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特許7384966平面駆動装置および平面駆動装置を運転するための方法
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  • 特許-平面駆動装置および平面駆動装置を運転するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】平面駆動装置および平面駆動装置を運転するための方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20231114BHJP
   B23P 19/04 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
B25J5/00 Z
B23P19/04 H
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022101642
(22)【出願日】2022-06-24
(65)【公開番号】P2023004967
(43)【公開日】2023-01-17
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】10 2021 116 528.8
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521077576
【氏名又は名称】シンテゴンテクノロジー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Syntegon Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Stuttgarter Strasse 130, 71332 Waiblingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン シュヴァルツ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス クライナート
【審査官】國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-086986(JP,A)
【文献】特開昭63-162179(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0030995(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
B23P 19/00 - 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面駆動装置(10)であって、第1のプラットフォーム(16)と第2のプラットフォーム(18)とを備えており、前記第1のプラットフォーム(16)と前記第2のプラットフォーム(18)とは、駆動テーブル(12)上にてX-Y平面(14)内で可動であり、前記第1のプラットフォーム(16)は、架台(20)と、伝動機構(22)と、作業工具(28)を配置するための作業プラットフォーム(24)とを有しており、前記伝動機構(22)によって、前記X-Y平面(14)に対する前記作業プラットフォーム(24)の間隔の調整が可能であり、前記第2のプラットフォーム(18)は、架台(30)と、前記作業プラットフォーム(24)に少なくとも間接的に運動連結された駆動要素(32)とを有しており、これによって、前記X-Y平面(14)の範囲内での両方の前記プラットフォーム(16,18)の間隔の変化により、前記X-Y平面(14)に対する前記作業プラットフォーム(24)の間隔が調整可能である、平面駆動装置(10)において、
前記X-Y平面(14)に対する前記作業プラットフォーム(24)の間隔を調整するために、前記駆動要素(32)と前記伝動機構(22)とは、前記X-Y平面(14)に対して垂直な運動平面(60)内で有効であり、前記駆動要素(32)は、前記運動平面(60)に対して垂直な作業軸線(62)に沿って前記作業プラットフォーム(24)に対して可動であり、前記作業工具(28)の第1の区分(72)が、前記駆動要素(32)に結合されており、前記作業工具(28)の第2の区分(74)が、前記作業プラットフォーム(24)に結合されており、これによって、前記作業軸線(62)に対して平行な方向への前記X-Y平面(14)内での前記プラットフォーム(16,18)の相対運動により、前記作業工具(28)は、前記第1の区分(72)と前記第2の区分(74)とが互いに異なる相対位置をとる少なくとも2つの互いに異なる作業状態に移行可能であることを特徴とする、平面駆動装置(10)。
