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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】管理装置、実装システム及び管理方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20231114BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
H05K13/02 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022509781
(86)(22)【出願日】2020-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2020012719
(87)【国際公開番号】W WO2021191968
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓑島 伸明
【審査官】加藤 三慶
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と組み合わせて用いられる第2部材を装着する装着部を有し部品を処理対象物に実装する処理に関連する複数の実装関連装置と、前記実装関連装置の間で移動し前記第2部材を前記装着部に自動着脱する移動作業装置とを含む実装システムに用いられる管理装置であって、
前記第2部材が前記実装関連装置の前記装着部から装着解除された解除情報を取得し且つ該第2部材を該装着部から前記移動作業装置が装着解除した回収情報を取得しないときには該第2部材を制限対象として処理する一方、前記第2部材が前記実装関連装置の前記装着部から装着解除された解除情報を取得し且つ該第2部材を該装着部から前記移動作業装置が装着解除した回収情報を取得したときには該第2部材を制限対象から除外する処理を実行する管理制御部、
を備えた管理装置。
【請求項2】
前記管理制御部は、前記解除情報を取得したときには時間のカウントを開始し所定時間内に該当する第2部材の前記回収情報を取得しないときには該第2部材を制限対象に設定し、前記解除情報と該当する第2部材の回収情報とを取得したときには該第2部材を前記制限対象から除外して時間のカウントを行わない、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記管理制御部は、前記所定時間内に該当する前記第2部材が再装着されたときには、該第2部材の使用を許可する、請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の管理装置であって、
前記第1部材と前記第2部材との対応関係を含む対応情報を記憶した記憶部、を備え、
前記管理制御部は、前記装着部に前記第2部材が再装着された情報を取得し、該第2部材が前記制限対象であるときには前記対応情報に基づく該第2部材の使用を許可せず、該第2部材が前記制限対象でないときには前記対応情報に基づく該第2部材の使用を許可する、管理装置。
【請求項5】
前記管理制御部は、前記対応情報に基づく該第2部材の使用を許可しないときには、該第2部材と前記第1部材との対応関係を含む前記対応情報を確認する指令を該第2部材が装着された実装関連装置へ出力する、請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
(1)~(4)のうちいずれか1以上を満たす、請求項1~5のいずれか1項に記載の管理装置
(1)前記第1部材は部品であり前記第2部材は前記部品を供給するフィーダである。
(2)前記第1部材は部品であり前記第2部材は前記部品を載置するトレイである。
(3)前記第1部材は部品を採取する採取部材であり前記第2部材は1以上の前記採取部材を収容する収容部材である。
(4)前記第1部材は基板を下方から支持する支持部材であり前記第2部材は1以上の前記支持部材を収容する収容部材である。
【請求項7】
第1部材と組み合わせて用いられる第2部材を装着する装着部を有し部品を処理対象物に実装する処理に関連する複数の実装関連装置と、
前記実装関連装置の間で移動し前記第2部材を前記装着部に自動着脱する移動作業装置と、
請求項1~6のいずれか1項に記載の管理装置と、
を備えた実装システム。
【請求項8】
第1部材と組み合わせて用いられる第2部材を装着する装着部を有し部品を処理対象物に実装する処理に関連する複数の実装関連装置と、前記実装関連装置の間で移動し前記第2部材を前記装着部に自動着脱する移動作業装置とを含む実装システムに用いられる管理方法であって、
(a)前記第2部材が前記実装関連装置の前記装着部から装着解除された解除情報を取得し且つ該第2部材を該装着部から前記移動作業装置が装着解除した回収情報を取得しないときには該第2部材を制限対象として処理するステップと、
(b)前記第2部材が前記実装関連装置の前記装着部から装着解除された解除情報を取得し且つ該第2部材を該装着部から前記移動作業装置が装着解除した回収情報を取得したときには該第2部材を制限対象から除外する処理を実行するステップと、
