(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】飼料管理装置、飼料管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20231114BHJP
B65G 65/40 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
G06Q10/087
B65G65/40 B
(21)【出願番号】P 2022085757
(22)【出願日】2022-05-26
(62)【分割の表示】P 2019116712の分割
【原出願日】2019-06-24
【審査請求日】2022-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000102717
【氏名又は名称】NTTテクノクロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】赤野間 信行
(72)【発明者】
【氏名】高畠 康行
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 郡三
(72)【発明者】
【氏名】青柳 慎一
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-042835(JP,A)
【文献】特開2012-086986(JP,A)
【文献】特開2017-175936(JP,A)
【文献】特開昭57-102126(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0065570(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 65/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飼料タンクに格納されている飼料の残量を表す飼料残量データ
に基づいて、前記残量を、少なくとも前記飼料タンク単位に集計した集計データを作成する集計手段と、
前記集計手段により作成された集計データを用いて、前記残量の変動に関する分析を行う分析手段と、
前記分析手段による分析結果に応じて、前記残量に関する通知を所定の端末を送信する通知手段と、
を有
し、
前記残量に関する通知には、
前記飼料の給餌対象である家畜の健康状態が悪化した可能性があることを示す情報、前記家畜の飼育環境が悪化した可能性があることを示す情報、前記飼料の発注に関する情報、前記飼料の開発又は改良に役立つ情報、前記飼料の効率的な配送に役立つ情報、の少なくとも1つが含まれる、飼料管理装置。
【請求項2】
飼料タンクに格納されている飼料の残量を表す飼料残量データ
に基づいて、前記残量を、少なくとも前記飼料タンク単位に集計した集計データを作成する集計手順と、
前記集計手順により作成された集計データを用いて、前記残量の変動に関する分析を行う分析手順と、
前記分析手順による分析結果に応じて、前記残量に関する通知を所定の端末を送信する通知手順と、
をコンピュータが実行
し、
前記残量に関する通知には、
前記飼料の給餌対象である家畜の健康状態が悪化した可能性があることを示す情報、前記家畜の飼育環境が悪化した可能性があることを示す情報、前記飼料の発注に関する情報、前記飼料の開発又は改良に役立つ情報、前記飼料の効率的な配送に役立つ情報、の少なくとも1つが含まれる、飼料管理方法。
【請求項3】
飼料タンクに格納されている飼料の残量を表す飼料残量データ
に基づいて、前記残量を、少なくとも前記飼料タンク単位に集計した集計データを作成する集計手順と、
前記集計手順により作成された集計データを用いて、前記残量の変動に関する分析を行う分析手順と、
前記分析手順による分析結果に応じて、前記残量に関する通知を所定の端末を送信する通知手順と、
をコンピュータに実行させ
、
前記残量に関する通知には、
前記飼料の給餌対象である家畜の健康状態が悪化した可能性があることを示す情報、前記家畜の飼育環境が悪化した可能性があることを示す情報、前記飼料の発注に関する情報、前記飼料の開発又は改良に役立つ情報、前記飼料の効率的な配送に役立つ情報、の少なくとも1つが含まれる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼料管理装置、飼料管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、牧場等では飼料の保管のために飼料タンクが用いられている。飼料タンクにはタンク内の飼料を視認可能な窓(この窓は「透視窓」等とも称される。)が設けられていることが多く、飼料の管理担当者等は、この窓から飼料タンク内の飼料の残量を確認し、必要に応じて飼料の発注等を行っている。
【0003】
