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特許7384970ユーザー認証装置、ユーザー認証方法および画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】ユーザー認証装置、ユーザー認証方法および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20231114BHJP
【FI】
G06F21/32
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022114124
(22)【出願日】2022-07-15
(62)【分割の表示】P 2018141535の分割
【原出願日】2018-07-27
(65)【公開番号】P2022159291
(43)【公開日】2022-10-17
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】峠田 正樹
【審査官】平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-226293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの生体特徴を含む登録ユーザーの情報を登録する登録部と
記ユーザーの生体特徴を検出する生体検出部と、
検出された前記ユーザーの生体特徴と同一または類似の生体特徴を含む前記登録ユーザーを選別するユーザー選別部と、
選別された前記登録ユーザーの情報を含む認証画面を表示する表示部と
前記ユーザーから一人の前記登録ユーザーの特定の操作を受け付ける操作部とを備え
前記操作部が一人の前記登録ユーザーの特定の操作を受け付けた場合であっても、すぐにログイン処理を実行せず、前記生体検出部は前記ユーザーの生体特徴を再度検出して、前記ユーザーがたしかに特定された前記登録ユーザーであるか否かの認証をさらに行うことを特徴とするユーザー認証装置。
【請求項2】
前記登録ユーザーの情報は、前記登録ユーザーの顔画像を含み、
前記表示部は、選別された前記登録ユーザーの顔画像を少なくとも含む前記認証画面を表示する請求項1に記載のユーザー認証装置。
【請求項3】
検出された前記ユーザーの生体特徴を前記登録ユーザーの生体特徴と照合してそれらの類似度を判定する判定部をさらに備え、
選別された前記登録ユーザーが複数存在する場合、前記表示部は、前記類似度の高い順に前記登録ユーザーの情報を配列した前記認証画面を表示する請求項1に記載のユーザー認証装置。
【請求項4】
検出された前記ユーザーの生体特徴を前記登録ユーザーの生体特徴と照合してそれらの類似度を判定する判定部をさらに備え、
選別された前記登録ユーザーが複数存在する場合、前記表示部は、前記類似度が高いほど前記登録ユーザーの情報の表示領域を大きくした前記認証画面を表示する請求項1に記載のユーザー認証装置。
【請求項5】
検出された前記ユーザーの生体特徴と同一または類似の生体特徴を含む前記登録ユーザーが存在しない場合、前記表示部は、前記認証画面とは異なる認証画面を表示する請求項1に記載のユーザー認証装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記異なる認証画面としてログイン名およびパスワードの入力を受け付ける入力画面を表示する請求項5に記載のユーザー認証装置。
【請求項7】
ユーザー認証装置のプロセッサによって実行されるユーザー認証方法であって、
ユーザーの生体特徴を含む登録ユーザーの情報を登録し
記ユーザーの生体特徴を検出し、
検出された前記ユーザーの生体特徴と同一または類似の生体特徴を含む前記登録ユーザーを選別し、
選別された前記登録ユーザーの情報を含む認証画面を表示し、
前記ユーザーから一人の前記登録ユーザーの特定の操作を受け付け、
一人の前記登録ユーザーの特定の操作を受け付けた場合であっても、すぐにログイン処理を行わず、前記ユーザーの生体特徴を再度検出して、前記ユーザーがたしかに特定された前記登録ユーザーであるか否かの認証をさらに行うことを特徴とするユーザー認証方法。
【請求項8】
請求項1に記載のユーザー認証装置と、
画像データを処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって処理された画像データに基づき、画像を形成する画像形成部とを備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザー認証装置、ユーザー認証方法および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、複合機等の電子機器において、ユーザーの顔や虹彩、指紋、声紋等の生体特徴を検出して予め登録されたユーザーの生体特徴のデータと照合することで個人認証を行う個人認証技術が採用されている。
【0003】