を含む管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、管理装置、実装システム及び管理方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、実装装置としては、テープフィーダが取り外されてから再装着されるまでの着脱時間を算出し、着脱時間が所定時間以下である場合には当該テープフィーダに収納された電子部品の部品種の正否を判定するための部品照合操作を行うことなく実装作業を実行するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この実装装置では、フィーダの一時的な取り外しにおいて、作業負荷を軽減して作業効率を向上させることができる、としている。また、実装システムとしては、実装装置に着脱可能なフィーダを複数保管するフィーダ保管庫と、フィーダ保管庫と各実装装置との間でフィーダを交換可能な交換ロボット(移動作業装置)とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この実装システムでは、移動作業装置がフィーダを交換するため、いずれの実装装置で使用されるフィーダであっても補給や回収をフィーダ保管庫で行えばよいから、作業者がフィーダの補給や回収を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-32725号公報
【文献】国際公開第2017/33268号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の実装装置では、フィーダを自動交換することは考慮されていなかった。また、上述した特許文献2の実装システムでは、移動作業装置と作業者とがそれぞれフィーダを交換することができるが、移動作業装置のフィーダ交換と、作業者のフィーダ交換とのいずれが行われたのかまで考慮されていなかった。このように、実装システムにおいて、移動作業装置の作業と作業者の作業とに応じて適切に部材を取り扱うことが求められていた。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、移動作業装置の作業と作業者の作業とに応じてより適切に部材を取り扱うことができる管理装置、実装システム及び管理方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示では、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の管理装置は、
第1部材と組み合わせて用いられる第2部材を装着する装着部を有し部品を処理対象物に実装する処理に関連する複数の実装関連装置と、前記実装関連装置の間で移動し前記第2部材を前記装着部に自動着脱する移動作業装置とを含む実装システムに用いられる管理装置であって、
前記第2部材が前記実装関連装置の前記装着部から装着解除された解除情報を取得し且つ該第2部材を該装着部から前記移動作業装置が装着解除した回収情報を取得しないときには該第2部材を制限対象として処理する一方、前記第2部材が前記実装関連装置の前記装着部から装着解除された解除情報を取得し且つ該第2部材を該装着部から前記移動作業装置が装着解除した回収情報を取得したときには該第2部材を制限対象から除外する処理を実行する管理制御部、
を備えたものである。
【0008】
この管理装置では、 第1部材と組み合わせて用いられる第2部材が実装関連装置の装着部から装着解除された解除情報を取得し、且つこの第2部材をこの装着部から移動作業装置が装着解除した回収情報を取得しないときには、この第2部材を制限対象として処理する。一方、この管理装置では、第2部材が実装関連装置の装着部から装着解除された解除情報を取得し且つこの第2部材をこの装着部から移動作業装置が装着解除した回収情報を取得したときには、この第2部材を制限対象から除外する処理を実行する。例えば、作業者が第2部材を装着部から装着解除した場合は、作業者が第2部材に組み合わされた第1部材まで変更する可能性があることから、この第2部材を使用に関する制限対象とする。一方、移動作業装置が第2部材を装着部から装着解除した場合は、第1部材と第2部材との組み合わせが変更されることはないことから、この第2部材を使用に関する制限対象としない。この管理装置では、解除情報と回収情報とを取得することにより、この第2部材が自動着脱されたものであると認識し、制限対象から除外してその後使用できるようにする。したがって、この管理装置では、移動作業装置の作業と作業者の作業とに応じてより適切に第1部材及び第2部材を取り扱うことができる。ここで、実装関連装置としては、例えば、処理対象物に粘性流体を印刷する印刷装置、印刷状態などを検査する印刷検査装置、部品を処理対象物に実装処理する実装装置、実装状態などを検査する実装検査装置、装置で用いられる部材を保管する保管装置、処理対象物の搬送装置、リフロー処理を行うリフロー装置などが挙げられる。処理対象物としては、基板や3次元構造の基材などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実装システム10の一例を示す概略説明図。
図2】実装装置15の構成の概略を示す説明図。
図3】記憶部63に記憶された対応情報64及び計時リスト情報65の説明図。
図4】装着部管理処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
図5】フィーダ管理処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本開示である実装システム10の一例を示す概略説明図である。図2は、実装装置15の構成の概略を示す説明図である。図3は、記憶部63に記憶された対応情報64及び計時リスト情報65の説明図である。なお、本実施形態において、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、図1、2に示した通りとする。
【0011】