しかしながら、例えば、牧場内に多くの飼料タンクが存在すること等により飼料の残量確認に漏れがあったり、忘れてしまったりする場合がある。また、飼料タンクの窓が汚れてしまうこと等により飼料の残量確認が困難になる場合もある。これらの問題に対して、飼料タンク内の飼料の残量が或る量にまで減ったことをセンサで検知して、必要量の飼料を当該飼料タンクに配送する技術が従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、飼料タンク内の飼料の残量を様々な軸で分析することで、様々な情報を得ることができると考えられる。例えば、或る特定の飼料の減少量を時系列で分析することで、飼料の減少量の低下から家畜(例えば牛)の健康状態の悪化等の可能性を検知したり、家畜の嗜好に飼料が合わない可能性を検知したりすること等ができると考えられる。また、例えば、複数の牧場間の飼料の減少量を時系列で分析することで、効率的な飼料の配送タイミングや配送方法等を知ることができると考えられる。
【0006】
したがって、これら情報を牧場や特約店(飼料の販売活動を飼料メーカから任された卸売業者)、飼料メーカ、配送会社等に提供することで、より効率的な牧場の運営管理を支援することが可能になると考えられる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、牧場の運営管理を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態に係る飼料管理装置は、飼料タンクに格納されている飼料の残量を表す飼料残量データを受信すると、受信した飼料残量データを記憶部に保存する保存手段と、前記記憶部に保存されている飼料残量データが表す残量を、少なくとも前記飼料タンク単位に集計した集計データを作成する集計手段と、前記集計手段により作成された集計データを用いて、前記残量の変動に関する分析を行う分析手段と、前記分析手段による分析結果に応じて、前記残量に関する通知を所定の端末を送信する通知手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
牧場の運営管理を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る飼料管理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図3】飼料タンク情報データの一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る飼料管理装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】残量の変動傾向の変化の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態では、飼料タンク内の飼料の残量を様々な軸で分析した情報を牧場や特約店、飼料メーカ、配送会社等に提供することで、牧場の運営管理の効率化を支援可能な飼料管理システム1について説明する。
【0012】
なお、本実施形態では、牧場内の牛舎で牛が飼育されており、当該牧場内に設置された飼料タンク内の飼料が牛に給餌される場合を想定して説明する。ただし、牧場で飼育されている家畜は牛に限られず、飼料タンク内の飼料が給餌される任意の家畜に対しても同様に本実施形態を適用可能である。
【0013】
<全体構成>
まず、本実施形態に係る飼料管理システム1の全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る飼料管理システム1の全体構成の一例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る飼料管理システム1には、飼料管理装置10と、センサ20と、中継装置30と、端末40とが含まれる。
【0015】
センサ20は、飼料タンク内の飼料の残量を測定する機器である。本実施形態では、各飼料タンクの上部にセンサ20が取り付けられており、例えば赤外線等により飼料までの距離を測定することで、飼料の残量を測定する。ただし、飼料の残量の測定方法はこれに限られず、飼料の残量を測定することができれば任意の方法を採用することができる。
【0016】
そして、センサ20は、例えば無線LAN(Local Area Network)等の無線通信により、飼料タンク内の飼料の残量を示す情報が含まれる飼料残量データを中継装置30に送信する。なお、1つの牧場内に複数の飼料タンクが設置されている場合、これら複数の飼料タンクのそれぞれに対してセンサ20が取り付けされている。
【0017】
中継装置30は、センサ20から飼料残量データを受信すると、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して、当該飼料残量データを飼料管理装置10に送信する。なお、1つの牧場に対して1台の中継装置30が設置されていてもよいし、1つの牧場に対して複数台の中継装置30が設置されていてもよい。
【0018】
端末40は、牧場管理者(飼料の管理担当者等も含む。)や特約店の担当者、飼料メーカの担当者、配送会社の担当者等がそれぞれ利用する端末装置である。以降では、牧場管理者が利用する端末40を「牧場管理者端末40A」、特約店の担当者が利用する端末40を「特約店端末40B」、飼料メーカの担当者が利用する端末40を「飼料メーカ端末40C」、配送会社の担当者が利用する端末40を「配送会社端末40D」とも表す。なお、端末40としては、PC(パーソナルコンピュータ)やタブレット端末、スマートフォン等の各種の情報処理端末を用いることができる。なお、端末40は、上記の各担当者のそれぞれが利用する端末装置に限られず、飼料管理に関わる者が利用する端末装置であって、後述する分析結果を通知することが有益又は必要な端末装置であれば、任意の端末装置であってもよい。