【請求項2】
前記作業工具(28)は複数の作業領域(76)を有することを特徴とする、請求項1記載の平面駆動装置(10)。
【請求項3】
前記作業工具(28)は、第1の作業状態で閉鎖されていて、該第1の作業状態と異なる第2の作業状態で開放されている把持工具であることを特徴とする、請求項1または2記載の平面駆動装置(10)。
【請求項4】
前記伝動機構(22)は4節リンク機構として形成されており、前記架台(20)と前記作業プラットフォーム(24)とは、2つの伝動機構要素を成していることを特徴とする、請求項1記載の平面駆動装置(10)。
【請求項5】
前記4節リンク機構は、4つの回動ジョイント(36,38,44,46)を備える平行四辺形ガイドとして形成されていることを特徴とする、請求項4記載の平面駆動装置(10)。
【請求項6】
前記駆動要素(32)は、1つの回動ジョイント(52)によって前記第2のプラットフォーム(18)に支承されていることを特徴とする、請求項1記載の平面駆動装置(10)。
【請求項7】
前記駆動要素(32)は、1つの回動摺動ジョイント(58)によって前記作業プラットフォーム(24)に運動連結されていることを特徴とする、請求項1記載の平面駆動装置(10)。
【請求項8】
前記回動摺動ジョイント(58)のジョイントピン(56)が、前記伝動機構(22)の1つの回動ジョイント(46)を同時に成していることを特徴とする、請求項7記載の平面駆動装置(10)。
【請求項9】
前記両方のプラットフォーム(16,18)の両方の前記架台(20,30)は、同一部材として提供されていることを特徴とする、請求項1記載の平面駆動装置(10)。
【請求項10】
前記作業工具(28)の終端位置を規定するために、前記伝動機構(22)用のストッパ(82)が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の平面駆動装置(10)。
【請求項11】
前記作業工具(28)は、少なくとも終端位置において前記駆動テーブル(12)の前記X-Y平面(14)の境界(84)を越えて突出していることを特徴とする、請求項1記載の平面駆動装置(10)。
【請求項12】
請求項1記載の平面駆動装置(10)を運転するための方法であって、
前記両方のプラットフォーム(16,18)を前記X-Y平面(14)内で駆動して、該X-Y平面(14)に対する前記作業プラットフォーム(24)の間隔を、前記X-Y平面(14)に対して垂直なZ軸(26)に沿って変化させ、かつ/または、前記作業工具(28)を変化した作業状態に移行するために、前記第1のプラットフォーム(16)を静止させ、前記第2のプラットフォーム(18)を運動させることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面駆動装置であって、第1のプラットフォームと第2のプラットフォームとを備えており、第1のプラットフォームと第2のプラットフォームとは、駆動テーブル上にてX-Y平面内で可動であり、第1のプラットフォームは、架台と、伝動機構と、作業工具を配置するための作業プラットフォームとを有しており、伝動機構によって、X-Y平面に対する作業プラットフォームの間隔の調整が可能であり、第2のプラットフォームは、架台と、作業プラットフォームに少なくとも間接的に運動連結された駆動要素とを有しており、これによって、X-Y平面の範囲内での両方のプラットフォームの間隔の変化により、X-Y平面に対する作業プラットフォームの間隔が調整可能である、平面駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2018/176137号、国際公開第2020/243814号および独国特許出願公開第102006038505号明細書に基づき、冒頭に記載した平面駆動装置が公知である。この公知の平面駆動装置のプラットフォームは、「ムーバー」とも呼ばれる。このムーバーは、例えば磁力によって駆動テーブル上にて駆動可能である。プラットフォームは、X-Y平面の範囲内で自由に可動である。このX-Y平面に対する、第1の作業プラットフォームに配置された作業工具の間隔は、プラットフォームを運動させることによって調整することもでき、これによって、作業工具が空間内で自由に位置決め可能となる。
【0003】
