7】
前記ラッチは、
前記弁プラグに面した斜面と、
前記斜面とは反対側の、前記シール外面に対して垂直な垂直面と、
を含む、請求項3記載の流体弁。
【請求項8】
前記貫通開口は、前記スリーブの周囲に沿って離間させられた少なくとも2つの貫通開口を備え、前記ラッチは、前記シールの周囲に沿って離間させられた少なくとも2つのラッチを備え、前記貫通開口の数は、前記ラッチの数に対応する、請求項3記載の流体弁。
【請求項9】
前記スリーブの端部が、切欠きを含み、
前記シールは、前記シール外面から外向きに突出したキーを含み、
前記キーは、前記切欠き内に配置されており、前記キーと前記切欠きとの間の係合が、前記弁プラグに対して前記シールを配置しかつ前記弁プラグに対して前記シールを適切に配向させる、
請求項1記載の流体弁。
【請求項10】
前記溝内壁および前記溝外壁のうちの一方が、環状の切欠きを含み、
環状の保持リングが、前記切欠き内に配置されていて、前記溝内壁および前記溝外壁のうちの前記一方に対して突出しており、
前記シール保持構造は、前記環状の保持リングによって係合される環状の周方向ビードであり、これにより、前記シールが前記
第2の溝内に保持される、
請求項1記載の流体弁。
【請求項11】
前記保持リングは、前記切欠きと締まり嵌めを有する、請求項10記載の流体弁。
【請求項12】
前記溝内壁および前記溝外壁のうちの前記一方は、前記溝内壁であり、前記周方向ビードは、前記シール内面に配置されている、請求項10記載の流体弁。
【請求項13】
前記溝内壁および前記溝外壁のうちの前記一方は、前記溝外壁であり、前記周方向ビードは、前記シール外面に配置されている、請求項10記載の流体弁。
【請求項14】
前記溝内壁は、
環状の第1の切欠きを含み、
前記溝外壁は、
環状の第2の切欠きを含み、
前記溝内壁に対して突出するように前記第1の切欠き内に第1の環状の保持リングが配置されており、
前記溝外壁に対して突出するように前記第2の切欠き内に第2の環状の保持リングが配置されており、
前記シール保持構造は、前記第1の環状の保持リングによって係合される内側の環状の周方向ビードと、前記第2の環状の保持リングによって係合される外側の環状の周方向ビードと、を備え、これにより、前記シールが前記
第2の溝内に保持される、
請求項1記載の流体弁。
【請求項15】
流体弁であって、
弁プラグチャンバと、前記弁プラグチャンバにそれぞれ連通する
複数の弁ポートと、を含む弁本体と、
前記弁プラグチャンバ内に配置されていて、回転軸線を中心に前記弁本体に対して回転可能である弁プラグであって、
前記弁プラグは、第1端と、前記第1端と反対側且つ平行な第2端と、前記第1端と前記第2端との間に延び、前記弁プラグチャンバの内面に面する湾曲した側面と、を有する、弁プラグと、
を備え、
前記弁プラグは、
前記回転軸線に垂直な方向に延びる第1の溝であって、該第1の溝は、対向する前記弁ポートの間に延びる第1の流体経路の一部を画定している、第1の溝と、
前記弁プラグチャンバの表面に面して開放した
第2の溝であって、溝内壁と、該溝内壁に面した溝外壁と、前記溝内壁および前記溝外壁のうちの一方に設けられた第1の保持構造と、を含む
第2の溝と、
前記
第2の溝内に配置されたシールであって、
前記溝内壁に面したシール内面と、
前記溝外壁に面したシール外面と、
前記シール内面および前記シール外面のうちの一方に設けられた第2の保持構造と、
を含むシールと、
を含
み、
前記第1の保持構造は、前記シールを前記
第2の溝内に保持するように前記第2の保持構造と係合する、
流体弁。
【請求項16】
前記第1の保持構造は、貫通開口を備え、前記第2の保持構造は、突出したラッチを備える、請求項15記載の流体弁。
【請求項17】
前記
第2の溝および前記シールのそれぞれは、環状であり、
前記ラッチは、前記シールの周囲に沿って細長く、
前記貫通開口は、前記
第2の溝の表面の周囲に沿って細長い、
請求項16記載の流体弁。
【請求項18】
前記シールは、前記弁プラグチャンバの表面に面した第1の端部と、該第1の端部とは反対側の、前記弁プラグの表面に面した第2の端部と、を含み、
前記ラッチは、前記シールの前記第2の端部に対応するエッジにおいて前記シール外面に配置されており、
前記貫通開口は、前記溝外壁に配置されている、
請求項16記載の流体弁。
【請求項19】
前記第1の保持構造は、環状の切欠きと、該切欠き内に配置されていて、前記溝内壁および前記溝外壁のうちの一方に対して突出した環状の保持リングと、を含み、
前記第2の保持構造は、前記シールの表面から突出しかつ前記環状の保持リングによって係合される環状の周方向ビードであり、これにより、前記シールが前記
第2の溝内に保持される、
請求項15記載の流体弁。
【請求項20】
前記第1の保持構造は、
前記溝内壁に設けられた
環状の第1の切欠きと、
前記溝外壁に設けられた
環状の第2の切欠きと、
第1の環状の保持リングであって、前記溝内壁に対して突出するように前記第1の切欠き内に配置された第1の環状の保持リングと、
第2の環状の保持リングであって、前記溝外壁に対して突出するように前記第2の切欠き内に配置された第2の環状の保持リングと、を含み、
前記第2の保持構造は、
前記第1の環状の保持リングによって係合される内側の環状の周方向ビードと、
前記第2の環状の保持リングによって係合される外側の環状の周方向ビードと、を含み、これにより、前記シールが前記
第2の溝内に保持される、
請求項15記載の流体弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
流体弁アセンブリは、回転式プラグ弁、回転式プラグ弁を作動させるために使用されるモータおよびモータを回転式プラグ弁に接続する歯車セットを含む。回転式プラグ弁は、流体供給システムを通る流体の流れおよび分配を制御するために使用されてもよい1つのタイプの流体弁である。例えば、回転式プラグ弁は、車両冷却システムを通る冷却剤の流れを制御するために使用されてもよい。回転式プラグ弁は、弁本体と、エラストマ弁シールによって弁本体に動作可能に接続された弁プラグとを含んでもよい。幾つかの従来の回転式プラグ弁は、弁の封止のために、弁本体とプラグとの間のエラストマシールまたはばねもしくはその両方の圧縮による力に依存する。様々な硬いシール材料(例えば、熱可塑性プラスチック、セラミックまたは金属)も使用されており、通常、硬いシールに必要な比較的高いシール力を供給するためにばねを利用する。この力は、弁の両側の圧力差が最大のときに弁を封止するのに十分でなければならない。したがって、幾つかの従来の流体弁アセンブリでは、弁アクチュエータは、実際の圧力差がはるかに小さい場合でも、この最大圧力差に対して弁プラグを回転させることができるように寸法設定されている。幾つかの場合、この力は、シールおよび弁本体の過剰な摩耗をも生じさせ、弁の動作寿命を減じる可能性がある。
【0002】
弁の製造誤差および作動温度の変化により生じる寸法変化により、高トルクが発生する場合がある。これらの誤差を許容するために、製造者は、流体弁アセンブリに過剰なサイズのアクチュエータを提供する場合がある。
【0003】
上記に基づいて、弁の両側における圧力差が最大である場合でも、弁の両側に圧力差があるときに流体密封止を保証しながら弁内に減じられたトルクを与えることを含む、技術上の制限を克服する封止構成を含む回転式プラグ面が必要とされている。
【0004】
概要
幾つかの態様において、流体弁は、弁本体と弁プラグとを含む。弁本体は、弁プラグチャンバと弁ポートとを含む。各弁ポートは、弁プラグチャンバに連通する。弁プラグは、弁プラグチャンバ内に配置されていて、回転軸線を中心に弁本体に対して回転可能である。弁プラグは、回転軸線に対して垂直な方向にプラグから突出した中空の管状突出部を含む。管状突出部の内面は、流体経路の一部を画定している。弁プラグは、管状突出部を包囲しかつ管状突出部から離間させられたスリーブを含む。管状突出部とスリーブとの間の空間は、管状突出部を包囲する環状の溝を画定している。溝は、管状突出部と共有された溝内壁と、スリーブと共有された溝外壁とを有する。弁プラグは、溝内に配置された環状のシールを含む。シールは、溝内壁に面したシール内面と、溝外壁に面したシール外面と、シールを第2の溝内に保持するように構成されたシール保持特徴とを含む。
【0005】
幾つかの実施形態では、スリーブは、貫通開口を含み、シール保持特徴は、シール外面から外向きに突出したラッチである。ラッチは、スリーブの貫通開口内へ延びており、ラッチと貫通開口との間の係合が、シールを第2の溝内に保持する。
【0006】
幾つかの実施形態では、流体弁は、溝の盲端とシールとの間で溝内に配置された弾性部材を含み、弾性部材は、弁プラグチャンバの内面に対してシールを方向付ける力を与える。
【0007】
幾つかの実施形態では、スリーブの端部が、切欠きを含み、シールは、シール外面から外向きに突出したキーを含む。さらに、キーは、切欠き内に配置されており、キーと切欠きとの間の係合が、プラグに対してシールを配置しかつプラグに対してシールを適切に配向させる。
【0008】
幾つかの実施形態では、ラッチは、シールの周囲に沿って細長く、貫通開口は、スリーブの周囲に沿って細長い。
【0009】
幾つかの実施形態では、シールは、弁プラグチャンバの表面に面した第1の端部と、第1の端部とは反対側の、プラグの表面に面した第2の端部とを含む。ラッチは、シールの第2の端部に対応するエッジにおいてシール外面に配置されている。
【0010】
幾つかの実施形態では、貫通開口は、プラグの表面から離間させられている。
【0011】
幾つかの実施形態では、ラッチは、プラグに面した斜面と、斜面とは反対側の、シール外面に対して垂直な垂直面とを含む。
【0012】
幾つかの実施形態では、貫通開口は、スリーブの周囲に沿って離間させられた少なくとも2つの貫通開口を備え、ラッチは、シールの周囲に沿って離間させられた少なくとも2つのラッチを備え、貫通開口の数は、ラッチの数に対応する。