【0019】
飼料管理装置10は、各牧場に設置されている中継装置30から受信した飼料残量データを管理する。また、飼料管理装置10は、飼料残量データを様々な軸で集計及び分析する。そして、飼料管理装置10は、この分析結果に応じて、牧場管理者端末40A、特約店端末40B、飼料メーカ端末40C及び配送会社端末40Dのうちの1つ以上の端末40に所定の内容を通知する。例えば、飼料管理装置10は、飼料残量データの分析結果に応じて、牛の健康状態が悪化した可能性があることを牧場管理者端末40Aに通知したり、飼料の発注を特約店端末40Bに通知したり、飼料の開発や改良に役立つ情報を飼料メーカ端末40Cに通知したり、飼料の効率的な配送に役立つ情報を配送会社端末40Dに通知したりする。
【0020】
なお、
図1に示す飼料管理システム1の構成は一例であって、他の構成であってもよい。例えば、飼料管理システム1には中継装置30が含まれていなくてもよい。この場合、各センサ20は、直接、飼料管理装置10に飼料残量データを送信すればよい。
【0021】
ここで、本実施形態に係る飼料管理装置10は、飼料管理処理部110と、記憶部120とを有する。飼料管理処理部110は、飼料管理装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサに実行させる処理により実現される。また、記憶部120は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置等を用いて実現可能である。なお、記憶部120は、飼料管理装置10と通信ネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現されていてもよい。
【0022】
飼料管理処理部110は、中継装置30から受信した飼料残量データを集計及び分析し、この分析結果に応じた通知等を行う。ここで、飼料管理処理部110には、受信部111と、集計部112と、分析部113と、特定部114と、通知部115とが含まれる。
【0023】
受信部111は、中継装置30からの飼料残量データを受信し、受信した飼料残量データを記憶部120に保存する。
【0024】
集計部112は、記憶部120に記憶されている飼料残量データを様々な軸で集計したデータ(集計データ)を作成する。ここで、軸とは、集計対象のデータ項目(又は、データ項目を抽象化若しくは詳細化した項目)のことである。集計対象となる軸の具体例としては、例えば、「日」、「週」、「月」、「飼料タンク」、「飼料種類」、「飼料の管理担当者」、「牧場」、「地域」等が挙げられる。このとき、集計対象となる軸は1つに限られず、2つ以上であってもよい。
【0025】
例えば、集計対象の軸を「日」及び「飼料タンク」として飼料残量データを集計した場合、飼料タンク毎の日次の飼料残量を表すデータ(つまり、飼料タンク毎の最新の飼料残量を表すデータ)が集計データとして得られる。同様に、例えば、集計対象の軸を「日」及び「牧場」として飼料残量データを集計した場合、牧場毎の日次の飼料残量を表すデータ(つまり、牧場毎に、この牧場内に設置されている各飼料タンクの最新の飼料残量の合計を計算したデータ)が集計データとして得られる。
【0026】
分析部113は、集計部112により作成された集計データを分析する。例えば、分析部113は、飼料タンク毎の日次の飼料残量を表す集計データを用いて、飼料残量が所定の閾値を下回った飼料タンクが存在するか否かを分析する。また、例えば、地域毎及び飼料タンク毎の日次の飼料残量を表す集計データを用いて、飼料残量が所定の閾値を下回った飼料タンクが存在する場合に、効率的な飼料配送が可能であるか否か(例えば、飼料残量が所定の閾値を下回った飼料タンクが同一地域内(同時に配送可能な地域内)に複数存在するか否か)を分析する。
【0027】
特定部114は、分析部113による分析結果に応じて、通知内容と通知先の端末40とを特定する。例えば、飼料残量が所定の閾値を下回った飼料タンクが存在すると分析された場合、特定部114は、通知内容として「飼料残量が少なくなった」、通知先の端末40として「当該飼料タンクが設置されている牧場の牧場管理者端末40A」と特定する。このとき、特定部114は、後述する通知先情報テーブルを参照して、分析結果に応じて通知先の端末40及び通知内容を特定する。
【0028】
通知部115は、特定部114により特定された通知内容を、特定された通知先の端末40に通知する。
【0029】
記憶部120は、各種データを記憶する。記憶部120に記憶されるデータとしては、飼料残量データ、飼料タンク情報データ及び牧場情報データ等がある。また、記憶部120には、通知先情報テーブルも記憶される。飼料残量データは、中継装置30から受信する度に記憶部120に保存される。一方で、飼料タンク情報データ、牧場情報データ及び通知先情報テーブルは、予め作成された上で記憶部120に保存される。なお、飼料タンク情報及び牧場情報データはそれぞれ飼料タンク及び牧場の登録内容に関するデータであり、登録内容に変更があった場合等に適宜更新される。