このような個人認証技術としては、例えば、撮影されるユーザーの情報を登録されたユーザーの特徴情報と照合する際に、情報処理装置から受信するジョブからカメラで撮影される可能性のあるユーザー候補を特定するジョブ情報を生成してカメラに送信することにより、照合すべきユーザー候補を限定して、効率よく照合処理を完了して、かつ照合精度を向上する画像処理システムの発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
また、個人認証を行うための少なくとも1つの生体特徴を特定する認証条件データをユーザーが携帯するICカードに記憶し、このICカードから読み取った認証条件データに対応する生体特徴をユーザーから検出することで、ユーザーの要望に合わせた複数の生体特徴を用いる個人認識を可能にする個人認証方法の発明が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-147367号公報
【文献】特開2000-268175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような生体特徴を検出して個人認証を行う個人認証技術は、ユーザーと同一または類似の生体特徴をもつ多数の登録ユーザーが登録されている場合、ユーザーの特定が困難となることがある。
また、顔認証の場合、撮影された顔の角度や陰影などにより認証の精度が低くなるため、撮影時の状況によって、ユーザーの特定が困難になることもある。
それゆえ、従来、個人の特定には、高い精度の生体認証技術が求められていた。
【0007】
一方、生体認証技術が個々のユーザーを特定できるほど高い精度を有さない場合であっても、例えば、ユーザーの利便性向上のために活用するなど、生体認証技術の新たな用途も求められている。
【0008】
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、生体認証を用いてユーザーの選択を補助するユーザー選択補助装置、画像形成装置、ユーザー選択補助方法およびユーザー選択補助プログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、複数人のユーザーについて生体特徴を含む各ユーザーの情報を予め登録してリストを作成する登録部と、一人のユーザーの現在の生体特徴を新たに検出する生体
検出部と、検出された生体特徴を登録された前記生体特徴と照合し、それらの類似の程度を判定する判定部と、前記類似の程度が予め定められた基準を満たす生体特徴を有する一人以上の登録ユーザーを前記リストから選別して選別ユーザーリストを作成するユーザー選別部と、前記選別ユーザーリストを表示する表示部と、前記選別ユーザーリストから特定の登録ユーザーの選択を受け付ける入力部と、前記入力部が特定の登録ユーザーの選択を受け付けた場合、予め定められた処理を実行する実行処理部とを備えたことを特徴とするユーザー選択補助装置を提供する。
また、本発明は、前記ユーザー選択補助装置と、画像データを処理する画像処理装置と、前記画像処理装置によって処理された画像データに基づき、画像を形成する画像形成部とを備えた画像形成装置を提供する。
また、本発明は、複数人のユーザーについて生体特徴を含む各ユーザーの情報を予め登録してリストを作成する登録ステップと、一人のユーザーの現在の生体特徴を新たに検出する生体検出ステップと、検出された生体特徴を登録された前記生体特徴と照合し、それらの類似の程度を判定する判定ステップと、前記類似の程度が予め定められた基準を満たす生体特徴を有する一人以上の登録ユーザーを前記リストから選別して選別ユーザーリストを作成するユーザー選別ステップと、前記選別ユーザーリストを表示する表示ステップと、前記選別ユーザーリストから特定の登録ユーザーの選択を受け付ける入力ステップと、前記入力ステップにおいて特定の登録ユーザーの選択が受け付けられた場合、予め定められた処理を実行する実行処理ステップとを有することを特徴とするユーザー選択補助方法を提供する。
また、本発明は、ユーザー選択補助装置のプロセッサに、複数人のユーザーについて生体特徴を含む各ユーザーの情報を予め登録してリストを作成する登録ステップと、一人のユーザーの現在の生体特徴を新たに検出する生体検出ステップと、検出された生体特徴を登録された前記生体特徴と照合し、それらの類似の程度を判定する判定ステップと、前記類似の程度が予め定められた基準を満たす生体特徴を有する一人以上の登録ユーザーを前記リストから選別して選別ユーザーリストを作成するユーザー選別ステップと、前記選別ユーザーリストを表示する表示ステップと、前記選別ユーザーリストから特定の登録ユーザーの選択を受け付ける入力ステップと、前記入力ステップにおいて特定の登録ユーザーの選択が受け付けられた場合、予め定められた処理を実行する実行処理ステップとを実行させることを特徴とするユーザー選択補助プログラムを提供する。
【0010】
本発明において、「ユーザー選択補助装置」は、ユーザーが、予め登録された複数人の登録ユーザーのリストの中から自分自身の登録情報を特定して選択する際に、当該選択に係るユーザーの生体特徴を検出して、類似の生体特徴を有する一人以上の登録ユーザーに当該リストを絞り込むことによって、ユーザーの選択の利便性を向上させる装置である。