【0013】
幾つかの実施形態では、溝内壁および溝外壁のうちの一方が、環状の切欠きを含み、環状の保持リングが、切欠き内に配置されていて、溝内壁および溝外壁のうちの一方に対して突出しており、シール保持特徴は、環状の保持リングによって係合される環状の周方向ビードであり、これにより、シールが溝内に保持される。
【0014】
幾つかの実施形態では、保持リングは、切欠きと締まり嵌めを有する。
【0015】
幾つかの実施形態では、溝内壁および溝外壁のうちの一方は、溝内壁であり、周方向ビードは、シール内面に配置されている。
【0016】
幾つかの実施形態では、溝内壁および溝外壁のうちの一方は、溝外壁であり、周方向ビードは、シール外面に配置されている。
【0017】
幾つかの実施形態では、溝内壁は、第1の環状の切欠きを含み、溝外壁は、第2の環状の切欠きを含む。さらに、第1の環状の保持リングが、溝内壁に対して突出するように第1の切欠き内に配置されており、第2の環状の保持リングが、溝外壁に対して突出するように第2の切欠き内に配置されている。シール保持特徴は、第1の環状の保持リングによって係合される内側の環状の周方向ビードと、第2の環状の保持リングによって係合される外側の環状の周方向ビードとを備え、これにより、シールが溝内に保持される。
【0018】
幾つかの態様では、流体弁は、弁プラグチャンバと弁ポートとを有する弁本体を含む。各弁ポートは、弁プラグチャンバに連通する。流体弁は、弁プラグチャンバ内に配置されていて、回転軸線を中心に弁本体に対して回転可能な弁プラグを含む。弁プラグは、弁プラグチャンバの表面に面して開放した溝を含み、溝は、内壁と、内壁に面した外壁と、内壁および外壁のうちの一方に設けられた第1の保持構造とを含む。弁プラグは、溝内に配置されたシールを含み、シールは、溝内壁に面したシール内面と、溝外壁に面したシール外面と、シール内面およびシール外面のうちの一方に設けられた第2の保持構造とを含む。第1の保持構造は、シールを溝内に保持するように第2の保持構造と係合する。
【0019】
幾つかの実施形態では、第1の保持構造は、貫通開口を備え、第2の保持構造は、突出したラッチを備える。
【0020】
幾つかの実施形態では、溝およびシールのそれぞれは、環状であり、ラッチは、シールの周囲に沿って細長く、貫通開口は、溝の表面の周囲に沿って細長い。
【0021】
幾つかの実施形態では、シールは、弁プラグチャンバの表面に面した第1の端部と、第1の端部とは反対側の、プラグの表面に面した第2の端部とを含む。ラッチは、シールの第2の端部に対応するエッジにおいてシール外面に配置されており、貫通開口は、溝外壁に配置されている。
【0022】
幾つかの実施形態では、ラッチは、プラグに面した斜面と、斜面とは反対側の、シール外面に対して垂直な垂直面とを含む。
【0023】
幾つかの実施形態では、第1の保持構造は、ラッチを備え、第2の保持構造は、ラッチ収容開口を備える。
【0024】
幾つかの実施形態では、弁プラグは、回転軸線に対して垂直な方向に弁プラグから突出した中空の管状突出部を含む。管状突出部の内面は、流体経路の一部を画定している。さらに、弁プラグは、管状突出部を包囲しかつ管状突出部から離間させられたスリーブを含む。管状突出部とスリーブとの間の空間は、溝を画定している。溝内壁は、管状突出部と共有されており、溝外壁は、スリーブと共有されている。第1の保持構造は、溝外壁に形成された貫通開口を備える。第2の保持構造は、シール外面から外向きに貫通開口内へ突出したラッチを備える。さらに、ラッチおよび貫通開口は、シールが溝内に保持されるように係合させられる。
【0025】
幾つかの実施形態では、貫通開口は、スリーブの周囲に沿って離間させられた少なくとも2つの貫通開口を備え、ラッチは、シールの周囲に沿って離間させられた少なくとも2つのラッチを備え、貫通開口の数は、ラッチの数に対応する。
【0026】
幾つかの実施形態では、スリーブの端部が、切欠きを含み、シールは、シール外面から外向きに突出したキーを含み、キーは、切欠き内に配置されており、キーと切欠きとの間の係合が、プラグに対してシールを配置しかつプラグに対してシールを適切に配向させる。
【0027】
幾つかの実施形態では、流体弁は、溝の盲端とシールとの間で溝内に配置された弾性部材を含み、弾性部材は、弁プラグチャンバの内面に対してシールを方向付ける力を与える。
【0028】
流体弁アセンブリは、回転式流体弁と、流体弁を作動させるために使用されるアクチュエータと、アクチュエータを流体弁に接続する歯車セットとを含む。回転式流体弁は、弁本体と、弁本体に回転可能に支持されたプラグアセンブリとを含み、プラグアセンブリを回転させるのに必要なトルクを減じかつ所要のシールの数を最小限に抑えるように構成されている。プラグアセンブリは、エラストマ弁シールによって弁本体に動作可能に接続されている。弁本体は、冷却システム内の様々な位置に流体を方向付けるための複数のポートと、プラグアセンブリ用のキャビティとを画定している。プラグアセンブリは、流体の流れを遮断する閉鎖部分と、流体の流れが1つのポートから別のポートに移動することを可能にする開放部分とを有するプラグを含む。プラグアセンブリは、ポートを選択的に遮断または解放するために、それぞれ異なるポート位置間で弁本体に対して回転させることができる。
【0029】
回転式流体弁は、幾つかの従来の回転式流体弁に対して、回転に必要なトルクが減少させられている。回転式流体弁のトルク減少は、封止を容易にするために弁内の流体圧力を利用する弁シールを提供することによって実現される。この装置は、必要なときに、例えば、完全に閉鎖された位置において所要の封止力を提供し、弁が、完全に閉鎖された位置の間を移動している間、力を減じる。これにより、シールの摩耗が最小限に抑えられ、弁の使用可能寿命が向上する。弁が移動している間のシールの力の減少により生じる摩擦の減少は、弁を移動させるためのエネルギの量をも減少させる。
【0030】
回転式流体弁における弁ポートの閉鎖時、弁本体内の流体圧力は、圧力差に応じて半径方向にシールを拡張または収縮させ、シールと弁プラグとの間に流体密シールを提供する。弁本体内の流体圧力は、シールと弁本体との間に流体密シールを提供するために軸線方向でも力を与える。初期付勢力は、弾性部材(すなわち、ばね)によって加えられ、弾性部材は、シールの両側における流体圧力差が小さいときに封止を提供する。
【0031】
回転式流体弁は、有利には、弁本体においてプラグアセンブリを回転させるのに必要なトルクを減じ、シールおよび弁本体の摩耗を減じかつ回転式流体弁の信頼性および耐久性を向上させる。さらに、プラグアセンブリを回転させるために必要なトルクが減じられるため、弁本体内でプラグアセンブリを位置決めするために、より小さなアクチュエータモータを使用することができる。
【0032】
流体弁アセンブリは、プラグに支持された単一の弁シールを含む流体弁を含み、これにより、幾つかの従来の流体弁と比較して、流体弁のために必要なシールの数が減じられる。所要の弁シールの数が減じられるため、弁アセンブリのコストが減じられ、製造が単純化される。
【0033】
プラグは環状の溝を含み、シールは溝内に配置されている。シールがポートを包囲するように弁プラグアセンブリが弁本体に対して配向されると、プラグと弁本体の内面との間の間隙がシールのサイズに対して小さいため、シールは溝内に保持される。しかしながら、弁プラグアセンブリが弁本体に対して回転させられると、シールは、弁本体において開放したポートを通過する場合がある。この状況では、シールの一部が開口に沈み込む場合がある。弁プラグアセンブリを回転させ続けると、開口に沈み込んだシールの部分が、開口のエッジと弁プラグとの間に挟まれる場合がある。この問題に対処するために、流体弁は、シールを溝内に保持する特徴を含んでよく、これにより、弁プラグの回転中にシールが挟まれるのを回避することができる。例えば、幾つかの実施形態では、弁プラグは、シールを保持するために溝内に配置された保持リングを含んでもよい。その他の実施形態では、シールは、溝に提供された対応する特徴と係合する保持特徴を含んでもよい。さらに他の実施形態では、弁本体は、弁本体に対する弁プラグの回転中のシールの挟み込みを防止する、開口に関連した案内機能を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】線2-2に沿って見た、アクチュエータカバーを取り外した状態の流体弁アセンブリの断面図である。
【
図3】モータをプラグに機械的に接続する歯車セットの分離図である。
【
図6】
図5のプラグアセンブリの別の上側斜視図である。
【
図7】
図5のプラグアセンブリの下側斜視図である。
【
図10】
図1の線10-10に沿って見た流体弁の断面図である。
【
図11】
図1の線11-11に沿って見た流体弁の断面図である。
【
図12A】収縮状態におけるシールを示す流体弁の一部の断面図である。収縮状態では、シールは弁プラグチャンバを第1のチャンバ(第1の斜線を使用して表されている)と第2のチャンバ(第2の斜線を使用して表されている)とに分離させる。
【
図12B】収縮状態におけるシールを示し、収縮状態におけるシールにかかる力を例示した、流体弁の一部の断面図である。
【
図13A】拡張状態におけるシールを示す流体弁の一部の断面図である。拡張状態では、シールは弁プラグチャンバを第1のチャンバ(第1の斜線を使用して表されている)と第2のチャンバ(第2の斜線を使用して表されている)とに分離させる。
【
図13B】拡張状態におけるシールを示し、拡張状態におけるシールにかかる力を例示した、流体弁の一部の断面図である。
【
図14】第1の流体チャンバおよび第2の流体チャンバ内の共通の流体圧力に対応する中立(例えば、静止)状態におけるシールを示す、流体弁の一部の断面図である。
【
図15】代替的な実施形態のプラグアセンブリの下側斜視図である。