実装システム10は、例えば、処理対象物としての基板Sに部品Pを実装処理する実装装置15が基板Sの搬送方向に配列された生産ラインとして構成されている。ここでは、処理対象物を基板Sとして説明するが、部品Pを実装するものであれば特に限定されず、3次元形状の基材としてもよい。この実装システム10は、図1に示すように、印刷装置11と、印刷検査装置12と、保管部13と、ホストPC14と、実装装置15と、図示しない実装検査装置と、図示しないリフロー装置と、統括PC16と、自動搬送車17と、ローダ18などを含んで構成されている。印刷装置11は、基板Sにはんだペーストなどを印刷する装置である。印刷検査装置12は、印刷されたはんだの状態を検査する装置である。実装検査装置は、実装処理された部品の状態などを検査する装置である。リフロー装置は、はんだが印刷され部品が実装された基板をリフローする装置である。
【0012】
実装装置15は、部品Pを採取して基板Sへ実装させる装置である。この実装装置15は、図2に示すように、基板支持部20と、ピン保管部22と、基板処理部23と、部品供給部24と、実装部30と、ノズル保管部34と、通信部35と、実装制御部36とを備える。基板支持部20は、基板Sをバックアップピン21により下方から支持するユニットである。バックアップピン21は、支持する基板Sの種別に応じて支持板に配置される位置やその種別などが変更される。バックアップピン21は、実装ヘッド32によって移動可能に構成されている。ピン保管部22は、バックアップピン21を収容する収容部材である。ピン保管部22は、取り外し可能に装置内に配設されており、基板Sの種別に応じて交換されてもよい。基板処理部23は、基板Sの搬入、搬送、実装位置での固定、搬出を行うユニットである。
【0013】
部品供給部24は、実装部30へ部品Pを供給するユニットである。この部品供給部24は、部品Pを保持した保持部材としてのテープを巻き付けたリールを含むフィーダ25を1以上の装着部に装着している。この部品供給部24は、実装処理に用いるフィーダ25を装着する実装用装着部26と、予備のフィーダ25を装着するバッファ用装着部27とを上下段に備える。ここでは、実装用装着部26やバッファ用装着部27を装着部と総称する。フィーダ25は、図示しないコントローラを備えている。このコントローラは、フィーダ25に含まれるテープのIDや部品Pの種別、残数などの情報を記憶している。フィーダ25が装着部に装着されるとこのコントローラはフィーダ25の情報を実装制御部36へ送信する。また、部品供給部24には部品Pを複数配列して載置する保持部材としてのトレイを有するトレイユニットを備えていてもよい。通信部35は、ホストPC14やローダ18、統括PC16などの外部機器と情報のやりとりを行うインタフェースである。
【0014】
実装部30は、部品Pを部品供給部24から採取し、基板処理部23に固定された基板Sへ配置するユニットである。実装部30は、ヘッド移動部31と、実装ヘッド32と、ノズル33とを備えている。ヘッド移動部31は、ガイドレールに導かれてXY方向へ移動するスライダと、スライダを駆動するモータとを備えている。実装ヘッド32は、1以上の部品Pを採取してヘッド移動部31によりXY方向へ移動するものである。この実装ヘッド32は、スライダに取り外し可能に装着されている。実装ヘッド32の下面には、1以上のノズル33が取り外し可能に装着されている。ノズル33は、負圧を利用して部品Pを採取するものである。なお、部品Pを採取する採取部材は、ノズル33のほか部品Pを機械的に保持するメカニカルチャックなどとしてもよい。ノズル保管部34は、ノズル33を収容する収容部材である。ノズル保管部34は、取り外し可能に装置内に配設されている。ノズル保管部34には、次生産で用いる種別のノズル33などが特定の位置に収容されており、生産ごとに取り替えられるものとしてもよい。
【0015】
実装制御部36は、CPU37を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。実装制御部36は、記憶部38を有している。記憶部38には、部品Pの情報や部品Pを基板Sへ実装する配置順、配置位置、部品Pを採取するフィーダ25の装着位置などの情報が含まれる実装条件情報(生産ジョブ)や装着状態情報39などが記憶されている。装着状態情報39には、実装用装着部26やバッファ用装着部27などに装着されたフィーダ25の種別(ID)、フィーダ25に組み合わされた部品種別(ID)、部品残数など、現在の部品供給部24の状態に関する情報が含まれている。この装着状態情報39は、実装部30による部品の消費やローダ18又は作業者Mによるフィーダ25の交換などに応じてフィーダ25の使用状況などがCPU37によって定期的に更新される。実装制御部36は、基板処理部23や部品供給部24、実装部30へ制御信号を出力する一方、基板処理部23や部品供給部24、実装部30からの信号を入力する。
【0016】
保管部13は、図1に示すように、実装装置15で用いられるフィーダ25を一時的に保管する保管場所である。保管部13は、印刷検査装置12と実装装置15との間の搬送装置の下部に設けられている。保管部13には、部品供給部24と同様の装着部を有している。フィーダ25がこの装着部に接続されると、フィーダ25のコントローラは、フィーダ25の情報を出力し、ホストPC14は、出力された情報を受信する。なお、保管部13では、自動搬送車17によりフィーダ25が運ばれるほか、作業者Mによりフィーダ25が運ばれてもよい。自動搬送車17は、フィーダ25や、実装システム10で用いられる部材などを図示しない倉庫と保管部13との間で自動搬送するものである。
【0017】
図示しない倉庫には、フィーダ25や他の部材などが保管されている。倉庫には、部材のほか、倉庫PCや、アームロボット、電子棚などが配設されている。倉庫PCは、倉庫での部材の管理、入力などを行うものであり、ネットワークにより実装システム10に接続されている。アームロボットは、電子棚と自動搬送車17との間でフィーダ25を自動着脱及び移動する。電子棚は、部品供給部24と同様の装着部を有しており、装着部で着脱されたフィーダ25の情報を倉庫PCへ出力する。この倉庫において、作業者Mは、その後の生産に用いられるフィーダ25などの準備を行う。例えば、作業者Mは、フィーダ25と部品Pを保持したリールとを組み合わせ、それぞれのIDを対応付けて倉庫PCに入力する。倉庫PCは、このフィーダ25と部品Pとの組み合わせを統括PC16へ出力する。統括PC16は、取得したフィーダ25と部品Pとの組み合わせを対応情報64に登録し、これを管理する。