【0030】
<飼料残量データ>
ここで、記憶部120に記憶されている飼料残量データについて、
図2を参照しながら説明する。
図2は、飼料残量データの一例を示す図である。
【0031】
図2に示すように、飼料残量データには、データ項目として、「日時」と、「牧場ID」と、「タンクID」と、「残量」とが含まれる。
【0032】
データ項目「日時」には、飼料残量をセンサ20が測定した日時(又は、中継装置30が飼料残量データを飼料管理装置10に送信した日時)が設定される。なお、データ項目「日時」には、飼料管理装置10が飼料残量データを受信した日時が設定されてもよい。
【0033】
データ項目「牧場ID」には、当該センサ20で飼料残量を測定した飼料タンクが設置されている牧場のID(識別情報)が設定される。
【0034】
データ項目「タンクID」には、当該センサ20で飼料残量を測定した飼料タンクのID(識別情報)が設定される。
【0035】
データ項目「残量」には、当該飼料タンクの残量(飼料の残量)が設定される。なお、残量の単位は、容量(リットル等)、重さ(グラム等)、百分率(%)、飼料タンクの底からの飼料の高さ(メートル等)、センサ20から飼料までの距離(メートル等)等のいずれであってもよい。
【0036】
このように、飼料残量データには、日時と、牧場IDと、タンクIDと、残量とが含まれる。このため、記憶部120には、牧場毎及び飼料タンク毎の飼料残量を表す時系列データとして、飼料残量データが記憶される。
【0037】
なお、中継装置30から受信した飼料残量データには牧場ID及びタンクIDの代わりに、センサ20のID(センサID)が含まれていてもよい。この場合、飼料管理装置10は、所定のテーブル等を参照して、センサIDを牧場ID及びタンクIDに変換すればよい。
【0038】
<飼料タンク情報データ>
次に、記憶部120に記憶されている飼料タンク情報データについて、
図3を参照しながら説明する。
図3は、飼料タンク情報データの一例を示す図である。なお、飼料タンク情報データは、例えば、牧場管理者端末40Aで予め作成され、記憶部120に保存される。
【0039】
図3に示すように、飼料タンク情報データには、データ項目として、「牧場ID」と、「タンクID」と、「設置場所」と、「タンクメーカ」と、「容量」と、「飼料種類」と、「担当者」と、「特約店」と、「飼料メーカ」と、「配送会社」とが含まれる。
【0040】
データ項目「牧場ID」には、牧場のIDが設定される。データ項目「タンクID」には、飼料タンクのIDが設定される。データ項目「設置場所」には、当該飼料タンクが設置されている牧場内の場所を表す情報(例えば、「西側」や「東側」、「本館裏側」等)が設定される。
【0041】
データ項目「タンクメーカ」には、当該飼料タンクの製造メーカを表す情報が設定される。データ項目「容量」には、当該飼料タンクの最大容量が設定される。なお、一般に、タンクメーカによって飼料タンクの形状等が異なる。
【0042】
データ項目「飼料種類」には、当該飼料タンクに格納される飼料の種類を表す情報が設定される。
【0043】
データ項目「担当者」には、当該飼料タンクの担当者名等が設定される。飼料タンクの担当者とは、例えば、日々、牛の餌とする所定量の飼料を飼料タンクから排出する者である。なお、飼料タンクには、飼料の排出量を指定できるものもあるが、手動で排出量を調整する必要があるものもある。このため、担当者によって排出量が異なる場合があったり、同じ担当者であっても日によって排出量が異なったりする場合がある。
【0044】
データ項目「特約店」には、当該飼料タンクに格納される飼料の特約店を表す情報が設定される。データ項目「飼料メーカ」には、当該飼料タンクに格納される飼料メーカを表す情報が設定される。データ項目「配送会社」には、当該飼料タンクに格納される飼料を配送する配送会社を表す情報が設定される。
【0045】
このように、飼料タンク情報データには、飼料タンクに格納される飼料の種類や担当者、最大容量等の各種情報が含まれる。なお、飼料タンク情報データには、上記のデータ項目以外にも、例えば、「日時」等のデータ項目が含まれていてもよい。データ項目「日時」を飼料タンク情報データに含めることで、例えば、或る飼料タンクの担当者や飼料種類等が或る日時で変更された場合に、この変更の前後で分析を行うことが可能となる。
【0046】
なお、飼料残量データは、牧場ID及びタンクIDにより飼料タンク情報データと関連付けられる。
【0047】
<牧場情報データ>
次に、記憶部120に記憶されている牧場情報データについて、
図4を参照しながら説明する。
図4は、牧場情報データの一例を示す図である。なお、牧場情報データは、例えば、牧場管理者端末40Aで予め作成され、記憶部120に保存される。
【0048】
図4に示すように、牧場情報データには、データ項目として、「牧場ID」と、「牧場名」と、「会社名」と、「代表者名」と、「連絡先」と、「住所」と、「地域」とが含まれる。
【0049】