【
図18】別の代替的な実施形態のプラグアセンブリの上側斜視図である。
【
図19】代替的な実施形態のシールの斜視図である。
【
図22】
図19のシールを使用する別の代替的な実施形態のプラグアセンブリの上側斜視図である。
【
図26】別の代替的な実施形態のプラグアセンブリの下側斜視図である。
【
図29】別の代替的な実施形態のプラグアセンブリの下側斜視図である。
【
図32】別の代替的な実施形態のプラグアセンブリの下側斜視図である。
【
図35】代替的な実施形態の弁本体の上側斜視図である。
【
図37】
図35の弁ポートを例示した、弁本体の内面の一部の側面図である。
【
図40】別の代替的な実施形態の弁本体の上側斜視図である。
【
図42】
図40の弁ポートを例示した、弁本体の内面の一部の側面図である。
【
図44】別の代替的な実施形態の弁本体の上側斜視図である。
【
図46】
図44の弁ポートを例示した、弁本体の内面の一部の側面図である。
【
図48】代替的な実施形態の弁本体の上側斜視図である。
【
図50】
図48の弁ポートを例示した、弁本体の内面の一部の側面図である。
【
図52】別の代替的な実施形態の弁本体の上側斜視図である。
【
図54】
図52の弁ポートを例示した、弁本体の内面の一部の側面図である。
【
図56】別の代替的な実施形態の弁本体の上側斜視図である。
【
図58】
図56の弁ポートを例示した、弁本体の内面の一部の側面図である。
【0035】
詳細な説明
図1~
図4を参照すると、流体弁アセンブリ1は、流体弁2と、流体弁2を作動させるために使用されるアクチュエータ200とを含む。流体弁アセンブリ1は、例えば、車両冷却システムにおける冷却剤の分配および流れを制御するために使用されてもよい。流体弁2は、回転式プラグ弁である。回転式プラグ弁2は、アクチュエータハウジング202に取り付けられており、弁本体4に配置されかつ回転軸線64を中心に弁本体4に対して回転するプラグアセンブリ60を含む。弁本体4は、3つの弁ポート24,26,28を含み、弁本体4に対するプラグアセンブリ60の回転配向は、アクチュエータ200を介して設定される。弁本体4に対するプラグアセンブリ60の回転配向は、弁ポート24,26,28のうちの対応する弁ポートを通る1つまたは複数の流体流路を決定する。回転式プラグ弁2は、弁本体4とプラグアセンブリ60との間に流体密シールを提供する単一のエラストマ弁シール130を有する。シール130は、プラグアセンブリ60のプラグ62上に支持されており、弁本体4内の流体圧力を利用して、弁本体4とプラグ62との間のシールを促進する。弁シール130は、以下で詳細に説明するように、プラグ回転のためのトルク要求を低減するように実施されている。
【0036】
上、下、上側、下側、上部、下部、前または後など、本明細書においてなされる方向への言及は、
図1に示された流体弁アセンブリの配向に関してなされる。方向への言及は、相対的であり、限定することを意図したものではなく、流体弁アセンブリは、
図1に示した配向以外の配向で使用することができることを理解されたい。
【0037】
アクチュエータ200は、アクチュエータハウジング202と、アクチュエータハウジング202内に配置された電気モータ220と、モータ220を流体弁2に接続した歯車セット224を含む。歯車セット224は、モータ出力軸222の回転速度を減じかつ回転軸線64を中心にプラグアセンブリ60を回転させるように構成されている。アクチュエータハウジング202は、浅いトレー状の容器302と、容器302の開放端部を閉鎖するカバー340とを含む。電気モータ220と、歯車セット224と、制御装置(図示せず)を含むプリント回路基板240とは、例えば、容器302およびカバー340の両方から突出したスタンドオフを介してアクチュエータハウジング202内に支持されている。導電性ピン242は、プリント回路基板240と、容器302の側壁306から外向きに突出した電気コネクタ210との間の電気的接続を提供する。さらに、一対の導電性リード(図示せず)は、プリント回路基板240をモータ220に接続する。
【0038】
歯車セット224の出力軸、例えば、弁駆動軸236は、容器302の底部304における開口を通って弁本体4内へ延びており、そこで以下でさらに説明するようにプラグアセンブリ60のプラグ62と係合している。弁駆動軸236は、回転軸線64を中心に回転するためにブッシング239によって支持されている。ブッシング239の互いに反対側の端部は、軸シール238でシールされている。ブッシング239およびシール238は、容器底部304から内向きに、例えば、カバー340に向かって突出した中空ボス308に配置されている。
【0039】
回転式プラグ流体弁2は、弁本体4と、弁本体4内に配置されかつ弁本体4に対して回転するプラグアセンブリ60とを含む。弁本体4は、ベース10と、側壁8とを含む。側壁8は、一方の端部においてベース10の周縁に結合されており、側壁8は、ベース10を包囲している。側壁8およびベース10は、相俟って、その中に弁プラグチャンバ6を画定するほぼカップ形状の構造を形成している。側壁8の自由端部20(例えば、ベース10から離間させられた側壁8の端部)は、容器底部304の外面に隣接する。弁本体4の側壁8と、容器底部304の外面との間の境界面は、側壁の自由端部20を包囲するOリング322によって封止されている。
【0040】
弁本体4は、ベース10からアクチュエータハウジング202に向かう方向に突出した円筒形スタブ12を含む。スタブ12は、ベース10に中心合わせされており、回転軸線64と同軸である。スタブ12は、プラグ62に設けられた円筒状凹所78に収容されている。スタブ12は、プラグアセンブリ60を弁プラグチャンバ6内で中心合わせさせ、プラグアセンブリ60は、以下でさらに説明するように、弁駆動軸236を介して回転軸線64を中心にスタブ12上で回転するように駆動される。
【0041】
弁本体4は、ベース10からアクチュエータハウジング202に向かう方向に突出したストッパ14を含む。ストッパ14は、スタブ12と側壁8との間に配置されており、ほぼ矩形の角柱の形状を有し、角柱の互いに反対側の側面15,16は、弁本体4の半径と整列している。以下でさらに説明するように、弁本体4に対するプラグアセンブリ60の特定の回転方向において、ストッパ14は、弁本体4の外面から突出したリブ72に係合する。
【0042】
例示した実施形態では、弁本体4は、第1の弁ポート24、第2の弁ポート26および第3の弁ポート28を含む3つの弁ポートを有する。各弁ポート24,26,28は、側壁8から外向きに突出しかつ弁プラグチャンバ6と連通した管30を含む。各弁ポートの長さは異なってもよいが、各弁ポート24,26,28は同じ断面形状および断面寸法を有する。例示した実施形態では、弁ポート24,26,28を形成する管30は円筒形の管であり、各弁ポート24,26,28は、弁本体側壁8との交差部において円形の開口34を形成している。
【0043】
弁ポート24,26,28は、側壁8の周囲に沿って離間した位置に設けられている。例示した実施形態では、第1および第2の弁ポート24,26は、第1の弁本体横断軸線32と同軸であり、弁本体4の直径方向で反対側に位置決めされている。第3の弁ポート28は、第2の弁本体横断軸線36と同軸であり、第2の弁本体横断軸線36は第1の弁本体横断軸線32に対して垂直である。その結果、第3の弁ポート28は、弁本体側壁8の周囲に沿って第1および第2の弁ポート24,26の中間に配置されている。第1および第2の弁本体軸線32,36は、回転軸線64とかつ互いに交差しており、回転軸線64に対して垂直である。その結果、弁ポート24,26,28は、プラグアセンブリ60の回転軸線64に対して垂直な単一の平面上に存在する。
【0044】
図5~
図11を参照すると、プラグアセンブリ60は、プラグ62と、プラグ62に設けられた溝106内に支持されたシール130と、溝106内に配置されかつシール130を弁本体4に向かって付勢する弾性部材160とを含む。
【0045】
プラグ62は、アクチュエータハウジング202に面する第1の端部66と、第1の端部66に対して平行でありかつ弁本体ベース10の内面に面する、反対側の第2の端部68とを有するほぼ円筒形の部材である。プラグ62は、弁本体側壁8の内面に面する側面70を含む。
【0046】
プラグ62の第1の端部66は、弁駆動軸236を収容しかつ弁駆動軸236と機械的に係合するように構成された、中央に配置された第1の凹所74を含む。第1の凹所74は、ほぼ円筒形の内面を有するが、凹所の内面は、回転軸線64に面する平坦部分76を含む。プラグアセンブリ60が弁駆動軸236と組み立てられたとき、弁駆動軸236の端部は、第1の凹所74に配置され、弁駆動軸236に設けられた平坦部分235は、第1の凹所の平坦部分76に隣接する。弁駆動軸236がモータ220によって作動させられると、それぞれの平坦部分76,235間の係合により、弁駆動軸236がプラグ62を、回転軸線64を中心に回転させる。
【0047】
プラグ62の第2の端部68は、スタブ12を収容するように構成された、中央に配置された第2の凹所78を含む。第2の凹所78は、隙間嵌めでスタブ12を収容するように寸法設定された円筒形の内面を有する。スタブ12は、スピンドルとして機能し、このスピンドル上でプラグ62が回転する。
【0048】
プラグ62の第2の端部68は、弁本体ベース10に向かって突出した細長いリブ72を含む。リブ72は、弁本体4の半径と整列した線形の突出部である。弁本体4に対するプラグアセンブリ60の任意の回転配向において、リブ72は、弁本体4のベース10に設けられたストッパ14と係合する。リブ72とストッパ14との間の相互作用は、弁本体4に対するプラグアセンブリ60の過剰回転を防止してもよい。さらに、幾つかの実施形態では、例えば、弁プラグ位置センサを含む任意の制御電子機器(図示せず)は、プラグ62の回転配向を検出するために同時にセンサを使用しながらリブ72がストッパ14に係合するまで弁本体4に対してプラグ62を回転させることによって初期化されてもよい。