【0018】
ローダ18は、移動型作業装置であり、実装システム10の正面の移動領域内(図1の点線参照)で移動し、実装装置15のフィーダ25など、実装処理に必要な部材などを自動着脱し、回収及び補給する装置である。このローダ18は、移動制御部50と、記憶部53と、収容部54と、交換部55と、移動部56と、通信部57とを備えている。移動制御部50は、CPU51を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。この移動制御部50は、フィーダ25を部品供給部24から回収し又はフィーダ25を部品供給部24へ補給し、フィーダ25を保管部13との間で移動させるよう装置全体を制御する。記憶部53は、例えばHDDなど、処理プログラムなど各種データを記憶するものである。収容部54は、フィーダ25を収容する収容空間を有する。この収容部54は、例えば、4つのフィーダ25を収容可能に構成されている。交換部55は、フィーダ25を出し入れすると共に上下段に移動させる機構である(図2参照)。交換部55は、フィーダ25をクランプするクランプ部と、クランプ部をY軸方向(前後方向)に移動させるY軸スライダと、クランプ部をZ軸方向(上下方向)に移動させるZ軸スライダとを有している。交換部55は、実装用装着部26でのフィーダ25の装着及び装着解除と、バッファ用装着部27でのフィーダ25の装着及び装着解除を実行する。移動部56は、実装装置15の正面に配設されたX軸レール19に沿ってローダ18をX軸方向(左右方向)へ移動させる機構である。通信部57は、ホストPC14や実装装置15などの外部機器と情報のやりとりを行うインタフェースである。このローダ18は、現在位置や実行した作業内容をホストPC14へ出力する。このローダ18は、フィーダ25を回収、補給可能であるが、実装ヘッド32やノズル33を収容したノズル保管部34、はんだカートリッジ、スクリーンマスク、バックアップピン21を収容したピン保管部22など、実装処理に関連する部材を回収、補給するよう構成してもよい。
【0019】
ホストPC14は、ローダ18の管理を行う装置である。ホストPC14は、管理制御部40と、記憶部43と、通信部47とを備える。管理制御部40は、CPU41を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。記憶部43には、ローダ18へ支持する情報を含む指示リストなどが記憶されている。通信部47は、実装装置15やローダ18、統括PC16などの外部機器と情報のやりとりを行うインタフェースである。
【0020】
統括PC16は、実装システム10の各装置が用いる情報、例えば、実装条件情報を複数含む生産計画データベースなどを記憶、管理するサーバとして構成されている。この統括PC16は、フィーダ25の管理も行う管理装置の機能を有している。統括PC16は、統括制御部60と、記憶部63と、通信部67とを備える。統括制御部60は、CPU61を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。記憶部63には、生産計画データベースのほか、対応情報64や計時リスト情報65などが記憶されている。通信部67は、実装装置15やローダ18、ホストPC14などの外部機器と情報のやりとりを行うインタフェースである。
【0021】
ここで、記憶部63に記憶されている情報について図3を用いて説明する。対応情報64は、フィーダ25と部品Pとの組み合わせの対応関係を含むデータベースである。対応情報64には、フィーダ25のIDと、取り付けられているリールが保持する保持部品のIDと、が対応付けられており、その他、現在装着されている装置と装着部番号、部品の残数、そのフィーダの使用制限に関する情報などが対応付けられている。計時リスト情報65は、フィーダ25が装着部から装着解除されている間の時間を計時するリストである。計時リスト情報65には、フィーダ25のIDと部品IDと装着開示された時刻と、その時刻からのカウント時間などが含まれる。フィーダ25と部品Pとの対応関係は、対応情報64で管理されているが、作業者Mによってフィーダ25が装着部から取り外された場合、部品Pを保持したリールが取り替えられることも考えられる。計時リスト情報65は、この対応関係の変更の有無を推測する時間を計測するときに作成される。
【0022】
次に、こうして構成された本実施形態の実装システム10の動作、まず、実装装置15が部品Pを基板Sへ実装する処理について説明する。実装制御部36のCPU37は、実装処理を開始すると、まず、基板Sに応じた位置にバックアップピン21を配置する処理を実装ヘッド32に実行させる。次に、CPU37は、基板Sを搬入、固定するよう基板処理部23を制御する。次に、CPU37は、実装条件情報を読み出し、この実装条件情報に基づいて、使用するノズル33をノズル保管部34から実装ヘッド32へ装着させ、部品供給部24に装着されたフィーダ25から部品Pを実装ヘッド32に採取させ、基板Sに配置する処理を行う。基板Sに部品Pを配置し終わると、CPU37は、基板Sを基板処理部23に排出させ、上述した処理を繰り返す。CPU37は、この実装処理の実行中に、各フィーダ25の部品消費数を管理し、部品残数が所定の警告値以下になると、その情報をホストPC14へ送信する。ホストPC14は、部品切れが近いフィーダ25の交換作業を指示リストに加える処理などを行う。ホストPC14は、この指示リストに基づいて、ローダ18に交換作業を実行させる。ローダ18は、X軸レール19に沿って保管部13と実装装置15との間を移動し、作業対象の実装装置15でフィーダ25の交換処理を実行する。