データ項目「牧場ID」には、牧場のIDが設定される。データ項目「牧場名」には、当該牧場の名称が設定される。データ項目「会社名」には、例えば、当該牧場の運営会社の名称が設定される。データ項目「代表者名」には、例えば、当該運営会社の代表者名や当該牧場の代表者名が設定される。データ項目「連絡先」には、例えば、当該運営会社や当該牧場の連絡先が設定される。データ項目「住所」には、当該牧場の住所が設定される。データ項目「地域」には、当該牧場が属する地域を表す情報が設定される。
【0050】
なお、データ項目「地域」に設定される地域を表す情報としては、行政区画によって区分される地域であってもよいし、同一又は類似の気候を有する地域であってもよいし、配送会社の同一配送範囲を表す地域であってもよいし、その他の任意の地理的領域で区分される地域であってもよい。具体的には、例えば、「○○市」、「○○県」、「○○県南部」、「九州地方東南部」等が挙げられる。
【0051】
このように、牧場情報データには、牧場が属する地域等の各種情報が含まれる。なお、飼料残量データは、牧場IDにより牧場情報データと関連付けられる。
【0052】
<通知先情報テーブル>
次に、記憶部120に記憶されている通知先情報テーブルについて、
図5を参照しながら説明する。
図5は、通知先情報テーブルの一例を示す図である。
【0053】
図5に示すように、通知先情報テーブルには、1つ以上の通知先情報データが格納されている。また、各通知先情報データには、データ項目として、「分析結果」と、「通知単位」と、「通知先端末」と、「通知内容」とが含まれる。
【0054】
データ項目「分析結果」には、分析部113による分析結果が設定される。データ項目「通知単位」には、分析結果に応じた通知内容を端末40に通知する間隔が設定される。データ項目「通知先端末」には、当該通知内容を通知する通知先の端末40の情報(例えば、端末ID等)が設定される。データ項目「通知内容」には、当該通知内容を示す情報(例えば、当該通知内容を表す文言や文章、コード等)が設定される。なお、データ項目「通知内容」には、通知先の端末40に応じて当該通知内容を示す情報が設定されていてもよい(すなわち、例えば、通知先の端末40に応じて、異なる通知内容を示す情報が設定されていてもよい。)。
【0055】
このように、通知先情報テーブルには、1つ以上の通知先情報データが格納されており、各通知先情報データには、分析結果に応じた通知先端末の情報が含まれている。これにより、飼料管理装置10は、分析結果に応じて、通知内容を通知する端末40を特定して、該当の通知内容を通知することができる。例えば、分析結果が「残量が閾値を下回った飼料タンクがある」ものである場合、飼料管理装置10は、日次で、牧場管理者端末40Aと特約店端末40Bとに対して該当の通知内容を通知することができる。同様に、例えば、分析結果が「同時に飼料を配送可能な飼料タンクがある」ものである場合、飼料管理装置10は、日次で、配送会社端末40Dに対して該当の通知内容を通知することができる。
【0056】
<処理の流れ>
以降では、本実施形態に係る飼料管理装置10が実行する処理の流れについて説明する。まず、飼料残量データを集計して集計データを作成した後に、この集計データを分析する場合について説明する。また、この説明の後に、他の例として、集計データを分析するための分析手法が選択された後に、この選択された分析手法に応じた集計を行う場合について説明する。
【0057】
本実施形態に係る飼料管理装置10が実行する処理の流れについて、
図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態に係る飼料管理装置10が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0058】
飼料管理処理部110の受信部111は、中継装置30からの飼料残量データを受信する(ステップS101)。そして、飼料管理処理部110の受信部111は、上記のステップS101で受信した飼料残量データを記憶部120に保存する(ステップS102)。これらのステップS101及びステップS102は、中継装置30から飼料残量データが送信される度に繰り返し実行される。
【0059】
以降のステップS103~ステップS106は、所定の時間毎に繰り返し実行される。このような所定の時間としては、例えば、数時間や日次(24時間)等が挙げられる。
【0060】
飼料管理処理部110の集計部112は、記憶部120に記憶されている飼料残量データと、飼料タンク情報データと、牧場情報データとを用いて、これらの飼料残量データに含まれる残量を様々な軸で集計した集計データを作成する(ステップS103)。そして、集計部112は、作成した集計データを記憶部120に保存する。ここで、以降では、集計方法の一例について説明する。
【0061】
(集計方法1)集計対象の軸が1つ(例えば、「日」、「週」等)
・例えば、集計対象の項目を「日」で集計する場合
集計部112は、各飼料残量データに含まれる残量を日次で集計した集計データ(つまり、飼料タンク単位に日次で集計した集計データ)を作成する。この場合、集計データの残量としては、同一日に属する飼料残量データに含まれる残量のうち、日時が最新の飼料残量データに含まれる残量を用いる。