【0049】
プラグ62は、回転軸線64に対して垂直な方向においてプラグ62を通って直径方向に延びる線形の第1の溝84を含む。第1の溝84は、側面70の周囲において開放した「U」字形を画定しており、これにより、第1の溝84は、弁本体側壁8に面して開放している。第1の溝84は、回転軸線64に対して垂直でかつ回転軸線64と交差する第1のプラグ横断軸線86と同軸である。弁本体4に対するプラグアセンブリ60の幾つかの回転配向において、例えば、第1のプラグ横断軸線86が第1の弁本体横断軸線32に対して平行である場合、第1の溝84は、第1の弁ポート24と第2の弁ポート26との間に延びる流体通路88の一部を提供する。
【0050】
プラグ62の側面70は、第1の溝84とは反対側のプラグ62の側面において面取りされており、これにより、側面70は平坦部分80を有する。プラグ62は、平坦部分80から外向きに突出した中空の管状突出部94を含む。管状突出部94は比較的薄い壁であり、管状突出部94の内面は盲穴100を画定している。管状突出部94は、第1のプラグ横断軸線86および回転軸線64の両方に対して垂直でかつこれらと交差する第2のプラグ横断軸線90と同軸である。管状突出部94は、弁本体側壁8に面して開放しており、管状突出部94の末端部98と弁本体側壁8との間には狭い間隙g(
図2)が存在する。間隙gは、プラグ62の回転中に管状突出部94と弁本体側壁8との間に干渉が生じないように寸法設定されており、管状突出部94と弁本体側壁8との間に流体の流れを生じさせる。
【0051】
管状突出部94は、弁ポート24,26,28の形状および寸法に対応する断面形状および寸法を有する。例示した実施形態では、弁ポート24,26,28は、円筒形の管30である。したがって、管状突出部94と、管状突出部94の内面によって画定された盲穴100とは、円筒形であり、弁ポート24,26,28に関連した弁本体側壁8における円形の開口34の直径と等しいまたはそれよりも大きい直径を有する。
【0052】
プラグ62は、管状突出部94を包囲し、管状突出部94と同軸でありかつ管状突出部94から離間させられているスリーブ110を含む。管状突出部94と同様に、スリーブ110は、円筒形を有する。スリーブ110および管状突出部94はそれぞれ、弁本体の内面18の円筒形に対応するために不均一な長さlpを有し、スリーブ110および管状突出部94の長さlpは、第2の横断軸線90に対して平行な方向における寸法に対応する。特に、スリーブ110および管状突出部94はそれぞれ、弁プラグの第1および第2の端部66,68に最も近い部分において最大長さlp1を有し、弁プラグの第1および第2の端部66,68の中間に配置された部分において最小長さlp2を有する。
【0053】
管状突出部94とスリーブ110との間の空間は、管状突出部94を包囲する環状の第2の溝106を画定する。第2の溝106は、管状突出部94と共有された溝内壁108と、スリーブ110と共有された溝外壁112とを有する。さらに、第2の溝106は、溝盲端114を有する。例示的な実施形態では、溝盲端114は、弁プラグ側面70の平坦部分80の一部であるが、この構成に限定されない。第2の溝106は、シール130を収容し、弁本体4に対するプラグアセンブリ60の回転中、シール130の支持を提供する。
【0054】
環状シール130は、第2の溝106に配置されている。シール130は、溝外壁112に面したシール外面136と、溝内壁108に面したシール内面138とを有する。シール130は、弁本体側壁8に面した第1の端部132と、第1の端部132とは反対側の、溝盲端114に面した第2の端部134とを有する。シール外面および内面136,138は、効果的な封止のために必要な寸法公差を減じ、シール130と溝内壁および外壁108,112との間の摩擦を減じかつ弁本体4に対するプラグ62の回転中にシール130を機械的に支持する表面構造を含んでもよい。例えば、例示的な実施形態では、シール外面136は、外向きに突出しかつシール130の外周に沿って延びる環状外周ビード140(例えば、ビード)を含む。さらに、シール内面138は、内向きに突出しかつシール130の内周に沿って延びる環状内周ビード146(例えば、ビード)を含む。
【0055】
シール130は、弁本体の内面18の円筒形に対応するように不均一な長さlsを有し、シール130の長さlsは、シールの第1および第2の端部132,134の間の距離に対応する。特に、シール130は、弁プラグの第1および第2の端部66,68に最も近いシール130の第1の部分152において(例えば、
図8に示したシール130の配向に関してシール130の上部および下部において)最大長さls1を有する。さらに、シール130は、シール130の第2の部分154において最小長さls2を有し、第2の部分154は、第1の部分152の中間(例えば、
図8に示したシール130の配向に関してシール130の上部と下部との中間)に配置されている。
【0056】
シールの第1の端部132は、シールの第1の端部132とシール130の外面136との交差部に配置された第1のエッジ142と、シールの第1の端部132とシール130の内面138との交差部に配置された第2のエッジ144とを含む。さらに、シールの第1の端部は、第1のエッジ142および第2のエッジ144の両方に対して凹まされた環状の凹部156を含む。その結果、シールの第1の端部132は、シール130と弁本体の内面18との間の接触がシール130の外径および内径において生じることを保証する浅い「V」字形を有する。有利には、浅い「V」字形により、シールは、プラグアセンブリ60が弁本体4に対して回転させられたときに表面拭き取り作用をも提供し、損傷を引き起こす可能性のある粒子がシールの第1の端部132と弁本体の内面18との間に入り込むことを防止する。幾つかの実施形態では、第1および第2のエッジ142,144は、時間の経過と共に「摩耗」し、これにより、シールの第1の端部132は、最終的に、弁本体の内面18の形状に一致する。
【0057】
シール130は、流体弁2を通って流れる流体と適合性がありかつ作動温度および耐久性の要件を満たす弾性材料から形成されている。例えば、車両冷却剤システムにおいて流体を制御するために使用される流体弁の場合、シール130は、自動車冷却剤と適合性のあるエラストマから形成されている。
【0058】
幾つかの実施形態では、シールの第1の端部132は、低摩擦コーティングを含んでよく、これにより、シールの第1の端部132は、シールの外面136および内面138を含むシール130の残りの部分よりも低い摩擦係数を有する。その他の実施形態では、シール130の全体が、シール130を形成するために使用されるエラストマに対して低摩擦であるコーティングでコーティングされている。1つの非限定的な例では、シール130は、エラストマから形成されており、コーティングは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成されている。シール130に低摩擦コーティングを提供することにより、流体弁2を操作するために必要なトルクが減じられる。
【0059】
幾つかの実施形態では、低摩擦コーティングの代替として、シール130は、「ブルーミング」材料を含んでもよい。例えば、ブルーミング材料は、シール130に組み込まれかつ時間の経過と共にシール130から染み出すワックスであってもよい。この例では、ワックスは、シール130をコーティングし、摩擦を低減する潤滑剤として機能してもよい。
【0060】
弾性部材160は、シール130と第2の溝盲端114との間に存在するように、第2の溝106に配置されている。例示的な実施形態では、弾性部材160は、コイルばね、波形ばねまたは波形ワッシャなどのばねである。弾性部材160は、ステンレス鋼で形成されてもよいが、この材料に限定されない。弾性部材160は、第2のプラグ横断軸線90に対して平行な方向にシールの第2の端部134に対して方向付けられたばね力Fsを与える。言い換えれば、弾性部材160は、シール130を弁本体の内面18に向かってかつ弁本体の内面18に対して弾性的に付勢する。弾性部材160は、以下でさらに論じるように、流体弁2の両側に小さい圧力差がある条件下で、シール130が流体密封止機能を提供することを可能にする。
【0061】
図10および
図11を参照すると、使用中、弁本体4内のプラグアセンブリ60の配向は、弁ポート24,26,28を通る流体の流れを制御する。例えば、幾つかの動作条件では、プラグアセンブリ60は、第1のプラグ横断軸線86が第1の弁本体横断軸線32と整列するように弁本体4に配置されている。その結果、第1の溝84は、第1および第2の弁ポート24,26と整列させられ、第1および第2の弁ポート24,26の間に延びる流体通路88の一部を提供し、これにより、第1および第2の弁ポートは開放している。この配向では、盲穴100は、第3の弁ポート28と整列させられている。盲穴100が第3の弁ポート28と整列させられているとき、シール130は、第3の弁ポート28に関連した開口34を包囲し、弁本体4およびプラグ62の両方と流体密シールを形成する。その結果、第3の弁ポート28が閉鎖される。さらに、シール130は、弁プラグチャンバ6を、シール130の外面にほぼ接する第1のチャンバ38と、シール130の内面にほぼ隣接する第2のチャンバ40とに分離させている。シール130は、
図12Aおよび
図13Aに関して以下で説明される、第1のチャンバ38と第2のチャンバ40との間の流体密シールを提供する。
【0062】