【0023】
次に、実装装置15での装着部に装着されたフィーダ25の管理について説明する。図4は、実装装置15の実装制御部36で実行される装着部管理処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、実装制御部36の記憶部38に記憶され、実装装置15の起動後に所定間隔(例えば、数秒間隔など)で実行される。このルーチンを開始すると、実装制御部36のCPU37は、フィーダ25が新たに装着された装着部があるか否かを判定する(S100)。フィーダ25が装着された装着部があるときには、CPU37は、装着部に装着されたフィーダ25の情報を装着状態情報39に記憶させる(S110)。フィーダ25の情報には、例えば、フィーダID、部品ID及び部品残数などが含まれ、装着された装着部番号に対応付けられて装着状態情報39に記憶される。
【0024】
次に、CPU37は、装着部にフィーダ25が装着されたことを示す装着情報を統括PC16へ出力し(S120)、統括PC16から回答があるまで待機する。統括PC16は、この装着されたフィーダ25が使用可能であるかを判定し、許可情報又は、禁止情報及び確認指令を該当する実装装置15へ出力する。なお、フィーダ25は、作業者Mにより装着解除され、リールを取り替え可能な時間が経過したのちに再装着された場合などに禁止情報が設定される。作業者Mは、フィーダ25に不適切なリールを装着することがあり、実装装置15では、このようなフィーダ25の使用に制限を与えるのである。確認指令は、フィーダ25と部品Pとの組み合わせの対応関係に変更がないかを実装装置15で確認する処理を実行する指令である。
【0025】
CPU37は、S120のあと、許可情報、又は禁止情報及び確認指令のいずれを取得したかを判定し(S130)、許可情報を取得したときには、装着された対象のフィーダ25の使用を許可する(S140)。一方、S130で禁止情報及び確認指令を統括PC16から取得したときには、CPU37は、装着された対象のフィーダ25の使用を禁止し(S150)、このフィーダ25の確認処理を実行する(S160)。確認処理において、CPU37は、フィーダ25のIDと部品PのIDとを取得し、これらを照合する処理を実行する。CPU37は、部品PのIDを図示しない読取部でリールから自動又は手動で読み取り、取得する。この確認処理の実行に伴い、実装装置15は、基板Sの生産を一時中断する場合がある。S160で確認処理を実行すると、CPU37は、フィーダ25と部品Pとの組み合わせの変更の有無を統括PC16の対応情報64の対応関係に基づいて判定する(S170)。組み合わせに変更がないときには、CPU37は、その旨を示す適正情報を統括PC16へ出力する一方(S180)、組み合わせに変更があるときには、その旨を示す変更情報を統括PC16へ出力し(S190)、S130以降の処理を行う。統括PC16は、適正情報を取得した場合は、使用制限を解除し、許可情報を実装装置15へ出力し、変更情報を取得した場合は、対応情報64の組み合わせを変更し、許可情報を実装装置15へ出力する。
【0026】
S140のあと、またはS100で装着部にフィーダ25が装着されなかったときには、CPU37は、フィーダ25が装着解除された装着部があるか否かを判定する(S200)。フィーダ25が装着解除された装着部がないときには、CPU37は、そのままこのルーチンを終了する。一方、フィーダ25が装着解除された装着部があるときには、装着解除されたフィーダ25の情報を装着状態情報39から削除し(S210)、その旨を示す解除情報を統括PC16へ出力し(S220)、このルーチンを終了する。
【0027】
次に、ローダ18がフィーダ25の回収、補給を行う処理について説明する。移動制御部50のCPU51は、ホストPC14から指示リストに基づく指令を取得すると、指令されたフィーダ25の移動を行う。例えば、CPU51は、保管部13の特定の装着部からフィーダ25を交換部55に装着解除させ、収容部54にフィーダ25を収容した状態で実装装置15の特定の装着部まで移動部56に移動させ、この装着部にこのフィーダ25を装着させるよう交換部55を制御する。また、CPU51は、実装装置15の特定の装着部まで移動部56に移動させ、この装着部からフィーダ25を交換部55に装着解除させる。CPU51は、いずれかの装着部でフィーダ25を装着解除するたびに、その旨を示す回収情報をホストPC14へ出力する。ホストPC14は、ローダ18から取得した回収情報を直ちに統括PC16へ出力する。統括PC16は、回収情報を取得したフィーダ25の装着解除は、ローダ18が実行したことを認識することができる。
【0028】
次に、統括PC16がフィーダ25の使用制限を含むフィーダ25に関する管理を行う処理について説明する。図5は、統括PC16の統括制御部60が実行するフィーダ管理処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、統括制御部60の記憶部63に記憶され、統括PC16の起動後に所定間隔(例えば、数秒間隔など)で実行される。このルーチンを開始すると、統括制御部60のCPU61は、解除情報をいずれかの実装装置15から取得したか否かを判定する(S300)。解除情報を取得したときには、CPU61は、計時リスト情報65に装着解除されたフィーダ25の情報を登録し、実装装置15から取り外されている時間のカウントを開始する(S310)。
【0029】