【0062】
なお、例えば、日時が年月日及び時分で表現されている場合、日次で集計するとは、各飼料残量データのデータ項目「日時」を抽象化した項目「年月日」で、データ項目「残量」の項目値を集計することを意味する。
【0063】
・例えば、集計対象の項目を「週」で集計する場合
集計部112は、各飼料残量データに含まれる残量を週次で集計した集計データ(つまり、飼料タンク単位に週次で集計した集計データ)を作成する。この場合、集計データの残量としては、同一週に属する飼料残量データに含まれる残量のうち、日時が最新の飼料残量データに含まれる残量(又は、同一週に属する飼料残量データに含まれる残量の平均値)を用いる。
【0064】
(集計方法2)集計対象の軸が2つ(例えば、「日」及び「牧場」等)
例えば、集計対象の項目を「日」及び「牧場」で集計する場合、集計部112は、各飼料残量データに含まれる残量を牧場単位に日次で集計した集計データを作成する。この場合、集計データの残量としては、同一日に属する飼料残量データに含まれる残量のうち、日時が最新の飼料残量データに含まれる残量を、同一牧場IDで合計した合計値を用いる。
【0065】
なお、上記の集計方法2では、集計対象の項目を「日」及び「牧場」としたが、例えば、集計対象の項目を「日」及び「担当者」としても、同一担当者で合計することで同様に集計することができる。同様に、同一特約店で合計することで「日」及び「特約店」で集計してもよいし、同一配送会社で合計することで「日」及び「配送会社」で集計してもよいし、同一地域で合計することで「日」及び「地域」で集計してもよいし、同一飼料種類で合計することで「日」及び「飼料種類」で集計してもよい。
【0066】
(集計方法3)集計対象の軸が3つ以上
例えば、集計対象の項目を「月」、「地域」及び「飼料種類」で集計する場合、集計部112は、各飼料残量データに含まれる残量を地域単位かつ飼料種類単位に月次で集計した集計データを作成する。この場合、集計データの残量としては、同一地域及び同一飼料種類であって同一月に属する飼料残量データに含まれる残量のうち、日時が最新の飼料残量データに含まれる残量(又は、同一月に属する飼料残量データに含まれる残量の平均値)を用いる。
【0067】
なお、上記の集計方法3では、集計対象の項目を「月」、「地域」及び「飼料種類」の3つ以上としたが、集計対象の項目が4つ以上(例えば、「月」、「配送会社」、「地域」及び「飼料種類」等)であってもよい。
【0068】
なお、上記の(集計方法1)~(集計方法3)に示す集計方法は一例であって、集計部112は、飼料残量データ、飼料タンク情報データ及び牧場情報データの任意の軸(データ項目、又はデータ項目を抽象化若しくは詳細化した項目)を集計対象項目として集計データを作成することが可能である。
【0069】
次に、飼料管理処理部110の分析部113は、上記のステップS103で作成された集計データを分析する(ステップS104)。すなわち、分析部113は、上記のステップS103で作成された集計データと、飼料タンク情報データと、牧場情報データとを用いて、当該集計データを様々な方法で分析する。ここで、以降では、集計データの分析の一例について説明する。なお、分析は、主に、「発注、配送に関わる分析」と「飼料タンク内の飼料増減比率の変動に関わる分析」とに分類することができる。
【0070】
(発注、配送に関わる分析:分析方法1)飼料タンク単位に日次で集計した集計データ(上記の集計方法1により集計した集計データ)のうち、最新の集計データが表す残量と、所定の第1の閾値とを比較して、当該残量が第1の閾値を下回っているか否かを分析(判定)する。
【0071】
(発注、配送に関わる分析:分析方法2)上記の分析方法1で残量が第1の閾値を下回っていると判定された飼料タンクのうち、同時に飼料を配送可能な飼料タンクがあるか否かを分析する。同時に飼料を配送可能な場合とは、例えば、複数の飼料タンク間で飼料を配送する配送会社が同一で、かつ、これら複数の飼料タンクが同時に配送可能な地理的関係ある(例えば、同一地域内ある)場合等である。これら複数の飼料タンクに同時に飼料を配送することで、飼料配送の効率化が可能となる。
【0072】
(発注、配送に関わる分析:分析方法3)上記の分析方法1で残量が第1の閾値を下回っていないと判定された飼料タンクの中に、残量が第1の閾値を下回っている飼料タンクへの飼料の配送と同時に配送可能な飼料タンクであって、残量が第2の閾値(ただし、第2の閾値>第1の閾値)を下回っている飼料タンクがあるか否かを分析する。
【0073】
なお、残量が第1の閾値を下回っていないものの第2の閾値を下回っている飼料タンクとは、必ずしも飼料の補充が必要な飼料タンクではないが、他の飼料タンクへの飼料の配送と同時に飼料配送を行うことで、飼料配送を効率化することが可能な飼料タンクを意味する。
【0074】
上記の第1の閾値~第3の閾値は、例えば、飼料タンクや牧場、その他の各種条件(例えば時期、季節、気候等)に応じて適宜の値に設定されればよい。
【0075】