「生体特徴」は、顔や虹彩、指紋、声紋等のユーザーを特定するための生体特徴である。生体特徴は1つに限らず、複数の生体特徴の組み合わせであってもよい。
「予め定められた基準」は、選択に係るユーザーの生体特徴と類似の程度が所定の範囲内の生体特徴を有する登録ユーザーに絞り込むための基準である。
「ユーザー情報」は、ユーザーの名前や顔写真、メールアドレス、ID等のユーザーを特定するための情報である。
「予め定められた処理」は、例えば、ユーザー認証後のログイン処理や印刷等の所定のジョブの実行処理、所定のデータの表示または送信処理などの処理である。
「ユーザー選択補助プログラム」は、ユーザー選択補助装置専用のプログラムに限られず、例えば、一般の画像形成装置のCPUやパーソナルコンピュータ等のコンピュータに当該プログラムを含むアプリケーションをインストールして実行されるものであってもよい。また、当該プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、選択に係るユーザーから検出した生体特徴に類似の生体特徴を有する
登録ユーザーにリストを絞り込むことによって、ユーザーの選択の利便性を向上させるユーザー選択補助装置、画像形成装置、ユーザー選択補助方法およびユーザー選択補助プログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係る画像形成システムの一例を示す説明図である。
図2図1に示すデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図3図1に示す画像形成システムによるユーザー選択補助処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図1に示す画像形成システムによる新認証ログイン画面の表示後の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図1に示すデジタル複合機の表示部の新認証ログイン画面の一例を示す説明図である。
図6図1に示すデジタル複合機の表示部の通常ログイン画面の一例を示す説明図である。
図7】実施形態2に係る画像形成システムによるユーザー選択補助処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】実施形態2に係るデジタル複合機の表示部の通常ログイン画面の一例を示す説明図である。
図9】実施形態3に係るデジタル複合機の表示部の通常ログイン画面の一例を示す説明図である。
図10】実施形態4に係る画像形成システムによる新認証ログイン画面の表示後の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】実施形態4に係るデジタル複合機の表示部の認証画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明をさらに詳述する。
なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、本発明を限定するものと解されるべきではない。
【0014】
〔実施形態1〕
図1および図2に基づき、本発明のユーザー選択補助装置を備えた画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機1について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係るユーザー選択補助装置を備えたデジタル複合機1を含む画像形成システム100の一例の外観を示す説明図である。図2は、図1に示すデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
なお、本発明のユーザー選択補助装置は、デジタル複合機1への適用に限定されるものではなく、選択に係るユーザーの登録情報を含む登録ユーザーのリストの選択機能を有するすべての機器に適用可能である。
【0016】
図1に示すように、本発明の画像形成システム100は、デジタル複合機1、サーバー2、情報処理装置3およびネットワーク4から構成される。
【0017】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有するMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの装置である。
【0018】
デジタル複合機1は、操作部182や通信部15を介して受付けたユーザーからの指示
に基づき、スキャナ、印刷、コピーまたは画像送信(Scan to Email, Scan to Ftp)等のジョブを実行する。
【0019】
サーバー2は、ネットワーク4を介してデジタル複合機1に接続されたホストサーバー等の装置である。
サーバー2内には、生体情報を含む登録ユーザーの情報から構成されたリストが保存される。