作業工具を操作するためには、エネルギー供給が必要となる。このために、ラインを介して作業工具の駆動装置に接続された定置のエネルギー源が提供されてよい。また、作業プラットフォームと一緒に運動し、時間間隔を置いて再び充電されるエネルギー蓄積器が提供されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根底にある課題は、装置の作業工具を簡単に操作することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、冒頭に記載した形態の平面駆動装置において、X-Y平面に対する作業プラットフォームの間隔を調整するために、駆動要素と伝動機構とが、X-Y平面に対して垂直な運動平面内で有効であり、駆動要素が、運動平面に対して垂直な作業軸線に沿って作業プラットフォームに対して可動であり、作業工具の第1の区分が、駆動要素に結合されており、作業工具の第2の区分が、作業プラットフォームに結合されており、これによって、作業軸線に対して平行な方向へのX-Y平面内でのプラットフォームの相対運動により、作業工具が、第1の区分と第2の区分とが互いに異なる相対位置をとる少なくとも2つの互いに異なる作業状態に移行可能であることによって解決される。
【0006】
本発明に係る平面駆動装置は、作業工具を操作するために必要となるエネルギーを、駆動テーブル上にて運動するプラットフォーム同士の相対運動によって提供することができるという利点を有している。この運動のために必要となる駆動装置および駆動エネルギーは、すでにプラットフォームをX-Y運動で運動させるために使用可能である。これによって、冒頭に記載した、作業工具にのみ割り当てられた別のエネルギー供給の付加的な構成部材を不要にすることが可能となる。このことは、作業工具が、(定置のエネルギー源と比較して)ラインによって妨害されることなく自由に位置決め可能となり、作業プラットフォームが、(作業プラットフォームに配置されたエネルギー蓄積器と比較して)専ら作業工具の配置のためにのみ使用可能となるという利点を有している。
【0007】
X-Y平面に対する作業プラットフォームの間隔の調整のために、第2のプラットフォームの駆動要素と、第1のプラットフォームの伝動機構の要素または要素の部分量および作業プラットフォームとを、X-Y平面に対して垂直な移動平面内で運動させる。これによって、X-Y-Z空間の内部での作業工具の自由に選択可能な位置決めが可能となる。
【0008】
第2のプラットフォームおよびその駆動要素は、前述した運動平面に対して垂直な方向で作業軸線に沿って作業プラットフォームに対して可動である。しかしながら、この場合、駆動要素は、好ましくは不動に作業工具の第1の区分に結合されており、これによって、作業軸線に対して平行な方向への第2のプラットフォームの運動によって、作業工具の第1の区分を、第2のプラットフォームと一緒に作業軸線に対して平行に運動させることが生じる。こうして、好ましくは不動に作業プラットフォームに結合された作業工具の第2の区分に対する相対運動が発生する。こうして、付加的なエネルギー供給に頼る必要なしに、作業工具を少なくとも2つの互いに異なる作業状態に移行することが可能となる。
【0009】
作業工具が複数の作業領域を有すると特に好適である。作業工具の作業状態を、作業軸線に対して平行な方向への両方のプラットフォームの相対運動によって(好ましくは互いに同時に)変化させてもよい。
【0010】
作業工具が、第1の作業状態で閉鎖されていて、この第1の作業状態と異なる第2の作業状態で開放されている把持工具であると特に好適である。この場合、把持工具の開放された状態は、把持工具が少なくとも1つの把持すべき対象物に対して可動であることに対応している。閉鎖された状態は、少なくとも1つの対象物が把持工具に保持されていることに対応している。
【0011】
好適な実施形態は、伝動機構が4節リンク機構として形成されており、架台と作業プラットフォームとが、2つの伝動機構要素を成していることを特定している。両方の伝動機構要素は、特に二重リンクを介して互いに連結されている。
【0012】
4節リンク機構が、4つの回動ジョイントを備える平行四辺形ガイドとして形成されていると特に好適である。これによって、X-Y平面に対する作業プラットフォームの間隔の調整のために、作業プラットフォームの位置の正確かつ簡単な変更が可能となる。
【0013】
第2のプラットフォームの駆動要素に対しても、この駆動要素が、1つの回動ジョイントによって第2のプラットフォームに支承されていると好適である。これによって、作業プラットフォームと少なくとも間接的に協働するクランク要素の簡単な提供が可能となる。この場合、駆動要素は、作業プラットフォーム自体に可動に結合されていてもよいし、第1のプラットフォームの伝動機構の一部に可動に結合されていてもよい。
【0014】
駆動要素が、1つの回動摺動ジョイントによって作業プラットフォームに(少なくとも間接的に)運動連結されていると特に好適である。このことは、駆動要素が、運動平面の範囲内での運動時にこの運動平面の範囲内で回動摺動ジョイントの回動軸線の位置を(作業プラットフォームの間隔調整のために)変化させ、(作業軸線に相当する)回動摺動ジョイントの回動軸線に対して平行な駆動要素の運動によって、作業工具が、前述したように操作されることを意味している。