シール130は、弁プラグ62と弁本体4との間に流体密シールを提供するために流体弁2内の流体圧力を利用する。特に、流体密シールは、第1のチャンバ38内の流体と第2のチャンバ40内の流体との間に圧力差がある場合に達成される。さらに、以下で説明するように、第1のチャンバ38および第2のチャンバ40の境界は、変化し、弁プラグ配向および流体圧力差を含む弁の動作条件に依存する。
【0063】
図12A~
図14を参照すると、任意の弁動作条件において、シール130の両側に圧力差がある。シール130の両側に圧力差がある場合、シール130は、圧力差に応じて第2の溝106内で半径方向に拡張または収縮するのに十分に弾性である。シール130の収縮中(
図12Aおよび
図12B)、シール直径は減少し、シール130の内周ビード146は、第2の溝内壁108と流体密シールを形成する。シール130の拡張中(
図13Aおよび
図13B)、シール直径が増大し、シール130の外周ビード140は、第2の溝外壁112と流体密シールを形成する。
【0064】
シール130の収縮中、シール内周ビード146は、弁プラグチャンバ6を第1のチャンバ38および第2のチャンバ40に分離させる(
図12A)。この場合、第1のチャンバ38は、流体通路88および間隙gによって画定された容積を含む。さらに、第1のチャンバ38は、シール内周ビード146と、シール外面136と、第2の溝盲端114と、第2の溝外壁112との間に画定された第2の溝106の容積を含む。第2のチャンバ40は、盲穴100によって画定された容積と、シール内周ビード146と、シール内面138と、第2の溝内壁108との間に画定された第2の溝106の容積とを含む。
【0065】
シール130の拡張中、シール外周ビード140は、弁プラグチャンバ6を第1のチャンバ38および第2のチャンバ40に分離させる(
図13A)。この場合、第1のチャンバ38は、流体通路88および間隙gを含む。さらに、第1のチャンバ38は、シール外周ビード140と、シール外面136と、第2の溝外壁112との間に画定された第2の溝106の容積を含む。第2のチャンバ40は、盲穴100によって画定された容積を含む。さらに、第2のチャンバ40は、シール外周ビード140と、シール内面138と、第2の溝盲端114と、第2の溝内壁108との間に画定された第2の溝106の容積を含む。
【0066】
流体通路88が第1および第2の弁ポート24,26と整列させられかつ第1および第2の弁ポート24,26の間に延びるようにプラグアセンブリ60が弁本体4に対して配向されると、第1および第2の弁ポート24,26が開放し、第3の弁ポート28が閉鎖される。この構成では、第1のチャンバ38は、第2のチャンバ40よりも高い圧力を有する。第1のチャンバ38内の流体圧力が第2のチャンバ40内の流体圧力よりも大きい場合、第1のチャンバ38から第2の溝106に進入する相対的により高圧の流体は、第2のプラグ横断軸線90に対して垂直でかつ第2のプラグ横断軸線90に向かう方向においてシール外面136に対して方向付けられた流体力Ffを与える。内向きの流体力Ffの結果として、シール130は半径方向に収縮し、シール内周ビード146は、溝内壁108と接触し、溝内壁108と流体密シールを形成する(
図12B)。同時に、シール130は、弾性部材160(Fs)と、シールの第2の端部134と第2の溝盲端114との間に存在する流体の力(Ff)とによって、弁本体4に対して方向付けられ、シールの第2の端部134に対する流体の力Ffは、シールの第2の端部134に対するばね力Fsよりも大きい。その結果、流体密シールが、シールの第1の端部132と弁本体の内面18との間に提供される。
【0067】
第1のチャンバ38内の流体圧力が第2のチャンバ40内の流体圧力よりも小さい場合、第2のチャンバ40から第2の溝106に進入する相対的により高圧の流体は、第2のプラグ横断軸線90に対して垂直でかつ第2のプラグ横断軸線90から離れる方向においてシール内面138に対して方向付けられた流体力Ffを与える。外向きの流体力Ffの結果として、シール130は半径方向に拡張し、シール外周ビード140が溝外壁112に接触し、溝外壁112と流体密シールを形成する(
図13B)。同時に、シール130は、弾性部材160と、シールの第2の端部134と第2の溝盲端114との間に存在する流体の力(Ff)とによって、弁本体4に対して方向付けられ、シールの第2の端部134に対する流体の力Ffは、シールの第2の端部134に対するばね力Fsよりも大きい。その結果、流体密シールが、シールの第1の端部132と弁本体の内面18との間に提供される。
【0068】
使用中、プラグアセンブリ60が部分的に開放した位置にあるとき(
図14)、流体弁2の両側に圧力差がない状態が発生する。部分的に開放した位置では、プラグアセンブリ60は、第1および第2のプラグ横断軸線86,90が第1および第2の弁本体横断軸線32,36と整列させられない(例えば、弁ポート24,26,28と整列させられない)ように弁本体4に対して配向される。これは、例えば、弁ポート24,26,28が開放状態と閉鎖状態との間で移行させられるときに発生する。
【0069】
シール130は、シール130に外力がない場合に、シール内径d1が溝内壁108の直径よりも大きくなり(例えば、管状突出部94の直径よりも大きくなり)かつシール外径d2が溝外壁112の直径よりも小さくなる(例えば、スリーブ110の直径よりも小さくなる)ように寸法設定されている。結果として、流体弁2の両側に圧力差がない場合、シール130は、一般に、第2の溝106内に浮き、シール130と、溝内壁108および溝外壁112のうちの一方または両方との間に間隔が存在してもよい。この状態では、弾性部材160が、シール130を弁本体の内面18に対して方向付け続け、これにより、流体が、第2の溝106に方向付けられかつシールの第2の端部134と第2の溝盲端114との間に存在する。シールの第2の端部134と第2の溝盲端114との間に存在する流体は、シール130を弁本体の内面18に対して方向付けることにも寄与してもよい。プラグアセンブリ60が、盲穴100が弁ポート24,26,28のうちの1つと整列させられる配向へ回転させられると、流体弁2の両側の圧力差が形成され、
図12A~
図13Bに関して上述のように、第2の溝106に配置された流体が、流体密シールの形成を促進する。
【0070】
図15~
図17を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、代替的な実施形態のプラグアセンブリ460を含んでもよい。
図15~
図17に例示されたプラグアセンブリ460は、
図1~
図14に例示されたプラグアセンブリ60に類似であり、両実施形態に共通の要素は、共通の参照符号によって参照されている。
図15~
図17に例示されたプラグアセンブリ460は、シール130を第2の溝106内に保持するように構成された剛性の保持リング480を含むという点で前述の実施形態とは異なる。保持リング480は、弁本体側壁8に面した第1の端部486と、プラグ462に面した、反対側の第2の端部488とを含む。保持リング第1の端部486は、管状突出部94の弁本体に面した端部とシール130との間に連続面を形成するように、第2のプラグ横断軸線90に対して角度付けられている。保持リング480の外面482は、シール内面138との公差嵌めを有する。さらに、保持リング480の内面484は、溝内壁108に提供された環状の切欠き490に収容され、環状の切欠き490と締まり嵌めを有する。保持リング480の厚さは、切欠き490の深さよりも大きく、これにより、保持リング480は、第2の溝内壁108の表面に対して半径方向外向きに突出する。その結果、保持リングの第2の端部488は、シール内周ビード146と係合し、弁本体の内面18に向かうシール130の変位を制限してもよい。
【0071】
図18~
図21を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、代替的な実施形態のプラグ562と、弾性部材160と、プラグ562に設けられた第2の溝106に支持された代替的な実施形態のシール530とを含む別の代替的な実施形態のプラグアセンブリ560を含んでもよい。
図18~
図21に例示されたプラグアセンブリ560は、
図1~
図14に例示されたプラグアセンブリ60に類似であり、両実施形態に共通の要素は、共通の参照符号によって示されている。
図18~
図21に例示されたプラグアセンブリ560は、プラグ562およびシール530が、プラグ562の第2の溝106内にシール530を保持するのに役立つ構造を含むという点で、
図1~
図14に例示されたプラグアセンブリ60とは異なる。特に、第2の溝106の表面(例えば、外壁112)は、1つまたは複数の、ラッチを受容する貫通開口566などの第1の保持構造を含む。さらに、シール530は、1つまたは複数の突出したラッチ532などの第2の保持構造を含み、シール530に提供されたラッチ532の数は、第2の溝外壁112に提供された貫通開口566の数に対応する。例示的な実施形態では、プラグアセンブリ560は、4つの貫通開口566および4つのラッチ532を含むが、この数の保持構造に限定されない。保持構造の数は4つより少なくても、多くてもよく、特定の用途の要件によって決定される。
【0072】
貫通開口566は、スリーブ510の周方向に細長く、スリーブ510の周囲に沿って互いに離間させられている。さらに、貫通開口566は、弁プラグ側面70の平坦部分80から間隔を置いて配置されている。スリーブ510は、スリーブ510の、弁本体に面する端部515に提供された矩形のキー収容切欠き564をも含む。
【0073】