また、サーバー2は、クラウド上で構成されるクラウドサーバーであってもよい。
【0020】
なお、画像形成システム100は、サーバー2を備えず、デジタル複合機1の記憶部13内に当該リストを記憶させるようにしてもよい。
【0021】
情報処理装置3は、パーソナルコンピュータ(PC)等の装置である。情報処理装置3によって生成された画像データは、有線または無線のネットワーク4を経由してデジタル複合機1に出力される。
図1には、1台の情報処理装置3のみが示されているが、複数台の情報処理装置3が含まれていてもよい。
【0022】
ネットワーク4は、LAN、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)、専用の通信回線などの有線または無線のネットワークである。
【0023】
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像読取部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、給紙部16、人体感知センサ17、パネルユニット18、カメラ19および画像抽出部20を備える。
【0024】
本発明の「ユーザー選択補助装置」は、デジタル複合機1によって実現される。また、「登録部」は、記憶部13またはサーバー2と制御部10との協働によって実現される。また、本発明の「生体検出部」は、カメラ19、画像抽出部20および制御部10の協働によって実現される。また、本発明の「判定部」、「ユーザー選別部」および「実行処理部」は、制御部10によって実現される。また、本発明の「入力部」は、操作部182によって実現される。
【0025】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0026】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、人体感知センサ17などの各センサの検知、モーター、クラッチ、パネルユニット18等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0027】
画像読取部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。また、情報処理装置3またはファクシミリ装置(不図示)等のネットワーク4に接続された外部の装置で生成された画像データを取得する部分である。
【0028】
なお、情報処理装置3等から画像データを取得する場合、有線または無線のネットワーク4を経由して画像データを取得するものであっても、またはUSB等に記録された画像データを取得するものであってもよい。
【0029】
画像形成部12は、画像処理部14によって生成された画像データを用紙上に印刷出力
する部分であり、LSU121を備える。
LSU121は、画像読取部11によって取得されたデジタル信号からなる画像情報に対応するレーザー光を帯電状態にある感光体ドラムの表面に照射して、静電潜像を形成する装置である。
【0030】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0031】
画像処理部14は、画像読取部11によって読み取られた原稿画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成し、画像読取部11から入力された画像データを操作部182からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0032】
通信部15は、ネットワーク4を介して、サーバー2や情報処理装置3やファクシミリ装置等との外部の機器と通信を行い、電子メールやFAXデータなどの種々の情報をこれら外部の通信装置と送受信する部分である。
【0033】
給紙部16は、給紙カセットや手差トレイに格納された用紙を画像形成部12まで搬送する部分である。
【0034】
人体感知センサ17は、予め定められた範囲内にある人体を検知するセンサである。
人体感知センサ17として、例えば、人体の動作により生じた赤外線の変化量を検出する焦電素子を備えた焦電型赤外線センサなどが用いられる。
また、カメラ19等の撮像装置により取得した画像を解析することで人体を検知するものであってもよい。この場合、所定時間間隔で予め定められた範囲を撮像し、撮像した複数のフレーム間で画像の変化の有無を検出して、画像に変化があった場合、人体を発見したものとして、人体の検知を行う。
人体感知センサ17は、対象物が予め定められた範囲(例えば、0m~5m)内に存在する場合に出力する。
【0035】
パネルユニット18は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)を備えたユニットであり、表示部181および操作部182を備える。
【0036】