S310のあと、またはS300で解除情報を取得していないときには、CPU61は、回収情報をローダ18から取得したか否かを判定する(S320)。回収情報を取得したときには、CPU61は、該当するフィーダ25を制限対象としてのカウント対象から除外する(S330)。CPU61は、該当するフィーダ25を計時リスト情報65から削除する処理を行う。回収情報をローダ18から取得したフィーダ25については、ローダ18でのフィーダ25の装着解除であり、意図しないリール交換はないことから、計時リスト情報65での時間のカウントから除外するのである。その後、実装装置15では、対応情報64に含まれる、該当するフィーダ25と部品Pとの組み合わせが有効に扱われる。
【0030】
S330のあと、またはS320で回収情報を取得していないときには、CPU61は、計時リスト情報65でカウント中のフィーダ25があるか否かを判定し(S340)、カウント中のフィーダ25があるときには、計時リスト情報65に所定時間を経過したフィーダ25があるか否かを判定する(S350)。この所定時間は、作業者Mがリール交換可能な時間(例えば、40秒や1分など)に基づいて設定されるものとしてもよい。計時リスト情報65に所定時間を経過したフィーダ25があるときには、対象のフィーダ25を制限対象である使用禁止に設定し、計時リスト情報65から削除する(S360)。CPU61は、使用禁止の情報を対応情報64の該当する対象のフィーダ25に対し登録する(図3参照)。
【0031】
S360のあと、またはS350で所定時間経過の対象フィーダ25がないとき、あるいはS340でカウント中のフィーダ25がないときには、CPU61は、装着情報をいずれかの実装装置15から取得したか否かを判定する(S370)。装着情報を取得したときには、CPU61は、対象のフィーダ25が計時リスト情報65でカウント中のものであるか否かを判定する(S380)。対象のフィーダ25がカウント中のものであるときには、CPU61は、フィーダ25がすぐに再装着されたものであり、対象のフィーダ25に対してリール交換が行われていないものとして使用許可を設定し、該当するフィーダ25を計時リスト情報65から削除する(S390)。一方、S380で対象のフィーダ25がカウント中のものでないときには、CPU61は、対象のフィーダ25は、使用禁止であるか否かを対応情報64の使用制限の情報に基づいて判定する(S400)。対象のフィーダ25が使用禁止でないとき、または、S390のあと、CPU61は、使用許可を示す許可情報を該当する実装装置15へ出力する(S410)。これを受けた実装装置15は、装着されたフィーダ25の使用を開始する。一方、S400で対象のフィーダ25が使用禁止であるときには、CPU61は、フィーダ25の使用制限を示す禁止情報と共に確認指令を出力する(S420)。これを受けた実装装置15は、装着されたフィーダ25の使用を禁止すると共に、確認処理を実行する。このように、実装装置15では、対象のフィーダ25が制限対象に設定されているときには、対応情報64に含まれる、該当するフィーダ25と部品Pとの組み合わせの有効性を保留し、確認処理を実行するのである。
【0032】
S410、S420のあと、または、S370で装着情報を取得していないときには、CPU61は、確認処理の結果に関する情報を取得したか否かを判定する(S430)。確認処理の結果を取得したときには、CPU61は、適正情報及び変更情報のいずれを取得したかを判定し(S440)、変更情報を取得したときには、新たに組み合わせられた部品Pの情報を対象のフィーダ25に対応付けて対応情報64を更新する(S450)。450のあと、または、S440で適正情報を取得したときには、CPU61は、該当する対象のフィーダ25の使用制限を禁止から許可へ変更して対応情報64を更新し(S460)、このルーチンを終了する。
【0033】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の統括制御部60が本開示の管理制御部に相当し、記憶部63が記憶部に相当し、部品Pが第1部材に相当し、フィーダ25が第2部材に相当し、統括PC16が管理装置に相当し、ローダ18が移動型作業装置に相当する。また、印刷装置11、印刷検査装置12、保管部13及び実装装置15などが実装関連装置に相当し、実装用装着部26やバッファ用装着部27、保管部13の装着部が装着部に相当し、基板Sが処理対象物に相当する。なお、本実施形態では、ホストPC14及び実装装置15の動作を説明することにより本開示の管理方法の一例も明らかにしている。
【0034】
以上説明した本実施形態の統括PC16では、部品Pと組み合わせて用いられるフィーダ25が実装装置15の装着部から装着解除された解除情報を取得し、且つこのフィーダ25をこの装着部からローダ18が装着解除した回収情報を取得しないときには、このフィーダ25を制限対象として処理する。一方、この統括PC16では、フィーダ25が実装装置15の装着部から装着解除された解除情報を取得し且つこのフィーダ25をこの装着部からローダ18が装着解除した回収情報を取得したときには、このフィーダ25を制限対象から除外する処理を実行する。例えば、作業者Mがフィーダ25を装着部から装着解除した場合は、作業者Mがフィーダ25に組み合わされた部品Pまで変更する可能性があることから、このフィーダ25を使用に関する制限対象とする。一方、ローダ18がフィーダ25を装着部から装着解除した場合は、部品Pとフィーダ25との組み合わせが変更されることはないことから、このフィーダ25を使用に関する制限対象としない。この統括PC16では、解除情報と回収情報とを取得することにより、このフィーダ25がローダ18で自動着脱されたものであると認識し、制限対象から除外してその後使用できるようにする。したがって、この統括PC16では、ローダ18の作業と作業者Mの作業とに応じてより適切に部品P及びフィーダ25を取り扱うことができる。