シール530は、シール外面136から外向きに突出するラッチ532を含む。ラッチ532は、シール530の周方向に細長く、シール530の周囲に沿って互いに離間させられている。さらに、ラッチ532は、シールの第2の端部134に対応するエッジにおいてシール外面136に位置決めされている。各ラッチ532は、プラグ562に面した斜面533を有する。斜面533は、プラグアセンブリの組立て中の第2の溝106内へのシール530の挿入を容易にする。各ラッチ532は、斜面533とは反対側の、シール外面136に対して垂直な垂直面535を有する。使用中、シール530が第2の溝106に配置されると、ラッチ532は、スリーブ510の貫通開口566内に突入し、各ラッチ532の垂直面535は、対応する貫通開口566のエッジに係合する。ラッチ532と貫通開口566との間の係合は、シール530を第2の溝106内に保持し、弁本体の内面18へ向かうシール530の変位を制限するのに役立つ。
【0074】
シール530は、シール外面136から外向きに突出したキー534を含む。キー534は、キー収容切欠き564の形状に対応する形状を有する。例示的な実施形態では、キー534は、矩形の角柱の形状を有する。キー534は、シールの第2の端部134に対応するエッジにおいてシール外面136上に位置決めされている。使用中、シール530が第2の溝106に配置されると、キー534は、スリーブ510のキー収容切欠き564内に収容される。キー534とキー収容切欠き564との間の係合は、プラグアセンブリの組立て中に、シール530を第2の溝106に対して適切に配向するのに役立つ。
【0075】
図18~
図21に例示されたシール530は、シール530が環状外周ビード140を含まないという点で
図1~
図14に例示されたシール130とはさらに異なる。シール拡張中、シール外面136は、第2の溝外壁112と直接接触しかつ第2の溝外壁112と流体密シールを形成する。
【0076】
図22~
図25を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、別の代替的な実施形態のプラグ662と、弾性部材160と、
図18~
図21のシール530とを含む別の代替的な実施形態のプラグアセンブリ660を含んでもよい。プラグアセンブリ660は、前述の実施形態に共通の要素を含み、共通の要素は、共通の参照符号で示されている。
図22~
図25に例示されたプラグアセンブリ660は、
図22~
図25に例示されたプラグアセンブリ660が前述のプラグアセンブリ60,460,560に設けられた単一のシール130ではなく、2つのシール530(1),530(2)を含むという点で、前述のプラグアセンブリ60,460,560とは異なる。
図22~
図25のプラグアセンブリ660は、例えば、4ポート弁(図示せず)における使用に適している。
【0077】
プラグ662は、以下でさらに説明するように、シール530(1),530(2)を支持するハブ664を含む。ハブ664は、回転軸線64と同軸である中空のステム670を含む。ステム670の第1の端部672は、弁駆動軸236を収容しかつ弁駆動軸236と機械的に係合するように構成された第1の凹所674を含む。第1の凹所674は、ほぼ円筒形の内面を有するが、凹所内面は、回転軸線64に面した平坦部分676を含む。プラグアセンブリ660が弁駆動軸236と組み立てられると、弁駆動軸236の端部は、第1の凹所674に配置され、弁駆動軸236に設けられた平坦部分235が、第1の凹所の平坦部分676に隣接する。弁駆動軸236がモータ220によって作動させられると、それぞれの平坦部分676,235の係合により弁駆動軸236は回転軸線64を中心にプラグ662を回転させる。
【0078】
ステム670の第2の端部673は、スタブ12を収容するように構成された、中央に配置された第2の凹所678を含む。第2の凹所678は、隙間嵌めでスタブ12を収容するように寸法設定された円筒形の内面を有する。スタブ12は、スピンドルとして機能し、このスピンドル上でプラグ662が回転する。
【0079】
プラグアセンブリ660は、
図18~
図21に関して上記で説明したように、各シール530(1),530(2)を支持する。特に、シール530(1),530(2)はそれぞれ、弁シールを提供するために、対応する管状突出部94(1),94(2)およびスリーブ510と協働する。プラグアセンブリ660は、管状突出部94(1),94(2)が盲穴100を画定せず、代わりに、各管状突出部94(1),94(2)が、プラグ662を通過する流体通路688の一部を画定するという点で、
図18~
図20に関して上記で説明したプラグアセンブリ560とは異なる。
【0080】
特に、流体通路688は、第1の部分690および第2の部分692を含む。第1の部分690は、第1のシール530(1)の管状突出部94(1)によって部分的に画定されており、第2の部分692は、第2のシール530(2)の管状突出部94(2)によって部分的に画定されている。第1の部分690は、回転軸線64において第2の部分692と交差する。第1の部分690は、第2の部分692に対して角度付けられている。例えば、例示的な実施形態では、第1の部分690は、第2の部分692に対して垂直であり、第1および第2の部分690,692の両方は、回転軸線64に対して垂直である。
【0081】
図22~
図25に例示されたプラグ662は、プラグ662の各シール530(1),530(2)が、プラグ662の第2の溝106内にシール530(1),530(2)を保持するために役立つ構造を含むという点で、
図18~
図21に例示されたプラグ562に類似する。特に、第2の溝106の表面(例えば、外壁112)は、1つまたは複数のラッチ収容貫通開口566などの第1の保持構造を含む。さらに、シール530(1),530(2)は、1つまたは複数の突出したラッチ532などの第2の保持構造を含む。
【0082】
プラグアセンブリ660は、2ポート流体弁(図示せず)または4ポート流体弁(図示せず)において有用である。
【0083】
図26~
図28を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、代替的な実施形態のプラグアセンブリ760を含んでもよい。
図26~
図28に例示されたプラグアセンブリ760は、
図15~
図17に例示されたプラグアセンブリ460に類似であり、両実施形態に共通の要素は、共通の参照符号で示されている。
図26~
図28に例示されたプラグアセンブリ760は、第2の溝106にシール130を保持するように構成された剛性の保持リング780を含むという点で、
図15~
図17に例示されたプラグアセンブリ460に類似する。しかしながら、保持リング780は、保持リング480とは僅かに異なる形状を有する。特に、保持リング780は、弁本体側壁8に面した第1の端部786と、プラグ462に面した、反対側の第2の端部788とを含む。保持リングの第1の端部786は、管状の突出部94の、弁本体に面した端部と同一平面である。さらに、保持リングの第1の端部786は、第2のプラグ横断軸線90に対して垂直である。前述の保持リング480と同様に、保持リング780の外面782は、シール内面138との公差嵌めを有する。さらに、保持リング480の内面784は、第2の溝内壁108に設けられた環状の切欠き490に収容されかつ環状の切欠き490と締まり嵌めを有する。保持リング780の厚さは、切欠き490の深さよりも大きく、これにより、保持リング780は、第2の溝内壁108の表面に対して半径方向外向きに突出する。その結果、保持リングの第2の端部788は、シール内周ビード146に係合し、弁本体の内面18へ向かうシール130の変位を制限してもよい。
【0084】
図29~
図31を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、代替的な実施形態のプラグアセンブリ860を含んでもよい。
図29~
図31に例示されたプラグアセンブリ860は、
図15~
図17に例示されたプラグアセンブリ460に類似であり、両実施形態に共通の要素は、共通の参照符号で示されている。
図29~
図31に例示されたプラグアセンブリ860は、第2の溝106にシール830を保持するように構成された剛性の保持リング880を含むという点で、
図15~
図17に例示されたプラグアセンブリ460に類似する。しかしながら、
図29~
図31に例示されたプラグアセンブリ860は、代替的な実施形態のシール830を含みかつ保持リング880がシール830の外面836を包囲するという点で、
図15~
図17に例示されたプラグアセンブリ460とは異なる。
【0085】
シール830では、外周ビード140が省略されており、シール外面836は、外向きに突出する環状フランジ840を含む。フランジ840は、シールの第2の端部834に隣接する。シール拡張中、フランジ840は、第2の溝外壁112と直接接触し、第2の溝外壁112と流体密シールを形成する。
【0086】
保持リング880は、弁本体側壁8に面した第1の端部886と、プラグ862に面した、反対側の第2の端部888とを含む。保持リング第1の端部886は、スリーブ110の、弁本体に面した端部と同一平面上にある。さらに、保持リングの第1の端部886は、第2のプラグ横断軸線90に対して垂直である。保持リング880の内面884は、シール外面136との公差嵌めを有する。さらに、保持リング880の外面882は、第2の溝外壁112に設けられた環状の切欠き890に収容され、環状の切欠き890と締まり嵌めを有する。保持リング880の厚さは、切欠き890の深さよりも大きく、これにより、保持リング880は、第2の溝外面118に対して半径方向内向きに突出する。その結果、保持リングの第2の端部888は、フランジ840と係合し、弁本体の内面18に向かうシール130の変位を制限してもよい。
【0087】
図32~
図34を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、代替的な実施形態のプラグアセンブリ960を含んでもよい。
図32~
図34に例示されたプラグアセンブリ960は、
図29~
図31に例示されたプラグアセンブリ860に類似であり、両実施形態に共通の要素は、共通の参照符号で示されている。