表示部181は、各種情報の表示を行う部分である。表示部181は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。制御部10は、表示部181を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0037】
操作部182は、タッチパネル1821および表示操作部1822を備え、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0038】
カメラ19は、デジタル複合機1の外部の画像を取得する部分である。カメラ19は、図2に示すように、移動経路RT等を通って予め定められた撮影範囲IA内に入ってきた人体を撮影する。
【0039】
画像抽出部20は、カメラ19によって取得された画像を処理して、画像内の人体の生
体特徴を抽出する部分である。
抽出される生体特徴としては、顔面や虹彩、体格等の特徴などがあげられる。
【0040】
なお、実施形態1においては、カメラ19および画像抽出部20による顔認証を例としてあげているが、例えば、操作部182のタッチパネル1821にタッチされたユーザーの指から指紋を抽出して解析する指紋認証や、マイクから取得したユーザーの声を音声解析する声紋認証などを採用してもよい。
【0041】
<画像形成システム100によるユーザー選択補助処理の一例>
次に、図3図6に基づき、本発明の実施形態1に係る画像形成システム100によるユーザー選択補助処理の一例について説明する。
図3は、図1に示す画像形成システム100によるユーザー選択補助処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図4は、図1に示す画像形成システム100による新認証ログイン画面の表示後の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0042】
図3のステップS1において、制御部10は、人体感知センサ17が人体を検知したか否かを判定する(ステップS1)。
人体感知センサ17が人体を検知した場合(ステップS1の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS2において、カメラ19にデジタル複合機1の外部の撮影範囲IAの画像を取得させる(ステップS2)。
その後、制御部10は、ステップS3の処理を行う(ステップS3)。
【0043】
一方、人体感知センサ17が人体を検知していない場合(ステップS1の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS1に戻す(ステップS1)。
【0044】
次に、ステップS3において、制御部10は、カメラ19が取得した画像に映されたユーザーの生体特徴(顔面の特徴等)を画像抽出部20に抽出させる(ステップS3)。
【0045】
続いて、ステップS4において、制御部10は、ネットワーク4を介して、サーバー2内に保存されている登録ユーザーのリストを取得する(ステップS4)。
【0046】
次に、ステップS5において、制御部10は、前記リストのうち、画像抽出部20が抽出した生体特徴と同一または類似の生体特徴を有する登録ユーザーが存在するか否かを判定する(ステップS5)。
同一または類似の生体特徴を有する登録ユーザーが存在する場合(ステップS5の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS6において、画像抽出部20によって抽出されたユーザーの生体特徴のデータと当該登録ユーザーの生体特徴のデータとを比較して、認識率を算出する(ステップS6)。
その後、制御部10は、ステップS8の判定を行う(ステップS8)。
【0047】
ここで、認識率は、例えば、検出された生体特徴の特徴点の数や、同一または類似の基準、または過去の認識結果のデータなどに基づいて算出される。
【0048】
一方、ステップS5において、同一または類似の生体特徴を有する登録ユーザーが存在しない場合(ステップS5の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS7において、通常の認証ログイン画面を表示部181に表示させ(ステップS7)、処理を終了する。
【0049】
次に、ステップS8において、制御部10は、認識率が予め定められた基準値以上か否かを判定する(ステップS8)。
認識率が所定の基準値以上の場合(ステップS8の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS9において、当該照合対象のデータを認識率リストに追加する(ステップS9)。
その後、制御部10は、ステップS10の判定を行う(ステップS10)。
【0050】
以下の表1に、認識率リストの一例を示す。
【0051】
【表1】
【0052】
一方、認識率が所定の基準値未満の場合(ステップS8の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS10の判定を行う(ステップS10)。
【0053】