(飼料タンク内の飼料増減比率の変動に関わる分析:分析方法4)飼料タンク単位や牧場単位、地域単位の日次や週次、月次の集計データを用いて、飼料残量の変動傾向の変化を分析する。例えば、飼料タンク単位の日次の集計データが
図7に示すようなものであった場合、分析部113は、この集計データの分析によって、「飼料が減るスピードが遅くなった」ことや「飼料が減るスピードが早くなった」こと、「飼料の補充頻度が高まった」こと、「飼料が補充されなくなった」こと等を検出する。
【0076】
これらの変動傾向の変化を分析することで、牧場の運営管理や飼料開発等に有益な情報を提供することができるようになる。
【0077】
例えば、「飼料が減るスピードが遅くなった」ことが分析結果として得られた場合、飼料の配合が好ましくないこと等が原因として考えられ、飼料メーカの飼料開発等に有益な情報となる。また、この場合、例えば、牛の具合が悪い、牛舎の環境が悪い等が原因として考えられ、牧場の管理者や担当者の効果的な牧場運営に有益な情報となる。
【0078】
また、例えば、「飼料が減るスピードが早くなった」ことが分析結果として得られた場合、飼料の配合が適切であること等が理由として考えられ、飼料メーカの飼料開発等に有益な情報となる。
【0079】
また、例えば、「飼料の補充頻度が高まった」ことが分析結果として得られた場合、残量があっても飼料を発注する必要が出てきたと考えられる。この場合、例えば、牧場の管理者は、特約店や配送会社等の長期休暇等が原因で休暇前に飼料の補充が行われたこと等を知ることができる。
【0080】
また、例えば、「飼料が補充されなくなった」ことが分析結果として得られた場合、飼料タンクが利用されなくなったことが考えられ、例えば、飼料の配送及び補充を行う配送会社は、当該飼料タンクへの配送及び補充を停止する等の判断を行うことができる。
【0081】
次に、飼料管理処理部110の特定部114は、上記のステップS104における分析結果に応じて、通知内容と通知先の端末40とを特定する(ステップS105)。このとき、特定部114は、記憶部120に記憶されている通知先情報テーブルを参照して、通知先の端末40を特定する。
【0082】
例えば、上記の分析方法1の結果として或る飼料タンクの最新の集計データが表す残量が第1の閾値を下回っていると分析された場合(つまり、「残量が閾値を下回った飼料タンクがある」と分析された場合)、特定部114は、通知先情報テーブルを参照して、通知先及び通知内容を特定する。例えば、この場合、特定部114は、
図5に示す通知先情報テーブルの1つ目の通知先情報データから、通知先を「牧場管理者端末40A」と「特約店端末40B」とを特定する。
【0083】
また、特定部114は、これらの通知先に応じて、それぞれ通知内容を特定する。具体的には、例えば、通知先が「牧場管理者端末40A」に対しては通知内容を「残量が閾値をした飼料タンクがあります。」等と特定し、「特約店端末40B」に対しては通知内容を「○○牧場の飼料が不足しています。」等と特定する。これにより、例えば、牧場管理者端末40Aを利用する牧場管理者は、飼料の発注を行うことができる。また、例えば、特約店端末40Bを利用する担当者は、該当の飼料タンクの飼料配送及び補充を飼料メーカや配送会社に通知することができる。
【0084】
また、例えば、上記の分析方法2の結果として飼料が配送及び補充される飼料タンクと同時に飼料を配送可能な飼料タンクがあると分析された場合(つまり、「同時に飼料を配送可能な飼料タンクがある」と分析された場合)、特定部114は、通知先情報テーブルを参照して、通知先及び通知内容を特定する。この場合、特定部114は、
図5に示す通知先情報テーブルの2つ目の通知先情報データから、通知先を「配送会社端末40D」と特定する。また、特定部114は、この通知先に応じて、通知内容を特定する。具体的には、例えば、「同時に飼料を配送可能な飼料タンクがあります。」等と特定する。これにより、配送会社端末40Dを利用する担当者は、効率的に飼料に配送することが可能となる。
【0085】
なお、このとき、特定部114は、通知先を「特約店端末40B」と特定してもよい。これにより、特約店端末40Bを利用する担当者は、該当の飼料タンクの飼料配送及び補充を飼料メーカや配送会社に通知することができる。
【0086】
また、例えば、上記の分析方法3の結果として残量が第1の閾値を下回っていないと判定された飼料タンクの中に、残量が第1の閾値を下回っている飼料タンクへの飼料の配送と同時に配送可能な飼料タンクであって、残量が第2の閾値を下回っている飼料タンクがあると分析された場合、特定部114は、通知先情報テーブルを参照して、通知先及び通知内容を特定する。この場合、特定部114は、例えば、通知先を「特約店端末40B」(及び「配送会社端末40D」)、通知内容を「飼料の発注」等と特定する。この通知内容が特約店端末40B(及び配送会社端末40D)に通知されることで、該当の飼料タンクの飼料配送及び補充が、特約店経由で飼料メーカや配送会社に通知され、複数の飼料タンクへの飼料を同時に配送することが可能となる。
【0087】