図32~
図34に例示されたプラグアセンブリ960は、第2の溝106にシール830を保持するように構成された剛性の保持リング880と、シール830とを含むという点で、
図29~
図31に例示されたプラグアセンブリ860に類似する。しかしながら、
図32~
図34に例示されたプラグアセンブリ960は、
図26~
図28に関して上記で説明された内側保持リング780も含んでいるという点で、
図29~
図31に例示されたプラグアセンブリ860とは異なる。したがって、シール830は、内側保持リング780および外側保持リング880の両方によってプラグアセンブリ960に保持される。
【0088】
図35~
図39を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、代替的な実施形態の弁本体1004を含んでもよい。
図35~
図39に例示された弁本体1004は、
図1~
図14に例示された弁本体4に類似であり、両実施形態に共通の要素は、共通の参照符号で示されている。
図35~
図39に例示された弁本体1004は、各ポート24,26,28の開口34に関連したシール案内構造1800を含むという点で、
図1~
図14に例示された弁本体4とは異なる。シール案内構造1800は、弁本体1004に対する弁プラグ62の回転中にシール挟み込みを防止するように構成されている。すなわち、弁本体に対する弁プラグの回転中、案内構造1800が斜面を提供して、その斜面にシールが乗り、シールが開口34内へ入り込み過ぎるのを防止する一方、シールは、弁本体の内面18の曲率半径R1に対応する半径を有する円形経路に沿って弁本体に対して移動させられる。
【0089】
例示的な実施形態では、案内構造1800は、各弁ポート24,26,28の管30に配置された一対の対向するリブ1802を備える。リブ1802は、各弁ポート24,26,28に関連した側壁8における開口34に隣接する位置において管30の内面48から突出している。すなわち、リブ1802は、弁ポートによって画定された流体経路内へ突出している。リブ1802は、管30の直径と整列した方向に突出しており、したがって、回転軸線64に対して垂直である。第1および第2の弁ポート24,26の場合、リブ1802は、第1の弁本体横断軸線32に対して垂直な方向に突出している。第3の弁ポート28の場合、リブは、第2の弁本体横断軸線36に対して垂直な方向に突出している。
【0090】
リブ1802は、互いに同一であり、互いに向かって延びておりかつそれぞれの弁本体横軸に関して鏡像対称である。弁ポート26の場合、リブは、第1の弁本体横断軸線32に関して鏡像対称である。各リブ1802は、距離lr1だけ突出しており、管の内面48から離間したリブ末端1804において終端している。距離lr1は、管30の半径よりも小さく、これにより、一対のリブを構成する2つのリブ1802のそれぞれの末端1804の間に間隙が存在する。一般に、リブ1802は、構造を提供し、加工を単純化しかつ流動抵抗を制限するのに十分な長さを有する。
【0091】
リブ1802は、管48の内面から一体的に延びており、各リブ1802のベース1805には丸み付けられた隅肉が設けられている。
図37に例示された実施形態では、隅肉は半径R2を有する。
【0092】
各リブ1802は、案内面1806と呼ばれる、曲線状の、シールに面した面と、反対側の後面1808とを含む。シール130は、弁本体1004に対する弁プラグ62の回転中、案内面1806に沿ってスライドする。断面で見た場合、案内面1806の少なくとも一部は、開口34を横切って延びておりかつ円形経路の外挿である円弧1810と同一の延びではない(例えば、円弧1810は半径R1を有する)。
【0093】
例示的な実施形態では、案内面1806は曲線形状を有し、案内面1806の傾斜部分1814は、円弧1810に対して凹んでいる。すなわち、傾斜部分1814は、管30内に存在する。傾斜部分1814は、案内面1806上の点α1と案内面1806上の点β1との間に延びている。点α1は、傾斜部分1814がリブ末端1804と交差する位置であり、点β1は、傾斜部分1814が弁本体側壁内面18の半径R1と交差する位置である。この実施形態では、点β1は点γと一致する。点γは、ポート26のエッジ、例えば、管内面48と同一の延びである線が弁本体の内面18と交差する(例えば、円弧1810と交差する)位置に対応する。
【0094】
案内面1806の傾斜部分1814は、管30の中心線に対して鋭角θ1であり、管30の中心線は、それぞれの弁本体横断軸線32または36に対応する。例示的な実施形態では、角度θ1は約62度であるが、この角度に限定されない。例えば、幾つかの実施形態では、角度θ1は、約40度~約70度の範囲であってもよい。
【0095】
各リブ1802の後面1808は、管30の中心線に対して平行な方向においてテーパしておりかつ2つの直交する方向においてテーパしている。例えば、回転軸線64に対して横方向の第1の断面(
図38)で見ると、リブ末端1804は、リブベース1805の対応する寸法よりも小さい、管の中心線に対して平行な方向における寸法を有する。その結果、後面1808は、管の中心線に対して角度付けられている。別の例では、回転軸線に対して平行な第2の断面(
図39)で見ると、リブ1802は、水中翼形状を有してもよく、この場合、案内面1806は凸状に丸み付けられており、後面1808は、それぞれの弁本体横断軸線32または36に対して角度付けられており、これにより、案内面1806から最も遠い位置において最小厚さを有する。
【0096】
図40~
図43を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、別の代替的な実施形態の弁本体2004を含んでもよい。
図40~
図43に例示された弁本体2004は、
図35~
図39に例示された弁本体1004に類似であり、両実施形態に共通の要素は、共通の参照符号で示されている。
図40~
図43に例示された弁本体2004は、弁本体2004が、リブ2802の形態の案内構造1800を含むという点で前の実施形態に類似である。しかしながら、
図40~
図43のリブ2802は、上記のリブ1802とは形状が異なる。特に、リブ2802の傾斜部分1814は、案内面1806上の点α2と、案内面1806上の点β2との間に延びている。点α2は、傾斜部分1814がリブ末端1804と交差する位置であり、点β2は、傾斜部分1814が弁本体側壁内面18の半径R1と交差する位置である。この実施形態では、点β2は、ポート26のエッジに対応する点γに対して内側にある。さらに、案内面1806の傾斜部分1814は、管30の中心線に対して鋭角θ2である。この実施形態では、角度θ2は、角度θ1よりも小さい。例えば、角度θ2は、約49度であるが、この角度に限定されない。
【0097】
さらに、リブ2802は、リブ1802の長さlr1よりも大きい長さlr2を有する。より長いリブ2802は、リブ1802よりも効果的な案内面を提供することが分かったが、流体圧力損失を増大させる。
【0098】
弁本体2004は、各ポート24,26,28にシール案内構造1800を含んでもよいが、弁本体1004は、この構成に限定されない。
図41に見られるように、シール案内構造1800(すなわち、リブ2802)は、幾つかのポートから省略されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、リブ2802は、閉鎖されるポートにのみ設けられてもよいのに対し、入口ポートは閉鎖される必要がなく、案内構造1800を有さなくてもよい。
【0099】
図44~
図47を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、別の代替的な実施形態の弁本体3004を含んでもよい。
図44~
図47に例示された弁本体3004は、
図35~
図39に例示された弁本体1004に類似であり、両実施形態に共通の要素は、共通の参照符号で示されている。
図44~
図47に例示された弁本体3004は、弁本体3004がリブ3802の形態の案内構造1800を含むという点で前の実施形態に類似する。しかしながら、
図44~
図47のリブ3802は、上記のリブ1802とは形状が異なる。特に、リブ3802の案内面1806は、リブ末端1804に隣接する傾斜部分1814と、傾斜部分1814とポートのエッジγとの間に配置された突出部1820(例えば、「バンプ」)1820とを含む。バンプ1820は、円弧1810を越えて弁プラグチャンバ6内に突出している。
【0100】
図48~
図51を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、別の代替的な実施形態の弁本体4004を含んでもよい。
図48~
図51に例示された弁本体4004は、
図44~
図47に例示された弁本体3004と類似であり、両実施形態に共通の要素は、共通の参照符号で示されている。
図48~
図51に例示された弁本体4004は、弁本体4004がリブ4802の形態の案内構造1800を含むという点で前の実施形態と類似する。しかしながら、
図48~
図51のリブ4802は、
図44~
図47に関して説明したリブ3802とは形状が異なる。特に、リブ4802は、リブ3802の隅肉半径R2よりも小さい隅肉半径R3を有し、前述の実施形態と比較して、ポート26を通る流体圧力損失を低減している。しかしながら、比較的大きな隅肉半径R2は、ポート26のエッジにおいてより広いリブ1802を提供し、したがって、荷重をシール130に分散させるためのより大きな表面積を提供する。例えば、リブ1802の案内面1806は、半径R3を有する隅肉の近くに領域A2を有するリブ4802の案内面1806と比較した場合、半径R2を有する隅肉の近くにより大きな領域A1(
図46)を有する。