次に、ステップS10において、制御部10は、対象となる全ての登録ユーザーについて照合が完了したか否かを判定する(ステップS10)。
全ての登録ユーザーについて照合が完了した場合(ステップS10の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS11において、認識率リストにデータが存在するか否かを判定する(ステップS11)。
【0054】
一方、全ての登録ユーザーについて照合が完了していない場合(ステップS10の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS12において、次の登録ユーザーの照合に移り(ステップS12)、処理をステップS6に戻す(ステップS6)。
【0055】
次に、ステップS11において、認識率リストにデータが存在する場合(ステップS11の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS13において、認識率リストを認識率順に並び替え、新認証ログイン画面を表示部181に表示させる(ステップS13)。
一方、認識率リストにデータが存在しない場合(ステップS11の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS7において、通常の認証ログイン画面を表示部181に表示させる(ステップS7)。
【0056】
図5は、図1に示すデジタル複合機1の表示部181の新認証ログイン画面の一例を示す説明図である。
図5に示すように、新認証ログイン画面において、認識率の高い順に登録ユーザーのリストが表示される。
この例において、ユーザーの顔写真、名前、メールアドレス、IDなどが表示されている。
ユーザーは、リスト表示された登録ユーザーのうち、1つをタッチすることで登録ユーザーを特定する。
【0057】
また、リストの右側のスクロールバーをスクロールすることで、ユーザーは、4番目以下のリストを参照することもできる。
【0058】
ここで、選択に係るユーザーが「甲田 一郎」である場合、ユーザーは、「甲田 一郎」のリストをタッチすることでログインすることが可能となる。
【0059】
図6は、図1に示すデジタル複合機1の表示部181の通常ログイン画面の一例を示す説明図である。
図6に示すように、通常ログイン画面が表示された場合、ユーザーは「ログイン名」と「パスワード」を入力することで、従来と同じようにログインすることが可能となる。
【0060】
次に、新認証ログイン画面を表示した後、制御部10は、図4のステップS14において、通常ログイン画面の表示が選択されたか否かを判定する(ステップS14)。
【0061】
具体的には、図5に示すように、表示部181に「通常ログイン画面」のアイコンを表示させる。ユーザーは、当該アイコンをタッチすることで、通常ログイン画面に遷移できるようにする。
【0062】
図4において、通常ログイン画面の表示が選択された場合(ステップS14の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS15において、表示部181に通常ログイン画面に切り替えさせ(ステップS15)、ユーザー選択補助処理を終了する。
【0063】
一方、通常ログイン画面の表示が選択されていない場合(ステップS14の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS16において、表示部181にリスト表示された複数の登録ユーザーのうち、一人の登録ユーザーが特定されたか否かを判定する(ステップS16)。
【0064】
一人の登録ユーザーが特定された場合(ステップS16の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS17において、ログイン処理を実行し(ステップS17)、ユーザー選択補助処理を終了する。
【0065】
一方、一人の登録ユーザーが特定されていない場合(ステップS16の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS14に戻す(ステップS14)。
【0066】
このように、選択に係るユーザーと同一または類似の生体特徴を有する登録ユーザーを認識率の高い順にリスト表示してユーザーに特定させることにより、ユーザーの選択の利便性を向上させるデジタル複合機1を実現することができる。
【0067】
〔実施形態2〕
次に、図7および図8に基づき、本発明の実施形態2に係る画像形成システム100によるユーザー選択補助処理について説明する。
【0068】
図7は、実施形態2に係る画像形成システム100によるユーザー選択補助処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図8は、実施形態2に係るデジタル複合機1の表示部181の通常ログイン画面の一例を示す説明図である。
【0069】
なお、図7のステップS21~S32はそれぞれ、図3のステップS1~S12に対応するため、説明を省略する。
ここでは、図3と異なるステップS33の処理について説明する。