また、例えば、特定部114は、上記の分析方法4の結果として「飼料Aが減るスピードが遅くなった」と分析された場合や「牧場Aで飼料Bが減るスピードが遅くなった」と分析された場合、特定部114は、通知先情報テーブルを参照して、通知先及び通知内容を特定する。例えば、分析結果が「飼料Aが減るスピードが遅くなった」である場合、特定部114は、通知先を「飼料メーカ端末40C」と特定する。また、特定部114は、通知内容を、例えば、「飼料Aの減るスピードが遅くっています。」等と特定する。一方で、例えば、分析結果が「牧場Aで飼料Bが減るスピードが遅くなった」である場合、特定部114は、通知先を「牧場管理者端末40A」と特定する。また、特定部114は、通知内容を、例えば、「牧場全体で飼料Bの減るスピードが遅くなっています。」等と特定する。これにより、牧場の管理者や飼料メーカの開発者、配送会社の担当者等は、それぞれ牧場の効率的な管理や飼料の効果的な開発、効率的な配送等に役立てることが可能となる。
【0088】
次に、飼料管理処理部110の通知部115は、上記のステップS105で特定された通知内容を、特定された通知先の端末40に通知する(ステップS106)。このとき、通知部115は、通知内容と共に、任意の情報(例えば、牧場内の全ての飼料タンクの最新の残量を表す情報)を通知してもよい。
【0089】
一例として、或る牧場内の全ての飼料タンクの最新の残量と或る飼料タンクの飼料が不足していることを示すメッセージとが通知内容として牧場管理者端末40Aに通知された場合に、当該牧場管理者端末40Aに表示される画面を
図8に示す。
図8に示す画面1000では、牧場内の全ての飼料タンクの最新の残量を含む各種情報が残量一覧1001に表示されている。また、
図8に示す画面1000には飼料の注文を促すメッセージ1002が表示されており、例えば牧場管理者が「はい」ボタン1003を押下することで、飼料の発注を行うことができる。なお、メッセージ1002には、例えば、「飼料の減少傾向から、○日後に飼料が無くなる可能性があります。」といったメッセージが表示されていてもよい。
【0090】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る飼料管理システム1は、牧場に設置されている飼料タンクの飼料残量を測定するセンサ20から飼料残量データを収集し、収集した飼料残量データを様々な軸で集計した集計データを作成する。そして、本実施形態に係る飼料管理システム1は、作成した集計データを分析し、この分析結果に応じた内容を端末40に通知する。
【0091】
これにより、例えば、牧場管理者が効率的な牧場の運営管理が行うことができるようになったり、飼料メーカが効果的な飼料を開発することができるようになったり、配送会社が効率的な飼料配送を行うことができるようになったりする。なお、本実施形態では、飼料の販売活動を飼料メーカから任された卸売業者として特約店が存在するものとしたが、特約店は無くてもよい。特約店が無い場合、飼料の注文等は、直接、飼料メーカ(の飼料メーカ端末40C)に行われる。
【0092】
なお、本実施形態に係る飼料管理装置10は、分析結果に応じて所定の端末40に所定の通知内容を通知する場合について説明したが、これに限られず、例えば、端末40からのアクセスに応じて、この端末40で分析結果を閲覧可能にしてもよい。このとき、端末40の種別(例えば、牧場管理者端末40A、特約店端末40B、飼料メーカ端末40C、配送会社端末40Dのいずれであるか)に応じて、当該端末40が閲覧可能な分析結果や分析結果の表示態様等を異ならせてもよい。具体的には、端末40が特約店端末40Bである場合には発注が必要な飼料タンクに関する情報を強調して表示させる一方で、端末40が牧場管理者端末40Aである場合には牛の健康状態に関係する情報を強調して表示させる、等である。
【0093】
(他の例)
ここで、本実施形態に係る飼料管理装置10は、飼料残量データを様々な軸で集計(
図6のステップS103)した後、この集計結果を様々な分析方法で分析(
図6のステップS104)したが、これに限られない。例えば、他の例として、本実施形態に係る飼料管理装置10は、複数の分析方法の中から1つ以上の分析方法が選択された場合に、これらの分析方法によって分析を行うために飼料残量データを所定の軸で集計した後、この集計結果を選択された分析方法で分析してもよい。これにより、選択された分析方法によって分析を行うために必要な集計のみが行われるため、本実施形態に係る飼料管理装置10は、効率的に集計及び分析を行うことが可能となる。
【0094】
複数の分析方法の中から2つ以上の分析方法を選択する場合としては、例えば、「同時に配送可能な飼料タンクがある」か否かを分析するために(言い換えれば、「同時に配送可能な飼料タンク」がある場合には、その旨の通知を受けたい場合等に)、上記の分析方法1及び分析方法3を選択すること等が挙げられる。この場合、例えば、分析方法1及び分析方法2の分析に必要な集計のみが行われ、効率的に集計及び分析を行うことが可能となる。
【0095】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 飼料管理システム
10 飼料管理装置
20 センサ
30 中継装置
40 端末
110 飼料管理処理部
111 受信部
112 集計部
113 分析部
114 特定部
115 通知部
120 記憶部