【0015】
回動摺動ジョイントのジョイントピンが、伝動機構の1つの回動ジョイントを同時に成していると特に好適である。これによって、特に簡単で信頼度の高い構造を提供することができる。
【0016】
両方のプラットフォームの両方の架台が、同一部材として提供されていると、構造の更なる簡略化が達成される。
【0017】
作業工具の終端位置を規定するために、伝動機構用のストッパが設けられているとさらに好適である。このストッパは、好ましくは、第1のプラットフォームの架台に配置されている。これによって、作業工具の特に正確な位置決めが可能となる。
【0018】
作業工具が、少なくとも終端位置において駆動テーブルのX-Y平面の境界を越えて突出しているとさらに好適である。こうして、作業工具を、駆動テーブルよりも外側に配置された生産領域にも位置決めすることができる。
【0019】
本発明は、さらに、前述した平面駆動装置を運転するための方法に関する。本発明によれば、両方のプラットフォームが、X-Y平面内で駆動されて、このX-Y平面に対する作業プラットフォームの間隔を、X-Y平面に対して垂直なZ軸に沿って変化させる。こうして、作業工具をX-Y平面に対して垂直な方向で昇降させることができる。
【0020】
作業工具を変化した作業状態に移行するために、第1のプラットフォームが静止され、第2のプラットフォームが運動されると好適である。これによって、作業工具の第2の区分を静止させた状態で作業工具の操作が可能となる。
【0021】
本発明の更なる特徴および利点は、好適な実施例の以下の説明および図示の対象である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】作業工具と、この作業工具に保持された対象物とを含めた平面駆動装置の一実施形態の斜視図である。
図2図1に示した平面駆動装置の側面図である。
図3図1に示した平面駆動装置の平面図である。
図4】作業工具の操作時の平面駆動装置の図3に対応する平面図である。
図5図3に符号Vで示した区分を対象物なしで作業工具の閉鎖された作業状態で示す拡大図である。
図6】作業工具の開放された作業状態における図5に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図中、平面駆動装置には全体的に符号10が付してある。この平面駆動装置10は駆動テーブル12を備えている。この駆動テーブル12は、真っ平らなX-Y平面14を規定している。このX-Y平面14内では、第1のプラットフォーム16と、この第1のプラットフォーム16から独立して、第2のプラットフォーム18とが可動に駆動可能である。
【0024】
第1のプラットフォーム16は、架台20と、伝動機構22と、作業工具28を配置するための作業プラットフォーム24とを備えている。X-Y平面14に対する作業プラットフォーム24および作業工具の間隔は調整可能であり、これによって、作業工具28が、X-Y平面14と、これに対して垂直なZ軸26とによって規定された空間内で自由に位置決め可能となる。
【0025】
第2のプラットフォーム18は、架台30と駆動要素32とを備えている。
【0026】
第1のプラットフォーム16の架台20は、2つの回動ジョイント36,38を配置するための架台部分34を備えている。2つの回動ジョイントの各々には、それぞれ1つのリンク40;42が回動可能に支承されている。このリンク40,42自体は、第3の回動ジョイント44または第4の回動ジョイント46を介して回動可能に作業プラットフォーム24に結合されている。
【0027】
第1の回動ジョイント36と第2の回動ジョイント38との間の間隔は、第3の回動ジョイント44と第4の回動ジョイント46との間の間隔に等しく、また、リンク40,42のジョイント間隔が互いに等しいので、伝動機構22は、平行四辺形ガイドの形態の4節リンク機構を形成している。これによって、作業プラットフォーム24が、架台部分34を中心とした円弧状の運動に沿って同一の向きを維持することが可能となる(図2に示した符号24,24’参照)。こうして、作業工具28に保持された対象物48もその空間姿勢を維持することができる(図2に示した符号48’を参照)。
【0028】
第2のプラットフォーム18の架台30は、好ましくは、架台部分34と同じ構造を有する架台部分50を備えている。この架台部分50は、好ましくはクランクバー54の形態で提供された駆動要素32の回動支承用の回動ジョイント52を配置するために用いられる。
【0029】