【0070】
ステップS31において、リストに追加されたデータが存在する場合(ステップS31の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS33において、認識率リストを認識率順に並び替え、認識率に応じた大きさで、新認証ログイン画面を表示部181に表示させる(ステップS33)。
【0071】
図8の例では、表示部181の上ほど大きく、下ほど小さくなるように認識率リストを認識率に応じた大きさで表示させている。
なお、認識率リストの大きさの比率は、必ずしも認識率と一致させる必要はなく、画面の見やすさなどに応じて適宜変更してもよい。
【0072】
この場合、ユーザーが認識率リストの下側を見るため、当該認識率リストをスクロールした場合、上側に移動するほど認識率リストが大きく拡大され、最上端で一番大きくなるように表示部181に表示させてもよい。
【0073】
このように、認識率リストを認識率順に並び替えるだけでなく、認識率に応じた大きさで表示部181に表示させることにより、ユーザーは直観的に認識率リストを把握できるため、ユーザーの選択の利便性を向上させるデジタル複合機1を実現することができる。
【0074】
すなわち、生体認証の認識率の高い登録ユーザーが、認識率の低い登録ユーザーよりも認識されやすい表示形態で表示されるため、ユーザーの選択の利便性を向上させるユーザー選択補助装置を実現できる。
【0075】
なお、「認識されやすい表示形態」は、例えば、画面の上側ほど大きく登録ユーザーの登録情報を表示する、認識率の高い登録ユーザーの登録情報を画面の中央に大きく表示する、認識率の高い登録ユーザーを目立つ色で表示するなど、認識率の高い登録ユーザーの登録情報を認識されやすくする位置や大きさ、色彩などの表示形態である。
【0076】
〔実施形態3〕
次に、図9に基づき、本発明の実施形態3に係る画像形成システム100によるユーザー選択補助処理について説明する。
【0077】
図9は、実施形態3に係るデジタル複合機1の表示部181の通常ログイン画面の一例を示す説明図である。
【0078】
実施形態2においては、図8に示すように、認識率リストを認識率順に並び替え、認識率に応じた大きさで上から順に表示部181に表示させていた。
一方、実施形態3では、図9に示すように、認識率に応じた大きさで左上側から右下側に小さくなるように登録ユーザーの顔画像を表示部181に表示させる。
ユーザーは、表示部181に表示された顔画像のうちの1つをタッチすることで登録ユーザーを特定する。
【0079】
この場合、ユーザーが認識率リストの下側を見るため、当該認識率リストをスクロールした場合、上側に移動するほど顔画像が大きく拡大され、最上端で一番大きくなるように表示部181に表示させてもよい。
【0080】
このように、認識率リストを認識率順に並び替えるだけでなく、認識率に応じた大きさで、ユーザーの顔写真を表示した新認証ログイン画面を表示部181に表示させることにより、ユーザーは直観的に認識率リストを把握できるため、ユーザーの選択の利便性を向上させるデジタル複合機1を実現することができる。
【0081】
すなわち、生体認証の認識率の高い登録ユーザーが、認識率の低い登録ユーザーよりも認識されやすい表示形態で表示されるため、ユーザーの選択の利便性を向上させるユーザー選択補助装置を実現できる。
【0082】
なお、「認識されやすい表示形態」は、例えば、画面の上側ほど大きく登録ユーザーの
登録情報を表示する、認識率の高い登録ユーザーの登録情報を画面の中央に大きく表示する、認識率の高い登録ユーザーを目立つ色で表示するなど、認識率の高い登録ユーザーの登録情報を認識されやすくする位置や大きさ、色彩などの表示形態である。
【0083】
〔実施形態4〕
次に、図10および図11に基づき、本発明の実施形態4に係る画像形成システム100によるユーザー選択補助処理について説明する。
図10は、実施形態4に係る画像形成システム100による新認証ログイン画面の表示後の処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図11は、実施形態4に係るデジタル複合機1の表示部181の認証画面の一例を示す説明図である。
【0084】
なお、図10のステップS41~S43はそれぞれ、図4のステップS14~S16に対応するため、説明を省略する。
ここでは、図4と異なるステップS44~S50の処理について説明する。
【0085】
実施形態1において、新認証ログイン画面が表示された後、一人の登録ユーザーが特定された場合、制御部10は、ログイン処理を行っていた(図4のステップS14~S17)。
一方、実施形態4では、一人の登録ユーザーが特定されてもすぐにログイン処理を行わず、選択に係るユーザーの生体特徴を再度取得して、当該ユーザーがたしかに特定された登録ユーザーであるか否かの認証をさらに行う。
【0086】