【0035】
また、統括制御部60は、解除情報を取得したときには時間のカウントを開始し所定時間内に該当するフィーダ25の回収情報を取得しないときには、このフィーダ25を制限対象に設定し、解除情報と該当するフィーダ25の回収情報とを取得したときにはこのフィーダ25を制限対象から除外して時間のカウントを行わない。この統括PC16では、時間をカウントすることにより、部品Pとフィーダ25との組み合わせが変更されない範囲を求めて、制限対象の適正化を図ることができる。また、統括制御部60は、所定時間内に該当するフィーダ25が装着部に再装着されたときには、このフィーダ25の使用を許可する。この統括PC16では、再装着されたフィーダ25をより適切に管理することができる。更に、統括PC16は、部品Pとフィーダ25との対応関係を含む対応情報64を記憶した記憶部63を備え、統括制御部60は、装着部にフィーダ25が再装着された情報を取得し、このフィーダ25が制限対象であるときには対応情報64に含まれる組み合わせを有効とせずにこのフィーダ25の使用を許可せず、このフィーダ25が制限対象でないときには対応情報64が有効であるものとしてこのフィーダ25の使用を許可する。この統括PC16では、制限対象であるフィーダ25においては、部品Pとフィーダ25との組み合わせが変更された蓋然性が高いことから、制限対象であるか否かに応じて、対応情報64をより適切に取り扱うことができる。更にまた、統括制御部60は、対応情報64に基づくフィーダ25の使用を許可しないときには、このフィーダ25と部品Pとの対応関係を含む対応情報64の組み合わせを確認する確認指令をフィーダ25が装着された実装装置15へ出力する。この統括PC16では、対応情報64の対応関係を確認するため、対応情報64をより適切に取り扱うことができる。そして、統括PC16では、第1部材が部品Pであり第2部材が部品Pを供給するフィーダ25であるため、これらの組み合わせにおいて、ローダ18の作業と作業者Mの作業とに応じてより適正にこれらの部材を取り扱うことができる。
【0036】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0037】
例えば、上述した実施形態では、統括制御部60は、解除情報を取得したあと、フィーダ25が取り外されている時間のカウントを行うものとしたが、特にこれに限定されず、この時間のカウントを省略してもよい。このとき、統括制御部60は、例えば、解除情報のみを取得したときには該当するフィーダ25を制限対象に設定し、解除情報と回収情報とを取得したときには該当するフィーダ25を制限対象から除外すればよい。また、統括制御部60は、所定時間内にフィーダ25が再装着された場合に、該当するフィーダ25の使用を許可するものとしたが、時間のカウントを省略してこの処理も省略するものとしてもよい。この統括PC16においても、ローダ18の作業と作業者Mの作業とに応じてより適切に部品P及びフィーダ25を取り扱うことができる。
【0038】
上述した実施形態では、記憶部63に対応情報64を記憶し、フィーダ25が制限対象であるときには対応情報64に含まれる該当する組み合わせの有効性を保留し、確認処理を実行するものとしたが、特にこれに限定されず、対応情報64自体を省略してもよいし、確認情報の出力を省略し、対応情報64の確認処理の実行を省略してもよい。この統括PC16においても、ローダ18の作業と作業者Mの作業とに応じてより適切に部品P及びフィーダ25を取り扱うことができる。
【0039】
上述した実施形態では、実装装置15の装着部での着脱において、フィーダ25を制限対象に設定するか否かの処理を行うものとしたが、特にこれに限定されず、保管部13の装着部における着脱や、倉庫の電子棚の装着部における着脱など、実装装置15以外でのフィーダ25の着脱において、フィーダ25を制限対象に設定するか否かの処理を行うものとしてもよい。この実装システム10においても、ローダ18の作業と作業者Mの作業とに応じてより適切に部品P及びフィーダ25を取り扱うことができる。
【0040】
上述した実施形態では、第1部材は部品Pであり、組み合わせて使用される第2部材はフィーダ25であるものとして説明したが、組み合わせて使用する第1部材及び第2部材であり第2部材が装着部に装着されるものであれば特にこれに限定されない。例えば、第1部材は部品Pであり、第2部材は部品Pを載置するトレイであるものとしてもよい。また、第1部材は部品Pを採取する採取部材(ノズル33)であり、第2部材は1以上の採取部材を収容する収容部材(ノズル保管部34)であるものとしてもよい。また、第1部材は基板Sを下方から支持する支持部材(バックアップピン21)であり、第2部材は1以上の支持部材を収容する収容部材(ピン保管部22)であるものとしてもよい。更に、第1部材は実装ヘッド32であり、第2部材は1以上の実装ヘッド32を保管し取り外して移動可能なヘッド保管部としてもよい。そして、移動作業装置が上記いずれかの第2部材を自動着脱し、また、作業者Mも第2部材を着脱するものとする。この場合においても、移動作業装置の作業と作業者Mの作業とに応じてより適切に第1部材及び第2部材を取り扱うことができる。
【0041】
上述した実施形態では、本開示を実装システム10や統括PC16、実装装置15として説明したが、本開示を統括PC16が実行する管理方法や、管理方法を実現するプログラムとしてもよい。
【0042】