第1のプラットフォーム16の伝動機構22の第4の回動ジョイント46は、ジョイントピン56を備えている(図3を参照)。駆動要素32の、回動ジョイント52に対して離間した端部は、回動摺動ジョイント58を介してジョイントピン56に結合されている。つまり、駆動要素32は、回動摺動ジョイント58の領域でジョイントピン56を中心として回動可能であり、同時に、回動ジョイント46の回動軸線と平行に、ジョイントピン56に対して摺動可能である。
【0030】
X-Y平面14に対する作業プラットフォーム54の間隔の調整は、1つの運動平面60の範囲内での、第1のプラットフォーム16のリンク40,42および作業プラットフォーム24と、第2のプラットフォーム18の駆動要素32との運動を生じさせる。運動平面60は、X-Y平面14に対して垂直方向を向いている(図3を参照)。
【0031】
X-Y平面14に対する作業プラットフォーム24の変更された間隔の調整のために、両方のプラットフォーム16,18の間の間隔を、X-Y平面14の範囲内で変化させる(第2のプラットフォーム18の運動を破線によって示した図2を参照、符号18’を参照)。好ましくは、第1のプラットフォーム16は静止している。
【0032】
プラットフォーム16,18の架台20;30の前述した相対運動によって、クランク要素54が、回動ジョイント52を中心として旋回する。この運動は、回動摺動軸受58によって(運動平面60の範囲内で)ジョイントピン56に伝達され、そして、このジョイントピン56は、作業プラットフォーム24とリンク40,42とを、第1のプラットフォーム16の架台20に対する、作業プラットフォーム24の円弧状の運動のために駆動する。
【0033】
全ての回動ジョイント36,38,44,46,52の回動軸線は、互いに平行にかつ運動平面60に対して垂直に延びている。同時に、駆動要素32は、回動摺動ジョイント58によって、運動平面60に対して垂直な作業軸線62(図3および図4を参照)に沿って作業プラットフォーム24に対して可動である。この可動性は、第2のプラットフォーム18および駆動要素32の破線の図示によって図4に明示してある。
【0034】
作業軸線62に対して平行な方向へのこのような運動は、作業軸線62に沿ったかつ運動平面60に対して垂直な駆動要素32の、図5および図6に示したオフセット64を生じさせる。
【0035】
駆動要素32は、端部側に配置された、ジョイントピン56を回動可能かつ摺動可能に収容するための支承スリーブ66を有している。駆動要素32は、さらに、連結区分68を介して、作業工具28の第1の区分72の取付け領域70に結合されている。つまり、作業軸線62に対して平行な方向への駆動要素32の運動は、連結区分68と取付け区分70とを介して作業工具28の第1の区分72に伝達される。
【0036】
作業工具28の第2の区分74は、作業プラットフォーム24に固く結合されている。
【0037】
作業工具28は、複数の作業領域76を有している。これらの作業領域76は、特にそれぞれ把持領域として形成されている。これらの把持領域は、対象物48を把持するために閉鎖することができる(作業工具28の第1の作業状態、図5を参照)か、または対象物48を解放するために開放することができる(作業工具28の第2の作業状態、図6を参照)。
【0038】
作業工具28の第1の区分72は、把持面78を有している。この把持面78は、作業工具28の第2の区分74の把持面80に向けられている。把持面78,80同士の間隔の変化は、把持領域76の閉鎖(図5を参照)または把持領域76の開放(図6を参照)を生じさせる。
【0039】
把持領域76は、第2のプラットフォーム18の架台30が、X-Y平面内で(第1のプラットフォーム16を好ましくは静止させたまま)作業軸線62に対して平行な方向に駆動されることによって開閉される。これによって、駆動要素32が、作業軸線62に沿って摺動し、ひいては、連結区分68と、作業工具28の取付け区分70および第1の区分72とを連行し、ひいては、把持面78の間隔を、作業工具28の第2の区分74の不動の把持面80に対して変化させる。
【0040】
伝動機構22が終端姿勢をとる伝動機構22の終端位置で作業工具28の操作を行うことは可能であるが、必ずしも必要というわけではない。このような終端姿勢を規定するために、ストッパ82が設けられていてよい。このストッパ82は、好ましくは、第1のプラットフォーム16の架台20に配置されていて、リンク40用の載置体として用いられる。このことは、終端姿勢において作業工具28が駆動テーブル12の境界84を越えて突出している(図2を参照)場合に特に有利であり、これによって、作業工具が、駆動テーブル12よりも外側の生産領域86にも位置決め可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6