具体的には、図10のステップS43において、一人の登録ユーザーが特定された場合(ステップS43の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS44において、認証モードに遷移する(ステップS44)。
【0087】
図11に示すように、表示部181に表示された認証画面において、ユーザーが特定した登録ユーザーの情報とともに、「あなたが上記のユーザーである場合は、『認証開始』を選択してください。上記のユーザーでない場合は、『キャンセル』を選択してください。」というメッセージが表示される。
また、「認証開始」および「キャンセル」アイコンも表示される。
【0088】
次に、図10のステップS45において、制御部10は、「キャンセル」アイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS45)。
「キャンセル」アイコンが選択された場合(ステップS45の判定がYesの場合)、制御部10は、処理をステップS41に戻す(ステップS41)。
【0089】
一方、「キャンセル」アイコンが選択されなかった場合(ステップS45の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS46において、カメラ19を起動させ、ユーザーの画像を撮影させる(ステップS46)。
【0090】
次に、ステップS47において、制御部10は、カメラ19が取得した画像に映されたユーザーの生体特徴を画像抽出部20に抽出させる(ステップS47)。
【0091】
ここで、ユーザーの生体特徴(第2の生体特徴)は、1回目に取得した生体特徴と同じであっても、異なるものであってもよい。
例えば、1回目で顔面認証を行った後、2回目で虹彩認証を行うようにしてもよい。
【0092】
続くステップS48において、制御部10は、登録ユーザーのデータと画像抽出部20が抽出した生体特徴のデータとを比較して、認識率を算出する(ステップS48)。
【0093】
次に、ステップS49において、制御部10は、認識率が予め定められた認証基準値以上か否かを判定する(ステップS49)。
【0094】
ここで、「認証基準」は、選択に係るユーザーが選択した登録ユーザーが当該ユーザー本人であるか否かを判定するために用いる基準である。
【0095】
認識率が所定の認証基準値以上の場合(ステップS49の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS50において、ログイン処理を実行する(ステップS50)。
【0096】
一方、認識率が所定の認証基準値未満の場合(ステップS49の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS45に戻す(ステップS45)。
【0097】
このように、ユーザーが特定の登録ユーザーを特定した後、ユーザー認証をさらに行うことにより、ユーザーの選択の利便性の向上およびユーザー認証時のセキュリティの確保の両立を図ることができるデジタル複合機1を実現することができる。
【0098】
〔実施形態5〕
実施形態4では、新認証ログイン画面の表示前と表示後とで、同じカメラ画像に基づく生体認証を行っていた。
【0099】
一方、実施形態5では、カメラ画像に基づく生体認証に限らず、虹彩、指紋、声紋等の異なる生体認証、またはIDやパスワード等の入力によってユーザーを認証する。
【0100】
このようにすれば、ユーザーの顔、虹彩、指紋および声紋の少なくとも1つの生体特徴に基づき、ユーザーの選択の利便性を向上させるユーザー選択補助装置を実現できる。
【0101】
このように、新認証ログイン画面の表示前および表示後で二段階の異なる種類の認証を行うことにより、ユーザーの選択の利便性の向上およびユーザー認証時のセキュリティの確保の両立を図ることができるデジタル複合機1を実現することができる。
【0102】
本発明の好ましい態様は、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含む。
前述した実施形態の他にも、本発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、本発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。本発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0103】
1:デジタル複合機、 2:サーバー、 3:情報処理装置、 4:ネットワーク、 10:制御部、 11:画像読取部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:給紙部、 17:人体感知センサ、 18:パネルユニット、 19:カメラ、 20:画像抽出部、 100:画像形成システム、 121:LSU、 181:表示部、 182:操作部、 1821:タッチパネル、 1822:表示操作部、 IA:撮影範囲、 RT:移動経路
図1
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