ここで、本開示の情報処理装置及び情報処理方法は、以下のように構成してもよい。例えば、本開示の管理装置において、前記管理制御部は、前記解除情報を取得したときには時間のカウントを開始し所定時間内に該当する第2部材の前記回収情報を取得しないときには該第2部材を制限対象に設定し、前記解除情報と該当する第2部材の回収情報とを取得したときには該第2部材を前記制限対象から除外して時間のカウントを行わないものとしてもよい。この管理装置では、時間をカウントすることにより、第1部材と第2部材との組み合わせが変更されない範囲を求めて、制限対象の適正化を図ることができる。この管理装置において、前記管理制御部は、前記所定時間内に該当する前記第2部材が再装着されたときには、該第2部材の使用を許可するものとしてもよい。この管理装置では、再装着された第2部材をより適切に管理することができる。ここで、所定時間は第1部材と第2部材との組み合わせを変更するのに要する時間に基づいて定められているものとしてもよい。
【0043】
本開示の管理装置は、前記第1部材と前記第2部材との対応関係を含む対応情報を記憶した記憶部、を備え、前記管理制御部は、前記装着部に前記第2部材が再装着された情報を取得し、該第2部材が前記制限対象であるときには前記対応情報に基づく該第2部材の使用を許可せず、該第2部材が前記制限対象でないときには前記対応情報に基づく該第2部材の使用を許可するものとしてもよい。この管理装置では、制限対象である第2部材においては、第1部材と第2部材との組み合わせが変更された蓋然性が高いことから、制限対象であるか否かに応じて、対応情報をより適切に取り扱うことができる。ここで、「対応情報に基づく第2部材の使用」とは、「対応情報に含まれる組合わせが有効である前提での第2部材の使用」の趣旨としてもよい。
【0044】
対応情報を記憶する本開示の管理装置において、前記管理制御部は、前記対応情報に基づく該第2部材の使用を許可しないときには、該第2部材と前記第1部材との対応関係を含む前記対応情報を確認する指令を該第2部材が装着された実装関連装置へ出力するものとしてもよい。この管理装置では、対応情報の対応関係を確認するため、対応情報をより適切に取り扱うことができる。
【0045】
本開示の管理装置において、(1)~(4)のうちいずれか1以上を満たすものとしてもよい。例えば、部品とフィーダや、部品とトレイ、採取部材と収容部材、支持部材と収容部材とは、組み合わせて用いられることから、この管理装置では、移動作業装置の作業と作業者の作業とに応じてより適切にこれらの部材を取り扱うことができる。
(1)前記第1部材は部品であり前記第2部材は前記部品を供給するフィーダである。
(2)前記第1部材は部品であり前記第2部材は前記部品を載置するトレイである。
(3)前記第1部材は部品を採取する採取部材であり前記第2部材は1以上の前記採取部材を収容する収容部材である。
(4)前記第1部材は基板を下方から支持する支持部材であり前記第2部材は1以上の前記支持部材を収容する収容部材である。
【0046】
本開示の実装システムは、第1部材と組み合わせて用いられる第2部材を装着する装着部を有し部品を処理対象物に実装する処理に関連する複数の実装関連装置と、前記実装関連装置の間で移動し前記第2部材を前記装着部に自動着脱する移動作業装置と、上述したいずれかに記載の管理装置と、を備えたものである。この実装システムでは、上述した管理装置を備えるため、移動作業装置の作業と作業者の作業とに応じてより適切に第1部材及び第2部材を取り扱うことができる。また、採用した管理装置の態様に応じた効果を奏することができる。
【0047】
本開示の管理方法は、
第1部材と組み合わせて用いられる第2部材を装着する装着部を有し部品を処理対象物に実装する処理に関連する複数の実装関連装置と、前記実装関連装置の間で移動し前記第2部材を前記装着部に自動着脱する移動作業装置とを含む実装システムに用いられる管理方法であって、
(a)前記第2部材が前記実装関連装置の前記装着部から装着解除された解除情報を取得し且つ該第2部材を該装着部から前記移動作業装置が装着解除した回収情報を取得しないときには該第2部材を制限対象として処理するステップと、
(b)前記第2部材が前記実装関連装置の前記装着部から装着解除された解除情報を取得し且つ該第2部材を該装着部から前記移動作業装置が装着解除した回収情報を取得したときには該第2部材を制限対象から除外する処理を実行するステップと、
を含むものである。
【0048】
この管理方法では、上述した管理装置と同様に、解除情報と回収情報とを取得することにより、第2部材が自動着脱されたものであると認識し、制限対象から除外してその後使用できるようにする。したがって、この管理方法では、移動作業装置の作業と作業者の作業とに応じてより適切に第1部材及び第2部材を取り扱うことができる。なお、この管理方法において、上述した管理装置の態様を採用してもよいし、上述した管理装置の機能を発現するステップを含むものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本開示の管理装置、実装システム及び管理方法は、電子部品の実装分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 実装システム、11 印刷装置、12 印刷検査装置、13 保管部、14 ホストPC、15 実装装置、16 統括PC、17 自動搬送車、18 ローダ、19 X軸レール、20 基板支持部、21 バックアップピン、22 ピン保管部、23 基板処理部、24 部品供給部、25 フィーダ、26 実装用装着部、27 バッファ用装着部、30 実装部、31 ヘッド移動部、32 実装ヘッド、33 ノズル、34 ノズル保管部、35 通信部、36 実装制御部、37 CPU、38 記憶部、39 装着状態情報、40 管理制御部、41 CPU、43 記憶部、47 通信部、50 移動制御部、51 CPU、53 記憶部、54 収容部、55 交換部、56 移動部、57 通信部、60 統括制御部、61 CPU、63 記憶部、64 対応情報、65 計時リスト情報、67 通信部、M 作業者、P 部品、S 基板。
図1
図2
図3
図4
図5