【0101】
図52~
図55を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、別の代替的な実施形態の弁本体5004を含んでよい。
図52~
図55に例示された弁本体5004は、
図35~
図39に例示された弁本体1004に類似であり、両実施形態に共通の要素は、共通の参照符号で示されている。
図52~
図55に例示された弁本体5004は、弁本体5004が、開口34の直径に沿って開口34の対向する側の間で途切れることなく延びる単一のリブ(例えば、「レール」)5802の形態の案内構造1800を含むという点で前の実施形態とは異なる。
【0102】
レール5802は、前の実施形態において説明したリブ1802に対して増大した流動抵抗を提供するが、レール5802は、弁本体5004に対する弁プラグアセンブリの回転中にシール130が弁プラグアセンブリと弁本体5004との間に挟まれるのを防止する。
【0103】
各レール5802は、案内面1806と呼ばれる曲線状の、シールに面した面と、反対側の後面1808とを含む。シール130は、弁本体1004に対する弁プラグ62の回転中、案内面1806に沿ってスライドする。断面で見た場合、案内面1806の少なくとも一部は、円弧1810と同一の延びではない。
【0104】
例示的な実施形態では、案内面1806は曲線形状を有し、案内面1806の傾斜部分1814は、円弧1810に対して凹んでいる。すなわち、傾斜部分1814は、管30内にある。傾斜部分1814は、案内面1806上の点α3と、案内面1806上の点β3との間に延びている。点α3は、傾斜部分1814が案内面1806の中央の凹状部分5804と交差する位置である。点β1は、傾斜部分1814が弁本体側壁内面18の半径R1と交差する位置である。この実施形態では、点β1は点γと一致し、これにより、傾斜部分1814は、ポート26のエッジにおいてハウジング半径に達する。中央の凹状部分5804は、弁本体の内面18の曲率半径R1よりも小さい曲率半径R4を有する。
【0105】
案内面1806の傾斜部分1814は、管30の中心線に対して鋭角θ3にあり、管30の中心線は、それぞれの弁本体横断軸線32または36に対応する。例示的な実施形態では、角度θ3は約61度であり、したがって、比較的浅い。しかしながら、角度θ3はこの角度に限定されない。例えば、幾つかの実施形態では、角度θ3は、約40度~約70度の範囲であってもよい。
【0106】
レール5802の後面1808は、管30の中心線に対して平行な方向においてテーパしている。例えば、レール5802は、水中翼形状を有してもよく、この場合、案内面1806は凸状に丸み付けられており、後面1808は、それぞれの弁本体横断軸線32または90に対して角度付けられており、これにより、案内面1806から最も遠い位置において最小厚さを有する。
【0107】
図56~
図59を参照すると、幾つかの実施形態では、流体弁2は、別の代替的な実施形態の弁本体6004を含んでもよい。
図56~
図59に例示された弁本体6004は、
図35~
図39に例示された弁本体1004に類似であり、両実施形態に共通の要素は、共通の参照符号で示されている。
図56~
図59に例示された弁本体6004は、弁本体6004がリブ6802の形態の案内構造1800を含むという点で前の実施形態に類似する。しかしながら、弁本体6004のポート24,26,28は、リブ6802の複数の対6801(a),6801(b)を含み、リブ対6801(a),6801(b)は、回転軸線64に対して平行な方向に沿って整列させられている。
【0108】
例示的な実施形態では、弁本体6004のポート24,26,28は、リブ6802の2つの対6801(a),6801(b)を含むが、2つの対6801(a),6801(b)に限定されない。各リブ対6801(a),6801(b)のリブ6802は、各弁ポート24,26,28に関連した側壁8における開口34に隣接する位置において、管30の内面48から突出している。すなわち、リブ6802は、弁ポートによって画定された流体経路内へ突出している。リブ6802は、回転軸線64に対して垂直でかつそれぞれの弁本体横断軸線32または36に対して垂直な方向に突出している。第1のリブ対6801(a)は、管30の直径に関して第2のリブ対6801(b)と鏡像対称になっている。
【0109】
リブ6802は、以前のリブの実施形態のいずれかまたはそれらの様々な組み合わせの構造に対応する形状を有してもよい。有利には、複数のリブ対を使用することは、荷重をシール130にさらに分散させ、したがって、単一のリブ対を有する実施形態に対してシール130の摩耗率を減じる。
【0110】
プラグアセンブリ60は、本明細書では3ポート弁本体4に配置されたものとして説明されているが、本明細書で説明されているプラグアセンブリ60,460,560,660のいずれも、特定の用途による要求に応じて、異なる数のポートを有する代替的なポート本体と共に使用されてもよいことが理解される。さらに、任意の流体弁2は、流体システムにおけるポートの構成に応じて、異なる機能を実行することができる。ここで、様々な流体弁構成の例を提供する。
【0111】
3ポート弁は、以下の構成のうちの1つを有してもよい。
【0112】
1つの入口、2つの出口弁、弁シールは入口および出口の両方を封止する。この場合、環状の外周および内周ビード140,146が、シールの外面および内面136,138上で360度全周にわたって延びている。
【0113】
1つの入口、2つの出口弁、弁シールは出口のみを封止する。この場合、環状の内周ビード146のみが必要であり、シール外面136は、付加的な保持構造を有してもよい。
【0114】
2つの入口、1つの出口弁、弁シールは入口および出口の両方を封止する。この場合、環状の外周および内周ビード140,146は、シールの外面および内面136,138上で360度全周にわたって延びている。
【0115】
2つの入口、1つの出口弁、弁シールは入口のみを封止する。この場合、環状の外周ビード140のみが必要とされる。
【0116】
4ポート弁は、以下の構成を有してもよい。
【0117】
2つの入口、2つの出口弁、弁シールは、圧力差が正および負の両方の場合に封止する。この場合、環状の外周および内周ビード140,146は、シールの外面および内面136,138上で360度全周にわたって延びている。
【0118】
3ポートおよび4ポート弁の機能を組み合わせた5ポート弁が提供されてもよい。5ポート弁は、シールの外面および内面136,138上で360度全周にわたって延びた環状の外周および内周ビード140,146を必要としてもよいことが考えられる。
【0119】
本発明は、必要なときに、完全に閉鎖された位置において所要のシール力を提供し、弁が、完全に閉鎖された位置の間を移動している間の力を減じる。これは、シールの摩耗を最小限に抑え、弁の使用可能寿命を向上させる。弁が移動している間のシールの減じられた力から生じる減じられた摩擦は、弁を移動させるためのエネルギの量をも減じる。
【0120】
弁ポート24,26,28および弁プラグ管状突出部94は、本明細書では円筒形であると説明されているが、弁ポート24,26,28および弁プラグ管状突出部94は、特定の用途による要求に応じて代替的な形状を有してもよい。例えば、幾つかの実施形態では、弁ポート24,26,28および弁プラグ管状突出部94は、矩形の管または不規則な断面形状を有する管であってもよい。
【0121】
本明細書では、各弁ポート24,26,28は、同じ断面形状および断面寸法を有するものとして説明されているが、弁ポート24,26,28は、この構成に限定されない。例えば、幾つかの実施形態では、弁ポートのうちの1つまたは複数は、固有の形状および/または断面寸法を有してもよい。
【0122】
その他の実施形態では、弁を通る流れが一方向のみである状況では、シールと溝との間の半径方向の嵌め合いにバイアスがかかる。このバイアスにより、溝およびシールの幅の公差が大きくなり、製造が容易になる。
【0123】
その他の実施形態では、弁プラグは、弁ポートを閉鎖せず、むしろ、弁プラグの位置に応じて、流体の流れを異なる弁ポートに方向付ける、異なる弁プラグ形状を有してもよい。
【0124】
その他の実施形態では、弾性部材およびシールllは、弁プラグではなく、弁本体に設けられた溝に支持されてもよい。
【0125】
その他の実施形態では、弁本体は、例えば、2つの弁ポートから5つの弁ポートまでの範囲の、異なる数の弁ポートを有してもよい。
【0126】
図18~
図25に例示された実施形態では、プラグアセンブリは保持構造を含む。特に、第2の溝106の外壁112は、1つまたは複数のラッチ収容貫通開口566などの第1の保持構造を含み、シール130は、1つまたは複数の突出したラッチ532などの第2の保持構造を含む。保持構造はこの構成に限定されないことを理解されたい。例えば、幾つかの実施形態では、第1の保持構造は、溝外壁112に形成されたラッチを含んでよく、第2の保持構造は、シール外面136における凹所を含んでもよい。別の例において、第1および第2の保持構造は、バヨネット、ねじ山またはシール130と第2の溝106との間のその他のタイプの相互接続を可能にする構造を含んでもよい。
【0127】
弁本体およびプラグアセンブリを含む流体弁の選択的な例示的な実施形態は、ある程度詳細に上述されている。流体弁を明確にするために必要であると考えられる構造のみが本明細書に記載されていることを理解されたい。その他の従来の構造ならびに流体弁の付属および補助的な構成要素の構造は、当業者によって知られかつ理解されていると想定される。また、流体弁の動作例は上記に記載されているが、流体弁は上記の動作例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の流体弁から逸脱することなく、様々な設計変更が行われてもよい。